(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法
(51)【国際特許分類】
B60M 5/02 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
B60M5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508767
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2022111226
(87)【国際公開番号】W WO2023016467
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110935584.1
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524055171
【氏名又は名称】パン スティーブン ウィーシャン
【氏名又は名称原語表記】PANG, Steven Yuxiang
【住所又は居所原語表記】37 Namsan Close, Fairview Heights Auckland, 0632, New Zealand
(71)【出願人】
【識別番号】524055182
【氏名又は名称】馬 俊
【氏名又は名称原語表記】MA, Jun
【住所又は居所原語表記】Room 1106, Building C3, Yicai New World No. 6, Huacai Street, Fangxing Road, Liwan District Guangzhou, Guangdong 510360, China
(71)【出願人】
【識別番号】524055193
【氏名又は名称】マ デビッド
【氏名又は名称原語表記】MA, David
【住所又は居所原語表記】17 Mariam Close Cherrybrook, New South Wales 2126, Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パン スティーブン ウィーシャン
(72)【発明者】
【氏名】馬 俊
(57)【要約】
本発明は、直流給電式の地下鉄列車に採用される軌道帰線の給電システムに適した、地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流を低減するシステムおよび方法に関する。インダクタ、スーパーキャパシタ、IGBTスイッチ、接触器などで構成される並列接続の接続ブランチを採用し、かつ電流の導通および流れる方向をインテリジェントに制御し、帰線電流の高調波成分を効果的にフィルタリングすることにより、列車のインバータスイッチング回路からの高調波による迷走電流の高調波成分の走行レール自体の外部への漏洩を効果的に低減し、他の施設や装置に対する電気化学的腐食被害の発生を防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
迷走電流の源である走行レール自体の帰線電流の高調波成分に対してフィルタリング方法を採用して実施することを特徴とする、地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法。
【請求項2】
走行レールの物理的なスチールレールが連続的に変化せずに維持されている状態で、インダクタ、スーパーキャパシタ、IGBTスイッチ、接触器で構成される並列接続の接続ブランチを採用し、IGBTスイッチと接触器の接点を制御することにより、スーパーキャパシタを放電させ、並列レールセグメントの順方向の流れを遮断する電圧を形成し、インダクタ、スーパーキャパシタ、IGBTスイッチ、接触器の直列で構成される並列ブランチに電流を強制的に流し、帰線電流の高調波成分を効果的にフィルタリングすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
走行レールの物理的なスチールレールが不連続である状態で、同時にインダクタを並列接続し、帰線電流の高調波成分を効果的にフィルタリングすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくともフィルタ接続ユニット1、フィルタ接続ユニット3を含む複数のフィルタ接続ユニットを有するフィルタモジュールを備え、
前記フィルタ接続ユニット1は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の最後尾の走行レールの腹部に電気的に接続され、走行レールと並列に接続され、前記フィルタ接続ユニット3は、列車5が加速を終えて定速状態に入った時点での走行レールの腹部に電気的に接続され、走行レールと並列に接続されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法を実現するためのシステム。
【請求項5】
前記複数のフィルタ接続ユニットは、列車5が駅ホームに停車する際に列車の先頭の走行レールの腹部に電気的に接続され、走行レールと並列に接続されるフィルタ接続ユニット2をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記フィルタモジュールの複数のフィルタ接続ユニットは、それぞれ走行レールに接続され、互いに接続されていない独立した作動装置であることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記フィルタモジュールの複数のフィルタ接続ユニットは、走行レールの帰線電流の高調波成分を遮断するための少なくとも1つのインダクタをそれぞれ含むことを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記フィルタモジュールの少なくとも1つのフィルタ接続ユニットは、前記フィルタ接続ユニット内で放電して並列レールセグメントの順方向の流れを遮断する電流ループを形成するための少なくとも1つのスーパーキャパシタと、少なくとも1つのスイッチとを含み、前記スーパーキャパシタ、前記スイッチ、および前記インダクタは、直列に接続されることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記フィルタ接続ユニットは、前記スーパーキャパシタを流れる電流の方向を調整するための少なくとも1つの接触器モジュールを有することを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記接触器モジュールは、複数の接触器常開接点および/または接触器常閉接点を含み、前記スーパーキャパシタは、前記複数の接触器常開接点および/または接触器常閉接点と並列および/または直列に接続されることを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記スイッチは、電流の順方向および逆方向の流れを制御し、かつスーパーキャパシタのエネルギー貯蔵および放電時に可能な過電圧、過電流を調整して保護するための双方向導通IGBTスイッチであることを特徴とする、請求項8~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
走行レールの腹部に設けられている絶縁ジョイントを含み、前記フィルタモジュールの少なくとも1つのフィルタ接続ユニットは、前記絶縁ジョイントを介して走行レールの腹部に並列に接続可能であり、前記絶縁ジョイントは、走行レールの電流ループを遮断するために使用されることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流給電式の地下鉄列車に採用される軌道帰線の給電システムに適するものに関し、その技術案は、列車のインバータスイッチング回路からの高調波による迷走電流の高調波成分が走行軌道自体の外部に漏洩することによって、電気化学的腐食が発生して他の施設や装置に被害を及ぼすことを効果的に低減することができる。
【背景技術】
【0002】
【0003】
従来技術は、迷走電流を低減するものであり、走行レールの電位を下げ、直流給電装置及び走行レールの対地絶縁を強化し、迷走電流収集ネットワークを設置して層ごとにシールドし、迷走電流の最初の通路(つまり、道床構造の鉄筋)を利用して第1のシールドネットワークを形成することにより、迷走電流が道床の外部に漏洩することを防ぐこと、トンネル構造の鉄筋を連通して第2のシールドネットワークを形成することにより、迷走電流がトンネルの外部に漏洩し、他の施設に被害を及ぼすことを防ぐことが挙げられるが、これらの対策は、依然として迷走電流の外部漏洩の問題をうまく解決することができない。
【0004】
現在、世界の主要都市の地下鉄における迷走電流の危険状況として、地下鉄周辺に埋設された金属配管、通信ケーブルの外皮、および駅や駅間のトンネルの主要構造における鉄筋、さらには周辺のビルの基礎の鉄筋に電気化学的腐食をもたらすことが挙げられる。このような電気化学的腐食は、金属配管の寿命を縮めるだけでなく、地下鉄の鉄筋コンクリートの主要構造の強度および耐久性を低下させ、大惨事につながることさえあり、これは、世界中の地下鉄の共通の問題である。
【0005】
すでに開通した線路や建設中の新しい線路に直面する場合、実際の迷走電流による腐食の被害状況を変えることはできず、迷走電流の源である走行レール自体のフィルタリングに対しては何らの対策もなく、現在の分析理論はいずれも純粋な直流の概念から分析している。しかし、列車のインバータはIGBTによって構成されるスイッチング回路であり、列車の起動直後の基本波は正弦波に近く、さらに非同期変調から同期変調への制御や同期変調の間に正弦波を高次の矩形波で置き換え、最後に、1つの矩形波で半正弦波を置き換えると、これらの遷移点では異常発振の収束過程が現れるので、同時点で三相が平衡にならず、実測でも同様である。このため、漏洩した迷走電流は直流と交流の2つの成分で構成され、数十キロメートルの長さの走行レールと母線や道床の鉄筋構造ネットワークは、大きなキャパシタンスを形成する。レールはプラスであり、アースはマイナスであり、絶縁が十分行われていたとしても、道床構造の鉄筋に対応する支持軌道の強度要求により、ピッチが小さく、I(迷走電流)=V(軌道)ωCであるため、高調波成分にとって、C値が大きい場合も対地短絡に似ており、かつ迷走電流が次のレベルのシールドネットワークに伝わった後も高調波成分のままで、依然として外部への漏洩を形成する。これが迷走電流の漏洩を制御できない要因である。常用の6両編成列車の帰線電流ピークは3000アンペアにも達し、迷走電流はごく一部を占めるに過ぎないが、その絶対値は依然として小さくなく、迷走電流に含まれる高調波成分の方が危害性が大きい。列車走行後、レールの昇温後、あるいは湿気などの要因(水分が蒸発する)により、レールとレールの基礎の純抵抗が大きくなって迷走電流の直流成分が減少するのに対し、迷走電流の交流成分は変わらない。
【0006】
より効果的な既存の解決方法としては、帰線電流用に第3のレールを使用し、帰線電流が走行レールを通過しないようにする方法があるが、コストが非常に高く、より重要なのは、完成した軌道線路なら一切改造できないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術に存在する欠陥に鑑み、本発明は、走行レール自体に対して実現可能かつ効果的なフィルタリングを初めて行い、レール自体の帰線電流の高調波成分を源から低減し、それによって迷走電流の漏洩を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は以下のような技術案を採用する。
【0009】
地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法であり、迷走電流の源である走行レール自体の帰線電流の高調波成分に対してフィルタリング方法を採用して実施し、走行レールの物理的なスチールレールが連続的に変化せずに維持されている状態で、インダクタ、スーパーキャパシタ、IGBTスイッチ、接触器で構成される並列接続の接続ブランチを用いて、IGBTスイッチと接触器の接点を制御することにより、スーパーキャパシタを放電させ、並列レールセグメントの順方向の流れを遮断する電圧を形成し、インダクタ、スーパーキャパシタ、IGBTスイッチ、接触器の直列で構成される並列ブランチに電流を強制的に流し、帰線電流の高調波成分を効果的にフィルタリングする。走行レールの物理的なスチールレールが不連続である状態では、絶縁ジョイントを採用すると同時にインダクタを並列接続し、帰線電流の高調波成分を効果的にフィルタリングする。
【0010】
地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減するシステムであり、フィルタ接続ユニット1と、フィルタ接続ユニット2(選択的に使用)と、フィルタ接続ユニット3とを含む。
【0011】
前記フィルタ接続ユニット1は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の最後尾の走行レールの腹部に電気的に接続され、走行レールと並列に接続される。
【0012】
ここで、フィルタ接続ユニット1の走行レールの第1の接続線101端は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の最後尾の走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所8の負極端に接続される。フィルタ接続ユニット1の走行レールの第2の接続線102端は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の最後尾の走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所7の負極端に接続され、並列ブランチを形成する。
【0013】
フィルタ接続ユニット2は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の先頭の走行レールの腹部において電気的に接続され、走行レールと並列に接続される。
【0014】
ここで、フィルタ接続ユニット2の走行レールの第1の接続線201端は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の先頭の走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所8の負極端に接続される。フィルタ接続ユニット2の走行レールの第2の接続線202端は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の先頭の走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所7の負極端に接続され、並列ブランチを形成する。
【0015】
フィルタ接続ユニット3は、列車5が加速を終えて定速状態に入った時点での走行レールの腹部に電気的に接続され、走行レールと並列に接続される。
【0016】
ここで、フィルタ接続ユニット3の走行レールの第1の接続線301端は、列車5が加速を終えて定速状態に入った時点での走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所8の負極端に接続される。フィルタ接続ユニット3の走行レールの第2の接続線302端は、列車5が加速を終えて定速状態に入った時点での走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所7の負極端に接続され、並列ブランチを形成する。
【0017】
前記フィルタ接続ユニット1、フィルタ接続ユニット2(選択的に使用)、フィルタ接続ユニット3は、それぞれ走行レールに接続され、互いに接続されていない独立した作動装置である。
【0018】
前記本発明の地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法は、本発明の第1の態様、本発明の第2の態様、本発明の第3の態様、本発明の第4の態様など走行レール自体の帰線電流に対してフィルタリングするための実用的な技術案を含み、これらを実際の状況に応じて選択して応用する。
【0019】
[第1の態様]
本発明の第1の態様は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1(
図3(a)を参照)、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2(選択的に使用、
図4(a)を参照)、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3(
図5(a)を参照)とを含む。
【0020】
前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、走行レールの第1の接続線101端、インダクタL111、スーパーキャパシタC111、接触器常開接点KM111、接触器常閉接点KM112、接触器常開接点KM113、接触器常閉接点KM114、双方向導通IGBTスイッチQ111、走行レールの第2の接続線102端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R111、インダクタL111およびスーパーキャパシタC111の直列内部抵抗R112が含まれている。
【0021】
ここで、走行レールの第1の接続線101端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL111の103端に接続され、インダクタL111の104端は、接触器常開接点KM111の105端に接続され、かつ接触器常閉接点KM114の106端に接続されて並列接続を形成し、接触器常開接点KM111の107端は、スーパーキャパシタC111の正極端108に接続され、さらに接触器常閉接点KM112の109端に接続され、接触器常閉接点KM114の111端は、スーパーキャパシタC111の負極端112に接続され、さらに接触器常開接点KM113の113端に接続され、接触器常閉接点KM112の110端は、双方向導通IGBTスイッチQ111の115端に接続され、かつ接触器常開接点KM113の114端に接続されて並列接続を形成し、双方向導通IGBTスイッチQ111の116端は、走行レールの第2の接続線102端に接続される。
【0022】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R111を含み、走行レールの第1の接続線101端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R111の一端に接続され、走行レールの第2の接続線102端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R111の他端に接続される。
【0023】
前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0024】
上記技術案に加えて、前記インダクタL111の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、スーパーキャパシタC111の機能は、エネルギー貯蔵および放電であり、接触器常開接点KM111、接触器常閉接点KM112、接触器常開接点KM113、接触器常閉接点KM114の機能は、スーパーキャパシタC111を流れる電流の方向を調整することであり、インダクタL111とスーパーキャパシタC111は、直列に接続され、総内部抵抗R112を含み、双方向導通IGBTスイッチQ111は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、電流の順方向と逆方向の流れを制御し、スーパーキャパシタC111のエネルギー貯蔵および放電時に可能な過電圧、過電流を調整して保護することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0025】
前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、走行レールの第1の接続線201端、インダクタL121、スーパーキャパシタC121、接触器常開接点KM121、接触器常閉接点KM122、接触器常開接点KM123、接触器常閉接点KM124、双方向導通IGBTスイッチQ121、走行レールの第2の接続線202端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R121、インダクタL121およびスーパーキャパシタC121の直列内部抵抗R122が含まれている。
【0026】
ここで、走行レールの第1の接続線201端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL121の203端に接続され、インダクタL121の204端は、接触器常開接点KM121の205端に接続され、かつ接触器常閉接点KM124の206端に接続されて並列接続を形成し、接触器常開接点KM121の207端は、スーパーキャパシタC121の正極端208に接続され、さらに接触器常閉接点KM122の209端に接続され、接触器常閉接点KM124の211端は、スーパーキャパシタC121の負極端212に接続され、さらに接触器常開接点KM123の213端に接続され、接触器常閉接点KM122の210端は、双方向導通IGBTスイッチQ121の215端に接続され、かつ接触器常開接点KM123の214端に接続されて並列接続を形成し、双方向導通IGBTスイッチQ121の216端は、走行レールの第2の接続線202端に接続される。
【0027】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R121を含み、走行レールの第1の接続線201端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R121の一端に接続され、走行レールの第2の接続線202端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R121の他端に接続される。
【0028】
前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0029】
上記技術案に加えて、前記インダクタL121の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、スーパーキャパシタC121の機能は、エネルギー貯蔵および放電であり、接触器常開接点KM121、接触器常閉接点KM122、接触器常開接点KM123、接触器常閉接点KM124の機能は、スーパーキャパシタC121を流れる電流の方向を調整することであり、インダクタL121とスーパーキャパシタC121は、直列に接続され、総内部抵抗R122を含み、双方向導通IGBTスイッチQ121は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、電流の順方向と逆方向の流れを制御し、スーパーキャパシタC121のエネルギー貯蔵および放電時に可能な過電圧、過電流を調整して保護することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0030】
前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、走行レールの第1の接続線301端、インダクタL131、スーパーキャパシタC131、双方向導通IGBTスイッチQ131、走行レールの第2の接続線302端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R131、インダクタL131およびスーパーキャパシタC131の直列内部抵抗R132が含まれている。
【0031】
ここで、走行レールの第1の接続線301端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL131の303端に接続され、インダクタL131の304端は、スーパーキャパシタC131の負極端305に接続され、スーパーキャパシタC131の正極端306は、双方向導通IGBTスイッチQ131の307端に接続され、双方向導通IGBTスイッチQ131の308端は、走行レールの第2の接続線302端に接続される。
【0032】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R131を含み、走行レールの第1の接続線301端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R131の一端に接続され、走行レールの第2の接続線302端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R131の他端に接続される。
【0033】
前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0034】
前記インダクタL131の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、スーパーキャパシタC131の機能は、エネルギー貯蔵および放電であり、インダクタL131とスーパーキャパシタC131は、直列に接続され、総内部抵抗R132を含み、双方向導通IGBTスイッチQ131は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、電流の順方向と逆方向の流れを制御し、スーパーキャパシタC131のエネルギー貯蔵および放電時に可能な過電圧、過電流を調整して保護することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。上記技術案に加えて、前記双方向導通IGBTスイッチは、接触器で置き換えることができる。
【0035】
[第2の態様]
本発明の第2の態様は、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット2(選択的に使用)、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット3を含む。
【0036】
【0037】
前記第2の態様のフィルタ接続ユニット1は、走行レールの第1の接続線101端、絶縁ジョイントJ211、インダクタL211、走行レールの第2の接続線102端を含む。そのうち、インダクタL211の内部抵抗R211が含まれている。
【0038】
ここで、前記走行レールの第1の接続線101端は、走行レールの腹部に溶接接続されてインダクタL211の119端に接続され、かつ絶縁ジョイントJ211の117端に接続され、インダクタL211の120端は、走行レールの第2の接続線102端に接続され、同時に走行レールの第2の接続線102端は、絶縁ジョイントJ211の118端に接続される。
【0039】
上記技術案に加えて、前記絶縁ジョイントJ211は、走行レールの非物理的なスチールレールの連続位置に接続され、すなわち、絶縁ジョイントJ211の117端と絶縁ジョイントJ211の118端との間は電気的に絶縁され、走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端との間の電流ループは遮断される。
【0040】
前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0041】
上記技術案に加えて、前記インダクタL211の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0042】
前記第2の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、走行レールの第1の接続線201端、絶縁ジョイントJ221、インダクタL221、走行レールの第2の接続線202端を含む。そのうち、インダクタL221の内部抵抗R221が含まれている。
【0043】
ここで、前記走行レールの第1の接続線201端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL221の219端に接続され、かつ絶縁ジョイントJ221の217端に接続され、インダクタL221の220端は、走行レールの第2の接続線202端に接続され、同時に走行レールの第2の接続線202端は、絶縁ジョイントJ221の218端に接続される。
【0044】
上記技術案に加えて、前記絶縁ジョイントJ221は、走行レールの非物理的なスチールレールの連続位置に接続され、すなわち、絶縁ジョイントJ221の217端と絶縁ジョイントJ221の218端との間は電気的に絶縁され、走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端との間の電流ループは遮断される。
【0045】
前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0046】
上記技術案に加えて、前記インダクタL221の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0047】
前記第2の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、走行レールの第1の接続線301端、絶縁ジョイントJ231、インダクタL231、走行レールの第2の接続線302端を含む。そのうち、インダクタL231の内部抵抗R231が含まれている。
【0048】
ここで、前記走行レールの第1の接続線301端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL231の311端に接続され、かつ絶縁ジョイントJ231の309端に接続され、インダクタL231の312端は、走行レールの第2の接続線302端に接続され、同時に走行レールの第2の接続線302端は、絶縁ジョイントJ231の310端に接続される。
【0049】
上記技術案に加えて、前記絶縁ジョイントJ231は、走行レールの非物理的なスチールレールの連続位置に接続され、すなわち、絶縁ジョイントJ231の309端と絶縁ジョイントJ231の310端との間は電気的に絶縁され、走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端との間の電流ループは遮断される。
【0050】
前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0051】
上記技術案に加えて、前記インダクタL231の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0052】
[本発明の第3の態様]
本発明の第3の態様は、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2(選択的に使用)、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3を含む。
【0053】
【0054】
前記第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、走行レールの第1の接続線101端、インダクタL311、走行レールの第2の接続線102端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R311、インダクタL311の内部抵抗R312が含まれている。
【0055】
ここで、前記走行レールの第1の接続線101端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL311の121端に接続され、インダクタL311の122端は、走行レールの第2の接続線102端に接続される。
【0056】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端との走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R311を含み、走行レールの第1の接続線101端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R311の一端に接続され、走行レールの第2の接続線102端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R311の他端に接続される。
【0057】
前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0058】
上記技術案に加えて、前記インダクタL311の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0059】
前記第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、走行レールの第1の接続線201端、インダクタL321、走行レールの第2の接続線202端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R321、インダクタL321の内部抵抗R322が含まれている。
【0060】
ここで、前記走行レールの第1の接続線201端は、走行レールの腹部に溶接接続されてインダクタL321の221端に接続され、インダクタL321の222端は、走行レールの第2の接続線202端に接続される。
【0061】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R321を含み、走行レールの第1の接続線201端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R321の一端に接続され、走行レールの第2の接続線202端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R321の他端に接続される。
【0062】
前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0063】
上記技術案に加えて、前記インダクタL321の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0064】
前記第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、走行レールの第1の接続線301端、インダクタL331、走行レールの第2の接続線302端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R331、インダクタL331の内部抵抗R332が含まれている。
【0065】
ここで、前記走行レールの第1の接続線301端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL331の313端に接続され、インダクタL331の314端は、走行レールの第2の接続線302端に接続される。
【0066】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R331を含み、走行レールの第1の接続線301端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R331の一端に接続され、走行レールの第2の接続線302端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R331の他端に接続される。
【0067】
前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0068】
上記技術案に加えて、前記インダクタL331の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0069】
[本発明の第4の態様]
本発明の第4の態様は、前記本発明の第1の態様に基づき、前記本発明の第3の態様を組み合わせて構成され、複合した応用である。
【0070】
【0071】
前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、依然として走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端と走行レールとの溶接接続によって第1の並列ブランチを形成し、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1の周囲に設けられ、走行レールの第3の接続線141端と走行レールの第4の接続線142端と走行レールとの溶接接続によって形成され、インダクタL411(内部抵抗R413を含む)と走行レールの第4の接続線142端との間には、双方向導通IGBTスイッチQ411が追加され、第2の並列ブランチを形成する。
【0072】
ここで、前記走行レールの第3の接続線141端は、インダクタL411の143端に接続され、インダクタL411の144端は、双方向導通IGBTスイッチQ411の145端に接続され、双方向導通IGBTスイッチQ411の146端は、走行レールの第4の接続線142端に接続される。
【0073】
前記走行レールの第3の接続線141端と走行レールの第4の接続線142端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0074】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第3の接続線141端と走行レールの第4の接続線142端との間は、依然として物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R411、走行レール並列セグメントの内部抵抗R412を含む。
【0075】
上記技術案に加えて、前記双方向導通IGBTスイッチQ421は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1内のスーパーキャパシタC111が充電される場合、スイッチ自体をオフに制御することにより、走行レール並列セグメントの内部抵抗R111セグメント内に形成される電圧でキャパシタC111が充電されることである。
【0076】
前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、依然として走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端と走行レールとの溶接接続によって第1の並列ブランチを形成し、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、第1の態様のフィルタ接続ユニット2の周囲に設けられ、走行レールの第3の接続線241端と走行レールの第4の接続線242端と走行レールとの溶接接続によって形成され、インダクタL421(内部抵抗R423を含む)と走行レールの第4の接続線242端との間には、双方向導通IGBTスイッチQ421が追加され、第2の並列ブランチを形成する。
【0077】
ここで、前記走行レールの第3の接続線241端は、インダクタL421の243端に接続され、インダクタL421の244端は、双方向導通IGBTスイッチQ421の245端に接続され、双方向導通IGBTスイッチQ421の246端は、走行レールの第4の接続線242端に接続される。
【0078】
前記走行レールの第3の接続線241端と走行レールの第4の接続線242端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0079】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第3の接続線241端と走行レールの第4の接続線242端との間は、依然として物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R421、走行レール並列セグメントの内部抵抗R422を含む。
【0080】
上記技術案に加えて、前記双方向導通IGBTスイッチQ421は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2内のスーパーキャパシタC121が充電される場合、スイッチ自体をオフに制御することにより、走行レール並列セグメントの内部抵抗R121セグメント内に形成される電圧でキャパシタC121が充電されることである。
【0081】
前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、依然として走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端と走行レールとの溶接接続によって第1の並列ブランチを形成し、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、第1の態様のフィルタ接続ユニット3の周囲に設けられ、走行レールの第3の接続線341端と走行レールの第4の接続線342端と走行レールとの溶接接続によって形成され、インダクタL431(内部抵抗R433を含む)と走行レールの第4の接続線342端との間には、双方向導通IGBTスイッチQ431が追加され、第2の並列ブランチを形成する。
【0082】
ここで、前記走行レールの第3の接続線341端は、インダクタL431の343端に接続され、インダクタL431の344端は、双方向導通IGBTスイッチQ431の345端に接続され、双方向導通IGBTスイッチQ431の346端は、走行レールの第4の接続線342端に接続される。
【0083】
前記走行レールの第3の接続線341端と走行レールの第4の接続線342端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0084】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第3の接続線341端と走行レールの第4の接続線342端との間は、依然として物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R431、走行レール並列セグメントの内部抵抗R432を含む。
【0085】
上記技術案に加えて、前記双方向導通IGBTスイッチQ431は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3においてスーパーキャパシタC131が充電される場合、スイッチ自体をオフに制御することにより、キャパシタC131が走行レール並列セグメントの内部抵抗R131セグメント内に形成される電圧の下で充電されるようにすることである。上記技術案に加えて、前記双方向導通IGBTスイッチは、接触器で置き換えることができる。
【発明の効果】
【0086】
本発明は、世界の鉄道業界において、迷走電流の源である走行レール自体の帰線電流に対するフィルタリング方法を初めて採用して実施するものであり、地下鉄構造鉄筋および周辺の埋設金属配管、通信ケーブル外皮、さらには周辺建築群の基礎コンクリートにおける鉄筋の耐用寿命を大幅に延長することができ、これによりそれらの安全信頼性を向上させ、多大な経済、社会効果および世界的な市場拡大をもたらす。このうち、本発明の第1の態様、第3の態様、第4の態様に記載の技術案は、既存の物理的な連続軌道の現状を維持し、運行中の線路を一切改造する必要がなく、使用コストを大幅に低減することができる。
【0087】
列車が起動すると、架線は列車に電力を供給し、列車は車輪を介して走行レールに帰線電流を出力し、列車が移動しているため、列車の牽引電流も車輪の帰線電流出力端を介して移動している。列車は、静止区間から加速区間までいずれもフィルタ接続ユニット1、フィルタ接続ユニット2、フィルタ接続ユニット3の範囲内にある場合、本発明で使用する技術は、走行レール自体に対してフィルタリング対策を施し、迷走電流の高調波成分を減少させることにより、列車の加速過程全体で出力される帰線電流の高調波成分をフィルタリングするものであるが、前記フィルタ接続ユニット1からフィルタ接続ユニット3までの範囲外では、迷走電流の高調波成分が最小限に抑えられ、フィルタ接続ユニット2の設置は、列車が同期変調に入った際に、帰線電流の高調波成分が迷走電流を形成して駅に与える影響を減少させるためである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
本発明は、以下のような図面を有する。
【
図1】従来の迷走電流防止に係る発明の構造概略図である。
【
図2(a)】地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する本発明の方法のシステムの構造概略図である。
【
図2(b)】列車が入構して電気制動される際の本発明の概略図である。
【
図2(c)】列車が走行を開始する際の本発明の概略図である。
【
図2(d)】列車が加速して定速状態に入る前の本発明の概略図である。
【
図3(a)】本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1の構造概略図である。
【
図3(b)】列車入構電気制動時に本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
【
図3(c)】列車が走行を開始してから加速を終えて定速状態に入るまでに本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
【
図4(a)】本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2の構造概略図である。
【
図4(b)】列車入構電気制動時に本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
【
図4(c)】列車走行開始時に本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
【
図4(d)】列車が加速して定速状態に入る前に本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
【
図5(a)】本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3の構造概略図である。
【
図5(b)】列車入構電気制動時に本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
【
図5(c)】列車が走行を開始してから加速を終えて定速状態に入るまでに本発明の第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
【
図6(a)】本発明の第2の態様に係るユニットの構造概略図である。
【
図6(b)】列車走行開始時の本発明の第2の態様に係る全ての接続ユニットの電流の流れを示す図である。
【
図6(c)】列車が加速して定速状態に入る前の本発明の第2の態様に係る全ての接続ユニットの電流の流れを示す図である。
【
図7(a)】本発明の第3の態様に係る接続ユニットの構造概略図である。
【
図7(b)】列車走行開始時の本発明の第3の態様に係る全ての接続ユニットの電流の流れを示す図である。
【
図7(c)】列車が加速して定速状態に入る前の本発明の第3の態様に係る全ての接続ユニットの電流の流れを示す図である。
【
図8】本発明の第4の態様に係る接続ユニットの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本発明をより具体的に説明するために、以下、図面および具体的な実施形態を参照して本発明の技術案をさらに詳細に説明する。なお、以下の説明は、例示的な説明に過ぎず、本発明の範囲及び用途を制限することを意図するものではない。
【0090】
本発明は、迷走電流の源である走行レール自体の帰線電流の高調波成分に対してフィルタリング方法を採用して実施し、走行レールの物理的なスチールレールが連続的に変化せずに維持されている状態で、インダクタ、スーパーキャパシタ、IGBTスイッチ、接触器で構成される並列接続の接続ブランチを用いて、IGBTスイッチと接触器の接点を制御することにより、スーパーキャパシタを放電させ、並列レールセグメントの順方向の流れを遮断する電圧を形成し、インダクタ、スーパーキャパシタ、IGBTスイッチ、接触器の直列で構成される並列ブランチに電流を強制的に流し、帰線電流の高調波成分を効果的にフィルタリングする。走行レールの物理的なスチールレールが不連続である状態では、絶縁ジョイントを採用すると同時にインダクタを並列接続し、帰線電流の高調波成分を効果的にフィルタリングする。
【0091】
図2(a)は、本発明に係る地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法のシステムの構造概略図であり、フィルタ接続ユニット1、フィルタ接続ユニット2(選択的に使用)、フィルタ接続ユニット3を含む。
【0092】
前記フィルタ接続ユニット1は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の最後尾の走行レールの腹部に電気的に接続され、走行レールと並列に接続される。
【0093】
ここで、フィルタ接続ユニット1の走行レールの第1の接続線101端は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の最後尾の走行レールにおいてレールに接続され、走行レールを介して変電所8の負極端に接続される。フィルタ接続ユニット1の走行レールの第2の接続線102端は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の最後尾の走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所7の負極端に接続され、並列ブランチを形成する。
【0094】
フィルタ接続ユニット2は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の先頭の走行レールの腹部において電気的に接続され、走行レールと並列に接続される。
【0095】
ここで、フィルタ接続ユニット2の走行レール第1の接続線201端は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の先頭の走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所8の負極端に接続される。フィルタ接続ユニット2の走行レール第2の接続線202端は、列車5が駅ホームに停車する際に列車の先頭の走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所7の負極端に接続され、並列ブランチを形成する。
【0096】
フィルタ接続ユニット3は、列車5が加速を終えて定速状態に入った時点での走行レールの腹部に電気的に接続され、走行レールと並列に接続される。
【0097】
ここで、フィルタ接続ユニット3の走行レールの第1の接続線301端は、列車5が加速を終えて定速状態に入った時点での走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所8の負極端に接続され、フィルタ接続ユニット3の走行レールの第2の接続線302端は、列車5が加速を終えて定速状態に入った時点での走行レールにおいて走行レールに接続され、走行レールを介して変電所7の負極端に接続され、並列ブランチを形成する。
【0098】
図2(a)に示すように、前記フィルタ接続ユニット1、フィルタ接続ユニット2(選択的に使用)、フィルタ接続ユニット3は、それぞれ走行レールに接続され、互いに接続されていない独立した作動装置である。
【0099】
列車が起動すると、
図2(a)に示すように、架線4は列車5に電力を供給し、列車5は車輪6を介して走行レールに帰線電流を出力し、列車が移動しているため、列車5の牽引電流も車輪6の帰線電流出力端を介して移動している。列車が静止区間から加速区間までいずれもフィルタ接続ユニット1、フィルタ接続ユニット2、フィルタ接続ユニット3の範囲内にある場合、本発明で使用される技術は、走行レール自体に対してフィルタリング対策を施し、迷走電流の高調波成分を減少させることにより、列車5の加速過程全体で出力される帰線電流の高調波成分をフィルタリングするものであるが、前記フィルタ接続ユニット1からフィルタ接続ユニット3までの範囲外では、迷走電流の高調波成分が最小限に抑えられ、フィルタ接続ユニット2の設置は、列車が同期変調に入った際に、帰線電流の高調波成分による迷走電流の駅への影響を減少させるためである。
【0100】
図2(b)は、列車が入構して電気制動される際の本発明の概略図である。列車5がホームに入って電気的に制動される場合、そのトラクションモータは発電機の状態にあり、この場合、電流I
11は、変電所7の負極端から走行レールを介して列車車輪6へ流れ、この電流は、スイッチング回路によって形成されたものではなく、高調波が極めて小さいので、フィルタリング方法は採用されず、電流I
11は、本発明のフィルタ接続ユニット3、フィルタ接続ユニット2、フィルタ接続ユニット1、車輪6を経て列車5に入るように流れる。
【0101】
図2(c)は、列車が走行を開始する際の本発明の概略図である。列車5が走行を開始して駅ホームから離れると、トラクションモータは電動機の状態にあり、この場合、帰線電流I
12は、列車5から車輪6を介して出力され、走行レールを介して変電所7の負極端へ流れ、本発明のフィルタ接続ユニット2、フィルタ接続ユニット3を経て変電所7の負極端に至り、同時に帰線電流I
13は、列車5から車輪6を介して出力され、走行レールを介して変電所8の負極端へ流れ、本発明のフィルタ接続ユニット1を経て変電所8の負極端に至る。
【0102】
図2(d)は、列車が加速して定速状態に入る前の本発明の概略図である。加速して定速状態に入る前に、その位置は、本発明のフィルタ接続ユニット3に接近しつつあり、この場合、帰線電流I
12は、列車5から車輪6を介して出力され、走行レールを介して変電所7の負極端へ流れ、本発明のフィルタ接続ユニット3を経て変電所7の負極端に至り、同時に帰線電流I
13は、列車5から車輪6を介して出力され、走行レールを介して変電所8の負極端へ流れ、本発明のフィルタ接続ユニット2、フィルタ接続ユニット1を経て変電所8の負極端に至る。
【0103】
[本発明の第1の態様]
本発明の第1の態様は、
図2(a)に示すように、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2(選択的に使用)、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3を含む。
【0104】
図3(a)に示すように、前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、走行レールの第1の接続線101端、インダクタL
111、スーパーキャパシタC
111、接触器常開接点KM
111、接触器常閉接点KM
112、接触器常開接点KM
113、接触器常閉接点KM
114、双方向導通IGBTスイッチQ
111、走行レールの第2の接続線102端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R
111、インダクタL
111およびスーパーキャパシタC
111の直列内部抵抗R
112が含まれている。
【0105】
ここで、走行レールの第1の接続線101端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL111の103端に接続され、インダクタL111の104端は、接触器常開接点KM111の105端に接続され、かつ接触器常閉接点KM114の106端に接続されて並列接続を形成し、接触器常開接点KM111の107端は、スーパーキャパシタC111の正極端108に接続され、さらに接触器常閉接点KM112の109端に接続され、接触器常閉接点KM114の111端は、スーパーキャパシタC111の負極端112に接続され、さらに接触器常開接点KM113の113端に接続され、接触器常閉接点KM112の110端は、双方向導通IGBTスイッチQ111の115端に接続され、かつ接触器常開接点KM113の114端に接続されて並列接続を形成し、双方向導通IGBTスイッチQ111の116端は、走行レールの第2の接続線102端に接続される。
【0106】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R111を含み、走行レールの第1の接続線101端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R111の一端に接続され、走行レールの第2の接続線102端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R111の他端に接続される。
【0107】
前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0108】
上記技術案に加えて、前記インダクタL111の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、スーパーキャパシタC111の機能は、エネルギー貯蔵および放電であり、接触器常開接点KM111、接触器常閉接点KM112、接触器常開接点KM113、接触器常閉接点KM114は、スーパーキャパシタC111を流れる電流の方向を調整することであり、インダクタL111とスーパーキャパシタC111は直列に接続され、総内部抵抗R112を含み、双方向導通IGBTスイッチQ111は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、電流の順方向と逆方向の流れを制御し、スーパーキャパシタC111のエネルギー貯蔵および放電時に可能な過電圧、過電流を調整して保護することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0109】
図4(a)に示すように、前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、走行レールの第1の接続線201端、インダクタL
121、スーパーキャパシタC
121、接触器常開接点KM
121、接触器常閉接点KM
122、接触器常開接点KM
123、接触器常閉接点KM
124、双方向導通IGBTスイッチQ
121、走行レールの第2の接続線202端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R
121、インダクタL
121およびスーパーキャパシタC
121の直列内部抵抗R
122が含まれている。
【0110】
ここで、走行レールの第1の接続線201端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL121の203端に接続され、インダクタL121の204端は、接触器常開接点KM121の205端に接続され、かつ接触器常閉接点KM124の206端に接続されて並列接続を形成し、接触器常開接点KM121の207端は、スーパーキャパシタC121の正極端208に接続され、さらに接触器常閉接点KM122の209端に接続され、接触器常閉接点KM124の211端は、スーパーキャパシタC121の負極端212に接続され、さらに接触器常開接点KM123の213端に接続され、接触器常閉接点KM122の210端は、双方向導通IGBTスイッチQ121の215端に接続され、かつ接触器常開接点KM123の214端に接続されて並列接続を形成し、双方向導通IGBTスイッチQ121の216端は、走行レールの第2の接続線202端に接続される。
【0111】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R121を含み、走行レールの第1の接続線201端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R121の一端に接続され、走行レールの第2の接続線202端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R121の他端に接続される。
【0112】
前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0113】
上記技術案に加えて、前記インダクタL121の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、スーパーキャパシタC121の機能は、エネルギー貯蔵および放電であり、接触器常開接点KM121、接触器常閉接点KM122、接触器常開接点KM123、接触器常閉接点KM124の機能は、スーパーキャパシタC121を流れる電流の方向を調整することであり、インダクタL121とスーパーキャパシタC121は直列に接続され、総内部抵抗R122を含み、双方向導通IGBTスイッチQ121は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、電流の順方向と逆方向の流れを制御し、スーパーキャパシタC121のエネルギー貯蔵および放電時に可能な過電圧、過電流を調整して保護することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0114】
図5(a)に示すように、前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、走行レールの第1の接続線301端、インダクタL
131、スーパーキャパシタC
131、双方向導通IGBTスイッチQ
131、走行レールの第2の接続線302端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R
131、インダクタL
131およびスーパーキャパシタC
131の直列内部抵抗R
132が含まれている。
【0115】
ここで、走行レールの第1の接続線301端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL131の303端に接続され、インダクタL131の304端は、スーパーキャパシタC131の負極端305に接続され、スーパーキャパシタC131の正極端306は、双方向導通IGBTスイッチQ131の307端に接続され、双方向導通IGBTスイッチQ131の308端は、走行レールの第2の接続線302端に接続される。
【0116】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R131を含み、走行レールの第1の接続線301端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R131の一端に接続され、走行レールの第2の接続線302端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R131の他端に接続される。
【0117】
前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0118】
上記技術案に加えて、前記インダクタL131の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、スーパーキャパシタC131の機能は、エネルギー貯蔵および放電であり、インダクタL131とスーパーキャパシタC131は、直列に接続され、総内部抵抗R132を含み、双方向導通IGBTスイッチQ131は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、電流の順方向と逆方向の流れを制御し、スーパーキャパシタC131のエネルギー貯蔵および放電時に可能な過電圧、過電流を調整して保護することであり、ユニット全体は、少数のケーブルによって接続される。上記技術案に加えて、前記双方向導通IGBTスイッチは、接触器で置き換えることができる。
【0119】
[実施の形態]
前記地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法において、本発明の第1の態様の実施の形態は以下の通りである。
【0120】
図3(b)は、列車入構電気制動時に第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
図2(b)に示すように、列車5がホームに入って電気的に制動される場合、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1において、双方向導通IGBTスイッチQ
111が回路をオンにすると同時に、接触器常閉接点KM
112と接触器常閉接点KM
114がオンになり、接触器常開接点KM
111と接触器常開接点KM
113がオフになり、電流I
11の分岐電流I
111は、走行レールの第2の接続線102端を経てスーパーキャパシタC
111の正極端に至り、さらにスーパーキャパシタC
111負極端を経てインダクタL
111(インダクタL
111とスーパーキャパシタC
111の内部抵抗R
112を含む)を経て走行レールの第1の接続線101端に至った後、電流I
11に戻って車輪6へと流れ、同時に走行レール並列セグメントの内部抵抗R
111において形成される電圧でスーパーキャパシタC
111が充電され、満充電後または列車5が第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1に到着した際に、双方向導通IGBTスイッチQ
111は回路をオフにする。
【0121】
図3(c)は、列車が走行を開始してから加速を終えて定速状態に入るまでに第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
図2(c)、
図2(d)に示すように、列車5が走行を開始し、駅ホームから離れて加速する場合、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1において、双方向導通IGBTスイッチQ
111は回路をオンにし、同時に接触器常開接点KM
111と接触器常開接点KM
113がオンになり、接触器常閉接点KM
112と接触器常閉接点KM
114がオフになり、満充電されたスーパーキャパシタC
111から放出する電流I
130は、正極端からインダクタL
111、走行レールの第1の接続線101端、内部抵抗R
111を含む走行レール並列セグメント、走行レールの第2の接続線102端を経てスーパーキャパシタC
111負極端に至って回路を形成して(インダクタL
111とスーパーキャパシタC
111の内部抵抗R
112を含む)電圧を形成し、内部抵抗R
111を含む走行レールの並列セグメントへの帰線電流I
13の流れを遮断し、帰線電流I
13を、走行レールの第2の接続線102端、スーパーキャパシタC
111、インダクタL
111、走行レールの第1の接続線101端の並列ブランチに強制的に流し、インダクタL
111によって帰線電流I
13の高調波成分をフィルタリングし、その後、帰線電流I
13は、走行レールの第1の接続線101端から変電所8の負極端へ流れるが、I
130は、前記並列ブランチを繰り返し流れる。列車5が加速を終えて定速状態に入ると、双方向導通IGBTスイッチQ
111は回路をオフにし、ユニット内の全ての接触器触点がリセットされる。
【0122】
図4(b)は、列車入構電気制動時に第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
図2(b)に示すように、列車5がホームに入って電気的に制動される場合、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2において、双方向導通IGBTスイッチQ
121は回路をオンにし、同時に接触器常閉接点KM
122と接触器常閉接点KM
124がオンになり、接触器常開接点KM
121と接触器常開接点KM
123がオフになり、電流I
11から分岐した電流I
112は、走行レールの第2の接続線202端からスーパーキャパシタC
121の正極端に至り、さらにスーパーキャパシタC
121負極端からインダクタL
121(インダクタL
121とスーパーキャパシタC
121の内部抵抗R
122を含む)を経て走行レールの第1の接続線201端に至った後、電流I
11に戻って車輪6へ流れ、同時に走行レール並列セグメントの内部抵抗R
121において形成される電圧の下で、スーパーキャパシタC
121が充電され、満充電後に双方向導通IGBTスイッチQ
121は回路をオフにする。
【0123】
図4(c)は、列車走行開始時に第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
図2(c)に示すように、列車5が起動して駅ホームから離れると、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2において、双方向導通IGBTスイッチQ
121は回路をオンにし、同時に接触器常閉接点KM
122と接触器常閉接点KM
124がオンになり、接触器常開接点KM
121と接触器常開接点KM
123がオフになり、スーパーキャパシタC
121から放出する電流I
120は、正極端から走行レールの第2の接続線202端、内部抵抗R121を含む走行レール並列セグメント、走行レールの第1の接続線201端、インダクタL
121を経てスーパーキャパシタC
121負極端に至って回路を形成して(インダクタL
121とスーパーキャパシタC
121の内部抵抗R
122を含む)電圧を形成し、内部抵抗R
121を含む走行レール並列セグメントへの帰線電流I
12の流れを遮断し、帰線電流I
12を、走行レールの第1の接続線201端、インダクタL
121、スーパーキャパシタC
121、走行レールの第2の接続線202端の並列ブランチに強制的に流し、インダクタL
121によって帰線電流I
12の高調波成分をフィルタリングし、その後、帰線電流I
12は、走行レールの第2の接続線202端から変電所7の負極端へ流れるが、I
120は、前記並列ブランチを繰り返し流れる。列車5が第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2の位置まで加速すると、双方向導通IGBTスイッチQ
121はオフになる。
【0124】
図4(d)は、列車が加速して定速状態に入る前に第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
図2(d)に示すように、列車5が起動して加速した後、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2の位置する場所を超えると、レールの帰線電流方向は、
図2(c)に示す方向と逆になり、この場合、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2において、接触器常開接点KM
121と接触器常開接点KM
123がオンになり、接触器常閉接点KM
122と接触器常閉接点KM
124がオフになり、極短い時間差の後に、双方向導通IGBTスイッチQ
121は回路をオンにし、スーパーキャパシタC
121から放出する電流I
131は、正極端からインダクタL
121、走行レールの第1の接続線201端、内部抵抗R
121を含む走行レール並列セグメント、走行レールの第2の接続線202端を経てスーパーキャパシタC
121負極端に至って回路を形成して(インダクタL
121とスーパーキャパシタC
121の内部抵抗R
122を含む)電圧を形成し、内部抵抗R
121を含む走行レール並列セグメントへの帰線電流I
13の流れを遮断し、帰線電流I
13を、走行レールの第2の接続線202端、スーパーキャパシタC
121、インダクタL
121、走行レールの第1の接続線201端の並列ブランチに強制的に流し、インダクタL
121によって帰線電流I
13の高調波成分をフィルタリングし、その後、帰線電流I
13は、走行レールの第1の接続線201端から変電所8の負極端へ流れるが、I
131は、前記並列ブランチを繰り返し流れる。列車5が加速を終えて定速状態に入ると、双方向導通IGBTスイッチQ
121は回路をオフにし、ユニット内の全ての接触器触点がリセットされる。
【0125】
図5(b)は、列車入構電気制動時に第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
図2(b)に示すように、列車5がホームに入って電気的に制動される場合、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3において、双方向導通IGBTスイッチQ
131は、回路をオンにし、電流I
11から分岐した電流I
113は、走行レールの第2の接続線302端からスーパーキャパシタC
131の正極端に至り、さらにスーパーキャパシタC
131負極端からインダクタL
131(インダクタL
131とスーパーキャパシタC
131の内部抵抗R
132を含む)を経て走行レールの第1の接続線301端に至った後、電流I
11に戻って車輪6へ流れ、同時に走行レール並列セグメントの内部抵抗R
131において形成される電圧の下で、スーパーキャパシタC
131が充電され、満充電後に双方向導通IGBTスイッチQ
131は、回路をオフにする。
【0126】
図5(c)は、列車が走行を開始してから加速を終えて定速状態に入るまでに第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3がスイッチオンされた場合の電流の流れを示す図である。
図2(c)、
図2(d)に示すように、列車5が起動して駅ホームから離れて加速する場合、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3において、双方向導通IGBTスイッチQ
131は回路をオンにし、満充電後のスーパーキャパシタC
131は、電流I
121を開放し、正極端から走行レールの第2の接続線302端、内部抵抗R
131を含む走行レール並列セグメント、走行レールの第1の接続線301端、インダクタL
131を経てスーパーキャパシタC
131負極端に至って回路を形成して(インダクタL
131とスーパーキャパシタC
131の内部抵抗R
132を含む)電圧を形成し、内部抵抗R
131を含む走行レール並列セグメントへの帰線電流I
12の流れを遮断し、帰線電流I
12を、走行レールの第1の接続線201端、インダクタL
121、スーパーキャパシタC
121、走行レールの第2の接続線302端の並列ブランチに強制的に流し、インダクタL
131によって帰線電流I
12の高調波成分をフィルタリングし、その後、帰線電流I
12は、走行レールの第2の接続線302端から変電所7の負極端へ流れるが、I
121は、前記並列ブランチを繰り返し流れる。列車5が加速を終えて定速状態に入ると、双方向導通IGBTスイッチQ
111は回路をオフにする。
【0127】
地下鉄の列車間隔は約2分以上であり、後続の第2の列車が列車5の入構電気制動を繰り返すと、
図2(b)に示すように、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、上述した充電過程を繰り返す。
【0128】
列車5が
図2(c)、
図2(d)に示すように起動して駅ホームから離れて加速することを第2の列車が繰り返すと、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、上述したフィルタリング過程を繰り返す。
【0129】
インダクタとスーパーキャパシタンスのパラメータを選択する際に、共振の発生を回避する必要がある。
【0130】
制御チップによって、全てのユニット内の全ての双方向導通IGBTスイッチと全ての接触器接点をインテリジェント制御し、スーパーキャパシタの電流の方向の変化を調整して制御し、その可能な過電圧、過電流をも保護する。
【0131】
いずれかのユニットの任意なる並列ブランチ内のインダクタ、スーパーキャパシタが故障した場合、このユニットの双方向IGBTスイッチは、直ちに回路をオフにし、本発明の使用前の状態に戻し、列車の運行に一切影響を与えない。
【0132】
[本発明の第2の態様]
図6(a)に示す本発明の第2の態様は、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット2(選択的に使用)、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット3を含む。
【0133】
図6(a)に示すように、前記第2の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、走行レールの第1の接続線101端、絶縁ジョイントJ
211、インダクタL
211、走行レールの第2の接続線102端を含む。そのうち、インダクタL
211の内部抵抗R
211が含まれている。
【0134】
ここで、前記走行レールの第1の接続線101端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL211の119端に接続され、かつ絶縁ジョイントJ211の117端に接続され、インダクタL211の120端は、走行レールの第2の接続線102端に接続され、同時に走行レールの第2の接続線102端は、絶縁ジョイントJ211の118端に接続される。
【0135】
上記技術案に加えて、前記絶縁ジョイントJ211は、走行レールの非物理的なスチールレールの連続位置に接続され、すなわち、絶縁ジョイントJ211の117端と絶縁ジョイントJ211の118端との間は電気的に絶縁され、走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端との間の電流ループは遮断される。
【0136】
前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0137】
上記技術案に加えて、前記インダクタL211の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0138】
図6(a)に示すように、前記第2の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、走行レールの第1の接続線201端、絶縁ジョイントJ
221、インダクタL
221、走行レールの第2の接続線202端を含む。そのうち、インダクタL
221の内部抵抗R
221が含まれている。
【0139】
ここで、前記走行レールの第1の接続線201端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL221の219端に接続され、かつ絶縁ジョイントJ221の217端に接続され、インダクタL221の220端は、走行レールの第2の接続線202端に接続され、同時に走行レールの第2の接続線202端は、絶縁ジョイントJ221の218端に接続される。
【0140】
上記技術案に加えて、前記絶縁ジョイントJ221は、走行レールの非物理的なスチールレールの連続位置に接続され、すなわち、絶縁ジョイントJ221の217端と絶縁ジョイントJ221の218端との間は電気的に絶縁され、走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端との間の電流ループは遮断される。
【0141】
前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0142】
上記技術案に加えて、前記インダクタL221の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0143】
図6(a)に示すように、前記第2の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、走行レールの第1の接続線301端、絶縁ジョイントJ
231、インダクタL
231、走行レールの第2の接続線302端を含む。そのうち、インダクタL
231の内部抵抗R
231が含まれている。
【0144】
ここで、前記走行レールの第1の接続線301端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL231の311端に接続され、かつ絶縁ジョイントJ231の309端に接続され、インダクタL231の312端は、走行レールの第2の接続線302端に接続され、同時に走行レールの第2の接続線302端は、絶縁ジョイントJ231の310端に接続される。
【0145】
上記技術案に加えて、前記絶縁ジョイントJ231は、走行レールの非物理的なスチールレールの連続位置に接続され、すなわち、絶縁ジョイントJ231の309端と絶縁ジョイントJ231の310端との間は電気的に絶縁され、走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端との間の電流ループは遮断される。
【0146】
前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0147】
上記技術案に加えて、前記インダクタL231の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0148】
[実施の形態]
前記地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法において、本発明の第2の態様の実施の形態は以下の通りである。
【0149】
帰線電流の高調波成分=V・ω・Cによれば、本発明の第2の態様に係る全ての絶縁ジョイントにおけるキャパシタ(C)は極めて小さく、絶縁ポイントを流れる高調波成分も極めて小さい。
【0150】
図6(b)は、列車走行開始時の第2の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット2、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット3の電流の流れを示す図である。
図2(c)に示すように、列車5が起動して駅ホームから離れると、帰線電流I
13は、車輪6を介して走行レールに帰線電流を出力して変電所8の負極端へ流れ、この場合、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット1の走行レールにおける絶縁ジョイントJ
211は、帰線電流I
13を遮断し、I
13の大半は、走行レールの第2の接続線102端、インダクタL
211(その内部抵抗R
211を含む)、走行レールの第1の接続線101端の並列ブランチを経た後、変電所8の負極端へ流れ、この過程では、インダクタL
211によって帰線電流I
13の高調波成分をフィルタリングする。
【0151】
帰線電流I12は、車輪6を介して走行レールに帰線電流を出力して変電所7の負極端へ流れ、この場合、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット2の走行レールにおける絶縁ジョイントJ221は、帰線電流I12を遮断し、I12の大半は、走行レールの第1の接続線201端、インダクタL221(その内部抵抗R221を含む)、走行レールの第2の接続線202端の並列ブランチを経た後、変電所7の負極端へ流れ、この過程では、インダクタL221によって帰線電流I12の高調波成分をフィルタリングする。この場合、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット3の走行レールにおける絶縁ジョイントJ231も帰線電流I12に対して遮断し、I12の大半は、走行レールの第1の接続線301端、インダクタL231(その内部抵抗R231を含む)、走行レールの第2の接続線302端の並列ブランチを経た後、変電所7の負極端へ流れ、この過程では、インダクタL231によって帰線電流I12の高調波成分をフィルタリングする。
【0152】
図6(c)は、列車が加速して定速状態に入る前の第2の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット2、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット3の電流の流れを示す図である。
図2(d)に示すように、列車5が起動して加速した後に、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット2の位置する場所を超える場合、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット2の走行レールにおける絶縁ジョイントJ
221は、帰線電流I
13を遮断し、帰線電流I
13の大半は、走行レールの第2の接続線202端、インダクタL
221(その内部抵抗R
221を含む)、走行レールの第1の接続線201端の並列ブランチを経た後、変電所8の負極端へ流れ、この過程では、インダクタL
221によって帰線電流I
13の高調波成分をフィルタリングする。
【0153】
この場合、第2の態様に係るフィルタ接続ユニット1、フィルタ接続ユニット3のフィルタリング方法は、
図6(b)に示すようにそのまま維持される。
【0154】
本発明の第2の態様に係る全てのユニットは、高いインダクタンスを有するインダクタ装置を使用することによって、フィルタ効果を向上させることができる。
【0155】
列車を衝撃なく円滑に走行させ、列車の快適性を確保するために、従来の軌道はいずれも物理的なスチールレールの連続軌道を採用しており、絶縁ポイントの設置は、必然的に若干の衝撃を与え、運行中の線路の改造に少なからず作業負担をもたらし、かつ日常的なメンテナンスコストを増やしてしまう。
【0156】
[本発明の第3の態様]
図7(a)に示す本発明の第3の態様は、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2(選択的に使用)、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3を含む。
【0157】
図7(a)に示すように、前記第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、走行レールの第1の接続線101端、インダクタL
311、走行レールの第2の接続線102端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R
311、インダクタL
311の内部抵抗R
312が含まれている。
【0158】
ここで、前記走行レールの第1の接続線101端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL311の121端に接続され、インダクタL311の122端は、走行レールの第2の接続線102端に接続される。
【0159】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端との走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R311を含み、走行レールの第1の接続線101端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R311の一端に接続され、走行レールの第2の接続線102端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R311の他端に接続される。
【0160】
前記走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0161】
上記技術案に加えて、前記インダクタL311の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0162】
図7(a)に示すように、前記第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、走行レールの第1の接続線201端、インダクタL
321、走行レールの第2の接続線202端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R
321、インダクタL
321の内部抵抗R
322が含まれている。
【0163】
ここで、前記走行レールの第1の接続線201端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL321の221端に接続され、インダクタL321の222端は、走行レールの第2の接続線202端に接続される。
【0164】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R321を含み、走行レールの第1の接続線201端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R321の一端に接続され、走行レールの第2の接続線202端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R321の他端に接続される。
【0165】
前記走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0166】
上記技術案に加えて、前記インダクタL321の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0167】
図7(a)に示すように、前記第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、走行レールの第1の接続線301端、インダクタL
331、走行レールの第2の接続線302端を含む。そのうち、走行レール並列セグメントの内部抵抗R
331、インダクタL
331の内部抵抗R
332が含まれている。
【0168】
ここで、前記走行レールの第1の接続線301端は、走行レールの腹部との溶接によってインダクタL331の313端に接続され、インダクタL331の314端は、走行レールの第2の接続線302端に接続される。
【0169】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端との間の走行レール自体は、物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R331を含み、走行レールの第1の接続線301端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R331の一端に接続され、走行レールの第2の接続線302端は、走行レール並列セグメントの内部抵抗R331の他端に接続される。
【0170】
前記走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0171】
上記技術案に加えて、前記インダクタL331の機能は、帰線電流の高調波成分を遮断することであり、ユニット全体は、少量のケーブルによって接続される。
【0172】
[実施の形態]
前記地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法において、本発明の第3の態様の実施の形態は、以下の通りである。
【0173】
図7(b)は、列車走行開始時の第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3の電流の流れを示す図である。
図2(c)に示すように、列車5が起動して駅ホームから離れると、帰線電流I
13は、車輪6を介して走行レールに帰線電流を出力して変電所8の負極端へ流れ、この場合、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、物理的に連続した走行レールにおいてインダクタL
311を並列接続し、帰線電流I
13から分岐した一部の帰線電流I
133は、依然として走行レール自体、つまり並列セグメントの内部抵抗R
311を流れるが、走行レールの第2の接続線102端においては、帰線電流I
13から分岐した一部の帰線電流I
132は、インダクタL
311(その内部抵抗R
312を含む)、走行レールの第1の接続線101端の並列ブランチを経た後、変電所8の負極端へ流れ、この過程では、インダクタL
311によって帰線電流I
132の高調波成分をフィルタリングする。
【0174】
帰線電流I12は、車輪6を介して走行レールに帰線電流を出力して変電所7の負極端へ流れ、この場合、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、物理的に連続した走行レールにおいてインダクタL321を並列接続し、帰線電流I12から分岐した一部の帰線電流I124は、依然として走行レール自体、つまり並列セグメントの内部抵抗R321を流れるが、走行レールの第1の接続線201端においては、帰線電流I12から分岐した一部の帰線電流I122は、インダクタL321(その内部抵抗R322を含む)、走行レールの第2の接続線202端の並列ブランチを経た後、変電所7の負極端へ流れ、この過程では、インダクタL321によって帰線電流I122の高調波成分をフィルタリングする。この場合、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、物理的に連続した走行レールにおいてインダクタL331を並列接続し、帰線電流I12から分岐した一部の帰線電流I125は、依然として走行レール自体、つまり並列セグメントの内部抵抗R331を流れるが、走行レールの第1の接続線301端においては、帰線電流I12から分岐した一部の帰線電流I123は、インダクタL331(その内部抵抗R332を含む)、走行レールの第2の接続線302端の並列ブランチを経た後、変電所7の負極端へ流れ、この過程では、インダクタL331によって帰線電流I123の高調波成分をフィルタリングする。
【0175】
図7(c)は、列車が加速して定速状態に入る前の第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3の電流の流れを示す図である。
図2(d)に示すように、列車5が起動して加速した後に、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2の位置する場所を超える場合、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、物理的に連続した走行レールにおいてインダクタL
321を並列接続し、帰線電流I
13から分岐した一部の帰線電流I
135は、依然として走行レール自体、つまり並列セグメントの内部抵抗R
321を流れるが、走行レールの第2の接続線202端においては、帰線電流I
13から分岐した一部の帰線電流I
134は、インダクタL
321(その内部抵抗R
322を含む)、走行レールの第1の接続線201端の並列ブランチを経た後、変電所8の負極端へ流れ、この過程では、インダクタL
321によって帰線電流I
134の高調波成分をフィルタリングする。
【0176】
この場合、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3のフィルタリング方法は、
図7(b)に示すようにそのまま維持される。
【0177】
【0178】
本発明の第4の態様は、前記本発明の第1の態様に前記本発明の第3の態様を組み合わせて構成され、複合した応用である。
【0179】
図8に示すように、前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、依然として走行レールの第1の接続線101端と走行レールの第2の接続線102端と走行レールとの溶接接続によって第1の並列ブランチを形成し、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1の周囲に設けられ、走行レールの第3の接続線141端と走行レールの第4の接続線142端と走行レールとの溶接接続によって形成され、インダクタL
411(内部抵抗R
413を含む)と走行レールの第4の接続線142端との間には、双方向導通IGBTスイッチQ
411が追加され、第2の並列ブランチを形成する。
【0180】
ここで、前記走行レールの第3の接続線141端は、インダクタL411の143端に接続され、インダクタL411の144端は、双方向導通IGBTスイッチQ411の145端に接続され、双方向導通IGBTスイッチQ411の146端は、走行レールの第4の接続線142端に接続される。
【0181】
前記走行レールの第3の接続線141端と走行レールの第4の接続線142端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0182】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第3の接続線141端と走行レールの第4の接続線142端との間は、依然として物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R411、走行レール並列セグメントの内部抵抗R412を含む。
【0183】
上記技術案に加えて、双方向導通IGBTスイッチQ421は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1においてスーパーキャパシタC111が充電される場合、スイッチ自体をオフに制御することにより、キャパシタC111が走行レール並列セグメントの内部抵抗R111内に形成される電圧の下で充電されるようにすることである。
【0184】
図8に示すように、前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、依然として走行レールの第1の接続線201端と走行レールの第2の接続線202端と走行レールとの溶接接続によって第1の並列ブランチを形成し、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2の周囲に設けられ、走行レールの第3の接続線241端と走行レールの第4の接続線242端と走行レールとの溶接接続によって形成され、インダクタL
421(内部抵抗R
423を含む)と走行レールの第4の接続線242端との間には、双方向導通IGBTスイッチQ
421が追加され、第2の並列ブランチを形成する。
【0185】
ここで、前記走行レールの第3の接続線241端は、インダクタL421の243端に接続され、インダクタL421の244端は、双方向導通IGBTスイッチQ421の245端に接続され、双方向導通IGBTスイッチQ421の246端は、走行レールの第4の接続線242端に接続される。
【0186】
前記走行レールの第3の接続線241端と走行レールの第4の接続線242端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0187】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第3の接続線241端と走行レールの第4の接続線242端との間は、依然として物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R421、走行レール並列セグメントの内部抵抗R422を含む。
【0188】
上記技術案に加えて、双方向導通IGBTスイッチQ421は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2においてスーパーキャパシタC121が充電される場合、スイッチ自体をオフに制御することにより、キャパシタC121が走行レール並列セグメントの内部抵抗R121内に形成される電圧の下で充電されるようにすることである。
【0189】
図8に示すように、前記第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、依然として走行レールの第1の接続線301端と走行レールの第2の接続線302端と走行レールとの溶接接続によって第1の並列ブランチを形成し、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3の周囲に設けられ、走行レールの第3の接続線341端と走行レールの第4の接続線342端と走行レールとの溶接接続によって形成され、インダクタL
431(内部抵抗R
433を含む)と走行レールの第4の接続線342端との間には、双方向導通IGBTスイッチQ
431が追加され、第2の並列ブランチを形成する。
【0190】
ここで、前記走行レールの第3の接続線341端は、インダクタL431の343端に接続され、インダクタL431の344端は、双方向導通IGBTスイッチQ431の345端に接続され、双方向導通IGBTスイッチQ431の346端は、走行レールの第4の接続線342端に接続される。
【0191】
前記走行レールの第3の接続線341端と走行レールの第4の接続線342端の両方における走行レールへの溶接接続は、ろう付けである。
【0192】
上記技術案に加えて、前記走行レールの第3の接続線341端と走行レールの第4の接続線342端との間は、依然として物理的に全体的に連続で不変に保持され、走行レール並列セグメントの内部抵抗R431、走行レール並列セグメントの内部抵抗R432を含む。
【0193】
上記技術案に加えて、双方向導通IGBTスイッチQ431は、制御チップによって制御されるインテリジェント制御機能を有し、その機能は、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3においてスーパーキャパシタC131が充電される場合、スイッチ自体をオフに制御することにより、キャパシタC131が走行レール並列セグメントの内部抵抗R131内に形成される電圧の下で充電されるようにすることである。上記技術案に加えて、前記双方向導通IGBTスイッチは、接触器で置き換えることができる。
【0194】
[実施の形態]
前記地下鉄走行レールの給電帰線電流による迷走電流の発生を低減する方法において、本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様に係る具体的な実施の形態に本発明の第3の態様に係る具体的な実施の形態を組み合わせてなり、その実施の形態は、以下の通りである。
【0195】
図8は、本発明の第4の態様に係る接続ユニットの構造概略図である。
図2(b)に示すように、列車5がホームに入って電気的に制動される場合、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3で構成される第1の並列ブランチは、依然として本発明の第1の態様の実施の形態に従って作動する。この場合、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1に追加した双方向導通IGBTスイッチQ
411、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2に追加した双方向導通IGBTスイッチQ
421、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3に追加した双方向導通IGBTスイッチQ
431を全てオフにすることにより、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3における全てのスーパーキャパシタは、それぞれの走行レール並列セグメントの内部抵抗セグメント内に形成される電圧の下で充電される。
【0196】
図2(c)、
図2(d)に示すように、列車5が走行を開始し、駅ホームから離れて加速する際に、この場合、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット1、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット2、第1の態様に係るフィルタ接続ユニット3で構成される第1のブランチは、依然として本発明の第1の態様の実施の形態に従って作動する。第3の態様に係るフィルタ接続ユニット1の双方向導通IGBTスイッチQ
411、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット2の双方向導通IGBTスイッチQ
421、第3の態様に係るフィルタ接続ユニット3の双方向導通IGBTスイッチQ
431は、全てオンになって第2の並列ブランチを実行し、本発明の第3の態様の実施の形態に従って作動し、帰線電流の高調波成分に対するフィルタリング機能をさらに高める。
【0197】
本発明の第4の態様では、制御チップによって、全てのユニットにおける全ての双方向導通IGBTスイッチと全ての接触器接点をインテリジェントに制御し、スーパーキャパシタの電流方向の変化を調整して制御し、その可能な過電圧、過電流をも保護する。
【0198】
いずれかのユニットの任意なる並列ブランチ内のインダクタ、スーパーキャパシタが故障した場合、このユニットの双方向導通IGBTスイッチは、直ちに回路をオフにし、本発明の使用前の状態に戻し、列車の運行に一切影響を与えない。
【0199】
以上は、本発明の好ましい実施の形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明に開示された技術の範囲内で容易に想到し得る変更や置換は、本発明の保護範囲に包含されるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に基づくべきである。
【0200】
本明細書に詳しく記載されていない内容は、当業者が公知している先行技術に属する。
【国際調査報告】