(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】駆動装置、ブレーキ装置のための圧力発生器
(51)【国際特許分類】
H02K 3/38 20060101AFI20240822BHJP
H02K 5/22 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H02K3/38 A
H02K5/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508933
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2022072211
(87)【国際公開番号】W WO2023020869
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】102021209093.1
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ハウフェ,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ハーベルコルン,コンスタンティン
【テーマコード(参考)】
5H604
5H605
【Fターム(参考)】
5H604BB01
5H604CC01
5H604PC05
5H605BB05
5H605EC05
(57)【要約】
【課題】 本発明は、ハウジング(3)に配置された電機(4)であって、回転可能に支持されたロータ(13)と、特に多相モータ巻線を含むハウジング固定のステータ(14)とを有する電機(4)と、モータ巻線に電気的に接続された少なくとも1つのモータ相リード線(28、29、30)であって、ハウジング(3)から突出するとともに制御装置(8)に電気的に接続されている、または接続可能であるコンタクト部(31、32、33)を有するモータ相リード線(28、29、30)と、コンタクト部(31、32、33)を少なくとも部分的に径方向に取り囲む絶縁要素(34、35、36)と、を備えた駆動装置(2)に関する。
【解決手段】 コンタクト部(31、32、33)が一体に形成され、かつ絶縁要素(34、35、36)がコンタクト部(31、32、33)に被せられていることが企図されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(3)に配置された電機(4)であって、回転可能に支持されたロータ(13)と、特に多相モータ巻線を含むハウジング固定のステータ(14)とを有する電機(4)と、前記モータ巻線に電気的に接続された少なくとも1つのモータ相リード線(28、29、30)であって、前記ハウジング(3)から突出するとともに制御装置(8)に電気的に接続されている、または接続可能であるコンタクト部(31、32、33)を有するモータ相リード線(28、29、30)と、前記コンタクト部(31、32、33)を少なくとも部分的に径方向に取り囲む絶縁要素(34、35、36)と、を備えた駆動装置において、前記コンタクト部(31、32、33)が一体に形成され、かつ前記絶縁要素(34、35、36)が前記コンタクト部(31、32、33)に被せられていることを特徴とする、駆動装置。
【請求項2】
前記絶縁要素(34、35、36)は、押出成形部品として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記絶縁要素(34、35、36)は、特に係止接続および/または力結合接続によって、前記駆動装置(2)の相互接続プレート(26)および/または前記駆動装置(2)の軸受プレート(18)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記コンタクト部(31、32、33)がコネクタとして形成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記制御装置(8)に割り当てられた前記コンタクト部(31、32、33)の少なくとも1つの端領域(37、38、39)が銀メッキされていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項6】
それぞれが前記ハウジング(3)から突出するコンタクト部(31、32、33)を有し、前記モータ巻線に電気的に接続された複数のモータ相リード線(28、29、30)が存在することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記モータ相リード線(28、29、30)の数に対応する数の絶縁要素(34、35、36)が存在し、前記それぞれ別の絶縁要素(34、35、36)が前記コンタクト部(31、32、33)の各々に被せられていることを特徴とする、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記コンタクト部(31、32、33)を径方向に取り囲む1つの絶縁要素のみが存在することを特徴とする、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記絶縁要素は、前記モータ相リード線(28、29、30)の数に対応する数の貫通部を有し、前記コンタクト部(31、32、33)の各々が前記絶縁要素のそれぞれ別の貫通部を通り抜けて突出することを特徴とする、請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
ポンプ装置(5)と、前記ポンプ装置(5)を作動させるための駆動装置(2)と、前記駆動装置(2)を制御するための制御装置(8)とを備えた、ブレーキ装置のための圧力発生器において、請求項1から9までのいずれか1項に記載の駆動装置(2)の形成を特徴とする、圧力発生器。
【請求項11】
前記ポンプ装置(5)が前記制御装置(8)と前記駆動装置(2)との間に配置されていることと、前記モータ相リード線(28、29、30)の前記コンタクト部(31、32、33)が前記ポンプ装置(5)のハウジング(7)のそれぞれ別の貫通部を通り抜けて突出することと、を特徴とする請求項10に記載の圧力発生器。
【請求項12】
前記ポンプ装置(5)が前記制御装置(8)と前記駆動装置(2)との間に配置されていることと、前記モータ相リード線(28、29、30)の前記コンタクト部(31、32、33)が前記ポンプ装置(5)の前記ハウジング(3)の同一の貫通部を通り抜けて突出することと、を特徴とする請求項10に記載の圧力発生器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングに配置された電機であって、回転可能に支持されたロータと、特に多相モータ巻線を含むハウジング固定のステータとを有する電機と、モータ巻線に電気的に接続された少なくとも1つのモータ相リード線(Motorphasenzuleitung)であって、ハウジングから突出するとともに制御装置に電気的に接続されている、または接続可能であるコンタクト部を有するモータ相リード線と、コンタクト部を少なくとも部分的に径方向に取り囲む絶縁要素と、を備えた駆動装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は、このような駆動装置を備えた、ブレーキ装置のための圧力発生器に関する。
【背景技術】
【0003】
冒頭で述べた種類の駆動装置は従来技術から知られている。電機を備えた駆動装置では、電機が典型的には駆動装置のハウジングに配置されている。その場合、電機は、通常、回転可能に支持されたロータとモータ巻線を含むハウジング固定のステータとを有する。その場合、モータ巻線は、モータ巻線の適切な通電によってロータが回転できるようにロータの周囲に配分して配置されている。典型的には、モータ巻線は多相に形成されている。例えば、モータ巻線は3つの相を有する。モータ巻線の電気的接触のために、一般に、少なくとも1つのモータ相リード線が設けられている。モータ相リード線は、モータ巻線に電気的に接続されている。さらに、モータ相リード線は、ハウジングから突出するとともに制御装置と電気的に接続されている、または接続可能であるコンタクト部を有する。多くの場合、コンタクト部を少なくとも部分的に径方向に取り囲む絶縁要素が存在する。絶縁要素によって、コンタクト部が隣接する金属部品から電気的に絶縁される。
【0004】
既知の駆動装置では、コンタクト部は、典型的には複数部品で形成されている。具体的には、第1のコンタクト部部品と第2のコンタクト部部品が存在し、これらが溶接接続によって互いに取り付けられている。その場合、第1のコンタクト部部品は駆動装置のハウジングから突出する。第2のコンタクト部部品は、射出成形で絶縁要素によって取り囲まれ、制御装置に接続されている、または接続可能である。
【発明の概要】
【0005】
請求項1の特徴を有する本発明による駆動装置には、駆動装置を製造するためのコストを削減できるという利点がある。このために、本発明によれば、コンタクト部が一体に形成され、かつ絶縁要素がコンタクト部に被せられている。すなわち、ハウジングから突出するモータ相リード線のコンタクト部が一体に形成され、それによりその前に予定された、第1のコンタクト部部品と第2のコンタクト部部品とが互いに接合される生産工程が省略される。これによってコストを節約できる。それに加えて、コンタクト部を一体に形成する結果として、抵抗の上昇および接触中断のリスクが軽減されるという利点が生じる。しかしコンタクト部を一体に形成する場合、射出成形で取り囲むことによる絶縁要素の取り付けが少なくとも格段に困難になる。本発明によれば、これは絶縁要素がコンタクト部に被せられていることによって解決される。すなわち、絶縁要素がコンタクト部に作製されるのではなく、すでにそのものとしてコンタクト部に供給される。その限りで、絶縁要素はコンタクト部とは別個に形成されている。殊に、絶縁要素をコンタクト部から破壊することなく取り外すことができる。殊に、絶縁要素はスリーブ状に形成されている。殊に、コンタクト部は、軸受プレート(Lagerschild)もしくはハウジングのハウジングカバーを通り抜けて突出し、軸受プレートから突き出す。駆動装置をこのように形成した場合、絶縁要素を別個に形成する結果として、さらに、駆動装置の組み立てに関する利点が生じる。例えば、駆動装置を組み立てる場合に、まずステータがハウジングのカップ状のハウジング部品に配置され、モータ相リード線に電気的に接続される。続いて、軸受プレートが、コンタクト部が軸受プレートから突出し、軸受プレートから突き出すようにカップ状のハウジング部品に取り付けられる。そうして初めて絶縁要素がコンタクト部に被せられる、もしくは嵌められる。
【0006】
殊に、絶縁要素は押出成形部品として形成されている。すなわち絶縁要素は押出成形法で製造されている。これによって大量の個数の絶縁要素を安価に製造することが可能になる。
【0007】
好ましい実施形態によれば、絶縁要素は、駆動装置の相互接続プレート(Verschaltplatte)および/または駆動装置の軸受プレートに取り付けられていることが企図されている。相互接続プレートは、電気式駆動装置に使用されることが多い。これは、ハウジングに配置され、モータ相リード線を担持する部品である。例えば、モータ相リード線は、係止接続によって相互接続プレートに取り付けられている。軸受プレートも電気式駆動装置に使用されることが多い。軸受プレートは、電機を覆うハウジングのハウジングカバーである。典型的には、駆動装置の駆動シャフトは、軸受プレートによって回転可能に支持されている。殊に、軸受プレートは、そのために、駆動シャフトと軸受プレートとの間で作用する回転軸受を担持する。絶縁要素を相互接続プレートおよび/または軸受プレートに取り付けることによって、絶縁要素の機械的にロバストな取り付けを達成することができる。それに加えて、絶縁要素を取り付けるために相互接続プレートおよび軸受プレートに簡単にアクセスできる。殊に、相互接続プレートは、軸受プレートの貫通部を軸方向に通り抜けて突出して軸受プレートから突き出す軸方向突出部を有し、絶縁要素は、軸方向突出部に取り付けられている。殊に、モータ相リード線のコンタクト部は、軸方向突出部を通り抜けて突出して軸方向突出部から突き出す。殊に、絶縁要素は、係止接続および/または力結合接続によって軸受プレートおよび/または相互接続プレートに取り付けられている。
【0008】
好ましい実施形態によれば、コンタクト部がコネクタとして形成されていることが企図されている。すなわち、コンタクト部は、差し込み接続を形成することによって制御装置に電気的に接続されている、または接続可能である。差し込み接続によって、1つには制御装置とコンタクト部との間に機械的にロバストな電気的接続が提供される。それに加えて、差し込み接続は、コネクタとして形成されたコンタクト部を制御装置の相手コネクタと嵌合することによって迅速に、かつ技術的に簡単に作成可能である。
【0009】
好ましい実施形態によれば、制御装置に割り当てられたコンタクト部の少なくとも1つの端領域が銀メッキされていることが企図されている。銀は、1つには高い導電性を有する。それに加えて、銀は低い硬さを有し、その結果として、特にコンタクト部をコネクタとして形成する場合に利点が生じる。コネクタとして形成されたコンタクト部を制御装置側の相手コネクタと嵌合した場合に銀が変形され、それによってコネクタと相手コネクタとの間に大きい面積の接触が達成される。
【0010】
好ましい実施形態によれば、それぞれがハウジングから突出するコンタクト部を有し、モータ巻線に電気的に接続された複数のモータ相リード線が存在することが企図されている。殊に、相の数に対応する数のモータ相リード線が存在し、モータ相リード線の各々がそれぞれ別の相に電気的に接続されている。
【0011】
殊に、モータ相リード線の数に対応する数の絶縁要素が存在し、それぞれ別の絶縁要素がコンタクト部の各々に被せられている。すなわち、コンタクト部の各々にそれぞれ別の絶縁要素が割り当てられている。このような絶縁要素は、構造的に単純に形成することができる。例えば、絶縁要素はスリーブ状に形成されている。構造的に単純に形成することによって、絶縁要素を大量の個数で安価に製造することができる。
【0012】
代替の実施形態によれば、殊に、コンタクト部を径方向に取り囲む1つの絶縁要素のみが存在することが企図されている。すなわちすべてのコンタクト部に同一の絶縁要素が割り当てられている。その結果として、部品点数が低減されるという利点が生じる。それに加えて、駆動装置の組み立てと制御装置との結合に関して利点が生じる。駆動装置の組み立てに関しては、コンタクト部に複数の絶縁要素を被せる必要がなく、単一の絶縁要素を被せさえすればよい。1つの絶縁要素のみによってコンタクト部を保持し、そのことがコンタクト部と制御装置の接続を簡略化する。
【0013】
殊に、絶縁要素は、モータ相リード線の数に対応する数の貫通部を有し、コンタクト部の各々が絶縁要素のそれぞれ別の貫通部を通り抜けて突出する。貫通部を互いに分離する絶縁要素の材料によって、コンタクト部が互いに電気的に絶縁される。別の実施例によれば、絶縁要素は、コンタクト部が通り抜けて突出する1つの貫通部のみを有する。この実施例では、貫通部を画定する絶縁要素のジャケット壁が殊に複数の湾曲凸部(Auswolbungen)を有し、これらによってコンタクト部が互いに電気的に絶縁されている。
【0014】
本発明によるブレーキ装置のための圧力発生器は、ポンプ装置と、ポンプ装置を作動させるための駆動装置と、駆動装置を制御するための制御装置とを有する。圧力発生器は、駆動装置を本発明により形成することによる請求項10の特徴を有することを特徴とする。その結果としても、すでに述べた利点が生じる。他の好ましい特徴および特徴の組み合わせは上記の記載および請求項から明らかになる。
【0015】
好ましい実施形態によれば、ポンプ装置が制御装置と駆動装置との間に配置されていることと、モータ相リード線のコンタクト部がポンプ装置のハウジングのそれぞれ別の貫通部を通り抜けて突出することとが企図されている。この実施形態では、ハウジングの個々の貫通部を小さく寸法設定でき、それにより貫通部を形成するために必要とされるハウジングの体積が小さくなる。圧力発生器のこの実施形態では、殊にモータ相リード線の数に対応する数の絶縁要素が存在し、コンタクト部の各々にそれぞれ別の絶縁要素が被せられている。
【0016】
圧力発生器の代替の実施形態によれば、殊に、ポンプ装置が制御装置と駆動装置との間に配置されていることと、モータ相リード線のコンタクト部が作業機械のハウジングの同一の貫通部を通り抜けて突出することとが企図されている。この実施形態では、複数のコンタクト部のために、ポンプ装置のハウジングに単一の貫通部を形成しさえすればよいという利点が生じる。それに対応して、圧力発生器を製造する場合に、製造工程の数が減じられる。圧力発生器のこの実施形態では、殊に、コンタクト部を径方向に取り囲む単一の絶縁要素のみが存在する。これに代えて、殊に、モータ相リード線の数に対応する数の絶縁要素が存在し、コンタクト部の各々にそれぞれ別の絶縁要素が被せられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ブレーキ装置のための圧力発生器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面をもとにして本発明を詳しく説明する。
【0019】
図1は、自動車の液圧式ブレーキ装置のための圧力発生器1の斜視図を示す。圧力発生器1は、電気式駆動装置2を有する。駆動装置2は、ここでは円形の横断面を有するハウジング3を備える。駆動装置2は電機4をさらに有する。電機4は、ハウジング3に配置され、したがって
図1には認識できない。圧力発生器1は、少なくとも1つの流体ポンプを含むポンプ装置5を作業機械として有する。駆動装置2のハウジング3は、複数の取付手段6によってポンプ装置5のハウジング7に取り付けられている。駆動装置2は、ポンプ装置5の少なくとも1つの流体ポンプを電機4によって作動させるように形成されている。さらに、圧力発生器1は、電機4を制御するための制御装置8を有する。ポンプ装置5は、駆動装置2と制御装置8との間に配置されている。
【0020】
以下に、駆動装置2の実施形態を詳しく説明する。このために、
図2は駆動装置2の断面図を示す。
図3は駆動装置2の斜視図を示す。
【0021】
図2から認識できるように、駆動装置2は、ハウジング3内で回転軸10を中心に回転可能に支持されている駆動シャフト9を有する。駆動シャフト9の端部分11は、ハウジング3から突出する。端部分11には
図3に認識できる平歯車12が相対回転不可能に配置されている。
図1に示されるように駆動装置2が圧力発生器1に組み込まれた場合、平歯車12は伝動装置の一部であり、駆動シャフト9は伝動装置によってポンプ装置5の少なくとも1つの流体ポンプと作用接続されている。
【0022】
電機4は、駆動シャフト9に相対回転不可能に配置されたロータ13を有する。ロータ13の回転軸は、駆動シャフト9の回転軸10に相当する。電機4は、ハウジング固定に配置されたステータ14をさらに有する。ステータ14は、分かりやすくするために図示されない多相モータ巻線を有し、多相モータ巻線は、ロータ13と、それに伴い駆動シャフト9がモータ巻線の適切な通電によって回転可能もしくは駆動可能になるようにロータ13の周囲に配分して配置されている。ここではモータ巻線は3相を有する。
【0023】
ハウジング3は、ステータ14を担持するハウジング部品15を有する。ハウジング部品15は金属材料から製造されている。
図1から認識できるように、ハウジング部品15はカップ状に形成されている。その限りで、ハウジング部品15は底16とスリーブ部17とを有する。底16は少なくとも実質的に径方向に延びる。スリーブ部17は、底16から少なくとも実質的に軸方向に延びる。ハウジング3は、軸受プレート18をさらに有する。軸受プレート18は電機4を覆い、その限りで、ハウジング3のハウジングカバーを形成する。軸受プレート18は、駆動シャフト9を支持するように形成されている。このために、軸受プレート18は、軸方向に延びるスリーブ状の軸受部19を有する。軸受部19と駆動シャフト9との間に、ここでは転動体軸受20(Waelzkoerperlager)である回転軸受20が配置されている。軸受プレート18は、軸方向に延びるスリーブ状の取付部21をさらに有する。取付部21によって、軸受プレート18が、例えば力結合接続、接着接続、溶接接続、および/または少なくとも1つの取付手段によってハウジング部品15に取り付けられている。
【0024】
駆動装置2は、ロータ13の回転位置を検出するように形成されハウジング固定に配置されたセンサユニット23をさらに有する。このために、センサユニット23は、認識できないセンサ素子を含む環状の回路基板24を有する。センサユニット23は、接続装置25をさらに有し、この接続装置によって、センサユニット23が制御装置8に電気的に接続されている、または接続可能である。回路基板24は、コンタクトユニット50によって接続装置25に電気的に接続されている。
【0025】
駆動装置2は、モータ巻線の相の数に対応する数の導電性のモータ相リード線28、29、30を有する。モータ相リード線28、29、30は、ステータ14のモータ巻線のそれぞれ別の相に電気的に接続されている。さらに、モータ相リード線28、29、30は、それぞれ制御装置8に電気的に接続されている、または接続可能である。
【0026】
モータ相リード線28、29、30は、ハウジング3から突出するそれぞれ細長いコンタクト部31、32または33を有する。コンタクト部31、32、33によって、モータ相リード線28、29、30は制御装置8に電気的に接続されている、または接続可能である。コンタクト部31、32、33は一体に形成されている。すなわちコンタクト部31、32、33は1つの部品のみからなり、接合された複数の部品からなるのではない。
【0027】
図3から認識できるように、コンタクト部31、32、33にはそれぞれ別の絶縁要素34、35または36が被せられている。すなわち、絶縁要素34、35、36は、コンタクト部31、32、33とは別個に取り扱い可能である。
図2に絶縁要素34、35、36は図示されていない。絶縁要素34、35、36は、例えば押出成形部品として形成されている。ここでは絶縁要素34、35、36はスリーブ状に形成されている。絶縁要素34、35、36は、コンタクト部31、32、33の一部を径方向に取り囲む。
図1に示されるように、駆動装置2が圧力発生器1に組み込まれた場合、コンタクト部31、32、33はポンプ装置5のハウジング7を軸方向に通り抜けて突出する。その場合、コンタクト部31、32、33は、絶縁要素34、35、36によってハウジング7から電気的に絶縁される。殊に、ポンプ装置5のハウジング7は、コンタクト要素31、32、33の数に対応する数の貫通部を有し、ハウジング7の貫通部の各々をコンタクト要素31、32、33のうちの1つがそれぞれ通り抜けて突出する。これに代えて、ハウジング7は、殊に、コンタクト要素31、32、33が通り抜けて突出する1つの貫通部のみを有する。
【0028】
別の実施例によれば、駆動装置2は、絶縁要素34、35、36の代わりに、コンタクト部31、32、33を径方向に取り囲む単一の絶縁要素のみを有する。例えば、この絶縁要素は、コンタクト部31、32、33の数に対応する数の貫通部を有し、コンタクト部31、32、33の各々が絶縁要素のこれらの貫通部のそれぞれ別の貫通部を通り抜けて突出する。この実施例では、ポンプ装置5のハウジング7は1つの貫通部のみを有し、コンタクト部31、32、33がこの貫通部を通り抜けて突出する。
【0029】
図3から認識できるように、コンタクト部31、32、33は、それぞれ1つの端領域37、38または39を有し、この端領域は、それぞれの絶縁要素34、35または36から突き出す。端領域37、38、39によって、コンタクト部31、32、33は制御装置8に電気的に接続されている、または接続可能である。ここではコンタクト部31、32、33はコネクタ31、32、33として形成されている。すなわちコンタクト部31、32、33は、制御装置側の相手コネクタと嵌合することによって制御装置8に電気的に接続されている、または接続可能である。ここでは、コンタクト部31、32、33の少なくとも端領域37、38、39が銀メッキされている。
【0030】
駆動装置2は、ハウジング3においてハウジング固定に配置されている相互接続プレート26をさらに有する。相互接続プレート26はここでは環状に形成され、かつ相互接続プレート26がステータ14を覆うように、軸方向でステータ14の隣に配置されている。相互接続プレート26は、例えばプラスチックなどの絶縁材料からなる基体27を有する。モータ相リード線28、29、30は、それぞれ環状部40、41または42を有する。環状部40、41、42は相互接続プレート26を通って延び、例えばそれぞれ1つの係止接続によって相互接続プレート26に取り付けられている。環状部40、41、42によって、モータ相リード線28、29、30は、例えばそれぞれ少なくとも1つの圧接接続によってモータ巻線の相に電気的に接続されている。殊に、コンタクト部31、32、33は、環状部40、41、42と一体に形成されている。特に好ましくは、モータ相リード線28、29、30は、全部がそれぞれ打抜き曲げ部品として形成されている。
【0031】
図2から認識できるように、相互接続プレート26は、モータ相リード線28、29、30の数に対応する数の軸方向突出部43、44、45を有する。軸受プレート18は、軸方向突出部43、44、45の数に対応する数の貫通部46、47、48を有し、軸方向突出部43、44、45の各々がそれぞれ別の貫通部46、47、48を軸方向に通り抜けて突出する。コンタクト部31、32、33は、それぞれ別の軸方向突出部43、44、45を軸方向に通り抜けて突出する。軸方向突出部43、44、45によって、コンタクト部31、32、33が軸受プレート18から電気的に絶縁されている。
図2に示される駆動装置では、軸方向突出部43、44、45と貫通部46、47、48は、それぞれ円形の横断面を有する。
図3に示される駆動装置2は、軸方向突出部43、44、45と貫通部46、47、48がそれぞれ矩形の横断面を有する点で異なる。絶縁要素34、35、36は、例えば力結合接続によって軸方向突出部43、44、45に取り付けられている。これに代えて、絶縁要素34、35、36は、例えば軸受プレート18に取り付けられている。
【0032】
駆動装置2の組み立ては、殊に次のように進行する。ステータ14がハウジング部品15に組み込まれる。モータ相リード線28、29、30が、コンタクト部31、32、33が軸方向突出部43、44、45を通り抜けて突出するように相互接続プレート26に取り付けられる。続いて、相互接続プレート26がモータ相リード線28、29、30と共にハウジング部品15に組み込まれ、モータ相リード線28、29、30は、ステータ14のモータ巻線に電気的に接続される。その後、軸受プレート18が、コンタクト部31、32、33と軸方向突出部43、44、45が貫通部46、47、48を軸方向に通り抜けて突出するように組み付けられる。続いて、絶縁要素34、35、36がハウジング3の軸受プレート18から突出するコンタクト部31、32、33に被せられる。
【符号の説明】
【0033】
1 圧力発生器
2 電気式駆動装置
3 ハウジング
4 電機
5 ポンプ装置
6 取付手段
7 ポンプ装置のハウジング
8 制御装置
9 駆動シャフト
10 回転軸
11 端部分
12 平歯車
13 ロータ
14 ステータ
15 ハウジング部品
16 底
17 スリーブ部
18 軸受プレート
19 軸受部
20 転動体軸受
21 取付部
23 センサユニット
24 環状の回路基板
25 接続装置
26 相互接続プレート
27 基体
28、29、30 モータ相リード線
31、32、33 コンタクト部
34、35、36 絶縁要素
37、38、39 端領域
40、41、42 環状部
43、44、45 軸方向突出部
46、47、48 貫通部
50 コンタクトユニット
【手続補正書】
【提出日】2024-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(3)に配置された電機(4)であって、回転可能に支持されたロータ(13)と、
多相モータ巻線を含むハウジング固定のステータ(14)とを有する電機(4)と、前記モータ巻線に電気的に接続された少なくとも1つのモータ相リード線(28、29、30)であって、前記ハウジング(3)から突出するとともに制御装置(8)に電気的に接続されている、または接続可能であるコンタクト部(31、32、33)を有するモータ相リード線(28、29、30)と、前記コンタクト部(31、32、33)を少なくとも部分的に径方向に取り囲む絶縁要素(34、35、36)と、を備えた駆動装置において、前記コンタクト部(31、32、33)が一体に形成され、かつ前記絶縁要素(34、35、36)が前記コンタクト部(31、32、33)に被せられていることを特徴とする、駆動装置。
【請求項2】
前記絶縁要素(34、35、36)は、押出成形部品として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記絶縁要素(34、35、36)は、
係止接続および/または力結合接続によって、前記駆動装置(2)の相互接続プレート(26)および/または前記駆動装置(2)の軸受プレート(18)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記コンタクト部(31、32、33)がコネクタとして形成されていることを特徴とする、請求項1
または2に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記制御装置(8)に割り当てられた前記コンタクト部(31、32、33)の少なくとも1つの端領域(37、38、39)が銀メッキされていることを特徴とする、請求項1
または2に記載の駆動装置。
【請求項6】
それぞれが前記ハウジング(3)から突出するコンタクト部(31、32、33)を有し、前記モータ巻線に電気的に接続された複数のモータ相リード線(28、29、30)が存在することを特徴とする、請求項1
または2に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記モータ相リード線(28、29、30)の数に対応する数の絶縁要素(34、35、36)が存在し、前記それぞれ別の絶縁要素(34、35、36)が前記コンタクト部(31、32、33)の各々に被せられていることを特徴とする、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記コンタクト部(31、32、33)を径方向に取り囲む1つの絶縁要素のみが存在することを特徴とする、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記絶縁要素は、前記モータ相リード線(28、29、30)の数に対応する数の貫通部を有し、前記コンタクト部(31、32、33)の各々が前記絶縁要素のそれぞれ別の貫通部を通り抜けて突出することを特徴とする、請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
ポンプ装置(5)と、前記ポンプ装置(5)を作動させるための駆動装置(2)と、前記駆動装置(2)を制御するための制御装置(8)とを備えた、ブレーキ装置のための圧力発生器において、請求項1
または2に記載の駆動装置(2)の形成を特徴とする、圧力発生器。
【請求項11】
前記ポンプ装置(5)が前記制御装置(8)と前記駆動装置(2)との間に配置されていることと、前記モータ相リード線(28、29、30)の前記コンタクト部(31、32、33)が前記ポンプ装置(5)のハウジング(7)のそれぞれ別の貫通部を通り抜けて突出することと、を特徴とする請求項10に記載の圧力発生器。
【請求項12】
前記ポンプ装置(5)が前記制御装置(8)と前記駆動装置(2)との間に配置されていることと、前記モータ相リード線(28、29、30)の前記コンタクト部(31、32、33)が前記ポンプ装置(5)の前記ハウジング(3)の同一の貫通部を通り抜けて突出することと、を特徴とする請求項10に記載の圧力発生器。
【国際調査報告】