(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】パック
(51)【国際特許分類】
B65D 85/10 20060101AFI20240822BHJP
B65D 85/12 20060101ALI20240822BHJP
B65D 5/66 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D85/12
B65D5/66 321B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509060
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 GB2022052187
(87)【国際公開番号】W WO2023031583
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】チャーチャー, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ホッジス, ポール
【テーマコード(参考)】
3E060
3E068
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB32
3E060BA14
3E060BB01
3E068AA21
3E068AB03
3E068AB05
3E068AC02
3E068BB08
3E068BB12
3E068BB17
3E068CC04
3E068CD01
3E068CD02
3E068CE02
3E068DD01
3E068DD06
3E068DE13
3E068DE19
3E068EE25
(57)【要約】
基部と、開位置と閉位置との間で回転するように基部に取り付けられ開位置へ回転されるとき基部の上縁から分離するように構成された蓋とを具備する、パックであって、基部が、側部パネルによって隔てられた前部パネルと後部パネルとを備え、前部パネルと側部パネルとの間の基部の角の各々が、直角角セクションと面取りされた又は丸みが付けられた角セクションとを備え、直角角セクションが、基部の上縁と面取りされた又は丸みが付けられた角セクションとの間に延在し、後部パネルと側部パネルとの間の基部の角が、それらの全長に沿って直角角を形成する、パック。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、開位置と閉位置との間で回転するように前記基部に取り付けられ、前記開位置へ回転されるとき前記基部の上縁から分離するように構成された蓋とを具備する、パックであって、
前記基部が、側部パネルによって隔てられた前部パネルと後部パネルとを備え、前記前部パネルと前記側部パネルとの間の前記基部の角の各々が、直角角セクションと面取りされた又は丸みが付けられた角セクションとを備え、前記直角角セクションが、前記基部の前記上縁と前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションとの間に延在し、前記後部パネルと前記側部パネルとの間の前記基部の角が、それらの全長に沿って直角角を形成する、
パック。
【請求項2】
前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションが、前記パックの中心線に関して対称である、請求項1に記載のパック。
【請求項3】
前記丸みが付けられた又は面取りされた角セクションにおける前記基部の断面積が、前記直角角セクションにおける断面積未満である、請求項1又は2に記載のパック。
【請求項4】
内方フレームをさらに備え、前記内方フレームが、前記蓋が前記閉位置にあるとき前記蓋に係合するように前記パックの前記基部から延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のパック。
【請求項5】
前記内方フレームが、前部パネルと、前記前部パネルの縁から垂れ下がる側部パネルとを備え、前記内方フレームの前記前部パネル及び前記側部パネルが、それぞれ前記基部の前記前部パネル及び前記側部パネルの内面に当接し、前記内方フレームの前記前部パネルと前記側部パネルとの間の前記内方フレームの角が、前記基部の前記直角角セクションに配置されている、請求項4に記載のパック。
【請求項6】
前記内方フレームの下縁が、前記基部の前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションに接触して配置されている、請求項4又は5に記載のパック。
【請求項7】
前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションが、前記基部の前記前壁と隣り合う側壁との間に斜めに延在する中間壁を備える面取りされた角セクションである、請求項1~6のいずれか一項に記載のパック。
【請求項8】
前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションが、前記基部の前記前壁と隣り合う側壁との間に延在する湾曲面を備える丸みが付けられた角セクションである、請求項1~6のいずれか一項に記載のパック。
【請求項9】
前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションが、前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションを前記直角角セクションと調和させるように先細りしている、請求項1~8のいずれか一項に記載のパック。
【請求項10】
折り曲げられた材料ブランクから形成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のパック。
【請求項11】
前記ブランクが、200gsm~270gmsの基本重量を含む板紙材料を備える、請求項10に記載のパック。
【請求項12】
前記ブランクが、前記ブランクの表面に作られた部分カット部を備え、前記部分カット部が、前記パックを形成するように前記ブランクが折り曲げられるとき、前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションを形成するように構成される、請求項10又は11に記載のパック。
【請求項13】
前記部分カット部が、ダイヤモンド形格子の形態を取る、請求項11に記載のパック。
【請求項14】
前記直角角セクションが、前記前部パネルと前記側部パネルとの間の各角の全長の15%~25%に延在する、請求項1~13のいずれか一項に記載のパック。
【請求項15】
請求項1のパックを生産する方法であって、
厚紙材料のブランクを用意するステップと、
前記厚紙材料に部分カット部を含む折り曲げ線を形成するステップであり、前記厚紙材料に前記部分カット部をレーザーアブレーションすることを含む、ステップと、
前記ブランクを折り曲げて前記パックを形成するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パック、パックを形成するためのブランク及びパックを作る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコなどのタバコ産業製品はパックに入って販売される。典型的には、既知のパックは、フリップトップ式の蓋、及びU字形内方フレームを備える。内方フレームは、蓋が閉じられるとき蓋を把持するように箱の基部から延在する。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、第1の態様において、基部と、開位置と閉位置との間で回転するように基部に取り付けられ開位置へ回転されるとき基部の上縁から分離するように構成された蓋とを具備する、パックであって、基部が、側部パネルによって隔てられた前部パネルと後部パネルとを備え、前部パネルと側部パネルとの間の基部の角の各々が、直角角セクションと面取りされた又は丸みが付けられた(filleted)角セクションとを備え、直角角セクションが、基部の上縁と面取りされた又は丸みが付けられた角セクションとの間に延在し、後部パネルと側部パネルとの間の基部の角が、それらの全長に沿って直角角を形成する、パックが提供される。
【0004】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、第2の態様において、請求項1のパックを形成するための厚紙ブランクが提供される。
【0005】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、第3の態様において、請求項1のパックを生産する方法であって、厚紙材料のブランクを用意するステップと、厚紙材料に部分カット部を含む折り曲げ線を形成するステップであり、厚紙材料に部分カット部をレーザーアブレーションすることを含む、ステップと、ブランクを折り曲げてパックを形成するステップとを含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】丸みが付けられた角セクションを有するパックの図である。
【
図2】面取りされた角セクションを有するパックの図である。
【
図3】隠れた詳細が破線になっている、
図2のパックの図である。
【
図4】
図1のパックを形成するためのブランクの図である。
【
図5】
図2のパックを形成するためのブランクの図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[詳細な説明]
以下は、消耗品のための包装体に関する。いくつかの実施形態では、消耗品は、使用者による使用中に一部又はすべてが消費されることを意図する、エアロゾル生成材料を含む又はそれから構成される物品である。消耗品は、エアロゾル生成材料保管領域、エアロゾル生成材料移動構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、包装紙、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル改質剤などの1つ又は複数の他の構成要素を含み得る。消耗品は、使用の際にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるように熱を発するヒーターなどのエアロゾル生成器を含んでもよい。ヒーターは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを含んでもよい。
【0008】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱、照射又は任意の他の方法で励磁されたとき、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質及び/又は香味料を含有しても含有しなくてもよい固体、液体又はゲルの形態であってもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含んでもよく、これは別法では「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)と呼ぶことができる。いくつかの実施形態において、非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、内部に液体などの流体を幾分か保持しうる固体材料である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、例えば、約50重量%、60重量%又は70重量%の非晶質固体~約90重量%、95重量%又は100重量%の非晶質固体を含んでもよい。
【0009】
エアロゾル生成材料は、1種又は複数の活性物質及び/又は香料、1種又は複数のエアロゾル形成材料、並びに任意選択で1種又は複数の他の機能性材料を含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、タバコを含み、いくつかの実施形態において、消耗品は、紙巻タバコ、シガリロ又は葉巻タバコである。
【0011】
本発明の実施形態によるヒンジ式蓋付きパック1及びヒンジ式蓋付きパック1を作るためのブランク1’を以下に述べる。
【0012】
図4及び
図5は、本明細書に記載のいくつかの実施形態によるブランク1’を示す。ブランク1’は、
図1から
図3のいずれかのヒンジ式蓋付きパック1を形成するために折り曲げ可能である。各ブランク1’は、ヒンジ式蓋付きパック1の基部35を形成するための前部パネル2’、後部パネル3’、側部パネル4’、5’、及び底部パネル6’を備える。基部35は、対応する前、後、側及び底壁2、3、4、5、6を備える。ブランク1’は、パック1の蓋7を形成するための蓋頂部パネル24’、蓋後部パネル25’、蓋前部パネル26’及び凹部(re-entrant)フラップ28’~30’をさらに備える。蓋7は、対応する蓋後、前及び側壁25、26、28を備える。蓋7は、ヒンジ線11でパックの基部に結合している。
【0013】
ブランク1’の隣り合うパネルは、折り曲げ線によって隔てられる。以下においてさらに説明するように、パックを組み立てるには、選択したパネルを折り曲げ一緒に糊付けする。
【0014】
図1~
図3に示されるように、蓋7は、傾斜側縁9及び閉位置ではヒンジ線11よりも下になる前縁10を有する。基部35の上縁42、すなわち前部及び側部パネル2、4、5の上縁12、13は、蓋7が閉められると締り嵌めをもたらすように対応するような形状になっている。図示の実施形態では、当業界で周知のように、蓋7の傾斜構成体は、蓋7が開けられるとき、紙巻タバコへの向上したアクセスをもたらす。
【0015】
パック1は、バリア材料(図示せず)に包まれた紙巻タバコの束を含む。バリア材料は、従来からの方法で紙巻タバコへのアクセスをもたらすようにバリア材料内の弱化線に沿って分離される切り取り部分を含む。
図1から
図3に示される実施形態では、紙巻タバコがバリア材料によって遮られずに図示されるように、切り取り部分は除去されている。バリア材料は、当業界で既知のような金属化された紙、又は紙/金属箔積層体から作られてもよい。図示の実施形態において、束は、紙巻タバコが密に包装された構成体になり得るように、前と後ろの列に横一列に7本の紙巻タバコ、真ん中の列に横一列に6本だけの紙巻タバコがある、3列の紙巻タバコから形成される20本の紙巻タバコの装填物を含む。
【0016】
パック1は、紙巻タバコの束を囲む内方フレーム34をさらに備える。内方フレームを形成するブランク34’は、
図7に示されている。このブランクは、折り曲げられると内方フレームの対応する前壁36及び側壁37、38を形成する前部パネル36’及び側部パネル37’、38’を備える。内方フレーム34の前壁36は、パック1の基部35の前壁2の内面と同一面に位置し、内方フレーム34の側壁37、38は、基部35のそれぞれの側壁4、5の内面と同一面に位置する。内方フレーム34は、蓋7が閉じられると、内方フレーム34の前壁36が蓋前壁26の内面と同一面に位置し、内方フレーム34の側壁37、38が蓋側壁28の内面と同一面に位置するように、基部35から延在する。したがって、内方フレーム34は、蓋7を閉位置で把持するように基部から延在する。内方フレーム34は、接着剤によって基部35に取り付けられ得る。例えば、接着剤は、内方フレーム34の前壁36と基部35の前壁2との間にもたらされ得る。
【0017】
各ブランク1’は、板紙などのシート材料から形成される。パックに使用される板紙の重量は、180~300g/m2、より典型的には200~280g/m2、例えば240g/m2であってもよいが、例えば215g/m2又は200g/m2であるより軽い材料を使用してもよい。板紙の厚さは、典型的には、0.3mm程度である。
【0018】
図4及び
図5に示される各ブランク1’は、ブランク1’に部分カット部32を備える。ブランクの内側表面にあることが好ましい。ブランク1’の内側表面とは、パック1を形成するようにブランク1’を折り曲げた後にパック1の内側表面になるブランク1’の表面を意味する。部分カット部32とは、ブランク1’を貫通して延在しないブランク1’に作られた任意のカット部を意味する。換言すると、部分カット部32の深さは、ブランク1’の厚さ未満である。例えば、部分カット部32は、スコア線又は弱化線であってもよい。
【0019】
図示の実施形態において、部分カット部32は、実質的に、側部パネル4’、5’とそれぞれの前部及び後部パネル2’、3’とを区切る折り曲げ線に沿って延在する。部分カット部は、パック1を形成するようにブランク1’が折り曲げられるとき、前部パネル2と側部パネル4との間に面取りされた又は丸みが付けられた角セクション39を形成するように構成される。
【0020】
図4の実施形態において、部分カット部32は、ブランク1’の内側表面に形成されるダイヤモンド形格子33の形態を取る。換言すると、各部分カット部32は、細長いひし形の繰り返し配列を形成する、内側表面に多数の部分カット部を含む。その結果、部分カット部32が占めるブランク1’の領域は、ブランク1’の周辺領域よりも柔軟になる。パック1を形成するようにブランク1’が折り曲げられるとき、部分カット部32は、
図1に示されるように、前壁2と隣り合う側壁4、5との間に丸みのある縁又は丸みが付けられた角を形成する。各部分カット部32は、部分カット部32の両側に延在するパック1の角と一体となるように、両端部で先細りしている。部分カット部32の両側のパックの角は、直角セクションを有する。「丸みのある縁又は丸みが付けられた角」とは、パックの各部分カット部32の領域内の角のセクション39が、パック1の前壁2と隣り合う側壁4、5との間に湾曲面を構成することを意味する。「先細り」とは、各部分カット部32の格子33における細長いひし形形状のカット部の数が、部分カット部32の両端部で数が減少することを意味する。例えば、図示の実施形態では、格子33は、最も幅広の箇所で横に3つのひし形形状カット部があり、両端部において単一のひし形形状カット部で終わっている。しかし、最も幅広の箇所におけるひし形形状カット部の数は、それらの個々のサイズに応じて決まり、それに応じて構成されてもよい。
【0021】
部分カット部32がブランク1’の内側表面上に形成される場合、ダイヤモンド形格子33は、パック1の外側表面に浮き出して見え得る。これによって、パック1は視覚的に区別され得る。ブランク1’の内側表面に繰り返しパターンを設けることによって、部分カット部32によって除去される材料が、丸みが付けられた角の外側表面の弧長と丸みが付けられた角の内側表面の弧長との間の差を埋めることを理解されたい。図示の実施形態は、ひし形の繰り返しパターンを用いているが、他の繰り返しパターンを同じ効果のために使用してもよい。
【0022】
図5の実施形態において、部分カット部32は、追加の中間パネルの輪郭線を辿る。
図2及び
図3に示されるように、ブランクが折り曲げられるとき、中間パネル40’は、前壁2と隣り合う側壁4、5との間に中間壁40を形成する。中間壁は、前壁2と隣り合う側壁4、5との間に面取りされた角を設けるように、前壁2と隣り合う側壁との間に斜めに延在する。部分カット部32は、中間壁が部分カット部32の両側に延在するパック1の角と一体になり得るように、先細りした端部セクションを含む。
【0023】
部分カット部32は、ブランク1’の厚さの10%~80%とすることができる。一実施形態において、部分カット部32は、ブランク1’の厚さの20%である。別の実施形態において、部分カット部32は、ブランク1’の厚さの30%である。別の実施形態において、部分カット部32は、ブランク1’の厚さの40%である。
【0024】
部分カット部32の幅は、0.08mm~0,35mmであってもよい。一実施形態では、部分カット部32の幅は、0.15mm未満である。
【0025】
パック1の前壁2と側壁4、5との間の面取りされた又は丸みが付けられた角セクション39は、パック1の組み立てのときに、パック1の基部35内に内方フレーム34を配置する助けとなることを理解されよう。特に、基部35の断面積は、面取りされた又は丸みが付けられた角セクション39の両側の基部35の断面積に比べて面取りされた又は丸みが付けられた角セクション39の領域内で減少する。内方フレーム34の下縁41は、パック1の組み立てのとき、すなわち基部35と内方フレーム34との間の接着剤が乾く前に、面取りされた又は丸みが付けられた角セクション39の頂上に置かれ、したがって内方フレーム34がパック1の基部内へと滑り落ちることが防止される。
【0026】
例として、
図3は、
図2に示される構成の組み立て済みパック1内における内方フレーム34の配置を示す。内方フレーム34の下縁41は、破線で表されている。内方フレーム34のための空間をもたらすように、面取りされた又は丸みが付けられた角セクション39は、基部35の上縁42から間隔を置いて配置される。本明細書では、面取りされた又は丸みが付けられたセクション39の両側のパックの角は、直角角セクションと称される。内方フレーム34の角は、基部35の上縁42と面取りされた又は丸みが付けられたセクション39との間に延在する直角角セクション43に配置される。
【0027】
内方フレーム34のための空間を設けるように、基部35の上縁42と面取りされた又は丸みが付けられたセクション39との間に延在する直角角セクション43は、それらのそれぞれの角の全長の15%~25%にわたって、すなわち基部35の前壁2と側壁4との間の各角の全長の15%~25%に延在する。いくつかの実施形態において、直角角セクション43は、基部35の前壁2と側壁4との間の各角の全長の約20%にわたって延在する。
【0028】
図1から
図3の実施形態によれば、面取りされた又は丸みが付けられた角セクション39は、パックの中心線に関して対称であることが好ましい。したがって、基部35の上縁42からの各面取りされた又は丸みが付けられた角セクション39の間隔は、パック1のどちらの側でも等しい。例示的な中心線C-Cは、
図3に示されている。中心線は、パック1の前壁2と一致する平面内に延在する。
【0029】
図1から
図3の実施形態によれば、側壁4と後壁3との間に形成されるパック1の基部35の角44は直角であり、すなわち、角44には、面取りされた又は丸みが付けられたセクションが設けられず、この角44は、それらの全長に沿って直角である。これによって、パック1が梱包及び配送のために一緒に積み重ねられるとき、面取りされた又は丸みが付けられた角セクション39によって引き起こされることがある安定性の低下が補われることによりパック1の安定性が向上することが有利である。特に、一般に、パックは、2列の各列におけるパックが前壁と後壁を向かい合わせで配置された状態で、典型的には2パック×5パックの配列で積み重ねられる。
図1から
図3のパックは、パック1を2列に後壁3と後壁3を向かい合わせて配置することによって最大の安定性に配置され得る。したがって、任意の2x積重ねにおいて、面取りされた又は丸みが付けられたセクション39は、積重ねの安定性に対する最小の影響のために外側に向けられる。
【0030】
次に、
図6を参照してパック1内に紙巻タバコを詰める方法について述べる。マガジン20は、複数のブランク1’、34’を含む。ブランク1’、34’は、ブランク1’、34’の異なるパネルを隔てる折り曲げ線付きで予め形成される。個々のブランク1’は、切断ステーション21に順次的に移送され、そこで部分カット部32がブランク1’に作られる。その後、ブランク1’、34’は、紙巻タバコの供給が与えられる紙巻タバコ包装機22に送り込まれる。紙巻タバコ包装機22は、パック1を形成するように、予め形成された折り曲げ線を中心としてブランク1’の選択されたパネルを折り曲げ、それにバリア材料で包まれた紙巻タバコを充填する。
【0031】
図4及び
図5を参照すると、ブランクの前部パネル2’及び後部パネル3’は、基部パネル6’によって連結される。側部パネル4’、5’は、それぞれ前部パネル2’及び後部パネル3’から垂れ下がっている。蓋は、基部とは反対の後部パネル3’から垂れ下がっている。蓋は、蓋頂部パネル24’、蓋後部パネル25’、蓋前部パネル26’、及び凹部フラップ28’~30’を備える。
【0032】
紙巻タバコ包装機22において、前部及び後部パネル2’、3’は、互いに向かい合いパック1の前壁2及び後壁3を形成するように、基部パネル6’に対して垂直に折り曲げられる。側部パネル4’、5’は、パック1の側壁4を形成するように互いに重なり合うように内側に折り曲げられ、一緒に糊付けされる。蓋7は、蓋頂部パネル24’に対して垂直に蓋前部パネル26’及び蓋後部パネル25‘を折り曲げることによって形成される。凹部フラップ28’~30’は、蓋の側壁28を形成するように内側に折り曲げられ一緒に糊付けされる。蓋前部パネル26’から垂れ下がっているタックインフラップ(tuck in flap)31’は、蓋前部パネル26’の内面上に折り重ねられ、下に糊付けされる。
【0033】
さらに、紙巻タバコ包装機において、内方フレームブランク34’は、内方フレーム34を形成するように折り曲げられ、パック1の基部35に挿入され、前壁2に接着される。
【0034】
一実施形態において、部分カット部32は、ブランク1’が切断ステーション21に送り込まれるとき、ブランク1’を走査するように構成されるレーザーによって形成される。レーザーは、ブランク1’に予め定められたパターンをアブレーションするように構成される。一代替実施形態では、部分カット部32は、ブランク1’が切断ステーション21に送り込まれるとき、ブランク1’に予め定められたパターンをつぶし切断(crush cut)するように構成されるローラによって形成される。例えば、ローラは、滑らかな表面のアンビルローラ、及びブレードを含む切断ローラを備えることができる。そのような一例において、ローラは、それぞれの平行軸線周りに駆動され、ブランク1’の厚さほどの間隔が置かれる。切断ローラは、アンビルローラに対してブランクに予め定められたパターンをつぶし切断するように構成されるブレードを備える。部分カット部32を作り出す他の手段は、当業者には明らかであろう。部分カット部32を作ることに使用される方法に関係なく、主要な目的は、カット部32の周りの表面張力を軽減するようにカット部32の線に沿ってブランク1’の表面を破損させることである。レーザーが使用される場合、板紙材料は、ブランク1’の表面に溝を形成するようにアブレーションによって除去される。つぶし切断プロセスが使用される場合、ブレードの下の板紙の表面は、溝を形成するように破損され押しつぶされる。部分カット部32は、結果的に生じるエンボスの周りの板紙の表面が破損されないエンボス加工とは異なる。
【0035】
本明細書に記載の種々の実施形態は、特許請求された特徴の理解及び教示を支援するためにのみ提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、包括的及び/又は排他的ではない。本明細書に記載の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲に規定された本発明の範囲に対する限定又は特許請求の範囲の均等物に対する限定と考えられるべきではなく、特許請求の発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよく、又は変更を加えてもよいことを理解されたい。本発明の種々の実施形態は、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段等、及び本明細書に明確に記載された以外のものの適切な組合せを適当に備えてもよく、これらで構成されてもよく、又は基本的にこれらで構成されてもよい。加えて、本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含み得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、開位置と閉位置との間で回転するように前記基部に取り付けられ、前記開位置へ回転されるとき前記基部の上縁から分離するように構成された蓋とを具備する、パックであって、
前記基部が、側部パネルによって隔てられた前部パネルと後部パネルとを備え、前記前部パネルと前記側部パネルとの間の前記基部の角の各々が、直角角セクションと面取りされた又は丸みが付けられた角セクションとを備え、前記直角角セクションが、前記基部の前記上縁と前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションとの間に延在し、前記後部パネルと前記側部パネルとの間の前記基部の角が、それらの全長に沿って直角角を形成する、
パック。
【請求項2】
前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションが、前記パックの中心線に関して対称である、請求項1に記載のパック。
【請求項3】
前記丸みが付けられた又は面取りされた角セクションにおける前記基部の断面積が、前記直角角セクションにおける断面積未満である、請求項1又は2に記載のパック。
【請求項4】
内方フレームをさらに備え、前記内方フレームが、前記蓋が前記閉位置にあるとき前記蓋に係合するように前記パックの前記基部から延在する、請求項1
又は2に記載のパック。
【請求項5】
前記内方フレームが、前部パネルと、前記前部パネルの縁から垂れ下がる側部パネルとを備え、前記内方フレームの前記前部パネル及び前記側部パネルが、それぞれ前記基部の前記前部パネル及び前記側部パネルの内面に当接し、前記内方フレームの前記前部パネルと前記側部パネルとの間の前記内方フレームの角が、前記基部の前記直角角セクションに配置されている、請求項4に記載のパック。
【請求項6】
前記内方フレームの下縁が、前記基部の前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションに接触して配置されている、請求項
4に記載のパック。
【請求項7】
前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションが、前記基部の前記前壁と隣り合う側壁との間に斜めに延在する中間壁を備える面取りされた角セクションである、請求項
1に記載のパック。
【請求項8】
前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションが、前記基部の前記前壁と隣り合う側壁との間に延在する湾曲面を備える丸みが付けられた角セクションである、請求項
1に記載のパック。
【請求項9】
前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションが、前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションを前記直角角セクションと調和させるように先細りしている、請求項
1に記載のパック。
【請求項10】
折り曲げられた材料ブランクから形成される、請求項
1に記載のパック。
【請求項11】
前記ブランクが、200gsm~270gmsの基本重量を含む板紙材料を備える、請求項10に記載のパック。
【請求項12】
前記ブランクが、前記ブランクの表面に作られた部分カット部を備え、前記部分カット部が、前記パックを形成するように前記ブランクが折り曲げられるとき、前記面取りされた又は丸みが付けられた角セクションを形成するように構成される、請求項10又は11に記載のパック。
【請求項13】
前記部分カット部が、ダイヤモンド形格子の形態を取る、請求項11に記載のパック。
【請求項14】
前記直角角セクションが、前記前部パネルと前記側部パネルとの間の各角の全長の15%~25%に延在する、請求項
1に記載のパック。
【請求項15】
請求項1のパックを生産する方法であって、
厚紙材料のブランクを用意するステップと、
前記厚紙材料に部分カット部を含む折り曲げ線を形成するステップであり、前記厚紙材料に前記部分カット部をレーザーアブレーションすることを含む、ステップと、
前記ブランクを折り曲げて前記パックを形成するステップと
を含む、方法。
【国際調査報告】