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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】自動的に展開可能な車両安全ガード
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/56 20060101AFI20240822BHJP
   B60R 19/54 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B60R19/56
B60R19/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509325
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 US2022040552
(87)【国際公開番号】W WO2023023120
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,453
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/289,334
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524019139
【氏名又は名称】パブリック・トランスポーテーション・セーフティー・インターナショナル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】バーロン,マーク・ビー
(57)【要約】
安全ガード(55、58)は、車両(2)の下方に有生および無生の対象物が行くことを防止するために、その対象物と係合するために、車両(2)の本体(7)の下に延在するように構成されている。車両(2)の周りの対象物を感知するように構成されている複数のセンサー(60、62)と、車両(2)の下方に少なくとも有生の対象物が行くことの可能性について分析するためのコントローラー(288)とを含む検出システムが提供される。分析は、車両(2)の通常動作中の持ち上げられた格納位置から、車両(2)の下方に有生の対象物が進入することを防止する距離だけ道路表面から離間された物理的バリアを確立する際に、下げられた展開位置への安全ガード(55、58)の再位置付けをもたらすことができる。分析はまた、可聴もしくは視覚の警告(300)の発令および/または少なくとも1つの他の車両制御システムの自動的な制御をもたらすことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
前端部および側部パネル部を有する本体と、
前記車両の前記本体の横の方向に離間された一対の操縦可能前輪と、
前記操縦可能前輪から長手方向に離間されている少なくとも1つの対の横に離間された後輪と、
前記少なくとも1つの側部パネルに沿って設けられているドアと、
前記車両の下方に有生および無生の対象物が行くことを防止するために、前記対象物と係合するための、前記前端部および前記側部パネル部のうちの1つに沿って延在する安全ガードであって、前記車両の動作中に、通常は持ち上げられた格納位置に維持されており、前記車両の下方に有生の対象物が進入することを防止する距離だけ道路表面から離間されている物理的バリアを確立する際に、下げられた展開位置に移動するように構成されている安全ガードと、
前記車両の下方に有生の対象物が行くことにつながり得る潜在的に危険な状況について感知するように構成されている複数のセンサーを含む検出システムと、
前記検出システムから受信した信号に基づいて、先制して、前記持ち上げられた格納位置から前記下げられた展開位置への前記安全ガードの自動的な再位置付けを引き起こすように構成されているコントローラーと、
を備える車両。
【請求項2】
前記複数のセンサーがカメラを含む、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記複数のセンサーがレーダーを含む、請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記コントローラーが、有生の対象物と無生の対象物とを区別するように構成されている、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記コントローラーは、前記車両の操作者が前記安全ガードを別個に再位置付けすることを可能にするように構成されている、請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記コントローラーが、前記安全ガードを前記下げられた展開位置に移動させることが決定されたときに、エアバッグ、調整可能なサスペンション部品、および車両制動システムのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの他の車両制御システムにリンクされており、前記少なくとも1つの他の車両制御システムを制御するように構成されている、請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記安全ガードが前記下げられた展開位置に移動するときに、可聴または視覚の警告のうちの少なくとも1つを発令するように構成されている警告システムをさらに備える、請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記可聴または視覚の警告のうちの少なくとも1つが、前記車両の操作者に提示されるように構成されている、請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記可聴または視覚の警告のうちの少なくとも1つが、前記車両の乗員のうちの少なくとも1人または前記車両の周囲の近傍にいる人々に提示されるように構成されている、請求項7に記載の車両。
【請求項10】
前記安全ガードが、アコーディオン形式の構築物を有する、請求項1に記載の車両。
【請求項11】
車両の通常動作中に、通常は持ち上げられた格納位置に維持されており、前記車両の下方に有生の対象物が進入することを防止する距離だけ前記車両が走行する道路表面から離間された箇所まで前記車両の本体の下に延在する物理的バリアを確立する際に、下げられた展開位置に移動するように構成されている安全ガードを自動的に展開する方法であって、
複数のセンサーを用いて、前記車両の下方に有生の対象物が行くことにつながり得る潜在的に危険な状況について感知するステップと、
前記複数のセンサーからの信号を分析するステップと、
前記潜在的に危険な状況が差し迫っていると考えられるときに、先制して、前記安全ガードを、前記持ち上げられた格納位置から前記下げられた展開位置に自動的に再位置付けするステップと、
を備える方法。
【請求項12】
前記潜在的に危険な状況について前記感知するステップが、カメラ、レーダーセンサー、および前記複数のセンサーのうちの少なくとも1つを使用するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のセンサーからの信号を前記分析するステップが、有生の対象物と無生の対象物とを区別するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記安全ガードが前記下げられた展開位置に移動するときに、可聴または視覚の警告のうちの少なくとも1つを発令するステップをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記可聴または視覚の警告のうちの少なくとも1つが、前記車両の操作者に提示される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記可聴または視覚の警告のうちの少なくとも1つが、前記車両の乗員のうちの少なくとも1人または前記車両の周囲の近傍にいる人々に提示される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記車両の操作者によって直接、前記安全ガードが前記下げられた展開位置に再位置付けされるステップをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記潜在的に危険な状況が差し迫っていると考えられるときに、エアバッグ、調整可能なサスペンション部品、および車両制動システムのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの他の車両制御システムを自動的に制御するステップをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記安全ガードを、前記持ち上げられた格納位置から前記下げられた展開位置に枢動させるステップをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
アコーディオン形式の前記安全ガードを、前記持ち上げられた格納位置から前記下げられた展開位置に下げるステップをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、車両安全装置の技術分野に関し、より詳細には、車両の下方に有生および無生の対象物が行くことを防止するために、その対象物と係合するための、車両の1つまたは複数の部分に搭載されそこから下向きに延在する1つまたは複数の安全ガードを含む、安全ガードシステムに関する。全体的には、安全ガードシステムはガード部を含み、このガード部は、通常は格納位置に配置されているが、感知された条件に基づいて、有生および無生の対象物を車両から離して効果的に偏向させることができる作動位置まで、自動的に下げられる。
【背景技術】
【0002】
[0002]多様な理由により、様々な移送車両がやや高すぎる地上高で設計されている。例えば、通学バスおよび通勤バス、ならびに個人向けのレクリエーション用車両は、関連付けられた高い地上高を有し得る。あいにく、地上高が低い他の車両には見られない、地上高が高い車両の動作に関連付けられた固有の危険がある。これらの負傷の最も深刻なものは、人間が車両の前の道路に滑り落ちることの結果であり、車両がその人間を轢くことにつながる。さらに、特定の無生の対象物は、そのような車両に不必要に轢かれ破壊され得る。
【0003】
[0003]これらの懸念に対処するために、バスの車輪の前に直接安全ガードを搭載して、車輪と対象物との間に安全バリアを確立することが、当技術分野において提案されてきた。より具体的には、米国特許第5,462,324号および米国特許第5,735,560号によって表されるように、バスなどの車両の車台構造に安全バリアを搭載することが既知であり、この安全バリアは、地表面に直接沿って延在する下側縁を含む。安全バリアは、車軸、骨組み、および/またはサスペンション構造などの、様々な箇所で固定して支持される。安全バリアは、バスの運動中に対象物が遭遇された場合に、安全バリアがその対象物を車両の下方から車両車輪の経路の外の位置に追い出すように、角度を付けられている。
【0004】
[0004]既知の安全ガードは、一般に所定の位置に固定されている一方、他のものは、弾性的に搭載されている。いずれの場合でも、安全ガードは、車両の通常動作中に数インチ以下だけ道路表面の上方に延在する。この高さは、望まれる偏向機能には効果的であるが、この位置付けは、安全ガードに様々な有害環境条件を受けさせる。例えば、この低い位置は、そのような安全ガードを、車両のいつもの動作中に、例えば縁石、道路のくぼみの周囲の道路表面、および減速バンプ等の固定された対象物との係合による潜在的な摩耗および摩滅にさらす。さらに、安全ガードの設計および安全ガードの使用の環境に少なくとも部分的に応じて、安全ガードは、水雪、氷、および泥等を不必要に収集して、視覚的に魅力のない属性を助長し得る。上記に基づいて、車両の下方に有生の対象物が位置付けられた状態になることを防止するように位置付けられる主機能を依然として実行しながら、ガード保護目的および全体的な車両の美的目的のために強化された搭載および動作を示す安全ガードシステムの必要性が存在することが見て取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,462,324号明細書
【特許文献2】米国特許第5,735,560号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0005]本発明は、高い地上高の通学もしくは通勤バス、または個人向けのレクリエーション用車両などの車両の選択された本体部に搭載されそこから下向きに延在する車両安全ガードシステムであって、安全ガードが、車両の通常動作中の格納位置と、安全ガードが車両の下方に有生の対象物が行くことを防止するように機能する拡張位置との間で、自動的に動くことが可能である、車両安全ガードシステムを提供することを対象とする。全体的には、安全ガードは、車両の経路に横たわっている人間または他の有生の対象物と係合し偏向させるように機能し、それによって人間または他の有生の対象物が車両によって轢かれることを防止する。この目的のために、安全ガードは、展開されたときに、例えばフロントバンパーの下におよび/または車両の側部に沿った前輪と後輪との間でなど、車両の本体部から下へ、例えば支持表面から約7.62cm(3インチ)以下の範囲で、車両支持表面のすぐ上方まで延在する。
【0007】
[0006]本発明によれば、安全ガードは、車両の通常動作中に、例えば車両の側面からの眺めよりほとんどわずかにのみ見えるように、車両の本体部のわずかにすぐ上方、車両の本体部ちょうど、または車両の本体部のわずかに下にある格納位置から、拡張位置すなわち、安全ガードが、車両本体の下方に有生および/または無生の対象物が行くことを効果的に防止することができる車両支持表面のすぐ上方にある下げられた動作位置まで、移動可能である。この垂直移動は、線状、枢動、繰出し、および本体拡張等を含む様々な動きを通じて実行されることができる。この垂直運動は、車両に隣接する対象物を評定するために使用されるセンサーからの信号に基づいて自動的に実行される。
【0008】
[0007]より具体的には、垂直調整は、車両に直接隣接する環境を評価するように機能するコンピューター化された監視システムによって実行される。この目標のために、車両は、カメラ、レーダー、ソナー、レーザー、および/または他の既知の感知ユニットなどのセンサーを組み込み、センサーからの信号は、有生の対象物すなわち人または動物の存在が、単独であるか、例えば自転車、スクーター、またはベビーカー等の無生の対象物とともにあるかのいずれかを判定するために分析される。車両の周りの所定の空間的な境界を顕著に突破する有生の対象物が感知されたとき、車両の前または側部のいずれかにおいて、全体的な安全ガードシステムの1つまたは複数の部分が、効果的な対象物偏向位置まで自動的に下げられる。対象物がもはや車両の付近に存在しないとき、または所定の時間期間の後には、安全ガードは、通常の格納された動作高さまで自動的に持ち上がる。
【0009】
[0008]有生の対象物の存在を感知することに関連して、様々なセンサーが、監視および制御システムの一部を形成し、センサーからの信号は、分析用セクターを含むコントローラーまたはCPUに継続的に供給され、この分析用セクターは、有生の対象物が、単独であるか、無生の対象物を伴うかのいずれかを識別することができ、このことが、車両の通常の使用中に習慣的に運転されることがある様々な他の無生の対象物に対する安全ガードの自動的な展開を正当化するであろう。1つの好ましい実施形態において、AIが、カメラ画像などの信号データを保存されたデータ画像と比較して、有生の対象物の存在と、安全ガードを一時的に展開する必要性とを示すために採用される。別の好ましい実施形態では、対象物感知のためにレーダーが採用される。
【0010】
[0009]この全体的な構築物において、車両の付近または車両の経路に滑り落ちた人間が感知され、安全ガードは時宜を得て展開され、その人間は、安全ガードと係合し、車両の下方に行くことを防止されることになる。また、本発明に関連して有利なことは、安全ガードが、より頻繁に持ち上げられた位置または格納位置にあることになるため、安全ガードが、車両の動作中に安全ガードへの損傷を引き起こし得る固定されたまたはそうではない任意の無生の対象物に係合する可能性がはるかに低いことである。
【0011】
[0010]本発明の追加の目的、特徴、および利点は、図面と合わせて取り上げられるときの以下の好ましい実施形態の詳細な説明からより容易に明らかになり、複数の図において、同様の参照番号は対応する部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0011]格納位置または未展開位置において示されている本発明の一実施形態による安全ガードシステムが搭載されている通勤バス型の車両の斜視図である。
図2】[0012]安全ガードシステムが作動位置または展開位置にある、図1の車両の斜視図である。
図3】[0013]本発明の別の実施形態に従って構築された安全ガードシステムが搭載されている通勤バス型の車両の斜視図である。
図4A】[0014]車両から取り外された図3の安全ガードシステムの一部を示す図である。
図4B】[0015]車両から取り外された図3の安全ガードシステムの別の一部を示す図である。
図5】[0016]安全ガードの垂直運動を制御するためのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0017]初めに図1を参照すると、通勤バスとして示されている車両2は、フロントガラス9を有する前端8を有する本体7と、ホイールハウス13内の12にそのうちの1つが示されている操縦可能前輪と、フロントバンパー14とを含む。前輪12の直接前方に配置されている最前方側部ドア15が示されている。本体7はまた、中央区画17と、後端区画19とを含む。後端区画19を支持するのは、一対の後輪組立体であり、そのうちの1セットが、車両本体7の側部パネル33に作成されたホイールハウス30に配置されている複車輪26および27を含むように、22に示されている。側部パネル33に沿った後輪組立体22のすぐ前には、最後尾側部ドア35がある。また、側部パネル33に設けられているのは、屋根38の下に垂直に配置されている様々な前後の離間された窓36および37である。本発明によれば、車両2は、最低でも垂直に調整可能である1つまたは複数の安全ガードを含む。より具体的には、図1に示されている例示的な実施形態において、少なくとも1つの側部安全ガード55が、前輪12と後輪22との間で側部パネル33の下に延在する。この図において、安全ガード55は格納位置に位置しており、安全ガード55は、車両2の通常動作中に、車両2の側面からの眺めよりわずかにのみ見えるように、側部パネル33のすぐ下にある。この位置は、少なくとも2つの観点、すなわち、車両2が安全ガードを有すると容易に見分けられることができること、および安全ガード55が詳細には完全に下に下げられ得る際に、下げる間の走行距離および時間が低減されることにおいて、有利であると考えられる。しかしながら、安全ガード55は、本発明から逸脱することなく、格納された通常の車両の動作位置にあるときに、側部パネル33の完全に背後または車両2の下方に位置し得る。図示の実施形態では例として、安全ガード55は、側部パネル33のおよそ5.08cm(2インチ)下に配置されている。
【0014】
[0018]この点において、本発明は、車両2の側部パネル33に沿って延在する安全ガード55を参照して説明されているが、他の安全ガード配置が採用されることが可能であることに留意されたい。明らかに、別個の側部安全ガード区画58が、ドア15のすぐ下に設けられることができ、図示されていないが、前面安全ガード区画が、バンパー14の下に設けられ得る。しかしながら、本発明を理解する目的のために、安全ガード55および安全ガード55の動作のみが、この開示されている実施形態と関連してさらに以下で議論される。本発明の安全ガードは、より多くの低車高バスにも適用可能であるが、多くの学校、通勤、クロスカントリー、およびレクリエーション用のバス/車両などのかなり高く持ち上げられた車台本体部を有する車両に関連して、特に有利に採用されると考えられる。車両2のようなやや高すぎる地上高の車両において、バンパー14の地上高は、最大60.96cm(2フィート)ですらあり得、一方で本発明による1つまたは複数の安全ガードは、この距離をおおよそ5.08~15.24cm(2~6インチ)に、好ましくは約5.08~7.62cm(2~3インチ)に低減する。最も好ましい実施形態において、安全ガードは、耐摩耗性であり、腐食防止であり、触感が滑らかであり、そして変色しない、高耐久性で耐衝撃性のウレタン材料で形成されているが、プラスチックおよびゴム等を含む他の既知の材料が、本体7の下方に有生の対象物、例えば、子ども、大人、犬、もしくは猫、または無生の対象物、例えば、自転車、スケートボード、台車、もしくはベビーカー等が行くことを防止するのに十分強固な物理的バリアを作成するために使用されることもできる。さらに、安全ガードの少なくとも一部を、リサイクルされたタイヤのゴムまたは繊維ガラスから製造することが可能であろう。安全ガードの重量および厚さを低減するために、全体的な有効性を犠牲にすることなく内部を強化するための内側ワイヤーメッシュを採用することが可能である。
【0015】
[0019]再び、1つまたは複数の安全ガードが、車両2の下方に有生および無生の対象物が行くことを防止するため、その対象物と係合するために、車両2の異なる部分に搭載されそこから下向きに延在し得ることを認識されたい。具体的に安全ガード55に戻って参照すると、安全ガード55は、前輪12のホイールハウス13と後輪22のホイールハウス30との間の本質的に全体に側部パネル33の下に延在することに留意されたい。したがって、安全ガード55は、ドア35につながる全体区域を保護する。とにかく、本発明の目的のために、安全ガードのうちの1つまたは複数が設けられ得、各ガードは、実際には、1つまたは複数の断片で形成され得る。1つまたは複数の安全ガードの特定の搭載は、上記で示唆された垂直移動構成を好ましく受け入れながら、本発明に従って大きく異なることができる。本発明のさらなる詳細を説明することにおいて図2に目を向ける前に、側部パネル33に沿って離間された箇所に設けられたセンサー60および62などの、センサーの包含が言及される。センサー60および62は、カメラ、レーダー、ソナー、レーザー、または他の既知の感知ユニットなどの様々な形態をとることができ、以下のさらなる詳細のように、車両2に向かって動く有生または無生の対象物の先制感知と関連して設けられる。
【0016】
[0020]具体的に図2を参照すると、安全ガード55は、車両2が走行する表面のおよそ5.08~7.62cm(2~3インチ)上方の上記で言及された位置まで安全ガード55が垂直に移動した、拡張位置または展開位置に示されている。図1に示す格納位置から、図2の拡張された展開位置まで安全ガード55を再位置付けすることは、例えば70~73にまとめて示されている、様々のタイプのアクチュエーターで行われることができる。空気圧、油圧、磁気、またはサーボ等のタイプのアクチュエーター70~73が使用されることが好ましい。安全ガード55によって横断される実際の経路はまた、例えば、実質的に垂直のみの運動から角運動または枢動運動まで変動することができる。さらに、安全ガード55は、これらの位置のうちの1つまたは複数に付勢され、すなわち、ばね仕掛けであることできる。したがって、依然として望まれる運動を受け入れながら、異なる搭載/アクチュエーター配置が採用されることができると容易に認識されたい。いずれの場合でも、安全ガード55は基本的に、一旦展開されると、前輪12と後輪22との間に延在するスカートの形のバリアまたは他の物理的バリアを確立すると認識することが重要である。
【0017】
[0021]上記に示したように、本発明の安全ガードは、異なる形態をとることができる。さらなる例示的な目的のために、本発明の別の実施形態を説明する際に、ここで図3図4A、および図4Bが参照される。同様の参照番号は、図1および図2、ならびに提供されている複数の追加の図の実施形態に対応する部分を指す。基本的に、この実施形態によれば、安全ガード55Aは、前輪12と後輪26との間に延在し、一方で安全ガード58Aは、ドア15の下、および前端8における角部の周りに延在する。これらの図の実施形態は、安全ガード区画が、図示のようなアコーディオン形式またはベローズ構築物を採用することなどによって、拡張可能な形態をとることができると例示することを意図している。上記で説明した実施形態のように、様々なアクチュエーター、例えばアクチュエーター70~73が、安全ガード区画を拡張位置と格納位置との間で移動させるために使用されることができる。
【0018】
[0022]図4Aは特に、安全ガード55Aをボルト(図示せず)で骨組みまたは側部ロッカーパネル等に留めるための様々な離間された穴102を有する、車両搭載板または車両搭載部100を含む、安全ガード55Aに関連付けられた構造を示している。安全ガード55Aはまた、ガセット部材118および119によって構造的に強化された基台115につながる、ひだ状の本体部110を含む。基台は、それぞれアクチュエーター71~73の取付けのための様々な穴125~127を伴って形成されている。同様に、図4Bに最もよく示すように、安全ガード58Aは、一連の搭載穴202、弁護されたアコーディオンまたはベローズ形式の本体部分210、および基台215が設けられている車両搭載部200を含む。本発明の好ましい形において、安全ガード55Aおよび58Aの各々は、特定の車両2の輪郭へと容易に形状を定められるように、例えばウレタン、プラスチック、またはゴム等で成形される。図1および図2の実施形態とは異なり、本体部110および210が車両搭載部100および200に対してそれぞれ拡張し格納する能力は、側部パネル33および前部8の角との美的に心地よい面一搭載と、多種多様な車両へのより普遍的な搭載配置を確立する能力との両方を提供する。
【0019】
[0023]安全ガード55、55A、58、および/または58Aに関連付けられた垂直移動は、選択的に車両2の操作者によって実行されることが潜在的に可能であるが、本発明によれば、ここで特に図5を参照して詳細を説明するように、センサーの入力に基づいて自動的に実行されることが好ましい。概略的に述べるように、車両2の下方に懸念の有生または無生の対象物が落ちまたは横たわった状態になることに場合によってはつながる見込みを判定および評定するための制御システムが、概して図5の285に示されている。図示のように、制御システム285は、車両2に搭載されたコントローラーまたはCPU288を含む。コントローラー288によって実行される機能は、主車両コントローラーへと組み合わされ、主車両コントローラーにリンクされ、または主車両コントローラーとは別個であり、実際には、安全ガード自体に少なくとも部分的に統合され得る。いずれの場合でも、コントローラー288は、上記で示したようにカメラであり得るがレーダーユニットなどの他の形態をとることもできるセンサー60および62から、信号を受信する。いずれの場合でも、センサー60、62は、車両2のエンジンが稼働しているときにいつでもまたは車両が動いているときになど、車両2が動作中にはいつでも、コントローラー288に情報を入力するように作動することが好ましい。
【0020】
[0024]潜在的な後の検討のために、センサー情報のすべてがコントローラー288のメモリ298に好ましく保存されることに加えて、センサー信号は、コントローラー288の分析セクター295にも提供される。分析セクター295は、潜在的に危険な状況が差し迫っているかどうか、特に、車両2の下方に人間が落ちる可能性のある状況を提示し得る車両2に向かって動いているまたは車両2のより近くにいる人間がいるか否かを判定するように機能する。そのような状況が見込みでもあると判定された場合、コントローラー288は、安全ガードを、図1の持ち上げられた位置または格納位置から、図2(または、図示の第2の実施形態による図3)の下げられた位置もしくは展開位置まで、自動的に移動させるようにガードアクチュエーター70~73を制御し、それによって、誰かが車両2の下方に進入し車輪26および/または27によって潜在的に轢かれることを単に防止する距離だけ道路表面から離間された物理的バリアを確立する。安全ガードは、一旦下げられると、分析されたセンサー信号に基づいてその区域には潜在的な危険要因がないと判定されるまでのみならず、所定の下げ時間期間、例えば2~3分が経過するまで、下げられた位置に留まることが好ましい。安全ガードを下げることに加えて、視覚および/または可聴の警告が、例えば車両2の側部の照明警告(注意)標識(図示せず)および/または可聴メッセージを通じて、警告システム300を介して車両操作者および/または車両2の周囲の近傍にいる人々に対して生成されることができる。さらに本発明によれば、特にカメラセンサーの使用に関連して、分析セクター295は、展開戦略を決定するために、保存されている比較データに基づいておよび/またはAIもしくは機械学習を使用して、有生の対象物と無生の対象物とを区別することもでき、異なる無生の対象物間、例えば縁石、道路のくぼみ、および減速バンプに対して、自転車、スケートボード、およびベビーカーを区別することもできる。データ/情報伝送に関連して、送信は有線または無線であり得る。
【0021】
[0025]上記に基づいて、本発明は、人または動物が前輪もしくは後輪によって轢かれることにより引き起こされる負傷または事故死を防止するために、車両の本体パネルの下から道路表面までの潜在的に危険な隙間を自動的に閉じて、歩行者、自転車乗り、および動物等が車両の車台に進入することを防止するように垂直に移動可能である、車両の車台、本体、骨組み、キャシー等に搭載された物理的バリアまたはガードを確立することが容易に明らかなはずである。本発明に重要なことは、安全ガードが通常は持ち上げられた位置にあり、センサーとコントローラーとの組合せが、所与の差し迫った状況の評価に基づき、即座に先制して、安全ガードを自動的に下げるために使用されることである。センサーは、車両本体に直接搭載され得、または実際にはガード内に埋め込まれ得る。車両操作者が、ガードの再位置付けを別個に制御し、コントローラーが必要に応じて任意の持上げ選択を上書きすることを可能にする備えもまた、なされることができる。障害物が搭乗の快適さを改めるおそれがあり、このことが簡単に前もって警告されることができるため、安全ガードが下げられるときに、警告(例えば、警報音、通知、アナウンス等)は、乗員にも拡大されることができる。この文脈において、コントローラーはまた、安全ガードが展開される必要があるときに、車両の速度に応じて他の車両機能を潜在的に制御するために、例えばエアバッグ、調整可能なサスペンション部品、および制動システム等の他の車両制御システムにもリンクされることができる。安全ガードは、持ち上げられたときに、縁石および道路のくぼみ等の固定された無生の対象物との車両衝撃からの潜在的な損傷を回避するよりよい位置にあり、結果として、使用条件の道路および環境による摩耗および摩滅が、より少なくなる。さらに、安全ガードがより頻繁に持ち上げられた位置または格納位置にあることになるため、安全ガードに対する不必要な水雪、氷、または泥等の過剰な収集が回避される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】