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特表2024-531346半減期が延長された抗体およびIgG融合タンパク質
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  • 特表-半減期が延長された抗体およびIgG融合タンパク質 図1A
  • 特表-半減期が延長された抗体およびIgG融合タンパク質 図1B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】半減期が延長された抗体およびIgG融合タンパク質
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/00 20060101AFI20240822BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240822BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240822BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
C07K16/00 ZNA
C07K19/00
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61P37/08
A61P17/00 171
A61K38/17
A61K47/68
A61K39/395 D
A61K39/395 N
C07K16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509419
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 EP2022073145
(87)【国際公開番号】W WO2023021169
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/235,259
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/235,261
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/341,443
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510000976
【氏名又は名称】インターベット インターナショナル ベー. フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】モージー,モハマド
(72)【発明者】
【氏名】スタウファー,セス・ディー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA43
4C076CC07
4C076CC18
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA41
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB13
4C084ZC61
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085CC22
4C085DD62
4C085EE01
4C085EE03
4C085GG01
4H045AA11
4H045AA20
4H045BA10
4H045BA41
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、イヌまたはネコフラグメント結晶化可能領域(Fc領域)を含む抗体またはIgG Fc融合タンパク質であって、Fc領域中の1つ以上の特定のアミノ酸置換に起因して増強された半減期を有する、抗体またはIgG Fc融合タンパク質を提供する。増加した半減期は、非置換イヌFc領域または非置換ネコFc領域を含む対応する抗体またはIgG Fc融合タンパク質のものに対して、中程度に酸性のpHでの新生児型Fc受容体(FcRn)に対する増加した結合親和性の関数であり得る。これらの抗体および/またはIgG融合タンパク質を含む医薬組成物も提供される。
【選択図】 図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のアミノ酸置換を含むフラグメント結晶化可能領域(Fc領域)を含む抗体またはIgG Fc融合タンパク質であって、前記1つ以上のアミノ酸残基置換が、252、254、256、308、433、434、436、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸残基位置にあり、前記アミノ酸残基位置が、KabatのようにEUインデックスに従ってナンバリングされ:
前記置換が、アミノ酸残基位置252にある場合、前記置換が、チロシン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置254にある場合、前記置換が、トレオニン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置256にある場合、前記置換が、アスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置308にある場合、前記置換が、プロリン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置433にある場合、前記置換が、リジン残基またはロイシン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置434にある場合、前記置換が、フェニルアラニン残基、ヒスチジン残基、またはチロシン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置436にある場合、前記置換が、トレオニン残基によるものであり;
前記抗体が、重鎖および軽鎖を含み;
前記Fc領域が、イヌFc領域(cFc)およびネコFc領域(fFc)からなる群から選択される、抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項2】
前記cFcまたは前記fFcが、
アミノ酸残基位置252でのチロシン残基による置換およびアミノ酸残基位置256でのアスパラギン酸残基による置換;
アミノ酸残基位置256でのアスパラギン酸残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置308でのプロリン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのリジン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのフェニルアラニン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのリジン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのロイシン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのフェニルアラニン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのロイシン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換;
アミノ酸残基位置252でのチロシン残基による置換、アミノ酸残基位置254でのトレオニン残基による置換、およびアミノ酸残基位置256でのグルタミン酸残基による置換;
アミノ酸残基位置256でのアスパラギン酸残基による置換、アミノ酸残基位置308でのプロリン残基による置換、およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのリジン残基による置換、アミノ酸残基位置434でのフェニルアラニン残基による置換、およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのリジン残基による置換、アミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換、およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのロイシン残基による置換、アミノ酸残基位置434でのフェニルアラニン残基による置換、およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換;ならびに
アミノ酸残基位置433でのロイシン残基による置換、アミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換、およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換
からなる群から選択されるアミノ酸残基位置に2つ以上のアミノ酸残基置換を含む、請求項1に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項3】
前記fFcが、IgG-la Fc、IgG-1am Fc、IgG-lb Fc、IgG-1bm Fc、IgG-2 FcおよびIgG-2m Fcからなる群から選択される、請求項1または2に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項4】
前記fFcが、配列番号9、配列番号9と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号10、配列番号10と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号11、配列番号11と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号12、配列番号12と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号50、配列番号50と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号51、および配列番号51と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記fFcが、前記1つ以上のアミノ酸置換を保持する、請求項3に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項5】
前記cFcが、IgG-A Fc、IgG-Am Fc、IgG-B Fc、IgG-Bm Fc、IgG-C Fc、IgG-Cm Fc、IgG-D FcおよびIgG-Dm Fcからなる群から選択される、請求項1または2に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項6】
前記cFcが、配列番号1、配列番号1と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号2、配列番号2と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号3、配列番号3と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号4、配列番号4と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号5、配列番号5と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号6、配列番号6と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号7、配列番号7と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号8、および配列番号8と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記cFcが、前記1つ以上のアミノ酸置換を保持する、請求項5に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項7】
前記cFcが、配列番号13、配列番号14、配列番号15および配列番号16からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むイヌヒンジ領域をさらに含む、請求項1、2、5または6のいずれか一項に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項8】
前記cFcが、配列番号13、配列番号14、配列番号15および配列番号16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むイヌヒンジ領域をさらに含む、請求項7に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項9】
対応する野生型イヌFcまたはネコFcを含む対応する抗体またはIgG Fc融合タンパク質の半減期と比較して増加した半減期を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項10】
中程度に酸性のpHで新生児型Fc受容体(FcRn)に対して増強された結合親和性を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項11】
配列番号17のアミノ酸配列、または配列番号17と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列をさらに含むイヌIL-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質であり、前記cFcが、前記1つ以上のアミノ酸置換を保持する、請求項1、2および5~10のいずれか一項に記載のIgG Fc融合タンパク質。
【請求項12】
配列番号18のアミノ酸配列、または配列番号18と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列をさらに含むイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質であり、前記cFcが、前記1つ以上のアミノ酸置換を保持する、請求項1、2、および5~10に記載のIgG融合タンパク質。
【請求項13】
配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34および配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34および配列番号35と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を含むアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項12に記載のイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか一項に記載の抗体もしくはIgG融合タンパク質、または請求項11に記載のイヌ-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質、または請求項12もしくは13に記載のイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせをコードする核酸。
【請求項15】
請求項14に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項16】
請求項15に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項17】
イヌ抗体またはイヌ化抗体からなる群から選択される、請求項1、2および5~10のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項18】
イヌインターロイキン-31受容体アルファ(cIL-31RA)に対するイヌ化抗体であり、前記重鎖が、配列番号44のアミノ酸配列を含む可変領域を含む、請求項17に記載のイヌ化抗体。
【請求項19】
前記重鎖が、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42および配列番号43からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42および配列番号43と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項18に記載のcIL-31RAに対するイヌ化抗体。
【請求項20】
前記イヌ化抗体の前記軽鎖が、配列番号45のアミノ酸配列を含むか、または配列番号45と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を含む、請求項18または19に記載のcIL-31RAに対するイヌ化抗体。
【請求項21】
請求項20に記載のイヌ化抗体の軽鎖をコードする核酸。
【請求項22】
請求項17~20のいずれか一項に記載のイヌ化抗体の重鎖をコードする核酸。
【請求項23】
請求項21もしくは22、または請求項21および22の両方に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項24】
請求項23に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項25】
請求項11に記載のイヌ-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質、請求項12もしくは13に記載のイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質、請求項18~20のいずれか一項に記載のイヌ化抗体、請求項15もしくは23に記載の発現ベクター、またはそれらの任意の組み合わせと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項26】
アトピー性皮膚炎を有するイヌを処置する方法であって、請求項25に記載の医薬組成物を前記イヌに投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、XML形式で電子的に提出された配列表を含有し、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。2022年7月21日に作成されたXMLファイルのファイル名は、「25530.xml」である。EFS-Webを介して提出されたこの配列表は、本明細書の一部であり、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年5月13日に出願された米国仮特許出願第63/341,443号明細書、2021年8月20日に出願された米国特許出願第63/235,259号明細書、および2021年8月20日に出願された米国特許出願第63/235,261号明細書の米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する。
【0003】
本発明は、イヌまたはネコフラグメント結晶化可能領域(Fc領域)を含む抗体またはIgG Fc融合タンパク質であって、Fc領域中の1つ以上の特定のアミノ酸置換に起因して増強された半減期を有する、抗体またはIgG Fc融合タンパク質に関する。増加した半減期は、非置換イヌFc領域または非置換ネコFc領域を含む対応する抗体またはIgG Fc融合タンパク質のものに対して、中程度に酸性のpHでの新生児型Fc受容体(FcRn)に対する増加した結合親和性の関数であり得る。これらの抗体および/またはIgG融合タンパク質を含む医薬組成物も提供される。
【背景技術】
【0004】
医薬抗体研究の1つの重要な目的は、比較的低い用量および低い投与頻度で有効な抗体を開発することである。これらの属性は、処置のコストを下げる働きをし、それはより多くの患者アクセスをもたらし、同時に患者の利便性を増大し、かつ患者のコンプライアンスを高め、それによってより良好な治療転帰をもたらす。この目的を達成するために、多くの研究が、IgGアイソタイプの治療用抗体といわゆる新生児型Fc受容体(FcRn)との間の結合を調節することに重点を置いた。これは、IgGへのFcRn結合が、抗体血漿半減期の維持および延長における重要な因子であると考えられるからである。
【0005】
FcRnは、MHCクラスI様アルファドメインおよびB2-ミクログロブリン(B2-m)サブユニットで構成されるヘテロ二量体である。FcRnは、いくつかの組織:最も顕著には、血管内皮、腎臓、骨髄由来細胞、および血液脳関門で発現される。FcRnは、他のIgG Fc受容体の部位とは異なるIgG Fcの部位でIgGに結合する。IgGのFcRnへの結合は、pHに高度に依存し、この結合は、エンドソーム区画中の低pH(例えば、pH6.5未満)では高い親和性で起こるが、細胞表面の生理学的pH(例えば、pH7.4)では有意に低い結合親和性で起こる[例えば、Borok et al.,J.Biol.Chem.290(7):4282-4290,(2015)を参照されたい]。エンドソーム区画中のIgGのFcRnへの強い結合は、エンドソーム中のタンパク質分解酵素による分解から抗体を保護し、受容体結合抗体の細胞表面への再循環を可能にし、そこでpHの上昇が相互作用を弱め、生理学的pHで循環中に抗体の放出を可能にする。
【0006】
以前の研究は、ある特定の位置におけるある特定の突然変異がヒトIgGのヒトFcRnへの結合を変えることを示していた[例えば、米国特許第7,083,784号明細書、米国特許第7,658,921号明細書、米国特許第7,217,797号明細書、米国特許第7,217,798号明細書、米国特許第8,088,376号明細書、米国特許第10,336,818号明細書および国際公開第2019/147973号を参照されたい]。しかしながら、ヒトおよび犬または猫IgGタンパク質は、ヒト配列中の残基に、犬または猫配列中とは異なる環境および/または異なる同一性を与えるそれらのアミノ酸配列に多くの相違を有する。この変動性により、ある種のIgGの特性を別の種のIgGに直接伝達することが困難になる。一貫して、最近になって多数の対応する研究がコンパニオンアニマルに対して行われている[例えば、国際公開第2018073185号、国際公開第2020082048号、国際公開第20210116560号、米国特許出願公開第20200362035号明細書、米国特許出願公開第20200216536号明細書、国際公開第2020191289号、国際公開第2021231464号、および米国特許出願公開第20210347854号明細書を参照されたい]。しかしながら、任意の特定の突然変異または突然変異の組み合わせは、抗体の半減期または他の属性の長期化に対して劇的に異なる効果を有する場合があり、これはまた、抗薬物(抗体)抗体を誘導する可能性を含む重要な抗体特性に対するそのような突然変異の効果を予測することを困難にする。したがって、治療用抗体および/または対応する治療用Fc融合タンパク質の半減期を延長することができる犬および/または猫IgGタンパク質における新しい特異的置換/突然変異を同定する必要性が依然として存在する。
【0007】
本明細書における任意の参考文献の引用は、そのような参考文献が本出願に対する「従来技術」として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,083,784号明細書
【特許文献2】米国特許第7,658,921号明細書
【特許文献3】米国特許第7,217,797号明細書
【特許文献4】米国特許第7,217,798号明細書
【特許文献5】米国特許第8,088,376号明細書
【特許文献6】米国特許第10,336,818号明細書
【特許文献7】国際公開第2019/147973号
【特許文献8】国際公開第2018073185号
【特許文献9】国際公開第2020082048号
【特許文献10】国際公開第20210116560号
【特許文献11】米国特許出願公開第20200362035号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第20200216536号明細書
【特許文献13】国際公開第2020191289号
【特許文献14】国際公開第2021231464号
【特許文献15】米国特許出願公開第20210347854号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Borok et al.,J.Biol.Chem.290(7):4282-4290,(2015)
【発明の概要】
【0010】
本発明は、半減期が増強された抗体およびIgG Fc融合タンパク質を提供する。したがって、本発明の一態様では、軽鎖および重鎖を含む抗体であって、重鎖が、アミノ酸残基位置252、アミノ酸残基位置254、アミノ酸残基位置256、アミノ酸残基位置308、アミノ酸残基位置433、アミノ酸残基位置434、アミノ酸残基位置436、またはこれらのアミノ酸位置の任意の組み合わせにおいてKabatのようにEUインデックスに従ってナンバリングされたアミノ酸残基位置にアミノ酸置換を含むフラグメント結晶化可能領域(Fc領域)を含む、抗体が提供される。この種のある特定の実施形態では、Fc領域は、イヌFc領域(cFc)である。この種の他の実施形態では、Fc領域は、ネコFc領域(fFc)である。
【0011】
本発明はまた、アミノ酸残基位置252、アミノ酸残基位置254、アミノ酸残基位置256、アミノ酸残基位置308、アミノ酸残基位置433、アミノ酸残基位置434、アミノ酸残基位置436、またはこれらのアミノ酸位置の任意の組み合わせにおいてKabatのようにEUインデックスに従ってナンバリングされたアミノ酸残基位置にアミノ酸置換を含むフラグメント結晶化可能領域(Fc領域)を含むIgG Fc融合タンパク質を提供する。この種のある特定の実施形態では、Fc領域は、イヌFc領域(cFc)である。この種の他の実施形態では、Fc領域は、ネコFc領域(fFc)である。
【0012】
特定の実施形態では、本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質は、1つ以上のそのようなアミノ酸置換を含む。ある特定の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置252のチロシン残基によるものである。他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置254のトレオニン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置256のアスパラギン酸残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置256のグルタミン酸残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置308のプロリン残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のリジン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のロイシン残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置434のフェニルアラニン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置434のヒスチジン残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置434のチロシン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置436のトレオニン残基によるものである。
【0013】
関連する実施形態では、本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質は、そのようなアミノ酸置換のうちの2つ以上を含む。特定の実施形態では、本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質は、アミノ酸残基位置252にチロシン残基による置換およびアミノ酸残基位置256にアスパラギン酸残基による置換を含む。他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置308のプロリン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のチロシン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のリジン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のフェニルアラニン残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のリジン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のチロシン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のロイシン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のフェニルアラニン残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のロイシン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のチロシン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置256のアスパラギン酸残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のチロシン残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置434のチロシン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置436のトレオニン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置252のチロシン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置254のトレオニン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置256のグルタミン酸残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置256のアスパラギン酸残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置308のプロリン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のチロシン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のリジン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のフェニルアラニン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置436のトレオニン残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のリジン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のチロシン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置436のトレオニン残基によるものである。さらに他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のロイシン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のフェニルアラニン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置436のトレオニン残基によるものである。なお他の実施形態では、置換は、アミノ酸残基位置433のロイシン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置434のチロシン残基によるものであり、置換は、アミノ酸残基位置436のトレオニン残基によるものである。
【0014】
本発明の抗体およびIgG Fc融合タンパク質は、好ましくは、対応する野生型イヌFcまたはネコFcを含む対応する抗体または対応するIgG Fc融合タンパク質の半減期と比較して、増加した半減期を有する。特定の実施形態では、抗体またはIgG Fc融合タンパク質は、中程度に酸性のpHで、対応する野生型イヌFcまたはネコFcを含む対応する抗体または対応するIgG Fc融合タンパク質よりもそれらの新生児型Fc受容体(FcRn)に対して増強された結合親和性を有する。
【0015】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のある特定の実施形態では、Fc領域は、ネコFc領域(fFc)である。特定の実施形態では、fFcは、IgG-la Fcである。さらに他の実施形態では、fFcは、IgG-1am Fcである。なお他の実施形態では、fFcは、IgG-lb Fcである。さらに他の実施形態では、fFcは、IgG-1bm Fcである。なお他の実施形態では、fFcは、IgG-2 Fcである。さらに他の実施形態では、fFcは、IgG-2m Fcである。
【0016】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のより特定の実施形態では、fFcは、配列番号9と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、fFcは、配列番号9と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号9と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、fFcは、配列番号9と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号9と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、fFcは、配列番号9のアミノ酸配列を含む。
【0017】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質の他の特定の実施形態では、fFcは、配列番号10と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、fFcは、配列番号10と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号10と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、fFcは、配列番号10と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号10と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、fFcは、配列番号10のアミノ酸配列を含む。
【0018】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のなお他の特定の実施形態では、fFcは、配列番号11と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、fFcは、配列番号11と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号11と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、fFcは、配列番号11と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号11と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、fFcは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0019】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のさらに他の特定の実施形態では、fFcは、配列番号12と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、fFcは、配列番号12と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号12と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、fFcは、配列番号12と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号12と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、fFcは、配列番号12のアミノ酸配列を含む。
【0020】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のなお他の特定の実施形態では、fFcは、配列番号50と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、fFcは、配列番号50と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号50と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、fFcは、配列番号50と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号50と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、fFcは、配列番号50のアミノ酸配列を含む。
【0021】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のさらに他の特定の実施形態では、fFcは、配列番号51と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、fFcは、配列番号51と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号51と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、fFcは、配列番号51と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、fFcは、配列番号51と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、fFcは、配列番号51のアミノ酸配列を含む。
【0022】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のある特定の実施形態では、Fc領域は、イヌFc領域(cFc)である。特定の実施形態では、cFcは、IgG-A Fcである。さらに他の実施形態では、cFcは、IgG-Am Fcである。なお他の実施形態では、cFcは、IgG-B Fcである。さらに他の実施形態では、cFcは、IgG-Bm Fcである。なお他の実施形態では、cFcは、IgG-C Fcである。さらに他の実施形態では、cFcは、IgG-Cm Fcである。なお他の実施形態では、cFcは、IgG-D Fcである。さらに他の実施形態では、cFcは、IgC-Dm Fcである。
【0023】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のより特定の実施形態では、cFcは、配列番号1と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cFcは、配列番号1と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号1と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cFcは、配列番号1と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号1と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、cFcは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。
【0024】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質の他の特定の実施形態では、cFcは、配列番号2と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cFcは、配列番号2と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号2と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cFcは、配列番号2と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号2と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、cFcは、配列番号2のアミノ酸配列を含む。
【0025】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のなお他の特定の実施形態では、cFcは、配列番号3と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cFcは、配列番号3と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号3と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cFcは、配列番号3と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号3と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、cFcは、配列番号3のアミノ酸配列を含む。
【0026】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のさらに他の特定の実施形態では、cFcは、配列番号4と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cFcは、配列番号4と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号4と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cFcは、配列番号4と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号4と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、cFcは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。
【0027】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のなお他の特定の実施形態では、cFcは、配列番号5と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cFcは、配列番号5と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号5と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cFcは、配列番号5と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号5と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、cFcは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。
【0028】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のさらに他の特定の実施形態では、cFcは、配列番号6と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cFcは、配列番号6と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号6と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cFcは、配列番号6と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号6と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、cFcは、配列番号6のアミノ酸配列を含む。
【0029】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のなお他の特定の実施形態では、cFcは、配列番号7と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cFcは、配列番号7と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号7と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cFcは、配列番号7と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号7と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、cFcは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。
【0030】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質のさらに他の特定の実施形態では、cFcは、配列番号8と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cFcは、配列番号8と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号8と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cFcは、配列番号8と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cFcは、配列番号8と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、cFcは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0031】
本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質の関連する実施形態では、cFcは、イヌヒンジ領域をさらに含む。ある特定の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号13と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号13と少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号13と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号13と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号14と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号14と少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号14と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号14と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号14のアミノ酸配列を含む。代替的な実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号15と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号15と少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号15と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号15と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号15のアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号16と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号16と少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号16と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号16と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、イヌヒンジ領域は、配列番号16のアミノ酸配列を含む。
【0032】
特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列を含むイヌインターロイキン-13受容体アルファ1-イヌIgG融合タンパク質(イヌIL-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質)である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0033】
他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列を含むイヌインターロイキン-13受容体アルファ2-イヌIgG融合タンパク質(イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質)である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0034】
さらに他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0035】
なお他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0036】
さらに他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。
【0037】
他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0038】
なお他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号22のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0039】
さらに他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0040】
なお他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号24のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号24のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号24のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号24のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号24のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号24のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0041】
さらに他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号25のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0042】
なお他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号26のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0043】
さらに他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号27のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0044】
なお他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号28のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0045】
さらに他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号29のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0046】
なお他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号30のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0047】
さらに他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号31のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0048】
なお他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号32のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0049】
さらに他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号33のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0050】
なお他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号34のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0051】
さらに他の特定の実施形態では、IgG Fc融合タンパク質は、配列番号35のアミノ酸配列を含むイヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質である。他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、イヌIL-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質は、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0052】
以下に示されるように、別途具体的に示される場合を除き、本発明の抗体は、IgG抗体である。具体的な実施形態では、本発明の抗体は、ネコ抗体である。関連する実施形態では、抗体は、ネコ化抗体である。他の実施形態では、抗体は、イヌ抗体である。なお他の実施形態では、抗体は、イヌ化抗体である。
【0053】
特定の実施形態では、イヌ化抗体は、イヌ化イヌインターロイキン-31受容体アルファ(cIL-31RA)抗体である。より具体的な実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号44のアミノ酸配列を含む可変領域を含む。より具体的な実施形態では、抗体は、cIL-31RAイヌ化抗体の軽鎖をさらに含む。特定の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の軽鎖は、配列番号45のアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の軽鎖は、配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の軽鎖は、配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の軽鎖は、配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の軽鎖は、配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の軽鎖は、配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0054】
特定の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号36のアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0055】
さらに他の特定の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号37のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0056】
さらに他の特定の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号38のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0057】
さらに他の特定の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号39のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0058】
さらに他の特定の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号40のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0059】
さらに他の特定の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号41のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号41のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号41のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号41のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号41のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号41のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0060】
さらに他の特定の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号42のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0061】
さらに他の特定の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号43のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態では、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖は、配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0062】
本発明は、本発明の個々の抗体重鎖、抗体軽鎖またはIgG融合タンパク質をコードする個々のヌクレオチド配列を含む個々の核酸をさらに提供する。したがって、本発明は、本発明の抗体重鎖、抗体軽鎖またはIgG融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本発明のイヌ-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質のいずれか1つをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。関連する特定の実施形態では、本発明は、本発明のイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質のいずれか1つをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。具体的な実施形態では、本発明は、配列番号44のアミノ酸配列を含む可変領域を含むcIL-31RAイヌ化抗体の重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。関連する実施形態では、本発明は、cIL-31RAイヌ化抗体の重鎖のいずれか1つをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。本発明はまた、cIL-31RAイヌ化抗体の軽鎖のいずれか1つをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。加えて、本発明は、本発明の抗体重鎖および軽鎖をそれぞれコードする複数のヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。本発明は、本発明のIgG融合タンパク質をそれぞれコードする複数のヌクレオチド配列を含む核酸をさらに提供する。本発明は、これらの核酸を含むベクターをさらに提供する。特定の実施形態では、ベクターは、発現ベクターである。本発明は、本発明のベクターのいずれかを含む宿主細胞をさらに提供する。
【0063】
本発明はまた、本発明の半減期が増強された抗体およびIgG Fc融合タンパク質と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。この増強された半減期は、少なくとも部分的には、Fc領域に1つ以上のアミノ酸置換を含むフラグメント結晶化可能領域(Fc)を含む抗体およびIgG Fc融合タンパク質に起因する。より具体的な実施形態では、医薬は、本発明のイヌ-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む。関連する実施形態では、医薬は、本発明のイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む。さらに別の実施形態では、医薬は、本発明のcIL-31RAイヌ化抗体および薬学的に許容される担体を含む。本発明はまた、イヌ-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質、イヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質、および/またはイヌ化cIL-31RAイヌ化抗体の組み合わせを含む医薬組成物を提供する。本発明は、本発明の医薬組成物のいずれか1つ以上をイヌに投与することを含む、アトピー性皮膚炎を有するイヌを処置する方法をさらに提供する。
【0064】
本発明のこれらおよび他の態様は、詳細な説明および図を参照することによってよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1A】ヒトIgG1 Fc[配列番号54]、イヌIgG-A[配列番号1]、イヌIgG-B[配列番号3]、イヌIgG-C[配列番号5]、イヌIgG-D[配列番号7]、ネコIgG-1a[配列番号52]およびネコIgG-2[配列番号53]由来のFc領域のアミノ酸配列のアラインメントを、コンセンサス配列[配列番号55]と共に示す図である。図示のネコIgG-1aおよびネコIgG-2 Fc領域は、Strietzel et al.,[Vet Immunol&Immunpathol.,158:214-223(2014)]によって定義された対応するネコFc領域に対して2つのさらなるN末端アミノ酸残基を有する。実線の矢印は、Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th ed.,Kabat et al.,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)によるEUナンバリングスキームを反映する特定のアミノ酸残基位置を示す。「x」は、比較される7つのアミノ酸配列についてのコンセンサス配列における位置252での均一性の欠如を反映する。
図1B】ヒトIgG1 Fc[配列番号54]、イヌIgG-A[配列番号1]、イヌIgG-B[配列番号3]、イヌIgG-C[配列番号5]、イヌIgG-D[配列番号7]、ネコIgG-1a[配列番号52]およびネコIgG-2[配列番号53]由来のFc領域のアミノ酸配列のアラインメントを、コンセンサス配列[配列番号55]と共に示す図である。図示のネコIgG-1aおよびネコIgG-2 Fc領域は、Strietzel et al.,[Vet Immunol&Immunpathol.,158:214-223(2014)]によって定義された対応するネコFc領域に対して2つのさらなるN末端アミノ酸残基を有する。実線の矢印は、Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th ed.,Kabat et al.,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)によるEUナンバリングスキームを反映する特定のアミノ酸残基位置を示す。「x」は、比較される7つのアミノ酸配列についてのコンセンサス配列における位置252での均一性の欠如を反映する。
【発明を実施するための形態】
【0066】
FcRnへの抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質の結合は、pHに高度に依存する。したがって、結合は、エンドソーム区画内の中程度に酸性のpHでは高い親和性で起こるが、細胞表面の生理学的pHでは有意に低い結合親和性で起こる。エンドソーム区画中のFcRnへのIgG抗体の強い結合は、両方ともエンドソーム中のタンパク質分解酵素の分解作用から抗体を保護し、細胞表面での受容体結合抗体の再利用を可能にするが、細胞表面でのより高いpH(すなわち、生理学的pH)は、その結合を弱め、それによって抗体の循環への放出を可能にする。1つ以上のアミノ酸をFc領域に置換することは、中程度に酸性のpHでFcRnに対する抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質の結合親和性を増加させ、それによってインビボでの抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質の半減期を増加させる働きをし得る。
【0067】
本発明は、Fc領域に1つ以上のアミノ酸特異的置換を含むフラグメント結晶化可能領域(Fc領域)を含む抗体およびIgG Fc融合タンパク質を提供する。本発明の一態様では、これらの抗体およびIgG Fc融合タンパク質は、中程度に酸性のpH(pH5.5~pH6.5)でそれらの新生児型Fc受容体(FcRn)に対して増強された結合親和性を有し、非置換Fc領域を有する対応する抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質に対して、抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質の半減期を延長する。関連する実施形態では、抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質は、中程度に酸性のpHではそれらのFcRnに対して増強された結合親和性を有するが、生理学的pH(pH7.2~7.6)ではそれらのFcRnに対して非改変または最小限に改変された結合親和性を有する。したがって、本発明の一態様では、抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質のFc領域への特異的アミノ酸置換は、生理学的pHでのそれらのFcRnからの抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質の放出に明らかに影響を及ぼさないが、中程度に酸性のpHでのそれらのFcRnに対する抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質の結合親和性を有意に増加させる。
【0068】
あるいは、または併せて、中程度に酸性のpHでの結合親和性と、FcRnに対する抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質の生理学的pHでの結合親和性との間の差を増大させることにより、抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質の相対的なインビボ半減期を延長することもできる。したがって、本発明は、フラグメント結晶化可能領域(Fc)を含む抗体およびIgG Fc融合タンパク質をさらに提供し、抗体およびIgG Fc融合タンパク質は、それらのFc領域に1つ以上のアミノ酸置換を含み、それらのFc領域にアミノ酸置換を含まないそれらの対応する抗体とIgG Fc融合タンパク質との間の差に対して、中程度に酸性のpHでのそれらの新生児型Fc受容体(FcRn)に対する抗体および/またはIgG Fc融合タンパク質の結合親和性は、生理学的pHでのそれらの結合親和性よりも大きな差をもたらす。この種の特定の実施形態では、抗体およびIgG Fc融合タンパク質はまた、中程度に酸性のpHでそれらの新生児型Fc受容体(FcRn)に対して増強された結合親和性を有する。
【0069】
略語
本発明の詳細な説明および実施例を通して、以下の略語を使用する:
ADCC 抗体依存性細胞傷害
CDC 補体依存性細胞傷害
CDR Kabatナンバリングシステムを使用して定義される、免疫グロブリン可変領域中の相補性決定領域
cFc イヌフラグメント結晶化可能領域
CHO チャイニーズハムスター卵巣
EC50 50%の有効性または結合をもたらす濃度
ECD 細胞外ドメイン
ELISA 酵素結合免疫吸着アッセイ
EUインデックス EUインデックス、KabatのEUインデックス、またはEUナンバリングスキームとも称される、Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th ed.,Kabat et al.,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)に従って広く使用されているナンバリング。
【0070】
fFc ネコフラグメント結晶化可能領域
FR 抗体フレームワーク領域:CDR領域を除く免疫グロブリン可変領域。
【0071】
IC50 50%阻害をもたらす濃度
IgG 免疫グロブリンG
Kabat Elvin A.Kabat[Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)]によって開拓された免疫グロブリンのアラインメントおよびナンバリングシステム
mAb モノクローナル抗体(同様にMabまたはMAb)
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
PK 薬物動態
V領域 異なる抗体間で配列が可変であるIgG鎖のセグメント。
【0072】
VH 免疫グロブリン重鎖可変領域
VL 免疫グロブリン軽鎖可変領域
Vk 免疫グロブリンカッパ軽鎖可変領域
Vl 免疫グロブリンラムダ軽鎖可変領域
定義
本発明がより容易に理解され得るように、ある特定の技術的および科学的用語を以下に具体的に定義する。本明細書の他の箇所で具体的に定義されていない限り、本明細書で使用される他のすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0073】
添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、「a」、「an」、および「the」などの単語の単数形は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、それらの対応する複数の言及を含む。
【0074】
分子の「活性」は、分子のリガンドまたは受容体への結合、触媒活性;遺伝子発現もしくは細胞シグナル伝達、分化、または成熟を刺激する能力;抗原活性、他の分子の活性の調節などを記載または指し得る。分子の「活性」はまた、細胞間相互作用、例えば接着を調節もしくは維持する活性、または細胞、例えば細胞膜もしくは細胞骨格の構造を維持する活性を指し得る。「活性」はまた、比活性、例えば、[触媒活性]/[mgタンパク質]、または[免疫活性]/[mgタンパク質]、生物学的区画中の濃度などを意味し得る。「活性」は、自然免疫系または適応免疫系の成分の調節を指し得る。
【0075】
「投与」および「処置」は、それが動物、例えばイヌもしくはネコの対象、細胞、組織、器官、または生物学的流体に適用される場合、外因性の医薬、治療、診断剤、または組成物と動物、例えばイヌもしくはネコの対象、細胞、組織、器官、または生物学的流体との接触を指す。細胞の処理は、細胞への試薬の接触、および流体が細胞と接触している流体への試薬の接触を包含する。
【0076】
「投与」および「処置」はまた、例えば、試薬、診断、結合化合物による、または別の細胞による細胞のインビトロおよびエクスビボ処置を意味する。「対象」という用語は、任意の生物、好ましくは動物、より好ましくは哺乳動物(例えば、イヌ、ネコまたはヒト)、最も好ましくはイヌまたはネコを含む。
【0077】
「処置する」または「処置」は、治療剤、例えば、本発明のIgG融合タンパク質タンパク質(例えば、イヌまたはネコIgG融合タンパク質)および/または抗体(例えば、イヌ化、ネコ化、イヌまたはネコ抗体)を含む組成物を、例えば、非ヒト対象、例えば、イヌもしくはネコ、または1つ以上の症状を有するイヌもしくはネコの患者、またはその薬剤が治療活性を有する状態を有すると疑われるイヌもしくはネコの患者に、内部的または外部的に投与することを意味する。典型的には、治療剤は、任意の臨床的に測定可能な程度まで(1もしくは複数の)そのような症状の退縮を誘導するかまたはその進行を阻害することによってであろうとなかろうと、処置された対象または集団における1つ以上の疾患/状態症状(例えば、アトピー性皮膚炎または癌)を緩和かつ/または改良するのに有効な量で投与される。任意の特定の疾患/状態症状を緩和するのに有効な治療剤の量(「治療有効量」とも称される)は、患者(例えば、イヌまたはネコ)の病状、年齢および体重、ならびに対象において所望の応答を誘発する医薬組成物の能力などの因子によって変動し得る。疾患/状態症状が緩和または改良されたかどうかは、その症状の重症度または進行状態を評価するために獣医または他の熟練したヘルスケア提供者によって、典型的に使用される任意の臨床測定によって評価することができる。本発明の実施形態(例えば、処置方法または製造品)は、すべての対象において(1または複数の)標的疾患/状態症状を緩和するのに有効ではないかもしれないが、それは、当技術分野で公知の任意の統計学的検定、例えば、スチューデントのt検定、カイ二乗検定、マン・ホイットニーによるU検定、クラスカル・ウォリス検定(H検定)、ヨンクヒール・タープストラ検定およびウィルコクソン検定によって決定されるように、統計学的に有意な数の対象において(1または複数の)標的疾患/状態症状を緩和するはずである。
【0078】
ヒト、獣医学的(例えば、イヌまたはネコ)または研究対象に適用される「処置」は、上に示されるように、治療的処置ならびに研究および診断用途を指し、例えばイヌ、ネコもしくは他の動物対象、細胞、組織、生理学的区画、または生理学的流体への本発明の抗体および/または融合タンパク質の接触を含む。
【0079】
本明細書で使用される場合、「中程度に酸性のpH」は、pH5.5~pH6.5の範囲である。以下の実施例では、中程度に酸性のpHとしてpH6.0を使用した。
【0080】
本明細書で使用される場合、「生理学的pH」は、pH7.2~pH7.6の範囲である。以下の実施例では、生理学的pHとしてpH7.4を使用した。
【0081】
本明細書で使用される場合、「イヌ」という用語は、特に明記しない限り、すべての家畜犬、カニスルプスファミリアス(Canis lupus familiaris)またはカニスファミリアス(Canis familiaris)を含む。
【0082】
本明細書で使用される場合、「ネコ」という用語は、ネコ科の任意のメンバーを指す。このファミリーのメンバーには、イエネコ、純血および/または雑種コンパニオンキャット、ショーキャット、実験室キャット、クローンキャット、および野生または野生化したキャットを含む野生、動物園、および家庭のメンバーが含まれる。
【0083】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、所望の生物学的活性を呈する任意の形態の抗体を指す。抗体は、モノマー、二量体またはより大きな多量体であり得る。したがって、それは最も広い意味で使用され、モノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、およびラクダ化単一ドメイン抗体を具体的に包含するが、これらに限定されない。別途具体的に示される場合を除き、本発明の抗体は、IgG抗体である。
【0084】
本明細書で使用される場合、「IgG抗体」は、2つの重鎖および2つの軽鎖を含む免疫グロブリンG抗体である。本発明のIgG抗体には、イヌ化抗体、完全イヌ抗体、ネコ化抗体、完全ネコ抗体および対応するキメラ抗体が含まれる。
【0085】
「親抗体」は、イヌ治療用抗体として使用するための抗体のイヌ化などの意図された使用のための抗体の改変の前に免疫系を抗原に曝露することによって得られる抗体である。
【0086】
本明細書で使用される場合、例えば、イヌ受容体をその結合パートナー(例えば、そのリガンド)またはネコ受容体をその結合パートナー(例えば、そのリガンド)に対して「遮断する」もしくは「遮断している」またはイヌ受容体のその結合パートナー(例えば、そのリガンド)もしくはネコ受容体のその結合パートナー(例えば、そのリガンド)への「結合を遮断している」本発明の抗体は、標準的な結合アッセイ(例えば、BIACore(登録商標)、ELISAまたはフローサイトメトリー)で決定されるように、リガンドとその受容体との結合およびその逆の結合を(部分的または完全に)遮断する抗体である。
【0087】
典型的には、本発明の抗体または抗原結合フラグメントは、その活性がモル基準で発現される場合、(親抗体と比較した場合)そのイヌまたはネコ抗原結合活性の少なくとも10%を保持する。好ましくは、本発明の抗体または抗原結合フラグメントは、親抗体としてのイヌ抗原結合親和性の少なくとも20%、50%、70%、80%、90%、95%または100%以上を保持する。本発明の抗体または抗原に結合するフラグメントは、その生物学的活性を実質的に変えない保存的または非保存的アミノ酸置換(抗体の「保存的変異体」または「機能保存された変異体」と称される)を含み得ることも意図される。
【0088】
「単離された抗体」は、精製状態を指し、そのような文脈では、分子が、核酸、タンパク質、脂質、炭水化物などの他の生物学的分子、または細胞残屑および増殖培地などの他の材料を実質的に含まないことを意味する。一般に、「単離された」という用語は、本明細書に記載の結合化合物の実験的または治療的使用を実質的に妨げる量で存在しない限り、そのような材料が完全に存在しないこと、または水、緩衝液もしくは塩が存在しないことを指すことを意図しない。
【0089】
本明細書で使用される場合、「キメラ抗体」は、第1の抗体由来の可変ドメインおよび第2の抗体由来の定常ドメインを有する抗体であり、第1および第2の抗体は、異なる種に由来する。[米国特許第4,816,567号明細書;およびMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855(1984)]。典型的には、可変ドメインは、げっ歯類などの実験動物「親抗体」由来の抗体から得られ、定常ドメイン配列は、動物対象抗体、例えばイヌ、ネコまたはヒトから得られ、その結果、得られたキメラ抗体は、親(例えば、げっ歯類)抗体よりもイヌ、ネコまたはヒト対象においてそれぞれ有害な免疫応答を誘発する可能性が低くなる。
【0090】
各軽鎖/重鎖対の可変領域は、抗体結合部位を形成する。したがって、一般に、インタクトな抗体は、2つの結合部位を有する。二機能性抗体または二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は、一般に、同じである。
【0091】
典型的には、重鎖および軽鎖の両方の可変ドメインは、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)内に位置する、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの超可変領域を含む。CDRは通常、フレームワーク領域によってアラインメントされ、具体的なエピトープへの結合を可能にする。一般に、N末端からC末端に向かって、軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインの両方が、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、一般に、Sequences of Proteins of Immunological Interest,Kabat,et al.;National Institutes of Health,Bethesda,Md.;5th ed.;NIH Publ.No.91-3242(1991);Kabat,Adv.Prot.Chem.32:1-75(1978);Kabat,et al.,J.Biol.Chem.252:6609-6616(1977)]に準拠している。
【0092】
本明細書で使用される場合、「超可変領域」という用語は、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」由来のアミノ酸残基を含む[すなわち、軽鎖可変ドメイン中のCDRL1(またはLCDR1)、CDRL2(またはLCDR2)およびCDRL3(またはLCDR3)ならびに重鎖可変ドメイン中のCDRH1(またはHCDR1)、CDRH2(またはHCDR2)およびCDRH3(またはHCDR3)]。[配列によって抗体のCDR領域を定義するKabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)を参照されたい;抗体のCDR領域を構造によって定義するChothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)も参照されたい]。
【0093】
本明細書で使用される場合、「フレームワーク」または「FR」残基という用語は、本明細書でCDR残基として定義される超可変領域残基以外の可変ドメイン残基を指す。
【0094】
「Fc」と省略され、「Fc領域」と互換的に使用される「フラグメント結晶化可能領域」は、Fc受容体と呼ばれる細胞表面受容体と相互作用する抗体のCH2-CH3部分に対応する。
【0095】
本明細書で使用される場合、「野生型Fc」は、「野生型Fc領域」と互換的に使用され、Fc領域(例えば、cFc領域またはfFc領域)、例えば野生型Fc領域を含む抗体またはIgG Fc融合タンパク質の半減期を増強させるために行われたいかなるアミノ酸置換も含まない天然に見出されたものである。以下に述べるように、抗体またはIgG融合タンパク質、例えばイヌIgG-Bm領域の抗体依存性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)を減少させるために行われた1つ以上のアミノ酸置換を含むFc領域は、天然には見出されず、したがって野生型Fc領域ではない。しかしながら、そのようなFc領域(例えば、イヌIgG-Bm Fc領域)を含む抗体またはIgG融合タンパク質は、イヌIgG-Bm領域を含む抗体またはIgG Fc融合タンパク質の半減期を増強させるために行われたアミノ酸置換の非存在下で、天然に見出された対応する野生型Fc領域を含む対応する抗体またはIgG Fc融合タンパク質(すなわち、イヌIgG-B Fc領域)と同じ半減期を有するべきである。
【0096】
本明細書で使用される場合、「イヌフレーム」という用語は、本明細書でCDR残基として定義される超可変領域残基以外のイヌ抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を指す。イヌ化抗体に関して、大部分の実施形態では、天然のイヌCDRのアミノ酸配列は、両方の鎖において対応する外来CDR(例えば、マウス、ラット、またはヒト由来のもの)で置き換えられる。イヌ抗体の重鎖および/または軽鎖は、例えば、下記に例示されるように、および/または、その全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第10,106,607 B2号明細書に開示されるように、イヌ抗体内の外来CDRのコンフォメーションを保存するために、かつ/または、Fc領域機能を改変するために、いくつかの外来非CDR残基を含有していてもよい。本発明は、本発明の抗体の半減期を増強させるためのイヌフレームのFc領域へのさらなるアミノ酸置換を提供する。
【0097】
本明細書で使用される場合、「ネコフレーム」という用語は、本明細書でCDR残基として定義される超可変領域残基以外のネコ抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を指す。ネコ化抗体に関して、大部分の実施形態では、天然ネコCDRのアミノ酸配列は、両方の鎖において対応する外来CDR(例えば、マウス、ラット、またはヒト由来のもの)で置き換えられる。ネコ抗体の重鎖および/または軽鎖は、例えば、下記に例示されるように、かつ/または、その全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第10,106,607 B2号明細書においてイヌ化抗体で開示されるように、ネコ抗体内の外来CDRのコンフォメーションを保存するために、かつ/または、Fc領域機能を改変するために、いくつかの外来非CDR残基を含有していてもよい。本発明は、本発明の抗体の半減期を増強させるための、ネコフレームのFc領域へのさらなるアミノ酸置換を提供する。
【0098】
本明細書で使用される場合、「イヌフラグメント結晶化可能領域」は、「cFc領域」または単に「cFc」と互換的に省略され、イヌ抗体由来のイヌフラグメント結晶化可能領域に対応する。4つのイヌIgGの各々のイヌフラグメント結晶化可能領域(cFc)は、Tang et al.[Vet.Immunol.Immunopathol.80:259-270(2001);Bergeron et al.,Vet.Immunol.Immunopathol.157:31-41(2014)も参照されたい]によって最初に記載された。
【0099】
本明細書で使用される場合、「ネコフラグメント結晶化可能領域」は、「fFc領域」または単に「fFc」と互換的に省略され、ネコ抗体由来のネコフラグメント結晶化可能領域に対応する。3つのネコIgGの各々のネコフラグメント結晶化可能領域(fFc)は、[Strietzel et al.,Vet Immunol&Immunpathol.158:214-223(2014)]によって記載された。
【0100】
イヌIgGの4つの公知のIgG重鎖サブタイプおよび2つの公知の軽鎖サブタイプが存在する。4つのIgG重鎖は、A、B、CおよびDと称される。これらの重鎖は、IgG-A(またはIgGA)、IgG-B(またはIgGB)、IgG-C(またはIgGC)およびIgG-D(またはIgGD)と称される犬IgGの4つの異なるサブクラスを表す。各重鎖は、1つの可変ドメイン(VH)、ならびにCH1、CH2、およびCH3と称される3つの定常ドメインからなる。CH1ドメインは、「ヒンジ」または代替では「ヒンジ領域」と称されるアミノ酸配列を介してCH2ドメインに接続している。これらの4つの重鎖IgGのDNAおよびアミノ酸配列は、Tang et al.[Vet.Immunol.Immunopathol.80:259-270(2001)]によって最初に同定された。これらの重鎖IgGのアミノ酸およびDNA配列は、GenBankデータベースからも入手可能である。例えば、IgG-A重鎖のアミノ酸配列は、アクセッション番号AAL35301.1を有し、IgG-Bは、アクセッション番号AAL35302.1を有し、IgG-Cは、アクセッション番号AAL35303.1を有し、IgG-Dは、アクセッション番号(AAL35304.1)を有する。イヌ抗体はまた、2種類の軽鎖、カッパおよびラムダを含有する。これらの軽鎖のDNAおよびアミノ酸配列は、GenBankデータベースから入手することができる。例えば、カッパ軽鎖アミノ酸配列は、アクセッション番号ABY 57289.1を有し、ラムダ軽鎖は、アクセッション番号ABY 55569.1を有する。
【0101】
ネコIgGサブクラスの定常領域およびそれらのヒンジ領域が記載されている[Strietzel et al.,Vet Immunol&Immunpathol.,158:214-223(2014)]。ネコ重鎖定常領域のアミノ酸配列は、Genbankデータベース[IgG1aアクセッション番号BAA32229.1、IgG1bアクセッション番号BAA32230.1およびIgG2アクセッション番号AHH34165.1]から入手可能である。IgG1aおよびIgG1bは、対立遺伝子変異体であるようであり、両方ともヒトC1qに強く結合し、これは補体を活性化できる可能性があることを示唆している。対照的に、ネコIgG2は、特にヒンジ領域において分岐配列を有し、C1qへの結合は無視できる。
【0102】
本明細書で使用される場合、例えば抗体のアミノ酸配列中の別のアミノ酸残基による「アミノ酸残基の置換」は、別のアミノ酸残基による「アミノ酸残基の置き換え」と等価であり、アミノ酸配列中の具体的な位置の特定のアミノ酸残基が、例えば組換えDNA技術によって異なるアミノ酸残基によって置き換えられている(または置換されている)ことを示す。そのような置換は、特に設計することができ、すなわち、KabatのようにEUインデックスに従ってナンバリングされた、Fc領域のアミノ酸配列の具体的な位置、例えば位置434においてアスパラギン(N)をフェニルアラニン(F)で意図的に置き換えることができる。アミノ酸置換は、例えば、所与の抗体もしくはIgG融合タンパク質の半減期を増加させるために、かつ/または後述するように、抗体もしくはIgG融合タンパク質の抗体依存性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)を減少させるために行うことができる。
【0103】
Fc領域が、そのアイソタイプもしくはサブタイプ(例えば、IgG-B)によって、またはそのような置換の非存在下で特定のアミノ酸配列を含む(例えば、配列番号2のアミノ酸配列を含むcFc)か、またはそのような置換の非存在下で特定のアミノ酸配列とパーセント同一性を有する(すなわち、配列番号2のアミノ酸配列と90%の同一性を含むcFc)ことによって同定される、1つ以上のアミノ酸置換を含有する、例えば、KabatのようにEUインデックスに従ってナンバリングされる、位置252、254、256、308、433、434、436、またはそれらの任意の組み合わせにおけるFc領域(例えば、fFcまたはcFc)を含む本発明の抗体またはIgG Fc融合タンパク質とは、本明細書で使用される場合、抗体またはIgG Fc融合タンパク質が、IgG-B Fc領域、配列番号2のアミノ酸配列を含むcFc、または配列番号2のアミノ酸配列と90%の同一性を含むcFcを含むことを意味し、それぞれ、それらの1つ以上のアミノ酸置換を具体的に含有する。冗長ではあるが、これは、Fc領域(例えば、fFcまたはcFc)が「前記1つ以上のアミノ酸置換を保持する」という記述によって補強することができる。したがって、抗体またはIgG Fc融合タンパク質のFc領域が1つ以上のアミノ酸置換を含み、例えばIgG-B Fc領域を含むものとして同定される場合、IgG-B Fc領域のアミノ酸配列がそれらの1つ以上のアミノ酸置換を含むと理解される。同様に、抗体またはIgG Fc融合タンパク質のFc領域が1つ以上のアミノ酸置換を含み、例えば配列番号2のアミノ酸配列を含むものとして同定される場合、Fc領域がそれらの1つ以上のアミノ酸置換を含む配列番号2のアミノ酸配列を含むと理解される。加えて、抗体またはIgG Fc融合タンパク質のFc領域が1つ以上のアミノ酸置換を含み、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有すると同定される場合、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列が、それらの1つ以上のアミノ酸置換を保持し、アミノ酸配列と少なくとも90%の同一性が、配列の残りのアミノ酸位置における置き換え/置換に関するものであると理解される。
【0104】
本明細書で使用される場合、イヌFc(cFc)「IgG-Bm」は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、これは、イヌIgG-B Fcのアミノ酸配列であるが、IgG-Bの配列番号3のアミノ酸配列中に2つのアミノ酸残基置換、D31AおよびN63Aを含む(下記を参照されたい)。したがって、配列番号3の位置31のアスパラギン酸残基(D)および配列番号3の位置63のアスパラギン残基(N)は、いずれもIgG-Bmのアミノ酸配列、すなわち配列番号4におけるアラニン残基(A)に置換されている。これらの2つのアミノ酸残基置換は、天然に存在するイヌIgG-Bの抗体依存性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)を有意に減少させる働きをする[その内容全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第10,106,607号明細書を参照されたい]。以下でIgG-Am、IgG-Cm、およびIgG-Dmとして示されるIgG-A、IgG-C、およびIgG-D Fc領域において類似の置換を行うことができる。加えて、ネコFc領域、IgG1a、IgG1b、およびIgG2のアミノ酸配列にける類似の変化も以下の実施例に提供され、そのような改変はそれぞれ「IgG1am」、「IgG1am」、または「IgG2bm」と示される。
【0105】
本明細書で使用される場合、イヌインターロイキン-13受容体アルファ1またはイヌインターロイキン-13受容体アルファ2などの膜貫通タンパク質の「細胞外ドメイン」または「ECD」は、細胞を取り囲む環境に自然に突出する膜貫通タンパク質の部分を指す。ECDは、膜貫通タンパク質の膜貫通部分を含まない。イヌインターロイキン-13受容体アルファ1およびイヌインターロイキン-13受容体アルファ2のECDは、両方ともイヌIL-13に結合する。
【0106】
本明細書で使用される場合、「人工タンパク質」および「人工タンパク質分子」は、互換的に使用され、人造融合タンパク質などの本来は天然には存在しないタンパク質(またはタンパク質の多量体、例えば二量体、ヘテロ二量体、四量体およびヘテロ四量体など)を示す。
【0107】
本明細書で使用される場合、「融合タンパク質」は、ペプチド結合によって互いに結合された2つ以上の異なるタンパク質由来のアミノ酸配列を含む人工タンパク質である。
【0108】
本明細書で使用される場合、「Fc融合タンパク質」は、「IgG Fc融合タンパク質」という用語と互換的に使用され、ヒンジ領域、例えばイヌIgG-Bヒンジ領域-CH2-CH3またはネコIgG1aヒンジ領域-CH2-CH3をさらに含むことができるIgG抗体のFc領域を別の生物学的に活性なタンパク質ドメインと結合させて、固有の構造および治療上の有用性を有する分子を生成する人工タンパク質である。
【0109】
本明細書で使用される場合、「cFc融合タンパク質」は、「イヌIgG Fc融合タンパク質」という用語と互換的に使用され、ヒンジ領域、例えばIgG-Bヒンジ領域-CH2-CH3を含み得るイヌIgG抗体のcFcを別の生物学的に活性なタンパク質ドメインと結合させて、固有の構造および治療上の有用性を有する分子を生成する人工タンパク質である。例えば、イヌIL-13Rα2-cFc融合タンパク質(cIL-13Rα2-cFc融合タンパク質)は、イヌIgG Fc(cFc)のN末端に連結されたイヌIL-13Rα2の細胞外ドメイン(ECD)を含む。IL-13Rα2のECDは、イヌヒンジ領域によってcFcのN末端に連結され得る。本発明のcFc融合タンパク質は、IgGBヒンジ領域およびIgGB cFcの使用によって例示されるが、決してそのように限定されず、むしろ、それらは、IgGA、IgGCおよびIgGDのcFcを有し、IgGA、IgGCおよびIgGDのヒンジ領域を有していてもよい対応する融合タンパク質を含む。したがって、イヌFc融合タンパク質cIL-13Rα2-cIgGB-Fcは、cIL-13Rα2-cFc属のうちの1つの種であり、これはcIL-13Rα2-cIgGA-Fc、cIL-13Rα2-cIgGC-Fc、cIL-13Rα2-cIgGD-Fc、およびそれらの改変された融合タンパク質も含む。
【0110】
本明細書で使用される場合、「イヌインターロイキン-13受容体アルファ1-イヌフラグメント結晶化可能領域融合タンパク質」、「イヌインターロイキン-13受容体アルファ1-cFc融合タンパク質」、「イヌIL-13Rα1-cFc融合タンパク質」、または「cIL-13Rα1-cFc融合タンパク質」はすべて互換的に使用され、ペプチド結合を介してイヌIgG Fc(cFc)に接続したcIL-13Rα1の細胞外ドメイン(ECD)[またはイヌインターロイキン-13(cIL-13)に結合するECDのフラグメント]を含む。特定の実施形態では、cIL-13Rα1-cFc融合タンパク質は、cIL-13Rα1のECD(またはcIL-13に結合するECDのフラグメント)をcFcに連結するイヌヒンジ領域をさらに含む。cIL-13Rα1-cFc融合タンパク質は、遺伝子工学によってcFc(連結ヒンジ領域の有無にかかわらず)と共にcIL-13Rα1 ECD(またはcIL-13に結合するECDのフラグメント)をコードする化学合成核酸から生成することができる。
【0111】
本明細書で使用される場合、「イヌインターロイキン-13受容体アルファ2-イヌフラグメント結晶化可能領域融合タンパク質」、「イヌインターロイキン-13受容体アルファ2-cFc融合タンパク質」、「イヌIL-13Rα2-cFc融合タンパク質」または「cIL-13Rα2-cFc融合タンパク質」はすべて互換的に使用され、ペプチド結合を介してイヌIgG Fc(cFc)に接続したcIL-13Rα2の細胞外ドメイン(ECD)[またはイヌインターロイキン-13(cIL-13)に結合するECDのフラグメント]を含む。特定の実施形態では、cIL-13Rα2-cFc融合タンパク質は、cIL-13Rα2のECD(またはcIL-13に結合するECDのフラグメント)をcFcに連結するイヌヒンジ領域をさらに含む。cIL-13Rα2-cFc融合タンパク質は、遺伝子操作によってcFc(連結ヒンジ領域の有無にかかわらず)と共にcIL-13Rα2 ECD(またはcIL-13に結合するECDのフラグメント)をコードする化学合成核酸から生成することができる。
【0112】
本明細書で使用される場合、「cIL-13に結合するcIL-13Rα2のECDのフラグメント」(または互換的に、cIL-13に結合するcIL-13Rα2のECDの「そのフラグメント」)を含むcIL-13Rα2-cFc融合タンパク質は、全長ECDを含む対応するcIL-13Rα2-cFc融合タンパク質の結合親和性よりも最大で100倍低いcIL-13に対する結合親和性を有する、すなわち、解離定数は、最大で10倍高い。ある特定の実施形態では、cIL-13に結合するcIL-13Rα2のECDのフラグメントを含むcIL-13Rα2-cFc融合タンパク質は、全長ECDを含む対応するcIL-13Rα2-cFc融合タンパク質の結合親和性よりも最大で10倍低いcIL-13に対する結合親和性を有する、すなわち、解離定数は、最大で10倍高い。なお他の実施形態では、cIL-13に結合するcIL-13Rα2のECDのフラグメントを含むcIL-13Rα2-cFc融合タンパク質は、全長ECDを含む対応するcIL-13Rα2-cFc融合タンパク質の結合親和性よりも最大で5倍低いcIL-13に対する結合親和性を有する、すなわち、解離定数は、最大で5倍高い。
【0113】
本明細書で使用される場合、「cIL-13に結合するcIL-13Rα1のECDのフラグメント」(または互換的に、cIL-13に結合するcIL-13Rα1のECDの「そのフラグメント」)を含むcIL-13Rα1-cFc融合タンパク質は、全長ECDを含む対応するcIL-13Rα1-cFc融合タンパク質の結合親和性よりも最大で100倍低いcIL-13に対する結合親和性を有する、すなわち、解離定数は、最大で10倍高い。ある特定の実施形態では、cIL-13に結合するcIL-13Rα1のECDのフラグメントを含むcIL-13Rα1-cFc融合タンパク質は、全長ECDを含む対応するcIL-13Rα1-cFc融合タンパク質の結合親和性よりも最大で10倍低いcIL-13に対する結合親和性を有する、すなわち、解離定数は、最大で10倍高い。なお他の実施形態では、cIL-13に結合するcIL-13Rα1のECDのフラグメントを含むcIL-13Rα1-cFc融合タンパク質は、全長ECDを含む対応するcIL-13Rα1-cFc融合タンパク質の結合親和性よりも最大で5倍低いcIL-13に対する結合親和性を有する、すなわち、解離定数は、最大で5倍高い。
【0114】
本明細書で使用される場合、本発明のイヌインターロイキン受容体-cFc融合タンパク質の「ホモ二量体」は、同じECD(または対応するリガンドに結合するそのECDのフラグメント)を最小限に有する2つの単量体融合タンパク質の二量体である。2つの単量体融合タンパク質はまた、一般に、同じcFcおよび同じヒンジ領域を有する。例えば、イヌインターロイキン受容体-cFc融合タンパク質がcIL-13Rα2-cFc融合タンパク質である場合、ECDは、cIL-13Rα2 ECDであり、リガンドは、cIL-13である。ホモ二量体の2つのモノマーは、各モノマーのヒンジ領域内のシステイン残基によって形成されたジスルフィド結合によって一緒に保持される。例えば、cIL-13Rα2-cFc融合タンパク質のホモ二量体は、2つのcIL-13Rα2-cFc融合タンパク質モノマーを含み、cIL-13Rα1-cFc融合タンパク質のホモ二量体は、2つのcIL-13Rα1-cFc融合タンパク質モノマーを含む。
【0115】
本明細書で使用される場合、本発明のIgG Fc融合タンパク質、本発明の抗体、および/または抗体の抗原結合フラグメントは、ある結合パートナーを別の結合パートナー(例えば、そのリガンドに対する受容体)に対して「遮断する」もしくは「遮断している」、またはある結合パートナーの別の結合パートナー(例えば、そのリガンドに対する受容体)への「結合を遮断している」。2つの結合パートナー、例えば受容体とそのリガンドとの結合、およびその逆の結合を(部分的または完全に)遮断する抗体および/または融合タンパク質は、標準的な結合アッセイ(例えば、BIACore(登録商標)、ELISAまたはフローサイトメトリー)で決定することができる。
【0116】
本明細書で使用される場合、「イヌ化抗体」という用語は、イヌおよび非イヌ(例えば、マウス、ラット、またはヒト)IgG抗体の両方に由来するアミノ酸配列を含有するIgG抗体の形態を指し、一方、本明細書で使用される場合、「ネコ化抗体」という用語は、ネコおよび非ネコ(例えば、マウス、ラット、またはヒト)IgG抗体の両方に由来するアミノ酸配列を含有するIgG抗体の形態を指す。一般に、イヌ化抗体またはネコ化抗体は、少なくとも1つ以上の典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、超可変ループのすべてまたは実質的にすべてがそれぞれ非イヌまたは非ネコ免疫グロブリンのものに対応し(例えば、以下に例示されるような6つのCDRを含む)、フレームワーク(FR)領域のすべてまたは実質的にすべて(および典型的には残りのフレームのすべてまたは実質的にすべて)がそれぞれイヌ免疫グロブリンまたはネコ免疫グロブリン配列のものである。改変されたイヌフレームは、例えば、イヌ抗原へのその結合および/またはイヌ抗原の天然結合パートナーへのそのイヌ抗原の結合を遮断するその能力を増加させるために、イヌ化抗体の有効性をさらに最適化する、本明細書に例示される1つ以上のアミノ酸変化を含む。以下に例示されるように、イヌ化抗体は、マウス抗イヌ抗原抗体由来の3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRの両方を、改変されたイヌフレームと共に含む。以下に詳述するように、イヌ化抗体のcFcは、イヌ化抗体のより長い半減期をもたらす、すなわち、pH5.5~pH6.5でその新生児型Fc受容体(FcRn)に対する結合親和性の増加を有するアミノ酸置換も含み得る。
【0117】
同様に、ネコ化抗体は、例えばマウス、ラット、またはヒト由来の3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRの両方を、ネコフレームまたはより一般的には改変されたネコフレームと共に含むことができる。改変されたネコフレームは、例えばネコ抗原へのその結合および/またはネコ抗原の天然結合パートナーへのそのネコ抗原の結合を遮断するその能力を増加させるために、ネコ化抗体の有効性をさらに最適化する1つ以上のアミノ酸変化を含む。同様に、ネコ抗体のfFcは、ネコ抗体のより長い半減期をもたらす、すなわち、pH5.5~pH6.5でその新生児型Fc受容体(FcRn)に対する結合親和性が増加したアミノ酸置換も含み得る。
【0118】
本明細書で使用される場合、「fFc融合タンパク質」は、「ネコIgG Fc融合タンパク質」という用語と互換的に使用され、ヒンジ領域、例えばIgG-1aヒンジ領域-CH2-CH3を含むことができるネコIgG抗体のfFcを別の生物学的に活性なタンパク質ドメインと結合させて、固有の構造および治療上の有用性を有する分子を生成する人工タンパク質である。
【0119】
イヌインターロイキン-31(cIL-31)またはイヌインターロイキン-31受容体アルファ(cIL-31RAまたはcIL-31Rα)に結合するイヌ化マウスまたはラット抗イヌ抗体には、イヌIgGA、IgGB、IgGCまたはIgGD重鎖、および本明細書に開示される改変されたFcを含むイヌIgGA、IgGB、IgGCまたはIgGD重鎖の改変された形態を含む本発明で使用するための抗体、特にpH5.5~pH6.5でその新生児型Fc受容体(FcRn)に対して増加した結合親和性も示すイヌ化抗体が含まれるが、これらに限定されない。
【0120】
本明細書で使用される場合、「イヌインターロイキン-31受容体アルファに対するイヌ化抗体」という用語は、「イヌ化cIL-31RA抗体」および「cIL-31RAイヌ化抗体」と互換的に使用され、cIL-31RAに対して非イヌ哺乳動物(例えば、マウスまたはラット)で産生された哺乳動物抗体のイヌ化抗体である。
【0121】
典型的には、本発明の抗体または抗体の抗原結合フラグメントは、その活性がモル基準で発現される場合、その抗原結合活性の少なくとも10%(親抗体と比較した場合)を保持する。好ましくは、本発明の抗体または抗原結合フラグメントは、親抗体としての抗原結合親和性の少なくとも20%、50%、70%、80%、90%、95%または100%以上を保持する。本発明の抗体または抗体の抗原結合フラグメントは、その生物学的活性を実質的に変えない保存的または非保存的アミノ酸置換(抗体の「保存的変異体」または「機能保存された変異体」と称される)を含み得ることも意図される。
【0122】
本明細書で使用される場合、「鎮痒剤」は、掻痒を阻害、軽減、および/または防止する傾向がある化合物、高分子、および/または製剤である。鎮痒剤は、口語的に抗掻痒薬と称される。
【0123】
本明細書で使用される場合、「鎮痒抗体」は、特にアトピー性皮膚炎に関して、ヒト、イヌおよび/またはネコなどの哺乳動物を含む動物において鎮痒剤として作用することができる抗体である。特定の実施形態では、鎮痒抗体は、IL-31またはその受容体IL-31RAなどのIL-31シグナル伝達経路の特定のタンパク質に結合する。鎮痒抗体のその対応する抗原(例えば、IL-31またはIL-31RA)への結合は、例えばIL-31とIL-31RAとの結合を阻害し、この経路の成功したシグナル伝達を妨害および/または防止し、それによって、さもなければIL-31シグナル伝達経路によって引き起こされる掻痒を阻害、軽減および/または防止する。
【0124】
本明細書で使用される場合、「抗炎症剤」は、炎症を引き起こす体内のある特定の物質の相互作用を遮断することによって炎症を低減する化合物、高分子、および/または製剤である。抗炎症剤は、特にアトピー性皮膚炎に関して、ヒト、イヌおよび/またはネコなどの哺乳動物を含む動物において抗炎症剤として作用することができるcFc融合タンパク質であり得る。特定の実施形態では、抗炎症性cFc融合タンパク質は、IL-4またはIL-13などのIL-4/IL-13シグナル伝達経路中の特定のタンパク質に結合する。抗炎症性cFc融合タンパク質のその対応する抗原(例えば、IL-4)への結合は、例えばIL-4とIL-4Rαとの結合を阻害し、この経路のシグナル伝達を妨害および/または防止し、それによってアトピー性皮膚炎に関連する慢性炎症を妨害または防止する。cIL-4Rα-cFc融合タンパク質のホモ二量体とcIL-13Rα2-cFc融合タンパク質のホモ二量体との組み合わせは、アトピー性皮膚炎の処置において抗炎症剤として作用する。
【0125】
「単離された核酸分子」は、単離されたポリヌクレオチドが自然界で見出されるか、または自然界では連結されていないポリヌクレオチドに連結されているポリヌクレオチドのすべてまたは一部に関連しない、ゲノム、mRNA、cDNAもしくは合成起源またはそれらのいくつかの組み合わせのDNAまたはRNAを意味する。本開示の目的のために、特定のヌクレオチド配列「を含む核酸分子」は、インタクトな染色体を包含しないことを理解されたい。指定された核酸配列「を含む」単離された核酸分子は、指定された配列に加えて、最大10またはさらには最大20以上の他のタンパク質またはその一部もしくはフラグメントのコード配列を含み得るか、または列挙された核酸配列のコード領域の発現を制御する作動可能に連結された調節配列を含み得るか、かつ/またはベクター配列を含み得る。
【0126】
「制御シーケンス」という語句は、特定の宿主生物における作動可能に連結されたコード配列の発現に必要なDNA配列を指す。原核生物に適した制御配列には、例えば、プロモーターが含まれ、オペレーター配列、およびリボソーム結合部位が含まれていてもよい。真核細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、およびエンハンサーを使用することが公知である。
【0127】
核酸は、別の核酸配列と機能的関係にある場合、「作動可能に連結される」。例えば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合、ポリペプチドのためのDNAに作動可能に連結され;プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に連結され;またはリボソーム結合部位は、翻訳を促進するように配置されている場合、コード配列に作動可能に連結されている。一般に、「作動可能に連結される」とは、連結されているDNA配列が連続していることを意味し、分泌リーダーの場合、連続しており、読み取り段階にあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは、連続している必要はない。連結は、好都合な制限部位でのライゲーションによって達成される。そのような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが従来の慣例に準拠して使用される。
【0128】
本明細書で使用される場合、「細胞」、「細胞株」および「細胞培養」という表現は、互換的に使用され、そのような呼称はすべて子孫を含む。したがって、「形質転換体」および「形質転換細胞」という単語は、移入の回数にかかわらず、初代対象細胞およびそれに由来する培養物を含む。意図的または不注意な突然変異のために、すべての子孫が正確に同一のDNA含有量を有するわけではないことも理解される。最初に形質転換された細胞においてスクリーニングされたものと同じ機能または生物学的活性を有する突然変異子孫が含まれる。明確な指定が意図されている場合、それは文脈から明らかであろう。
【0129】
配列同一性は、2つの配列が最適にアラインメントされたときに、2つのポリペプチドのアミノ酸が等価な位置で同じである程度を指す。本明細書で使用される場合、両方の配列のアミノ酸残基が同一である場合、1つのアミノ酸配列は、第2のアミノ酸配列に対して100%「同一」である。したがって、2つのアミノ酸配列のアミノ酸残基の50%が同一である場合、アミノ酸配列は、第2のアミノ酸配列に対して50%「同一」である。配列比較は、所与のタンパク質、例えば比較されるタンパク質、またはポリペプチドの一部に含まれるアミノ酸残基の連続ブロックにわたって実行される。特定の実施形態では、そうでなければ2つのアミノ酸配列間の対応関係を変え得る選択された欠失または挿入が考慮される。
【0130】
配列類似性には、同一の残基および同一でない生化学的に関連するアミノ酸が含まれる。同様の特性を共有し、かつ交換可能であり得る生化学的に関連するアミノ酸。
【0131】
「保存的に改変された変異体」または「保存的置換」は、タンパク質の生物学的活性を変えることなく変化が頻繁に起こり得るような、同様の特性(例えば、電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、主鎖コンフォメーションおよび剛性など)を有する他のアミノ酸によるタンパク質中のアミノ酸の置換を指す。当業者は、一般に、ポリペプチドの非必須領域における単一アミノ酸置換が生物学的活性を実質的に変えないことを認識している[例えば、Watson et al.,Molecular Biology of the Gene,The Benjamin/Cummings Pub.Co.,p.224(4th Ed.;1987)を参照されたい]。加えて、構造的または機能的に同様のアミノ酸の置換は、生物学的活性を破壊する可能性が低い。例示的な保存的置換をすぐ下の表Aに示す。
【表1】
本発明のIgG Fc融合タンパク質の機能保存的変異体もまた、本発明によって企図される。本明細書で使用される「機能保存的変異体」は、所望の特性、そのような抗原親和性および/または特異性を変えることなく1つ以上のアミノ酸残基が変化したIgG Fc融合タンパク質または抗体を指す。そのような変異体には、上記の表Aの保存的アミノ酸置換などの同様の特性を有するものでのアミノ酸の置き換えが含まれるが、これらに限定されない。
【0132】
核酸
本発明は、本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体および抗体の抗原結合フラグメント、ならびに抗体のIgG Fc融合タンパク質、抗体および抗原結合フラグメントを含む組成物を含む(例えば、以下の実施例を参照されたい)。
【0133】
比較がBLASTアルゴリズムによって実行される場合、本明細書に提供されるイヌ化抗体のアミノ酸配列と少なくとも約70%同一、好ましくは少なくとも約80%同一、より好ましくは少なくとも約90%同一、最も好ましくは少なくとも約95%同一(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、100%)であるアミノ酸配列を含む、本発明によって提供されるIgG Fc融合タンパク質、抗体、および抗体の抗原結合フラグメントをコードする核酸も本発明に含まれ、アルゴリズムのパラメータは、それぞれの参照配列の全長にわたってそれぞれの配列の間に正確な一致を与えるように選択され、すなわち、95%同一とは、2つの配列中のアミノ酸の95%が同一であることを意味する。本発明は、比較がBLASTアルゴリズムによって実行される場合、参照核酸配列のいずれかと少なくとも約70%同一、好ましくは少なくとも約80%同一、より好ましくは少なくとも約90%同一、最も好ましくは少なくとも約95%同一(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、100%)である核酸配列を含む融合タンパク質および/または免疫グロブリンポリペプチドをコードする核酸をさらに提供し、アルゴリズムのパラメータは、それぞれの参照配列の全長にわたってそれぞれのヌクレオチド配列間で正確な一致を与えるように選択され、すなわち、少なくとも98%同一とは、2つの核酸配列中のヌクレオチドの少なくとも98%が同一であることを意味し、本発明にも含まれる。
【0134】
本明細書で使用される場合、ヌクレオチドおよびアミノ酸の配列同一性パーセントは、アラインメントデフォルトパラメータおよび同一性のデフォルトパラメータを用いて、C,MacVector(MacVector,Inc.Cary,NC 27519),Vector NTI(Informax,Inc.MD),Oxford Molecular Group PLC(1996)およびClustalWアルゴリズムを使用して決定することができる。これらの市販のプログラムを使用して、同じまたは類似のデフォルトパラメータを使用して配列類似性を決定することもできる。あるいは、例えば、デフォルトパラメータを使用するGCG(Genetics Computer Group,Program Manual for the GCG Package,Version 7,Madison,Wisconsin)パイルアッププログラムを使用して、デフォルトフィルタ条件下で高度なBlast検索を使用することができる。
【0135】
以下の参考文献は、配列分析にしばしば使用されるBLASTアルゴリズムに関する:BLASTアルゴリズム:Altschul,S.F.,et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990);Gish,W.,et al.,Nature Genet.3:266-272(1993);Madden,T.L.,et al.,Meth.Enzymol.266:131-141(1996);Altschul,S.F.,et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402(1997);Zhang,J.,et al.,Genome Res.7:649-656(1997);Wootton,J.C.,et al.,Comput.Chem.17:149-163(1993);Hancock,J.M.et al.,Comput.Appl.Biosci.10:67-70(1994);アラインメントスコアリングシステム:Dayhoff,M.O.,et al.,「A model of evolutionary change in proteins.」Atlas of Protein Sequence and Structure,vol.5,suppl.3.M.O.Dayhoff(ed.),pp.345-352,(1978);Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Schwartz,R.M.,et al.,「Matrices for detecting distant relationships.」Atlas of Protein Sequence and Structure,vol.5,suppl.3.”(1978),M.O.Dayhoff(ed.),pp.353-358(1978),Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Altschul,S.F.,J.Mol.Biol.219:555-565(1991);States,D.J.,et al.,Methods 3:66-70(1991);Henikoff,S.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915-10919(1992);Altschul,S.F.,et al.,J.Mol.Evol.36:290-300(1993);アラインメント統計:Karlin,S.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264-2268(1990);Karlin,S.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5877(1993);Dembo,A.,et al.,Ann.Prob.22:2022-2039(1994);およびAltschul,S.F.「Evaluating the statistical significance of multiple distinct local alignments.」Theoretical and Computational Methods in Genome Research(S.Suhai,ed.),pp.1-14,Plenum,New York(1997)。
【0136】
本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体および抗体の抗原結合フラグメントは、当技術分野で公知の方法によって組換え生産することができる。本明細書に開示される抗体またはフラグメントの発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当技術分野で周知であり、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株を含む。これらには、とりわけ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、A549細胞、3T3細胞、HEK-293細胞およびいくつかの他の細胞株が含まれる。哺乳動物宿主細胞には、ヒト、マウス、ラット、犬、サル、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマおよびハムスターの細胞が含まれる。どの細胞株が高い発現レベルを有するかを決定することによって、特に好ましい細胞株を選択する。使用され得る他の細胞株は、Sf9細胞、両生類細胞、細菌細胞、植物細胞および真菌細胞などの昆虫細胞株である。重鎖またはその抗原結合部分もしくはフラグメント、軽鎖および/またはその抗原結合フラグメントをコードする組換え発現ベクターを哺乳動物宿主細胞に導入する場合、抗体は、宿主細胞における抗体の発現、またはより好ましくは、宿主細胞が成長している培地への抗体の分泌を可能にするのに十分な期間にわたって宿主細胞を培養することによって生産される。
【0137】
抗体は、標準的なタンパク質精製方法を使用して培養培地から回収することができる。さらに、生産細胞株からの本発明の抗体(またはそれからの他の部分)の発現は、いくつかの公知の技術を使用して増強することができる。例えば、グルタミンシンテターゼ遺伝子発現系(GS系)は、ある特定の条件下で発現を増強するための一般的なアプローチである。GSシステムは、欧州特許第0216846号明細書、同第0256055号明細書および同第0323997号明細書、ならびに欧州特許出願第89303964.4号明細書に関連して全体的または部分的に論じられている。
【0138】
医薬組成物および投与
本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体および抗体の抗原結合フラグメントを含む医薬組成物または無菌組成物を調製するために、薬学的に許容される担体または賦形剤と混合することができる。[例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and U.S.Pharmacopeia:National Formulary,Mack Publishing Company,Easton,PA(1984)を参照されたい]。
【0139】
治療剤および診断剤の製剤は、例えば、凍結乾燥粉末、スラリー、水溶液または懸濁液の形態の許容される担体、賦形剤または安定剤と混合することによって調製され得る[例えば、Hardman,et al.(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,McGraw-Hill,New York,NY;Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott,Williams,and Wilkins,New York,NY;Avis,et al.(eds.)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Marcel Dekker,NY;Weiner and Kotkoskie(2000)Excipient Toxicity and Safety,Marcel Dekker,Inc.,New York,NYを参照されたい]。一実施形態では、本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体および/または抗体の抗原結合フラグメントを含む医薬組成物を、酢酸ナトリウム溶液pH5~6で適切な濃度に希釈し、等張性のためにNaClまたはスクロースを添加する。安定性を増強させるために、ポリソルベート20またはポリソルベート80などのさらなる薬剤を添加してもよい。
【0140】
単独でまたは別の薬剤と組み合わせて投与される、IgG Fc融合タンパク質、抗体、および組成物の抗体の抗原結合フラグメントの毒性および治療有効性は、例えば、LD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するための、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数(LD50/ED50)である。特定の態様では、高い治療指数を呈する本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体または抗体の抗原結合フラグメントが望ましい。これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、対象、例えばイヌまたはネコにおいて使用するための投与量の範囲を製剤化するのに使用することができる。そのような化合物の投与量は、好ましくは、毒性がほとんどまたは全くないED50を含む循環濃度の範囲内にある。投与量は、用いられる剤形および投与経路に応じて、この範囲内で変動してもよい。
【0141】
投与様式は、変動し得る。好適な投与経路には、経口、直腸、経粘膜、腸、非経口、筋肉内、皮下、皮内、髄内、髄腔内、直接脳室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、眼内、吸入、吹送、局所、皮膚、経皮、または動脈内が含まれる。特定の実施形態では、本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体および/または抗体の抗原結合フラグメントを含む医薬組成物は、注射などによる侵襲的経路によって投与することができる。本発明のさらなる実施形態では、本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体および/または抗体の抗原結合フラグメントを含む医薬組成物は、静脈内、皮下、筋肉内、動脈内、または吸入によるエアロゾル送達によって投与される。非侵襲的経路(例えば、経口;例えば、丸剤、カプセル剤または錠剤)による投与も本発明の範囲内である。
【0142】
組成物は、当技術分野で公知の医療機器を用いて投与することができる。例えば、本発明の医薬組成物は、例えばプレフィルドシリンジまたは自動注射器を含む皮下注射針での注射によって投与することができる。本明細書に開示される医薬組成物はまた、無針皮下注射装置;例えば、米国特許第6,620,135号明細書;同6,096,002号明細書;同5,399,163号明細書;同5,383,851号明細書;同5,312,335号明細書;同5,064,413号明細書;同4,941,880号明細書;同4,790,824号明細書または同4,596,556号明細書に開示されている装置を用いて投与され得る。
【0143】
本明細書に開示される医薬組成物はまた、注入によって投与され得る。医薬組成物を投与する周知のインプラントおよびモジュール形態の例には、制御された速度で医薬品を分配するための植込み型微量注入ポンプを開示している米国特許第4,487,603号明細書;正確な注入速度で医薬品を送達するための医薬品注入ポンプを開示している米国特許第4,447,233号明細書;連続薬物送達のための可変流量植込み型注入装置を開示している米国特許第4,447,224号明細書;マルチチャンバ区画を有する浸透圧薬物送達システムを開示している米国特許第4,439,196号明細書が含まれる。他の多くのそのようなインプラント、送達システム、およびモジュールは、当業者に周知である。
【0144】
あるいは、本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体および/または抗体の抗原結合フラグメントを含む組成物は、全身的ではなく局所的に、しばしばデポー製剤または持続放出製剤で投与され得る。
【0145】
投与レジメンは、治療用IgG Fc融合タンパク質、抗体、および/または抗体の抗原結合フラグメントの血清または組織ターンオーバー速度、症状のレベル、治療用IgG Fc融合タンパク質、抗体、および/または抗体の抗原結合フラグメントの免疫原性、ならびに生物学的マトリックス中の標的細胞の接近可能性を含むいくつかの因子に依存する。好ましくは、投与レジメンは、標的疾患/状態の改善をもたらすと同時に望ましくない副作用を最小限に抑えるために、十分な治療用IgG Fc融合タンパク質、抗体、および/または抗体の抗原結合フラグメントを送達する。したがって、送達される生物学的製剤の量は、部分的には、特定の治療用抗体および/または融合タンパク質ならびに処置される状態の重症度に依存する。適切な用量の治療用抗体を選択する際の指針が利用可能である[例えば、Wawrzynczak Antibody Therapy,Bios Scientific Pub.Ltd,Oxfordshire,UK(1996);Kresina(ed.)Monoclonal Antibodies,Cytokines and Arthritis,Marcel Dekker,New York,NY(1991);Bach(ed.)Monoclonal Antibodies and Peptide Therapy in Autoimmune Diseases,Marcel Dekker,New York,NY(1993);Baert,et al.New Engl.J.Med.348:601-608(2003);Milgrom et al.New Engl.J.Med.341:1966-1973(1999);Slamon et al.New Engl.J.Med.344:783-792(2001);Beniaminovitz et al.New Engl.J.Med.342:613-619(2000);Ghosh et al.New Engl.J.Med.348:24-32(2003);Lipsky et al.New Engl.J.Med.343:1594-1602(2000)を参照されたい]。
【0146】
適切な用量の決定は、例えば、処置に影響を及ぼすことが当技術分野で公知であるまたは疑われるパラメータまたは因子を使用して、獣医によって行われる。一般に、用量は、最適用量よりも幾分少ない量で始まり、その後、任意の負の副作用に対して所望のまたは最適な効果が達成されるまで、少しずつ増加する。重要な診断手段には、症状の診断が含まれる。
【0147】
本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体および/または抗体の抗原結合フラグメントを含む組成物は、単独でまたは本発明で使用される抗体のいずれかと共に、連続注入によって、または例えば毎日、1週間に1~7回、毎週、隔週、毎月、隔月、四半期ごと、半年ごと、毎年などに投与される用量によって提供され得る。用量は、例えば静脈内、皮下、局所、経口、経鼻、直腸、筋肉内、脳内、脊髄内、または吸入によって提供され得る。総毎週用量は、一般に少なくとも0.05μg/kg体重、より一般的には少なくとも0.2μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、10μg/kg、100μg/kg、0.25mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、5.0mg/ml、10mg/kg、25mg/kg、50mg/kg以上である[例えば、Yang,et al.New Engl.J.Med.349:427-434(2003);Herold,et al.New Engl.J.Med.346:1692-1698(2002);Liu,et al.J.Neurol.Neurosurg.Psych.67:451-456(1999);Portielji,et al.Cancer Immunol.Immunother.52:133-144(2003)を参照されたい]。対象の血清中の本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体、および/または抗体の抗原結合フラグメントの所定の標的濃度、例えば0.1、0.3、1、3、10、30、100、300μg/ml以上を達成するための用量も提供され得る。他の実施形態では、本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体、および/または抗体の抗原結合フラグメントは、10、20、50、80、100、200、500、1000または2500mg/対象で、毎週、隔週、「4週間毎」、毎月、隔月または四半期ごとに皮下または静脈内投与される。
【0148】
本明細書で使用される場合、「阻害する」または「処置する」または「処置」は、障害もしくは状態に関連する症状の発症の延期および/またはそのような障害もしくは状態の症状の重症度の低下を含む。この用語は、既存の制御されないまたは望ましくない症状を改良すること、さらなる症状を防止すること、およびそのような症状の根本的な原因を改良または防止することをさらに含む。したがって、この用語は、障害、状態および/もしくは症状を有するか、またはそのような障害、疾患もしくは症状を発症する可能性を有する脊椎動物対象(例えば、イヌ)に有益な結果が与えられたことを示す。
【0149】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」、「治療有効用量」および「有効量」という用語は、単独でまたは追加の治療剤と組み合わせて細胞、組織または対象、例えばイヌまたはネコに投与した場合に、疾患もしくは状態のうちの1つ以上またはそのような疾患もしくは状態の進行の症状の測定可能な改善引き起こすのに有効な本発明のIgG Fc融合タンパク質、抗体および/または抗体の抗原結合フラグメントの量を指す。治療有効用量はさらに、症状の少なくとも部分的な改良、例えば関連する医学的状態の処置、治癒、防止もしくは改良、またはそのような状態の処置、治癒、防止もしくは改良の速度の増加をもたらすのに十分なIgG Fc融合タンパク質、抗体、および/または抗体の抗原結合フラグメントの量を指す。組み合わせに適用される場合、治療有効用量は、組み合わせて投与されるか、連続的に投与されるか、または同時に投与されるかにかかわらず、治療効果をもたらす有効成分の組み合わせ量を指す。有効量の治療薬は、診断尺度またはパラメータの少なくとも10%;通常、少なくとも20%;好ましくは少なくとも約30%;より好ましくは少なくとも40%、最も好ましくは少なくとも50%の改善をもたらすであろう。有効量はまた、症状の重症度を評価するために主観的尺度が使用される場合に主観的尺度の改善をもたらすことができる。
【0150】
[実施例]
[実施例1]
イヌFcRn受容体のクローニングおよび発現
イヌFcRnタンパク質のサブユニット[IgG受容体および輸送体(FCGRT)およびβ2-ミクログロブリン(B2M)]が記載されている[Bergeron,et al.,Vet Immunol and Immunopathol.157:31-41(2014)]。それらの配列は、National Center for Biotechnology Informationデータベースに見出すことができ、以下に提供される。c末端[GGGGS;配列番号46]x3リンカー、AviTag、および8xHisタグで操作したFCGRTをコードするDNA、ならびにc末端タグなしで調製したB2Mを、人工シグナル伝達ペプチドMGWSCIILFLVATATGVHS[配列番号47]を有するpcDNA3.4ベクターにクローニングした。等量の各ベクターをExpi293F細胞に同時トランスフェクトした。FcRnヘテロ二量体を精製するために、HisTrapFF(商標)CrudeおよびHiLoad(商標)26/600 Superdex(商標)200プレップグレードカラムによって二段階精製を実行した。
【0151】
XP_533618.2 IgG受容体FcRn大サブユニットp51アイソフォームX2[カニスルプスファミリアス]:
[配列番号48]
MGVPRPRSWGLGFLLFLLPTLRADSHLSLLYHLTAVSAPPPGTPAFWASGWLGPQQYLSYNNLRAQAEPYGAWVWENQVSWYWEKETTDLRTKEGLFLEALKALGDGGPYTLQGLLGCELGPDNTSVPVAKFALNGEDFMTFDPKLGTWNGDWPETETVSKRWMQQAGAVSKERTFLLYSCPQRLLGHLERGRGNLEWKEPPSMRLKARPGSPGFSVLTCSAFSFYPPELQLRFLRNGLAAGSGEGDFGPNGDGSFHAWSSLTVKSGDEHHYRCLVQHAGLPQPLTVELESPAKSSVPVVGIVIGFLLLTAVAVGGALLWRRMRKGLPAPWMSLRGDDVGALLPTPGVPKDADS
XP_535458.1予測:ベータ-2-ミクログロブリン(B2M)前駆体アイソフォーム2[カニスファミリアス]と同様 [配列番号49]
MAPRPALATAGFLALLLILLAACRLDAVQHPPKIQVYSRHPAENGKPNFLNCYVSGFHPPEIEIDLLKNGKEMKAEQTDLSFSKDWTFYLLVHTEFTPNEQDEFSCRVKHVTLSEPQIVKWDRDN
[実施例2]
FcRn受容体へのインビトロ結合
FcRnタンパク質に対する抗体およびIgG Fc融合タンパク質の結合を、ストレプトアビジン(SA)バイオセンサーを使用してOctet(商標)HTXによって決定した。最初に、ビオチン標識FcRn/B2Mを、10ug/mLの濃度で、予備水和SAバイオセンサーに60秒間負荷した。第2に、遮断段階のために、バイオセンサーをpH6.0 TBS/カゼイン緩衝液に180秒間入れた。第3に、会合段階のために、FcRn/B2M負荷バイオセンサーをpH6.0または7.4TBS/カゼイン緩衝液中の500nMから7.8nMまでの抗体またはIgG Fc融合タンパク質の2倍連続希釈液に15秒間入れた。最後に、解離段階のために、バイオセンサーをpH6.0またはpH7.4のいずれかのTBS/カゼイン緩衝液に60秒間入れた。Octet Data Analysis12.0ソフトウェアを使用して分析を実行し、1:1結合モデルを使用して曲線を当てはめた。
【0152】
[実施例3]
イヌIgG Fc領域およびネコIgG Fc領域
以下に、4つのイヌFc領域および3つのネコFc領域のアミノ酸配列、ならびにIgG-Bmの配列番号4のアミノ酸配列と比較したIgG-Bの配列番号3のアミノ酸配列において例示されるような、2つのアミノ酸残基置換D31AおよびN63Aを含む改変Fc領域の対応するアミノ酸配列を提供する。これらの2つのアミノ酸残基置換は、天然に存在するイヌIgG-Bの抗体依存性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)を有意に減少させる働きをする[その内容全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第10,106,607号明細書を参照されたい]。Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th ed.,Kabat et al.,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)のEUナンバリングスキームに従って、D31AおよびN63Aは、それぞれアミノ酸位置D265AおよびN297Aに対応する。
【0153】
イヌIgG-A[配列番号1]、イヌIgG-B[配列番号3]、イヌIgG-C[配列番号5]、イヌIgG-D[配列番号7]、ネコIgG-1a[配列番号52]、ネコIgG-2[配列番号53]、ヒトIgG1 Fc[配列番号54]由来のFc領域のアミノ酸配列、およびこれらの7つのアミノ酸配列[配列番号55]のコンセンサス配列のアラインメントを図1に示す。Strietzel et al.,[Vet Immunol&Immunpathol.,158:214-223(2014)]によって示されるように、ネコIgG-1aおよびネコIgG-2 Fc領域のFc領域のアミノ酸配列は、それぞれのそれらのヒンジ領域に由来する2つのさらなるN末端アミノ酸残基をさらに含む。上記のStrietzel et al.,によれば、ネコFc領域のアミノ酸配列は、ネコIgG-1aについては[配列番号9]、ネコIgG-1bについては[配列番号50]、およびネコIgG-2については[配列番号11]である。
【0154】
イヌIgG Fc
IgG-A [配列番号1]
LGGPSVLIFPPKPKDILRITRTPEVTCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQSREQQFNGTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIDLPSPIERTISKARGRAHKPSVYVLPPSPKELSSSDTVSITCLIKDFYPPDIDVEWQSNGQQEPERKHRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDPFTCAVMHETLQNHYTDLSLSHSPGK
IgG-Am [配列番号2]
LGGPSVLIFPPKPKDILRITRTPEVTCVVLALGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQSREQQFAGTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIDLPSPIERTISKARGRAHKPSVYVLPPSPKELSSSDTVSITCLIKDFYPPDIDVEWQSNGQQEPERKHRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDPFTCAVMHETLQNHYTDLSLSHSPGK
IgG-B [配列番号3]
LGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQESLSHSPGK
IgG-Bm [配列番号4]
LGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVALDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFAGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQESLSHSPGK
IgG-C [配列番号5]
LGGPSVFIFPPKPKDILVTARTPTVTCVVVDLDPENPEVQISWFVDSKQVQTANTQPREEQSNGTYRVVSVLPIGHQDWLSGKQFKCKVNNKALPSPIEEIISKTPGQAHQPNVYVLPPSRDEMSKNTVTLTCLVKDFFPPEIDVEWQSNGQQEPESKYRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQISLSHSPGK
IgG-Cm [配列番号6]
LGGPSVFIFPPKPKDILVTARTPTVTCVVVALDPENPEVQISWFVDSKQVQTANTQPREEQSAGTYRVVSVLPIGHQDWLSGKQFKCKVNNKALPSPIEEIISKTPGQAHQPNVYVLPPSRDEMSKNTVTLTCLVKDFFPPEIDVEWQSNGQQEPESKYRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQISLSHSPGK
IgG-D [配列番号7]
LGGPSVFIFPPKPKDILRITRTPEITCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREQQFNSTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIGLPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSPKELSSSDTVTLTCLIKDFFPPEIDVEWQSNGQPEPESKYHTTAPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDTFTCAVMHEALQNHYTDLSLSHSPGK
IgG-Dm [配列番号8]
LGGPSVFIFPPKPKDILRITRTPEITCVVLALGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREQQFASTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIGLPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSPKELSSSDTVTLTCLIKDFFPPEIDVEWQSNGQPEPESKYHTTAPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDTFTCAVMHEALQNHYTDLSLSHSPGK
ネコIgG Fc
IgG-1a [配列番号9]
PPEMLGGPSIFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSDVQITWFVDNTQVYTAKTSPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSPIERTISKAKGQPHEPQVYVLPPAQEELSRNKVSVTCLIKSFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYRTTPPQLDSDGTYFVYSKLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
IgG-1am [配列番号10]
PPEMLGGPSIFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVALGPDDSDVQITWFVDNTQVYTAKTSPREEQFASTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSPIERTISKAKGQPHEPQVYVLPPAQEELSRNKVSVTCLIKSFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYRTTPPQLDSDGTYFVYSKLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
IgG-1b [配列番号50]
PPEMLGGPSIFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSDVQITWFVDNTQVYTAKTSPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSPIERTISKDKGQPHEPQVYVLPPAQEELSRNKVSVTCLIEGFYPSDIAVEWEITGQPEPENNYRTTPPQLDSDGTYFLYSRLSVDRSRWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
IgG-1bm [配列番号51]
PPEMLGGPSIFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVALGPDDSDVQITWFVDNTQVYTAKTSPREEQFASTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSPIERTISKDKGQPHEPQVYVLPPAQEELSRNKVSVTCLIEGFYPSDIAVEWEITGQPEPENNYRTTPPQLDSDGTYFLYSRLSVDRSRWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
IgG-2 [配列番号11]
VPEIPGAPSVFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSNVQITWFVDNTEMHTAKTRPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSAMERTISKAKGQPHEPQVYVLPPTQEELSENKVSVTCLIKGFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYQTTPPQLDSDGTYFLYSRLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
IgG-2m [配列番号12]
VPEIPGAPSVFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVALGPDDSNVQITWFVDNTEMHTAKTRPREEQFASTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSAMERTISKAKGQPHEPQVYVLPPTQEELSENKVSVTCLIKGFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYQTTPPQLDSDGTYFLYSRLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
cIgG-Aヒンジ領域[配列番号13]
FNECRCTDTPPCPVPEP
cIgG-Bヒンジ領域[配列番号14]
PKRENGRVPRPPDCPKCPTPEM
cIgG-Cヒンジ領域[配列番号15]
AKECECKCNCNNCPCPGCGL
cIgG-Dヒンジ領域[配列番号16]
PKESTCKCISPCPVPES
IgG-1a Fc+2アミノ酸残基 [配列番号52]
CPPPEMLGGPSIFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSDVQITWFVDNTQVYTAKTSPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSPIERTISKAKGQPHEPQVYVLPPAQEELSRNKVSVTCLIKSFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYRTTPPQLDSDGTYFVYSKLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
IgG-2 Fc+2アミノ酸残基 [配列番号53]
CPVPEIPGAPSVFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSNVQITWFVDNTEMHTAKTRPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSAMERTISKAKGQPHEPQVYVLPPTQEELSENKVSVTCLIKGFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYQTTPPQLDSDGTYFLYSRLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
ヒトIgG1 Fc [配列番号54]
PELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
コンセンサス配列:[配列番号55]
LGGPSVFIFPPKPKDTLXISRTPEVTCVVVDLGPEDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNNKALPSPIERTISKAXGQAHXPXVYVLPPSREELSKNXTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQPEPEXKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFTCAVMHEALHNHYTQKSLSHSPGK
図1は、本明細書で使用される、上記のSequences of Proteins of Immunological Interest,5th ed.,Kabat et al.,によるEUナンバリングスキームを示す。アミノ酸残基番号252、254、256、308、428、433、434、および436は、図1において特異的に同定され、したがって、上記のKabat et al.,のEUナンバリングスキームに従う本発明のcFc領域およびfFc領域のアミノ酸配列によって構成されるアミノ酸残基位置である。
【0155】
このトレオニン(T)は、アラニン(A)としても同定されている。
【0156】
[実施例4]
改変されたイヌIgG Fc融合タンパク質および抗体の構築、発現および精製
バックグラウンド
アトピー性皮膚炎(AD)は、免疫系の調節不全および表皮バリア異常を特徴とする、ヒトおよびコンパニオンアニマルにおける再発性の掻痒性および慢性炎症性皮膚疾患である。インターロイキン-4(IL-4)およびインターロイキン-13(IL-13)の両方が、アトピー性皮膚炎における慢性炎症性皮膚疾患に関与するシグナル伝達経路の一部である。IL-4は、共通γc鎖のモノマー(γc)およびIL-4受容体アルファ(IL-4Rα)のモノマーを含むヘテロ二量体受容体に結合する。IL-13は、IL-13受容体アルファ1(IL-13Rα1)のモノマーおよびIL-4Rαのモノマーを含むヘテロ二量体受容体に結合する。IL-4のIL-4Rαへの結合およびIL-13のIL-13Rα1への結合の遮断は、付随する皮膚炎症を遮断する。IL-13Rα1の細胞外ドメイン(ECD)(例えば、cIL-13Rα1-cFc融合タンパク質)またはIL-13Rα2の細胞外ドメイン(ECD)(例えば、cIL-13Rα2-cFc融合タンパク質)のいずれかを含むIgG Fc融合タンパク質は、IL-13に結合することができる。IL-4RαのECD(例えば、イヌIL-4Rα-cFc融合タンパク質)を含むIgG Fc融合タンパク質は、IL-4Rαに結合することができる。IL-13Rα1またはIL-13R Rα2のいずれかのECDを含むIgG Fc融合タンパク質と、IL-4RαのECDを含むIgG Fc融合タンパク質との両方を組み合わせることにより、IL-4Rαによるシグナル伝達を遮断し、それによってアトピー性皮膚炎の慢性炎症性皮膚疾患を改良することができる。
【0157】
インターロイキン-31(IL-31)のその受容体であるIL-31受容体α(IL-31RA)への結合は、ヒトおよび犬の両方においてアトピー性皮膚炎の掻痒作用を惹起する。IL-31RAに結合する抗体によるIL-31のIL-31RAへの結合の遮断は、IL-31RAによるシグナル伝達を遮断し、アトピー性皮膚炎の掻痒作用を改良する働きをする。IgG Fc IL-13Rα1またはIL-13R Rα2 IgG融合タンパク質および/もしくはIgG Fc IL-4Rαの半減期を延長すること、ならびに/またはIL-31RA抗体の半減期を延長することにより、対応する潜在的な薬物を比較的低い用量および/もしくは低い投与頻度で使用することが可能になる。
【0158】
方法
アミノ酸残基改変をIgG抗体およびcFc融合タンパク質の重鎖のイヌFc領域において遺伝子操作して、pH6で新生児型Fc受容体FcRnに対するそれらの親和性を改善した。抗体がイヌIgG-B Fcのヒンジ領域およびイヌIgG-Bm Fc領域を含む場合、人工シグナル伝達ペプチドペプチドMGWSCIILFLVATATGVHS[配列番号16]をコードする核酸および重鎖のアミノ酸配列。あるいは、イヌIL-13Ra2の細胞外ドメインをイヌIgG-B Fcヒンジ領域およびイヌIgG-B Fc領域に融合した。抗体(上記のイヌ重鎖または対応するイヌ軽鎖)またはcFc融合タンパク質をコードする核酸をpcDNA3.4ベクターにクローニングした。各ベクターをExpiCHO細胞にトランスフェクトし、採取した上清を組換えプロテインAアフィニティーカラムで精製した。タンパク質を0.1Mグリシン-HCl(pH2.7)に溶出し、次いで、1M Tris緩衝液(pH8.0)を使用してpH6.0に調整した。
【0159】
イヌIL-13Rα1およびIL-13Rα2
イヌIL-13Rα1 [配列番号17]
VLPAKPENISCIFYYEENFTCTWSPEKEASYTWYKVKRTYSYGYKSDICSTDNSTRGNHASCSFLPPTITNPDNYTIQVEAQNADGIMKSDITYWNLDAIMKIEPPEIFSVKSVLGIKRMLQIKWIRPVLAPHSSTLKYTLRFRTINSAYWMEVNFTKEDIDRDETYNLTELQAFTEYVMTLRCAPAESMFWSGWSQEKVGTTEEEAPYGLDLWRVLKPAMVDGRRPVQLMWKKATGAPVLEKALGYNIWYFPENNTNLTETVNTTNQTHELYLGGKTYWVYVVSYNSLGESPVATLRIPALNEKTFQCIEAMQACLTQDQLVVEWQSSAPEVDTWMVEWFPDVDSEPSSFSWESVSQARNWTIQKDELKPLWCYNISVYPVLRDRVGQPYSTQAYVQEGIPSAGPVTQADSIGVKTVTITWKEIPKSKRNGFIKNYTIFYQAEDGKEFSKTVNSNILQYRLESLTRRTSYSLQVMASTNAGGTNGTKINFKTLSIS
イヌIL-13Rα2 [配列番号18]
SMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKET
例示的な改変イヌIL-13Rα1およびIL-13Rα2 IgG Fc融合タンパク質のアミノ酸配列
したがって、cFc融合タンパク質の半減期を増加させるために、本発明の融合タンパク質のイヌIgG-B Fc領域を、対応する野生型イヌIgG-B Fcに対して改変した。そのような改変cFc領域は、野生型cFc領域に対して、1つ以上のアミノ酸残基252、254、256、433、434および436に1つ以上のアミノ酸置換を含む[Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th ed.,Kabat et al.,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991);EUインデックスに従ってナンバリング]。特定の例は、以下の位置:L252Y、A254T、T256D、T256E、I308P、H433K、H433L、N434H、N434F、N434Y、およびY436Tのうちの1つ以上における改変を含み、図1に示されるようにナンバリングされ、以下の表1に提供される。
【0160】
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-Y N434Y [配列番号19]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHYHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-F N434F [配列番号20]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHFHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-L H433L [配列番号21]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALLNHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-K H433K [配列番号22]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALKNHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-T Y436T [配列番号23]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHTTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-LY H433L/N434Y [配列番号24]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALLYHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-KY H433K/N434Y [配列番号25]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALKYHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-KF H433K/N434F [配列番号26]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALKFHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-LF H433L/N434F [配列番号27]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALLFHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-KYT H433K/N434Y/Y436T [配列番号28]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALKYHTTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-LYT H433L/N434Y/Y436T [配列番号29]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALLYHTTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-LFT H433L/N434F/Y436T [配列番号30]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALLFHTTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-KFT H433K/N434F/Y436T [配列番号31]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALKFHTTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-PY I308P/N434Y [配列番号32]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPPGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHYHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-DPY T256D/I308P/N434Y [配列番号33]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARDPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPPGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHYHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-DY T256D/N434Y [配列番号34]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARDPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHYHYTQESLSHSPGK
cIL-13Rα2-cIgGB-Fc-YT N434Y/Y436T [配列番号35]
MGWSCIILFLVATATGVHSSMLSNAEIKVNPPQDFEIVDPGYLGYLSLQWQPPLFPDNFKECTIEYELKYRNIDSENWKTIITKNLHYKDGFDLNKGIEAKINTLLPAQCTNGSEVRSSWAETTYWTSPQGNRETKIQDMDCVYYNWQYLVCSWKPGMGVHFDTNYQLFYWYEGLDHSAECTDYIKVNGKNMGCRFPYLESSDYKDFYICVNGSSESQPIRPSYFIFQLQNIVKPMPPDYLSLTVKNSEEINLKWNMPKGPIPAKCFIYEIEFTEDGTTWVTTTVENEIQITRTSNESQKLCFLVRSKVNIYCSDDGIWSEWSDEQCWKGDIWKETPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHYHTTQESLSHSPGK
【表2】
例示的な抗体半減期を増強させる改変のアミノ酸配列
イヌ化マウス抗イヌIL-31RA抗体の半減期を増加させるために、本発明のイヌ重鎖のイヌIgG-Bm Fc領域を、対応するイヌIgG-Bm Fcに対して改変した。そのような改変cFc領域は、野生型cFc領域に対して、1つ以上のアミノ酸残基252、256、433および434に1つ以上のアミノ酸置換を含む[Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th ed.,Kabat et al.,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991);EUインデックスに従ってナンバリング]。特定の例は、以下の位置:L252Y、T256D、T256E、H433K、H433L、N434F、およびN434Yのうちの1つ以上における改変を含み、図1に示されるようにナンバリングされ、以下の表2に提供される。
【0161】
c218D9VH4-cIgGBm-F N434F [配列番号36]
MGWSCIILFLVATATGVHSEVTLQESGPGLVKPSQTLSLTCSFSGFSLSTFGRGVGWIRQRPGRGLEWMGHIWWDDDKYYNPALKSRLSITKDTAKNQVFLQLSSMTTEDTAVYYCARIAGGLRRAPYAMDSWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPASKTKVDKPVPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVALDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFAGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHFHYTQESLSHSPGK
c218D9VH4-cIgGBm-Y N434Y [配列番号37]
MGWSCIILFLVATATGVHSEVTLQESGPGLVKPSQTLSLTCSFSGFSLSTFGRGVGWIRQRPGRGLEWMGHIWWDDDKYYNPALKSRLSITKDTAKNQVFLQLSSMTTEDTAVYYCARIAGGLRRAPYAMDSWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPASKTKVDKPVPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVALDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFAGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHYHYTQESLSHSPGK
c218D9VH4-cIgGBm-KF H433K/N434F [配列番号38]
MGWSCIILFLVATATGVHSEVTLQESGPGLVKPSQTLSLTCSFSGFSLSTFGRGVGWIRQRPGRGLEWMGHIWWDDDKYYNPALKSRLSITKDTAKNQVFLQLSSMTTEDTAVYYCARIAGGLRRAPYAMDSWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPASKTKVDKPVPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVALDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFAGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALKFHYTQESLSHSPGK
c218D9VH4-cIgGBm-KY H433K/N434Y [配列番号39]
MGWSCIILFLVATATGVHSEVTLQESGPGLVKPSQTLSLTCSFSGFSLSTFGRGVGWIRQRPGRGLEWMGHIWWDDDKYYNPALKSRLSITKDTAKNQVFLQLSSMTTEDTAVYYCARIAGGLRRAPYAMDSWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPASKTKVDKPVPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVALDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFAGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALKYHYTQESLSHSPGK
c218D9VH4-cIgGBm-LF H433L/N434F [配列番号40]
MGWSCIILFLVATATGVHSEVTLQESGPGLVKPSQTLSLTCSFSGFSLSTFGRGVGWIRQRPGRGLEWMGHIWWDDDKYYNPALKSRLSITKDTAKNQVFLQLSSMTTEDTAVYYCARIAGGLRRAPYAMDSWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPASKTKVDKPVPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVALDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFAGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALLFHYTQESLSHSPGK
c218D9VH4-cIgGBm-LY H433L/N434Y [配列番号41]
MGWSCIILFLVATATGVHSEVTLQESGPGLVKPSQTLSLTCSFSGFSLSTFGRGVGWIRQRPGRGLEWMGHIWWDDDKYYNPALKSRLSITKDTAKNQVFLQLSSMTTEDTAVYYCARIAGGLRRAPYAMDSWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPASKTKVDKPVPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVALDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFAGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALLYHYTQESLSHSPGK
c218D9VH4-cIgGBm-YD L252Y/T256D [配列番号42]
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c218D9VH4-cIgGBm-H N434H [配列番号43]
MGWSCIILFLVATATGVHSEVTLQESGPGLVKPSQTLSLTCSFSGFSLSTFGRGVGWIRQRPGRGLEWMGHIWWDDDKYYNPALKSRLSITKDTAKNQVFLQLSSMTTEDTAVYYCARIAGGLRRAPYAMDSWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPASKTKVDKPVPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVALDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFAGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHHHYTQESLSHSPGK
c218D9VH4[配列番号44]
EVTLQESGPGLVKPSQTLSLTCSFSGFSLSTFGRGVGWIRQRPGRGLEWMGHIWWDDDKYYNPALKSRLSITKDTAKNQVFLQLSSMTTEDTAVYYCARIAGGLRRAPYAMDSWGQGTLVTVSS
c218D9VL3-cCK[配列番号45]
DIVMTQTPLSLSVSPGETASISCRASENIYSSLAWFRQKPGQSPQLLVYAATNLADGVPDRFSGSGSGTDYTLRISRVEADDTGVYYCQHFRDTPPTFGQGTKLEIKRNDAQPAVYLFQPSPDQLHTGSASVVCLLNSFYPKDINVKWKVDGVIQDTGIQESVTEQDKDSTYSLSSTLTMSSTEYLSHELYSCEITHKSLPSTLIKSFQRSECQRVD
【表3】
【表4】
本発明は、本明細書に記載の具体的な実施形態によって範囲が限定されるものではない。実際、本明細書に記載されたものに加えて、本発明の様々な変更は、前述の説明から当業者には明らかになるであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
図1A
図1B
【配列表】
2024531346000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のアミノ酸置換を含むフラグメント結晶化可能領域(Fc領域)を含む抗体またはIgG Fc融合タンパク質であって、前記1つ以上のアミノ酸残基置換が、252、254、256、308、433、434、436、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸残基位置にあり、前記アミノ酸残基位置が、KabatのようにEUインデックスに従ってナンバリングされ:
前記置換が、アミノ酸残基位置252にある場合、前記置換が、チロシン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置254にある場合、前記置換が、トレオニン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置256にある場合、前記置換が、アスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置308にある場合、前記置換が、プロリン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置433にある場合、前記置換が、リジン残基またはロイシン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置434にある場合、前記置換が、フェニルアラニン残基、ヒスチジン残基、またはチロシン残基によるものであり;
前記置換が、アミノ酸残基位置436にある場合、前記置換が、トレオニン残基によるものであり;
前記抗体が、重鎖および軽鎖を含み;
前記Fc領域が、イヌFc領域(cFc)およびネコFc領域(fFc)からなる群から選択される、抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項2】
前記cFcまたは前記fFcが、
アミノ酸残基位置252でのチロシン残基による置換およびアミノ酸残基位置256でのアスパラギン酸残基による置換;
アミノ酸残基位置256でのアスパラギン酸残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置308でのプロリン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのリジン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのフェニルアラニン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのリジン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのロイシン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのフェニルアラニン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのロイシン残基による置換およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換;
アミノ酸残基位置252でのチロシン残基による置換、アミノ酸残基位置254でのトレオニン残基による置換、およびアミノ酸残基位置256でのグルタミン酸残基による置換;
アミノ酸残基位置256でのアスパラギン酸残基による置換、アミノ酸残基位置308でのプロリン残基による置換、およびアミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのリジン残基による置換、アミノ酸残基位置434でのフェニルアラニン残基による置換、およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのリジン残基による置換、アミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換、およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換;
アミノ酸残基位置433でのロイシン残基による置換、アミノ酸残基位置434でのフェニルアラニン残基による置換、およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換;ならびに
アミノ酸残基位置433でのロイシン残基による置換、アミノ酸残基位置434でのチロシン残基による置換、およびアミノ酸残基位置436でのトレオニン残基による置換
からなる群から選択されるアミノ酸残基位置に2つ以上のアミノ酸残基置換を含む、請求項1に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項3】
前記cFcまたはfFcが、少なくとも、アミノ酸残基位置252でのチロシン残基による置換およびアミノ酸残基位置256でのアスパラギン酸残基による置換を含む、請求項1または2に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項4】
前記fFcが、IgG-la Fc、IgG-1am Fc、IgG-lb Fc、IgG-1bm Fc、IgG-2 FcおよびIgG-2m Fcからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項5】
前記fFcが、配列番号9、配列番号9と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号10、配列番号10と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号11、配列番号11と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号12、配列番号12と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号50、配列番号50と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号51、および配列番号51と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記fFcが、前記1つ以上のアミノ酸置換を保持する、請求項4に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項6】
前記cFcが、IgG-A Fc、IgG-Am Fc、IgG-B Fc、IgG-Bm Fc、IgG-C Fc、IgG-Cm Fc、IgG-D FcおよびIgG-Dm Fcからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項7】
前記cFcが、配列番号1、配列番号1と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号2、配列番号2と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号3、配列番号3と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号4、配列番号4と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号5、配列番号5と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号6、配列番号6と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号7、配列番号7と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列、配列番号8、および配列番号8と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記cFcが、前記1つ以上のアミノ酸置換を保持する、請求項6に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項8】
前記cFcが、配列番号13、配列番号14、配列番号15および配列番号16からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むイヌヒンジ領域をさらに含む、請求項1、2、3、6または7のいずれか一項に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項9】
前記cFcが、配列番号13、配列番号14、配列番号15および配列番号16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むイヌヒンジ領域をさらに含む、請求項8に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項10】
対応する野生型イヌFcまたはネコFcを含む対応する抗体またはIgG Fc融合タンパク質の半減期と比較して増加した半減期を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項11】
中程度に酸性のpHで新生児型Fc受容体(FcRn)に対して増強された結合親和性を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗体またはIgG Fc融合タンパク質。
【請求項12】
配列番号17のアミノ酸配列、または配列番号17と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列をさらに含むイヌIL-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質であり、前記cFcが、前記1つ以上のアミノ酸置換を保持する、請求項1、2、3および6~11のいずれか一項に記載のIgG Fc融合タンパク質。
【請求項13】
配列番号18のアミノ酸配列、または配列番号18と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列をさらに含むイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質であり、前記cFcが、前記1つ以上のアミノ酸置換を保持する、請求項1、2、3および6~11に記載のIgG融合タンパク質。
【請求項14】
配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34および配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34および配列番号35と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を含むアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項13に記載のイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体もしくはIgG融合タンパク質、または請求項12に記載のイヌ-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質、または請求項13もしくは14に記載のイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせをコードする核酸。
【請求項16】
請求項15に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項17】
請求項16に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項18】
イヌ抗体またはイヌ化抗体からなる群から選択される、請求項1、2、3および6~11のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項19】
イヌインターロイキン-31受容体アルファ(cIL-31RA)に対するイヌ化抗体であり、前記重鎖が、配列番号44のアミノ酸配列を含む可変領域を含む、請求項18に記載のイヌ化抗体。
【請求項20】
前記重鎖が、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42および配列番号43からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42および配列番号43と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項19に記載のcIL-31RAに対するイヌ化抗体。
【請求項21】
前記イヌ化抗体の前記軽鎖が、配列番号45のアミノ酸配列を含むか、または配列番号45と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%の同一性を含む、請求項19または20に記載のcIL-31RAに対するイヌ化抗体。
【請求項22】
請求項21に記載のイヌ化抗体の軽鎖をコードする核酸。
【請求項23】
請求項18~21のいずれか一項に記載のイヌ化抗体の重鎖をコードする核酸。
【請求項24】
請求項22もしくは23に記載の核酸を含むか、または請求項22および23に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項25】
請求項24に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項26】
請求項12に記載のイヌ-13Rα1-イヌIgG融合タンパク質、請求項13もしくは14に記載のイヌ-13Rα2-イヌIgG融合タンパク質、請求項19~21のいずれか一項に記載のイヌ化抗体、請求項16もしくは24に記載の発現ベクター、またはそれらの任意の組み合わせと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項27】
アトピー性皮膚炎を有するイヌを処置する方法であって、請求項26に記載の医薬組成物を前記イヌに投与することを含む、方法。
【国際調査報告】