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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】通信方法および関連装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/23 20230101AFI20240822BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240822BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20240822BHJP
   H04W 76/18 20180101ALI20240822BHJP
【FI】
H04W72/23
H04W84/12
H04W8/24
H04W76/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509457
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 CN2022112175
(87)【国際公開番号】W WO2023020395
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202111229676.4
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110945312.X
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 懋
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 中江
(72)【発明者】
【氏名】▲陸▼ 雨▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】李 伊青
(72)【発明者】
【氏名】李 云波
(72)【発明者】
【氏名】郭 宇宸
(72)【発明者】
【氏名】淦 明
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD13
5K067EE02
5K067EE10
5K067LL01
(57)【要約】
本出願は、ワイヤレス通信の分野に関し、特に、802.11シリーズ標準をサポートするワイヤレスローカルエリアネットワークに適用され、特に、通信方法および関連装置に関する。本方法は、non-AP MLDが、第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに、第1のAPから第1のフレームを受信することを含む。non-AP MLDは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、non-AP MLDの各リンク上の空間ストリーム/アンテナ(の一部または全部)を第1のリンクに切り替える。プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされていると決定した場合、non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンク(または別のリンク)に切り替えて、リスニング動作を実施する。本出願の実施形態によれば、SM PSおよびEMLSRは、通信のために組み合わされて、既存のSM PS規則を直接再利用することによってフレーム交換の終了が定義され、EMLSRに適用できないという問題を解決することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、
非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDが第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のアクセスポイントAPによって送信された第1のフレームを受信した後に、前記non-AP MLDによって、前記第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えるステップであって、前記non-AP MLDは、拡張マルチリンクEMLをサポートする、ステップと、
前記non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、前記non-AP MLDによって、前記リスニング動作を実施するために、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えるステップと、を含み、
前記プリセット条件セットは、第1のプリセット条件を含み、前記第1のプリセット条件は、前記non-AP MLDが前記第1のリンク上で無線フレームを受信することであり、前記無線フレームの伝送アドレスTAは、現在の伝送機会TXOPを開始するフレームの伝送アドレスとは異なり、前記無線フレームは、アップリンクユニキャスト制御フレームではなく、または前記無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームでも報告に使用されるフレームでもなく、前記アップリンクユニキャスト制御フレームは、ブロック肯定応答BAフレームを含む、通信方法。
【請求項2】
前記non-AP MLDが拡張マルチリンクシングル無線EMLSRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期制御フレームであり、または、
前記non-AP MLDが拡張マルチリンクマルチ無線EMLMRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期フレームである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アップリンクユニキャスト制御フレームは、省電力ポールPS-Pollフレームをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
報告するために使用される前記フレームは、圧縮されたビームフォーミング/CQIフレーム、ビームフォーミング報告BFRを含むフレーム、バッファステータス報告BSRを含むフレーム、帯域幅クエリ報告BQRを含むフレーム、およびヌルデータパケットフィードバック報告NFRを含むフレームのうちの1つ以上を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記プリセット条件セットは、第2のプリセット条件をさらに含み、前記第2のプリセット条件は、前記non-AP MLDが前記第1のリンク上でユニキャストフレームを受信することであり、前記ユニキャストフレームの宛先アドレスは、別のステーションであり、前記ユニキャストフレーム、はユニキャスト制御フレームではなく、前記別のステーションは、前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作するステーション以外のステーションである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
通信方法であって、
non-AP MLDが第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のAPによって送信された第1のフレームを受信した後に、前記non-AP MLDによって、前記第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えるステップであって、前記non-AP MLDは、EMLをサポートする、ステップと、
前記non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、前記non-AP MLDによって、前記リスニング動作を実施するために、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えるステップと、を含み、
前記プリセット条件セットは、第2のプリセット条件を含み、前記第2のプリセット条件は、前記non-AP MLDが前記第1のリンク上でユニキャストフレームを受信することであり、前記ユニキャストフレームの宛先アドレスは、別のステーションであり、前記ユニキャストフレーム、はユニキャスト制御フレームではなく、前記別のステーションは、前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作するステーション以外のステーションである、通信方法。
【請求項7】
前記ユニキャスト制御フレームは、ブロック肯定応答要求BARフレームを含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記ユニキャスト制御フレームは、肯定応答ACKフレーム、ビームフォーミング報告ポールBFRPフレーム、およびヌルデータパケット告知NDPAフレームのうちの1つ以上を含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ユニキャスト制御フレームは、ユニキャストトリガフレームを含み、
前記ユニキャストトリガフレームは、マルチユーザブロック肯定応答要求MU-BARフレーム、バッファステータス報告ポールBSRPフレーム、トリガタイプベースのBFRPフレーム、マルチユーザ送信要求MU-RTSフレーム、帯域幅クエリ報告ポールBQRPフレーム、およびヌルデータパケットフィードバック報告ポールNFRPフレームのうちの1つ以上を含む、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記プリセット条件セットは、第3のプリセット条件をさらに含み、前記第3のプリセット条件は、前記non-AP MLDが、前記第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信することであり、前記non-AP MLDのユーザ情報フィールドが前記トリガフレーム内に存在しないか、またはアップリンク直交周波数分割多元接続OFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子が前記トリガフレーム内に存在しない、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
通信方法であって、
非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDが第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のアクセスポイントAPによって送信された第1のフレームを受信した後に、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDによって、前記第1のアクセスポイントAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えるステップであって、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDは、拡張マルチリンクEMLをサポートする、ステップと、
前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDによって、前記リスニング動作を実施するために、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えるステップと、を含み、
前記プリセット条件セットは、第3のプリセット条件を含み、前記第3のプリセット条件は、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDが前記第1のリンク上でトリガフレームを受信することであり、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDのユーザ情報フィールドは、前記トリガフレーム内に存在しない、通信方法。
【請求項12】
前記トリガフレームは、マルチユーザ送信要求MU-RTSフレーム、およびバッファステータス報告ポールBSRPフレームのうちの1つ以上を含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわち
前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDが、前記第1のリンク上で別の基礎的サービスセットのフレームを受信することと、
前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDが、前記第1のリンク上で高効率マルチユーザ物理層プロトコルデータユニットHE MU PPDUを受信し、前記HE MU PPDUにおいて搬送される基礎的サービスセットBSSカラーが、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作するステーションが属するBSSのBSSカラーと同じであり、前記HE MU PPDUが、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作する前記ステーションを前記RUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のリソースユニットRUのステーション識別子フィールドを含まず、前記第1のアクセスポイントAPから前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスnon-AP MLDによって直近に受信されたHE動作要素において搬送されるBSSカラー無効フィールドの値が、0であることと、
キャリア検知メカニズムが、前記第1のリンクに対応するチャネルが伝送ポイント協調機能フレーム間空間TxPIFSスロット境界においてアイドルであることを示すことと、
のうちの1つ以上をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
通信方法であって、
non-AP MLDが第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のフレームを正常に受信した後、かつ前記non-AP MLDと前記non-AP MLD内の第1のステーションに関連付けられた第1のAPとの間のフレーム交換の終了前に、前記non-AP MLDによって、複数の空間ストリームを使用することによって前記第1のリンク上で第1のタイプの物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信するステップであって、前記第1のタイプのPPDUは、マルチユーザ物理層プロトコルデータユニットMU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUであり、
前記ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスは、ブロードキャストアドレスであり、前記マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスは、マルチキャストアドレスであり、前記第1のタイプのPPDUは、指示情報を搬送し、前記指示情報は、前記第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示し、
前記non-AP MLDは、EMLをサポートし、前記第1のフレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えるように前記non-AP MLDに指示する、ステップと、
前記non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、前記non-AP MLDによって、前記リスニング動作を実施するために、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えるステップと、を含み、
前記プリセット条件セットは、第1のプリセット条件を含み、前記第1のプリセット条件は、前記non-AP MLDが前記第1のリンク上で無線フレームを受信することであり、前記無線フレームの伝送アドレスは、現在のTXOPを開始するフレームの伝送アドレスとは異なり、前記無線フレームがアップリンクユニキャスト制御フレームではなく、または前記無線フレームがアップリンクユニキャスト制御フレームでも報告に使用されるフレームでもなく、前記アップリンクユニキャスト制御フレームは、BAフレームを含む、通信方法。
【請求項15】
前記non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期制御フレームであり、または、
前記non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期フレームである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のタイプのPPDUは、トリガフレームを含み、前記トリガフレームは、トリガベース物理層プロトコルデータユニットTB PPDUを送信するように前記non-AP MLDをスケジューリングするために使用され、
前記non-AP MLDによって、複数の空間ストリームを使用することによって前記第1のリンク上で第1のタイプのPPDUを受信する前記ステップの後に、前記方法は、
前記non-AP MLDによって、前記複数の空間ストリームを使用することによって前記第1のリンク上で前記TB PPDUを送信するステップをさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記アップリンクユニキャスト制御フレームは、PS-Pollフレームをさらに含む、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
報告するために使用される前記フレームは、CQIフレーム、BFRを含むフレーム、BSRを含むフレーム、BQRを含むフレーム、およびNFRを含むフレームのうちの1つ以上を含む、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記プリセット条件セットは、第3のプリセット条件をさらに含み、前記第3のプリセット条件は、前記non-AP MLDが、前記第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信することであり、前記non-AP MLDのユーザ情報フィールドが前記トリガフレーム内に存在しないか、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子が前記トリガフレーム内に存在しない、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記トリガフレームは、MU-RTSフレームおよびBSRPフレームのうちの一方または両方を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわち
前記non-AP MLDが、前記第1のリンク上でユニキャストフレームを受信し、前記ユニキャストフレームの宛先アドレスが、別のステーションであることと、
前記non-AP MLDが、前記第1のリンク上で別の基礎的サービスセットのフレームを受信すること、
前記non-AP MLDが、前記第1のリンク上でHE MU PPDUを受信し、前記HE MU PPDUで搬送される基礎的サービスセットBSSカラーが、前記non-AP MLD内にあり前記第1のリンク上で動作する前記第1のステーションが属するBSSのBSSカラーと同じであり、前記HE MU PPDUが、前記non-AP MLD内にあり前記第1のリンク上で動作する前記第1のステーションを前記RUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のRUのステーション識別子フィールドを含まず、前記non-AP MLDによって前記第1のAPから直近に受信されたHE動作要素で搬送されるBSSカラー無効フィールドの値が、0であることと、キャリア検知メカニズムが、前記第1のリンクに対応するチャネルがTxPIFSスロット境界においてアイドルであることを示すことと、
のうちの1つ以上をさらに含む、請求項14から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
通信方法であって、
第1のアクセスポイントAPが第1のリンク上で第1のフレームを正常に送信した後、かつ前記第1のAPに関連付けられたN個のステーションとのフレーム交換の終了前に、前記第1のAPによって、前記第1のリンク上で前記N個のステーションと前記フレーム交換を実施するときに第1のタイプのPPDUを使用するステップであって、前記第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUであり、前記N個のステーションのうちの少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDは、EMLをサポートする、ステップを含み、
前記ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスは、ブロードキャストアドレスであり、前記マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスは、マルチキャストアドレスであり、前記第1のタイプのPPDUは、指示情報を搬送し、前記指示情報は、前記第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示す、通信方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのステーションが属する前記non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期制御フレームであり、または、
前記少なくとも1つのステーションが属する前記non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期フレームである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のタイプのPPDUは、トリガフレームを含み、前記トリガフレームは、TB PPDUを送信するようにステーションをスケジューリングするために使用される、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記指示情報が前記第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示すことは、前記指示情報が前記第1のリンク上の前記ステーションが受信者のうちの1つとして使用されることを示すことを含む、請求項14から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記指示情報は、ステーション識別子である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
通信方法であって、
non-AP MLDが、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えた後、前記non-AP MLDが、前記第1のフレームの交換が失敗したと決定した場合、前記non-AP MLDによって、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施するステップであって、前記non-AP MLDは、EMLをサポートする、ステップを含む、通信方法。
【請求項28】
前記non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期制御フレームであり、または、
前記non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期フレームである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、
前記non-AP MLDが、前記第1のフレームが受信された瞬間から開始する第1の持続時間内に設定されたプリセット条件内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、前記non-AP MLDによって、前記第1のフレームの前記交換が失敗したと決定するステップをさらに含む、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわち
前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作するステーションが、前記第1の持続時間内にPPDUを受信しないことと、
前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作する前記ステーションによって前記第1の持続時間内に受信された第1のPPDUが、別のBSSのPPDUであることと、
前記non-AP MLDにあり、前記第1のリンク上で動作する前記ステーションによって前記第1の持続時間内に受信された前記第1のPPDUが、アップリンクPPDUであることと、
前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作する前記ステーションによって前記第1の持続時間内に受信された前記第1のPPDUが、前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作する前記ステーションが属するBSS内のダウンリンクPPDUであり、前記ダウンリンクPPDU内のステーション識別子フィールドによって示される受信者が、前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作する前記ステーションではないことと、
前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作する前記ステーションによって前記第1の持続時間内に受信された前記第1のPPDUが、ユニキャストアドレスを有するフレームを含み、前記フレームの受信アドレスが、前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作する前記ステーションではなく、または、前記第1のPPDUが、トリガフレームを含み、前記トリガフレーム内の任意のユーザ情報フィールド内のアソシエーション識別子が、前記non-AP MLD内にあり、前記第1のリンク上で動作する前記ステーションのアソシエーション識別子と一致せず、または、アップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子が、前記トリガフレーム内に存在しないことと、
のうちの1つ以上を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の持続時間は、最小時間値に基づいて決定され、前記最小時間値は、
ΔTmin=tcts+2tSIFS+tpreamble+tMPDU
ΔTmin=tcts+2tSIFS+tpreamble、および
ΔTmin=tcts+tSIFS+tPIFS+taSlotTime
のうちの1つであり、式中、ΔTは、前記第1の持続時間を表し、ΔTminは、前記第1の持続時間の最低値を表し、tctsは、クリアツーセンドCTSフレームの伝送持続時間を表し、tSIFSは、ショートフレーム間空間SIFSの持続時間を表し、Tpreambleは、プリアンブルの受信持続時間を表し、tMPDUは、メディアアクセス制御プロトコルデータユニットMPDUの伝送持続時間を表し、tPIFSは、ポイント協調機能フレーム間空間PIFSの持続時間を表し、taSlotTimeは、1つのスロットの持続時間を表す、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
通信方法であって、
第1のリンク上の第1のnon-AP MLDによって、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するステップであって、前記第1のフレームは、第2の持続時間を搬送し、前記第2の持続時間の開始時点は、前記第1のnon-AP MLDは、前記第1のフレームを受信する終了時点であり、前記第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートし、前記第1のフレームは、前記第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えるように前記第1のnon-AP MLDに指示する、ステップと、
前記第2の持続時間の後に前記第1のnon-AP MLDによって、リスニング動作を実施するために、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えるステップと
を含む、通信方法。
【請求項33】
前記第1のnon-AP MLDは、EMLSRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期制御フレームであり、または、
前記第1のnon-AP MLDは、EMLMRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期フレームである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが前記第1のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間を含み、または、
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが前記第1のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間と、前記第1のnon-AP MLDは、各リンク上の前記空間ストリームを前記第1のリンクに切り替える持続時間と、を含む、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間を含み、または、
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間と、前記複数のnon-AP MLDの各々が別のリンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替える持続時間と、を含み、
前記複数のnon-AP MLDは、前記第1のnon-AP MLDを含む、請求項32または33に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の持続時間は、前記第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールドに配置される、請求項32から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の持続時間は、前記第1のリンク上の前記第1のAPのTXOP持続時間以下である、請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
通信方法であって、
第1のリンク上の第1のnon-AP MLDによって、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、前記第1のAPとのフレーム交換を実施するために、各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えるステップであって、前記第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートする、ステップと、
前記第1のnon-AP MLDによって、複数の空間ストリームを使用することによって前記第1のリンク上で第2のフレームを受信するステップであって、前記第2のフレームは、モアデータサブフィールドを含む、ステップと、
前記第2のフレーム内の前記モアデータサブフィールドの値が0である場合、前記第1のnon-AP MLDによって、リスニング動作を実施するために、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えるステップと
を含む、通信方法。
【請求項39】
前記モアデータサブフィールドの値が0である場合、前記第1のnon-AP MLDは、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えて前記リスニング動作を実施することを示す、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1のフレームは、第2の持続時間を搬送し、前記第2の持続時間の開始時点は、前記第1のnon-AP MLDは、前記第1のフレームを受信する終了時点であり、
第1のリンク上の第1のnon-AP MLDによって、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信する前記ステップの後に、前記方法は、
前記第1のnon-AP MLDによって、タイミングを開始するステップと、
前記タイミングが前記第2の持続時間に達した場合、前記第1のnon-AP MLDによって、前記リスニング動作を実施するために、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えるステップと、をさらに含む、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
通信方法であって、
第1のAPによって、第1のリンク上で第1のフレームを送信するステップであって、前記第1のフレームは、前記第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する、ステップと、
前記第1のAPによって、前記第1のリンク上で第2のフレームを送信するステップであって、前記第2のフレームは、モアデータサブフィールドを含む、ステップと
を含み、
前記モアデータサブフィールドの値が0である場合、それは、リスニング動作を実施するために、前記第1のnon-AP MLDが前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す、通信方法。
【請求項42】
前記第1のフレームは、第2の持続時間を搬送し、前記第2の持続時間の開始時点は、前記第1のnon-AP MLDが前記第1のフレームを受信する時点である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが前記第1のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間を含み、または、
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが前記第1のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間と、前記第1のnon-AP MLDは、各リンク上の前記空間ストリームを前記第1のリンクに切り替える持続時間と、を含む、請求項40または42に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間を含み、または、
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間と、前記複数のnon-AP MLDの各々が別のリンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替える持続時間と、を含み、
前記複数のnon-AP MLDは、前記第1のnon-AP MLDを含む、請求項40または42に記載の方法。
【請求項45】
前記第2の持続時間は、前記第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールドに配置される、請求項40および42から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記第2の持続時間は、前記第1のリンク上の前記第1のAPのTXOP持続時間以下である、請求項40および42から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のnon-AP MLDは、EMLSRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期制御フレームであり、または、
前記第1のnon-AP MLDは、EMLMRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期フレームである、請求項38から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
通信方法であって、
第1のリンク上の第1のnon-AP MLDによって、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、前記第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えるステップであって、前記第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートする、ステップと、
前記第1のnon-AP MLDによって、前記第1のリンク上の第3のフレームを受信し、前記第3のフレームは、サービス期間終了EOSPサブフィールドを含み、前記EOSPサブフィールドは、1に設定される、ステップと、
前記第1のnon-AP MLDによって、リスニング動作を実施するために、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えるステップと
を含む、通信方法。
【請求項49】
前記EOSPサブフィールドが1に設定された場合、それは、前記リスニング動作を実施するために前記第1のnon-AP MLDが前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第1のフレームは、第2の持続時間を搬送し、前記第2の持続時間の開始時点は、前記第1のnon-AP MLDは、前記第1のフレームを受信する終了時点であり、
第1のリンク上の第1のnon-AP MLDによって、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信する前記ステップの後に、前記方法は、
前記第1のnon-AP MLDによって、タイミングを開始するステップと、
前記タイミングが前記第2の持続時間に達した場合、前記第1のnon-AP MLDによって、前記リスニング動作を実施するために、前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えるステップと、をさらに含む、請求項48または49に記載の方法。
【請求項51】
通信方法であって、
第1のAPによって、第1のリンク上で第1のフレームを送信するステップであって、前記第1のフレームは、前記第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する、ステップと、
前記第1のAPによって、前記第1のリンク上で第3のフレームを送信するステップであって、前記第3のフレームは、EOSPサブフィールドを含み、前記EOSPサブフィールドが1に設定された場合、それは、リスニング動作を実施するために、前記第1のnon-AP MLDが前記第1のリンク上の前記空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す、ステップと
を含む、通信方法。
【請求項52】
前記第1のフレームは、第2の持続時間を搬送し、前記第2の持続時間の開始時点は、前記第1のnon-AP MLDが前記第1のフレームを受信する終了時点である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが前記第1のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間を含み、または、
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが前記第1のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間と、前記第1のnon-AP MLDは、各リンク上の前記空間ストリームを前記第1のリンクに切り替える持続時間と、を含む、請求項50または52に記載の方法。
【請求項54】
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間を含み、または、
前記第2の持続時間は、前記第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間と、前記複数のnon-AP MLDの各々が別のリンク上の空間ストリームを前記第1のリンクに切り替える持続時間と、を含み、
前記複数のnon-AP MLDは、前記第1のnon-AP MLDを含む、請求項50または52に記載の方法。
【請求項55】
前記第2の持続時間は、前記第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールドに配置される、請求項50および52から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記第2の持続時間は、前記第1のリンク上の前記第1のAPのTXOP持続時間以下である、請求項50および52から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記第2のフレームは、サービス品質QoSデータフレームまたはサービス品質ヌルフレームである、請求項48から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記第1のnon-AP MLDは、EMLSRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期制御フレームであり、または、
前記第1のnon-AP MLDは、EMLMRをサポートする場合、前記第1のフレームは、初期フレームである、請求項48から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
通信方法であって、
拡張マルチリンクシングル無線非アクセスポイントマルチリンクデバイスEMLSR non-AP MLDにおいて第1のアクセスポイントAPと第1のステーションSTAとの間でフレーム交換を実施するプロセスにおいて、前記第1のアクセスポイントAPによって、前記第1のステーションSTAに応答を必要とするダウンリンクフレームを送信するステップであって、前記装置は、前記第1のステーションSTAに関連付けられる、ステップと、
前記第1のアクセスポイントAPが前記第1のステーションSTAから前記ダウンリンクフレームに対する前記応答を受信しないとき、前記第1のアクセスポイントAPによって、第1の初期制御フレームを前記第1のステーションSTAに送信するステップと、を含む、通信方法。
【請求項60】
前記第1のアクセスポイントAPは、アクセスポイントマルチリンクデバイスAP MLDに属する、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記第1のアクセスポイントAPによって、前記第1のステーションSTAへの応答を必要とするダウンリンクフレームを送信する前記ステップは、
前記第1のアクセスポイントAPによって、前記第1のステーションSTAへの即時応答を必要とするダウンリンクフレームを送信するステップを含む、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
前記フレーム交換プロセスは、
前記第1のアクセスポイントAPによって、第2の初期制御フレームを前記第1のステーションSTAに送信するステップと、
前記第1のアクセスポイントAPによって、前記第2の初期制御フレームに対する応答フレームを前記第1のステーションSTAから受信するステップと、を含む、請求項59から61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
プロセッサおよびトランシーバを備える通信装置であって、前記トランシーバは、フレームを送信/受信するように構成され、前記プロセッサは、請求項1から62のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成される、通信装置。
【請求項64】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令がコンピュータ上で動作されると、前記コンピュータは、請求項1から62のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月17日に出願された「COMMUNICATION METHOD AND RELATED APPARATUS」と題する中国特許出願第202110945312.X号、および2021年10月21日に出願された「COMMUNICATION METHOD AND RELATED APPARATUS」と題する中国特許出願第202111229676.4号の優先権を主張するものであり、これらの両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、ワイヤレス通信技術の分野に関し、特に、通信方法および関連装置に関する。
【背景技術】
【0003】
既存の802.11規格(本明細書では802.11ax規格および以前のバージョンを参照する)には空間多重化省電力(Spatial Multiplexing Power Save、SM PS)機能がある。詳細については、802.11ax規格のセクション11.2.6の説明を参照されたい。SM PSは、1つの非アクセスポイントステーション(non-access point station、non-AP STA)が1つのアクティブな受信チェーン(receive chains)のみを保持し、通常は1つのアンテナを使用することによって信号を受信することを可能にする。non-AP STAがAPによって送信された初期フレームを受信した後、non-AP STAの別の受信チェーンが開かれ、APとのフレーム交換が、複数のアンテナを使用することによって実施される。フレーム交換の終了後、non-AP STAは、シングル受信チェーンモードに再び切り替わる。non-AP STAは、略してステーション(station、STA)と称される場合があり、non-AP STAおよびSTAは、本明細書では代替的に使用される場合があることを理解されたい。既存の802.11規格では、STAが、802.11ax規格において指定されたいずれかの条件が満たされていると決定したとき(詳細については、802.11ax規格のセクション11.2.6を参照されたい)、STAは、空間多重化を通して利得を増加させ、エネルギーを節約するために、シングル受信チェーンモードに直ちに再び切り替わることができる。
【0004】
802.11beなどの次世代802.11規格は、超高スループット(Extremely High Throughput、EHT)またはWi-Fi 7と称される。この規格の基幹技術は、マルチリンク(multi-link、ML)通信を通じてスループットを改善することである。マルチリンク通信のコアアイデアは、以下の通りである:次世代802.11規格をサポートするワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)デバイス、すなわち、EHTデバイスは、マルチバンド(multi-band)送信および受信能力を有し、データ伝送のためにより大きい帯域幅を使用し、それによって、スループットを著しく改善する。マルチバンドは、限定はされないが、2.4GHz Wi-Fiバンド、5GHz Wi-Fiバンド、および6GHz Wi-Fiバンドを含む。802.11beでは、マルチリンク通信をサポートするWLANデバイスは、マルチリンクデバイス(multi link device、MLD)と称される。明らかに、マルチリンクデバイスは、複数のリンク(または複数の帯域)上でパラレル通信を実施することができ、その結果、伝送レートが大幅に改善される。マルチリンクデバイス(MLD)は、1つ以上の系列ステーション(affiliated STA)を含む。系列ステーションは、論理ステーションであり、1つのリンク上で動作することができる。提携ステーションは、アクセスポイント(access point、AP)または非アクセスポイントステーション(non-AP STA)であってよい。802.11be規格では、所属ステーションがAPであるマルチリンクデバイスはAP MLDと称され、所属ステーションがnon-AP STAであるマルチリンクデバイスはnon-AP MLDと称される。
【0005】
しかしながら、一部のnon-AP MLDはそれぞれ、シングル無線(Single radio)送信および受信能力のみを有することができるが、non-AP MLDが複数のリンクの利益を享受することを可能にするために、拡張マルチリンクシングル無線(Enhanced Multi-link Single Radio、EMLSR)能力が802.11beにおいて導入されている。したがって、WLANにおける拡張マルチリンクベースの通信方法の設計が緊急に探求される必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の実施形態は、通信方法および関連装置を提供する。SM PSおよびEMLSRは、通信のために組み合わされて、既存のSM PS規則を直接再利用することによってフレーム交換の終了が定義され、EMLSRに適用できないという問題を解決し、さらに、APがEMLSRモードでSTAにサービスしながら他のSTAにサービスすることを可能にし、マルチユーザ通信を実施し、それによって、通信効率をさらに改善することができる。
【0007】
以下は、異なる態様からこのアプリケーションを説明する。異なる態様の以下の実装形態および有益な効果に対して相互参照が行われ得ることを理解されたい。
【0008】
第1の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:non-AP MLDは、第1のリンク上でリスニング動作(Listening Operation)を実施するとき、第1のAPから第1のフレームを受信する。non-AP MLDは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、non-AP MLDの各リンク(または別のリンク)上の空間ストリーム/アンテナ(の一部または全部)を第1のリンクに切り替える。プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされていると決定した場合、non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンク(または別のリンク)に切り替え、リスニング動作を実施する。non-AP MLDは、拡張マルチリンク(Enhanced Multi-link、EML)モードをサポートする。プリセット条件セットは第1のプリセット条件を含み、第1のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上で無線フレームを受信することであり、無線フレームの伝送アドレスは、現在の伝送機会(Transmission Opportunity、TXOP)を開始するフレームの伝送アドレスとは異なり、無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームではなく、または無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームでも報告に使用されるフレームでもなく、アップリンクユニキャスト制御フレームはブロック肯定応答(Block ACK、BA)フレームを含む。
【0009】
それに対応して、第1のAPは、第1のリンク上で第1のフレームを送信する。
【0010】
この解決策では、既存のSM PS規則がEMLSRおよび/または拡張マルチリンクマルチ無線(Enhanced Multi-link Multi-Radio、EMLMR)に適用できないという問題を解決するために、既存のSM PS規則が修正され、具体的には、一部のアップリンクユニキャスト制御フレームが除外されることが知見され得る。換言すれば、APがEMLSR/EMLMR non-AP STAをサービスするとき、EMLSR/EMLMR non-AP STAはこれらのフレームを受信するため、EMLSR/EMLMR non-AP STAはリスニング動作に再び切り替わらない。また、この規則は、APがEMLSRモードにあるSTAにサービスを提供している間に他のSTAにサービスを提供してマルチユーザ通信を実施することを可能にし、それによって通信効率をさらに向上させる。
【0011】
第2の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。通信装置は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するとき、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットと、第1のリンク上でリスニング動作が実施されるとき、第1のAPによって送信された第1のフレームが受信された後、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように構成されたスイッチングユニットと、を含み、non-AP MLDは、EMLをサポートする。スイッチングユニットは、non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施するようにさらに構成される。プリセット条件セットは第1のプリセット条件を含み、第1のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上で無線フレームを受信することであり、無線フレームの伝送アドレスは、現在のTXOPを開始するフレームの伝送アドレスとは異なり、無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームではなく、または無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームでも報告のために使用されるフレームでもなく、アップリンクユニキャスト制御フレームはBAフレームを含む。
【0012】
前述の態様のうちのいずれか1つの可能な実装形態では、non-AP MLDはEMLSRをサポートし、またはnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、non-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0013】
前述の態様のうちのいずれか1つの可能な実装形態では、アップリンクユニキャスト制御フレームは、電力節約ポール(Power Saving-Poll、PS-Poll)フレームをさらに含む。
【0014】
前述の態様のうちのいずれか1つの可能な実装形態では、報告するために使用されるフレームは、圧縮ビームフォーミング(Compressed Beamforming/CQI)フレーム、ビームフォーミング報告(Beamforming Report、BFR)を含むフレーム、バッファステータス報告(Buffer Status Report、BSR)を含むフレーム、帯域幅クエリ報告(Bandwidth Query Report、BQR)を含むフレーム、およびヌルデータパケットフィードバック報告(NDP Feedback Report、NFR)を含むフレームのうちの1つ以上を含む。
【0015】
前述の態様のうちのいずれか1つの可能な実装形態では、プリセット条件セットは第2のプリセット条件をさらに含み、第2のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上でユニキャストフレームを受信することであり、ユニキャストフレームの宛先アドレスは別のステーションであり、ユニキャストフレームはユニキャスト制御フレームではなく、別のステーションは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作する(operating on)ステーション以外のステーションである。
【0016】
任意選択で、ユニキャスト制御フレームは、ブロック肯定応答要求(Block ACK Request、BAR)フレームを含む。
【0017】
場合によっては、ユニキャスト制御フレームは、肯定応答(acknowledgement、ACK)フレーム、ビームフォーミング報告ポール(Beamforming Report Poll、BFRP)フレーム、およびヌルデータパケット告知(Null Data Packet Announcement、NDPA)フレームのうちの1つ以上を含む。
【0018】
任意選択で、ユニキャスト制御フレームは、ユニキャストトリガフレームをさらに含む。ユニキャストトリガフレームは、マルチユーザ(multi-user、MU)ブロック肯定応答要求MU-BARフレーム、バッファステータス報告ポール(Buffer Status Report Poll、BSRP)フレーム、トリガタイプベースのBFRPフレーム、マルチユーザ送信要求(Multi-User request to send、MU-RTS)フレーム、帯域幅クエリ報告ポール(Bandwidth Query Report Poll、BQRP)フレーム、およびヌルデータパケットフィードバック報告ポール(NDP Feedback Report Poll、NFRP)フレームのうちの1つ以上を含む。
【0019】
この解決策では、既存のSM PS規則がEMLSRおよび/またはEMLMRに適用できないという問題を解決するために、既存のSM PS規則に基づいて、一部のユニキャスト制御フレームが除外されることが知見され得る。
【0020】
前述の態様のうちのいずれか1つの可能な実装形態では、プリセット条件セットは、第3のプリセット条件をさらに含み、第3のプリセット条件は、non-AP MLDが、第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信することであり、non-AP MLDのユーザ情報フィールドは、トリガフレーム内に存在せず、またはアップリンク直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、OFDMA)ベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子は、トリガフレーム内に存在しない。
【0021】
任意選択で、トリガフレームは、MU-RTSフレームおよびBSRPフレームのうちの1つまたは両方を含む。
【0022】
この解決策では、non-AP MLDによるリスニング動作に再び切り替えるための条件が、トリガフレームの観点から追加され、これは、SM PS規則を改善するのに役立つことが知見され得る。
【0023】
前述の態様のうちのいずれか1つの可能な実装形態では、プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわち
non-AP MLDが第1のリンク上で別の基礎的サービスセットのフレームを受信することと、
non-AP MLDが第1のリンク上で高効率マルチユーザ物理層プロトコルデータユニット(High Efficiency Multiple User PPDU、HE MU PPDU)を受信し、HE MU PPDUで搬送される基礎的サービスセット(basic service set、BSS)カラー(color)が、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションが属するBSSのBSSカラーと同じであり、HE MU PPDUが、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションをRUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のリソースユニット(resource unit、RU)のステーション識別子フィールドを含まず、non-AP MLDによって第1のAPから直近に受信されたHE動作要素で搬送されるBSSカラー無効フィールドの値は0であることと、
キャリア検知メカニズムが、第1のリンクに対応するチャネルが伝送(transmission、Tx)ポイント協調機能フレーム間空間(Point coordination function Interframe Space、PIFS)スロット境界(TxPIFS slot boundary)においてアイドルであることを示すことと、
のうちの1つ以上をさらに含む。
【0024】
第3の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:non-AP MLDは、第1のリンク上でリスニング動作(Listening Operation)を実施するとき、第1のAPから第1のフレームを受信する。non-AP MLDは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、non-AP MLDの各リンク(または別のリンク)上の空間ストリーム/アンテナ(の一部または全部)を第1のリンクに切り替える。プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされていると決定した場合、non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンク(または別のリンク)に切り替え、リスニング動作を実施する。non-AP MLDは、EMLモードをサポートする。プリセット条件セットは第2のプリセット条件を含み、第2のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上でユニキャストフレームを受信することであり、ユニキャストフレームの宛先アドレスは別のステーションであり、ユニキャストフレームはユニキャスト制御フレームではなく、別のステーションは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーション以外のステーションである。
【0025】
それに対応して、第1のAPは、第1のリンク上で第1のフレームを送信する。
【0026】
この解決策では、既存のSM PS規則がEMLSRおよび/またはEMLMRに適用できないという問題を解決するために、既存のSM PS規則が修正され、具体的には、一部のアップリンクユニキャスト制御フレームが除外されることが知見され得る。換言すれば、APがEMLSR/EMLMR non-AP STAをサービスするとき、EMLSR/EMLMR non-AP STAはこれらのフレームを受信するため、EMLSR/EMLMR non-AP STAはリスニング動作に再び切り替わらない。また、この規則は、APがEMLSRモードにあるSTAにサービスを提供している間に他のSTAにサービスを提供してマルチユーザ通信を実施することを可能にし、それによって通信効率をさらに向上させる。
【0027】
第4の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。通信装置は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するとき、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットと、第1のリンク上でリスニング動作が実施されるとき、第1のAPによって送信された第1のフレームが受信された後、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように構成されたスイッチングユニットと、を含み、non-AP MLDは、EMLをサポートする。スイッチングユニットは、non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施するようにさらに構成される。プリセット条件セットは第2のプリセット条件を含み、第2のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上でユニキャストフレームを受信することであり、ユニキャストフレームの宛先アドレスは別のステーションであり、ユニキャストフレームはユニキャスト制御フレームではなく、別のステーションは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーション以外のステーションである。
【0028】
第3の態様または第4の態様の可能な実装形態では、ユニキャスト制御フレームはBARフレームを含む。
【0029】
第3の態様または第4の態様の可能な実装形態では、ユニキャスト制御フレームは、ACKフレーム、BFRPフレーム、およびNDPAフレームのうちの1つ以上を含む。
【0030】
第3の態様または第4の態様の可能な実装形態では、ユニキャスト制御フレームは、ユニキャストトリガフレームをさらに含む。ユニキャストトリガフレームは、MU-BARフレーム、BSRPフレーム、トリガタイプベースのBFRPフレーム、MU-RTSフレーム、BQRPフレーム、およびNFRPフレームのうちの1つ以上を含む。
【0031】
第3の態様または第4の態様の可能な実装形態では、non-AP MLDはEMLSRをサポートし、またはnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、non-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0032】
第3の態様または第4の態様の可能な実装形態では、プリセット条件セットは、第3のプリセット条件をさらに含み、第3のプリセット条件は、non-AP MLDが、第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信することであり、non-AP MLDのユーザ情報フィールドは、トリガフレーム内に存在せず、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子は、トリガフレーム内に存在しない。
【0033】
任意選択で、トリガフレームは、MU-RTSフレームおよびBSRPフレームのうちの1つまたは両方を含む。
【0034】
第3の態様または第4の態様の可能な実装形態では、プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわち
non-AP MLDが第1のリンク上で別の基礎的サービスセットのフレームを受信することと、
non-AP MLDが第1のリンク上でHE MU PPDUを受信し、HE MU PPDUで搬送されるBSSカラー(color)が、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションが属するBSSのBSSカラーと同じであり、HE MU PPDUが、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションをRUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のRUのステーション識別子フィールドを含まず、non-AP MLDによって第1のAPから直近に受信されたHE動作要素で搬送されるBSSカラー無効フィールドの値が0であることと、
キャリア検知メカニズムが、第1のリンクに対応するチャネルがTxPIFSスロット境界(TxPIFS slot boundary)においてアイドルであることを示すことと、
のうちの1つ以上をさらに含む。
【0035】
第5の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:non-AP MLDは、第1のリンク上でリスニング動作(Listening Operation)を実施するとき、第1のAPから第1のフレームを受信する。non-AP MLDは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、non-AP MLDの各リンク(または別のリンク)上の空間ストリーム/アンテナ(の一部または全部)を第1のリンクに切り替える。プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされていると決定した場合、non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンク(または別のリンク)に切り替え、リスニング動作を実施する。non-AP MLDは、EMLモードをサポートする。プリセット条件セットは、第3のプリセット条件をさらに含み、第3のプリセット条件は、non-AP MLDが、第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信することであり、non-AP MLDのユーザ情報フィールドは、トリガフレーム内に存在せず、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子は、トリガフレーム内に存在しない。
【0036】
それに対応して、第1のAPは、第1のリンク上で第1のフレームを送信する。
【0037】
この解決策では、non-AP MLDによるリスニング動作に再び切り替えるための条件が、トリガフレームの観点から追加され、これは、SM PS規則を改善するのに役立つことが知見され得る。
【0038】
第6の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。通信装置は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するとき、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットと、第1のリンク上でリスニング動作が実施されるとき、第1のAPによって送信された第1のフレームが受信された後、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように構成されたスイッチングユニットと、を含み、non-AP MLDは、EMLをサポートする。スイッチングユニットは、non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施するようにさらに構成される。プリセット条件セットは、第3のプリセット条件をさらに含み、第3のプリセット条件は、non-AP MLDが、第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信することであり、non-AP MLDのユーザ情報フィールドは、トリガフレーム内に存在せず、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子は、トリガフレーム内に存在しない。
【0039】
第5の態様または第6の態様の可能な実装形態では、non-AP MLDはEMLSRをサポートし、またはnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、non-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0040】
第5の態様または第6の態様の可能な実装形態では、ユニキャスト制御フレームは、MU-RTSフレームおよびBSRPフレームのうちの一方または両方を含む。
【0041】
第5の態様または第6の態様の可能な実装形態では、プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわち
non-AP MLDが第1のリンク上で別の基礎的サービスセットのフレームを受信することと、
non-AP MLDが第1のリンク上でHE MU PPDUを受信し、HE MU PPDUで搬送されるBSSカラー(color)が、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションが属するBSSのBSSカラーと同じであり、HE MU PPDUが、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションをRUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のRUのステーション識別子フィールドを含まず、non-AP MLDによって第1のAPから直近に受信されたHE動作要素で搬送されるBSSカラー無効フィールドの値が0であることと、
キャリア検知メカニズムが、第1のリンクに対応するチャネルがTxPIFSスロット境界(TxPIFS slot boundary)においてアイドルであることを示すことと、
のうちの1つ以上をさらに含む。
【0042】
第7の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、non-AP MLDが第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のフレームを正常に受信した後、かつnon-AP MLDとnon-AP MLD内の第1のステーションに関連付けられた第1のAPとの間のフレーム交換の終了前に、non-AP MLDが、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第1のタイプの物理層プロトコルデータユニット(物理層プロトコルデータユニット、PPDU)を受信することを含む。プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされていると決定した場合、non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUである。ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスはブロードキャストアドレスであり、マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスはマルチキャストアドレスである。第1のタイプのPPDUは指示情報を搬送し、指示情報は、第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示す。第1のフレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるようにnon-AP MLDに指示する。プリセット条件セットは第1のプリセット条件を含み、第1のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上で無線フレームを受信することであり、無線フレームの伝送アドレスは、現在のTXOPを開始するフレームの伝送アドレスとは異なり、無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームではなく、または無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームでも報告のために使用されるフレームでもなく、アップリンクユニキャスト制御フレームはBAフレームを含む。non-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0043】
この解決策では、APとステーションの両方がフレーム交換プロセスにおいて第1のタイプのPPDUを使用するように制限され、SM PS規則が修正され、例えば、一部の例外フレームが既存のSM PS規則から除外されて、既存のSM PS規則がEMLSR/EMLMRに適用できないという問題を解決することが知見され得る。また、この規則は、APがEMLSRモードにあるSTAにサービスを提供している間に他のSTAにサービスを提供してマルチユーザ通信を実施することを可能にし、それによって通信効率をさらに向上させる。
【0044】
第7の態様に関連して、可能な実装形態において、第1のタイプのPPDUはトリガフレームを含み、トリガフレームは、トリガベースの物理層プロトコルデータユニット(trigger based PPDU、TB PPDU)を送信するようにnon-AP MLDをスケジューリングするために使用される。non-AP MLDが、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第1のタイプのPPDUを受信した後、本方法は、non-AP MLDが、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上でTB PPDUを送信することをさらに含む。
【0045】
この解決策では、トリガフレームは第1のタイプのPPDUで搬送され、その結果、ステーションは、TB PPDUフォーマットのフレームを使用することによってAPに応答し、既存のSM PS規則はEMLSRまたはEMLMRに適合されることが知見され得る。
【0046】
第8の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。通信装置は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットであって、トランシーバユニットは、第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のフレームを正常に受信した後に、かつnon-AP MLDとnon-AP MLD内の第1のステーションに関連付けられた第1のAPとの間のフレーム交換の終了の前に、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第1のタイプのPPDUを受信するようにさらに構成され、第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUである、トランシーバユニットと、non-AP MLDがプリセット条件セット内の任意のプリセット条件を満たすときに、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えてリスニング動作を実施するように構成されたスイッチングユニットと、を含む。ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスはブロードキャストアドレスであり、マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスはマルチキャストアドレスである。第1のタイプのPPDUは指示情報を搬送し、指示情報は、第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示す。第1のフレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるようにnon-AP MLDに指示する。プリセット条件セットは第1のプリセット条件を含み、第1のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上で無線フレームを受信することであり、無線フレームの伝送アドレスは、現在のTXOPを開始するフレームの伝送アドレスとは異なり、無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームではなく、または無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームでも報告のために使用されるフレームでもなく、アップリンクユニキャスト制御フレームはBAフレームを含む。non-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0047】
第7の態様を参照すると、可能な実装形態では、第1のタイプのPPDUはトリガフレームを含み、トリガフレームは、TB PPDUを送信するようにnon-AP MLDをスケジューリングするために使用される。トランシーバユニットは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上でTB PPDUを送信するようにさらに構成される。
【0048】
第7の態様または第8の態様の可能な実装形態では、non-AP MLDはEMLSRをサポートし、またはnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、non-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0049】
第7の態様または第8の態様の可能な実装形態では、ユニキャスト制御フレームは、PS-Pollフレームをさらに含む。
【0050】
第7の態様または第8の態様の可能な実装形態では、報告するために使用されるフレームは、CQIフレーム、BFRを含むフレーム、BSRを含むフレーム、BQRを含むフレーム、およびNFRを含むフレームのうちの1つ以上を含む。
【0051】
第7の態様または第8の態様の可能な実装形態では、プリセット条件セットは、第3のプリセット条件をさらに含み、第3のプリセット条件は、non-AP MLDが、第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信することであり、non-AP MLDのユーザ情報フィールドは、トリガフレーム内に存在せず、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子は、トリガフレーム内に存在しない。
【0052】
任意選択で、トリガフレームは、MU-RTSフレームおよびBSRPフレームのうちの1つまたは両方を含む。
【0053】
第7の態様または第8の態様の可能な実装形態では、プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわち
non-AP MLDが第1のリンク上でユニキャストフレームを受信し、ユニキャストフレームの宛先アドレスが別のステーションであることと、
non-AP MLDが第1のリンク上で別の基礎的サービスセットのフレームを受信することと、
non-AP MLDが第1のリンク上でHE MU PPDUを受信し、HE MU PPDUで搬送されるBSSカラー(color)が、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションが属するBSSのBSSカラーと同じであり、HE MU PPDUが、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションをRUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のRUのステーション識別子フィールドを含まず、non-AP MLDによって第1のAPから直近に受信されたHE動作要素で搬送されるBSSカラー無効フィールドの値が0であることと、
キャリア検知メカニズムが、第1のリンクに対応するチャネルがTxPIFSスロット境界(TxPIFS slot boundary)においてアイドルであることを示すことと、
のうちの1つ以上をさらに含む。
【0054】
第7の態様または第8の態様の可能な実装形態では、指示情報が第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示すことは、指示情報が第1のリンク上のステーションが受信者のうちの1つとして使用されることを示すことを含む。任意選択で、指示情報はステーション識別子である。
【0055】
第9の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを正常に送信した後、かつ第1のAPに関連付けられたN個のステーションとのフレーム交換の終了前に、第1のAPは、第1のリンク上でN個のステーションとのフレーム交換を実施するときに第1のタイプのPPDUを使用し、第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUであり、N個のステーションのうちの少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDはEMLをサポートし、ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスはブロードキャストアドレスであり、マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスはマルチキャストアドレスであり、第1のタイプのPPDUは指示情報を搬送し、指示情報は、第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示すことを含む。
【0056】
この解決策では、APとステーションの両方がフレーム交換プロセスにおいて第1のタイプのPPDUを使用するように制限され、SM PS規則が修正され、例えば、一部の例外フレームが既存のSM PS規則から除外されて、既存のSM PS規則がEMLSR/EMLMRに適用できないという問題を解決することが知見され得る。また、この規則は、APがEMLSRモードにあるSTAにサービスを提供している間に他のSTAにサービスを提供してマルチユーザ通信を実施することを可能にし、それによって通信効率をさらに向上させる。
【0057】
第10の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のAPまたは第1のAP内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであり得る。通信装置は、第1のリンク上で第1のフレームを正常に送信した後、かつ第1のAPに関連付けられたN個のステーションとのフレーム交換の終了前に、第1のリンク上でN個のステーションとのフレーム交換を実施するときに第1のタイプのPPDUを使用するように構成された第1のユニットを含み、第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUであり、N個のステーションのうちの少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDはEMLをサポートし、ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスはブロードキャストアドレスであり、マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスはマルチキャストアドレスであり、第1のタイプのPPDUは指示情報を搬送し、指示情報は、第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示す。第1のユニットはトランシーバ機能を実装するように構成され、第1のユニットはトランシーバユニットと称されることもあることを理解されたい。
【0058】
任意選択で、通信装置は、第1のタイプのPPDUを生成するように構成された処理ユニットをさらに含み得る。
【0059】
第9の態様または第10の態様の可能な実装形態では、少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。代替的に、少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0060】
第9の態様または第10の態様の可能な実装形態では、第1のタイプのPPDUはトリガフレームを含み、トリガフレームは、TB PPDUを送信するようにステーションをスケジューリングするために使用される。
【0061】
第9の態様または第10の態様の可能な実装形態では、指示情報が第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示すことは、指示情報が第1のリンク上のステーションが受信者のうちの1つとして使用されることを示すことを含む。任意選択で、指示情報はステーション識別子である。
【0062】
第11の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:non-AP MLDが、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、各リンク(または別のリンク)上の空間ストリーム/アンテナを第1のリンクに切り替えた後、第1のフレームの交換が失敗したとnon-AP MLDが決定した場合、non-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。non-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0063】
この解決策は、初期フレーム/初期制御フレームの交換が失敗した後にリスニング動作に再び切り替わるための方法を提供することが知見され得る。交換が失敗した後に初期フレーム/初期制御フレームを時間内にリスニング動作に再び切り替えることができるように、ステーション側が交換失敗を決定する条件が設計される。これは、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムを改善し、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業効率およびスイッチング効率をさらに改善することができる。
【0064】
第11の態様に関連して、可能な実装形態では、本方法は、non-AP MLDが、第1のフレームが受信された瞬間から開始する第1の持続時間内に設定されたプリセット条件内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、non-AP MLDが第1のフレームの交換が失敗したと決定することをさらに含む。
【0065】
この解決策は、ステーション側が交換の失敗を決定するという条件を提供し、その結果、初期フレーム/初期制御フレームは、交換が失敗した後に時間内にリスニング動作に再び切り替えられ得ることが知見され得る。
【0066】
第12の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。通信装置は、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットと、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように構成されたスイッチングユニットと、を含む。スイッチングユニットは、第1のAPによって送信された第1のフレームが第1のリンク上で受信され、各リンク上の空間ストリームが第1のリンクに切り替えられた後、第1のフレームの交換が失敗したとnon-AP MLDが決定した場合、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるようにさらに構成される。non-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0067】
第12の態様に関連して、可能な実装形態では、通信装置は、non-AP MLDが、第1のフレームが受信された瞬間から開始する第1の持続時間内に設定されたプリセット条件内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、第1のフレームの交換が失敗したと決定するように構成された決定ユニットをさらに含むことができる。
【0068】
第11の態様または第12の態様の可能な実装形態では、non-AP MLDはEMLSRをサポートし、またはnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、non-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0069】
第11の態様または第12の態様の可能な実装形態では、プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわち
non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションが、第1の持続時間内にPPDUを受信しないことと、
non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間内に受信された第1のPPDUが、別のBSSのPPDUであることと、
non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間内に受信された第1のPPDUが、アップリンクPPDUであることと、
non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間内に受信された第1のPPDUが、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションが属するBSS内のダウンリンクPPDUであり、ダウンリンクPPDU内のステーション識別子フィールドによって示される受信者が、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションではないことと、
non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間内に受信された第1のPPDUが、ユニキャストアドレスを有するフレームを含み、フレームの受信アドレスが、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションではなく、または、第1のPPDUが、トリガフレームを含み、トリガフレーム内の任意のユーザ情報フィールド内のアソシエーション識別子が、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションのアソシエーション識別子と一致せず、または、アップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子が、トリガフレーム内に存在しないことと、
のうちの1つ以上を含む。
【0070】
プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が第1の持続時間内に決定されると、リスニング動作を実施するために第1のリンク上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替える動作が直ちに実施されてよく、換言すれば、切り替えは瞬間ΔTに実施される必要はないことを理解されたい。
【0071】
この解決策では、ステーション側が交換失敗を決定するという条件が使用され、条件のうちのいずれか1つが満たされているとき、切り替えが実施されることが知見され得る。
【0072】
第11の態様または第12の態様の可能な実装形態では、第1の持続時間は最小時間値に基づいて決定され、最小時間値は、
ΔTmin=tcts+2tSIFS+tpreamble+tMPDU
ΔTmin=tcts+2tSIFS+tpreamble、および
ΔTmin=tcts+tSIFS+tPIFS+taSlotTime
のうちの1つであり、式中、ΔTは、第1の持続時間を表し、ΔTminは、第1の持続時間の最低値を表し、tctsは、クリアツーセンド(clear to send、CTS)フレームの伝送持続時間を表し、tSIFSは、ショートフレーム間空間の持続時間を表し、Tpreambleは、プリアンブルの受信持続時間を表し、tMPDUは、メディアアクセス制御(medium access control、MAC)プロトコルデータユニット(MAC Protocol Data Unit、MPDU)の伝送持続時間を表し、tPIFSは、ポイント協調機能フレーム間空間PIFSの持続時間を表し、taSlotTimeは、1つのスロットの持続時間を表す。
【0073】
第13の態様によれば、本出願は、第12の態様において、non-AP MLDが第1のフレームの交換が失敗したかどうかを決定するための基礎を提供することができる通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第1のフレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるようにnon-AP MLDに指示する。第1のフレームの応答フレーム(例えば、ACKフレーム)を受信した後、APはPPDUを送信し、PPDUはユニキャストフレームを含み、ユニキャストフレームの受信アドレスは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションを示すか、またはPPDUはトリガフレームを含み、トリガフレームは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションを、アップリンク伝送を実施するようにスケジューリングするために使用される。加えて、第1のAPは、第1のフレームを送信した後の時間範囲内に第2のリンク上でnon-AP MLDに第1のフレームを送信することができない。本明細書において、第2のリンクは、non-AP MLDにおける第1のリンク以外のリンクである。本明細書における時間範囲は、non-AP MLDが第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えてリスニング動作を実施する持続時間(SwitchDelay)と、第1の持続時間(ΔTとして示される)との合計である。
【0074】
この解決策では、APの挙動が制限され、APが初期制御フレーム/初期フレームの応答フレームを受信した後にAPによって送信される第1のPPDUが要件を満たす必要があることが知見され得る。このようにして、ステーション側が第1の持続時間内に対応するPPDUを受信しない場合、それは、第1のフレームの交換が失敗したことを示す。このようにして、第1のフレームの交換が失敗したかどうかを決定するための基準がステーション側に置かれる。
【0075】
第14の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のAPまたは第1のAP内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであり得る。通信装置は、第1のリンク上で第1のフレームを送信するように構成された第1のユニットであって、第1のフレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるためのnon-AP MLDを示す、第1のユニットを含む。第1のユニットは、第1のフレームの応答フレーム(例えば、ACKフレーム)を受信した後にPPDUを送信するようにさらに構成され、PPDUはユニキャストフレームを含み、ユニキャストフレームの受信アドレスは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションを示すか、またはPPDUはトリガフレームを含み、トリガフレームは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションを、アップリンク伝送を実施するようにスケジューリングするために使用される。加えて、第1のAPは、第1のフレームを送信した後の時間範囲内に第2のリンク上でnon-AP MLDに第1のフレームを送信することができない。本明細書において、第2のリンクは、non-AP MLDにおける第1のリンク以外のリンクである。本明細書における時間範囲は、non-AP MLDが第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えてリスニング動作を実施する持続時間(SwitchDelay)と、第1の持続時間(ΔTとして示される)との合計である。
【0076】
任意選択で、通信装置は、第1のフレームおよびPPDUを生成するように構成された処理ユニットをさらに含む。
【0077】
第13の態様または第14の態様の可能な実装形態では、第1の持続時間(ΔT)は、規格において指定されるか、またはビーコンフレームなどの中でAPによってブロードキャストされ得る。第1の持続時間は、時間最小値以上であり得る。本明細書において、時間最小値(すなわち、第1の持続時間の最小値)は、
ΔTmin=tcts+2tSIFS+tpreamble+tMPDU
ΔTmin=tcts+2tSIFS+tpreamble、および
ΔTmin=tcts+tSIFS+tPIFS+taSlotTime
のうちの1つであってもよく、式中、ΔTは、第1の持続時間を表し、ΔTminは、第1の持続時間の最小値(すなわち、最小時間値)を表し、tctsは、CTSフレームの伝送持続時間を表し、tSIFSは、ショートフレーム間空間の持続時間を表し、Tpreambleは、プリアンブルの受信持続時間を表し、tMPDUは、MPDUの伝送持続時間を表し、tPIFSは、PIFSの持続時間を表し、taSlotTimeは、1スロット(slot)の持続時間を表す。
【0078】
第15の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを送信することを含み、第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送し、第1のフレームは持続時間(duration)フィールドをさらに搬送し得る。第1のフレームが1つの第2の持続時間を搬送する場合、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間であってよく、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する時点である。代替的に、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる(第1のnon-AP MLDを含む)全てのnon-AP MLDに第1のAPによって割り当てられる総持続時間であり得る。この場合、第2の持続時間の開始時点は、各non-AP MLDが第1のフレームを受信する時点である。第1のフレームが複数の第2の持続時間を搬送し、複数の第2の持続時間が第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間を含む場合、第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する開始時点である。第1のnon-AP MLDは、EMLSRまたはEMLMRをサポートする。
【0079】
任意選択で、第1のフレームは、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて第1のAPとのフレーム交換を実施するように、(第1のnon-AP MLDを含む)non-AP MLDに指示する。第2の持続時間は、non-AP MLD(第1のnon-AP MLDを含む)が、第2の持続時間の後にリスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを可能にするために使用される。
【0080】
この解決策では、第1のnon-AP MLDの第2の持続時間が第1のフレームで搬送され、その結果、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、第2の持続時間の後にリスニング動作を実施することが知見され得る。したがって、EMLSRおよび/またはEMLMRの動作メカニズムが簡略化され、論理実行の複雑さおよび実装の複雑さは低減されることができる。
【0081】
第16の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のAPまたは第1のAP内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであり得る。通信装置は、第1のリンク上で第1のフレームを送信するように構成された第1のユニットであって、第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送し、第1のフレームはdurationフィールドをさらに搬送し得る、第1のユニットを含む。第1のフレームが1つの第2の持続時間を搬送する場合、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間であってよく、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する時点である。代替的に、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる(第1のnon-AP MLDを含む)全てのnon-AP MLDに第1のAPによって割り当てられる総持続時間であり得る。この場合、第2の持続時間の開始時点は、各non-AP MLDが第1のフレームを受信する時点である。第1のフレームが複数の第2の持続時間を搬送し、複数の第2の持続時間が第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間を含む場合、第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する開始時点である。第1のnon-AP MLDは、EMLSRまたはEMLMRをサポートする。
【0082】
任意選択で、通信装置は、第1のフレームを生成するように構成された処理ユニットをさらに含む。
【0083】
任意選択で、第1のフレームは、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて第1のAPとのフレーム交換を実施するように、(第1のnon-AP MLDを含む)non-AP MLDに指示する。第2の持続時間は、non-AP MLD(第1のnon-AP MLDを含む)が、第2の持続時間の後にリスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを可能にするために使用される。
【0084】
第15の態様または第16の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールドに配置される。
【0085】
第15の態様または第16の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のリンク上の第1のAPのTXOP持続時間以下である。
【0086】
第17の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、第1のnon-AP MLDが、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点であり、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示することを含む。第2の持続時間の後、第1のnon-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替える。第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0087】
この解決策では、APによって決定されたフレーム交換持続時間が初期制御フレームまたは初期フレームで搬送され、フレーム交換持続時間の後、リスニング動作に直接再び切り替えられることが知見され得る。したがって、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムが簡略化され、論理実行の複雑さおよび実装の複雑さは低減されることができる。
【0088】
第18の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のnon-AP MLDまたは第1のnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップである。通信装置は、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットであって、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する時点であり、第1のnon-AP MLDはEMLをサポートし、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDをトリガするために使用される、トランシーバユニットと、第2の持続時間の後に、リスニング動作を実施するために第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるように構成されたスイッチングユニットと、を含む。
【0089】
第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送するが、non-AP MLDについては、non-AP MLDの第2の持続時間のみが関係されることを理解されたい。したがって、ステーション側では、第1のnon-AP MLDが、本出願における説明のための例として使用される。本出願の第17の態様および第18の態様における第2の持続時間は、具体的には、第1のnon-AP MLDの第2の持続時間を指すことができる。換言すれば、本出願の第17の態様および第18の態様における第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる全てのnon-AP MLD(第1のnon-AP MLDを含む)に第1のAPによって割り当てられる総持続時間、または第1のnon-AP MLDに第1のAPによって個々に割り当てられる持続時間である。
【0090】
第17の態様または第18の態様の可能な実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLSRをサポートし、または第1のnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、第1のnon-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。第1のnon-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。第1のnon-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0091】
第17態様または第18態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間と、第1のnon-AP MLDが各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間と、を含む。
【0092】
この解決策では、APは異なる持続時間を異なるSTAに割り当てることができ、柔軟性がより高いことが知見され得る。
【0093】
第17の態様または第18の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を行う持続時間、および複数のnon-AP MLDの各々が他のリンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間を含む。複数のnon-AP MLDは、第1のnon-AP MLDを含む。
【0094】
この解決策では、固定された持続時間を使用することによって、EMLSR/EMLMRの作業メカニズムはさらに簡略化されることができ、実装の複雑さがより低いことが知見され得る。
【0095】
第17の態様または第18の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールドに配置される。
【0096】
第17の態様または第18の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のリンク上の第1のAPのTXOP持続時間以下である。
【0097】
第19の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:non-AP MLDは、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、タイミングを開始し、各リンク(または別のリンク)上の空間ストリーム/アンテナを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施する。non-AP MLDが第1のAPとフレーム交換を実施するプロセスにおいて第4のフレームが受信され、第4のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間が第1のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間よりも遅い場合、non-AP MLDは、タイミングの終了時間を使用することによって、第4のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間を更新する。タイミングが0に達すると、non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに切り替えて、リスニング動作を実施する。non-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0098】
それに対応して、第1のAPは、第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第4のフレームは、non-AP MLDが第1のAPとのフレーム交換を実施するプロセスにおいて送信され、第4のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間は、第1のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間よりも遅い。
【0099】
この解決策では、複数のステーション(APと同じリンク上で動作し、異なるnon-AP MLDに属する複数のステーション)が、1つのタイマ(timer)を共同で維持するように制限されることが知見され得る。フレーム交換処理において、いずれかのステーションがTXOP終了時間更新情報を受信すると、タイマの終了時間が最新のTXOP終了時間に更新される。タイマが0に達すると、リスニング動作に切り替えられる。したがって、本出願のこの実施形態では、各ステーションは、ステーションのタイマを維持する必要がない。したがって、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムが簡略化され、論理実行の複雑さおよび実装の複雑さは低減されることができる。加えて、本出願のこの実施形態では、初期制御フレームまたは初期フレームは、追加の指定された持続時間を搬送する必要がなく、その結果、non-AP MLDは、この持続時間内にAPとのフレーム交換を完了し、それによって、シグナリングオーバーヘッドを低減する。
【0100】
第20の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップである。通信装置は、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットと、タイミングを実施するように構成されたタイミングユニットと、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク(または別のリンク)上の空間ストリーム/アンテナを第1のリンクに切り替えるように構成されたスイッチングユニットと、non-AP MLDが第1のAPとのフレーム交換を実施するプロセスにおいて第4のフレームが受信され、第4のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間が第1のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間よりも遅いとき、タイミングの終了時間を使用することによって、第4のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間を更新するように構成された更新ユニットと、を含む。スイッチングユニットは、タイミングが0に達したとき、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替えるようにさらに構成される。non-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0101】
第21の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施する。第1のnon-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第2のフレームを受信し、第2のフレームはモアデータサブフィールドを含む。第2のフレーム内のモアデータ(more data)サブフィールドの値が0である場合、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0102】
それに対応して、第1のAPは、第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。第1のAPは、第1のリンク上で第2のフレームを送信し、第2のフレームはモアデータサブフィールドを含む。
【0103】
この解決策では、EMLSR/EMLMRの動作メカニズムを簡略化するために、non-AP MLDの挙動が制限され、more dataサブフィールドの値および意味を変更することなく、既存のmore dataサブフィールドのシグナリング指示が完全に再利用され得ることが知見され得る。
【0104】
第21の態様に関連して、可能な実装形態では、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のnon-AP MLDが、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信した後、本方法は、第1のnon-AP MLDがタイミングを開始することをさらに含む。タイミングが第2の持続時間に達した場合、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0105】
第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送するが、non-AP MLDについては、non-AP MLDの第2の持続時間のみが関係されることを理解されたい。したがって、ステーション側では、第1のnon-AP MLDが、本出願における説明のための例として使用される。本出願の第21の態様および第22の態様における第2の持続時間は、具体的には、第1のnon-AP MLDの第2の持続時間を指すことができる。換言すれば、本出願の第21の態様および第22の態様における第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる全てのnon-AP MLD(第1のnon-AP MLDを含む)に第1のAPによって割り当てられる総持続時間、または第1のnon-AP MLDに第1のAPによって個々に割り当てられる持続時間である。
【0106】
第22の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のnon-AP MLDまたは第1のnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップである。通信装置は、第1のAPによって送信された第1のフレームを第1のリンク上で受信するように構成されたトランシーバユニットと、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように構成されたスイッチングユニットと、を含み、第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートする。トランシーバユニットは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第2のフレームを受信するようにさらに構成され、第2のフレームはモアデータサブフィールドを含む。スイッチングユニットは、第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が0である場合、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるようにさらに構成される。
【0107】
第22の態様に関連して、可能な実装形態において、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。通信装置は、第1のAPによって送信された第1のフレームが第1のリンク上で受信された後に計時を開始するように構成された計時ユニットをさらに含む。スイッチングユニットは、タイミングが第2の持続時間に達したとき、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるようにさらに構成される。
【0108】
第21の態様または第22の態様の可能な実装形態では、モアデータサブフィールドの値が0である場合、それは、第1のnon-AP MLDが、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す。任意選択で、モアデータサブフィールドの値が0である場合、それは、第1のnon-AP MLDが複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で受信し続けることを示す。
【0109】
第21の態様または第22の態様の可能な実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLSRをサポートし、または第1のnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、第1のnon-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。第1のnon-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。第1のnon-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0110】
第21の態様または第22の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間と、第1のnon-AP MLDが各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間と、を含む。
【0111】
第21の態様または第22の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を行う持続時間、および複数のnon-AP MLDの各々が他のリンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間を含む。複数のnon-AP MLDは、第1のnon-AP MLDを含む。
【0112】
第21の態様または第22の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールドに配置される。
【0113】
第21の態様または第22の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のリンク上の第1のAPのTXOP持続時間以下である。
【0114】
第23の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。第1のAPは、第1のリンク上で第2のフレームを送信し、第2のフレームはモアデータサブフィールドを含む。モアデータサブフィールドの値が0である場合、それは、第1のnon-AP MLDが、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す。
【0115】
この解決策では、EMLSR/EMLMRの動作メカニズムを簡略化するために、新しい意味(暗黙の指示であってもよい)がmore dataサブフィールドに追加されることが知見され得る。加えて、意味は明確であり、ステーション側での構文解析を容易にする。
【0116】
第24の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のAPまたは第1のAP内のチップ、例えば、Wi-Fiチップである。通信装置は、第1のリンク上で第1のフレームを送信するように構成された第1のユニットであって、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する、第1のユニットを含む。第1のユニットは、第1のリンク上で第2のフレームを送信するようにさらに構成され、第2のフレームはモアデータサブフィールドを含む。モアデータサブフィールドの値が0である場合、それは、第1のnon-AP MLDが、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す。
【0117】
任意選択で、通信装置は、第1のフレームおよび第2のフレームを生成するように構成された処理ユニットをさらに含む。
【0118】
第23の態様または第24の態様の可能な実装形態では、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する時点である。本明細書における第2の持続時間は、具体的には、第1のnon-AP MLDの第2の持続時間を指す。
【0119】
第23の態様または第24の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間と、第1のnon-AP MLDが各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間と、を含む。
【0120】
第23の態様または第24の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を行う持続時間、および複数のnon-AP MLDの各々が他のリンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間を含む。複数のnon-AP MLDは、第1のnon-AP MLDを含む。
【0121】
第23の態様または第24の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールドに配置される。
【0122】
第23の態様または第24の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のリンク上の第1のAPのTXOP持続時間以下である。
【0123】
第23の態様または第24の態様の可能な実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLSRをサポートし、または第1のnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、第1のnon-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。第1のnon-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。第1のnon-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0124】
第25の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施する。第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上で第3のフレームを受信し、第3のフレームは、サービス期間終了(End of Service Period、EOSP)サブフィールドを含み、EOSPサブフィールドは1に設定される。第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。
【0125】
それに対応して、第1のAPは、第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。第1のAPは、第1のリンク上で第3のフレームを送信し、第3のフレームはEOSPサブフィールドを含み、EOSPサブフィールドは1に設定される。
【0126】
この解決策では、non-AP MLDの切り替えは、APによって送信されたEOSPサブフィールドを使用することによって制御され、non-AP MLD内のステーションは、タイマを維持する必要がなく、それによって、ステーション側の動作を簡略化することが知見され得る。加えて、この実装形態では、EOSPサブフィールドの値および意味を変更することなく、既存のEOSPサブフィールドのシグナリング指示は完全に再使用されることができる。
【0127】
第25の態様に関連して、可能な実装形態において、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のnon-AP MLDが、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信した後、本方法は、第1のnon-AP MLDがタイミングを開始することをさらに含む。タイミングが第2の持続時間に達した場合、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0128】
第26の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のnon-AP MLDまたは第1のnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップである。通信装置は、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットと、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように構成されたスイッチングユニットと、を含む。トランシーバユニットは、第1のリンク上で第3のフレームを受信するようにさらに構成され、第3のフレームは、サービス期間終了(End of Service Period、EOSP)サブフィールドを含み、EOSPサブフィールドは1に設定される。スイッチングユニットは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるようにさらに構成される。
【0129】
第26の態様に関連して、可能な実装形態において、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。通信装置は、第1のAPによって送信された第1のフレームが第1のリンク上で受信された後に計時を開始するように構成された計時ユニットをさらに含む。スイッチングユニットは、タイミングが第2の持続時間に達したとき、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるようにさらに構成される。
【0130】
第25の態様または第26の態様の可能な実装形態では、第2のフレームは、サービス品質データフレームまたはサービス品質ヌルフレームである。
【0131】
第25の態様または第26の態様の可能な実装形態では、EOSPサブフィールドの値が1であるとき、それは、第1のnon-AP MLDが第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施することを示す。任意選択で、EOSPサブフィールドが0に設定された場合、それは、第1のnon-AP MLDが、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で受信し続けることを示す。
【0132】
第25の態様または第26の態様の可能な実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLSRをサポートし、または第1のnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、第1のnon-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。第1のnon-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。第1のnon-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0133】
第25の態様または第26の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間と、第1のnon-AP MLDが各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間と、を含む。
【0134】
第25の態様または第26の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を行う持続時間、および複数のnon-AP MLDの各々が他のリンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間を含む。複数のnon-AP MLDは、第1のnon-AP MLDを含む。
【0135】
第25の態様または第26の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールドに配置される。
【0136】
第25の態様または第26の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のリンク上の第1のAPのTXOP持続時間以下である。
【0137】
第27の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。第1のAPは、第1のリンク上で第3のフレームを送信し、第3のフレームは、EOSPサブフィールドを含む。EOSPサブフィールドが1に設定された場合、それは、第1のnon-AP MLDがリスニング動作を実施するために第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す。
【0138】
第28の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のAPまたは第1のAP内のチップ、例えば、Wi-Fiチップである。通信装置は、第1のリンク上で第1のフレームを送信するように構成された第1のユニットであって、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する、第1のユニットを含む。第1のユニットは、第1のリンク上で第3のフレームを送信するようにさらに構成され、第3のフレームはEOSPサブフィールドを含む。EOSPサブフィールドが1に設定された場合、それは、第1のnon-AP MLDがリスニング動作を実施するために第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す。
【0139】
任意選択で、通信装置は、第1のフレームおよび第3のフレームを生成するように構成された処理ユニットをさらに含む。
【0140】
第27の態様または第28の態様の可能な実装形態では、第2のフレームは、サービス品質データフレームまたはサービス品質ヌルフレームである。
【0141】
第27の態様または第28の態様の可能な実装形態では、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する時点である。本明細書における第2の持続時間は、具体的には、第1のnon-AP MLDの第2の持続時間を指す。
【0142】
第27の態様または第28の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間と、第1のnon-AP MLDが各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間と、を含む。
【0143】
第27の態様または第28の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとのフレーム交換を実施する持続時間を含む。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLDとフレーム交換を行う持続時間、および複数のnon-AP MLDの各々が他のリンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間を含む。複数のnon-AP MLDは、第1のnon-AP MLDを含む。
【0144】
第27の態様または第28の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールド内に配置される。
【0145】
第27の態様または第28の態様の可能な実装形態では、第2の持続時間は、第1のリンク上の第1のAPのTXOP持続時間以下である。
【0146】
第27の態様または第28の態様の可能な実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLSRをサポートし、または第1のnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、第1のnon-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。第1のnon-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。第1のnon-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0147】
第29の態様によれば、本出願は、プロセッサと通信インターフェースとを含む通信装置を提供する。通信インターフェースは、情報またはフレームを送信/受信するように構成され、プロセッサは、通信インターフェースを介して別の装置と通信するように構成され、その結果、通信装置は、前述の態様のいずれか1つにおける通信方法を実施する。
【0148】
第30の態様によれば、本出願は装置を提供する。装置は、チップの製品形態で実装され、入出力インターフェースおよび処理回路を含む。入出力インターフェースは、情報またはフレームを受信/送信するように構成され、処理回路は、通信装置が前述の態様のいずれか1つにおける通信方法を実施するように、プログラム命令を実行するように構成される。
【0149】
第31の態様によれば、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム命令を記憶する。プログラム命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、前述の態様のうちのいずれか1つによる通信方法を実施することが可能にされる。
【0150】
第32の態様によれば、本出願は、プログラム命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作するとき、コンピュータは、前述の態様のうちのいずれか1つによる通信方法を実施することが可能にされる。
【0151】
本出願の実施形態によれば、SM PSおよびEMLSRは、通信のために組み合わされてよく、既存のSM PS規則を直接再利用することによってフレーム交換の終了が定義され、EMLSRに適用できないという問題を解決し、APが、EMLSRモードでSTAにサービスを提供しながら、他のSTAにサービスを提供することをさらに可能にし、マルチユーザ通信を実施し、それによって、通信効率をさらに改善する。
【0152】
本出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実施形態を説明するために使用される添付の図面を簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0153】
図1】本出願の一実施形態によるワイヤレス通信システムのアーキテクチャの概略図である。
図2a】本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの構造の概略図である。
図2b】本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの別の構造の概略図である。
図3】本出願の一実施形態によるマルチリンク通信の概略図である。
図4】EMLSRの概略図である。
図5】EMLSRの作業メカニズムの概略図である。
図6】EMLSRにおいてSM PS規則を直接再使用することの概略図である。
図7】本出願の一実施形態による通信方法の第1の概略フローチャートである。
図8】本出願の一実施形態による通信方法の第2の概略フローチャートである。
図9】本出願の一実施形態による通信方法の第3の概略フローチャートである。
図10】本出願の一実施形態による通信方法の第4の概略フローチャートである。
図11a】本出願の一実施形態によるプリセット条件の第1の概略図である。
図11b】本出願の一実施形態によるプリセット条件の第2の概略図である。
図11c】本出願の一実施形態によるプリセット条件の第3の概略図である。
図11d】本出願の一実施形態によるプリセット条件の第4の概略図である。
図12】本出願の一実施形態による通信方法の第5の概略フローチャートである。
図13】本出願の一実施形態による、APと、EMLSRをサポートするnon-AP MLDとの間の交換の概略図である。
図14】本出願の一実施形態による、APと、EMLSRをサポートするnon-AP MLDとの間の交換の別の概略図である。
図15】本出願の一実施形態による通信方法の第6の概略フローチャートである。
図16】本出願の一実施形態による、TXOP持続時間に基づくEMLSRの動作の概略図である。
図17】本出願の一実施形態による通信方法の第7の概略フローチャートである。
図18】本出願の一実施形態による、モアデータサブフィールドに基づくEMLSRの作業の概略図である。
図19】本出願の一実施形態による、モアデータサブフィールドおよび持続時間の組み合わせに基づく、EMLSRの作業の概略図である。
図20】本出願の一実施形態による通信方法の第8の概略フローチャートである。
図21】本出願の一実施形態による情報交換方法の概略フローチャートである。
図22】本出願の一実施形態による情報交換方法の別の概略フローチャートである。
図23】本出願の一実施形態による通信方法の第9の概略フローチャートである。
図24】本出願の一実施形態による通信方法の第10の概略フローチャートである。
図25】本出願の一実施形態による、APが複数のステーションと通信するときに隠れノードが存在する概略図である。
図26】本出願の一実施形態による、隠れノードが存在するときにAPとEMLSRステーションとの間の通信を継続することの概略図である。
図27】本出願の一実施形態よる通信装置1の構造を示す図である。
図28】本出願の一実施形態による通信装置2の構造の概略図である。
図29】本出願の一実施形態による通信装置1000の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0154】
以下では、本出願の実施形態における添付図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を明確かつ完全に説明する。
【0155】
本出願の説明では、別段の指定がない限り、「/」は「または」を意味する。例えば、A/Bは、AまたはBを示すことができる。本明細書における「および/または」という用語は、関連するオブジェクト間の関連関係のみを説明し、3つの関係があり得ることを示す。例えば、Aおよび/またはBは、以下の3つの場合、すなわち、Aのみが存在する場合、AとBの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合を表すことができる。加えて、「少なくとも1つの」は1つ以上を意味し、「複数の」は2つ以上を意味する。また、以下の項目(要素)またはその類似表現の少なくとも1つは、それらの項目(要素)の任意の組み合わせを意味し、1つの項目(要素)または複数の項目(要素)の任意の組み合わせを含む。例えば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、またはa、b、およびcを表してもよい。a、b、およびcはそれぞれ、単数または複数であってもよい。
【0156】
本出願の説明では、「第1の」および「第2の」などの用語は、量および実行順序を限定せず、「第1の」および「第2の」などの用語は、明確な違いを示さない。
【0157】
本出願では、「例」または「例えば」という用語は、例、例示、または説明を与えることを表すために使用される。本出願において「例(example)」、「など(such as)」または「例えば(for example)」として記載される任意の実施形態または設計スキームは、別の実施形態または設計スキームよりも好ましいまたはより多くの利点を有するものとして説明されるべきではない。正確には、「例(example)」、「など(such as)」、「例えば(for example)」などの単語の使用は、関連する概念を特定の方法で提示することが意図されている。
【0158】
本出願において、「とき(when)」および「場合(if)」は、装置が客観的な状況において対応する処理を実施することを意味し、時間を限定することが意図されていないことを理解されたい。これらの用語は、装置が実装中に決定動作を有することを必要とされることを意味せず、任意の他の限定を意味しない。
【0159】
本出願では、単数形で表される要素は、「1つ以上」を表すことが意図されるが、別段の指定がない限り、「1つおよび1つのみ」を表すものではない。
【0160】
本出願の実施形態では、「Aに対応するB」は、BがAに関連付けられることを示し、BはAに基づいて決定され得ることを理解されたい。しかしながら、Bに基づいてAを決定することは、BがAのみに基づいて決定されることを意味せず、すなわち、Bは、Aおよび/または他の情報に基づいて代替的に決定され得ることをさらに理解されたい。
【0161】
本出願の実施形態において提供される方法の理解を容易にするために、以下では、本出願の実施形態において提供される方法のシステムアーキテクチャについて説明する。本出願の実施形態において説明されるシステムアーキテクチャは、本出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明することが意図されており、本出願の実施形態において提供される技術的解決策に対するいかなる限定も構成しないことが理解され得る。
【0162】
本出願で提供される技術的解決策は、ワイヤレス通信システム、例えば、ワイヤレスローカルエリアネットワークシステムに適用され得る。本出願において提供される技術的解決策は、ワイヤレス通信システム内の通信デバイス、または通信デバイス内のチップもしくはプロセッサによって実装され得る。通信デバイスは、複数のリンク上でのパラレル伝送をサポートするワイヤレス通信デバイスであり得る。例えば、通信デバイスは、マルチリンクデバイス(multi-link device、MLD)またはマルチバンドデバイスと称されることがある。シングルリンク伝送のみをサポートする通信デバイスと比較して、マルチリンクデバイスは、より高い伝送効率およびより大きいスループットを有する。
【0163】
本出願では、複数のリンクを同時にサポートする次世代802.11標準のステーションデバイスをマルチリンクデバイスと称され、任意の1つのリンクを担当する内部エンティティはステーション(STA)と称される。MLD内の全てのSTAがAPである場合、MLDはさらにAP MLDと称されることがある。MLD内の全てのSTAがnon-AP STAである場合、MLDはさらにnon-AP MLDと称されることがある。換言すれば、マルチリンクデバイスは、1つ以上の関連するステーション(affiliated STA)を含む。系列ステーションは論理ステーションであり、リンク、帯域、またはチャネル上で動作することができる。提携ステーションは、アクセスポイント(access point、AP)または非アクセスポイントステーション(non-access point station、non-AP STA)であってよい。802.11beでは、系列ステーションがAPであるマルチリンクデバイスは、APマルチリンクデバイス(AP multi-link device、AP MLD)と称され、系列ステーションがnon-AP STAであるマルチリンクデバイスは、non-APマルチリンクデバイス(non-AP multi-link device、non-AP MLD)と称される。
【0164】
任意選択で、1つのマルチリンクデバイスは、複数の論理ステーションを含んでよい。各論理ステーションはリンク上で動作するが、複数の論理ステーションが同じリンク上で動作することは許容される。AP MLDとnon-AP MLDとの間のデータ伝送中に、リンク識別子が、リンクまたはリンク上のステーションを識別するために使用され得る。通信の前に、AP MLDおよびnon-AP MLDは、リンク識別子とリンクまたはリンク上のステーションとの間の対応について最初にネゴシエートまたは通信することができる。したがって、データ伝送中に、リンク識別子は、リンクまたはリンク上のステーションを示すために大量のシグナリング情報を伝送することなく搬送される。これは、シグナリングオーバーヘッドを低減し、伝送効率を改善する。
【0165】
一例では、AP MLDが基礎的サービスセット(basic service set、BSS)を確立するときに送信されるビーコン(beacon)フレームまたはアソシエーション要求フレームなどの管理フレームは、1つの要素を搬送し、その要素は、複数のリンク識別子情報フィールドを含む。1つのリンク識別子情報フィールドは、1つのリンク識別子と、そのリンク識別子に対応するリンク上で動作するステーションとの間の対応を示すことができる。1つのリンク識別子情報フィールドは、リンク識別子を含み、以下の情報、すなわち、メディアアクセス制御(medium access control、MAC)アドレス、動作クラス、およびチャネル番号のうちの1つ以上をさらに含む。MACアドレス、動作クラス、およびチャネル番号のうちの1つ以上は、1つのリンクを示すことができる。APの場合、APのMACアドレスは、APのBSSID(basic service set identifier、基礎的サービスセット識別子)である。別の例では、マルチリンクデバイス間のアソシエーションプロセスにおいて、AP MLDおよびnon-AP MLDは、複数のリンク識別子情報フィールドについてネゴシエートする。マルチリンクアソシエーションは、AP MLDのAPとnon-AP MLDのSTAとの間の1つのアソシエーションを指す。アソシエーションは、non-AP MLDの複数のSTAとAP MLDの複数のAPとの間の別個のアソシエーションを容易にすることができ、1つのSTAは1つのAPに関連付けられる。non-AP MLD内の1つ以上のSTAは、AP MLD内の1つ以上のAPとのアソシエーション関係を確立し、次いで通信することができる。
【0166】
任意選択で、マルチリンクデバイスは、IEEE 802.11シリーズプロトコルに準拠したワイヤレス通信を実装することができる。例えば、超高スループットに対応したステーションや、IEEE 802.11beに対応した、あるいは、IEEE 802.11beに対応したステーションは、他のデバイスとの通信を実装する。当然ながら、別のデバイスは、マルチリンクデバイスであってもよく、マルチリンクデバイスでなくてもよい。
【0167】
本出願において提供される技術的解決策は、1つのノードが1つ以上のノードと通信するシナリオ、シングルユーザアップリンク/ダウンリンク通信のシナリオもしくはマルチユーザアップリンク/ダウンリンク通信のシナリオ、またはデバイスツーデバイス(device to device、D2D)通信のシナリオに適用され得る。本出願の実施形態では、「通信」という用語は、「データ伝送」、「情報伝送」、または「伝送」としても説明され得る。「伝送」という用語は、概して、送信することおよび受信することを指し得る。
【0168】
前述のノードのうちのいずれか1つは、AP MLDであってよく、またはnon-AP MLDであってよい。任意選択で、前述のノードのうちの1つはマルチリンクデバイスであってもよく、他のノードはマルチリンクデバイスであってもよく、またはマルチリンクデバイスでなくてもよい。例えば、EMLSRにおける空間ストリームスイッチング方法は、non-AP MLDがAP MLDと通信するシナリオに適用されるか、またはnon-AP MLDがシングルリンクAPと通信するシナリオに適用される。これは、本出願の実施形態において限定されない。シングルリンクデバイスはAPであり得る。
【0169】
説明を容易にするために、non-AP MLDがAPと通信するシナリオが、本出願のシステムアーキテクチャを説明するための以下の例として使用される。本明細書におけるAPは、広い意味であり、AP側を指すことが理解され得る。APは、シングルリンクAPであってよく、またはAP MLD内のAPであってよい。
【0170】
図1は、本出願の一実施形態によるワイヤレス通信システムのアーキテクチャの概略図である。図1に示すように、ワイヤレス通信システムは、少なくとも1つのAP(例えば、図1のAP 100)と、少なくとも1つのnon-AP MLD(図1のnon-AP MLD 200およびnon-AP MLD 300)とを含む。任意選択で、図1は、シングルリンク上のみでの伝送をサポートするレガシーステーションをさらに含む(図1のシングルリンクnon-AP STA 400は、STA 400とも称される)。本明細書において、AP 100は、シングルリンクAPであってもよいし、AP MLDのAPであってもよい。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。APは、non-AP MLDのためのサービスを提供するデバイスであり、non-AP MLDは、スループットを改善するために、複数のリンクを使用することによってAP MLDと通信することができる。non-AP MLD内のSTAは、1つのリンクを使用することによって、AP MLD内のAPまたはシングルリンクAPと、代替的に通信し得る。図1におけるAPおよびnon-AP MLDの量は例にすぎないことが理解され得る。
【0171】
任意選択で、図2aを参照されたい。図2aは、本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの構造の概略図である。802.11規格は、マルチリンクデバイスにおける802.11物理層(physical layer、PHY)部分およびメディアアクセス制御(medium access control、MAC)層部分に焦点を当てる。図2aに示されるように、マルチリンクデバイスに含まれる複数のSTAは、下位MAC(low MAC)層およびPHY層において互いに独立しており、上位MAC(high MAC)層においても互いに独立している。図2bは、本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの別の構造の概略図である。図2bに示すように、マルチリンクデバイスに含まれる複数のSTAは、下位MAC(low MAC)層およびPHY層において互いに独立しており、上位MAC(high MAC)層を共有する。当然ながら、マルチリンク通信プロセスでは、non-AP MLDは、互いに独立した上位MAC層を有する構造を使用することができ、AP MLDは、共有される上位MAC層を有する構造を使用することができる。代替的に、non-AP MLDは、共有された上位MAC層を有する構造を使用し、AP MLDは、互いに独立した上位MAC層を有する構造を使用することができる。代替的に、non-AP MLDとAP MLDは、上位MAC層を共有する構造を使用することができる。代替的に、non-AP MLDとAP MLDは、互いに独立した上位MAC層の構造を使用することができる。マルチリンクデバイスの内部構造の概略図は、本出願の実施形態において限定されない。図2aおよび図2bは、単に説明のための例である。例えば、上位MAC層または下位MAC層は、マルチリンクデバイスのチップシステム内の1つのプロセッサによって実装されてよく、またはチップシステム内の異なる処理モジュールによって実装されてよい。
【0172】
例えば、本出願のこの実施形態におけるマルチリンクデバイスは、シングルアンテナデバイスであってよく、またはマルチアンテナデバイスであってよい。例えば、マルチリンクデバイスは、2つより多いアンテナを有するデバイスであってもよい。マルチリンクデバイスに含まれるアンテナの数は、本出願の実施形態において限定されない。
【0173】
任意選択で、図3を参照されたい。図3は、本出願の一実施形態によるマルチリンク通信の概略図である。図3に示されるように、AP MLDは、AP 1、AP 2、…、およびAP nであるn個のステーションを含む。non-AP MLDはまた、STA 1、STA 2、…、およびSTA nであるn個のステーションを含む。AP MLDとnon-AP MLDは、リンク1、リンク2、…、リンクnに対してパラレル通信を行うことができる。AP MLD内のAPは、non-AP MLD内のSTAとのアソシエーション関係を確立することができる。例えば、non-AP MLD内のSTA 1は、AP MLD内のAP 1とアソシエーション関係を確立し、non-AP MLD内のSTA 2は、AP MLD内のAP 2とアソシエーション関係を確立し、non-AP MLD内のSTA nは、AP MLD内のAP nとアソシエーション関係を確立する。
【0174】
例えば、マルチリンクデバイスは、ワイヤレス通信機能を有する装置である。装置は、システム全体のデバイスであってもよく、またはシステム全体のデバイスにインストールされたチップ、処理システムなどであってもよい。チップまたは処理システムがインストールされるデバイスは、本出願の実施形態における方法および機能を実装するために、チップまたは処理システムによって制御され得る。例えば、本出願の実施形態におけるnon-AP MLDは、ワイヤレストランシーバ機能を有し、802.11シリーズプロトコルをサポートすることができ、シングルリンクAP、AP MLD、または別のnon-AP MLDと通信することができる。例えば、non-AP MLDは、ユーザがAPと通信し、WLANと通信することを可能にする任意のユーザ通信デバイスである。例えば、non-AP MLDは、ネットワークに接続することができるユーザ機器、例えば、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ネットブック、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、またはモバイル電話とすることができる。non-AP MLDは、モノのインターネットにおけるモノのインターネットノード、自動車のインターネットにおける車載通信装置などであってもよい。non-AP MLDは、代替的に、前述の端末の各々におけるチップおよび処理システムであってもよい。本出願の実施形態におけるAPは、non-AP MLDのためのサービス装置を提供することができ、802.11シリーズプロトコルをサポートすることができる。例えば、APは、通信サーバ、ルータ、スイッチ、またはブリッジなどの通信エンティティであり得る。代替的に、APは、種々の形態のマクロ基地ステーション、マイクロ基地ステーション、中継ステーションなどを含み得る。当然ながら、APは、代替的に、本出願の実施形態における方法および機能を実装するための、これらの種々の形態のデバイス内のチップおよび処理システムであってもよい。
【0175】
マルチリンクデバイスは、高レートおよび低レイテンシ伝送をサポートし得ることが理解され得る。ワイヤレスローカルエリアネットワークの適用シナリオの継続的な発展に伴い、マルチリンクデバイスは、より多くのシナリオ、例えば、スマートシティにおけるセンサノード(例えば、スマートメータ、スマート電気メータ、またはスマート空気検出ノード)、スマートホームにおけるスマートデバイス(例えば、スマートカメラ、プロジェクタ、ディスプレイ、テレビ、ステレオ、冷蔵庫、または洗濯機)、モノのインターネットにおけるノード、エンターテイメントターミナル(例えば、拡張現実、仮想現実、または別のウェアラブルデバイス)、スマートオフィスにおけるスマートデバイス(例えば、プリンタまたはプロジェクタ)、車両のインターネットにおける車両のインターネットデバイス、および日常生活のシナリオにおける一部のインフラストラクチャ(例えば、ベンディングマシン、スーパーマーケットのセルフサービスナビゲーションステーション、セルフサービスキャッシュレジスタデバイス、およびセルフサービス注文マシン)にさらに適用され得る。non-AP MLDおよびAPの具体的な形態は、本出願の実施形態において限定されず、本明細書における説明のための例にすぎない。802.11プロトコルは、802.11beをサポートするか、または802.11beと互換性があるプロトコルであり得る。
【0176】
前述の説明は、本出願の実施形態におけるシステム構造を簡単に説明している。本出願の技術的解決策をより良く理解するために、以下では、本出願に関連する内容を簡単に説明する。
【0177】
1.マルチリンク動作(Multi-Link Operation、MLO)
極めて高いスループット(Extremely High Throughput、EHT)という技術的目的を達成するために、802.11be(EHTまたはWi-Fi7とも称される)などの次世代規格は、重要な技術の1つとしてマルチリンク動作(Multi-Link Operation、MLO)を使用する。マルチリンク動作のコアアイデアは、次世代802.11規格をサポートするワイヤレスローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)デバイスが、データ伝送のためにより広い帯域幅(例えば、320 MHz)を使用するために、マルチバンド(Multi-band)送信および受信能力を有し、それにより、スループットを著しく改善する。マルチバンドは、限定はしないが、2.4GHz Wi-Fiバンド、5GHz Wi-Fiバンド、および6GHz Wi-Fiバンドを含む。各帯域上で実施されるアクセスおよび伝送は、1つのリンクと称され、または同じ帯域上の周波数範囲内で実施されるアクセスおよび伝送は、1つのリンクと称される。したがって、複数のリンクによって形成されるアクセスおよび伝送は、MLOと称される。
【0178】
2.空間ストリーム(spatial stream)およびアンテナ
無線機は複数の信号を同時に送信し、各信号は空間ストリームと称される。多入力多出力(multiple input multiple output、MIMO)システムでは、空間ストリームの数は、通常、アンテナの数以下である。伝送端のアンテナの数が受信端のアンテナの数と異なる場合、空間ストリームの数は、伝送端または受信端のアンテナの最小数以下である。例えば、4×4(4つの伝送アンテナおよび4つの受信アンテナ、4つの入力および4つの出力とも称される)MIMOシステムは、4つ以下の空間ストリームを伝送するために使用され得、3×2(3つの伝送アンテナおよび2つの受信アンテナ)MIMOシステムは、2つ以下の空間ストリームを伝送し得る。
【0179】
場合によっては、MIMOシステムにおけるアンテナと空間ストリームとの間の関係が、この適用例において依然として使用され得る。一部の実施形態では、「空間ストリーム」および「アンテナ」は、交互に使用され得る。
【0180】
3.拡張マルチリンクシングルラジオ(Enhanced Multi-link Single Radio、EMLSR)および拡張マルチリンクマルチラジオ(Enhanced Multi-link Multi-Radio、EMLMR)
1つのnon-AP MLDは、シングル無線(Single radio)受信および送信能力のみを有する。non-AP MLDが複数のリンクの利点を享受することを可能にするために、EMLSR能力が802.11beに導入される。図4は、EMLSRの模式図である。図4に示されるように、non-AP MLDとAP MLDとの間の2つのリンクが例として使用される。EMLSRをサポートするnon-AP MLDは、複数のリンク(例えば、図4のリンク1およびリンク2)上で同時にリスニング動作(Listening Operation)を実施することができる。リスニング動作では、non-AP MLDは、シングルアンテナ(本明細書では一例として1つのアンテナが使用される)を使用することによって各リンク上で受信を実施する。AP MLDが任意のリンク(例えば、図4のリンク1)上で初期制御フレーム(Initial Control Frame)をnon-AP MLDに正常に送信した後、non-AP MLDは、各リンク(例えば、図4のリンク2)上の全ての空間ストリームをリンク(例えば、図4のリンク1)に切り替えて、AP MLDとのフレーム交換を実施することができる。この場合、リンク1上に複数の空間ストリーム/アンテナが存在する。フレーム交換が終了した後、non-AP MLDは、リンク1上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えてリスニング動作に戻り、換言すれば、non-AP MLDは、リンク1上のリンク2から空間ストリームをリンク2に再び切り替えてリスニング動作を行う。この場合、リンク1およびリンク2の各々は、1つの空間ストリーム/アンテナを有する。
【0181】
1つのnon-AP MLDは、マルチ無線送信および受信能力を有し、EMLMRをサポートするnon-AP MLDは、複数のリンク上で同時にリスニング動作を実施することができる。リスニング動作において、non-AP MLDは、複数の空間ストリームを用いて各リンク上で受信を行うことができる。AP MLDが任意のリンク、例えば、リンクi上で初期フレームをnon-AP MLDに正常に送信した後、non-AP MLDは、各リンク上の空間ストリームの全てまたは一部をリンクiに切り替えて、AP MLDとのフレーム交換を実施することができる。フレーム交換の終了後、リンクi上の空間ストリームは、各リンクに再び切り替えられる。
【0182】
4.EMLSRの作業メカニズム
図5は、EMLSRの作業メカニズムの概略図である。図5において、AP、non-AP MLD 1のSTA 11、およびnon-AP MLD 2のSTA 21は、いずれもリンク1上で動作している(operates on)。図5のAPは、AP MLD内にあり、リンク1上で動作する(operating on)APであり得る。図5のnon-AP MLD 1およびnon-AP MLD 2は、いずれもEMLSRをサポートしている。
【0183】
EMLSRをサポートするnon-AP MLD内のいずれかのnon-AP STAが、リスニング動作を実施しているときにAPから初期制御フレームを受信すると、non-AP STAは、タイマ(Timer)を開始する必要がある。タイマのタイミング長は、初期制御フレーム内の持続時間(duration)フィールドによって示される持続時間に設定される。EMLSRをサポートするnon-AP MLDは、APとのフレーム交換を実施するために、別のリンク上の空間ストリーム/アンテナを、non-AP STAが動作するリンクに切り替える必要がさらにある。説明を容易にするために、初期制御フレームがマルチユーザ送信要求(Multi-user Request to Send、MU-RTS)フレームである例が、本明細書における説明のために使用される。当然ながら、初期制御フレームは、代替的に、バッファステータス報告ポール(Buffer Status Report Poll、BSRP)フレーム、または別のフレームであってもよい。これは、本出願において限定されない。図5に示されるように、STA 11およびSTA 21がMU-RTSフレームを正常に受信した後にタイマが開始され、タイマのタイミング長は、MU-RTSフレームの持続時間フィールドによって示される持続時間であり、STA 11が属するnon-AP MLD 1は、別のリンク(すなわち、non-AP MLD 1におけるリンク1以外のリンク)上の空間ストリーム/アンテナを、STA 11が配置されたリンク1に再び切り替え、STA 21が属するnon-AP MLD 2は、別のリンク(すなわち、non-AP MLD 2におけるリンク1以外のリンク)上の空間ストリーム/アンテナを、STA 21が配置されたリンク1に再び切り替える。持続時間(duration)フィールドは、持続時間を示し、持続時間の開始時点は、durationフィールドを搬送するフレームが受信される終了時点であり、終了時点は、開始時点および持続時間に基づいて決定され得る。
【0184】
APが、初期制御フレームを正常に受信したnon-AP STAにフレーム(フレームAとして示される)を送信するとき、フレームは、non-AP STAが応答を行うことを必要とし、フレーム(すなわち、フレームA)内で搬送される持続時間(Duration)フィールドによって示される終了時間は、non-AP STAの現在のタイマによって示されるタイミング終了時間よりも遅く、non-AP STAがAPに応答を行った後、物理層が、プリセット待機(wait)時間長内にフレームの受信を開始することを示す場合、non-AP STAは、タイマの値を更新する必要がある。タイマのタイミング長は、APによって送信されたフレームAのDurationフィールドに基づいて設定される。タイミングの開始時点は、フレームAが正常に受信された終了時点であり、タイミングの終了時点は、フレームAのDurationフィールドによって示される終了時点である。例えば、図5に示されるように、APによってSTA 21に送信されたデータフレームは、STA 21がブロック肯定応答(block acknowledgement、BA)を返すことを必要とする。STA 21がBAを返した後、STA 21のタイマは、データフレーム内のDurationフィールドによって示される持続時間に更新される。具体的には、タイミングの開始点は、データフレームが受信された終了時点に更新され、タイミングの終了点は、開始時点およびデータフレーム内のDurationフィールドの持続時間に基づいて更新され得る。
【0185】
いずれかのnon-AP STAのタイマが満了したとき、non-AP STAがその宛先アドレスがnon-AP STAであるフレームを受信している場合、non-AP STAは、non-AP STAが肯定応答フレームを返すまで、またはフレームのDurationフィールドによって示される持続時間が満了するまで、リンク上で動作し続ける(換言すれば、空間ストリーム/アンテナは、リスニング動作を実施するために各リンクに一時的に再び切り替えられない)。
【0186】
non-AP MLDが以下のケースのうちの1つを満たすとき、non-AP STAが属するnon-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、空間ストリーム/アンテナを各リンクに直ちに再び切り替える必要がある(以下のケースでは、non-AP STAはnon-AP MLDに属し、APはnon-AP MLDに関連付けられたAP MLDに属する):
・(non-AP STAの)タイマが満了し、non-AP STAは、最後のフレームの後の期間内に、物理層(physical layer、PHY)がパケットを受信し始めるという指示を受信しない。期間は、ショートフレーム間空間(Short interframe space、SIFS)と、1つのスロット(slot)の持続時間と、受信(receive、Rx)物理層(PHY)開始(start)遅延(delay)との合計に等しく、すなわち、SIFS時間+スロット時間+RxPHY Start Delayである:
・(non-AP STAの)タイマが満了し、non-AP STAがユニキャストフレームを受信するが、ユニキャストフレームの受信アドレス(Receiving Address、RA)がnon-AP STAではないか、またはトリガフレーム(Trigger Frame、TF)を受信するが、APのCTS-to-Selfフレームを除いて、トリガフレーム内のユーザ情報(User Info)フィールドのいずれもnon-AP STAと一致しない。
・(non-AP STA)は、APによって送信された無競合終了(Contention Free End、CF-END)を受信する。
【0187】
EMLSRの前述の動作メカニズムは複雑であり、実装の複雑さが高いことが知見され得る。
【0188】
5.空間多重化省電力(Spatial Multiplexing Power Save、SM PS)
802.11ax規格は、空間多重省電力(SM PS)機能を有する。詳細については、802.11ax規格のセクション11.2.6を参照されたい。本明細書では簡単に説明する。
【0189】
SM PSは、1つのnon-AP STAが1つのアクティブ受信チェーン(receive chains)のみを保持し、通常は1つのアンテナを使用することによって信号を受信することを可能にする。SM PS機能はシングルリンクデバイスに適用可能であり、1つのリンクが複数の受信チェーンを有し得ることを理解されたい。non-AP STAがAPによって送信された初期フレームを受信した後、non-AP STAの別の受信チェーンが開かれ、APとのフレーム交換が、複数のアンテナを使用することによって実施される。フレーム交換の終了後、non-AP STAは、シングル受信チェーンモードに再び切り替わる。
【0190】
以下の条件のうちのいずれか1つが満たされると決定したとき、STAは、シングル受信チェーンモードに直ちに再び切り替え得る(The STA can determine the end of the frame exchange sequence through any of the following)。
・それ(STAを指す)がユニキャストフレームを受信し、ユニキャストフレームの宛先アドレスが別のSTAであるかどうか。(It receives an individually addressed frame addressed to another STA.)
・それ(STAを指す)は、フレームを受信するが、フレームの伝送アドレス(Transmitting Address、TA)は、現在の伝送機会(Transmission Opportunity、TXOP)を開始するフレームのTAと一致しない。(It receives a frame with a TA that differs from the TA of the frame that started the TXOP.)
・それ(STAを指す)は、別の基礎的サービスセット(inter-BSS)からフレームを受信する。(It receives a PPDU and classifies the PPDU as inter-BSS PPDU(see 26.2.2(Intra-BSS and inter-BSS PPDU classification)).)
・それ(STAを指す)は高効率マルチユーザPPDU(High Efficiency Multiple User PPDU、HE MU PPDU)を受信し、PPDUにおいて搬送される基礎的サービスセット(Basic Service Set、BSS)カラー(Color)は、STAが関連付けられるBSSのBSSカラーと一致し、PPDUは、STAをRUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のリソースユニット(Resource unit、RU)のステーション識別子(STA-ID)フィールドを含まず、APによって送信された直近に受信されたHE動作要素(operation element)において搬送されるBSSカラー無効(Disabled)サブフィールドの値は0である。(It receives an HE MU PPDU where the RXVECTOR parameter BSS_COLOR is the BSS color of the BSS in which the STA is associated,the RXVECTOR parameter does not have any STA_ID of an RU that identifies the STA as the recipient or one of the recipients of the RU(see 26.11.1(STA_ID)),and the BSS Color Disabled subfield in the most recently received HE Operation element from the AP with which the STA is associated is 0.)
・キャリア検知(Carrier Sensing、CS)メカニズムは、伝送(transmission、Tx)ポイント協調機能フレーム間空間(Point coordination function Interframe Space、PIFS)スロット境界(TxPIFS slot boundary)においてチャネルがアイドルであることを示す。(The CS mechanism(see 10.3.2.1(CS mechanism))indicates that the medium is idle at the TxPIFS slot boundary(defined in 10.3.7(DCF timing relations)).)
【0191】
SM PS機能がEMLSRで再利用されることを考慮して、フレーム交換の終了後に空間ストリーム切り替えを実施する規則をさらに決定するために、前述の説明(すなわち、EMLSRおよびSM PS機能の動作メカニズム)から、SM PS規則がEMLSRで直接再利用される場合、EMLSRに適用できない一部のケースが発生し得ることが知見され得る。以下、図6を参照して説明する。図6は、EMLSRにおいてSM PS規則を直接再使用する概略図である。APは、初期制御フレーム、例えば、図6のMU-RTSフレームを送信する。図6では、初期制御フレームがMU-RTSフレームである例が説明のために使用される。当然ながら、初期制御フレームは、代替的に、BSRPフレームまたは別のフレームであってもよい。これは、本出願において限定されない。STA 11およびSTA 21が初期制御フレームを正常に受信した後に、non-AP MLD 1(STA 11が属するMLD)は、全ての空間ストリーム/アンテナをSTA 11が配置されたリンク1に切り替え、non-AP MLD 2(STA 21が属するMLD)は、全ての空間ストリーム/アンテナをSTA 21が配置されたリンク1に切り替える。APとSTA 11およびSTA 21との間のフレーム交換を実施するプロセスにおいて、APは、ユニキャスト形式でフレーム、例えば、図6のブロック肯定応答要求(Block ACK Request、BAR)フレームをSTA 21に送信する必要があり得る。次いで、STA 21は、ブロック肯定応答(Block ACK、BA)フレームをユニキャスト形式でAPに返す。上記で説明したSM PS規則によれば、STA 11はユニキャストフレーム(BARフレームと称される)を受信し、ユニキャストフレームの宛先アドレスは別のステーションである。したがって、STA 11が属するnon-AP MLD 1は、リンク1上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに直ちに切り替えて、リスニング動作を実施する必要がある。しかしながら、実際には、APは、STA 11にサービスすることを完了しないことがあり、換言すれば、APは、STA 11に送信される必要があるデータを依然として有することがある。しかしながら、APは、ユニキャストBARフレームをSTA 21に送信する必要があるため、APは、STA 11にサービスし続けることができない。
【0192】
加えて、APが、1つのサービス期間(Service Period、SP)において両方ともSM PSモードにあるSTA 1およびSTA 2に同時にサービスする場合、802.11ax規格における既存のシングルユーザSM PS規則はもはや適用可能ではない。これは、APがユニキャストBARフレームを一方のステーション(例えば、STA 1)に送信する必要がある場合、他方のステーション(例えば、STA 2)は直ちにシングル受信チェーンモードに再び切り替わるからである。実際には、APは、他のステーション(例えば、STA 2)に送信されたデータを依然として有し得る。このシナリオでは、APは、他のステーション(例えば、STA 2)にサービスし続けることができない。
【0193】
したがって、本出願の一実施形態は、SM PS規則を修正すること、またはAP挙動を制限することなどの方法で、既存のSM PS規則がEMLSRおよび/またはEMLMRに適用できないという問題を解決するための通信方法を提供する。このようにして、EMLSRおよび/またはEMLMRにおける空間ストリーム切り替え規則が決定され、その結果、APは、マルチユーザ通信を実施するためにEMLSR/EMLMRモードでSTAをサービスしながら、他のSTAをサービスし得、それによって、通信効率をさらに改善する。本出願は、通信方法をさらに提供し、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムを改善し、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業効率およびスイッチング効率を改善するために、初期フレーム/初期制御フレームの交換が失敗した後にリスニング動作に再び切り替えるための方法を、特に提供する。初期フレーム/初期制御フレームの交換後にリスニング動作に再び切り替えることをサポートする方法は失敗する。本出願は、通信方法をさらに提供する。EMLSRおよび/またはEMLMRの動作メカニズムを簡略化するために、フレーム交換持続時間が設定され、および/または既存の規格におけるシグナリングフィールドが使用される。これは、論理実行の複雑さを低減し、実装を容易にすることができる。
【0194】
以下では、より多くの添付図面を参照して、本出願において提供される技術的解決策を詳細に説明する。
【0195】
本出願において提供される技術的解決策は、複数の実施形態を使用することによって説明される。詳細については、以下の説明を参照されたい。本出願の実施形態において説明される技術的解決策は、新しい実施形態を形成するために組み合わされてもよく、同じまたは類似の概念または解決策を有する部分は、相互に参照されてもよく、または組み合わされてもよいことが理解され得る。以下では、実施形態を個別に詳細に説明する。
【0196】
任意選択で、この出願におけるnon-AP MLDは、図1に示されるnon-AP MLD、例えば、non-AP MLD 200であってもよい。一部の実施形態では、本出願におけるステーションは、シングルリンクデバイスであってよく、またはnon-AP MLDにおけるステーションであってよい。これは、本出願の実施形態において限定されない。一部の実施形態では、本出願におけるAPは、シングルリンクデバイスであってよく、またはAP MLDにおけるAPであってよい。これは、本出願の実施形態において限定されない。本出願におけるステーション、AP、non-AP MLDなどは全て、802.11beプロトコルをサポートし、802.11axおよび802.11acプロトコルなどの他のWLAN通信プロトコルをさらにサポートすることができる。本出願におけるステーション、AP、non-AP MLDなどは、802.11beの次のプロトコルをさらにサポートすることができることを理解されたい。換言すれば、本出願において提供される方法は、802.11beプロトコル、および802.11beの次世代プロトコルに適用可能である。
【0197】
図7は、本出願の一実施形態による通信方法の第1の概略フローチャートである。本方法は、EMLSRまたはEMLMRに適合するように既存のSM PS規則をさらに制限する方法を説明する。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。図7に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0198】
S101:non-AP MLDが第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のAPによって送信された第1のフレームを受信した後に、non-AP MLDは、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施し、non-AP MLDは、拡張マルチリンクEMLをサポートする。
【0199】
S102:non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、non-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。
【0200】
任意選択で、ステップS101の前に、non-AP MLDは、non-AP MLDによってサポートされる拡張マルチリンク(Enhanced Multi-link、EML)モードを第1のAPに通知してもよい。一実装形態では、non-AP MLDはEMLSRをサポートする。別の実装形態では、non-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、non-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0201】
任意選択で、例えば、non-AP MLDのための2つのリンク、すなわち、第1のリンクおよび第2のリンクが存在する。non-AP MLDが第1のリンクおよび第2のリンクの各々についてリスニング動作(listening operation)を実施するとき、第1のAPからの初期制御フレームまたは初期フレームが第1のリンク上で受信され、non-AP MLDは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、第2のリンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える。切り替え後、第1のリンク上に複数の空間ストリームが存在する。第1のAPは第1のリンク上で動作する(operates on)。プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされているとnon-AP MLDが決定した場合、non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを第2のリンクに再び切り替え、第1のリンクおよび第2のリンクの各々についてリスニング動作を実施する。任意選択で、プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされているとnon-AP MLDが決定した場合、non-AP MLDは、EMLSR遷移遅延(EMLSR Transition Delay)またはEMLMR遷移遅延(EMLMR Transition Delay)持続時間の後に、リスニング動作に再び切り替わるものとする(shall)(switch back to the listening operation)。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、non-AP MLDは、EMLSR切り替え遅延持続時間の後にリスニング動作に再び切り替わることを理解されたい。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、non-AP MLDは、EMLMR遷移遅延持続時間の後にリスニング動作に再び切り替わる。
【0202】
任意選択で、プリセット条件セットは、第1のプリセット条件、第2のプリセット条件、および第3のプリセット条件のうちの1つ以上のプリセット条件を含む。第1のプリセット条件、第2のプリセット条件、および第3のプリセット条件は、以下で別々に詳細に説明される。
【0203】
第1のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上で無線フレームを受信することであり、無線フレームの伝送アドレス(Transmitting Address、TA)は、現在のTXOPを開始するフレームのTAとは異なり、無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームではなく、または無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームでも報告に使用されるフレームでもなく、アップリンクユニキャスト制御フレームはBAフレームを含む。任意選択で、アップリンクユニキャスト制御フレームは、省電力ポール(Power Saving-Poll、PS-Poll)フレームをさらに含む。
【0204】
任意選択で、報告するために使用されるフレームは、圧縮ビームフォーミング(Compressed Beamforming/CQI、標準文書のセクション9.6.31.2を参照)フレーム、ビームフォーミング報告(Beamforming Report、BFR)を含むフレーム、バッファステータス報告(Buffer Status Report、BSR、標準文書のセクション26.5.5を参照)を含むフレーム、帯域幅クエリ報告(Bandwidth Query Report、BQR、標準文書のセクション26.5.6を参照)を含むフレーム、およびヌルデータパケットフィードバック報告(NDP Feedback Report、NFR、標準文書のセクション26.5.7を参照)を含むフレームのうちの1つ以上を含む。
【0205】
1つのnon-AP MLDは、複数のステーションを含み、non-AP MLDの1つのステーションは、1つのリンク(an affiliated STA(if any)of the non-AP MLD that operates on a link)上で動作することを理解されたい。この場合、「non-AP MLDが第1のリンク上で無線フレームを受信する」ことは、「non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションが1つの無線フレームを受信する」ことと同等であり、これは以下において同様であり、詳細は再び説明されない。
【0206】
換言すれば、前述の第1のプリセット条件は、それ(non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションを指す)がフレームを受信するが、フレームのTAが現在のTXOPを開始するフレームのTAとは異なることである。BAフレームおよびPS-Pollフレームのうちの1つまたは両方を含む、APに送信される一部のユニキャスト制御フレームは除外される。CQIフレーム、BFR、BSR、BQR、NFRなどのフレームの一部または全部を含む、APに送信される一部のフレームまたは報告(Report)がさらに除外される。
【0207】
第2のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上でユニキャストフレームを受信することであり、ユニキャストフレームの宛先アドレスは別のステーションであり、ユニキャストフレームはユニキャスト制御フレームではない。本明細書における別のステーションは、non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作する(operating on)ステーション以外のステーションである。換言すれば、別のステーションは、non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作しないステーション、別のnon-AP MLD、別のシングルリンクデバイスなどを含む。任意選択で、ユニキャスト制御フレームは、BARフレームを含む。
【0208】
任意選択で、ユニキャスト制御フレームは、肯定応答(acknowledgement、ACK)フレーム、ビームフォーミング報告ポール(Beamforming Report Poll、BFRP)フレーム、およびヌルデータパケット告知(Null Data Packet Announcement、NDPA)フレームのうちの1つ以上をさらに含む。
【0209】
任意選択で、ユニキャスト制御フレームは、ユニキャストトリガフレームをさらに含む。ユニキャストトリガフレームは、MU-BARフレーム、バッファステータス報告ポール(Buffer Status Report Poll、BSRP)フレーム、トリガタイプベースのBFRPフレーム、マルチユーザ送信要求(Multi-User request to send、MU-RTS)フレーム、帯域幅クエリ報告ポール(Bandwidth Query Report Poll、BQRP)フレーム、およびヌルデータパケットフィードバック報告ポール(NDP Feedback Report Poll、NFRP)フレームのうちの1つ以上を含む。
【0210】
換言すれば、第2のプリセット条件は、それ(non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションを指す)が1つのユニキャストフレームを受信し、フレームの宛先アドレスが別のSTAであるということである。BARフレーム、ACKフレーム、BFRPフレーム、およびNDPAフレームのうちの一部または全部を含む、一部のユニキャスト制御フレームが除外される。一部のユニキャストトリガフレーム、すなわち、MU-BARフレーム、BSRPフレーム、トリガタイプのBFRPフレーム、MU-RTSフレーム、BQRPフレーム、およびNFRPフレームがさらに除外される。
【0211】
前述の第1のプリセット条件および前述の第2のプリセット条件は、一部のフレームを除外することによって、既存のSM PS規則がEMLSRおよび/またはEMLMRに適用できないという問題を解決することが知見され得る。すなわち、APがEMLSR/EMLMR non-AP STAをサービスする場合、EMLSR non-AP STAがこれらのフレームを受信するため、EMLSR non-AP STAはリスニング動作に再び切り替わらないため、フレーム交換終了規則は決定されることができる。また、この規則は、APがEMLSRモードにあるSTAにサービスを提供している間に他のSTAにサービスを提供してマルチユーザ通信を実施することを可能にし、それによって通信効率をさらに向上させる。
【0212】
第3のプリセット条件は、non-AP MLDが、第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信することであり、non-AP MLDのユーザ情報フィールドは、トリガフレーム内に存在せず、またはアップリンク直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、OFDMA)ベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子は、トリガフレーム内に存在しない。本明細書におけるアソシエーション識別子は、アソシエーション識別子(Association Identifier、AID)とすることができる。任意選択で、本明細書のトリガフレームは、MU-RTSフレームおよびBSRPフレームのうちの一方または両方を含み得る。
【0213】
換言すれば、第3のプリセット条件は、それ(non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションを指す)が、TXOPホルダ(holder)から、例えばMU-RTSフレームおよびBSRPフレームなどの一部または全部のタイプのトリガフレームを含むトリガフレーム(trigger frame)を受信することである。加えて、ユーザ情報(User Info)フィールド内のアソシエーション識別子12(AID12)フィールドの値は、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションのAIDの最下位12ビットに等しくなく、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセス(Uplink OFDMA-based Random Access、UORA)を示すAIDは存在しない。
【0214】
non-AP MLDによるリスニング動作に再び切り替えるための条件が、トリガフレームの観点から第3のプリセット条件に追加され、これは、SM PS規則を改善するのに役立つことが知見され得る。
【0215】
任意選択で、プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわちnon-AP MLDが第1のリンク上で別の基礎的サービスセットのフレームを受信することと、non-AP MLDが第1のリンク上でHE MU PPDUを受信し、HE MU PPDUで搬送される基礎的サービスセットBSSカラーが、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションが属するBSSのBSSカラーと同じであり、HE MU PPDUが、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションをRUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のRUのステーション識別子フィールドを含まず、non-AP MLDによって第1のAPから直近に受信されたHE動作要素で搬送されるBSSカラー無効フィールドの値が0であることと、キャリア検知メカニズムが、第1のリンクに対応するチャネルがTxPIFSスロット境界においてアイドルであることを示すことと、のうちの1つ以上をさらに含む。
【0216】
EMLSR/EMLMRは、本出願のこの実施形態における説明のための例として使用される。同様に、本出願のこの実施形態において提供されるプリセット条件セットは、non-AP MLDがSTAに置き換えられるならば、マルチユーザSM PSに依然として適用可能である。「non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替える」ことは、「STAが、プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされていると決定したとき、STAは、シングル受信チェーンモードに直ちに再び切り替わる」ことに置き換えられる。
【0217】
本出願のこの実施形態では、フレーム交換終了規則が決定され得るように、既存のSM PS規則がEMLSR/EMLMRに適用できないという問題を解決するために、SM PS規則が修正され、例えば、一部の例外フレームが既存のSM PS規則から除外されることが知見され得る。加えて、この規則は、APが、EMLSRモードでSTAにサービスを提供しながら、他のSTAにサービスを提供して、マルチユーザ通信を実施することを可能にし、それによって、通信効率をさらに改善する。
【0218】
図8は、本出願の一実施形態による通信方法の第2の概略フローチャートである。本方法は、既存のSM PS規則をEMLSRまたはEMLMRに適応させるために、APの挙動をどのように制限するかを説明する。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。図8に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0219】
S201:第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを正常に送信した後、かつ第1のAPに関連付けられたN個のステーションとのフレーム交換の終了前に、第1のAPは、第1のリンク上でN個のステーションとのフレーム交換を実施するときに第1のタイプのPPDUを使用し、第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUであり、N個のステーションのうちの少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDはEMLをサポートし、ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスはブロードキャストアドレスであり、マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスはマルチキャストアドレスであり、第1のタイプのPPDUは指示情報を搬送し、指示情報は、第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示すことを含み、第1のタイプのPPDUは、トリガフレーム(triggering frame)を含み、トリガフレームは、TB PPDUを送信するようにステーションをスケジューリングするために使用される。
【0220】
任意選択で、N個のステーションは、シングルリンクステーションを含んでよく、またはnon-AP MLD内のステーションを含んでよい。N個のステーションは全て、第1のリンク上で動作する。N個のステーションがnon-AP MLD中のステーションを含む場合、これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つはEMLSRまたはEMLMRをサポートする。さらに、これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートする。これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0221】
任意選択で、第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを正常に送信した後、かつ第1のAPに関連付けられたN個のステーションとのフレーム交換の終了前(before the end of the frame exchanges)に、第1のAPは、N個のステーションと対話するために第1のリンク上のN個のステーションとのフレーム交換を実施するときに第1のタイプのPPDU(第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUである)を使用し、第1のリンク上のステーションが受信者(または受信者のうちの1人)として使用されることを示す情報、例えばステーション識別子STA_IDが、交換中に搬送される必要がある。例えば、APによって送信されたMU PPDUにおいて、RXVECTOR(RXVECTOR)パラメータは、第1のリンク上のステーションをRUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する、RUのステーション識別子(STA_ID)(ステーションのSTA_IDまたは別のタイプのSTA_ID、例えば、ブロードキャストを示すSTA_IDであってよく、本明細書では限定されない)フィールドを含む。加えて、第1のAPは、アップリンクマルチユーザ伝送をスケジューリングする必要がある。換言すれば、第1のタイプのPPDUはtriggering frameを含み、triggering frameは、トリガベースのPPDU(trigger based PPDU、TB PPDU)を送信するようにステーションをスケジューリングするために使用される。Nは正の整数である。triggering frameは、トリガフレーム、またはTRS(triggered response scheduling、被トリガ応答スケジューリング)制御サブフィールドを搬送するフレームである。
【0222】
それに対応して、N個のステーションのうちの第1のステーションが一例として使用される。第1のステーションが第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のフレームを正常に受信した後に、かつ第1のステーションと第1のステーションに関連付けられた第1のAPとの間のフレーム交換の終了前に、第1のステーションは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第1のタイプのPPDUを受信する。第1のタイプのPPDUを受信した後、第1のステーションは、TB PPDUフォーマットのフレームをAPに送信する。
【0223】
本出願のこの実施形態において提供されるAPの挙動は、依然としてマルチユーザSM PSに適用可能である。本出願のこの実施形態がマルチユーザSM PSに適用されるとき、N個のステーションの全てがシングルリンクステーションである。
【0224】
本出願のこの実施形態では、APとステーションの両方が、フレーム交換プロセスにおいて第1のタイプのPPDUを使用するように制限され、その結果、ステーションは、TB PPDUフォーマットのフレームを使用することによってAPに応答することが知見され得る。このようにして、既存のSM PS規則がEMLSRまたはEMLMRに適合され、フレーム交換終了規則が決定される。また、この規則は、APがEMLSRモードにあるSTAにサービスを提供している間に他のSTAにサービスを提供してマルチユーザ通信を実施することを可能にし、それによって通信効率をさらに向上させる。
【0225】
図9は、本出願の一実施形態による通信方法の第3の概略フローチャートである。本方法は、既存のSM PS規則がEMLSRおよび/またはEMLMRに適用できないという問題を解決するために、APの挙動を制限し、既存のSM PS規則を修正する方式を説明する。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。図9に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0226】
S301:第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを正常に送信した後、かつ第1のAPに関連付けられたN個のステーションとのフレーム交換の終了前に、第1のAPは、第1のリンク上でN個のステーションとのフレーム交換を実施するときに第1のタイプのPPDUを使用し、第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUであり、N個のステーションのうちの少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDはEMLをサポートし、ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスはブロードキャストアドレスであり、マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスはマルチキャストアドレスであり、第1のタイプのPPDUは指示情報を搬送し、指示情報は、第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示す。
【0227】
任意選択で、N個のステーションは、シングルリンクステーションを含んでよく、またはnon-AP MLD内のステーションを含んでよい。N個のステーションは全て、第1のリンク上で動作する。N個のステーションがnon-AP MLD中のステーションを含む場合、これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つはEMLSRまたはEMLMRをサポートする。さらに、これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートする。これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。これらのnon-AP MLDのうちの少なくとも1つがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0228】
任意選択で、第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを正常に送信した後、かつ第1のAPに関連付けられたN個のステーションとのフレーム交換の終了前(before the end of the frame exchanges)に、第1のAPは、N個のステーションと対話するために第1のリンク上のN個のステーションとのフレーム交換を実施するときに第1のタイプのPPDU(第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUである)を使用する。第1のタイプのPPDUは、第1のリンク上のステーションが受信者(または受信者のうちの1つ)として使用されることを示す指示情報を搬送する。例えば、指示情報は、ステーション識別子STA_IDである。ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスはブロードキャストアドレスであり、マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスはマルチキャストアドレスである。
【0229】
任意選択で、第1のタイプのPPDUは、トリガフレーム(triggering frame)を含み、triggering frameは、TB PPDUを送信するようにステーションをスケジューリングするために使用される。トリガフレームは、トリガフレーム、またはTRS制御サブフィールドを搬送するフレームである。
【0230】
S302:non-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第1のタイプのPPDUを受信し、non-AP MLDはEMLをサポートし、第1のフレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように、non-AP MLDに指示する。
【0231】
S303:non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、non-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。
【0232】
任意選択で、non-AP MLDは、EMLSRまたはEMLMRをサポートする。non-AP MLDが、第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のAPから初期フレームまたは初期制御フレームを正常に受信した後に、かつnon-AP MLDとnon-AP MLDにおいて第1のステーションに関連付けられた第1のAPとの間のフレーム交換の終了前に、non-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第1のタイプのPPDUを受信する。初期フレームまたは初期制御フレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるようにnon-AP MLDをトリガするために使用される。第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUである。第1のタイプのPPDUは、第1のリンク上のステーションが受信者(または受信者のうちの1つ)として使用されることを示す指示情報を搬送する。本明細書における指示情報は、第1のステーションが受信者(または受信者のうちの1つ)として使用されることを示す必要があることを理解されたい。non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替える。
【0233】
任意選択で、プリセット条件セットは、第1のプリセット条件、第2のプリセット条件、および第3のプリセット条件のうちの1つ以上のプリセット条件を含む。第1のプリセット条件および第3のプリセット条件の説明については、図7に示される実施形態における対応する説明を参照されたい。詳細は本明細書では再び説明されない。
【0234】
任意選択で、プリセット条件セットは、以下のプリセット条件、すなわちnon-AP MLDが第1のリンク上でユニキャストフレームを受信し、ユニキャストフレームの宛先アドレスが別のステーションであることと、non-AP MLDが第1のリンク上で別の基礎的サービスセットのフレームを受信することと、non-AP MLDが第1のリンク上でHE MU PPDUを受信し、HE MU PPDUで搬送されるBSSカラー(color)が、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作する第1のステーションが属するBSSのBSSカラーと同じであり、HE MU PPDUが、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作する第1のステーションをRUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のRUのステーション識別子フィールドを含まず、non-AP MLDによって第1のAPから直近に受信されたHE動作要素で搬送されるBSSカラー無効フィールドの値が0であることと、キャリア検知メカニズムが、第1のリンクに対応するチャネルがTxPIFSスロット境界においてアイドルであることを示すことと、のうちの1つ以上をさらに含む。
【0235】
任意選択で、第1のタイプのPPDUはトリガフレームを含み、トリガフレームは、TB PPDUを送信するようにnon-AP MLDをスケジューリングするために使用される。non-AP MLDが複数の空間ストリームを使用して第1のリンク上で第1のタイプのPPDUを受信した後、non-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用して第1のリンク上でTB PPDUを送信する。
【0236】
本出願のこの実施形態において提供されるAPの挙動およびプリセット条件セットは、non-AP MLDがSTAと置き換えられるという条件で、マルチユーザSM PSに依然として適用可能である。「non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替える」ことは、「STAが、プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされていると決定したとき、STAは、シングル受信チェーンモードに直ちに再び切り替わる」と置き換えられる。
【0237】
本出願のこの実施形態では、APとステーションの両方がフレーム交換プロセスにおいて第1のタイプのPPDUを使用するように制限され、SM PS規則が修正され、例えば、一部の例外フレームが既存のSM PS規則から除外されて、既存のSM PS規則がEMLSR/EMLMRに適用できないという問題が解決され、その結果、フレーム交換終了規則が決定され得ることが知見され得る。また、この規則は、APがEMLSRモードにあるSTAにサービスを提供している間に他のSTAにサービスを提供してマルチユーザ通信を実施することを可能にし、それによって通信効率をさらに向上させる。
【0238】
図10は、本出願の一実施形態による通信方法の第4の概略フローチャートである。初期フレーム/初期制御フレームとの交換が失敗した後にリスニング動作に再び切り替わるための方法が説明される。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。図10に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0239】
S401:non-AP MLDが、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えた後、第1のフレームの交換が失敗したとnon-AP MLDが決定した場合、non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、non-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0240】
任意選択で、ステップS401の前に、non-AP MLDは、non-AP MLDによってサポートされるEMLモードを第1のAPに通知してもよい。一実装形態では、non-AP MLDはEMLSRをサポートする。別の実装形態では、non-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、non-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをさらにサポートすることができる。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0241】
任意選択で、通信方法は、以下のステップをさらに含む。
【0242】
S402:non-AP MLDが、第1のフレームが受信された瞬間から開始する第1の持続時間内に設定されたプリセット条件内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、non-AP MLDは、第1のフレームの交換が失敗したと決定する。
【0243】
任意選択で、non-AP MLDが、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された初期制御フレームまたは初期フレームを受信し、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えた後、non-AP MLDが、初期制御フレームまたは初期フレームが受信された瞬間から開始する第1の持続時間(すなわち、ΔT)内に設定されたプリセット条件内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、non-AP MLDは、初期制御フレームまたは初期フレームとの交換が失敗したと決定する。この場合、non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに直ちに再び切り替える。
【0244】
任意選択で、プリセット条件セットは、以下のプリセット条件のうちの1つ以上を含む:
【0245】
(1)non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションは、第1の持続時間(ΔT)内にPPDUを受信しない。図11aは、本出願の一実施形態によるプリセット条件の第1の概略図である。図11aに示されるように、APがMU-RTSフレームを送信した後、non-AP MLDにあり、リンク1上で動作するSTAが、MU-RTSフレームを受信した後の第1の持続時間(ΔT)内にPPDUを受信しない場合、non-AP MLDは、リンク1上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに直ちに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0246】
(2)non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間(ΔT)内に受信された第1のPPDUは、別のBSSのPPDUである。図11bは、本出願の一実施形態によるプリセット条件の第2の概略図である。図11bに示されるように、APがMU-RTSフレームを送信した後、non-AP MLDにあり、MU-RTSフレームを受信した後の第1の持続時間(ΔT)内にリンク1上で動作するSTAによって受信された第1のPPDUがインターBSS(別のBSS)からのものである場合、non-AP MLDは、リンク1上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに直ちに再び切り替え、リスニング動作を実施する。
【0247】
(3)non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間(ΔT)内に受信された第1のPPDUは、イントラBSS(intra-BSS)のアップリンクPPDUである。図11cは、本出願の一実施形態によるプリセット条件の第3の概略図である。図11cに示すように、APがMU-RTSフレームを送信した後、MU-RTSフレームを受信した後の第1の持続時間(ΔT)内に、non-AP MLDにあり、リンク1上で動作するSTAによって受信された第1のPPDUが、イントラBSS(intra-BSS)からのものであるが、ある方向にアップリンクである場合、non-AP MLDは、リンク1上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに直ちに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0248】
(4)non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間(ΔT)内に受信された第1のPPDUは、non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションが属するBSS内のダウンリンクPPDUであり、ダウンリンクPPDU内のステーション識別子フィールドによって示される受信者は、non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションではない。換言すれば、non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間(ΔT)内に受信された第1のPPDUは、イントラBSS(intra-BSS)PPDUであるが、STA-IDフィールドは、ステーションが受信者ではないことを示す。
【0249】
(5)non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間(ΔT)内に受信された第1のPPDUは、ユニキャストアドレスを有するフレームを含み、フレームの受信アドレスは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションではなく、または第1のPPDUは、トリガフレームを含み、トリガフレーム内の任意のユーザ情報フィールド内のアソシエーション識別子は、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションのアソシエーション識別子と一致せず、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子は、トリガフレーム内に存在しない。本明細書におけるアソシエーション識別子は、アソシエーション識別子(AID)であり得る。換言すれば、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間(ΔT)内に受信された第1のPPDUは、ユニキャストアドレスを有するフレームを含み、受信アドレスは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションではなく、または第1の受信されたPPDUは、トリガフレームを含むが、任意のユーザ情報フィールド内のAID 12は、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションのAIDと一致せず、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すAIDは存在しない。
【0250】
図11dは、本出願の一実施形態によるプリセット条件の第4の概略図である。図11dに示されるように、APがMU-RTSフレームを送信した後、non-AP MLDにあり、リンク1上で動作するSTAが、MU-RTSフレームを受信した後の第1の持続時間(ΔT)内に前述の条件(4)または(5)を満たす場合、non-AP MLDは、リンク1上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに直ちに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0251】
プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件がΔT以内に決定されると、リスニング動作を実施するために第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替える動作が直ちに実施されてよく、換言すれば、ΔTの時点で切り替えが実施される必要はないことを理解されたい。
【0252】
それに応じて、初期制御フレームまたは初期フレームとの交換が成功したかどうかを決定するためのnon-AP MLDの基礎を提供するために、APの挙動がさらに制限される必要がある。具体的には、第1のAPは、第1のリンク上で第1のフレーム(初期制御フレームまたは初期フレーム)を送信し、第1のフレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるようにnon-AP MLDに指示する。第1のフレームの応答フレーム(例えば、ACKフレーム)を受信した後、第1のAPは、PPDUを送信する。PPDUはユニキャストフレームを含み、ユニキャストフレームの受信アドレスは、non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションを示す。代替的に、PPDUはトリガフレームを含み、トリガフレームは、non-AP MLD内にあり、アップリンク伝送を実施するために第1のリンク上で動作するステーションをスケジューリングするために使用される。加えて、第1のAPは、第1のフレームを送信した後の時間範囲内に第2のリンク上でnon-AP MLDに第1のフレームを送信することができない。本明細書において、第2のリンクは、non-AP MLDにおける第1のリンク以外のリンクである。本明細書における時間範囲は、non-AP MLDが第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えてリスニング動作を実施する持続時間(SwitchDelay)と、第1の持続時間(ΔTとして示される)との合計である。換言すれば、APが初期制御フレーム/初期フレームを送信するリンクはリンクiであり、APが初期制御フレーム/初期フレームの応答フレームを受信した後、第1の送信されたPPDUは、non-AP MLDにありリンクi上で動作するステーションを受信として有するユニキャストフレームを含む必要があるか、またはnon-AP MLDにありリンクi上で動作するステーションを明示的にスケジューリングするためのトリガフレームを含む必要があると仮定される。また、APは、初期制御フレーム/初期フレームを送信した後、ΔT+SwitchDelayの時間範囲内に、他のリンクj(j≠i)上のnon-AP MLDに初期制御フレーム/初期フレームを再伝送することを許可されない。
【0253】
本出願のこの実施形態では、APの挙動は制限され、APが初期制御フレーム/初期フレームの応答フレームを受信した後にAPによって送信される第1のPPDUは要件を満たす必要があることが知見され得る。このようにして、ステーション側が第1の持続時間内に対応するPPDUを受信しない場合、それは、第1のフレームの交換が失敗したことを示す。
【0254】
場合によっては、第1の持続時間(ΔT)は、規格において指定されてもよく、またはビーコンフレームなどにおいてAPによってブロードキャストされてもよい。第1の持続時間は、時間最小値以上であり得る。本明細書において、時間最小値(すなわち、第1の持続時間の最小値)は、
ΔTmin=tcts+2tSIFS+tpreamble+tMPDU
ΔTmin=tcts+2tSIFS+tpreamble、および
ΔTmin=tcts+tSIFS+tPIFS+taSlotTime
のうちの1つであってよく、式中、ΔTは第1の持続時間を表し、ΔTminは第1の持続時間の最小値(すなわち、最小時間値)を表し、tctsは(clear to send、CTS)フレームの伝送持続時間を表し、tSIFSはショートフレーム間空間(SIFS)の持続時間を表し、Tpreambleはプリアンブルの受信持続時間を表し、tMPDUはメディアアクセス制御(medium access control、MAC)プロトコルデータユニット(MAC Protocol Data Unit、MPDU)の伝送持続時間を表し、tPIFSはポイント協調機能フレーム間空間(Point coordination function Interframe Space、PIFS)の持続時間を表し、taSlotTimeは1つのスロット(slot)の持続時間を表す。
【0255】
本出願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、non-AP MLDがSTAに置き換えられ、「第1のフレーム」が「初期フレーム」に置き換えられるならば、マルチユーザSM PSに依然として適用可能であることを理解されたい。non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、「STAは、直ちにシングル受信チェーンモードに再び切り替わる」と置き換えられる。本出願のこの実施形態は、独立して実装され得るか、または前述の実施形態のうちのいずれか1つとともに実装され得ることをさらに理解されたい。これは、本出願において限定されない。
【0256】
本出願のこの実施形態では、APの挙動は、初期制御フレームまたは初期フレームとの交換が成功したかどうかをステーション側が決定するための基礎を提供するように制限されることが知見され得る。交換が失敗した後に初期フレーム/初期制御フレームが時間内にリスニング動作に再び切り替えられることができるように、ステーション側が交換失敗を決定する条件が設計される。これは、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムを改善し、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業効率およびスイッチング効率をさらに改善することができる。
【0257】
図12は、本出願の一実施形態による通信方法の第5の概略フローチャートである。本方法は、フレーム交換持続時間を設定することによってEMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムをどのように簡略化するかを説明する。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。図12に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0258】
S501:第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送する。
【0259】
任意選択で、第1のフレームは、初期制御フレームであってもよく、または初期フレームでなくてもよい。第1のフレームは、1つ以上の第2の持続時間を搬送し、第1のフレームは、durationフィールドをさらに搬送し得る。第1のフレームが1つの第2の持続時間を搬送する場合、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間であってよく、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。代替的に、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる(第1のnon-AP MLDを含む)全てのnon-AP MLDに第1のAPによって割り当てられる総持続時間であり得る。この場合、第2の持続時間の開始時点は、各non-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のフレームが複数の第2の持続時間を搬送し、複数の第2の持続時間が第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間を含む場合、第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のnon-AP MLDは、EMLSRまたはEMLMRをサポートする。
【0260】
任意選択で、第1のフレームは、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて第1のAPとのフレーム交換を実施するように、(第1のnon-AP MLDを含む)non-AP MLDに指示する。第2の持続時間は、non-AP MLD(第1のnon-AP MLDを含む)が、第2の持続時間の後にリスニング動作を実施するために、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替えることを可能にするために使用される。
【0261】
S502:第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点であり、第1のnon-AP MLDはEMLをサポートし、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。
【0262】
S503:第1のnon-AP MLDは、第2の持続時間の後、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替える。
【0263】
任意選択で、ステップS501の前に、第1のnon-AP MLDは、第1のnon-AP MLDによってサポートされるEMLモードを第1のAPに通知してもよい。一実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLSRをサポートする。別の実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、または第1のnon-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをサポートする。代替的に、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRおよびシングルユーザEMLSR/EMLMRの両方をサポートする。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0264】
任意選択で、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレーム(すなわち、初期制御フレームまたは初期フレーム)を受信し、第1のフレームは第2の持続時間を搬送する。第2の持続時間は、第1のAPによって第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間であってもよく、または、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる全てのnon-AP MLDに第1のAPによって割り当てられた総持続時間であってもよい。第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信した後、第1のnon-AP MLDは、各リンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施する。第1のnon-AP MLDは、第2の持続時間の後に、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0265】
一実装形態では、第2の持続時間が第1のAPにより第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間(T1と示される)である場合、第2の持続時間は、第1のAPが第1のnon-AP MLDとフレーム交換を実施する持続時間を含んでもよい。任意選択で、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDが各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間をさらに含むことができる。
【0266】
例えば、図13を参照されたい。図13は、本出願の一実施形態による、APと、EMLSRをサポートするnon-AP MLDとの間の交換の概略図である。図13に示されるように、APは、MU-RTSフレームにおいて、各non-AP MLD内にあり、リンク1上で動作する各STAのための1つのフレーム交換持続時間(すなわち、第2の持続時間)を示す。したがって、異なるnon-AP MLD中にあり、リンク1上で動作するSTAのフレーム交換持続時間は異なり得る。図13では、non-AP MLD 1にあり、リンク1上で動作するnon-AP STA 11のフレーム交換持続時間はT1であり、non-AP MLD 2にあり、リンク1上で動作するnon-AP STA 21のフレーム交換持続時間はT2である。MU-RTSフレームを受信した後、EMLSRをサポートするnon-AP MLDは、リンク1上の空間ストリーム/アンテナ切り替えを完了し、MU-RTSフレームが正常に送信/受信された瞬間から、EMLSRをサポートするnon-AP MLDのフレーム交換持続時間内にAPとのフレーム交換を実施する。EMLSRをサポートするnon-AP MLDのフレーム交換持続時間が終了すると、EMLSRをサポートするnon-AP MLDは、リンク1上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。任意選択で、フレーム交換持続時間(すなわち、第2の持続時間)は、APによって異なるSTAに割り当てられたTXOP Durationに設定されてもよく、この持続時間内に対応するSTAとのフレーム交換を完了するために、経験およびチャネル状態に基づいてAPによって決定されてもよい。
【0267】
この実装形態では、APは異なる持続時間を異なるSTAに割り当てることができ、柔軟性がより高いことが知見され得る。
【0268】
別の実装形態では、第2の持続時間が、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされた全てのnon-AP MLDに第1のAPによって割り当てられた総持続時間(Tと示される)である場合、第2の持続時間は、第1のAPが複数のnon-AP MLD(すなわち、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされた全てのnon-AP MLD)とフレーム交換を実施する持続時間を含み得る。任意選択で、第2の持続時間は、複数のnon-AP MLDの各々が別のリンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える持続時間をさらに含み得る。複数のnon-AP MLDは、第1のnon-AP MLDを含む。
【0269】
例えば、図14を参照されたい。図14は、本出願の一実施形態による、EMLSRをサポートするAPとnon-AP MLDとの間の別の交換の概略図である。図14に示されているように、APは、MU-RTSフレーム中で固定持続時間Tを搬送する。MU-RTSフレームを受信した後、EMLSRをサポートするnon-AP MLD(複数のnon-AP MLDがあってもよい)は、リンク1上で空間ストリーム/アンテナ切り替えを完了し、MU-RTSフレームが正常に送信/受信された瞬間から持続時間T内にAPとのフレーム交換を実施する。EMLSRをサポートする各non-AP MLDは、持続時間Tが満了したときに、リンク1上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。任意選択で、持続時間T(すなわち、第2の持続時間)は、リンク1上のAPのTXOP Durationに設定されてもよく、またはより短くてもよい。例えば、持続時間Tは、持続時間T内にフレーム交換を完了するために、経験およびチャネル状態に基づいてAPによって決定される。
【0270】
この実装形態では、固定持続時間を使用することによってEMLSR/EMLMRの作業メカニズムはさらに簡略化されることができ、実装の複雑さがより低いことが知見され得る。
【0271】
図13および図14は、non-AP MLDがEMLSRをサポートする例のみを使用することによって説明されることを理解されたい。non-AP MLDは、「MU-RTSフレーム」を「初期フレーム」に置き換え、「EMLSR」を「EMLMR」に置き換えれば、non-AP MLDがEMLSRをサポートするのと同様に、EMLMRをサポートする。
【0272】
任意選択で、第2の持続時間は、第1のフレームの共通情報フィールドまたはユーザ情報フィールドに配置されてもよい。一例では、第2の持続時間が、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる全てのnon-AP MLDに第1のAPによって割り当てられた総持続時間である場合、第2の持続時間は、第1のフレームの共通情報フィールド中に配置され得る。別の例では、第2の持続時間が、第1のAPによって第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間である場合、第2の持続時間は、第1のフレームのユーザ情報フィールドまたは共通情報フィールドに配置され得る。
【0273】
任意選択で、第2の持続時間は、第1のリンク上の第1のAPのTXOP持続時間(duration)以下である。
【0274】
本出願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、non-AP MLDがSTAに置き換えられ、「第1のフレーム」が「初期フレーム」に置き換えられるならば、マルチユーザSM PSに依然として適用可能であることを理解されたい。「第1のnon-AP MLDは、第2の持続時間の後に、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替える」ことは、「STAは、第2の持続時間の直後にシングル受信チェーンモードに再び切り替わる」と置き換えられる。任意選択で、本出願のこの実施形態は、独立して実装されてもよく、または前述の実施形態のうちのいずれか1つ以上とともに実装されてもよい。これは、本出願において限定されない。
【0275】
本出願のこの実施形態では、APによって決定されたフレーム交換持続時間は、初期制御フレームまたは初期フレームで搬送され、フレーム交換持続時間の後、リスニング動作に直接切り替えられることが知見され得る。したがって、EMLSRおよび/またはEMLMRの動作メカニズムが簡略化され、論理実行の複雑さおよび実装の複雑さは低減されることができる。
【0276】
図15は、本出願の一実施形態による通信方法の第6の概略フローチャートである。本方法は、複数のステーションが、1つのタイマ(timer)を共同で維持することによって、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムを簡略化するという説明を提供する。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。図15に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0277】
S601:non-AP MLDは、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、タイミングを開始し、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施し、non-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0278】
S602:non-AP MLDと第1のAPとの間のフレーム交換プロセスにおいて第4のフレームが受信され、第4のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間が第1のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間よりも遅い場合、non-AP MLDは、タイミングの終了時間を第4のフレーム内の持続時間フィールドによって示されるTXOP終了時間に更新する。
【0279】
S603:タイミングが0に達すると、non-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0280】
任意選択で、ステップS601の前に、non-AP MLDは、non-AP MLDによってサポートされるEMLモードを第1のAPに通知してもよい。一実装形態では、non-AP MLDはEMLSRをサポートする。別の実装形態では、non-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、またはnon-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをサポートする。代替的に、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRおよびシングルユーザEMLSR/EMLMRの両方をサポートする。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0281】
任意選択で、第1のAPは、第1のリンク上の複数のnon-AP MLDに第1のフレームを送信することができ、複数のnon-AP MLDは、同じEMLモードをサポートする。例えば、複数のnon-AP MLDは全てEMLSRをサポートし、または複数のnon-AP MLDは全てEMLMRをサポートする。代替的に、複数のnon-AP MLDは、EMLSRとEMLMRの両方をサポートする。第1のリンク上で第1のフレームを受信した後、各non-AP MLDは、タイミングを開始し、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、non-AP MLDの各リンク上の空間ストリーム/アンテナを第1のリンクに切り替える。換言すれば、第1のフレームを受信した後、複数のnon-AP MLDは、1つのタイマ(timer)を共同で維持し、タイマは、第1のAPの残りのTXOP持続時間を記録するために使用される。初期化中(換言すれば、第1のフレームが受信された後)、タイマは、第1のフレーム中のdurationフィールドによって示される持続時間に設定される。複数のnon-AP MLDのうちの1つのnon-AP MLDと第1のAPとの間のフレーム交換処理において第4のフレームが受信され、第4のフレームのdurationフィールドが示すTXOP終了時間が第1のフレームのdurationフィールドが示すTXOP終了時間よりも遅い場合、non-AP MLDは、タイミングの終了時間を第4のフレームのdurationフィールドが示すTXOP終了時間に更新する。換言すれば、non-AP MLDは、複数のnon-AP MLDによって共同で維持されるタイマ(timer)の終了時間を、第4のフレーム内のdurationフィールドによって示されるTXOP終了時間に修正する。タイミングが0に達したとき(すなわち、タイマが0であるとき)、各non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替える。
【0282】
例えば、図16を参照されたい。図16は、本出願の一実施形態による、TXOP持続時間に基づくEMLSRの動作の概略図である。図16に示すように、APは、リンク1上でnon-AP MLD 1およびnon-AP MLD 2にMU-RTSフレームを送信する。non-AP MLD 1およびnon-AP MLD 2がそれぞれリンク1上でMU-RTSフレームを受信した後、non-AP MLD 1内にあり、リンク1上で動作するSTA 11と、non-AP MLD 2内にあり、リンク1上で動作するSTA 21とは、共同で1つのタイマ(timer)を維持する。タイマは、APの残りのTXOP持続時間を記録するために使用される。初期化の間、STA 11およびSTA 21によって共同で維持されるタイマ(timer)は、MU-RTSフレームのDurationフィールドによって示される持続時間に設定される。APとSTA 11およびSTA 21との間でフレーム交換を実施するプロセスにおいて、TXOP終了時間が、APによって送信されたフレームを使用することによって更新される(すなわち、延長される)場合、STA 11およびSTA 21によって共同で維持されるタイマ(timer)も、それに応じて更新される必要がある。具体的には、タイマの終了時間は、フレーム内のDurationフィールドによって示される終了時間に更新される。タイマが0に達すると、各non-AP MLDは、リンク1上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0283】
図16では、EMLSRの作業手順のみが説明のための例として使用されることを理解されたい。EMLMRの動作手順は、「MU-RTSフレーム」が「初期フレーム」に置き換えられ、「EMLSR」が「EMLMR」に置き換えられるという条件で、EMLSRの動作手順と同じである。
【0284】
本出願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、non-AP MLDがSTAに置き換えられ、「第1のフレーム」が「初期フレーム」に置き換えられるならば、マルチユーザSM PSに依然として適用可能であることを理解されたい。「タイミングが0に達すると、non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替える」ことは、「STAは、タイミングが0に達すると直ちにシングル受信チェーンモードに再び切り替わる」と置き換えられる。任意選択で、本出願のこの実施形態は、独立して実装されてもよく、または前述の実施形態のうちのいずれか1つ以上とともに実装されてもよい。これは、本出願において限定されない。
【0285】
本出願のこの実施形態では、複数のステーション(APと同じリンク上で動作し、異なるnon-AP MLDに属する複数のステーション)が、1つのタイマ(timer)を共同で維持するように制限されることが知見され得る。フレーム交換処理において、いずれかのステーションがTXOP終了時間更新情報を受信すると、タイマの終了時間が最新のTXOP終了時間に更新される。タイマが0に達すると、リスニング動作に切り替えられる。したがって、本出願のこの実施形態では、各ステーションは、ステーションのタイマを維持する必要がない。したがって、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムが簡略化され、論理実行の複雑さおよび実装の複雑さは低減されることができる。加えて、本出願のこの実施形態では、初期制御フレームまたは初期フレームは、追加の指定された持続時間を搬送する必要がなく、その結果、non-AP MLDは、この持続時間内にAPとのフレーム交換を完了し、それによって、シグナリングオーバーヘッドを低減する。
【0286】
図17は、本出願の一実施形態による通信方法の第7の概略フローチャートである。本方法は、既存のモアデータサブフィールドの指示を使用することによって、EMLSRおよび/またはEMLMRの動作メカニズムが簡略化されるという説明を提供する。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。図17に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0287】
S701:第1のAPは、第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。
【0288】
S702:第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施し、第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0289】
任意選択で、ステップS701の前に、第1のnon-AP MLDは、第1のnon-AP MLDによってサポートされるEMLモードを第1のAPに通知してもよい。一実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLSRをサポートする。別の実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、または第1のnon-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをサポートする。代替的に、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRおよびシングルユーザEMLSR/EMLMRの両方をサポートする。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0290】
任意選択で、第1のAPは、第1のリンク上で初期制御フレームまたは初期フレームを送信する。第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに初期制御フレームまたは初期フレームを受信し、各リンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施する。
【0291】
S703:第1のAPは、第1のリンク上で第2のフレームを送信し、第2のフレームはモアデータサブフィールドを含む。
【0292】
S704:第1のnon-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第2のフレームを受信し、第2のフレームはモアデータサブフィールドを含む。
【0293】
S705:第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が0である場合、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。
【0294】
一実装形態では、第1のリンク上で第1のAPと第1のnon-AP MLDとの間のフレーム交換を実施するプロセスにおいて、第1のAPは、第1のリンク上で第2のフレームを送信し、第2のフレームはモアデータ(more data)サブフィールドを含む。more dataサブフィールドの値および意味の詳細については、802.11axまたは802.11be規格のセクション9.2.4.1.8を参照されたい。詳細は本明細書では説明されない。それに対応して、第1のnon-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第2のフレームを受信する。APは、APが次のフレーム中にSTAのためのデータを依然として有するかどうかを示すために、各ステーションのモアデータサブフィールドを搬送するフレーム、例えば、データフレームを送信することができることを理解されたい。モアデータサブフィールドの値が1である場合、それは、APが次のフレームにおいてSTAのためのデータを依然として有することを示す。モアデータサブフィールドの値が0である場合、APが次のフレームでSTAのためのデータを有しないことを示す。本明細書において、第2のフレームは、第1のnon-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するSTAのモアデータ(more data)サブフィールドを搬送する。第2のフレーム中のモアデータサブフィールドの値が0である場合、それは、APが、次のフレーム中に、第1のnon-AP MLD中にあり、第1のリンク上で動作するSTAのためのデータを有しないことを示す。この場合、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。任意選択で、第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が0である場合、第2のフレームの応答フレームの送信が完了した後、第1のnon-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることができる。当然ながら、第2のフレームにおけるモアデータサブフィールドの値が1である場合、それは、APが、次のフレームにおいて、第1のnon-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するSTAのためのデータを依然として有することを示す。この場合、第1のnon-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で受信し続ける。
【0295】
例えば、図18を参照されたい。図18は、本出願の一実施形態による、more dataサブフィールドに基づくEMLSRの作業の概略図である。図18に示されるように、APは、リンク1上でMU-RTSフレームを送信する。MU-RTSフレームを受信した後、EMLSRをサポートするnon-AP MLD(複数のnon-AP MLDがあってもよい)は、リンク1上で空間ストリーム/アンテナ切り替えを完了する。全てのSTA(本明細書では、non-AP MLD 1にあり、リンク1上で動作するSTA 11、またはnon-AP MLD 2にあり、リンク1上で動作するSTA 21を指す)がAPのデータパケットを受信するプロセスでは、more dataサブフィールドの値が0であることをSTAが発見した場合、STAが応答フレームの送信を完了した後、STAが属するnon-AP MLDは、リンク1上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。一方、more dataサブフィールドの値が1である場合、STAは、複数の空間ストリーム/アンテナを使用することによって、このリンク(すなわち、リンク1)上で動作し続ける。
【0296】
図18では、EMLSRの作業手順のみが説明のための例として使用されることを理解されたい。EMLMRの動作手順は、「MU-RTSフレーム」が「初期フレーム」に置き換えられ、「EMLSR」が「EMLMR」に置き換えられるという条件で、EMLSRの動作手順と同じである。
【0297】
この実装形態では、EMLSR/EMLMRの動作メカニズムを簡略化するために、non-AP MLDの挙動が制限され、more dataサブフィールドの値および意味を変更することなく、既存のmore dataサブフィールドのシグナリング指示が完全に再利用され得ることが知見され得る。
【0298】
別の実装形態では、第1のリンク上で第1のAPと第1のnon-AP MLDとの間のフレーム交換を実施するプロセスにおいて、第1のAPは、第1のリンク上で第2のフレームを送信し、第2のフレームはモアデータ(more data)サブフィールドを含む。モアデータサブフィールドの値が0である場合、それは、第1のnon-AP MLDが、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す(暗黙的な指示または明示的な指示であり得る)。モアデータサブフィールドの値が1であるとき、それは、第1のnon-AP MLDが複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で受信し続けることを示す(それは暗黙的指示または明示的指示であり得る)。それに対応して、第1のnon-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第2のフレームを受信する。第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が0である場合、第1のnon-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、モアデータサブフィールドの指示に基づいて、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替える。任意選択で、第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が0である場合、第2のフレームの応答フレームの送信が完了された後、第1のnon-AP MLDは、モアデータサブフィールドの指示に基づいて、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施することができる。当然ながら、第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が1である場合、それは、第1のnon-AP MLDが複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で受信し続けることを示す。この場合、第1のnon-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で受信し続ける。
【0299】
この実装形態では、EMLSR/EMLMRの動作メカニズムを簡略化するために、新しい意味(暗黙的指示であり得る)がmore dataサブフィールドに追加されることが知見され得る。加えて、意味は明確であり、ステーション側での構文解析を容易にする。
【0300】
さらに別の実装形態では、第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送する。詳細については、図12に示される実施形態における対応する説明を参照されたい。詳細は本明細書では再び説明されない。説明を容易にするために、1つの第2の持続時間が以下の例として使用され、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDによって使用され得る。換言すれば、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる全てのnon-AP MLD(第1のnon-AP MLDを含む)に第1のAPによって割り当てられる総持続時間である。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPによって第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間である。第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のnon-AP MLDが第1のリンク上で第1のフレームを受信すると、第1のnon-AP MLDはタイミングを開始する。タイミングが第2の持続時間に達する前に、第1のリンク上の第1のnon-AP MLDによって受信された第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が0である場合、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。第1のリンク上で第1のnon-AP MLDによって受信された第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が1である場合、第1のnon-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で受信を継続する。タイミングが第2の持続時間に達した場合、第1のリンク上の第1のnon-AP MLDによって受信された第2のフレーム内のmore dataサブフィールドの値が1であるか0であるかにかかわらず、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各空間ストリームに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0301】
例えば、図19を参照されたい。図19は、本出願の一実施形態による、more dataサブフィールドと持続時間との組み合わせに基づくEMLSRの動作の概略図である。図19に示されるように、固定された持続時間Tが一例として使用される。APは、固定持続時間Tを搬送するMU-RTSフレームを送信する。MU-RTSフレームを受信した後、EMLSRをサポートするnon-AP MLD(複数のnon-AP MLDがあってもよい)は、リンク1上で空間ストリーム/アンテナ切り替えを完了し、MU-RTSフレームが正常に送信/受信された瞬間から持続時間T内にAPとのフレーム交換を実施する。持続時間Tが満了する前に、全てのSTA(本明細書では、non-AP MLD 1にあり、リンク1上で動作するSTA 11、またはnon-AP MLD 2にあり、リンク1上で動作するSTA 21を指す)がAPのデータパケットを受信するプロセスにおいて、more dataサブフィールドの値が0であることをSTAが発見した場合、non-AP STAが応答フレームの送信を完了した後、STAが属するnon-AP MLDは、リンク1上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。一方、more dataサブフィールドの値が1である場合、STAは、複数の空間ストリーム/アンテナを使用することによって、このリンク(すなわち、リンク1)上で動作し続ける。持続時間Tが満了すると、最近のmore dataサブフィールドの値にかかわらず、STAが属するnon-AP MLDは、リンク1上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する必要がある。
【0302】
図19では、EMLSRの作業手順のみが説明のための例として使用されることを理解されたい。EMLMRの動作手順は、「MU-RTSフレーム」が「初期フレーム」に置き換えられ、「EMLSR」が「EMLMR」に置き換えられるという条件で、EMLSRの動作手順と同じである。加えて、図19では、固定持続時間Tのみが、説明のための例として使用される。一部の実施形態では、固定持続時間Tは、第1のAPによって第1のnon-AP MLDに個々に割り当てられた持続時間T1と、代替的に置き換えられてもよい。
【0303】
この実装形態では、more dataサブフィールドが独立して使用されるとき、non-AP MLDがmore dataサブフィールドの値0をmore dataサブフィールドの値1に誤って復号するため、non-AP MLDがリスニング動作に再び切り替わることができないという問題を解決するために、more dataサブフィールドと持続時間との組み合わせを使用することによって、non-AP MLDがスイッチングを実施するかどうかが決定されることが知見され得る。
【0304】
本出願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するSTAがエネルギー節約(PS)モードにあるかアクティブ(Active)モードにあるかを限定しないことを理解されたい。換言すれば、本出願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、PSモードにあるSTAとアクティブモードにあるSTAの両方に適用可能であり得る。
【0305】
本出願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、non-AP MLDがSTAに置き換えられ、「第1のフレーム」が「初期フレーム」に置き換えられるならば、依然としてマルチユーザSM PSに適用可能であることをさらに理解されたい。non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、「STAは、直ちにシングル受信チェーンモードに再び切り替わる」と置き換えられる。任意選択で、本出願のこの実施形態は、独立して実装されてもよく、または前述の実施形態のうちのいずれか1つ以上とともに実装されてもよい。これは、本出願において限定されない。
【0306】
本出願のこの実施形態では、既存のシグナリング指示が使用され、および/またはnon-AP MLDの挙動が制限され、タイマが維持される必要がないことが知見され得る。したがって、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムが簡略化され、論理実行の複雑さおよび実装の複雑さは低減されることができる。
【0307】
図20は、本出願の一実施形態による通信方法の第8の概略フローチャートである。本方法は、既存のサービス期間終了(End of Service Period、EOSP)サブフィールドの指示を使用することによって、EMLSRおよび/またはEMLMRの動作メカニズムが簡略化されるという説明を提供する。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。図20に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0308】
S801:第1のAPは、第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。
【0309】
S802:第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信し、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施し、第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0310】
任意選択で、本出願のこの実施形態におけるステップS801およびステップS802の実装形態については、前述の実施形態7におけるステップS701およびステップS702の実装形態を参照されたい。詳細は本明細書では再び説明されない。
【0311】
S803:第1のAPが第1のリンク上で第3のフレームを送信し、第3のフレームはEOSPサブフィールドを含み、EOSPサブフィールドは1に設定される。
【0312】
S804:第1のnon-AP MLDは、複数の空間ストリームを用いて第1のリンク上で第3のフレームを受信し、第3のフレームはEOSPサブフィールドを含み、EOSPサブフィールドは1に設定される。
【0313】
S805:第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。
【0314】
任意選択で、第3のフレームは、サービス品質(Quality of Service、QoS)データフレームまたはサービス品質ヌル(QoS Null)フレームであってもよい。第3のフレームはEOSPサブフィールドを搬送し、EOSPサブフィールドは1に設定される。EOSPサブフィールドの値および意味の詳細については、802.11REVmd規格のセクション9.2.4.5.3における説明を参照されたい。詳細は本明細書では説明されない。
【0315】
一実装形態では、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を終了しようとする場合、第1のAPは、第1のリンク上で第3のフレームを送信することができ、第3のフレームはEOSPサブフィールドを含み、EOSPサブフィールドは1に設定される。複数の空間ストリーム/複数のアンテナを使用することによって第1のリンク上で第3のフレームを受信した後、第1のnon-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替える。換言すれば、第1のAPは、フレーム、例えば、QoSデータフレームまたはQoSヌルフレームを、第1のnon-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するSTAに送信することができ、ここで、フレームはEOSPサブフィールドを搬送し、EOSPサブフィールドは1に設定される。STAがフレームを受信した後、第1のnon-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替える。第1のAPは、ユニキャスト方式で第3のフレームを送信してよく、または、マルチキャストまたはブロードキャスト方式で第3のフレームを送信してよい。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換をさらに実施する必要がある場合、第1のAPは第3のフレームを送信しなくてもよい。
【0316】
この実装形態では、non-AP MLDの切り替えは、APによって送信されたEOSPサブフィールドを使用することによって制御され、non-AP MLD内のステーションはタイマを維持する必要がなく、それによって、ステーション側の動作を簡略化することが知見され得る。加えて、この実装形態では、EOSPサブフィールドの値および意味を変更することなく、既存のEOSPサブフィールドのシグナリング指示が完全に再使用され得る。
【0317】
別の実装形態では、第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換を終了しようとする場合、第1のAPは第1のリンク上で第3のフレームを送信することができ、第3のフレームはEOSPサブフィールドを含む。EOSPサブフィールドが1に設定された場合、それは、第1のnon-AP MLDが、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替えることを示す。複数の空間ストリーム/複数のアンテナを使用することによって第1のリンク上で第3のフレームを受信した後、第1のnon-AP MLDは、第3のフレーム内のEOSPサブフィールドの指示に基づいて、第1のリンク上のストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。第1のAPは、ユニキャスト方式で第3のフレームを送信してよく、または、マルチキャストまたはブロードキャスト方式で第3のフレームを送信してよい。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。第1のAPが第1のnon-AP MLDとのフレーム交換をさらに実施する必要がある場合、第1のAPは第3のフレームを送信しなくてもよい。
【0318】
この実装形態では、EMLSR/EMLMRの動作メカニズムを簡略化するために、(暗黙の指示であり得る)新しい意味がEOSPサブフィールドに追加されることが知見され得る。加えて、意味は明確であり、ステーション側での構文解析を容易にする。
【0319】
さらに別の実装形態では、第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送する。詳細については、図12に示される実施形態における対応する説明を参照されたい。詳細は本明細書では再び説明されない。説明を容易にするために、1つの第2の持続時間が以下の例として使用され、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDによって使用され得る。換言すれば、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる全てのnon-AP MLD(第1のnon-AP MLDを含む)に第1のAPによって割り当てられる総持続時間である。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPによって第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間である。第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のnon-AP MLDが第1のリンク上で第1のフレームを受信すると、第1のnon-AP MLDはタイミングを開始する。タイミングが第2の持続時間に達する前に、第1のnon-AP MLDが第1のリンク上で第3のフレームを受信し、第3のフレームがEOSPサブフィールドを含み、EOSPサブフィールドが1に設定されている場合、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。タイミングが第2の持続時間に達した場合、第1のnon-AP MLDが第1のリンク上で第3のフレームを受信したか否かにかかわらず、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各空間ストリームに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【0320】
この実装形態では、non-AP MLDがチャネル品質などの理由によりEOSPサブフィールドを受信しないため、non-AP MLDがリスニング動作に再び切り替わることができないという問題を解決するために、non-AP MLDが切り替えを実施するかどうかが、EOSPサブフィールドと持続時間との組み合わせを使用することによって決定されることが知見され得る。
【0321】
本出願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するSTAがエネルギー節約(PS)モードにあるかアクティブ(Active)モードにあるかを限定しないことを理解されたい。換言すれば、本出願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、PSモードにあるSTAとアクティブモードにあるSTAの両方に適用可能であり得る。
【0322】
本出願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、non-AP MLDがSTAに置き換えられ、「第1のフレーム」が「初期フレーム」に置き換えられるならば、依然としてマルチユーザSM PSに適用可能であることをさらに理解されたい。non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、「STAは、直ちにシングル受信チェーンモードに再び切り替わる」と置き換えられる。任意選択で、本出願のこの実施形態は、独立して実装されてもよく、または前述の実施形態のうちのいずれか1つ以上とともに実装されてもよい。これは、本出願において限定されない。
【0323】
本出願のこの実施形態では、APがnon-AP MLDとのフレーム交換を終了しようとするとき、APは、フレームを送信し、フレーム内でEOSPサブフィールドを搬送し、EOSPサブフィールドを1に設定し、その結果、non-AP MLDは、フレームを受信した後にリスニング動作に再び切り替わることが知見され得る。タイマを維持する必要はなく、それによって、EMLSRおよび/またはEMLMRの作業メカニズムを簡略化し、論理実行の複雑性および実装の複雑性を低減させる。
【0324】
図21は、本出願の一実施形態による情報交換方法の概略フロー図である。本方法は、non-AP MLDがマルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートするかどうかをどのように示すかを説明する。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。図21に示すように、情報交換方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0325】
S901:non-AP MLDは、MACフレームを生成し、MACフレームは、第1の指示情報を搬送し、第1の指示情報は、non-AP MLDがマルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートするかどうかを示す。
【0326】
S902:non-AP MLDはMACフレームを送信する。
【0327】
S903:第1のAPがMACフレームを受信する。
【0328】
S904:第1のAPが、MACフレームにおける第1の指示情報の指示に基づいて、non-AP MLDがマルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートするかどうかを決定する。
【0329】
任意選択で、MACフレームは、マルチリンク要素(Multi-Link element)の拡張マルチリンク能力フィールド(EML Capability field、EML)を含み、第1の指示情報は、MACフレームのEML能力フィールドに配置される。
【0330】
任意選択で、MACフレームは、拡張マルチリンク動作モード通知/ネゴシエーションフレーム(EML Operating Mode Notification/Negotiation frame)である。拡張マルチリンク動作モード通知/ネゴシエーションフレームは、non-AP MLDがEML動作を変更しようとしていること、例えば、EML動作を有効または無効にしようとしていることを示す。フレームは、通知またはネゴシエーションのために使用され得る。例えば、フレームはEHTアクションフレーム(EHT Action frame)であり、EHTアクションフレーム内のアクションフィールド(EHT Action field)の対応する値は表1に示されている。アクションフィールドの値が1であるとき、それは、EHTアクションフレームが拡張マルチリンク動作モード通知/ネゴシエーションフレームであることを示す。
【0331】
【表1】
【0332】
任意選択で、第1の指示情報の長さは1ビットである。例えば、当該ビットが0である場合、non-AP MLDがマルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートしないことを示し、当該ビットが1である場合、non-AP MLDがマルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートすることを示す。代替的に、ビットが1であるとき、それは、non-AP MLDがマルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートしないことを示し、ビットが0である場合、non-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートする。第1の指示情報の値と意味との間の対応関係は、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0333】
任意選択で、第1の指示情報の長さは2ビットである。2ビットのうちの1つは、non-AP MLDがマルチユーザEMLSRへの参加をサポートしないことを示し、他のビットは、non-AP MLDがマルチユーザEMLMRへの参加をサポートしないことを示す。例えば、2ビットが00である場合、それは、non-AP MLDがマルチユーザEMLSRおよびEMLMRへの参加をサポートしないことを示し、2ビットが01であるとき、それは、non-AP MLDがマルチユーザEMLMRへの参加をサポートしないが、マルチユーザEMLMRをサポートすることを示す。代替的に、2ビットが10である場合、それは、non-AP MLDがマルチユーザEMLSRに参加することをサポートするが、マルチユーザEMLMRをサポートしないことを示し、2ビットが11であるとき、それは、2ビットが予約されていることを示す。値と意味との間の対応は単なる例であることを理解されたい。実際には、値と意味との間に別の対応があってもよい。第1の指示情報の値と意味との間の対応関係は、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0334】
任意選択で、第1の指示情報が、non-AP MLDがマルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートすることを示す場合、第1のAPは、前述の実施形態のいずれか1つにおいて提供される技術的解決策を使用することによって、non-AP MLDと通信してもよい。第1の指示情報が、non-AP MLDがマルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートしないことを示す場合、第1のAPは、既存のSM PS規則を再利用することによって、non-AP MLDと通信することができる。
【0335】
任意選択で、本出願のこの実施形態は、独立して実装されてもよく、または前述の実施形態のうちのいずれか1つ以上とともに実装されてもよい。これは、本出願において限定されない。
【0336】
本出願のこの実施形態は、マルチユーザEMLSR/EMLMR通信の基盤を築くために、non-AP MLDがマルチユーザEMLSR/EMLMRへの参加をサポートするかどうかを示すシグナリングを提供することが知見され得る。
【0337】
図22は、本出願の一実施形態による情報交換方法の別の概略フローチャートである。本方法は、STA(本明細書の802.11ax規格および以前のバージョンではシングルリンクステーションまたはステーションを指す)がマルチユーザSM PSへの参加をサポートするかどうかをどのように示すかを説明する。図22のAPおよびSTAの両方は、シングルリンクデバイスである。図22に示すように、情報交換方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0338】
S1:STAがMACフレームを生成し、MACフレームは第2の指示情報を搬送し、第2の指示情報は、STAがマルチユーザSM PSへの参加をサポートするかどうかを示す。
【0339】
S2:STAがMACフレームを送信する。
【0340】
S3:APがMACフレームを受信する。
【0341】
S4:APが、MACフレーム内の第2の指示情報の指示に基づいて、STAがマルチユーザSM PSへの参加をサポートするかどうかを決定する。
【0342】
任意選択で、MACフレームは、EHT能力要素(EHT Capabilities element)を含み、第2の指示情報は、MACフレームのEML能力要素に配置される。
【0343】
任意選択で、MACフレームは、マルチリンク要素(Multi-Link Element)のリンク情報フィールド(Link Info field)を含み、第2の指示情報は、MACフレームのリンク情報フィールド内に配置される。
【0344】
任意選択で、第2の指示情報の長さは1ビットである。例えば、ビットが0である場合、それは、STAがマルチユーザSM PSへの参加をサポートしないことを示し、ビットが1であるとき、それは、STAがマルチユーザSM PSへの参加をサポートすることを示す。代替的に、ビットが1であるとき、それは、STAがマルチユーザSM PSへの参加をサポートしないことを示し、ビットが0である場合、それは、STAがマルチユーザSM PSへの参加をサポートすることを示す。第2の指示情報の値と意味との間の対応関係は、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0345】
任意選択で、第2の指示情報が、STAがマルチユーザSM PSへの参加をサポートすることを示す場合にのみ、APは、STAがマルチユーザSM PS動作に参加することを許可することができる。第2の指示情報が、STAがマルチユーザSM PSへの参加をサポートしないことを示す場合、APは、既存のSM PS規則を使用することによってSTAと通信することができる。
【0346】
任意選択で、本出願のこの実施形態は、独立して実装されてもよく、または前述の実施形態のうちのいずれか1つ以上とともに実装されてもよい。これは、本出願において限定されない。
【0347】
本出願のこの実施形態は、マルチユーザSM PS通信の基礎を築くために、シングルリンクSTAがマルチユーザSM PSへの参加をサポートするかどうかを示すシグナリングを提供することが知見され得る。
【0348】
本出願では、EMLSRをサポートするnon-AP MLDは、略してEMLSR non-AP MLDと称されることもある。non-AP MLD内の全てまたは一部のステーションがEMLSRをサポートする/EMLSRモードにある場合、non-AP MLDはEMLSR non-AP MLDである。説明を容易にするために、non-AP MLDにおけるEMLSRモードのnon-AP STAは、以下ではEMLSRステーションと称される。
【0349】
一部のシナリオ(限定はしないが、以下のシナリオ1を含む)では、APが1つ以上のステーション(1つ以上のステーションは、EMLSRステーションと称される、EMLSRモードにある少なくとも1つのステーションを含む)と通信するとき、APのフレーム送信または受信においてエラーが発生し得る。その結果、APは、EMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定することができず、APは、EMLSRステーションと通信することができないことがある。
【0350】
シナリオ1:APが、1つ以上のステーション(EMLSRステーションを含む)に、応答を必要とするダウンリンクフレーム、例えば、ユニキャストダウンリンクデータフレームまたはトリガフレームを送信するとき、以下のケースのいずれかが発生する:APがダウンリンクフレームを送信することに失敗するか、APが応答を受信しない(例えば、全てのステーションから応答が受信されないか、または一部のステーションから応答が受信されない)か、またはAPが応答を受信するが、応答の受信にエラーが発生する(例えば、全てのステーションによって返されたフレームの受信にエラーが発生するか、または一部のステーションによって返されたフレームの受信にエラーが発生する)。
【0351】
したがって、APが、1つ以上のEMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定することができないという前述の問題を解決するために、本出願の一実施形態は通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:APが、APと通信しているEMLSRステーション(またはEMLSR non-AP MLD)がリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定することができない場合、APは、EMLSRステーション(EMLSR non-AP MLD)に初期制御フレームを再び送信する。APは、EMLSRステーションに関連付けられる。任意選択で、APによってEMLSRステーションに送信される次のフレームは、初期制御フレームであり、その結果、通信は中断なしに継続することができる。
【0352】
APは、APと通信しているEMLSRステーション(またはEMLSR non-AP MLD)がリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定することができない多くの場合があることが理解され得る。以下では、説明のために例を使用する。以下の例は、本出願の実施形態において提供される技術的解決策に対して限定を課さないことを理解されたい。換言すれば、本出願のこの実施形態では、APと通信しているEMLSRステーション(またはEMLSR non-AP MLD)がリスニングモードに再び切り替わったかどうかをAPが決定することができない場合は、以下の例を含むが、以下の例に限定されない。
【0353】
例えば、図23を参照されたい。図23は、本出願の一実施形態による通信方法の第9の概略フローチャートである。本方法は、APと通信している1つ以上のEMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わったかどうかをAPが決定することができないとき、APと1つ以上のEMLSRステーションとの間の通信を中断されないように保つ方法について説明する。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。EMLSRステーションは、EMLSR non-AP MLDにおいてEMLSRモードのnon-AP STAである。図23に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0354】
S11:第1のAPがEMLSR non-AP MLDとフレーム交換を実施するプロセスにおいて、第1のAPは、応答を必要とするダウンリンクフレームをEMLSR non-AP MLDに送信する。
【0355】
S12:第1のAPがプリセット条件セット内の少なくとも1つの条件を満たす場合に、第1のAPは、初期制御フレームをEMLSR non-AP MLDに送信する。
【0356】
EMLSR non-AP MLDにおいて第1のAPに関連付けられたnon-AP STAは、EMLSRステーションである。
【0357】
任意選択で、第1のAPがEMLSR non-AP MLDとのフレーム交換を実施するプロセスにおいて、第1のAPは、ダウンリンクデータフレームまたはトリガフレームなどの、応答を必要とするダウンリンクフレームをEMLSR non-AP MLDに送信する。第1のAPがプリセット条件セット内の少なくとも1つの条件を満たす場合に、第1のAPは、初期制御フレームをEMLSR non-AP MLDに送信する。任意選択で、第1のリンク上で第1のAPによってEMLSR non-AP MLDに送信される次のフレームは、初期制御フレームである。
【0358】
プリセット条件セットは、第1のAPがダウンリンクフレームを送信することに失敗すること、第1のAPが応答を受信しないこと、または第1のAPが応答を受信するが、応答を受信する際にエラーが発生することを含む。換言すれば、第1のAPがEMLSR non-AP MLDとフレーム交換を実施するプロセスにおいて、第1のAPがEMLSR non-AP MLDへの応答を必要とするダウンリンクフレームを送信したが、第1のAPがダウンリンクフレームの送信に失敗したか、第1のAPが応答を受信しなかったか、または第1のAPが応答を受信したが応答の受信にエラーが発生した場合、第1のAPは、初期制御フレーム(MU-RTSフレームまたはBSRPフレームなどのinitial control frame)をEMLSR non-AP MLDに送信する。
【0359】
EMLSR non-AP MLD内のEMLSRステーションは、リスニング動作を実施するときにAPから初期制御フレームを受信するため、EMLSR non-AP MLDは、別のリンク上の空間ストリーム/アンテナをEMLSRステーションが動作するリンクに切り替えて、APとのフレーム交換を実施する。切り替え後、EMLSRステーションが動作するリンク上に複数の空間ストリームが存在する。加えて、APがEMLSR non-AP MLDへの応答を必要とするダウンリンクフレームを送信したが、ダウンリンクフレームが送信されなかった場合、APが応答を受信しなかった場合、またはAPが応答を受信したが応答の受信にエラーが発生した場合、APは、EMLSR non-AP MLD(内のEMLSRステーション)がリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定することができない。したがって、この場合、APは、初期制御フレームをEMLSR non-AP MLDに再び送信する。このとき、EMLSR non-AP MLD(のEMLSRステーション)がリスニングモードに再び切り替わっていた場合、EMLSR non-AP MLD(のEMLSRステーション)が再び初期制御フレームを受信すると、EMLSR non-AP MLDは、他のリンクの空間ストリーム/アンテナを、EMLSRステーションが再び動作するリンクに切り替えて、APとのフレーム交換を行う。このとき、EMLSR non-AP MLD(のEMLSRステーション)がリスニングモードに再び切り替わらなければ、EMLSR non-AP MLD(のEMLSRステーション)が再び初期制御フレームを受信したときに、EMLSR non-AP MLDは、EMLSRが動作するリンク上の複数の空間ストリームを維持する、すなわち、EMLSR non-AP MLDがリスニングモードに再び切り替わらないようにする。
【0360】
したがって、APが、1つ以上のEMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定することができない一部のシナリオでは、APは、通信が中断なしに継続することができるように、初期制御フレームを再び送信するように制限される。
【0361】
図24は、本出願の一実施形態による通信方法の第10の概略フローチャートである。第1のAPは、シングルリンクAPであり得るか、またはAP MLD内のAPであり得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。EMLSRステーションは、EMLSR non-AP MLDにおいてEMLSRモードにあるnon-AP STAである。図24に示すように、通信方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0362】
S21:第1のリンク上でリスニング動作を実施するときにAPによって送信された初期制御フレームを受信した後に、EMLSR non-AP MLDは、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、APとのフレーム交換を実施する。
【0363】
S22:EMLSR non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、EMLSR non-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。
【0364】
任意選択で、例えば、EMLSR non-AP MLDのための2つのリンク、すなわち、第1のリンクおよび第2のリンクがあり、EMLSR non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションは、EMLSRステーションである。EMLSR non-AP MLD(またはEMLSRモードのnon-AP MLD)が、第1のリンクおよび第2のリンクの各々についてリスニング動作(listening operation)を実施しているときに、第1のリンク上でAPから初期制御フレーム(MU-RTSフレームまたはBSRPフレームなど)を受信すると、EMLSRをサポートするnon-AP MLDは、別のリンク(本明細書では第2のリンクと称する)上の空間ストリーム/アンテナを第1のリンクに切り替えて、APとのフレーム交換を実施する。切り替え後、第1のリンク上に複数の空間ストリームが存在する。EMLSR non-AP MLDが、プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされていると決定した場合、EMLSR non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを第2のリンクに再び切り替え、第1のリンクおよび第2のリンクの各々についてリスニング動作を実施する。任意選択で、プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされているとnon-AP MLDが決定した場合、non-AP MLDは、EMLSR遷移遅延(EMLSR Transition Delay)持続時間の後に、リスニング動作に再び切り替わるものとする(shall)(switch back to the listening operation)。言い換えると、EMLSRモードにあるnon-AP MLD(またはEMLSRステーション)は、以下の条件のいずれかが満たされる場合、リスニングモードに再び切り替わる:
・non-AP MLD内にあり、初期制御フレームを受信するステーションは、SIFS時間+スロット時間+RxPHY開始遅延持続時間内にPHY-RXSTART.indicationプリミティブ(PHY-RXSTART.indication primitive)を受信しない。時間は、ステーションが、関連するAP MLDにおいてAPに返されるPPDUを送信する終了時点から開始して計算され、PPDUは、APから直近に受信されたフレームに応答するために使用される。代替的に、時間は、ステーションがAPによって送信されたPPDUを受信する終了時点から開始して計算され、PPDUは即時応答を必要としない。
・non-AP MLD内にあり、初期制御フレームを受信するステーションは、SIFS時間+スロット時間+RxPHY Start Delay持続時間内にPHY-RXSTART.indicationプリミティブを受信する。時間計算は、前の条件の時間計算規則と同じであり、詳細は本明細書では再び説明されない。加えて、PPDUは、ユニキャスト方式でステーションに送信されるフレーム、ユーザ情報(User Info)フィールドによって示され、ステーションに送信されるトリガフレーム、(ステーションに関連付けられた)APによって送信されるCTS-to-selfフレーム、アソシエーションIDごとのトラフィックID情報(Per Association ID Traffic ID Information、Per AID TID Info)によって示され、ステーションに送信されるマルチSTA BlockAck(Multi-STA Block Ack)フレーム、ステーション情報(STA Info)フィールドによって示され、ステーションに送信されるVHT/HE/EHTヌルデータパケット(null data packet、NDP)告知(Announcement)フレーム、(別のステーションによって)APに送信されるBAフレーム、またはAPによって送信されるユニキャストBARフレームではなく、
・non-AP MLD内にあり、初期制御フレームを受信するステーションは、最近受信されたフレームに応答せず、フレームは、関連付けられたAP MLD内のAPによって送信され、SIFS後に即時応答を要求する。
【0365】
本出願のこの実施形態において設定されるプリセット条件は、前述の条件のうちの1つ以上を含むことが理解され得る。
【0366】
本出願のこの実施形態では、EMLSR non-AP MLDをリスニングモードに再び切り替えるように切り替えるための一部の制約条件が提供され、EMLSR non-AP MLDの電力消費を低減し、不明確な切り替え条件に起因する繰り返しの切り替えを回避する。加えて、APのスケジューリングの柔軟性が改善され、APは、EMLSR non-AP MLDがリスニングモードに再び切り替えられるかどうかが不確実であるため、APがテストのためにEMLSR non-AP MLDにパケットを連続的に送信することが防止されることができる。換言すれば、APは、EMLSR non-AP MLDをスケジューリングし続け、不確実性を除去する。
【0367】
しかしながら、前述のEMLSR non-AP MLD切り替え規則(すなわち、EMLSR non-AP MLDがリスニングモードに再び切り替わるための制約条件)では、問題が生じる可能性がある。例えば、前述の第3の条件(換言すれば、「non-AP MLDにあり、初期制御フレームを受信するステーションは、最近受信したフレームに応答せず、フレームは、関連付けられたAP MLD内のAPによって送信され、SIFS後に即時応答を必要とする」)の下で、EMLSR non-AP MLDに関連付けられたAP MLD内のAPがEMLSR non-AP MLDから応答を受信しない場合、1つの可能性は、APが、EMLSR non-AP MLDが応答せず、リスニングモードに再び切り替わったと仮定することであり、もう1つの可能性は、EMLSR non-AP MLDが最近受信したフレームに応答するが、応答が失敗する(例えば、APが衝突のために応答を受信しない)ことである。この場合、EMLSR non-AP MLDはリスニングモードに再び切り替わらない。したがって、前述の第3の条件では、APは、EMLSR non-AP MLDがリスニングモードに再び切り替えられたかどうかを決定することができず、これは、APが、EMLSR non-AP MLDにおいてEMLSRステーションと通信を継続することができないという問題を引き起こし得る。
【0368】
加えて、一部の他のシナリオでは、APは、APからフレームを送信または受信する際にエラーが発生するため、1つ以上のEMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わるかどうかを決定することができない。
【0369】
例えば、APが、応答を必要とするダウンリンクフレーム、例えば、ダウンリンクデータフレームまたはトリガフレームを1つ以上のステーション(EMLSRステーションを含む)に送信するとき、以下のケースのいずれかが発生する:すなわち、APがダウンリンクフレームを送信することに失敗するか、APが応答を受信しないか、またはAPが応答を受信するが、応答を受信する際にエラーが発生する(例えば、全てのステーションによって返されたフレームを受信する際にエラーが発生するか、または一部のステーションによって返されたフレームを受信する際にエラーが発生する)。
【0370】
別の例では、APは、ユニキャストBARフレームをステーションに送信する。これは、APが1つ以上のステーション(少なくとも1つのEMLSRステーションを含む)と通信するとき、隠れノードが存在し得るからである。したがって、APがユニキャストBARフレームをステーション(例えば、第1のステーション)に送信するとき、ステーションによって返されたBAが成功したかどうかにかかわらず、APは、EMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定することができない。APが、EMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定できない理由は、以下を含むが、これらに限定されない:
【0371】
ステーションによって返されるBAが失敗する可能性のある理由は、第1のステーションがBAを応答しないことであり得る。この場合、EMLSRステーション(非第1のステーション)は、リスニングモードに再び切り替えられる。代替的に、ステーションによって返されるBAが失敗する可能な理由は、第1のステーションがBAを応答するが、APがBAを受信することに失敗することであり得る。この場合、依然として2つの場合がある:EMLSRステーションは、EMLSRステーション(非第1のステーション)がBAをリッスンする場合、リスニングモードに再び切り替わらないか、またはEMLSRステーションは、第1のステーションがEMLSRステーション(非第1のステーション)の隠れノードであり、BAをリッスンしない場合、リスニングモードに再び切り替わらない。
【0372】
ステーションによって返されたBAが成功したとき、EMLSRステーション(非第1のステーション)がBAをリッスンする場合、EMLSRステーションはリスニングモードに再び切り替わらないか、または第1のステーションがEMLSRステーション(非第1のステーション)の隠れノードであり、BAをリッスンしない場合、EMLSRステーションはリスニングモードに再び切り替わらない。
【0373】
図25は、本出願の一実施形態による、APが複数のステーションと通信するときに隠れノードが存在する概略図である。STA 1およびSTA 2がEMLSRステーションであり、STA 3が隠れノードであると仮定される(本明細書において、STA 3はレガシーステーション、例えば、VHTステーションであると仮定される)。この場合、STA 1はSTA 3の伝送をリッスンすることができない。図25に示されるように、APは、BSRPフレームをSTA 1およびSTA 2に送信し、STA 1およびSTA 2は、BSRフレームを返す。STA 1およびSTA 2はEMLSRステーションであるため、STA 1がBSRPフレームを受信した後、STA 1が属するEMLSR non-AP MLDは、APとのフレーム交換を実施するために、別のリンク上の空間ストリーム/アンテナをSTA 1が動作するリンクに切り替える。同様に、STA 2がBSRPフレームを受信した後、STA 2が属するEMLSR non-AP MLDも、APとのフレーム交換を実施するために、別のリンク上の空間ストリーム/アンテナをSTA 2が動作するリンクに切り替える。第1のマルチユーザ伝送プロセスでは、APは、DL MU PPDUをSTA 1、STA 2、およびSTA 3に送信し、次いで、APは、MU BARフレームをSTA 1およびSTA 2に送信する。MU BARフレームを受信した後、STA 1およびSTA 2は、BAフレーム(図25のBA 1およびBA 2)を別々にAPに返す。STA 3はレガシーステーションであるため、STA 3は、MU BARフレームに応答することができない。したがって、APは、ユニキャストBARフレームをSTA 3に送信する。BARフレームを受信した後、STA 3は、BA 3を返す。加えて、STA 3が隠れノードであるため、STA 1は、STA 3の伝送をリッスンすることができない。したがって、STA 3がBA 3を伝送するとき、STA 1は、BA 3をリッスンすることができず、STA 1は、リスニングモードに再び切り替わることができる(これは、STA 1が、チャネルがアイドルであると考えるからである。チャネルがある時間期間の間アイドルであった後、STA 1はリスニングモードに切り替わる)。しかしながら、APは、STA 1がSTA 3の伝送をリッスンすることができるかどうかを知らず、換言すれば、APは、STA 1がリスニングモードに切り替わるかどうかを知らない。したがって、APの第2のマルチユーザ伝送プロセスにおいて、APは、DL MU PPDUをSTA 1、STA 2、および別のステーションに送信する。しかしながら、STA 1は、リスニングモードに再び切り替わっている可能性があり、したがって、STA 1は、DL MU PPDUを受信することができない。このため、APとSTA 1との間の通信を継続することができない。
【0374】
したがって、APが、1つ以上のEMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替えられたかどうかを決定することができないという問題に基づいて、以下の解決策が、本出願のこの実施形態において提供される:
【0375】
APが、APと通信しているEMLSRステーション(またはEMLSR non-AP MLD)がリスニングモードに再び切り替わったかを決定できない場合、APは、EMLSRステーション(EMLSR non-AP MLD)に初期制御フレームを再び送信する。代替的に、APが、EMLSR non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するEMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定することができない場合、APは、第1のリンク上でEMLSRステーションに初期制御フレームを再び送信する。代替的に、APが、APと通信しているEMLSRステーション(またはEMLSR non-AP MLD)がリスニングモードに再び切り替わったどうかを決定することができず、APがEMLSRステーションとの通信を継続しようとする場合、APは、EMLSRステーション(EMLSR non-AP MLD)に初期制御フレームを再び送信する。
【0376】
図26は、本出願の一実施形態による、隠れノードが存在するときにAPとEMLSRステーションとの間の通信を継続することの概略図である。STA 1およびSTA 2がEMLSRステーションであり、STA 3が隠れノードであると仮定される(本明細書において、STA 3はレガシーステーション、例えば、VHTステーションであると仮定される)。この場合、STA 1はSTA 3の伝送をリッスンすることができない。図26に示されるように、APは、BSRPフレームをSTA 1およびSTA 2に送信し、STA 1およびSTA 2は、BSRフレームを返す。APは、DL MU PPDUをSTA 1、STA 2、およびSTA 3に送信し、次いで、APは、MU BARフレームをSTA 1およびSTA 2に送信する。MU BARフレームを受信した後、STA 1およびSTA 2は、BAフレーム(図26のBA 1およびBA 2)を別々にAPに返す。STA 3はレガシーステーションであるため、STA 3は、MU BARフレームに応答することができない。したがって、APは、ユニキャストBARフレームをSTA 3に送信する。BARフレームを受信した後、STA 3は、BA 3を返す。加えて、STA 3が隠れノードであるため、STA 1は、STA 3の伝送をリッスンすることができない。したがって、STA 3がBA 3を伝送するとき、STA 1は、BA 3をリッスンすることができず、STA 1は、リスニングモードに再び切り替わることができる(これは、STA 1が、チャネルがアイドルであると考えるからである。チャネルがある時間期間の間アイドルであった後、STA 1はリスニングモードに切り替わる)。APがSTA 1との通信を継続しようとする場合、またはAPがSTA 1に送信すべきデータを依然として有する場合、APは、初期制御フレームをSTA 1およびSTA 2に再び送信することができる。
【0377】
このようにして、EMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わった場合、EMLSRステーションが初期制御フレームを再び受信すると、EMLSRステーションが属するEMLSR non-AP MLDは、別のリンク上の空間ストリーム/アンテナを、EMLSRステーションが動作するリンクに切り替え、APとのフレーム交換を実施する。EMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わらなければ、EMLSRステーションが再び初期制御フレームを受信したときに、EMLSRステーションが属するEMLSR non-AP MLDは、EMLSRステーションが動作するリンク上で複数の空間ストリームで受信を継続する、すなわち、EMLSR non-AP MLDがリスニングモードに再び切り替わらないようにして、通信を途切れることなく継続することができる。
【0378】
前述の説明は、本出願において提供される方法を詳細に説明する。本出願の実施形態における前述の解決策の実装を容易にするために、本出願の実施形態は、対応する装置またはデバイスをさらに提供する。
【0379】
本出願の実施形態では、アクセスポイントおよびnon-AP MLDは、前述の方法例に基づいて機能モジュールに分割され得る。例えば、各機能モジュールは、各機能に基づいて分割することによって得られてもよく、または2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよく、またはソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。本出願の実施形態では、モジュールへの分割は一例であり、単に論理的な機能分割であることに留意されたい。実際の実装では、別の分割方式が使用されてもよい。以下では、図27から図29を参照して、本出願の実施形態における通信装置を詳細に説明する。通信装置は、アクセスポイントまたはnon-AP MLDである。また、通信装置は、AP内の装置であってもよいし、または通信装置は、non-AP MLD内の装置であってもよい。
【0380】
統合されたユニットが使用される場合、図27を参照されたい。図27は、本出願の一実施形態による通信装置1の構造の概略図である。図27に示すように、通信装置1は、スイッチングユニット11と、トランシーバユニット12とを有する。
【0381】
第1の設計では、通信装置1は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。トランシーバユニット12は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するとき、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成される。スイッチングユニット11は、リスニング動作が第1のリンク上で実施されるときに第1のアクセスポイントAPによって送信された第1のフレームが受信された後、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施するように構成され、ここで、non-AP MLDは、EMLをサポートする。スイッチングユニット11は、non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施するようにさらに構成される。プリセット条件セットは第1のプリセット条件を含み、第1のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上で無線フレームを受信することであり、無線フレームのTAは現在のTXOPを開始するフレームのTAとは異なり、無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームではなく、または無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームでも報告に使用されるフレームでもなく、アップリンクユニキャスト制御フレームはBAフレームを含む。
【0382】
任意選択で、non-AP MLDが拡張マルチリンクシングル無線EMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。代替的に、non-AP MLDが拡張マルチリンクマルチ無線EMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0383】
第2の設計では、通信装置1は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。トランシーバユニット12は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するとき、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成される。スイッチングユニット11は、リスニング動作が第1のリンク上で実施されるときに第1のアクセスポイントAPによって送信された第1のフレームが受信された後、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施するように構成され、ここで、non-AP MLDは、EMLをサポートする。スイッチングユニット11は、non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施するようにさらに構成される。プリセット条件セットは第2のプリセット条件を含み、第2のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上でユニキャストフレームを受信することであり、ユニキャストフレームの宛先アドレスは別のステーションであり、ユニキャストフレームはユニキャスト制御フレームではなく、別のステーションは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーション以外のステーションである。
【0384】
第3の設計では、通信装置1は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。トランシーバユニット12は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するとき、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成される。スイッチングユニット11は、リスニング動作が第1のリンク上で実施されるときに第1のAPによって送信された第1のフレームが受信された後に、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施するように構成され、non-AP MLDは、EMLをサポートする。スイッチングユニット11は、non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施するようにさらに構成される。第3のプリセット条件は、non-AP MLDが、第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信し、non-AP MLDのユーザ情報フィールドがトリガフレーム内に存在しないか、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子がトリガフレーム内に存在しないことである。
【0385】
スイッチングユニット11は、処理ユニットと称されてもよい。
【0386】
第1から第3の設計における通信装置1は、それに対応して実施形態1を実施することができ、通信装置1におけるユニットの前述の動作または機能は、実施形態1におけるnon-AP MLDの対応する動作を実装するために別々に使用されることを理解されたい。簡潔にするために、詳細は本明細書では再び説明されない。
【0387】
第4の設計では、通信装置1は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。トランシーバユニット12は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のフレームを受信するように構成される。トランシーバユニット12は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のフレームを正常に受信した後に、およびnon-AP MLDとnon-AP MLD内の第1のステーションに関連付けられた第1のAPとの間のフレーム交換の終了の前に、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第1のタイプのPPDUを受信するようにさらに構成され、第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUである。スイッチングユニット11は、non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施するよう構成される。ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスはブロードキャストアドレスであり、マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスはマルチキャストアドレスである。第1のタイプのPPDUは指示情報を搬送し、指示情報は、第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示す。non-AP MLDはEMLをサポートし、第1のフレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように、non-AP MLDに指示する。プリセット条件セットは第1のプリセット条件を含み、第1のプリセット条件は、non-AP MLDが第1のリンク上で無線フレームを受信することであり、無線フレームの伝送アドレスは、現在のTXOPを開始するフレームの伝送アドレスとは異なり、無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームではなく、または無線フレームはアップリンクユニキャスト制御フレームでも報告のために使用されるフレームでもなく、アップリンクユニキャスト制御フレームはBAフレームを含む。
【0388】
任意選択で、non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。代替的に、non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0389】
任意選択で、第1のタイプのPPDUはトリガフレームを含み、トリガフレームは、トリガベースの物理層プロトコルデータユニットTB PPDUを送信するようにnon-AP MLDをスケジューリングするために使用される。トランシーバユニット12は、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上でTB PPDUを送信するようにさらに構成される。
【0390】
スイッチングユニット11は、処理ユニットと称されてもよい。
【0391】
第4の設計における通信装置1は、それに応じて実施形態3を実施することができ、通信装置1内のユニットの前述の動作または機能は、実施形態3におけるnon-AP MLDの対応する動作を実装するために別々に使用されることを理解されたい。簡潔にするために、詳細は本明細書では再び説明されない。
【0392】
第5の設計では、通信装置1は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。トランシーバユニット12は、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成される。スイッチングユニット11は、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように構成される。スイッチングユニット11は、第1のAPによって送信された第1のフレームが第1のリンク上で受信され、各リンク上の空間ストリームが第1のリンクに切り替えられた後、第1のフレームの交換が失敗したとnon-AP MLDが決定した場合、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるようにさらに構成される。non-AP MLDは、EMLをサポートする。
【0393】
任意選択で、non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。代替的に、non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0394】
任意選択で、通信装置1は、決定ユニット13をさらに含んでもよい。決定ユニット13は、non-AP MLDが第1のフレームを受信した瞬間から開始する第1の持続時間内にプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされた場合、第1のフレームの交換が失敗したと決定するように構成される。
【0395】
スイッチングユニット11および決定ユニット13は、1つのモジュール、例えば、処理モジュールに統合され得る。
【0396】
第5の設計における通信装置1は、実施形態4を対応して実施することができ、通信装置1内のユニットの前述の動作または機能は、実施形態4におけるnon-AP MLDの対応する動作を実装するために別々に使用されることを理解されたい。簡潔にするために、詳細は本明細書では再び説明されない。
【0397】
第6の設計では、通信装置1は、第1のnon-AP MLDまたは第1のnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。トランシーバユニット12は、第1のAPによって送信された第1のフレームを第1のリンク上で受信するように構成され、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点であり、第1のnon-AP MLDはEMLをサポートし、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。スイッチングユニット11は、第2の持続時間の後、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるように構成される。
【0398】
任意選択で、non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。代替的に、non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0399】
スイッチングユニット11は、処理ユニットと称されてもよい。
【0400】
第6の設計における通信装置1は、それに応じて実施形態5を実施することができ、通信装置1内のユニットの前述の動作または機能は、実施形態5における第1のnon-AP MLDの対応する動作を実装するために別々に使用されることを理解されたい。簡潔にするために、詳細は本明細書では再び説明されない。
【0401】
第7の設計では、通信装置1は、第1のnon-AP MLDまたは第1のnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。トランシーバユニット12は、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成される。スイッチングユニット11は、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように構成され、第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートする。トランシーバユニット12は、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第2のフレームを受信するようにさらに構成され、第2のフレームはモアデータサブフィールドを含む。スイッチングユニット11は、第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が0である場合、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるようにさらに構成される。
【0402】
スイッチングユニット11は、処理ユニットと称されてもよい。
【0403】
第7の設計における通信装置1は、それに応じて実施形態7を実施することができ、通信装置1内のユニットの前述の動作または機能は、実施形態7における第1のnon-AP MLDの対応する動作を実装するために別々に使用されることを理解されたい。簡潔にするために、詳細は本明細書では再び説明されない。
【0404】
第8の設計では、通信装置1は、第1のnon-AP MLDまたは第1のnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。トランシーバユニット12は、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成される。スイッチングユニット11は、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように構成され、第1のnon-AP MLDは、EMLをサポートする。トランシーバユニット12は、第1のリンク上で第3のフレームを受信するようにさらに構成され、第3のフレームはサービス期間終了EOSPサブフィールドを含み、EOSPサブフィールドは1に設定される。スイッチングユニット11は、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるようにさらに構成される。
【0405】
スイッチングユニット11は、処理ユニットと称されてもよい。
【0406】
第8の設計における通信装置1は、それに応じて実施形態8を実施することができ、通信装置1内のユニットの前述の動作または機能は、実施形態8における第1のnon-AP MLDの対応する動作を実装するために別々に使用されることを理解されたい。簡潔にするために、詳細は本明細書では再び説明されない。
【0407】
図28は、本出願の一実施形態による通信装置2の構造の概略図である。通信装置2は、第1のAPまたは第1のAP内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。図28に示されるように、通信装置2は、第1のユニット21を含み、処理ユニット22を任意選択で含む。
【0408】
第1の設計では、第1のユニット21は、第1のリンク上で第1のフレームを正常に送信した後、かつ第1のAPに関連付けられたN個のステーションとのフレーム交換の終了前に、第1のリンク上でN個のステーションとフレーム交換を実施するときに第1のタイプのPPDUを使用するように構成され、第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUであり、N個のステーションのうちの少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDは、EMLをサポートする。ブロードキャストフレームで搬送される受信アドレスはブロードキャストアドレスであり、マルチキャストフレームで搬送される受信アドレスはマルチキャストアドレスである。第1のタイプのPPDUは指示情報を搬送し、指示情報は、第1のリンク上のステーションが受信者として使用されることを示す。第1のユニット21はトランシーバ機能を実装するように構成され、第1のユニット21はトランシーバユニットと称されることもあることを理解されたい。
【0409】
任意選択で、処理ユニット22は、第1のタイプのPPDUを生成するように構成される。
【0410】
任意選択で、少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。代替的に、少なくとも1つのステーションが属するnon-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【0411】
第1の設計における通信装置2は、実施形態2または3を対応して実施することができ、通信装置2内のユニットの前述の動作または機能は、実施形態2または3における第1のAPの対応する動作を実装するために別々に使用されることを理解されたい。簡潔にするために、詳細は本明細書では再び説明されない。
【0412】
第2の設計では、第1のユニット21は、第1のリンク上で第1のフレームを送信するように構成され、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。第1のユニット21は、第1のリンク上で第2のフレームを送信するようにさらに構成され、第2のフレームはモアデータサブフィールドを含む。モアデータサブフィールドの値が0である場合、それは、第1のnon-AP MLDが、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す。
【0413】
任意選択で、処理ユニット22は、第1のフレームおよびデータフレームを生成するように構成される。
【0414】
第2の設計における通信装置2は、実施形態7を対応して実施することができ、通信装置2内のユニットの前述の動作または機能は、実施形態7における第1のAPの対応する動作を実装するために別々に使用されることを理解されたい。簡潔にするために、詳細は本明細書では再び説明されない。
【0415】
第3の設計では、第1のユニット21は、第1のリンク上で第1のフレームを送信するように構成され、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する。第1のユニット21は、第1のリンク上で第3のフレームを送信するようにさらに構成され、第3のフレームはEOSPサブフィールドを含む。EOSPサブフィールドが1に設定された場合、それは、第1のnon-AP MLDがリスニング動作を実施するために第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えることを示す。
【0416】
第3の設計における通信装置2は、それに応じて実施形態8を実施することができ、通信装置2内のユニットの前述の動作または機能は、実施形態8における第1のAPの対応する動作を実装するために別々に使用されることを理解されたい。簡潔にするために、詳細は本明細書では再び説明されない。
【0417】
上記は、本出願の実施形態におけるAPおよびnon-AP MLDを説明している。以下は、APおよびnon-AP MLDの可能な製品形態を説明する。図27で説明されるnon-AP MLDの機能を有する任意の形態の任意の製品、および図28で説明されるAPの機能を有する任意の形態の任意の製品は、本出願の実施形態の保護範囲内に入ることを理解されたい。以下の説明は一例にすぎず、本出願の実施形態におけるAPおよびnon-AP MLDの製品形態はそれに限定されないことをさらに理解されたい。
【0418】
可能な製品形態として、本出願の実施形態で説明されるAPおよびnon-AP MLD/STAは、一般的なバスアーキテクチャを使用することによって実装され得る。
【0419】
説明を容易にするために、図29を参照されたい。図29は、本出願の一実施形態による通信装置1000の構造の概略図である。通信装置1000は、APもしくはSTA、またはそれらのチップであってもよい。図29では、通信装置1000の主要な構成要素のみを示している。プロセッサ1001および通信インターフェース1002に加えて、通信装置は、メモリ1003および入出力装置(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0420】
プロセッサ1001は、通信プロトコルおよび通信データを処理し、通信装置全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように、主に構成される。メモリ1003は、ソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように、主に構成される。通信インターフェース1002は、制御回路およびアンテナを含んでもよい。制御回路は、ベースバンド信号と無線周波数信号との間の変換を実施し、無線周波数信号を処理するように、主に構成される。アンテナは、電磁波の形態で無線周波数信号を受信/送信するように、主に構成される。入力/出力データ装置、例えば、タッチスクリーン、ディスプレイ、またはキーボードは、ユーザによって入力されたデータを受信し、ユーザに出力するように、主に構成される。
【0421】
通信装置に電源が投入された後、プロセッサ1001は、メモリ1003内のソフトウェアプログラムを読み取り、ソフトウェアプログラムの命令を解釈および実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理することができる。データがワイヤレスで送信される必要があるとき、プロセッサ1001は、送信されるべきデータに対してベースバンド処理を実施し、次いで、ベースバンド信号を無線周波数回路に出力する。無線周波数回路は、ベースバンド信号に対して無線周波数処理を行い、アンテナを介して無線周波数信号を電磁波の形態で送信する。通信装置にデータを送信する場合、無線周波数回路は、アンテナを介して無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換して、ベースバンド信号をプロセッサ1001に出力する。プロセッサ1001は、ベースバンド信号をデータに変換し、そのデータを処理する。
【0422】
任意選択で、メモリ1003は、プロセッサ1001内に配置されてもよい。
【0423】
別の実装形態では、無線周波数回路およびアンテナは、ベースバンド処理を実施するプロセッサとは無関係に配設され得る。例えば、分散シナリオでは、無線周波数回路およびアンテナは、通信装置から離れて独立して配設されてもよい。
【0424】
プロセッサ1001、通信インターフェース1002、およびメモリ1003は、通信バスを介して接続され得る。
【0425】
ある設計では、通信装置1000は、前述の実施形態1におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図7のステップS101およびステップS102、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図7の第1のフレームを受信し、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0426】
ある設計では、通信装置1000は、前述の実施形態2における第1のAPの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図8のステップS201において送信される第1のタイプのPPDUを生成し、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図8のステップS201、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0427】
ある設計では、通信装置1000は、前述の実施形態3におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図9のステップS303、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図9のステップS302、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0428】
別の設計では、通信装置1000は、前述の実施形態3における第1のAPの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図9のステップS301において送信される第1のタイプのPPDUを生成し、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図9のステップS301、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0429】
設計において、通信装置1000は、前述の実施形態4におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい:プロセッサ1001は、図10のステップS401およびステップS402、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてもよく、通信インターフェース1002は、図10の第1のフレームを受信し、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてもよい。
【0430】
ある設計では、通信装置1000は、前述の実施形態5における第1のnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい:プロセッサ1001は、図12のステップS503、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてもよく、通信インターフェース1002は、図12のステップS502において第1のフレームを受信し、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてもよい。
【0431】
別の設計では、通信装置1000は、前述の実施形態5における第1のAPの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図12のステップS501において送信される第1のフレームを生成し、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図12のステップS501、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0432】
ある設計では、通信装置1000は、前述の実施形態6におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図15のステップS601およびステップS602、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図15のステップS601において第1のフレームを受信し、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0433】
ある設計では、通信装置1000は、前述の実施形態7における第1のnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい:プロセッサ1001は、図17のステップS702およびステップS705、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてもよく、通信インターフェース1002は、図17のステップS704、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてもよい。
【0434】
別の設計では、通信装置1000は、前述の実施形態7における第1のAPの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図17のステップS701において送信される第1のフレームおよびステップS703において送信されるデータフレームを生成し、かつ/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図17のステップS701およびステップS703、ならびに/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0435】
ある設計では、通信装置1000は、前述の実施形態8における第1のnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい:プロセッサ1001は、図20のステップS802およびステップS805、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてもよく、通信インターフェース1002は、図20のステップS804、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてもよい。
【0436】
別の設計では、通信装置1000は、前述の実施形態8における第1のAPの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図20のステップS801において送信される第1のフレームおよびステップS803において送信される第2のフレームを生成し、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図20のステップS801およびステップS803、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0437】
ある設計では、通信装置1000は、前述の実施形態9におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図21のステップS901、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図21のステップS902、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0438】
別の設計では、通信装置1000は、前述の実施形態9における第1のAPの機能を実施するように構成されてよい:プロセッサ1001は、図21のステップS904、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよく、通信インターフェース1002は、図21のステップS903、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよい。
【0439】
ある設計では、通信装置1000は、前述の実施形態10におけるSTAの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図22のステップS1、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図22のステップS2、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0440】
別の設計では、通信装置1000は、前述の実施形態10におけるAPの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図22のステップS4、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図22のステップS3、および/または本明細書で説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0441】
前述の設計のいずれか1つにおいて、プロセッサ1001は、受信機能および送信機能を実装するように構成された通信インターフェースを含み得る。例えば、通信インターフェースは、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路であり得る。受信機能および送信機能を実装するように構成されたトランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、分離されてもよく、または一緒に統合されてもよい。トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、コード/データを読み取り、書き込むように構成され得る。代替的に、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、信号を伝送または転送するように構成され得る。
【0442】
前述の設計のうちのいずれか1つにおいて、プロセッサ1001は命令を記憶し得る。命令は、コンピュータプログラムであってもよい。コンピュータプログラムがプロセッサ1001上で実行されるとき、通信装置1000は、前述の実施形態のいずれか1つにおいて説明された方法を実施することができる。コンピュータプログラムは、プロセッサ1001に固定されてもよい。この場合、プロセッサ1001は、ハードウェアによって実装されてもよい。
【0443】
一実装形態では、通信装置1000は回路を含んでよく、回路は、上記の実施形態のいずれか1つにおける送信/受信/通信機能を実装してよい。本出願で説明されたプロセッサおよび通信インターフェースは、IC(integrated circuit)、アナログIC、無線周波数IC(radio frequency integrated circuit、RFIC)、ミックスドシグナルIC、ASIC(application specific integrated circuit)、回路プリント基板(printed circuit board、PCB)、電子デバイスなどにおいて実装されてもよい。プロセッサおよび通信インターフェースは、例えば、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)、N型金属酸化膜半導体(nMetal-oxide-semiconductor、NMOS)、Pチャネル金属酸化膜半導体(positive channel metal oxide semiconductor、PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor、BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)、およびガリウム砒素(GaAs)などの種々の集積回路技術を用いて製造されてもよい。
【0444】
本出願で説明する通信装置の範囲はそれに限定されず、通信装置の構造は図29によって限定されないことがある。通信装置は、独立したデバイスであってもよく、または大型デバイスの一部であってもよい。例えば、通信装置は、
(1)独立したIC、チップ、またはチップシステムまたはサブシステム、
(2)1つ以上のICを含むセットであって、任意的に、ICのセットは、データおよびコンピュータプログラムを記憶するように構成された記憶コンポーネントをさらに含み得る、セット、
(3)モデム(Modem)のようなASIC、
(4)別のデバイスに組み込むことができるモジュール、
(5)受信器、ターミナル、インテリジェントターミナル、セルラー電話、ワイヤレスデバイス、ハンドヘルドデバイス、移動ユニット、車載デバイス、ネットワークデバイス、クラウドデバイス、人口知能デバイスなど、または
(6)その他
であってもよい。
【0445】
可能な製品形態として、本出願の実施形態で説明されるAPおよびnon-AP MLD/STAは、汎用プロセッサによって実装され得る。
【0446】
non-AP MLDを実装するための汎用プロセッサは、処理回路と、処理回路に内部的に接続され、処理回路と通信する入出力インターフェースとを含む。
【0447】
設計において、汎用プロセッサは、前述の実施形態1におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい。特に、処理回路は、図7のステップS101およびステップS102、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよく、入出力インターフェースは、図7の第1のフレームを受信し、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよい。
【0448】
設計において、汎用プロセッサは、前述の実施形態3におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい。特に、処理回路は、図9のステップS303、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよく、入出力インターフェースは、図9のステップS302、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよい。
【0449】
設計において、汎用プロセッサは、前述の実施形態4におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい。特に、処理回路は、図10のステップS401およびステップS402、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよく、入出力インターフェースは、図10の第1のフレームを受信し、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよい。
【0450】
設計において、汎用プロセッサは、前述の実施形態6におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい。特に、処理回路は、図15のステップS601およびステップS602、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよく、入出力インターフェースは、図15のステップS601において第1のフレームを受信し、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよい。
【0451】
設計において、汎用プロセッサは、前述の実施形態9におけるnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい。特に、処理回路は、図21のステップS901、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよく、入出力インターフェースは、図21のステップS902、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよい。
【0452】
第1のnon-AP MLDを実装するための汎用プロセッサは、処理回路と、処理回路に内部的に接続され、処理回路と通信する入出力インターフェースとを含む。
【0453】
設計において、汎用プロセッサは、前述の実施形態5における第1のnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい。特に、処理回路は、図12中のステップS503、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得、入出力インターフェースは、図12中のステップS502、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0454】
設計において、汎用プロセッサは、前述の実施形態7における第1のnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい。特に、処理回路は、図17中のステップS702およびステップS705、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得、入出力インターフェースは、図17中のステップS704、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0455】
設計において、汎用プロセッサは、前述の実施形態8における第1のnon-AP MLDの機能を実施するように構成されてもよい。特に、処理回路は、図20中のステップS802およびステップS805、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得、入出力インターフェースは、図20中のステップS804、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0456】
STAを実装するための汎用プロセッサは、処理回路と、処理回路に内部で接続され、処理回路と通信する入出力インターフェースとを含む。具体的には、汎用プロセッサは、前述の実施形態10におけるSTAの機能を実施するように構成され得る。特に、処理回路は、図22中のステップS1、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得、入出力インターフェースは、図22中のステップS2、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0457】
APを実装するための汎用プロセッサは、処理回路と、処理回路に内部で接続され、処理回路と通信する入出力インターフェースとを含む。
【0458】
ある設計では、汎用プロセッサは、前述の実施形態2における第1のAPの機能を実施するように構成され得る。特に、処理回路は、図8のステップS201において送信される第1のタイプのPPDUを生成し、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、入出力インターフェースは、図8のステップS201、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0459】
ある設計では、汎用プロセッサは、前述の実施形態3における第1のAPの機能を実施するように構成され得る。特に、処理回路は、図9のステップS301において送信される第1のタイプのPPDUを生成し、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、入出力インターフェースは、図9のステップS301、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0460】
ある設計では、汎用プロセッサは、前述の実施形態7における第1のAPの機能を実施するように構成され得る。特に、処理回路は、図17のステップS701において送信される第1のフレームおよびステップS703において送信されるデータフレームを生成し、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてよく、入出力インターフェースは、図17のステップS701およびステップS703、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてよい。
【0461】
ある設計では、汎用プロセッサは、前述の実施形態8における第1のAPの機能を実施するように構成され得る。特に、処理回路は、図20のステップS801において送信される第1のフレームおよびステップS803において送信される第2のフレームを生成し、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、入出力インターフェースは、図20のステップS801およびステップS803、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0462】
ある設計では、汎用プロセッサは、前述の実施形態9における第1のAPの機能を実施するように構成され得る。特に、処理回路は、図21のステップS904、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよく、入出力インターフェースは、図21のステップS903、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成されてよい。
【0463】
ある設計では、汎用プロセッサは、前述の実施形態10におけるAPの機能を実施するように構成され得る。特に、処理回路は、図22中のステップS4、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得、入出力インターフェースは、図22中のステップS3、および/または本明細書で説明する技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【0464】
前述の種々の製品形態における通信装置は、前述の実施形態のいずれか1つにおけるAPまたはnon-AP MLDのいずれかの機能を有することを理解されたい。詳細は本明細書では再び説明されない。
【0465】
本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを記憶する。プロセッサがコンピュータプログラムコードを実行するとき、電子デバイスは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実施する。
【0466】
本出願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作するとき、コンピュータは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実施することが可能にされる。
【0467】
本出願の一実施形態は、通信装置をさらに提供する。装置は、チップの製品形態で存在してもよい。装置の構造は、プロセッサとインターフェース回路とを含む。プロセッサは、インターフェース回路を介して別の装置と通信するように構成され、その結果、装置は、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実施する。
【0468】
本出願の一実施形態は、APおよびnon-AP MLDを含むワイヤレス通信システムをさらに提供する。APおよびnon-AP MLDは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実施することができる。
【0469】
本出願で開示された内容と組み合わせて説明された方法またはアルゴリズムステップは、ハードウェアによって実装されてもよく、またはソフトウェア命令を実行することによってプロセッサによって実装されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含んでもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(Erasable Programmable ROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルハードディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、または当技術分野で周知の任意の他の形態の記憶媒体に記憶されてもよい。例えば、記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。当然ながら、記憶媒体はプロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに配設されてもよい。加えて、ASICは、コアネットワークインターフェースデバイス内に配置されてもよい。当然ながら、プロセッサおよび記憶媒体は、個別部品としてコアネットワークインターフェースデバイス内に存在してもよい。
【0470】
当業者は、前述の1つ以上の例において、本出願で説明された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実装され得ることを認識すべきである。機能がソフトウェアによって実装されるとき、機能は、コンピュータ可読媒体に記憶され得るか、あるいはコンピュータ可読媒体中の1つ以上の命令またはコードとして伝送され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体および通信媒体を含む。通信媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの伝送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。
【0471】
前述の特定の実装形態では、本出願の目的、技術的解決策、および有益な効果がさらに詳細に説明されている。前述の説明は、本出願の特定の実装形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定することが意図されていないことを理解されたい。本出願の技術的解決策に基づいて行われる任意の修正、均等な置換、改善などは、本出願の保護範囲内に入るものとする。
【符号の説明】
【0472】
1 通信装置
2 通信装置
11 スイッチングユニット
12 トランシーバユニット
13 決定ユニット
21 第1のユニット
22 処理ユニット
100 AP
200 non-AP MLD
300 non-AP MLD
400 STA
1000 通信装置
1001 プロセッサ
1002 通信インターフェース
1003 メモリ
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図11c
図11d
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、
拡張マルチリンクシングル無線非アクセスポイントマルチリンクデバイスEMLSR non-AP MLDにおいて第1のアクセスポイントAPと第1のステーションSTAとの間でフレーム交換を実施するプロセスにおいて、前記第1のアクセスポイントAPによって、前記第1のステーションSTAに応答を必要とするダウンリンクフレームを送信するステップであって、前記第1のアクセスポイントAPは、前記第1のステーションSTAに関連付けられる、ステップと、
前記第1のアクセスポイントAPが前記第1のステーションSTAから前記ダウンリンクフレームに対する前記応答を受信しないとき、前記第1のアクセスポイントAPによって、第1の初期制御フレームを前記第1のステーションSTAに送信するステップと、を含む、通信方法。
【請求項2】
前記第1のアクセスポイントAPは、アクセスポイントマルチリンクデバイスAP MLDに属する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のアクセスポイントAPによって、前記第1のステーションSTAへの応答を必要とするダウンリンクフレームを送信する前記ステップは、
前記第1のアクセスポイントAPによって、前記第1のステーションSTAへの即時応答を必要とするダウンリンクフレームを送信するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記フレーム交換プロセスは、
前記第1のアクセスポイントAPによって、第2の初期制御フレームを前記第1のステーションSTAに送信するステップと、
前記第1のアクセスポイントAPによって、前記第2の初期制御フレームに対する応答フレームを前記第1のステーションSTAから受信するステップと、を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
装置であって、
前記装置と拡張マルチリンクシングル無線非アクセスポイントマルチリンクデバイスEMLSR non-AP MLDにおける第1のステーションSTAとの間でフレーム交換を実施するプロセスにあるとき、前記第1のステーションSTAに応答を必要とするダウンリンクフレームを送信するように構成されたトランシーバユニットであって、前記装置は、前記第1のステーションSTAに関連付けられる、トランシーバユニットと、
前記装置が前記ダウンリンクフレームに対する前記応答を前記第1のステーションSTAから受信しないとき、前記トランシーバユニットは、第1の初期制御フレームを前記第1のステーションSTAに送信するようにさらに構成される、トランシーバユニットと、を備える、装置。
【請求項6】
前記装置は、アクセスポイントマルチリンクデバイスAP MLDに属する、請求項5に記載の装置
【請求項7】
前記第1のステーションSTAへの応答を必要とするダウンリンクフレームを送信することは、
前記第1のステーションSTAへの即時応答を必要とするダウンリンクフレームを送信することを含む、請求項5または6に記載の装置
【請求項8】
前記フレーム交換プロセスは、
第2の初期制御フレームを前記第1のステーションSTAに送信するステップと、
前記第2の初期制御フレームに対する応答フレームを前記第1のステーションSTAから受信するステップと、を含む、請求項5または6に記載の装置
【請求項9】
プロセッサおよびトランシーバを備える通信装置であって、前記トランシーバは、フレームを送信/受信するように構成され、前記プロセッサは、請求項1または2に記載の方法を実施するように構成される、通信装置。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令がコンピュータ上で動作されると、前記コンピュータは、請求項1または2に記載の方法を実行することを可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
任意選択で、ユニキャスト制御フレームは、ユニキャストトリガフレームをさらに含む。ユニキャストトリガフレームは、マルチユーザ(multi-user、MU)ブロック肯定応答要求MU-BARフレーム、バッファステータス報告ポール(Buffer Status Report Poll、BSRP)フレーム、ビームフォーミング報告ポールBFRPフレーム、マルチユーザ送信要求(Multi-User request to send、MU-RTS)フレーム、帯域幅クエリ報告ポール(Bandwidth Query Report Poll、BQRP)フレーム、およびヌルデータパケットフィードバック報告ポール(NDP Feedback Report Poll、NFRP)フレームのうちの1つ以上を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
第3の態様または第4の態様の可能な実装形態では、ユニキャスト制御フレームは、ユニキャストトリガフレームをさらに含む。ユニキャストトリガフレームは、MU-BARフレーム、BSRPフレーム、ビームフォーミング報告ポールBFRPフレーム、MU-RTSフレーム、BQRPフレーム、およびNFRPフレームのうちの1つ以上を含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
第7の態様または第8の態様の可能な実装形態では、報告するために使用されるフレームは、圧縮ビームフォーミング/CQIフレーム、BFRを含むフレーム、BSRを含むフレーム、BQRを含むフレーム、およびNFRを含むフレームのうちの1つ以上を含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
第13の態様によれば、本出願は、第12の態様において、non-AP MLDが第1のフレームの交換が失敗したかどうかを決定するための基礎を提供することができる通信方法を提供する。本方法は、以下を含む:第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを送信し、第1のフレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるようにnon-AP MLDに指示する。第1のフレームの応答フレーム(例えば、ACKフレーム)を受信した後、第1のAPはPPDUを送信し、PPDUはユニキャストフレームを含み、ユニキャストフレームの受信アドレスは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションを示すか、またはPPDUはトリガフレームを含み、トリガフレームは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションを、アップリンク伝送を実施するようにスケジューリングするために使用される。加えて、第1のAPは、第1のフレームを送信した後の時間範囲内に第2のリンク上でnon-AP MLDに第1のフレームを送信することができない。本明細書において、第2のリンクは、non-AP MLDにおける第1のリンク以外のリンクである。本明細書における時間範囲は、non-AP MLDが第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えてリスニング動作を実施する持続時間(SwitchDelay)と、第1の持続時間(ΔTとして示される)との合計である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
第15の態様によれば、本出願は通信方法を提供する。本方法は、第1のAPが第1のリンク上で第1のフレームを送信することを含み、第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送し、第1のフレームは持続時間(duration)フィールドをさらに搬送し得る。第1のフレームが1つの第2の持続時間を搬送する場合、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間であってよく、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。代替的に、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる(第1のnon-AP MLDを含む)全てのnon-AP MLDに第1のAPによって割り当てられる総持続時間であり得る。この場合、第2の持続時間の開始時点は、各non-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のフレームが複数の第2の持続時間を搬送し、複数の第2の持続時間が第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間を含む場合、第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する開始時点である。第1のnon-AP MLDは、EMLSRまたはEMLMRをサポートする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
第16の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のAPまたは第1のAP内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであり得る。通信装置は、第1のリンク上で第1のフレームを送信するように構成された第1のユニットであって、第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送し、第1のフレームはdurationフィールドをさらに搬送し得る、第1のユニットを含む。第1のフレームが1つの第2の持続時間を搬送する場合、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間であってよく、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。代替的に、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる(第1のnon-AP MLDを含む)全てのnon-AP MLDに第1のAPによって割り当てられる総持続時間であり得る。この場合、第2の持続時間の開始時点は、各non-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のフレームが複数の第2の持続時間を搬送し、複数の第2の持続時間が第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間を含む場合、第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する開始時点である。第1のnon-AP MLDは、EMLSRまたはEMLMRをサポートする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
第18の態様によれば、本出願は通信装置を提供する。通信装置は、第1のnon-AP MLDまたは第1のnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップである。通信装置は、第1のリンク上で、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットであって、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点であり、第1のnon-AP MLDはEMLをサポートし、第1のフレームは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるように第1のnon-AP MLDに指示する、トランシーバユニットと、第2の持続時間の後に、リスニング動作を実施するために第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えるように構成されたスイッチングユニットと、を含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
第23の態様または第24の態様の可能な実装形態では、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。本明細書における第2の持続時間は、具体的には、第1のnon-AP MLDの第2の持続時間を指す。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0141】
第27の態様または第28の態様の可能な実装形態では、第1のフレームは第2の持続時間を搬送し、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。本明細書における第2の持続時間は、具体的には、第1のnon-AP MLDの第2の持続時間を指す。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
第30の態様によれば、本出願は装置を提供する。装置は、チップの製品形態で実装され、入出力インターフェースおよび処理回路を含む。入出力インターフェースは、情報またはフレームを受信/送信するように構成され、処理回路は、装置が前述の態様のいずれか1つにおける通信方法を実施するように、プログラム命令を実行するように構成される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0157
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0157】
本出願では、「例」または「例えば」という用語は、例、例示、または説明を与えることを表すために使用される。本出願において「例(example)」、「など(such as)」または「例えば(for example)」として記載される任意の実施形態または設計スキームは、別の実施形態または設計スキームよりも多くの利点を有するものとして説明されるべきではない。正確には、「例(example)」、「など(such as)」、「例えば(for example)」などの単語の使用は、関連する概念を特定の方法で提示することが意図されている。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0168
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0168】
前述のノードのうちのいずれか1つは、AP MLDであってよく、またはnon-AP MLDであってよい。任意選択で、前述のノードのうちの1つはマルチリンクデバイスであってもよく、他のノードはマルチリンクデバイスであってもよく、またはマルチリンクデバイスでなくてもよい。例えば、EMLSRにおける通信方法は、non-AP MLDがAP MLDと通信するシナリオに適用されるか、またはnon-AP MLDがシングルリンクAPと通信するシナリオに適用される。これは、本出願の実施形態において限定されない。シングルリンクデバイスはAPであり得る。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0174
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0174】
例えば、マルチリンクデバイスは、ワイヤレス通信機能を有する装置である。装置は、システム全体のデバイスであってもよく、またはシステム全体のデバイスにインストールされたチップ、処理システムなどであってもよい。チップまたは処理システムがインストールされるデバイスは、本出願の実施形態における方法および機能を実装するために、チップまたは処理システムによって制御され得る。例えば、本出願の実施形態におけるnon-AP MLDは、ワイヤレストランシーバ機能を有し、802.11シリーズプロトコルをサポートすることができ、シングルリンクAP、AP MLD、または別のnon-AP MLDと通信することができる。例えば、non-AP MLDは、ユーザがAPと通信し、WLANと通信することを可能にする任意のユーザ通信デバイスである。例えば、non-AP MLDは、ネットワークに接続することができるユーザ機器、例えば、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ネットブック、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、またはモバイル電話とすることができる。non-AP MLDは、モノのインターネットにおけるモノのインターネットノード、自動車のインターネットにおける車載通信装置などであってもよい。non-AP MLDは、代替的に、前述の端末の各々におけるチップまたは処理システムであってもよい。本出願の実施形態におけるAPは、non-AP MLDのためのサービス装置を提供することができ、802.11シリーズプロトコルをサポートすることができる。例えば、APは、通信サーバ、ルータ、スイッチ、またはブリッジなどの通信エンティティであり得る。代替的に、APは、種々の形態のマクロ基地ステーション、マイクロ基地ステーション、中継ステーションなどを含み得る。当然ながら、APは、代替的に、本出願の実施形態における方法および機能を実装するための、これらの種々の形態のデバイス内のチップおよび処理システムであってもよい。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0180
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0180】
1つのnon-AP MLDは、シングル無線(Single radio)受信および送信能力のみを有する。non-AP MLDが複数のリンクの利点を享受することを可能にするために、EMLSR能力が802.11beに導入される。図4は、EMLSRの模式図である。図4に示されるように、non-AP MLDとAP MLDとの間の2つのリンクが例として使用される。EMLSRをサポートするnon-AP MLDは、複数のリンク(例えば、図4のリンク1およびリンク2)上で同時にリスニング動作(Listening Operation)を実施することができる。リスニング動作では、non-AP MLDは、シングルアンテナ(本明細書では一例として1つのアンテナが使用される)を使用することによって各リンク上で受信を実施する。AP MLDが任意のリンク(例えば、図4のリンク1)上で初期制御フレーム(Initial Control Frame)をnon-AP MLDに正常に送信した後、non-AP MLDは、各リンク(例えば、図4のリンク2)上の全ての空間ストリームをリンク(例えば、図4のリンク1)に切り替えて、AP MLDとのフレーム交換を実施することができる。この場合、リンク1上に複数の空間ストリーム/アンテナが存在する。フレーム交換が終了した後、non-AP MLDは、リンク1上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えてリスニング動作を実施し、換言すれば、non-AP MLDは、リンク1上のリンク2から空間ストリームをリンク2に再び切り替えてリスニング動作を行う。この場合、リンク1およびリンク2の各々は、1つの空間ストリーム/アンテナを有する。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0186
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0186】
non-AP MLDが以下のケースのうちの1つを満たすとき、non-AP STAが属するnon-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、空間ストリーム/アンテナを各リンクに直ちに再び切り替える必要がある(以下のケースでは、non-AP STAはnon-AP MLDに属し、APはnon-AP MLDに関連付けられたAP MLDに属する):
・(non-AP STAの)タイマが満了し、non-AP STAは、最後のフレームの後の期間内に、物理層(physical layer、PHY)がパケットを受信し始めるという指示を受信しない。期間は、ショートフレーム間空間(Short interframe space、SIFS)と、1つのスロット(slot)の持続時間と、受信(receive、Rx)物理層(PHY)開始(start)遅延(delay)との合計に等しく、すなわち、SIFS時間+スロット時間+RxPHY Start Delayである:
・(non-AP STAの)タイマが満了し、non-AP STAがユニキャストフレームを受信するが、ユニキャストフレームの受信アドレス(Receiving Address、RA)がnon-AP STAではないか、またはトリガフレーム(Trigger Frame、TF)を受信するが、APのCTS-to-Selfフレームを除いて、トリガフレーム内のユーザ情報(User Info)フィールドのいずれもnon-AP STAと一致しない。
・(non-AP STA)は、APによって送信された無競合終了(Contention-Free End、CF-END)フレームを受信する。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0190
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0190】
以下の条件のうちのいずれか1つが満たされると決定したとき、STAは、シングル受信チェーンモードに直ちに再び切り替え得る(The STA can determine the end of the frame exchange sequence through any of the following)。
・それ(STAを指す)がユニキャストフレームを受信し、ユニキャストフレームの宛先アドレスが別のSTAであるかどうか。(It receives an individually addressed frame addressed to another STA.)
・それ(STAを指す)は、フレームを受信するが、フレームの伝送アドレス(Transmitting Address、TA)は、現在の伝送機会(Transmission Opportunity、TXOP)を開始するフレームのTAと一致しない。(It receives a frame with a TA that differs from the TA of the frame that started the TXOP.)
・それ(STAを指す)は、別の基礎的サービスセット(inter-BSS)からフレームを受信する。(It receives a PPDU and classifies the PPDU as inter-BSS PPDU(see 26.2.2(Intra-BSS and inter-BSS PPDU classification)).)
・それ(STAを指す)は高効率マルチユーザPPDU(High Efficiency Multiple User PPDU、HE MU PPDU)を受信し、PPDUにおいて搬送される基礎的サービスセット(Basic Service Set、BSS)カラー(Color)は、STAが関連付けられるBSSのBSSカラーと一致し、PPDUは、STAをRUの受信者または受信者のうちの1つとして識別する任意のリソースユニット(Resource unit、RU)のステーション識別子(STA-ID)フィールドを含まず、APによって送信された直近に受信されたHE動作要素(operation element)において搬送されるBSSカラー無効(Disabled)フィールドの値は0である。(It receives an HE MU PPDU where the RXVECTOR parameter BSS_COLOR is the BSS color of the BSS in which the STA is associated,the RXVECTOR parameter does not have any STA_ID of an RU that identifies the STA as the recipient or one of the recipients of the RU(see 26.11.1(STA_ID)),and the BSS Color Disabled subfield in the most recently received HE Operation element from the AP with which the STA is associated is 0.)
・キャリア検知(Carrier Sensing、CS)メカニズムは、伝送(transmission、Tx)ポイント協調機能フレーム間空間(Point coordination function Interframe Space、PIFS)スロット境界(TxPIFS slot boundary)においてチャネルがアイドルであることを示す。(The CS mechanism(see 10.3.2.1(CS mechanism))indicates that the medium is idle at the TxPIFS slot boundary(defined in 10.3.7(DCF timing relations)).)
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0191
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0191】
SM PS機能がEMLSRで再利用されることを考慮して、フレーム交換の終了後に空間ストリーム切り替えを実施する規則をさらに決定するために、前述の説明(すなわち、EMLSRおよびSM PS機能の動作メカニズム)から、SM PS規則がEMLSRで直接再利用される場合、EMLSRに適用できない一部のケースが発生し得ることが知見され得る。以下、図6を参照して説明する。図6は、EMLSRにおいてSM PS規則を直接再使用する概略図である。APは、初期制御フレーム、例えば、図6のMU-RTSフレームを送信する。図6では、初期制御フレームがMU-RTSフレームである例が説明のために使用される。当然ながら、初期制御フレームは、代替的に、BSRPフレームまたは別のフレームであってもよい。これは、本出願において限定されない。STA 11およびSTA 21が初期制御フレームを正常に受信した後に、non-AP MLD 1(STA 11が属するMLD)は、全ての空間ストリーム/アンテナをSTA 11が配置されたリンク1に切り替え、non-AP MLD 2(STA 21が属するMLD)は、全ての空間ストリーム/アンテナをSTA 21が配置されたリンク1に切り替える。APとSTA 11およびSTA 21との間のフレーム交換を実施するプロセスにおいて、APは、ユニキャスト形式でフレーム、例えば、図6のブロック肯定応答要求(Block ACK Request、BAR)フレームをSTA 21に送信する必要があり得る。次いで、STA 21は、ブロック肯定応答(Block ACK、BA)フレームをユニキャスト形式でAPに返す。上記で説明したSM PS規則によれば、STA 11はユニキャストフレーム(BARフレームと称される)を受信し、ユニキャストフレームの宛先アドレスは別のステーションである。したがって、STA 11が属するnon-AP MLD 1は、リンク1上の空間ストリーム/アンテナを各リンクに直ちに切り替えて、リスニング動作を実施する必要がある。しかしながら、実際には、APは、STA 11にサービスすることを完了しないことがあり、換言すれば、APは、STA 11に送信される必要があるデータを依然として有することがある。しかしながら、APは、ユニキャストBARフレームをSTA 11に送信する必要があるため、APは、STA 11にサービスし続けることができない。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0201
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0201】
任意選択で、例えば、non-AP MLDと第1のAPとの間に2つのリンク、すなわち、第1のリンクおよび第2のリンクが存在する。non-AP MLDが第1のリンクおよび第2のリンクの各々についてリスニング動作(listening operation)を実施するとき、第1のAPからの初期制御フレームまたは初期フレームが第1のリンク上で受信され、non-AP MLDは、第1のAPとのフレーム交換を実施するために、第2のリンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替える。切り替え後、第1のリンク上に複数の空間ストリームが存在する。第1のAPは第1のリンク上で動作する(operates on)。プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされているとnon-AP MLDが決定した場合、non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを第2のリンクに再び切り替え、第1のリンクおよび第2のリンクの各々についてリスニング動作を実施する。任意選択で、プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされているとnon-AP MLDが決定した場合、non-AP MLDは、EMLSR遷移遅延(EMLSR Transition Delay)またはEMLMR遷移遅延(EMLMR Transition Delay)持続時間の後に、リスニング動作に再び切り替わるものとする(shall)(switch back to the listening operation)。non-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、non-AP MLDは、EMLSR切り替え遅延持続時間の後にリスニング動作に再び切り替わることを理解されたい。non-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、non-AP MLDは、EMLMR遷移遅延持続時間の後にリスニング動作に再び切り替わる。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0209
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0209】
任意選択で、ユニキャスト制御フレームは、ユニキャストトリガフレームをさらに含む。ユニキャストトリガフレームは、MU-BARフレーム、バッファステータス報告ポール(Buffer Status Report Poll、BSRP)フレーム、ビームフォーミング報告ポールBFRPフレーム、マルチユーザ送信要求(Multi-User request to send、MU-RTS)フレーム、帯域幅クエリ報告ポール(Bandwidth Query Report Poll、BQRP)フレーム、およびヌルデータパケットフィードバック報告ポール(NDP Feedback Report Poll、NFRP)フレームのうちの1つ以上を含む。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0212
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0212】
第3のプリセット条件は、non-AP MLDが、第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信することであり、non-AP MLDのユーザ情報フィールドは、トリガフレーム内に存在せず、またはアップリンク直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、OFDMA)ベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子は、トリガフレーム内に存在しない。任意選択で、本明細書のトリガフレームは、MU-RTSフレームおよびBSRPフレームのうちの一方または両方を含み得る。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0213
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0213】
換言すれば、第3のプリセット条件は、それ(non-AP MLDにあり、第1のリンク上で動作するステーションを指す)が、TXOPホルダ(holder)から、例えばMU-RTSフレームおよびBSRPフレームなどの一部または全部のタイプのトリガフレームを含むトリガフレーム(trigger frame)を受信することである。加えて、ユーザ情報(User Info)フィールド内のアソシエーション識別子12(AID12)サブフィールドの値は、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションのAIDの最下位12ビットに等しくなく、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセス(Uplink OFDMA-based Random Access、UORA)を示すAIDは存在しない。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0232
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0232】
任意選択で、non-AP MLDは、EMLSRまたはEMLMRをサポートする。non-AP MLDが、第1のリンク上でリスニング動作を実施するときに第1のAPから初期フレームまたは初期制御フレームを正常に受信した後に、かつnon-AP MLDとnon-AP MLDにおいて第1のステーションに関連付けられた第1のAPとの間のフレーム交換の終了前に、non-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で第1のタイプのPPDUを受信する。初期フレームまたは初期制御フレームは、フレーム交換のために各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えるようにnon-AP MLDに指示する。第1のタイプのPPDUは、MU PPDU、またはブロードキャストフレームもしくはマルチキャストフレームを含むPPDUである。第1のタイプのPPDUは、第1のリンク上のステーションが受信者(または受信者のうちの1つ)として使用されることを示す指示情報を搬送する。本明細書における指示情報は、第1のステーションが受信者(または受信者のうちの1つ)として使用されることを示す必要があることを理解されたい。non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、non-AP MLDは、リスニング動作を実施するために、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを各リンクに再び切り替える。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0249
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0249】
(5)non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間(ΔT)内に受信された第1のPPDUは、ユニキャストアドレスを有するフレームを含み、フレームの受信アドレスは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションではなく、または第1のPPDUは、トリガフレームを含み、トリガフレーム内の任意のユーザ情報フィールド内のアソシエーション識別子は、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションのアソシエーション識別子と一致せず、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子は、トリガフレーム内に存在しない。換言すれば、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションによって第1の持続時間(ΔT)内に受信された第1のPPDUは、ユニキャストアドレスを有するフレームを含み、受信アドレスは、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションではなく、または第1の受信されたPPDUは、トリガフレームを含むが、任意のユーザ情報フィールド内のAID 12は、non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションのAIDと一致せず、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すAIDは存在しない。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0259
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0259】
任意選択で、第1のフレームは、初期制御フレームであってもよく、または初期フレームであってもよい。第1のフレームは、1つ以上の第2の持続時間を搬送し、第1のフレームは、durationフィールドをさらに搬送し得る。第1のフレームが1つの第2の持続時間を搬送する場合、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間であってよく、第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。代替的に、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる(第1のnon-AP MLDを含む)全てのnon-AP MLDに第1のAPによって割り当てられる総持続時間であり得る。この場合、第2の持続時間の開始時点は、各non-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のフレームが複数の第2の持続時間を搬送し、複数の第2の持続時間が第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間を含む場合、第1のnon-AP MLDに割り当てられた第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する開始時点である。第1のnon-AP MLDは、EMLSRまたはEMLMRをサポートする。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0289
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0289】
任意選択で、ステップS701の前に、第1のnon-AP MLDは、第1のnon-AP MLDによってサポートされるEMLモードを第1のAPに通知してもよい。一実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLSRをサポートする。別の実装形態では、第1のnon-AP MLDはEMLMRをサポートする。さらに、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRをサポートし、または第1のnon-AP MLDは、シングルユーザEMLSR/EMLMRをサポートする。代替的に、第1のnon-AP MLDは、マルチユーザEMLSR/EMLMRおよびシングルユーザEMLSR/EMLMRの両方をサポートする。第1のnon-AP MLDがEMLSRをサポートする場合、第1のフレームは初期制御フレームである。第1のnon-AP MLDがEMLMRをサポートする場合、第1のフレームは初期フレームである。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0300
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0300】
さらに別の実装形態では、第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送する。詳細については、図12に示される実施形態における対応する説明を参照されたい。詳細は本明細書では再び説明されない。説明を容易にするために、1つの第2の持続時間が以下の例として使用され、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDによって使用され得る。換言すれば、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる全てのnon-AP MLD(第1のnon-AP MLDを含む)に第1のAPによって割り当てられる総持続時間である。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPによって第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間である。第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のnon-AP MLDが第1のリンク上で第1のフレームを受信すると、第1のnon-AP MLDはタイミングを開始する。タイミングが第2の持続時間に達する前に、第1のリンク上の第1のnon-AP MLDによって受信された第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が0である場合、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施する。第1のリンク上で第1のnon-AP MLDによって受信された第2のフレーム内のモアデータサブフィールドの値が1である場合、第1のnon-AP MLDは、複数の空間ストリームを使用することによって第1のリンク上で受信を継続する。タイミングが第2の持続時間に達した場合、第1のリンク上の第1のnon-AP MLDによって受信された第2のフレーム内のmore dataサブフィールドの値が1であるか0であるかにかかわらず、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0319
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0319】
さらに別の実装形態では、第1のフレームは1つ以上の第2の持続時間を搬送する。詳細については、図12に示される実施形態における対応する説明を参照されたい。詳細は本明細書では再び説明されない。説明を容易にするために、1つの第2の持続時間が以下の例として使用され、第2の持続時間は、第1のnon-AP MLDによって使用され得る。換言すれば、第2の持続時間は、EMLSR/EMLMRをサポートし、第1のAPによってスケジューリングされる全てのnon-AP MLD(第1のnon-AP MLDを含む)に第1のAPによって割り当てられる総持続時間である。代替的に、第2の持続時間は、第1のAPによって第1のnon-AP MLDに個別に割り当てられた持続時間である。第2の持続時間の開始時点は、第1のnon-AP MLDが第1のフレームを受信する終了時点である。第1のnon-AP MLDが第1のリンク上で第1のフレームを受信すると、第1のnon-AP MLDはタイミングを開始する。タイミングが第2の持続時間に達する前に、第1のnon-AP MLDが第1のリンク上で第3のフレームを受信し、第3のフレームがEOSPサブフィールドを含み、EOSPサブフィールドが1に設定されている場合、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。タイミングが第2の持続時間に達した場合、第1のnon-AP MLDが第1のリンク上で第3のフレームを受信したか否かにかかわらず、第1のnon-AP MLDは、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替えて、リスニング動作を実施する。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0329
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0329】
任意選択で、MACフレームは、マルチリンク要素(Multi-Link element)の拡張マルチリンク能力フィールド(EML Capabilities field)を含み、第1の指示情報は、MACフレームのEML能力フィールドに配置される。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0364
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0364】
任意選択で、例えば、EMLSR non-AP MLDとAPとの間に2つのリンク、すなわち、第1のリンクおよび第2のリンクがあり、EMLSR non-AP MLD内にあり、第1のリンク上で動作するステーションは、EMLSRステーションである。EMLSR non-AP MLD(またはEMLSRモードのnon-AP MLD)が、第1のリンクおよび第2のリンクの各々についてリスニング動作(listening operation)を実施しているときに、第1のリンク上でAPから初期制御フレーム(MU-RTSフレームまたはBSRPフレームなど)を受信すると、EMLSRをサポートするnon-AP MLDは、別のリンク(本明細書では第2のリンクと称する)上の空間ストリーム/アンテナを第1のリンクに切り替えて、APとのフレーム交換を実施する。切り替え後、第1のリンク上に複数の空間ストリームが存在する。EMLSR non-AP MLDが、プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされていると決定した場合、EMLSR non-AP MLDは、第1のリンク上の一部の空間ストリーム/アンテナを第2のリンクに再び切り替え、第1のリンクおよび第2のリンクの各々についてリスニング動作を実施する。任意選択で、プリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件が満たされているとnon-AP MLDが決定した場合、non-AP MLDは、EMLSR遷移遅延(EMLSR Transition Delay)持続時間の後に、リスニング動作に再び切り替わるものとする(shall)(switch back to the listening operation)。言い換えると、EMLSRモードにあるnon-AP MLD(またはEMLSRステーション)は、以下の条件のいずれかが満たされる場合、リスニングモードに再び切り替わる:
・non-AP MLD内にあり、初期制御フレームを受信するステーションは、SIFS時間+スロット時間+RxPHY開始遅延持続時間内にPHY-RXSTART.indicationプリミティブ(PHY-RXSTART.indication primitive)を受信しない。時間は、ステーションが、関連するAP MLDにおいてAPに返されるPPDUを送信する終了時点から開始して計算され、PPDUは、APから直近に受信されたフレームに応答するために使用される。代替的に、時間は、ステーションがAPによって送信されたPPDUを受信する終了時点から開始して計算され、PPDUは即時応答を必要としない。
・non-AP MLD内にあり、初期制御フレームを受信するステーションは、SIFS時間+スロット時間+RxPHY Start Delay持続時間内にPHY-RXSTART.indicationプリミティブを受信する。時間計算規則は、前の条件の時間計算規則と同じであり、詳細は本明細書では再び説明されない。加えて、PPDUは、ユニキャスト方式でステーションに送信されるフレーム、ユーザ情報(User Info)フィールドによって示され、ステーションに送信されるトリガフレーム、(ステーションに関連付けられた)APによって送信されるCTS-to-selfフレーム、アソシエーションIDごとのトラフィックID情報(Per Association ID Traffic ID Information、Per AID TID Info)によって示され、ステーションに送信されるマルチSTA BlockAck(Multi-STA BlockAck)フレーム、ステーション情報(STA Info)フィールドによって示され、ステーションに送信されるVHT/HE/EHTヌルデータパケット(null data packet、NDP)告知(Announcement)フレーム、(別のステーションによって)APに送信されるBAフレーム、またはAPによって送信されるユニキャストBARフレームではなく、
・non-AP MLD内にあり、初期制御フレームを受信するステーションは、最近受信されたフレームに応答せず、フレームは、関連付けられたAP MLD内のAPによって送信され、SIFS後に即時応答を要求する。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0370
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0370】
別の例では、APは、ユニキャストBARフレームをステーションに送信する。これは、APが1つ以上のステーション(EMLSRステーションを含む)と通信するとき、隠れノードが存在し得るからである。したがって、APがユニキャストBARフレームをステーション(例えば、第1のステーション)に送信するとき、ステーションによって返されたBAが成功したかどうかにかかわらず、APは、EMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定することができない。APが、EMLSRステーションがリスニングモードに再び切り替わったかどうかを決定できない理由は、以下を含むが、これらに限定されない:
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0384
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0384】
第3の設計では、通信装置1は、non-AP MLDまたはnon-AP MLD内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよい。トランシーバユニット12は、第1のリンク上でリスニング動作を実施するとき、第1のAPによって送信された第1のフレームを受信するように構成される。スイッチングユニット11は、リスニング動作が第1のリンク上で実施されるときに第1のAPによって送信された第1のフレームが受信された後に、各リンク上の空間ストリームを第1のリンクに切り替えて、第1のAPとのフレーム交換を実施するように構成され、non-AP MLDは、EMLをサポートする。スイッチングユニット11は、non-AP MLDがプリセット条件セット内のいずれかのプリセット条件を満たす場合に、第1のリンク上の空間ストリームを各リンクに再び切り替え、リスニング動作を実施するようにさらに構成される。プリセット条件セットは、第3のプリセット条件をさらに含み、第3のプリセット条件は、non-AP MLDが、第1のリンク上で、TXOPホルダによって送信された1つのトリガフレームを受信し、non-AP MLDのユーザ情報フィールドが、トリガフレーム内に存在しないか、またはアップリンクOFDMAベースのランダムアクセスを示すアソシエーション識別子が、トリガフレーム内に存在しないことである。
【手続補正33】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0413
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0413】
任意選択で、処理ユニット22は、第1のフレームおよび第2のフレームを生成するように構成される。
【手続補正34】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0434
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0434】
別の設計では、通信装置1000は、前述の実施形態7における第1のAPの機能を実施するように構成され得る:プロセッサ1001は、図17のステップS701において送信される第1のフレームおよびステップS703において送信される第2のフレームを生成し、かつ/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得、通信インターフェース1002は、図17のステップS701およびステップS703、ならびに/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成され得る。
【手続補正35】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0460
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0460】
ある設計では、汎用プロセッサは、前述の実施形態7における第1のAPの機能を実施するように構成され得る。特に、処理回路は、図17のステップS701において送信される第1のフレームおよびステップS703において送信される第2のフレームを生成し、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてよく、入出力インターフェースは、図17のステップS701およびステップS703、および/または本明細書において説明される技術の別のプロセスを実施するように構成されてよい。
【手続補正36】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0465
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0465】
本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを記憶する。プロセッサがコンピュータプログラムコードを実行するとき、プロセッサは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実施する。
【手続補正37】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正38】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正の内容】
図16
【手続補正39】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正の内容】
図18
【国際調査報告】