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特表2024-531359床清掃システム、床清掃装置、並びに床清掃システム又は床清掃装置の作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】床清掃システム、床清掃装置、並びに床清掃システム又は床清掃装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 11/292 20060101AFI20240822BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240822BHJP
   G05D 1/648 20240101ALI20240822BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20240822BHJP
   A47L 11/282 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A47L11/292
G08G1/00 X
G05D1/648
A47L9/28 E
A47L11/282
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509484
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2021073077
(87)【国際公開番号】W WO2023020699
(87)【国際公開日】2023-02-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505201098
【氏名又は名称】アルフレッド ケルヒャー エスエー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ ヘンニゲ
(72)【発明者】
【氏名】フェリペ ガルシア ロペス
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル ドゥルスト
(72)【発明者】
【氏名】ティロ エーレントライヒ
(72)【発明者】
【氏名】フェードア ウラソフ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ホフナー
(72)【発明者】
【氏名】ゲレオン ヒンツ
【テーマコード(参考)】
3B057
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DA03
3B057DE02
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB08
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF03
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF17
5H181FF23
5H181FF27
5H181FF33
5H181MB03
5H301AA01
5H301BB11
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301DD01
5H301GG08
5H301GG09
5H301HH01
5H301HH02
5H301HH11
5H301HH13
5H301HH15
5H301HH18
5H301QQ06
(57)【要約】
本発明は、自走式自己操舵の床清掃装置(10)と、少なくとも1つの制御可能な表示ユニット(48)と、少なくとも1つの保存ユニット(40、100)とを備える床清掃システムに関し、床清掃装置(10)は、床面(14)上を走行するための走行ギア(18)と、制御ユニット(20)と、センサユニット(38)と、少なくとも1つの清掃ユニット(22)と、操作ユニット(44)とを備え、床清掃装置(10)を、特に移動中に位置付ける及び/又はナビゲートするために、環境がセンサユニット(38)を用いて検出可能であり、床清掃装置(10)のための清掃経路(68)が、ルート及び好ましくは少なくとも1つの清掃ユニット(22)の使用に関する各々の情報と共に、少なくとも1つの保存ユニット(40)に保存され、連続して処理されるべき2つ以上の清掃経路(68)を結び付けることにより、清掃タスクが操作ユニット(44)上でユーザ(70)によって指定可能であって、かつ、前記清掃タスクは床清掃装置(10)によって自動的に処理可能であり、センサユニット(38)を用いて検出可能である少なくとも1つの特徴的なランドマーク(64)が、保存ユニット(40)に保存されると共に、2つ以上の清掃経路(68)に関連付けられ、かつ、各々の清掃経路(68)の開始位置及び/又は終了位置が、ランドマーク(64)上に又はランドマーク(64)に定められ、ランドマーク(64)の各々に関連付けられた清掃経路(68)の選択が、少なくとも1つの表示ユニット(48)上でユーザ(70)に提供可能である。本発明はさらに、床清掃装置、及び床清掃システム若しくは床清掃装置の作動方法に関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式自己操舵の床清掃装置(10)と、
少なくとも1つの制御可能な表示ユニット(48)と、
少なくとも1つの保存ユニット(40、100)と
を備える床清掃システムであって、
前記床清掃装置(10)が、床面(14)上を走行するための走行ギア(18)と、制御ユニット(20)と、センサユニット(38)と、少なくとも1つの清掃ユニット(22)と、操作ユニット(44)とを備え、
前記床清掃装置(10)を特に移動中に位置付ける及び/又はナビゲートするために、環境が前記センサユニット(38)を用いて検出可能であり、
前記床清掃装置(10)のための清掃経路(68)が、ルート及び好ましくは少なくとも1つの清掃ユニット(22)の使用に関する各々の情報と共に、前記少なくとも1つの保存ユニット(40)に保存され、
連続して処理されるべき2つ以上の清掃経路(68)を結び付けることにより、清掃タスクが前記操作ユニット(44)上でユーザ(70)によって指定可能であって、かつ、前記清掃タスクが前記床清掃装置(10)によって自動的に処理可能であり、
前記センサユニット(38)を用いて検出可能である少なくとも1つの特徴的なランドマーク(64)が、前記保存ユニット(40)に保存されると共に、2つ以上の清掃経路(68)に関連付けられ、かつ、各々の清掃経路(68)の開始位置及び/又は終了位置が、前記ランドマーク(64)上に又は前記ランドマーク(64)に定められ、
前記ランドマーク(64)の各々に関連付けられた前記清掃経路(68)の選択が、前記少なくとも1つの表示ユニット(48)上で前記ユーザ(70)に提供可能である、
床清掃システム。
【請求項2】
前記センサユニット(38)を用いて検出可能な2つ以上の特徴的なランドマーク(64)が前記保存ユニット(40)に保存され、2つ以上の清掃経路(68)が少なくとも1つのランドマーク(64)に関連付けられること、を特徴とする請求項1に記載の床清掃システム。
【請求項3】
前記センサユニット(38)によって視覚的に及び/又は電気的に及び/又は電磁的に検出可能であるマーカ要素(66)として好ましくは構成される、少なくとも1つのランドマーク(64)を備え、前記マーカ要素(66)が、特にマトリックスコード又はバーコードである、請求項1又は2に記載の床清掃システム。
【請求項4】
前記床清掃装置(10)の環境の少なくとも1つの特有の特徴が、ランドマーク(64)として使用可能であること、を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項5】
前記清掃タスクが前記少なくとも1つの保存ユニット(40、100)に保存可能であること、を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項6】
前記環境のマップ(56、561、562、564、565、75、751、752、753、754)が、少なくとも1つのランドマーク(64)に関連付けられて前記保存ユニット(40)に保存され、前記ランドマーク(64)に関連付けられた前記清掃経路(68)が、前記マップ(56、561、562、564、565、75、751、752、753、754)に保存されること、を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項7】
複合マップ(56、561、562、564、565、75、751、752、753、754)が、前記保存ユニット(40)に保存され、前記少なくとも1つのランドマーク(64)及び該ランドマーク(64)に関連付けられた前記清掃経路(68)が、前記複合マップ(56、561、562、564、565、75、751、752、753、754)に保存されること、を特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項8】
清掃経路(68)が前記少なくとも1つのランドマーク(64)に関連付けられて設けられ、該清掃経路(68)が前記ランドマーク(64)に開始位置及び自らの終了位置を有する、及び/又は、1つのランドマーク(64)に開始位置を有し別のランドマーク(64)に終了位置を有する清掃経路(68)が設けられること、を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項9】
前記床清掃装置(10)がユーザ(70)によって手で案内され、特に、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
-前記床清掃装置(10)が、現在の開始位置からランドマーク(64)まで前記ユーザ(70)によって案内可能であり、前記ランドマーク(64)を起点として前記清掃タスクが開始されること、
-前記床清掃装置(10)が、前記清掃タスクの完了後にランドマーク(64)から駐車位置まで前記ユーザ(70)によって案内可能であること、
-前記床清掃装置(10)が、清掃経路(68)が終わる第1のランドマーク(64)から、別の清掃経路(68)が始まる別のランドマーク(64)まで、前記ユーザ(70)によって案内可能であること
のうちの少なくとも1つが適用されること、
を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの保存ユニット(40、100)に、少なくとも1つの搬送経路(74)が、前記少なくとも1つの清掃ユニット(22)の使用を伴わずに少なくとも1つのランドマーク(64)に結び付けられて保存され、前記少なくとも1つのランドマーク(64)が、特に前記清掃タスクの構成要素として、前記ユーザ(70)によって指定可能であること、を特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項11】
以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
-グラフィカルユーザインタフェースが、保存済みランドマーク(64)及び/又は保存済み清掃経路(68)を探すために、前記表示ユニット(48)上で前記ユーザ(70)に提供可能であること、
-前記環境のマップ(56、561、562、564、565、75、751、752、753、754)が、前記マップに示されたランドマーク(64)及び/又は保存済み清掃経路(68)を選択するために、前記表示ユニット(48)上で前記ユーザ(70)に表示可能であること
のうちの少なくとも1つが適用されること、
を特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項12】
グラフィカルユーザインタフェースが、特にマップ(56、561、562、564、565、75、751、752、753、754)における先行する検索及び/又は選択に応じて、ランドマーク(64)及び/又は保存済み清掃経路(68)に関する情報を示すために、前記表示ユニット(48)上で前記ユーザ(70)に提供可能であること、を特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項13】
清掃経路(68)が、名称及び/又は記号(72)を使用して前記ユーザインタフェース上で選択可能であると共に、前記清掃タスクに結び付け可能な態様で表示可能であること、を特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項14】
前記清掃経路(68)が、選択済みランドマーク(64)に結び付けられて表示可能であり、特に、前記ランドマーク(64)に関連付けられていない清掃経路(68)が、非表示にされる又は選択不能と表示されること、を特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの清掃経路(68)が、前記床清掃装置(10)の外部のデータ処理装置(102)上でユーザ(70)によって作成可能であると共に、前記少なくとも1つの保存ユニット(40、100)に保存可能であること、を特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項16】
前記床清掃装置(10)が、ティーチイン動作モードにおいて、前記操作ユニット(44)上で前記ユーザ(70)の案内の下、少なくとも1つの清掃経路(68)を作成して保存するように設計及び構成されること、を特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項17】
前記床清掃装置(10)によって認識された前記床面(14)のセクション(80)、及び/又は前記ユーザ(70)により外周に沿って通行された前記床面(14)のセクション(80)に、前記清掃経路(68)のルート(86、95、96)を、特に領域全体を覆うように自動的に割り当て可能であること、を特徴とする請求項16に記載の床清掃システム。
【請求項18】
特に、前記セクション(80)を清掃するために必要な消耗材の量について、及び/又は前記床清掃器具(10)によって持ち運ばれる消耗材の現在量が、前記セクション(80)を清掃するために十分であるかどうかについて、前記少なくとも1つの表示ユニット(48、98)上で、前記ユーザ(70)に通知が提供可能であること、を特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項19】
前記清掃経路(68)が1つ又は複数のセグメントを有するように適合されており、少なくとも1つの清掃ユニット(22)が少なくとも1つのセグメント上で稼働され、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
-異なるタイプの清掃ユニット(22)が、前記清掃経路(68)の異なるセグメントにおいて又は各々のセグメント内で稼働又は稼働停止されること、
-清掃ユニット(22)が稼働されていない少なくとも1つのセグメントが存在すること、
-前記床面の経路及び割り当て可能なセクションが、前記清掃経路(68)に保存されること、
-前記床清掃装置(10)と前記環境との少なくとも1つの相互作用事象、特に前記床清掃装置(10)によって出力されるべき聴覚的通知及び/又は視覚的通知が、前記清掃経路(68)に保存されること
のうちの少なくとも1つが前記清掃経路(68)に適用されること、
を特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項20】
前記床清掃装置(10)をランドマーク(64)に前記センサユニット(38)を用いて認識可能なように位置決めするために、前記少なくとも1つの表示ユニット(48)上で前記ユーザ(70)に対して通知が出力可能であること、を特徴とする請求項1から19のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項21】
少なくとも1つのランドマーク(64)が検出された場合、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
-前記ランドマーク(64)に関連付けられた前記清掃経路(68)に関する情報が、好ましくは前記清掃タスクを作成するために、前記表示ユニット(48)上に表示可能であること、
-前記ランドマーク(64)で始まる清掃タスクの処理がトリガ可能であること
のうちの少なくとも1つが適用されること、
を特徴とする請求項1から請求項20のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項22】
前記床清掃装置(10)が前記ユーザ(70)によって案内されるとき、前記ランドマーク(64)に関連付けられた前記清掃経路(68)に関する通知が、前記少なくとも1つのランドマーク(64)が前記センサユニット(38)によって検出されたときに前記表示ユニット(48)に提供可能であること、を特徴とする請求項1から21のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項23】
前記床清掃システム(12、120)が、前記床清掃装置(10)がドッキング位置で規定の位置をとるための少なくとも1つのドッキングステーション(54)を備え、前記少なくとも1つのドッキングステーション(54)が、好ましくはランドマーク(64)を備える又は形成すること、を特徴とする請求項1から22のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項24】
前記床清掃装置(10)に、前記少なくとも1つのドッキングステーション(54)を介して、前記清掃タスクを処理するために必要な消耗材を供給可能である、及び/又は、前記床清掃器具(10)の使用済み部材が受け取られることができること、を特徴とする請求項23に記載の床清掃システム。
【請求項25】
前記床清掃装置(10)が、各々のドッキングステーション(54)において、少なくとも1つの使用可能な部材が次の清掃経路(68)にとって十分な量で供給されるように、及び/又は使用済み部材が除去されるように設計されること、を特徴とする請求項23又は24に記載の床清掃システム。
【請求項26】
前記床清掃装置(10)が、前記清掃タスクの処理中に、前記処理が少なくとも1つの消耗材の供給及び/又は少なくとも1つの使用済み部材の排出を必要とする場合に、前記少なくとも1つのドッキングステーション(54)を訪問可能であるように設計されること、を特徴とする請求項23から25のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項27】
前記少なくとも1つのドッキングステーション(54)が、少なくとも1つの消耗材を供給するために、及び/又は少なくとも1つの使用済み部材を排出するために、仕様に従って前記清掃経路(68)内に向かうことができること、を特徴とする請求項23から26のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項28】
前記床清掃装置(10)が、前記清掃タスクの処理中に、まだ処理されるべき前記清掃タスクの残りの部分に応じて、この目的のために必要な消耗材の量を自動的に決定し、必要であれば前記消耗材を少なくとも1つのドッキングステーション(54)で受け取る及び/又は消費済み消耗材を排出するように設計され、過剰な消耗材を受け取ることが好ましくは回避されること、を特徴とする請求項23から27のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項29】
前記床清掃装置(10)が少なくとも1つの保存ユニット(40)を備えること、を特徴とする請求項1から28のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項30】
少なくとも1つの保存ユニット(100)が、前記床清掃装置(10)から遠く離れて位置決めされ、保存されることになっている又は保存される情報が、通信ユニット(42)を介して、前記床清掃装置(10)から前記保存ユニット(100)に及び/又はその逆に送信可能であり、特に、前記床清掃システム(120)が、前記保存ユニット(100)を有するデータ処理装置(102)を備えること、を特徴とする請求項1から29のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項31】
前記床清掃装置(10)が少なくとも1つの表示ユニット(48)を備えること、を特徴とする請求項1から30のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項32】
少なくとも1つの表示ユニット(98)が前記床清掃装置(10)から遠く離れて位置決めされ、画像情報が、通信ユニット(42)を介して、前記床清掃装置(10)から前記表示ユニット(98)に送信可能であり、特に、前記床清掃システム(12)が、前記表示ユニット(48)を有するデータ処理装置(102)を備えること、を特徴とする請求項1から31のいずれかに記載の床清掃システム。
【請求項33】
請求項1から32のいずれかに記載の本発明による床清掃システムの床清掃装置。
【請求項34】
請求項1から32のいずれかに記載の床清掃システム又は請求項33に記載の床清掃装置を作動させるための方法であって、
少なくとも1つの特徴的なランドマークが前記保存ユニットに保存され、かつ、前記ランドマークに2つ以上の清掃経路が関連付けられ、
各々の清掃経路の開始位置及び/又は終了位置が、前記ランドマーク上に又は前記ランドマークに定められ、
連続して処理されるべき2つ以上の清掃経路を結び付けることにより、清掃タスクが前記操作ユニット上でユーザによって指定され、かつ、前記清掃タスクが前記床清掃装置によって自動的に処理される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式自己操舵の床清掃装置と、少なくとも1つの制御可能な表示ユニットと、少なくとも1つの保存ユニットとを備える床清掃システムに関し、前記床清掃装置は、床面上を走行するための走行ギアと、制御ユニットと、センサユニットと、少なくとも1つの清掃ユニットと、操作ユニットとを備え、前記床清掃装置を特に移動中に位置付ける及び/又はナビゲートするために、環境が前記センサユニットを用いて検出されることができ、前記床清掃装置のための清掃経路が、ルート及び好ましくは少なくとも1つの清掃ユニットの使用に関する各々の情報と共に、前記少なくとも1つの保存ユニットに保存される。
【0002】
さらに、本発明は、上述したタイプの床清掃システムの床清掃装置に関する。
【0003】
本発明はさらに、床清掃システム及び床清掃装置を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
上述の床清掃装置は、清掃タスクの自律的な遂行を許容する。その際、床清掃装置は、清掃経路に保存された情報に従って床面上を移動させられ、床面を清掃することができる。清掃経路は、覆われるべきルート、及び特に少なくとも1つの清掃ユニットの使用に関する情報を有することができる。例えば、どの清掃ユニットを稼働させるか、及び、床面を清掃する清掃性能(例えば、モータの駆動力及び/又は洗浄液の計量)を保存することができる。
【0005】
ユーザによって以前に通行された清掃経路がティーチイン動作モードで保存され、それから床清掃装置によって自動的に繰り返されることができる床清掃装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、よりユーザフレンドリーな方法で清掃タスクを指定することを可能にする、床清掃システム、床清掃装置、並びに床清掃システム又は床清掃装置の作動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述したタイプの床清掃システムでは、この目的は、本発明によれば、連続して処理されるべき2つ以上の清掃経路を結び付けることにより、清掃タスクが前記操作ユニット上でユーザによって指定されることができて、かつ、前記清掃タスクが前記床清掃装置によって自動的に処理されることができ、前記センサユニットを用いて検出されることができる少なくとも1つの特徴的なランドマークが、前記保存ユニットに保存されると共に、2つ以上の清掃経路に関連付けられ、各々の清掃経路の開始位置及び/又は終了位置が、前記ランドマーク上に又は前記ランドマークに定められ、前記ランドマークの各々に関連付けられた前記清掃経路の選択が、前記少なくとも1つの表示ユニット上で前記ユーザに提供されることができることで達成される。
【0008】
本発明による前記床清掃システムでは、清掃タスクを作成するために清掃経路を互いに結び付ける可能性がある。前記清掃タスクの構成要素としての2つ以上の清掃経路は、前記床清掃装置によって順次通行されることができ、前記床面は、いずれの場合も清掃されることができる。少なくとも1つの特徴的なランドマークが、前記床清掃装置の環境における前記清掃経路の空間的な位置付けを可能にするために、いわば「編成」のために、前記少なくとも1つの保存ユニットに保存される。2つ以上の清掃経路が前記ランドマークに関連付けられ、その各々の開始位置及び/又は終了位置が、前記ランドマークに又は前記ランドマークの近くに定められる。提供された情報に基づいて、前記清掃タスクは、ユーザフレンドリーな態様で作成されることができる。例えば、清掃経路は、第1の清掃経路の終了位置と次の清掃経路の開始位置とが同じランドマークにあるように互いに結び付けられる。好ましくは、複数の任意に存在するランドマークに及ぶ、例えばいくつかの部屋や階さえにも走行することができるなら及ぶ、複雑な清掃タスクを作成することが可能である。前記少なくとも1つのランドマークと前記清掃経路との空間的関係は、好ましくは、床清掃装置の正確なナビゲーション及び/又は位置付けを確実にする。というのも、位置調節を繰り返すことが可能であるからである。
【0009】
本件では、「ランドマークに」は、特に、ランドマークの「すぐ近くに」と理解することができる。「すぐ近くに」は、例えば、指定された距離又は指定可能な距離、例えばランドマークを中心に半径約5mによって規定されることができる。必要なのは、前記ランドマークが前記センサユニットによって検出されることができ、これに基づいて、前記床清掃装置が前記ランドマーク上に又は前記ランドマークに位置付けられることが、前記床清掃装置によって決定されることができる、ということだけである。
【0010】
前記床清掃装置の動作は、特に前記制御ユニットによって制御され、前記制御ユニットは、前記センサユニットと作動的に接続することができ、走行ギアを制御する。前記制御ユニットは、前記少なくとも1つの表示ユニット、前記少なくとも1つの保存ユニット、及び前記少なくとも1つの清掃ユニットに結合されることができる。
【0011】
特に、前記センサユニットを用いて検出されることができる2つ以上の特徴的なランドマークが前記保存ユニットに保存され、2つ以上の清掃経路が少なくとも1つのランドマークに関連付けられ、少なくとも1つの清掃経路が各ランドマークに関連付けられるようにすることができる。各々の清掃経路の開始位置及び/又は終了位置は、各々のランドマークに定められることができる。各々のランドマークに関連付けられた前記清掃経路の選択は、好ましくは、前記少なくとも1つの表示ユニット上で前記ユーザに提供されることができる。この実施形態では、異なるランドマークの清掃経路は、ユーザフレンドリーな態様で組み合わされて清掃タスクにすることができる。この場合特に、後述するように、清掃経路が1つのランドマークから、これとは異なる別のランドマークに至ることが考えられる。
【0012】
上記によれば、いくつかのランドマークが前記保存ユニットに保存されることができる。各々のランドマークは、例えば、次のうちの少なくとも1つ、すなわち、環境の正確に1つの部屋、環境の少なくとも1つの部屋、前記環境の部屋内のセクション、又は階のうちの少なくとも1つを示すことができる。後者の場合、例えば、各階に、この階を識別するためのランドマークが設けられることができる。前記床清掃装置が、好ましくは、少なくとも1つの傾斜路及び/又は少なくとも1つのエレベータを経由して異なる階に自動的に近づくことができることが考えられる。各々の階に関係するランドマークは、例えば、清掃を伴わない搬送経路を経由して(例えば、エレベータで走行することにより)互いに接続され、例えば傾斜路を走行するときに清掃経路の使用も考えられる。
【0013】
前記床清掃システムは、前記センサユニットによって視覚的に及び/又は電気的に及び/又は電磁的に検出されることができるマーカ要素として好ましくは構成される少なくとも1つのランドマークを備えると有利である。実際には、人工のマーカ要素の使用が、前記センサユニットによる検出に信頼性があると分かっていることが示されている。この場合、好ましくは、前記床清掃装置によってそのように明確に識別されることができる固有のマーカ要素が使用される。
【0014】
前記センサユニットの視覚的設計に関して、前記マーカ要素が光学的に検出可能であれば特に有利であると分かっている。
【0015】
例えば、前記マーカ要素は、マトリックスコード(例えば、ArUcoマーカ要素)又はバーコードである。
【0016】
好ましくは、複数のランドマークが存在するとき、全てのランドマークが上述のような「人工の」マーカ要素である。
【0017】
前記床清掃装置の環境の少なくとも1つの特有の特徴が、ランドマークとして使用されることができるようにすることができる。例えば、これは、前記床清掃装置が位置付けられる部屋の目立った特徴とすることができる。このような特徴は、例えば、前記部屋の境界又は前記部屋内の物体である。
【0018】
前記清掃タスクは、好ましくは、前記少なくとも1つの保存ユニットに保存されることができ、特に変更可能に保存されることができる。保存済み清掃タスクは、前記ユーザによって繰り返し引き出されて処理されることができる。
【0019】
前記少なくとも1つのランドマークは、例えば、前記環境のマップに保存されることができる。
【0020】
前記環境のマップが、少なくとも1つのランドマークに関連付けられて前記保存ユニットに保存され、前記ランドマークに関連付けられた前記清掃経路が、前記マップに保存されるようにしてもよい。本件では、これは、特に、前記マップ内の前記ランドマークの位置、及びこのランドマークと清掃経路との関連付けが保存され、走行ルートが必ずしもローカルマップ内に視覚的に表示される必要はないことを意味すると理解することができる。前記マップの使用は、前記保存ユニット内の前記環境の描写の複雑さが最小限にされることを許容する。前記ランドマークは、いわば、前記ランドマークに関連付けられた前記少なくとも1つの清掃経路のための前記マップ内の「アンカーポイント」を形成する。前記環境内のナビゲーション及び/又は位置付けは、前記マップによって容易にされる。
【0021】
複数のランドマークが存在するとき、各々のランドマークがこのランドマークに関連付けられた1つ又は複数の清掃経路と共に保存される複数のマップが提供されることができる。
【0022】
異なるランドマークの間を走る清掃経路及び/又は搬送経路が、各々のマップを互いに結び付けるようにすることができる。このようにして、マップは、いわばパズルのピースのように互いに接合されて複合マップを形成することができる。それにより、これら個々のマップを横断する清掃経路及び/又は搬送経路が前記複合マップに保存されることができる。
【0023】
複合マップが前記保存ユニットに保存され、少なくとも1つのランドマーク及びこのランドマークに関連付けられた前記清掃経路が前記複合マップに保存されるようにすることができる。このようにして、前記システムは、前記環境に関する可能な限り包括的な情報を検出する。
【0024】
2つ以上のランドマーク及びこれらのランドマークに関連付けられた前記清掃経路が、好都合には、前記複合マップに保存される。
【0025】
全てのランドマークが前記複合マップに保存されるようにすることができる。
【0026】
清掃経路が、前記少なくとも1つのランドマークに関連付けられて設けられ、前記ランドマークに開始位置及び終了位置を有することができる。
【0027】
代替的に又は追加的に、1つのランドマークに開始位置を有し別のランドマークに終了位置を有する清掃経路が設けられることができる。後者の場合、例えば、清掃タスクは、2つ又はそれより多い数のランドマークに亘って規定することができる。
【0028】
清掃経路又は搬送経路が、常にランドマークで始まり、常にランドマークで終わるが、必ずしも同じランドマークでないようにすることができる。
【0029】
例えば、清掃経路又は搬送経路がランドマークの間を走り、前記ランドマークの少なくとも一方が2つのマップに保存される場合、マップは組み合わされることができる。
【0030】
代替的に又は追加的に、例えば、環境の特徴の少なくとも一部(以下、「可視領域」とも呼ばれる)が各々のマップ内で対応する場合、マップを組み合わせることが可能であり得る。これは、好ましくは、2つ以上のマップに保存され、「アンカーポイント」として使用されることができるランドマークなしでも可能であり得る。
【0031】
前記ランドマーク及び/又は前記清掃経路は、例えば、前記マップの描写内で触れることによって選択されることができる。例えば、ランドマークが選択された場合、前記ランドマークに関連付けられた清掃経路及び/又は搬送経路が表示されることができる。好ましくは、異なるランドマークの間を走る経路に対して、各々のランドマークが双方とも表示される。
【0032】
特に、前記清掃経路の描写が、直接、又はユーザによる前記清掃経路の事前選択の後、前記清掃経路に関連付けられた少なくとも1つのランドマークに関する情報を含むようにすることもできる。
【0033】
前記床清掃装置は、ユーザにより手動で操作することができる。
【0034】
例えば、前記床清掃装置は、現在の開始位置からランドマークまでユーザによって案内されることができ、前記ランドマークを起点として前記清掃タスクが開始されるようにすることができる。前記現在の開始位置は、例えば、前記清掃タスクが作成される場所である。
【0035】
前記床清掃装置は、前記清掃タスクの完了後にランドマークから駐車位置まで前記ユーザによって案内されることができるようにすることができる。
【0036】
前記床清掃装置は、前記清掃経路が終わる第1のランドマークから、別の清掃経路が始まる別のランドマークまで、前記ユーザによって案内されることができるようにすることができる。従って、異なるランドマークの間の走行は、前記床清掃装置自体ではなく、前記ユーザによって行われるようにすることができる。
【0037】
前記床清掃装置は、現在の開始位置から前記清掃タスクが開始されるランドマークまで自動的に移動するようにすることができる。
【0038】
前記床清掃装置は、前記清掃タスクの完了後にランドマークから駐車位置まで自動的に移動するようにすることができる。
【0039】
前記床清掃装置が、前記清掃タスクを処理するとき、清掃タスクが終わる第1のランドマークから、別の清掃経路が始まる別のランドマークまで移動すると有利であると分かることができる。このような空の走行又は搬送走行は、特に前記床清掃装置によって自動的に実行されることができる。
【0040】
搬送経路を設ける可能性については既に論じた。
【0041】
前記少なくとも1つの保存ユニットに、少なくとも1つの搬送経路が、前記少なくとも1つの清掃ユニットの使用を伴わずに少なくとも1つのランドマークに結び付けられて保存され、前記少なくとも1つのランドマークは、特に前記清掃タスクの構成要素として、前記ユーザによって指定されることができると有利であることができる。前記搬送経路は、例えば、第1の清掃経路から第2の清掃経路に到達するために、清掃なしに前記環境の区域を通過するのに役立つ。
【0042】
前記搬送経路は、例えば、現在の開始位置から、前記清掃タスクが実行されることができるランドマークまで延びる。
【0043】
前記搬送経路は、例えば、清掃経路又は前記清掃タスクが終わるランドマークから駐車位置まで延びる。
【0044】
前記搬送経路は、例えば、清掃経路が終わる第1のランドマークから、別の清掃経路が始まる別のランドマークまで延びる。この場合、前記搬送経路は、特に、前記清掃タスク内のランドマーク間の空の走行のために使用されることができる。
【0045】
少なくとも1つの表示ユニットは、タッチ感応表示ユニットとすることができる。例えば、前記ユーザから入力を受け取るためにタッチスクリーンがここでは使用される。これにより、例えば、前記清掃タスクを作成するために、表示された清掃経路を選択することが可能になる。
【0046】
前記表示ユニットが、例えば上述のタッチパネルと共に、前記操作ユニットを少なくとも部分的に形成すると好ましい。
【0047】
ユーザフレンドリーな取り扱いに関して、グラフィカルユーザインタフェースが、保存済みランドマーク及び/又は保存済み清掃経路を探すために、前記表示ユニット上で前記ユーザに提供されることができると有利である。例えば、各ランドマーク及び/又は各清掃経路が特徴的な名称を有し、前記ユーザが前記名称を探すことをより容易にすることができる。
【0048】
例えば、タッチスクリーンを使用するとき、前記グラフィカルユーザインタフェースは、テキストフィールド、選択リスト、アイコン、ピクトグラム、仮想ボタン(ソフトキー)等の一般的な入力要素を備えることができる。
【0049】
特に、清掃経路を探す、ランドマークを探す、及び/又は清掃タスクを作成するための、前記床清掃装置の音声制御が提供されることもできる。
【0050】
前記環境のマップが、前記マップに示されたランドマーク及び/又は保存済み清掃経路を選択するために、前記表示ユニット上で前記ユーザに表示されることができるようにすることができる。例えば、前記マップは、上で説明したような「単純な」マップ又は複合マップとすることができる。
【0051】
ティーチインプロセス中、前記ユーザは、好ましくは、その案内に際し、前記床清掃装置によって支援されることができる。例えば、前記ユーザが障害物又は前記床面の境界に近づきすぎた場合に通知が出され、それにより操舵操作をより困難に又は不可能にする。
【0052】
有利には、グラフィカルユーザインタフェースが、特に先行する検索に応じて、ランドマーク及び/又は保存済み清掃経路を表すために、前記表示ユニット上で前記ユーザに提供されることができる。前記ランドマーク及び/又は前記清掃経路は、例えば、テキスト情報又は仮想ボタン(例えば、アイコンとして)によって表され、好ましくは前記ユーザによって選択されることができる。
【0053】
好ましくは、清掃経路が、名称及び/又はアイコンを使用して前記ユーザインタフェース上で選択されることができ、前記清掃タスクに結び付け可能な態様で示されることができる。例えば、前記清掃タスクが、清掃経路を連続して選択することによって作成されるようにすることができる。各々の清掃経路の描写は、例えば、前記清掃経路の名称、好ましくはその経路のコースに関するグラフィック情報を含むことができる。
【0054】
前記清掃経路は、好ましくは、選択済みランドマークに結び付けられて表示されることができる。例えば、ランドマークを選択又は探索した後、このランドマークに関連付けられた清掃経路が表示される。
【0055】
例えば、前記ランドマークに関連付けられていない清掃経路は非表示にされる、又は選択できないと示されるようにすることができる。後者の場合、前記清掃経路は示されるが、例えば、選択のために提供されない。可能な選択を、前記ランドマークに割り当てられる清掃経路に限定することにより、前記ユーザにとって操作がより容易になる。
【0056】
清掃経路が前記表示ユニット上で選択されるとき、少なくとも1つの別の清掃経路に関する情報が提供されることができ、例えば、前記別の清掃経路は選択済み清掃経路の終了位置で始まる、又は選択済み清掃経路は前記別の清掃経路の終了位置で始まる。これにより、前記ユーザが清掃経路を前記清掃タスクに結び付けることがより容易になる。
【0057】
前記少なくとも1つの清掃経路が、データ処理装置においてユーザにより前記床清掃装置の外部で作成され、前記保存ユニットに保存されることができるようにしてもよい。
【0058】
前記床清掃装置は、ティーチイン動作モードにおいて、前記操作ユニット上で前記ユーザの案内の下、少なくとも1つの清掃経路を作成して保存するように設計及び構成されると有利であることができる。ティーチイン中、前記ユーザは、前記床清掃装置を所望のルートに沿って案内し、前記少なくとも1つの清掃ユニットを、所望の清掃に従って、場合によっては異なる方法で調節する。この情報は、前記清掃経路に保存され、処理中に繰り返されることができる。
【0059】
前記清掃経路の作成後、前記清掃経路、例えば前記ルートの適合を提供することができる。この場合、例えば、カバー領域、運動学的境界条件、エッジ近接性を維持するための衝突回避、安全要件、及び/又は可能な限り最良の清掃結果に関して、最適化が考えられる。例えば、非現実的で冗長な移動が前記ティーチイン中に排除される。
【0060】
ティーチイン動作モードでは、前記床清掃装置によって認識された前記床面のセクション及び/又は前記ユーザにより外周に沿って通行された前記床面のセクションに、前記清掃経路のルートを自動的に割り当てられることができ、特に、領域全体を覆うように割り当てられることができるようにすることができる。例えばフリー領域のようなセクションは、前記ティーチイン中に前記ユーザによって完全に通行される必要はない。例えば、前記フリー領域は前記床清掃装置それ自体によって検出される、又は、前記ユーザは前記フリー領域の周囲に沿って前記床清掃装置を移動させる。前記ルートは、前記フリー領域を埋めるために前記床清掃装置によって自動的に修正されることができる。
【0061】
前記フリー領域は、少なくとも1つの障害物を任意に含むことができ、前記障害物の位置は、前記ルートを決定するときに考慮されることができる。前記セクションの領域境界線は、例えば、前記ユーザが開始命令と終了命令とを結び付けることにより、自動的に閉じられることができる。
【0062】
前記床面のセクションがルートで覆われるとき、前記床清掃装置は、前記セクションがどのくらいの大きさ(例えば、平方メートル単位)を有しているかを有利に決定することができる。
【0063】
特に後者の情報に基づいて、例えば、前記セクションを清掃するために必要な消耗材(例えば、電気エネルギー及び/又は洗浄液)の量に関して、前記少なくとも1つの表示ユニット上で前記ユーザに通知を提供することができると有利である。前記ユーザは、清掃タスクのプランニングのためにこの情報を考慮に入れ、前記清掃タスクを実行するために前記消耗材の十分な供給量が持ち運ばれることを確実にすることができる。代替的に又は追加的に、前記床清掃装置によって持ち運ばれる消耗材の現在量が前記セクションを清掃するために十分であるかどうかについて通知を提供することができる。例えば、前記ユーザは、持ち運ばれる量が十分でなく、前記消耗材が前記清掃タスクを処理する前に補充されるべきであることを知らされることができる。
【0064】
特に、前の段落の有利な実施形態では、前記床清掃装置は、前記清掃経路中に以前の実際の消費量に基づいて前記少なくとも1つの消耗材の量を決定すると有利であることができる。前記決定は、例えば、消費量を直接測定することにより及び/又は前記消耗材の最大供給量(例えば、完全充電された電池又は洗浄液の完全供給)に対して行われることができる。
【0065】
前記決定は、例えばモデル値を考慮して実行されることができ、前記モデル値は、例えば、清掃プロセスの標準消費量、省資源エコ消費量、高い清掃性能を有する集中消費量等とすることができる。
【0066】
例えば、前記モデル値を用いて、前記床清掃装置により、消耗材の現在の供給量でまだ清掃することができる領域に関して予測をすることができる。(算出例:最大供給量-実消費量=現在供給量;これに基づいて、まだ清掃することができる領域は、前記モデル値に基づいて、例えば典型的な清掃速度で決定することができる)。
【0067】
従って、前記床清掃装置が、前記モデル値及び前記ティーチイン中の前記少なくとも1つの消耗材の供給量に基づいて、まだ可能な清掃ルート(例えば、メートル単位)又はまだ清掃されるべき領域の大きさ(例えば、平方メートル単位)を決定し、これに関する情報を前記少なくとも1つの表示ユニット上で前記ユーザに提供すると有利であることができる。
【0068】
前記床清掃装置は、前記ティーチイン中に前記ユーザに対して、前記ユーザが前記センサユニットを使用して検出した前記床面のセクションにルートを自動的に割り当てられることができるという通知を提供するようにすることができる。
【0069】
前記清掃経路は、好ましくは、少なくとも1つの清掃ユニットが稼働させられる前記床面を横切る前記床清掃装置のルートだけに限定されないことができる。
【0070】
例えば、前記清掃経路は1つ又は複数のセグメントを有することができ、少なくとも1つの清掃ユニットが少なくとも1つのセグメント上で稼働され、以下のうちの少なくとも1つが前記清掃経路にも適用される。
-異なるタイプの清掃ユニットが、前記清掃経路の異なるセグメントにおいて又はセグメント内で稼働又は稼働停止される。例えば、前記床面は、異なる位置で、例えば、異なるセグメントに沿って、又はセグメントの異なるセクション内で、異なる方法にて清掃されることができる。この場合、各々、異なる清掃ユニット、例えば、スクラバー真空の場合に床清掃ヘッド、サイドブラシ、又はスクイージが稼働されることができる。
-清掃ユニットが稼働されていない少なくとも1つのセグメントが存在する。清掃経路内には、例えば、前記床面の清掃を伴わない搬送セグメントを設けることができ、前記搬送セグメントにおいて、前記清掃ユニットは、前記床面に前記清掃ユニットが作用しないように稼働させられる、又は少なくとも切り替えられる。
-前記床面の経路及び割り当て可能なセクション、例えば上述した色を自動的に割り当て可能な前記床面のセクション(これは、例えばフィルインセグメントと呼ぶことができる)が、前記清掃経路に保存される。例えば、特定のセグメントがフィルインセグメントであることが前記清掃経路に保存される。
-前記床清掃装置と前記環境との少なくとも1つの相互作用が、前記清掃経路に保存される。本件では、これは、特に、前記床清掃装置が特に前記環境内の人と相互作用することができることを意味すると理解することができる。前記相互作用事象は、例えば、前記床清掃装置によって出力される聴覚的及び/又は視覚的通知である。前記通知を用いて、人は前記床清掃装置に気付くことができる。
【0071】
前記した清掃経路のティーチインでは、上述した清掃経路内のセグメントは、好ましくは、ユーザによって所望されるように互いに接続されることができる。前記床面の経路及び割り当て可能なセクションなどの相互作用事象も保存されることができる。さらに、搬送セグメント、又はセグメント、又は異なる清掃ユニットが稼働させられるセグメントのセクションは、前記清掃経路に保存されることができることが理解される。
【0072】
前記ティーチインにおいて、前記ユーザは、好ましくは、ティーチイン動作モードで、前記操作ユニットに仕様を発行することができる。例えば、清掃ユニットの起動は清掃セグメントをもたらす、清掃ユニットが稼働停止されるときの走行は搬送セグメントをもたらす、及び/又はフィルイン仕様はフィルインセグメントをもたらす。前記仕様に応じて、異なるタイプのセグメント、例えば、いずれもティーチインを介して教示される、搬送セグメント、清掃セグメント(フィルインなし)、フィルインセグメント、清掃セグメント(フィルインなし)、フィルインセグメント、搬送セグメント等、又は他のタイプのセグメントの組み合わせが、前記床清掃装置によって、好ましくは前記清掃経路内に作成されることができる。どのタイプのセグメントも、任意に少なくとも1つの相互作用事象を伴って、このように清掃経路内で教示されることができる。この場合、前記セグメントは、特に前記ユーザによる能動的な介入又は結び付けなしに、前記清掃経路に対する前記ユーザの仕様に基づいて互いに接続されることが好ましい。
【0073】
上記の有利な実施形態を考えると、前記床清掃システムは特に汎用性があることが分かる。従って、清掃経路内では、異なる駆動及び/又は動作モード及び/又は事象が所望されるように組み合わされることができ、この目的のために別個の清掃経路を形成する必要のないことが好ましい。そうでない場合の多数の経路の複雑な管理を回避することができるという事実を考慮すると、このことも取り扱いに関して有利であることが分かる。
【0074】
上述の経路特性は、好ましくは、前記ティーチインと、前記清掃経路を外部から前記床清掃装置の外側に規定することの双方によって規定されることができる。
【0075】
前記床清掃装置のための方法では、前記床清掃装置をランドマークに、前記ランドマークが前記センサユニットによって認識されることができるように位置決めするため、前記少なくとも1つの表示ユニット上で前記ユーザに対して通知が出力されることができることが好ましい。これは、例えば、前記清掃タスクの開始時に正しい開始位置を確保するために使用される。
【0076】
前記ランドマークが検出された場合、例えば、前記ランドマークで始まる清掃タスクの処理をトリガすることができる。
【0077】
少なくとも1つのランドマークが検出された場合、前記ランドマークに関連付けられた前記清掃経路に関する情報が、好ましくは前記清掃タスクを作成するために、前記表示ユニット上に表示されることができることが好ましい。例えば、ランドマークが検出されると、前記床清掃装置は、前記ユーザに、前記ランドマークに結び付けられる適切な清掃経路を自動的に提供する。
【0078】
前記床清掃装置が前記ユーザによって案内されるとき、前記ランドマークに関連付けられた前記清掃経路に関する通知が、有利には、少なくとも1つのランドマークが前記センサユニットによって検出されたときに前記表示ユニット上に提供されることができる。
【0079】
前記床清掃システムは、前記床清掃装置がドッキング位置で規定の位置をとるための少なくとも1つのドッキングステーションを備えると有利である。簡単な実施形態では、前記ドッキングステーションは、前記床清掃装置が駐車される、又は自動方式では停止する駐車ステーションとすることができる。「ドッキング」は、特に、駐車ステーションにおいて非接触で行われることができ、前記ドッキングステーションと前記床清掃装置との間の物理的接触を必要としない。
【0080】
前記少なくとも1つのドッキングステーションがランドマークを備える又は形成すると有利である。特に、上述のマーカ要素は、前記ドッキングステーションに配置される、又は前記ドッキングステーションによって形成される。
【0081】
前記清掃タスクを処理するために必要な少なくとも1つの消耗材、例えば電気エネルギー及び/又は洗浄液が、好ましくは、前記少なくとも1つのドッキングステーションによって前記床清掃装置に供給されることができる。前記消耗材は、リソースと呼ばれることもできる。
【0082】
好ましくは、前記床清掃装置の使用済み消耗材、例えば前記床面から受け取られた汚液が、前記少なくとも1つのドッキングステーションによって受け取られることができる。
【0083】
言うまでもなく、前記ドッキングステーション及び前記床清掃装置は、上述したタスクを履行するために、前記ドッキング位置にて結合する対応する接続要素を備えることができる。これは当業者に知られている。
【0084】
有利には、前記床清掃装置が、各々のドッキングステーションにおいて、少なくとも1つの使用可能な消耗材が次の清掃経路にとって十分な量で供給されるように、及び/又は必要であれば使用済み消耗材が除去されるように設計されるようにすることができる。このようにして、処理されるべき清掃経路のために十分なリソースが利用可能であること、及び/又は使用済みリソースが前記床清掃装置から除去されることが確実にされる。
【0085】
前記床清掃装置は、有利には、前記清掃タスクの処理中に、前記処理が少なくとも1つの消耗材の供給及び/又は少なくとも1つの消耗材の排出を必要とする場合に、前記少なくとも1つのドッキングステーションを訪問することができるように設計される。例えば、前記清掃タスクの開始前に、又は前記床清掃装置による処理中に、所要の消耗材が十分であるか、それとも供給されるべきかが自動的にチェックされることが考えられる。使用済み消耗材の除去についても同様である。前記チェックは、例えば、清掃経路の処理中に行われることができる。必要であれば、前記清掃経路の処理は中断される。前記チェックは、消耗材が補充又は除去されたときにのみ前記床清掃装置が新しい清掃経路を始めるよう、連続する清掃経路の間で行われることができる。
【0086】
必要であれば、前記床清掃装置は、ドッキングステーションに行くために所定のルートから外れることができる。
【0087】
前記少なくとも1つの清掃ステーションが、少なくとも1つの消耗材を供給するために、及び/又は少なくとも1つの使用済み消耗材を排出するために、仕様に従って前記清掃経路内に向かうことができると有利であることができる。既に前記ティーチイン中に又は前記清掃経路の外部プランニング中に、前記ユーザは、所要のリソースを計画し、これを前記清掃経路及び/又は前記清掃タスクに保存することができる。
【0088】
好ましくは、前記床清掃装置が、前記清掃タスクの処理中に、まだ処理されるべき前記清掃タスクの残りの部分に応じて、この目的のために必要な消耗材の量を自動的に決定し、必要であれば前記消耗材を少なくとも1つのドッキングステーションで受け取る及び/又は消費済み部材を排出するように設計され、過剰な消耗材を受け取ることが好ましくは回避される。このようにして、清掃タスクは、例えば、確実に及び好ましくは時間節約的な方法で処理されることができる。前記床清掃装置が、例えば消耗材が必要であると決定すると、前記消耗材を受け取ることができる。この場合、有利には、前記清掃経路及び/又は前記清掃タスクが処理可能であるようにその分だけ受け取られる、過剰に受け取ることが回避される。これにより、前記清掃はできるだけ迅速に継続され、前記ドッキングステーションでの不必要なダウンタイムを短く保つことができる。有利には、前記清掃タスクが確実に終了されることができるよう、前記消耗材に十分なバッファが設けられる。
【0089】
少なくとも1つのドッキングステーションで受け取る前に及び/又は終了した後に消耗材/消費済み部材を供給及び/又は除去することが、前記清掃経路に保存されるようにすることができる。
【0090】
前記床清掃装置は、少なくとも1つの保存ユニットを備えるようにしてもよい。このようにして、清掃経路が前記床清掃装置にローカルで保存されることができる。
【0091】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの保存ユニットが前記床清掃装置から遠く離れて位置決めされ、保存されることになっている又は保存される情報が、通信ユニットを介して前記床清掃装置から前記保存ユニットに及び/又はその逆に送信されることができるようにしてもよい。例えば、前記床清掃装置から遠く離れている態様で保存することにより、清掃経路が技術的に簡単な方法で異なる床清掃装置によって覆われることを許容し、この目的のために、前記清掃経路は複数の床清掃装置に保存される必要がない。これは、例えば床清掃装置の間で交換するときに、又は床清掃装置のメンテナンス及び/又は故障の場合に有利である。
【0092】
前記床清掃装置が、少なくとも1つの表示ユニットを備え、この少なくとも1つの表示ユニットが、好ましくは前記操作ユニット上に配置され、例えば前記操作ユニットの一部又は前記操作ユニット全体を形成し得るようにしてもよい。
【0093】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの表示ユニットが前記床清掃装置から遠く離れて位置決めされ、画像情報が、通信ユニットを介して、前記床清掃装置から前記表示ユニットに送信されることができるようにしてもよい。このようにして、空間的に遠く離れた制御室内で、前記清掃タスク及び/又は前記清掃経路を作成することが可能である。
【0094】
例えば、前記床清掃システムは、前記表示ユニットを有するデータ処理装置を備える。前記データ処理装置は、中央に、又は例えばクラウドサービスを介して空間的に分散して設計されてもよい。
【0095】
前記床清掃システムが、前記保存ユニットを有する(中央の及び/又はクラウドサービスの)データ処理装置を備えるようにしてもよい。
【0096】
本発明の好ましい実施形態では、前記床清掃装置は、スクラバー真空として設計されてもよい。代替的に、前記床清掃装置は、例えば、前記床面をドライ清掃するための真空装置とすることができる。
【0097】
本発明はまた、上述したタイプの床清掃システムの床清掃装置である、本発明による床清掃装置にも関する。本発明による前記床清掃装置の有利な実施形態は、上記の説明から生じる。
【0098】
前記床清掃装置は、特に、前記床清掃システムを形成することができる。
【0099】
冒頭で述べたように、本発明は方法にも関する。床清掃システム又は床清掃装置を作動させるための本発明による方法は、前記床清掃システム又は上述したタイプの床清掃装置が使用され、少なくとも1つの特徴的なランドマークが前記保存ユニットに保存され、前記ランドマークに2つ以上の清掃経路が関連付けられ、各々1つの清掃経路の開始位置及び/又は終了位置が前記ランドマーク上に又は前記ランドマークに定められ、連続して処理されるべき2つ以上の清掃経路を結び付けることにより、清掃が前記操作ユニット上でユーザによって指定され、前記清掃タスクは、前記床清掃装置によって自動的に処理されることで、冒頭で提示した目的を達成する。
【0100】
前記方法の有利な例示的実施形態は、本発明による前記床清掃システム及び/又は前記床清掃装置の有利な実施形態からもたらされる。
【0101】
本発明の好ましい実施形態の以下の説明は、図面と併せて、本発明をより詳細に説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0102】
図1】本発明による床清掃装置の斜視図。
図2図1の床清掃装置を備える、本発明による床清掃システムの概略部分図。
図3A図1の床清掃装置の環境のマップの概略図。
図3B図1の床清掃装置の環境の2つのマップから組み合わされたマップの概略図。
図3C図1の床清掃装置の環境のマップの各々の概略図。
図3D図1の床清掃装置の環境のマップの各々の概略図。
図3E図1の床清掃装置の環境の複合マップの概略図。
図4】ランドマーク及び清掃経路を探すオプションを有する床清掃装置の表示ユニットの図。
図5】マーカ番号1を選択して清掃経路を選択した後の表示ユニットの別の図。
図6】マーカ上での床清掃装置の位置決めに関する表示ユニットの別の図。
図7】床清掃装置によるマーカの検出後の図6に対応する図。
図8】清掃経路のティーチインを説明するための概略図。
図9】清掃経路のティーチインを説明するための他の概略図。
図10】清掃経路のティーチインを説明するための他の概略図。
図11】本発明による床清掃装置を備える、本発明による床清掃システムの図。
【発明を実施するための形態】
【0103】
図1は、全体が参照番号10で示されている、本発明による床清掃装置の有利な実施形態を示す。床清掃装置10は、それ自体で、そのさらなる構成要素なしに、好ましい実施形態での本発明による床清掃システムを形成することができる。
【0104】
代替的に又は追加的に、床清掃装置10は、図2に概略的に示した本発明による別の床清掃システム12、及び/又は好ましい実施形態で図11に概略的に示した本発明による床清掃システム120の構成要素とすることができる。
【0105】
床清掃装置10は、自走式自己操舵であるように設計され、特に清掃ロボットを形成する。床面14の自律清掃は、床清掃装置10を用いて行うことができる。床清掃装置10を用いて、特に、予め保存された清掃経路を覆い、床面14を清掃することが可能である。清掃経路は、ティーチイン動作モード(ティーチイン)でティーチイン又は指定することができる。
【0106】
清掃経路の任意の好ましい構成要素、特に、稼働された清掃ユニット、異なる稼働された清掃ユニット、及び/又は相互作用事象を伴う又は伴わないセグメントに関する上の記述が参照される。
【0107】
特に図1図2、及び図11から分かるように、床清掃装置10は、走行ギア18が下に配置されたハウジング16を備える。
【0108】
位置及び配向の情報が床清掃装置10の所期の使用に関係し、そこでは、床清掃装置10は走行ギア18を介して床面14上に立つことができる。
【0109】
床清掃装置10は、全てのプロセスを制御するための制御ユニット20を備える。床清掃装置10は、床面14を清掃するための清掃ユニット22を備える。本実施例では、清掃ユニット22は、ローラブラシ(図面には示されていない)を有する床清掃ヘッド24と、サイドブルーム26と、吸引ストリップ28と、吸引ストリップ28に負圧を加えるための吸引ユニット30とを備える。
【0110】
床清掃装置10は、洗浄液、特に水用の貯蔵容器36を備える。床面14は、水と、該当する場合は洗浄化学物質との混合物で濡らされる。汚れは、清掃ユニット22によって除去され、吸引ストリップ28を介して吸引ユニット30の作用下で汚液容器34に移送される。
【0111】
床清掃装置10は、再充電可能な、特に電源用の電池36を備える。洗浄液及び電気エネルギーは、床清掃装置の消耗材又はリソースである。使用済み消耗材は、床面14から受け取られた汚液である。
【0112】
床清掃装置10はセンサユニット38をさらに備え、センサユニット38は、例えば、少なくとも1つのステレオカメラシステム、ライダシステム、及び/又は超音波システムを備えていてもよい。制御ユニット20は、センサユニット38の少なくとも1つの信号に基づいて、床清掃装置10をその環境内で位置付ける及び/又はナビゲートすることができる。
【0113】
床清掃装置10はさらに、保存ユニット40を備える。特に、特徴的なランドマーク及び清掃経路が保存ユニット40に保存されることができる。
【0114】
床清掃装置10は通信ユニット42も備えることができ、通信ユニット42を介して無線及び/又は有線で床清掃装置10から及び床清掃装置10に情報が送信されることができる。
【0115】
床清掃装置10はさらに操作ユニット44を有し、操作ユニット44は、順方向46に関して後側に配置される。制御可能な表示ユニット48が設けられ、表示ユニット48は、操作ユニット44の一部であってもよく、又は操作ユニット44を少なくとも部分的に形成してもよい。これは、図11に破線50で概略的に示されている。
【0116】
本例では、表示ユニット48は、タッチ感応であるように設計され、特に、好ましくは着色された画像表示を有するタッチスクリーン52である。タッチスクリーン52は、よく知られたテキストフィールド又はボタン(ソフトキー)を有するグラフィカルユーザインタフェースを介したユーザからの入力の受信を許容する。
【0117】
床清掃装置10は、例えば、視覚的及び/又は聴覚的であるように設計される通知ユニット53を有することができる。例えば、スピーカ若しくはホーン、及び/又は閃光灯若しくはヘッドライトが設けられる。環境内の人に床清掃装置10に気付かせるために、相互作用事象が通知ユニット53によって出力されることができる。
【0118】
床清掃システム12は、少なくとも1つのドッキングステーション54、好ましくは複数のドッキングステーションを備える。例えば、図3Aは、床清掃装置10の環境全体のマップ56内に4つのドッキングステーションを示す。
【0119】
床清掃装置10は、各々のドッキングステーション54でドッキング位置をとることができ、それにより、各々のドッキングステーション54に対して環境内で規定された位置を有する。
【0120】
床清掃装置10がドッキング位置をとるときに、電気エネルギー及び洗浄液がドッキングステーション54を介して消耗材として供給されることができる。この目的のために、ドッキングステーション54の接続要素58及び床清掃装置10の接続要素59は、電池36を電気エネルギーで充電するように結合する。対応する態様で、床清掃装置10の接続要素61及びドッキングステーション54の接続要素60は、洗浄液を貯蔵容器32内に供給するように結合される。
【0121】
使用済み部材として、汚液が、床清掃装置10の接続要素62及びドッキングステーション54の接続要素63を経由して排出及び処分されることができる。
【0122】
床清掃システム12は、床清掃装置10及び床清掃システム12と共に使用される特徴的なランドマーク64を備える。
【0123】
本実施形態では、各々のドッキングステーション54が特徴的なランドマーク64を備える。本実施例では、特徴的なランドマーク64は、マーカ要素66(図6及び図7)として設計され、マーカ要素66は、ドッキングステーション54の、床清掃装置10に面する側に配置され、特徴的なランドマーク64はマーカ要素66から成る。
【0124】
好ましい本実施形態では、各々のドッキングステーション54は、例えばマーカ要素66によって構成されたランドマーク64を備える又は形成すると考えられる。しかしながら、上で説明したように、これは任意選択にすぎない。ランドマーク64は、ドッキングステーション54とは無関係に設けることができる。両者が混じるようにすることもも可能である。
【0125】
ランドマーク64とドッキングステーション54とを組み合わせたものが、例えば、インフラストラクチャに結合され、例えばドッキングステーション54をセットアップすることができる場所で使用されることができる。
【0126】
図3A図3Eにおいて、マーカ要素66はドッキングステーション54に含まれると考えられる。これから脱却し、少なくとも1つのランドマーク64、例えばドッキングステーション54に含まれないマーカ要素66が使用されるようにすることができる。
【0127】
上述したように、床清掃装置10を駐車位置に駐車することに役立つ少なくとも1つのドッキングステーション54が設けられることができ、リソースの供給及び/又は処分は可能でない。
【0128】
本例において、表示ユニット48の図5図7において「マーカ」と称されたマーカ要素66は、センサユニット38によって光学的に検出可能である。本実施例では、マーカ要素66は、マトリックスコード、例えばArUcoマトリックスコードである。
【0129】
マーカ要素66は固有であるため、床清掃装置10は、各々のマーカ要素66を検出すると、どのドッキングステーション54が関係しているかについて明確に述べることができる。マーカ要素66は、単独で又はドッキングステーション54と組み合わせて、マップ56に保存される。各々のマーカ要素66の位置はマップ56に(直接的に又は間接的に)保存される。
【0130】
本例では、図3Aによるマップ56は、床清掃装置10の全体的な環境を表す。
【0131】
この場合、4つのドッキングステーション54が例として設けられ、環境の異なる区域内に配置される。各ドッキングステーション54は、明確に識別可能なマーカ要素66を有し、それによりいずれも特徴的なランドマーク64を形成する。
【0132】
マップ56は、図3B図3Dに示されている合計4つの個別マップ561、562、564及び565を含む。
【0133】
マップ561及び562は、次に組み合わされて図3Bによる複合マップ563にすることができる。図3Bの破線566は、マップ561の外周を示す。しかしながら、図から離れると、マップ561の縁は、図3C及び図3Dのように床面の境界に沿って走る。本例では、この境界に関する線566のずれは、マップ561を認識可能に識別することにのみ役立つ。
【0134】
各々のマップ561、563、564及び565は、少なくとも1つのマーカ要素66の環境を示す。
【0135】
床清掃装置10は、環境内で自律的にナビゲートすることができる。マップ56、561~565のうちの1つをここで使用することができる。床清掃装置10が各々のマップ56、561~565において識別することができる環境内の位置は、各々のマップと環境との間の結び付けを許容する。これは特に、その位置が各々のマップ56、561~565内で知られているマーカ要素66及びドッキングステーション54に当てはまる。
【0136】
既に述べたように、保存ユニット40に先に保存されている清掃経路が床清掃装置10によって処理されることができ、床面14は清掃されることができる。図4及び図5は、清掃経路68を概略的に示す。本例では、保存済み清掃経路68に各々結び付けられている記号72が、表示ユニット48上でユーザ70に表示されることができることが理解される(図11)。
【0137】
清掃経路68は、床清掃装置10のルート及び好ましくは少なくとも1つの清掃ユニット22の使用に関する情報を含む。
【0138】
加えて、搬送経路74(図5)が、例えば保存ユニット40に保存されることができる。搬送経路74は、例えば記号72で表示されることもできる。ルートは、例えば搬送経路74に保存される。しかしながら、清掃は提供されないため、清掃ユニット22に関する情報は保存されない、又は、清掃ユニット22が動作していないという情報が保存される。
【0139】
本発明によれば、清掃経路68はマーカ要素66に関連付けられ、この関連付けは保存ユニット40に保存される。その結果、どのマーカ要素66にどの清掃経路68の開始位置及び/又は終了位置が定められるかが知られる。
【0140】
この場合、清掃経路68は同じマーカ要素66で開始し終了するようにすることができる。代替的に、例えば、清掃経路68は、あるマーカ要素66で始まり、それとは異なる別のマーカ要素66で終わるようにすることができる。
【0141】
図3A図3Dは、上述した2つの例の例示的な表現を示す。例えば、清掃経路68は、マップ561、564及び565に、ドッキングステーション54のマーカ要素66を起点として示されている。この場合、開始位置及び終了位置は各々、ドッキングステーション54のマーカ要素66に定められる。
【0142】
対照的に、2つのドッキングステーション54がマップ562に保存される。清掃経路68は、図面の上方に示されているドッキングステーション54のマーカ要素66にその開始位置を有し、図面の下方に示されているドッキングステーション54のマーカ要素66にその終了位置を有する、又はその逆である。従って、この清掃経路68は、異なるマーカ要素66の間を走る。
【0143】
マップ561、562は、図面中の上側のドッキングステーション54が幾分「アンカーポイント」として機能し、それを用いてマップ561及び562の結び付けが明確に規定されるという点で、組み合わされて複合マップ563にすることができる。アンカーポイントは組み合わせを容易にする。既に述べたように、環境特徴の少なくとも一部(可視領域)が各々のマップ内で一致していると、組み合わせが好適に可能であり得る。
【0144】
センサユニット38の視野及び範囲には限りがあるため、マップ562の右側は覆われていない。
【0145】
図3Eは、第1のマップ751、第2のマップ752、第3のマップ753、及び第4のマップ784から組み合わされる複合マップ75を示す。破線又は一点鎖線755、756、757、及び758は各々、マップ751~754のほぼ外周を取り囲み、床面の境界からのずれは、先の例と同様に説明の目的でここに保持されている。
【0146】
マーカ要素66を有するドッキングステーション54(図3Eの中央下)は、このドッキングステーション54で始まって終わる清掃経路68と共に、マップ751に保存される。
【0147】
マーカ要素66を有するドッキングステーション54(図3Eの中央)と、このドッキングステーション54で始まって終わる清掃経路68とが、マップ752に保存される。
【0148】
各々のマーカ要素66を有する上述の2つのドッキングステーション54だけでなく、あるマーカ要素66で始まって別のマーカ要素66で終わる清掃経路68も、マップ753に保存される。
【0149】
各々のマーカ要素66を有する中央に示されているドッキングステーション54及び別のドッキングステーション54(左上)が、あるマーカ要素66で始まって別のマーカ要素66で終わる清掃経路68と共に、マップ754に保存される。最後に述べた清掃経路68は、好ましくは、マーカ要素66を有する中央のドッキングステーション54に関連付けられてマップ752及び753にも保存される。
【0150】
図3Eから、清掃経路68のルートは各々蛇行して走ることができ、蛇行経路の2つの好適な方向がここでは特に与えられているが、これに限定されないことが分かることができる。
【0151】
マップ751、752、753及び754のうちの少なくとも2つ以上のマップ内の可視区域は、部分的に重なり合う。中央及び中央下にあるドッキングステーション54のマーカ要素66は各々、少なくとも2つのマップ751、752、753又は754に保存され、マップ75と組み合わせるための信頼できるアンカーポイントとして機能することができる。
【0152】
マーカ要素66の間の空の走行又は搬送走行は、例えば搬送経路74によって示され、清掃が必要でないという条件で清掃タスクに追加されることができる。これは、図3Eに例として、(中央及び中央下にある)2つのドッキングステーション54の間に延びる搬送経路74によって示されている。搬送経路74は、好ましくはマップ751、752及び753に保存される。
【0153】
床清掃装置10及び床清掃システム12を用いて、清掃タスクを規定するために、清掃経路68をユーザフレンドリーな態様で互いに結び付けることができる。これは、所望の清掃経路68を選択することにより、表示ユニット48のグラフィカルユーザインタフェースを使用してユーザフレンドリーな態様で行うことができる。清掃経路68をそれぞれマーカ要素66に割り当てることは、あるマーカ要素66又は別のマーカ要素66上に各々の清掃経路68の開始位置及び終了位置に関する情報を提供することにより、ユーザ70が清掃タスクを作成することをより容易にする。
【0154】
清掃タスクの作成及び開始について、特に図4図7を参照して、例として以下に説明する。
【0155】
清掃タスクを作成するために、ユーザ70は、表示ユニット48上で、記号72を使用する保存済み清掃経路68の全体像を呼び出すことができる。マーカ要素66及び/又は清掃経路68の検索を、例えばテキストフィールド76を用いて実行し、それによって保存ユニット40に保存された情報にフィルタをかけることが可能である。
【0156】
有利には、搬送経路74によるフィルタリングも可能であり得ることが理解される。
【0157】
例えば、各清掃経路68又は搬送経路74は、特徴的な独特の名称を有する。図4では、いくつかの清掃経路68が、「経路1、2、3、4」とだけラベル付けされているのに対し、図5はこれを、例として「スーパーマーケット1」などのラベルで示している。
【0158】
各々の記号72は、清掃経路68若しくは搬送経路74、又は清掃経路68若しくは搬送経路74が走る環境の縮小図を表すことができる。このようにして、清掃経路68又は搬送経路74の選択は、ユーザ70にとって視覚的により容易になる。
【0159】
ドッキングステーション54と、保存済みマップを介してドッキングステーション54に結び付けられる少なくとも1つの清掃経路68とを選択することも考えられる。代替的に又は追加的に、清掃経路68をマップ内で直接選択できるようにすることができる。
【0160】
図4の例では、ユーザ70は、「マーカ1」のマーカ要素66に従ってリストにフィルタをかけている。 図5は関係する結果を示す。本実施例では、3つの清掃経路68、すなわち「スーパーマーケット1」、「スーパーマーケット2」及び「スーパーマーケット3」がマーカ1に結び付けられる。さらに、搬送経路74として「清掃を伴わないスーパーマーケット」及び「搬送」が見つかった。
【0161】
記号72を使用することにより、ユーザ70は、所望の清掃経路、本実施例では「スーパーマーケット1」及び「スーパーマーケット2」を選択し、「スーパーマーケット1」及び「スーパーマーケット2」には各々、その選択の順に、各々の記号72に番号「1」及び「2」が付けられている。
【0162】
選択されたマーカ要素66である「マーカ1」、及び最後に選択された清掃経路68も表示ユニット48上に示される。ここで、「経路ID:23」は「スーパーマーケット2」の清掃経路に対応する。ボタン78で確認することにより、2つの清掃経路68を含む清掃タスクが保存されて処理に利用できるようにすることができる。代替的に又は追加的に、搬送経路74の選択が可能である。
【0163】
例えば、各々の記号72が選択されるときに、清掃経路68がマーカ1で始まる及び/又は終わるかどうかが表示されるようにすることができる。開始位置が終了位置と異なる場合、開始位置又は終了位置が定められている各々の他のマーカ要素(「マーカ」)を表示することができる。上記の情報は、例えば、記号72の画像情報の構成要素とすることができる。
【0164】
図5は、右下に、リストにフィルタをかけた後は選択することができない清掃経路68を示す。対応する記号72はグレー表示されている。対応する清掃経路68は、「マーカ1」のマーカ要素66から始めることができない、又は「マーカ1」のマーカ要素66で終わらない。このようにして、ユーザ70は、清掃タスクを作成する際に支援される。
【0165】
複雑な清掃タスクも、本発明による装置10及び本発明によるシステム12を用いて、ユーザフレンドリーな態様で規定することができる。好ましくは、マーカ要素66を起点として清掃経路68及び搬送経路74を互いに結び付けることができるだけでなく、説明したように、清掃経路68及び搬送経路74を他のマーカ要素66に結び付けることもできる。このようにして、例えば、いくつかの部屋を、及び例えば傾斜路を経由して到達することができるいくつかの階を、互いに結び付けることができる。
【0166】
清掃タスクを開始するために、ユーザ70は、表示ユニット48上で通知を受け取り、床清掃装置10を「マーカ1」のマーカ要素66の前に位置決めする(図6)。目的は、センサユニット38を用いて正しいマーカ要素66を検出すると共に、床清掃装置10の位置を検証することである。マーカ要素66の検出は、図7の右側に示されているように、表示ユニット48上でユーザ70に見えるようにされる。ボタン78を稼働させることにより、清掃タスクを開始することができる。
【0167】
ドッキングステーション54を使用する可能性は、清掃経路68の処理及び/又はプランニングにおいて考慮に入れることができる。例えば、清掃経路68を処理する前に又は処理した後に、消耗材が供給される、又は使用済み部材が排出される。清掃タスクの処理中に、床清掃装置10が、リソースが不十分であると決定した場合、消耗材を供給し、必要であれば使用済み部材を排出するために、例えば近くのドッキングステーション54に接近することができる。
【0168】
清掃経路68及び搬送経路74は、例えば、外部で規定されて保存ユニット40に送信することができる。
【0169】
床清掃装置10は、ティーチイン動作モードで好都合に動作可能である。ユーザ70は、床面14の上で床清掃装置10を案内して、各々の清掃経路68を規定することができる。ルートは保存され、どの清掃ユニット22をそれぞれ稼働させるかに関する情報も保存される。搬送経路74についても同様である。
【0170】
床清掃装置10を用いて、表面をできるだけ清掃するために、床面14のセクション80にルートを自動的に割り当てることができるようにする。これについては、図8図10を参照して後述する。
【0171】
図8は、第1のドッキングステーション54から始まる清掃経路68のティーチインプロセスを概略的に示す。
【0172】
まず、床清掃装置10は、障害物83の間のセグメント82に沿ってユーザ70によって案内される。ユーザ70が、床面14のフリー領域を表す地点84のセクション80に到達すると、ユーザ70は、セグメント85に沿ってセクション80の外周に従い床清掃装置10を移動させる。
【0173】
地点84に戻ると、床清掃装置10は、セクション80を、セクション80の全表面を処理するための走行経路86で自動的に埋める。このルート86は、続いて清掃経路68を処理するための基礎として使用される。
【0174】
地点84を起点として、ユーザ70は、セグメント87に沿って、清掃経路68が終わる第2のドッキングステーション54まで、床清掃装置10を案内する。
【0175】
こうして、床清掃装置10を用いて、ユーザ70によって完全に事前規定されるセグメント82、87を、清掃経路68内で自動的に又は半自動的に作成されるセグメント85と組み合わせる可能性がある。
【0176】
床清掃装置10は、センサユニット38によって床面14のセクション80を検出して、このセクションにルート86を自動的に割り当て、これを表示ユニット48上でユーザ70に通知するようにすることができる。ユーザ70によって確認された後、セクション80上のルートは、床清掃装置10によって規定されることができる。
【0177】
図9の例では、ユーザ70は、開始位置90から出発して、床面14のセクション80の周り(セグメント91)を回る。続いて、ユーザ70は、セグメント92に沿って床面14の別のセクション80まで移動し、セクション80をセグメント93で周回する。続いて、ユーザ70は、セグメント94に沿って終了位置、本例では開始位置90まで移動する。
【0178】
セクション80を取り囲むセグメント91及び93は、床清掃装置10によってフリー領域として認識され、図10に示すように、ルート95及び96を自動的に割り当てることができる。代替的に、ユーザ70は、セクション80へのルート95、96の割り当てをトリガすることができる。セクション80の清掃はいずれの場合も達成される。ルート95、96は、後で処理するために清掃経路68に保存される。
【0179】
床清掃装置10がユーザ70によって床面14の上を移動させられたときにマーカ要素66が検出されると、このマーカ要素66に関連付けられる清掃経路68に関する情報が、表示ユニット48上に自動的に表示されるようにすることができる。
【0180】
図11に示す床清掃システム120には、表示ユニット98及び保存ユニット100が床清掃装置10から空間的に離れて設けられる。表示ユニット98は、例として、例えばクラウドサービスでもよいデータ処理装置102の表示ユニット98として示されている。データ処理装置102はさらに保存ユニット100を備える。
【0181】
画像情報が、表示ユニット98上に表示するために、床清掃装置10から通信ユニット42を介して送信されることができる。例えば、清掃タスクは、データ処理装置102を使用して作成することができる。データ処理装置102を使用して清掃経路68及び搬送経路74を作成することも可能である。
【0182】
特に、ランドマーク64及びランドマーク64に関連付けられた清掃経路68に関する情報は、保存ユニット100に保存することができる。これに関係するデータは、通信ユニット42によって床清掃装置10に送信することができる。逆に、情報を床清掃装置10によって保存ユニット100に保存することができる。
【0183】
外部の保存ユニット100を使用することにより、床清掃装置の保存ユニット40の間においてデータがここで送信される必要なしに、複数の床清掃装置を清掃タスクのためにユーザフレンドリーな態様で使用することが可能となる。
【符号の説明】
【0184】
10…床清掃装置
12、120…床清掃システム
14…床面
16…ハウジング
18…走行ギア
20…制御ユニット
22…清掃ユニット
24…床清掃ヘッド
26…サイドブラシ
28…吸引ストリップ
30…吸引ユニット
32…リザーバ
34…汚液タンク
36…電池
38…センサユニット
40…保存ユニット
42…通信ユニット
44…制御ユニット
46…順方向
48…表示ユニット
50…破線
52…タッチスクリーン
54…ドッキングステーション
56…マップ
561、562、564、565…マップ
563…複合マップ
566…破線
58、59、60、61、62、63…接続要素
64…ランドマーク
66…マーカ要素
68…清掃経路
70…ユーザ
72…記号
74…搬送経路
75…複合マップ
751、752、753、754…マップ
755、756、757、758…線
76…テキストフィールド
78…ボタン
80…セクション
82、85、87、91、92、93、94…セグメント
86、95、96…ルート
83…障害物
84…地点
90…開始位置
98…表示ユニット
100…保存ユニット
102…データ処理装置
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【国際調査報告】