(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】圧力容器アセンブリおよび自動車
(51)【国際特許分類】
F17C 13/08 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
F17C13/08 301A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509511
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022072948
(87)【国際公開番号】W WO2023021083
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】102021121526.9
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592245937
【氏名又は名称】バイエリッシェ モトーレン ヴェルケ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Petuelring 130, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ティモ グートマン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ベーア
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172AB04
3E172BA01
3E172BB05
3E172BB12
3E172BB17
3E172CA24
3E172EA02
3E172EB02
(57)【要約】
本明細書に開示したテクノロジは、本発明によれば、圧力容器アセンブリ(10)であって、圧力容器(12)の長手方向端部(14)の平坦な区分(16,18)が、取付けレール(21,22)に対して平行に保持され、長手方向端部(14)の制限された可動性が可能となる、圧力容器アセンブリ(10)に関する。本明細書に開示したテクノロジは、本発明によれば、さらに、このような圧力容器アセンブリ(10)を備える自動車に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の床下スペース用の圧力容器アセンブリ(10)であって、
複数の圧力容器(12)と、
1つ以上の取付けレール(21,22)と、
複数の支持シェル(30)と、
複数のセンタリング要素(40)と
を備え、
前記支持シェル(30)は前記取付けレール(21,22)に取り付けられており、
1つ、幾つかまたは全ての圧力容器(12)の長手方向端部(14)が、少なくとも1つの平坦な区分(16,18)を有し、支持シェル(30)内のセンタリング要素(40)によって保持され、これによって、前記平坦な区分(16,18)は、前記支持シェル(30)が取り付けられた前記取付けレール(21,22)に対して最大5°の角度をとり、
前記センタリング要素(40)は、前記取付けレール(21,22)に対する前記圧力容器(12)の前記長手方向端部(14)の、前記取付けレール(21,22)に対して少なくとも平行な制限された相対運動を可能にし、
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は弾性的な材料から形成されており、
1つ、幾つかまたは各々の長手方向端部(14)において、前記平坦な区分(16,18)と反対側に、該平坦な区分(16,18)に対して平行である別の平坦な区分(16,18)が形成されている、
圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記圧力容器(12)は互いに並列に接続されており、前記複数の圧力容器(12)が直接接続されている1つの共通の分配管が設けられており、該分配管と個々の前記圧力容器(12)との間に、それぞれ1つの遮断弁が設けられていない、請求項1記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項3】
1つ、幾つかまたは全ての支持シェル(30)は、第1の部材(31)と第2の部材(32)とに分割されている、請求項1または2記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項4】
第1の部材(31)と第2の部材(32)との間の分離線(33)が、前記平坦な区分(16,18)に対して平行である、請求項3記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項5】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は、さらに、前記取付けレール(21,22)に対する前記圧力容器(12)の前記長手方向端部(14)の、前記取付けレール(21,22)に対して横方向への制限された相対運動を可能にする、請求項1から4までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項6】
前記圧力容器(12)は、前記自動車の長手方向に対して横方向に組み込まれている、請求項1から5までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項7】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は、前記相対運動を可能にするための1つ以上の目標破断箇所を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項8】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は、前記平坦な区分(16,18)を前記取付けレール(21,22)に対して平行に保持している、請求項1から7までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項9】
1つ、幾つかまたは全ての支持シェル(30)は、螺合された1つ、2つまたはそれ以上のボルト(50,55)によって1つ、2つまたはそれ以上の取付けレール(21,22)に取り付けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項10】
前記圧力容器(12)の第1の長手方向端部(14)の上側に上側の第1の取付けレール(21)が配置されており、前記圧力容器(12)の前記第1の長手方向端部(14)の下側に下側の第1の取付けレール(22)が配置されており、前記第1の長手方向端部(14)を保持するための前記支持シェル(30)は、前記上側の第1の取付けレール(21)にも前記下側の第1の取付けレール(22)にも取り付けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項11】
前記圧力容器(12)の第1の長手方向端部(14)用の支持シェル(30)とセンタリング要素(40)とは、固定支持体を形成している、請求項1から10までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項12】
前記圧力容器(12)の第2の長手方向端部(14)の上側に上側の第2の取付けレール(21)が配置されており、前記圧力容器(12)の前記第2の長手方向端部(14)の下側に下側の第2の取付けレール(22)が配置されており、前記第2の長手方向端部(14)を保持するための前記支持シェル(30)は、前記上側の第2の取付けレール(21)にも前記下側の第2の取付けレール(22)にも取り付けられている、請求項1から11までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項13】
前記圧力容器(12)の第2の長手方向端部(14)用の支持シェル(30)とセンタリング要素(40)とは、可動支持体を形成している、請求項1から12までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項14】
1つ、幾つかまたは全ての第2の長手方向端部(14)は、前記センタリング要素(40)に対する軸線方向の遊びを有して形成されている、請求項12または13記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項15】
前記軸線方向の遊びは、1つ以上の前記平坦な区分(16,18)が、取り囲む前記センタリング要素(40)よりも軸線方向に長く形成されていることによって形成されている、請求項14記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項16】
互いに平行に方向付けられた長手方向軸線を有する複数の圧力容器(12)を備える、請求項1から15までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項17】
すぐ隣り合った圧力容器(12)は、互いに2mm~4mmの最小の間隔を有する、請求項16記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項18】
前記平坦な区分(16,18)は、前記圧力容器(12)の長手方向軸線に対して平行に方向付けられている、請求項1から17までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項19】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は、1つまたは2つの平坦な区分(16,18)をクランプするように構成されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項20】
1つ、幾つかまたは全ての取付けレール(21,22)において、該取付けレール(21,22)の長手延在方向に対して横方向に、前記長手延在方向に負荷がかかった際の目標破断箇所を成す1つ以上の凹部が形成されている、請求項1から19までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項21】
請求項1から20までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)を備える自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示したテクノロジは、圧力容器アセンブリならびにこのような圧力容器アセンブリを備える自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力容器アセンブリは、典型的には、ガス状の燃料を貯蔵するために使用することができる1つ以上の圧力容器を有している。例えば、ガス状の燃料は天然ガスまたは水素であってよい。例えば、想定されるバッテリ蓄電器の代わりに、可能な限り多くの様々な車両に使用することができるように、圧力容器アセンブリを、従来では通常使用されない組込みスペース、例えば自動車の車室の下方の床下スペース内に組み込むことができるようにすることが、圧力容器アセンブリによってますます要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書に開示したテクノロジの優先的な課題は、すでに知られている解決手段の欠点を少なくとも減じるかもしくは取り除くか、または代替的な解決手段を提案することである。特に、本明細書に開示したテクノロジの優先的な課題は、側面衝突事象に対して改善された抵抗性を示す圧力容器アセンブリを設けることである。更なる優先的な課題は、本明細書に開示したテクノロジの有利な効果から明らかとなることがある。これらの課題は、独立請求項の対象によって解決される。従属請求項は好適な構成を成している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示したテクノロジは、圧力容器アセンブリであって、(i)1つ以上の圧力容器と、(ii)1つ以上の取付けレールと、(iii)1つ以上の支持シェルと、(iv)1つ以上のセンタリング要素とを備える、圧力容器アセンブリに関する。1つ、幾つかまたは全ての支持シェルは、1つ以上の取付けレールに取り付けられている。1つ、幾つかまたは全ての圧力容器の長手方向端部は、少なくとも1つの平坦な区分を有し、支持シェル内のセンタリング要素によって保持され、これによって、平坦な区分は、支持シェルが取り付けられた取付けレールに対して最大5°の角度をとる。センタリング要素は、取付けレールに対する圧力容器の長手方向端部の、取付けレールに対して少なくとも平行な制限された相対運動を可能にする。
【0005】
今まさに説明したような圧力容器アセンブリでは、センタリング要素によってある程度の可動性が与えられているため、圧力容器も取付けレールに対してある程度の可動性を有している。これによって、例えば取付けレールに対して少なくとも実質的に平行な力作用を生じさせることがある、例えば側面衝突事象時に、圧力容器が、特定された可動性によって退避することができ、場合によっては、互いに支持し合うこともできることが可能となる。
【0006】
取付けレールは、特に、長手方向に延在するレールであってよい。このレールは、特に、長手方向を規定することができる。特に、横断面は長手方向で不変であってよいかまたは少なくとも実質的に不変であってよい。支持シェルは、特に、センタリング要素を介して圧力容器を取付けレールに取り付けるために用いられてよい。支持シェルは、特に、側方から見て、特に、少なくともほぼ方形の形状を有していてよい。センタリング要素は、特に、支持シェルに対する圧力容器の位置を確定させることができ、その際、述べたように、ある程度の相対運動を許容することができる。このことは、圧力容器がそれぞれ正確に中心で保持されることを必ずしも意味する必要はないものの、これを意味することができる。
【0007】
圧力容器の平坦な区分は、特に、取付けレールに対する関係を、丸みを帯びた区分よりも良好に規定することができる。これによって、特に、各々の長手方向に沿った可動性をより良好に規定することができ、より良好にアシストすることもできる。平坦な区分は、特に、平らな面または少なくともほぼ平らな面として形成されていてよい。
【0008】
基本的には、圧力容器アセンブリは、1つの圧力容器、1つの取付けレール、1つの支持シェルおよび1つのセンタリング要素しか有していなくてよい。しかしながら、典型的には、これらの要素のうち、それぞれ複数の要素が存在している。例えば複数の圧力容器が、特に、互いに平行な長手方向軸線を有して相並んで配置されてよい。このような圧力容器アセンブリは、特に、自動車の床下スペース内に有利に組み込むことができる。
【0009】
好適には、1つ、幾つかまたは各々の長手方向端部において、平坦な区分と反対側に、この平坦な区分に対して平行である別の平坦な区分が形成されている。これによって有利には、安定化を両側、例えば上側および下側で達成することができる。
【0010】
有利な構成によれば、1つ、幾つかまたは全ての支持シェルは、第1の部材と第2の部材とに分割されている。これによって、圧力容器アセンブリの組立てが容易になり、また、例えば検査目的で圧力容器を意図的に取り出すための分解も容易になる。
【0011】
第1の部材と第2の部材との間の分離線は、特に、平坦な区分に対して平行であってよい。これによって、簡単かつ実用的な構造が可能となる。
【0012】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素は、特に、さらに、取付けレールに対する圧力容器の長手方向端部の、取付けレールに対して横方向への制限された相対運動を可能にしてよい。これによって、付加的に制限された可動性が可能となるため、相対的な可動性が、長手方向だけでなく、長手方向に対して横方向にも存在している。これによって、二次元での可動の支持が可能となるため、例えば振動に対してある程度のばね弾性が可能となり、場合によって作用する、例えば衝突事象に基づく圧力をより良好に回避することができる。取付けレールに対して横方向への可動性は、特に、圧力容器の長手方向に対して横方向に付与されていてよい。圧力容器の長手方向への可動性も付与されているか否かは、特に、固定支持体が設けられているかまたは可動支持体が設けられているかに左右されてよい。
【0013】
特に、1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素は弾性的な材料から形成されていてよい。これによって、すでに述べた制限された可動性を簡単に実現することが可能となる。弾性的な材料は、特に、ある程度の圧力以降に変形可能であってよい。弾性的な材料は、加圧の終了時にその出発状態に戻る。
【0014】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素は、特に、相対運動を可能にするための1つ以上の目標破断箇所を有していてよい。この場合、特に、センタリング要素の不可逆的な変形を想定することができるため、圧力が作用した場合に目標破断箇所が破断し、これによって、相対運動が可能となり、出発状態への自動的な戻りは想定されていない。これによって、例えば、典型的にはいずれにせよ圧力容器アセンブリの検査が事後的に必要となる衝突事象の場合に可撓性を設けることができる。
【0015】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素は、特に、平坦な区分を取付けレールに対して平行に保持していてよい。これによって、特に、長手方向に沿った有利な可動性を可能にする簡単な構成を達成することができる。
【0016】
有利な構成によれば、1つ、幾つかまたは全ての支持シェルは、螺合された1つ、2つまたはそれ以上のボルトによって1つ、2つまたはそれ以上の取付けレールに取り付けられている。特に、全ての支持シェルは、螺合されたそれぞれ2つのボルトによってそれぞれ2つの取付けレールに取り付けられていてよい。この場合、典型的には、2つの取付けレールは互いに平行であり、複数の支持シェルは両方の取付けレールに取り付けられている。典型的には、2つの取付けレールは、互いに隣り合った圧力容器の各々の長手方向端部に対して設けられている。
【0017】
圧力容器の第1の長手方向端部の上側には、特に、上側の第1の取付けレールが配置されていてよく、圧力容器の第1の長手方向端部の下側には、特に、下側の第1の取付けレールが配置されていてよく、第1の長手方向端部を保持するための支持シェルは、上側の第1の取付けレールにも下側の第1の取付けレールにも取り付けられている。これによって、例えば互いに隣り合って配置されていてよい第1の長手方向端部を両方の第1の取付けレールによって有利にかつ簡単に取り付けることができる。取付けレールは、例えば自動車のボディに取り付けられてよい。
【0018】
圧力容器の第1の長手方向端部用の支持シェルとセンタリング要素とは、特に、固定支持体を形成していてよい。これによって、この固定支持体において、軸線方向への圧力容器の変位が阻止される。この場合、すでに述べた可動性は、取付けレールの長手方向でも取付けレールに対して横方向でも、同時に維持されたままである。
【0019】
特に、圧力容器の第2の長手方向端部の上側に上側の第2の取付けレールが配置されていてよく、圧力容器の第2の長手方向端部の下側に下側の第2の取付けレールが配置されていてよい。第2の長手方向端部を保持するための支持シェルは、上側の第2の取付けレールにも下側の第2の取付けレールにも取り付けられていてよい。これによって、すでに第1の長手方向端部に関して説明したことに類似して、例えば互いに隣り合った圧力容器において同じく互いに隣り合って配置されていてよい第2の長手方向端部の支持が可能となる。
【0020】
圧力容器の第2の長手方向端部用の支持シェルとセンタリング要素とは、特に、可動支持体を形成していてよい。このような可動支持体によって、特に、それぞれ保持された圧力容器の軸線方向の可動性が可能となり、これによって、長さ補償が可能となる。例えば、このような長さ補償は、圧力容器が、例えば圧力変動または温度変動に基づき膨張または収縮した場合に必要となることがある。
【0021】
1つ、幾つかまたは全ての第2の長手方向端部は、特に、センタリング要素に対する軸線方向の遊びを有して形成されていてよい。これによって、可動支持体を有利に実現することができる。
【0022】
軸線方向の遊びは、特に、1つ以上の平坦な区分が、取り囲むセンタリング要素よりも軸線方向に長く形成されていることによって形成されていてよい。これによって、圧力容器の確実な支持と、すでに述べた可動性とを損なうことなく、軸線方向の遊びの簡単な実現が可能となる。
【0023】
圧力容器アセンブリは、特に、互いに平行に方向付けられていてよい長手方向軸線を有する複数の圧力容器を備えていてよい。これによって、例えば平坦な組込みスペース、例えば車室の下側の自動車の床下スペースの有利な利用が可能となる。このような床下スペースは、例えば自動車において、所望の具体的な構成に応じて、代替的にバッテリセルまたはまさに圧力容器アセンブリを収容するために設けられていてよい。複数の圧力容器の使用によって、各々の圧力容器をより小さく、特に、より小さな直径を有して形成し、それにもかかわらず、構成スペースを良好に利用してガス状の燃料に対する高い貯蔵容量を達成することが可能となる。
【0024】
特に、すぐ隣り合った圧力容器は、互いに2mm~4mmの最小の間隔を有していてよい。このことは、圧力容器が、正常運転中には互いに接触しないが、側面衝突事象の場合には適切に互いに支持し合うことができるため、有利であると判った。
【0025】
最小の間隔は、特に、一方の圧力容器における各々の位置と他方の圧力容器における各々の位置との間隔を決定する際に下回らない間隔であってよい。
【0026】
平坦な区分は、特に、圧力容器の長手方向軸線に対して平行に方向付けられていてよい。これによって、変位可能性の簡単な構成および規定が可能となる。同じことが、別の平らな区分についても当てはまる。
【0027】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素は、特に、1つまたは2つの平坦な区分をクランプするように構成されていてよい。これによって、各々の圧力容器の確実な保持が可能となる。
【0028】
1つ、幾つかまたは全ての取付けレールにおいて、特に、こういった取付けレールの長手延在方向に対して横方向に、長手延在方向に負荷がかかった際の目標破断箇所を成す1つ以上の凹部が形成されていてよい。したがって、長手延在方向に負荷がかかった際、つまり、例えば側面衝突事象時に、取付けレールの規定された破断が可能となる。これによって、望ましくない別の損傷が阻止される。特に、圧力容器アセンブリは、圧力容器の長手延在方向が自動車長手方向軸線に対して平行に位置するように組み込まれてよい。自動車長手方向軸線は、典型的には、操舵されたホイールが真っ直ぐになっている状態で自動車が動く際の軸線である。この場合、典型的には、長手方向に対して横方向にかつ水平に自動車内に配置された取付けレールにおける目標破断箇所の今まさに説明した構成によって、特に、側面衝突事象時に取付けレールの規定された反応を達成することができる。
【0029】
本明細書に開示したテクノロジは、さらに、本明細書で説明したような圧力容器アセンブリを備える自動車に関する。圧力容器アセンブリに関しては、本明細書で説明した全ての構成および変化形態が利用されてよい。
【0030】
言い換えると、車両における公知の圧力容器アセンブリでは、この圧力容器アセンブリが、典型的には、いわゆるネックマウント支持によって形成されている。この場合、典型的には、金属製のボスが、2つのシェル状の支持シェルによってクランプされる。これらの支持シェルは別の構造体にねじ締結される。支持シェルの形状接続的なクランプ時には、規定通り、容器の運動が許容されない。これによって、組付け時には誤差のばらつきの形態の問題が生じ、異常時には過負荷が生じてしまう。例えば、圧力容器に軸線に対して横方向で衝突負荷がかけられると、ボスとCFK材料との間の接合箇所に多少なりとも大きな負荷が生じてしまう。なぜならば、ここに曲げ力および横方向力が導入されるからである。この領域は、容器の円筒形の部分と比較して、比較的敏感である。
【0031】
したがって、特に、支持シェルはもはやシェル状でなくてよく、線形または平坦に形成されていてよい。このために、ボスが、互いに反対側に位置する2つの側で平坦加工されて形成される。この平坦な区分において、ボスを適切な力でクランプすることができる。線形の支持要素は、ボスの、まだ平坦加工されていない丸みを帯びた領域の側方に、適切な弾性的なまたは変形可能なジョー要素を取り付けることができるように拡張されてよい。このジョー要素は、組付け時にボスをセンタリングすることができ、しかしながら、過負荷時には、ある程度の誤差調整および変位を許容する。
【0032】
特に、線形のクランプジョーがタンク懸架部の部分的な変位を許容することが特定されていてよい。変位範囲には、支持シェルの長さによって影響を与えることができる。センタリング要素を、例えばエラストマーまたは変形可能なプラスチックから形成することによって、横方向への緩み力に影響を与えることができる。緩み阻止は、例えば目標破断要素を備えたクランプジョーの適切な構成によって達成することもできる。平坦なボス領域を取り囲むための様々な別の支持体形状(例えばC字形)も可能である。上側シェルと下側シェルとは、1回のステップでクロスメンバにねじ締結することができる。一例では、第1の圧力容器またはタンクを、例えば3mmだけ変位させることによって、ピーク負荷を受け止めることができる。この場合、圧力容器は最も近くの圧力容器に接触し、純粋な曲げ負荷を再び幾分か少なくすることができる。支持箇所同士の間でさらに負荷がかけられると、横方向形材または取付けレールに設けられた適切な出発凹部によって形材を崩壊させることができる。別の圧力容器に負荷がかけられることがある。その際には、まず、支持装置が滑動することができ、その後、横方向形材の繰り返される折畳みを達成することができる。これによって、全体として、更なる衝突エネルギーを減じることができる。このことは、全ての圧力容器同士が密着し、その後、突合せと反対側のシルに接触するまで行うことができる。ボスおよび支持シェルにおける使用幅を適切に調整することによって、軸線方向でのボスの適切な位置ずれ(Fehlstand)を圧力容器同士の間で補償することもできる。
【0033】
圧力容器アセンブリは、特に、構造的なユニットと解釈されてよい。圧力容器アセンブリは、特に、圧力容器を、永続的に取り付けられた構造的な支持手段、取付け要素および防護機構(例えばシールド、バリア、シースおよびコーティング)と共に備えていてよい。これらは、例えば保守または点検の目的のために、特殊工具および/または特殊な方法の使用下でのみ取り外すことができ、また、再び設置することができる。
【0034】
圧力容器アセンブリは、特に、自動車(例えば乗用車、モータサイクル、商用車)用に設けられていてよい。圧力容器アセンブリは、周辺条件下でガス状の燃料を貯蔵するために用いられてよい。圧力容器アセンブリは、例えば、圧縮された天然ガス(圧縮天然ガスまたはCNGとも呼ばれる)または液化された天然ガス(液体天然ガスまたはLNGとも呼ばれる)または水素によって運転される自動車に使用されてよい。圧力容器アセンブリは、特に、燃料の化学的なエネルギーを別のエネルギー形態に変換するように構成された少なくとも1つのエネルギー変換器に流体接続されていてよい。
【0035】
圧力容器は、例えば複合オーバラップ圧力容器として形成されていてよい。圧力容器は、例えば極低温圧力容器または高圧ガス容器であってよい。特に、本明細書において使用される圧力容器は、タイプIVの圧力容器であってよい。このことは、特に、内側の支持構造体、特にライナにCFKが巻き付けられることを意味していてよい。ライナは、典型的には、熱可塑性プラスチックから形成されている。圧力容器は端部でそれぞれ1つの金属製の「ボス」によって閉鎖されていてよい。このボスにも同じくCFKが部分的に巻き付けられていてよい。高圧ガス容器は、周囲温度において燃料を持続的に少なくとも350バール正圧(=大気圧に対して正圧)または少なくとも700バール正圧の公称の使用圧(公称使用圧力またはNWPとも呼ばれる)で貯蔵するように構成されている。極低温圧力容器は、燃料を、前述した使用圧において、自動車の運転温度を大幅に(例えば50Kよりも多くまたは100Kよりも多く)下回る温度でも貯蔵するために適している。
【0036】
圧力容器アセンブリは、特に、自動車の車室の下側の床下領域内に組付け可能であってよい。圧力容器の長手方向軸線は、組込み位置において互いに平行に延在していてよく、かつ/または個々の圧力容器は、それぞれ4~200、好適には5~100、特に好適には6~50の値を有する長さ/直径比を有していてよい。
【0037】
一構成では、圧力容器は互いに並列に接続されている。この場合、1つの共通の分配管が設けられていてよい。複数の圧力容器は、通常、分配管と個々の圧力容器との間に、外部から電気的に操作可能な固有のそれぞれ1つの遮断弁が設けられていることなしに、分配管に直接接続されている。この分配管は、個々の圧力容器との流体接続を形成するために用いることができる。また、並列接続と直列接続との組合せも可能である。
【0038】
分配管にはまたは個別にそれぞれ各々の圧力容器には、電気的に操作可能な常閉型の遮断弁が設けられていてよい。この遮断弁は、圧力容器アセンブリまたは分配管を、エネルギー変換器に通じる燃料供給装置の残りの燃料案内管路に対して遮断するように構成されている。この遮断弁は、従来の圧力容器のオンタンク弁の機能を有していてよい。有利には、ただ1つの常閉型の遮断弁が設けられている。この遮断弁は、例えば、分配管に直接ねじ締結可能であってよいかまたはねじ込み可能であってよい。遮断弁は、典型的には、共通の分配管に接続された各々の圧力容器の下流に設けられた最初の弁である。各々の圧力容器または分配管には、溢流弁(英語:excess flow valve)とも呼ばれる管破断防止手段が設けられていてよい。
【0039】
以下に、本明細書に開示したテクノロジを添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図3】圧力容器アセンブリにおける圧力容器の相互接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1には、一実施例による圧力容器アセンブリ10の一部が単に概略的に示してある。圧力容器アセンブリ10は複数の圧力容器12を有している。これらの圧力容器12のうち、
図1に示した部分には3つを認めることができる。これら3つの圧力容器12は、互いに平行な長手方向軸線を有している。
【0042】
圧力容器12の長手方向端部14は、図示のように、また、以下に説明するように保持される。
【0043】
圧力容器アセンブリ10は、上側の取付けレール21と下側の取付けレール22とを有している。両方の取付けレール21,22は互いに平行に方向付けられている。両方の取付けレール21,22は、圧力容器アセンブリ10の典型的な組込み状況では、例えば自動車の長手方向に対して横方向に組み込まれていてよい。
【0044】
各々の長手方向端部14は各々のセンタリング要素40によって保持される。このセンタリング要素40は各々の支持シェル30内に組み込まれている。この支持シェル30は、第1のボルト50と第2のボルト55とによって取付けレール21,22にねじ締結される。各々の支持シェル30は、第1の部材31と第2の部材32とを有しており、この第1の部材31と第2の部材32との間に分離線33が形成されている。第1の部材31は第2の部材32の上側に配置されている。これによって、取付けレール21,22への支持シェル30の取付けが容易になる。
【0045】
圧力容器12の各々の長手方向端部14は、上側の平坦な区分16と下側の平坦な区分18とを有している。これら両方の平坦な区分16,18は、取付けレール21,22に対して平行に位置している。両方の平坦な区分16,18は、平行性が確保されるように、各々のセンタリング要素40によって保持される。
【0046】
圧力容器アセンブリ10は、図示の構成では、底側金属薄板7の上側に配置されている。この底側金属薄板7は、例えば自動車を下方で画定することができる。底側金属薄板7は、特に、自動車の車室の下側の組込みスペースを下側で画定することができる。
【0047】
図2には、支持シェル30と、この支持シェル30内に位置するセンタリング要素40とが、より大きな詳細図で示してある。同図には、支持シェル30に、すでに述べたボルト50,55が貫通する第1の貫通孔35と第2の貫通孔36とが形成されていることが認められる。センタリング要素40も、同じく2つの部材41,42に分割されている。これら2つの部材41,42は、互いに重なり合って配置されている。センタリング要素40は、図示の構成では、弾性的であるゴム材料から形成されている。これによって、取付けレール21,22に対する平坦な区分16,18のすでに述べた平行性が規定されつつ、同時に、支持シェル30ひいては取付けレール21,22に対しても各々の長手方向端部14の制限された可動性が可能となるように、圧力容器12の各々の長手方向端部14を保持することができる。鉛直方向でも水平方向でも可能となるこの制限された可動性によって、側方から作用する、例えば側面衝突事象時の圧力に対する各々の圧力容器12の部分的な退避が可能となる。これによって、このような状況での圧力容器12の損傷を効果的に予防することができる。
【0048】
図3には、複数の圧力容器12が1つの共通の接続管路60に接続されている圧力容器アセンブリ10が示してある。接続管路60は、圧力容器12の各々の接続片19に接続されて圧力容器12同士を接続しており、こうして、圧力容器12にガス状の燃料を充填することができ、また、このガス状の燃料を圧力容器12から再び取り出すこともできるようになっている。この場合、典型的には、各々の圧力容器12と接続管路60との間に弁は設けられておらず、これによって、共通の充填および共通の取出しが可能となる。このために、例えば1つの共通のタンク遮断弁(図示せず)が使用されてよい。しかしながら、代替的には、各々の圧力容器12の個別の切換を可能にするために、各々の容器弁が設けられていてもよい。
【0049】
図4には、可動支持体としての上述した支持装置の構成が示してある。同図には、両方の平坦な区分16,18が、支持シェル30およびセンタリング要素40よりも軸線方向に長く形成されていることが認められる。これによって、例えば圧力変動または温度変動に基づく圧力容器12の長さ変化を補償するために使用することができる軸線方向の遊びが可能となる。制限部が支持シェル30に直接接触するように、平坦な区分16,18を軸線方向で短縮することによって、固定支持体を簡単に形成することができる。特に、圧力容器アセンブリ10では、圧力容器12の一方の側に可動支持体、圧力容器12のもう一方の側に固定支持体を使用することができ、これによって、可動支持機能のために必要となる遊びが一方の側にだけ存在しているが、他方の側では、規定された支持が可能となる。典型的には、
図3に認めることができるような共通の接続管路60は、圧力容器12の、固定支持体によって保持される側に取り付けられる。
【0050】
読みやすさの理由から簡素化して、「少なくとも1つの(mindestens ein(e))」という表現を一部省略した。本明細書に開示したテクノロジの特徴を単数形または不定冠詞で記載したとしても(例えばder/ein Druckbehaelter、die/eine Lagerschale等)、同時にその複数形も一緒に開示してあるものとする(例えばder mindestens eine Druckbehaelter、die mindestens eine Lagerschale等)。
【0051】
本発明の前述した説明は図説目的で用いられるにすぎず、本発明の限定を目的とするものではない。本発明の枠内では、本発明の範囲およびその均等物から逸脱することなく、様々な変化および変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
7 底側金属薄板
10 圧力容器アセンブリ
12 圧力容器
14 長手方向端部
16 平坦な区分
18 平坦な区分
21 取付けレール
22 取付けレール
30 支持シェル
31 第1の部材
32 第2の部材
33 分離線
35,36 貫通孔
40 センタリング要素
41 第1の部材
42 第2の部材
50,55 ボルト
60 接続管路
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の床下スペース用の圧力容器アセンブリ(10)であって、
複数の圧力容器(12)と、
1つ以上の取付けレール(21,22)と、
前記取付けレール(21,22)に取り付けられた複数の支持シェル(30)と
を備える、圧力容器アセンブリ(10)において、
複数のセンタリング要素(40
)を備え、
1つ、幾つかまたは全ての圧力容器(12)の長手方向端部(14)が、少なくとも1つの平坦な区分(16,18)を有し、支持シェル(30)内のセンタリング要素(40)によって保持され、これによって、前記平坦な区分(16,18)は、前記支持シェル(30)が取り付けられた前記取付けレール(21,22)に対して最大5°の角度をとり、
前記センタリング要素(40)は、前記取付けレール(21,22)に対する前記圧力容器(12)の前記長手方向端部(14)の、前記取付けレール(21,22)に対して少なくとも平行な制限された相対運動を可能にし、
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は弾性的な材料から形成されており、
1つ、幾つかまたは各々の長手方向端部(14)において、前記平坦な区分(16,18)と反対側に、該平坦な区分(16,18)に対して平行である別の平坦な区分(16,18)が形成されてい
る
ことを特徴とする、圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記圧力容器(12)は互いに並列に接続されており、前記複数の圧力容器(12)が直接接続されている1つの共通の分配管が設けられており、該分配管と個々の前記圧力容器(12)との間に、それぞれ1つの遮断弁が設けられていない、請求項1記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項3】
1つ、幾つかまたは全ての支持シェル(30)は、第1の部材(31)と第2の部材(32)とに分割されている、請求項1または2記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項4】
第1の部材(31)と第2の部材(32)との間の分離線(33)が、前記平坦な区分(16,18)に対して平行である、請求項3記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項5】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は、さらに、前記取付けレール(21,22)に対する前記圧力容器(12)の前記長手方向端部(14)の、前記取付けレール(21,22)に対して横方向への制限された相対運動を可能にする、請求項1から4までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項6】
前記圧力容器(12)は、前記自動車の長手方向に対して横方向に組み込まれている、請求項1から5までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項7】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は、前記相対運動を可能にするための1つ以上の目標破断箇所を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項8】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は、前記平坦な区分(16,18)を前記取付けレール(21,22)に対して平行に保持している、請求項1から7までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項9】
1つ、幾つかまたは全ての支持シェル(30)は、螺合された1つ、2つまたはそれ以上のボルト(50,55)によって1つ、2つまたはそれ以上の取付けレール(21,22)に取り付けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項10】
前記圧力容器(12)の第1の長手方向端部(14)の上側に上側の第1の取付けレール(21)が配置されており、前記圧力容器(12)の前記第1の長手方向端部(14)の下側に下側の第1の取付けレール(22)が配置されており、前記第1の長手方向端部(14)を保持するための前記支持シェル(30)は、前記上側の第1の取付けレール(21)にも前記下側の第1の取付けレール(22)にも取り付けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項11】
前記圧力容器(12)の第1の長手方向端部(14)用の支持シェル(30)とセンタリング要素(40)とは、固定支持体を形成している、請求項1から10までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項12】
前記圧力容器(12)の第2の長手方向端部(14)の上側に上側の第2の取付けレール(21)が配置されており、前記圧力容器(12)の前記第2の長手方向端部(14)の下側に下側の第2の取付けレール(22)が配置されており、前記第2の長手方向端部(14)を保持するための前記支持シェル(30)は、前記上側の第2の取付けレール(21)にも前記下側の第2の取付けレール(22)にも取り付けられている、請求項1から11までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項13】
前記圧力容器(12)の第2の長手方向端部(14)用の支持シェル(30)とセンタリング要素(40)とは、可動支持体を形成している、請求項1から12までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項14】
1つ、幾つかまたは全ての第2の長手方向端部(14)は、前記センタリング要素(40)に対する軸線方向の遊びを有して形成されている、請求項12または13記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項15】
前記軸線方向の遊びは、1つ以上の前記平坦な区分(16,18)が、取り囲む前記センタリング要素(40)よりも軸線方向に長く形成されていることによって形成されている、請求項14記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項16】
複数の圧力容器(12)の長手方向軸線が互いに平行に方向付けられ
ている、請求項1から15までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項17】
すぐ隣り合った圧力容器(12)は、互いに2mm~4mmの最小の間隔を有する、請求項16記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項18】
前記平坦な区分(16,18)は、前記圧力容器(12)の長手方向軸線に対して平行に方向付けられている、請求項1から17までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項19】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素(40)は、1つまたは2つの平坦な区分(16,18)をクランプするように構成されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項20】
1つ、幾つかまたは全ての取付けレール(21,22)において、該取付けレール(21,22)の長手延在方向に対して横方向に、前記長手延在方向に負荷がかかった際の目標破断箇所を成す1つ以上の凹部が形成されている、請求項1から19までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)。
【請求項21】
請求項1から20までのいずれか1項記載の圧力容器アセンブリ(10)を備える自動車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本明細書には、圧力容器アセンブリならびにこのような圧力容器アセンブリを備える自動車が記載してある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
圧力容器アセンブリは、典型的には、ガス状の燃料を貯蔵するために使用することができる1つ以上の圧力容器を有している。例えば、ガス状の燃料は天然ガスまたは水素であってよい。例えば、想定されるバッテリ蓄電器の代わりに、可能な限り多くの様々な車両に使用することができるように、圧力容器アセンブリを、従来では通常使用されない組込みスペース、例えば自動車の車室の下方の床下スペース内に組み込むことができるようにすることが、圧力容器アセンブリによってますます要求される。
中国特許出願公開第109084171号明細書には、燃料電池車両用の大きな水素ボンベを備えた水素貯蔵装置が開示されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
優先的な課題は、すでに知られている解決手段の欠点を少なくとも減じるかもしくは取り除くか、または代替的な解決手段を提案することである。特に、優先的な課題は、側面衝突事象に対して改善された抵抗性を示す圧力容器アセンブリを設けることである。更なる優先的な課題は、記載した構成の有利な効果から明らかとなることがある。これらの課題は、独立請求項の対象によって解決される。従属請求項は好適な構成を成している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
本明細書には、圧力容器アセンブリであって、(i)1つ以上の圧力容器と、(ii)1つ以上の取付けレールと、(iii)1つ以上の支持シェルと、(iv)1つ以上のセンタリング要素とを備える、圧力容器アセンブリが記載してある。1つ、幾つかまたは全ての支持シェルは、1つ以上の取付けレールに取り付けられている。1つ、幾つかまたは全ての圧力容器の長手方向端部は、少なくとも1つの平坦な区分を有し、支持シェル内のセンタリング要素によって保持され、これによって、平坦な区分は、支持シェルが取り付けられた取付けレールに対して最大5°の角度をとる。センタリング要素は、取付けレールに対する圧力容器の長手方向端部の、取付けレールに対して少なくとも平行な制限された相対運動を可能にする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
基本的には、請求項1に属さない圧力容器アセンブリは、1つの圧力容器、1つの取付けレール、1つの支持シェルおよび1つのセンタリング要素しか有していなくてよい。しかしながら、典型的には、これらの要素のうち、それぞれ複数の要素が存在している。例えば複数の圧力容器が、特に、互いに平行な長手方向軸線を有して相並んで配置されてよい。このような圧力容器アセンブリは、特に、自動車の床下スペース内に有利に組み込むことができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
1つ、幾つかまたは各々の長手方向端部において、平坦な区分と反対側に、この平坦な区分に対して平行である別の平坦な区分が形成されている。これによって有利には、安定化を両側、例えば上側および下側で達成することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
1つ、幾つかまたは全てのセンタリング要素は弾性的な材料から形成されている。これによって、すでに述べた制限された可動性を簡単に実現することが可能となる。弾性的な材料は、特に、ある程度の圧力以降に変形可能であってよい。弾性的な材料は、加圧の終了時にその出発状態に戻る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
本明細書には、さらに、本明細書で説明したような圧力容器アセンブリを備える自動車が記載してある。圧力容器アセンブリに関しては、本明細書で説明した全ての構成および変化形態が利用されてよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
以下に、構成を添付の図面を参照しながら説明する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
読みやすさの理由から簡素化して、「少なくとも1つの(mindestens ein(e))」という表現を一部省略した。特徴を単数形または不定冠詞で記載したとしても(例えばder/ein Druckbehaelter、die/eine Lagerschale等)、同時にその複数形も一緒に開示してあるものとする(例えばder mindestens eine Druckbehaelter、die mindestens eine Lagerschale等)。
【国際調査報告】