(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】噴霧器の運転方法及び対応する塗装システム
(51)【国際特許分類】
B05D 1/04 20060101AFI20240822BHJP
B05B 5/025 20060101ALI20240822BHJP
B05B 12/00 20180101ALI20240822BHJP
B05D 7/14 20060101ALI20240822BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20240822BHJP
B05D 5/12 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B05D1/04 K
B05B5/025 A
B05B12/00 A
B05D7/14 L
B05D3/00 G
B05D5/12 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510273
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2022071516
(87)【国際公開番号】W WO2023020819
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】102021121553.6
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】ヘルレ、フランク
(72)【発明者】
【氏名】バウマン、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ブック、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ミヒェルフェルダー、マンフレード
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーラー、ゼレン
(72)【発明者】
【氏名】ベルント、サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン、サッシャ
(72)【発明者】
【氏名】メルヒャー、ライナー
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン、ダニエル ティノ
(72)【発明者】
【氏名】ホイサーマン、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヘクスマン、ヨハネス
【テーマコード(参考)】
4D075
4F034
4F035
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA09
4D075AA10
4D075AA33
4D075AA37
4D075AA38
4D075AA54
4D075AA55
4D075AA65
4D075AA67
4D075AA76
4D075AA78
4D075AA90
4D075BB65
4D075CA22
4D075DB01
4D075DB31
4D075DC12
4D075DC13
4F034AA03
4F034BA22
4F034BB12
4F034BB16
4F035AA03
4F035BA11
4F035BC02
(57)【要約】
本発明は、a)取り付け部品(例えば、外装塗装用の帯電リング、保護カバー、ハンドリングツール)が取り付けられた噴霧器を用いて塗装するステップと、b)噴霧器上の取り付け部品を他の取り付け部品(例えば、内装塗装用の帯電リング、保護カバー、ハンドリングツール)に交換するステップと、を含む、部品(例えば、自動車車体部品)を塗料で塗装するための噴霧器の運転方法に関する。本発明は、本発明に係る運転方法を実行するための塗装システムをさらに含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(35)、特に自動車車体部品(35)を塗料で塗装する噴霧器(11、28)の運転方法であって、
a)取り付け部品(5)、特に塗布された塗料の静電外部帯電のために前記自動車車体部品(35)の外面を塗装するのに適した電極装置(5)が取り付けられた噴霧器(11、28)を用いて塗装するステップを含み、
b)前記噴霧器(11、28)上の前記取り付け部品(5)を他の取り付け部品(2)に、特に、
b1)静電外部帯電のために前記自動車車体部品(35)の本体内部を塗装するのに適した電極装置(2)、又は、
b2)前記噴霧器(11、28)上の交換インターフェース用の保護カバー(21)、又は、
b3)自動車部品、特に前記自動車車体部品(35)のドア、フード、若しくはフラップを特に作動させるためのハンドリングツール
に交換するステップを特徴とする、
運転方法。
【請求項2】
a)前記噴霧器(11、28)に取り付けられた前記取り付け部品(5)を前記噴霧器(11、28)から取り外すステップと、
b)前記噴霧器(11、28)から取り外された前記取り付け部品(5)を堆積装置(14)内に堆積するステップと、
c)他の取り付け部品(2)を前記噴霧器(11、28)に取り付けるステップと、
を含む前記取り付け部品(2、5)を交換するためのステップを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の運転方法。
【請求項3】
前記噴霧器(11、28)から取り外された前記取り付け部品(5)を前記堆積装置(14)内に堆積した後、取り外された前記取り付け部品(5)を洗浄し、前記取り付け部品(5)から塗料残留物を除去するステップを含むことを特徴とする、
請求項2に記載の運転方法。
【請求項4】
a)取り外された前記取り付け部品(5)の洗浄は保守員によって手動で行われること、又は、
b)取り外された前記取り付け部品(5)の洗浄は洗浄装置(31)内で自動化されていること
を特徴とする、
請求項3に記載の運転方法。
【請求項5】
a)前記取り付け部品(2、5)のそれぞれは、前記取り付け部品(2、5)を形状嵌合方式、並びに/若しくは、摩擦嵌合方式で把持できるように把持輪郭(22)を有すること、及び/又は、
b)前記取り付け部品(2、5)の交換に必要な時間は、前記取り付け部品(2、5) の洗浄に必要な時間よりも大幅に短いこと
を特徴とする、
請求項1から4の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項6】
a)取り付け部品(2、5)の交換は手動で行われること、又は、
b)取り付け部品(2、5)の交換はロボットに補助されて行われること、又は、
c)取り付け部品(2、5)の交換は、手動で、若しくは、外部装置によって自動的に行われること
を特徴とする、
請求項1から5の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項7】
前記噴霧器(11、28)から取り外された前記取り付け部品(2)が洗浄される間、前記取り付け部品(5)が取り付けられた前記噴霧器(11、28)が前記部品(35)を塗装することを特徴とする、
請求項1から6の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項8】
a)内装塗装と外装塗装との両方のために同一の噴霧器(11、28)が使用されること、及び、
b)内装塗装の場合、内装塗装用の前記電極装置(2)が前記噴霧器(11、28)に取り付けられること、及び、
c)外装塗装の場合、外装塗装用の前記電極装置(5)が前記噴霧器(11、28)に取り付けられること、及び、
d)任意で、内装塗装及び外装塗装用の統一電極装置が前記噴霧器(11、28)に取り付けられること
を特徴とする、
請求項1から7の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項9】
a)前記噴霧器(11、28)は、前記噴霧器(11、28)における前記取り付け部品(2、5)の取り外し可能な取り付け又は取り外しのための結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)を有すること、
b)前記結合機構は、任意で、
b1)ボールクランプ機構、
b2)磁気カップリング、
b3)真空カップ、
b4)接着剤接続、又は、
b5)少なくとも1つのクランプブラケット(4.1~4.3、10.1~10.4)
を備えること、
c)前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)は、任意で、前記噴霧器(11、28)と前記取り付け部品(2、5)との間の接続を解除するための操作子を備え、前記操作子は、前記取り付け部品(2、5)上に配置され、前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)は、前記取り付け部品(2、5)上の前記操作子に作用することによって解除され得ること
を特徴とする、
請求項1から8の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項10】
a)前記堆積装置(14)は、一の取り付け部品(2)を堆積するための第1の堆積場所(1)を有すること、
b)前記堆積装置(14)は、他の取り付け部品(5)を堆積するための第2の堆積場所(7)を有すること、
c)前記2つの堆積場所(1、7)は、任意で、前記堆積場所(1、7)が誤って使用されることを防止するために非互換であり、前記一の取り付け部品(2)のみが前記第1の堆積場所(1)に堆積され得るのに対し、前記他の取り付け部品(5)のみが前記第2の堆積場所(7)に堆積され得ること、
d)任意で、内装塗装と外装塗装とのために統一取り付け部品が使用され、両方の堆積場所が同一の設備を有し、前記統一取り付け部品が任意で両方の堆積場所に堆積され得ること
を特徴とする、
請求項1から9の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項11】
a)前記堆積場所(1、7)の非互換性は、機械的に、特に係止面(6)、ガイド片、把持手段、並びに/若しくは、クランプブラケットによって実現されること、及び/又は、
b)前記非互換性は、前記堆積場所、並びに/若しくは、前記取り付け部品(2、5)を区別できるセンサによって、特にRFIDタグ並びに対応するRFIDリーダであって、一方が前記取り付け部品(2、5)上に配置され、他方が前記堆積場所(1、7)に配置されるRFIDタグ並びにRFIDリーダによって実現されること
を特徴とする、
請求項10に記載の運転方法。
【請求項12】
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、ターンテーブル(12)上に配置されていること、
b)前記ターンテーブル(16)は、回転軸(17)の周りで、特に垂直回転軸(17)の周りで回転され得、前記堆積場所(1、7)が、任意で、堆積された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄位置に、又は、前記ターンテーブル(16)上への取り付け部品(2、5)の堆積、若しくは、前記ターンテーブル(16)からの取り付け部品(2、5)の除去が行われる移載位置に配置されること
を特徴とする、
請求項10又は11に記載の運転方法。
【請求項13】
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、変位装置(47、48)上に配置されていること、
b)前記変位装置(47、48)は、前記堆積場所(1、7)を、
b1)前記堆積装置(14)の内側、特に前記塗装ブース(34)の内側にある、堆積された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄位置と、
b2)前記堆積装置(14)の外側、特に前記塗装ブース(34)の外側にある、前記変位装置(47、48)上に取り付け部品(2、5)を堆積するか、又は、前記変位装置(47、48)から取り付け部品(2、5)を除去するための移載位置と、
の間で変位させ得ること
を特徴とする、
請求項10又は11に記載の運転方法。
【請求項14】
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、水平方向に並んでおり、前記取り付け部品(2、5)は、前記堆積装置(14)上に堆積されるか、若しくは、前記堆積装置(14)によって垂直方向にピックアップされること、又は、
b)前記2つの堆積場所(1、7)は、水平方向に対して傾斜して並んでおり、前記取り付け部品(2、5)は、前記堆積装置(14)上に斜めに堆積されるか、若しくは、前記堆積装置(14)によって斜めにピックアップされること
を特徴とする、
請求項1から13の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項15】
前記堆積装置(14)は、堆積された前記取り付け部品(2、5)を、特に水平旋回軸(18、19)の周りで旋回させるための旋回装置を有することを特徴とする、
請求項1から14の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項16】
前記第1の堆積場所(1)、及び/又は、前記第2の堆積場所(7)は、堆積中に堆積される前記取り付け部品(2、5)を自動的に芯出しするための自己芯出し装置を有することを特徴とする、
請求項9から15の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項17】
a)前記堆積装置(14)は、堆積される前記取り付け部品(2、5)が正しく堆積されているか否かを示す視覚表示装置を有すること、
b)前記表示装置は、任意で、正しい堆積を報知するための第1の信号灯と、誤った堆積を報知するための第2の信号灯と、を有すること
を特徴とする、
請求項1から16の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項18】
a)前記噴霧器(11、28)は、塗装ロボット(24、39~42)によって案内されること、
b)前記塗装ロボット(24、39~42)は、塗装ブース(34)であって、前記塗装ブース(34)内で前記部品(35)が塗装される塗装ブース(34)内に配置されていること、
c)塗装される前記部品(35)は、任意で、コンベヤ(36)によって前記塗装ブース(34)を通って搬送されること、
d)前記噴霧器(11、28)の取り付け部品(2、5)を手動で洗浄するために、特に内装塗装用及び外装塗装用の統一帯電リングを洗浄するために手洗いステーションが前記塗装ブース(34)内に任意で設けられていること
を特徴とする、
請求項1から17の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項19】
a)少なくとも1つの保守セル(43~46)が、前記塗装ロボット(24、39~42)、及び/又は、前記噴霧器(11、28)を保守するために設けられていること、
b)何れの場合にも、保守セル(43~46)が、任意で、前記塗装ブース(34)の1つ以上の隅に配置されること、
c)前記保守セル(43~46)は、特にガラス、及び/又は、板金でできたセル壁によって前記塗装ブース(34)から隔てられていること、
d)前記保守セル(43~46)は、任意で、前記保守セル(43~46)の内部を換気するための換気システムを有すること、
e)前記保守セル(43~46)は、前記噴霧器(11、28)、及び/又は、ロボットアームを前記保守セル(43~46)に挿入できるようにするために挿入開口部を有すること、
f)前記保守セルは、任意で、開口部であって、取り付けられた洗浄装置が、前記洗浄装置に対する保守作業を行うために、前記開口部を通って全体的に、又は、部分的に前記保守セル内に移動され得る開口部を有すること
を特徴とする、
請求項18に記載の運転方法。
【請求項20】
a)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を堆積するための前記堆積装置(14)が、前記保守セル(43~46)の内部に配置されていること、又は、
b)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を堆積するための前記堆積装置(14)が、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に配置されていること、又は、
c)前記堆積装置(14)の前記堆積場所(1、7)の一方は、前記保守セル(43~46)の内部に配置されているのに対し、前記堆積装置(14)の他方の堆積場所は、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に配置されていること
を特徴とする、
請求項19に記載の運転方法。
【請求項21】
a)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に、特に前記保守セル(43~46)の前記セル壁上に配置されていること、又は、
b)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記保守セル(43~46)の内部に、特に前記堆積装置(14)の下に配置されていること
を特徴とする、
請求項1から20の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項22】
a)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ブース(34)内に固定的に配置されていること、又は、
b)前記塗装ロボット(24、39~42)は、前記塗装ブース(34)の内部で動かされ得、前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ロボット(24、39~42)に取り付けられており、前記塗装ロボット(24、39~42)と一体的に動かされ得ること
を特徴とする、
請求項1から21の何れか一項に記載の運転方法。
【請求項23】
部品(35)を塗料で塗装するための、特に自動車車体部品(35)を塗装するための塗装システムであって、
a)噴霧器(11、28)であって、取り付け部品(5)、特に塗布された塗料の静電外部帯電のために前記自動車車体部品(35)の外面を塗装するのに適した電極装置(5)が前記噴霧器(11、28)に取り付けられており、前記取り付け部品(5)は、前記噴霧器(11、28)に着脱可能に取り付けられている、噴霧器(11、28)と、
b)前記噴霧器(11、28)を動かす塗装ロボット(24、39~42)と、
を備え、
c)前記噴霧器(11、28)上の前記取り付け部品(5)を他の取り付け部品(2)に、特に、
c1)静電外部帯電のために前記自動車車体部品(35)の本体内部を塗装するのに適した電極装置(2)、又は、
c2)前記噴霧器(11、28)上の交換インターフェース用の保護カバー(21)、又は、
c3)車両アセンブリ、特に前記自動車車体部品(35)のドア、フード、若しくはフラップを特に作動させるためのハンドリングツール
に交換するための交換ステーション(31、32)を特徴とする、
塗装システム。
【請求項24】
前記交換ステーション(31、32)は、取り外された前記取り付け部品を収納するために堆積装置(14)を有することを特徴とする、
請求項23に記載の塗装システム。
【請求項25】
取り外された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄装置(31、32)を特徴とする、
請求項23又は24に記載の塗装システム。
【請求項26】
a)前記噴霧器(11、28)は、前記噴霧器(11、28)における前記取り付け部品(2、5)の着脱可能な取り付け又は取り外しのための結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)を備えること、
b)前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)は、任意で、
b1)ボールクランプ機構、
b2)磁気カップリング、
b3)真空吸着カップ、
b4)接着剤接続、又は、
b5)少なくとも1つのテンションブラケット(4.1~4.3、10.1~10.4)
を備えること、
c)前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)は、任意で、前記噴霧器(11、28)と前記取り付け部品(2、5)との間の接続を解除するために制御要素を備え、前記制御要素は、前記取り付け部品(2、5)上にあり、前記取り付け部品(2、5)上の前記制御要素に作用することによって前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)が解除され得るように配置されていること
を特徴とする、
請求項23から25の何れか一項に記載の塗装システム。
【請求項27】
a)前記堆積装置(14)は、一の取り付け部品(2)を堆積するための第1の堆積場所(1)を有すること、
b)前記堆積装置(14)は、他の取り付け部品(5)を堆積するための第2の堆積場所(7)を有すること、
c)前記2つの堆積場所(1、7)は、前記堆積場所(1、7)の誤った載置を防止するために非互換であり、前記一の取り付け部品(2)のみが前記第1の堆積場所(1)に堆積され得るのに対し、前記他の取り付け部品(5)のみが前記第2の堆積場所(7)に堆積され得ること、
d)内装塗装と外装塗装とのために統一取り付け部品が使用され、両方の堆積場所が同一の設備を有し、前記統一取り付け部品が両方の棚に収納され得ること
を特徴とする、
請求項23から26の何れか一項に記載の塗装システム。
【請求項28】
a)前記堆積場所(1、7)の非互換性は、機械的に、特に係止面(6)、ガイド片、把持手段、並びに/若しくは、クランプブラケットにより保証されていること、及び/又は、
b)前記非互換性は、前記堆積場所、並びに/若しくは、前記取り付け部品(2、5)を区別できるセンサによって、特にRFIDタグ並びに対応するRFIDリーダであって、一方が前記取り付け部品(2、5)上に配置され、他方が前記堆積場所に配置されるRFIDタグ並びにRFIDリーダによって実現されること
を特徴とする、
請求項27に記載の塗装システム。
【請求項29】
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、ターンテーブル(16)上に配置されていること、
b)前記ターンテーブル(16)は、回転軸(17)の周りで、特に垂直回転軸(17)の周りで回転され得、前記堆積場所(1、7)が、収納された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄位置と、移載位置であって、前記移載位置において、取り付け部品(2、5)が、前記ターンテーブル(16)上に載置されるか、又は、取り付け部品(2、5)が前記ターンテーブル(16)から除去される移載位置と、の何れかにあること
を特徴とする、
請求項27又は28に記載の塗装システム。
【請求項30】
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、変位装置(47、48)上に配置されていること、
b)前記変位装置(47、48)は、前記堆積場所(1、7)を、
b1)前記堆積装置(14)の内部、特に前記塗装ブース(34)の内部にある、堆積された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄位置と、
b2)前記堆積装置(14)の外側、特に前記塗装ブース(34)の外側にある、前記変位装置(47、48)上に取り付け部品(2、5)を堆積するか、又は、前記変位装置(47、48)から取り付け部品(2、5)を除去するための移載位置と、
の間で移動させ得ること
を特徴とする、
請求項27又は28に記載の塗装システム。
【請求項31】
a)前記堆積場所(1、7)は、水平方向に並んでおり、前記取り付け部品(2、5)は、前記堆積装置(14)上に垂直方向に堆積されるか、若しくは、前記堆積装置(14)によってピックアップされること、又は、
b)前記堆積場所(1、7)は、水平方向に対して斜めに並んでおり、前記取り付け部品(2、5)は、前記堆積装置(14)上に斜めに載置されるか、若しくは、前記堆積装置(14)によって斜めにピックアップされること
を特徴とする、
請求項23から30の何れか一項に記載の塗装システム。
【請求項32】
a)前記堆積装置(14)は、収納された前記取り付け部品を、特に水平旋回軸(18、19)の周りで旋回させるために旋回装置を有すること、
b)任意で、棚を有する2つ以上の旋回装置又は変位装置が設置され得、前記塗装ロボットが前記旋回装置又は変位装置を有し得ること
を特徴とする、
請求項23から31の何れか一項に記載の塗装システム。
【請求項33】
前記第1の堆積場所(1)、及び/又は、前記第2の堆積場所(7)は、堆積の際に載置される前記取り付け部品(2、5)の自動的な芯出しのための自己芯出しを有することを特徴とする、
請求項23から32までの何れか一項に記載の塗装システム。
【請求項34】
a)前記堆積装置(14)は、収納される前記取り付け部品が正しく載置されているか否かを示す視覚表示装置を有すること、
b)前記表示装置は、任意で、正しい堆積を報知するための第1の信号灯と、誤った堆積を報知するための第2の信号灯と、を有すること
を特徴とする、
請求項23から33の何れか一項に記載の塗装システム。
【請求項35】
a)前記塗装ロボット(24、39~42)は、塗装ブース(34)であって、前記塗装ブース(34)内で前記部品(35)が塗装される塗装ブース(34)内に配置されていること、
b)塗装される前記部品(35)は、任意で、コンベヤによって前記塗装ブース(34)を通って搬送されること、
c)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を手動で洗浄するための手洗いステーションが前記塗装ブース(34)内に任意で設けられていること
を特徴とする、
請求項23から34の何れか一項に記載の塗装システム。
【請求項36】
a)少なくとも1つの保守セル(43~46)が、前記塗装ロボット(24、39~42)、及び/又は、前記噴霧器(11、28)を整備するために設けられていること、
b)保守セル(43~46)が、任意で、前記塗装ブース(34)の隅に配置されていること、
c)前記保守セル(43~46)は、特にガラス、及び/又は、板金でできたセル壁によって前記塗装ブース(34)から隔てられていること、
d)前記保守セル(43~46)は、任意で、前記保守セル(43~46)の内部を換気するために換気装置を有すること、
e)前記保守セル(43~46)は、前記噴霧器(11、28)、及び/又は、ロボットアームを前記保守セル(43~46)に挿入できるようにするために挿入開口部を有すること
を特徴とする、
請求項35に記載の塗装システム。
【請求項37】
a)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を堆積するための前記堆積装置(14)が、前記保守セル(43~46)の内部に配置されていること、又は、
b)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を堆積するための前記堆積装置(14)が、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に配置されていること、又は、
c)前記堆積装置(14)の前記堆積場所の一方は、前記保守セル(43~46)の内部に配置されているのに対し、前記堆積装置(14)の他方の堆積場所は、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に配置されていること
を特徴とする、
請求項36に記載の塗装システム。
【請求項38】
a)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に、特に前記保守セル(43~46)の前記セル壁上に配置されていること、又は、
b)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記保守セル(43~46)の内部に、特に前記堆積装置(14)の下に配置されていること
を特徴とする、
請求項23から37の何れか一項に記載の塗装システム。
【請求項39】
a)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ブース(34)内に固定的に配置されていること、又は、
b)前記塗装ロボット(24、39~42)は、前記塗装ブース(34)の内部で動かされ得、前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄装置(30)は、前記塗装ロボット(24、39~42)に取り付けられており、前記塗装ロボット(24、39~42)と一体的に動かされ得ること、又は、
c)前記洗浄装置(31)は、前記堆積装置(14)に組み込まれており、堆積された前記取り付け部品(2、5)は、取り付け部品(2、5)が載置されているときに洗浄され得ること、
d)前記保守セルは、任意で、開口部であって、取り付けられた洗浄装置が、前記洗浄装置に対する保守作業を行うために、前記開口部を通って完全に、又は、部分的に前記保守セル内に移動され得る開口部を有すること
を特徴とする、
請求項23から38の何れか一項に記載の塗装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品(例えば、自動車車体部品)を塗料で塗装するための噴霧器の運転方法に関する。さらに、本発明は、この運転方法を実行するための、対応して設計された塗装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車車体部品を塗装するための現代の塗装システムでは、塗布効率を向上させ、邪魔なオーバースプレー(すなわち、自動車車体部品に到達しない噴霧された塗料の割合)を最小化するために静電塗料帯電システムを有する塗布装置として回転噴霧器が通常使用されている。塗布される塗料の静電帯電は、静電外部帯電によって実現され得る。この場合、電極(帯電リング)が、塗布された塗料の飛沫を静電的に帯電させる噴霧器の外側に取り付けられる。
【0003】
ここで、一方の内装塗装用の帯電リングと、他方の外装塗装用の帯電リングと、を区別する必要がある。
【0004】
自動車車体部品の外装塗装(すなわち、外面の塗装)の場合、噴霧器を帯電リングと一体的に動かすために十分な空間が利用可能であるため、帯電リングの外形寸法は、せいぜい副次的な重要性を持つに過ぎない。従って、外装塗装用の帯電リングは、通常、埋め込み電極を有する、いわゆるフィンガーを有し、このフィンガーは、噴霧器から突出しており、従って、比較的大きな空間を必要とする。
【0005】
一方、自動車車体部品の内部における内装塗装の場合、自動車車体部品の内部では噴霧器を帯電リングと一体的に動かすために利用可能な空間が比較的少ないため、帯電リングを有する噴霧器は、比較的小型な外形寸法を有する必要がある。従って、一般的な内装塗装用の帯電リングは、静電塗料帯電のための非常に短い電極を有する。
【0006】
従って、実際には、内装塗装用の塗装ロボットと、外装塗装用の塗装ロボットとが、塗装ブース内で組み合わされている。そして、内装塗装用の塗装ロボットは、適切に適合された内装塗装用の帯電リングを有する噴霧器を搭載しており、この内装塗装用の帯電リングは、小さな空間しか必要としない。一方、外壁塗装用の塗装ロボットは、対応して適合された外壁塗装用の帯電リングを有する噴霧器を使用し、この外装塗装用の帯電リングは、埋め込み電極を有する突出したフィンガーを有し、それに対応してより広い空間を必要とする。
【0007】
この技術的解決策の欠点は、車体部品の内装塗装と外装塗装とにそれぞれ最適化された、特別に適合された塗装ロボット及び噴霧器が常に必要になるという事実である。これには、比較的多額の費用がかかる。
【0008】
さらに、特許文献1に記載の塗装システムが知られており、この塗装システムでは、噴霧器が静電塗料帯電を行わずに動作する場合、帯電リングは必要とされないので、外装塗装用の帯電リングが堆積され得る。しかしながら、この技術的教示は、一方が室内塗装用に、他方が外装塗装用に、対応して適合された帯電リングが必要とされるという上記の問題を解決するものではない。この先行技術においても、一方が外装塗装用に、他方が内装塗装用に、対応して適合された回転噴霧器又は塗装ロボットが必要とされる。
【0009】
本発明の技術的背景に関しては、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5も参照されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1634651号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3320981号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102014017895号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0796665号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102019215079号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明は、塗装システムにおいて内装塗装と外装塗装との間で切り替えるのに必要な労力を軽減するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、本発明に係る運転方法、又は独立請求項に係る対応する塗装システムによって解決される。
【0013】
先行技術に従って、本発明に係る運転方法は、部品を塗料で塗装するための噴霧器を使用する。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、噴霧器は、先行技術からそれ自体知られている回転噴霧器であり、そのため、回転噴霧器の詳細な説明は、省略され得る。但し、本発明の範囲内で、回転噴霧器の代わりに他の種類の噴霧器を使用することも可能である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、自動車車体部品が塗装される。但し、本発明の範囲内で、塗装される部品は、必ずしも自動車車体部品である必要はない。むしろ、本発明の範囲内で、他の種類の部品も塗装され得る。
【0016】
第一に、本発明に係る運転方法は、公知の先行技術の塗装方法に従って、塗装される部品が、噴霧器によって塗装され、取り付け部品が、噴霧器に取り付けられることを提供する。この取り付け部品は、例えば、電極装置(帯電リング)であり得、この電極装置は、先行技術に関してすでに説明したように、塗布された塗料の静電外部帯電のために使用され、自動車車体部品の外面の塗装(すなわち、外装塗装)のために最適化されている。但し、取り付けられた取り付け部品が内装塗装用の電極装置であるという別の可能性もある。
【0017】
ここで、本発明に係る運転方法は、噴霧器に取り付けられた取り付け部品(例えば、外装塗装用の電極装置)が他の取り付け部品に交換されることを特徴とする。
【0018】
例えば、この他の取り付け部品は、外部静電帯電用の電極装置であり得、この外部静電帯電用の電極装置は、自動車車体部品の自動車車体内装の塗装に適し、自動車車体部品の自動車車体内装の塗装のために最適化されており、従って、内装塗装に使用される。
【0019】
但し、本発明は、一方が外装塗装のために最適化され、他方が内装塗装のために最適化された取り付け部品の交換に限定されるものではない。本発明の範囲内で、他方の取り付け部品が、噴霧器上の交換インターフェースを覆うことができる保護カバーであることもあり得る。噴霧器に取り付けられた取り付け部品(例えば、外装塗装用の電極アセンブリ)を取り外した後、次に、保護カバーが交換インターフェースに取り付けられ、それによって交換インターフェース又は噴霧器を保護する。
【0020】
さらに、本発明の範囲内で、他方の取り付け部品が、車両アセンブリを操作するために使用され得るハンドリングツールであることもあり得る。例えば、ハンドリングツールは、自動車車体部品のドア、フード、又はフラップを開閉する機能を果たし得る。従って、この場合、外部静電帯電用の電極装置又はハンドリングツールが、任意で、噴霧器に取り付けられ得る。ハンドリングツールが取り付けられた後、次に、塗装ロボットが、ハンドリングロボット(例えば、ドアオープナー、フードオープナー)としても機能し得る。
【0021】
但し、他方の取り付け部品は、別の種類の取り付け部品であってもよい。すなわち、他の取り付け部品に関して、本発明は、上記の例(内装/外装塗装用の電極装置、保護カバー、ハンドリングツール)に限定されるものではなく、原理的には、交換可能な他の種類の取り付け部品でも実施され得る。例えば、単なる一例を挙げると、保護カバーをハンドリングツールに交換することも可能である。
【0022】
但し、本発明の好ましい実施形態において、交換される取り付け部品は、一方が外装塗装用の電極装置であり、他方が内装塗装用の電極装置である。ここで、本発明は、任意で、外装塗装用の電極装置から内装塗装用の電極装置への変更、又はその逆の変更を許容することが言及されなければならない。
【0023】
本発明に係る運転方法の範囲内で、実際には、最初に、噴霧器に取り付けられた取り付け部品(例えば、外装塗装用の電極装置)が、噴霧器から取り外される。続いて、取り外された取り付け部品が、堆積装置内に堆積される。次に、他の取り付け部品(例えば、内装塗装用の電極装置)が、噴霧器に取り付けられる。例えば、外部帯電用の電極装置から、直接帯電用の電極装置又は帯電なしの電極装置に変更することが可能である。
【0024】
次いで、堆積装置内に堆積された、取り外された取り付け部品(例えば、外装塗装用の電極アセンブリ又は内装塗装用の電極アセンブリ)が、堆積装置内で洗浄され、取り付け部品から塗料残留物が除去され得る。例えば、この洗浄のために取り付け部品に洗浄液が吹きつけられ、払い落とされ、圧縮空気が吹き付けられて取り付け部品が洗浄され得る。
【0025】
本発明の一変形例では、取り外された取り付け部品が、保守員によって手動で洗浄される。この目的のために、取り付け部品は、堆積装置内に堆積され、その後、保守員によって洗浄される。堆積装置が、塗装ブースの外側、例えば保守セル内に配置されていると、取り外された取り付け部品を洗浄するために保守員が塗装ブースに入る必要がなく、有利である。
【0026】
但し、本発明の別の変形例では、取り外された取り付け部品の洗浄が、洗浄装置内で自動化される。この場合、洗浄プロセスのために保守員が塗装ブースにアクセスする必要がないため、洗浄装置は、塗装ブースの内側にも配置され得る。
【0027】
交換される取り付け部品は、それぞれ、取り付け部品を確実に、及び/又は、摩擦的に把持できるように把持輪郭(例えば、ハンドル)を有し得ることも言及されなければならない。これにより、堆積装置内、又は、洗浄装置内での取り外された取り付け部品の手動でのハンドリングが簡素化される。
【0028】
例えば、取り付け部品は、手動での洗浄又は交換のために、可搬式洗浄カバーを用いてトレイから取り外され得る。この洗浄カバーは、取り付け部品(例えば、帯電リング)をさらなる汚染及び機械的破壊から保護する。洗浄カバーは、帯電リングを収納するために、又は、(例えば、保守若しくは洗浄作業のために)塗装工場の他のエリアに搬送するためにも使用され得る。堆積テーブルは、任意で、ホルダーを具備しており、このホルダー内に洗浄カバーが収納され得る。好都合には、帯電リングが、手動洗浄が容易に、且つ、完全に行われ得るように、このホルダー内で回転され得る。
【0029】
さらに、取り付け部品の交換は、通常、取り付け部品の洗浄よりもはるかに短い時間しか要さないことが言及されなければならない。先行技術では、洗浄プロセスが、塗装プロセスの比較的長い中断を必要とするため、これは重要である。一方、本発明に係る運転方法では、取り付け部品が洗浄される場合、塗装プロセスを比較的短時間中断するだけで済む。この目的のためには、汚れた取り付け部品(例えば、外装塗装用の電極アセンブリ)を綺麗な取り付け部品(例えば、内装塗装用の電極アセンブリ)に交換するだけで済み、これは比較的迅速に行うことができる。その後、交換された綺麗な取り付け部品を用いて塗装プロセスが続行され得、取り外された取り付け部品は、塗装プロセス中に洗浄され得る。
【0030】
取り付け部品の交換は、手動により、ロボットにより、又は、外部装置によって、手動と自動との何れかで行われ得る。
【0031】
本発明の範囲内で、内装塗装と外装塗装との両方のために同一の噴霧器が使用され得ることも言及されなければならない。そして、内装塗装の場合、内装塗装に最適化された電極アセンブリが噴霧器に取り付けられる。一方、外装塗装の場合、外装塗装に最適化された電極アセンブリが噴霧器に取り付けられる。
【0032】
取り付け部品が噴霧器に着脱可能に取り付けられることは、上記の説明から既に明らかである。この目的のために、噴霧器における取り付け部品の取り付け又は取り外しを可能にするために結合機構が使用され得る。この結合機構は、例えば、ボールクランプ機構、磁気カップリング、真空吸着カップ、接着剤接続、又は旋回クランプブラケットを備え得る。
【0033】
ここで、結合機構は、任意で、噴霧器と取り付け部品との間の機械的接続を解除又は固定するための操作子を有し得、この操作子は、取り付け部品上の操作子に手動で作用することにより結合機構が解除され得るように取り付け部品上に配置され得る。
【0034】
取り外された取り付け部品(例えば、外装塗装用の電極装置)が堆積装置内に堆積され得ることは既に上述した。堆積装置は、好ましくは、様々な種類の取り付け部品のために複数の堆積場所を有する。例えば、堆積装置は、外装塗装用の電極アセンブリのための第1の堆積場所と、内装塗装用の電極アセンブリのための第2の堆積場所と、を有し得る。
【0035】
この場合、堆積場所の誤った配置を防止するために様々な堆積場所が互換できず、一の取り付け部品のみが第1の堆積場所に堆積され得るのに対し、他の取り付け部品のみが第2の堆積場所に堆積され得ると有利である。
【0036】
上述した堆積場所の非互換性は、機械的に、例えば、係止面、ガイド片、把持手段、及び/又は、クランプブラケットによって実現され得る。
【0037】
例えば、外装塗装用の電極アレイは、一般的に、噴霧器から突出した埋め込み電極を備える多数のフィンガーを有する。そして、これらのフィンガーは、堆積場所内の対応する凹部に挿入され得る。一方、内装塗装用の電極装置のための他の堆積場所では、そのような凹部が存在しないか、又は、凹部がバリヤ面によって閉鎖されており、それにより、堆積における非互換性が実現されている。
【0038】
但し、代替的に、堆積場所、及び/又は、様々な取り付け部品を互いに区別できるセンサによって非互換性を実現することも可能である。例えば、個々の取り付け部品は、それぞれ、無線周波数識別(RFID(radio frequency and identification))タグを備え得る。そして、堆積装置は、取り付け部品上のRFIDタグを読み取り、取り付け部品を正しい堆積場所に割り当てる、対応するRFIDリーダを有し得る。
【0039】
堆積装置では、堆積位置が、回転軸の周りで回転され得、それにより堆積位置が常に同一になるターンテーブル上に配置され得る。従って、堆積場所は、任意で、収納された取り付け部品を洗浄するための洗浄位置、又は、移載位置にあり、この移載位置において、ターンテーブル上への取り付け部品の堆積、又は、ターンテーブルからの取り付け部品の除去が行われる。従って、回転は、好ましくは、個々の堆積場所を、任意で、堆積装置の内側に、又は、少なくとも部分的に堆積装置の外側に位置させることを可能にする。
【0040】
ターンテーブルの代替として、2つの堆積場所を1つ以上の変位装置(例えば、変位テーブル)上に配置することが可能である。変位装置は、堆積場所を、堆積装置の内側にある(例えば、塗装ブースの内側にある)洗浄位置と、堆積装置の外側にある(例えば、塗装ブースの外側にある)移載位置と、の間でシフトさせ得る。洗浄の場合、従って、洗浄される電極アセンブリを有する堆積位置が、堆積装置内に移動される。一方、堆積又は除去の場合、洗浄される、又は、洗浄された電極装置を有する堆積場所が、堆積装置の外に移動される。
【0041】
本発明の好ましい実施形態では、変位装置が、各堆積場所が塗装ブースのブース壁に対して横方向に、すなわち水平方向にシフトされることを可能にする。従って、変位装置は、帯電リングを塗装ブースに出し入れするために使用され得、それによってこの変位が手動で、又は、自動的に実行され得る。
【0042】
本発明の一変形例では、汚れた帯電リング用に別個の堆積箇所が設けられ得る。さらに、洗浄された帯電リング用に別個の堆積箇所が設けられ得る。従って、塗装ロボット用に異なる帯電リングを設けることもでき、この異なる帯電リングは、例えば、内装塗装又は外装塗装に適合される。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、複数の変位装置が、互いに隣接して配置される。但し、代替的に、複数の変位装置が、上下に並んで配置されることも可能である。但し、好ましくは、複数の変位装置は、塗装ブースの同じブース壁に配置される。
【0044】
さらに、複数の積み重ねられた帯電リングを収容できる積み重ね蓄積装置が設けられ得る。そして、変位装置が、積み重ね蓄積装置から各帯電リングを供給され得る。
【0045】
本発明は、洗浄装置を変位装置に取り付ける可能性も提供する。
【0046】
本発明の好ましい実施形態では、2つの変位装置が設けられ、これらの変位装置それぞれが堆積場所を提供する。但し、本発明の範囲内で、より多数の変位装置が設けられることも可能である。これは、1台の塗装ロボット上の異なる種類の帯電リング(例えば、外装塗装用、又は、内装塗装用)を交換することも可能にする。
【0047】
本発明の利点は、取り付け部品(例えば、帯電リング)が堆積された後に塗装ブース内に残る必要がなく、そのため、汚れのリスクもないことである。
【0048】
堆積装置が、水平方向に並べられ得、取り付け部品が、堆積装置上に堆積されるか、又は、堆積装置によって垂直方向にピックアップされることも言及されなければならない。但し、代替的に、堆積装置が、水平方向に対して斜めにされ、取り付け部品が、堆積装置上に斜めに堆積されるか、又は、堆積装置によって斜めにピックアップされることも可能である。
【0049】
加えて、堆積装置は、堆積された取り付け部品を、特に水平旋回軸の周りで旋回させる旋回装置を有し得る。これは、堆積された取り付け部品を堆積装置内の特定の洗浄位置に旋回させるために有利であり得る。
【0050】
さらに、個々の堆積場所は、それぞれ、堆積される取り付け部品が、堆積中にそれぞれの堆積場所に自動的に芯出しされるように自己芯出し構成を有し得ることも言及されなければならない。
【0051】
加えて、堆積装置は、堆積される取り付け部品が正しく堆積されたか否かを示す視覚的表示器を有し得る。例えば、この視覚的表示器は、正しい載置を示すための第1の信号灯(例えば、緑色LED)と、誤った載置を示すための第2の信号灯(例えば、赤色LED)と、を有し得る。
【0052】
一般に、噴霧器は、好ましくは、塗装ブース内に配置された塗装ロボットによって案内され、この塗装ブース内で部品が塗装されることも言及されるべきである。この場合、塗装される部品は、コンベヤによって塗装ブースを通って搬送され得る。取り付け部品を手動で洗浄するために、手洗いステーションが塗装ブース内に設けられ得る。洗浄ステーションは、好ましくは、塗装領域ではなく洗浄領域に位置している。
【0053】
加えて、塗装ロボット、及び/又は、噴霧器を整備するために保守セルが設けられ得る。これらの保守セルは、例えば、塗装ブースの隅に配置され得る。個々の保守セルが、セル壁によって塗装ブースから隔てられることが可能であり、このセル壁は、例えば、ガラス、及び/又は、板金で構成され得る。保守セルは、任意で、保守セルの内部を換気するための自己の換気システムも有し得る。保守セルは、噴霧器又はロボットアームが保守セル内に挿入されることを可能にするための挿入開口部を有し得る。
【0054】
噴霧器の取り付け部品を堆積するための堆積装置は、保守セルの内側に配置され得る。代替的に、噴霧器の取り付け部品を堆積するための堆積装置が、塗装ブース内の保守セルの外側に配置されることが可能である。さらに、堆積装置の堆積場所の一方が、保守セルの内側に配置され、堆積装置の堆積場所の他方が、塗装ブースの内側にある保守セルの外側に配置されることも可能である。
【0055】
取り付け部品を洗浄するための洗浄装置は、塗装ブース内の保守セルの外側、特に保守セルのセル壁上に配置され得る。代替的に、取り付け部品を洗浄するための洗浄装置が、保守セルの内側、特に堆積装置の下に配置されることが可能である。従って、堆積装置と洗浄装置とが、上下に並んで配置され得る。
【0056】
取り付け部品を洗浄するための洗浄装置は、塗装ブース内の定位置に配置され得ることも言及されなければならない。但し、代替的に、取り付け部品を洗浄するための洗浄装置が、塗装ロボットに取り付けられ、塗装ブースの内部で塗装ロボットと一体的に動かされることも可能である。
【0057】
以上、本発明に係る運転方法を概括的に説明した。但し、本発明は、本発明に係る運転方法を実行するために適合され好適である、対応する塗装システムの保護も主張する。
【0058】
本発明に係る塗装システムは、第一に、既に上述したように、取り付け部品が取り付けられた噴霧器を備える。加えて、本発明に係る塗装システムは、噴霧器を動かす塗装ロボットを備える。
【0059】
本発明に係る塗装システムは、ここで、噴霧器に取り付けられた取り付け部品を他の取り付け部品に交換することを可能にする交換ステーションによって先行技術と区別される。例えば、他の取り付け部品は、本発明に係る運転方法に関して上述したように、内装塗装用の電極アセンブリ、保護カバー、又はハンドリングツールであり得る。
【0060】
本発明に係る塗装システムのさらなる装置構成については、本発明に係る運転方法を参照して既に上述したので、これらの装置構成の別途の新たな説明は省略され得る。
【0061】
本発明の他の有利なさらなる実施形態は、従属請求項において示されるか、又は、図面を参照して本発明の好ましい実施形態の説明と共に以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1A】
図1Aは、本発明に係る運転方法を説明するためのフロー図を示す。
【
図1B】
図1Bは、本発明に係る運転方法を説明するためのフロー図を示す。
【
図2A】
図2Aは、内装塗装用の帯電リングを堆積するための堆積リングの様々な図を示す。
【
図2B】
図2Bは、内装塗装用の帯電リングを堆積するための堆積リングの様々な図を示す。
【
図2C】
図2Cは、内装塗装用の帯電リングを堆積するための堆積リングの様々な図を示す。
【
図4】
図4は、外装塗装用の帯電リングを堆積させるための堆積リングの斜視図を示す。
【
図5】
図5は、外装塗装用の帯電リングを有する回転噴霧器の斜視図を示す。
【
図6】
図6は、
図5の回転噴霧器の斜視図を示し、但し、この回転噴霧器は、内装塗装用の帯電リングを有する。
【
図7A】
図7Aは、帯電リングを交換するための堆積装置の様々な図を示す。
【
図7B】
図7Bは、帯電リングを交換するための堆積装置の様々な図を示す。
【
図8A】
図8Aは、ターンテーブルを有する堆積装置の他の例の様々な図を示す。
【
図8B】
図8Bは、ターンテーブルを有する堆積装置の他の例の様々な図を示す。
【
図8C】
図8Cは、ターンテーブルを有する堆積装置の他の例の様々な図を示す。
【
図9A】
図9Aは、旋回堆積リングを有する堆積装置の他の可能な実施形態の様々な図を示す。
【
図9B】
図9Bは、旋回堆積リングを有する堆積装置の他の可能な実施形態の様々な図を示す。
【
図9C】
図9Cは、旋回堆積リングを有する堆積装置の他の可能な実施形態の様々な図を示す。
【
図11A】
図11Aは、帯電リングを把持するための保護ハンドルを有する外装塗装用の帯電リングの様々な図を示す。
【
図11B】
図11Bは、帯電リングを把持するための保護ハンドルを有する外装塗装用の帯電リングの様々な図を示す。
【
図11C】
図11Cは、帯電リングを把持するための保護ハンドルを有する外装塗装用の帯電リングの様々な図を示す。
【
図12】
図12は、移動式塗装ロボットと、交換及び洗浄ステーションと、を有する塗装システムの概略図を示す。
【
図13】
図13は、複数の塗装ロボットを有する塗装ブースの上面図を示す。
【
図14】
図14は、塗装ブースの内側に8台のロボットを有する実施形態における
図13の塗装ブースの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下では、本発明に係る運転方法を説明する役割を果たす、
図1A及び
図1Bに係るフロー図について説明する。
【0064】
最初のステップS1では、自動車車体の内装塗装が行われる。この目的のために、帯電リング(電極装置)を有する回転噴霧器が、静電塗装帯電のために使用され、この帯電リングは、内装塗装のために最適化されている。従って、帯電リングは、回転噴霧器の外輪郭からほとんど突出しない非常に短い電極しか有しておらず、内部塗装用の帯電リングを有する回転噴霧器は、比較的小さな空間しか必要としない。車体の内部では回転噴霧器が動く余地が比較的少ないため、これは重要である。
【0065】
次に、ステップS2で、内装塗装を終了するべきであり、外装塗装が計画されているか否かが継続的にチェックされる。そうでない場合、本発明に係る運転方法は、ステップS1で内装塗装を継続する。
【0066】
一方、外装塗装動作への切り替えがあった場合には、ステップS3で、内装塗装動作用の帯電リングが、堆積装置の第1の堆積場所に堆積される。これにより、内装塗装用の帯電リングが、回転噴霧器から分離され、堆積される。
【0067】
さらなるステップS4において、回転噴霧器は、次に、外装塗装用の帯電リングを堆積装置の第2の堆積場所からピックアップする。この帯電リングは、回転噴霧器から突出した埋め込み電極を有する、いわゆるフィンガーを有し、従って、比較的大きな空間を必要とする。但し、外装塗装中は回転噴霧器が動くための空間が十分にあるため、これは、外装塗装中には、ほとんど問題にならない。
【0068】
内装塗装用の帯電リングの堆積及び外装塗装用の帯電リングの収容、さらには堆積装置の構造設計については、後で詳しく説明する。
【0069】
次に、ステップS5で、外装塗装用の帯電リングを用いて外装塗装が開始し得る。
【0070】
一方、堆積された内装塗装用の帯電リングも、ステップS6で洗浄され得、洗浄プロセスの詳細についてもより詳細に説明する。これにより、ステップS6における内装塗装用の帯電リングの洗浄は、ステップS5における外装塗装の間に行われ得る。ステップS6における洗浄のために塗装プロセスを中断する必要がないため、これは有利である。むしろ、内装塗装用の帯電リングから外装塗装用の帯電リングに切り替えるために必要な比較的短い時間のみ塗装プロセスを中断するだけで済む。但し、この切り替え時間は、ステップS6において内装塗装帯電リングを洗浄するために必要な洗浄時間よりもはるかに短い。
【0071】
ステップS7で、次に、外装塗装が完了したか否か、及び、内装塗装に戻すタイミングであるか否かが再び継続してチェックされる。そうでない場合、本発明に係る運転方法は、ステップS5における外装塗装を継続する。
【0072】
そうでなければ、プロセスは、ステップS8に進み、ステップS8では、外装塗装用の帯電リングが、堆積装置の第2の堆積場所に堆積される。ここで、堆積装置は、2つの帯電リングそれぞれのための対応する堆積場所を有することに言及しなければならない。従って、第1の堆積場所は、内装塗装用の帯電リングを受け入れる役割を果たす一方、第2の堆積場所は、外装塗装用の帯電リングを受け入れる役割を果たす。詳細に説明するように、2つの堆積位置は、非互換である。
【0073】
次に、ステップS9において、回転噴霧器は、洗浄された内装塗装用の帯電リングを、堆積装置の第1の堆積場所からピックアップする。
【0074】
次のステップS10では、内装塗装用の帯電リングを用いて内装塗装が再び行われる。
【0075】
同時に、ステップS11において、堆積された外装塗装用の帯電リングが洗浄される。ここでも、利点は、ステップS11における洗浄プロセスが、塗装プロセスの中断を必要としないことである。むしろ、外装塗装用の帯電リングから内装塗装用の帯電リングに切り替えるために必要な比較的短い切り替え時間のみ塗装プロセスを中断するだけで済む。
【0076】
次のステップS12において、システムは、次に、外装塗装に切り替えるために内装塗装を終了するべきか否かを再び継続的にチェックする。
【0077】
堆積装置が、外装塗装用の帯電リングと内装塗装用の帯電リングとをそれぞれ堆積するための2つの堆積場所を有することは、概説的に上述した。
図2A~
図2Cは、堆積リング1の形をとった、そのような堆積場所の様々な図を示し、この堆積リング1は、穴を中心に有し、この穴に帯電リング2が挿入され得、帯電リング2は、静電外部帯電のために使用され、内装塗装のために最適化されている。従って、帯電リング2は、スタブ電極として設計され、帯電リング2からほんのわずかだけ突出する電極3を有する。自動車車体の内部における内装塗装の場合、帯電リング2を有する回転噴霧器が動く余地が比較的少なく、帯電リング2が非常に小型な外形寸法を有する必要があるため、これは内装塗装にとって重要である。
【0078】
内装塗装用の帯電リング2は、複数の旋回クランプブラケット4.1~4.3によって堆積リング1に係止され得る。
【0079】
内装塗装用の帯電リング2を堆積リング1に載置するために、帯電リング2が取り付けられた回転噴霧器が、堆積リング1に同軸に挿入される。次に、クランプブラケット4.1~4.3がロックされ、回転噴霧器と帯電リング2との間の接続が解除される。その後、回転噴霧器が、堆積リング1から除去され得、帯電リング2が堆積リング1内に残される。ここで、堆積リング1は、非互換性であることが言及されなければならない。これは、内装塗装用の帯電リング2のみが堆積リング1内に堆積され得る一方、外装塗装用の帯電リング5(
図4参照)は堆積リング1内に堆積され得ないことを意味する。この非互換性を実現するために、係止面6が使用され、この係止面6は、堆積リング1にしっかりと螺合され、外装塗装用の帯電リング5が挿入され堆積されることを防止する。
【0080】
図3A及び
図3Bは、内装塗装用の帯電リング2を堆積するための堆積リング1の変形例を示す。この変形例は、
図2A~
図2Cに係る設計例に概ね対応するため、重複を避けるために上記の説明を参照し、対応する細部のために同一の参照符号が使用される。
【0081】
ここで、唯一の相違点は、クランプブラケット4.1~4.3の設計である。
【0082】
図4は、堆積リング7の斜視図を示し、この堆積リング7は、外装塗装用の帯電リング5を堆積するために使用され、それに応じて適合されている。外装塗装用の帯電リング5は、埋め込み電極を備えた複数のフィンガー8を有し、このフィンガー8は、帯電リング5から突出しており、従って回転噴霧器からも突出していることに留意されたい。その結果、外装塗装用の帯電リング5は、突出しているフィンガー8のために比較的大きな空間を必要とするものの、これは外装塗装中にはほとんど邪魔にならない。
【0083】
外装塗装用の帯電リング5のための堆積リング7は、帯電リング5の個々のフィンガー8を受け入れるための凹部9を有し、帯電リング5の個々のフィンガー8は、帯電リング5が堆積されたときに、堆積リング7内の凹部9に挿入され得る。他方の堆積リング1内の凹部9は、係止面6によって部分的に塞がれており、外装塗装用の帯電リング5は、堆積リング1内に堆積され得ないことは、既に簡単に上述した。
【0084】
堆積リング7はまた、複数のクランプブラケット10.1~10.4を有し、このクランプブラケット10.1~10.4は、他の堆積リング1に関して既に上述したように、枢動可能であり、外部帯電用の帯電リング5が堆積リング7内に固定されることを可能にする。
【0085】
図5は、理解を容易にするために、回転噴霧器11に取り付けられた状態の外装塗装用の帯電リング5の斜視図を示し、この回転噴霧器11は、ロボットハンド軸12上に取り付けられており、塗布要素としてベルカップ13を有する。
【0086】
図6は、回転噴霧器11の斜視図を示し、この回転噴霧器11に内装塗装用の帯電リング2が取り付けられている。
【0087】
図5と
図6とを比較すると、外装塗装用の帯電リング5が、内装塗装用の帯電リング2よりもかなり多くの空間を必要とすることが明らかである。
【0088】
図7A及び
図7Bは、本発明に係る堆積装置14の概略図を示し、この堆積装置14は、内装塗装用の帯電リング2と外装塗装用の帯電リング5とをそれぞれ堆積するための2つの堆積リング1、7を有する。
【0089】
2つの堆積リング1、7は、それぞれ、水平方向に並んでおり、共通平面内に互いに隣り合って配置されている。
【0090】
堆積装置14は、開口部を有し、塗装ロボットは、帯電リング2又は帯電リング5を交換するために、この開口部を通って、帯電リング2又は帯電リング5が取り付けられた回転噴霧器11を挿入し得る。
【0091】
格納式カバー15が、2つの堆積リング1、7の上方に配置されている。
図7Aは、カバー15が格納された状態を示す一方、
図7Bは、カバー15が伸長された状態を示す。
図7Aに係る格納状態では、帯電リング2又は帯電リング5を交換することが可能である。しかし、カバー15が伸長された状態では、2つの堆積リング1、7にはアクセスできない。
【0092】
図8A~
図8Cは、堆積装置14の異なる実施形態を示し、この実施形態は、上述した、
図7A、
図7Bに示した実施形態に部分的に対応しており、重複を避けるために、上記の説明を参照し、対応する個々のアイテムのために同一の参照符号が使用される。
【0093】
この実施形態の特別な特徴は、2つの堆積リング1、7が、ターンテーブル16上に配置されており、このターンテーブル16は、垂直回転軸17の周りで回転可能であることである。ターンテーブル16を回転軸17の周りで回転させることにより、2つの堆積リング1、7のうちの一方が、堆積装置14内の洗浄位置に配置されるとともに、堆積リング1、7のうちの他方が、外側からアクセス可能であり、帯電リング2又は帯電リング5の堆積を可能にする移載位置に配置され得る。
【0094】
図9A~
図9Cは、堆積装置14のさらなる変形実施形態を示す。この実施形態もまた、上述した実施形態と部分的に一致しているので、重複を避けるために、上記の説明を参照し、対応する細部のために同一の参照符号が使用される。
【0095】
この実施形態の特別な特徴は、2つの堆積リング1、7が、堆積装置14内で斜めに配置され、旋回軸18又は旋回軸19の周りでそれぞれ旋回され得ることである。
図9Cは、どのように外装塗装用の帯電リング5のための堆積リング7が洗浄装置20に枢着され、それにより洗浄装置20が帯電リング5を洗浄するかを示している。
【0096】
従って、
図9Cは、堆積リング7の洗浄位置を示す一方、
図9A及び
図9Bは、2つの堆積リング1、7の移載位置を示し、この移載位置では、帯電リング2及び帯電リング5をそれぞれ交換することができる。
【0097】
図10A~
図10Cは、堆積装置14のさらに他の実施形態を示し、この実施形態も、上述した実施形態と部分的に同一であるため、重複を避けるために、上記の説明を参照し、対応する細部のために同一の参照符号が使用される。
【0098】
この実施形態の特別な特徴は、堆積リング7が、堆積リング7の平面内にある旋回軸の周りで旋回可能であることである。
【0099】
図11A~
図11Cは、把持ハンドル22と円筒部23とを有する保護ハンドル21の様々な図を示す。
図11A及び
図11Cから見てとれるように、円筒部23は、帯電リング5の中央穴に挿入され、帯電リング5に接続され得る。続いて、帯電リング2が、把持ハンドル22を用いて把持され得る。
【0100】
図12は、2つのロボットアーム25、26とロボットハンド軸27とを有する塗装ロボット24の概略図を示し、静電塗料帯電用の帯電リングを有する回転噴霧器28が、このロボットハンド軸27上に取り付けられている。塗装ロボット24は、横行レール29上で両矢印の方向に移動され得、洗浄装置30が、塗装ロボット24に取り付けられ、塗装ロボット24に恒久的に接続されており、横行レール29に沿って塗装ロボット24と一体的に移動する。洗浄装置30は、回転噴霧器28を洗浄する役割を果たし、回転噴霧器28は、この目的のために洗浄装置30に挿入され得る。
【0101】
さらに、帯電リング32を自動的に交換し、帯電リング32を洗浄するためのステーション31が設けられている。
【0102】
さらに、記号で示すように、帯電リング32を手動で交換及び洗浄するための他のステーション33が設けられている。
【0103】
図13は、塗装ブース34の上面図を示し、ここでは、自動車車体35が、塗装ブース34を通って両矢印の方向にコンベヤ36上で搬送され得る。塗装ブース34内では、コンベヤ経路の両側に、2つの横行レール37、38があり、複数の塗装ロボット39~42が、この横行レール37、38上で移動され得る。
【0104】
塗装ブース32の隅には、上述したように、帯電リングを交換し、帯電リングを洗浄するための複数の保守セル43~46がある。
【0105】
図14及び
図15は、塗装ブース1の内部に合計8台の塗装ロボット(
図14)又は4台の塗装ロボット(
図15)を有する異なる実施形態を示す。
図14に係る8台の塗装ロボットの配置では、これらが、上下に並んだ2つの段に配置されている。
【0106】
図16は、
図8A~
図8Cの変形例を示すため、重複を避けるために、
図8A~
図8Cの説明を参照し、対応する個々のアイテムのために同一の参照符号が使用される。
【0107】
この実施形態の特別な特徴は、ターンテーブル16の代わりに2つの変位装置47、48が設けられていることである。
【0108】
変位装置47は、堆積リング1を両矢印の方向にシフトさせることによって、内装塗装用の帯電リング2のための堆積リング1を、堆積装置14の内側(すなわち、塗装ブース内)と堆積装置14の外側(すなわち、塗装ブースの外側)との何れかに位置させることを可能にする。この図は、堆積装置14の外側にある堆積リング1を示す。
【0109】
一方、変位装置48は、堆積リング7を両矢印の方向にシフトさせることによって、外装塗装用の帯電リング5のための他の堆積リング7を、堆積装置14の内側(すなわち、塗装ブース内)と堆積装置14の外側(すなわち、塗装ブースの外側)との何れかに位置させることを可能にする。この図は、堆積装置14の内側にある堆積リング7を示す。
【0110】
本発明は、上述の好ましい実施形態に限定されるものではない。むしろ、本発明概念を利用し、従って保護の範囲内に含まれる多数の変形及び変更が可能である。特に、本発明はまた、それぞれの場合に参照される請求項とは独立して、特に主請求項の構成を伴わずに、従属請求項の主題及び構成についての保護を主張する。従って、本発明は、互いに独立して保護を享受する本発明の異なる態様を備える。
【0111】
(付記)
(付記1)
部品(35)、特に自動車車体部品(35)を塗料で塗装する噴霧器(11、28)の運転方法であって、
a)取り付け部品(5)、特に塗布された塗料の静電外部帯電のために前記自動車車体部品(35)の外面を塗装するのに適した電極装置(5)が取り付けられた噴霧器(11、28)を用いて塗装するステップを含み、
b)前記噴霧器(11、28)上の前記取り付け部品(5)を他の取り付け部品(2)に、特に、
b1)静電外部帯電のために前記自動車車体部品(35)の本体内部を塗装するのに適した電極装置(2)、又は、
b2)前記噴霧器(11、28)上の交換インターフェース用の保護カバー(21)、又は、
b3)自動車部品、特に前記自動車車体部品(35)のドア、フード、若しくはフラップを特に作動させるためのハンドリングツール
に交換するステップを特徴とする、
運転方法。
【0112】
(付記2)
a)前記噴霧器(11、28)に取り付けられた前記取り付け部品(5)を前記噴霧器(11、28)から取り外すステップと、
b)前記噴霧器(11、28)から取り外された前記取り付け部品(5)を堆積装置(14)内に堆積するステップと、
c)他の取り付け部品(2)を前記噴霧器(11、28)に取り付けるステップと、
を含む前記取り付け部品(2、5)を交換するためのステップを含むことを特徴とする、
付記1に記載の運転方法。
【0113】
(付記3)
前記噴霧器(11、28)から取り外された前記取り付け部品(5)を前記堆積装置(14)内に堆積した後、取り外された前記取り付け部品(5)を洗浄し、前記取り付け部品(5)から塗料残留物を除去するステップを含むことを特徴とする、
付記2に記載の運転方法。
【0114】
(付記4)
a)取り外された前記取り付け部品(5)の洗浄は保守員によって手動で行われること、又は、
b)取り外された前記取り付け部品(5)の洗浄は洗浄装置(31)内で自動化されていること
を特徴とする、
付記3に記載の運転方法。
【0115】
(付記5)
a)前記取り付け部品(2、5)のそれぞれは、前記取り付け部品(2、5)を形状嵌合方式、並びに/若しくは、摩擦嵌合方式で把持できるように把持輪郭(22)を有すること、及び/又は、
b)前記取り付け部品(2、5)の交換に必要な時間は、前記取り付け部品(2、5) の洗浄に必要な時間よりも大幅に短いこと
を特徴とする、
付記1から4の何れか一つに記載の運転方法。
【0116】
(付記6)
a)取り付け部品(2、5)の交換は手動で行われること、又は、
b)取り付け部品(2、5)の交換はロボットに補助されて行われること、又は、
c)取り付け部品(2、5)の交換は、手動で、若しくは、外部装置によって自動的に行われること
を特徴とする、
付記1から5の何れか一つに記載の運転方法。
【0117】
(付記7)
前記噴霧器(11、28)から取り外された前記取り付け部品(2)が洗浄される間、前記取り付け部品(5)が取り付けられた前記噴霧器(11、28)が前記部品(35)を塗装することを特徴とする、
付記1から6の何れか一つに記載の運転方法。
【0118】
(付記8)
a)内装塗装と外装塗装との両方のために同一の噴霧器(11、28)が使用されること、及び、
b)内装塗装の場合、内装塗装用の前記電極装置(2)が前記噴霧器(11、28)に取り付けられること、及び、
c)外装塗装の場合、外装塗装用の前記電極装置(5)が前記噴霧器(11、28)に取り付けられること、及び、
d)任意で、内装塗装及び外装塗装用の統一電極装置が前記噴霧器(11、28)に取り付けられること
を特徴とする、
付記1から7の何れか一つに記載の運転方法。
【0119】
(付記9)
a)前記噴霧器(11、28)は、前記噴霧器(11、28)における前記取り付け部品(2、5)の取り外し可能な取り付け又は取り外しのための結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)を有すること、
b)前記結合機構は、任意で、
b1)ボールクランプ機構、
b2)磁気カップリング、
b3)真空カップ、
b4)接着剤接続、又は、
b5)少なくとも1つのクランプブラケット(4.1~4.3、10.1~10.4)
を備えること、
c)前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)は、任意で、前記噴霧器(11、28)と前記取り付け部品(2、5)との間の接続を解除するための操作子を備え、前記操作子は、前記取り付け部品(2、5)上に配置され、前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)は、前記取り付け部品(2、5)上の前記操作子に作用することによって解除され得ること
を特徴とする、
付記1から8の何れか一つに記載の運転方法。
【0120】
(付記10)
a)前記堆積装置(14)は、一の取り付け部品(2)を堆積するための第1の堆積場所(1)を有すること、
b)前記堆積装置(14)は、他の取り付け部品(5)を堆積するための第2の堆積場所(7)を有すること、
c)前記2つの堆積場所(1、7)は、任意で、前記堆積場所(1、7)が誤って使用されることを防止するために非互換であり、前記一の取り付け部品(2)のみが前記第1の堆積場所(1)に堆積され得るのに対し、前記他の取り付け部品(5)のみが前記第2の堆積場所(7)に堆積され得ること、
d)任意で、内装塗装と外装塗装とのために統一取り付け部品が使用され、両方の堆積場所が同一の設備を有し、前記統一取り付け部品が任意で両方の堆積場所に堆積され得ること
を特徴とする、
付記1から9の何れか一つに記載の運転方法。
【0121】
(付記11)
a)前記堆積場所(1、7)の非互換性は、機械的に、特に係止面(6)、ガイド片、把持手段、並びに/若しくは、クランプブラケットによって実現されること、及び/又は、
b)前記非互換性は、前記堆積場所、並びに/若しくは、前記取り付け部品(2、5)を区別できるセンサによって、特にRFIDタグ並びに対応するRFIDリーダであって、一方が前記取り付け部品(2、5)上に配置され、他方が前記堆積場所(1、7)に配置されるRFIDタグ並びにRFIDリーダによって実現されること
を特徴とする、
付記10に記載の運転方法。
【0122】
(付記12)
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、ターンテーブル(12)上に配置されていること、
b)前記ターンテーブル(16)は、回転軸(17)の周りで、特に垂直回転軸(17)の周りで回転され得、前記堆積場所(1、7)が、任意で、堆積された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄位置に、又は、前記ターンテーブル(16)上への取り付け部品(2、5)の堆積、若しくは、前記ターンテーブル(16)からの取り付け部品(2、5)の除去が行われる移載位置に配置されること
を特徴とする、
付記10又は11に記載の運転方法。
【0123】
(付記13)
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、変位装置(47、48)上に配置されていること、
b)前記変位装置(47、48)は、前記堆積場所(1、7)を、
b1)前記堆積装置(14)の内側、特に前記塗装ブース(34)の内側にある、堆積された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄位置と、
b2)前記堆積装置(14)の外側、特に前記塗装ブース(34)の外側にある、前記変位装置(47、48)上に取り付け部品(2、5)を堆積するか、又は、前記変位装置(47、48)から取り付け部品(2、5)を除去するための移載位置と、
の間で変位させ得ること
を特徴とする、
付記10又は11に記載の運転方法。
【0124】
(付記14)
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、水平方向に並んでおり、前記取り付け部品(2、5)は、前記堆積装置(14)上に堆積されるか、若しくは、前記堆積装置(14)によって垂直方向にピックアップされること、又は、
b)前記2つの堆積場所(1、7)は、水平方向に対して傾斜して並んでおり、前記取り付け部品(2、5)は、前記堆積装置(14)上に斜めに堆積されるか、若しくは、前記堆積装置(14)によって斜めにピックアップされること
を特徴とする、
付記1から13の何れか一つに記載の運転方法。
【0125】
(付記15)
前記堆積装置(14)は、堆積された前記取り付け部品(2、5)を、特に水平旋回軸(18、19)の周りで旋回させるための旋回装置を有することを特徴とする、
付記1から14の何れか一つに記載の運転方法。
【0126】
(付記16)
前記第1の堆積場所(1)、及び/又は、前記第2の堆積場所(7)は、堆積中に堆積される前記取り付け部品(2、5)を自動的に芯出しするための自己芯出し装置を有することを特徴とする、
付記9から15の何れか一つに記載の運転方法。
【0127】
(付記17)
a)前記堆積装置(14)は、堆積される前記取り付け部品(2、5)が正しく堆積されているか否かを示す視覚表示装置を有すること、
b)前記表示装置は、任意で、正しい堆積を報知するための第1の信号灯と、誤った堆積を報知するための第2の信号灯と、を有すること
を特徴とする、
付記1から16の何れか一つに記載の運転方法。
【0128】
(付記18)
a)前記噴霧器(11、28)は、塗装ロボット(24、39~42)によって案内されること、
b)前記塗装ロボット(24、39~42)は、塗装ブース(34)であって、前記塗装ブース(34)内で前記部品(35)が塗装される塗装ブース(34)内に配置されていること、
c)塗装される前記部品(35)は、任意で、コンベヤ(36)によって前記塗装ブース(34)を通って搬送されること、
d)前記噴霧器(11、28)の取り付け部品(2、5)を手動で洗浄するために、特に内装塗装用及び外装塗装用の統一帯電リングを洗浄するために手洗いステーションが前記塗装ブース(34)内に任意で設けられていること
を特徴とする、
付記1から17の何れか一つに記載の運転方法。
【0129】
(付記19)
a)少なくとも1つの保守セル(43~46)が、前記塗装ロボット(24、39~42)、及び/又は、前記噴霧器(11、28)を保守するために設けられていること、
b)何れの場合にも、保守セル(43~46)が、任意で、前記塗装ブース(34)の1つ以上の隅に配置されること、
c)前記保守セル(43~46)は、特にガラス、及び/又は、板金でできたセル壁によって前記塗装ブース(34)から隔てられていること、
d)前記保守セル(43~46)は、任意で、前記保守セル(43~46)の内部を換気するための換気システムを有すること、
e)前記保守セル(43~46)は、前記噴霧器(11、28)、及び/又は、ロボットアームを前記保守セル(43~46)に挿入できるようにするために挿入開口部を有すること、
f)前記保守セルは、任意で、開口部であって、取り付けられた洗浄装置が、前記洗浄装置に対する保守作業を行うために、前記開口部を通って全体的に、又は、部分的に前記保守セル内に移動され得る開口部を有すること
を特徴とする、
付記18に記載の運転方法。
【0130】
(付記20)
a)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を堆積するための前記堆積装置(14)が、前記保守セル(43~46)の内部に配置されていること、又は、
b)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を堆積するための前記堆積装置(14)が、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に配置されていること、又は、
c)前記堆積装置(14)の前記堆積場所(1、7)の一方は、前記保守セル(43~46)の内部に配置されているのに対し、前記堆積装置(14)の他方の堆積場所は、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に配置されていること
を特徴とする、
付記19に記載の運転方法。
【0131】
(付記21)
a)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に、特に前記保守セル(43~46)の前記セル壁上に配置されていること、又は、
b)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記保守セル(43~46)の内部に、特に前記堆積装置(14)の下に配置されていること
を特徴とする、
付記1から20の何れか一つに記載の運転方法。
【0132】
(付記22)
a)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ブース(34)内に固定的に配置されていること、又は、
b)前記塗装ロボット(24、39~42)は、前記塗装ブース(34)の内部で動かされ得、前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ロボット(24、39~42)に取り付けられており、前記塗装ロボット(24、39~42)と一体的に動かされ得ること
を特徴とする、
付記1から21の何れか一つに記載の運転方法。
【0133】
(付記23)
部品(35)を塗料で塗装するための、特に自動車車体部品(35)を塗装するための塗装システムであって、
a)噴霧器(11、28)であって、取り付け部品(5)、特に塗布された塗料の静電外部帯電のために前記自動車車体部品(35)の外面を塗装するのに適した電極装置(5)が前記噴霧器(11、28)に取り付けられており、前記取り付け部品(5)は、前記噴霧器(11、28)に着脱可能に取り付けられている、噴霧器(11、28)と、
b)前記噴霧器(11、28)を動かす塗装ロボット(24、39~42)と、
を備え、
c)前記噴霧器(11、28)上の前記取り付け部品(5)を他の取り付け部品(2)に、特に、
c1)静電外部帯電のために前記自動車車体部品(35)の本体内部を塗装するのに適した電極装置(2)、又は、
c2)前記噴霧器(11、28)上の交換インターフェース用の保護カバー(21)、又は、
c3)車両アセンブリ、特に前記自動車車体部品(35)のドア、フード、若しくはフラップを特に作動させるためのハンドリングツール
に交換するための交換ステーション(31、32)を特徴とする、
塗装システム。
【0134】
(付記24)
前記交換ステーション(31、32)は、取り外された前記取り付け部品を収納するために堆積装置(14)を有することを特徴とする、
付記23に記載の塗装システム。
【0135】
(付記25)
取り外された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄装置(31、32)を特徴とする、
付記23又は24に記載の塗装システム。
【0136】
(付記26)
a)前記噴霧器(11、28)は、前記噴霧器(11、28)における前記取り付け部品(2、5)の着脱可能な取り付け又は取り外しのための結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)を備えること、
b)前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)は、任意で、
b1)ボールクランプ機構、
b2)磁気カップリング、
b3)真空吸着カップ、
b4)接着剤接続、又は、
b5)少なくとも1つのテンションブラケット(4.1~4.3、10.1~10.4)
を備えること、
c)前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)は、任意で、前記噴霧器(11、28)と前記取り付け部品(2、5)との間の接続を解除するために制御要素を備え、前記制御要素は、前記取り付け部品(2、5)上にあり、前記取り付け部品(2、5)上の前記制御要素に作用することによって前記結合機構(4.1~4.3、10.1~10.4)が解除され得るように配置されていること
を特徴とする、
付記23から25の何れか一つに記載の塗装システム。
【0137】
(付記27)
a)前記堆積装置(14)は、一の取り付け部品(2)を堆積するための第1の堆積場所(1)を有すること、
b)前記堆積装置(14)は、他の取り付け部品(5)を堆積するための第2の堆積場所(7)を有すること、
c)前記2つの堆積場所(1、7)は、前記堆積場所(1、7)の誤った載置を防止するために非互換であり、前記一の取り付け部品(2)のみが前記第1の堆積場所(1)に堆積され得るのに対し、前記他の取り付け部品(5)のみが前記第2の堆積場所(7)に堆積され得ること、
d)内装塗装と外装塗装とのために統一取り付け部品が使用され、両方の堆積場所が同一の設備を有し、前記統一取り付け部品が両方の棚に収納され得ること
を特徴とする、
付記23から26の何れか一つに記載の塗装システム。
【0138】
(付記28)
a)前記堆積場所(1、7)の非互換性は、機械的に、特に係止面(6)、ガイド片、把持手段、並びに/若しくは、クランプブラケットにより保証されていること、及び/又は、
b)前記非互換性は、前記堆積場所、並びに/若しくは、前記取り付け部品(2、5)を区別できるセンサによって、特にRFIDタグ並びに対応するRFIDリーダであって、一方が前記取り付け部品(2、5)上に配置され、他方が前記堆積場所に配置されるRFIDタグ並びにRFIDリーダによって実現されること
を特徴とする、
付記27に記載の塗装システム。
【0139】
(付記29)
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、ターンテーブル(16)上に配置されていること、
b)前記ターンテーブル(16)は、回転軸(17)の周りで、特に垂直回転軸(17)の周りで回転され得、前記堆積場所(1、7)が、収納された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄位置と、移載位置であって、前記移載位置において、取り付け部品(2、5)が、前記ターンテーブル(16)上に載置されるか、又は、取り付け部品(2、5)が前記ターンテーブル(16)から除去される移載位置と、の何れかにあること
を特徴とする、
付記27又は28に記載の塗装システム。
【0140】
(付記30)
a)前記2つの堆積場所(1、7)は、変位装置(47、48)上に配置されていること、
b)前記変位装置(47、48)は、前記堆積場所(1、7)を、
b1)前記堆積装置(14)の内部、特に前記塗装ブース(34)の内部にある、堆積された前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄位置と、
b2)前記堆積装置(14)の外側、特に前記塗装ブース(34)の外側にある、前記変位装置(47、48)上に取り付け部品(2、5)を堆積するか、又は、前記変位装置(47、48)から取り付け部品(2、5)を除去するための移載位置と、
の間で移動させ得ること
を特徴とする、
付記27又は28に記載の塗装システム。
【0141】
(付記31)
a)前記堆積場所(1、7)は、水平方向に並んでおり、前記取り付け部品(2、5)は、前記堆積装置(14)上に垂直方向に堆積されるか、若しくは、前記堆積装置(14)によってピックアップされること、又は、
b)前記堆積場所(1、7)は、水平方向に対して斜めに並んでおり、前記取り付け部品(2、5)は、前記堆積装置(14)上に斜めに載置されるか、若しくは、前記堆積装置(14)によって斜めにピックアップされること
を特徴とする、
付記23から30の何れか一つに記載の塗装システム。
【0142】
(付記32)
a)前記堆積装置(14)は、収納された前記取り付け部品を、特に水平旋回軸(18、19)の周りで旋回させるために旋回装置を有すること、
b)任意で、棚を有する2つ以上の旋回装置又は変位装置が設置され得、前記塗装ロボットが前記旋回装置又は変位装置を有し得ること
を特徴とする、
付記23から31の何れか一つに記載の塗装システム。
【0143】
(付記33)
前記第1の堆積場所(1)、及び/又は、前記第2の堆積場所(7)は、堆積の際に載置される前記取り付け部品(2、5)の自動的な芯出しのための自己芯出しを有することを特徴とする、
付記23から32までの何れか一つに記載の塗装システム。
【0144】
(付記34)
a)前記堆積装置(14)は、収納される前記取り付け部品が正しく載置されているか否かを示す視覚表示装置を有すること、
b)前記表示装置は、任意で、正しい堆積を報知するための第1の信号灯と、誤った堆積を報知するための第2の信号灯と、を有すること
を特徴とする、
付記23から33の何れか一つに記載の塗装システム。
【0145】
(付記35)
a)前記塗装ロボット(24、39~42)は、塗装ブース(34)であって、前記塗装ブース(34)内で前記部品(35)が塗装される塗装ブース(34)内に配置されていること、
b)塗装される前記部品(35)は、任意で、コンベヤによって前記塗装ブース(34)を通って搬送されること、
c)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を手動で洗浄するための手洗いステーションが前記塗装ブース(34)内に任意で設けられていること
を特徴とする、
付記23から34の何れか一つに記載の塗装システム。
【0146】
(付記36)
a)少なくとも1つの保守セル(43~46)が、前記塗装ロボット(24、39~42)、及び/又は、前記噴霧器(11、28)を整備するために設けられていること、
b)保守セル(43~46)が、任意で、前記塗装ブース(34)の隅に配置されていること、
c)前記保守セル(43~46)は、特にガラス、及び/又は、板金でできたセル壁によって前記塗装ブース(34)から隔てられていること、
d)前記保守セル(43~46)は、任意で、前記保守セル(43~46)の内部を換気するために換気装置を有すること、
e)前記保守セル(43~46)は、前記噴霧器(11、28)、及び/又は、ロボットアームを前記保守セル(43~46)に挿入できるようにするために挿入開口部を有すること
を特徴とする、
付記35に記載の塗装システム。
【0147】
(付記37)
a)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を堆積するための前記堆積装置(14)が、前記保守セル(43~46)の内部に配置されていること、又は、
b)前記噴霧器(11、28)の前記取り付け部品(2、5)を堆積するための前記堆積装置(14)が、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に配置されていること、又は、
c)前記堆積装置(14)の前記堆積場所の一方は、前記保守セル(43~46)の内部に配置されているのに対し、前記堆積装置(14)の他方の堆積場所は、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に配置されていること
を特徴とする、
付記36に記載の塗装システム。
【0148】
(付記38)
a)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ブース(34)内の前記保守セル(43~46)の外側に、特に前記保守セル(43~46)の前記セル壁上に配置されていること、又は、
b)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記保守セル(43~46)の内部に、特に前記堆積装置(14)の下に配置されていること
を特徴とする、
付記23から37の何れか一つに記載の塗装システム。
【0149】
(付記39)
a)前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための前記洗浄装置(31)は、前記塗装ブース(34)内に固定的に配置されていること、又は、
b)前記塗装ロボット(24、39~42)は、前記塗装ブース(34)の内部で動かされ得、前記取り付け部品(2、5)を洗浄するための洗浄装置(30)は、前記塗装ロボット(24、39~42)に取り付けられており、前記塗装ロボット(24、39~42)と一体的に動かされ得ること、又は、
c)前記洗浄装置(31)は、前記堆積装置(14)に組み込まれており、堆積された前記取り付け部品(2、5)は、取り付け部品(2、5)が載置されているときに洗浄され得ること、
d)前記保守セルは、任意で、開口部であって、取り付けられた洗浄装置が、前記洗浄装置に対する保守作業を行うために、前記開口部を通って完全に、又は、部分的に前記保守セル内に移動され得る開口部を有すること
を特徴とする、
付記23から38の何れか一つに記載の塗装システム。
【符号の説明】
【0150】
1 内装塗装用の帯電リングのための堆積リング
2 内装塗装用の帯電リング
3 内装塗装用の帯電リングの電極
4.1~4.3 帯電リングを堆積場所に固定するためのクランプブラケット
5 外装塗装用の帯電リング
6 内装塗装用の帯電リングのための堆積リング内の係止面
7 外装塗装用の帯電リングのための堆積リング
8 埋め込み電極を有する外装塗装用の帯電リングのフィンガー
9 外装塗装用の帯電リングのフィンガーのための堆積リング内の凹部
10.1~10.4 外装塗装用の帯電リングを堆積場所に固定するためのクランプブラケット
11 回転噴霧器
12 ロボットハンド軸
13 ベルカップ
14 堆積装置
15 格納式カバー
16 ターンテーブル
17 ターンテーブルの回転軸
18、19 堆積リングの旋回軸
20 洗浄装置
21 帯電リングを把持するための保護ハンドル
22 保護ハンドルの把持ハンドル
23 保護ハンドルのシリンダー部
24 塗装ロボット
25、26 ロボットアーム
27 ロボットハンド軸
28 回転噴霧器
29 塗装ロボットを移動させるための横行レール
30 帯電リングを洗浄するための洗浄装置
31 帯電リングの自動交換及び自動洗浄用のステーション
32 帯電リング
33 帯電リングの手動交換及び自動洗浄用のステーション
34 塗装ブース
35 自動車車体
36 塗装ブースを通って車体を搬送するためのコンベヤ
37、38 塗装ロボットを移動させるための横行レール
39~42 塗装ロボット
43~46 帯電リングを洗浄、及び/又は、交換するための保守セル
47、48 変位装置
【国際調査報告】