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特表2024-531384エネルギー方向転換要素を有する調整可能なシャントシステム並びに関連する方法及びデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】エネルギー方向転換要素を有する調整可能なシャントシステム並びに関連する方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61F9/007 160
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510309
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 US2021047013
(87)【国際公開番号】W WO2023022737
(87)【国際公開日】2023-02-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512052029
【氏名又は名称】シファメド・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ソール, トム
(57)【要約】
本技術は、概して、流体を第1の身体領域から第2の身体領域に排出するための調整可能なシャントシステムを対象とする。調整可能なシャントシステムは、システムを通る流体の流れを制御するための1つ以上のアクチュエータを有する作動アセンブリを含む。アクチュエータの各々は、エネルギーを介して作動させることができる。調整可能なシャントシステムは、1つ以上のエネルギー方向転換要素を更に含むことができる。エネルギー方向転換要素の各々は、受け取ったエネルギーを対応するアクチュエータに方向転換するか又は伝送することができる。そのため、アクチュエータの各々は、エネルギーを対応する方向転換要素に印加することによって独立して作動させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャントシステムとともに使用するための作動アセンブリであって、前記作動アセンブリは、
作動要素を含むアクチュエータと、
第1の端部部分と、前記第1の端部部分から離間した第2の端部部分とを有するエネルギー方向転換要素であって、前記第1の端部部分で受け取ったエネルギーを前記第2の端部部分に向けて伝送するように構成されている、エネルギー方向転換要素と、を備え、
前記エネルギー方向転換要素の前記第2の端部部分は、前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分で受け取ったエネルギーが前記作動要素に伝送されるように、前記作動要素と少なくとも部分的に位置合わせされている、作動アセンブリ。
【請求項2】
前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分は、前記作動要素から離間している、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項3】
前記エネルギー方向転換要素は、1つ以上の伝送構成要素を含み、前記1つ以上の伝送構成要素は、前記第1の端部部分において受け取ったエネルギーを前記第2の端部部分に向けて伝送するように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項4】
前記1つ以上の伝送構成要素は、(i)プリズム、(ii)ミラー、及び/又は(iii)反射表面のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の作動アセンブリ。
【請求項5】
前記エネルギー方向転換要素は、光ファイバを含み、前記光ファイバは、伝送構成要素と、前記伝送構成要素を少なくとも部分的に取り囲む外部構成要素と、を含む、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項6】
前記伝送構成要素は、少なくとも1.34の屈折率を有する、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項7】
前記伝送構成要素は、少なくとも1.6の屈折率を有する、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項8】
前記伝送構成要素は、光学エポキシ及び/又はポリジメチルシロキサンから形成されている、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項9】
前記外部構成要素は、ガラス又はシリコーンエラストマから形成されている、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項10】
前記外部構成要素は、前記伝送構成要素の第1の屈折率未満の第2の屈折率を有する、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項11】
前記第2の屈折率は、最大1.6である、請求項10に記載の作動アセンブリ。
【請求項12】
前記第2の屈折率は、最大1.34である、請求項10に記載の作動アセンブリ。
【請求項13】
前記伝送構成要素は、前記エネルギー方向転換要素の内部内に位置決めされている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項14】
前記エネルギー方向転換要素は、レーザエネルギーを伝送するように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項15】
前記エネルギー方向転換要素は、円形、楕円形、湾曲形、弓形、曲線状、三角形、正方形、長方形、平行四辺形、蛇行形、ジグザグ状、直線、五角形、又は六角形の形状を有する、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項16】
前記エネルギー方向転換要素は、前記第1の端部部分と前記第2の端部部分との間の少なくとも5μmの距離で前記エネルギーを伝送するように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項17】
前記作動要素は、第1の身体領域に位置決めされるように構成され、前記エネルギー方向転換要素は、前記第1の身体領域とは異なる第2の身体領域に位置決めされるように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項18】
前記エネルギー方向転換要素は、エネルギーが0度~70度の間の入射角で前記第1の端部部分に印加されるときに、エネルギーを前記第2の端部部分に伝送するように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項19】
前記作動要素は、第1の作動要素であり、前記エネルギー方向転換要素は、第1のエネルギー方向転換要素であり、前記作動アセンブリは、
第2の作動要素と、
第3の端部部分及び第4の端部部分を有する第2のエネルギー方向転換要素であって、前記第2のエネルギー方向転換要素は、前記第3の端部部分で受け取ったエネルギーを前記第4の端部部分に向けて伝送するように構成されている、第2のエネルギー方向転換要素と、を更に備え、
前記エネルギー方向転換要素の前記第4の端部部分は、前記第2のエネルギー方向転換要素の前記第3の端部部分で受け取ったエネルギーが前記第2の作動要素に伝送されるように、前記第2の作動要素と位置合わせされている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項20】
前記第1の作動要素及び前記第2の作動要素は、前記シャントシステムの入口を通る流体の流れを制御するように構成された制御要素に結合されている、請求項19に記載の作動アセンブリ。
【請求項21】
アクチュエータを有するシャントシステムを通る流体流れを選択的に制御するための方法であって、
エネルギーをエネルギー方向転換要素の第1の端部部分に印加することと、
前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分から第2の端部部分に向けて前記エネルギーを方向転換することと、
前記アクチュエータの作動を駆動するために、前記第2の端部部分から前記アクチュエータに前記エネルギーを伝送することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記エネルギーを印加することは、0度~70度の間の入射角で前記エネルギーを印加することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記エネルギーを方向転換することは、前記エネルギーを少なくとも5μmの距離で伝送することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記エネルギー方向転換要素は、前記第1の端部部分に第1の領域を有し、第2の端部部分に第2の領域を有する伝送構成要素を含み、前記エネルギーを印加することは、前記エネルギーを前記伝送構成要素の前記第1の領域に印加することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の領域は、形状記憶アクチュエータと位置合わせされている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分は、見通し線を介してアクセス可能であり、前記エネルギー方向転換要素の前記第2の端部部分は、見通し線を介してアクセス不可能である、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記エネルギー方向転換要素の前記第2の端部部分は、前記アクチュエータと少なくとも部分的に位置合わせされている、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、概して、埋め込み可能な医療デバイスに関し、具体的には、患者の第1の身体領域と第2の身体領域との間の流体流れを選択的に制御するための調整可能なシャントシステム及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
埋め込み可能なシャントシステムは、第1の身体領域/体腔から第2の身体領域/体腔に流体をシャントすることによって様々な患者の状態を治療するために広く使用されている。シャントシステムを通る流体の流れは、主に、シャントにわたる圧力勾配と、シャントを通して画定される流路の物理的特性(例えば、シャントルーメンの抵抗)によって制御される。しかしながら、ほとんどのシャントシステムは、調整可能でない単一の静的流路を有する。そのため、従来のシャントシステムに関する1つの課題は、特定の患者に対して適切なサイズのシャントを選択することである。シャントが小さすぎると、患者に十分な療法を提供できない場合があり、シャントが大きすぎると、患者に新たな問題が生じる場合がある。このことにもかかわらず、ほとんどの従来のシャントは、埋め込み後に調節することができず、したがって、患者の個々の様々な必要性を満たすように、並びに/又は流量、流入圧力、及び/若しくは流出抵抗などの流れ関連特性の変化を考慮するように調節又は滴定することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本技術は、概して、エネルギー方向転換要素(「方向転換要素」)を有する調整可能なシャントシステムを含む、調整可能なシャントシステムを対象とする。方向転換要素は、シャントシステムから離間したエネルギー源から受け取ったエネルギー(例えば、光、レーザ、又は他のエネルギー)をシャントシステムのターゲット領域に向けて方向転換、反射、屈折、伝達、又は他の方法で伝送するように構成することができる。例えば、シャントシステムは、システムを通る流体の流れを制御するための1つ以上のアクチュエータを含むことができ、方向転換要素は、エネルギーを1つ以上のアクチュエータに向けることができる。具体的には、方向転換要素の端部領域は、形状記憶作動要素の作動を駆動するために、方向転換要素に印加されるエネルギーが形状記憶作動要素に伝送されるように、アクチュエータの形状記憶作動要素と少なくとも部分的に位置合わせすることができる。
【0004】
以下でより詳細に記載するように、少なくともいくつかの実施形態では、本技術は、形状記憶アクチュエータ及び/又は調整可能なシャントシステムの動作を改善する1つ以上の有利な特性を示し得ることが期待される。例えば、従来の調整可能なシャントシステムは、関連付けられた作動要素の作動を駆動するためにエネルギーを印加するように、関連付けられた作動要素への直接アクセス(例えば、見通し線を介した)を必要とし得る。従来のシステムとは対照的に、本技術の実施形態に従って構成された方向転換要素は、エネルギーを形状記憶作動要素に伝送することができ、それにより、作動要素は、作動要素が概して二次場所から直接アクセス可能でない(例えば、見通し線内にない)場合であっても、二次場所(例えば、患者の外部)から印加されるエネルギーにアクセス可能であると期待される。加えて、本明細書に記載される方向転換要素は、アクチュエータとは異なる体腔/身体領域内に少なくとも部分的に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、エネルギーを方向転換要素に送達することがより容易であるように、異なる体腔/身体領域をより容易に/より直ちにアクセス可能にすることができる。いくつかの実施形態では、異なる体腔/身体領域は、エネルギー送達プロセス中の患者の解剖学的構造の他の(例えば、周囲の、隣接する、近接するなど)部分に対するリスク又は損傷の可能性の低減と関連付けることができる。更に、方向転換要素は、伝送中のエネルギー損失及び/又は調整可能なシャントシステムの他の要素及び/又は患者の解剖学的構造との干渉を低減する(例えば、最小限に抑える)ように構成することができる。当然、本技術はまた、本明細書に明示的に記載されていない追加的な有利な特性をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本技術の多くの態様は、以下の図面を参照してよりよく理解することができる。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺通りに描画されていない。代わりに、本技術の原理を明確に例示することに、重点がおかれている。更に、構成要素は、例示を明瞭にするだけのために特定の図において透明として示される場合があり、図示された構成要素が必ずしも透明であることを示すものではない。また、構成要素が概略的に示されている場合もある。
図1A】本技術の選択された実施形態に従って構成された調整可能なシャントシステムを例解する。
図1B】本技術の選択された実施形態に従って構成された、図1Aのシステムのプレートアセンブリの拡大図である。
図2A】本技術の選択された実施形態による方向転換要素を含む調整可能なシャントシステムを例解する。
図2B】切断線2B-2Bに沿って取られた、図2Aの調整可能なシャントシステムの断面図を例解する。
図2C図2Aの調整可能なシャントシステムの領域2Cの拡大図である。
図2D図2Cのプレートアセンブリ及び方向転換要素の斜視図であり、調整可能なシャントシステムの他の態様は、明確にするために省略されている。
図2E】切断線2E-2Eに沿って取られた、図2Dのプレートアセンブリ及び方向転換要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下に提示される説明内で使用される専門用語は、本技術の特定の具体的な実施形態の詳細な説明と併せて使用されている場合であっても、その最も広い合理的な方法で解釈されることを意図している。特定の用語は、以下で強調されることさえあり得、しかしながら、任意の限定された方法で解釈されることが意図される任意の用語は、この詳細な説明のセクションにおいてそのように明白かつ具体的に定義される。加えて、本技術は、実施例の範囲内にあるが、図1A図2Eに関して詳細に記載されていない他の実施形態を含むことができる。
【0007】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「ある実施形態」と言及するとき、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な箇所で「一実施形態では」又は「ある実施形態では」という句が現れても、必ずしも全てが同じ実施形態のことを言っている訳ではない。また、特定の特徴又は特性は、1つ以上の実施形態においていかなる好適な方法で組み合わされてもよい。
【0008】
本明細書全体を通して、例えば「概して」、「およそ」、及び「約」などの相対的な用語に言及する場合、本明細書では、記載された値プラス又はマイナス10%を意味するために使用される。本明細書全体を通して「抵抗」という用語への言及は、文脈が他に明確に規定しない限り、流体抵抗を指す。「排液量」及び「流量」という用語は、特定の容積流量での構造物を通る流体の移動を説明するために交換可能に使用される。用語「流れ」は、本明細書において流体の動きを指すために一般的に使用される。
【0009】
本明細書のある特定の実施形態は、眼の前眼房から流体をシャントすることに関して記載されているが、当業者には、本技術が、眼の他の部分から、及び/若しくは眼の他の部分の間で、又はより概して、第1の身体領域及び第2の身体領域から、並びに/又は第1の身体領域及び第2の身体領域の間で流体をシャントするように容易に適合することができることが理解されよう。更に、本明細書の特定の実施形態は、緑内障治療の文脈で説明されているが、「緑内障シャント」又は「緑内障デバイス」と称されるものを含む、本明細書の任意の実施形態は、それにもかかわらず、眼又は他の身体領域の他の疾患又は状態を含む、他の疾患若しくは状態を治療するために使用及び/又は修正され得る。例えば、本明細書において説明されるシステムは、限定されるものではないが、心不全(例えば、駆出率を維持する心不全、駆出率が低下した心不全など)、肺不全、腎不全、水頭症などを含む、圧力の増加及び/又は流体の蓄積を特徴とする疾患を治療するために使用することができる。更に、概して、水をシャントすることに関して説明されているが、本明細書において説明されるシステムは、第1の身体領域と第2の身体領域との間で、血液又は脳脊髄液などの他の流体をシャントするために等しく適用され得る。
【0010】
図1Aは、本技術の選択された実施形態に従って構成されたシャントシステム100(「システム100」)を例解している。以下でより詳細に記載するように、システム100は、患者の眼の前眼房から房水を排出するなど、第1の身体領域から第2の異なる身体領域に流体を排出するための調整可能な療法を提供するように構成されている。
【0011】
システム100は、概して、細長いハウジング102及びプレートアセンブリ120を含む。細長いハウジング102(ケーシング、膜、シャント要素などとも称することができる)は、第1の端部部分102aと第2の端部部分102bとの間に延在している。細長いハウジング102は、第1の端部部分102aにおいて、若しくは第1の端部部分102aに近接して、プレートアセンブリ120を実質的に及び/又は完全に包み込んでいる。例解される実施形態では、細長いハウジング102は、図1Bに関して以下で更に詳細に記載するように、プレートアセンブリ120の中のそれぞれの流体入口と位置合わせされる3つの開口部104(例えば、第1の開口部104a、第2の開口部104b、及び第3の開口部104c)を含む。細長いハウジング102は、細長いハウジング102の第2の端部部分102bに近接して位置決めされた1つ以上の流体出口106にプレートアセンブリ120を流体結合する主流体導管110を更に含む。いくつかの実施形態では、細長いハウジング102は、わずかに弾性又は可撓性の生体適合性材料(例えば、シリコーンなど)からなる。細長いハウジング102はまた、任意選択的に、細長いハウジング102を所望の位置に固定するための穴部(例えば、縫合穴)を有する1つ以上のウイング又は付属物112を含むことができる。
【0012】
プレートアセンブリ120(流れ制御プレート、流れ制御カートリッジ、プレート構造体などとも称することができる)は、細長いハウジング102内に位置決めされ、かつシステム100を通る流体の流れを制御するように構成されている。例えば、図1Bに最もよく見られるように、プレートアセンブリ120は、細長いハウジング102の中の対応する開口部104a~104cと位置合わせされる1つ以上の流体開孔部又は入口124(例えば、第1の流体入口124a、第2の流体入口124b、及び第3の流体入口124c)を含む。流体入口124は、流体が、システム100の外部の環境からプレートアセンブリ120の内部に(及び、そのため細長いハウジング102の内部に)進入することを可能にする。いくつかの実施形態では、流体がシステム100に進入する唯一の経路が流体入口124を通るように、プレートアセンブリ120の上部表面は、第1の端部部分102aにおいて細長いハウジング102の内部表面と実質的な流体封止部を形成する。そのため、流体がシステム100を通って流れるためには、概して、流体はプレートアセンブリ120を通って流れなければならない。
【0013】
プレートアセンブリ120を通る流体経路は、流体がどの流体入口124を通って進入するかに依存する。例えば、第1の流体入口124aを介してシステム100に進入する流体は、プレートアセンブリ120の第1のチャンバ121aに流入し、第1のチャネル136aを介して主流体導管110に排出される。第2の流体入口124bを介してシステム100に進入する流体は、プレートアセンブリ120の第2のチャンバ121bに流入し、第2のチャネル136bを介して主流体導管110に排出される。第3の流体入口124cを介してシステム100に進入する流体は、プレートアセンブリの第3のチャンバ121cに流入し、第3のチャネル136cを介して主流体導管110に排出される。チャンバ121a~121cは、プレートアセンブリ120を通る3つの別個の流路が存在するように、流体的に隔離することができる。チャネル136a~136cはまた、それらが異なる流体抵抗を有し、そのため所与の圧力に対して異なる流量を提供するように、互いに対して異なる幾何学的構成(例えば、長さ)を有することができる。各流体経路によって提供される療法の相対的レベルは、以下に記載するように、ユーザが、様々な流体経路を選択的に開放及び/又は閉鎖することによって(例えば、個々の流体入口124を通る流れを選択的に妨害又は可能にすることによって)、システム100によって提供される療法のレベルを調節し得るように、異なるものとすることができる。例えば、所与の圧力下で、流体が主に第1の流体入口124aを通って進入するとき、システム100は、第1の排液量を提供することができ、流体が主に第2の流体入口124bを通って進入するとき、システム100は、第1の排液量未満の第2の排液量を提供することができ、流体が主に第3の流体入口124cを通って進入するとき、システム100は、第1の排液量未満の第3の排液量を提供することができる。他の実施形態では、チャネル136a~136cは、同じ又は概して同じ流体抵抗を有し、そのため、所与の圧力に対して同様の流量を提供するように、同じ又は概して同じ幾何学的構成を有することができる。
【0014】
プレートアセンブリ120は、システム100に進入する流体の流れを選択的に制御するように構成される。具体的には、プレートアセンブリ120は、第1のチャンバ121aの中に位置決めされ、かつ第1の流体入口124aを通る流体の流れを制御するように構成された第1のアクチュエータ130aと、第2チャンバ121bの中に位置決めされ、かつ第2の流体入口124bを通る流体の流れを制御するように構成された第2のアクチュエータ130bと、第3のチャンバ121cの中に位置決めされ、かつ第3の流体入口124cを通る流体の流れを制御するように構成された第3のアクチュエータ130cと、を含む。第1のアクチュエータ130aは、例えば、ゲート要素134aが(例えば、第1の流体入口124aと干渉しないことによって)第1の流体入口124aを通って流体が流れるのを実質的に防止しない第1の(例えば、「開放」)位置と、ゲート要素134aが(例えば、第1の流体入口124aを遮断することによって)第1の流体入口124aを通って流体が流れるのを実質的に防止する第2の(例えば、「閉鎖」)位置との間で移動するように、第1の流体入口124aと移動可能にインターフェース接続するように構成された第1の突起部又はゲート要素134aを含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲート要素134aは、第1の(例えば、開放)位置と第2の(例えば、閉鎖)位置との間の1つ以上の中間位置に移動するように構成することができる。第2のアクチュエータ130bは、第2のゲート要素134bを含むことができ、第3のアクチュエータ130cは、ゲート要素134aと同様の様式で動作する(例えば、第2の流体入口124b及び第3の流体入口124cに対して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である)第3のゲート要素134cを含むことができる。
【0015】
第1のアクチュエータ130aは、第1の(例えば、開放)位置と第2の(例えば、閉鎖)位置との間のゲート要素134aの移動を駆動する、第1の作動要素132a及び第2の作動要素132aを更に含むことができる。第1の作動要素132a及び第2の作動要素132aは、少なくとも部分的に形状記憶材料又は合金(例えば、ニチノール)からなることができる。そのため、第1の作動要素132a及び第2の作動要素132aは、少なくとも第1の材料相又は状態(例えば、マルテンサイト状態、R相、マルテンサイトとR相との間の複合状態など)と、第2の材料相又は状態(例えば、オーステナイト状態、R相状態、オーステナイトとR相との間の複合状態など)との間で遷移可能とすることができる。第1の材料状態では、第1の作動要素132a及び第2の作動要素132aは、作動要素が第1の材料状態にあるときに比較して、作動要素をより容易に変形可能にする(例えば、圧縮可能、拡張可能など)低減された(例えば、相対的に剛性が低い)機械的特性を有し得る。第2の材料状態では、第1の作動要素132a及び第2の作動要素132aは、第1の材料状態に比較して、(例えば、相対的により剛性の)機械的特性を増大させ、特定の好ましい幾何学形状(例えば、元の幾何学形状、製造された又は作製された幾何学形状、ヒートセットされた幾何学形状など)に対する選好の増大を引き起こし得る。第1の作動要素132a及び第2の作動要素132aは、エネルギー(例えば、レーザエネルギー、電気エネルギーなど)を第1の作動要素132a又は第2の作動要素132aに印加して、それを遷移温度を超えて(例えば、概して、体温よりも高いオーステナイト終了温度(A)を超えて)加熱することによって、第1の材料状態と第2の材料状態との間で選択的かつ独立して遷移することができる。遷移温度を超えて加熱されたときに、第1の作動要素132a(又は第2の作動要素132a)がその好ましい幾何学形状に対して変形される場合、第1の作動要素132a(又は第2の作動要素132a)は、その好ましい幾何学形状に、及び/又はその好ましい幾何学形状に向けて移動することになる。いくつかの実施形態では、第1の作動要素132a及び第2の作動要素132aは、作動した作動要素(例えば、第1の作動要素132a)がその好ましい幾何学形状に向けて遷移するとき、非作動の作動要素(例えば、第2の作動要素132a)がその好ましい幾何学形状に対して更に変形されるように、動作可能に結合される。
【0016】
第1の作動要素132a及び第2の作動要素132aは、概して、反対に作用する。例えば、第1の作動要素132aは、ゲート要素134aを第1の(例えば、開放)位置に、及び/又は第1の(例えば、開放)位置に向けて移動させるように作動させることができ、第2の作動要素132aは、ゲート要素134aを第2の(例えば、閉鎖)位置に、及び/又は第2の(例えば、閉鎖)位置に向けて移動させるように作動させることができる。追加的に、上述したように、第1の作動要素132a及び第2の作動要素132aは、材料の相遷移時に一方がその好ましい幾何学形状に向けて移動すると、他方がその好ましい幾何学形状に対して変形するように結合することができる。これは、作動要素132aが繰り返し作動され、ゲート要素134aが第1の(例えば、開放)位置と第2の(例えば、閉鎖)位置との間で繰り返し循環されることを可能にする。
【0017】
いくつかの実施形態では、各作動要素132は、1つ以上のターゲット138を含むことができる。ターゲット138は、ターゲット138で受け取ったエネルギー(例えば、レーザエネルギー)が対応する作動要素132を通して熱として放散することができるように、対応する作動要素132に熱的に結合することができる。したがって、ターゲット138は、作動要素132を作動させるためのエネルギーで選択的に標的化することができる。例えば、第1の作動要素132aを作動させるために、患者の眼の外部に位置付けられたエネルギー源(例えばレーザ)などから、熱/エネルギーを第1のターゲット138aに印加することができる。第1のターゲット138aに印加される熱は、第1の作動要素132aの少なくとも一部分を通して広がり、これにより、第1の作動要素132aをその遷移温度を超えて加熱することができる。第2の作動要素132aを作動させるために、熱/エネルギーを第2のターゲット138aに印加することができる。第2のターゲット138aに印加される熱は、第2の作動要素132aを通して広がり、これにより、第2の作動要素132aの少なくとも一部分をその遷移温度を超えて加熱することができる。例解の実施形態では、ターゲット138は、各個々の作動要素132の長さに沿って概して中心に位置決めされている。他の実施形態では、ターゲット138は、各個々の作動要素132の端部領域に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、ターゲット138は、作動要素132と同じ材料(例えば、ニチノール)からなる。理論に束縛されるものではないが、作動要素132に対するターゲット138の表面積の増加は、身体の外部に位置決めされたエネルギー源(例えば、レーザ)を使用してアクチュエータ130を作動させることができる容易さ及び一貫性を増加させることが期待される。
【0018】
第2のアクチュエータ130b及び第3のアクチュエータ130cもまた、各々、一対の対向する形状記憶アクチュエータを含み、第1のアクチュエータ130aと同じ又は同様の様式で動作することができる。形状記憶アクチュエータ、並びに調整可能な緑内障シャントの動作に関する追加の詳細は、米国特許出願第17/175,332号、米国特許出願公開第2020/0229982号、並びに国際特許出願第PCT/US20/55144号、同第PCT/US20/55141号、同第PCT/US21/14774号、同第PCT/US21/18601号、同第PCT/US21/23238号、及び同第PCT/US21/27742号において記載され、その開示は、参照によりその全体が、全ての目的に対して本明細書に組み込まれる。
【0019】
図2A図2Eは、本技術の選択された実施形態によるエネルギー方向転換要素250a~250d(まとめて「方向転換要素250」と称される)を含む、調整可能なシャントシステム200(「システム200」)を例解している。システム200は、図1A及び図1Bのシステム100の要素と概して同様の又は同じ要素を含むことができる。そのため、同様の要素(例えば、アクチュエータ130対アクチュエータ230)を指定するために同様の番号が使用され、図2A図2Eの考察は、図1A及び図1Bとは異なるそれらの特徴及び文脈に必要な任意の追加的な態様に限定されることになる。
【0020】
最初に図2Aを参照すると、システム200は、1つ以上の方向転換要素250を含むことができる。例解の実施形態では、例えば、システム200は、第1の方向転換要素250a、第2の方向転換要素250b、第3の方向転換要素250c、及び第4の方向転換要素250dを含む。図2Bは、切断線2B-2Bに沿って取られた、図2Aの調整可能なシャントシステム200の断面図を例解している。図2A及び図2Bをともに参照すると、方向転換要素250は、ハウジング202の第1の端部部分202aの近くに位置決めすることができる。方向転換要素250の各々は、第1の端部部分及び第2の端部部分を有することができる。例解の実施形態では、例えば、第1の方向転換要素250aは、第1の端部部分250aと、第1の端部部分250aの反対側の第2の端部部分250aとを有する。例解の実施形態では、第1の端部部分250aは、ハウジング202の第1の端部部分202aに近接して位置決めされている。他の実施形態では、第1の端部部分250aは、他の好適な位置を有することができる。例えば、第1の端部部分分250aは、第1の方向転換要素250の少なくとも一部分がハウジング202と重なり合わないように、ハウジングの第1の端部部分202aを越えて延在することができる。更に他の実施形態では、第1の端部部分250aは、第1の端部部分250aがハウジング202と重なり合わないように、ハウジング202の長手方向軸に対して角度を付けて、又は垂直に延在することができる。図2C図2Eに関して以下で詳細に記載するように、第2の端部部分250aは、ハウジング202内に収容されたアクチュエータと(例えば、垂直に、軸方向になど)位置合わせすることができる。第2の方向転換要素250b、第3の方向転換要素250c、及び第4の方向転換要素250dはまた、第1の方向転換要素250aの端部部分250a~250aと概して同様の又は同じ端部部分を有することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、方向転換要素250の各々は、ハウジング202によって少なくとも部分的に収容され、かつ/又はハウジング202に結合することができる。例解の実施形態では、例えば、方向転換要素250a~250dの第1の端部部分(例えば、第1の端部部分250aなど)は、ハウジング202の第1の端部部分202aによって少なくとも部分的に収容され、かつ/又はそれに結合されている。他の実施形態では、上述したように、方向転換要素250の第1の端部部分(例えば、第1の端部部分250aなど)は、ハウジング202から及び/又はそれを越えて延在することができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、方向転換要素250の第1の端部部分(例えば、第1の端部部分250aなど)は、ハウジング202の長手方向軸に概して又は実質的に平行な方向にハウジング202の第1の端部部分202aを越えて延在することができる。加えて、図2A図2Bの方向転換要素250は、システム200の長手方向軸と概して又は実質的に位置合わせされている(例えば、平行である)ものとして示されているが、他の実施形態では、方向転換要素250のうちの1つ以上は、システム200の長手方向軸に対して角度を付けるか、又は任意の他の好適な配向を有することができる。方向転換要素250の向き及び位置にかかわらず、方向転換要素250は、方向転換要素250とハウジング202との間の位置関係を維持するために、ハウジング202に(直接的又は間接的に)結合することができる。
【0022】
図2D及び図2Eを参照して以下でより詳細に記載するように、方向転換要素250の各々は、第1の端部部分(例えば、第1の方向転換要素250aの第1の端部部分250aなど)から第2の端部部分(例えば、第1の方向転換要素250aの第2の端部部分250aなど)にエネルギーを方向転換、反射、屈折、伝達、又は他の方法で伝送するように構成することができる。例えば、方向転換要素250は、第1の端部部分で受け取った光又は光エネルギー(例えば、レーザエネルギー)を第2の端部部分に向けることができる。いくつかの実施形態では、方向転換要素250は、逆に動作するように、例えば、エネルギーを第2の端部部分から第1の端部部分に伝送するように構成されることができる。
【0023】
図2Cは、図2Aの調整可能なシャントシステム200の領域2Cの拡大図である。図1A及び図2Bに関して記載されたシステム100と同様に、システム200は、プレートアセンブリ220を含むことができる。図2Cにおいて、プレートアセンブリ220を覆うハウジング202の一部分が、明確にするために省略されている。プレートアセンブリ220は、1つ以上のアクチュエータ230を含むことができる。例解の実施形態では、例えば、プレートアセンブリ220は、第1のアクチュエータ230a及び第2のアクチュエータ230bを含む。方向転換要素250の各々の第2の端部部分は、アクチュエータ230のうちの1つに対応することができ、及び/又は少なくとも部分的に位置合わせされる(例えば、上方に配置される)ことができる。例解の実施形態では、例えば、第1の方向転換要素250a及び第2の方向転換要素250bは、第1の方向転換要素250a及び第2の方向転換要素250bのそれぞれの第2の端部部分250a、250bが第1のアクチュエータ230aと位置合わせされるように、第1のアクチュエータ230aに対応する。同様に、例解の実施形態では、第3の方向転換要素250c及び第4の方向転換要素250dは、第3の方向転換要素250c及び第4の方向転換要素250dのそれぞれの第2の端部部分250c、250dが第2のアクチュエータ230bと位置合わせされるように、第2のアクチュエータ230bに対応する。そのため、図2D及び図2Eを参照して以下でより詳細に記載するように、方向転換要素250の各々は、例えば、対応するアクチュエータ230を作動させるために、エネルギーを対応する1つ以上のアクチュエータ230に方向転換することができる。
【0024】
図2Dは、明確にするためにシステム200の他の態様が省略された、プレートアセンブリ220及び方向転換要素250の斜視図である。図2Dに最もよく見られるように、アクチュエータ230の各々は、1つ以上の作動要素232を含むことができ、作動要素232の各々は、1つ以上のターゲット238を含むことができる。加えて、方向転換要素250の各々は、作動要素232のうちの対応する1つ及び/又はターゲット238のうちの対応する1つに対応することができ、かつ/又は少なくとも部分的に位置合わせすることができる。例解の実施形態では、例えば、第1の方向転換要素250aは、第1のアクチュエータ230aの第1の作動要素232aに対応し、それにより、第1の方向転換要素250aの第2の端部部分250aは、第1のアクチュエータ230aの第1のターゲット238aと位置合わせされている。同様に、第2の方向転換要素250bは、第1のアクチュエータ230aの第2の作動要素232aに対応し、それにより、第2の方向転換要素250bの第2の端部部分250bは、第1のアクチュエータ230aの第2のターゲット238aと位置合わせされている。第3の方向転換要素250c及び第4の方向転換要素250dは、第1の方向転換要素250a及び/又は第2の方向転換要素250bと概して同様又は同じに構成することができるが、第3の方向転換要素250c及び第4の方向転換要素250dは、第2のアクチュエータ230bのそれぞれの第1の作動要素232b及び第2の作動要素232b並びにそれぞれの第1のターゲット238b及び第2のターゲット238bに対応する。
【0025】
図2Eは、切断線2E-2Eに沿って取られた、図2Dのプレートアセンブリ220及び第3の方向転換要素250cの断面図である。第3の方向転換要素250cの文脈で記載れるが、図2Eの以下の記載は、図2A図2Dの第1の方向転換要素250a、第2の方向転換要素250b、及び第4の方向転換要素250d、並びに対応するアクチュエータ230及び作動要素232に等しく適用される。
【0026】
図2Eに例解される実施形態では、第3の方向転換要素250cは、外部構成要素254cによって少なくとも部分的に収容され、取り囲まれ、又は格納された内部又は伝送構成要素252cを含む。伝送構成要素252cは、第1の端部部分250c内の第1の(例えば、入力、ターゲット、受信など)領域252cと、第2の端部部分250c内の第2の(例えば、出力)領域252cと、それらの間に延在し、第1の領域252c及び第2の領域252cを(例えば、通信可能に、光学的になど)結合する中間領域252cと、を含むことができる。上述したように、第2の領域252cは、対応する作動要素232及び/又は対応するターゲット238、例えば、第1の作動要素232bの第1のターゲット238bと位置合わせすることができる。
【0027】
方向転換要素250は、対応する作動要素232にエネルギーEを印加/伝送するために使用することができる。図2Eに最もよく見られるように、エネルギー源260は、エネルギーEを第3の方向転換要素250cに及び/又は第3の方向転換要素250cに向けて放出することができる。エネルギーEが第1の領域252cに入射すると、エネルギーは、中間領域252cを介して第1の領域252cから第2の領域252cに方向転換され、反射され、屈折され、伝達され、又は他の方法で伝送することができる。エネルギーEは、エネルギーEが第1のターゲット238bに印加されるように、第2の領域252cを介して第3の方向転換要素250cを出ることができる。第1のターゲット238bで受け取ったエネルギーEは、第1の作動要素232bを加熱することができ、これは、その遷移温度を超えて加熱された場合、第1の作動要素232bをその好ましい幾何学形状に、及び/又はそれに向けて移動させ、それによって、図1A及び図1Bを参照して前述したように、第1の位置と第2の位置との間でゲート要素(図1Bのゲート要素134a~134bなど)を移動させ得る。したがって、前述のように、ターゲット238を介して作動要素232を選択的かつ独立して作動させる(例えば、エネルギーEを方向転換要素250の個々に選択的に印加して、エネルギーEを対応するターゲット238に伝送し、対応する作動要素232を第1の材料状態から第2の材料状態に遷移させることによって)ために、方向転換要素250を使用することができる。
【0028】
理論に束縛されるものではないが、方向転換要素250は、システム200から離間されたエネルギー源(例えば、患者の外部に位置決めされたレーザ)から送達されるエネルギーによる作動要素232の標的化を改善することが期待される。例えば、方向転換要素250は、対応するアクチュエータにエネルギーを伝送することができるので、方向転換要素252cの第1の領域250cは、エネルギー送達プロセス中に患者の解剖学的構造(例えば、眼など)の他の(例えば、周囲の、隣接する、近接するなど)部分にエネルギーを送達することがより容易である、かつ/又は損傷の可能性の低減と関連付けられる体腔/身体領域に少なくとも部分的に位置決めすることができる一方で、システム100、200の他の構成要素(例えば、アクチュエータ230、図1A及び図1Bの流体入口104、図1Aの流体出口106など)が、患者の他の体腔/身体領域に少なくとも部分的に位置決めされることを依然として可能にする。そのため、ターゲット238は、作動要素232のうちの1つの本体が概して直接アクセス可能でない場合でも、エネルギーEにアクセス可能であると期待される。加えて、少なくともいくつかの実施形態では、方向転換要素250は、伝送中のエネルギー損失、システム200の他の要素との干渉、及び/又は患者の解剖学的構造との干渉を低減する(例えば、最小限にする)ように、伝送中にエネルギーEを少なくとも部分的に絶縁し、隔離し、遮蔽し、又は別様に閉じ込めることができる。
【0029】
非限定的な実施例として、システム200は、ハウジング202の第1の端部部分202a(又は少なくともシステム200への流体入口)が患者の眼の前眼房に位置決めされ、ハウジングの第2の端部部分202bが所望の流出場所(例えば、ブレブ空間)に位置決めされた、調整可能な緑内障シャントとすることができる。エネルギー方向転換要素250は、方向転換要素250の第1の端部部分が(例えば、見通し線を介して)アクセス可能であり、したがって、レーザを使用して標的化することができるように、十分な距離だけ前眼房内に延在することができる。しかしながら、アクチュエータ230のうちのいくつか又は全ては、少なくとも部分的に前眼房の外側に位置決めすることができ、(例えば、見通し線を介して)アクセス不可能とすることができ、したがって、レーザを使用して標的化することができない。それにもかかわらず、アクチュエータ230は、前述のように、エネルギー方向転換要素250を使用することによって作動させることができる。そのため、エネルギー方向転換要素250は、システム200が動作するために、前眼房内に位置決めされ、かつ/又は別様に可視でなければならない、ハウジング202の部分を低減することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、第3の方向転換要素250cは、光ファイバ又はライトチューブを備えることができる。光ファイバは、1つ以上の要素及び/又は材料から形成することができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、伝送構成要素252cは、高屈折率光学エポキシ、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane、PDMS)、BK7ガラス、又は任意の他の好適な材料などの、比較的高い第1の屈折率(例えば、少なくとも1.34、1.6、又は任意の他の好適な屈折率など、約1.3~約4)を有する第1の材料から形成することができる。伝送構成要素252cを取り囲む外部構成要素254cは、ガラス又は低屈折シリコーンエラストマなどの、比較的低い第2の屈折率(例えば、第1の屈折率未満、最大1.34、1.6、又は任意の他の好適な屈折率など、約1~約4)を有する第2の材料とすることができる。そのような実施形態では、エネルギーEは、第3の方向転換要素250cによるエネルギーEの伝送を減少させることなく、又は実質的に減少させることなく、第1の領域252cに対して垂直からの入射角q(「角度q」)で印加することができ、これにより、エネルギーEを第1の領域252cと位置合わせするときの誤差のマージンを大きくすることができる。角度qは、少なくとも1度、5度、10度、15度、20度、25度、50度、60度、65度の角度、又は任意の他の好適な角度など、約0度~約70度とすることができる。少なくともいくつかの実施形態では、角度qは、約50度~約70度、例えば、約53度~約66度とすることができる。いくつかの実施形態では、角度qは、伝送構成要素252cの屈折率に対応することができ、それにより、伝送構成要素252cの屈折率が増加するにつれて、角度q(例えば、第1の領域252cの開口数)が増加する。
【0031】
少なくともいくつかの実施形態では、例えば、伝送構成要素252cは、第3の方向転換要素250cの内部に位置決めされる1つ以上のプリズム、ミラー、及び/又は反射表面を含むことができる。そのような実施形態では、1つ以上のプリズム、ミラー、及び/又は反射表面は、真空、空気、水、並びに/又はエネルギー(例えば、光エネルギー)がそれを通して伝搬されることを可能にする任意の他の好適な流体及び/若しくは材料によって分離することができる。いくつかの実施形態では、第3の方向転換要素250cはプリズムとすることができ、第1の領域252c、第2の領域252c、及び中間領域252cはプリズムの部分又は領域とすることができる。そのような実施形態では、エネルギーEは、第3の方向転換要素250cが第2のアクチュエータ230bを作動させるのに十分なエネルギーEを方向転換/伝送するために、約0の入射角q(例えば、第1の領域252cに対して概して又は実質的に垂直)、又は任意の他の好適な入射角q若しくは入射角の範囲(例えば、プリズムの構成に少なくとも部分的に基づく)で印加される必要があり得る。いくつかの実施形態では、第3の方向転換要素250cは、プレートアセンブリ220及び/又はシステム200(図2A図2C)に結合された複数のミラー及び/又はプリズムを含むことができる。そのような実施形態では、第1の領域252c、第2の領域252c、及び/又は中間領域252cは各々、エネルギーEを第1の領域252cから第2の領域252cに方向転換する/伝送するように構成される、1つ以上の個々のミラー及び/又はプリズムを含むことができる。
【0032】
第3の方向転換要素250cは、第1及び第2の領域252c1-2の中心(例えば、幾何学的中心)間の長さによって測定される距離DだけエネルギーEを方向転換することができる。距離Dは、少なくとも5μm、少なくとも10μm、少なくとも20μm、少なくとも30μm、少なくとも40μm、少なくとも50μm、少なくとも100μm、少なくとも500μm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、又は任意の他の好適な距離など、約5μm~約5mmとすることができる。
【0033】
システム200は、図2C図2Eにおいて2つのアクチュエータ230を有するものとして図示されているが、他の実施形態では、システム200は、より多くの又はより少ないアクチュエータ230を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、システム200は、1、3、4、5、6、7、8、9、10、又は任意の他の好適な数のアクチュエータ230を含むことができる。システム200は、図2A図2Eにおいて4つの方向転換要素250を有するものとして図示されているが、他の実施形態では、システム200は、より多くの又はより少ない方向転換要素250を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、システム200は、1、3、4、5、6、7、8、9、10、又は任意の他の好適な数の方向転換要素250を含むことができる。いくつかの実施形態では、方向転換要素の数は、システムの中の作動要素の数に対応する。
【0034】
方向転換要素250は、図2A図2Eでは平行四辺形の形状を有するものとして例解されているが、他の実施形態では、方向転換要素250は他の形状を有することができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、方向転換要素250の各々は、円形、楕円形、湾曲形、弓形、曲線状、三角形、正方形、長方形、蛇行形、ジグザグ状、直線、五角形、六角形、又は任意の他の好適な形状を有することができる。
【0035】
当業者が理解するように、上述のアクチュエータ及び/又は方向転換要素のいずれも、例えば、そこを通る流体の流れを制御するために、調整可能なシャントシステムの一部として使用することができる。更に、1つのアクチュエータ及び/又は方向転換要素に関して記載されるある特定の特徴は、別のアクチュエータ及び/又は方向転換要素に追加又は組み合わせることができる。そのため、本技術は、本明細書で明示的に識別されるアクチュエータ及び/又は方向転換要素に限定されない。例えば、エネルギー方向転換要素は、調整可能なシャントシステム及び作動アセンブリとともに利用することができ、これらは、米国特許出願第17/175332号、米国特許出願公開第2020/0229982号、並びに国際特許出願第PCT/US20/55144号、同第PCT/US20/55141号、同第PCT/US21/14774号、同第PCT/US21/18601号、同第PCT/US21/023238号、及び同第PCT/US21/27742号において記載され、それらの開示は、参照によりその全体が、全ての目的に対して本明細書に組み込まれる。そのため、方向転換要素は、特定の調整可能なシャントシステム及び作動アセンブリの文脈で記載されているが、本技術の実施形態による方向転換要素は、先に参照により組み込まれた調整可能なシャントシステム、作動アセンブリ、及び/又はアクチュエータのうちのいずれかとともに使用することができる。同様に、方向転換要素は、調整可能なシャントシステムの文脈で記載されているが、本明細書に記載の方向転換要素は、他のタイプの医療デバイスに結合される形状記憶アクチュエータを選択的に作動させるようにエネルギーを伝送/伝達するために使用することができる。
【実施例
【0036】
本技術のいくつかの態様を以下の実施例に記載する。
1.シャントシステムとともに使用するための作動アセンブリであって、作動アセンブリは、
作動要素を含むアクチュエータと、
第1の端部部分と、第1の端部部分から離間した第2の端部部分とを有するエネルギー方向転換要素であって、第1の端部部分で受け取ったエネルギーを第2の端部部分に向けて伝送するように構成されている、エネルギー方向転換要素と、を備え、
エネルギー方向転換要素の第2の端部部分は、エネルギー方向転換要素の第1の端部部分で受け取ったエネルギーが作動要素に伝送されるように、作動要素と少なくとも部分的に位置合わせされている、作動アセンブリ。
2.エネルギー方向転換要素の第1の端部部分は、作動要素から離間している、実施例1に記載の作動アセンブリ。
3.エネルギー方向転換要素は、1つ以上の伝送構成要素を含み、1つ以上の伝送構成要素は、第1の端部部分で受け取ったエネルギーを第2の端部部分に向けて伝送するように構成されている、実施例1又は2に記載の作動アセンブリ。
4.1つ以上の伝送構成要素は、(i)プリズム、(ii)ミラー、及び/又は(iii)反射表面のうちの少なくとも1つを含む、実施例3に記載の作動アセンブリ。
5.エネルギー方向転換要素は、光ファイバを含み、光ファイバは、伝送構成要素と、伝送構成要素を少なくとも部分的に取り囲む外部構成要素と、を含む、実施例1の作動アセンブリ。
6.伝送構成要素は、少なくとも1.34の屈折率を有する、実施例5に記載の作動アセンブリ。
7.伝送構成要素は、少なくとも1.6の屈折率を有する、実施例5又は6に記載の作動アセンブリ。
8.伝送構成要素は、光学エポキシ及び/又はポリジメチルシロキサンから形成されている、実施例5~7のいずれか1つに記載の作動アセンブリ。
9.外部構成要素は、伝送構成要素の第1の屈折率未満の第2の屈折率を有する、実施例5~8のいずれか1つに記載の作動アセンブリ。
10.第2の屈折率は、最大1.6である、実施例9に記載の作動アセンブリ。
11.第2の屈折率は、最大1.34である、実施例9又は10に記載の作動アセンブリ。
12.外部構成要素は、ガラス又はシリコーンエラストマからなる、実施例5~11のいずれか1つに記載の作動アセンブリ。
13.伝送構成要素は、エネルギー方向転換要素の内部内に位置決めされている、実施例1~12に記載の作動アセンブリ。
14.エネルギー方向転換要素は、レーザエネルギーを伝送するように構成されている、実施例1~13のいずれか1つに記載の作動アセンブリ。
15.エネルギー方向転換要素は、円形、楕円形、湾曲形、弓形、曲線状、三角形、正方形、長方形、平行四辺形、蛇行形、ジグザグ状、直線、五角形、又は六角形の形状を有する、実施例1~14のいずれか1つに記載の作動アセンブリ。
16.エネルギー方向転換要素は、第1の端部部分と第2の端部部分との間の少なくとも5μmの距離でエネルギーを伝送するように構成されている、実施例1~15のいずれか1つに記載の作動アセンブリ。
17.作動要素は、第1の身体領域に位置決めされるように構成され、エネルギー方向転換要素は、第1の身体領域とは異なる第2の身体領域に位置決めされるように構成されている、実施例1~16のいずれか1つに記載の作動アセンブリ。
18.エネルギー方向転換要素は、エネルギーが0度~70度の間の入射角で第1の端部部分に印加されるときに、エネルギーを第2の端部部分に伝送するように構成されている、実施例1~17のいずれか1つに記載の作動アセンブリ。
19.作動要素は、第1の作動要素であり、エネルギー方向転換要素は、第1のエネルギー方向転換要素であり、作動アセンブリは、
第2の作動要素と、
第3の端部部分及び第4の端部部分を有する第2のエネルギー方向転換要素であって、第2のエネルギー方向転換要素は、第3の端部部分で受け取ったエネルギーを第4の端部部分に向けて伝送するように構成されている、第2のエネルギー方向転換要素と、を更に備え、
エネルギー方向転換要素の第4の端部部分は、第2のエネルギー方向転換要素の第3の端部部分で受け取ったエネルギーが第2の作動要素に伝送されるように、第2の作動要素と位置合わせされている、実施例1~18のいずれか1つに記載の作動アセンブリ。
20.第1の作動要素及び第2の作動要素は、シャントシステムの入口を通る流体の流れを制御するように構成された制御要素に結合されている、実施例19に記載の作動アセンブリ。
21.アクチュエータを有するシャントシステムを通る流体流れを選択的に制御するための方法であって、
エネルギーをエネルギー方向転換要素の第1の端部部分に印加することと、
エネルギー方向転換要素の第1の端部部分から第2の端部部分に向けてエネルギーを方向転換することと、
アクチュエータの作動を駆動するために、第2の端部部分からアクチュエータにエネルギーを伝送することと、を含む、方法。
22.エネルギーを印加することは、0度~70度の間の入射角でエネルギーを印加することを含む、実施例21に記載の方法。
23.エネルギーを方向転換することは、エネルギーを少なくとも5μmの距離で伝送することを含む、実施例21又は22に記載の方法。
24.エネルギー方向転換要素は、第1の端部部分に第1の領域を有し、第2の端部部分に第2の領域を有する伝送構成要素を含み、エネルギーを印加することは、エネルギーを伝送構成要素の第1の領域に印加することを含む、実施例21~23のいずれか1つに記載の方法。
25.第2の領域は、形状記憶アクチュエータと位置合わせされている、実施例24に記載の方法。
26.エネルギー方向転換要素の第1の端部部分は、見通し線を介してアクセス可能であり、エネルギー方向転換要素の第2の端部部分は、見通し線を介してアクセス不可能である、実施例21~25のいずれか1つに記載の方法。
27.エネルギー方向転換要素の第2の端部部分は、アクチュエータと少なくとも部分的に位置合わせされている、実施例21に記載の方法。
【0037】
結論
本技術の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であること、又は本技術を上記で開示された詳細な形態に限定することを意図していない。本技術の特定の実施形態及び例が例示の目的で上に説明されているが、当業者が認識するように、本技術の範囲内で様々な同等の修正が可能である。例えば、本明細書において説明される眼内シャントの特徴のいずれかを、本明細書において説明される他の眼内シャントの特徴のいずれかと組み合わせることができ、またその逆も可能である。更に、所与の順序でステップが提示されているが、代替的な実施形態では、異なる順序でステップが実施され得る。本明細書において説明された様々な実施形態はまた、組み合わせて、更なる実施形態を提供し得る。
【0038】
上述のことから、本技術の特定の実施形態が例示の目的で本明細書において説明されてきたが、眼内シャントと関連付けられた周知の構造及び機能は、本技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されるか又は説明されていないことが理解されよう。文脈が許す場合、単数形又は複数形の用語は、それぞれ、複数形又は単数形の用語も含み得る。
【0039】
文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、説明及び例全体を通して、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」などの語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「含むが、それに限定されない」という意味である。本明細書で使用される際、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はそれらのいかなる変形も、2つ以上の要素間の直接的又は間接的ないかなる接続又は結合も意味する。要素間の接続の結合は、物理的、論理的、又はそれらの組み合わせであってもよい。追加的に、「本明細書」、「上記」、「下記」という語、また同様の意味の語は、本出願に使用される際、本出願を全体として言うものとし、本出願のいかなる特定の部分のことを言うものではない。文脈が許す場合、単数又は複数を使用する上記の発明を実施するための形態における語は、それぞれ、複数であることも単数であることもある。本明細書に使用される際、「A及び/又はB」に見られる語句「及び/又は」は、Aのみを言うことも、Bのみを言うことも、またA及びBを言うこともある。追加的に、「備える(comprising)」という用語は、いかなるより多くの同じ特徴及び/又は追加のタイプの他の特徴が除外されないような少なくとも挙げた特徴を含むことを意味するように全体を通して使用される。特定の実施形態が例解の目的で本明細書において説明されているが、本技術から逸脱することなく様々な修正がなされ得ることも理解されるであろう。更に、本技術のいくつかの実施形態に関連する利点をこれらの実施形態の文脈で説明してきたが、他の実施形態もそのような利点を示す場合があり、全ての実施形態が本技術の範囲内に入るために必ずしもそのような利点を示す必要はない。したがって、本開示及び関連する技術は、本明細書で明示的に図示又は説明されていない他の実施形態を包含することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
【手続補正書】
【提出日】2024-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャントシステムとともに使用するための作動アセンブリであって、前記作動アセンブリは、
作動要素を含むアクチュエータと、
第1の端部部分と、前記第1の端部部分から離間した第2の端部部分とを有するエネルギー方向転換要素であって、前記第1の端部部分で受け取ったエネルギーを前記第2の端部部分に向けて伝送するように構成されている、エネルギー方向転換要素と、を備え、
前記エネルギー方向転換要素の前記第2の端部部分は、前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分で受け取ったエネルギーが前記作動要素に伝送されるように、前記作動要素と少なくとも部分的に位置合わせされている、作動アセンブリ。
【請求項2】
前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分は、前記作動要素から離間している、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項3】
前記エネルギー方向転換要素は、1つ以上の伝送構成要素を含み、前記1つ以上の伝送構成要素は、前記第1の端部部分において受け取ったエネルギーを前記第2の端部部分に向けて伝送するように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項4】
前記1つ以上の伝送構成要素は、(i)プリズム、(ii)ミラー、及び/又は(iii)反射表面のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の作動アセンブリ。
【請求項5】
前記エネルギー方向転換要素は、光ファイバを含み、前記光ファイバは、伝送構成要素と、前記伝送構成要素を少なくとも部分的に取り囲む外部構成要素と、を含む、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項6】
前記伝送構成要素は、少なくとも1.34の屈折率を有する、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項7】
前記伝送構成要素は、少なくとも1.6の屈折率を有する、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項8】
前記伝送構成要素は、光学エポキシ及び/又はポリジメチルシロキサンから形成されている、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項9】
前記外部構成要素は、ガラス又はシリコーンエラストマから形成されている、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項10】
前記外部構成要素は、前記伝送構成要素の第1の屈折率未満の第2の屈折率を有する、請求項5に記載の作動アセンブリ。
【請求項11】
前記第2の屈折率は、最大1.6である、請求項10に記載の作動アセンブリ。
【請求項12】
前記第2の屈折率は、最大1.34である、請求項10に記載の作動アセンブリ。
【請求項13】
前記伝送構成要素は、前記エネルギー方向転換要素の内部内に位置決めされている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項14】
前記エネルギー方向転換要素は、レーザエネルギーを伝送するように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項15】
前記エネルギー方向転換要素は、円形、楕円形、湾曲形、弓形、曲線状、三角形、正方形、長方形、平行四辺形、蛇行形、ジグザグ状、直線、五角形、又は六角形の形状を有する、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項16】
前記エネルギー方向転換要素は、前記第1の端部部分と前記第2の端部部分との間の少なくとも5μmの距離で前記エネルギーを伝送するように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項17】
前記作動要素は、第1の身体領域に位置決めされるように構成され、前記エネルギー方向転換要素は、前記第1の身体領域とは異なる第2の身体領域に位置決めされるように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項18】
前記エネルギー方向転換要素は、エネルギーが0度~70度の間の入射角で前記第1の端部部分に印加されるときに、エネルギーを前記第2の端部部分に伝送するように構成されている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項19】
前記作動要素は、第1の作動要素であり、前記エネルギー方向転換要素は、第1のエネルギー方向転換要素であり、前記作動アセンブリは、
第2の作動要素と、
第3の端部部分及び第4の端部部分を有する第2のエネルギー方向転換要素であって、前記第2のエネルギー方向転換要素は、前記第3の端部部分で受け取ったエネルギーを前記第4の端部部分に向けて伝送するように構成されている、第2のエネルギー方向転換要素と、を更に備え、
前記エネルギー方向転換要素の前記第4の端部部分は、前記第2のエネルギー方向転換要素の前記第3の端部部分で受け取ったエネルギーが前記第2の作動要素に伝送されるように、前記第2の作動要素と位置合わせされている、請求項1に記載の作動アセンブリ。
【請求項20】
前記第1の作動要素及び前記第2の作動要素は、前記シャントシステムの入口を通る流体の流れを制御するように構成された制御要素に結合されている、請求項19に記載の作動アセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
以下でより詳細に記載するように、少なくともいくつかの実施形態では、本技術は、形状記憶アクチュエータ及び/又は調整可能なシャントシステムの動作を改善する1つ以上の有利な特性を示し得ることが期待される。例えば、従来の調整可能なシャントシステムは、関連付けられた作動要素の作動を駆動するためにエネルギーを印加するように、関連付けられた作動要素への直接アクセス(例えば、見通し線を介した)を必要とし得る。従来のシステムとは対照的に、本技術の実施形態に従って構成された方向転換要素は、エネルギーを形状記憶作動要素に伝送することができ、それにより、作動要素は、作動要素が概して二次場所から直接アクセス可能でない(例えば、見通し線内にない)場合であっても、二次場所(例えば、患者の外部)から印加されるエネルギーにアクセス可能であると期待される。加えて、本明細書に記載される方向転換要素は、アクチュエータとは異なる体腔/身体領域内に少なくとも部分的に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、エネルギーを方向転換要素に送達することがより容易であるように、異なる体腔/身体領域をより容易に/より直ちにアクセス可能にすることができる。いくつかの実施形態では、異なる体腔/身体領域は、エネルギー送達プロセス中の患者の解剖学的構造の他の(例えば、周囲の、隣接する、近接するなど)部分に対するリスク又は損傷の可能性の低減と関連付けることができる。更に、方向転換要素は、伝送中のエネルギー損失及び/又は調整可能なシャントシステムの他の要素及び/又は患者の解剖学的構造との干渉を低減する(例えば、最小限に抑える)ように構成することができる。当然、本技術はまた、本明細書に明示的に記載されていない追加的な有利な特性をもたらすことができる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
シャントシステムとともに使用するための作動アセンブリであって、前記作動アセンブリは、
作動要素を含むアクチュエータと、
第1の端部部分と、前記第1の端部部分から離間した第2の端部部分とを有するエネルギー方向転換要素であって、前記第1の端部部分で受け取ったエネルギーを前記第2の端部部分に向けて伝送するように構成されている、エネルギー方向転換要素と、を備え、
前記エネルギー方向転換要素の前記第2の端部部分は、前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分で受け取ったエネルギーが前記作動要素に伝送されるように、前記作動要素と少なくとも部分的に位置合わせされている、作動アセンブリ。
(項目2)
前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分は、前記作動要素から離間している、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目3)
前記エネルギー方向転換要素は、1つ以上の伝送構成要素を含み、前記1つ以上の伝送構成要素は、前記第1の端部部分において受け取ったエネルギーを前記第2の端部部分に向けて伝送するように構成されている、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目4)
前記1つ以上の伝送構成要素は、(i)プリズム、(ii)ミラー、及び/又は(iii)反射表面のうちの少なくとも1つを含む、項目3に記載の作動アセンブリ。
(項目5)
前記エネルギー方向転換要素は、光ファイバを含み、前記光ファイバは、伝送構成要素と、前記伝送構成要素を少なくとも部分的に取り囲む外部構成要素と、を含む、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目6)
前記伝送構成要素は、少なくとも1.34の屈折率を有する、項目5に記載の作動アセンブリ。
(項目7)
前記伝送構成要素は、少なくとも1.6の屈折率を有する、項目5に記載の作動アセンブリ。
(項目8)
前記伝送構成要素は、光学エポキシ及び/又はポリジメチルシロキサンから形成されている、項目5に記載の作動アセンブリ。
(項目9)
前記外部構成要素は、ガラス又はシリコーンエラストマから形成されている、項目5に記載の作動アセンブリ。
(項目10)
前記外部構成要素は、前記伝送構成要素の第1の屈折率未満の第2の屈折率を有する、項目5に記載の作動アセンブリ。
(項目11)
前記第2の屈折率は、最大1.6である、項目10に記載の作動アセンブリ。
(項目12)
前記第2の屈折率は、最大1.34である、項目10に記載の作動アセンブリ。
(項目13)
前記伝送構成要素は、前記エネルギー方向転換要素の内部内に位置決めされている、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目14)
前記エネルギー方向転換要素は、レーザエネルギーを伝送するように構成されている、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目15)
前記エネルギー方向転換要素は、円形、楕円形、湾曲形、弓形、曲線状、三角形、正方形、長方形、平行四辺形、蛇行形、ジグザグ状、直線、五角形、又は六角形の形状を有する、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目16)
前記エネルギー方向転換要素は、前記第1の端部部分と前記第2の端部部分との間の少なくとも5μmの距離で前記エネルギーを伝送するように構成されている、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目17)
前記作動要素は、第1の身体領域に位置決めされるように構成され、前記エネルギー方向転換要素は、前記第1の身体領域とは異なる第2の身体領域に位置決めされるように構成されている、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目18)
前記エネルギー方向転換要素は、エネルギーが0度~70度の間の入射角で前記第1の端部部分に印加されるときに、エネルギーを前記第2の端部部分に伝送するように構成されている、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目19)
前記作動要素は、第1の作動要素であり、前記エネルギー方向転換要素は、第1のエネルギー方向転換要素であり、前記作動アセンブリは、
第2の作動要素と、
第3の端部部分及び第4の端部部分を有する第2のエネルギー方向転換要素であって、前記第2のエネルギー方向転換要素は、前記第3の端部部分で受け取ったエネルギーを前記第4の端部部分に向けて伝送するように構成されている、第2のエネルギー方向転換要素と、を更に備え、
前記エネルギー方向転換要素の前記第4の端部部分は、前記第2のエネルギー方向転換要素の前記第3の端部部分で受け取ったエネルギーが前記第2の作動要素に伝送されるように、前記第2の作動要素と位置合わせされている、項目1に記載の作動アセンブリ。
(項目20)
前記第1の作動要素及び前記第2の作動要素は、前記シャントシステムの入口を通る流体の流れを制御するように構成された制御要素に結合されている、項目19に記載の作動アセンブリ。
(項目21)
アクチュエータを有するシャントシステムを通る流体流れを選択的に制御するための方法であって、
エネルギーをエネルギー方向転換要素の第1の端部部分に印加することと、
前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分から第2の端部部分に向けて前記エネルギーを方向転換することと、
前記アクチュエータの作動を駆動するために、前記第2の端部部分から前記アクチュエータに前記エネルギーを伝送することと、を含む、方法。
(項目22)
前記エネルギーを印加することは、0度~70度の間の入射角で前記エネルギーを印加することを含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記エネルギーを方向転換することは、前記エネルギーを少なくとも5μmの距離で伝送することを含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記エネルギー方向転換要素は、前記第1の端部部分に第1の領域を有し、第2の端部部分に第2の領域を有する伝送構成要素を含み、前記エネルギーを印加することは、前記エネルギーを前記伝送構成要素の前記第1の領域に印加することを含む、項目21に記載の方法。
(項目25)
前記第2の領域は、形状記憶アクチュエータと位置合わせされている、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記エネルギー方向転換要素の前記第1の端部部分は、見通し線を介してアクセス可能であり、前記エネルギー方向転換要素の前記第2の端部部分は、見通し線を介してアクセス不可能である、項目21に記載の方法。
(項目27)
前記エネルギー方向転換要素の前記第2の端部部分は、前記アクチュエータと少なくとも部分的に位置合わせされている、項目21に記載の方法。
【国際調査報告】