(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ペグ化アドレノメデュリンを調製する方法、その中間体およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 1/04 20060101AFI20240822BHJP
C07K 14/575 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
C07K1/04
C07K14/575 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510360
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022073150
(87)【国際公開番号】W WO2023021173
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591063187
【氏名又は名称】バイエル アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・オー・ショーンレバー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・シュターデルマイアー
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA10
4H045AA20
4H045BA20
4H045BA50
4H045BA57
4H045CA40
4H045DA30
4H045EA20
4H045FA10
4H045FA33
(57)【要約】
本発明は、式(I)によるペグ化アドレノメデュリンを調製する方法
そこで使用される中間体、および式(I)によるペグ化アドレノメデュリンの調製のための中間体の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)による化合物
【化1】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の前記溶媒和物を調製する方法であって、以下のステップ:
ステップ1)式(V)による化合物を提供するステップ
【化2】
ステップ2)式(VIa)または式(VIb)による化合物を提供するステップ
【化3】
【化4】
ステップ3)式(V)による化合物を式(VIa)または(VIb)による化合物と反応させるステップであって、それにより式(VIIa)または(VIIb)による化合物
【化5】
【化6】
が得られるステップ;
ステップ4)ステップ3)で得られた式(VIIa)または式(VIIb)による化合物を、樹脂からの酸誘導開裂に供するステップであって、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物
【化7】
【化8】
が得られ、ここで
式(VIIa)または式(VIIb)による化合物がR
1として(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基を含む場合、前記化合物を、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂に供し、次いで、樹脂からの酸誘導開裂に供し、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られるステップ;
ステップ5)任意に、ステップ4)の生成物が式(VIIIa)による化合物である場合、前記化合物を酸化剤と反応させるステップであって、それにより式(VIIIb)による化合物が得られるステップ;
ステップ6)ステップ4)またはステップ5)で得られた式(VIIIb)による化合物を開裂カクテルと反応させるステップであって、それにより式(II)による化合物
【化9】
が得られるステップ;
ステップ7)ステップ6)で得られた式(II)による化合物を式(IX)による化合物と反応させるステップであって、
【化10】
それにより式(I)による化合物が得られるステップ;を含み、
式中、
nは、数0、1または2を表し、
R
1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R
2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R
4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す、方法。
【請求項2】
ステップ1)で提供される式(V)による化合物が、以下のステップ:
ステップ1.1.a):式(IV)による化合物を提供するステップ
【化11】
と、
ステップ1.2):式(IV)による前記化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られる、ステップと
を含む方法によって調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ1)で提供される式(V)による前記化合物が、以下のステップ:
ステップ1.1.b):式(X)による化合物
【化12】
を、式(III)による化合物
【化13】
と反応させるステップであって、
それにより式(IV)による化合物が得られる、ステップと、
ステップ1.2):式(IV)による前記化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られる、ステップと
を含む方法によって調製される、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
式(III)による前記化合物が、式(III-1)による前記化合物
【化14】
である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ1.2)における前記パラジウム(0)源が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)((Pd(PPh
3)
4))、パラジウム(II)ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロリド(PdCl
2(Ph
3P)
2)、パラジウム木炭(PD/C)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)
2)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ3)がカップリング試薬の存在下で行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ4)における前記酸誘導開裂のための酸が、トリフルオロ酢酸、塩化水素、ジオキサン中塩化水素およびそれらの混合物から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ5)における前記酸化剤が、ヨウ素、ヨウ素塩、酸素、H
2O
2、ジピリジルジスルフィド(DPDS)およびそれらの混合物から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ6)における前記開裂カクテルが、トリフルオロ酢酸、ヨウ化アンモニウムおよび/またはそれらの混合物を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
式Iによる前記化合物、式(Ia)による前記化合物
【化15】
が得られる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
式(IV)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)および/または(VIIIb)のいずれか1つによる前記化合物から選択される化合物
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の前記溶媒和物であって、
式中、
nは数1を表し、
R
1は、アミン保護基を表し、
R
2は、アミン保護基を表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R
4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表し、前記アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される、化合物。
【請求項12】
請求項3または4のいずれか一項に記載のステップ1.1.b)を含む、式(IV)による前記化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の前記溶媒和物を調製する方法。
【請求項13】
式(VIIa)または(VIIb)による前記化合物を調製する方法であって、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を含み、請求項1または6のいずれか一項に記載のステップ3)を含む、方法。
【請求項14】
請求項1または7のいずれか一項に記載のステップ4)を含む、式(VIIIa)による前記化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の前記溶媒和物を調製する方法。
【請求項15】
請求項1、7または8のいずれか一項に記載のステップ4)および/またはステップ5)を含む、式(VIIIb)による前記化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の前記溶媒和物を調製する方法。
【請求項16】
式(I)または(Ia)による前記化合物を調製する前記方法における式(III-1)、(IV)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)および/または(VIIIb)のいずれか1つによる前記化合物の使用。
【請求項17】
式(VIIIa)および/または(VIIIb)による前記化合物を調製する前記方法における式(III-1)、(IV)、(VIIa)および/または(VIIb)のいずれか1つによる前記化合物の使用。
【請求項18】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法、請求項11に記載の式(IV)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)および/または(VIIIb)のいずれか1つによる前記化合物から選択される化合物、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法、または請求項16から17のいずれか一項に記載の使用であって、式中、
nは、数1を表し、
R
1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R
2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R
3は、水素、メチルを表し、
R
4aは、メチルまたはエチルを表し、
R
4bは、メチルまたはエチルを表し、
R
5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す、方法、化合物、方法、または使用
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の前記溶媒和物。
【請求項19】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法、請求項11に記載の式(IV)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)および/または(VIIIb)のいずれか1つによる前記化合物から選択される化合物、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法、または請求項16もしくは17のいずれか一項に記載の使用であって、式中、
nは、数1を表し、
R
1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R
2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R
3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R
4aおよびR
4bは、メチルまたはエチルを表し、
R
5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す、方法、化合物、方法、または使用
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の前記溶媒和物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)によるペグ化アドレノメデュリンを調製する方法
【化1】
そこで使用される中間体、および式(I)によるペグ化アドレノメデュリンの調製のための中間体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
固相ペプチド合成(SPPS)は、ペプチド活性医薬成分の工業的製造において確立された方法である。SPPSでは、不溶性支持体(一般にポリマー樹脂)に固定されたペプチドは、その配列を構成する保護アミノ酸部分の連続的な付加によって組み立てられる。合成中の望ましくない反応を抑制するために2種類の保護基が一般的に使用される:α-アミノ基上の塩基不安定性フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)などの「一時的」保護基は、添加されるアミノ酸誘導体の多量体化および複数回の挿入を回避するために使用される。それらは、各伸長サイクルの開始時に成長中のペプチド鎖から除去される。対照的に、アミノ酸側鎖保護基は、それらが合成全体を通してペプチド鎖上に維持されるという点で、通常「永久的」である。当業者は、ペプチド合成に使用され得る多数の側鎖保護基を十分に認識している。1つまたは複数のジスルフィド架橋を分子に導入する場合、特定の保護スキームが使用されている(例えば、Brochure「Solid Phase Peptide Synthesis Bachem-Pioneering Partner for Peptides」、Global Marketing,Bachem group出版、May2020;Dekanら、Angew.Chem.2014,126,1-5;Postman and Albericio Eur.J.Org.Chem.2014,3519-3530,Patek and Lebl:Peptides-Chemistry,Structure and Biology,Proceedings 13th APS,p.146,June 20.25 1993,ESCOM,Leiden 1994を参照)。
【0003】
ポリ(エチレングリコール)コンジュゲートペプチドは、それらの調製および精製の両方の操作に関する新たな課題を伴う。そのような課題は、ポリマー特性およびコンジュゲーション化学などの基本的な要因、ならびにこれらがどのように結合して修飾物質を変化させるかに関連する。例えば、ペプチド部分と比較してPEG部分のサイズが非常に大きいため、PEG化ペプチドの特性は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)部分が支配的であり得る。これは、ペプチド部分に関してのみ異なるPEG化ペプチドの分離を非常に困難にし得る。
【0004】
PEG化タンパク質およびPEG化ペプチドは、治療薬の重要なクラスである。それらの製造は、典型的には、天然タンパク質への1つまたは複数のPEG分子の共有結合を含み、次いで精製ステップが続く。ペグ化プロドラッグは当技術分野で公知である。国際公開第201364508号および国際公開第2013064455号には、式(I)によるペグ化アドレノメデュリンが記載されており、
【化2】
式中、nは、数0、1、2または3を表し、R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、R
5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す。
【0005】
式(I)は、非荷電化合物を示す。しかしながら、当業者は、ペプチドが両親媒性分子であることを十分に認識している。したがって、その環境に応じて、式(I)による化合物は、様々な位置、例えばそのアミノ基でプロトン化され得、例えばアミノ酸側鎖カルボキシ基の脱プロトン化によりアニオン性基を示し得、様々な対イオンと結合し、および/または塩を形成し得る。これは、本明細書に示される残りの化合物にも当てはまる。
【0006】
式(I)による化合物は、52アミノ酸ペプチドアドレノメデュリンおよびpH感受性(酸安定性)リンカー系を含む。国際公開第201364508号および国際公開第2013064455号に記載されている式(I)による式による化合物の製造方法は、固体支持体上でのポリペプチドの全合成、内部ジスルフィド架橋の形成による環化、リンカーの結合、固体支持体からの開裂および中間体の精製、ならびにPEG化および原薬の精製を含む。従来技術の合成をスキーム1に示す。
スキーム1:国際公開第201364508号(WO’508)による合成
【化3】
【0007】
式(I)による化合物を製造する上記の先行技術の方法は、いくつかの欠点を示す。例えば、ジスルフィド結合の樹脂上での形成は再現性が低い傾向があり、制御が困難である。さらに、PEG部分のサイズが非常に大きいため、式(I)の化合物を、分子のペプチドまたはリンカー部分の変動がわずかである関連物質から分離することは極めて困難である。したがって、効率的で安全な製造方法において、国際公開第201364508号の式(II)および国際公開第201364508号の式(III)による中間体間のPEG化反応は、副生成物の形成を回避する必要があり、好ましくは十分に制御された純粋な抽出物を使用して行われる。しかし、本発明者らは、固体支持体からの開裂およびそれに伴う酸不安定性保護基の開裂時に形成される式(II)による中間体は、製造および精製が非常に困難であることを見出した。
【0008】
原薬の高い品質および/または純度の要件を満たすためには、50個を超えるアミノ酸を含むアドレノメデュリンペプチド鎖の固相合成後に広範なクロマトグラフィー精製を行うことが必須である。残念ながら、この広範な精製の必要性は、中間体(II)の安定性が制限されているという事実と矛盾する。リンカーの遊離スルフヒドリル基は、中間体(II)の取り扱いおよび分析中に、例えば、ジスルフィドリシャッフリング反応、二量体形成および酸化を受けやすい。スケールアップすると、保持時間および処理時間が長くなり、これらの問題が強調され、それによって製品の品質および歩留まりが損なわれることが分かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第201364508号
【特許文献2】国際公開第2013064455号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Brochure「Solid Phase Peptide Synthesis Bachem-Pioneering Partner for Peptides」,Global Marketing,Bachem group出版,May2020
【非特許文献2】Dekanら,Angew.Chem.2014,126,1-5
【非特許文献3】Postman and Albericio Eur.J.Org.Chem.2014,3519-3530
【非特許文献4】Patek and Lebl:Peptides-Chemistry,Structure and Biology,Proceedings 13th APS,p.146,June 20.25 1993,ESCOM,Leiden 1994
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明者らは、驚くべきことに、PEG化反応の直前に、その後のクロマトグラフィー精製ステップを必要とせずに、再現性よく高純度の形態で中間体(II)を形成することを可能にする新しい合成戦略を考案した。
【0012】
本発明は、改善されたリンカー構造、改善されたリンカーペプチドコンジュゲート、ならびにそれらを製造および使用する方法を提供することによって、これらの利点を達成する。特に、本発明のリンカーおよびリンカーペプチドコンジュゲートは、安全キャッチ4,4’-ジメチルスルフィニルベンズヒドリル(Msbh)保護基をリンカーのスルフヒドリル部分に導入することにより、改善された安定性を示す。結果として、それらは製造および分析が容易であり、長期間の貯蔵時間によく適している。同時に、本発明のリンカー構造、リンカーペプチドコンジュゲートおよび方法は、Msbh保護基の制御された除去によって中間体(II)を生成することを可能にし、この除去反応は、介在するHPLC精製なしで後続のPEG化ステップと適合する。さらなる利点として、本発明の化合物および方法は、ペプチド鎖内のジスルフィド結合形成のより効率的な液相方法を可能にする。したがって、本発明の化合物および方法は、高品質の原薬を再現可能に送達し、シームレスなスケールアップを可能にする堅牢で効率的な製造方法を提供する。
【0013】
本発明は、式(I)による化合物
【化4】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を調製する方法であって、以下のステップ:
ステップ1)式(V)による化合物を提供するステップ
【化5】
ステップ2)式(VIa)または式(VIb)による化合物を提供するステップ
【化6】
【化7】
ステップ3)式(V)による化合物を式(VIa)または(VIb)による化合物と反応させるステップであって、それにより式(VIIa)または(VIIb)による化合物
【化8】
【化9】
が得られるステップ;
ステップ4)ステップ3)で得られた式(VIIa)または式(VIIb)による化合物を、樹脂からの酸誘導開裂に供するステップであって、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物
【化10】
【化11】
が得られ、ここで
式(VIIa)または式(VIIb)による化合物がR
1として(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基を含む場合、前記化合物を、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂に供し、次いで、樹脂からの酸誘導開裂に供し、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られるステップ;
ステップ5)任意に、ステップ4)の生成物が式(VIIIa)による化合物である場合、前記化合物を酸化剤と反応させるステップであって、それにより式(VIIIb)による化合物が得られるステップ;
ステップ6)ステップ4)またはステップ5)で得られた式(VIIIb)による化合物を開裂カクテルと反応させるステップであって、それにより式(II)による化合物
【化12】
が得られるステップ;
ステップ7)ステップ6)で得られた式(II)による化合物を式(IX)による化合物と反応させるステップであって、
【化13】
それにより式(I)による化合物が得られるステップ;を含み、
式中、nは、数0、1または2を表し、
R
1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R
2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R
4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す、方法に関する。
【0014】
本発明による方法を以下のスキーム2に簡単に示す。
スキーム2:
【化14】
【0015】
本発明の一実施形態では、本方法は、ステップ1)、2)、3)、4)、5)、6)および7)を含む。これを以下のスキーム3に簡単に開示する。
スキーム3:
【化15】
【0016】
本発明の一実施形態では、本方法は、ステップ1)、2)、3)、4)、6)および7)を含む。これを以下のスキーム4に簡単に開示する。
スキーム4:
【化16】
【0017】
本発明による方法は、式(I)による化合物
【化17】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を提供し、式中、
nは、数0、1または2を表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R
5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す。
【0018】
「式(I)の化合物」または「PEG-ADM」または「ADMのPEGに基づくプロドラッグ」または「アドレノメデュリン・ぺゴール」という用語は、同義語として使用され得る。「式(I)の化合物」または「PEG-ADM」または「ADMのPEGに基づくプロドラッグ」または「アドレノメデュリン・ぺゴール」という用語はまた、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を含む。「PEG-ADM」は、式(Ia)による化合物の同義語として使用されることがある。
【0019】
それらの構造に応じて、本発明による化合物は、立体異性体形態(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。したがって、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの特定の混合物を包含する。立体異性体的に均質な成分は、このようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から公知の方法で単離することが可能である。
【0020】
本発明による化合物が互変異性型で生じ得る場合、本発明はすべての互変異性型を包含する。
【0021】
「化合物」という用語はまた、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を含む。
【0022】
「塩」という用語は当技術分野で公知である。「塩」という用語は、「生理学的に許容され得る塩」または「薬学的に許容され得る塩」という用語、またはそれ自体が製薬用途に適していない塩も含み得る。一実施形態は、それ自体が製薬用途に適していない塩を指す。一実施形態は、それ自体が製薬用途に適していないが、例えば、本発明による化合物を単離または精製するために使用することができる塩を指す。
【0023】
本発明による化合物の「生理学的に許容され得る塩」または「薬学的に許容され得る塩」には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。本発明による化合物の「生理学的に許容され得る塩」または「薬学的に許容され得る塩」には、慣用的な塩基の塩、例えばおよび好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)、およびアンモニアまたは1~16個の炭素原子を有する有機アミンに由来するアンモニウム塩、例えばおよび好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N-メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN-メチルピペリジンも含まれる。本発明による組み合わせに使用することができる適切な薬学的に許容され得る塩は、当業者に周知であり、無機酸、有機酸、無機塩基、アルカリカチオン、アルカリ土類カチオンおよび有機塩基の塩を含む。一実施形態では、薬学的に許容され得る塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フェニル酢酸およびマンデル酸、酢酸塩、安息香酸、ベシル酸塩、臭化物、カンシル酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エストレート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、重酒石酸塩、トシル酸塩、カルシウム、ジオラミン、リチウム、リジン、マグネシウム、メグルミン、N-メチルグルカミン、オラミン、カリウム、トロメタミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩および亜鉛から選択され得る。一実施形態では、薬学的に許容され得る塩は、塩酸塩、硫酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、およびリン酸塩から選択され得る。
【0024】
本発明の文脈において、溶媒和物は、溶媒分子による配位によって固体または液体状態で錯体を形成する本発明による化合物の形態を指す。水和物は、配位が水によるものである溶媒和物の特別な形態である。一実施形態では、本発明の文脈における溶媒和物は水和物である。
【0025】
式(I)による化合物は、メトキシ基でエンドキャップされたポリ(エチレングリコール)(PEG)側鎖を含む。このPEG部分またはPEG側鎖は、式(I)のR5に存在する。これらの側鎖は、国際公開第201364508号に既に記載されている。PEGは、ポリマーである。ポリマーは、任意の分子量であってもよく、分岐または非分岐であってもよい。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコールは分岐構造を有し得る。分岐ポリエチレングリコールは、例えば、米国特許第5,643,575号;Morpurgoら、Appl.Biochem.Biotechnol.56:59-72(1996);Vorobjevら、Nucleosides Nucleotides 18:2745-2750(1999);およびCalicetiら、Bioconjug.Chem.10:638-646(1999)に記載されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコール(PEG)は直鎖構造を有し得る。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコールは分岐構造を有し得る。本発明の一実施形態では、PEG側鎖は、約1kDa~約100kDaである。一実施形態では、PEGは、20kDa、25kDa、30kDa、35kDa、40kDa、45kDa、50kDa、55kDa、60kDa、65kDa、70kDa、75kDaおよび80kDaから選択され、PEGはメトキシ基でエンドキャップされている。本発明の一実施形態によれば、PEG側鎖は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaである。本発明の一実施形態では、PEG側鎖は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 30kDa~60kDaである。本発明の一実施形態では、PEG側鎖は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaである。
【0027】
所望のプロファイル(例えば、所望される持続放出の持続時間、(もしあれば)生物学的活性に対する効果、取り扱いの容易さ、抗原性の程度または欠如、およびポリエチレングリコールのペプチドまたは類似体に対する他の既知の効果)に応じて、他のサイズを使用してもよい。
【0028】
本発明の一実施形態では、PEG側鎖は、直鎖または分岐のPEGである。本発明の一実施形態では、PEG側鎖は、直鎖PEGである。本発明の一実施形態では、PEG側鎖は、分岐PEGである。分岐ポリエチレングリコールは、例えば、米国特許第5,643,575号;Morpurgoら、Appl.Biochem.Biotechnol.56:59-72(1996);Vorobjevら、Nucleosides Nucleotides 18:2745-2750(1999);およびCalicetiら、Bioconjug.Chem.10:638-646(1999)に記載されている。
【0029】
式(I)による化合物は、アドレノメデュリン(ADM)配列を含む。アミノ酸は、それらの完全名(例示:アラニン)、3文字コード(例えば、Ala)、または1文字コード(例えば、A)のいずれかによって交換可能に呼ばれる。エナンチオマー形態が明示的に特定されない限り、L-アミノ酸は一般に以下が参照される:International Union of Pure and Applied Chemistry and International Union of Biochemistry:Nomenclature and Symbolism for Amino Acids and Peptides(Recommendations 1983)。In:Pure&Appl.Chem.56,Vol.5,1984,p.595-624。
【0030】
【0031】
本明細書で使用される場合、「ペプチド」および「ポリペプチド」という用語は互換的に理解され得る。他に示されない限り、N末端(左)から始まりC末端(右)で終わるペプチド配列が本明細書において示される。N末端アミノ基への置換基は、ハイフンで区切られて配列の左側に示され、C末端カルボキシル基への置換基は、ハイフンで区切られて配列の右側に示される。N末端およびC末端が修飾されていないことを強調するために、それらはそれぞれH-および-OHとして示され得る。例えば、H-GLA-OH、GLA、H-Gly-Leu-Ala-OHおよびGly-Leu-Alaという表記はすべて同等であり、N末端アミノ基(「H」)およびC末端カルボキシル(「OH」)基が修飾されていないトリペプチドを指す。さらなる例として、H-GLA-NH2という表記は、未修飾のN末端アミノ基およびC末端のカルボキサミドを有するトリペプチドを指す。アミノ酸側鎖への置換基は、それぞれのアミノ酸記号の右側の括弧内に示され得る。類似の表記法がアミノ酸誘導体に使用される。本明細書で使用される場合、アミノ酸配列(例えば、Arg-Ser-Lys、別名:RSK)は、保護されていないペプチドおよび保護された側鎖部分を有する誘導体(例えば、Arg(pg1)-Ser(pg2)-Lys(pg3))の両方を指す。保護基の存在を明確に定義するために、それらの存在をそれぞれのアミノ酸記号の右側に括弧で示す(例えば、Arg(pg1)-Ser(pg2)-Lys(pg3))。
【0032】
ADMの52アミノ酸配列は以下の通りである。
【化18】
【0033】
Cys(16)とCys(21)との間にジスルフィド架橋が形成され得る。
「ADM(2-52)」は、以下のようなADMの51アミノ酸部分配列である。
【化19】
【0034】
Cys(16)とCys(21)との間にジスルフィド架橋が形成され得る。本明細書で使用される場合、アミノ酸配列のスルフヒドリル側鎖は、別途指定されない限り、pgが保護基である-SHまたは-S-pgであると見なされる。分子中のジスルフィド架橋の存在を明確に定義するために、配列は以下のように示され得る:
【化20】
【0035】
例えば、式(VIa)による化合物は、Cys部分の両方のスルフヒドリル側鎖が-SHまたはS-pgであり、pgが保護基である直鎖ADM(2-52)配列を含む。
【化21】
【0036】
式(VIb)による化合物は、Cys(16)とCys(21)との間にジスルフィド架橋が形成されている、すなわちCys部分の両方のスルフヒドリル側鎖が酸化状態(-S-S-)にある、環状ADM(2-52)配列を含む:
【化22】
【0037】
一実施形態では、本発明による方法は、式(I)による化合物であって、式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素、メチル、エチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す、化合物、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を提供する。
【0038】
一実施形態では、本発明による方法は、式(I)による化合物であって、式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素、メチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す、化合物、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を提供する。
【0039】
一実施形態では、本発明による方法は、式(I)による化合物であって、式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素を表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す、化合物、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を提供する。
【0040】
一実施形態では、本発明による方法は、式(I)による化合物であって、式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素、メチル、エチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す、化合物、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を提供する。
【0041】
一実施形態では、本発明による方法は、式(I)による化合物であって、式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素、メチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す、化合物、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を提供する。
【0042】
一実施形態では、本発明による方法は、式(I)による化合物であって、式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素を表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す、化合物、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を提供する。
【0043】
一実施形態では、本発明による方法は、式(Ia)による化合物
【化23】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を提供する。式(Ia)による化合物は、国際公開第2013064508号に詳細に記載されている。そのCAS番号は1432735-93-7である。式(Ia)による化合物の国際一般名(INN)は「アドレノメデュリン・ぺゴール」である。
【0044】
以下では、本発明のさらなる実施形態および態様について説明する。
【0045】
ステップ1)において、式(V)による化合物
【化24】
が提供され、
式中、
nは、数0、1または2を表し、
R
1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R
2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R
4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表す。
【0046】
この実施形態は、スキーム5に簡単に示されている。
スキーム5:
【化25】
【0047】
一実施形態では、式(I)による化合物を調製する方法は、ステップ1.1.a)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)、ステップ4)、ステップ5)、ステップ6)およびステップ7)を含む。一実施形態では、調製する方法は、ステップ1.1.a)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)、ステップ4)、ステップ6)およびステップ7)を含む。
【0048】
式(IV)および/または式(V)のいずれか1つによる化合物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに従って開示されるように定義することができる。ステップ1.2)は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに従って開示されるように実施することができる。
【0049】
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.a):式(IV)による化合物を提供するステップ
【化26】
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数0、1または2を表し、
R
1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R
2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R
4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表す。
【0050】
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.a):式(IV)による化合物を提供するステップ
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0051】
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.a):式(IV)による化合物を提供するステップ
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルを表し
R4bは、メチルを表す。
【0052】
ステップ1)またはステップ1.1a)および1.2)において提供される式(V)による化合物のさらなる実施形態を以下に提供する。
【0053】
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物
【化27】
を、式(III)による化合物
【化28】
と反応させるステップであって、それにより式(IV)による化合物が得られるステップ;
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数0、1または2を表し、
R
1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R
2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R
4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表す。
【0054】
この実施形態は、スキーム6に簡単に示されている。
スキーム6:
【化29】
【0055】
一実施形態では、調製する方法は、ステップ1.1.b)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)、ステップ4)、ステップ5)、ステップ6)およびステップ7)を含む。一実施形態では、調製する方法は、ステップ1.1.b)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)、ステップ4)、ステップ6)およびステップ7)を含む。
【0056】
式(X)、式(III)、式(IV)および/または式(V)のいずれか1つによる化合物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに従って開示されるように定義することができる。ステップ1.2)は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに従って開示されるように実施することができる。
【0057】
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を、式(III)による化合物と反応させるステップであって、それにより式(IV)による化合物が得られるステップ;
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を、式(III)による化合物と反応させるステップであって、それにより式(IV)による化合物が得られるステップ;
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルを表し
R4bは、メチルを表す。
【0058】
一実施形態では、ステップ1.1.b)で使用される式(III)による化合物は、4,4’-ジメチルスルフィニルベンズヒドリル(Msbh)保護基(式(III-1)による化合物)である。
【化30】
【0059】
式(III-1)による化合物は、以下の実験部、実施例3および4に記載されるように調製することができる。
【0060】
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を、式(III-1)による化合物と反応させるステップであって、それにより式(IV)による化合物が得られるステップ;
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数0、1または2を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表す。
【0061】
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を、式(III-1)による化合物と反応させるステップであって、それにより式(IV)による化合物が得られるステップ;
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表す。
【0062】
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を、式(III-1)による化合物と反応させるステップであって、それにより式(IV)による化合物が得られるステップ;
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表す。
【0063】
ステップ1)の一実施形態では、ステップ1)において提供される式(V)による化合物は、以下のステップを含む方法によって調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を、式(III-1)による化合物と反応させるステップであって、それにより式(IV)による化合物が得られるステップ;
ステップ1.2):式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップであって、それにより式(V)による化合物が得られるステップであり、
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表す。
【0064】
ステップ1)またはステップ1.1a)および1.2)において提供される式(V)による化合物のさらなる実施形態を以下に提供する。
【0065】
一実施形態では、ステップ1.1.b)は、ハロ炭化水素、エーテルまたはそれらの混合物から選択される不活性溶媒中で行われる。一実施形態では、ステップ1.1.b)は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、2-メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、テトラヒドロフラン(THF)、トリクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、アセトン、ジメチルアセトアミド、2-ブタノン、アセトニトリル、シメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、1,3-ジオキソラン、トルエン、N-ブチルピロリドン、ジメチルイソソルビド、ガンマ-バレロラクトン、2,5,7,10-テトラオキサウンデカン(TOU)、ジヒドロレボ-グルコセノン(Cyrene)、テトラヒドロピラン(THP)、N-ホルミル-モルホリン(NFM)、アセトニトリル、プロピレンカーボネート(PC)、アニソールおよびそれらの混合物から選択される不活性溶媒中で行われる。
【0066】
一実施形態では、ステップ1.1.b)は、-5℃~50℃の温度で実施される。一実施形態では、ステップ1.1.b)は、0℃~40℃の温度で行われる。一実施形態では、工程1.1.b)は、0℃~35℃の温度で行われる。
【0067】
一実施形態では、ステップ1.1.b)は、カップリング試薬の存在下で行われる。一実施形態では、ステップ1.1.b)におけるカップリング試薬は、N,N’-ジエチル-カルボジイミド、N,N’-ジプロピル-カルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、N,N’-ジシクロヘキシル-カルボジイミド、N-(3-ジメチルアミノイソプロピル)-N’-エチル-カルボジイミド塩酸塩(EDC)、N-シクロヘキシルカルボジイミド-N’-プロピルオキシメチル-ポリスチレン(PS-カルボジイミド)、カルボニルジイミダゾール、2-エチル-5-フェニル-1,2-オキサゾリウム3-サルフェートまたは2-tert-ブチル-5-メチルイソオキサゾリウムペルクロレート、2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、プロパンホスホン酸無水物、クロロギ酸イソブチル、ビス-(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスホリルクロリド、ベンゾトリアゾリルオキシトリ(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O-(ベンゾ-トリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、ベンゾトリアゾール-1-イル-N-テトラメチル-ウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、2-(2-オキソ-1-(2H)-ピリジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TATU)、エチルシアノヒドロキシイミノアセテート(oxyma)、カルボジイミドと組み合わせた1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP))、カルボジイミドと組み合わせたN-ヒドロキシスクシンイミド、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PYBOP)、((1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウム-ヘキサフルオロホスフェート)(COMU)、(3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4-オン)(DEPBT)、[エチル-シアノ(ヒドロキシイミノ)アセタト-O2]トリ-1-ピロリジニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyOxim)、およびそれらの混合物から選択される。
【0068】
一実施形態では、ステップ1.1.b)は、塩基の存在下で行われる。一実施形態では、ステップ1.1.b)は、アルカリ金属炭酸塩、有機塩基およびそれらの混合物から選択される塩基の存在下で行われる。一実施形態では、ステップ1.1.b)は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルピペリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、リン酸カリウム溶液、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、ヒューニッヒ塩基)およびそれらの混合物から選択される塩基の存在下で行われる。
【0069】
さらなる態様は、式(IV)による化合物を調製するための式(III-1)による化合物の使用である。さらなる態様は、式(V)による化合物を調製するための式(III-1)による化合物の使用である。さらなる態様は、式(VIIa)または(VIIb)による化合物を調製するための式(III-1)による化合物の使用である。さらなる態様は、式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物を調製するための式(III-1)による化合物の使用である。さらなる態様は、式(I)による化合物を調製するための式(III-1)による化合物の使用である。さらなる態様は、式(Ia)による化合物を調製するための式(III-1)による化合物の使用である。
【0070】
一実施形態では、ステップ1.2)におけるパラジウム源は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)((Pd(PPh3)4))、パラジウム(II)ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロリド(PdCl2(Ph3P)2)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、パラジウム木炭(Pd/C)およびそれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態では、ステップ1.2)におけるパラジウム(0)源は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)((Pd(PPh3)4))である。
【0071】
一実施形態では、ステップ1.2)における求核剤は、ギ酸、酢酸、トリエチルシラン、ピロリジン、モルホリン、ジメドン、ジメチルバルビツール酸、ジメチルアミンボラン錯体およびそれらの混合物から選択される。
【0072】
ステップ2)において、式(VIa)または式(VIb)による化合物
【化31】
【化32】
が提供される。式(VIa)または式(VIb)による化合物は、支持体に連結されたADM(2-52)ペプチド鎖を含む。
【0073】
ステップ2)の一実施形態では、式(VIa)による化合物が提供される。ステップ2)の一実施形態では、式(VIb)による化合物が提供される。
【0074】
ステップ2)の一実施形態では、式(VIa)における支持体または式(VIb)における支持体は、ポリスチレン、アミド結合を介したカルボン酸の結合を可能にする末端基を有する官能化ポリスチレン、Rinkリンカー、三環式アミドリンカー、キサンテニルリンカー、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリスチレンを有するからなる群から選択される。可能な支持体のさらなる実施形態は、Rink-Amide型ポリスチレン、Ramage樹脂および/またはTentagel(商標)である。
【0075】
ステップ2)の一実施形態では、式(VIa)または(VIb)による化合物のいくつかのアミノ酸側鎖は、保護基(pg)を有する、すなわち式(VIa)または(VIb)による化合物のアミノ酸側鎖に位置する少なくとも1つの反応性部分は、保護基によって修飾されている。ステップ2)の一実施形態では、アミノ酸側鎖に位置するすべてのカルボキシル、アミノおよびスルフヒドリル部分は、保護基を有する。
【0076】
少なくとも1つまたは複数の側鎖保護基は、以下の式(VIa-1)または(VIb-1)に示すように、ADM(2-52)アミノ酸配列に配置することができる。
1文字コード:
R(pg1)Q(pg2)S(pg3)M(pg4)N(pg5)N(pg6)FQ(pg7)GLR(pg8)S(pg9)FGC(pg32)R(pg10)FGT(pg11)C
(pg33)T(pg12)VQ(pg13)K(pg14)LAH(pg15)Q(pg16)IY(pg17)Q(pg18)FT(pg19)D(pg20)K(pg21)D(pg22)K(pg23)D(pg24)N(pg25)VAPR(pg26)S(pg27)K(pg28)IS(pg29)PQ(pg30)GY(pg31)
(VIa-1)
1文字コード:
【化33】
【0077】
一実施形態では、各保護基は独立して存在しないか、または、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル(Pmc)、2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル(Pbf)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMT)、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)、4-メチルトリチル(Mtt)、キサンテニル(Xan)、O-3-メチルペンタ-3-イル(OMpe)、β-3-メチルペンタ-3-イル(Mpe)、アリルエステル(OAll)、4-{-[1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル]アミノ}ベンジルエステル(ODmab)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2-(1’-アダマンチル)-2-プロピルオキシカルボニル(Adpoc)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル(Dde)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、tert-ブチル(tBu)、トリフェニルメチル(Trt)、ベンジル(Bzl)、ジフェニルメチル(Dpm)、アセトアミドメチル(Acm)、2-{[(4-メトキシトリチルチオ)オキシ]メチル}ベンゾエート(Mob)、p-メトキシフェニルジフェニルメチル(Mmt)、4-メチルベンジル(Mbzl)、tert-ブチルチオ(StBu)基、Ser、ThrおよびCysの側鎖とα-アミノ基との間に形成されたオキサゾリジン基、ならびにSer、ThrおよびCysの側鎖とα-アミノ基との間に形成されたチアゾリジン基から独立して選択される。
【0078】
保護基(pg)pg1~pg31は、互いに独立して選択され、同じであっても異なっていてもよい。保護基のいくつか、特にpg4は、欠損していてもよい。保護基pg1~pg31は、当分野で公知の保護基の中から選択してもよい。保護基の例は、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル(Pmc)、2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル(Pbf)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMT)、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)、4-メチルトリチル(Mtt)、キサンテニル(Xan)、O-3-メチルペンタ-3-イル(OMpe)、アリルエステル(OAll)、4-{-[1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル]アミノ}ベンジルエステル(ODmab)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2-(1’-アダマンチル)-2-プロピルオキシカルボニル(Adpoc)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル(Dde)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、tert-ブチル(tBu)、トリフェニルメチル(=Trityl)(Trt)、ベンジル(Bzl)、ジフェニルメチル(Dpm)、アセトアミドメチル(Acm)、2-{[(4-メトキシトリチルチオ)オキシ]メチル}ベンゾエート(Mob)、p-メトキシフェニルジフェニルメチル(Mmt)、4-メチルベンジル(Mbzl)、およびtert-ブチルチオ(StBu)基を含む。保護基のさらなる例は、Ser、ThrおよびCysの側鎖とα-アミノ基との間に形成されるオキサゾリジン基およびチアゾリジン基を含む。これらの保護基は、先行アミノ酸の対応するFmocジペプチドと以下のアミノ酸のオキサゾリジンまたはチアゾリジン誘導体とのカップリングによってペプチド配列に導入され得る。そのようなジペプチドは、しばしばシュードプロリンジペプチドと呼ばれ、容易に入手可能であり、樹脂上の凝集を防止するために使用され得る。一実施形態では、pg3、pg9、pg11、pg12、pg19、pg27およびpg29から選択される少なくとも1つの保護基は、オキサゾリジン、好ましくはオキサゾリジン環の2位に2つのメチル置換基を有するもの((Psi(Me,Me)pro))であり得る。別の実施形態では、pg3、pg9、pg11、pg12、pg19、pg27およびpg29から選択される少なくとも2つの保護基は、オキサゾリジン、好ましくはオキサゾリジン環の2位に2つのメチル置換基を有するもの((Psi(Me,Me)pro))であり得る。別の実施形態では、少なくとも2つの保護基は、オキサゾリジン、好ましくはオキサゾリジン環の2位に2つのメチル置換基を有するもの((Psi(Me,Me)pro))であり得、オキサゾリジンの位置は、pg3およびpg9;pg3およびpg11;pg3およびpg12;pg3およびpg19;pg3およびpg27;pg3およびpg29;pg9およびpg11;pg9およびpg12;pg9およびpg19;pg9およびpg27;pg9およびpg29;pg11およびpg12;pg11およびpg19;pg11およびpg27;pg11およびpg29;pg12およびpg19;pg12およびpg27;pg12およびpg29;pg19およびpg27;pg19およびpg29;ならびにpg27およびpg29からなる群から選択される。別の実施形態では、少なくとも2つの保護基は、オキサゾリジン、好ましくはオキサゾリジン環の2位に2つのメチル置換基を有するもの((Psi(Me,Me)pro))であり得、オキサゾリジンの位置は、pg3およびpg9;pg3およびpg11;pg3およびpg19;pg9およびpg11;pg9およびpg19;ならびにpg11およびpg19からなる群から選択される。
【0079】
式(VIa)または(VIb)による化合物は、Fmoc-Gln(Trt)-Ser(Psi(Me,Me)pro)-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-Ser(Psi(Me,Me)pro)-OH、Fmoc-Gly-Thr(Psi(Me,Me)pro)-OH、Fmoc-Phe-Thr(Psi(Me,Me)pro)-OH、およびFmoc-Ile-Ser(Psi(Me,Me)pro)-OHからなる群から選択される少なくとも1つのジペプチドを用いて構築され得る。式(VIa)による化合物のいくつかの実施形態では、pg32およびpg33から選択される少なくとも1つの保護基は、チアゾリジン、好ましくはチアゾリジン環の2位に2つのメチル置換基を有するもの((Psi(Me,Me)pro))であり得る。いくつかの実施形態では、式(VIa)による化合物は、Fmoc-Gly-Cys(Psi(Me,Me)pro)-OHおよびFmoc-Thr(tBu)-Cys(Psi(Me,Me)pro)-OHからなる群から選択される少なくとも1つのジペプチドを使用して構築され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、保護基pg1~pg33は塩基耐性であり、すなわち、ペプチドからのFmoc開裂が行われる条件に対して本質的に耐性である。好ましくは、保護基pg1~pg3およびpg5~pg33は塩基耐性でありかつ酸不安定性であり、すなわち、トリフルオロ酢酸での処理時に開裂可能である。いくつかの実施形態では、少なくとも保護基pg1~pg3およびpg5~pg31は、塩基耐性かつ酸不安定性である。いくつかの実施形態では、式(VIa)または(VIb)による化合物は、SerまたはThr側鎖の少なくとも1つのオキサゾリジン保護基を含み、Arg、Gln、Ser、Asn、Gln、Cys、Thr、Lys、His、TyrおよびAspのすべての側鎖が側鎖保護基を有する。いくつかの実施形態では、式(VIa)による化合物は、SerまたはThr側鎖の2つのオキサゾリジン保護基を含み、Arg、Gln、Ser、Asn、Gln、Cys、Thr、Lys、His、TyrおよびAspのすべての側鎖が、側鎖保護基、好ましくは酸不安定性側鎖保護基を有する。いくつかの実施形態では、式(VIa)または(VIb)による化合物は、SerまたはThr側鎖の少なくとも1つ、好ましくは2つのオキサゾリジン保護基を含み、Arg、Gln、Ser、Asn、Gln、Cys、Thr、Lys、His、TyrおよびAspの他のすべての側鎖は、2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル(Pbf)、トリフェニルメチル(Trt)、tert.ブチル(tBu)、ジフェニルメチル(Dpm)、t-ブトキシカルボニル(Boc)、およびO-3-メチルペンタ-3-イル(OMpe)からなる群から独立して選択される側鎖保護基を有する。
【0081】
式(VIa)または(VIb)による化合物は、任意の考えられる方法で提供され得る。例えば、化合物は、固相ペプチド合成(SPPS)、好ましくはFmoc-SPPSによって提供され得る。これは、単一アミノ酸誘導体と、任意に、Fmoc-シュードプロリンジペプチドなどのジペプチドとのその後のカップリングを含み得る。合成の他の可能性は、より大きな断片、好ましくはN末端グリシンまたはプロリン残基を有する断片のカップリングを含む。そのような断片は、液相ペプチド合成または固相ペプチド合成のいずれかによって事前に合成され得る。式(VIb)による化合物は、例えばヨウ素を酸化剤として使用して、樹脂上の保護されたまたは保護されていないスルフヒドリル基を酸化することによって得てもよい。対応する方法は周知であり、当業者に容易に利用可能である。式(VIa)または式(VIb)による化合物もまた当技術分野で公知であり、国際公開第201364508号に既に記載されている。式(VIa)または式(VIb)による化合物は、以下の実験部、実施例7aまたは実施例7bに記載されるように調製することができる。
【0082】
ステップ3)において、式(V)による化合物を式(VIa)または(VIb)による化合物と反応させ、それにより式(VIIa)または(VIIb)による化合物
【化34】
が得られ、式中、
nは、数0、1または2を表し、
R
1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R
2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R
4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表す。
【0083】
一実施形態では、式(V)による化合物を式(VIa)または(VIb)による化合物と反応させ、それにより式(VIIa)または(VIIb)による化合物が得られ、
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0084】
一実施形態では、式(V)による化合物を式(VIa)または(VIb)による化合物と反応させ、それにより式(VIIa)または(VIIb)による化合物が得られ、
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルを表し
R4bは、メチルを表す。
【0085】
式(VIIa)および/または式(VIIb)のいずれか1つによる化合物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに従って開示されるように定義することができる。
【0086】
ステップ3)の一実施形態では、式(VIIa)または(VIIb)による化合物中の樹脂は、Ramage、すなわち三環式アミドリンカー樹脂、Rinkアミド樹脂、キサンテニル樹脂、Sieber樹脂およびそれらの混合物から選択される。
【0087】
一実施形態では、ステップ3)は、不活性溶媒中で行われる。一実施形態では、ステップ3)の不活性溶媒は、ハロ炭化水素、エーテルおよびそれらの混合物から選択される。一実施形態では、ステップ3)の不活性溶媒は、2-ブタノン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2-ブタノン、アセトニトリル、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、アセトン、ジメチルホルムアミドおよびそれらの混合物から選択される。
【0088】
一実施形態では、ステップ3)は、カップリング試薬の存在下で行われる。一実施形態では、ステップ3)におけるカップリング試薬は、N,N’-ジエチル-カルボジイミド、N,N’-ジプロピル-カルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、N,N’-ジシクロヘキシル-カルボジイミド、N-(3-ジメチルアミノイソプロピル)-N’-エチル-カルボジイミド塩酸塩(EDC)、N-シクロヘキシルカルボジイミド-N’-プロピルオキシメチル-ポリスチレン(PS-カルボジイミド)、カルボニルジイミダゾール、2-エチル-5-フェニル-1,2-オキサゾリウム3-サルフェートまたは2-tert-ブチル-5-メチルイソオキサゾリウムペルクロレート、2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、プロパンホスホン酸無水物、クロロギ酸イソブチル、ビス-(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスホリルクロリド、ベンゾトリアゾリルオキシトリ(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O-(ベンゾ-トリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、ベンゾトリアゾール-1-イル-N-テトラメチル-ウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、2-(2-オキソ-1-(2H)-ピリジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TATU)、エチルシアノヒドロキシイミノアセテート(oxyma)、カルボジイミドと組み合わせた1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP))、カルボジイミドと組み合わせたN-ヒドロキシスクシンイミド、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PYBOP)、((1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウム-ヘキサフルオロホスフェート)(COMU)、(3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4-オン)(DEPBT)、[エチル-シアノ(ヒドロキシイミノ)アセタト-O2]トリ-1-ピロリジニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyOxim)、およびそれらの混合物から選択される。
【0089】
一実施形態では、ステップ3)は、塩基の存在下で行われる。一実施形態では、ステップ3)における塩基は、アルカリ金属炭酸塩、有機塩基およびそれらの混合物から選択される。一実施形態では、ステップ3)における塩基は、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミンおよびそれらの混合物から選択される。一実施形態では、ステップ3)における塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、N-メチル-モルホリン、N-メチルピペリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびそれらの混合物から選択される。
【0090】
一実施形態では、ステップ3)における塩基処理は、0℃~70℃の温度で行われる。一実施形態では、ステップ3)における塩基処理は、20℃~70℃の温度で行われる。一実施形態では、ステップ3)における塩基処理は、15℃~35℃の温度で行われる。
【0091】
一実施形態では、ステップ3)の塩基処理は、20℃~70℃の温度および0.9~6バールの圧力で実行される。一実施形態では、ステップ3)における塩基処理は、15℃~35℃の温度で行われる。一実施形態では、ステップ3)における塩基処理は、20℃~30℃の温度で行われる。一実施形態では、ステップ3)における塩基処理は、15℃~35℃の温度およびおよそ1バールの圧力で行われる。
【0092】
ステップ4)では、ステップ3)において得られた式(VIIa)または式(VIIb)による化合物を、樹脂から酸誘導開裂に供し、それによって式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物
【化35】
が得られ、ここで、
式(VIIa)または式(VIIb)による化合物がR
1として(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基を含む場合、前記化合物を、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂に供し、次いで、樹脂からの酸誘導開裂に供し、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ;
式中、
nは、数0、1または2を表し、
R
1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R
2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R
4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R
4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表す。
【0093】
ステップ4)の一実施形態では、ステップ3)において得られた式(VIIa)または式(VIIb)による化合物を、樹脂から酸誘導開裂に供し、それによって式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ、ここで、
式(VIIa)または式(VIIb)による化合物がR1として(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基を含む場合、前記化合物を、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂に供し、次いで、樹脂からの酸誘導開裂に供し、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ;
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0094】
ステップ4)の一実施形態では、ステップ3)において得られた式(VIIa)または式(VIIb)による化合物を、樹脂から酸誘導開裂に供し、それによって式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ、ここで、
式(VIIa)または式(VIIb)による化合物がR1として(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基を含む場合、前記化合物を、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂に供し、次いで、樹脂からの酸誘導開裂に供し、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ;
式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルを表し、
R4bは、メチルを表す。
【0095】
式(VIIIa)および/または式(VIIIb)のいずれか1つによる化合物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに従って開示されるように定義することができる。
【0096】
ステップ4)において、酸処理はまた、残りの側鎖保護基(pg)の開裂を誘導することができる。
【0097】
一実施形態では、ステップ4)において得られた式(VIIa)または式(VIIb)による化合物を、樹脂からの酸誘導開裂および残りの側鎖保護基の開裂に供し、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物を得る。
【0098】
一実施形態では、ステップ4)における酸誘導開裂のための酸は、トリフルオロ酢酸、塩化水素、ジオキサン中塩化水素およびそれらの混合物から選択される。
【0099】
一実施形態では、ステップ4)は、少なくとも80%のTFA(V/V)と、水、チオール、シランおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのスカベンジャーとを含む開裂組成物を使用して行われる。
【0100】
一実施形態では、ステップ4)は、-10℃~40℃の温度で行われる。一実施形態では、ステップ4)は、-10℃~30℃の温度で行われる。一実施形態では、ステップ4)は、-10℃~40℃の温度で1~5時間行われる。一実施形態では、ステップ4)は、-10℃~30℃の温度で1~5時間行われる。
【0101】
ステップ4)の一実施形態では、式(VIIa)または式(VIIb)による化合物がR1として(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基を含む場合、前記化合物を、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂に供し、次いで、樹脂からの酸誘導開裂に供し、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られる。
【0102】
ステップ4)の一実施形態では、ステップ3)において得られた式(VIIa)または式(VIIb)による化合物を、樹脂から酸誘導開裂に供し、それによって式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ、ここで、
-式(VIIa)または式(VIIb)による化合物は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂に供され、
-次いで、樹脂からの酸誘導開裂に供され、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ;
式中、
nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表す。
【0103】
ステップ4)の一実施形態では、ステップ3)において得られた式(VIIa)または式(VIIb)による化合物を、樹脂から酸誘導開裂に供し、それによって式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ、ここで、
-式(VIIa)または式(VIIb)による化合物は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂に供され、
-次いで、樹脂からの酸誘導開裂に供され、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ;
式中、
nは、数1を表し、
R1は、9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0104】
ステップ4)の一実施形態では、ステップ3)において得られた式(VIIa)または式(VIIb)による化合物を、樹脂から酸誘導開裂に供し、それによって式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ、ここで、
-式(VIIa)または式(VIIb)による化合物は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂に供され、
-次いで、樹脂からの酸誘導開裂に供され、それにより式(VIIIa)または(VIIIb)による化合物が得られ;
式中、
nは、数1を表し、
R1は、9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルを表し、
R4bは、メチルを表す。
【0105】
一実施形態では、ステップ4)における(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂のための塩基は、アルカリ金属炭酸塩、有機塩基およびそれらの混合物から選択される。一実施形態では、ステップ4)における(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂のための塩基は、アルキルアミン、ジアルキルアミンおよびそれらの混合物から選択される。一実施形態では、ステップ3)における(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル基の塩基誘導開裂のための塩基は、ピペリジン、4-メチルピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジンおよびそれらの混合物から選択される。
【0106】
ステップ5)は任意で行われるステップである。ステップ4)の生成物が式(VIIIa)による化合物である場合、前記化合物を酸化剤と反応させ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られ、
式中、
nは、数0、1または2を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表す。
【0107】
ステップ5)の一実施形態では、式(VIIIa)による化合物を酸化剤と反応させ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られ、式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0108】
ステップ5)の一実施形態では、式(VIIIa)による化合物を酸化剤と反応させ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られ、式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルを表し、
R4bは、メチルを表す。
【0109】
式(VIIIa)および/または式(VIIIb)のいずれか1つによる化合物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに従って開示されるように定義することができる。
【0110】
一実施形態では、ステップ5)における酸化剤は、ヨウ素、ヨウ素塩、酸素、H2O2、ジピリジルジスルフィド(DPDS)およびそれらの混合物から選択される。一実施形態では、ステップ5)における酸化剤は、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、NaI、KI、NH4Iおよびそれらの混合物から選択される。一実施形態では、ステップ5)における酸化剤は、NH4Iである。
【0111】
ステップ6)において、ステップ4)またはステップ5)で得られた式(VIIIb)による化合物を開裂カクテルと反応させ、それにより式(II)による化合物
【化36】
が得られ、式中、
nは、数0、1または2を表し、
R
3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表す。
【0112】
ステップ6)の一実施形態では、ステップ4)またはステップ5)で得られた式(VIIIb)による化合物を開裂カクテルと反応させ、それにより式(II)による化合物が得られ、
式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素またはメチルを表す。
【0113】
ステップ6)の一実施形態では、ステップ4)またはステップ5)で得られた式(VIIIb)による化合物を開裂カクテルと反応させ、それにより式(II)による化合物が得られ、
式中、
nは、数1を表し、
R3は、水素を表す。
【0114】
式(VIIIb)による化合物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに従って開示されるように定義することができる。
【0115】
一実施形態では、ステップ6)における開裂カクテルは、トリフルオロ酢酸、ヨウ化アンモニウムおよび/またはそれらの混合物を含む。一実施形態では、ステップ6)における開裂カクテルは、トリフルオロ酢酸、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAI)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)、トリイソプロピルシラン、トリエチルシランおよび/またはそれらの混合物を含む。一実施形態では、ステップ6)における開裂カクテルは、トリフルオロ酢酸を含む。一実施形態では、ステップ6)における開裂カクテルは、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAI)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)、トリイソプロピルシラン、トリエチルシランおよび/またはそれらの混合物を含む。
【0116】
一実施形態では、ステップ6)は、このようにして得られた式(II)による化合物を開裂カクテルから分離することをさらに含む。分離方法は当技術分野で公知である。
【0117】
一実施形態では、ステップ6)の分離は、沈殿および/または相分離によって行われる。一実施形態では、ステップ6)における分離は、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、または特にジイソプロピルエーテル(DIPE)などの溶媒を使用した沈殿によって行われる。
【0118】
ステップ7)において、ステップ6)で得られた式(II)による化合物を、式(IX)による化合物と反応させて、
【化37】
それにより式(I)による化合物が得られ、式中、R
5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す。
【0119】
ステップ7)の一実施形態では、R5は、20kDa、25kDa、30kDa、35kDa、40kDa、45kDa、50kDa、55kDa、60kDa、65kDa、70kDa、75kDaおよび80kDaから選択される直鎖または分岐のPEG側鎖を表し、PEGはメトキシ基でエンドキャップされている。ステップ7)の一実施形態では、R5は、20kDa、25kDa、30kDa、35kDa、40kDa、45kDa、50kDa、55kDa、60kDa、65kDa、70kDa、75kDaおよび80kDaから選択される直鎖のPEG側鎖を表し、PEGはメトキシ基でエンドキャップされている。ステップ7)の一実施形態では、R5は、20kDa、25kDa、30kDa、35kDa、40kDa、45kDa、50kDa、55kDa、60kDa、65kDa、70kDa、75kDaおよび80kDaから選択される分岐のPEG側鎖を表し、PEGはメトキシ基でエンドキャップされている。
【0120】
ステップ7)の一実施形態では、R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 30kDa~60kDaを表す。ステップ7)の一実施形態では、R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖のPEG 30kDa~60kDaを表す。ステップ7)の一実施形態では、R5は、メトキシ基でエンドキャップされた分岐のPEG 30kDa~60kDaを表す。
【0121】
ステップ7)の一実施形態では、R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す。ステップ7)の一実施形態では、R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖のPEG 40kDaを表す。ステップ7)の一実施形態では、R5は、メトキシ基でエンドキャップされた分岐のPEG 40kDaを表す。
【0122】
一実施形態では、ステップ7)は、溶媒中で行われる。一実施形態では、ステップ7)における溶媒は、緩衝液または緩衝混合物である。一実施形態では、ステップ7)における溶媒は、pH3~5を有する緩衝液または緩衝混合物である。一実施形態では、ステップ7)における溶媒は、pH4を有する緩衝液または緩衝混合物である。一実施形態では、ステップ7)の溶媒は、クエン酸緩衝液、グリシン-塩酸緩衝液、フタル酸緩衝液、酢酸緩衝液およびそれらの混合物から選択される。
【0123】
一実施形態では、ステップ7)は、0℃~50℃の温度範囲で行われる。一実施形態では、ステップ7)は、5℃~30℃の温度範囲で行われる。一実施形態では、ステップ7)は、0℃~50℃の温度範囲で行われる。一実施形態では、ステップ7)は、10℃~25℃の温度範囲で行われる。
【0124】
本発明による方法では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物が使用される。
【0125】
以下では、本発明による方法で使用することができる式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによるそれぞれの化合物のさらなる実施形態が開示される。
【0126】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0127】
アミン保護基は、酸不安定性アミン保護基または酸耐性アミン保護基であり得る。アミン保護基は当技術分野で公知である。
【0128】
アミン保護基は、カルボベンジルオキシ(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択することができる。アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択することができる。アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルであり得る。アミン保護基は、アリルオキシカルボニルであり得る。アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニルであり得る。アミン保護基は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルであり得る。
【0129】
アミン保護基は、酸不安定性アミン保護基または酸耐性アミン保護基であり得る。アミン保護基は当技術分野で公知である。
【0130】
アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択することができる。アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択することができる。アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルであり得る。アミン保護基は、アリルオキシカルボニルであり得る。アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニルであり得る。アミン保護基は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルであり得る。
【0131】
一実施形態では、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。一実施形態では、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択される。一実施形態では、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルである。一実施形態では、アミン保護基は、アリルオキシカルボニルである。一実施形態では、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニルである。一実施形態では、アミン保護基は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルである。
【0132】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表し、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物、ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0133】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0134】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表し、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0135】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物、
ここで、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択される。
【0136】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0137】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0138】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0139】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0140】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0141】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0142】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0143】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0144】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 20kDa~80kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0145】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0146】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表し、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物、ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0147】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0148】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表し、
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0149】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物、
ここで、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択される。
【0150】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0151】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0152】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0153】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0154】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0155】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0156】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0157】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0158】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0159】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0160】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0161】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0162】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0163】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0164】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0165】
一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)、(VIIIb)および/または(X)のいずれか1つによる化合物は、以下のように定義される:nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表し、
R5は、メトキシ基でエンドキャップされた直鎖または分岐のPEG 40kDaを表す
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物。
【0166】
本発明の別の態様は、式(I)による化合物の調製方法に使用される中間体に関する。本発明の一態様は、式(IV)による化合物
【化38】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を指す。
【0167】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0168】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
ここで、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択される。
【0169】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0170】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0171】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0172】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0173】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0174】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、またはメチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0175】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0176】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0177】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0178】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0179】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0180】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0181】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0182】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0183】
本発明の別の態様は、式(IV)による化合物を調製する方法に関する。
【0184】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を式(III)による化合物と反応させるステップ
それにより式(IV)による化合物が得られ、式中、
nは数0、1または2を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0185】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を式(III)による化合物と反応させるステップ
それにより式(IV)による化合物が得られ、式中、
nは数0、1または2を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
ここで、アミン保護基は、、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択される。
【0186】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を式(III)による化合物と反応させるステップ
それにより式(IV)による化合物が得られ、式中、
nは、数0、1または2を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはブチルを表す。
【0187】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を、式(III-1)による化合物と反応させるステップ
それにより式(IV)による化合物が得られる。
【0188】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を式(III-1)による化合物と反応させるステップ
それにより式(IV)による化合物が得られ、式中、
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0189】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を式(III-1)による化合物と反応させるステップ
それにより式(IV)による化合物が得られ、式中、
nは、数0、1または2を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチルを表し、
R4bは、メチルを表す。
【0190】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を式(III-1)による化合物と反応させるステップ
それにより式(IV)による化合物が得られ、式中、
nは、数0、1または2を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表す。
【0191】
一実施形態では、式(IV)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b):式(X)による化合物を式(III-1)による化合物と反応させるステップ
それにより式(IV)による化合物が得られ、式中、
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表す。
【0192】
ステップ1.1.b)のさらなる実施形態は上述されている。これらの実施形態は、式(IV)による化合物の調製に使用することができる。上記のステップ1.1.b)の実施形態は、上に開示される式(IV)による化合物の調製に使用することができる。
【0193】
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(I)による化合物を調製する方法における式(IV)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(Ia)による化合物を調製する方法における式(IV)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(VIIa)による化合物を調製する方法における式(IV)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(VIIb)による化合物を調製する方法における式(IV)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(VIIIa)による化合物を調製する方法における式(IV)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(VIIIb)による化合物を調製する方法における式(IV)による化合物の使用である。
【0194】
本発明の一態様は、式(VIIa)による化合物
【化39】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を指す。
【0195】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0196】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
ここで、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択される。
【0197】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0198】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0199】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0200】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0201】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチル、またはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0202】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、またはメチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0203】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、またはメチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0204】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0205】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0206】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0207】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0208】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0209】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0210】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0211】
本発明の別の態様は、式(VIIa)による化合物を調製する方法に関する。
【0212】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる。
【0213】
ステップ3)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIa)による化合物の調製に使用することができる。
【0214】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1)式(V)による化合物を提供するステップ;
ステップ2)式(VIa)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる。
【0215】
ステップ1)、ステップ2)および/またはステップ3)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIa)による化合物の調製に使用することができる。
【0216】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.a)式(IV)による化合物を提供するステップ;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIa)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる。
【0217】
ステップ1.1.a)、ステップ1.2)、ステップ2)および/またはステップ3)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIa)による化合物の調製に使用することができる。
【0218】
一実施形態では、式(VIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b)式(X)による化合物を、式(III)による化合物と反応させるステップ、それにより式(IV)による化合物が得られる;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIa)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる。
【0219】
ステップ1.1.b)、ステップ1.2)、ステップ2)および/またはステップ3)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIa)による化合物の調製に使用することができる。
【0220】
本発明のさらなる態様は、式(I)による化合物を調製する方法における式(VIIa)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、式(Ia)による化合物を調製する方法における式(VIIa)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(VIIIa)による化合物を調製する方法における式(VIIa)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(VIIIb)による化合物を調製する方法における式(VIIa)による化合物の使用である。
【0221】
本発明の一態様は、式(VIIb)による化合物
【化40】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を指す。
【0222】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0223】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
R4bは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを表し、
ここで、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択される。
【0224】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは数1を表し、
R1は、アミン保護基を表し、
R2は、アミン保護基を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表し、
ここで、アミン保護基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、カルバメート基、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、Troc(トリクロロエチルクロロホルメート)およびスルホンアミド(Nosyl、Nps)から選択される。
【0225】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニル、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルまたはアリルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0226】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0227】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0228】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0229】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素、またはメチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0230】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0231】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0232】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0233】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルまたは(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0234】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0235】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0236】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0237】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R1は、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニルを表し、
R2は、tert-ブチルオキシカルボニルを表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0238】
本発明の別の態様は、式(VIIb)による化合物を調製する方法に関する。
【0239】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIb)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIb)による化合物が得られる。
【0240】
ステップ3)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0241】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1)式(V)による化合物を提供するステップ;
ステップ2)式(VIb)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIb)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIb)による化合物が得られる。
【0242】
ステップ1)、ステップ2)および/またはステップ3)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0243】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.a)式(IV)による化合物を提供するステップ;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIb)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIb)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIb)による化合物が得られる。
【0244】
ステップ1.1.a)、ステップ1.2)、ステップ2)および/またはステップ3)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0245】
一実施形態では、式(VIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b)式(X)による化合物を、式(III)による化合物と反応させるステップ、それにより式(IV)による化合物が得られる;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIb)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIb)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIb)による化合物が得られる。
【0246】
ステップ1.1.b)、ステップ1.2)、ステップ2)および/またはステップ3)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0247】
本発明のさらなる態様は、式(I)による化合物を調製する方法における式(VIIb)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、式(Ia)による化合物を調製する方法における式(VIIb)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、式(Ia)による化合物を調製する方法における式(VIIb)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(VIIIb)による化合物を調製する方法における式(VIIb)による化合物の使用である。
【0248】
本発明の一態様は、式(VIIIa)による化合物
【化41】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を指す。
【0249】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0250】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0251】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0252】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0253】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0254】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0255】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0256】
本発明の別の態様は、式(VIIIa)による化合物を調製する方法に関する。
【0257】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる。
【0258】
ステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIa)による化合物の調製に使用することができる。
【0259】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる。
【0260】
ステップ3)および/またはステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIa)による化合物の調製に使用することができる。
【0261】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1)式(V)による化合物を提供するステップ;
ステップ2)式(VIa)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる。
【0262】
ステップ1)、ステップ2)、ステップ3)および/またはステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIa)による化合物の調製に使用することができる。
【0263】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.a)式(IV)による化合物を提供するステップ;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIa)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる。
【0264】
ステップ1.1.a)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)および/またはステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIa)による化合物の調製に使用することができる。
【0265】
一実施形態では、式(VIIIa)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b)式(X)による化合物を、式(III)による化合物と反応させるステップ、それにより式(IV)による化合物が得られる;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIa)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる。
【0266】
ステップ1.1.b)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)および/またはステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIa)による化合物の調製に使用することができる。
【0267】
本発明のさらなる態様は、式(I)による化合物を調製する方法における式(VIIIa)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、式(Ia)による化合物を調製する方法における式(VIIIa)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の式(VIIIb)による化合物を調製する方法における式(VIIIa)による化合物の使用である。
【0268】
本発明の一態様は、式(VIIIb)による化合物
【化42】
その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物を指す。
【0269】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0270】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素、メチルまたはエチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0271】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0272】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素を表し、
R4aは、メチルまたはエチルを表し、
R4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0273】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素またはメチルを表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0274】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルまたはエチルを表す。
【0275】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように定義される:
nは、数1を表し、
R3は、水素を表し、
R4aおよびR4bは、メチルを表す。
【0276】
本発明の別の態様は、式(VIIIb)による化合物を調製する方法に関する。
【0277】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ4)式(VIIb)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0278】
ステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0279】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIb)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIb)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIb)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0280】
ステップ3)および/またはステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0281】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1)式(V)による化合物を提供するステップ;
ステップ2)式(VIb)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIb)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIb)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIb)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0282】
ステップ1)、ステップ2)、ステップ3)および/またはステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0283】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.a)式(IV)による化合物を提供するステップ;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIb)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIb)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIb)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIb)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0284】
ステップ1.1.a)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)および/またはステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0285】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b)式(X)による化合物を、式(III)による化合物と反応させるステップ、それにより式(IV)による化合物が得られる;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIb)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIb)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIb)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIb)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0286】
ステップ1.1.b)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)および/またはステップ4)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0287】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる;
ステップ5)式(VIIIa)による化合物を酸化剤と反応させるステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0288】
ステップ4)および/またはステップ5)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0289】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる;
ステップ5)式(VIIIa)による化合物を酸化剤と反応させるステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0290】
ステップ3)、ステップ4)および/またはステップ5)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0291】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1)式(V)による化合物を提供するステップ;
ステップ2)式(VIa)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる;
ステップ5)式(VIIIa)による化合物を酸化剤と反応させるステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0292】
ステップ1)、ステップ2)、ステップ3)、ステップ4)および/またはステップ5)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0293】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.a)式(IV)による化合物を提供するステップ;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIa)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる;
ステップ5)式(VIIIa)による化合物を酸化剤と反応させるステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0294】
ステップ1.1.a)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)、ステップ4)および/またはステップ5)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0295】
一実施形態では、式(VIIIb)による化合物、その水和物、その溶媒和物、その塩、その薬学的に許容され得る塩、またはその塩の溶媒和物は、以下のように調製される。
ステップ1.1.b)式(X)による化合物を、式(III)による化合物と反応させるステップ、それにより式(IV)による化合物が得られる;
ステップ1.2)式(IV)による化合物をパラジウム(0)源および求核剤と反応させるステップ、それにより式(V)による化合物が得られる;
ステップ2)式(VIa)による化合物を提供するステップ;
ステップ3)式(V)による化合物を、式(VIa)による化合物と反応させるステップ、それにより式(VIIa)による化合物が得られる;
ステップ4)式(VIIa)による化合物を樹脂からの酸誘導開裂に供するステップ、それにより式(VIIIa)による化合物が得られる;
ステップ5)式(VIIIa)による化合物を酸化剤と反応させるステップ、それにより式(VIIIb)による化合物が得られる。
【0296】
ステップ1.1.b)、ステップ1.2)、ステップ2)、ステップ3)、ステップ4)および/またはステップ5)の実施形態は、上で詳細に説明されている。これらの実施形態は、式(VIIIb)による化合物の調製に使用することができる。
【0297】
本発明のさらなる態様は、式(I)による化合物を調製する方法における式(VIIIb)による化合物の使用である。本発明のさらなる態様は、式(Ia)による化合物を調製する方法における式(VIIIb)による化合物の使用である。
【0298】
さらなる態様は、式(I)による化合物を調製する方法における式(III-1)、(IV)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)および/または(VIIIb)のいずれか1つによる化合物の使用である。さらなる態様は、式(Ia)による化合物を調製する方法における式(III-1)、(IV)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIIa)および/または(VIIIb)のいずれか1つによる化合物の使用である。
【0299】
さらなる態様は、式(VIIIa)および/または(VIIIb)による化合物を調製する方法における式(III-1)、(IV)、(VIIa)および/または(VIIb)のいずれか1つによる化合物の使用である。
【0300】
実験部
【0301】
【0302】
アミノ酸およびペプチド配列の命名法は、International Union of Pure and Applied Chemistry and International Union of Biochemistry:Nomenclature and Symbolism for Amino Acids and Peptides(Recommendations 1983).In:Pure&Appl.Chem.56,Vol.5,1984,p.595-624に従う。
【0303】
B.一般的な方法および試薬
B.1 HPLC法
方法1a-:
装置:Dionex Ultimate 3000 RS
カラム:Waters Aquity BEH 130 C18;50x2.1mm;1.7μm
溶離液A:H2O/ACN(99:1 v/v)中、0.05% TFA(v/v)
溶離液B:ACN中、0.05% TFA(v/v)
勾配:0% B-5分-100% B-2分-100% B
流量:0.4mL/分カラム温度:25℃検出:220 nm
注入体積:2 μL
方法1b:
装置:Dionex Ultimate 3000 RS
カラム:Waters Aquity BEH 130 C18;50x2.1mm;1.7μm
溶離液A:H2O/ACN(99:1 v/v)中、0.05% TFA(v/v)
溶離液B:ACN中、0.05% TFA(v/v)
勾配:20% B-5分-100% B-2分-100% B
流量:0.4mL/分カラム温度:25℃検出:220 nm
注入体積:2 μL
方法2:(例えば、実施例11を参照)
装置:Dionex Ultimate 3000 RS
固定相:C18、130Å、1.7μm、2.1×150mm;
溶離液A:H2O+50mM NaCl中、0.005%(v/v)TFA;
溶離液B:MeOH+50mM NaCl中、5%(v/v)H2O;
勾配50% B-1分-50% B-20分-70% B-1分-90% B-3分-90% B-0.1分-50% B-4.9分-50% B;
流速:0.3mL/分、カラム温度:60℃、検出:UV(220nm)
方法3:(例えば、実施例15を参照)
装置:Knauer 1800分取HPLC
包装、量およびタイプ:約195gのKromasil 10MYM C8(RP)
ビーズ寸法:D:50mm。Prochrom DAC
流量:76L/分
溶出圧力:およそ28バール
検出:210nm
温度:およそ22℃
実行時間:53分
溶離液A:水、ACN(9:1)+0.1%酢酸
溶離液B:ACN+0.1%酢酸
【0304】
【0305】
B.2 試薬
40kDaメトキシポリ(エチレングリコール)マレイミドプロピオンアミド(直鎖40k mPEGマレイミド);
CAS番号:724722-89-8;Dr.Reddys Inc.由来、ロット番号233101301;重量平均分子量、Mw(GPC)40500Da;多分散性(GPC)1.08。
【0306】
C.実施例
実施例1:
アリル-N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-[(4-ニトロフェノキシ)カルボニル]-L-チロシネート
【化43】
115g(1.5当量)4-ニトロフェニルクロロホルメートを570mLの2-MeTHFに溶解し、溶液を0℃に冷却した。122g(1当量)N-Boc-チロシンアリルエステルを2-MeTHFに溶解し、1.2当量のTEAを添加した。得られた溶液をクロロホルメート溶液に0℃で長時間にわたってゆっくり添加した。反応混合物を最初に0°で75分間、次いで室温で120分間撹拌した。反応混合物を水の添加によってクエンチした。有機層を5% NaHCO
3溶液および水で洗浄した。有機層を元の体積の半分まで減圧下で濃縮した。2-MeTHFを添加し、蒸発させて残留水を共沸除去した。生成物を、IPEを逆溶剤として使用して0℃で沈殿させ、濾過によって回収し、IPEで洗浄した。濾過ケークを真空中で35℃で3時間乾燥させ、続いて室温で20時間乾燥させた。
収率:85%
純度(方法1b):97.6%(Rt=5.07分)
【0307】
実施例2:
((2S)-4-{[(4-{(2S)-3-(アリルオキシ)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-オキソプロピル}フェノキシ)カルボニル]アミノ}-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン酸
【化44】
20.0g(41.1mmol)実施例1を、80mLのMeTHFおよび13.5g(61.7mmol、1.5当量)Boc-Dab-OH中に懸濁し、80mLの脱イオン水を添加した。氷浴で0~5℃に冷却した後、10.6mL(61.7mmol、1.5当量)DIPEAを添加し、得られた混合物を0~5℃で4.5時間撹拌した。100mLのシクロヘキサン、10mLのアセトンおよび80mLの脱イオン水を反応混合物に添加し、層を分離した後、水層をIPEとアセトンの5:1混合物120mLで5回抽出した。250mLのMeTHFを水層に添加し、18%HCl(水溶液)を用いてpHおよそ1まで酸性化した。水層を廃棄し、有機層を3×50mLの脱イオン水で洗浄した。有機層を濃縮し、2×100mLのMeTHFを添加し、蒸発させて残留水を共沸除去し、減圧下で室温で16時間乾燥させた後、19.5g(34.5mmol)の実施例2を得た。
【0308】
実施例3:アミド化
9H-フルオレン-9-イルメチル[(2R)-1-({ビス[4-(メチルスルフィニル)フェニル]メチル}スルファニル)-3-オキソブタン-2-イル]カルバメート
【化45】
1当量(2R)-3-[ビス(4-メチルスルフィニルフェニル)メチルスルファニル]-2-(9H-フルオレン-9-イルオキシカルボニルアミノ)プロパン酸3a
【化46】
をTHFに溶解し、溶液を0℃に冷却した。2.5当量DEPBT、2.5当量DIPEAおよび3当量アンモニア溶液25%を添加した。反応物を0℃で30分間、次いで周囲温度で330分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、2-MeTHFおよび5% NaHCO
3溶液を添加した。有機層を5% NaHCO
3溶液および1N HClで繰り返し洗浄した。有機層を濃縮し、THFに溶解した。IPEを逆溶剤として使用して実施例3を沈殿させた。沈殿物を濾過し、IPEで洗浄し、減圧下で室温で乾燥させた。
収率:93%
純度(HPLC方法1b):98.1%(Rt=3.45分)
LC-MS(方法1b):m/z=633(M+H)+
【0309】
実施例4:
S-{ビス[4-(メチルスルフィニル)フェニル]メチル}-L-システイン)
【化47】
278.4gの実施例3を1LのDMFに溶解し、350gのSiliaBond(登録商標)ピペラジン(Si-PPZ)を20℃で加えた。懸濁液を44時間インキュベートし、濾過してシリカを除去した。濾液を実施例5の合成に直接使用した。
純度(方法1a):96.5%(Rt=7.71分)
LC-MS(方法1a):m/z=411(M+H)+
【0310】
実施例5:
O1-アリルO4-tert-ブチル(2R)-2-[[4-[[(3S)-4-[[(1R)-1-[ビス(4-メチルスルフィニルフェニル)メチルスルファニルメチル]-2-オキソ-プロピル]アミノ]-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソ-ブチル]カルバモイルオキシ]フェニル]メチル]ブタンジオエート
【化48】
1当量の実施例2をDMFに溶解し、0~5℃に冷却した。1.0当量のTBTUおよび3当量のDIPEAを添加し、上記のようにして得られた実施例4の溶液(およそ1.2当量)をゆっくり添加した。0~5℃で15分間撹拌した後、冷却を除去し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、2-MeTHFを反応混合物に添加し、食塩水/脱イオン水1:1の混合物、続いて3×1N HClおよび3×脱イオン水で抽出した。有機層を濃縮し、2×2-MeTHFを添加し、蒸発させて残留水を共沸除去し、残渣を得た。残渣を35℃で2-MeTHFに溶解し、得られた溶液を撹拌しながら0~5℃でCPMEに滴下した。さらに10分間撹拌した後、沈殿を濾別し、3×CPMEで洗浄した。実施例5を減圧下、35℃で2時間乾燥させた。得られた生成物を35℃で2-MeTHFに溶解し、得られた溶液を撹拌しながら0~5℃でCPMEに滴下した。さらに10分間撹拌した後、沈殿を濾別し、3x100mL CPMEで洗浄した。減圧下、35℃で30分間短時間乾燥した後、得られた生成物を35℃で2-MeTHFに溶解し、得られた溶液を撹拌しながら0~5℃でCPMEに滴下した。さらに10分間撹拌した後、沈殿を濾別し、CPMEで3回洗浄した。得られた生成物を減圧下35℃で16時間乾燥させて実施例5を得た。
収率:79%
純度(方法1a):98.5%(Rt=4.52分)
LC-MS(方法1a):m/z=958(M+H)+
【0311】
実施例6:
(2R)-2-[[4-[[(3S)-4-[[(1R)-1-[ビス(4-メチルスルフィニルフェニル)メチルスルファニルメチル]-2-オキソ-プロピル]アミノ]-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソ-ブチル]カルバモイルオキシ]フェニル]メチル]-4-tert-ブトキシ-4-オキソ-ブタン酸
【化49】
1当量の実施例5をTHFに溶解し、0~5℃に冷却した。5当量のギ酸、5当量のTEAおよび0.03当量のPd(PPh
3)
4を添加した。室温で6時間撹拌した後、5% NaHCO
3(水溶液)を添加し、混合物を3×2-MeTHFで抽出した。2-MeTHFを水層に添加し、これを18% HCl(水溶液)でpHおよそ1まで酸性化した。水層を廃棄し、有機層を脱イオン水で5回洗浄した。有機層を濃縮し、3×2-MeTHFを添加し、蒸発させて残留水を共沸除去し、残渣を得た。残渣をTHFに溶解し、撹拌しながらIPEを滴下した。沈殿を濾別し、1×IPE、2×2-MeTHFおよび1×IPEで洗浄した。得られた濾過ケークを減圧下30℃で64時間乾燥させた。
収率:78%
純度(方法1b):98.9%(Rf=3.11分)、白色粉末
LC-MS(方法1b):m/z=918(M+H)+
【0312】
実施例7a:
Tentagel(商標)系アミド樹脂結合ADM(2-52)[直鎖]
【化50】
ペプチドを、自動ペプチド合成装置(Protein Technologies Inc.Symphony)によって、Tentagel(商標)ベースのアミド樹脂上に段階的に組み立てた。8つのポリプロピレン反応容器を並行して使用して、同一の化学を行った。各容器に、0.05mmolのTentagel(商標)ベースのRink樹脂を合計バッチサイズ0.4mmolで充填した。
各アミノ酸は、樹脂の充填に関して8倍のモルアクセスで添加される。アミノ酸をN末端保護基としてFmoc保護し、以下に示す保護基を側鎖官能基に使用した。また、188mg(0.59mmol、7.8当量)TBTUおよび0.21ml(1.2mmol、16当量)DIEAも添加した。反応は溶媒としてDMF中で行ったが、DMFは樹脂を膨潤させ、それを自由に撹拌するのに十分な量で使用した。アミノ酸あたりの反応時間は、およそ1時間であった。Fmoc保護基の開裂は、20%ピペリジン/DMFを使用して達成されたが、20%ピペリジン/DMFは、樹脂を膨潤させ、それを自由に撹拌するのに十分な量で使用した。
カップリング配列は以下の通りであった:
1.Tyr(tBu)(Tyr=Y=ヒトADMのAA52)
2.Gly(Gly=ヒトADMのG=AA51)
3.Gln(Trt)(Gln=Q=ヒトADMのAA50)
4.Pro(Pro=P=ヒトADMのAA49)
5.Ser(tBu)(Ser=S=ヒトADMのAA48)
6.Ile(Ile=I=ヒトADMのAA47)
7.Lys(Boc)(Lys=K=ヒトADMのAA46)
8.Ser(tBu)(Ser=S=ヒトADMのAA45)
9.Arg(pbf)(Arg=R=ヒトADMのAA44)
10.Pro(Pro=P=ヒトADMのAA43)
11.Ala(Ala=A=ヒトADMのAA42)
12.Val(Val=V=ヒトADMのAA41)
13.Asn(Trt)(Asn=N=ヒトADMのAA40)
14.Asp(OtBu)(Asp=D=ヒトADMのAA39)
15.Lys(Boc)(Lys=K=ヒトADMのAA38)
16.Asp(OtBu)(Asp=D=ヒトADMのAA37)
17.Lys(Boc)(Lys=K=ヒトADMのAA36)
18.Asp(OtBu)(Asp=D=ヒトADMのAA35)
19.Thr(tBu)(Thr=T=ヒトADMのAA34)
20.Phe(Phe=F=ヒトADMのAA33)
21.Gln(Trt)(Gln=Q=ヒトADMのAA32)
22.Tyr(tBu)(Tyr=Y=ヒトADMのAA31)
23.Ile(Ile=I=ヒトADMのAA30)
24.Gln(Trt)(Gln=Q=ヒトADMのAA29)
25.His(Trt)(His=H=ヒトADMのAA28)
26.Ala(Ala=A=ヒトADMのAA27)
27.Leu(Leu=L=ヒトADMのAA26)
28.Lys(Boc)(Lys=K=ヒトADMのAA25)
29.Gln(Trt)(Gln=Q=ヒトADMのAA24)
30.Val(Val=V=ヒトADMのAA23)
31.Thr(tBu)(Thr=T=ヒトADMのAA22)
32.Cys(Trt)(Cys=C=ヒトADMのAA21)
33.Thr(tBu)(Thr=T=ヒトADMのAA20)
34.Gly(Gly=ヒトADMのG=AA19)
35.Phe(Phe=F=ヒトADMのAA18)
36.Arg(pbf)(Arg=R=ヒトADMのAA17)
37.Cys(Acm)(Cys=C=ヒトADMのAA16)
38.Gly(Gly=ヒトADMのG=AA15)
39.Phe(Phe=F=ヒトADMのAA14)
40.Ser(tBu)(Ser=S=ヒトADMのAA13)
41.Arg(pbf)(Arg=R=ヒトADMのAA12)
42.Leu(Leu=L=ヒトADMのAA11)
43.Gly(Gly=ヒトADMのG=AA10)
44.Gln(Trt)(Gln=Q=ヒトADMのAA9)
45.Phe(Phe=F=ヒトADMのAA8)
46.Asn(Trt)(Asn=N=ヒトADMのAA7)
47.Asn(Trt)(Asn=N=ヒトADMのAA6)
48.Met(Met=M=ヒトADMのAA5)
49.Ser(tBu)(Ser=S=ヒトADMのAA4)
50.Gln(Trt)(Gln=Q=ヒトADMのAA3)
51.Arg(pbf)(Arg=R=ヒトADMのAA2)
【0313】
実施例7b:
Tentagel(商標)系アミド樹脂結合ADM(2-52)[環状]
【化51】
実施例7aの樹脂上酸化は、Cys(Trt)およびCys(Acm)保護を使用して達成し、同時に保護基の開裂が生じ、ヨウ素(8当量のヨウ素+8当量のDIEA、反応時間30分)を使用してジスルフィド結合に酸化した。酸化は、試料の開裂ならびにHPLCおよびMALDI-MSを用いた分析によって確認した。
【0314】
実施例8a:
カップリング反応、樹脂結合実施例8aの調製
【化52】
上記の実施例8aでは、ADM(2-52)に結合したTentagel(商標)ベースのアミド樹脂を「樹脂」と略記した。実施例6と、実施例7aによるTentagel(商標)ベースのアミド樹脂結合ADM(2-52)とをカップリングして、樹脂結合実施例8aを得た。カップリング反応は、周囲圧力および周囲温度で、適切なカップリング(1.5~24.0h)およびFmoc脱保護(0.25~0.5h)時間で、DIC/OxymaPure(登録商標)またはDEPBT/DIPEAのいずれかを用いて実行した。DMF中20%ピペリジンをFmoc脱保護に使用した。カップリングステップ後、無水酢酸を用いてアセチル化を任意で行った。アミノ酸添加サイクル中、DMFおよびIPAを、アセチル化またはFmoc脱保護後の洗浄ステップのための溶媒として使用した。DMF、IPAおよびACNをSPPSの最後の洗浄ステップで使用した。
【0315】
実施例8b:
カップリング反応、樹脂結合実施例8bの調製
【化53】
上記の実施例8bでは、ADM(2-52)に結合したTentagel(商標)ベースのアミド樹脂を「樹脂」と略記した。実施例6と、実施例7bによるTentagel(商標)ベースのアミド樹脂結合ADM(2-52)とをカップリングして、樹脂結合実施例8bを得た。カップリング反応は、周囲圧力および周囲温度で、適切なカップリング(1.5~24.0h)およびFmoc脱保護(0.25~0.5h)時間で、DIC/OxymaPure(登録商標)またはDEPBT/DIPEAのいずれかを用いて実行した。DMF中20%ピペリジンをFmoc脱保護に使用した。カップリングステップ後、無水酢酸を用いてアセチル化を任意で行った。アミノ酸添加サイクル中、DMFおよびIPAを、アセチル化またはFmoc脱保護後の洗浄ステップのための溶媒として使用した。DMF、IPAおよびACNをSPPSの最後の洗浄ステップで使用した。
【0316】
実施例9a:
樹脂からの開裂
【化54】
前記実施例8aをTFA/EDT/H
2O/TIS(90.0:5.0:2.5:2.5)の開裂カクテルに25℃で添加することによって、樹脂結合実施例8aを樹脂から切断した。3.5時間インキュベートした後、開裂カクテルを樹脂から分離し、樹脂をTFAで洗浄し、開裂カクテルおよびTFA洗浄をプールした。IPEを-10℃でプールに添加することによって生成物を沈殿させた。懸濁液を0℃で30分間インキュベートし、沈殿を濾別し、IPEで洗浄し、減圧(<5 mbar)および周囲温度で乾燥させて、粗直鎖生成物実施例9aを得た。
【0317】
実施例9b:
樹脂からの開裂
【化55】
樹脂結合実施例8bを、前記実施例8bをTFA/EDT/H
2O/TIS(90.0:5.0:2.5:2.5)の開裂カクテルに25℃で添加することによって、樹脂から切断した。3.5時間インキュベートした後、開裂カクテルを樹脂から分離し、樹脂をTFAで洗浄し、開裂カクテルおよびTFA洗浄をプールした。IPEを-10℃でプールに添加することによって生成物を沈殿させた。懸濁液を0℃で30分間インキュベートし、沈殿を濾別し、IPEで洗浄し、減圧(<5 mbar)および周囲温度で乾燥させて、粗直鎖生成物実施例9bを得た。
【0318】
実施例10:実施例9aの精製
粗直鎖実施例9aを0.1% TFA+3% ACN水溶液に溶解した。任意で、5% TCEP(粗ペプチドに関してw/w)を添加し、溶液を周囲温度で60分間インキュベートした。C8結合シリカ(細孔径:100Å、粒径:10μm)を固定相として使用した。カラムを溶離液A(0.1% TFA+3% ACN水溶液)で予備平衡化し、粗ペプチドを充填し、カラムを0.1% TFA+3% ACN水溶液で手短にすすいだ。溶出は、165分で18%~100%の溶離液B(0.1% TFA+80% ACN水溶液)の勾配で行った。画分を収集し、分析HPLC結果に基づいてプールした。
【0319】
実施例11:酸化
【化56】
実施例10の画分プールを等体積の水で希釈した。水中の0.4M I
2 および1.2M KIからなる試薬溶液を、溶液が着色したままになるまで撹拌しながらゆっくりと添加した。反応混合物を5分間以上撹拌し、酸化溶液を分析HPLC(セクションB.1の方法2)によって反応の完了について分析した。アスコルビン酸を無色になるまで溶液に添加し、任意で濾過した。溶液を次の精製段階に適用した。
【0320】
実施例12:実施例11の精製
C8結合シリカ(細孔径:100Å、粒径:10μm)を固定相として使用して、実施例11の二次元HPLC精製を行った。固定相を0.1% TFA+3% ACN水溶液で各操作の前に予備平衡化し、分析物溶液を充填し、カラムを0.1% H3PO4+3% ACN水溶液で手短にすすいだ。
第1の次元の溶離液AおよびBは、それぞれ0.1% H3PO4+3% ACN水溶液および0.1% H3PO4+80% ACN水溶液であった。溶離液Aでフラッシュした後、165分以内に溶離液Bの濃度で18~100%の直線勾配によって溶出を行った。分画を収集し、分析HPLC結果に基づいてプールした。プールを水で1:1に希釈し、次の精製ステップに供した。
第2の次元の溶離液AおよびBは、それぞれ0.1% TFA+3% ACN水溶液および0.1% TFA+80% ACN水溶液であった。溶離液Aでフラッシュした後、165分以内に溶離液Bの濃度で18~100%の直線勾配によって溶出を行った。分画を収集し、分析HPLC結果に基づいてプールした。プールを水で1:1に希釈し、凍結乾燥に供した。次いで、凍結乾燥サブロットを0.1% TFAに溶解し、精密濾過に供し、再び凍結乾燥した。
【0321】
実施例13:脱保護
O-{[(3S)-3-アミノ-4-{[(2R)-1-アミノ-1-オキソ-3-スルファニルプロパン-2-イル]アミノ}-4-オキソブチル]-カルバモイル}-L-チロシル-アドレノメデュリン(2-52)
【化57】
3.0gの実施例11を、46mlのトリフルオロ酢酸および4mlのトリイソプロピルシランの混合物に、不活性雰囲気(アルゴン)中で撹拌しながら-5℃の温度で添加した。0.3gのヨウ化テトラブチルアンモニウムを添加し、撹拌速度100rpmで0℃にて4.5時間撹拌を続けた。その後、温度を-5℃~5℃に維持し、撹拌速度を高めながら、125mlの予冷(-10℃)ジイソプロピルエーテルを30分以内に添加した。撹拌をさらに30分間継続し、懸濁液を濾過する。濾過ケークをジイソプロピルエーテル(3×30ml)で洗浄し、2mbarおよび周囲温度(22~24℃)で18時間乾燥させた。
収量:2.86g(灰白色粉末)、アッセイまたは純度について補正なしで収率100%(85.2面積%HPLC)。
【0322】
実施例14:実施例13のPEG化
O-{[(3S)-3-アミノ-4-({(2R)-1-アミノ-3-[(2,5-ジオキソ-1-{3-オキソ-3-[(2-{ω-メトキシ-ポリオキシエチレン[40kDa]}エチル)アミノ]プロピル}ピロリジン-3-イル)スルファニル]-1-オキソプロパン-2-イル}アミノ)-4-オキソブチル]カルバモイル}-L-チロシル-アドレノメデュリン(2-52)(「PEG-ADM」)
【化58】
周囲温度(22~24℃)で撹拌しながら、20.3g(0.462mmol、アッセイ用に補正)の40kDa-mPEG-マレイミドを、400gの酢酸ナトリウム緩衝液(50mM、pH3.5)および47.2gのアセトニトリルの混合物に溶解した。2.0g(0.229mmol、アッセイおよび純度について補正)の実施例13を添加し、撹拌を室温でさらに3時間続けた。得られた溶液(470mlの総体積;HPLCによる純度:81.6面積%;c=2.08mg/mlのADMペイロード;977mgのADMペイロード(収率約68%))をさらなる使用まで-20℃で保存した。実施例15に記載の分取HPLCによる以下の精製に直接かけることができた。
【0323】
実施例15:実施例14の精製
前述のコンジュゲーション実験からの溶液(実施例14、「PEG-ADM」)をG4ガラスフリットを通して濾過し、100mlの利用可能な溶液(208mgのADMペイロード)を分取HPLC(2×50ml注入)によって精製した。一般的方法のセクションの方法3を参照されたい。上記のHPLC方法のセクションに記載の方法2に従って精製および分画を行った。精製された生成物を含有する画分を回収し、合わせた。精製生成物を含む合計770mlの溶出液を回収した。0.27mg/mlのADMペイロードを含む350mlおよび0.25mg/mlのADMペイロードを含む420mlの収量が達成された(全体で202mg(97%)のADMペイロード)。
【0324】
実施例16:クロスフロー濾過
実施例15によるHPLC精製からの770mlのPEG-ADM溶出液溶液(202mgのADMペイロード;実施例15)を濃縮し、0.2 m2 10 kDa Hydrosart(登録商標)膜スライスカセット(Sartorius)を使用したクロスフロー濾過による緩衝液交換に供した。292gのクエン酸緩衝液(クエン酸一水和物6g、水酸化ナトリウム2.28g、水1005g、塩酸でpH4に調整)の添加後、保持液の総体積を70mlに減少させた(膜貫通圧:約1バール)。その後、同じクエン酸緩衝液との体積の十倍交換を行い、最後に、保持液をさらに50mlに濃縮した。保持液を排出し、すべての管および膜をクエン酸緩衝液でフラッシュする。保持液およびすすぎ画分を合わせた。101gのPEG-ADM(実施例13による化合物または式(Ia)による化合物を参照)溶液を回収する(2mg/ml ADMペイロード)。
【配列表】
【国際調査報告】