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特表2024-531395コンテナ、とりわけ、缶を生産するためのオーブンの故障を防止するためのデバイスおよび方法
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  • 特表-コンテナ、とりわけ、缶を生産するためのオーブンの故障を防止するためのデバイスおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】コンテナ、とりわけ、缶を生産するためのオーブンの故障を防止するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/02 20060101AFI20240822BHJP
   B05C 9/14 20060101ALI20240822BHJP
   B05C 13/02 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B65G43/02 Z
B05C9/14
B05C13/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510364
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 DE2022100570
(87)【国際公開番号】W WO2023020654
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】102021121652.4
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514117427
【氏名又は名称】ベルヴァック・プロダクション・マシーナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BELVAC PRODUCTION MACHINERY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルコ・ハルムス
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ・ラインハルト
【テーマコード(参考)】
3F027
4F042
【Fターム(参考)】
3F027AA04
3F027AA06
3F027BA01
3F027CA03
3F027DA01
3F027DA32
3F027EA01
3F027FA14
4F042AA12
4F042BA04
4F042BA19
4F042DB02
4F042DB26
4F042DB28
4F042DB34
4F042DC01
4F042DF02
4F042DF18
4F042DH09
(57)【要約】
本発明は、コンテナ、とりわけ、缶を生産するためのオーブンの故障を防止するためのデバイスおよび方法に関する。デバイスは、輸送ピンを備えたコンベヤユニットであって、コンテナを乾燥セクションに沿って搬送するように設計されている、コンベヤユニットと、少なくとも1つの測定ユニットであって、乾燥セクションの観察セクションに進入したコンテナの入口数、および、観察セクションを退出したコンテナの出口数を確認するように設計されている、少なくとも1つの測定ユニットと、入口数と出口数との間の偏差に基づいてコンテナ損失の量を決定するように設計されている制御デバイスとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ(1、1')、とりわけ、缶の生産のためのオーブン(100)の故障を防止するためのデバイスであって、
輸送ピン(104、104'、104")を備えたコンベヤユニット(102)であって、前記コンベヤユニット(102)は、前記コンテナ(1、1')を乾燥セクションに沿って搬送するように設計されている、コンベヤユニット(102)と、
少なくとも1つの測定ユニット(140、142、144、146)であって、前記乾燥セクションの観察セクション(124、130、152)に進入するコンテナ(1、1')の入口数、および、前記観察セクション(124、130、152)を退出するコンテナ(1、1')の出口数を確認するように設計されている、少なくとも1つの測定ユニット(140、142、144、146)と、
前記入口数と前記出口数との間の偏差に基づいてコンテナ損失(1、1')の量を決定するように設計されている制御デバイス(122)と
を含む、デバイス。
【請求項2】
前記測定ユニット(140、142、144、146)は、前記コンベヤユニット(102)および/または前記オーブン(100)を制御するための、とりわけ、前記観察セクション(124、130、152)を制御するための、少なくとも1つの実際の制御変数を確認するようにさらに設計されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記制御デバイス(122)は、前記入口数、前記出口数、前記コンテナ損失の量、および前記少なくとも1つの実際の制御変数のうちの少なくとも1つに基づいて、前記コンベヤユニット(102)および/または前記オーブン(100)を制御するための少なくとも1つのターゲット制御変数を調節するための調節コマンドを出力するようにさらに設計されている、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記コンベヤユニット(102)を制御するための実際の制御変数および/または所望の制御変数は、前記コンベヤユニット(102)の搬送速度、および/または、前記乾燥セクションに沿った、とりわけ、前記観察セクション(124、130、152)に沿った、輸送密度を特徴付け、前記輸送密度は、単位時間当たりのコンテナ(1、1')の搬送される数を特徴付け、および/または、
前記オーブン(100)を制御するための前記実際の制御変数および/または前記所望の制御変数は、前記オーブンの加熱デバイス(114)の、とりわけ、前記観察セクション(124、130、152)の、前記乾燥セクションに沿って、とりわけ、前記観察セクション(124、130、152)に沿って、流体フローを前記コンテナ(1、1')に供給するための少なくとも1つの流体フローデバイス(110、112、115、118、136、138)を制御するための流体フロー制御変数、前記流体フローの前記流体の温度、温度、とりわけ、前記コンテナ(1、1')のターゲット温度、加熱温度、とりわけ、前記観察セクション(124、130、152)の加熱温度、および/または、少なくとも前記観察セクション(124、130、152)に沿った加熱温度プロファイルである、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの測定ユニット(140、142、144、146)は、少なくとも1つのコンテナ特性を確認するようにさらに設計されており、前記コンテナ特性は、前記コンテナ(1、1')のコンテナタイプ、コンテナ本体部、およびコンテナ幾何学形状のうちの1つであり、
前記調節コマンドは、依然として前記コンテナ特性に基づいている、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記制御デバイス(122)は、前記コンテナ損失の量が最小化されるように、前記調節コマンドを決定するようにさらに設計されており、および/または、
前記ターゲット制御変数および/または実際の制御変数は、前記少なくとも1つの観察セクション(124、130、152)の前記コンテナ損失の量に影響を及ぼす制御変数である、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記調節コマンドは、依然として第1の優先レベルに基づいており、
前記第1の優先レベルは、実際の制御変数および/または前記ターゲット制御変数の所定の、とりわけ、法的に規定された上限値および/または下限値を含み、前記調節コマンドは、前記ターゲット制御変数が最大で前記上限値および/または下限値に到達するように、前記ターゲット制御変数を調節する、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記調節コマンドは、第2の優先レベルに基づいており、前記第2の優先レベルは、前記第1の優先レベルの下位にあり、
前記第2の優先レベルは、
前記コンテナを生産するために必要とされる前記コンベヤユニット、前記観察セクション、前記少なくとも1つの加熱デバイス、前記少なくとも1つの流体フローデバイス、および/または前記オーブンの、最小化されるエネルギー消費、
前記コンテナ損失の量を最小化すること
のうちの少なくとも1つを特徴付ける、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記制御デバイス(122)は、前記コンベヤユニット(102)の上の前記コンテナ(1、1')を安定化させるための前記コンテナ(1、1')の接触圧力に基づいて、前記調節コマンドを決定するようにさらに設計されており、前記接触圧力は、前記コンテナ特性、前記搬送速度、前記コンテナ密度、および、とりわけ、前記観察セクション(124、130、152)に沿って、前記コンテナ(1、1')に適用される流体フローのうちの少なくとも1つに基づいており、
前記接触圧力は、とりわけ、前記コンベヤユニット(102)の上の前記コンテナ(1、1')を安定化させる最小接触圧力である、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記制御デバイス(122)は、制御情報を出力するようにさらに設計されており、
前記制御情報は、前記入口数、前記出口数、前記コンテナ損失の量、前記少なくとも1つの実際の制御変数、前記少なくとも1つのターゲット制御変数、前記調節コマンド、前記観察セクション(124、130、152)、前記コンテナ特性、前記第1の優先レベル、前記第2の優先レベル、および前記接触圧力のうちの少なくとも1つを特徴付ける、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記制御情報を表示するように設計された表示ユニットをさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記表示ユニットは、入力を受け取るように設計されており、および/または、
前記デバイスは、前記入力を受け取るように設計された入力ユニットをさらに含み、
前記入力は、前記少なくとも1つの実際の制御変数、前記少なくとも1つのターゲット制御変数、前記調節コマンド、前記観察セクション(124、130、152)、前記コンテナ特性、前記第1の優先レベル、前記第2の優先レベル、および前記接触圧力のうちの少なくとも1つを含み、
前記制御デバイス(122)は、前記入力を受け取るように設計されており、また、前記入力に基づいて、前記少なくとも1つの実際の制御変数、前記少なくとも1つの所望の制御変数、前記観察セクション(124、130、152)、前記コンテナ特性、前記第1の優先レベル、前記第2の優先レベル、および/もしくは前記接触圧力を決定し、ならびに/または、前記入力に基づいて前記調節コマンドを出力するように設計されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記乾燥セクションは、2つ以上の観察セクション(124、130、152)を含み、
前記少なくとも1つの測定ユニット(140、142、144、146)は、前記2つ以上の観察セクション(124、130、152)のうちの少なくとも1つに関して、前記少なくとも1つの観察セクション(124、130、152)に進入するコンテナ(1、1')の入口数、および、前記少なくとも1つの観察セクション(124、130、152)を退出するコンテナ(1、1')の出口数を確認するように設計されており、
前記制御デバイス(122)は、前記少なくとも1つの観察セクション(124、130、152)の前記入口数と前記出口数との間の偏差に基づいて、前記少なくとも1つの観察セクション(124、130、152)のコンテナ損失(1、1')の量を決定するように設計されている、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの測定ユニット(140、142、144、146)は、前記2つ以上の観察セクション(124、130、152)のうちの少なくとも1つに関係して、前記コンベヤユニット(102)および/または前記オーブン(100)、とりわけ、前記少なくとも1つの観察セクション(124、130、152)を制御するための少なくとも1つの実際の制御変数を確認するように設計されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記制御デバイス(122)は、前記コンテナ損失の量および前記少なくとも1つの観察セクション(124、130、152)の前記少なくとも1つの実際の制御変数のうちの少なくとも1つに基づいて、前記コンベヤユニット(102)および/または前記オーブン(100)を制御するための、とりわけ、前記少なくとも1つの観察セクション(124、130、152)を制御するための、少なくとも1つのターゲット制御変数を調節するための少なくとも1つの調節コマンドを出力するための前記2つ以上の観察セクション(124、130、152)のうちの少なくとも1つおよび/またはさらなる1つに関してさらに設計されている、請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ターゲット制御変数および/または実際の制御変数は、前記2つ以上の観察セクション(124、130、152)のうちの少なくとも1つの前記コンテナ損失の量に影響を及ぼす制御変数である、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
コンテナ(1、1')、とりわけ、缶を生産するためのオーブン(100)の故障を防止するためのコンピュータ実装方法(200)であって、
コンベヤユニット(102)によって乾燥セクションに沿って前記コンテナを搬送するステップ(210)と、
前記乾燥セクションの観察セクション(124、130、152)に進入するコンテナ(1、1')の入口数、および、前記観察セクション(124、130、152)を退出するコンテナ(1、1')の出口数を確認するステップ(220)と、
前記入口数と前記出口数との間の偏差に基づいて、コンテナ損失(1、1')の量を決定するステップと
を含む、コンピュータ実装方法(200)。
【請求項18】
コンテナ(1、1')、とりわけ、缶を生産するためのオーブン(100)の故障を防止するためのコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムがプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項17に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ、とりわけ、缶を生産するためのオーブンの故障を防止するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オーブンを使用する(金属)物体(とりわけ、缶または缶のパーツ)の生産プロセスでは、いくつかのプロセスステップが実施されなければならず、それは、クリーニングプロセスによって詳細に分離されている。これらのクリーニングプロセスは、乾燥プロセスを必要とする。
【0003】
これらのプロセスステップのうちの1つは、缶の外側表面へのコーティングの塗布であり、それは、ラッカーまたはペイントのコーティングとして設計されている。そのようなコーティングは、たとえば、提供者のブランド名、使用説明書、または他の内容を表示することが可能である。そのようなコーティングを缶に塗布するためのデバイスは、印刷デバイスとしても知られている。このコーティングが長持ちすることを保証するために、コーティングは、通常は、1つまたは複数の乾燥プロセスによって塗布の後に硬化されなければならない。コーティングのこの硬化のために、たとえば、ピンオーブンが使用され、ピンオーブンにおいて、コーティングは、対流的に加熱され、乾燥され、硬化され、および/または焼成される。ピンオーブンは、缶を搬送するためにチェーン(通常は、金属チェーン)を有している。乾燥プロセスは、通常は、ピンオーブンの乾燥セクションに沿って行われる。金属チェーンは、輸送ピンを有しており、輸送ピンは、チェーンの中の開口部を通して缶をピックアップし、ピンオーブンを通して缶を搬送する。それらの配向に応じて、缶は、それらの自重に起因して、輸送ピンまたは金属チェーンの上に載る。また、ファンは、輸送ピンの上に缶を保持するために使用される。また、ファンは、ピンオーブンに空気を供給するために、および、ピンオーブンから空気を抽出するために使用される。
【0004】
缶は、乾燥セクションに沿って金属チェーンまたは輸送ピンから落下する可能性がある。これらの脱落した缶は、乾燥プロセスを完了することができず、使用することができない。また、缶は、それらが落下する場合には、損傷を受ける可能性もある。
【0005】
とりわけ、0.3L以下の容量を有する比較的短い缶(いわゆる、Stabi-Can)では、たとえば、金属チェーンまたは輸送ピンの上にそれらを安定化させることが難しく、このタイプの缶では、比較的長い缶(たとえば、0.5L缶など)と比較して、落下する缶の数が増加するようになっている。
【0006】
落下する缶に伴う別の問題は、それらが乾燥セクションの異なるセクションに集まる可能性があるということである。そのようなセクションの中の缶の量の増加に起因して(脱落した缶およびそのセクションにおける金属チェーンの上の缶から構成される)、たとえば、乾燥のために供給されるべき熱エネルギーが増加される可能性がある。また、このセクションにおける缶のペイントの量も増加する可能性があり、それは、排気空気のより高い体積を意味する可能性がある。
【0007】
エネルギーコストの増加、ならびに、金属チェーンによって乾燥および搬送される缶の数の低減に加えて、脱落した缶は、安全上のリスクをもたらす可能性がある。とりわけ、脱落した缶は、積み重なる可能性があり、最終的には、たとえば、金属チェーンと干渉する可能性がある。そのうえ、落下した缶は、排気および/もしくは供給空気ダクトならびに/または加熱エレメントをカバーする可能性がある。これは、脱落した缶が生産に悪影響を及ぼす可能性があるということ意味している。とりわけ、脱落した缶は、ピンオーブンの金属チェーンおよび他のユニットへの損傷を引き起こす可能性がある。
【0008】
生産の間に、スタッフがピンオーブンに進入し、落下した缶を除去することはできない。結果として、生産は、落下した缶を除去するために停止されなければならない。どれぐらい多くの缶がすでに落下したか、および、どこに缶が落下したかは、スタッフにははっきりしないことが多く、したがって、乾燥セクションは、定期的な間隔で検査されるべきである。これは、生産の休止を意味し、それは防止されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上述の不利益のうちの1つまたは複数を排除する、コンテナ(とりわけ、缶)を生産するためのオーブン(とりわけ、ピンオーブン)の故障を防止するためのデバイスおよび方法を提供することである。とりわけ、本発明の課題は、脱落したコンテナの場所を決定すること、および、脱落した缶の数が最小化されるようにオーブンを制御することである。そのうえ、本発明の課題は、1つまたは複数の制御変数を調節することによって、コンテナ損失の可能な限り低い量を実現するために、オーブンのコンベヤユニット、オーブンのユニット、および/またはオーブンの、さまざまな制御変数の間の関係を確認することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この問題は、コンテナ、とりわけ、缶を生産するためのオーブンの故障を防止するためのデバイスであって、デバイスは、輸送ピンを備えたコンベヤユニットを含み、コンベヤユニットは、コンテナを乾燥セクションに沿って搬送するように設計されている、デバイスによって解決される。デバイスは、少なくとも1つの測定ユニットをさらに含み、少なくとも1つの測定ユニットは、乾燥セクションの観察セクションに進入するコンテナの入口数、および、観察セクションを退出するコンテナの出口数を確認するように設計されている。デバイスは、制御デバイスをさらに含み、制御デバイスは、入口数と出口数との間の偏差に基づいてコンテナ損失の量を決定するように設計されている。
【0011】
提案されるデバイスは、観察セクションにおけるコンテナ損失の量(すなわち、この観察セクションにおいて失われたコンテナの数)を決定するために使用することが可能である。とりわけ、デバイスは、この観察セクションにおいてどれぐらい多くのコンテナが失われた(特に、脱落した)かを決定するために使用することが可能である。これは、制御変数(このケースでは、コンテナ損失の量)をスタッフに提供し、スタッフは、それを使用し、他のものの中でも、生産が停止され得る時間、および、脱落したコンテナが除去され得る時間を決定することが可能である。
【0012】
オーブンは、ピンオーブンであることが可能である。故障は、コンベヤユニットから落下したコンテナ、または、もはや輸送ピンの上にないコンテナによる、コンベヤユニットの遮断である可能性がある。
【0013】
乾燥セクションは、オーブンの乾燥セクションであることが可能である。とりわけ、乾燥セクションは、コンテナがそれに沿って、コンベヤユニットによってオーブンのセクションを通して搬送されるセクションであることが可能である。観察セクションは、オーブンまたは乾燥セクションのうちの少なくとも1つのそのようなセクションを含むことが可能である。オーブンまたは乾燥セクションのそのようなセクションは、コンベヤユニットの上のコンテナフィードセクション、デコレーティングユニットのデコレータセクション、予備乾燥フレーム、冷却ゾーン、および/またはコンベヤユニットリターンを含むことが可能である。観察セクションは、少なくとも乾燥セクションであることが可能である。観察セクションは、セクションのうちの2つ以上を含むことが可能である。観察セクションは、乾燥セクションに沿って直接的に連続して(すなわち、観察セクション間にさらなるセクションを備えることなく)配置されることが可能である。代替的にまたは追加的に、観察セクションは、それらの間に少なくとも1つのさらなるセクションを有することが可能である。
【0014】
また、測定ユニットを、コンベヤユニットおよび/またはオーブンを制御するための、とりわけ、観察セクションを制御するための少なくとも1つの実際の制御変数を確認するように設計することが可能である。
【0015】
コンベヤユニットは、チェーンコンベヤであることが可能であり、チェーンコンベヤは、その延在の主方向に沿って互いに所定の距離に配置された輸送ピンを有している。コンテナを、輸送ピンを使用して位置決めすることが可能である。この目的のために、輸送ピンは、コンテナの中へ突出することが可能であり、コンテナは、一方の端部において開口している。コンベヤユニットを、搬送方向に沿ってオーブンを通してコンテナを搬送するように設計することが可能である。
【0016】
制御デバイスを、入口数、出口数、コンテナ損失の量、および少なくとも1つの実際の制御変数のうちの少なくとも1つに基づいて、コンベヤユニット、オーブン、および/または、オーブンの少なくとも1つのユニットを制御するための少なくとも1つのターゲット制御変数を調節するための調節コマンドを出力するようにさらに設計することが可能である。
【0017】
実際の制御変数は、コンベヤユニット、オーブン、および/または、オーブンの少なくとも1つのユニットの現在の、または現在使用されている制御変数である。たとえば、コンベヤユニットは、5m/sの現在の搬送速度で動作される。ターゲット制御変数は、調節されるべき制御変数である。たとえば、搬送速度は、ターゲット制御変数を使用して、3m/sに低減されるべきである。したがって、入口数、出口数、コンテナ損失の量、および、実際の制御変数の知識に基づいて、1つまたは複数のターゲット制御変数を変化させることが可能であり、ひいては、コンテナ損失の量を低減させることが可能である。
【0018】
コンベヤユニットを制御するための実際の制御変数および/またはターゲット制御変数は、コンベヤユニットの搬送速度、乾燥セクションに沿った(とりわけ、観察セクションに沿った)輸送密度、および/または、コンベヤユニットを駆動するドライブユニットのトルクを特徴付けることが可能であり、輸送密度は、単位時間当たりのコンテナの搬送される数を特徴付ける。代替的にまたは追加的に、オーブンを制御するための(とりわけ、オーブンの少なくとも1つのユニットを制御するための)実際の制御変数および/またはセットポイント制御変数は、乾燥セクションに沿って(とりわけ、観察セクションに沿って)流体フローをコンテナに適用するための少なくとも1つの流体フローデバイスを制御するための流体フロー制御変数であることが可能であり、オーブンの(とりわけ、観察セクションの)加熱デバイスは、流体フローの流体の温度、温度(とりわけ、コンテナのターゲット温度)、観察セクションの加熱温度、および/または、(とりわけ、少なくとも観察セクションに沿った)オーブンの加熱温度プロファイルを特徴付ける。
【0019】
実際の制御変数およびセットポイント制御変数は、制御されるべきユニット(たとえば、コンベヤユニット、オーブン、および/または、オーブンの少なくとも1つのユニット(たとえば、流体フローデバイスなど)など)、または、制御されるべきパラメータ(たとえば、温度など)に関係して、同じタイプのものであることが可能である。たとえば、実際の制御変数およびターゲット制御変数は、搬送速度に関係するが、異なる値を有することが可能である。搬送速度の実際の制御変数は、5m/sであることが可能であり、一方では、ターゲット制御変数は、3m/sである。そのうえ、実際の制御変数およびターゲット制御変数は、制御されるべきユニット(たとえば、コンベヤユニット、オーブン、および/または、オーブンのユニット(たとえば、流体フローデバイスなど)など)、または、制御されるべきパラメータ(たとえば、温度など)に関係して、異なるタイプのものであることが可能である。たとえば、実際の制御変数は、搬送速度に関係することが可能であり、一方では、セットポイント制御変数は、流体の温度に関係する。たとえば、実際の制御変数は、搬送速度に関係することが可能であり、調節コマンドは、流体フローデバイスの速度を増加させることによって、ひいては、作用流体による流体流量および/または接触圧力を増加させることによって、流体フローデバイスのターゲット制御変数を調節する。したがって、コンテナがより大きな接触圧力によってコンベヤユニットに押し付けられ、したがって、落下しにくくなるので、コンテナ損失の量を低減することが可能である。
【0020】
少なくとも1つの測定ユニットは、少なくとも1つのコンテナ特性を確認するようにさらに設計されることが可能であり、コンテナ特性は、コンテナのコンテナタイプ、コンテナ本体部、およびコンテナ幾何学形状のうちの1つである。調節コマンドは、依然としてコンテナ特性に基づくことが可能である。代替的に、コンテナ特性は、制御デバイスによってアクセスされ得るメモリの中に記憶することが可能であり、または、別のユニット(たとえば、制御デバイスの印刷デバイスまたはデバイスのユーザなど)によって特定もしくは入力することが可能である。
【0021】
少なくとも1つの測定ユニットを、コンベヤユニットの振動を検出するように設計することが可能である。調節コマンドは、依然として、検出される振動に基づくことが可能である。とりわけ、制御デバイスを、とりわけ、搬送速度および振動に関して、実際の制御変数および/またはターゲット制御変数の間の関係を決定するように設計することが可能である。出力コマンドは、依然として、この文脈に基づくことが可能である。
【0022】
制御デバイスを、検出される振動が低減および/または補償されるように、出力コマンドを決定するように設計することが可能である。
【0023】
動作の間に、ならびに、コンベヤユニットを始動させるときに、コンベヤユニットの搬送速度を増加および/または低減させるときに、コンベヤユニットは、振動するように設定される可能性がある。これらの振動は、搬送方向に走るかまたは搬送方向とは反対に走る可能性があり、コンテナにリスクをもたらす可能性がある。その理由は、振動に起因してコンテナがコンベヤユニットから落下する可能性があり、および/または、個々のプロセスステップが悪影響を与えられる可能性があるからである。振動は、振動振幅および/または周波数を有することが可能であり、また、これらによって説明することが可能である。
【0024】
上記および下記に説明されているように、少なくとも1つの測定ユニットを確認することは、それぞれの実際の制御変数、入口数、および出口数、ならびに、確認されるべき他の開示されている変数を記録することを含むことが可能である。代替的にまたは追加的に、確認することは、制御変数、入口数、および出口数、ならびに、確認されるべき変数に関する対応する情報を受け取ることを含むことが可能であり、測定ユニットは、情報に基づいて、制御変数、入口数、および出口数、ならびに、確認されるべき変数を決定することが可能である。測定ユニットは、別のユニットまたはネットワークから情報を受信することが可能である。
【0025】
少なくとも1つの測定ユニットは、光バリア、カメラ、近接スイッチ、金属検出器、およびセンサーのうちの少なくとも1つを含むことが可能であり、または、それらのうちの少なくとも1つであることが可能である。
【0026】
少なくとも1つの測定ユニットを、入口数、出口数、実際の制御変数、およびターゲット制御変数の時間を確認するように設計することが可能である。また、調節コマンドは、入口数、出口数、および/または実際の制御変数の時間に基づくことが可能である。
【0027】
少なくとも1つの測定ユニット、制御デバイス、コンベヤユニット、および/またはオーブン(とりわけ、オーブンの少なくとも1つの個々のユニット)は、信号技術を使用して互いに連結することが可能である。
【0028】
また、制御デバイスを、コンテナ損失の量が最小化されるように、調節コマンドを決定するように設計することが可能である。代替的にまたは追加的に、ターゲット制御変数および/または実際の制御変数は、少なくとも1つの観察セクションのコンテナ損失の量に影響を及ぼす制御変数であることが可能である。
【0029】
調節コマンドは、第1の優先レベルにさらに基づくことが可能であり、第1の優先レベルは、実際の制御変数および/またはターゲット制御変数の所定の、とりわけ、法的に規定された、上限値および/または下限値を含み、調節コマンドは、ターゲット制御変数が最大で上限値および/または下限値に到達するように、ターゲット制御変数を調節する。
【0030】
調節コマンドは、第1の優先レベルの下位にある第2の優先レベルに基づくことが可能であり、第2の優先レベルは、コンテナを生産するために必要な、コンベヤユニット、観察セクション、少なくとも1つの加熱デバイス、少なくとも1つの流体フローデバイス、および/もしくはオーブンの最小化されるエネルギー消費、ならびに、コンテナ損失の量の最小化のうちの少なくとも1つを特徴付ける。
【0031】
制御デバイスを、コンベヤユニットの上のコンテナを安定化させるためのコンテナの接触圧力に基づいて、調節コマンドを決定するようにさらに設計することが可能であり、接触圧力は、コンテナ特性、搬送速度、コンテナ密度、および、とりわけ、観察セクションに沿って、コンテナに適用される流体フローのうちの少なくとも1つに基づいている。とりわけ、接触圧力は、コンベヤユニットの上のコンテナを安定化させる最小接触圧力であることが可能である。最小接触圧力は、コンテナがコンベヤユニットの上に載る、および/または安定化されるように印加されなければならない最小接触圧力である。コンテナが必ずしも水平方向の搬送方向に沿ってのみ乾燥セクションに沿って搬送されるとは限らず、垂直方向および/または他の方向にも搬送されるので、コンテナの重量が輸送ピンの上にコンテナを保持するのに十分でない場合がしばしばある。搬送の方向に応じて、対応する接触圧力(とりわけ、対応する最小接触圧力)が必要とされる可能性がある。
【0032】
また、制御デバイスを、制御情報を出力するように設計することが可能である。制御情報は、入口数、出口数、コンテナ損失の量、少なくとも1つの実際の制御変数、少なくとも1つのターゲット制御変数、調節コマンド、観察セクション、コンテナ特性、第1の優先レベル、第2の優先レベル、および接触圧力のうちの少なくとも1つを特徴付けることが可能である。制御情報を、さらなる分析および/またはデータ処理のために、別の制御デバイス、コンピュータ、および/またはネットワークに出力することが可能である。
【0033】
デバイスは、制御情報を表示するように設計されている表示ユニットをさらに含むことが可能である。結果的に、制御情報を、ユーザに提供することが可能である。表示ユニットは、スクリーン、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、もしくはスマートフォンなどであることが可能であり、または、その一部であることが可能である。
【0034】
また、表示ユニットを、入力を受け取るように設計することも可能である。代替的にまたは追加的に、デバイスは、入力を受け取るように設計されている入力ユニットを含むことが可能である。入力は、ユーザからの入力、別のユニット(たとえば、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはスマートフォンなど)からの入力、および/または、ネットワークから受信される入力であることが可能である。
【0035】
入力は、少なくとも1つの実際の制御変数、少なくとも1つのターゲット制御変数、調節コマンド、観察セクション、コンテナ特性、第1の優先レベル、第2の優先レベル、および接触圧力のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。制御デバイスを、表示ユニットおよび/または入力ユニットから入力を受け取るように設計することが可能であり、また、入力に基づいて、少なくとも1つの実際の制御変数、少なくとも1つの所望の制御変数、観察セクション、コンテナ特性、第1の優先レベル、第2の優先レベル、および/もしくは接触圧力を決定し、ならびに/または、入力に基づいて調節コマンドを出力するように設計することが可能である。結果的に、ユーザは、上述の変数のうちの1つまたは複数を入力することが可能であり、また、ユーザによって入力された変数とともに制御デバイスが働くように、それらを上書きすることも可能である。
【0036】
制御デバイスを、コンテナ損失の量および/または少なくとも1つの実際の制御変数に基づいて、コンベヤユニットならびに/またはコンベヤユニットおよび/もしくは流体フローデバイスを含むコンベヤシステムの変化を決定するようにさらに設計することが可能である。流体フローデバイスは、1つの、2つの、またはそれ以上の出口ノズルを有することが可能である。コンベヤシステムは、コンベヤユニットを駆動するためのドライブユニット、コンベヤユニットをガイドするための1つもしくは複数のガイドレール、および/または、コンベヤユニットを支持するための1つもしくは複数の支持エレメントを含むことが可能である。コンベヤシステムは、コンベヤユニットによってコンテナを搬送するために提供されているさらなるユニットを有することが可能である。
【0037】
また、制御デバイスを、変化情報を出力するように設計することが可能である。表示ユニットを、変化情報を表示するように設計することが可能である。そのような変化は、1つまたは複数のコンベヤユニットホイール(とりわけ、チェーンホイール)がもはや正しく整合されていないということである可能性があり、それは、低減される安定性につながり、したがって、コンテナの損失、または、コンテナ損失の量につながる可能性がある。出口ノズル間の距離は、予備乾燥フレーム、オーブン、および冷却ゾーンの中の流体供給チャネル間の距離と同様に、予め決定されており(たとえば、おおよそ25mm)、また、変化している可能性がある。これは、熱応力に起因する可能性がある。また、出口ノズルを変化させることは、コンテナ生産に悪影響を及ぼし、コンテナ損失の量の増加につながる可能性もある。
【0038】
乾燥セクションは、2つ以上の観察セクションを有することが可能である。デバイスは、観察セクションの数に基づいて、所定の数の測定ユニットを有することが可能である。2つ以上の観察セクションのうちの少なくとも1つに関して、少なくとも1つの測定ユニットを、少なくとも1つの観察セクションに進入するコンテナの入口数、および、少なくとも1つの観察セクションを退出するコンテナの出口数を確認するように設計することが可能である。
【0039】
制御デバイスを、少なくとも1つの観察セクションの入口数と出口数との間の偏差に基づいて、少なくとも1つの観察セクションのコンテナ損失の量を決定するように、2つ以上の観察セクションのうちの少なくとも1つおよび/または別の観察セクションに関係して設計することが可能である。
【0040】
2つ以上の観察セクションのうちの少なくとも1つの観察セクションに関係して、少なくとも1つの測定ユニットを、コンベヤユニットおよび/またはオーブンを制御するための(とりわけ、少なくとも1つの観察セクションを制御するための)少なくとも1つの実際の制御変数を確認するように設計することが可能である。
【0041】
制御デバイスを、コンテナ損失の決定された量および2つ以上の観察セクションのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの実際の制御変数のうちの少なくとも1つに基づいて、コンベヤユニット、オーブン、および/または、オーブンの少なくとも1つのユニット(とりわけ、2つ以上の観察セクションのうちの少なくとも1つ)を制御するための少なくとも1つのターゲット制御変数を調節するための少なくとも1つの調節コマンドを出力するようにさらに設計することが可能である。
【0042】
実際の制御変数および/またはターゲット制御変数は、2つ以上の観察セクションのうちの少なくとも1つのコンテナ損失の量に影響を及ぼす制御変数であることが可能である。
【0043】
調節コマンドは、少なくとも1つの観察セクションおよび/またはさらなる観察セクションの1つの、2つの、またはそれ以上のターゲット制御変数を調節することが可能である。
【0044】
コンベヤユニットを制御するための少なくとも1つのターゲット制御変数を調節することは、コンベヤユニットに影響を及ぼす、および/または制御する制御変数が調節されるということを意味している。調節され得るコンベヤユニットの制御変数は、ドライブユニットの搬送速度、加速度、減速度、輸送密度、および/またはトルクであることが可能である。そのうえ、オーブンのターゲット制御変数を調節することは、オーブンに影響を及ぼす、および/または制御する制御変数を調節することを意味している。オーブンの制御変数は、流体フロー制御変数、加熱デバイスの制御変数(とりわけ、加熱パワー)、流体の温度、温度、(とりわけ、コンテナのターゲット温度)、加熱温度、(とりわけ、観察セクションの)加熱温度、および/または、加熱温度曲線であることが可能である。
【0045】
課題は、コンテナ、とりわけ、缶の生産のためのオーブンの故障を防止するためのコンピュータ実装方法によってさらに解決される。その方法は、コンベヤユニットによって乾燥セクションに沿ってコンテナを搬送するステップと、乾燥セクションの観察セクションに進入するコンテナの入口数、および、観察セクションを退出するコンテナの出口数を確認するステップと、入口数と出口数との間の偏差に基づいて、コンテナ損失の量を決定するステップとを含む。
【0046】
さらに、問題は、コンテナ、とりわけ、缶を生産するためのオーブンの故障を防止するためのコンピュータプログラム製品であって、プログラムがプロセッサによって実行されると、プロセッサに上記に説明されている態様による方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品によって解決される。
【0047】
デバイスに関係して作製される実施形態および特徴は、コンピュータ実装方法ステップとして形成することも可能である。コンピュータ実装方法は、上述のデバイスおよび/またはオーブン(とりわけ、ピンオーブン)のために使用されるのにとりわけ適切である。
【0048】
さらなる態様およびそれらの可能な実施形態のさらなる利点、実施形態変形例、および実施形態詳細に関して、デバイスの対応する特徴および実施形態の以前の説明も参照される。
【0049】
好適な例示的な実施形態が、同封の図を参照して例として説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】ピンオーブンの概略的な2次元側面図である。
図2図1に示されているピンオーブンの概略的な2次元詳細図である。
図3】例示的な方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図において、同一のまたは本質的に機能的に同一のまたは類似のエレメントは、同じ参照符号によって指定されている。
【0052】
図1は、ピンオーブン100を示している。ピンオーブン100は、コンベヤユニット102を含み、コンベヤユニット102は、チェーンコンベヤまたはチェーンとして設計されている。コンベヤユニット102は、図2に示されている輸送ピン104、104'、104"を含む。コンテナ1、1'は、輸送ピン104、104'、104"の上に配置することが可能であり、したがって、図1に示されている蛇行した乾燥セクションに沿って搬送することが可能である。ピンオーブン100は、複数の流体フローデバイス(ここでは、循環空気流体ユニット112、流体フローユニット115、および冷却流体ユニット118)およびコンテナ除去ユニット120をさらに含む。
【0053】
コンテナ1、1'は、ピンオーブン100の中に含まれていない印刷デバイス134において、とりわけ、ラッカーによって、印刷またはコーティングされる。コンテナ1、1'は、印刷デバイス134からピンオーブン100へ移送される。印刷デバイス134およびピンオーブン100は、印刷デバイス134がコンベヤユニット102を駆動するように、一緒に連結することが可能である。次いで、コンテナ1、1'は、予備乾燥フレーム124に進入する。チェーン張力制御装置154は、予備乾燥フレーム124の中に提供されており、チェーン張力制御装置154は、コンベヤユニット102のチェーンに張力を付加し、チェーンが常に所定の張力を有するようになっている。予備乾燥フレーム124の下流において、ピンオーブン100は、底部コータ126を有している。底部コータ126の下流において、ピンオーブン100は、オーブンユニット128を有している。
【0054】
オーブンユニット128は、オーブンチャンバ152を形成しており、コンテナ1、1'は、オーブンチャンバ152の中で高い温度に加熱される。この目的のために、オーブンユニット128は、加熱デバイス(このケースでは、加熱ユニット114)を有している。加熱ユニット114は、たとえば、ガスバーナであることが可能である。加熱ユニット114は、流体フローデバイス(このケースでは、循環空気流体ユニット112)に連結されており、流体フローデバイスは、流体フローを流体フロー方向116に移動させ、すなわち、最初にオーブンチャンバ152から加熱ユニット114の中へ、次いで、循環空気流体ユニット112の中へ、次いで、オーブンチャンバ152の中へ戻す。このように、加熱された流体フローは、オーブンチャンバ152に利用可能にされる。そのうえ、オーブンユニット128は、さらなる流体フローデバイス(このケースでは、流体フローユニット115)に連結されている。流体フローユニット115は、ピンオーブン100の環境からオーブンユニット128へ流体を提供するように、および、オーブンユニット128から流体を供給するように配置および構成されている。この目的のために、ピンオーブンは、流体入口デバイス136および流体出口デバイス138を有している。
【0055】
冷却ゾーン130が、オーブンユニット128のさらに下流に提供されている。冷却ゾーン130は、ピンオーブン100にとって随意的なものであり、一般的には、絶対的に必要なものではない。冷却ゾーン130において、さらなる流体フローデバイス(このケースでは、冷却流体ユニット118)が、流体フローによってコンテナ1、1'を冷却するように配置および設計されている。コンテナエキストラクタ132が、冷却流体ユニット118の出口部に位置付けされている。コンテナエキストラクタ132は、コンテナ除去ユニット120を有しており、コンテナ除去ユニット120は、流体フローによってコンテナ1、1'の底部に負圧を働かせ、したがって、それらをコンベヤユニット102から除去し、それらを下流のプロセスステップに移動させることが可能である。
【0056】
上記に説明されているように、コンベヤユニット102は、乾燥セクションに沿ってコンテナ1、1'を搬送し、乾燥セクションは、予備乾燥フレーム124、オーブンユニット128、および冷却ゾーン130に沿って走っている。コンベヤユニット102がコンテナ1、1'をコンテナエキストラクタ132に移送した後に、コンベヤユニット102は、ローラ156によって印刷デバイス134に戻される。
【0057】
図1によるピンオーブン100の故障を防止するためのデバイスは、制御デバイス122、第1~第4の測定ユニット140、142、144、146、およびコンベヤユニット102を含む。
【0058】
第1の測定ユニット140は、乾燥セクションに沿って印刷デバイス134の後に、および予備乾燥フレーム124の前に位置付けされており、第2の測定ユニット142は、予備乾燥フレーム124の後に、およびオーブンチャンバ152の前に位置付けされており、第3の測定ユニット144は、オーブンチャンバ152の後に、および冷却ゾーン130の前に位置付けされており、第4の測定ユニットは、冷却ゾーン130の後に、およびコンテナエキストラクタ132の前に位置付けされている。
【0059】
図1によれば、第1の測定ユニット140は、第1の観察セクションとして、予備乾燥フレーム124に進入するコンテナ1、1'の第1の入口数を確認するように設計されている。第2の測定ユニット142は、第2の観察セクションとして、予備乾燥フレーム124を退出するコンテナ1、1'の第1の出口数、および、オーブンチャンバ152に進入するコンテナ1、1'の第2の入口数を確認するように設計されている。第3の測定ユニット144は、第3の観察セクションとして、オーブンチャンバ152を退出するコンテナ1、1'の第2の出口数、および、冷却ゾーン130に進入するコンテナ1、1'の第3の入口数を確認するように設計されている。最後に、第4の測定ユニット146は、冷却ゾーン130を退出するコンテナ1、1'の第3の出口数を確認するように設計されている。代替的に、デバイスは、入口数および出口数を決定するために、より少ない、またはより多い測定ユニットを含むことが可能である。たとえば、単一の測定ユニットを、予備乾燥フレーム124の入口数および出口数を決定するように設計することが可能であり、別の測定ユニットが、オーブンチャンバ142の入口数および出口数を決定することが可能であり、別の測定ユニットが、冷却ゾーン130の入口数および出口数を決定することが可能である。代替的に、単一の測定ユニットが、すべての入口数および出口数を決定することが可能である。測定ユニットの数は、観察セクションの数に限定されない。
【0060】
第1~第3の入口数および第1~第3の出口数に基づいて、制御デバイス122は、コンテナ損失の第1~第3の量を決定することが可能である。コンテナ損失の量は、観察セクションのそれぞれの入口数と出口数との間の偏差から結果として生じ、観察セクションは、本明細書では、予備乾燥フレーム124、オーブンチャンバ152、および冷却ゾーン130である。
【0061】
制御デバイス122は、コンテナ損失の量に基づいてコンベヤユニット102および/またはピンオーブン100を制御するための少なくとも1つのターゲット制御変数を調節するための調節コマンドを出力するようにさらに設計されている。ターゲット制御変数は、たとえば、コンベヤユニット102の搬送速度である。コンテナ損失の量を低減させるために、搬送速度を、調節コマンドを使用して、ターゲット制御変数として低減することが可能である。したがって、調節コマンドは、コンベヤユニット102のドライブに出力または転送される。より低い搬送速度に起因して、コンテナ1、1'は、より低い遠心力および/または振動に曝され、それらがコンベヤユニット102から落下することとなる可能性は低くなる。
【0062】
制御デバイス122は、追加的にまたは代替的に、コンテナ損失の1つまたは複数の量に基づいて、調節コマンドを使用して、少なくとも1つのさらなるターゲット制御変数を調節することが可能である。コンテナ損失の量を低減させるためのさらなる決定的な変数は、接触圧力であり、接触圧力は、1つまたは複数の流体フローデバイスの流体フローによってコンテナ1、1'に働かされ、これらがコンベヤユニット102に押し付けられるようになっている。とりわけ、さまざまなターゲット制御変数(たとえば、搬送速度および接触圧力など)の間に相関関係が存在する可能性がある。
【0063】
図1によれば、第1~第4の測定ユニット140、142、144、146は、コンベヤユニットおよび/またはオーブンを制御するための(とりわけ、観察セクションを制御するための)少なくとも1つの実際の制御変数を確認するように設計されている。とりわけ、第1および第2の測定ユニット140、142は、予備乾燥フレーム124の少なくとも1つの実際の制御変数を確認するように設計されており、第2~第3の測定ユニット142、144は、オーブンチャンバ152の少なくとも1つの実際の制御変数を確認するように設計されており、第3~第4の測定ユニット144、146は、冷却ゾーン130の少なくとも1つの実際の制御変数を確認するように設計されている。
【0064】
実際の制御変数は、コンベヤユニット102、ピンオーブン100のユニット、および/またはピンオーブン100を制御するための現在使用されている、または現在の制御変数である。それとは対照的に、ターゲット制御変数は、調節コマンドを使用して調節される必要のある制御変数である。実際の制御変数およびセットポイント制御変数は、(たとえば、搬送速度に関して)同じタイプのものであることが可能であるが、異なるタイプのものであることも可能であり、たとえば、実際の制御変数は、搬送速度に関係しており、セットポイント制御変数は、オーブンチャンバ152における加熱温度に関係している。とりわけ、第1~第4の測定ユニット140、142、144、146は、少なくとも1つの実際の制御変数の時点および/または時間的進行を確認または記録することが可能である。
【0065】
コンベヤユニット102を制御するための実際の制御変数および/またはターゲット制御変数は、コンベヤユニット102の搬送速度および/または乾燥セクションに沿った(とりわけ、観察セクションに沿った)輸送密度を特徴付けることが可能であり、輸送密度は、単位時間当たりのコンテナ1、1'の搬送される数を特徴付ける。ピンオーブン100を制御するための実際の制御変数および/またはセットポイント制御変数は、加熱デバイスの乾燥セクションに沿って(とりわけ、観察セクションに沿って)流体フローをコンテナ1、1'に適用するための少なくとも1つの流体フローデバイス110、112、115、116、118、136、138を制御するための流体フロー制御変数であることが可能であり、このケースでは、ピンオーブン100の(とりわけ、観察セクションの)加熱ユニット114は、流体フローの流体の温度、温度、(とりわけ、コンテナ1、1'のターゲット温度)、観察セクションの加熱温度、および/または、少なくとも観察セクションに沿った加熱温度プロファイルを特徴付ける。
【0066】
コンテナ損失の量に関する別の決定的な要因は、コンテナ1、1'のコンテナ特性である。測定ユニット140、142、144、146のうちの少なくとも1つを、コンテナ1、1'の少なくとも1つのコンテナ特性を確認するようにさらに設計することが可能であり、コンテナ特性は、コンテナ1、1'のコンテナタイプ、コンテナ本体部、およびコンテナ幾何学形状のうちの1つである。調節コマンドは、依然としてコンテナ特性に基づくことが可能である。たとえば、コンテナが比較的に大きい場合には(たとえば、0.5L缶など)、それは、比較的に小さなコンテナ(たとえば、0.3L缶など)と比較して、少なくともより大きな表面積を有している。このより大きな表面積は、流体フローのためのより大きな接触表面を提供する。他のコンテナ特性(たとえば、コンテナ1、1'の重量、底面積、および延在された長さなど)は、コンテナ損失の量において重要な役割を果たす可能性がある。
【0067】
制御デバイス122は、制御情報を出力および/または提供するようにさらに設計されている。制御情報は、入口数、出口数、コンテナ損失の量、少なくとも1つの実際の制御変数、少なくとも1つのターゲット制御変数、調節コマンド、観察セクション、第1および第2の優先レベル、ならびに接触圧力のうちの少なくとも1つを特徴付けることが可能である。
【0068】
測定ユニット140、142、144、146は、決定される変数の時点を決定するようにさらに設計されている。
【0069】
示されていない表示ユニットによって、制御情報を表示することが可能であり、とりわけ、ユーザに対して利用可能にすることが可能である。そのうえ、ユーザは、示されていない表示ユニットおよび/または入力ユニットを使用して、入力を行うことが可能である。ユーザは、入力を使用し、表示された制御情報のサイズのうちの1つまたは複数を決定することが可能である。とりわけ、ユーザは、どの変数が測定ユニット140、142、144、146によって決定されるべきかを特定することが可能であり、および/または、これらを自分自身で特定することが可能である。したがって、ユーザは、自分の意見において、たとえば、コンテナ損失の量の低減につながる可能性がある異なるサイズを設定することが可能である。これが可能である理由は、ユーザが、観察セクションの場所、時間、および条件についての情報を提供され、したがって、この知識に基づいて適当な措置をとることが可能であるからである。
【0070】
とりわけ、調節コマンドは、測定ユニット140、142、144、146によって決定される量に部分的に基づくことが可能であり、また、ユーザによって特定される量に部分的に基づくことが可能である。したがって、調節コマンドは、制御デバイス122によって自動的に決定することが可能であり、または、ユーザは、自分の入力によって調節コマンドおよび他の変数に手動で影響を及ぼすことが可能である。
【0071】
制御デバイス122を、コンテナ損失の量が最小化されるように、調節コマンドを決定するようにさらに設計することが可能であり、ターゲット制御変数および/または実際の制御変数は、少なくとも1つの観察セクションのコンテナ損失の量に影響を及ぼす制御変数である。
【0072】
第1~第4の測定ユニット140、142、144、146は、少なくとも1つの光バリアを含むか、または少なくとも1つの光バリアであることが可能である。搬送速度が既知である場合には、コンテナ1、1'の延在長さ(高さ)および直径は、光バリアを使用して決定することが可能である。
【0073】
さらなるデータ処理、ならびに、時間、搬送速度、流体フローデバイスのファン速度、温度、および/またはコンテナ特性との組合せによって、さらなる最適化を実施することが可能である。安定化ユニット110のファン速度のターゲット制御変数を増加または減少させることによって、予備乾燥フレーム124におけるコンテナ損失またはコンテナ損失の量を、低減または制限することが可能である。オーブンチャンバ152におけるコンテナ損失またはコンテナ損失の量は、流体フローデバイス115のターゲット制御変数を調節することによって最適化することが可能である。冷却ゾーン130におけるコンテナ損失またはコンテナ損失の量は、冷却流体ユニット118のファン速度のターゲット制御変数を調節することによって最適化することが可能である。
【0074】
調節コマンドは、第1の優先レベルにさらに基づくことが可能であり、第1の優先レベルは、実際の制御変数および/またはターゲット制御変数の所定の(とりわけ、法的に規定された)上限値および/または下限値を含み、調節コマンドは、ターゲット制御変数が最大で上限値および/または下限値に到達するように、ターゲット制御変数を調節する。コンテナ1、1'の乾燥プロセスの間に、コンベヤユニット102を潤滑するための潤滑剤、および、コンテナ1、1'をコーティングするためのペイント材料は、蒸発する可能性があり、所定の上限値を超えてはならない。その理由は、過度の濃度が、たとえば、発火につながる可能性があるからである。結果的に、ファン速度は、所定の範囲内でのみ動作されることが可能である。
【0075】
制御デバイス122を、第1の優先レベルの下位にある第2の優先レベルに基づいて、調節コマンドを決定するようにさらに設計することが可能である。下位にあるということは、第1の優先が満たされた場合にのみ第1の優先が考慮されるということを意味している。第2の優先レベルは、コンテナ1、1'を生産するために必要なコンベヤユニット102、観察セクション、少なくとも1つの加熱デバイス(本明細書では、加熱ユニット114)、少なくとも1つの流体フローデバイス、および/またはピンオーブン100の最小化されたエネルギー消費、ならびに、コンテナ損失の量の最小化のうちの少なくとも1つを特徴付ける。したがって、エネルギー要件は、コンテナ損失の可能な限り低い量によって、ならびに、所定の上限値および/または下限値の順守によって実現することが可能である。
【0076】
図2は、ピンオーブン100の詳細(すなわち、安定化ユニット110)を示している。安定化ユニット110は、空気ダクト158を含む。開口部160が、空気ダクト158の一方の側に提供されている。空気ダクト158の中にガイドされる流体フロー162は、開口部160を通って退出し、そこからコンテナ1、1'に流体圧力または接触圧力を働かせる。この圧力に起因して、コンテナ1、1'は、輸送ピン104、104'、104"の上に、または、輸送ピン104、104'、104"の保持エレメント106の上に押し付けられる。結果として、コンテナ1、1'は安定化される。
【0077】
図3は、コンテナ1、1'、とりわけ、缶を生産するためのピンオーブン100の故障を防止するためのコンピュータ実装方法200を示している。方法200は、コンベヤユニット102によって乾燥セクションに沿ってコンテナ1、1'を搬送するステップ210と、乾燥セクションの観察セクションに進入するコンテナ1、1'の入口数、および、観察セクションを退出するコンテナ1、1'の出口数を確認するステップ220とを含む。方法200は、入口数と出口数との間の偏差に基づいてコンテナ損失1、1'の量を決定するステップ230をさらに含む。
【0078】
デバイスの制御デバイス122は、プロセッサを含むことが可能であり、コンテナ1、1'、とりわけ、缶を生産するためのピンオーブン100の故障を防止するためのコンピュータプログラム製品は、プロセッサによって実行され、それは、プログラムがプロセッサによって実行されると、プロセッサに以前に説明された方法200を実行させる命令を含む。
【符号の説明】
【0079】
1、1' コンテナ
100 ピンオーブン
112 コンベヤユニット
104、104'、104" 輸送ピン
106 保持エレメント
110 安定化ユニット
112 循環空気流体ユニット
114 加熱ユニット
115 流体フローデバイス
116 流体フロー方向
118 冷却流体ユニット
120 コンテナ除去ユニット
122 制御デバイス
124 予備乾燥フレーム
126 フロアコータ
128 オーブンユニット
130 冷却ゾーン
132 コンテナプラー(container puller)
134 印刷デバイス
136 流体入口デバイス
138 流体出口デバイス
140 第1の測定ユニット
142 第2の測定ユニット
144 第3の測定ユニット
146 第4の測定ユニット
152 オーブンチャンバ
154 チェーン張力制御装置
156 ローラ
158 空気ダクト
160 開口部
162 流体フロー
200 コンテナの生産のためのオーブンの故障を防止するための方法
210 乾燥セクションに沿ってコンテナを搬送するステップ
220 コンテナの入口数および出口数を確認するステップ
230 コンテナ損失の量を決定するステップ
図1
図2
図3
【国際調査報告】