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特表2024-531404機械式クラムシェル型カテーテルロックシステム、カテーテルをステムに連結する方法、及びカテーテルロッキングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】機械式クラムシェル型カテーテルロックシステム、カテーテルをステムに連結する方法、及びカテーテルロッキングシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61M39/10 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510399
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2021048746
(87)【国際公開番号】W WO2023033821
(87)【国際公開日】2023-03-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】フィウメフレッド、ダイアナ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、イアン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ホイ、ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】デンスリー、ブライオン レイ
(72)【発明者】
【氏名】ファラー、ルール エイチ.
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF01
4C066JJ01
(57)【要約】
本明細書に開示される実施形態は、クラムシェル型カテーテルロックデバイスおよびその方法に関する。カテーテルロックは、第2の部分にヒンジ結合されるとともに、中心縦軸に直交して延びる平面を通して回転可能な第1の部分を含む。ユーザは、対向する半径方向内向きの「締め付け」力を加えて、カテーテルロックを閉位置に移行させ、患者に直接圧力を加えることを軽減することができる。カテーテルロックは、その内面に連結されるとともに、開位置および閉位置の両方においてカテーテルロックをカテーテルに摺動可能に係合するように構成されたコンプライアントスリーブをさらに含む。スリーブは、締まり嵌めでカテーテルに係合して、ユーザがカテーテルに沿ってカテーテルロックを配置することを可能にし、カテーテルロックが再配置されるまで定位置に維持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルロックシステムであって、
管腔を画定するカテーテルと、
前記カテーテルの前記管腔に係合するように構成されたステムと、
前記カテーテルの外面に係合するとともに、前記カテーテルを前記ステムに固定するように構成されたカテーテルロックと
を備え、
前記カテーテルロックは、
第2の部分にヒンジ結合されるとともに、開位置と第1の閉位置との間で移行可能な第1の部分を有する本体と、
前記第1の閉位置において前記第1の部分および前記第2の部分に解放可能に係合するように構成されたロック機構と、
前記第1の部分の内面または前記第2の部分の内面に連結され、前記開位置および前記第1の閉位置の両方において前記カテーテルに前記カテーテルロックを固定するように構成されたスリーブと
を含む、カテーテルロックシステム。
【請求項2】
前記第1の閉位置にある前記本体は、前記カテーテルの外径よりも小さい直径を有するチャネルを画定する、請求項1に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項3】
前記スリーブは、前記カテーテルの外径に等しい第1の内径を有する管腔を画定するとともに、前記第1の内径よりも小さい第2の内径に弾性変形可能である、請求項1又は2に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項4】
前記スリーブは、前記第1の内径よりも大きい第3の内径に弾性変形可能である、請求項3に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項5】
前記スリーブは、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、またはシリコーンゴムから形成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項6】
前記本体は、第2の閉位置をさらに含み、前記第2の閉位置における前記チャネルの直径は、前記カテーテルの外径よりも大きい、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のカテーテルロックシステムは、前記第2の閉位置から前記第1の閉位置へ移行するための機械的利点を提供するように構成されたラッチ機構をさらに含むカテーテルロックシステム。
【請求項8】
前記第1の部分および前記第2の部分の一方または両方は、剛性材料または弾性材料から形成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項9】
前記スリーブは、前記開位置において前記カテーテルと摺動可能に係合する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項10】
前記スリーブは、前記開位置において締まり嵌めで前記カテーテルに係合するとともに、第1の長手方向位置において前記カテーテル上に位置決めされ、前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置に再位置決めされるまで前記第1の長手方向位置に維持するように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項11】
前記ステムはポートと流体連通している、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項12】
カテーテルをステムに連結する方法であって、
カテーテルをカテーテルロックのスリーブと摺動可能に係合させることであって、前記スリーブは、カテーテルロック本体の第2の部分にヒンジ結合された前記カテーテルロック本体の第1の部分の内面に連結され、前記第1の部分および前記第2の部分が開位置にあることと、
前記カテーテルの近位端をステム上に付勢することと、
前記カテーテルを該カテーテルの近位部分と整列させるべく、前記カテーテルに沿って前記スリーブを長手方向に摺動させることと、
前記カテーテルを前記開位置から閉位置に移行させるべく、前記第1の部分を前記第2の部分に対して回転させることと
を含む方法。
【請求項13】
前記第1の部分を前記第2の部分に対して回転させることは、第1の半径方向内向きの力を第1の部分に加えるとともに、前記第1の半径方向内向きの力とは反対の第2の半径方向内向きの力を第2の部分に加えることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記閉位置にある前記カテーテルロック本体は、前記カテーテルの外径以下の直径を有するチャネルを画定する、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記スリーブは、前記カテーテルの外径に等しい第1の内径を有するチャネルを画定するとともに、前記第1の内径よりも小さい第2の内径に弾性変形可能である、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記スリーブは、前記第1の内径よりも大きい第3の内径に弾性変形可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スリーブは、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、またはシリコーンゴムから形成される、請求項12乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
請求項12乃至17のいずれか一項に記載の方法は、第2の閉位置において前記第1の部分と前記第2の部分とを連結すべく、ラッチ機構を係合させることをさらに含み、前記カテーテルロック本体は、前記第2の閉位置において、前記カテーテルの前記外径よりも大きい第2の直径を画定する、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法は、前記カテーテルロック本体を前記第2の閉位置から前記第1の閉位置に移行させるべく、前記ラッチ機構を係合させることをさらに含む、方法。
【請求項20】
前記第1の部分および前記第2の部分の一方または両方は、剛性材料または弾性材料から形成される、請求項12乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記スリーブは、前記開位置において前記カテーテルに摺動可能に係合する、請求項12乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
請求項12乃至21のいずれか一項に記載の方法は、前記開位置にある前記カテーテルロックを前記カテーテルに沿って第2の長手方向位置まで摺動させることであって、前記カテーテルロックを第1の長手方向位置に維持すべく前記スリーブが前記カテーテルに締まり嵌めで係合することと、前記カテーテルロックを前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置まで摺動させることとをさらに含む、方法。
【請求項23】
カテーテルロッキングシステムであって、
管腔を画定するカテーテルと、
前記カテーテルの前記管腔に係合するように構成されたステムを含むポートと、
前記カテーテルの外面に係合するとともに、前記カテーテルを前記ステムに固定するように構成されたカテーテルロックとを備え、該カテーテルロックは、
第2の部分にヒンジ結合されるとともに、開位置と第1の閉位置との間で移行可能な第1の部分を有する本体と、
前記第1の閉位置において前記第1の部分および前記第2の部分に解放可能に係合するように構成されたロック機構と、
前記第1の部分または前記第2の部分のうちの1つに連結されたスリーブであって、前記開位置および前記第1の閉位置の両方にて前記カテーテルロックを前記カテーテルに連結するように構成されたスリーブと
を備えるカテーテルロッキングシステム。
【請求項24】
前記第1の閉位置にある前記本体は、前記カテーテルの外径よりも小さい直径を有するチャネルを画定する、請求項23に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項25】
前記スリーブは、前記カテーテルの外径に等しい第1の内径を有する管腔を画定するとともに、前記第1の内径よりも小さい第2の内径に弾性変形可能である、請求項23又は24に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項26】
前記スリーブは、前記第1の内径よりも大きい第3の内径に弾性変形可能である、請求項25に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項27】
前記スリーブは、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、またはシリコーンゴムから形成される、請求項23乃至26のいずれか一項に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項28】
前記本体は、第2の閉位置をさらに含み、前記第2の閉位置における前記チャネルの直径は、前記カテーテルの外径よりも大きい、請求項23乃至27のいずれか一項に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項29】
請求項28に記載のカテーテルロッキングシステムは、前記第2の閉位置から前記第1の閉位置へ移行するための機械的利点を提供するように構成されたラッチ機構をさらに含むカテーテルロッキングシステム。
【請求項30】
前記第1の部分および前記第2の部分の一方または両方は、剛性材料または弾性材料から形成される、請求項23乃至29のいずれか一項に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項31】
前記スリーブは、前記開位置において前記カテーテルと摺動可能に係合される、請求項23乃至30のいずれか一項に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項32】
前記スリーブは、前記開位置において締まり嵌めでカテーテルに係合するとともに、第1の長手方向位置において前記カテーテル上に位置決めされ、前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置に再位置決めされるまで前記第1の長手方向位置に維持するように構成される、請求項23乃至30のいずれか一項に記載のカテーテルロッキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、要約すると、カテーテルをポートステムに連結するための「クラムシェル型」カテーテルロックデバイスに関する。近位方向にトリミング可能なカテーテルは、カテーテルの留置後のサイズ変更が可能である。カテーテルおよびポートアセンブリを配置する場合、カテーテルの遠位先端の位置は、治療の有効性にとって重要であり得る。例えば、上大静脈内にカテーテルを留置する場合、カテーテルの遠位先端が標的領域に届いていないと、薬剤の有効性が低下する。遠位先端を前進しすぎると、遠位先端が不整脈を引き起こす可能性がある。標的場所と血管系への挿入部位とポートの場所との間の距離が、患者および手技の間で変動し得るため、カテーテルの遠位先端とポートとの間の距離は変動し得る。留置前にカテーテルの長さを推定することは、遠位先端の誤配置をもたらす失敗につながる可能性がある。
【0002】
近位方向にトリミング可能なカテーテルは、カテーテルの近位部分を正しい長さにトリミングする前に、カテーテルの遠位先端を標的位置に留置することを可能にする。次いで、臨床医は、カテーテルを皮下ポートまたは同様のアクセスデバイスに取り付けることができる。しかしながら、カテーテルをポートに固定することは困難なことがある。接続は、特に高圧注入の下で、漏れ無く行わなければならない。さらに、皮下アクセス部位の閉じた湿った環境内でカテーテルおよびポートを操作することは、滑り、アクセス部位への不適切な外傷、またはカテーテル遠位先端の誤配置をもたらし得る。
【0003】
本明細書で開示されるのは、カテーテルロックシステムであって、管腔を画定するカテーテルと、前記カテーテルの管腔に係合するように構成されたステムと、前記カテーテルの外面に係合するとともに、前記カテーテルを前記ステムに固定するように構成されたカテーテルロックであって、第2の部分にヒンジ結合されるとともに、開位置と第1の閉位置との間で移行可能な第1の部分を有する本体と、前記第1の閉位置において前記第1の部分および前記第2の部分に解放可能に係合するように構成されたロック機構と、前記第1の部分の内面または前記第2の部分の内面に連結され、前記開位置および前記第1の閉位置の両方において前記カテーテルに前記カテーテルロックを固定するように構成されたスリーブとを含む、カテーテルロックシステム。
【0004】
いくつかの実施形態では、前記第1の閉位置にある前記本体は、前記カテーテルの外径よりも小さい直径を有するチャネルを画定する。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記カテーテルの外径に等しい第1の内径を有する管腔を画定するとともに、前記第1の内径よりも小さい第2の内径に弾性変形可能である。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記第1の内径よりも大きい第3の内径に弾性変形可能である。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、またはシリコーンゴムから形成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、前記本体は、第2の閉位置をさらに含み、前記第2の閉位置における前記チャネルの直径は、前記カテーテルの外径よりも大きい。いくつかの実施形態では、前記カテーテルロックシステムは、前記第2の閉位置から前記第1の閉位置へ移行するための機械的利点を提供するように構成されたラッチ機構をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記第1の部分および前記第2の部分の一方または両方は、剛性材料または弾性材料から形成される。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記開位置において前記カテーテルと摺動可能に係合する。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記開位置において締まり嵌めでカテーテルに係合するとともに、第1の長手方向位置において前記カテーテル上に位置決めされ、前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置に再位置決めされるまで前記第1の長手方向位置に維持するように構成される。いくつかの実施形態では、前記ステムはポートと流体連通している。
【0006】
本明細書に開示されるのはカテーテルをステムに連結する方法であって、カテーテルをカテーテルロックのスリーブと摺動可能に係合させることであって、前記スリーブは、カテーテルロック本体の第2の部分にヒンジ結合された前記カテーテルロック本体の第1の部分の内面に連結され、前記第1の部分および前記第2の部分が開位置にあることと、前記カテーテルの近位端をステム上に付勢することと、前記カテーテルを該カテーテルの近位部分と整列させるべく、前記カテーテルに沿って前記スリーブを長手方向に摺動させることと、前記カテーテルを前記開位置から前記閉位置に移行させるべく、前記第1の部分を前記第2の部分に対して回転させることとを含む方法。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記第1の部分を前記第2の部分に対して回転させることは、第1の半径方向内向きの力を第1の部分に加えるとともに、前記第1の半径方向内向きの力とは反対の第2の半径方向内向きの力を第2の部分に加えることをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記閉位置にある前記カテーテルロック本体は、前記カテーテルの外径以下の直径を有するチャネルを画定する。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記カテーテルの外径に等しい第1の内径を有するチャネルを画定するとともに、前記第1の内径よりも小さい第2の内径に弾性変形可能である。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記第1の内径よりも大きい第3の内径に弾性変形可能である。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、またはシリコーンゴムから形成される。いくつかの実施形態では、前記方法は、第2の閉位置において第1の部分と第2の部分とを連結すべく、ラッチ機構を係合させることをさらに含み、前記カテーテルロック本体は、前記第2の閉位置において、前記カテーテルの前記外径よりも大きい第2の直径を画定する。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記方法は、前記カテーテルロック本体を前記第2の閉位置から前記第1の閉位置に移行させるべく、ラッチ機構を係合さるせことをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記第1の部分および前記第2の部分の一方または両方は、剛性材料または弾性材料から形成される。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記開位置において前記カテーテルと摺動可能に係合する。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記開位置にある前記カテーテルロックを前記カテーテルに沿って第2の長手方向位置まで摺動させることであって、前記カテーテルロックを前記第1の長手方向位置に維持すべく前記スリーブが前記カテーテルに締まり嵌めで係合することと、前記カテーテルロックを前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置まで摺動させることとをさらに含む。
【0010】
また、開示されるのは、カテーテルロッキングシステムであって、管腔を画定するカテーテルと、前記カテーテルの管腔に係合するように構成されたステムを有するポートと、前記カテーテルの外面に係合するとともに、前記カテーテルを前記ステムに固定するように構成されたカテーテルロックであって、第2の部分にヒンジ結合されるとともに、開位置と第1の閉位置との間で移行可能な第1の部分を有する本体と、前記第1の閉位置において前記第1の部分および前記第2の部分に解放可能に係合するように構成されたロック機構と、前記第1の部分または前記第2の部分の一方に連結され、前記開位置および前記第1の閉位置の両方において前記カテーテルに前記カテーテルロックを連結するように構成されたスリーブとを有する、カテーテルロックシステム。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記第1の閉位置にある前記本体は、前記カテーテルの外径よりも小さい直径を有するチャネルを画定する。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記カテーテルの外径に等しい第1の内径を有する管腔を画定するとともに、前記第1の内径よりも小さい第2の内径に弾性変形可能である。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記第1の内径よりも大きい第3の内径に弾性変形可能である。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、またはシリコーンゴムから形成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記本体は、第2の閉位置をさらに含み、前記第2の閉位置における前記チャネルの直径は、前記カテーテルの外径よりも大きい。いくつかの実施形態では、前記カテーテルロッキングシステムは、前記第2の閉位置から前記第1の閉位置へ移行するための機械的利点を提供するように構成されたラッチ機構をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記第1の部分および前記第2の部分の一方または両方は、剛性材料または弾性材料から形成される。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記開位置において前記カテーテルと摺動可能に係合する。いくつかの実施形態では、前記スリーブは、前記開位置において締まり嵌めでカテーテルに係合するとともに、第1の長手方向位置において前記カテーテル上に位置決めされ、前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置に再位置決めされるまで前記第1の長手方向位置に維持するように構成される。
【0013】
本開示のより具体的な説明は、添付の図面に示される特定の実施形態を参照することによってなされる。これら図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しているため、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、追加の特異性および詳細とともに説明および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本明細書に開示される実施形態による、例示的な使用環境におけるクラムシェル型カテーテルロックの斜視図を示す。
図2】本明細書に開示される実施形態による、開位置にあるクラムシェル型カテーテルロックの斜視図を示す。
図3】本明細書に開示される実施形態による、閉位置にあるクラムシェル型カテーテルロックの斜視図を示す。
図4A】本明細書に開示される実施形態による、クラムシェル型カテーテルロックの例示的な使用方法を示す。
図4B】本明細書に開示される実施形態による、クラムシェル型カテーテルロックの例示的な使用方法を示す。
図4C】本明細書に開示される実施形態による、クラムシェル型カテーテルロックの例示的な使用方法を示す。
図4D】本明細書に開示される実施形態による、クラムシェル型カテーテルロックの例示的な使用方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択で、本明細書に開示される他の多数の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせるか、または置換することができる特徴を有することができることも理解されたい。
【0016】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書で提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3など)は、一般に、複数の特徴または複数の工程のグループ内の異なる特徴またはステップを区別または識別するために使用され、連続的な限定または数値限定を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴またはステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴またはステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴またはステップに限定される必要はない。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」、などのラベルは、便宜上使用されており、例えば、特定の固定位置、向き、又は方向を意味するものではない。代わりに、そのような表記は、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。単数形の「一」、「1つ」、および「前記」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の参照も含む。
【0017】
「近位」に関しては、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「近位部分」または「近位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ(proximal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができるが、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0018】
「遠位」に関しては、例えば、本明細書に開示されているカテーテルの「遠位部分」または「遠位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、または患者内にあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ(distal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができるが、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0019】
実施形態の記載において、図1乃至図3に示すように、長手方向軸線は、カテーテルの軸方向長さと実質的に平行に延びる。横方向軸線は長手方向軸線に対して垂直に延び、横断方向軸線は、長手方向軸線および横方向軸線の両方に対して垂直に延びている。本明細書で使用される場合、水平面は、横軸および縦軸に沿って延びている。垂直面は、水平面に直交して延びている。
【0020】
他に定義しない限り、本明細書中で使用される全ての科学技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
本明細書に記載の実施形態は、カテーテル90をステム60または類似の剛性構造に固定するように構成されたクラムシェル型カテーテルロック(カテーテルロック)100を対象とする。図1は、例えば、カテーテル90または同様のコンプライアントチューブをポート50のステム60と連結する、例示的な使用環境におけるクラムシェル型カテーテルロック100を示す。理解されるように、ポート50は、例示的な医療デバイスであり、本明細書に開示される実施形態は、コンプライアントチューブを剛性ステムと連結してそれらの間に流体連通を提供することを必要とする種々の医療デバイスとともに使用可能である。
【0021】
一実施形態では、ポート50は、概して、ステム60の管腔62と流体連通しているリザーバ54を画定する本体52を含むことができる。ポート50は、リザーバ54を覆って配置される針貫通可能隔壁56をさらに含むことができ、針貫通可能隔壁56は、リザーバ54へのアクセスを提供するように構成される。使用時、アクセス針は、針貫通可能隔壁56を通ってリザーバ54内に経皮的に延び、リザーバ54との流体連通を提供することができる。
【0022】
一実施形態では、カテーテル90は、遠位先端と近位端94との間で長手方向に延びる長尺状の本体を含むことができるとともに、カテーテル管腔92を画定することができる。一実施形態では、カテーテル90の遠位先端は、患者の脈管構造内に配置されて、脈管構造との流体連通を提供することができる。一実施形態では、カテーテル90は、ステム60に締まり嵌めで係合すべく、ステム60上で軸方向に付勢され得、カテーテル管腔92とステム管腔62との間に流体連通を提供することができる。一実施形態では、カテーテル90は、プラスチック、ポリマー、ポリウレタン、エラストマー、複合材料、ゴム、シリコーンゴムなどのコンプライアント材料から形成され得る。一実施形態では、カテーテル90は、弾性変形するように構成され得るとともに、締まり嵌めでステム60に係合すべくステム60を覆って伸長されて、それらの間に流体密封シールを提供することができる。
【0023】
一実施形態では、カテーテルロック100は、カテーテル90の外面に連結されるとともに、カテーテル90をステム60にさらに固定すべく、カテーテル90をステム60上に圧縮することができる。カテーテルロック100は、カテーテル90がステム60から偶発的に外れないことを確実にするために特に重要であり得る。さらに、カテーテルロック100は、故障またはカテーテル100/ステム60の接続箇所からの漏出を伴わずに、圧力の増加またはそこを通る流量を増加させるべく、カテーテル90をステム60に固定することができる。
【0024】
一実施形態では、図2乃至図3に示すように、カテーテルロック100は、ヒンジ130によって第2の部分114にヒンジ結合された第1の部分112を有する本体110を含むことができる。ヒンジ130は、第1の部分112および第2の部分114が互いに対して回転することを可能にするように構成された機械的ヒンジ、リビングヒンジ、または同様の構造とすることができる。一実施形態では、第1の部分112および第2の部分114は、開位置(図2)と閉位置(図3)との間で互いに対して回転することができる。カテーテルロック100は、本体110を1つまたは複数の閉位置に固定するように構成されたラッチ140または類似の機構をさらに含むことができる。例示的なラッチ機構140は、クリップ、バーブ(barb)、戻り止め、結び目、縫合糸、ラチェットおよび爪、結束バンド、オーバーセンターラッチ、それらの組み合わせなどを含むことができる。一実施形態では、本体110は、実質的に硬質または弾性の機械的特性を提供する第1の材料から形成され得る。本体110は、プラスチック、ポリマー、金属、合金、ニチノール、複合材料、これらの組み合わせなどから形成可能である。
【0025】
一実施形態では、閉位置(図3)にあるカテーテルロック本体110は、カテーテル90の一部分およびステム60の一方または両方を受容するように構成されたチャネル116を画定することができる。一実施形態では、チャネル116の直径は、カテーテル90の外径以下であってもよい。一実施形態では、チャネル116の直径は、ステム60上に配置されたカテーテル90の一部の外径以下とすることができる。
【0026】
一実施形態では、第1の部分112および第2の部分114は、開位置と1つまたは複数の閉位置との間で長手方向中心軸線80に対して直交して延びる平面を通って互いに対して回転することができる。有利には、図2に示すように、カテーテルロック100は、対向する半径方向内向きの力、例えば中心長手方向軸線80に対して直交する締め付け力を加えることによって、開構成から閉構成に移行することができる。したがって、対向する「締め付け」力を加えることによって、不快感を引き起こすおそれのある患者に直接加えられる圧力が軽減される。さらに、対向する力は、カテーテル90/ポート50/カテーテルロック100のアセンブリに圧力を加えるときにユーザにより多くの制御を提供し、皮下配置部位の閉じた湿潤環境内での滑りおよび不適切な外傷を軽減する。
【0027】
一実施形態では、カテーテルロック100は、スリーブ120をさらに含むことができる。スリーブ120は、可撓性、適合性、または弾性変形可能な機械的特性を提供する第2の材料から形成され得る。一実施形態では、スリーブ120は、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、シリコーンゴム、複合材料、これらの組み合わせなどから形成され得る。一実施形態では、スリーブ120は、接着剤、接合、溶接、締結具、それらの組み合わせなどを使用して、第1の部分112または第2の部分114のうちの1つの内面に連結可能である。一実施形態では、スリーブ120は、該スリーブ120を通してカテーテル90の一部を受容するように構成された管腔122を画定するとともに、カテーテルロック100をカテーテル90と摺動可能に係合することができる。
【0028】
一実施形態では、図2に示すように、応力を受けていない状態のスリーブ120は、実質的に円形の管腔122を画定することができる。図1図2、および図4Aに示すように、スリーブ120は、明確化のために輪郭線で図示されていることに留意されたい。一実施形態では、応力を受けていない状態のスリーブ管腔122の直径は、カテーテル90の一部の外径よりも大きくすることができる。したがって、スリーブ120は、カテーテル90に摺動可能に係合することができる。一実施形態では、応力を受けていない状態のスリーブ管腔122の直径は、カテーテル90の一部の外径以上であってもよい。有利には、スリーブ120は、締まり嵌めでカテーテル90に摺動可能に係合することができる。したがって、使用時に、臨床医は、カテーテル90をスリーブ管腔122と摺動可能に係合させるべく、カテーテル90をスリーブ管腔122に通すことができる。臨床医は、カテーテル90上の第1の長手方向位置にカテーテルロック100を配置することができる。スリーブ120は、カテーテルロック100がユーザによって第2の長手方向位置に再配置されるまで、カテーテル90に対する第1の長手方向位置にカテーテルロック100の位置を維持すべく、カテーテル90に締り嵌めで係合することができる。
【0029】
有利なことに、スリーブ120は、カテーテルロック100がカテーテル90から滑り落ちて床面または同様の表面に触れることを防止することができる。有利には、スリーブ120は、コンプライアント材料から形成可能であり、カテーテル90とカテーテルロック100との間の把持力を増大させるべく、カテーテル90とカテーテルロック100との間で圧縮可能である。有利なことに、スリーブ120の第2の材料は、カテーテルロック100とカテーテル90との間の把持力を増大させるべく、増大した摩擦係数を提供することができる。これは、皮下配置の自然に湿った環境において特に重要であり得る。
【0030】
例示的な使用方法では、図4A乃至図4Dに示されるように、本明細書に記載されるようなカテーテルロック100が提供される。最初に、カテーテル90の遠位端を患者の脈管構造内の標的位置に配置することができる。必要に応じて、図4Aに示されるように、カテーテル90の近位端94は、適切な長さにトリミングされ得る。カテーテル90の近位端94は、カテーテルロック100が開位置にある間、カテーテル90とカテーテルロック100を摺動可能に係合すべく、スリーブ120の管腔122を通して供給され得る。
【0031】
一実施形態では、図4B乃至図4Cに示すように、カテーテルロック100は、締まり嵌めでカテーテル90に係合することができる。したがって、ユーザは、カテーテル90の長手方向長さに沿って第1の位置にカテーテルロック100を位置決めすることができ、カテーテルロック100は、ユーザによって再配置されるまで定位置に維持することができる。次に、ユーザは、近位端94をステム60上に付勢することができる。その後、ユーザは、ステム60の一部分、カテーテル90の近位部分、またはその両方と長手方向に整列するように、カテーテルロック100を再配置することができる。
【0032】
次に、図4Dに示すように、ユーザは、カテーテル90の長手方向中心軸線80に対して直交して延びる軸に沿って対向する半径方向内向きの力を加えることによって、カテーテルロック100を開位置から第1の閉位置に移行させることができる。例えば、対向する力のうちの第1の力をカテーテルロック本体110の第1の部分112に加えるとともに、対向する力のうちの第2の力をカテーテルロック本体110の第2の部分114に加えることにより、第1の部分112および第2の部分114を互いに対して回転させることができる。
【0033】
ラッチ機構140は、第1の部分112および第2の部分114と係合し、カテーテルロック本体110を第1の閉位置に維持することができる。任意選択で、ラッチ機構140は、第1の部分112または第2の部分114のうちの1つを選択的に係合解除して、カテーテルロック本体110が閉位置から開位置に移行することを可能にするように構成され得る。
【0034】
一実施形態では、図3に示されるように、ラッチ機構140は、第2の閉位置において第1の部分112を第2の部分114に連結するように構成されたオーバーセンターラッチ機構140であり得る。ラッチ機構140のレバーは、第1の部分112および第2の部分114を第1の閉位置に移行させるとともに、選択的に解放されるまで第1の閉位置にカテーテルロック本体110を維持するための機械的利点を提供するように構成され得る。一実施形態では、第1の閉位置におけるチャネル116の直径は、第2の閉位置におけるチャネルの直径よりも小さくてもよい。
【0035】
一実施形態では、チャネル116の直径、スリーブ管腔112の直径、またはその両方は、カテーテル90の外径以下であってもよい。一実施形態では、チャネル116の直径、またはスリーブ管腔122の直径、もしくはその両方は、ステム60上に配置されたカテーテル90の一部分の外径以下であってもよい。したがって、閉位置において、ステム60とカテーテル90との間に確実な流体密封シールを提供した状態で、カテーテルロック100は、ステム60上にカテーテル90を圧縮することができる。
【0036】
いくつかの特定の実施形態が本明細書で開示されており、それら特定の実施形態が、ある程度詳細に開示されているが、それら特定の実施形態が、本明細書で提供される概念の範囲を限定することは意図されていない。更なる適合及び/又は修正が、当業者には明らかとなる可能性があり、より広範な態様においては、これらの適合及び/又は修正も同様に包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態からの展開を実施することができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
【手続補正書】
【提出日】2024-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルロックシステムであって、
管腔を画定するカテーテルと、
前記カテーテルの前記管腔に係合するように構成されたステムと、
前記カテーテルの外面に係合するとともに、前記カテーテルを前記ステムに固定するように構成されたカテーテルロックと
を備え、
前記カテーテルロックは、
第2の部分にヒンジ結合されるとともに、開位置と第1の閉位置との間で移行可能な第1の部分を有する本体と、
前記第1の閉位置において前記第1の部分および前記第2の部分に解放可能に係合するように構成されたロック機構と、
前記第1の部分の内面または前記第2の部分の内面に連結され、前記開位置および前記第1の閉位置の両方において前記カテーテルに前記カテーテルロックを固定するように構成されたスリーブと
を含む、カテーテルロックシステム。
【請求項2】
前記第1の閉位置にある前記本体は、前記カテーテルの外径よりも小さい直径を有するチャネルを画定する、請求項1に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項3】
前記スリーブは、前記カテーテルの外径に等しい第1の内径を有する管腔を画定するとともに、前記第1の内径よりも小さい第2の内径に弾性変形可能である、請求項2に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項4】
前記スリーブは、前記第1の内径よりも大きい第3の内径に弾性変形可能である、請求項3に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項5】
前記スリーブは、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、またはシリコーンゴムから形成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項6】
前記本体は、第2の閉位置をさらに含み、前記第2の閉位置における前記チャネルの直径は、前記カテーテルの外径よりも大きい、請求項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のカテーテルロックシステムは、前記第2の閉位置から前記第1の閉位置へ移行するための機械的利点を提供するように構成されたラッチ機構をさらに含むカテーテルロックシステム。
【請求項8】
前記第1の部分および前記第2の部分の一方または両方は、剛性材料または弾性材料から形成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項9】
前記スリーブは、前記開位置において前記カテーテルと摺動可能に係合する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項10】
前記スリーブは、前記開位置において締まり嵌めで前記カテーテルに係合するとともに、第1の長手方向位置において前記カテーテル上に位置決めされ、前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置に再位置決めされるまで前記第1の長手方向位置に維持するように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項11】
前記ステムはポートと流体連通している、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項12】
カテーテルをステムに連結する方法であって、
カテーテルをカテーテルロックのスリーブと摺動可能に係合させることであって、前記スリーブは、カテーテルロック本体の第2の部分にヒンジ結合された前記カテーテルロック本体の第1の部分の内面に連結され、前記第1の部分および前記第2の部分が開位置にあることと、
前記カテーテルの近位端をステム上に付勢することと、
前記カテーテルを該カテーテルの近位部分と整列させるべく、前記カテーテルに沿って前記スリーブを長手方向に摺動させることと、
前記カテーテルを前記開位置から第1の閉位置に移行させるべく、前記第1の部分を前記第2の部分に対して回転させることと
を含む方法。
【請求項13】
前記第1の部分を前記第2の部分に対して回転させることは、第1の半径方向内向きの力を第1の部分に加えるとともに、前記第1の半径方向内向きの力とは反対の第2の半径方向内向きの力を第2の部分に加えることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の閉位置にある前記カテーテルロック本体は、前記カテーテルの外径以下の直径を有するチャネルを画定する、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記スリーブは、前記カテーテルの外径に等しい第1の内径を有するチャネルを画定するとともに、前記第1の内径よりも小さい第2の内径に弾性変形可能である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記スリーブは、前記第1の内径よりも大きい第3の内径に弾性変形可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スリーブは、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、またはシリコーンゴムから形成される、請求項12乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法は、第2の閉位置において前記第1の部分と前記第2の部分とを連結すべく、ラッチ機構を係合させることをさらに含み、前記カテーテルロック本体は、前記第2の閉位置において、前記カテーテルの前記外径よりも大きい第2の直径を画定する、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法は、前記カテーテルロック本体を前記第2の閉位置から前記第1の閉位置に移行させるべく、前記ラッチ機構を係合させることをさらに含む、方法。
【請求項20】
前記第1の部分および前記第2の部分の一方または両方は、剛性材料または弾性材料から形成される、請求項12乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記スリーブは、前記開位置において前記カテーテルに摺動可能に係合する、請求項12乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
請求項12乃至21のいずれか一項に記載の方法は、前記開位置にある前記カテーテルロックを前記カテーテルに沿って第2の長手方向位置まで摺動させることであって、前記カテーテルロックを第1の長手方向位置に維持すべく前記スリーブが前記カテーテルに締まり嵌めで係合することと、前記カテーテルロックを前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置まで摺動させることとをさらに含む、方法。
【請求項23】
カテーテルロッキングシステムであって、
管腔を画定するカテーテルと、
前記カテーテルの前記管腔に係合するように構成されたステムを含むポートと、
前記カテーテルの外面に係合するとともに、前記カテーテルを前記ステムに固定するように構成されたカテーテルロックとを備え、該カテーテルロックは、
第2の部分にヒンジ結合されるとともに、開位置と第1の閉位置との間で移行可能な第1の部分を有する本体と、
前記第1の閉位置において前記第1の部分および前記第2の部分に解放可能に係合するように構成されたロック機構と、
前記第1の部分または前記第2の部分のうちの1つに連結されたスリーブであって、前記開位置および前記第1の閉位置の両方にて前記カテーテルロックを前記カテーテルに連結するように構成されたスリーブと
を備えるカテーテルロッキングシステム。
【請求項24】
前記第1の閉位置にある前記本体は、前記カテーテルの外径よりも小さい直径を有するチャネルを画定する、請求項23に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項25】
前記スリーブは、前記カテーテルの前記外径に等しい第1の内径を有する管腔を画定するとともに、前記第1の内径よりも小さい第2の内径に弾性変形可能である、請求項24に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項26】
前記スリーブは、前記第1の内径よりも大きい第3の内径に弾性変形可能である、請求項25に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項27】
前記スリーブは、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、またはシリコーンゴムから形成される、請求項23乃至26のいずれか一項に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項28】
前記本体は、第2の閉位置をさらに含み、前記第2の閉位置における前記チャネルの直径は、前記カテーテルの外径よりも大きい、請求項24に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項29】
請求項28に記載のカテーテルロッキングシステムは、前記第2の閉位置から前記第1の閉位置へ移行するための機械的利点を提供するように構成されたラッチ機構をさらに含むカテーテルロッキングシステム。
【請求項30】
前記第1の部分および前記第2の部分の一方または両方は、剛性材料または弾性材料から形成される、請求項23乃至29のいずれか一項に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項31】
前記スリーブは、前記開位置において前記カテーテルと摺動可能に係合される、請求項23乃至30のいずれか一項に記載のカテーテルロッキングシステム。
【請求項32】
前記スリーブは、前記開位置において締まり嵌めでカテーテルに係合するとともに、第1の長手方向位置において前記カテーテル上に位置決めされ、前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置に再位置決めされるまで前記第1の長手方向位置に維持するように構成される、請求項23乃至30のいずれか一項に記載のカテーテルロッキングシステム。
【国際調査報告】