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特表2024-531405改変された肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)を有する遺伝子的に弱毒化されたPlasmodiumを取り込んだ組成物、および関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】改変された肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)を有する遺伝子的に弱毒化されたPlasmodiumを取り込んだ組成物、および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/11 20060101AFI20240822BHJP
   A61K 39/015 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 33/06 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/30 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
C12N1/11 ZNA
A61K39/015
A61P33/06
A61P37/04
C12N15/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510422
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 US2022075238
(87)【国際公開番号】W WO2023023660
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,872
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524062962
【氏名又は名称】シアトル チルドレンズ ホスピタル ディー/ビー/エー シアトル チルドレンズ リサーチ インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ゴスワミ, デバシュリー
(72)【発明者】
【氏名】カッペ, ステファン エイチ.アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーン, アシュリー マイケル
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065CA45
4C085AA03
4C085BA06
4C085EE01
(57)【要約】
本開示は、マラリアを引き起こす寄生生物、具体的には、Plasmodium種の寄生生物、より具体的には、後期肝臓ステージまでのみ正常に発達するように遺伝子変更されているが、血液ステージまたは赤血球の感染への移行が完全に阻害される、Plasmodium種の寄生生物を対象とする。具体的には、本発明者らは、肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)遺伝子の遺伝子機能の破壊により生じる、これらの寄生生物の発達の後期肝臓ステージでの停止をもたらす、遺伝子変更を特定した。この完全な後期肝臓ステージでの停止は、肝臓ステージ発達の間は寄生生物抗原アレイの増強された発現を可能にするが、血液ステージへの進入、赤血球感染、ならびに関連するマラリア疾患の徴候、症状、および病態を予防する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肝臓ステージ核タンパク質をコードするLINUP遺伝子を破壊し、それによって、野生型LINUP遺伝子によってコードされるタンパク質の生物学的機能を妨げるように遺伝子改変されている、生きたPlasmodium種生物。
【請求項2】
哺乳動物中間宿主内で後期肝臓ステージにライフサイクル発達を停止させる、請求項1に記載の生きたPlasmodium種生物。
【請求項3】
Plasmodium種が、P.falciparum、P.vivax、P.malariae、P.ovale、またはP.knowlesiを含む、請求項2に記載のPlasmodium種生物。
【請求項4】
前記Plasmodium種が、P.falciparumを含む、請求項3に記載のPlasmodium種生物。
【請求項5】
生物が、発達のスポロゾイトステージにある、請求項3に記載のPlasmodium種生物。
【請求項6】
遺伝子改変前の機能性LINUP遺伝子が、配列番号35に対して少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の配列同一性を有するLINUPである、請求項3に記載のPlasmodium種生物。
【請求項7】
遺伝子改変前の機能性LINUP遺伝子が、PF3D7_1249700、配列番号1に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の配列同一性を有するLINUPポリペプチドをコードする、請求項3に記載のPlasmodium種生物。
【請求項8】
請求項5に記載のPlasmodium種生物と添加剤とを含むワクチン組成物であって、無菌で調製される、ワクチン組成物。
【請求項9】
前記Plasmodium生物が、少なくとも1つの導入遺伝子を含む、請求項2に記載のPlasmodium種生物。
【請求項10】
前記導入遺伝子が、発達のスポロゾイトまたは肝臓ステージの間に前記導入遺伝子の転写をもたらすプロモーターの制御下にある、請求項9に記載のPlasmodium種生物。
【請求項11】
前記Plasmodium生物が、1つまたは複数の追加の遺伝子機能を破壊するように遺伝子改変されており、それぞれの追加の遺伝子機能が、Plasmodium生物のライフサイクルの肝臓ステージから血液ステージへの移行に必要である、請求項2に記載のPlasmodium種生物。
【請求項12】
前記Plasmodium生物が、PlasMei2遺伝子機能を破壊するように遺伝子改変されている、請求項11に記載のPlasmodium種生物。
【請求項13】
前記Plasmodium生物が、発達のスポロゾイトステージにある、請求項12に記載のPlasmodium種生物。
【請求項14】
遺伝子改変前の機能性PlasMei2遺伝子が、配列番号34に記載される核酸配列に対して、少なくとも約70%、80%、90%、または95%の同一性である核酸配列を含む、請求項12に記載のPlasmodium種生物。
【請求項15】
PlasMei2遺伝子によってコードされる機能性PlasMei2ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号36に記載される配列に対して、少なくとも約70%、80%、90%、または95%の同一性である、を含む、請求項12に記載のPlasmodium種生物。
【請求項16】
請求項13に記載のPlasmodium種生物と添加剤とを含むワクチン組成物であって、無菌で調製される、ワクチン組成物。
【請求項17】
ヒト対象において、1つまたは複数のPlasmodium抗原に対する免疫応答を誘導するための方法であって、前記対象に、1つまたは複数の用量の請求項8または請求項16に記載のワクチン組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項18】
前記免疫応答が、後続の野生型Plasmodiumチャレンジによる感染を緩和または防御する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ヒト対象において、Plasmodium種寄生生物によって引き起こされるマラリアに対する防御免疫を付与する方法であって、前記ヒト対象に、1つまたは複数の用量の請求項8または請求項16に記載のPlasmodium種生物を投与するステップを含む、方法。
【請求項20】
in vitroで産生される、請求項5に記載のPlasmodium種生物。
【請求項21】
in vitroで産生される、請求項13に記載のPlasmodium種生物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年8月19日に出願された米国仮出願第63/234,872号に基づく利益を主張する。
【0002】
配列表に関する記述
本出願に付随する配列表XMLは、XML形式で提供され、これにより参照により本明細書に組み込まれる。配列表を含むXMLファイルの名称は、3399-P33WO.xmlである。XMLファイルは、300KBであり、2022年8月19日に作成され、本明細書の出願とともにPatent Centerを通じて提出されている。
【0003】
政府のライセンスの権利に関する記述
本発明は、National Institutes of Healthにより付与されたR01 AI125706のもとに、政府の支援によりなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
背景
本発明は、概して、マラリア、ならびに遺伝子変更されたPlasmodium寄生生物の特定、作製、および使用に関する。より具体的には、本発明は、単一および/または複数の遺伝子座において破壊されており、それにもかかわらず発達の後期肝臓ステージへと進行することができるが、このステージで弱毒化された状態となり、血液ステージへと進行することができない、遺伝子的に弱毒化されたPlasmodium寄生生物に関する。
【0005】
マラリアは、ヒトの健康に重大な影響を及ぼし、毎年何十万人もが死亡し、マラリアが風土病である地域、特に、サハラ以下のアフリカ諸国において、社会的および経済的な発展の大きな妨げとなっている[1]。マラリアの原因となる物質であるPlasmodium属の寄生生物は、感染性の咬傷を介して、感染したAnopheles蚊の唾液で脊椎動物宿主へと伝播される。伝播した後、Plasmodium寄生生物、特に、ライフサイクルのスポロゾイトステージは、咬傷部位を出て、宿主の血流へと進入し、血流から肝臓へとすぐに移動する。スポロゾイトは、肝細胞に感染し、次いで、感染した肝細胞内で肝臓ステージの寄生生物として成長および複製し、初期肝臓ステージから後期肝臓ステージまで成熟し、数万個の血液ステージ感染性メロゾイトを産生し、これが、血流中に放出され、赤血球に感染する。ここで、それらはさらなる発達および複製を受け、その後で、赤血球の破裂を引き起こし、新しいメロゾイトの波が血液中へと放出される。新しいメロゾイトの大半は、さらなる赤血球に侵入することによって、複製サイクルの反復を継続する。この赤血球の感染および破裂の循環は、可能性としてマラリアに関連する重篤な症状、例えば、発熱、悪寒、衰弱、倦怠感、脾臓の肥大、および死亡を引き起こす。循環するメロゾイトのうちのごく少数は、赤血球に侵入した後、雄性または雌性のガメトサイトへと発達し、これが、別の蚊の咬傷を通じて吸血液に取り込まれるまで、身体内で循環し続ける。この蚊がPlasmodium伝播に適合性である(すなわち、別のAnopheles蚊である)と仮定すると、ガメトサイトは、配偶子へ発達するように進行し、融合して二倍体接合子を形成する。接合子は、運動性オーキネート形態へと発達し、これが、蚊の中腸の壁部を貫通し、オーシストを形成する。それぞれのオーシストは、何回もの分裂を受けて、最終的に感染性スポロゾイトを産生し、これが、蚊の唾液腺に蓄積され、次いで、次の宿主へと注入され得、このようにしてライフサイクルが継続していく。
【0006】
Plasmodium感染症の肝臓ステージは、この疾患について無症候性であり、症候性血液ステージ感染へと進行するため、マラリアの予防的介入の有望な標的である。実際に、ライフサイクルの肝臓ステージを標的とするワクチンは、多数の臨床試験において大きな可能性を示している。これを達成するために、ワクチンは、以下に概説される3つの異なるプロセスによって、発達の肝臓ステージで弱毒化されている。
【0007】
放射線により弱毒化されたワクチン:数十年前に、放射腺照射されたPlasmodium種スポロゾイト(「放射線により弱毒化されたスポロゾイト」またはRAS)が、実験用ワクチンとして使用した場合に、宿主特異的げっ歯動物およびヒトにおいて無菌(sterile)防御免疫を付与することができることが見出された[2、3]。天然のマラリア感染は、世界の風土病地域において無菌防御免疫を誘導することはないため、これは、驚くべきことであった。このアプローチは、放射線により弱毒化されたP.falciparum(Pf)全寄生生物ワクチンを産生するために使用されており、多数の臨床試験において高度に有効であることが証明されている。Sanaria(登録商標)PfSPZワクチンは、これまでに、9ヶ国で19の臨床試験において評価されており、極めて安全かつ十分に耐容され、有害事象率に生理食塩水対照との差がない[4~12]。PfSPZワクチンは、制御されたヒトマラリア感染(CHMI)による同種チャレンジ(ワクチンおよびチャレンジで同じPf株)に対して免疫付与後3~11週間の時点で90%を上回るワクチン有効性(VE)、異種(ワクチンおよびチャレンジで異なるPf株)に対して免疫付与後9.5週間の時点(公開されていない)で80%のVE、異種に対して8ヶ月の時点で54%の異種VEを誘導しており[5、7、8]、アフリカにおける4つの実施試験では、強力な天然に伝播したPfマラリアに対して無菌VEは少なくとも18ヶ月間持続可能であり、強力に伝播したPf感染に対するVEは、生存時間分析により、6ヶ月間は52%、51%、および47%であり、2年目では58%であった[9、13]。放射線照射により弱毒化されたPfSPZは、肝臓ステージ発達の間に、DNA損傷を誘導し、DNA複製を妨げる[2、14、15]。PfSPZは、およそ2日目~3日目に初期肝臓ステージの寄生生物へと発達するが、複製はしない。この肝臓ステージの間に産生されるPlasmodium特異的免疫原は、主としてCD8+T細胞に起因して免疫性を誘起するが、しかしながら、無菌免疫性を生じるためには、比較的多い用量(9×10~1.8×10個のPfSPZ)が必要である[4~9、16、17]。
【0008】
化学物質により弱毒化されたワクチン:抗マラリア薬のカバー下(化学物質による弱毒化)で投与される、(i)Plasmodiumライフサイクルの肝臓ステージまたは(ii)最初の波の寄生生物に感染した赤血球を標的とする生きた非弱毒化全寄生生物に基づくワクチンは、臨床試験において優れた有効性を示している。近年の試験において[18]、3回の用量の2×10個のPfSPZのSanaria(登録商標)PfSPZ-CVac(CQ)は、最後のワクチン投薬後12週間の時点において、異種CHMIに対する100%の防御をもたらした。しかしながら、化学物質による弱毒化が、Sanaria(登録商標)PfSPZ CVacワクチン-CQのように血液ステージの抗マラリア薬クロロキン(CQ)に依存している場合、PfSPZ非弱毒化全寄生生物の初回注射の7~8日後に、短い期間の一過的な寄生生物血症が存在し得、イブプロフェンを服用しなければ、最大でグレード3のマラリア症状をもたらし得る。加えて、パートナー薬が(なんらかの理由で)服用されなければ、重度のマラリアを発症する危険性が存在する。
【0009】
遺伝子的に弱毒化されたワクチン:遺伝子的に弱毒化された寄生生物(GAP)は、完全な肝臓ステージ発達を妨げる特定の遺伝子の欠失によって作製される。GAPは、げっ歯動物マラリアモデルにおいて広範に研究されている。最初のGAPは、感染力のあるスポロゾイト(UIS)において、オーシストスポロゾイトと比較して上方調節されている遺伝子を欠失させることによって産生された[19~22]。そのような欠失は、スポロゾイトステージにあるときはGAPの生存性に影響を及ぼさなかったが、発達の肝臓ステージの初期において、活性な肝臓ステージの複製が生じる前に、成長の停止をもたらした。そのようなGAPは、「初期停止型複製欠損」(EARD)と称される。これらのGAPは、好ましい免疫原性特性を示しただけでなく、時には、不完全な弱毒化を示しており、肝臓ステージから血液ステージへのライフサイクルの進行(「ブレイクスルー」とも称される)を可能にし、活動性感染を引き起こした。1つの初期停止型GAPであるSanaria(登録商標)PfSPZ-GA1は、GMPを遵守して製造され、臨床試験において評価された。これは、いずれのブレイクスルー血液ステージ感染も示さなかったため、十分に耐容され、安全であり、完全に弱毒化されていることが示されたが、CHIMに対して得られた有効性は低かった[23]。
【0010】
より最近では、寄生生物ワクチン株の作製を目指し、肝臓内での成長、発達、および複製を受けるが、血液ステージへと進行する直前で発達を停止し、死滅する、次世代GAPが開発されている[例えば、24~27を参照されたい)。これらのGAPは、LARC(後期停止型複製適合)と称され、これらのGAPは、肝臓における著しいワクチンバイオマス拡大をもたらし、さらに肝臓ライフサイクルへと移行し、したがって、より大きく広範な寄生生物抗原を免疫系に提示して続く免疫応答をより有効なものにするため、EARD GAPまたはRASよりも強力な免疫原である。実際に、げっ歯動物マラリアモデルにおいて、Plasmodium yoeliiのLARC GAPは、EARD GAPおよびRASと比較して、スポロゾイトチャレンジからの優れた防御を提供することが示されている。[28]さらに、P.yoelii LARC GAPは、直接的な血液ステージチャレンジからステージを超えた防御も提供することが示されており、後期肝臓ステージGAPにおける抗原の存在を示し、これは、血液ステージの形態の特徴でもある[29]。しかしながら、公開されているP.yoelii GAPは、ヒト寄生性ホモログであるP.falciparumにおける遺伝子欠失に関する情報を提供しておらず、および/または完全な弱毒化も示していない[26、30]。したがって、完全な弱毒化を確実にするために遺伝子欠失のさらなる標的を特定する必要性が存在する。最終的には、マラリア臨床試験において完全に弱毒化されており、マラリアを予防するための安全かつ高度に有効なワクチンとして使用することができる、ヒトマラリアLARC GAPを作製することが、目標である。しかしながら、ヒトマラリアを引き起こす寄生生物、例えば、P.falciparumにおける、完全な弱毒化をもたらす欠失の追加の標的遺伝子の特定は、継続的な課題となっている。
【0011】
将来的な感染に対して脊椎動物免疫系を刺激するのに有用である弱毒化されたPlasmodium寄生生物を作製することに関する当該技術分野における進歩にもかかわらず、血液ステージ感染へのブレイクスルーを伴うことなく、完全な弱毒化、すなわち、後期肝臓ステージ発達でのライフサイクル進行の完全な停止を提供する、新規な特定の遺伝子に基づく改変または複数の遺伝子に基づく改変の新規な組合せを特定する必要性が残っている。これにより、後続の寄生生物感染に対するより完全な免疫性のためにより多くの様々な抗原を提供する肝臓ステージの寄生生物ワクチン免疫原の安全かつ長期的な開発が可能となるであろう。本開示は、これらおよび関連する必要性に対処する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】World Health O. World malaria report 2020: 20 years of global progress and challenges. Geneva: World Health Organization2020.
【非特許文献2】Nussenzweig RS, Vanderberg J, Most H, and Orton C. Protective immunity produced by the injection of x-irradiated sporozoites of plasmodium berghei. Nature 216: 160-162, 1967.
【非特許文献3】Clyde DF. Immunity to falciparum and vivax malaria induced by irradiated sporozoites: a review of the University of Maryland studies, 1971-75. Bull World Health Organ 68(Suppl): 9-12, 1990.
【非特許文献4】Epstein JE, Tewari K, Lyke KE, Sim BK, Billingsley PF, Laurens MB, Gunasekera A, Chakravarty S, James ER, Sedegah M, Richman A, Velmurugan S, Reyes S, Li M, Tucker K, Ahumada A, Ruben AJ, Li T, Stafford R, Eappen AG, Tamminga C, Bennett JW, Ockenhouse CF, Murphy JR, Komisar J, Thomas N, Loyevsky M, Birkett A, Plowe CV, Loucq C, Edelman R, Richie TL, Seder RA, and Hoffman SL. Live attenuated malaria vaccine designed to protect through hepatic CD8+T cell immunity. Science 334: 475-480, 2011.
【非特許文献5】Seder RA, Chang LJ, Enama ME, Zephir KL, Sarwar UN, Gordon IJ, Holman LA, James ER, Billingsley PF, Gunasekera A, Richman A, Chakravarty S, Manoj A, Velmurugan S, Li M, Ruben AJ, Li T, Eappen AG, Stafford RE, Plummer SH, Hendel CS, Novik L, Costner PJ, Mendoza FH, Saunders JG, Nason MC, Richardson JH, Murphy J, Davidson SA, Richie TL, Sedegah M, Sutamihardja A, Fahle GA, Lyke KE, Laurens MB, Roederer M, Tewari K, Epstein JE, Sim BK, Ledgerwood JE, Graham BS, Hoffman SL, and for the VRC 312 Study Team. Protection against malaria by intravenous immunization with a nonreplicating sporozoite vaccine. Science 341: 1359-1365, 2013.
【非特許文献6】Ishizuka AS, Lyke KE, DeZure A, Berry AA, Richie TL, Mendoza FH, Enama ME, Gordon IJ, Chang LJ, Sarwar UN, Zephir KL, Holman LA, James ER, Billingsley PF, Gunasekera A, Chakravarty S, Manoj A, Li M, Ruben AJ, Li T, Eappen AG, Stafford RE, K CN, Murshedkar T, DeCederfelt H, Plummer SH, Hendel CS, Novik L, Costner PJ, Saunders JG, Laurens MB, Plowe CV, Flynn B, Whalen WR, Todd JP, Noor J, Rao S, Sierra-Davidson K, Lynn GM, Epstein JE, Kemp MA, Fahle GA, Mikolajczak SA, Fishbaugher M, Sack BK, Kappe SH, Davidson SA, Garver LS, Bjorkstrom NK, Nason MC, Graham BS, Roederer M, Sim BK, Hoffman SL, Ledgerwood JE, and Seder RA. Protection against malaria at 1 year and immune correlates following PfSPZ vaccination. Nat Med 22: 614-623, 2016.
【非特許文献7】Epstein JE, Paolino KM, Richie TL, Sedegah M, Singer A, Ruben AJ, Chakravarty S, Stafford A, Ruck RC, Eappen AG, Li T, Billingsley PF, Manoj A, Silva JC, Moser K, Nielsen R, Tosh D, Cicatelli S, Ganeshan H, Case J, Padilla D, Davidson S, Garver L, Saverino E, Murshedkar T, Gunasekera A, Twomey PS, Reyes S, Moon JE, James ER, Kc N, Li M, Abot E, Belmonte A, Hauns K, Belmonte M, Huang J, Vasquez C, Remich S, Carrington M, Abebe Y, Tillman A, Hickey B, Regules J, Villasante E, Sim BK, and Hoffman SL. Protection against Plasmodium falciparum malaria by PfSPZ Vaccine. JCI Insight 2: e89154, 2017.
【非特許文献8】Lyke KE, Ishizuka AS, Berry AA, Chakravarty S, DeZure A, Enama ME, James ER, Billingsley PF, Gunasekera A, Manoj A, Li M, Ruben AJ, Li T, Eappen AG, Stafford RE, Kc N, Murshedkar T, Mendoza FH, Gordon IJ, Zephir KL, Holman LA, Plummer SH, Hendel CS, Novik L, Costner PJ, Saunders JG, Berkowitz NM, Flynn BJ, Nason MC, Garver LS, Laurens MB, Plowe CV, Richie TL, Graham BS, Roederer M, Sim BK, Ledgerwood JE, Hoffman SL, and Seder RA. Attenuated PfSPZ Vaccine induces strain-transcending T cells and durable protection against heterologous controlled human malaria infection. Proc Natl Acad Sci U S A 114: 2711-2716, 2017.
【非特許文献9】Sissoko MS, Healy SA, Katile A, Omaswa F, Zaidi I, Gabriel EE, Kamate B, Samake Y, Guindo MA, Dolo A, Niangaly A, Niare K, Zeguime A, Sissoko K, Diallo H, Thera I, Ding K, Fay MP, O'Connell EM, Nutman TB, Wong-Madden S, Murshedkar T, Ruben AJ, Li M, Abebe Y, Manoj A, Gunasekera A, Chakravarty S, Sim BK, Billingsley PF, James ER, Walther M, Richie TL, Hoffman SL, Doumbo O, and Duffy PE. Safety and efficacy of PfSPZ Vaccine against Plasmodium falciparum via direct venous inoculation in healthy malaria-exposed adults in Mali: a randomised, double-blind phase 1 trial. Lancet Infect Dis 17: 498-509, 2017.
【非特許文献10】Jongo SA, Shekalage SA, Church LWP, Ruben AJ, Schindler T, Zenklusen I, Rutishauser T, Rothen J, Tumbo A, Mkindi C, Mpina M, Mtoro AT, Ishizuka AS, Ramadhani KK, Milando FA, Qassim M, Juma OA, Mwakasungula S, Simon B, James ER, Abebe Y, K CN, Chakravarty S, Saverino E, Bakari BM, Billingsley PF, Seder RA, Daubenberger C, Sim BKL, Richie TL, Tanner M, Abdulla S, and Hoffman SL. Safety, Immunogenicity, and Protective Efficacy against Controlled Human Malaria Infection of Plasmodium falciparum Sporozoite Vaccine in Tanzanian Adults. Am J Trop Med Hyg 99: 338-349, 2018.
【非特許文献11】Olotu A, Urbano V, Hamad A, Eka M, Chemba M, Nyakarungu E, Raso J, Eburi E, Mandumbi DO, Hergott D, Maas CD, Ayekaba MO, Milang DN, Rivas MR, Schindler T, Embon OM, Ruben AJ, Saverino E, Abebe Y, Kc N, James ER, Murshedkar T, Manoj A, Chakravarty S, Li M, Adams M, Schwabe C, Segura L, Daubenberger C, Tanner M, Richie TL, Billingsley PF, Sim BKL, Abdulla S, and Hoffman SL. Advancing Global Health through Development and Clinical Trials Partnerships: A Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blind Assessment of Safety, Tolerability, and Immunogenicity of Plasmodium falciparum Sporozoites Vaccine for Malaria in Healthy Equatoguinean Men. Am J Trop Med Hyg 98: 308-318, 2018.
【非特許文献12】Jongo SA, Church LWP, Mtoro AT, Chakravarty S, Ruben AJ, Swanson PA, Kassim KR, Mpina M, Tumbo AM, Milando FA, Qassim M, Juma OA, Bakari BM, Simon B, James ER, Abebe Y, Kc N, Saverino E, Gondwe L, Studer F, Fink M, Cosi G, El-Khorazaty J, Styers D, Seder RA, Schindler T, Billingsley PF, Daubenberger C, Sim BKL, Tanner M, Richie TL, Abdulla S, and Hoffman SL. Safety and Differential Antibody and T-Cell Responses to the Plasmodium falciparum Sporozoite Malaria Vaccine, PfSPZ Vaccine, by Age in Tanzanian Adults, Adolescents, Children, and Infants. Am J Trop Med Hyg 100: 1433-1444, 2019.
【非特許文献13】Sissoko MS, Healy SA, Katile A, Zaidi I, Hu Z, Kamate B, Samake Y, Sissoko K, Mwakingwe-Omari A, Lane J, Imeru A, Mohan R, Thera I, Guindo CO, Dolo A, Niare K, Koita F, Niangaly A, Rausch KM, Zeguime A, Guindo MA, Bah A, Abebe Y, James ER, Manoj A, Murshedkar T, Kc N, Sim BKL, Billingsley PF, Richie TL, Hoffman SL, Doumbo O, and Duffy PE. Safety and efficacy of a three-dose regimen of Plasmodium falciparum sporozoite vaccine in adults during an intense malaria transmission season in Mali: a randomised, controlled phase 1 trial. Lancet Infect Dis 22: 377-389, 2022.
【非特許文献14】Chattopadhyay R, Conteh S, Li M, James ER, Epstein JE, and Hoffman SL. The Effects of radiation on the safety and protective efficacy of an attenuated Plasmodium yoelii sporozoite malaria vaccine. Vaccine 27: 3675-3680, 2009.
【非特許文献15】Hoffman SL, Billingsley P, James E, Richman A, Loyevsky M, Li T, Charkravarty S, Gunasekera A, Chattopadhyay R, Li M, Stafford R, Ahumada A, Epstein JE, Sedegah M, Reyes S, Richie TL, Lyke KE, Edelman R, Laurens MB, Plowe CV, and Sim BKL. Development of a metabolically active,non-replicating sporozoite vaccine to prevent Plasmodium falciparum malaria. Human Vaccines 6: 97-106, 2010.
【非特許文献16】Hoffman SL, Goh LM, Luke TC, Schneider I, Le TP, Doolan DL, Sacci J, de la Vega P, Dowler M, Paul C, Gordon DM, Stoute JA, Church LW, Sedegah M, Heppner DG, Ballou WR, and Richie TL. Protection of humans against malaria by immunization with radiation-attenuated Plasmodium falciparum sporozoites. J Infect Dis 185: 1155-1164, 2002.
【非特許文献17】Richie TL, Billingsley PF, Sim BK, Epstein JE, Lyke KE, Mordmuller B, Alonso P, Duffy PE, Doumbo OK, Sauerwein RW, Tanner M, Abdulla S, Kremsner PG, Seder RA, and Hoffman SL. Progress with Plasmodium falciparum sporozoite (PfSPZ)-based malaria vaccines. Vaccine 33: 7452-7461, 2015.
【非特許文献18】Mwakingwe-Omari A, Healy SA, Lane J, Cook DM, Kalhori S, Wyatt C, Kolluri A, Marte-Salcedo O, Imeru A, Nason M, Ding LK, Decederfelt H, Duan J, Neal J, Raiten J, Lee G, Hume JCC, Jeon JE, Ikpeama I, Kc N, Chakravarty S, Murshedkar T, Church LWP, Manoj A, Gunasekera A, Anderson C, Murphy SC, March S, Bhatia SN, James ER, Billingsley PF, Sim BKL, Richie TL, Zaidi I, Hoffman SL, and Duffy PE. Two chemoattenuated PfSPZ malaria vaccines induce sterile hepatic immunity. Nature 595: 289-294, 2021.
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【非特許文献22】Mueller AK, Labaied M, Kappe SH, and Matuschewski K. Genetically modified Plasmodium parasites as a protective experimental malaria vaccine. Nature 433: 164-167, 2005.
【非特許文献23】Roestenberg M, Walk J, van der Boor SC, Langenberg MCC, Hoogerwerf MA, Janse JJ, Manurung M, Yap XZ, Garcia AF, Koopman JPR, Meij P, Wessels E, Teelen K, van Waardenburg YM, van de Vegte-Bolmer M, van Gemert GJ, Visser LG, van der Ven A, de Mast Q, Natasha KC, Abebe Y, Murshedkar T, Billingsley PF, Richie TL, Sim BKL, Janse CJ, Hoffman SL, Khan SM, and Sauerwein RW. A double-blind, placebo-controlled phase 1/2a trial of the genetically attenuated malaria vaccine PfSPZ-GA1. Sci Transl Med 12: eaaz5629, 2020.
【非特許文献24】Dankwa DA, Davis MJ, Kappe SHI, and Vaughan AM. A Plasmodium yoelii Mei2-Like RNA Binding Protein Is Essential for Completion of Liver Stage Schizogony. Infect Immun 84: 1336-1345, 2016.
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【非特許文献30】van Schaijk BC, Ploemen IH, Annoura T, Vos MW, Foquet L, van Gemert GJ, Chevalley-Maurel S, van de Vegte-Bolmer M, Sajid M, Franetich JF, Lorthiois A, Leroux-Roels G, Meuleman P, Hermsen CC, Mazier D, Hoffman SL, Janse CJ, Khan SM, and Sauerwein RW. A genetically attenuated malaria vaccine candidate based on P. falciparum b9/slarp gene-deficient sporozoites. Elife: 3, 2014.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
概要
本開示は、マラリアを引き起こす寄生生物、具体的には、Plasmodium種寄生生物、より具体的には、発達の後期肝臓ステージへと正常に発達するように遺伝子変更されているが、肝臓ステージから血液ステージへの移行および後続の赤血球感染が阻止される、Plasmodium種寄生生物を対象とする。具体的には、本発明者らは、LINUP遺伝子産物の破壊をもたらす肝臓ステージ核タンパク質(Liver Stage Nuclear Protein:LINUP)遺伝子の欠失によって、これらの寄生生物が発達の後期肝臓ステージで弱毒化され、この後期肝臓ステージの停止を引き起こす、遺伝子変更を特定した。停止されたLINUP突然変異体は、肝臓ステージ発達中に広範な寄生生物特異的抗原性アレイの発現を可能にするが、血液ステージへの進入、後続の赤血球感染、ならびに関連するマラリア疾患の兆候、症状、および病態に関して重度に弱毒化される。二重ノックアウトLARC2(LINUPおよびPlasMei2の両方の遺伝子機能が欠失している)を含め、LINUP破壊を含む遺伝子的に弱毒化されたPlasmodium種寄生生物のファミリーは、マラリアワクチンおよび関連する治療薬における生きた免疫原として理想的である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A図1A~1C。P.yoelii肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)(PY17X_1465200)は、肝臓ステージの寄生生物の核に局在化し、肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)と称されることになる。 A. P.falciparum LINUP(PF3D7_1249700)(配列番号1)ならびにそのシンテニーオルソログであるP.yoelii LINUP(PY17X_1465200)(配列番号2)およびP.vivax LINUP(PVP01_1466800)(配列番号3)との間のアミノ酸アライメントは、40%のアミノ酸配列同一性および60%の配列類似性を示す。コンセンサス配列(配列番号4)を参照されたく、配列同一性/類似性は、灰色で示される。予測および保存された核局在化配列(NLS)は、下線で示し、アミノ酸132~156にまたがっている。
図1B図1A~1C。P.yoelii肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)(PY17X_1465200)は、肝臓ステージの寄生生物の核に局在化し、肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)と称されることになる。 B. P.yoelii LINUPの局在化を可視化するために、mCherryタグをLINUPのC末端に融合することによって、mCherryエピトープタグ化寄生生物株P.yoelii LINUPmCherryを生成した。タグ化トランスジェニック寄生生物は、内因性LINUPをタグ化コピーと置き換える。小胞体マーカーBiPに対する抗体であるmCherry抗体およびDNA株DAPIを使用した、P.yoelii LINUPmCherryに感染したマウス肝臓に対する免疫蛍光アッセイ(IFA)は、タンパク質が、24時間の肝臓ステージ感染後に発現され、36時間および48時間の両方の時点で、後期肝臓ステージの核(シゾント)に局在化することを示す。スケールバーのサイズは、5μmである。
図1C図1A~1C。P.yoelii肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)(PY17X_1465200)は、肝臓ステージの寄生生物の核に局在化し、肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)と称されることになる。 C. 48時間の時点で、LINUPは、ヒストンH3マーカーのアセチル化リシン9およびDAPIとの部分的な共局在化を示し、スケールバーは5μmであり、これは、スケールバーのサイズが2μmである右の拡大画像においてさらに示される。
【0015】
図2A図2A~2E。P.yoelii LINNUP遺伝子欠失寄生生物(linup)の作製、および蚊のステージ発達の分析。 A. 概略図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.yoelii linup寄生生物の生成を示す。 B. 血液ステージ成長を、P.yoelii XNL野生型ならびにP.yoelii linupクローンc3およびc5について、5匹のSwiss Websterマウスの群において比較した。100万個の感染した赤血球を、それぞれのマウスに静脈内注射し、寄生生物血症を、1日おきに10日間測定した。成長速度は同程度であり、LINUPが、血液ステージ複製において重要な役割を有さないことが示唆された。データは、平均±SEMとして表し、n=5個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。P.yoelii linupクローンc3およびc5は、 C. オーシスト/中腸、 D. オーシストの存在度、およびE;唾液腺スポロゾイト/蚊の計数が、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)ならびにP.yoelii野生型(黒色)の間で同程度であったため、蚊の感染に欠損を有さなかった。データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。 E. 唾液腺スポロゾイト/蚊は、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)と、P.yoelii野生型(黒色)との間で同程度であった。 データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。
図2B図2A~2E。P.yoelii LINNUP遺伝子欠失寄生生物(linup)の作製、および蚊のステージ発達の分析。 A. 概略図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.yoelii linup寄生生物の生成を示す。 B. 血液ステージ成長を、P.yoelii XNL野生型ならびにP.yoelii linupクローンc3およびc5について、5匹のSwiss Websterマウスの群において比較した。100万個の感染した赤血球を、それぞれのマウスに静脈内注射し、寄生生物血症を、1日おきに10日間測定した。成長速度は同程度であり、LINUPが、血液ステージ複製において重要な役割を有さないことが示唆された。データは、平均±SEMとして表し、n=5個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。P.yoelii linupクローンc3およびc5は、 C. オーシスト/中腸、 D. オーシストの存在度、およびE;唾液腺スポロゾイト/蚊の計数が、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)ならびにP.yoelii野生型(黒色)の間で同程度であったため、蚊の感染に欠損を有さなかった。データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。 E. 唾液腺スポロゾイト/蚊は、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)と、P.yoelii野生型(黒色)との間で同程度であった。 データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。
図2C図2A~2E。P.yoelii LINNUP遺伝子欠失寄生生物(linup)の作製、および蚊のステージ発達の分析。 A. 概略図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.yoelii linup寄生生物の生成を示す。 B. 血液ステージ成長を、P.yoelii XNL野生型ならびにP.yoelii linupクローンc3およびc5について、5匹のSwiss Websterマウスの群において比較した。100万個の感染した赤血球を、それぞれのマウスに静脈内注射し、寄生生物血症を、1日おきに10日間測定した。成長速度は同程度であり、LINUPが、血液ステージ複製において重要な役割を有さないことが示唆された。データは、平均±SEMとして表し、n=5個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。P.yoelii linupクローンc3およびc5は、 C. オーシスト/中腸、 D. オーシストの存在度、およびE;唾液腺スポロゾイト/蚊の計数が、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)ならびにP.yoelii野生型(黒色)の間で同程度であったため、蚊の感染に欠損を有さなかった。データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。 E. 唾液腺スポロゾイト/蚊は、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)と、P.yoelii野生型(黒色)との間で同程度であった。 データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。
図2D図2A~2E。P.yoelii LINNUP遺伝子欠失寄生生物(linup)の作製、および蚊のステージ発達の分析。 A. 概略図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.yoelii linup寄生生物の生成を示す。 B. 血液ステージ成長を、P.yoelii XNL野生型ならびにP.yoelii linupクローンc3およびc5について、5匹のSwiss Websterマウスの群において比較した。100万個の感染した赤血球を、それぞれのマウスに静脈内注射し、寄生生物血症を、1日おきに10日間測定した。成長速度は同程度であり、LINUPが、血液ステージ複製において重要な役割を有さないことが示唆された。データは、平均±SEMとして表し、n=5個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。P.yoelii linupクローンc3およびc5は、 C. オーシスト/中腸、 D. オーシストの存在度、およびE;唾液腺スポロゾイト/蚊の計数が、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)ならびにP.yoelii野生型(黒色)の間で同程度であったため、蚊の感染に欠損を有さなかった。データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。 E. 唾液腺スポロゾイト/蚊は、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)と、P.yoelii野生型(黒色)との間で同程度であった。 データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。
図2E図2A~2E。P.yoelii LINNUP遺伝子欠失寄生生物(linup)の作製、および蚊のステージ発達の分析。 A. 概略図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.yoelii linup寄生生物の生成を示す。 B. 血液ステージ成長を、P.yoelii XNL野生型ならびにP.yoelii linupクローンc3およびc5について、5匹のSwiss Websterマウスの群において比較した。100万個の感染した赤血球を、それぞれのマウスに静脈内注射し、寄生生物血症を、1日おきに10日間測定した。成長速度は同程度であり、LINUPが、血液ステージ複製において重要な役割を有さないことが示唆された。データは、平均±SEMとして表し、n=5個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。P.yoelii linupクローンc3およびc5は、 C. オーシスト/中腸、 D. オーシストの存在度、およびE;唾液腺スポロゾイト/蚊の計数が、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)ならびにP.yoelii野生型(黒色)の間で同程度であったため、蚊の感染に欠損を有さなかった。データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。 E. 唾液腺スポロゾイト/蚊は、P.yoelii linup c3(濃い灰色)およびc5(薄い灰色)と、P.yoelii野生型(黒色)との間で同程度であった。 データは、平均±SDとして表し、n=3個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。
【0016】
図3A図3A~3D。P.yoelii linup肝臓ステージ発達の分析。P.yoelii野生型またはP.yoelii linupのいずれかの250,000個のスポロゾイトを感染させたBALB/cJマウスから、感染の24時間後、36時間後、および48時間後に組織切片を調製し、IFAによって分析した。 (A). 24時間、36時間、および48時間の時点におけるP.yoelii野生型とP.yoelii linupとの間の肝臓ステージの寄生生物のサイズの比較(寄生生物の最も大きな外周での面積に基づく)は、P.yoelii野生型の肝臓ステージシゾントが、36時間および48時間の時点で、P.yoelii linupよりも有意に大きいことを示す。データは、平均±SDとして表す。それぞれのデータポイントは、それぞれの時点について少なくとも20個の寄生生物の平均サイズを指す。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。*=P.05、***P<0.001であり、P>0.05は有意差なしと解釈する。肝臓ステージ発達を、 (B). 寄生生物ミトコンドリア(mHSP70)およびアピコプラスト(ACP)、 (C). 寄生生物形質膜および成熟赤血球外メロゾイトマーカーMSP1、ならびに (D). 内膜複合体タンパク質および成熟赤血球外メロゾイトマーカーmTIPに対する抗体を使用して、48時間の時点で比較した。DNAは、DAPIで染色した。スケールバー:10μm。P.yoelii linup肝臓ステージ寄生生物は、P.yoelii野生型と比較して小さく、ミトコンドリアおよびアピコプラストオルガネラの少ない分岐を示す。P.yoelii linupは、後期肝臓ステージタンパク質MSP1およびmTIPを発現するが、しかしながら、サイトメア(cytomere)の異常な分離および成熟赤血球外メロゾイトの不完全な形成がある。
図3B図3A~3D。P.yoelii linup肝臓ステージ発達の分析。P.yoelii野生型またはP.yoelii linupのいずれかの250,000個のスポロゾイトを感染させたBALB/cJマウスから、感染の24時間後、36時間後、および48時間後に組織切片を調製し、IFAによって分析した。 (A). 24時間、36時間、および48時間の時点におけるP.yoelii野生型とP.yoelii linupとの間の肝臓ステージの寄生生物のサイズの比較(寄生生物の最も大きな外周での面積に基づく)は、P.yoelii野生型の肝臓ステージシゾントが、36時間および48時間の時点で、P.yoelii linupよりも有意に大きいことを示す。データは、平均±SDとして表す。それぞれのデータポイントは、それぞれの時点について少なくとも20個の寄生生物の平均サイズを指す。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。*=P.05、***P<0.001であり、P>0.05は有意差なしと解釈する。肝臓ステージ発達を、 (B). 寄生生物ミトコンドリア(mHSP70)およびアピコプラスト(ACP)、 (C). 寄生生物形質膜および成熟赤血球外メロゾイトマーカーMSP1、ならびに (D). 内膜複合体タンパク質および成熟赤血球外メロゾイトマーカーmTIPに対する抗体を使用して、48時間の時点で比較した。DNAは、DAPIで染色した。スケールバー:10μm。P.yoelii linup肝臓ステージ寄生生物は、P.yoelii野生型と比較して小さく、ミトコンドリアおよびアピコプラストオルガネラの少ない分岐を示す。P.yoelii linupは、後期肝臓ステージタンパク質MSP1およびmTIPを発現するが、しかしながら、サイトメア(cytomere)の異常な分離および成熟赤血球外メロゾイトの不完全な形成がある。
図3C図3A~3D。P.yoelii linup肝臓ステージ発達の分析。P.yoelii野生型またはP.yoelii linupのいずれかの250,000個のスポロゾイトを感染させたBALB/cJマウスから、感染の24時間後、36時間後、および48時間後に組織切片を調製し、IFAによって分析した。 (A). 24時間、36時間、および48時間の時点におけるP.yoelii野生型とP.yoelii linupとの間の肝臓ステージの寄生生物のサイズの比較(寄生生物の最も大きな外周での面積に基づく)は、P.yoelii野生型の肝臓ステージシゾントが、36時間および48時間の時点で、P.yoelii linupよりも有意に大きいことを示す。データは、平均±SDとして表す。それぞれのデータポイントは、それぞれの時点について少なくとも20個の寄生生物の平均サイズを指す。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。*=P.05、***P<0.001であり、P>0.05は有意差なしと解釈する。肝臓ステージ発達を、 (B). 寄生生物ミトコンドリア(mHSP70)およびアピコプラスト(ACP)、 (C). 寄生生物形質膜および成熟赤血球外メロゾイトマーカーMSP1、ならびに (D). 内膜複合体タンパク質および成熟赤血球外メロゾイトマーカーmTIPに対する抗体を使用して、48時間の時点で比較した。DNAは、DAPIで染色した。スケールバー:10μm。P.yoelii linup肝臓ステージ寄生生物は、P.yoelii野生型と比較して小さく、ミトコンドリアおよびアピコプラストオルガネラの少ない分岐を示す。P.yoelii linupは、後期肝臓ステージタンパク質MSP1およびmTIPを発現するが、しかしながら、サイトメア(cytomere)の異常な分離および成熟赤血球外メロゾイトの不完全な形成がある。
図3D図3A~3D。P.yoelii linup肝臓ステージ発達の分析。P.yoelii野生型またはP.yoelii linupのいずれかの250,000個のスポロゾイトを感染させたBALB/cJマウスから、感染の24時間後、36時間後、および48時間後に組織切片を調製し、IFAによって分析した。 (A). 24時間、36時間、および48時間の時点におけるP.yoelii野生型とP.yoelii linupとの間の肝臓ステージの寄生生物のサイズの比較(寄生生物の最も大きな外周での面積に基づく)は、P.yoelii野生型の肝臓ステージシゾントが、36時間および48時間の時点で、P.yoelii linupよりも有意に大きいことを示す。データは、平均±SDとして表す。それぞれのデータポイントは、それぞれの時点について少なくとも20個の寄生生物の平均サイズを指す。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。*=P.05、***P<0.001であり、P>0.05は有意差なしと解釈する。肝臓ステージ発達を、 (B). 寄生生物ミトコンドリア(mHSP70)およびアピコプラスト(ACP)、 (C). 寄生生物形質膜および成熟赤血球外メロゾイトマーカーMSP1、ならびに (D). 内膜複合体タンパク質および成熟赤血球外メロゾイトマーカーmTIPに対する抗体を使用して、48時間の時点で比較した。DNAは、DAPIで染色した。スケールバー:10μm。P.yoelii linup肝臓ステージ寄生生物は、P.yoelii野生型と比較して小さく、ミトコンドリアおよびアピコプラストオルガネラの少ない分岐を示す。P.yoelii linupは、後期肝臓ステージタンパク質MSP1およびmTIPを発現するが、しかしながら、サイトメア(cytomere)の異常な分離および成熟赤血球外メロゾイトの不完全な形成がある。
【0017】
図4A図4A~4E。P.falciparum linupの作製および蚊のステージ発達の分析。 A. 概略図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.falciparum linupノックアウト寄生生物の生成を示す。遺伝子欠失を検証するために使用したプライマーが示されており、PCRアンプリコンのサイズは、キロ塩基で示す。 B. アガロースゲル電気泳動は、クローンB1およびB4におけるP.falciparum LINUPの遺伝子欠失に対応するPCR産物を示す。P.falciparum linupは、 C. オーシスト/中腸、 D. オーシスト存在度、および E. 唾液腺スポロゾイト/蚊の計数が、P.falciparum linupクローンB1(濃い灰色)およびB4(薄い灰色)ならびにP.falciparum NF54(黒色)の間で同程度であったため、蚊の感染度における欠損を有さなかった。データは、平均±SDとして表し、n=2個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。
図4B図4A~4E。P.falciparum linupの作製および蚊のステージ発達の分析。 A. 概略図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.falciparum linupノックアウト寄生生物の生成を示す。遺伝子欠失を検証するために使用したプライマーが示されており、PCRアンプリコンのサイズは、キロ塩基で示す。 B. アガロースゲル電気泳動は、クローンB1およびB4におけるP.falciparum LINUPの遺伝子欠失に対応するPCR産物を示す。P.falciparum linupは、 C. オーシスト/中腸、 D. オーシスト存在度、および E. 唾液腺スポロゾイト/蚊の計数が、P.falciparum linupクローンB1(濃い灰色)およびB4(薄い灰色)ならびにP.falciparum NF54(黒色)の間で同程度であったため、蚊の感染度における欠損を有さなかった。データは、平均±SDとして表し、n=2個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。
図4C-E】図4A~4E。P.falciparum linupの作製および蚊のステージ発達の分析。 A. 概略図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.falciparum linupノックアウト寄生生物の生成を示す。遺伝子欠失を検証するために使用したプライマーが示されており、PCRアンプリコンのサイズは、キロ塩基で示す。 B. アガロースゲル電気泳動は、クローンB1およびB4におけるP.falciparum LINUPの遺伝子欠失に対応するPCR産物を示す。P.falciparum linupは、 C. オーシスト/中腸、 D. オーシスト存在度、および E. 唾液腺スポロゾイト/蚊の計数が、P.falciparum linupクローンB1(濃い灰色)およびB4(薄い灰色)ならびにP.falciparum NF54(黒色)の間で同程度であったため、蚊の感染度における欠損を有さなかった。データは、平均±SDとして表し、n=2個の生物学的複製物である。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。P>0.05は、有意差なしと解釈する。
【0018】
図5A図5A~5B。P.falciparum linup肝臓ステージは、異常な成長および異常な後期肝臓ステージ発達を示す。P.falciparum NF54およびP.falciparum linupの100万個のスポロゾイトを感染させたFRG NOD huHepマウスから、スポロゾイト感染後5日目および7日目に組織切片を調製し、サイズおよびタンパク質発現について分析した。A. スポロゾイト感染後5日目および7日目における肝臓ステージ寄生生物のサイズの、P.falciparum NF54とP.falciparum linupとの間での比較(寄生生物の最も大きな外周での面積に基づく)。5日目に、P.falciparum NF54とP.falciparum linup肝臓ステージシゾントとの間で成長の欠損は見られなかったが、7日目には、後期肝臓ステージシゾントのサイズに、統計学的に有意な差があった。データは、平均±SDとして表す。それぞれのデータポイントは、それぞれの時点について少なくとも30~50個の寄生生物の平均サイズを指す。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。***P<0.001であり、P>0.05は有意差なしと解釈する。 B. IFAは、感染から7日間の時点で、野生型NF54寄生体胞膜タンパク質EXP1が、予測された通り、野生型における外周染色パターンを有することを示す。比較すると、肝臓ステージの7日目における成熟P.falciparum linupにおけるEXP1発現は、一様ではなく、異常である。
図5B図5A~5B。P.falciparum linup肝臓ステージは、異常な成長および異常な後期肝臓ステージ発達を示す。P.falciparum NF54およびP.falciparum linupの100万個のスポロゾイトを感染させたFRG NOD huHepマウスから、スポロゾイト感染後5日目および7日目に組織切片を調製し、サイズおよびタンパク質発現について分析した。A. スポロゾイト感染後5日目および7日目における肝臓ステージ寄生生物のサイズの、P.falciparum NF54とP.falciparum linupとの間での比較(寄生生物の最も大きな外周での面積に基づく)。5日目に、P.falciparum NF54とP.falciparum linup肝臓ステージシゾントとの間で成長の欠損は見られなかったが、7日目には、後期肝臓ステージシゾントのサイズに、統計学的に有意な差があった。データは、平均±SDとして表す。それぞれのデータポイントは、それぞれの時点について少なくとも30~50個の寄生生物の平均サイズを指す。統計学的分析は、テューキーの多重比較検定を使用し、二元ANOVAを使用して行った。***P<0.001であり、P>0.05は有意差なしと解釈する。 B. IFAは、感染から7日間の時点で、野生型NF54寄生体胞膜タンパク質EXP1が、予測された通り、野生型における外周染色パターンを有することを示す。比較すると、肝臓ステージの7日目における成熟P.falciparum linupにおけるEXP1発現は、一様ではなく、異常である。
【0019】
図6A図6A~6C。P.falciparum linupは、感染したFRG NOD huHepヒト化マウスにおいて、肝臓ステージ発達および血液ステージへの移行の重度の弱毒化を示す。 A. 概略図は、FRG NOD huHepマウスにおける肝臓ステージから血液ステージへの移行実験の実験デザインを示す。P.falciparum NF54およびP.falciparum linupに由来する100万個のスポロゾイトを、それぞれ、1匹および3匹のFRG NOD huHepマウスに注射する。示されるように、マウスにヒト赤血球を再増殖させた。すべてのマウスを、7日目に安楽死させ、50μlの血液試料を、18S rRNA qRT-PCR試料採取に基づいて寄生生物負荷量のためにすべてのマウスから採取した。残りの血液を、in vitro培養へと移し、7日間培養液で成長させた。さらに50μlの血液試料を、寄生生物18S rRNA qRT-PCR試料の分析のために、in vitro培養への移行後7日間の時点で、in vitro培養試料から採取した(スポロゾイト感染の14日目)。 B. 18S rRNA qRT-PCRによる寄生生物負荷量の分析を、予測される肝臓ステージ発達および肝臓ステージから血液ステージへの移行の完了後7日目に、P.falciparum NF54およびP.falciparum linup P.falciparum linupスポロゾイトを感染させたマウスの血液から抽出したRNAに行った(7日目、黒色のバー)。P.falciparum linupスポロゾイトを感染させた3匹のマウスのうちの1匹は血液において血液ステージを示さなかったが、他の2匹の感染マウスは野生型と比較して寄生生物RNA負荷量に10,000倍の低減を有したため、P.falciparum linupの血液ステージへの移行には重度の欠損が存在していた。血液を、in vitro培養に移し、寄生生物負荷量を、さらに7日間の後に測定した(14日目、灰色のバー)。野生型NF54血液ステージは、培養物において7日間の間に複製されたが、P.falciparum linupの血液ステージについては有意な複製は見られなかった。これは、P.falciparum linupの肝臓ステージから血液ステージへの移行が、血液ステージ複製を開始させることができる生存性血液ステージ寄生生物を放出しなかったことを示す。 C. 18S rRNA qRT-PCRによる寄生生物肝臓負荷量の分析を、感染後7日目に、P.falciparum NF54およびP.falciparum linupに感染させた肝臓から抽出したRNAに行い、抽出した肝臓RNA1μg当たりのP.falciparum 18S rRNAのコピー数として示す。寄生生物肝臓量は、P.falciparum NF54とP.falciparum linupとの間で同程度である。
図6B-C】図6A~6C。P.falciparum linupは、感染したFRG NOD huHepヒト化マウスにおいて、肝臓ステージ発達および血液ステージへの移行の重度の弱毒化を示す。 A. 概略図は、FRG NOD huHepマウスにおける肝臓ステージから血液ステージへの移行実験の実験デザインを示す。P.falciparum NF54およびP.falciparum linupに由来する100万個のスポロゾイトを、それぞれ、1匹および3匹のFRG NOD huHepマウスに注射する。示されるように、マウスにヒト赤血球を再増殖させた。すべてのマウスを、7日目に安楽死させ、50μlの血液試料を、18S rRNA qRT-PCR試料採取に基づいて寄生生物負荷量のためにすべてのマウスから採取した。残りの血液を、in vitro培養へと移し、7日間培養液で成長させた。さらに50μlの血液試料を、寄生生物18S rRNA qRT-PCR試料の分析のために、in vitro培養への移行後7日間の時点で、in vitro培養試料から採取した(スポロゾイト感染の14日目)。 B. 18S rRNA qRT-PCRによる寄生生物負荷量の分析を、予測される肝臓ステージ発達および肝臓ステージから血液ステージへの移行の完了後7日目に、P.falciparum NF54およびP.falciparum linup P.falciparum linupスポロゾイトを感染させたマウスの血液から抽出したRNAに行った(7日目、黒色のバー)。P.falciparum linupスポロゾイトを感染させた3匹のマウスのうちの1匹は血液において血液ステージを示さなかったが、他の2匹の感染マウスは野生型と比較して寄生生物RNA負荷量に10,000倍の低減を有したため、P.falciparum linupの血液ステージへの移行には重度の欠損が存在していた。血液を、in vitro培養に移し、寄生生物負荷量を、さらに7日間の後に測定した(14日目、灰色のバー)。野生型NF54血液ステージは、培養物において7日間の間に複製されたが、P.falciparum linupの血液ステージについては有意な複製は見られなかった。これは、P.falciparum linupの肝臓ステージから血液ステージへの移行が、血液ステージ複製を開始させることができる生存性血液ステージ寄生生物を放出しなかったことを示す。 C. 18S rRNA qRT-PCRによる寄生生物肝臓負荷量の分析を、感染後7日目に、P.falciparum NF54およびP.falciparum linupに感染させた肝臓から抽出したRNAに行い、抽出した肝臓RNA1μg当たりのP.falciparum 18S rRNAのコピー数として示す。寄生生物肝臓量は、P.falciparum NF54とP.falciparum linupとの間で同程度である。
【0020】
図7A-1】図7A~7D。P.falciparum plasmei2/linup(P.falciparum LARC2)の生成。 A. 図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.falciparum plasmei2寄生生物の生成を示す。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングした。図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子変編集を使用したP.falciparum linup寄生生物の生成を示す。(A)からのマーカーを含まないP.falciparum PlasMei2クローンF3を、P.falciparum LINUP KOプラスミドのトランスフェクションに使用した。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングして、P.falciparum plasmei2/linup二重ノックアウト(LARC2)クローンを生成した。遺伝子欠失を検証するために使用したプライマーが示されている。使用したプライマーの組合せおよびPCR産物のサイズを、表2に示す。4つのP.falciparum LARC2クローン - C12、F7、B7、およびB5における、P.falciparum PlasMei2の欠如、 B. P.falciparum LINUPの欠如 C. およびプラスミドDNAの欠如 D. のアガロースゲル電気泳動。
図7A-2】図7A~7D。P.falciparum plasmei2/linup(P.falciparum LARC2)の生成。 A. 図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.falciparum plasmei2寄生生物の生成を示す。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングした。図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子変編集を使用したP.falciparum linup寄生生物の生成を示す。(A)からのマーカーを含まないP.falciparum PlasMei2クローンF3を、P.falciparum LINUP KOプラスミドのトランスフェクションに使用した。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングして、P.falciparum plasmei2/linup二重ノックアウト(LARC2)クローンを生成した。遺伝子欠失を検証するために使用したプライマーが示されている。使用したプライマーの組合せおよびPCR産物のサイズを、表2に示す。4つのP.falciparum LARC2クローン - C12、F7、B7、およびB5における、P.falciparum PlasMei2の欠如、 B. P.falciparum LINUPの欠如 C. およびプラスミドDNAの欠如 D. のアガロースゲル電気泳動。
図7B図7A~7D。P.falciparum plasmei2/linup(P.falciparum LARC2)の生成。 A. 図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.falciparum plasmei2寄生生物の生成を示す。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングした。図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子変編集を使用したP.falciparum linup寄生生物の生成を示す。(A)からのマーカーを含まないP.falciparum PlasMei2クローンF3を、P.falciparum LINUP KOプラスミドのトランスフェクションに使用した。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングして、P.falciparum plasmei2/linup二重ノックアウト(LARC2)クローンを生成した。遺伝子欠失を検証するために使用したプライマーが示されている。使用したプライマーの組合せおよびPCR産物のサイズを、表2に示す。4つのP.falciparum LARC2クローン - C12、F7、B7、およびB5における、P.falciparum PlasMei2の欠如、 B. P.falciparum LINUPの欠如 C. およびプラスミドDNAの欠如 D. のアガロースゲル電気泳動。
図7C図7A~7D。P.falciparum plasmei2/linup(P.falciparum LARC2)の生成。 A. 図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.falciparum plasmei2寄生生物の生成を示す。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングした。図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子変編集を使用したP.falciparum linup寄生生物の生成を示す。(A)からのマーカーを含まないP.falciparum PlasMei2クローンF3を、P.falciparum LINUP KOプラスミドのトランスフェクションに使用した。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングして、P.falciparum plasmei2/linup二重ノックアウト(LARC2)クローンを生成した。遺伝子欠失を検証するために使用したプライマーが示されている。使用したプライマーの組合せおよびPCR産物のサイズを、表2に示す。4つのP.falciparum LARC2クローン - C12、F7、B7、およびB5における、P.falciparum PlasMei2の欠如、 B. P.falciparum LINUPの欠如 C. およびプラスミドDNAの欠如 D. のアガロースゲル電気泳動。
図7D図7A~7D。P.falciparum plasmei2/linup(P.falciparum LARC2)の生成。 A. 図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子編集を使用したP.falciparum plasmei2寄生生物の生成を示す。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングした。図は、CRISPR/Cas9に媒介される遺伝子変編集を使用したP.falciparum linup寄生生物の生成を示す。(A)からのマーカーを含まないP.falciparum PlasMei2クローンF3を、P.falciparum LINUP KOプラスミドのトランスフェクションに使用した。組換え寄生生物を、限界希釈によってクローニングして、P.falciparum plasmei2/linup二重ノックアウト(LARC2)クローンを生成した。遺伝子欠失を検証するために使用したプライマーが示されている。使用したプライマーの組合せおよびPCR産物のサイズを、表2に示す。4つのP.falciparum LARC2クローン - C12、F7、B7、およびB5における、P.falciparum PlasMei2の欠如、 B. P.falciparum LINUPの欠如 C. およびプラスミドDNAの欠如 D. のアガロースゲル電気泳動。
【0021】
図8A図8Aおよび8B。P.falciparum LARC2クローンにおけるP.falciparum PlasMei2およびP.falciparum LINUPの欠如。8個のP.falciparum LARC2クローンを、全ゲノムシーケンシングによって分析して、 A. 第6染色体におけるP.falciparum PlasMei2の欠失、および B. 第12染色体におけるP.falciparum LINUPの欠失を確認した。P.falciparum LARC2クローンB7、C12、D5、およびF7は、さらなる表現型分析に使用されることになる。
図8B図8Aおよび8B。P.falciparum LARC2クローンにおけるP.falciparum PlasMei2およびP.falciparum LINUPの欠如。8個のP.falciparum LARC2クローンを、全ゲノムシーケンシングによって分析して、 A. 第6染色体におけるP.falciparum PlasMei2の欠失、および B. 第12染色体におけるP.falciparum LINUPの欠失を確認した。P.falciparum LARC2クローンB7、C12、D5、およびF7は、さらなる表現型分析に使用されることになる。
【0022】
図9A-B】図9A~9D。A. 4つのP.falciparum LARC2KOクローンB7、C12、D5、およびF7の設定後15日目に、鞭毛放出中心を、P.falciparum LARC2の成熟ガメトサイト培養物において計数し、P.falciparum NF54と同程度であることが見出された。これらのガメトサイト培養物を、標準的な膜吸血アッセイにおいて雌性Anopheles stephensi蚊に吸血させ、吸血後8日目に、中腸を解剖した。 B. オーシスト存在度、 C. オーシスト/蚊の計数は、P.falciparum LARC2KOクローンF7およびB7について、野生型と同程度であった。これらの2つのクローンは、さらなる表現型分析に使用されることになる。 D. スポロゾイト/蚊の計数は、P.falciparum LARC2クローンF7およびB7について、野生型と同程度であった。クローンF7を、さらなる表現型分析に使用した。
図9C図9A~9D。A. 4つのP.falciparum LARC2KOクローンB7、C12、D5、およびF7の設定後15日目に、鞭毛放出中心を、P.falciparum LARC2の成熟ガメトサイト培養物において計数し、P.falciparum NF54と同程度であることが見出された。これらのガメトサイト培養物を、標準的な膜吸血アッセイにおいて雌性Anopheles stephensi蚊に吸血させ、吸血後8日目に、中腸を解剖した。 B. オーシスト存在度、 C. オーシスト/蚊の計数は、P.falciparum LARC2KOクローンF7およびB7について、野生型と同程度であった。これらの2つのクローンは、さらなる表現型分析に使用されることになる。 D. スポロゾイト/蚊の計数は、P.falciparum LARC2クローンF7およびB7について、野生型と同程度であった。クローンF7を、さらなる表現型分析に使用した。
図9D図9A~9D。A. 4つのP.falciparum LARC2KOクローンB7、C12、D5、およびF7の設定後15日目に、鞭毛放出中心を、P.falciparum LARC2の成熟ガメトサイト培養物において計数し、P.falciparum NF54と同程度であることが見出された。これらのガメトサイト培養物を、標準的な膜吸血アッセイにおいて雌性Anopheles stephensi蚊に吸血させ、吸血後8日目に、中腸を解剖した。 B. オーシスト存在度、 C. オーシスト/蚊の計数は、P.falciparum LARC2KOクローンF7およびB7について、野生型と同程度であった。これらの2つのクローンは、さらなる表現型分析に使用されることになる。 D. スポロゾイト/蚊の計数は、P.falciparum LARC2クローンF7およびB7について、野生型と同程度であった。クローンF7を、さらなる表現型分析に使用した。
【0023】
図10A図10A~10C。P.falciparum LARC2寄生生物は、肝臓ステージ発達で重度に弱毒化され、感染性赤血球外メロゾイトを生成することができない。 A. 概略図は、実験デザインを示す。P.falciparum NF54およびP.falciparum LARC2スポロゾイトを、感染したAnopheles stephensi蚊の唾液腺から単離した。FRG NOD huHepマウスにおいて、P.falciparum LARC2の血液ステージ移行を評価するために、1×10個の無菌凍結保存P.falciparum NF54(PFSPZ)および無菌凍結保存P.falciparum LARC2(PFSPZ LARC2)のスポロゾイトを、それぞれ、1群当たり4匹および6匹のFRG NOD huHepマウスに静脈内注射した。6日目および7日目に、400μlの70%RBCを、静脈内注射して、肝臓ステージ寄生生物の血液への移行を可能にした。7日目にヒトRBC再増殖の4時間後に、マウスを安楽死させ、心臓穿刺によって血液を採取し、それぞれのマウスから50μlの血液をqRT-PCR分析に使用して、寄生生物18S RNAを検出した。血液を、無性別培地において3回洗浄し、パックされたRBC体積と同等の体積のヒトRBCを添加し、血液をin vitro培養に移した。毎日新しい培地を置き換え、培養物を、最大6週間、2~3日ごとに重層スメアによって寄生生物の存在について分析した。
図10B図10A~10C。P.falciparum LARC2寄生生物は、肝臓ステージ発達で重度に弱毒化され、感染性赤血球外メロゾイトを生成することができない。 B. 7日目に、PfSPZを感染させたマウスの寄生生物密度は、P.falciparum 18S qRT-PCRにより、10~10個の寄生生物同等物/mlの範囲に及び、これは、7日間のin vitro培養後に10個の寄生生物同等物/mlまでさらに増加した。対照的に、PFSPZ LARC2を感染させたマウスでは、0~10個の寄生生物同等物/mlが、P.falciparum 18S qRT-PCRによって検出され、7日間の培養後に、P.falciparum 18S rRNAシグナルに劇的な低下があり、生存性赤血球外メロゾイトが、PFSPZ LARC2肝臓ステージシゾントから放出されなかったことが示された。これを、薄層血液スメアによってさらに確認した。血液ステージ寄生生物は、PfSPZを感染させた4匹すべてのマウスにおいて、in vitro培養への移行から1~3日以内に、ギムザ染色した薄層血液スメアによって検出された(表5を参照されたい)。対照的に、PfSPZ LARC2を感染させた6匹すべてのマウスにおいて、ギムザ染色した薄層血液スメアによって血液ステージ寄生生物は検出されなかった。
図10C図10A~10C。P.falciparum LARC2寄生生物は、肝臓ステージ発達で重度に弱毒化され、感染性赤血球外メロゾイトを生成することができない。 (C)感染したマウスの肝臓もまた、RNAを抽出するため、およびP.falciparum 18S qRT-PCRによる寄生生物肝臓量の分析のために、7日目に摘出した。寄生生物肝臓負荷量を、総肝臓RNA1μg当たりのP.falciparum 18S rRNAのlog10コピー数として示す。寄生生物肝臓量は、PfSPZとPfSPZ LARC2との間で同程度であり、LARC2が、7日目まで肝臓で存続し、有意なバイオマス拡大を受けることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
定義
「添加剤」は、本明細書において名詞として使用される場合、スポロゾイト調製物に添加される化合物または組成物である。添加剤としては、希釈剤、担体、賦形剤、凍結保護剤などが挙げられる。
【0025】
「無菌」は、本明細書において使用される場合、他の微生物、例えば、細菌、真菌、病原性ウイルスなどの検出可能な混入物質の導入がないことを意味する。無菌スポロゾイト調製物は、任意の他の種類の微生物または感染性物質を含まないスポロゾイトの滅菌調製物をもたらす。無菌手法をモニタリングするために使用される微生物学アッセイは、混入物質の存在または不在を評価する。それらとしては、Microbial Limits Test, current USP <61>が挙げられるがこれに限定されず、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
「弱毒化する」とは、本明細書において使用される場合、生きた生物を、それを致死させることなくそのライフサイクルを完了することができないようにすることを意味する。生物は、複製する、タンパク質を発現する、およびいくつかのライフサイクルステージを通じて発達する限定された能力を有し得るが、特定のライフサイクルステージで発達を停止し、そのステージを越えて発達を進行させることができない。本明細書に開示される弱毒化されたPlasmodium寄生生物に関して、それらは、宿主肝細胞に感染し、ステージ特異的タンパク質を発現する能力を保持するが、肝臓ステージを越えて発達することができず、肝臓ステージ発達後に感染した宿主の血流において血液ステージ感染へと移行することができず、マラリアの疾患病態を引き起こすことができない。
【0027】
「チャレンジ」とは、本明細書において使用される場合、チャレンジする病原体によって引き起こされる感染/疾患に対する防御免疫を付与することが意図されるワクチンを事前に提供されている対象への感染性病原体の提示を指す。マラリアに関しては、チャレンジは、(CHMI)[31、32]、感染性Plasmodiumスポロゾイト接種によって、感染性Plasmodiumスポロゾイトを有するAnopheles蚊への曝露によって、またはマラリア寄生生物が感染した蚊の咬傷によって天然に伝播される地域においてワクチン接種した対象をモニタリングする実施試験によって、行われ得る。
【0028】
「防御免疫を付与すること」とは、本明細書において使用される場合、宿主における疾患の臨床症状、病態、もしくは症状が、未処置宿主と比較して低減されるように、または集団内で感染症、もしくは疾患の臨床症状、病態、もしくは症状が出現する割合が、未処置集団と比較して低減されるように、集団または宿主(すなわち、個体)に、病原体(例えば、Plasmodium)によって引き起こされる感染症/疾患(例えば、マラリア)に対して防御するための免疫応答を生成する能力を提供することを指す。
【0029】
本明細書において使用される場合、遺伝子機能に関する「破壊する」という用語は、遺伝子の機能を妨害すること、例えば、遺伝子機能またはコードされる遺伝子産物の機能を阻害、不活性化、弱毒化、または阻止することを意味する。妨害または破壊は、例えば、翻訳されたタンパク質が存在する場合に、その野生型機能を行えなくなるような様式および/または程度で、遺伝子配列を変更すること(例えば、置換、改変、欠失、付加、ノックダウン、ノックアウト、またはノックイン)によって達成することができる。あるいは、遺伝子配列は、欠失させてもよい。
【0030】
本明細書において使用される場合、「遺伝子改変された」という用語は、野生型ゲノム配列とは決定的な違いをもたらす、野生型Plasmodium生物のゲノムに対する改変を指す。遺伝子改変は、ヒトの操作によって、例えば、遺伝子操作によって、もたらされる。本明細書に開示される本発明に関して、遺伝子改変は、遺伝子の1つもしくは複数の挿入もしくは欠失、遺伝子のノックアウト、または他の改変であり得る。これらの発明において、遺伝子改変は、LINUP遺伝子、ならびにある特定の実施形態ではLINUP遺伝子およびPlasMei2遺伝子の機能的破壊をもたらす。
【0031】
「免疫応答」とは、本明細書において使用される場合、一般的には抗体および/またはT細胞の産生によって特徴付けられるがこれらに限定されない、弱毒化されたスポロゾイトの導入に対するレシピエントの応答を意味する。一般的に、免疫応答は、Plasmodium種エピトープに特異的な細胞性応答、例えば、CD4+ T細胞もしくはCD8+ T細胞の誘導もしくは活性化、Plasmodium特異的抗体の産生の増加である体液性応答、または細胞性応答および体液性応答の両方であり得る。マラリアワクチンに関して、生きたスポロゾイトを含むワクチンによって構築される免疫応答としては、細胞外スポロゾイト、細胞内肝臓ステージ、または他のステージの寄生生物によって発現されるタンパク質に対する応答が挙げられるが、これらに限定されない。単核細胞、例えば、樹状細胞は、前記寄生生物の成分を得、関連する免疫細胞にこれらの抗原を提示すると予想される。本発明において、感染性生物による後続のチャレンジを行うと、免疫応答により、疾患を引き起こす無性別赤血球ステージへの病原性寄生生物の発達が妨げられる。
【0032】
本明細書において使用される場合、「生きた」という用語は、Plasmodium生物における代謝活性の継続を指す。一部の実施形態では、「生きた」とは、Plasmodium生物が、例えば、肝細胞(培養またはin vivo)内で少なくとも一過的な感染を最終的に構築することができることを指す。Plasmodium生物は、遺伝子的弱毒化を考慮して現実的であれば任意の関連する発達ステージにあってもよい。したがって、例えば、Plasmodium生物は、蚊内の発達ステージにあってもよく、感染力のあるスポロゾイトステージにあってもよく、または肝細胞内(肝臓)ステージにあってもよい。
【0033】
「in vitro」で産生されたスポロゾイト、または「iSPZ」は、本明細書において使用される場合、蚊に対して外部で発生したスポロゾイトを意味し、すなわち、ガメトサイトステージから成熟した感染性スポロゾイトステージへのスポロゴニーが、蚊に対して外部である[33]。
【0034】
「代謝的に活性な」とは、本明細書において使用される場合、生きており、持続性機能およびいくつかのライフサイクルプロセスを行うことができることを意味する。弱毒化されたスポロゾイトに関して、これには、培養中およびin vivoの肝細胞に侵入することができ、可能性として分裂し、いくつかの発達ステージへと進行する実質的な能力を有し、ステージ特異的タンパク質をde novoで発現することができる、スポロゾイトが含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書において使用される場合、「Plasmodium生物」または「Plasmodium種」という用語は、Plasmodium属に属する任意の寄生生物を指す。一部の実施形態では、Plasmodium生物は、ヒト宿主範囲、例えば、P.falciparum、P.vivax、P.ovale、P.malariae、およびP.knowlesiを有する。一部の実施形態では、Plasmodium生物は、P.falciparumである。
【0036】
「プロモーター」とは、本明細書において使用される場合、関連するタンパク質(例えば、RNAポリメラーゼおよび転写因子)が結合する遺伝子の上流にあり、その遺伝子の転写の開始および調節を行う、DNAの領域である。
【0037】
「導入遺伝子」とは、本明細書において使用される場合、導入遺伝子が導入されている生物において通常存在しない遺伝子である。本発明の一部の実施形態では、導入遺伝子またはコードされるポリペプチドの発現は、生物の1つまたは複数の遺伝子機能を破壊するように機能する。他の実施形態では、導入遺伝子は、外来抗原をコードし、その発現が、免疫応答を誘起する。
【0038】
「ワクチン」とは、本明細書において使用される場合、免疫原性物質と、薬学的に許容される添加剤、例えば、賦形剤、アジュバント、および/または添加剤または保護剤とを含む、調製物である。免疫原は、感染性物質全体、または感染性物質の分子サブセット(感染性物質によって、合成もしくは組換えで産生される)から構成され得る。ワクチンが対象に投与されると、免疫原が、免疫応答を刺激し、これが、感染性物質による後続のチャレンジの際に、疾病から対象を防御するか、またはその物質によって引き起こされる病態、症状、もしくは臨床症状を軽減すると予想される。治療用(処置)ワクチンは、感染後に提供され、疾患の進行を低減または停止させることを意図する。防止用(予防用)ワクチンは、初回感染を予防するか、または感染率もしくは感染量を低減させることを意図する。
【0039】
本開示は、後期肝臓ステージへと発達するが、赤血球感染の血液ステージへの移行が阻止される、遺伝子的に弱毒化されたマラリア寄生生物を対象とする。具体的には、弱毒化されたマラリア寄生生物は、肝臓ステージ核タンパク質(LINUP)遺伝子の機能性を破壊する遺伝子変更を含む。一部の実施形態では、マラリア寄生生物は、ヒト宿主範囲のPlasmodium種、例えば、P.falciparum、P.vivax、P.malariae、P.ovale、P.knowlesiを含む。一部の実施形態では、マラリア寄生生物は、肝臓から血液ステージへの移行に極めて重要な他の遺伝子が遮断される、追加の遺伝子改変を含む。非限定的な例として、ある実施形態のマラリア寄生生物は、追加として、LINUPおよびPlasMei2の両方の遺伝子機能が破壊される遺伝子改変を含む(この二重ノックアウトは、「linup/plasmei2二重ノックアウト(KO)」、「LARC2」、「LARC2 KO」など様々に称され、これらの用語は、同等である)。開示される弱毒化されたマラリア寄生生物は、添加剤、マラリアの予防および緩和のためのワクチン、Plasmodium特異的抗原に対してヒト免疫系を誘導および/もしくは刺激するための方法、ヒト対象において1つもしくは複数のPlasmodium抗原に対する免疫応答を誘導するための方法、またはヒト対象においてPlasmodium種寄生生物によって引き起こされるマラリアに対する防御免疫を付与するための方法に有用であり、これらもまた、本開示によって包含される。一部の実施形態では、開示される弱毒化されたマラリア寄生生物は、マラリア感染症を緩和する、低減する、予防する、処置する、および/または防御するための組成物および方法に有用である。
【0040】
以下により詳細に記載されるように、本発明者らは、寄生生物の核に局在化する肝臓ステージ核タンパク質または肝臓ステージ特異的タンパク質として記載される新規なタンパク質(LINUP)を発見した。このタンパク質をコードする遺伝子または遺伝子機能のノックアウトにより、肝臓ステージ発達段階の後期でライフサイクルの停止が生じる。加えて、本発明者らは、PlasMei2[27]およびLINUPの両方の遺伝子の機能的欠失を含むLARC2(後期停止型複製適合二重KO)と称される二重ノックアウトを開発した。この二重ノックアウトは、以前の複製欠損の寄生生物全体に基づくワクチンの生成と比較して、優れた免疫原であるが、それは、これが肝臓において後期肝臓ステージへのほぼ完全な発達を受け、寄生生物抗原のバイオマスおよび多様性の拡大をもたらすためである。加えて、LARC2は、血液ステージへの移行に必要とされる2つの遺伝子の遺伝子操作に起因してより強固に弱毒化されており、バッチごとの均一性も確保され、薬物でのカバー下での生きた非弱毒化スポロゾイトワクチンでの免疫付与、すなわち、化学物質により弱毒化されたワクチン接種に伴う主要な制限である、抗マラリア薬でのカバー(上述の別の後期肝臓ステージアプローチ)の必要性を克服する。LINUP、および別の実施形態では別の肝臓ステージ特異的遺伝子、例えば、PlasMei2、またはなおも他の実施形態では肝臓ステージから血液ステージへの移行に必要なタンパク質をコードする他の遺伝子の遺伝子ノックアウトを有する遺伝子的に弱毒化されたPlasmodium種(例えば、P.falciparum)は、対象、特に、ヒト対象において、1つもしくは複数のPlasmodium種抗原に対する免疫応答を誘導するため、対象、特に、ヒト対象において、Plasmodium種寄生生物によって引き起こされるマラリアに対する防御免疫を付与するため、再感染に対する免疫性を提供するかもしくはブーストする赤血球前ステージのワクチンとして対象、特に、ヒト対象に免疫付与するため、および/またはマラリア感染を処置、予防、もしくは緩和するために、使用することができる。Plasmodium種寄生生物のライフサイクルの肝臓ステージでの完全な遮断はまた、他の個体への寄生生物の伝播の防止ももたらす。これは、マラリアを根絶するための撲滅キャンペーンにおいて肝要である。
【0041】
ある実施形態では、生きたPlasmodium種生物は、肝臓ステージ核タンパク質をコードするLINUP遺伝子を破壊し、それによって、野生型LINUP遺伝子によってコードされるタンパク質の生物学的機能を妨げるように遺伝子改変されている。
【0042】
ある実施形態では、生きたPlasmodium種linup寄生生物は、哺乳動物中間宿主内において、後期肝臓ステージでライフサイクル発達を停止する。
【0043】
他の実施形態では、Plasmodium種linupまたはLARC2寄生生物は、少なくとも1つの導入遺伝子を含み、なおも他の実施形態では、導入遺伝子は、発達のスポロゾイトまたは肝臓ステージの間に導入遺伝子の転写をもたらすプロモーターの制御下にある。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の導入遺伝子は、血液ステージまたはガメトサイト関連抗原をコードする。1つまたは複数の血液ステージまたはガメトサイト関連抗原の発現を提供することによって、GAPは、追加の免疫原性を有し、血液ステージ寄生生物(無性別および有性別)に対する防御を提供する。したがって、GAPが、血液ステージへの発達前に完全に停止したとしても、それは、血液ステージ寄生生物の特徴である抗原に対して免疫細胞を刺激することが依然として可能であると予想される。これは、血液ステージ寄生生物に対するさらなる防御を提供し、臨床症状の危険性ならびにガメトサイト抗原における感染の伝播を低減させる。他の実施形態では、1つまたは複数の導入遺伝子は、他の病原体に由来する抗原をコードし、したがって、これらの追加の病原体に対する免疫応答を提供する。
【0044】
ある実施形態では、Plasmodium種生物は、P.falciparum、P.vivax、P.malariae、P.ovale、またはP.knowlesiである。
【0045】
ある実施形態では、Plasmodium種生物は、発達のスポロゾイトステージにある。
【0046】
ある実施形態では、遺伝子改変前の生きたPlasmodium種linupの機能性LINUP遺伝子は、配列番号35に対して少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%のヌクレオチド配列同一性を有する。
【0047】
ある実施形態では、生きたPlasmodium種linup寄生生物において、遺伝子改変前の機能性LINUP遺伝子は、PF3D7_1249700、配列番号1に記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の配列同一性を有するLINUPポリペプチドをコードする。
【0048】
ある実施形態では、ワクチン組成物は、スポロゾイトステージにあるPlasmodium種linup寄生生物と、添加剤とを含み、ここで、ワクチン組成物は、無菌で調製される。
【0049】
ある実施形態では、Plasmodium種linup寄生生物は、1つまたは複数の追加の遺伝子機能を破壊するように遺伝子改変されており、それぞれの追加の遺伝子機能は、肝臓ステージから血液ステージへの移行に必要とされ、別の実施形態では、追加の遺伝子機能は、PlasMei2である。ある特定の実施形態では、遺伝子改変前の機能性PlasMei2遺伝子は、配列番号34に記載される核酸配列に対して、少なくとも約70%、80%、90%、または95%の同一性である核酸配列を含む。ある特定の実施形態では、PlasMei2遺伝子によってコードされる機能性PlasMei2ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号36に記載される配列に対して、少なくとも約70%、80%、90%、または95%の同一性である、を含む(comprises is)。
【0050】
ある実施形態では、ワクチン組成物は、Plasmodium種LARC2(linup-/plasmei2-)と、添加剤とを含む。ある特定の実施形態では、このワクチン組成物は、無菌で調製される。
【0051】
他の実施形態は、ヒト対象において、1つまたは複数のPlasmodium抗原に対する免疫応答を誘導するための方法であって、1つまたは複数の用量のPlasmodium種linupワクチン組成物を対象に投与することを含む、方法に関し、なおも他の実施形態は、ヒト対象において、1つまたは複数のPlasmodium抗原に対する免疫応答を誘導するための方法であって、対象に、1つまたは複数の用量のPlasmodium種LARC2ワクチン組成物を投与することを含む、方法に関する。なおも他の実施形態は、これらのワクチンの投与によって生成される免疫応答が、後続の野生型Plasmodiumチャレンジによる感染を緩和または防御する、方法に関する。なおも他の実施形態は、ヒト対象において、Plasmodium種寄生生物によって引き起こされるマラリアに対する防御免疫の付与を、これらのワクチンの投与によって行う方法に関する。
【0052】
ある実施形態では、Plasmodium種LINUPスポロゾイトは、in vitroで産生され、ある実施形態では、Plasmodium種LARC2スポロゾイトは、in vitroで産生される。in vitroで産生されたPlasmodium種スポロゾイトは、開示されており[34]、具体的には、in vitroで産生された遺伝子的に弱毒化されたPlasmodium種スポロゾイトが、開示されており[35]、これらの参考文献のいずれも、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0053】
精製方法
約10ミクロンのサイズの生きた生物、例えば、Plasmodium種スポロゾイト、例えば、P.falciparum SPZ、特に、遺伝子的に弱毒化されたPlasmodium種SPZ[37]を精製する方法は、[36]によって例証されるように、当該技術分野において公知である。これらの方法は、非直感的な様式でアセンブルされた異なる細孔サイズを有する一連の異なる種類のサイズ排除フィルターを利用する。この手法は、生きた運動性寄生生物の調製物から、付随材料を排除する。この方法の固有な態様は、並んでいるサイズ排除フィルターの細孔サイズが、必ずしもその前のサイズ排除フィルターの細孔サイズよりも小さいわけではないことである。別の発明的な態様は、いくつかのフィルターが、公称細孔サイズのマトリックスを提供し、少なくとも1つのフィルターが、正確な細孔径を有するトラックエッチドフィルターを提供することである。少なくとも1つのフィルターは、寄生生物の直径に近いかまたはそれよりもわずかに小さい細孔サイズを有する。
【0054】
精製のための調製物では典型的に、150~400匹の蚊に由来する唾液腺を解剖する。スポロゾイトを、ニードルおよびシリンジを出入りさせること(粉砕)によって唾液腺から放出させ、これらの腺に由来するスポロゾイトを、集合的に精製する。しかしながら、規模拡大した調製物においては、数倍多くの蚊、ある実施形態では最大1,000匹の蚊、別の実施形態では最大5,000匹の蚊、別の実施形態では最大10,000匹の蚊を、解剖してもよい。スポロゾイトは、粉砕によって唾液腺から放出され、粉砕した唾液腺調製物(精製前調製物)を、本明細書に開示されるサイズ排除濾過プロセスによって精製する。スポロゾイトは、精製プロセスの間、賦形剤、典型的には、アール塩含有199培地(E-199)中の1パーセントヒト血清アルブミン(HSA)中で維持される。
【0055】
A - 精製のための材料の調製
粉砕した解剖産物(精製前調製物)は、まとめて一度に単一のチューブに入れられる。これが、蚊唾液腺材料(SGM)精製前調製物である。これは、約100,000~10億個のスポロゾイト、好ましくは、少なくとも100万個のスポロゾイト、より好ましくは少なくとも2500万個のスポロゾイトを表す。精製前調製物中の測定されるSGMの量は、通常、スポロゾイト25,000個当たり300ng~12,000ng、より典型的には、スポロゾイト25,000個当たり400ng~1,100ngである。精製前調製物を、次いで、賦形剤で10mlに希釈した。溶液および試料は、精製の期間、15~30℃に保持した。
【0056】
B - 精製手順
蠕動ポンプを使用して、希釈した精製前調製物を、少なくとも1ml/分であるが1000ml/分を超えない、好ましくは、少なくとも2ml/分であるが500ml/分を超えない流速、より好ましくは、少なくとも3ml/分かつ200ml/を超えない流速で、一連のサイズ排除フィルターにポンプ注入する。それぞれのフィルターの対応する流動は、少なくとも1L/時間/mであるが2000L/時間/mを超えない、好ましくは、3L/時間/m~1500L/時間/m、最も好ましくは、少なくとも125L/時間/mであるが250L/時間/mを超えない。フィルターは、通常、医療グレードのシリコーンチュービングで直列に接続されている。好ましくは、最初のフィルター(フィルター番号1)または最初の2つのフィルター(フィルター番号1および番号2)は、マトリックスフィルターであり、ポリプロピレンで作製されているが、しかしながら、ナイロン、混合セルロースエステル、およびホウケイ酸ガラス、または当業者に公知の他の材料を、使用してもよい。好ましくは、最後から2つ目のフィルター(フィルター番号3)は、膜フィルターであり、最も好ましくは、トラックエッチドポリカーボネートフィルターであるが、当業者に公知の類似の特性を有する他のフィルターを使用してもよい。無菌手順については、フィルターは、滅菌である。ある実施形態では、3つのフィルター(フィルター番号1、フィルター番号2、およびフィルター番号3)は、直列に接続されており、スポロゾイトは、デッドエンド濾過によってフィルター番号4で捕捉される。追加のフィルターを使用してもよい。ある実施形態では、フィルター番号1は、少なくとも約2.5ミクロンであるが約30ミクロンを超えない、好ましくは少なくとも約5ミクロンであるが20ミクロンを超えない公称細孔サイズを有する膜マトリックスである。一実施形態では、使用されるフィルターは、約10ミクロンの公称細孔サイズを有し、17.5cmの濾過面積を有する。(Polygard(登録商標)-CN Optiscale - Milliporeカタログ番号SN1HA47HH3)。規模拡大した実施形態では、濾過面積は、1800cmである。フィルター番号2(これもまた膜マトリックスである)の公称細孔サイズは、少なくとも約0.3ミクロンであるが、約1.2ミクロンを上回らない。一実施形態では、公称細孔サイズは、約0.6ミクロンであり、17.5cmの濾過面積を有し(Polygard(登録商標)-CN Optiscaleフィルター - Milliporeカタログ番号SN06A47HH3)、これはPlasmodiumスポロゾイトの直径よりも小さい。規模拡大した実施形態では、濾過面積は、1800cmである。一実施形態では、フィルター番号3は、正確な細孔径および一定の細孔サイズを有するトラックエッチド膜フィルターであり、少なくとも1.2ミクロンであるが3ミクロンを上回らない細孔サイズを有し、先行するフィルターの公称細孔サイズよりも大きい。一実施形態では、使用されるフィルターは、1.2ミクロンの細孔サイズを有し、11.3cmの濾過面積を有する。(Isopore膜、直径47mm - Milliporeカタログ番号RTTP04700)、Swin-Locフィルターホルダ(Whatmanカタログ番号420400)に保持される。規模拡大した実施形態では、濾過面積は、127cmである。濾過された材料は、28.7cmの濾過面積および0.8ミクロンを超えない、好ましくは0.6ミクロンを超えない、好ましくは0.2ミクロンを超えないトラックエッチド細孔サイズを有する直径90mmのIsopore膜を備えた撹拌式限外濾過セル(Millipore、モデル8200)において、フィルター番号4で捕捉される。一実施形態では、細孔サイズは、0.4ミクロンである(Milliporeカタログ番号HTTP09030)。規模拡大した実施形態では、濾過面積は、162cmである。別の規模拡大した実施形態では、濾過面積は、63cmである。この系を、培地で複数回洗浄する。保持液の体積が撹拌式セルにおいて約40mlに達した場合には、撹拌式セル容器の排出口を開放し、残留保持液を約5~10ml残して重力で排出させるが、保持液の体積は、他の方法、例えば、窒素などの圧縮ガスによる圧力を印加すること、またはピストンなどの機械的デバイスによって低減させることもできるが、重力が好ましい方法である。この残留保持液は、精製培地を使用した3回分の洗浄と一緒に収集し、合計約35mlまで、典型的には滅菌35ml Oak Ridgeまたは類似の遠心分離チューブに移した(チューブのサイズは、調製物の体積に応じて変動することになる)。35mlのOak Ridgeチューブの培地内の精製したスポロゾイトを、5,000g~25,000g、好ましくは、16,300gで、2分間~12分間、好ましくは、5分間遠心分離して、スポロゾイトをペレットにした。上清培地を、デカンテーションした。このステップは、上清中に残留しているより小さくより浮力のある材料および可溶性材料を除去することによって、スポロゾイト調製物をさらに精製する。
【0057】
3サイズ排除フィルターの手法を使用することで、この手順は、精製前調製物中の付随材料と比べて、精製されたスポロゾイト調製物中の付随材料の200~10,000分の1(低減係数)というより大きい実質的な低減を提供する。滅菌精製されたスポロゾイトの精製された調製物中の残留SGMの量は、慣例的に、25,000個のスポロゾイト当たり25ng未満の付随材料(最初のSGM量と比べて97%を上回る低減)、好ましくは、25,000個のスポロゾイト当たり15ng未満(98%の低減)、より好ましくは、25,000個のスポロゾイト当たり1ng未満(99.9%)である。本明細書に記載されるそれぞれの精製された調製物中の混入SGMは、通常、それぞれの精製された調製物が由来する最初の粉砕処理した精製前の唾液腺材料中のSGMと比べて数千分の1に低減される。好ましくは、精製低減係数は、少なくとも15分の1であり、より好ましくは、精製係数は、少なくとも1,500分の1、最も好ましくは、少なくとも3,500分の1である。実施例1に記載される10回のキャンペーンにおける低減係数の幾何平均は、1625であり、これは精製プロセス中のSGMにおける99.93%である。
【0058】
この方法は、粗スポロゾイト調製物中の混入物質および付随する蚊唾液腺材料を低減させるのに有効である。スポロゾイトは、次いで、当該技術分野において公知のように、凍結保存され得る。
【0059】
ワクチン組成物および使用の方法
一部の実施形態では、Plasmodium種スポロゾイト、および特に、精製されたPlasmodium種スポロゾイトは、無菌で調製される。この手法は、[38]によって例証されるように当該技術分野において公知であり、以下の実施例7における無菌の精製されたPf-LARC2のGMP製造の説明においてさらに例証されている。
【0060】
免疫原がPlasmodium種P.falciparum linup-およびPlasmodium種P.falciparum-LARC2であるワクチンを含め、遺伝子的に弱毒化されたPlasmodium種スポロゾイトは、一般的に、1回から3回の用量のレジメンで投与され、通常、皮下、皮内、および静脈内投与を含む非経口で、好ましくは、当該技術分野において公知の静脈内直接静脈接種(DVI)手法によって、投与される。接種1回当たりの遺伝子的に弱毒化されたPlasmodiumスポロゾイト、例えば、P.falciparumの遺伝子的に弱毒化されたスポロゾイトの好適な用量は、約10,000~約1000万個のスポロゾイト、好ましくは、100,000~1,000,000個のスポロゾイトであり得る。本発明の一部の実施形態では、ワクチンは、アジュバント、例えば、[39]に記載される7DW8-5とともに投与され、アジュバントと併用したそのような投与は、1用量当たりの必要とされるスポロゾイトの数を低減させる可能性が高いと予想される。
【0061】
そのようなワクチンは、マラリア、その臨床症状、症状、またはその病態の予防または重症度の低減に有用である。ある実施形態では、無菌で調製された遺伝子的に弱毒化された精製されたスポロゾイトを含む組成物およびワクチンは、マラリアを引き起こす病原体に以前に曝露されていないか、または曝露されたが完全に防御されていない、ヒトおよび他の哺乳動物対象において、部分的、増強された、または完全な防御を提供する。これらの組成物およびワクチンは、Plasmodiumの種、例えば、P.falciparumまたはP.vivaxなどを含む、マラリアを引き起こす寄生生物による疾患をもたらす感染症を発症する可能性を低減させ、感染した場合に疾病になる可能性を低減させ、感染した場合に疾病、例えば、発熱の重症度を低減させる、感染した人物における寄生生物の濃度を低減させる、またはマラリア寄生生物に曝露された集団におけるマラリアによる死亡率を低減させるのに、同様に有用である。多数の事例では、部分的な防御、または非免疫付与個体と比較して免疫付与した個体が寄生生物に感染するかもしくは感染により疾病となるまでの時間の遅延であっても、有益である。同様に、集団の約30%においてこれらの利益のうちのいずれかをもたらすワクチン処置戦略は、地域社会およびその地域社会に属する個体の健康状態に対して、大きな影響を有し得る。一般的に、本発明の方法に従って、対象に、1つのPlasmodium種の遺伝子的に弱毒化されたPlasmodiumスポロゾイトを接種することが、同じ種の野生型Plasmodium寄生生物でのチャレンジに対する防御免疫が誘導すると予想されることが、企図される。しかしながら、1つのPlasmodium種のスポロゾイトでの免疫付与により、別のPlasmodium種のスポロゾイトでのチャレンジに対して防御することができることが示されており、したがって、この様式で交差種防御を誘起することもまた、本発明の範囲内である。
【0062】
対象におけるマラリアの予防のための方法もまた、提供される。本方法は、対象に、LINUP遺伝子機能が欠如した遺伝子的に弱毒化されたPlasmodium種ワクチンを投与するステップを含み、このワクチンは、無菌で調製されており、実質的に精製された生きた遺伝子的に弱毒化されたPlasmodiumスポロゾイトを、マラリアを予防するのに有効な量で含む。
【0063】
マラリアの予防および/または処置は、当業者であれば、マラリア感染症と関連する臨床または病理症状、例えば、体温の上昇、頭痛、疲労、昏睡状態、または寄生赤血球のパーセントの評価によって容易に確認することができる。したがって、本発明の方法によると、対象は、精製された生きた弱毒化されたPlasmodiumスポロゾイトを含むワクチンの投与後に、マラリアの臨床兆候、症状、または病理症状の改善または不在を示す。
【0064】
一部の実施形態では、投与するステップは、対象の肝細胞の感染をもたらし、遺伝子的に弱毒化されたPlasmodium寄生生物の肝臓ステージへと発達し、Plasmodium特異的抗原のアレイを提供し、免疫応答が生成されて、後続の野生型Plasmodiumチャレンジによる感染を緩和または防御する。したがって、一部の実施形態では、開示される方法は、野生型Plasmodiumへの曝露の後に、対象のうちの少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または対象のうちの少なくとも99%においてマラリアの症状を低減または予防するのに十分な防御免疫を付与する。
【0065】
ワクチンおよび免疫原の有効かつ最適な投薬量範囲は、当該技術分野において公知の方法を使用して決定することができる。抗マラリア作用を達成するのに適切な投薬量に関する案内は、本明細書に開示される例証されているアッセイから提供される。より具体的には、本明細書および引用される参考文献に記載される免疫付与パターンから得られた結果は、必要とされる分野の当業者によって外挿されて、試験ワクチン接種スケジュールを得ることができる。志願者対象に、予定された間隔で、様々な投薬量を接種し、試験血液試料を、後続の感染性寄生生物でチャレンジしたときのマラリアに対する防御のレベルについて評価する。そのような結果を使用して、哺乳動物対象、具体的にはヒト対象の有効な免疫付与のための最適化された免疫付与用量および投薬レジメン(スケジュール)を精査することができる。
【0066】
対象における免疫応答は、体液性および細胞性免疫応答の評価を含むがこれらに限定されない標準的な試験によって測定することができ、これには、抗原特異的または寄生生物ステージ特異的抗体応答の測定、当該技術分野において公知の手段による末梢血リンパ球の直接的な測定、ナチュラルキラー細胞の細胞傷害性アッセイ[40]、細胞増殖アッセイ[41]、免疫細胞およびサブセットのイムノアッセイ[42、43]、ならびに細胞媒介型免疫に関する皮膚試験[44]が挙げられるが、これらに限定されない。免疫系の強度を測定するための様々な方法および分析が、説明されており、例えば[45]がある。
【0067】
提供されるワクチンは、付随材料を実質的に含まない精製された生きた弱毒化されたPlasmodiumスポロゾイトの無菌および非無菌組成物(好ましくは、無菌)、ならびに薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、または担体を有する組成物を含む。これらのワクチンは、後続の感染性寄生生物でチャレンジしたときに、マラリアを予防または軽減するのに有効である。医薬組成物およびワクチンを製剤化する方法は、当業者に周知である[例えば、46を参照されたい]。
【0068】
精製された生きた弱毒化されたかまたは弱毒化されていないPlasmodiumスポロゾイトを、適切な希釈剤および緩衝液とともに含む、無菌で調製されたかまたはそれ以外の、ワクチン組成物が、本発明によって包含される。希釈剤、一般的には、リン酸緩衝食塩水(PBS)または生理食塩水(NS)は、様々な緩衝液内容物pHおよびイオン強度のものである。そのような組成物はまた、賦形剤、例えば、血清アルブミン、特に、ヒト血清アルブミンを含み得る。血清アルブミンは、天然に存在する供給源、例えば、ヒト血液から精製されてもよく、または組換えDNAもしくは合成技術によって産生されてもよい。そのような組成物はまた、添加剤、例えば、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、および/または保存剤もしくは凍結保存剤も含み得る。ポリ乳酸、ポリグリコール酸など、ポリマー化合物の粒子調製物またはリポソームへの材料の組込みもまた、使用され得る。(例えば、[46]1435~1712ページを参照されたく、これは、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0069】
ワクチンの有効量を判定するために、当業者であれば、レシピエントの治療の状況、年齢および全般的な健康状態を考慮して、適正な投薬を確認することができるであろう。選択される投薬量は、所望される治療作用、投与の経路、および所望される処置の期間に依存する。投薬量のレベルを決定するための実験は、当業者により、様々な投薬量レジメンがマラリアに対する防御を誘起するそれらの能力に関して評価される適切なヒト臨床試験によって確認され得る。
【0070】
開示されるワクチンおよびこれらのワクチンを使用する開示される方法は、ワクチンレジメンにおける1つの成分として有用であり得、それぞれの成分は、対象に別個に投与しようとする異なるワクチンを含む。レジメンは、弱毒化されたPlasmodium種スポロゾイトおよび他の種類のPlasmodiumワクチンでの逐次的な免疫付与、いわゆるプライム-ブースト戦略を含み得る。これは、プライムとして弱毒化されたスポロゾイト、およびブーストとしてアジュバントにおけるPlasmodium関連組換えタンパク質(単数または複数)を含み得るか、または逆も同様である。これはまた、プライムとしてPlasmodium関連DNAワクチンまたはPlasmodium関連タンパク質を発現する組換えウイルス、例えば、アデノウイルス、およびブーストとして精製された弱毒化されたスポロゾイトワクチンを含み得るか、または逆も同様である。これにはまた、弱毒化されたPlasmodium種スポロゾイトと、死滅したおよび生きた弱毒化されたものを含む赤血球ステージの寄生生物のなんらかの形態とを用いた逐次的または混合免疫付与も含まれ得る。別個の成分を含むワクチン複合体は、別個のワクチン成分を含むワクチンレジメン、プライム/ブーストレジメン、成分ワクチン、成分ワクチンキット、または成分ワクチンパッケージと称され得る。例えば、ワクチン複合体は、精製された無菌の生きた弱毒化されたスポロゾイトを含むワクチンを、成分として含み得る。複合体は、追加として、組換えタンパク質、合成ポリペプチド、これらのエレメントをコードするDNAそのもの、または組換えウイルス、組換え細菌、もしくは組換え寄生生物に機能的に組み込まれたものを含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の組換えまたは合成サブユニットワクチン成分を含み得る。ワクチン成分はまた、細胞外で初期肝臓ステージへと発達することが可能な無菌の弱毒化された無菌(axenic)スポロゾイトを含み得る。
【0071】
以下は、遺伝子的弱毒化の実現可能な標的としてのLINUPの発見および分析、ならびに二重ノックアウト弱毒化Plasmodiumの開発の実験的開示である。
【0072】
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、代替物のみを指すことが明示的に示されるかまたは代替物が互いに排他的である場合を除き、「および/または」を意味するが、本開示は、代替物のみならびに「および/または」に言及する定義を支持することが、一般的に留意される。
【0073】
長く続いている特許の法則に従い、「1つの(a)」および「1つの(an)」という言葉は、特許請求の範囲または明細書において「含む(comprising)」という言葉と併せて使用される場合、別途示されない限り、1つまたは複数を指す。
【0074】
文脈により別途明確に示されない限り、本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などの言葉は、排他的または徹底的な意味とは対照的な包含の意味で、例えば、「含むがそれらに限定されない」という意味で解釈されるものとする。単数形および複数形を使用した言葉はまた、それぞれ、複数形および単数形を包含する。加えて、「本明細書において」、「上記」、および「以下」という言葉、ならびに類似の意味の言葉は、本出願において使用される場合、本出願の任意の特定の部分ではなく、全体として本出願に言及するものとする。「約」および「およそ」などの言葉は、通常、標準的な誤差の範囲、例えば、言及された値の10%または5%以内の、言及された値のわずかな変動を意味する。
【0075】
開示される方法および組成物に、それと併用して、およびその調製物において使用することができる、材料、組成物、および成分が、開示される。これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、群などが開示される場合、様々な個別および集合的な組合せのそれぞれは、これらの化合物のそれぞれおよび個々の単一の組合せおよび順列への具体的な言及が明示的に開示されていなくとも、具体的に企図されることを理解されたい。この概念は、記載される方法におけるステップを含むがこれらに限定されない、本開示のすべての態様に適用される。したがって、任意の前述の実施形態の特定の要素が、他の実施形態における要素と組み合わされてもよく、または置き換えられてもよい。例えば、行われ得る様々な追加のステップが存在する場合、これらの追加のステップのそれぞれは、開示される方法の任意の特定の方法ステップまたは方法ステップの組合せを用いて行われてもよいこと、ならびにそれぞれのそのような組合せまたは組合せのサブセットが、具体的に企図され、開示されるとみなされるべきであることが、理解される。加えて、本明細書に記載される実施形態は、任意の好適な材料、例えば、本明細書の他の箇所に記載されているかまたは当該技術分野において公知のものを使用して、実装することができることが、理解される。
【0076】
本明細書に引用される刊行物およびそれらが引用される主題は、参照によりそれらの全体が具体的に本明細書に組み込まれる。
【実施例
【0077】
(実施例1)
P.yoelii LINUPは、肝臓ステージ発達の間に排他的に発現される。
肝臓ステージ発達の間にのみ弱毒化が生じる新規な遺伝子を特定するために、ヒト肝臓キメラFRG NOD huHepマウスの感染した肝臓から単離した後期肝臓ステージP.vivaxトランスクリプトームを利用した。マウスに、Anopheles dirus蚊から単離した100万個のP.vivaxタイ地域株のスポロゾイトを感染させた。マウスを、感染後8日目、肝臓ステージ発達の後期に安楽死させ、肝臓を、RNA抽出のために処理した。P.vivaxエクソームに特異的なプローブを、精製したRNAにハイブリダイズさせ、cDNAに変換して、バルクシーケンシングした。リードを正規化し、100万個のマッピングリード当たりの転写産物1キロ塩基当たりのリード数(RPKM)として表した。これは、4397個の固有の遺伝子転写産物の捕捉をもたらし、RPKM値は2を上回った。肝臓ステージ特異的リードを濃縮するために、P.vivaxのRPKMリードを、ライフサイクルの血液ステージの間に発現されるP.falciparumオルソログ遺伝子の最大RPKMリード数に対する変化倍数として表した。これにより、無性別P.vivaxの肝臓ステージ発達と、無性別P.falciparum血液ステージ発達との比較および対比、ならびに肝臓ステージ発達の間にのみ高度に発現される遺伝子を特異的に単離することが可能となった。この分析から得られた上位10個の遺伝子(表1)には、肝臓ステージ発達の間に発現され血液ステージ発達の間には発現されないことがすでに知られている遺伝子または代謝経路が含まれた。
【0078】
【表1-1】
【表1-2】
【0079】
公知の遺伝子には、LISP1(30)、LISP2(31~33)、PALM(34)、およびSIAP2(35)が含まれた。II型脂肪酸生合成の前駆体であるマロニルCoA-アシル担体タンパク質トランスアシラーゼもまた検出され、これは、P.falciparumの肝臓ステージ発達の間に発現されることが知られており、P.yoeliiおよびP.bergheiの肝臓ステージ発達に重要である、経路である(36~39)。この結果により、肝臓ステージ特異的転写産物を発見するための本発明者らの手法が健全であったという確信が得られた。本発明者らはまた、オルソログが、P.yoeliiゲノムに存在していたという要件も有していたため、本発明者らは、このげっ歯動物マラリアモデルを使用して、空間的および時間的発現ならびに必須性について効率的に分析することができた。上位10個のうちの残りの5個の遺伝子のなかで、4個が、P.yoeliiゲノムにオルソログを有しており、これには、推定上のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼPY17X_0513300、ならびに3つの仮説遺伝子PY17X_1003700、PY17X_1465200、およびPY17X_1369800が含まれた。PlasmoDBを使用したP.yoelii遺伝子およびそれらのP.falciparumオルソログの両方のタンパク質発現(P.yoeliiおよびP.falciparum)ならびに血液ステージ(P.falciparum)における必須性についての分析は、PY17X_051300/PF3D7_102800がP.falciparum無性別血液ステージにおいて欠失可能であったが、このタンパク質はP.falciparum血液ステージガメトサイトおよびP.yoeliiオーシストスポロゾイトにおいて発現されていたことを示唆し、したがって、この遺伝子はさらに研究しなかった。PY17X_1369800/PF3D7_1351300の分析は、この遺伝子が、P.falciparum無性別血液ステージ複製に必須であったことを示唆し、したがって、さらに研究しなかった。PY17X_1003700/PF3D7_0404600の分析は、この遺伝子が、P.falciparum無性別血液ステージにおいて欠失可能であったが、このタンパク質はP.falciparum血液ステージのメロゾイトおよびスポロゾイトの両方において発現されていたことを示唆し、したがって、この遺伝子はさらに研究しなかった。注目すべきことに、PY17X_1465200/PF3D7_1249700の分析は、この遺伝子が、P.falciparum無性別血液ステージ複製に関して欠失可能であったことを示唆した。さらに、発達の40時間の時点で、P.falciparumにおけるタンパク質発現およびP.yoeliiの肝臓ステージにおける発現の根拠はなかった。したがって、PY17X_1465200/PF3D7_1249700を、さらなる研究に進めた。
【0080】
PY17X_1465200は、公知のタンパク質特性を有さない746個のアミノ酸のタンパク質をコードする単一エクソン遺伝子であり、Plasmodium種全体で保存されている(図1A)。P.yoeliiおよびP.falciparumおよびP.vivaxの合成オルソログ間での全体的なアミノ酸同一性は、40%であり、一方でアミノ酸類似性は60%であった。N末端に近い122個のアミノ酸のストレッチ(アミノ酸44~161)における同一性は、89%であった。加えて、この遺伝子は、他のApicomplexaまたは任意の他の真核生物においてオルソログを有さず、したがって、Plasmodiumに固有である。PY17X_1465200の空間的-時間的発現パターンを判定するために、mCherryタグを内因性PY17X_1465200のC末端に結合させたトランスジェニックP.yoelii寄生生物を作製した(図1B、上部パネルの図)。標準的なトランスフェクション手順により、二重交差相同組換えが成功し、トランスジェニック寄生生物をクローニングし、mCherryタグの組込みを、導入遺伝子特異的PCRによって確認した。PY17X_1465200 mCherryタグ化寄生生物クローンと、野生型寄生生物との比較により、ライフサイクル進行に統計学的に有意な差は判明しなかった。具体的には、Swiss Websterマウス群への野生型およびタグ化の両方の寄生生物に由来する10,000個の唾液腺スポロゾイトの静脈内注射により、すべてのマウスが、ギムザ染色した薄層血液スメアに基づいて、スポロゾイト注射後3日目に血液ステージ感染を示したため、ライフサイクルの蚊ステージおよび肝臓ステージは、同程度であった。タグ化した寄生生物が、ライフサイクルを正常に完了させたことが判明しているため、mCherryタグの発現を、感染した組織の免疫蛍光アッセイ(IFA)によって、完全なライフサイクル全体にわたってモニタリングした。興味深いことに、mCherry発現は、P.yoeliiの場合はおよそ52時間の期間を有する肝臓ステージ発達の間にのみ見られた。発現は、24時間の時点では検出されなかったが(図1B)、赤血球外メロゾイトが形成される時点である36時間および48時間の両方の時点で検出された(図1B)。発現は、点状であり、小胞体マーカーBiPの点状発現とオーバーラップしなかった(図1B)。しかしながら、発現は、核染色DAPI、ならびに活動性ヒストンマーカーであるヒストン3アセチル化リシン9と部分的にオーバーラップした(図1C)。したがって、本発明者らは、PY17X_1465200が、中期から後期の肝臓ステージ発達の間のみの核発現パターンを有すると結論付けた。本発明者らは、したがって、この遺伝子およびそのタンパク質産物をLINUP、肝臓ステージ核タンパク質と命名し、タグ化寄生生物をP.yoelii LINUPmCherryと命名した。LINUPアミノ酸配列のさらなる分析により、P.yoelii、P.falciparum、およびP.vivaxにおける保存されたN末端の25個のアミノ酸の核局在化配列(NLS)が判明し、これは、3つの種にまたがってほぼ同一であった(図1A)。NLSの存在は、P.yoelii LINUPの核局在化を説明する。肝臓ステージ発達におけるLINUPの重要性をさらに研究するために、遺伝子ノックアウトアプローチを使用した。
【0081】
(実施例2)
P.yoelii LINUPは、肝臓ステージ発達に極めて重要である。
P.yoelii肝臓ステージ発達におけるLINUP発現の必須性を研究するために、本発明者らは、CRISPR/Cas9技術を使用して、LINUP遺伝子をP.yoeliiゲノムから欠失させた(図2A)。シゾントのトランスフェクション、マウスにおけるピリメタミンでのin vivo陽性薬物選択、および薬物耐性寄生生物の単離の後に、遺伝子ノックアウトを、特異的プライマーを使用して、単離したゲノムDNAにおけるPCRによって確認した。
【0082】
【表2】
【0083】
P.yoelii linup寄生生物をクローニングし、c3およびc5の2つのクローンを、まず、下流表現型分析に使用した。2つのクローンを、まず、発達の血液ステージ成長(図2B)および蚊ステージの間に野生型親と比較し、生物学的複製物実験において、全体的なオーシスト数(図2C)、ならびにオーシスト存在度(図2D)、および蚊1匹当たりの唾液腺スポロゾイト(図2E)に統計学的差はなく、LINUPの欠失が、ライフサイクルの蚊ステージに影響を及ぼさなかったことが示唆された。これは、LINUPの発現が、中期から後期の肝臓ステージになるまで見られなかったため、予測されていた。
【0084】
肝臓ステージ発達が、LINUPの欠失によって影響を受けるかどうかを判定するために、P.yoelii野生型およびlinupスポロゾイトを、感染したAnopheles stephensi蚊の唾液腺から単離し、アウトブレッドSwiss Websterマウス、ならびに感受性インブレッド株BALB/cJおよびBALB/cByJを含む実験室マウスの群に静脈内注射した(表3)。
【0085】
【表3】
【0086】
日数単位での血液ステージ感染までの時間を、次いで、ギムザ染色した薄層血液スメアから判定した。50,000個の野生型スポロゾイトを感染させたすべてのSwiss Websterマウスは、すべてが、3日目に血液ステージ感染を示したが、一方で、P.yoelii linupスポロゾイトを感染させた場合には、10匹中9匹のマウスが血液ステージ感染を示し、マウスは感染後8日目および10日目に感染状態となり、顕在性(patency)までに大きな遅延があったため、P.yoelii linup肝臓ステージは、重度に弱毒化されていることが示唆された(図3)。同様に、50,000個の野生型スポロゾイトを感染させたBALB/cByJマウスは、すべてが、3日目に血液ステージ感染を示し、一方でP.yoelii linupスポロゾイトを感染させた20匹のマウスのうち9匹だけが、血液ステージ感染を示し、感染までの日数は、8~10日目の範囲に及んだ(表3)。BALB/cJマウスにおける用量漸増研究により、肝臓ステージ弱毒化のさらなる根拠が判明した。マウスに、1,000、10,000、および50,000個のスポロゾイトを感染させた。野生型スポロゾイトを感染させたマウスは、すべてが、4日目(1,000)、3~4日目(10,000)、および3日目(50,000)に血液ステージ感染を示したが、一方で、P.yoelii linupスポロゾイト感染については、10匹中1匹のマウスだけが、12日目に血液ステージ感染を示し(1,000)、20匹中7匹が、7~12日目に血液ステージ感染を示し(10,000)、10匹中5匹が、7~9日目に顕在となった(50,000)(表3)。したがって、P.yoelii linup寄生生物は、肝臓ステージ発達の間に重度に弱毒化される。
【0087】
(実施例3)
P.yoelii linup肝臓ステージ成長は低減され、赤血球外メロゾイト形成は弱毒化される。
P.yoelii linup肝臓ステージの弱毒化をさらに研究するために、BALB/cByJマウスに、250,000個のP.yoelii linupスポロゾイトを静脈内感染させた。マウスを、感染後(24時間、36時間、および48時間)の時点で安楽死させ、肝臓を摘出し、灌流させ、固定し、切片にし、IFAに供して、サイズおよびタンパク質/DNA発現パターンの両方を、野生型感染と比較して判定した(図3)。24時間の時点では、P.yoelii linup肝臓ステージは、野生型とサイズが同程度であると見られた(図3A)。しかしながら、36時間の時点では、P.yoelii linup肝臓ステージは、野生型よりも統計学的に小さかった(図3A)。サイズの減少は、48時間の時点ではさらに顕著であり(図3A)、この時点で、タンパク質/DNA発現における明白な差もまた確認された。48時間の時点では、ミトコンドリアおよびアピコプラストの分岐は、P.yoelii linup肝臓ステージでは、野生型と比較して低減されていた(図3B)。加えて、赤血球外メロゾイトを表す寄生生物形質膜マーカーMSP1の発現パターンもまた、異常であり(図3C)、不完全なサイトメア形成を示した。さらに、完全に成熟したメロゾイトの内膜複合体の一部であるMTIPの発現は、野生型肝臓ステージの17%に見られたが、P.yoelii linup肝臓ステージでは7%にしか見られず、MTIP発現を示したP.yoelii linup肝臓ステージではその発現は異常であった(図3D)。また、P.yoelii linup肝臓ステージでは赤血球外メロゾイトの形成の間に生じる大規模な核分裂の根拠もなかった。とはいえ、一部のマウスはP.yoelii linupスポロゾイト注射後に肝臓ステージ感染を示しているため、メロゾイトはP.yoelii linup肝臓ステージから放出される可能性がある。したがって、わずかな事例において、生存性赤血球外メロゾイトが形成される可能性がある。
【0088】
(実施例4)
P.yoelii linupスポロゾイトでのマウスの免疫付与により、野生型チャレンジから防御される。
肝臓ステージ発達の間に停止するげっ歯動物マラリアGAPは、野生型スポロゾイトチャレンジから防御することができる強力な免疫原である[26~28]。P.yoelii linupスポロゾイトでの感受性BALC/cJマウスの免疫付与が、チャレンジから防御し得るかどうかを判定するために、マウスの群を、1,000または10,000個のいずれかのP.yoelii linupスポロゾイトで静脈内免疫付与したか、または未感染の蚊に由来する同等の体積の唾液腺抽出物で疑似免疫付与した(表4)。P.yoelii linupスポロゾイト感染後に肝臓ステージ感染を示さなかったマウスのみを、最終的に、野生型スポロゾイトでチャレンジした。マウスは、およそ33日間離して2回免疫付与し、次いで、さらに34日後に、10,000個の野生型スポロゾイトの静脈内注射でチャレンジした。唾液腺抽出物で免疫付与したマウスは、すべてが、チャレンジ後3~4日で血液ステージの感染状態となった(表4)。
【0089】
【表4】
【0090】
1,000個のP.yoelii linupスポロゾイトで2回免疫付与した9匹のマウスのうち6匹は、チャレンジから防御され、残りの3匹のマウスは、血液ステージ感染までの有意な遅延が示され、チャレンジ後8~10日目に感染状態となった(表4)。10,000個のP.yoelii linupスポロゾイトで2回免疫付与したすべてのマウス(13匹)は、チャレンジ後に防御された。この結果は、P.yoelii linupGAPでの免疫付与が、有意な野生型スポロゾイトチャレンジからマウスを防御する高度に有効な免疫応答をもたらすことを示す。
【0091】
(実施例5)
FRG NOD huHepマウスにおけるP.falciparum linup寄生生物の表現型ブレイクスルー分析:
P.falciparum NF54およびP.falciparum linupスポロゾイトを、感染したAnopheles stephensi蚊の唾液腺から単離した。P.falciparum linup肝臓ステージの分析のために、1×10個のP.falciparum NF54および1×10個のP.falciparum linupスポロゾイトを、1群当たり4匹のFRG NOD huHepマウスに、静脈内(後眼窩)注射した。肝臓を、5日目および7日目に摘出し、IFAに使用した(図6A)。FRG NOD huHepマウスにおいてP.falciparum linupの血液ステージへの移行を評価するために、クローンに由来する1×10個のP.falciparum NF54およびP.falciparum linupスポロゾイトを、それぞれ、1群当たり1匹および3匹のFRG NOD huHepマウスに、静脈内注射した。6日目および7日目に、400μlの70% RBCを、静脈内注射して、肝臓ステージ寄生生物の血液への移行を可能にした。7日目にヒトRBC再増殖の4時間後に、マウスを安楽死させ、心臓穿刺によって血液を採取し、それぞれのマウスから50μlの血液を、qRT-PCR分析に使用して、寄生生物18S RNAを検出した。血液を、無性別培地において3回洗浄し、パックされたRBC体積と同等の体積のヒトRBCを添加し、血液をin vitro培養に移した。毎日新しい培地を置き換え、培養物を、最大10日間、2~3日ごとに重層スメアによって寄生生物の存在について分析した。in vitro培養物由来の試料を、10日後に、qRT-PCRによって18S rRNAの存在について分析した。
【0092】
P.falciparum linupスポロゾイトを注射した3匹のマウスの値は、0から1×10の範囲に及び、移行における重度の弱毒化を示した(図6B)。瀉血した動物から得られた血液を、in vitro培養に入れ、7日後、スポロゾイト注射後14日目に試料採取した。この期間におけるP.falciparum NF54野生型寄生生物複製は著しく、血液1ml当たり7×10個の18S rRNAのコピーをもたらし、これは100倍を上回る増加であり(図6B)、寄生生物は、ギムザ染色した薄層血液スメアの評価によって示された。対照的に、P.falciparum linupスポロゾイトを注射したマウスに由来する血液の培養では、寄生生物バイオマスに有意な増加は示されず、血液1ml当たり0~2×10個の18S rRNAのコピーであった(図6B)。この結果は、P.falciparum linupスポロゾイトを注射したマウスに由来する血液中の寄生生物バイオマスの初期定量が、生存性赤血球外メロゾイトではなく、弱毒化されたおよび非生存性肝臓ステージの寄生生物に由来する寄生生物rRNAのマウスの血流中への放出に起因していたことを示唆する。P.falciparum linup肝臓ステージ弱毒化をさらに評価するために、肝臓RNA1ng当たりの18S rRNAのコピー数として測定される寄生生物バイオマスを、移行実験に使用したマウスにおいて判定した(図6C)。これは、P.falciparum linupにより、肝臓ステージバイオマスが、野生型と比較して低減されており、これが、IFAによって見られる赤血球外メロゾイトの異常な成熟に起因する可能性が高いことを示唆した(図5B)。
【0093】
(実施例6)
FRG NOD huHepマウスにおけるP.falciparum LARC2寄生生物の表現型ブレイクスルー分析
P.falciparum NF54およびP.falciparum LARC2スポロゾイトを、感染したAnopheles stephensi蚊の唾液腺から単離した。FRG NOD huHepマウスにおいてP.falciparum LARC2の血液ステージへの移行を評価するために、1×10個の無菌凍結保存P.falciparum NF54(PFSPZ)および無菌凍結保存P.falciparum LARC2(PFSPZ LARC2)のスポロゾイトを、それぞれ、4匹および6匹のFRG NOD huHepマウスに静脈内注射した(図10A)。6日目および7日目に、400μlの70% RBCを、静脈内注射して、肝臓ステージ寄生生物の血液への移行を可能にした。7日目にヒトRBC再増殖の4時間後に、マウスを安楽死させ、心臓穿刺によって血液を採取し、それぞれのマウスから50μlの血液をqRT-PCR分析に使用して、寄生生物18S RNAを検出した。血液を、無性別培地において3回洗浄し、パックされたRBC体積と同等の体積のヒトRBCを添加し、血液をin vitro培養に移した。毎日新しい培地を置き換え、培養物を、最大6週間、2~3日ごとに重層スメアによって寄生生物の存在について分析した。
【0094】
7日目に、PfSPZを感染させたマウスの寄生生物密度は、P.falciparum 18S qRT-PCRにより、10~10個の寄生生物同等物/mlの範囲に及んだ(図10Bおよび表5)。
【0095】
【表5】
【0096】
血液ステージ寄生生物は、PFSPZを感染させた4匹すべてのマウスにおいて、in vitro培養への移行から1~3日以内に、ギムザ染色したスメアによって検出された(表5)。対照的に、PfSPZ LARC2を感染させた6匹すべてのマウスにおいて、ギムザ染色した薄層スメアによって寄生生物は検出されなかった。7日目に、PfSPZ LARC2を感染させたマウスの寄生生物密度は、P.falciparum 18S qRT-PCRにより0~10個の寄生生物同等物/mlの範囲に及び、これにより、寄生生物18S rRNAが、非生存性および弱毒化されたP.falciparum LARC2の肝臓ステージ寄生生物から血流中に放出されることが示唆される。しかしながら、生存性赤血球外メロゾイトは、P.falciparum LARC2において形成されない。感染したマウスの肝臓もまた、RNAを抽出するため、およびP.falciparum 18S qRT-PCRによる寄生生物肝臓量の分析のために、7日目に摘出した。寄生生物肝臓負荷量を、総肝臓RNA1μg当たりのP.falciparum 18S rRNAのlog10コピー数として示す(図10)。
【0097】
(実施例7)
GMP製造と適合性となるように成長パラメーターを最適化し、無菌PfSPZ-LARC2ワクチンの産生、精製、および凍結保存を示す。
生きた無菌の精製および凍結保存されたGMP品質のPfSPZ-LARC2ワクチンの産生が達成されており、これは遺伝子的に弱毒化されたPf寄生生物のライフサイクルステップに従い、ここで、スポロゾイトは、生物学的系、インタクトな無菌蚊の唾液腺において産生される。これは、マスターセルバンクからのPfガメトサイトおよびA.stephensiのコロニーからの無菌蚊の同時産生を必要とする。Pfを、in vitroで培養して、ガメトサイトを産生させた。P.falciparumを感染させたRBCを、未感染のRBCおよび補充済RPMIと混合した。これらを、次いで、補充済RPMIを含む(6ウェルの)培養プレートのウェルに入れ、培養物を拡大させた。培養物中でガメトサイトの産生を開始させるために、完全成長培地(10%ヒトO+血清および367μMのヒポキサンチンを補充したRPMI1640)を添加し、毎日交換した。誘導培養試料からのギムザ染色した薄層血液スメアを、ガメトサイト成長をモニタリングするために調べた。ステージVのガメトサイトの数を、ガメトサイト産生開始後14日目から19日目に評価した。培養物を、蚊に吸血させるための感染性吸血液の調製に選択した。感染性吸血液中のガメトサイトを、無菌卵、幼虫、および蛹から培養した無菌成虫蚊に吸血させた。
【0098】
無菌蚊産生は、蚊ライフサイクルのすべてのステージを含み、卵の殺菌および溶液の調製で開始され、蚊の吸血準備が整ったときに終了する(米国特許第8,802,919号)。人工膜を、容器の口全体に設置し、オートクレーブした。容器を、およそ35~37℃に保ち、成虫蚊を導入した。Pfガメトサイトに感染した血液を膜に添加し、蚊に、ガメトサイトに感染した吸血液を30分間吸血させた。吸血後に、蚊を、インキュベーターに戻し、26℃、77%相対湿度、12時間の明:暗サイクルで維持した。
【0099】
感染した無菌成虫蚊を、次いで、解剖し、唾液腺を摘出し、スポロゾイトを抽出し、記載されるように精製した。製剤化した無菌の精製されたPfSPFワクチンを、次いで、凍結保存した。凍結保存は、2×CPAを1:1の比で添加することにより開始した。調製物を、20μLのアリコートで低温バイアルに分注した。バイアルを-150℃よりも低い凍結温度に冷却する複数ステップのプロセスである定速凍結(rate freezing)によって、バイアルを凍結保存のために調製した。低温バイアルを、最終的に、-150℃~-196℃である液体窒素蒸気相(LNVP)における保管に移した。
【0100】
PfSPZ-LARC2ワクチンの2つの別個の調製物の評価を、表6に示す。
【0101】
【表6】
2億個の無菌の精製されたPfSPZ-LARC2を、バイアル1つ当たり10個のPfSPZ-LARC2でバイアルに入れた。
【0102】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【0103】
【表8】
【0104】
【表9】
【0105】
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【0106】
【表11】
【0107】
例示的な実施形態が、例示され記載されているが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変更がそこに行われてもよいことが理解されるであろう。
【0108】
参考文献
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排他的所有権または特権が主張される本発明の実施形態は、以下のとおりに定義される:
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C-E】
図5A
図5B
図6A
図6B-C】
図7A-1】
図7A-2】
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A-B】
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
【配列表】
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【国際調査報告】