(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】原動機付き車両用の電気的な装置
(51)【国際特許分類】
G05B 9/02 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
G05B9/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510425
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2022073693
(87)【国際公開番号】W WO2023025897
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】102021209436.8
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー・インゴ
【テーマコード(参考)】
5H209
【Fターム(参考)】
5H209AA10
5H209DD13
5H209FF08
5H209FF09
5H209GG13
5H209HH12
5H209JJ01
5H209JJ05
(57)【要約】
【課題】短絡及び断線が生じても動作性を失わない原動機付き車両用の電気的な装置を提供する。
【解決手段】保護装置2と、少なくとも2つの電圧源3,4を少なくとも2つの消費部7,8に接続する少なくとも2つの接続要素5,6とを含む、原動機付き車両用の電気的な装置1において、保護装置2が短絡保護装置10及び電気的なブリッジ9の組合せを含み、電気的なブリッジ9が、少なくとも2つの接続要素5,6を互いに接続している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護装置(2)と、少なくとも2つの電圧源(3,4)を少なくとも2つの消費部(7,8)に接続する少なくとも2つの接続要素(5,6)とを含む、原動機付き車両用の電気的な装置(1)において、
保護装置(2)が短絡保護装置(10)及び電気的なブリッジ(9)の組合せを含み、電気的なブリッジ(9)が、少なくとも2つの接続要素(5,6)を互いに接続していることを特徴とする電気的な装置。
【請求項2】
短絡保護装置(10)が、少なくとも2つの接続要素(5,6)に割り当てられた少なくとも2つの保護要素を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気的な装置(1)。
【請求項3】
短絡保護装置(10)が、各接続要素(5,6)について少なくとも2つの保護要素を備えていることを特徴とする請求項2に記載の電気的な装置(1)。
【請求項4】
少なくとも2つの保護要素が、保護抵抗(12,14)として、及び/又は保護ダイオード(13,15)として、特にツェナーダイオードとして、及び/又はFETとして、及び/又はMOSFETとして形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の電気的な装置(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの電圧源(3,4)が追加的な短絡保護装置(17,18)を備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電気的な装置(1)。
【請求項6】
少なくとも1つの消費部(7,8)が、特に電気的な機械用のトルクセンサ又は角度センサとして形成されているか、又はこのようなトルクセンサ又は角度センサを含んでいることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電気的な装置(1)。
【請求項7】
消費部(7,8)が、少なくとも2つの電気的なチャンネルを備えており、及び/又は少なくとも2つの消費部(7,8)が同一の電圧源(3,4)の異なるチャンネルに接続されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電気的な装置(1)。
【請求項8】
保護装置(2)が、消費部(7,8)の範囲、特に消費部(7,8)のハウジング内若しくは接続部内、又は接続要素又はコネクタに配置されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電気的な装置(1)。
【請求項9】
電気的な装置(1)が、少なくとも3つの電圧源(3,4)を少なくとも3つの消費部(7,8)に接続する少なくとも3つの接続要素(5,6)を備えており、保護装置(2)が、短絡保護装置(10)及び電気的なブリッジ(9)の組合せを含み、電気的なブリッジ(9)が、少なくとも3つの接続要素(5,6)を互いに接続していることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電気的な装置(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の電気的な装置(1)を含む原動機付き車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護装置と、少なくとも2つの電圧源を少なくとも2つの消費部に接続する少なくとも2つの接続要素とを含む、原動機付き車両用の電気的な装置(電気装置)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原動機付き車両用の電気的な装置は、電気的な消費部、例えばセンサに電気エネルギーを供給するために、従来技術から基本的には知られている。通常、電気的な装置あるいはその構成要素に故障が生じる場合に電気的な装置の動作性を維持することとなる保護装置が用いられる。例えば、電気的な装置において、少なくとも2つの消費部にフェールセーフをもって電気エネルギーを供給するために、冗長性の目的で複数の電圧源を提供することが知られている。冗長性のある電流回路において短絡が生じると、該当する電流回路が別の電圧源によって給電されることで、適当な短絡保護装置によって電気的な装置の動作性を維持することが可能である。
【0003】
通常、上述の保護装置は、電気的な装置における所定のエラーの種類の第1の欠陥を捕捉するか、あるいは第1の欠陥が生じたときの電気的な装置の動作性を確保するように構成されている。しかし、別の、あるいは他の種類の欠陥が生じると、通常、電気的な装置は、少なくとも部分的にその動作性を失ってしまう。なぜなら、保護装置が他の種類のエラーに対応していないためである。例えば、2つの他の種類のエラー、例えば短絡又は誤った接触あるいは断線が生じると、通常の保護装置は、両エラーを補償するようには形成されていない。通常、保護装置は、1つの具体的なエラーあるいは1つのエラーの種類のみに対応している。換言すれば、保護装置が短絡の防止のために設けられているとしても、他のエラー、例えば断線が生じると、電気的な装置はその動作性を失ってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の基礎となる課題は、これに対して改善された原動機付き車両用の電気的な装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、請求項1の特徴を有する電気的な装置によって解決される。好ましい構成は、従属請求項の対象である。
【0006】
上述のように、本発明は、保護装置を含む、原動機付き車両用の電気的な装置に関するものである。電気的な装置は、両電圧源を少なくとも2つの消費部に接続するために2つの電圧源に割り当てられた少なくとも2つの接続要素を更に含んでいる。本発明は、保護装置が短絡保護装置及び電気的なブリッジの組合せを含み、電気的なブリッジが、少なくとも2つの接続要素を互いに接続しているという認識に基づいている。
【0007】
したがって、基本的に、本発明は、電気的な装置用の保護装置あるいは「保護回路」に関するものである。保護装置は、別々のモジュールとも理解されることができ、当該モジュールは、例えば、コネクタ式又はモジュール式に電気的な装置に接続されることが可能である。電気的な装置の保護装置は、高い安全基準あるいは小さなエラー故障率あるいはエラー許容範囲を保証する。なぜなら、保護装置は、1つのエラーの種類だけではなく電気的な装置の電流回路における少なくとも2つの他の種類のエラーを防止することが可能な別の冗長性レベルを可能とするためである。上述の電気的な装置は、特に、原動機付き車両の安全性に関連するシステムにおける電気的な装置、例えば操舵システムあるいはそのサブ構成要素、例えばセンサシステムに関するものであり得る。
【0008】
したがって、第1のエラーの種類又は第2のエラーの種類に割り当てられたエラーが生じても、保護装置は、電気的な装置の動作を維持することが可能である。例えば、エラーは、短絡(「short circuit(ショート)」)又は断線(「open circuit(開回路)」)であり得るものの、保護装置は、電気的な装置の動作を維持する。例えば、電気的な装置の個々の接触箇所は、例えば水の侵入によって腐食することがあり、電気的な装置は、密閉されないか、あるいは水の下で動作することとなり得る。保護装置が、短絡保護装置も、また電気的なブリッジも備えることにより、上述の両エラーの種類を捕捉することが可能である。
【0009】
保護装置における電気的なブリッジと短絡保護装置の組合せによって、一方では、断線も、また短絡も、保護装置によって捕捉されることが可能となる。また、他の種類のエラーにより、2つの電圧回路あるいは電流回路が故障することがない。例えば、別の短絡保護装置とは無関係に動作する単独の電気的なブリッジを考察すると、両電気的なブリッジによって互いに接続された接続要素のうち1つにおける短絡により、両電流回路が短絡することとなる。電気的なブリッジとの短絡保護装置の組合せによって、両接続要素のうち1つにおける短絡により完全な機能不全に至ることが防止される。これに代えて、保護装置によって、電気的な装置の更なる動作を補償することが可能である。なぜなら、電気的な消費部の動作が、短絡に直接関連しない電流回路によって維持されるためである。
【0010】
第1の構成において、短絡保護装置は、少なくとも2つの接続要素に割り当てられた少なくとも2つの保護要素を備えることが可能である。保護要素は、最終的には任意に構成あるいは選択されることが可能である。各接続要素への保護要素の割り当てによって、各接続要素は、別々に保護されることが可能である。
【0011】
また、短絡保護装置は、各接続要素について少なくとも2つの保護要素を備えることが可能である。例えば、各接続要素には保護要素の所定の組合せを割り当てることができるか、あるいは、各接続要素に保護要素の所定の組み合わせが提供されるように短絡保護装置を構成することが可能である。保護要素は、特に相互に異なる態様で構成されることができるため、例えば、関連する接続要素のための短絡保護装置の構成部材あるいは構成要素を形成するために、2つ以上の異なる保護要素が互いに組み合わされる。
【0012】
保護要素として、例えば保護抵抗及び/又は保護ダイオード、特にツェナーダイオード及び/又はFET及び/又はMOSFETを用いることが可能である。上述のように、各接続要素について短絡保護装置のために、2つ以上のこのような保護装置の任意の組合せを形成することが可能である。したがって、様々な保護要素を用いることが可能であるとともに、当該保護要素を互いに任意に組み合わせることも可能であり、保護要素及びその組合せは、ASILの観点について有利である。どの保護要素あるいはどの組合せが設けられているかに応じて、電気的な装置における様々な電気的なエラーあるいは故障を短絡保護装置によって捕捉することが可能である。例えば、保護要素の第1の組合せを第1の給電ラインに割り当てることができ、保護要素の第2の組合せを第2の給電ラインに割り当てることが可能である。第1及び第2の組合せは、同一であっても、異なっていてもよい。同様に、任意の別の給電ラインも、保護要素の任意の同種の又は異なる組合せを備えることが可能である。電気的な消費部に依存して、例えば、センサ及びこれに類するものの種類に依存して、使用目的のために保護要素のどの組合せが合目的であるかを選択することが可能である。したがって、短絡保護装置ひいては電気的な装置の保護装置全体は、用途に適合されることが可能である。
【0013】
少なくとも2つの電圧源のうち少なくとも1つは、追加的な短絡保護装置を備えることが可能である。したがって、「short circuit protection(ショート保護部)」とも呼ばれ得るか、あるいはみなされ得る短絡保護装置は、例えば半導体部品として電圧源に統合して構成されることも可能であるか、あるいは、用いられる電圧源又は用いられる少なくとも2つの電圧源は、このような短絡保護装置を追加的に備えることが可能である。対応する電流回路のための保護装置に統合された短絡保護装置に加えて設けられた短絡保護装置が追加的な短絡保護装置として理解される。したがって、有利には、電圧源自体と、残りの電流回路、例えば接続要素も、例えばコネクタにおいて短絡に対して保護されることが可能である。
【0014】
上述のように、電気的な装置は、少なくとも2つの電気的な消費部に電気エネルギーを供給するために用いられることが可能である。このとき、少なくとも1つの消費部は、特に電気的な機械のためのトルクセンサ又は角度センサとして形成されることができるか、又はこのようなものを含むことが可能である。電気的な装置に割り当てられているとともに電気的な装置から電気エネルギーを供給される電気的な消費部の種類及び数は、基本的には自由に選択可能であるか、あるいは用途に適合され得る。とりわけ、電気的な消費部は、センサ、特にトルクセンサ又は角度センサであってよい。他の種類のセンサも同様に用いられることが可能である。
【0015】
少なくとも2つの消費部のうち少なくとも1つは、少なくとも2つの電気的なチャンネルを備えることができ、及び/又は異なるチャンネルを有する少なくとも2つの消費部は同一の電圧源に接続されることが可能である。「チャンネル」という用語は、本願においては、少なくとも1つの消費部への給電ラインを介した電圧源の接続についての上位概念として理解される。したがって、「チャンネル」という用語は、電気的な接続ラインあるいは給電ラインに関するものであり、データラインに関するものではない。当該構成によれば、センサあるいは少なくとも1つのセンサは複数のチャンネルを備えることができ、個々のチャンネルは、共通の電圧源を共有することが可能である。例えば、第1の消費部、特に第1のセンサが第1及び第2のチャンネルを備えることができ、第2の消費部、特に第2のセンサが第3及び第4のチャンネルを備えることができ、両センサは、電気的な装置の1つの電圧源あるいは2つの電圧源を任意に共有することが可能である。
【0016】
別の一構成によれば、保護装置は、消費部の範囲に、特に消費部のハウジング内若しくは接続部内又は接続要素若しくはコネクタに配置されることが可能である。したがって、接続要素ができる限りその全長あるいはその長さの大部分にわたって、特に電圧源から消費部まで保護装置によって保護されることができるように、上述の保護装置は、消費部のできるだけ近傍に配置されることが可能である。このとき、接続要素において生じるエラーを特に有利に捕捉することが可能である。基本的には、保護装置の位置の選択は任意に選択されることが可能である。消費部近傍の保護装置として、例えば、消費部近傍又はセンサ近傍の配置可能性、例えば消費部内あるいは消費部での、又は接続要素、特にコネクタでの保護装置の直接的な統合が形成される。有利には消費部の直近における保護装置の配置が選択されることで、保護装置により生じるエラーを当該保護装置によって捕捉することが可能である。
【0017】
さらに、本願においては、単一エラーと多重エラーの間及びエラーの種類(短絡と断線)を区別することが可能である。例えば、2つの(ダブル)消費部システムにおいては、第1のチャンネルにおける短絡/断線及び第2のチャンネルにおける短絡/断線がシステム全体の停止をもたらすことがある。一方、3つの(トリプル)消費部システムにおいて初めて冗長的な供給が保証される。なぜなら、他の両チャンネルにおける上記のエラーの種類では、第3のチャンネルが消費部への供給を保証することができるためである。例としての提案された2つの消費部システムでは、エラーの種類のみがカバーされるが、数はカバーされない(単一エラーのみ)。マスク可能なエラーAの数は、A=n-1となる。ここで、nは、チャンネルの数を表す。したがって、マスク可能なエラー(短絡及び断線)の数は、冗長性のチャンネルあるいは給電ラインの数に伴って増大する。
【0018】
また、電気的な装置は、当該電気的な装置が、少なくとも3つの電圧源を少なくとも3つの消費部に接続する少なくとも3つの接続要素を備えるように発展形成されることができ、保護装置は、短絡保護装置及び電気的なブリッジの組合せを含み、電気的なブリッジは、少なくとも3つの接続要素を互いに接続している。上述の、あるいは一般的に述べた電気的な装置及び特にその保護装置に関して、当該構成によれば、保護装置は、少なくとも3つの接続要素あるいは最終的には任意の多数の接続要素にも拡張されることが可能である。このために、電気的なブリッジが常に全ての接続要素を互いに接続することができるように、電気的なブリッジは、1つの接続だけ拡張される。基本的には、同様に、別の1つの電圧源と、電気的なブリッジの各セグメントあるいは各接続要素のための短絡保護装置とを追加することが可能である。換言すれば、接続要素がそれぞれ別の接続要素と結合するように、短絡保護装置及び電気的なブリッジのセグメントが常に各接続要素に割り当てられることが可能である。したがって、提案される冗長性は、任意に拡張されることができるとともに、例えば「n個の接続要素」によって任意により大きな冗長性をカバーすることも可能である。
【0019】
加えて、本発明は、上述の電気的な装置を含む原動機付き車両に関するものである。電気的な装置について述べた全ての利点、詳細及び特徴は、原動機付き車両に対して完全に適用可能である。
【0020】
以下に、本発明を、図面を参照しつつ実施例に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】詳細に図示されていない原動機付き車両用の電気的な装置1を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
電気的な装置1は保護装置2を備えており、当該保護装置は、電気的な装置1を保護するため、特に、電気的な装置1におけるエラー、例えば短絡及び断線を捕捉し、電気的な装置1の動作をこのようなエラーの場合に維持するために形成されている。保護装置2は、別々のモジュールと理解されることが可能である。保護装置2は、例えば電気的な装置1のコネクタ又は接続要素、例えばケーブルに統合されることが可能である。特に有利には、保護装置2は、消費部7,8の近傍に配置されることが可能である。
【0023】
電気的な装置1は例えば2つの電圧源3,4を備えており、当該電圧源は、2つの接続要素5,6を介して2つの消費部7,8に接続されている。消費部7,8は、基本的には任意に選択可能であり、本実施例では、単に例示的に、センサ、特に原動機付き車両の電気的な機械のためのトルクセンサ及び角度センサとして形成されている。接続要素5,6は給電ラインとも呼ばれ、電圧源3,4と消費部の間の接続部全体は「チャンネル」とも呼ばれ得る。
【0024】
保護装置2は、電気的なブリッジ9及び短絡保護装置10を備えている。したがって、電気的なブリッジ9及び短絡保護装置10は、保護装置2の構成部材である。接続要素5,6のうち1つにおける断線時に、それにもかかわらず両消費部7,8への給電が保証されたままであるように、電気的なブリッジ9は、両接続要素5,6を互いに結合するように形成されている。断線が、例示的に接続要素5において符号11で示されている。それにもかかわらず、電気的な装置1は、電気的なブリッジ9により動作可能に維持される。なぜなら、両消費部7,8には電圧源4を介して給電されることが可能なためである。
【0025】
消費部7,8に割り当てられた短絡保護装置10は、基本的には任意に選択されることが可能な複数の保護要素を備えている。したがって、以下の説明は、様々な保護要素の数、種類及び組合せに関して任意に適合あるいは変更されることが可能である。保護要素として、とりわけ、保護抵抗、保護ダイオード、FET、MOSFET及びこれらに類するものが任意の組み合わせにおいても用いられることが可能である。以下では、様々な保護要素について特定の用語が用いられ、保護要素として用いられる抵抗は保護抵抗と呼ばれ、あるいは保護要素として用いられるダイオードは保護ダイオードと呼ばれる。個々の保護要素は、個々の他の種類の保護要素によって、又は保護要素の組み合わせによって、任意に拡張され、組み合わされ、又は置き換えられることが可能である。
【0026】
図示のように、例えば、2つの保護要素を同一の接続要素5,6にそれぞれ割り当てることが可能である。図示の実施例では、第1の保護抵抗12及び第1の保護ダイオード13、特にツェナーダイオードが接続要素5に割り当てられており、第2の保護抵抗14及び第2の保護ダイオード15、特にツェナーダイオードが第2の接続要素6に割り当てられており、これらは、対応する接続要素5,6における短絡を防止することが可能である。
【0027】
短絡16が接続要素5において存在する状況が例示的に示されている。したがって、図示の実施例では、第1の電圧源3が短絡16によって利用可能でなくとも、両電気的な消費部7,8への電気エネルギーの供給が第2の電圧源4によって確保されることが可能である。図示の状況は、単に例示的なものとして理解されるべきである。断線11あるいは短絡16が他の要素、例えば接続要素6で生じることもあり得る。個々のエラー状態は、単独で生じることもあり得る。
【0028】
また、電圧源3,4を別々に短絡から保護する追加的な短絡保護装置17,18がそれぞれ電圧源3,4に割り当てられていることが
図1に示されている。
【符号の説明】
【0029】
1 電気的な装置
2 保護装置
3,4 電圧源
5,6 接続要素
7,8 消費部
9 ブリッジ
10 短絡保護装置
11 断線
12 保護抵抗
13 保護ダイオード
14 保護抵抗
15 ダイオード
16 短絡
17,18 短絡保護装置
【国際調査報告】