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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ウエハー研磨システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240822BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 631
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510444
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2022115772
(87)【国際公開番号】W WO2023036012
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111041137.8
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520128152
【氏名又は名称】杭州▲衆▼硅▲電▼子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】楊 淵思
(72)【発明者】
【氏名】徐 梟宇
(72)【発明者】
【氏名】周 智鵬
【テーマコード(参考)】
5F057
5F131
【Fターム(参考)】
5F057AA31
5F057AA34
5F057DA03
5F057FA02
5F131BA33
5F131BB05
5F131BB18
5F131CA35
5F131CA44
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB58
(57)【要約】
ウエハー研磨システムはウエハー搬送通路及び少なくとも2つの研磨モジュールを含む少なくとも一つの研磨ユニットを含む。ウエハー搬送通路の両側に位置する研磨モジュールは研磨プラットフォーム及び研磨アームを含む。研磨アームは研磨プラットフォームに対してウエハーを搬送して、研磨プロセスを実行する。ウエハー搬送装置は、ウエハー搬送通路が有する少なくとも2つの作業位置間を移動できる。研磨モジュールの研磨アームはウエハー搬送通路内の作業位置からウエハーを取得し、研磨プロセスを完了して第一軌跡に沿ってウエハー搬送通路に戻し、ウエハー搬送装置で他の作業位置に搬送する。他の研磨モジュールの研磨アームは第二軌跡に沿って作業位置からウエハーを取得し、他の研磨プロセスを完了する。第一軌跡、ウエハー搬送装置の移動軌跡及び第二軌跡の走行方向は、略Z字状である。本発明は安定性がより高く、柔軟性が高く、研磨効果がより高い。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハー研磨システムであって、
少なくとも一つの研磨ユニットを含み、
前記研磨ユニットは、ウエハー搬送通路、及び少なくとも2つの研磨モジュールを含み、
前記研磨モジュールは、前記ウエハー搬送通路の両側に位置し、
前記研磨モジュールのそれぞれは研磨プラットフォーム及び研磨アームを含み、
前記研磨アームは、研磨プロセスを実行するために、前記研磨プラットフォームに対してウエハーを相対的に移動可能に構成され、
前記ウエハー搬送通路は、少なくとも2つの作業位置を有し、ウエハー搬送装置は前記作業位置間を移動可能に構成され、
1つの前記研磨モジュールの前記研磨アームは、前記ウエハー搬送通路内の1つの前記作業位置からウエハーを取得した後、前記研磨プロセスを完了し、ウエハーを第一軌跡に沿って前記ウエハー搬送通路に戻した後、前記ウエハー搬送装置を移動させて、ウエハーを他の前記作業位置に搬送し、他の前記研磨モジュールの前記研磨アームは第二軌跡に沿って前記他の作業位置からウエハーを取得した後、他の前記研磨プロセスを完了するように構成され、
前記第一軌跡、前記ウエハー搬送装置の移動軌跡、及び前記第二軌跡の走行方向は、略Z字状である、ことを特徴とするウエハー研磨システム。
【請求項2】
前記作業位置の数は前記研磨アームの数と同じである、ことを特徴とする請求項1に記載のウエハー研磨システム。
【請求項3】
前記研磨モジュールの前記研磨アームは、前記ウエハー搬送通路における最初の前記作業位置と最後の前記作業位置を結ぶ線の中心点を中心として対称に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のウエハー研磨システム。
【請求項4】
前記第一軌跡は弧線であり、又は前記第一軌跡は直線であり、又は前記第一軌跡は近似的な直線であり、
前記第二軌跡は弧線であり、又は前記第二軌跡は直線であり、又は前記第二軌跡は近似的な直線である、ことを特徴とする請求項1に記載のウエハー研磨システム。
【請求項5】
前記研磨アームは、前記研磨プロセスを実行するために、円弧状軌跡に沿って往復運動を行いながら、前記研磨プラットフォームに対してウエハーを搬送し、前記円弧状軌跡は前記円弧状の前記第一軌跡又は前記第二軌跡と同心円上にある、ことを特徴とする請求項4に記載のウエハー研磨システム。
【請求項6】
前記ウエハー搬送装置の数は一つである、ことを特徴とする請求項1に記載のウエハー研磨システム。
【請求項7】
前記研磨モジュールの数は2つであり、2つの前記研磨モジュールの前記研磨アームはいずれも前記ウエハー搬送通路に近接して設けられ、且つ前記ウエハー搬送通路を挟んで対角の位置に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のウエハー研磨システム。
【請求項8】
第一の前記研磨アームは第一の前記作業位置から前記ウエハーを取得した後、第一の前記研磨プラットフォームで研磨し、前記研磨モジュールの前記研磨プロセスを完了した後、第一の前記研磨アームは当該ウエハーを前記第一の作業位置に戻し、前記ウエハー搬送装置は当該ウエハーを前記第一の作業位置から第二の前記作業位置に移動させ、第二の前記研磨アームは前記第二の作業位置から当該ウエハーを取得し、第二の前記研磨プラットフォームで研磨すると同時に、
前記ウエハー搬送装置で他のウエハーが前記第二の作業位置から前記第一の作業位置に移動されることにより、前記第一の研磨アームは引き続き当該他のウエハーを取得して研磨する、ことを特徴とする請求項7に記載のウエハー研磨システム。
【請求項9】
前記ウエハー搬送装置は、前記ウエハーを前記第一の作業位置から前記第二の作業位置に移動し、引き続き、前記第一の研磨アームは、前記第一の作業位置で洗浄が完了した後、新たなウエハーを取得し、前記新たなウエハーを前記第一の研磨プラットフォームに搬送して研磨する、ことを特徴とする請求項8に記載のウエハー研磨システム。
【請求項10】
前記第一の研磨アームは前記第一の作業位置から前記ウエハーを取得した後、前記第一の研磨プラットフォームで研磨し、前記研磨モジュールの前記研磨プロセスを完了した後、前記第一の研磨アームは前記ウエハーを前記第一の作業位置に戻し、前記第一の研磨アームは前記第一の研磨プラットフォームに移動し、前記ウエハー搬送装置は前記ウエハーを前記第一の作業位置から前記第二の作業位置に移動させ、前記第二の研磨アームは前記第二の作業位置から前記ウエハーを取得し、前記第二の研磨プラットフォームで研磨し、
前記ウエハー搬送装置は前記第二の作業位置から前記第一の作業位置に移動し、前記ウエハー搬送装置に前記他のウエハーが配置され、前記第一の研磨アームが前記第一の作業位置に移動することを待って配置された前記他のウエハーを取得する、ことを特徴とする請求項7に記載のウエハー研磨システム。
【請求項11】
前記ウエハー搬送装置が前記第一の作業位置から移動した後、前記第一の研磨アームは、前記第一の作業位置で洗浄され、さらに前記第一の研磨プラットフォームに移動する、ことを特徴とする請求項10に記載のウエハー研磨システム。
【請求項12】
前記第一の研磨アームは前記第一の作業位置から前記ウエハーを取得した後、前記第一の研磨プラットフォームで研磨し、前記研磨モジュールの前記研磨プロセスを完了した後、前記第一の研磨アームは前記ウエハーを前記第一の作業位置に戻し、前記ウエハー搬送装置は前記ウエハーを前記第一の作業位置から前記第二の作業位置に移動し、前記第二の研磨アームは前記第二の作業位置から前記ウエハーを取得し、前記第二の研磨プラットフォームで研磨し、
前記ウエハー搬送装置は前記第二の作業位置から前記第一の作業位置に移動し、前記第一の研磨アームは前記第一の研磨プラットフォームに移動し、前記ウエハー搬送装置に前記他のウエハーが配置され、前記第一の研磨アームが前記第一の作業位置に移動することを待って配置された前記他のウエハーを取得する、ことを特徴とする請求項7に記載のウエハー研磨システム。
【請求項13】
前記他のウエハーが前記ウエハー搬送装置に配置される前に、前記第一の研磨アームの洗浄が行われる、ことを特徴とする請求項12に記載のウエハー研磨システム。
【請求項14】
前記研磨ユニットの数は2つ又は複数であり、2つ又は複数の前記研磨ユニットは前記ウエハー搬送通路が延びる方向に沿って順に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のウエハー研磨システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体集積回路チップの製造技術分野に属し、特にウエハー研磨システムに関する。
【背景技術】
【0002】
化学的機械研磨装置(Chemical Mechanical Planarization,CMP)は集積回路製造分野における7つの重要な装置の一つである。
【0003】
現在、化学的機械研磨技術は、オンライン測定、オンライン終点検出、洗浄等の技術を一体に集めた化学的機械研磨技術に発展し、集積回路の微細化、多層化、薄型化、平坦化プロセスへの発展の産物である。また、ウエハーが200mmから300mm、さらには大口径に移行し、生産性の向上、製造コストの低減、基板のグローバル平坦化に必要なプロセス技術でもある。
【0004】
化学的機械研磨装置は、通常、半導体装置用フロントエンドモジュールと、洗浄ユニットと、研磨ユニットとから構成される。半導体装置フロントエンドモジュールは、主にウエハーを収納するシートカセット、シート搬送ロボットアーム及び空気浄化システム等を含む。洗浄ユニットは主に異なる数のメガソニック洗浄部材、ロールブラシ洗浄部材、乾燥部材及び各部材の間にウエハーを搬送する装置等を含む。研磨ユニットは一般的にテーブル、研磨ディスク、研磨ヘッド、研磨アーム、ドレッサ、研磨液アーム等の部品を含み、各部品はプロセス加工位置に応じてテーブルに配置される。実際のウエハー加工工程において、研磨ユニットと洗浄、ウエハー輸送等のモジュールの空間配置は、化学的機械研磨装置全体の研磨生産に大きな影響を与えることが判明した。研磨ユニットと外部とのウエハーの搬送、及び研磨ユニットの間のウエハーの搬送は一般的に着脱台によって実現される。
【0005】
着脱台と研磨ユニットとのスペースレイアウトについては、着脱台と3つの研磨ユニットとが正方形にレイアウトされた形態が市販されていることが多い。図1に示すように、4つの研磨ヘッドが十字回転テーブルに固定され、一枚のウエハーが一枚ずつ研磨ヘッドの研磨領域に搬入されることを意味し、且つ一つの着脱台は三つの研磨ユニットに着脱サービスを提供する必要がある。そのため、研磨ヘッドと研磨テーブルの数を調整できず、各研磨ヘッドの研磨時間を個別に制御できず、時間効率が悪く、柔軟性が低く、異なる研磨テーブル上の液体が飛散して相互影響を発生しやすく、研磨効果に影響を与え、プロセスが複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術的課題を解決するために、本発明はウエハー研磨システムに含まれる各研磨モジュールが個別で制御され、制御の柔軟性が高いウエハー研磨システムを提供する。本発明のウエハー研磨システムは、研磨モジュールがウエハー搬送通路を共用することで、装置空間がコンパクトになり、ウエハー移動軌跡の設計によりその搬送効率を向上させ、さらに研磨効率を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が従来の技術的課題を解決するために採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
ウエハー研磨システムであって、少なくとも一つの研磨ユニットを含み、
前記研磨ユニットは、ウエハー搬送通路、及び少なくとも2つの研磨モジュールを含み、
前記研磨モジュールは、ウエハー搬送通路の両側に位置する。
前記研磨モジュールは、研磨プラットフォーム及び研磨アームを含む。
前記研磨アームは、研磨プロセスを実行するために、前記研磨プラットフォームに対してウエハーを相対的に移動可能に構成され、
前記ウエハー搬送通路は、少なくとも2つの作業位置を有し、ウエハー搬送装置は前記作業位置間を移動可能に構成され、
前記1つの研磨モジュールの前記研磨アームは前記ウエハー搬送通路内の1つの前記作業位置からウエハーを取得した後、前記研磨プロセスを完了し、ウエハーを第一軌跡に沿って前記ウエハー搬送通路に戻した後、前記ウエハー搬送装置を移動させて、ウエハーを他の作業位置に搬送する。他の前記研磨モジュールの前記研磨アームは第二軌跡に沿って前記他の作業位置からウエハーを取得した後、他の前記研磨プロセスを完了するように構成される。
前記第一軌跡、前記ウエハー搬送装置の移動軌跡、及び前記第二軌跡の走行方向は、略Z字状である。
【0008】
さらに、前記作業位置の数は研磨アームの数と同じである。
【0009】
さらに、前記研磨モジュールの前記研磨アームは、前記ウエハー搬送通路における最初の前記作業位置と最後の前記作業位置を結ぶ線の中心点を中心として対称に設けられる。
【0010】
さらに、前記第一軌跡は弧線であり、又は前記第一軌跡は直線であり、又は前記第一軌跡は近似的な直線である。前記第二軌跡は弧線であり、又は前記第二軌跡は直線であり、又は前記第二軌跡は近似的な直線である。
【0011】
さらに、前記研磨アームは、前記研磨プロセスを実行するために、円弧状軌跡に沿って往復運動を行いながら、前記研磨プラットフォームに対してウエハーを搬送し、前記円弧状軌跡は前記円弧状の前記第一軌跡又は前記第二軌跡と同心円上にある。
【0012】
さらに、前記ウエハー搬送装置の数は一つである。
【0013】
さらに、前記研磨モジュールの数は2つであり、2つの前記研磨モジュールの前記研磨アームはいずれも前記ウエハー搬送通路に近接して設けられ、且つ前記ウエハー搬送通路を挟んで対角の位置に設けられる。
【0014】
さらに、第一の前記研磨アームは第一の前記作業位置から前記ウエハーを取得した後、第一の前記研磨プラットフォームで研磨し、前記研磨モジュールの前記研磨プロセスを完了した後、第一の前記研磨アームは当該ウエハーを前記第一の作業位置に戻し、前記ウエハー搬送装置は当該ウエハーを前記第一の作業位置から前記第二の作業位置に移動させ、第二の前記研磨アームは前記第二の作業位置から当該ウエハーを取得し、第二の前記研磨プラットフォームで研磨すると同時に、前記ウエハー搬送装置で他のウエハーが前記第二の作業位置から前記第一の作業位置に移動されることにより、前記第一の研磨アームは引き続き当該他のウエハーを取得して研磨する。
【0015】
さらに、前記ウエハー搬送装置は前記ウエハーを前記第一の作業位置から前記第二の作業位置に移動させ、引き続き、前記第一の研磨アームは、前記第一の作業位置で洗浄が完了した後、新たなウエハーを取得し、前記新たなウエハーを前記第一の研磨プラットフォームに搬送して研磨する。
【0016】
さらに、前記第一の研磨アームは前記第一の作業位置から前記ウエハーを取得した後、前記第一の研磨プラットフォームで研磨し、前記研磨モジュールの前記研磨プロセスを完了した後、前記第一の研磨アームはウ前記エハーを前記第一の作業位置に戻し、前記第一の研磨アームは前記第一の研磨プラットフォームに移動し、前記ウエハー搬送装置は前記ウエハーを前記第一の作業位置から前記第二の作業位置に移動させ、前記第二の研磨アームは前記第二の作業位置から前記ウエハーを取得し、前記第二の研磨プラットフォームで研磨する。前記ウエハー搬送装置は前記第二の作業位置から前記第一作業の位置に移動し、前記ウエハー搬送装置に前記他のウエハーが配置され、前記第一の研磨アームが前記第一の作業位置に移動することを待って配置された前記他のウエハーを取得する。
【0017】
さらに、前記ウエハー搬送装置が前記第一の作業位置から移動した後、前記第一の研磨アームは、前記第一の作業位置で洗浄され、さらに前記第一の研磨プラットフォームに移動する。
【0018】
さらに、前記第一の研磨アームは前記第一の作業位置から前記ウエハーを取得した後、前記第一の研磨プラットフォームで研磨し、前記研磨モジュールの前記研磨プロセスを完了した後、前記第一の研磨アームは前記ウエハーを前記第一の作業位置に戻し、前記ウエハー搬送装置は前記ウエハーを前記第一の作業位置から前記第二の作業位置に移動させ、前記第二の研磨アームは前記第二の作業位置から前記ウエハーを取得し、前記第二の研磨プラットフォームで研磨する。前記ウエハー搬送装置は前記第二の作業位置から前記第一の作業位置に移動し、前記第一の研磨アームは前記第一の研磨プラットフォームに移動し、前記ウエハー搬送装置に前記他のウエハーが配置され、前記第一の研磨アームが前記第一の作業位置に移動することを待って配置された前記他のウエハーを取得する。
【0019】
さらに、前記他のウエハーがウエハー搬送装置に配置される前に、前記第一の研磨アームの洗浄が行われる。
【0020】
さらに、前記研磨ユニットの数は2つ又は複数であり、2つ又は複数の前記研磨ユニットは前記ウエハー搬送通路が延びる方向に沿って順に配置される。
【0021】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。1)各研磨モジュールの研磨アームは個別で制御し、安定性がより高く、柔軟性がより高い。2)各研磨モジュールの動作時間は個別で制御でき、異なる研磨要求に適応する。3)異なる研磨モジュールの間の研磨液は相互影響を生じず、研磨効果がより高い。4)動作フロー全体の軌跡が簡単で、スムーズで、研磨プロセス全体の移動ストロークがコンパクトで、研磨効率が高い。5)複数の研磨ユニットがウエハー搬送通路に沿って順に配置されたレイアウトは必要に応じて任意の数の研磨ユニットを選択することができ、又は任意の数の研磨モジュールを選択し、研磨フロー全体を行い、異なるプロセスの需要に適応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来技術におけるウエハー研磨システムの概略図である。
図2】本発明の第1実施形態における研磨ユニットの概略図である。
図3】本発明の第1実施形態における研磨ユニットの移動軌跡(第一軌跡が弧線)の概略図である。
図4】本発明の第1実施形態における研磨ユニットの移動軌跡(第一軌跡が直線)の概略図である。
図5】本発明の第1実施形態における複数の研磨ユニットの配置概略図である。
図6】本発明の第1実施形態における動作概略図である。
図7】本発明の第2実施形態における動作概略図である。
図8】本発明の第3実施形態における動作概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
当業者に本発明をより良く理解させるために、以下では、本発明の実施形態における技術的な態様を、添付の図面と組み合わせて明確かつ完全に説明するが、説明されている実施形態は、本発明の一部の実施形態にすぎず、全ての実施形態ではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創作的な労働を行わないことを前提として取得した他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲に属するものとする。
【0024】
第1実施形態
ウエハー研磨システムであって、少なくとも一つの研磨ユニット1を含む。
図2に示すように、研磨ユニット1はウエハー搬送通路2、及び少なくとも2つの研磨モジュール3を含む。研磨モジュール3はウエハー搬送通路2の両側に位置する。
研磨モジュール3は研磨プラットフォーム及び研磨アームを含み、研磨アームは、研磨プロセスを実行するために、研磨プラットフォームに対してウエハーを相対的に移動可能に構成される。ここでの移動はウエハーが研磨アームに伴って同期して移動することを含み、ウエハーと研磨アームとの間の相対的な移動も含む。
ウエハー搬送通路2は、少なくとも2つの作業位置を有し、ウエハー搬送装置は少なくとも2つの作業位置間を移動可能に構成される。
【0025】
本実施形態において、作業位置の数は研磨アームの数と同じである。研磨モジュール3の研磨アームは、最初の作業位置と最後の作業位置を結ぶ線の中心点を中心として対称に設けられる。
【0026】
一つの研磨モジュール3の研磨アームは第一軌跡51に沿って、ウエハー搬送通路2内の作業位置からウエハーを取得した後、研磨モジュール3の研磨プラットフォームに研磨プロセスを完了する。続いて研磨が完了したウエハーを第一軌跡51に沿ってウエハー搬送通路2に戻し、ウエハー搬送装置を移動させ、ウエハー搬送通路2内のウエハーを他の作業位置に転送する。他の研磨モジュール3の研磨アームは第二軌跡53に沿って、ウエハー搬送通路2内の他の作業位置からウエハーを取得した後、研磨モジュール3の研磨プラットフォームで今回の研磨プロセスを完了する。
【0027】
図3に示すように、第一軌跡51、ウエハー搬送装置の移動軌跡52、及び第二軌跡53の走行方向は、略Z字状である。ここでの略とは、第一軌跡51、ウエハー搬送装置の移動軌跡52、第二軌跡53は、必ずしも十分に直線である必要はなく、小波を伴う曲線、弧線などであってもよいが、拡大してみた場合、全体的な傾向として直線的な移動であることをいう。
【0028】
本実施形態において、ウエハー搬送装置の数は1つである。1つの研磨ユニット1における研磨モジュール3の数は2つであり、2つの研磨モジュール3の研磨アームはいずれもウエハー搬送通路2に近接して設けられ、且つウエハー搬送通路2を挟んで対角の位置の角部に沿って設けられる。図2に示すように、作業位置は第一の作業位置41及び第二の作業位置42を含み、研磨アームは第一の研磨アーム321及び第二の研磨アーム322を含み、研磨プラットフォームは第一の研磨プラットフォーム311及び第二の研磨プラットフォーム312を含む。
【0029】
図3に示すように、第一軌跡51は弧線であり、第二軌跡53も弧線である。このとき第一の研磨アーム321は、研磨プロセスを実行するために、円弧状軌跡に沿って往復運動を行いながら、第一の研磨プラットフォーム311に対してウエハーを搬送する。円弧状軌跡は第一軌跡51と同心円上にあり、ひいては同一円周上にある。或いは、第一の研磨アーム321とウエハーとの間で相対的な移動が生じ、円弧状軌跡を形成し、そして両者は相対的な移動を停止し、第一の研磨アーム321によって第一軌跡51に沿ってウエハーが搬送される。第二の研磨アーム322は、研磨プロセスを実行するために、円弧状軌跡に沿って往復運動を行いながら、第二の研磨プラットフォーム312に対してウエハーを搬送する。円弧状軌跡は第二軌跡53と同心円上にあり、ひいては同一円周上にある。或いは、第二の研磨アーム322とウエハーとの間で相対的な移動が生じ、円弧状軌跡を形成し、そして両者は相対的な移動を停止し、第二の研磨アーム322によって第一軌跡51に沿ってウエハーが搬送される。
【0030】
図4に示すように、第一軌跡51は直線であり、正確には近似的な直線であってもよい。この時、第一の研磨アーム321はウエハーを搬送して移動すると同時に、ウエハーと第一の研磨アーム321との間で相対的な移動が生じ、第一軌跡51を直線にする。第二軌跡53も直線であり、正確には近似的な直線であり、この時、第二の研磨アーム322はウエハーを搬送して移動すると同時に、ウエハーと第二の研磨アーム322との間で相対的な移動が生じ、第二軌跡53を直線にする。第一軌跡51と第二軌跡53は直線であり、ウエハーの相対的に移動するストロークを最短にさせ、研磨効率がより高い。
【0031】
また、第一の研磨アーム321はウエハーを搬送して移動すると同時に、ウエハーと第一の研磨アーム321との間で相対的な移動が生じ、相対的な移動の距離は必要に応じて設定可能に構成され、第一軌跡51を不規則な線とし、同様に、第二軌跡53も不規則な線とすることができる。
【0032】
図5に示すように、研磨ユニット1の数は2つ又は複数であってもよく、それはウエハー搬送通路2が延びる方向に沿って順に配置される。
【0033】
図6に示すように、システム配置の前提で、ウエハー研磨システムの動作フローは次のとおりであってもよい。第一の研磨アーム321は第一の作業位置41でウエハーを取得した後、第一の研磨プラットフォーム311で研磨し、研磨モジュール3の研磨プロセスを完了した後、第一の研磨アーム321はウエハーを第一の作業位置41に戻し、ウエハー搬送装置(図示せず)は第一の作業位置41から第二の作業位置42に移動する。第一の研磨アーム321は第一の作業位置41に残され続けてもよく、又はここで洗浄を完了されてもよい。第二の研磨アーム322は第二の作業位置42からウエハーを取得した後、第二の研磨プラットフォーム312で研磨を行う。これと同時に、他のウエハーがウエハー搬送装置に載置され、ここでロボットアームの助けを借りてもよく、ウエハー搬送装置が第二の作業位置42から第一の作業位置41に移動することにより、第一の研磨アーム321は、引き続き第一の作業位置41で他のウエハーを取得して研磨する。
【0034】
上記動作フローが実行されることにより、以下の効果を有する。1)第一の研磨アーム321を反転する必要がない場合、ウエハーが第一の動作位置41と第二の動作位置42との間で、ウエハーを連続的に搬送することを実現でき、第一の研磨アーム321はウエハー搬送通路2に回転する度に、研磨プラットフォームに対して1枚のウエハーの搬出及び1枚のウエハーの搬入を完了する。2)ウエハー搬送装置が第一の作業位置41と第二の作業位置42との間の柔軟な移動を実現し、ウエハー搬送装置が最大限利用されて、各作業位置で研磨プラットフォームに対する1枚のウエハー搬出と1枚のウエハー搬入を完了する。3)第一の研磨アーム321、第二の研磨アーム322及びウエハー搬送装置はいずれもアイドルストローク(idle stroke)を取らず、巧妙な設計により、空間、時間及び部品の利用率がいずれも最大化される。
【0035】
第2実施形態
図7に示すように、本実施形態は第1実施形態のレイアウトと同じであり、異なる点はウエハー研磨システムの動作フローである。動作フローは次のとおりである。第一の研磨アーム321は第一の作業位置41でウエハーを取得した後、第一の研磨プラットフォーム311で研磨し、研磨モジュール3の研磨プロセスを完了した後、第一の研磨アーム321はウエハーを第一の作業位置41に戻し、第一の研磨アーム321は第一の研磨プラットフォーム311に戻り、ウエハー搬送装置は第一の作業位置41から第二の作業位置42に移動する。第二の研磨アーム322は第二の作業位置42からウエハーを取得した後、第二の研磨プラットフォーム312で研磨を行う。空のウエハー搬送装置は第二の作業位置42から第一の作業位置41に移動し、他のウエハーがウエハー搬送装置に配置され、第一の研磨アーム321は第一の研磨プラットフォーム311から第一の作業位置41に回転して、他のウエハーを取得して研磨する。
【0036】
ウエハー搬送装置は、第一の作業位置41から移動した後、第一の研磨アーム321は第一の研磨プラットフォーム311から第一の作業位置41まで回転して洗浄されることができる。洗浄が完了した後、第一の研磨アーム321は再び第一の研磨プラットフォーム311に戻り、第一の作業位置41まで次に回転することを待つ。当然のことながら、ウエハー搬送装置が第一の作業位置41から移動した後、第一の研磨アーム321は依然として第一の研磨プラットフォーム311に留まり、空のウエハー搬送装置が第二の作業位置42から第一の作業位置41に移動する前に、第一の研磨アーム321は第一の研磨プラットフォーム311から第一の作業位置41に回転して洗浄される。洗浄が完了した後、ウエハー搬送装置は第一の作業位置41に移動し、第一の研磨アーム321はウエハーを直接取得して研磨する。
【0037】
上記動作フローの設定により、第一の研磨アーム321を第一の研磨プラットフォーム311に戻した後、第一の作業位置41に回転してウエハーを取得することができる。第一の研磨アーム321に一つの回避工程が存在し、ウエハーを第一の作業位置41に配置する工程により多くの可能性が存在し、第一の研磨アーム321の滞留による空間的な障害を引き起こさない。
【0038】
第3実施形態
図8に示すように、本実施形態は第1実施形態のレイアウトと同じであり、異なる点はウエハー研磨システムの動作フローである。動作フローは次のとおりである。第一の研磨アーム321は第一の作業位置41でウエハーを取得した後、第一の研磨プラットフォーム311で研磨し、研磨モジュール3の研磨プロセスを完了した後、第一の研磨アーム321はウエハーを第一の作業位置41に戻し、ウエハー搬送装置は第一の作業位置41から第二の作業位置42に移動する。第二の研磨アーム322は第二の作業位置42からウエハーを取得した後、第二の研磨プラットフォーム312で研磨を行う。空のウエハー搬送装置は第二の作業位置42から第一の作業位置41に移動し、第一の研磨アーム321は第一の研磨プラットフォーム311に戻され、他のウエハーがウエハー搬送装置に配置され、第一の研磨アーム321は第一の研磨プラットフォーム311から第一の作業位置41に回転してウエハーを取得して研磨する。
【0039】
他のウエハーがウエハー搬送装置に配置される前に、第一の研磨アーム321は洗浄を完了されればよく、それはウエハー搬送装置が第一の作業位置41から第二の作業位置42に移動する時間帯であってもよく、ウエハーが第二の研磨プラットフォーム312で研磨される時間帯であってもよく、さらにウエハー搬送装置が第二の作業位置42から第一の作業位置41に移動する時間帯であってもよい。
【0040】
上記動作フローの設定により、第一の研磨アーム321を第一の研磨プラットフォーム311に戻した後、第一の動作位置41に回転させてウエハーを取得することができる。第一の研磨アーム321に一つの回避工程が存在し、ウエハーを第一の動作位置41に配置する工程により多くの可能性が存在し、第一の研磨アーム321の滞留による空間的な障害が発生せず、適応性がよりよくなる。
【0041】
上記の具体的な実施形態は、本発明を限定するのではなく、本発明を説明するために使用され、本発明の目的および請求項の保護の範囲内で、本発明に加えられたいかなる修正および変更も、本発明の保護の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1:研磨ユニット、2:ウエハー搬送通路、3:研磨モジュール、311:第一の研磨プラットフォーム、312:第二の研磨プラットフォーム、321:第一の研磨アーム、322:第二の研磨アーム、41:第一の作業位置、42:第二の作業位置、51:第一軌跡、52:ウエハー搬送装置の移動軌跡、53:第二軌跡

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】