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特表2024-531427スイッチングキャビネットまたはサーバラックに配置モジュールを備え付ける、または、スイッチングキャビネットまたはサーバラックの配置モジュールをメンテナンスするための自動化機械ベースの、方法、アセンブリサポートユニット、およびアセンブリアレンジメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】スイッチングキャビネットまたはサーバラックに配置モジュールを備え付ける、または、スイッチングキャビネットまたはサーバラックの配置モジュールをメンテナンスするための自動化機械ベースの、方法、アセンブリサポートユニット、およびアセンブリアレンジメント
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20240822BHJP
   B25J 9/10 20060101ALI20240822BHJP
   B23P 19/04 20060101ALI20240822BHJP
   H02B 3/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
G06T7/70 Z
B25J9/10 A
B23P19/04 G
H02B3/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510521
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022072509
(87)【国際公開番号】W WO2023025594
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】21192507.8
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルンスホーファー,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ディートリッヒ,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,フィリップ セバスチャン
【テーマコード(参考)】
3C030
3C707
5L096
【Fターム(参考)】
3C030BC04
3C030BC16
3C707AS06
3C707BS05
3C707CY37
3C707KT01
3C707KT05
3C707KT09
3C707LT17
3C707LV19
5L096BA05
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA14
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
(57)【要約】
スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバーラック(SVR)に配置モジュール(PLM)を、人手を介さずに、自動化機械ベースで自律的に装備するため、または、配置モジュールをメンテナンスするために、第1に、スイッチングキャビネットまたはサーバラックは、配置モジュールを取り付けるための少なくとも1つの取付けレール(MR、HR、DIN-R)をそれぞれ含み、第2に、モジュール(PLM)を配置するために、少なくとも1つの制御ユニット制御の自動化機械(AMA)は、スイッチングキャビネットまたはサーバラックの幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、または必要に応じて、スイッチングキャビネットまたはサーバラックおよび取り付けられたモジュールのメタ情報(MIF)を提供され、スイッチングキャビネットまたはサーバラックの一部として、取付けレールにフォース・アンド・フォーム・フィット接続(FFFC)でキャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)を自動化機械検出可能マーカ(MKamad)で取り付ける(mnt)ことが提案されている。
(i)取り付けられたキャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の位置と方向における6Dポーズを指定し、
(ii)自動化機械による検出のために、取付けレールに取り付けられたキャリブレーション・マーカ・モジュールの位置と向きをマーカによってマーキングし、
(iii)キャリブレーション・マーカ・モジュールと配置モジュールの間のすべての相対座標変換(RCT)に参照され、6Dポーズに対応するポーズデータ(PD)、幾何学データ、レイアウトデータ、および場合によって、または必要に応じて、メタ情報(MIF)に基づいて決定される取付け位置に、スイッチングキャビネットまたはサーバラックを装備する過程で、配置モジュールを正確に取り付けるために、検出によって自動化機械をキャリブレートする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)に配置モジュール(PLM)を備え付ける、または、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の配置モジュール(PLM)をメンテナンスする、自動化機械ベースの方法であって、
(a)前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)は、前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための少なくとも1つの取付けレール(MR)、特にハットレール(HR)またはDINレール(DIN-R)を含み、
(b)前記モジュール(PLM)を配置するために、少なくとも1つの制御ユニット制御の自動化機械(AMA)は、
(b1)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、または、
(b2)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、ならびに、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)および前記取り付けられたモジュール(PLM)のメタ情報(MIF)、
を備えており、
(c)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の一部として、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)にフォース・アンド・フォーム・フィッティング接続(FFFC)で、キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)を、特にその表面に、自動化機械検出可能なマーカ(MKamad)に取り付けており、
(c1)前記取り付けられたキャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の位置と向きを前記6Dポーズの取り付けによって特定し、
(c2)前記自動化機械(AMA)による検出のために、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)に取り付けられた前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の位置と方向を、前記マーカ(MKamad)によってマークし、
(c3)前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の前記検出によって、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)と前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)に取り付けられた前記配置モジュール(PLM)との間の、すべての相対座標変換(RCT)に参照される取付け位置データ(MLD)により決定される取付け位置に、特にデータの組み合わせに基づいて、前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)を正確に備え付ける前記過程で、前記自動化機械(AMA)をキャリブレートし、
(c31)ポーズデータ(PD)は、前記6Dポーズ、前記幾何学的データ(GMD)、および前記レイアウトデータ(LOD)に対応し、または
(c32)ポーズデータ(PD)は、前記6Dポーズ、前記幾何学的データ(GMD)、および前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)に対応する、
ことを特徴とする自動化機械ベースの方法。
【請求項2】
前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)は、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)上にクランプされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記幾何学的およびレイアウトデータ(GMD、LOD)、または、前記幾何学的データ(GMD)、前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)は、アセンブリデータレポジトリ(ADRP)により提供されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
自動化機械スキャン可能コード(CDamas)、特に、リンクのような参照情報(RIF)を含むクイックレスポンス(QR)コードが、前記幾何学的およびレイアウトデータ(GMD、LOD)、または、前記幾何学的データ(GMD)、前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)にアクセスするために、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)上、特にその表面上で使用されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記配置モジュール(PLM)を維持する過程において、欠陥のある交換モジュール(PLM)が前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)で置き換えられることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)が、制御ユニット制御のロボット、ガントリーまたはデルタロボットであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)に配置モジュール(PLM)を備え付ける、または、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の配置モジュール(PLM)のメンテナンスを行う自動化機械ベースのアセンブリサポートユニット(ASU)であって、
(a)前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)は、前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための少なくとも1つの取付けレール(MR)、特にハットレール(HR)またはDINレール(DIN-R)を含み、
(b)前記モジュール(PLM)を配置するために、少なくとも1つの制御ユニット制御の自動化機械(AMA)は、
(b1)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、または、
(b2)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、ならびに、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)および前記取り付けられたモジュール(PLM)のメタ情報(MIF)、
を備えており、
(c)取付けコンポーネント(MTC)とキャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)は、機能的に接続されており、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)は、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の一部として前記取付けコンポーネント(MTC)を介して、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)にフォース・アンド・フォーム・フィッティング接続(FFFC)で取り付けられており(mnt)、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)は、特にその表面に、自動化機械検出可能なマーカ(MKamad)を含み、
(c1)前記取り付けられたキャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の位置と向きを前記6Dポーズの取り付けによって特定し、
(c2)前記自動化機械(AMA)による検出のために、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)に取り付けられた前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の位置と方向を、前記マーカ(MKamad)によってマークし、
(c3)前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の前記検出によって、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)と前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)に取り付けられた前記配置モジュール(PLM)との間の、すべての相対座標変換(RCT)に参照される取付け位置データ(MLD)により決定される取付け位置に、特にデータの組み合わせに基づいて、前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)を正確に備え付ける前記過程で、前記自動化機械(AMA)をキャリブレートし、
(c31)ポーズデータ(PD)は、前記6Dポーズ、前記幾何学的データ(GMD)、および前記レイアウトデータ(LOD)に対応し、または
(c32)ポーズデータ(PD)は、前記6Dポーズ、前記幾何学的データ(GMD)、および前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)に対応する、
ことを特徴とするアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項8】
前記取付けコンポーネント(MTC)は、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)を前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)にクランプするように設計されていることを特徴とする、請求項7に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項9】
前記幾何学的およびレイアウトデータ(GMD、LOD)、または、前記幾何学的データ(GMD)、前記レイアウトデータ(LOD)および前記メタ情報(MIF)が、アセンブリデータレポジトリ(ADRP)により提供される
ことを特徴とする、請求項7または8に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項10】
前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)が、特にその表面に、自動化機械スキャン可能コード(CDamas)、特に、リンクのようなレファレンス情報(RIF)を含むクイックレスポンス(QR)コードを含み、前記自動化機械スキャン可能コード(CDamas)は、前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)によってスキャンされるとき、前記幾何学的およびレイアウトデータ(GMD、LOD)、または前記幾何学的データ(GMD)、前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)にアクセスするために、前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)の制御ユニット(CTU)によって使用される、ことを特徴とする、請求項7または9に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項11】
前記配置モジュール(PLM)のメンテナンスを行う過程において、欠陥のある交換モジュール(PLM)を前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)で置き換えることを特徴とする、請求項7または10に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項12】
前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)は、制御ユニット制御の、ロボット、ガントリー、またはデルタロボットであることを特徴とする、請求項7~11のいずれか1項に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項13】
スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)に、自動化機械ベースで、配置モジュール(PLM)を備え付ける、または前記配置モジュール(PLM)をメンテナンスする、アセンブリアレンジメント(AAM)であって、
(a)前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)は、前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための少なくとも1つの取付けレール(MR)、特にハットレール(HR)またはDINレール(DIN-R)を含み、
(b)前記モジュール(PLM)を配置するための、制御ユニット(CTU)によって制御される少なくとも1つの制御ユニット制御の自動化機械(AMA)であって、前記制御ユニット(CTU)は、アセンブリデータレポジトリ(ADRP)に接続され、または、割り当てられており、前記アセンブリデータレポジトリ(ADRP)は、前記前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)に、
(b1)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、または、
(b2)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、ならびに、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)および前記取り付けられたモジュール(PLM)のメタ情報(MIF)、を提供し、
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法が実施されるように、前記自動化機械(AMA)および前記制御ユニット(CTU)で機能ユニットを形成する
ことを特徴とする請求項7~12のいずれか1項に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項14】
前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)は、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の前記自動化機械検出可能マーカ(MKamad)を検出するためのカメラ(CAM)を含むことを特徴とする、請求項13に記載のアセンブリアレンジメント(AAM)。
【請求項15】
前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)が、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の前記自動化機械スキャン可能コード(CDamas)をスキャンするためのコードリーダ(CDR)を含むことを特徴とする、請求項13または14に記載のアセンブリアレンジメント(AAM)。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のスイッチングキャビネットまたはサーバラックに配置モジュールを備える、またはスイッチングキャビネットまたはサーバラックの配置モジュールをメンテナンスするための自動化機械ベースの方法、請求項7の前文に記載のスイッチングキャビネットまたはサーバラックに配置モジュールを備える、またはスイッチングキャビネットまたはサーバラックの配置モジュールをメンテナンスするための自動化機械ベースのアセンブリサポートユニット、および、請求項13の前文に記載のスイッチングキャビネットまたはサーバラックに配置モジュールを備える、またはスイッチングキャビネットまたはサーバラックの配置モジュールをメンテナンスするための自動化機械ベースのアセンブリアレンジメントに関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、サーバラックやスイッチングキャビネットの少なくとも1つの自律的なアセンブリ、自律的な備え付け、自律的なメンテナンスは、特に大型の場合、電気部品や電子部品などの配置モジュールを備えた自動化機械、例えばロボット、ガントリーロボット、デルタロボットでは不可能である。これは、配置モジュールの位置は自動化機械ではわからないためである。しかし、位置決め精度に対する要求は非常に高い。
【0003】
産業、通信、エネルギー供給、医療など、さまざまな技術領域でデジタル化とクラウドベースのソリューションが大幅に増加している。その結果、対応するハードウェアインフラストラクチャのニーズも高まっており、特にアプリケーションに依存するスイッチングキャビネットやサーバラックのニーズが高まっている。
【0004】
配置モジュールの組み立てまたは備え付けと、自動化機械による配置モジュールのメンテナンスの両方を自動化するには、モジュールの許容誤差が非常に小さいため、スイッチングキャビネットまたはサーバラックで備え付けられるまたは組み立てられる、すべてのモジュールの正確な位置とタイプを決定する必要がある。これは現在のソリューションでは時間がかかりすぎ、異なるスイッチングキャビネットやサーバラック間で一般化されないため、スイッチングキャビネットやサーバラックの組み立てや備え付けそれぞれのメンテナンスは、現在、専ら手作業で行われている。
【0005】
組立てや備え付け工程は通常、専用の組立て機械を作ることで自動化される。これらの機械は1つの製品に合わせて作られる。したがって、生産はロットサイズが大きい場合にのみ経済的になる。
【0006】
しかしながら、スイッチングキャビネットやサーバラックは通常、非常に小さなバッチサイズか、あるいは単一ユニット製品として生産される。そのため、現在、組み立てや備え付けそれぞれのメンテナンスは、手作業で行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、スイッチングキャビネットまたはサーバラックに配置モジュールを自動化機械で装備する(備え付ける)、または、スイッチングキャビネットまたはサーバラックの配置モジュールを自動化機械でメンテナンスするための方法、アセンブリサポートユニット、およびアセンブリアレンジメントを提案することであり、これにより、自動化機械を用いた装備またはメンテナンスが、人手を介することなく自律的に可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴部分の特徴によって、請求項1の前文で定義された方法で解決される。
【0009】
本目的は、請求項7の特徴部分の特徴によって、請求項7の前文で定義されたアセンブリサポートユニットで、さらに解決される。
【0010】
さらに、本目的は、請求項13の前文で定義されたアセンブリアレンジメントに関して、請求項13の特徴部分における特徴によって、解決される。
【0011】
請求項1、7、および13に係る発明の主な主旨は、自動化機械ベースで、スイッチングキャビネットまたはサーバラックを配置モジュールに備え付けるか、または、スイッチングキャビネットまたはサーバラックの配置モジュールをメンテナンスすることであり、これにより、第1にスイッチングキャビネットまたはサーバラックは、それぞれ少なくとも1つの取付けレールを含み、特にハットレールまたはDINレールにおいて、配置モジュールを取り付けるために、第2にモジュールを配置するために、少なくとも1つの制御ユニット制御の自動化機械には、スイッチングキャビネットまたはサーバラックの幾何学的データおよびレイアウトデータ、またはスイッチングキャビネットまたはサーバラックの幾何学的データおよびレイアウトデータ、ならびにスイッチングキャビネットまたはサーバラックSVRおよび取り付けられたモジュールのメタ情報のいずれかが提供され、スイッチングキャビネットまたはサーバラックの一部として、特にその表面に自動化機械検出可能なマーカを備えたキャリブレーション・マーカ・モジュールを、取付けレールに、フォース・アンド・フォーム・フィッティング接続で取り付ける。自動化機械検知マーカは、
・上記取り付けにより、キャリブレーション・マーカ・モジュールの位置と向きの6Dポーズを特定する、
・自動化機械による検出のために、取付けレールに取り付けられたキャリブレーション・マーカ・モジュールの位置と向きをマーカによってマーキングする、
・キャリブレーション・マーカ・モジュールと取付けレールに取付けられた配置モジュールとの間のすべての相対座標変換に参照される取付け位置データによって決定される取付け位置に、スイッチングキャビネットまたはサーバラックを装備する(備え付ける)過程で配置モジュールを正確に取付けるために、キャリブレーション・マーカ・モジュールの検出によって自動化機械をキャリブレートする。特に、データ結合により、6Dポーズ、幾何学データおよびレイアウトデータに対応するポーズデータ、または6Dポーズ、幾何学データおよびレイアウトデータに対応するポーズデータおよびメタ情報に基づく。
【0012】
提示されたアプローチにより、制御ユニット制御の自動化機械、例えば、制御ユニット制御ロボットが、スイッチングキャビネット/サーバラックの、備え付けるまたは装備中の配置モジュールなどすべての部品の正確な位置(所望の、または、現在の)を、一瞥するだけで、即座に取得することが可能となる。このようにして、制御ユニット制御の自動化機械は、それぞれ制御ユニット制御のロボットによって、スイッチキャビネット/サーバラックを組み立てる、備え付ける、あるいは、部品やモジュールのメンテナンスを実行することが可能となる。
【0013】
対応するデジタルツインデータを提供するキャビネット/ラック設計用デジタルシステムツールとの統合により、機械/ロボットは、さらに、部品/モジュールの状態、交換スケジュールなどの追加情報を推測することができる。このような情報補強があれば、コストのかかる手作業なしに、スイッチングキャビネット/サーバラック全体を組み立てることが可能になる。
【0014】
ここで説明されているアプローチは、例えば、機器を支持するためのハットレールまたはDINレール上に取り付けられたり、配置モジュールを備えたスイッチングキャビネット/サーバラックを組み立てたりするための特別なキャリブレーション・マーカ・モジュール用に設計されている。キャリブレーション・マーカ・モジュールは、例えば、取付けレールにフォース・アンド・フォーム・フィッティング方法でクランプされる。一旦設置されると、関連する配置モジュールまたは部品のすべての位置は、制御ユニット制御の自動化機械、制御ユニット制御のロボットが、配置モジュールや各部品の組み立てや備え付けを行う、または、配置モジュールそれぞれの不良の部品を交換することによりメンテナンスを実行することが可能となる、十分な精度で直ちに利用可能になる。
【0015】
提示されたアプローチのもう1つの側面は、デジタルツインとしてソフトウェアで配置モジュールに備え付けるまたは組み立てるスイッチングキャビネット/サーバラックを設計する、引用されたデジタルシステムツールと組み合わせる(例えば、データ結合によって)ことによってもたらされる大きな可能性である。このデジタル表示が完了し利用可能になると、特別なキャリブレーション・マーカ・モジュールがスイッチングキャビネット/サーバラック内に配置される。スイッチングキャビネット/サーバラックが所定の位置に設置されると、制御ユニット制御の自動化機械、制御ユニット制御のロボットはそれぞれ、スイッチングキャビネット/サーバラック全体を、人が介在することなく、組み立てる、または備え付けることができる。
【0016】
提案されたアプローチの利点のひとつは、スイッチングキャビネットとサーバラックそれぞれのための、特別な目的の組立て/備え付けラインを構築する必要がないことである。これは、スイッチングキャビネットやサーバラックがユースケースに特化したカスタマイズされた製品であるため、実際に実現可能ではない。
【0017】
本アプローチは、マーカがスイッチングキャビネットやサーバラックのどこかに配置され、例えばハットレールなどの取り付け部品ではない、他のマーカベースのソリューションとは異なる。このようなソリューションでは、マーカとトップハットレール間のオフセットの手動でのキャリブレーションを必要とする。これは能率が悪い。このため、少量または多品種のスイッチングキャビネット/サーバラックの組立て/備え付けが自律的に自動化されることはほとんどなく、手作業で組み立てられている。
【0018】
本発明のさらなる有利な発展形態は、従属請求項に規定されている。したがって、請求項2および8によれば、キャリブレーション・マーカ・モジュールが取付けレールにクランプされていれば、迅速な組み立てに有利である。
【0019】
さらに、請求項3および9によれば、幾何学的データおよびレイアウトデータ、または、幾何学的データ、レイアウトデータ、およびメタ情報が、好ましくは制御ユニット制御の自動化機械の制御ユニットのアクセスのために、組立データレポジトリによって利用可能にされると有利であり、この制御ユニットは、請求項6および12によれば、好ましくは制御ユニット制御のロボット、ガントリーロボット、またはデルタロボットとして設計される。
【0020】
さらに、請求項4および10によれば、本発明は、キャリブレーション・マーカ・モジュールが、自動化マーカ検出可能なマーカの他に、自動化機械スキャン可能なコードを含むことによって有利に区別され、このコードは、好ましくは、キャリブレーション・マーカ・モジュールの表面上の自動化機械のコードリーダを通してスキャンするために適用される(請求項15参照)。この際、自動化機械で検出可能なマーカについて触れておくと、このマーカは、好ましくはキャリブレーション・マーカ・モジュールの表面にも適用され、自動化機械のカメラを通して検出される(請求項14参照)。
【0021】
自動化機械がスキャン可能コードは、好ましくは、例えばリンクのようなレファレンス情報を含むクイックレスポンス(QR)コードであり、コードが制御ユニット制御の自動化機械によってスキャンされると、制御ユニットによって、幾何学的データ及びレイアウトデータ、または、幾何学的データ、レイアウトデータ、およびメタ情報にアクセスするために使用される。
【0022】
さらに、請求項5および11によれば、配置モジュールのメンテナンスの過程で、欠陥のある交換モジュールは、制御ユニット制御の自動化機械により、人手を介することなく自律的に交換される。
【0023】
上記に加えて、本発明の有利なさらなる発展が、図1図4による本発明の好ましい実施形態の以下の説明から生じる。これらを、図1図4に示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、配置モジュールを3つの取付けレールに取り付けたスイッチングキャビネットを上から見た断面図である。
図2図2は、アセンブリサポートユニットを上方から取付けレールに取り付けたスイッチングキャビネットのさらなる断面図である。
図3図3は、図2に従って取付けレールに取り付けられたアセンブリサポートユニットの側面図である。
図4図4は、スイッチングキャビネットに配置モジュールを搭載する際の、試運転機をベースとした組立配置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、3つの取付けレールMRに取り付けられた、配置モジュールPLM付きのスイッチングキャビネットSWCの断面を上方から示している。3本の取付けレールMRは、好ましくは、それぞれハットレールHRまたはDINレールDIN-Rとして設計され、スイッチングキャビネットSWCの背面壁に取り付けられ、配線ダクトWDによってそれぞれ分離されている。取付けレールMR、HR、DIN-Rに取付けられる配置モジュールPLMは、好ましくは、図1に描かれているように、電気または電子部品である。どのように配置モジュールPLMが3つの取付けレールMR、HR、DIN-Rに取付けられるかは、図3に例示的に(モジュールを取付ける様々な方法または例の1つとして)見ることができるが、引用した図3は、図2によるキャリブレーション・マーカ・モジュールに使用される取付け部品を示している。
【0026】
図に描かれているスイッチングキャビネットSWCの代わりに、サーバラックSVRを、3つの取付けレールMR、HR、DIN-Rに配置モジュールPLMを備え付ける、または、取り付けるために使用することも可能である。
【0027】
図2は、アセンブリサポートユニットASUが、さらに、取付けレールMR、HR、DIN-Rまたは3つの取付けレールMR、HR、DIN-Rのうちの1つに上方から取り付けられた、スイッチングキャビネットサーバラックSWC、SVRのさらなる断面を示す。アセンブリサポートユニットASUには、取付け部品MTCと、機能的に接続されたキャリブレーション・マーカ・モジュールCMMが含まれる。
【0028】
キャリブレーション・マーカ・モジュールCMMは、好ましくはその表面に自動化機械検出可能なマーカMKamadと自動化機械スキャン可能コードCDamasを含む。本発明の好ましい実施形態に従って、自動化機械検出可能なマーカMKamadと自動化機械スキャン可能コードCDamasがどのように使用されるかは、図4に関して後述する。
【0029】
図3は、取付け部品MTCおよびキャリブレーション・マーカ・モジュールCMMを備えた図2によるアセンブリサポートユニットASU上の側面図、および、前記取付け部品MTCを利用して取付けレールMR、HR、DIN-R上にどのようにアセンブリサポートユニットASUを取り付けるかを示している。この側面図によれば、キャリブレーション・マーカ・モジュールCMMを備えたアセンブリサポートユニットASUは、スイッチングキャビネットSWCまたはサーバラックSVRの一部として、取付け部品MTCを介して取付けレールMR、HR、DIN-R上に、取付けレールMR、HR、DIN-Rとフォースアンドフォームフィッティング接続FFFCでmnt取付けされている。取付けレールMR、HR、DIN-RとFFFCは、好ましくは、取付け部品MTCが、それぞれアセンブリサポートユニットASUがキャリブレーション・マーカ・モジュールCMMを取付けレールMR、HR、DIN-R上にクランプするクランプ装置として設計されるように実現される。
【0030】
図4は、ロードされた場合の配置モジュールPLMを搭載したスイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRを自動化機械ベースで備え付けるまたは組み立てるためのアセンブリアレンジメントAAMの構造を示す。図4に示されたスイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRの断面によれば、スイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRの背面壁には2つの取付けレールMR、HR、DIN-Rが取り付けられており、これらは再び配線ダクトWDによってそれぞれ分離されている。
【0031】
2つの取付けレールMR、HR、DIN-Rの一方(図4では下側の取付けレール)に、配置モジュールPLMが取り付けられている。この取付けは、好ましくは、図2および図3に従ってアセンブリサポートユニットASUのキャリブレーション・マーカ・モジュールCMMそれぞれと同様に実現される。
【0032】
2つの取付けレールMR、HR、DIN-Rの他方(図4では上側の取付けレール)には、さらに配置モジュールPLMと、その表面に自動化機械検出可能マーカMKamadと自動化機械スキャン可能コードCDamasを含む、キャリブレーション・マーカ・モジュールCMM付きアセンブリサポートユニットASUとが、取り付けられている。ここでの取り付けも、好ましくは、図2および図3によるキャリブレーション・マーカ・モジュールCMM付きアセンブリサポートユニットASUと同様に、それぞれ実現される。
【0033】
配置モジュールPLMを備えたスイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRを自動化機械ベースで装備または組み立てるために、図4に示されたアセンブリアレンジメントAAMに従って、制御ユニット制御の自動化機械AMAを提供される。しかしながら、変形例として、複数の制御ユニット制御の自動化機械AMAを、装備または組立てのために使用することも可能である。前記目的のための、制御ユニット制御の自動化機械AMAは、好ましくは、それぞれ制御ユニット制御ロボット、ガントリー、またはデルタロボットである。
【0034】
制御ユニット制御の自動化機械AMAは、制御ユニットCTUと接続されており、この制御ユニットCTUは、特に、自動化機械ベースのスイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRの装備または組立てのための、制御ユニット制御の自動化機械AMAの全ての動作シーケンスを、配置モジュールPLMとともに制御する。このスイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRの装備または組立てを実施するために、アセンブリアレンジメントAAMの一部としての制御ユニットCTUは、アセンブリデータレポジトリADRPと接続されるか、またはアセンブリデータレポジトリADRPに割り当てられる。
【0035】
この接続または割当てに従って、制御ユニットCTUは、スイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRの幾何学的データGMDおよびレイアウトデータLOD、またはスイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRの幾何学的データGMDおよびレイアウトデータLOD、スイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRおよび、取り付けられたモジュールPLMのメタ情報MIFのいずれかにアクセスすることができる。メタ情報MIFは、例えば、幾何学的データおよびレイアウトデータ以外の情報、例えば、配置モジュールのタイプおよび「どこに何があるか」という規定のあるスイッチングキャビネット/サーバラックを含むことができる。
【0036】
アセンブリデータレポジトリADRPは、デジタルシステムツール(図4には図示せず)の一部であり、幾何学的およびレイアウトデータGMD、LODとメタ情報MIFが格納されている。少なくとも幾何学的およびレイアウトデータGMD、LODは、デジタルツインベースデータであり、スイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRがデジタルツインとしてソフトウェアで配置モジュールPLMを装備または組み立てられるときに、デジタルシステムツールによって提供される。
【0037】
スイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRに配置モジュールPLMを装備または組み立てる過程で、制御ユニット制御の自動化機械AMAは、制御ユニットCTUを介して、スイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRそれぞれの幾何学的およびレイアウトデータGMD、LOD、またはスイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVR、および、配置モジュールPLMの幾何学的およびレイアウトデータGMD、LOD、およびメタ情報MIFのいずれかを提供される。
【0038】
制御ユニットCTUによって少なくとも動作シーケンスに関して制御される自動化機械AMAは、配置モジュールPLMを備えたスイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRの装備または組み立てのために、カメラCAMおよびコードリーダCDRを含む。制御ユニットCTUの制御により自動化機械AMAがアセンブリサポートユニットASUに向かって移動し、この移動により自動化機械AMAのカメラCAMおよびコードリーダCDRが、自動化機械検出可能マーカMKamadと自動化機械スキャン可能コードCDamasを備えたキャリブレーション・マーカ・モジュールCMMの上方に位置するとき、カメラCAMは、自動化機械検出可能マーカMKamadを検出する(例えば、検出ソフトウェアを使用して、キャリブレーション・マーカ・モジュールCMMの大まかな初期十分な位置推定のための情報を認識する)。そして、コードリーダCDRは、自動化機械スキャン可能コードCDamasをスキャンする。
【0039】
アセンブリサポートユニットASUは、上記のように、図2、3、4に従って描かれたように、取付けレールMR、HR、DIN-Rに取り付けられており、自動化機械検出可能なマーカMKamadを備えたキャリブレーション・マーカ・モジュールCMMは、取付けレールMR、HR、DIN-R上に取り付けられたキャリブレーション・マーカ・モジュールCMMの位置と向きの6Dポーズを取り付けることによって特定し、マーカMKamadで取付けレールMR、HR、DIN-R上に取り付けられたキャリブレーション・マーカ・モジュールCMMの位置および方向をマークする。自動化機械検出可能マーカMKamadは、好ましくは、カメラベースの6自由度ポーズ推定のために使用される。
【0040】
検出された6DポーズデータPDは、自動化機械AMAと制御ユニットCTUの接続を介して、制御ユニットCTUに入力される。
【0041】
スイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRを取り付ける、または組み立てる過程で、配置モジュールPLMを、人の介入なしに自律的に、装備または組み立てるべき取付け位置に正確に取り付けるためのキャリブレーション・マーカ・モジュールCMMの検出によって、自動化機械AMAをキャリブレートするために、制御ユニットCTUは、キャリブレーション・マーカ・モジュールCMMと、2つの取付けレールMR、HR、DIN-Rに取り付けられた配置モジュールPLMとの間のすべての相対座標変換RCTに参照される取付け位置データMLDを決定する。これらの取付け位置データMLDは、制御ユニットCTUがアクセス可能な、6Dポーズに対応するポーズデータPD、幾何学的データGMDおよびレイアウトデータLODに基づいている。あるいは、取付け位置データMLDは、6Dポーズに対応するポーズデータPD、幾何学的データGMDおよびレイアウトデータLODと、制御ユニットCTUがアクセス可能なメタ情報MIFとに基づいている。
【0042】
このアクセスはさまざまな方法で実現できる。第1に、デジタルシステムツールを展開するコンテキストで制御ユニットCTUを適宜プログラムすることが可能であり、第2に、キャリブレーション・マーカ・モジュールCMMに常駐し、自動化機械AMAを介して制御ユニットCTUに転送される情報を介してアクセスを可能にすることが可能である。
【0043】
この目的のために、自動化機械スキャン可能コードCDamasは、リファレンス情報RIF、例えばリンクを含み、このリファレンス情報RIFは、自動化機械スキャン可能コードCDamasがコードリーダCDRの助けを借りて制御ユニット制御の自動化機械AMAによってスキャンされるとき、幾何学的およびレイアウトデータGMD、LOD、および場合によっては、または必要に応じてメタ情報MIFにアクセスするために、制御ユニットCTUによって、引用情報(第2の選択肢)として、使用され得る。自動化機械スキャン可能コードCDamasは、例えば、リンクのようなリファレンス情報RIFが埋め込まれたクイックレスポンス(QR)コードであり得る。
【0044】
図4に描かれたアセンブリアレンジメントAAMは、スイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRを装備または組み立てる過程で、配置モジュールPLMを(人の介在なしに自律的に)取り付けるためだけに使用することはできない。したがって、すでに装備または組み立てられたスイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRを(同じく自律的に、人手を介さずに)保守するためにアレンジメントAAMを使用することも可能である。そのため、すでに組み込まれた配置モジュールPLMをメンテナンスする過程で、欠陥のある再置換モジュールPLMが、制御ユニット制御の自動化機械AMAによって同じように交換される。
【0045】
あるいは、メンテナンスの過程で、スイッチングキャビネット/サーバラックSWC、SVRの機器やアセンブリのステータスをチェックし、そのステータスを何らかのプロセスツールに報告することも可能である。



図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)に配置モジュール(PLM)を備え付ける、または、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の配置モジュール(PLM)をメンテナンスする、自動化機械ベースの方法であって、
(a)前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)は、前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための少なくとも1つの取付けレール(MR)を含み、
(b)前記配置モジュール(PLM)を配置するために、少なくとも1つの制御ユニット制御の自動化機械(AMA)は、
(b1)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、または、
(b2)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、ならびに、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)および取り付けられた前記配置モジュール(PLM)のメタ情報(MIF)、
を備えており、
(c)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の一部として、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)にフォース・アンド・フォーム・フィッティング接続(FFFC)で、キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)を、自動化機械検出可能なマーカ(MKamad)に取り付けており、
(c1)取り付けられた前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の位置と向きを6Dポーズの取り付けによって特定し、
(c2)前記自動化機械(AMA)による検出のために、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)に取り付けられた前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の位置と方向を、前記マーカ(MKamad)によってマークし、
(c3)前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の前記検出によって、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)と前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)に取り付けられた前記配置モジュール(PLM)との間の、すべての相対座標変換(RCT)に参照される取付け位置データ(MLD)により決定される取付け位置に、前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)を正確に備え付ける過程で、前記自動化機械(AMA)をキャリブレートし、
(c31)ポーズデータ(PD)は、前記6Dポーズ、前記幾何学的データ(GMD)、および前記レイアウトデータ(LOD)に対応し、または
(c32)ポーズデータ(PD)は、前記6Dポーズ、前記幾何学的データ(GMD)、および前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)に対応する、
ことを特徴とする自動化機械ベースの方法。
【請求項2】
前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)は、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)上にクランプされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記幾何学的データおよびレイアウトデータ(GMD、LOD)、または、前記幾何学的データ(GMD)、前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)は、アセンブリデータレポジトリ(ADRP)により提供されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
自動化機械スキャン可能コード(CDamas )が、前記幾何学的データおよびレイアウトデータ(GMD、LOD)、または、前記幾何学的データ(GMD)、前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)にアクセスするために、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)上で使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記配置モジュール(PLM)を維持する過程において、欠陥のある交換モジュール(PLM)が前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)で置き換えられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)が、制御ユニット制御のロボット、ガントリーまたはデルタロボットであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)に配置モジュール(PLM)を備え付ける、または、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の配置モジュール(PLM)のメンテナンスを行う自動化機械ベースのアセンブリサポートユニット(ASU)であって、
(a)前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)は、前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための少なくとも1つの取付けレール(MR)を含み、
(b)前記配置モジュール(PLM)を配置するために、少なくとも1つの制御ユニット制御の自動化機械(AMA)は、
(b1)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、または、
(b2)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、ならびに、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)および取り付けられた前記配置モジュール(PLM)のメタ情報(MIF)、
を備えており、
(c)取付けコンポーネント(MTC)とキャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)は、機能的に接続されており、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)は、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の一部として取付けコンポーネント(MTC)を介して、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)にフォース・アンド・フォーム・フィッティング接続(FFFC)で取り付けられており(mnt)、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)は、自動化機械検出可能なマーカ(MKamad)を含み、
(c1)取り付けられた前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の位置と向きを6Dポーズの取り付けによって特定し、
(c2)前記自動化機械(AMA)による検出のために、前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)に取り付けられた前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の位置と方向を、前記マーカ(MKamad)によってマークし、
(c3)前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の前記検出によって、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)と前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)に取り付けられた前記配置モジュール(PLM)との間の、すべての相対座標変換(RCT)に参照される取付け位置データ(MLD)により決定される取付け位置に、前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)を正確に備え付ける過程で、前記自動化機械(AMA)をキャリブレートし、
(c31)ポーズデータ(PD)は、前記6Dポーズ、前記幾何学的データ(GMD)、および前記レイアウトデータ(LOD)に対応し、または、
(c32)ポーズデータ(PD)は、前記6Dポーズ、前記幾何学的データ(GMD)、および前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)に対応する、
ことを特徴とするアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項8】
前記取付けコンポーネント(MTC)は、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)を前記取付けレール(MR、HR、DIN-R)にクランプするように設計されていることを特徴とする、請求項7に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項9】
前記幾何学的データおよびレイアウトデータ(GMD、LOD)、または、前記幾何学的データ(GMD)、前記レイアウトデータ(LOD)および前記メタ情報(MIF)が、アセンブリデータレポジトリ(ADRP)により提供される
ことを特徴とする、請求項7または8に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項10】
前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)が、自動化機械スキャン可能コード(CDamas、前記自動化機械スキャン可能コード(CDamas)は、前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)によってスキャンされるとき、前記幾何学的データおよびレイアウトデータ(GMD、LOD)、または前記幾何学的データ(GMD)、前記レイアウトデータ(LOD)、および前記メタ情報(MIF)にアクセスするために、前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)の制御ユニット(CTU)によって使用される、ことを特徴とする、請求項7に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項11】
前記配置モジュール(PLM)のメンテナンスを行う過程において、欠陥のある交換モジュール(PLM)を前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)で置き換えることを特徴とする、請求項7に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項12】
前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)は、制御ユニット制御の、ロボット、ガントリー、またはデルタロボットであることを特徴とする、請求項7に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項13】
スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)に、自動化機械ベースで、配置モジュール(PLM)を備え付ける、または前記配置モジュール(PLM)をメンテナンスする、アセンブリアレンジメント(AAM)であって、
(a)前記スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)は、前記配置モジュール(PLM)を取り付けるための少なくとも1つの取付けレール(MR)
(b)前記モジュール(PLM)を配置するための、制御ユニット(CTU)によって制御される少なくとも1つの制御ユニット制御の自動化機械(AMA)であって、前記制御ユニット(CTU)は、アセンブリデータレポジトリ(ADRP)に接続され、または、割り当てられており、前記アセンブリデータレポジトリ(ADRP)は、前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)に、
(b1)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、または、
(b2)スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)の幾何学的データ(GMD)およびレイアウトデータ(LOD)、ならびに、スイッチングキャビネット(SWC)またはサーバラック(SVR)および取り付けられた前記モジュール(PLM)のメタ情報(MIF)、を提供し、
請求項1に記載の方法が実施されるように、前記自動化機械(AMA)および前記制御ユニット(CTU)で機能ユニットを形成する、
ことを特徴とする請求項7に記載のアセンブリサポートユニット(ASU)。
【請求項14】
前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)は、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の自動化機械検出可能マーカ(MKamad)を検出するためのカメラ(CAM)を含むことを特徴とする、請求項13に記載のアセンブリアレンジメント(AAM)。
【請求項15】
前記制御ユニット制御の自動化機械(AMA)が、前記キャリブレーション・マーカ・モジュール(CMM)の自動化機械スキャン可能コード(CDamas)をスキャンするためのコードリーダ(CDR)を含むことを特徴とする、請求項13に記載のアセンブリアレンジメント(AAM)。
【国際調査報告】