(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】アクティブな車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムにおけるドライバー情報提供方法および装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/165 20200101AFI20240822BHJP
B60W 40/072 20120101ALI20240822BHJP
B60W 40/114 20120101ALI20240822BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20240822BHJP
F02D 29/02 20060101ALI20240822BHJP
B60W 40/112 20120101ALI20240822BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B60W30/165
B60W40/072
B60W40/114
B60W50/14
F02D29/02 301D
B60W40/112
G08G1/16 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510712
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2022066152
(87)【国際公開番号】W WO2023030713
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102021209512.7
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン,フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ションヘル,ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
3D241
3G093
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BA10
3D241BB28
3D241CA12
3D241CE06
3D241DB02Z
3D241DB12Z
3D241DB15Z
3D241DC01Z
3D241DC43Z
3G093AA02
3G093BA23
3G093CB09
3G093CB10
3G093DB05
3G093DB18
5H181AA01
5H181AA05
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】 本発明は、単軌道動力車両のアクティブな車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムにおけるドライバー情報提供方法に関する。
【解決手段】 この方法において、-ヨーイング率の時間的経過を検出し、-前記ヨーイング率の前記時間的経過に基づいて、複数のきついカーブを有する道路部分があるかどうかを検出し、-所定数の複数のきついカーブを有する道路部分があれば、ドライバー警告を発する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単軌道動力車両(12)のアクティブな車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムにおけるドライバー情報提供方法において、
-ヨーイング率の時間的経過を検出し、
-前記ヨーイング率の前記時間的経過に基づいて、複数のきついカーブを有する道路部分(31)があるかどうかを検出し、
-所定数の複数のきついカーブを有する道路部分があれば、ドライバー警告を発する、
方法。
【請求項2】
所定長さのタイムインターバル内または所定長さの道路部分内に所定数の複数のきついカーブを有する道路部分があれば、前記ドライバー警告を発することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記道路部分の通路を通過中に時間積分した前記ヨーイング率の値が所定の値範囲内にあれば、通過した前記通路をきついカーブとして認識することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の値範囲が、150度と210度の間の値を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記単軌道動力車両のローリング角を検出すること、追加的に、前記道路部分の前記通路を通過中に前記ローリング角が所定の値に達した場合だけ、または、これを越えた場合だけ、通過した前記通路をきついカーブとして認識することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ドライバー警告とは、前記車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムを非作動化するための光学的および/または音響的な勧告であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
所定数の複数のきついカーブを有する前記道路部分がある場合、前記車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムをドライバーとは独立に非作動化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
所定数の複数のきついカーブとして、数量2または数量3を選定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記単軌道動力車両とは、自動二輪車であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ドライバー警告を、少なくとも光学的表示を用いて行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
本発明による前記方法を実施するために構成されている手段を含む装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
特許文献1は、単軌道動力車両の速度コントロールシステムに影響を及ぼす方法を開示しており、すなわち
-ドライバーによる本方法の起動後、直前を走行している第2の動力車両の速度を検出し、
-前記動力車両により、先行走行している動力車両の速度が引き継がれ、
-この場合所定の最小速度を下回れば、速度コントロールシステムの非作動化を行うこと、または、まもなく行うことに関するドライバー警告を触覚信号を用いて行って、速度コントロールシステムを非作動化する、
方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】独国特許出願公開第102017211886号明細書
【発明の概要】
【0003】
本発明は、単軌道動力車両のアクティブな車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムにおけるドライバー情報提供方法に関し、この方法において、
-ヨーイング率の時間的経過を検出し、
-前記ヨーイング率の前記時間的経過に基づいて、複数のきついカーブを有する道路部分があるかどうかを検出し、
-所定数の複数のきついカーブを有する道路部分があれば、ドライバー警告を発する。
【0004】
本発明の有利な構成は、所定長さのタイムインターバル内または所定長さの道路部分内に複数のきついカーブを有する道路部分があれば、ドライバー警告を発することを特徴としている。
【0005】
本発明の有利な構成は、道路部分の通路を通過中に時間積分したヨーイング率の値が所定の値範囲内にあれば、通過した通路または通過した部分をきついカーブとして認識することを特徴としている。
【0006】
本発明の有利な構成は、所定の値範囲が150度と210度の間の値を含んでいることを特徴としている。
【0007】
本発明の有利な構成は、単軌道動力車両のローリング角を検出すること、追加的に、道路部分の通路を通過中にローリング角が所定の値に達した場合だけ、または、これを越えた場合だけ、通過した通路をきついカーブとして認識することを特徴としている。
【0008】
本発明の有利な構成は、ドライバー警告とは、車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムを非作動化するための光学的および/または音響的な勧告であることを特徴としている。
【0009】
本発明の有利な構成は、所定数の複数のきついカーブを有する道路部分がある場合、車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムをドライバーとは独立に非作動化することを特徴としている。
【0010】
本発明の有利な構成は、所定数の複数のきついカーブとして、数量2または数量3を選定することを特徴としている。
【0011】
本発明の有利な構成は、単軌道動力車両とは自動二輪車であることを特徴としている。
【0012】
本発明の有利な構成は、ドライバー警告を、少なくとも光学的表示を用いて行うことを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明は、本発明による方法を実施するために構成されている手段を含む装置を包括している。装置とは、特に、本発明による方法を実施するためのプログラムコードが保存されている制御器である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面は、
図1ないし
図3を含んでいる。
【
図1】目標物としての先行走行している乗用車の後方で車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムを備えた自動二輪車が追跡走行している状態を、直線道路を走行しているときに図示した平面図である。
【
図2】先行走行している乗用車の後方で車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムにより方向誘導されている自動二輪車を、きついカーブを通過しているときに図示した平面図である。
【
図3】複数のヘアピンカーブまたはきついカーブを有している峠道で複数の自動二輪車の追跡走行を図示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
たとえば峠道のような道路カーブ部分において他のロードユーザーの後方で自動二輪車が追跡走行する場合、レーダーシステムが目標物を見失うことがあり、車間距離コントロールおよび/または速度コントロールはもはや不可能である。目標物は、車間距離コントロール機能および/または速度コントロール機能の周辺センサ装置の検知範囲から突然消えることがある。これはたとえばきついカーブまたは道路の強い湾曲によって発生しうる。
【0016】
しかも、このような状況においては、車間距離コントロール機能および/または速度コントロール機能によって自動二輪車が、事情によっては、意図しないのに加速する場合がある。このような状況を阻止するため、慣性センサ装置のデータおよび時間を用いて、たとえば峠道で行われるようなダイナミックなカーブ走行を検出することができる。
【0017】
ある特定の時間内でのターンの数または完全な方向転換の数を介して、道路にその後にまだ更なる方向転換個所が存在している確率を算出することができる。この確率が所定の限界値に達すると、警報を発することができ、たとえば車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムをオフにして再び車両に関する全コントロールを引き受けるというドライバーに対するアドバイスを伴う光学的表示を行うことができる。
【0018】
前記確率の検出に導入する量には、たとえば
-自動二輪車のヨーイング率、
-自動二輪車のスウェイイング率またはローリング率、
-自動二輪車のスウェイイング角またはローリング角、
-方向転換個所の時間間隔、
を含めることができる。
【0019】
走行中に曲率半径を決定するため、走行中のヨーイング率を時間積分してよい。この積分値がゼロ位置を中心にして動けば、直進走行を前提とすることができる。しかし、ヨーイング率が比較的長い時間ゼロ位置から特定の方向へ偏れば、カーブ走行を前提とすることができる。偏りの時点で、ヨーイング率を用いたカーブ角の算出が始まる。ある特定の時間内でカーブ通過が実行され、同時に特定のローリング角に到達すれば、きついカーブまたはヘアピンカーブを前提とすることができる。短い時間内で全く異なる方向できついカーブの新たな検出が行われれば、高い確率で峠道を前提とすることができる。この確率が増大して、特定の限界値に達すれば、ドライバーに対し、車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムをオフにする要請を出す。限界値は、パラメータ化可能であってよい。
【0020】
図1には、道路11上を走行し、車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムを装備した自動二輪車12が、目標物として先行走行している乗用車13の後方で追跡走行している状態が平面図で図示されている。ほぼこん棒状に図示されている範囲14は、自動二輪車が装備している車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムのレーダーセンサ装置の検知範囲を表しており、レーダセンサ装置は自動二輪車の前方にある領域を監視している。道路11は直線状であり、乗用車13はレーダーセンサ装置の検知範囲14の中央にあり、その結果自動二輪車の車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムの確実な作動が可能である。
【0021】
図2では、道路21は急な左カーブを有している。それ故、先行走行している車両23はもはや自動二輪車22のレーダーセンサ装置のこん棒状の検知範囲24内に存在しない。それ故、自動二輪車の車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムはもはや目標物を発見しない。
【0022】
図3には、複数のヘアピンカーブまたはきついカーブを有している峠道31での複数の自動二輪車32,33,34,35,36,37の追跡走行が平面図で図示されている。この種の峠道または蛇行道では、先行走行している車両が車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムのレーダーセンサ装置の検知範囲から消えて、その直後に再び現れることが多い。ドライバーにとっては、このような蛇行道で、意識的に自車両に関する全コントロールを引き受けるために、車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムを意識的に非作動化することは、より安全な場合がある。このためには、車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムが蛇行道の存在を高い確率で検出したのであるから、システムをオフにするというドライバーへの警告および要求が適している。蛇行道を通過しきったならば、ドライバーはこれを認知し、その後車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムを手動で再び作動させることができる。
【符号の説明】
【0023】
12,22,32,33,34,35,36,37 自動二輪車(単軌道動力車両)
13,23 乗用車(先行走行している車両)
14,24 レーダーセンサ装置の検知範囲
31 峠道(道路部分)
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単軌道動力車両(12)のアクティブな車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムにおけるドライバー情報提供方法において、
-ヨーイング率の時間的経過を検出し、
-前記ヨーイング率の前記時間的経過に基づいて、複数のきついカーブを有する道路部分(31)があるかどうかを検出し、
-所定数の複数のきついカーブを有する道路部分があれば、ドライバー警告を発する、
方法。
【請求項2】
所定長さのタイムインターバル内または所定長さの道路部分内に所定数の複数のきついカーブを有する道路部分があれば、前記ドライバー警告を発することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記道路部分の通路を通過中に時間積分した前記ヨーイング率の値が所定の値範囲内にあれば、通過した前記通路をきついカーブとして認識することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の値範囲が、150度と210度の間の値を含んでいることを特徴とする、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記単軌道動力車両のローリング角を検出すること、追加的に、前記道路部分の前記通路を通過中に前記ローリング角が所定の値に達した場合だけ、または、これを越えた場合だけ、通過した前記通路をきついカーブとして認識することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ドライバー警告とは、前記車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムを非作動化するための光学的および/または音響的な勧告であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
所定数の複数のきついカーブを有する前記道路部分がある場合、前記車間距離コントロールシステムおよび/または速度コントロールシステムをドライバーとは独立に非作動化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
所定数の複数のきついカーブとして、数量2または数量3を選定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記単軌道動力車両とは、自動二輪車であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ドライバー警告を、少なくとも光学的表示を用いて行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項記載の方法を実施するために構成されている手段を含む装置。
【国際調査報告】