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特表2024-531459ウェブにおける付加的な局所延伸を計算するためのシステムおよび方法
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  • 特表-ウェブにおける付加的な局所延伸を計算するためのシステムおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ウェブにおける付加的な局所延伸を計算するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/892 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
G01N21/892 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512148
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2022073372
(87)【国際公開番号】W WO2023025743
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】2151019-3
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513102187
【氏名又は名称】バルメット、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VALMET AKTIEBOLAG
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ、バルトリーニ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ、カピターニ
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA34
2G051AB01
2G051AB04
2G051DA20
(57)【要約】
本発明は、変換プロセスを通じて移動するウェブの付加的な局所延伸を計算するためのシステムおよび方法であって、巻戻し中に、巻取り中に識別されたウェブにおける欠陥の位置を発見し、ウェブをウェブ欠陥が欠陥修正ステーションの付近またはそこに位置した状態でウェブを停止させることを目的とするシステムおよび方法に関する。本方法は、ウェブの巻戻し中に、ウェブ(5)の巻取り中に適用された位置マーク(PM(n))を検出するステップと、位置マークの間の距離を測定するステップと、巻戻し中に発生した位置マークの間の付加的な局所延伸を計算するステップと、計算した付加的な局所延伸を後続のウェブ欠陥の既知の位置に適用して、巻戻しウェブにおけるこのウェブ欠陥の推定位置を判定するステップと、を備える。ウェブ欠陥を修正するための方法は、その後、ウェブ欠陥が欠陥修復ステーション(38)の付近またはそこに位置した状態で、ウェブを停止させるステップを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変換プロセスを通じて移動するウェブの付加的な局所延伸を計算するための方法であって、以下のステップ:
移動するウェブ(3)の材料を提供するステップと、
制御システム(19、19’)を提供するステップと、
前記ウェブをリール(11)に巻き取りつつ、移動する前記ウェブに所定間隔で複数のコード化位置マークを付すステップと、
前記ウェブを前記リールから巻き戻し、コード化位置マークを検出し、複数の一対のコード化位置マークの間の距離を測定するステップと、
前記制御システム(19、19’)を使用して、前記少なくとも一対のコード化位置マークの間の前記距離を測定した後から1秒以下の時間内に、前記複数の一対のコード化位置マークの各々の間の測定された前記距離を、前記複数の一対のコード化位置マークの各々の間の前記所定距離で除算し、前記各一対の連続するコード化位置マークの間の前記ウェブの前記付加的な局所延伸をリアルタイムで計算するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
変換プロセスを通じて移動するウェブの付加的な局所延伸をリアルタイムで計算し、計算した前記付加的な局所延伸を使用して巻戻し中のウェブにおけるウェブ欠陥の位置を推定するための方法であって、
移動するウェブ(5)の材料を提供するステップと、
制御システム(19、19’)を提供するステップと、
移動する前記ウェブに所定間隔で複数のコード化位置マークを付すステップと、
前記ウェブをリール(11)に巻き取りつつ、ウェブ欠陥に関して前記ウェブを精査して、2つの最も近い前記コード化位置マークのうちの少なくとも一方からの各ウェブ欠陥の距離を記録するステップと、
前記ウェブを前記リール(11)から巻き戻し、コード化位置マークを検出し、少なくとも一対のコード化位置マークの間の距離を測定するステップと、
前記制御システムを使用して、前記少なくとも一対のコード化位置マークの間の前記距離を測定した後から1秒以下の時間内に、前記少なくとも一対のコード化位置マークの間の測定された前記距離を、前記一対のコード化位置マークの間の前記所定距離で除算し、前記一対のコード化位置マークの間の巻き戻された前記ウェブの前記付加的な局所延伸を特定し、ウェブ欠陥の前方の前記コード化位置マークに近づいたとき、またはこれを通過した直後に、ウェブ欠陥の前方の前記コード化位置マークからの前記ウェブ欠陥の記録された前記距離に、少なくとも一対のコード化位置マークについて特定した前記ウェブの前記付加的な局所延伸を乗算し、前記巻戻しウェブ上の機械方向における前記ウェブ欠陥の推定された前記位置を特定する、ステップと、
を備える、方法。
【請求項3】
変換プロセスを通じて移動するウェブの付加的な局所延伸をリアルタイムで計算し、計算した前記局所延伸を使用して巻戻し中のウェブにおけるウェブ欠陥の位置を推定するための方法であって、
移動するウェブ(3)の材料を提供するステップと、
制御システム(19、19’)を提供するステップと、
移動する前記ウェブに所定間隔で複数のコード化位置マークを付すステップと、
前記ウェブをリール(11)に巻き取りつつ、ウェブ欠陥に関して前記ウェブを精査して、少なくとも次の後続の前記コード化位置マークからの各ウェブ欠陥の距離を記録するステップと、
前記ウェブを前記リール(11)から巻き戻し、前記コード化位置マークを検出し、少なくとも一対のコード化位置マークの間の距離を測定するステップと、
前記制御システムを使用して、前記少なくとも一対のコード化位置マークの間の前記距離を測定した後から1秒以下の時間内に、前記各一対のコード化位置マークの間の測定された前記距離を、前記一対のコード化位置マークの間の前記所定距離で除算し、前記一対のコード化位置マークの間の前記巻戻しウェブの前記付加的な局所延伸を特定し、ウェブ欠陥に最も近い前記コード化位置マークに近づいたとき、またはこれを通過した直後に、前記ウェブ欠陥の前方の前記コード化位置マークからの前記ウェブ欠陥の記録された前記距離に、前記一対のコード化位置マークについて特定した前記ウェブの前記局所的な付加延伸を乗算し、前記巻戻しウェブ上の前記機械方向における前記ウェブ欠陥の推定された前記位置を特定する、ステップと、
を備える、方法。
【請求項4】
前記一対のコード化位置マークは、連続する位置マークである、
請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記一対のコード化位置マークは、1つ以上のさらなるコード化位置マークにより隔てられる、
請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前回最後に計算した前記局所的な付加延伸を適用することにより、または前記局所的な付加延伸に関する所定値を適用することにより、使用不可能コード化位置マークを補償するための方法を備える、
請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、デジタル処理装置上のソフトウェアで実施される、
請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、ウェブ欠陥を、欠陥修復ステーションに、またはその付近に位置決めするさらなる前記ステップであって、いつ前記ウェブ欠陥の推定された位置が前記欠陥修復ステーションに位置するかを計算し、前記ウェブ欠陥の推定された前記位置が前記欠陥修復ステーションに位置したとき、または前記欠陥修復ステーションの前方の所定距離に位置したときに、前記ウェブを停止させることにより、前記ウェブ欠陥を、欠陥修復ステーションに、またはその付近に位置決めする前記ステップを備える、
請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記所定距離は、2メートル以下、好適には1メートル以下である、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の方法であって、ウェブ欠陥が前記欠陥修復ステーションに位置するように前記ウェブを停止させる追加ステップと、前記欠陥を修正する追加ステップと、を備える、方法。
【請求項11】
前記デジタル処理装置はサーバである、
請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも一対のコード化位置マークの間の前記距離を測定した後の前記時間は、好適には0.5秒以下、より好適には0.1秒以下、さらに好適には0.01秒以下、最も好適には0.001秒以下以内である、
請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
ウェブにおける付加的な局所延伸を計算するためのシステムであって、巻取り機システム(1)と、巻戻し機システム(30)と、請求項1~11のいずれかに記載の前記方法を実施するように適合されたソフトウェアを有する制御システム(19、19’)と、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変換プロセスを受けつつ移動するウェブの予め特定された特徴、例えば欠陥の位置を特定するためのシステムおよび方法に関する。本システムおよび本方法は、変換プロセス中に移動するウェブにおける局所延伸の変化を計算する。計算した局所延伸は、変換プロセス中に、延伸されたウェブ上のコード化された位置マークに関連して、ウェブにおける特徴の新たな位置を計算するために使用され得る。また、本発明は、ウェブの欠陥を修正するためのシステムおよび方法、ならびに計算した特徴の新たな位置が欠陥修復ステーションに接近したときにウェブを減速または停止させるためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブの加工および変換において、例えば製紙およびロール紙の巻取りにおいて、重大なウェブの欠陥、例えば孔や塊、または、油等の化学汚染物質等のウェブ汚染、または金属片等の異物の位置を特定して修復する必要がある。このような欠陥の位置特定および修正/修復(以下、簡潔性を期して欠陥修復と称する)は、紙ロールがその後にコーティングまたは他の変換操作を受ける場合に特に重要である。なぜならば、ウェブ中の小さな孔でも、シートの破断を引き起こす可能性があり、その是正には時間がかかるからである。
【0003】
例えば巻取り中にウェブ欠陥がウェブ検査システムにより検出された場合、ウェブ上のウェブ欠陥の位置を特定し記録することが重要である。これにより、この情報を例えば巻戻し等の後続の変換プロセスにおいて利用して、オペレータがウェブ上の欠陥を修正または修復できる欠陥修復ステーションにウェブ欠陥が位置するように、巻戻し機を停止させることができる。巻き取られているウェブに、ウェブの原点から所定距離において、一意にコード化された機械方向(MD)位置マーク(以下、簡潔性を期してコード化位置マークと称する)を付すために、印刷システムがウェブ検査システムで使用され得る。これらのマークは、検査中に、位置マーク検出器により検出され得るととともに、巻取り中に位置マークからのウェブ欠陥の機械方向(MD)位置を特定するために使用され得る。欠陥の横方向(CD)位置は、適切なセンサにより記録され得る。最後に識別されたコード化位置マークに関するウェブ欠陥のこれらの座標は、ウェブ欠陥の説明とともに、表またはデータベース等に電子的に記録され得る。
【0004】
その後ウェブが巻き戻され、ウェブ欠陥の直前のコード化位置マークが、自動的にまたはオペレータにより巻戻し機において検出されると、機械速度を低速にしなくてはならない。これにより、オペレータは、巻戻し機がウェブ欠陥の位置で最終的に停止する前にウェブ欠陥を探すことができ、ウェブ欠陥は修復され得る。
【0005】
このようなシステムの問題は、コード化位置マークが、ウェブが例えば巻取り機において第1機械方向(「巻取り方向」)において第1ウェブ速度で、かつ第1ウェブ張力で走行しているときに適用される一方で、ウェブ欠陥の修正は、ウェブが例えば巻戻し機において反対の機械方向(「巻戻し方向」)において第2ウェブ速度で、かつ通常異なる第2ウェブ張力で走行しているときに実施されることである。走行条件におけるこのような違いは、巻取り走行中および巻戻し走行中において、ウェブ材料が異なる量で延伸され得ることにより、コード化位置マークの間の距離が異なる走行で異なり得るため、コード化位置マークはもはや所定距離だけ離間しなくなることを意味する。この結果、ウェブ欠陥の位置がウェブ上の特定のコード化マークから特定距離として記録される巻戻し機におけるウェブ欠陥修正中に、ウェブが第1走行に比較して延伸している場合にはウェブの停止が早過ぎたり、ウェブの長さが第1走行に比較して縮小している場合にはウェブの停止が遅すぎたりする場合がある。ウェブが誤った位置で停止すると、オペレータまたはウェブ検査システムは、ウェブ欠陥を探し、欠陥を発見した後に、欠陥が欠陥修復ステーションに位置するようにウェブを移動させる必要があり、時間の浪費となる。
【0006】
US20090028416は、ウェブ上の複数対の基準マークを使用して、ウェブ上で実施されるプロセスに従う倍率を生成するシステムに関する。この倍率は、以降のプロセスで使用される一対の基準マークの間の異常位置をスケーリングするように使用される。
【発明の概要】
【0007】
ウェブ上で実施される2つのプロセス間における延伸の違いを補正するこの問題は、移動するウェブの一部分が受けた付加的な局所延伸を計算し、この計算した局所延伸を移動するウェブの1つ以上の後続の部分にリアルタイムで適用するための方法およびシステムにより解決され得る。本発明において、リアルタイムという用語は、一対のコード化位置マークの間の距離の必要な測定が行われた後、1秒未満の経過時間以内に計算が行われ、適用の準備が整うことを意味する。計算は、必要な測定が行われた後、好適には0.5秒以下、より好適には0.1秒以下、さらに好適には0.01秒以下、最も好適には0.001秒以下以内に行われ、適用の準備が整う。例えば10m/sで移動するウェブに対して計算され適用の準備が整うまでに1秒かかるとしても、ウェブはこの時間に10メートルしか移動せず、計算した付加的な局所延伸が5%であれば、コード化位置マークから10メートルの位置に当所あった欠陥の新たな位置は、その当所位置から最大でも50cmである。このようなシステムには、単数または複数のウェブ長さセンサ、例えばリニアエンコーダが設けられる。これ(ら)は、単数または複数のセンサを通過するウェブの実際の長さを測定する。そして、この実際の長さを、センサ位置を通過したものとして検出されたウェブ上の既に適用されたコード化位置マークを使用して計算されたウェブの長さと比較することができる。システムには、追加の単数または複数のセンサが測定した材料の実際の長さと、追加の単数または複数のセンサを通過したコード化位置マークの個数または識別により特定された材料の計算された長さとを比較することによりウェブ材料が受けた付加的な局所延伸の量を計算するソフトウェアが設けられている。このように単純な計算は、ソフトウェアにおいてごくわずかな秒数で実施でき、ウェブの次の部分から有意な長さのウェブが後続の欠陥修復ステーションを通過する前に、計算の結果が使用できることを意味する。したがって、例えば、第1コード化位置マークと第2コード化位置マークとの間の所定距離を第1巻取り走行において100メートルと設定したが、後続の第2巻戻し走行における2つのマークの間の実際の距離が105メートルと測定された場合、ソフトウェアは、第1走行と比較した第2走行における付加的な局所延伸(すなわち、これら2つの位置マークの間における延伸)を5%と計算するであろう。一般に、ウェブの延伸を生じさせるプロセス条件は急激に変化しないため、ウェブの隣接するセクションについて測定された付加的な局所延伸はほぼ同一となる。これは、ウェブの第1セクションについて計算した付加的な局所延伸をウェブの後続のセクションに適用し、ウェブの後続のセクションにおける欠陥の位置の変化を計算することができることを意味する。したがって、ウェブの第1セクションの付加的な局所延伸の量は、ウェブの後続のセクションにおけるウェブ欠陥の記録された位置および計算したウェブ欠陥の新たな位置に適用され得る。例えば、ウェブ欠陥が、第1コード化位置マークの60m後方で、第2コード化位置マークの40m前方であると記録され、前記第1コード化位置マークの直前のウェブの第1セクションにおけるウェブの計算された局所延伸が第1走行におけるものよりも5%大きかった場合、ウェブの第1セクションについて計算された5%の局所延伸を用いて、ウェブ欠陥の計算された位置は、前記第1コード化位置マークから63m(105%×60)かつ第2コード化位置マークから42m(105%×40)となるであろう。当然ながら、通常のように、ウェブの移動方向が、ウェブが巻き取られた際に使用されたものと反対方向である場合、第2コード化位置マークは、第1コード化位置マークよりも先に検出されるため、ソフトウェアは、ウェブ欠陥の位置を、第2コード化位置マークから第1コード化位置マークに向かう方向において計算しなければならない。第1コード化位置マークと第2コード化位置マークとの間の新たな距離は105mであるから、ウェブ欠陥は、第1コード化位置マークに向かう方向において第2コード化位置マークから105-63=42mであろう。そして、第2コード化位置マークからの欠陥の計算された新たな位置に関する情報は、その後欠陥が欠陥修復ステーションに近づいたとき、ウェブを減速または停止させるように同一走行中に使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明によるウェブにおける付加的な局所延伸を計算するためのシステムで使用される巻取りシステムの側面図を概略的に示す。
図2図2は、本発明によるウェブにおける付加的な局所延伸を計算するためのシステムで使用される巻戻し機の側面図を概略的に示す。
図3図3は、本発明の実施形態によるウェブにおける付加的な局所延伸を計算するためのシステムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、製紙機または他のウェブ供給源5からの固有ウェブ3を巻き取るための巻取り機2を有する巻取り機システム1を概略的に示す。ウェブ3は、巻取り機の回転可能なシャフト9に保持されたコア7に巻き取られ、リール11を形成している。さらなる修正のためにウェブ欠陥を検出可能とするように、ウェブは、ウェブ供給源5からリールまで進行する間に検査される。検査は、横リニアスキャナ13等の光学欠陥検出器と横リニア金属検出器15とを備え得る。横リニアスキャナ13は、ウェブの幅(横方向「CD」)に亘って延びて、目に見えるウェブの特徴、例えば孔、折り目、傷跡等の欠陥を検出する。横リニア金属検出器15は、ウェブの金属汚染の形態にあるウェブ欠陥を検出可能である。これらの光学検出器および金属検出器は、検出されたウェブ欠陥のウェブの横方向における位置に関する情報を含む欠陥信号を生成する。ウェブ欠陥を修正可能とするためには、機械方向(「MD」)におけるウェブの進行方向におけるウェブ欠陥の位置も把握しなければならない。システムは、距離エンコーダ、例えば、距離エンコーダを通過した巻取り装置方向におけるウェブの長さを測定する直線距離エンコーダ17を備えている。エンコーダは、制御システム19に接続している。制御システム19は、適切な制御ソフトウェアまたはプログラムを有するPC、アナログコンピュータ、制御サーバ等の任意の自動制御システム19であり得る。制御システムは、マーキング装置21、例えばインクマーカーに作動的に接続している。マーキング装置21は、好適には縁部付近のウェブに、一意にコード化されたMD位置マーク(PM(L倍n)))であって、好適には容易に消去可能なインク、例えばUV消去可能なインクで印刷されたMD位置マークを、距離エンコーダが測定するウェブの所定距離L毎に、例えば100m(すなわち、L=100m)毎に巻取り装置方向において付すように操作され得る。各コード化位置マークは、リールの始点または他の固定ポイントであり得る原点からのMD方向におけるマークの位置、例えば第1適用マークを示す。ウェブは、一定の線速度Vm/sで、または連続的に測定される線速度V(t)m/sで機械方向に搬送され得る。光学欠陥検出器はマーキング装置から一定の距離Aにあり、金属検出器はマーキング装置から一定の距離Bにある。したがって、ウェブに適用された後に各コード化位置マークが検出器の各々を通過するのにかかった時間は、VまたはV(t)の既知の値から計算することができる。同様に、MDにおける個々のウェブ欠陥の位置は、ウェブに最後の印刷が施された時点から当該個々のウェブ欠陥が検出された時点までに経過した時間から計算することができる。例えば、ウェブが10m/sでMD方向において搬送され、距離Aが1メートルである場合、新たに適用されたコード化位置マークが光学欠陥検出器を通過するには0.1秒かかるであろう。この速度で、マーキング装置がコード化位置マークPM(1000)(原点からMDにおいて1000メートルの位置に対応する)を印刷した1秒後に光学的に可視のウェブ欠陥(D1)が光学欠陥検出器により検出され、ウェブ欠陥のCD位置およびこれが検出された時間を示す信号が制御システムに送信された場合、制御装置はウェブの直線MD速度に関する時計および情報を有しているため、制御システムは、ウェブがこの1秒間でマーキング装置21から10メートル進行したことを計算することができる。光学欠陥検出器13は、機械方向においてマーカー装置から1メートル離間しているため、ウェブ欠陥D1の実際の位置は、巻取り方向におけるリールの原点から機械方向において1009メートルにあり、1000メートルのコード化位置マークの巻取り方向において9メートル後方にある。換言すれば、それは、巻取り方向において、1100メートルのコード化位置マーク(PM1100)の91メートル前方にある。
【0010】
金属検出器が発見した金属ウェブ欠陥(D2)についても同様の計算が可能である。距離Bが2メートルである場合、10m/sのウェブ速度では、新たに適用されたコード化位置マークが金属欠陥検出器を通過するのに0.2秒かかるであろう。マーキング装置がMDにおいて1000メートルの位置に対応するコード化位置マーク(PM1000)を印刷した1秒後に金属欠陥検出器が金属ウェブ欠陥(D2)を検出した場合、制御システムは、ウェブがこの1秒間でマーキング装置から10メートル進行したと計算することができる。金属欠陥検出器15は、機械方向においてマーク装置21から2メートルの位置にあるので、金属ウェブ欠陥D2の実際の位置は、機械方向において巻取り方向における原点から1008メートル、かつ巻取り方向において1000メートルのコード化位置マークの8メートル後方にある。換言すれば、それは、巻取り方向において1100メートルのコード化位置マーク(PM1100)の92メートル前方にある。
【0011】
したがって、制御システムは、ウェブの速度および欠陥信号が制御ユニットに送信された時間とマークがウェブに適用された時間との時間差を利用することにより、光学欠陥スキャナまたは金属検出器が発見したウェブ欠陥のリールの原点からの機械方向MDにおける位置を特定するようにプログラミング可能である。ウェブ欠陥のCDにおける位置は、光学欠陥スキャナおよび金属検出器の欠陥信号に記録された横方向位置により示され得る。
【0012】
ウェブ欠陥のタイプ、そのCD位置、および巻取り方向におけるリール上のウェブの原点からのそのMD距離は、好適には、処理されている一意に識別可能なリールについてウェブ欠陥ログまたはリストまたはデータベース等に記憶される。このウェブ欠陥ログ等は、システムサーバ20に記憶され得るとともに、この一意に識別可能なリール11のウェブ欠陥を修正するのに将来使用するために、この一意に識別可能なリールに関連付けられ得る。
【0013】
ウェブを巻き戻すための巻戻しシステム30を図2に示す。これは、リール用の巻戻し機31を備えている。ウェブの付加的な局所延伸を計算するための本発明によるシステムにおいて、巻戻し機31上のリールは、一意に識別可能なリールであり、これに固有ウェブ3が上述のタイプの巻取り機システムを使用して巻き取られている。また、固有ウェブ上のウェブ欠陥の位置が、この一意に識別可能なリールに関連付けられたウェブ欠陥ログ等に記録されている。ウェブ欠陥を修正するためにこの一意に識別可能なリール11が巻き戻される準備が整うと、これは巻戻し機31の回転可能なシャフト33に載置される。巻戻し機31は、固有ウェブをこの一意に識別可能なリールから巻き戻すとともに、これをさらなる装置、例えばさらなる巻取り機37の別のコア35に供給する。固有ウェブのウェブ欠陥は、自動またはユーザが操作する欠陥修復ステーション38において修正または修復され得る。巻戻し機には、距離エンコーダ、例えば、距離エンコーダを通過した巻戻し装置方向における固有ウェブの長さを測定する直線距離エンコーダ39が設けられている。エンコーダは制御システム19’に接続している。制御システム19’は、適切な制御ソフトウェアまたはプログラムを有する自動制御システム19’であって、処理されているリールに関するウェブ欠陥ログ等を含む、またはこれにアクセスできるPC、アナログコンピュータ、制御サーバ等の任意の自動制御システム19’であり得る。このアクセスは、巻戻し機システムおよび巻取り機システム用の同じ制御システム19、19’を使用することにより、または巻取り機制御システム19および巻戻し機制御システム19’のいずれもがアクセスできるサーバ20にウェブ欠陥ログ等を記憶することにより達成され得る。欠陥のタイプや位置の詳細を有する欠陥ログ等は、制御システム19、19’がアクセスできる可動記憶媒体に提供され得る。距離エンコーダ39は、制御システムに、エンコーダを通過したウェブの実際の長さに関する信号を提供する。
【0014】
巻戻し機には、コード化位置マーク読取り機、例えばインク読取り機41が、距離エンコーダから機械方向において直線距離D(例えば1メートル)の位置に設けられている。同様に、コード化位置マーク読取り機は、欠陥修正ステーション38の前方の直線距離C(例えば1メートル)の位置にある。インク読取り機は、コード化位置マークがコード化位置マーク読取り機を通過する際に各コード化位置マークを検出し、コード化位置マークを検出する度に制御システムに信号を送信する。この信号は、例えばコード化位置マークが巻取り方向において1100メートルのコード化位置マーク(PM(1100))である場合、その識別に関する情報を含んでいる。制御システムには、すべてのコード化位置マーク、例えばコード化位置マーク(PM(1100))が検出された時点で距離エンコーダを通過したウェブの実際の長さ(A1)を登録するソフトウェアが設けられている。次のコード化位置マーク、例えば1000メートルのコード化位置マークPM(1000)がインク読取り機により検出されると、制御システムは、前のコード化位置マークである1100メートルマークが検出されてからエンコーダを通過した例えば110メートルのウェブA1の実際の長さを登録する。本例において、エンコーダを通過したウェブA1の実際の量は110メートルである一方で、コード化位置マークは公称では、この場合100メートル離れた距離Lしかない。このことは、ウェブが巻戻し中に10メートル(10%)だけ付加的に局所的に(すなわち、これら2つのコード化位置マークの間で)延伸されたということを意味する。2つの連続するコード化位置マーク、例えば、PM(n)とPM(n+L)との間の付加的な局所延伸の量SLが、制御システムにより計算され、各一対の連続するコード化位置マークの間におけるウェブの一部分P(n)について記録され得る。巻戻し中のウェブの付加的な局所延伸の量は、巻取り中に検出されたウェブ欠陥がこの後続の巻戻しにおいて実際にどこにあるかを推定するために、制御システムにより直接的に使用され得る。例えば、上述の巻取りの例のように、ウェブ欠陥が巻取り方向において1100メートルのコード化位置マークの91メートル前方にある場合、付加的な局所延伸がなければ、ウェブ欠陥は巻戻し方向において1100メートルのコード化位置マークの91メートル後方にある。1100のコード化位置マークと1000のコード化位置マークとの間において巻き戻されたウェブの一部分における付加的な局所延伸SLが一定の10%である場合、巻戻しにおいて、ウェブ欠陥D1の実際の位置は、1100の部分マークの91メートル後方ではなく、1100のコード化位置マークから1000のコード化位置マークに向かう方向において91+9.1(付加的な10%延伸)=100.1メートルである。
【0015】
しかしながら、ウェブ欠陥を含むウェブの一部分(P(n))の付加的な局所延伸LSは、ウェブ欠陥を含むウェブの一部分について始点のコード化位置マークおよび終点のコード化位置マーク(P(n)およびP(n+L))の両方がインク読取り機を通過した後でなければ発見することができない。実際に、このことは、ウェブ欠陥の位置は、ウェブ欠陥に続くコード化位置マークがインク読取り機により検出された後でなければ推定することができないということを意味する。コード化位置マークが公称で100m離間している場合、理論的には、ウェブ欠陥を含むウェブの一部分について、ウェブ欠陥がウェブ欠陥修復ステーションに到達する前に付加的な局所延伸が計算可能であるためには、欠陥修復ステーションがインク読取り機から少なくとも100メートル(プラス ウェブの延伸を補償するための距離)離れている必要があるであろう。これは非現実的であり、これに代えて、制御装置は、2つの位置マークの間におけるウェブの先行する一部分(一部分P(n‐(x*L)))について計算した付加的な局所延伸を利用して、処理されているウェブの2つのコード化位置マークの間の実際の一部分(部分P(n))に関する付加的な局所延伸をリアルタイムで推定する。好適には、ウェブの先行する一部分の付加的な局所延伸は、処理されているウェブの一部分(すなわち、x=1)の直前の2つの位置マークの間のウェブの一部分のものである。なぜならば、ウェブのこの先行する一部分は、後続のウェブの一部分と非常に類似したプロセス条件に置かれるため、後続のウェブの一部分と類似する局所延伸を受けるであろうと予測されるからである。ただし、ウェブが非常に高速で移動しており、ウェブの一部分の始点にある欠陥が、欠陥の新たな対向(opposition)が計算できる前に欠陥修復ステーションを通過してしまう惧れがある場合には、ウェブのさらに前の一部分からの付加的な局所延伸を利用して、付加的な局所延伸を受けたウェブの欠陥の新たな位置を計算することができる。ウェブの一部分は、2つの連続するコード化位置マークの間におけるウェブの一部分であり得る、または、複数の位置マークの間におけるウェブの一部分であり得る。ウェブの任意の一部分(P(n))に関する局所的な付加延伸を推定する最大精度は、ウェブの直前の一部分(P(n-1)について計算した付加的な局所延伸の値を利用することにより達成されるが、それは、ウェブの前方の部分(すなわち、x>1、例えば、P(n-2)またはP(n-3)等))の付加的な局所延伸、または2つのコード化位置マークの間のウェブの2つ以上の前方の部分の平均付加局所延伸(例えば、ウェブの一部分P(n-1)および一部分P(n-2)の付加的な局所延伸の平均値)であってもよい。実際に、付加的な局所延伸は、ウェブのより長い部分、例えば、複数の連続するコード化位置マークの間におけるウェブの部分、例えば先行する3個または4個または5個のコード化位置マークの間の部分に亘って計算することもできる。
【0016】
図3は、上述の本発明による巻取り機および巻戻し機を備えた本発明の実施形態による、ウェブ43における付加的な局所延伸を計算するためのシステムを概略的に示す。
【0017】
ウェブ上の固有のコード化位置マークに関する、ウェブの付加的な局所延伸を考慮したウェブ欠陥の推定位置に関するこの情報により、システムは、ウェブの巻戻し中に、かつウェブが欠陥修復ステーションに到達する前に、リアルタイムで(例えば、ウェブが巻き戻されている間に)推定することができる。欠陥修復ステーションでは、ウェブ欠陥が、ウェブ欠陥の推定された位置に対応するウェブの一部分が欠陥修復ステーションの付近またはそこに位置するようにウェブを停止させるようにウェブにおける局所的な付加延伸または収縮に関する情報が利用される。これにより、ウェブ欠陥を探す際に、装置を低速で運転する、および/または後退または前進させるのに必要な時間が短縮される。したがって、上述のCおよびDについての距離を使用して、欠陥修復ステーション38が距離エンコーダから2メートル(距離D)の距離にあり、インク読取り機からわずか1メートル(距離Dから距離Cを引いた値)の距離にある場合、1100メートルのコード化位置マークから100.1メートルにあると推定されるウェブ欠陥が修復ステーションに位置するようにウェブを停止させるためには、1100メートルのコード化位置マークがインク読取り機により検出された後に101.1メートル進行した時点でウェブを停止させればよい。
【0018】
変換プロセスを通じて移動するウェブの付加的な局所延伸を計算するための方法は、以下のステップ:
移動するウェブの材料を提供するステップと、
制御システムを提供するステップと、
前記ウェブをリールに巻き取りつつ、移動する前記ウェブに距離エンコーダで測定される所定間隔で複数のコード化位置マークを付すステップと、
前記ウェブを前記リールから巻き戻し、コード化位置マークを検出し、複数の一対の連続するコード化位置マークの間の前記距離を測定するステップと、
前記制御システムを使用して、前記各複数の一対の連続するコード化位置マークの間の測定された前記距離を、前記一対の連続するコード化位置マークの間の前記所定距離で除算し、前記各一対の連続するコード化位置マークの間の前記ウェブの前記付加的な局所延伸をリアルタイムで計算するステップと、
を備える。
【0019】
変換プロセスを通じて移動するウェブの付加的な局所延伸を計算するためのさらなる方法は、
以下のステップ:
移動するウェブの材料を提供するステップと、
制御システムを提供するステップと、
前記ウェブをリールに巻き取りつつ、移動する前記ウェブに距離エンコーダで測定される所定間隔で複数のコード化位置マークを付すステップと、
前記ウェブを前記リールから巻き戻し、コード化位置マークを検出し、複数の一対のコード化位置マークの間の前記距離を測定するステップと、
前記制御システムを使用して、前記複数の一対のコード化位置マークの間の測定された前記距離を、各一対のコード化位置マークの間の前記所定距離で除算し、各一対のコード化位置マークの間の前記ウェブの前記付加的な局所延伸をリアルタイムで計算するステップと、
を備える。
【0020】
変換プロセス中に移動するウェブの付加的な局所延伸をリアルタイムで計算し、計算した前記付加的な局所延伸を使用して巻戻し中のウェブにおけるウェブ欠陥の位置を推定するための方法は、
移動するウェブの材料を提供するステップと、
制御システムを提供するステップと、
移動する前記ウェブに好適には距離センサで測定される所定間隔で複数のコード化位置マークを付すステップと、
前記ウェブをリールに巻き取りつつ、ウェブ欠陥に関して前記ウェブを精査して、少なくとも1つのコード化位置マークからの各ウェブ欠陥の前記距離を記録するステップと、
前記ウェブを前記リールから巻き戻し、巻戻し中に、位置マークを検出し、少なくとも一対のコード化位置マークの間の前記距離を測定するステップと、
前記制御システムを使用して、前記少なくとも一対のコード化位置マークの間の測定された前記距離を、前記一対のコード化位置マークの間の前記所定距離で除算し、前記一対のコード化位置マークの間の巻き戻された前記ウェブの前記付加的な局所延伸を特定するステップと、
前記ウェブ欠陥の前方の最も近い前記コード化位置マークに近づいたとき、またはこれを通過した直後に、最も近い前記コード化位置マークからの前記ウェブ欠陥の記録された前記距離に、前記少なくとも一対のコード化位置マークについて計算した前記ウェブの前記付加的な局所延伸を乗算し、前記巻戻しウェブ上の前記機械方向における前記ウェブ欠陥の推定された前記位置を特定するステップと、
を備える。
【0021】
このような方法において、一対のコード化位置マークは、連続する位置マークであり得る、または、1つ以上のさらなるコード化位置マークにより隔てられた一対のコード化位置マークであり得る。それらは、現在の進行方向においてウェブ欠陥の直前の2つのコード化位置マークであり得る、または、それらは、ウェブ欠陥の前方の他のコード化位置マークであり得る。
【0022】
ウェブ欠陥を欠陥修復ステーションに位置決めするための方法は、いつ前記ウェブ欠陥の推定された前記位置が欠陥修復ステーションに位置するかを計算するステップと、前記ウェブ欠陥の推定された前記位置が前記欠陥修復ステーションに位置したとき、または前記欠陥修復ステーションの前方の所定距離に位置したときに前記ウェブを停止させるステップと、を追加的に備える。欠陥が欠陥修復ステーションに到達する前にオペレータまたは自動装置が欠陥を検出および/または識別できるようにするため、前記所定距離は、2メートル以下、または1メートル以下であり得る。
【0023】
ウェブ欠陥を修正する方法は、前記ウェブ欠陥が前記欠陥修復ステーションに位置するように前記ウェブを停止させる追加ステップと、前記欠陥を修正する追加ステップと、を備える。
【0024】
変換プロセス中に移動するウェブの付加的な局所延伸を計算し、計算した前記付加的な局所延伸を使用して巻戻し中のウェブにおけるウェブ欠陥の位置を推定するための代替的な方法は、
移動するウェブの材料を提供するステップと、
制御システムを提供するステップと、
移動する前記ウェブに好適には直線距離エンコーダで測定される所定間隔で複数のコード化位置マークを付すステップと、
前記ウェブをリールに巻き取りつつ、ウェブ欠陥に関して前記ウェブを精査して、次の後続の前記コード化位置マークからの各ウェブ欠陥の前記距離を記録するステップと、
前記ウェブを前記リールから巻き戻し、巻戻し中に、コード化位置マークを検出し、少なくとも一対のコード化位置マークの間の実際の前記距離を測定するステップと、
前記制御システムを使用して、前記各一対のコード化位置マークの間の実際の測定された前記距離を、前記一対のコード化位置マークの間の前記所定距離で除算し、巻戻し中の前記一対のコード化位置マークの間の前記巻戻しウェブの前記付加的な局所延伸において特定するステップと、
前記ウェブ欠陥に最も近い前記コード化位置マークに近づく前に、前記ウェブ欠陥に最も近い前記コード化位置マークからの前記ウェブ欠陥の記録した前記距離に、前記一対のコード化位置マークに関して特定された前記ウェブの前記付加的な局所延伸を乗算して、前記巻戻しウェブ上の前記機械方向における前記ウェブ欠陥の推定された前記位置を特定するステップと、
を備える。
【0025】
ウェブ欠陥を欠陥修復ステーションに位置決めするための方法は、いつ前記ウェブ欠陥の推定された前記位置が前記欠陥修復ステーションに位置するかを計算するステップと、前記ウェブ欠陥の推定された前記位置が前記欠陥修復ステーションに位置したとき、または前記欠陥修復ステーションの前方の所定距離に位置したときに前記ウェブを停止させるステップと、を追加的に備える。欠陥が欠陥修復ステーションに到達する前にオペレータまたは自動装置が欠陥を検出できるようにするため、前記所定距離は、2メートル以下、好適には1メートル以下であり得る。
【0026】
ウェブ欠陥を修正するための方法は、前記ウェブ欠陥が前記欠陥修復ステーションに位置するように前記ウェブを停止させる追加ステップと、前記欠陥を修正する追加ステップと、を備える。
【0027】
好適には、本発明の前記方法のための制御システムは、コンピュータ、サーバ等のデジタル処理装置で実行されるソフトウェアを備え、前記方法は、このようなソフトウェアおよびデジタル処理装置を提供するステップを含む。
【0028】
状況によっては、コード化位置マークが損傷して予期せず読めなくなる、または消えてしまう、さらには脱落してしまう(例えば、オペレータがテスト用のウェブのサンプルをそれが破損したために除去し、除去したサンプルにコード化位置マークが付されていた場合)等の理由で使用できなくなる場合がある。簡潔性を期して、使用不可能なあらゆるコード化位置マークを、以下では「使用不可能コード化位置マーク」と称する。使用不可能コード化位置マークが発生すると、欠陥修復装置は、使用不可能コード化位置マーク(UCPM)と使用不可能コード化位置マークの直前のコード化位置マーク(PM(UCPM-1))との間の付加的な局所延伸を計算することも、使用不可能コード化位置マークの直後のコード化位置マークPM((UCPM+1))と使用不可能コード化位置マークとの間の付加的な局所延伸を計算することもできなくなる。このような場合に対処するために、使用不可能コード化位置マークを補償するための方法が、移動するウェブの付加的な局所延伸を計算するための任意の方法に提供され得る。
【0029】
欠陥が見つけられないことを回避するために、使用不可能コード化位置マークを補償するための方法において、ソフトウェアを、許容可能な付加的な局所延伸の上限を有するようにプログラミングしてもよい。この上限は、予め決定され得るとともに、ソフトウェアに予めプログラミングされ得る。上限は、例えば、通常予想される付加的な局所延伸を超える任意の適切な値に設定され得る。
【0030】
例えば、付加的な局所延伸が10%を超えると先行する材料バッチが分裂または破裂することが把握されている場合、システムが計算した付加的な局所延伸が10%を超えることは明らかに不可能である。このような場合、使用中にコード化位置マークからの実際の測定された距離が10%の付加的な局所延伸に対応し得る距離を超え、かつ後続のコード化位置マークが検出されなかったとき、システムは、2つの連続してナンバリングされたコード化位置マークが10%未満の付加的な局所延伸に対応する実際の測定された距離だけ離れて検出されるまで、前回最後に計算した局所的な付加延伸を適用し得る、または、局所的な付加延伸に関する所定値(例えば、8%、5%、0%、-5%、-8%)を適用し得る。このようにして、使用不可能コード化位置マークによりもたらされ得るエラーが低減され得る。
図1
図2
図3
【国際調査報告】