(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】超電導風力発電機用の冷却システム
(51)【国際特許分類】
H02K 55/04 20060101AFI20240822BHJP
F25B 9/00 20060101ALI20240822BHJP
H02K 9/19 20060101ALI20240822BHJP
F03D 80/60 20160101ALI20240822BHJP
【FI】
H02K55/04
F25B9/00 H
F25B9/00 A
H02K9/19 B
F03D80/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513112
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022041979
(87)【国際公開番号】W WO2023034257
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】521259219
【氏名又は名称】コモンウェルス・フュージョン・システムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】ラドヴィンスキー,アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】ジューコフスキー,アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
3H178
5H609
【Fターム(参考)】
3H178AA20
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB52
3H178CC25
3H178DD63X
5H609BB03
5H609BB07
5H609PP07
5H609QQ06
5H609QQ15
(57)【要約】
液体ヘリウムおよび/またはヘリウムガスなどの冷媒が熱伝導性の可撓性構造体を介して超電導磁石に適用される、風力発電機用の技術が記載される。これらの構造体は、冷媒流路を磁石に、および/または、磁石が熱的に結合されている熱伝導性構造体(例えば金属プレート)に、熱的に結合する。熱伝導性の可撓性構造体は、磁石の加熱および/または冷却中の、構造体を冷却する極低温流路に対する磁石の運動が、流路と磁石との間の熱的接続部に損傷をもたらさないように配置され得る。発電機の固定台は冷却ステーションを収容し、冷媒を好適な回転ユニオンを介して回転台に送ることができる。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ内に配置されている複数の高温超電導(HTS)磁石と、
各々が前記ループ内の前記複数のHTS磁石のうちの1つまたは複数に熱的に結合されている、複数の熱伝導性の可撓性構造体と、
ガス流路であって、
前記ループの中央領域から放射方向外側に延びる入口部分、
前記入口部分に連結され、前記複数の熱伝導性の可撓性構造体のうちの少なくともいくつかに熱的に結合されている、周縁部分、および
前記周縁部分に連結され、前記ループの前記中央領域まで放射方向内側に延びている、出口部分を備える、ガス流路と、
を備える、風力発電機。
【請求項2】
複数の金属プレートを更に備え、前記複数の熱伝導性の可撓性構造体の各々が、前記複数の金属プレートのうちの1つまたは複数を介して、前記ループ内の前記1つまたは複数のHTS磁石に熱的に結合されている、請求項1に記載の発電機。
【請求項3】
前記ループ内の前記複数のHTS磁石の各々は前記複数の金属プレートのうちの1つに熱的に結合されており、前記複数の金属プレートのうちの前記1つは前記熱伝導性の可撓性構造体のうちの1つに熱的に結合されている、請求項2に記載の発電機。
【請求項4】
前記ガス流路の前記入口部分に連結されている入口マニホールドと、前記ガス流路の前記出口部分に連結されている出口マニホールドと、を更に備える、請求項1に記載の発電機。
【請求項5】
前記入口マニホールドに連結されかつ前記出口マニホールドに連結されている回転ユニオンを更に備える、請求項4に記載の発電機。
【請求項6】
前記ガス流路は第1のガス流路であり、
前記第1のガス流路の前記周縁部分は前記複数の熱伝導性の可撓性構造体の第1のサブセットに熱的に結合されており、
前記発電機は第2のガス流路を更に備え、前記第2のガス流路は、
前記ループの前記中央領域から放射方向外側に延びている入口部分と、
前記第2のガス流路の前記入口部分に連結され、前記複数の熱伝導性の可撓性構造体の第2のサブセットに熱的に結合されている、周縁部分と、
前記第2のガス流路の前記周縁部分に連結され、前記ループの前記中央領域まで放射方向内側に延びている、出口部分と、を備える、
請求項4に記載の発電機。
【請求項7】
前記ループ内の各HTS磁石はHTSテープの積層体を備える、請求項1に記載の発電機。
【請求項8】
前記ループ内の各HTS磁石はダブルパンケーキコイルを備える、請求項1に記載の発電機。
【請求項9】
ガス供給源と、
前記ガス供給源に連結された1つまたは複数のガス流路と熱的に接触している複数の低温冷却されたコールドヘッドと、
を備える、非回転冷却台を更に備える、請求項1に記載の発電機。
【請求項10】
前記複数の熱伝導性の可撓性構造体は可撓性の放射方向の管を各々備える、請求項1に記載の発電機。
【請求項11】
冷却システムであって、
ガス入口およびガス出口を有し、前記ガス入口と前記ガス出口との間にガス流路が連結されている、回転部分と、
ガス出口およびガス入口を有し、前記出口において冷却されたガスを供給するように構成されている、固定部分と、
前記回転部分と前記固定部分との間に連結されている回転ユニオンであり、前記固定部分の前記ガス出口および前記回転部分の前記ガス入口と流体連通している第1の流路を有し、前記回転部分の前記ガス出口および前記固定部分の前記ガス入口と流体連通している第2の流路を有する、回転ユニオンと、
各々が前記回転部分の少なくとも一部に熱的に結合されている、複数の熱伝導性の可撓性構造体と、を備える、冷却システム、
を備える、風力発電機。
【請求項12】
前記冷却システムの前記回転部分の前記ガス流路は、
前記ガス流路の前記入口部分が前記回転部分の中央領域から放射方向外側に延び、
前記ガス流路の周縁部分が前記入口部分に連結され、前記複数の熱伝導性の可撓性構造体のうちの少なくともいくつかに熱的に結合され、
前記ガス流路の前記出口部分が前記周縁部分に連結され、前記ロータ部分の前記中央領域まで放射方向内側に延びるように構成されている、請求項11に記載の風力発電機。
【請求項13】
前記回転部分はループ内に配置された複数の高温超電導(HTS)磁石を備える、請求項12に記載の風力発電機。
【請求項14】
風力発電機用の冷却システムであって、
冷媒供給源から冷媒ガスを受け取るように構成されている第1の入口と、回転ユニオンの投入部にガスを供給するように構成されている第1の出口と、回転ユニオンの吐出部からガスを受け取るように構成されている第2の入口と、を有し、前記第1の出口における前記ガスの温度が前記第2の入口における前記ガスの温度よりも低い、固定部分であり、
クライオスタットと、
前記クライオスタット内に配設されている熱放射シールドと、
前記熱放射シールド内に設けられ、前記固定部分の前記第1の入口に対応する第1の入口、前記固定部分の前記第1の出口に対応する第1の出口、および前記固定部分の前記第2の入口に対応する第2の入口を有する、ガス流路と、
前記ガス流路に熱的に結合されている第1の複数のコールドヘッドと、
前記ガス流路に熱的に結合されている前記第1の複数のコールドヘッドに連結されている圧縮機と、
前記熱シールドに連結されているコールドヘッドと、
前記熱シールド用の前記コールドヘッドに連結されている圧縮機と、
前記ガス流路に連結され前記ガス流路を通るガスの流れを導くように構成されている弁システムと、を備える、固定部分、を備える、冷却システム。
【請求項15】
前記ガス流路は、前記第2の入口を通って前記ガス流路に入るガスが、前記第1の複数のコールドヘッドのうちの1つまたは複数に供給され、前記固定部分の前記第1の出口に供給される前に冷却されるようなループを形成している、請求項14に記載の冷却システム。
【請求項16】
前記圧縮機は複数の圧縮機として設けられており、前記複数の圧縮機のうちのいくつかは、前記ガス流路に連結されている前記第1の複数のコールドヘッドのうちのいくつかに連結されており、前記第1の複数のコールドヘッドの各々には少なくとも1つの圧縮機が連結されるようになっている、請求項14に記載の冷却システム。
【請求項17】
前記圧縮機は第1の複数の圧縮機として設けられており、前記第1の複数の圧縮機の各々は前記第1の複数のコールドヘッドのうちの対応する1つに連結されるようになっている、請求項14に記載の冷却システム。
【請求項18】
前記固定部分の前記出口と流体連通している入口を有し、前記固定部分の前記入口と流体連通している出口を有する、回転ユニオンを更に備える、請求項14に記載の冷却システム。
【請求項19】
前記固定部分の前記第1の入口に連結されているヘリウムボンベを更に備える、請求項14に記載の冷却システム。
【請求項20】
前記固定部分の前記出口と流体連通している第1の流路を有し、第2の流路を有する、回転ユニオンを更に備える、請求項15に記載の冷却システム。
【請求項21】
ガス入口とガス出口とを有し前記ガス入口と前記ガス出口との間にガス流路が連結されている回転部分を更に備え、前記回転ユニオンは前記回転部分と固定部分との間に連結されており、前記回転ユニオンの前記第1の流路は前記固定部分の前記出口とおよび前記回転部分の前記入口と流体連通しており、前記回転ユニオンの前記第2の流路は前記回転部分の前記吐出部および前記固定部分の前記入口と流体連通している、請求項20に記載の冷却システム。
【請求項22】
ループ内に配置されている複数の高温超電導(HTS)磁石と、
各々が前記ループ内の前記複数のHTS磁石のうちの1つまたは複数に熱的に結合されている、複数の熱伝導性の可撓性構造体と、
冷却流路であって、
入口部分、
前記入口部分に連結され、前記複数の熱伝導性の可撓性構造体のうちの少なくともいくつかに熱的に結合されている、周縁部分、および
出口部分を備える、冷却流路と、
を備える、発電機。
【請求項23】
前記入口部分は前記ループの中央領域から放射方向外側に延びており、
前記出口部分は前記ループの中央領域まで放射方向内側に延びている、
請求項22に記載の発電機。
【請求項24】
1つまたは複数の熱伝導性のプレートを更に備え、前記複数の熱伝導性の可撓性構造体の各々が、前記1つまたは複数の熱伝導性のプレートのうちの1つまたは複数を介して前記ループ内の前記複数のHTS磁石のうちの1つまたは複数に熱的に結合されている、請求項22に記載の発電機。
【請求項25】
前記冷却流路の前記入口部分に連結されている入口マニホールドと、前記冷却流路の前記出口部分に連結されている出口マニホールドと、を更に備える、請求項22に記載の発電機。
【請求項26】
前記入口マニホールドに連結されかつ前記出口マニホールドに連結されている回転ユニオンを更に備える、請求項25に記載の発電機。
【請求項27】
前記冷却流路は第1の冷却流路であり、
前記第1の冷却流路の前記周縁部分は前記複数の熱伝導性の可撓性構造体のうちの第1のものに熱的に結合されており、
前記発電機は第2の冷却流路を更に備え、前記第2の冷却流路は、
前記ループの中央領域から放射方向外側に延びる入口部分と、
前記第2のガス流路の前記入口部分に連結され、前記複数の熱伝導性の可撓性構造体の第2のサブセットに熱的に結合されている、周縁部分と、
前記第2のガス流路の前記周縁部分に連結され、前記ループの前記中央領域まで放射方向内側に延びている、出口部分と、を備える、
請求項26に記載の発電機。
【請求項28】
前記ループ内の各HTS磁石はHTSテープの積層体を備える、請求項22に記載の発電機。
【請求項29】
前記ループ内の各HTS磁石はダブルパンケーキコイルを備える、請求項22に記載の発電機。
【請求項30】
前記複数の熱伝導性の可撓性構造体は可撓性の放射方向の管を各々備える、請求項22に記載の発電機。
【請求項31】
冷却システムであって、
入口および出口を有し、前記入口と前記出口との間に冷却流路が連結されている、回転部分と、
出口および入口を有し、前記出口において冷却されたガスを供給するように構成されている、固定部分と、
前記回転部分と固定部分との間に連結されている回転ユニオンであり、前記固定部分の前記出口および前記回転部分の前記入口と流体連通している第1の流路を有し、前記回転部分の前記出口および前記固定部分の前記入口と流体連通している第2の流路を有する、回転ユニオンと、
各々が前記回転部分の少なくとも一部に熱的に結合されている、複数の熱伝導性の可撓性構造体と、を備える、冷却システム、
を備える、風力発電機。
【請求項32】
前記冷却システムの前記回転部分の前記冷却流路は、
前記ガス流路の前記入口部分が前記回転部分の中央領域から放射方向外側に延び、
前記ガス流路の周縁部分が前記入口部分に連結され、前記複数の熱伝導性の可撓性構造体のうちの少なくともいくつかに熱的に結合され、
前記ガス流路の前記出口部分が前記周縁部分に連結され、前記ロータ部分の前記中央領域まで放射方向内側に延びるように構成されている、請求項31に記載の風力発電機。
【請求項33】
前記回転部分はループ内に配置された複数の高温超電導(HTS)磁石を備える、請求項32に記載の風力発電機。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]風力タービンは発電機を用いて風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。タービンは通常、風によって駆動され以ってロータを回転させる、ロータに連結されたフィンまたは他の構造を含む。発電機はロータ内に収納された磁石を備え、その回転により電機子に電流が発生する。
【0002】
[0002]風力タービンには強力な永久磁石を利用するものもあれば、電磁石を利用するものもある。後者の場合、風力タービンは超電導磁石を備える場合があるが、これは電流を損失なく流すことのできる結果、非常に効率的なものとなり得る。しかしながら超電導材料がこのように動作するには、低温に冷却されねばならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]いくつかの態様によれば、ループ内に配置されている複数の高温超電導(HTS)磁石と、各々がループ内の複数のHTS磁石のうちの1つまたは複数に熱的に結合されている、複数の熱伝導性の可撓性構造体と、ガス流路であって、ループの中央領域から放射方向外側に延びる入口部分、入口部分に連結され、複数の熱伝導性の可撓性構造体のうちの少なくともいくつかに熱的に結合されている、周縁部分、および周縁部分に連結され、ループの中央領域まで放射方向内側に延びている、出口部分を備える、ガス流路と、を備える、風力発電機が提供される。
【0004】
[0004]いくつかの態様によれば、冷却システムであって、ガス入口およびガス出口を有し、ガス入口とガス出口との間にガス流路が連結されている、回転部分と、ガス出口およびガス入口を有し、出口において冷却されたガスを供給するように構成されている、固定部分と、回転部分と固定部分との間に連結されている回転ユニオンであり、固定部分のガス出口および回転部分のガス入口と流体連通している第1の流路を有し、回転部分のガス出口および固定部分のガス入口と流体連通している第2の流路を有する、回転ユニオンと、各々が回転部分の少なくとも一部に熱的に結合されている、複数の熱伝導性の可撓性構造体と、を備える、冷却システム、を備える、風力発電機が提供される。
【0005】
[0005]いくつかの態様によれば、風力発電機用の冷却システムであって、冷媒供給源から冷媒ガスを受け取るように構成されている第1の入口と、回転ユニオンの投入部にガスを供給するように構成されている第1の出口と、回転ユニオンの吐出部からガスを受け取るように構成されている第2の入口と、を有し、第1の出口におけるガスの温度が第2の入口におけるガスの温度よりも低い、固定部分であり、クライオスタットと、クライオスタット内に配設されている熱放射シールドと、熱放射シールド内に設けられ、固定部分の第1の入口に対応する第1の入口、固定部分の第1の出口に対応する第1の出口、および固定部分の第2の入口に対応する第2の入口を有する、ガス流路と、ガス流路に熱的に結合されている第1の複数のコールドヘッドと、ガス流路に熱的に結合されている第1の複数のコールドヘッドに連結されている圧縮機と、熱シールドに連結されているコールドヘッドと、熱シールド用のコールドヘッドに連結されている圧縮機と、ガス流路に連結されガス流路を通るガスの流れを導くように構成されている弁システムと、を備える、固定部分、を備える、冷却システムが提供される。
【0006】
[0006]いくつかの態様によれば、ループ内に配置されている複数の高温超電導(HTS)磁石と、各々がループ内の複数のHTS磁石のうちの1つまたは複数に熱的に結合されている、複数の熱伝導性の可撓性構造体と、冷却流路であって、入口部分、入口部分に連結され、複数の熱伝導性の可撓性構造体のうちの少なくともいくつかに熱的に結合されている、周縁部分、および出口部分を備える、冷却流路と、を備える、発電機が提供される。
【0007】
[0007]いくつかの態様によれば、冷却システムであって、入口および出口を有し、入口と出口との間に冷却流路が連結されている、回転部分と、出口および入口を有し、出口において冷却されたガスを供給するように構成されている、固定部分と、回転部分と固定部分との間に連結されている回転ユニオンであり、固定部分の出口および回転部分の入口と流体連通している第1の流路を有し、回転部分の出口および固定部分の入口と流体連通している第2の流路を有する、回転ユニオンと、各々が回転部分の少なくとも一部に熱的に結合されている、複数の熱伝導性の可撓性構造体と、を備える、冷却システム、を備える、風力発電機が提供される。
【0008】
[0008]上述の装置および方法の実施形態は、上記したまたは以下に更に詳細に説明する態様、特徴、および行為の任意の好適な組合せで実施され得る。本教示のこれらのおよび他の態様、実施形態、および特徴は、添付の図面と併せた以下の説明から、より十分に理解され得るであろう。
【0009】
[0009]以下の図を参照して様々な態様および実施形態が説明される。図は必ずしも正確な縮尺では描かれていないことを諒解されたい。これらの図面では、様々な図に示されている同一のまたはほぼ同一の構成要素は、同様の数字によって表されている。明晰にする目的で、あらゆる図面においてあらゆる構成要素がラベル付けされることにはならない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010]いくつかの実施形態による、冷却システム用の冷却ステーションの概略図である。
【
図2A】[0011]は、冷却システムを有する回転台の一部を概略的な形態で示す側面図である。
【
図2B】[0012]いくつかの実施形態による、冷却システムを利用した回転台用の冷却方式を示す、回転台の一部を概略的な形態で示す正面図である。
【
図3】[0013]いくつかの実施形態による、冷却システム構成要素を除いたロータ内の磁石コイルの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0014]上記したように、風力タービンは超電導磁石を備えている場合があるが、超電導磁石は、磁石中の導体が超電導相で動作するように、極低温まで冷却する必要がある。本明細書で言及する場合、超電導体または超電導材料とは、臨界温度未満でゼロの電気抵抗を示す材料である。この臨界温度は、いくつかの超電導体では数ケルビンのオーダーであり得るが、高温超電導体(HTS)として知られる材料のクラスでは、臨界温度は約90Kにもなり得る。
【0012】
[0015]しかしながら、発電機(例えば風力発電機)の回転台にある磁石の極低温冷却にはいくつかの課題がある。第1に、回転台そのものに冷凍機を設置するのは困難であり、遠心力を受けて動作する結果、性能が低下する可能性がある。このため、冷媒は一般に固定台から供給され、回転段へと移送されねばならない。第2に、冷媒は回転台の領域間を(例えば、回転台の中央から回転台の外側部分へと)移送されねばならないが、風力タービンのサイズおよび回転速度では、普通ならそのような移送を助ける可能性のある遠心力が、比較的小さいものとなる。第3に、磁石への冷媒の供給が困難であることと、稼働に必要な磁石の温度が低いこととに起因して、磁石の均一な冷却の達成が困難な場合がある。
【0013】
[0016]本発明者らは、液体ヘリウムおよび/またはヘリウムガスなどの冷媒が熱伝導性の可撓性構造体を介して超電導磁石に適用される、風力発電機などの発電機用の冷却技術を認識し、十分に理解している。これらの構造体は、冷媒流路を磁石に、および/または、磁石が熱的に結合されている熱伝導性構造体(例えば、金属プレートなどの熱伝導性の表面または構造体)に、熱的に結合する。熱伝導性の可撓性構造体は、磁石の加熱および/または冷却中の、構造体を冷却する極低温流路に対する磁石の運動が、流路と磁石との間の熱的接続部にダメージをもたらさないように配置され得る。例えば、熱伝導性の可撓性構造体は、磁石の加熱中および/または冷却中の磁石の移動を可能にすることができ、このことにより、管-磁石構造体の熱収縮/膨張の差に起因する高い応力が回避される。
【0014】
[0017]本明細書に記載する冷却システムは、磁石がその磁石自身と実質的に同じ動作温度に冷却される容器内にある冷却システムよりも、熱効率が高い可能性がある。例えば、本明細書に記載する冷却技術によって、磁石を収容している容器が約70~80Kに冷却されることが可能になり得、一方で磁石自体は約20Kに冷却され得る。したがって、本明細書に記載する冷却技術は、比較的小さな冷却熱エンベロープを有する結果、より効率的な冷却を提供し得る。また更に、HTS磁石の使用はガスを介した冷却を可能にし、液体ヘリウムの使用を不要にし得ることも、本明細書に記載する技術の利点となり得る。これに対して、低温超電導体(LTS)磁石は低温で動作する必要があり、液体ヘリウムを必要とする場合ある。
【0015】
[0018]いくつかの実施形態によれば、冷却システムは非回転台を含んでもよく、この非回転台においては、冷媒(例えば、圧縮ヘリウムガスなどのガスの供給源)が極低温(例えば40K未満)に冷却され、回転ユニオンを通して、ロータ内の超電導体磁石(例えば高温超電導体(HTS)コイル)に近接した流路を通して冷媒を供給するための入口マニホールドおよび出口マニホールドを有する回転台に吐出される。冷媒は、冷媒流路を磁石におよび/または磁石が熱的に結合されているプレート(例えば、銅プレートまたはアルミニウムプレート)に熱的に結合させる、前述した熱伝導性の可撓性構造体を介して、磁石から熱を運び去ることができる。
【0016】
[0019]以下では、風力発電機用の冷却技術に関連する様々な概念およびそのような技術の実施形態について、より詳細に説明する。本明細書に記載されている様々な態様は数多くの方法のいずれかで実施され得ることを諒解されたい。本明細書では具体的な実施態様の例が例示のみを目的として提供される。加えて、以下の実施形態に記載されている様々な態様は単独でまたは任意の組合せで使用することができ、本明細書に明示的に記載されている組合せに限定されない。
【0017】
[0020]
図1は、いくつかの実施形態による、冷却システム用の冷却ステーションの概略図である。冷却ステーションは冷却システムの非回転部分であってもまたはその一部であってもよく、冷媒を回転ユニオンを通して回転台に導くように構成されてもよい。冷却ステーションはまた、冷媒として使用することになるガスを極低温に冷却するように構成されてもよい。磁石を冷却するための冷媒を供給する回転ユニオンおよび入口/出口マニホールドが
図1に示されているが、回転台自体は、以下で更に記載するように、
図1には部分的にしか示されていない。
【0018】
[0021]
図1の例では、低温冷凍機コールドヘッド109(CHI、CH2、CH3、およびCH4とも標示される)は、真空断熱されておりかつ熱シールド103を備えるクライオスタット102内に位置付けられるか、またはその一部として提供される。クライオスタット102に設置された低温冷凍機コールドヘッドは、描かれている閉ループ回路内を循環するヘリウムを冷却する役割を果たす。
図1の例では、低温冷凍機コールドヘッドは、低温冷凍機コールドヘッドを駆動する室温圧縮機(Cl、C2、C3、およびC4と標示される)と接続されている。
図1に示す回路は、例えば圧縮ガス供給源であり得る供給源101から、周囲温度であり得るガスを受け取り、ガスをループを通して導く。ループ内の循環は、クライオスタット102内に設置された低温送風機(例えばクライオファン)104によって行われる。回路内のガスは、コールドヘッド109によって冷却され、冷却されたガスおよび/または冷却の結果生成された低温の液体(以下「冷媒」)は、回転ユニオン105を通して、回転台(システムの固定部分と回転部分との間の境界を示す垂直破線108の右側)内へと供給され得る。入口マニホールド106は冷媒を磁石(
図1には図示せず)に供給する。ロータから戻る冷媒は、出口マニホールド107を通して送られ、回転ユニオン105を通って戻り、閉ループの冷却ステーションへと戻る。その結果、冷媒はコールドヘッドによって冷却され、ロータ内の磁石を冷却し、クライオファンまで戻り、その後コールドヘッドに戻る、等によって、このシステム内を循環することができる。
【0019】
[0022]コールドヘッドCHI、CH2、CH3、およびCH4の各々は、回路内の冷媒流に冷却を提供するための熱交換器(ぎざぎざの線で描かれている)に連結されている。熱交換器を通る冷媒流は、
図1の例に示すように、直列で、並列で、または直列と並列の両方で、循環することができる。つまり、
図1の例では、ある流路が直列のCHIとCH2を通過し、並列の流路が直列のCH3とCH4を通過する。冷却システムには任意の数のコールドヘッドが含まれてもよいこと、および、4つのコールドヘッドが単に例として示されていることが諒解されよう。
【0020】
[0023]いくつかの実施形態では、コールドヘッドのうちの1つまたは複数は、回路内のガス流の温度を制御するように構成されたヒータを含み得るか、または他の様式でヒータに連結され得る。風力発電機中の磁石の初期冷却中、磁石の温度を制限して、磁石および関連構造体(例えば磁石ハウジング)の差分温度および熱応力を管理することが有益であり得る。例えば、ヒータは、約120Kへの初期冷却中の磁石温度と冷却回路温度との間の温度差を50K未満に制限するように運転され得るが、120K未満では磁石はより自由に冷却され得る。
【0021】
[0024]いくつかの実施形態では、
図1に示す回路内の冷媒流は、10~30バールの間の圧力を有し得る、または15~25バールの間の圧力を有し得る、または20バール(または約20バール)の圧力を有し得る。いくつかの実施形態では、
図1に示す回路内の冷媒流は、10K~30Kの間の動作温度で、または15K~25Kの間の温度で、または20K(もしくは約20K)の温度で循環され得る。
【0022】
[0025]上記したように、クライオスタット内に設置されたクライオファン104は、
図1に描かれた冷却回路の周囲での冷媒循環を実現する。いくつかの実施形態では、冷却回路は高圧ボンベを備える供給源101からの高純度ヘリウムガスで満たされ、高純度ヘリウムガスはクライオファン104によって回路の周囲で循環される。いくつかの実施形態によれば、各コールドヘッド109は室温冷媒圧縮機に連結されてもよく、例えば、可撓性のホースでクライオスタット蓋に配置されたコールドヘッドモータと接続されてもよい。循環する冷媒流を冷却するための機器の一部または全部が、風力タービンのナセルのプラットフォーム上など風力タービンの固定部分に設置され得るか、または、風力タービンのナセルのプラットフォームにその他の様式で連結され得る。
【0023】
[0026]いくつかの実施形態によれば、クライオスタット102は、外部冷却回路を用いずにその冷却特性の試験を可能にするためのバイパス弁を備え得る。いくつかの実施形態では、クライオスタット102は、クライオスタットの外部の互いに接近した入口および出口の低温の管を辿りそれらを相互真空ジャケット付き配管(VJL)内に設置できるようにするための、回路の供給弁および/または戻り弁を含んでもよく、このことにより、冷媒流に対する熱負荷を低減し得る。
【0024】
[0027]いくつかの実施形態によれば、クライオスタット熱シールド103は、回路の温度と室温との間の温度に冷却され得る。例えば、熱シールドは約80Kに冷却され得るが、回路は約20Kである。いくつかの実施形態では、熱シールドは、小容量のパルス管低温冷凍機、例えば、空冷式圧縮機を備え80Kで90Wの容量を有する、Cryomech社製のパルス管PT90によって冷却され得る。熱シールドを冷却するために別個の低温冷凍機を使用することで、風力タービンのナセルに設置されたクライオスタットの放射シールドを冷却するために、液体窒素を使用する必要がなくなる場合がある。
【0025】
[0028]
図2A~
図2Bは、いくつかの実施形態による、冷却システムの回転台用の冷却方式を示す。冷却システムの回転台は風力タービンのロータの内部に配置されてもよく、ロータはステーター内に収容され得る。
図2Aは、回転台用の冷却方式および例示的なロータ超電導磁石205の側面図を示し、
図2Bは、回転台における冷却方式をロータ磁石のうちのいくつかとともに示す正面図を示す。
図2Aおよび
図2Bの各々において、ヘリウムの入口マニホールド201および出口マニホールド202がそれぞれ示されており、これらはそれぞれ、
図1に示されている入口マニホールド106および出口マニホールド107に相当し得る。明晰にするために、入口マニホールドから出口マニホールドまでの単一の循環ループのみが示されているが、一般には、以下に更に記載するように、いくつかのこのようなループが含まれていてもよい。
【0026】
[0029]
図2Bに示すように、入口マニホールド201から流れる冷媒は、(本明細書では「流路」と呼ばれる場合もある)全体として207で示される冷却流路(例えば、任意の望ましいまたは都合のよい断面形状を有する管)の中をロータに向かって流れ、その後出口202に戻る。この例示の実施形態では、冷媒は、放射状流路中を中心領域(例えば、ロータ軸に近接した領域)から外向きに、ロータの周縁部の一部の周囲を流れ、出口マニホールド202へと戻る。この経路は
図2Aに示されており、この図では、熱伝導性材料から形成され得るかまたはこれを含み得る冷却プレート203に、流路207が熱的に結合されていることが見て取れる。この例示の実施形態では、超電導磁石205の背後に流路207が配置されて、1つまたは複数の磁石と熱的に接触している冷却プレート203(例えば、銅プレートまたはアルミニウムプレート)を冷却するようになっている。流路と冷却プレートとの間の冷却は
図2Bに示す熱伝導性の可撓性構造体206を介して達成することができ、これら構造体は各々が流路の周縁区域に隣り合って配置される。複数の冷却ループ(
図2Bに示す流路207a、207b、207cによって形成されるループなど)が設けられてもよく、各冷却ループは、熱的に結合された可撓性構造体および冷却プレートを介して、1つまたは複数の超電導体磁石に冷却を提供する。流路部分207a、207cは、入口マニホールド201および出口マニホールド202が配設されている実質的に中央にあるロータ領域から、ロータおよびHTS磁石205に向かって実質的に放射方向に方向付けられ、流路部分207bは、実質的に周縁経路に沿って方向付けられていることに留意されたい。
【0027】
[0030]いくつかの実施形態によれば、構造体206は熱伝導性の(例えば金属製の)放射方向の管から形成されてもよく、このとき管の周縁部分は冷却プレート203に熱的に結合される(例えば、はんだ付けなどによって取り付けられる)。いくつかの実施形態によれば、可撓性構造体206のうちの1つまたは複数が、冷媒流路の外径部におよび冷却プレート203に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、構造体206は、磁石と冷媒流路との間の空間を膨張または収縮させることのできる、金属製の調整板として形成され得る。この構成により、構造体の屈曲部および接合部をなくすことで、改善された熱的接続が提供され得る。放射方向の管の可撓性は蛇腹構造によっておよび/または管の屈曲によって提供することができる。後者の場合、屈曲によって磁石の冷却および加熱中の磁石の移動を可能にすることができ、このことにより、管-磁石構造体の熱収縮/膨張の差に起因する高い応力が回避される。いくつかの実施形態によれば、可撓性構造体206のうちの1つは、複数の磁石コイル(例えば5つのコイル)を冷却することができる。これらのコイルは、共通の冷却プレートに連結されていてもよいし、可撓性構造体が接続されている複数の冷却プレートに連結されていてもよい。
【0028】
[0031]いくつかの実施形態によれば、冷媒流路は、真空熱容器204に入るときに、密閉断熱された熱フィードスルーの中を通ることができる。したがって、冷却プレート203、HTS磁石205、熱伝導性の可撓性構造体206、および冷却流路部分207bは、真空熱容器204内に配設され得る。
【0029】
[0032]場合によっては、冷媒流路のうちの1つまたは複数が、冷却プレートの位置の近くで曲げられていてもよい。場合によっては、冷媒流路は放射方向に曲げられ、ロータ軸近くに位置する出口マニホールドに到達していてもよい。ある設計では、ロータ磁石は、全ての磁石の直列および並列の冷却を提供するために、60個の磁石コイルと、12個の並列の入口管および出口管とを備えてもよい。放射状に走る入口流路および出口流路の数を変えることで、冷却方式を変化させることができる。例えば、近傍にある2つの磁石コイルに対して単一の放射方向入口チューブを設け、2つの放射方向出口管でガスを出口マニホールドに戻してもよい。
【0030】
[0033]いくつかの実施形態によれば、ロータの外部および内部の冷媒流路、ならびに/または、入口マニホールド201および出口マニホールド202は、真空ジャケット(VJL)内に設置されて、断熱を提供し得る。冷媒流路および/またはマニホールドは、多層断熱材(MLI)によって包まれていてもよく、真空の保持を改善するためのゲッタ(例えば、炭ゲッタ)を含んでもよい。場合によっては、例えば、低温ヘリウム移送用のVJLは、工場での真空引き後、断熱真空の著しい劣化を生じず、また再度真空引きを行う必要なく、何年も稼働し得る。場合によっては、真空容器は、真空引きの必要なく設計上の真空での稼働を長くするための、ゲッタを含んでもよい。
【0031】
[0034]コイル銅冷却プレートだけに低温ガス(例えばヘリウム)が適用される上記した冷却システムは、磁石の周囲の熱真空エンベロープ(容器)が高めの温度、例えば70~80Kに維持された熱シールドを有する設計を提供し得る。比較的軽量のエンベロープが磁石支持体に吊架されるが、このエンベロープは必要な熱抵抗と磁石温度に対する差分温度とを提供する。
【0032】
[0035]いくつかの実施形態では、磁石205に電流を供給する電流リードによる冷却システムへの熱負荷は、区間温度300~70Kにはハイブリッド型の電流リード、例えば、銅抵抗電流リードを、70~20Kの温度にはHTS電流リードを使用することによって、低減させることができる。冷却コイルのヘリウム流からの部分排気を使用して、銅電流リード線を約70Kまで冷却し、低熱負荷のHTS電流リードの機能を実現することができる。
【0033】
[0036]
図3は、いくつかの実施形態による、冷却システム構成要素を除いたロータ内の磁石コイルの図を示す。コイル内の磁石の形状を説明するために、
図3には磁石のループ305が示されている。磁石の各々は、REBCO(例えばYBCO)などの高温超電導体(HTS)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石305の各々は、ループ状に巻かれたHTSテープの積層体を備え得る。いくつかの実施形態では、磁石305はダブルパンケーキコイルを備えてもよい。いくつかの実施形態では、磁石は非絶縁HTS磁石であってもよい。
【0034】
[0037]いくつかの実施形態によれば、磁石305の各々は、レーストラック螺旋として1回または複数回の巻きへと巻かれたHTSの積層体を1つまたは複数備え得る。磁石がHTSの積層体を複数備える場合、積層体の各々は、鋼などの従来の(非超電導)導体によって分離され得る。クエンチ中、鋼は磁石の巻き同士の間で電流が流れることを可能にし、以って電流を散逸させてHTSへのダメージを軽減することができる。
【0035】
[0038]本発明の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様をこのように説明してきたが、当業者には、様々な変更、修正、および改善が容易に想到することが諒解されよう。
【0036】
[0039]このような変更、修正、および改善は、本開示の一部であることが意図されており、また本発明の精神および範囲内にあることが意図されている。更に、本発明の利点が示されているが、本明細書に記載されている技術の全ての実施形態が、記載された全ての利点を含んでいるわけではないことを諒解されたい。いくつかの実施形態は、本明細書で有利であるとして記載されている特徴を実装しない場合があり、また場合によっては、更なる実施形態を実現するために、記載されている特徴のうちの1つまたは複数が実装される場合がある。したがって、上述の説明および図面は例示にすぎない。
【0037】
[0040]本発明の様々な態様は、単独で、組み合わせて、または上に記載されている実施形態には詳細に記載されていない様々な構成で使用することができ、したがってその適用は、上記の説明に記載されているかまたは図面に図示されている構成要素の詳細および構成に限定されない。例えば、一実施形態に記載されている態様が、他の実施形態に記載されている態様と任意の様式で組み合わされ得る。
【0038】
[0041]特許請求の範囲において、請求項要素を修飾するために「第1」、「第2」、「第3」等の序数詞を使用することそれ自体は、ある請求項要素の別の請求項要素に対する優先性、先行性、もしくは順序、またはある方法の行為が実行される時間的順序を意味するものではなく、単に、特定の名称を有するある請求項要素を(序数詞の使用以外は)同じ名称を有する別の請求項要素から区別するためのラベルとして、それら請求項要素を区別するために使用されている。
【0039】
[0042]「約(approximately)」および「約(about)」という用語は、ある実施形態では目標値の±20%以内、またある実施形態では目標値の±10%以内、またある実施形態では目標値の±5%以内、また更にある実施形態では目標値の±2%以内を意味するように使用され得る。「約(approximately)」および「約(about)」という用語は目標値を含み得る。「実質的に等しい」という用語は、ある実施形態では互いの±20%以内、またある実施形態では互いの±10%以内、またある実施形態では互いの±5%以内、また更にある実施形態では互いの±2%以内にある値を指すように使用され得る。
【0040】
[0043]「実質的に」という用語は、ある実施形態では比較尺度の±20%以内、またある実施形態では±10%以内、またある実施形態では±5%以内、また更にある実施形態では±2%以内にある値を指すように使用され得る。例えば、第2の方向に対して「実質的に」垂直である第1の方向は、いくつかの実施形態では第2の方向と90°の角度を成す状態から±20%以内、またいくつかの実施形態では第2の方向と90°の角度を成す状態から±10%以内、またいくつかの実施形態では第2の方向と90°の角度を成す状態から±5%以内、また更にいくつかの実施形態では第2の方向と90°の角度を成す状態から±2%以内である、第1の方向を指す場合がある。
【0041】
[0044]また、本明細書で使用される語法および専門用語は説明を目的としたものであり、限定を行うものとみなすべきではない。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、または「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、およびこれらの変形の使用は、その後に列挙される項目およびその等価物、ならびに追加の項目を包含することが意図されている。
【国際調査報告】