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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ヘアケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20240822BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240822BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240822BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/40
A61K8/49
A61K8/37
A61K8/92
A61Q5/02
A61Q5/00
A61K8/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024513200
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2022072798
(87)【国際公開番号】W WO2023030871
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/115834
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】21202433.5
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】アオ,ミンキ
(72)【発明者】
【氏名】レ,インイ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジェンロン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB332
4C083AC472
4C083AC511
4C083AC512
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD152
4C083BB05
4C083BB07
4C083BB13
4C083CC38
4C083DD27
4C083DD33
4C083DD44
4C083EE23
4C083EE28
(57)【要約】
i)両性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤を含むクレンジング界面活性剤と、ii)C4~C12の炭素鎖を有するヒドロキサム酸またはその塩と、iii)少なくとも1つの液体炭化水素油を含む油相と、iv)ピロクトン化合物と、を含み、該ヒドロキサム酸または塩と該液体炭化水素油との組合せの量と、該ピロクトン化合物の量との重量比が、1:1~8:1であり、該ヒドロキサム酸が、カプリルヒドロキサム酸である、ヘアケア組成物が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤を含むクレンジング界面活性剤と、
ii)C4~C12の炭素鎖を有するヒドロキサム酸またはその塩と、
iii)少なくとも1つの液体炭化水素油を含む油相と、
iv)ピロクトン化合物と、
を含み、
前記ヒドロキサム酸または塩と前記液体炭化水素油との組合せの量と、前記ピロクトン化合物の量との重量比が、1:1~8:1であり、前記ヒドロキサム酸が、カプリルヒドロキサム酸である、ヘアケア組成物。
【請求項2】
前記液体炭化水素油が、トリグリセリドおよび脂肪エステルからなる群から選択され、好ましくは、トリヘプタノイン、トリカプリリン、トリカプリン、トリウンデカノイン、トリリノレイン、トリオレイン、アーモンド油、ヤシ油、オリーブ油、パーム核油、ピーナッツ油、およびヒマワリ油からなる群から選択され、より好ましくは、ヤシ油およびヒマワリ油から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記液体炭化水素油が、ヤシ油またはヒマワリ油である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤が、エトキシル化度が3未満のエトキシル化アルキル硫酸塩、好ましくは、エトキシル化度が2未満のエトキシル化アルキル硫酸塩、より好ましくは、ラウレス硫酸ナトリウム(1EO)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ピロクトン化合物が、ピロクトンオラミンである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ピロクトン化合物を組成物全体の0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.2~3重量%の量で含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記液体炭化水素油を組成物全体の0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.1~2重量%の量で含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ヒドロキサム酸またはその塩を組成物全体の0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.1~2重量%の量で含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
組成物全体の3~35wt%、好ましくは5~25wt%、最も好ましくは7~16wt%の総クレンジング界面活性剤レベルを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
カチオン性ポリマーを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
シャンプーである、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
頭皮または毛髪を処理する非治療的方法であって、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物を前記頭皮または毛髪に適用することを含む、非治療的方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載のヘアケア組成物を個体の頭皮表面上に適用し、続いて前記表面を水ですすぐステップを含む、ピロクトン化合物を頭皮上に沈着させる方法。
【請求項14】
頭皮または毛髪上のフケの症状を予防または緩和するのに使用するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアケア組成物に関し、より詳細には、フケ防止剤を含むヘアケア組成物に関する。本発明はまた、特に頭皮への局所適用中のフケ防止剤の沈着を改善する方法に関する
【背景技術】
【0002】
ヘアケア組成物は、一般に、クレンジングもしくはコンディショニング効果またはこれら2つの組合せを提供する。そのような組成物は、典型的には、毛髪および頭皮を洗浄して望ましくない汚れ、粒子、および脂肪物質を取り除くのに一般に役立つ、1つ以上のクレンジング界面活性剤を含む。
【0003】
フケ制御は、ヘアクレンジングおよびケアの重要な側面である。フケ防止効果は、シャンプーおよびヘアコンディショナーを含むヘアケア組成物によって提供されてきた。フケは、世界中の多くの人々に影響を及ぼす問題である。この状態は、頭皮から死んだ皮膚細胞の塊が剥がれ落ちることによって現れる。これらは白色であり、審美的に不快な外観をもたらす。フケの原因となる因子は、マラセチア酵母(Malassezia yeast)の特定のメンバーである。これらに対抗するために、フケ防止製品には、抗真菌活性、例えばピロクトンオラミンなどのピロクトン化合物を有する特定のフケ防止剤が含まれている。これらのフケ防止剤は、マラセチア(Malassezia)を頭皮から除去し(または少なくともそのレベルを低下させ)、フケ状態に対して適度に効果的な処理を提供する。このような製品は、フケの原因を軽減しながら、ヘアクレンジングシャンプーまたはヘアコンディショナーとして機能する。
【0004】
ピロクトン化合物の一般的な問題は、洗いプロセス中の所望の表面上への活性物質の沈着が最小限であることである。所望の表面は、典型的には頭皮および/または毛髪である。例えば、ピロクトンオラミンなどのピロクトン化合物は、通常、ヘアケア組成物に含まれるクレンジング相の界面活性剤に可溶である。過剰なすすぎプロセス中、ピロクトンの大部分は、界面活性剤とともに洗い流されやすい。沈着不良は、低いフケ防止活性と相関関係があり、したがってフケの悪影響をほとんど軽減しない。今日までに、ヘアケア組成物中のピロクトンオラミンのレベルを増加させることによってこの欠点を相殺しようとする試みがなされている。このようなアプローチは、コストの増加、配合の潜在的な不安定性、および毛髪の感覚に対する潜在的な悪影響などの様々な問題を引き起こす。したがって、それは業界が好むアプローチではない。
【0005】
その結果、洗いプロセス中の頭皮および/または毛髪の表面上へのピロクトン化合物の沈着を改善する必要性が依然として残る。また、感覚、配合レオロジー、およびコンディショニング性能に対して悪影響を与えることなく、該表面上への沈着を改善するさらなる必要性も依然として残る。
【0006】
試験および定義
ヘアケア組成物
本明細書で使用される「ヘアケア組成物」は、哺乳類、特にヒトの毛髪および/または頭皮に局所適用するための組成物を含むことを意味する。そのような組成物は、一般に、リーブオンまたはリンスオフとして分類され得、外観、クレンジング、臭気制御、または一般の審美性も改善するために人体に適用される任意の製品を含む。本発明の組成物は、液体、ローション、クリーム、フォーム、スクラブ、ジェル、またはバーの形態であり得る。そのような組成物の非限定的な例には、リーブオンヘアローション、クリーム、およびリンスオフシャンプー、コンディショナー、シャワージェル、またはトイレットバーが含まれる。本発明の組成物は、好ましくはリンスオフ組成物であり、特に好ましくはシャンプーまたはコンディショナーであり、最も好ましくはシャンプーである。
【0007】
その他
実施例を除いて、または他に明示的に示されている場合を除いて、材料の量もしくは反応の条件、材料の物理的特性、および/または使用を示す本明細書中のすべての数字は、「約」という語によって修飾されていると理解されていてもよい。
【0008】
すべての量は、別段の指定がない限り、最終ヘアケア組成物の重量による。
【0009】
値の任意の範囲を指定する際に、任意の特定の上限値を任意の特定の下限値に関連付けることができることに留意されたい。
【0010】
疑義を回避するために、「備える(comprising)」の語は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「から構成される(composed of)」を意味するものではない。換言すれば、列挙されたステップまたは選択肢は、網羅的である必要はない。
【0011】
本明細書に見られる本発明の開示は、特許請求の範囲が複数の従属性または冗長性なしに見出され得るという事実にかかわらず、互いに複数従属するものとして特許請求の範囲に見られるすべての実施形態を網羅するとみなされるべきである。
【0012】
本発明の特定の態様(例えば、本発明の組成物)に関して特徴が開示されている場合、そのような開示は、しかるべき変更を加えた上で本発明の任意の他の態様(例えば、本発明の方法)にも適用されるとみなされるべきである。
【発明の概要】
【0013】
第1の態様において、本発明は、
i)両性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤を含むクレンジング界面活性剤と、
ii)C4~C12の炭素鎖を有するヒドロキサム酸またはその塩と、
iii)少なくとも1つの液体炭化水素油を含む油相と、
iv)ピロクトン化合物と、
を含み、
該ヒドロキサム酸または塩と該液体炭化水素油との組合せの量と、該ピロクトン化合物の量との重量比が、1:1~8:1であり、該ヒドロキサム酸が、カプリルヒドロキサム酸である、ヘアケア組成物を対象とする。
【0014】
第2の態様では、本発明は、頭皮または毛髪を処理する非治療的方法であって、第1の態様の組成物を頭皮または毛髪に適用するステップを含む、非治療的方法を対象とする。
【0015】
第3の態様では、本発明は、本発明の第1の態様のヘアケア組成物を個体の頭皮表面上に適用するステップを含む、ピロクトン化合物を頭皮上に沈着させる方法を対象とする。
【0016】
第4の態様では、本発明は、頭皮または毛髪上のフケの症状を予防または緩和するのに使用するための、第1の態様の組成物を対象とする。
【0017】
本発明の他のすべての態様は、以下の詳細な説明および実施例を考慮すると、より容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ピロクトン化合物
本発明で使用するためのピロクトン化合物には、ピロクトン酸、ピロクトン酸の第一級、第二級、および第三級オラミン塩(ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン塩など)、ならびにそれらの混合物、好ましくはピロクトン酸、ピロクトン酸の第一級オラミン塩(すなわち、Octopirox(登録商標)としても知られているピロクトンオラミン)、およびそれらの混合物が含まれる。最も好ましくは、ピロクトン化合物は、ピロクトンオラミンである。
【0019】
ピロクトンオラミンは、ヒドロキサム酸誘導体ピロクトンのオラミン塩である。これは、一般的に、商品名Octopirox(登録商標)のピロクトンエタノールアミンとして知られている。
【0020】
本発明によるピロクトンオラミンは、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリジノンと2-アミノエタノールとの1:1化合物であり、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4トリメチルペンチル)-2(1H)ピリジノンモノエタノールアミン塩とも呼ばれる。CAS番号は68890-66-4であり、化合物は以下の一般式(I)を有する。
【化1】
【0021】
ピロクトン化合物、特にピロクトンオラミンは、好ましくは組成物全体の重量の0.01~10重量%、より好ましくは組成物全体の0.1~5wt%、最も好ましくは0.2~3wt%で存在する。
【0022】
液体炭化水素油
本発明による組成物は、少なくとも1つの液体炭化水素油を含む油相を含む。好ましくは、液体炭化水素油は不揮発性炭化水素油である。油は、トリグリセリドおよび脂肪エステルからなる群から選択することができ、好ましくは、不揮発性油は、トリヘプタノイン、トリカプリリン、トリカプリン、トリウンデカノイン、トリリノレイン、トリオレイン、アーモンド油、ヤシ油、オリーブ油、パーム核油、ピーナッツ油、およびヒマワリ油からなる群から選択される。油は、ヤシ油またはヒマワリ油であることがより好ましい。
【0023】
好ましくは、組成物は、不揮発性炭化水素油を組成物全体の0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.1~2重量%の量で含む。
【0024】
C4~C12の炭素鎖を有するヒドロキサム酸またはその塩
ヒドロキサム酸は、官能基RC(O)N(OH)R’を有する有機化合物のクラスであり、RおよびR’は有機残基であり、COはカルボニル基である。
【0025】
本発明による組成物は、ブチロヒドロキサム酸、スクシニルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、ニコチニルヒドロキサム酸、カプリルヒドロキサム酸、またはラウロヒドロキサム酸などの、式R-CH2-CO-NHOH(式中、Rはアルキル基またはアルコキシフェニル基である)で表されるC4~C12の炭素鎖を有するヒドロキサム酸またはその塩を含む。本発明によるヒドロキサム酸は、カプリルヒドロキサム酸である。
【0026】
好ましくは、本発明の組成物は、C4~C12の炭素鎖を有するヒドロキサム酸またはその塩を、組成物全体の0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.1~2重量%の量で含む。
【0027】
理論に拘束されるものではないが、液体炭化水素油とヒドロキサム酸またはその塩との組合せは、界面活性剤ミセル中のピロクトン化合物の可溶化を減少させ得、これは、溶液中の利用可能なピロクトン化合物の量の増加をもたらし、次いで、適用時のより高い沈着に寄与すると考えられる。
【0028】
本発明によれば、炭化水素油とヒドロキサム酸またはその塩との組合せの量と、ピロクトン化合物の量との重量比は、1:1~8:1、好ましくは1:1~6:1、より好ましくは1:1~4.5:1、さらに好ましくは1:1~3:1、最も好ましくは1.5:1~2:1である。
【0029】
炭化水素油の量とピロクトン化合物の量との重量比は、1:2~3:1であることが好ましい。
【0030】
ヒドロキサム酸またはその塩の量と、ピロクトン化合物の量との重量比は、1:2~3:1であることが好ましい。
【0031】
クレンジング界面活性剤
本発明による組成物は、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤を含むクレンジング界面活性剤を含む。
【0032】
好適なアニオン性界面活性剤の非限定的な例は、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルカリールスルホン酸塩、アルカノイルイセチオン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、N-アルキルサルコシン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ならびにアルキルエーテルカルボン酸およびその塩、特にそれらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム、ならびにモノ-、ジ-、およびトリエタノールアミン塩である。アルキルおよびアシル基は、一般に、8~18個、好ましくは10~16個の炭素原子を含有し、不飽和であってもよい。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ならびにアルキルエーテルカルボン酸およびその塩は、1分子当たり1~20個のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位を含有し得る。本発明の組成物に使用するための典型的なアニオン性界面活性剤には、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸、N-ラウリルサルコシン酸ナトリウム、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0033】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩およびアルキルエーテル硫酸塩である。好ましいアルキル硫酸塩は、C8~18alky硫酸塩、より好ましくはC12~18アルキル硫酸塩であり、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウム、または置換アンモニウムなどの可溶化カチオンを有する塩の形態である。例は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。アニオン性界面活性剤は、アルキルエーテル硫酸塩であることが特に好ましい。好ましいアルキルエーテル硫酸塩は、式:RO(CHCHO)SO-3Mを有するものであり、式中、Rは、8~18個(好ましくは12~18個)の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、nは、少なくとも0.5よりも大きい、好ましくは1~3、より好ましくは1~2の平均値を有する数であり、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、または置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである。一例は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)である。好ましいアルキルエーテル硫酸塩は、0.5~3、好ましくは1~3、より好ましくは1~2の平均エトキシル化度を有するラウリルエーテル硫酸ナトリウムである。
【0034】
アニオン性界面活性剤は、3未満のエトキシル化度のエトキシル化アルキル硫酸塩、好ましくは2未満のエトキシル化度のエトキシル化アルキル硫酸塩、より好ましくはラウレス硫酸ナトリウム(1EO)であることが好ましい。
【0035】
アニオン性界面活性剤は、典型的には、本発明のヘアケア組成物中に、ヘアケア組成物の0.5~20重量%、より好ましくは2~16重量%、最も好ましくは3~16重量%のレベルで存在する。
【0036】
好適な両性界面活性剤の例には、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルアンホ酢酸塩、アルキルアンホプロピオン酸塩、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタインが含まれ、ここで、アルキル基は8~19個の炭素原子を有する。
【0037】
好ましくは、両性界面活性剤はベタイン界面活性剤である。ベタイン界面活性剤は、アルキルアミドプロピルベタインのうちの1つであることが好ましい。コカミドプロピルベタイン(CAPB)が特に好ましい。
【0038】
好ましい実施形態では、組成物は、組成物全体の重量の0.1~10wt.%、好ましくは0.5~8wt.%、より好ましくは1~5wt.%の両性界面活性剤を含む。
【0039】
アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との比が、10:1未満、好ましくは2:1~10:1、より好ましくは3:1~9:1である、エトキシル化アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との比。
【0040】
本発明で使用するためのシャンプー組成物中のクレンジング界面活性剤の総量は、一般に、組成物全体の3~35wt%、好ましくは5~25wt%、最も好ましくは7~16wt%である。
【0041】
ヘアケア組成物
本発明によるヘアケア組成物は、水性の化粧品として許容される担体を含む。
【0042】
好ましい実施形態では、ヘアケア組成物はシャンプー、特にリンスオフシャンプーである。本発明で使用するためのシャンプー組成物は、一般に水性であり、すなわち、主な成分として水または水溶液またはリオトロピック液晶相を有する。好適には、シャンプー組成物は、組成物の総重量に基づいて50~98重量%、好ましくは60~92重量%の水を含むこととなる。このような組成物は、水性塩基を有すると言及される。
【0043】
好ましくは、本発明による組成物はカチオン性ポリマーを含む。
【0044】
組成物はまた、30万~250万ダルトンの分子量および0.05~0.4のカチオン置換度を有するカチオン性修飾グアーポリマーを含み得る。
【0045】
カチオン性修飾グアーポリマーは、100万~230万ダルトン、より好ましくは100万~150万ダルトンの分子量を有することが好ましい。
【0046】
カチオン性グアーポリマーは、0.1~0.3、より好ましくは0.16~0.2のカチオン置換度を有することが好ましい。
【0047】
カチオン性修飾グアーポリマーは、100万~150万ダルトンの分子量および0.16~0.20のカチオン置換度(DS)を有することが最も好ましい。このDS値は、0.85~1.05の電荷密度に相当する。
【0048】
カチオン性グアーポリマーは、好ましくはグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。グアーポリマーは、主にガラクトマンナンポリマー鎖を含有する。このポリマーは、グアーがどの程度加水分解およびカチオン化されているかに応じて、様々な分子量およびカチオン置換度で利用可能である。
【0049】
一般に、カチオン性多糖ポリマーの場合、非修飾モノマー糖環単位のヒドロキシル基がカチオン置換のための部位である。置換度(DS)は、ほとんどの多糖の単量体糖単位が置換に利用可能なヒドロキシル基を平均3個有するという事実のために、典型的には0~3の範囲である。DSに加えて、ポリマー上のカチオン電荷をカチオン電荷密度として定量化することもできる。DSは、これまで様々な方法によって決定されている。例えば、ポリマーのカチオン電荷密度は、いくつかの場合、窒素測定のための化学的試験下で米国薬局方に記載されているケルダール法によって測定された窒素含有量に基づいて計算されており、グラム当たりのミリ当量(meq)で表される。しかしながら、本発明におけるポリマーのカチオン電荷密度は、重水(D2O)と塩化重水素(DCl)との混合物の溶媒中で1H NMRによって測定された置換度から計算される。
【0050】
多くの場合、1H NMR測定から得られたDSは、2つの方法が異なる因子の影響を受けるという事実のために、ケルダール法から得られたDSと比較するのに適さない場合がある。
【0051】
利用可能なグアーの分子量の広いスペクトルにおいて、本発明で使用するためのカチオン性グアーは、「中程度の」分子量とみなされる分子量を有する。広範囲の電荷密度において、本発明で使用するための上記範囲は「中程度の」範囲とみなされる。カチオン性修飾グアー沈着ポリマーは、組成物の、好ましくは0.001~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%、0.04~0.5重量%、より好ましくは0.08~0.25重量%の量で存在する。
【0052】
本発明の組成物は、コポリマーアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドを含み得る。好ましくは、コポリマーは、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドに加えてアクリルアミドも含む。特に好ましいコポリマーは、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーである。
【0053】
本発明によるコポリマーは、好ましくは1.0~3.0meq/グラム(meq/g)、より好ましくは1.1~2.5meq/g、さらにより好ましくは1.2~2.5meq/g、最も好ましくは1.3~2.5meq/gの電荷密度を有する。コポリマーは、好ましくは100,000~3,000,000グラム/モル(g/mol)、より好ましくは500,000~2,800,000g/mol、さらにより好ましくは800,000~2,500,000g/mol、最も好ましくは1,000,000~2,500,000g/molの分子量を有する。好適なコポリマーの一例は、商品名N-Hance SP-100(登録商標)でAshlandから市販されている。N-Hance SP-100(登録商標)は、1.8~2.2meq/gの電荷密度および1,800,000~2,200,000g/molの分子量を有する。
【0054】
本発明のヘアケア組成物は、典型的には、ヘアケア組成物の総重量に基づいて0.001~2%、より好ましくは0.01~1%、さらにより好ましくは0.01~0.8%、最も好ましくは0.05~0.5%の、その中に包有されるすべての範囲を含む量でコポリマーを含み得る。
【0055】
コポリマーに加えて、ヘアケア組成物は、他のカチオン性ポリマーも含むことが好ましい。好適なカチオン性ポリマーは、ホモポリマーであってもよく、または2種類以上のモノマーから形成されてもよい。ポリマーの分子量は、一般に、5,000~10,000,000g/mol、典型的には少なくとも10,000g/mol、好ましくは100,000~2,000,000g/molとなる。ポリマーは、第四級アンモニウムもしくはプロトン化アミノ基、またはそれらの混合物などのカチオン性窒素含有基を有することとなる。カチオン性窒素含有基は、一般に、カチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部に置換基として存在することとなる。したがって、ポリマーがホモポリマーでない場合、それはスペーサ非カチオン性モノマー単位を含有することができる。カチオン性モノマー単位と非カチオン性モノマー単位との比は、必要な範囲のカチオン電荷密度を有するポリマーが得られるように選択される。
【0056】
好適なカチオン性ポリマーには、例えば、カチオン性アミンまたは第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトン、およびビニルピロリジンなどの水溶性スペーサモノマーとのコポリマーが含まれる。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくはC~Cアルキル基、より好ましくはC~Cアルキル基を有する。他の好適なスペーサには、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコール、およびエチレングリコールが含まれる。
【0057】
好ましくは、カチオン性ポリマーは、カチオン性グアー、カチオン性デンプン、およびカチオン性セルロースなどのカチオン性多糖ポリマーである。好適には、このようなカチオン性多糖ポリマーは、100,000g/mol~2,300,000g/mol、より好ましくは150,000g/mol~2,000,000g/molの分子量を有する。このようなカチオン性多糖ポリマーは、好ましくは0.1~4meq/gのカチオン電荷密度を有する。
【0058】
本発明の組成物に使用するのに適したカチオン性多糖ポリマーは、一般式:
A-O-[R-N(R)(R)(R)X
で表されるものを含み、式中、Aは、デンプンまたはセルロース無水グルコース残基などの無水グルコース残基である。Rは、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、もしくはヒドロキシアルキレン基、またはそれらの組合せである。R、R、およびRは、独立して、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、またはアルコキシアリール基を表し、各基は最大約18個の炭素原子を含有する。各カチオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R、R、およびRの炭素原子の合計)は、好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである。
【0059】
カチオン性セルロースは、業界(CTFA)でポリクオタニウム10と呼ばれる、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩として、Amerchol Corp.(米国ニュージャージー州エジソン)よりそれらのPolymer JR(商標)およびLR(商標)シリーズのポリマーの中から入手可能である。別の種類のカチオン性セルロースには、業界(CTFA)でポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四級アンモニウム塩が含まれる。これらの材料は、Polymer LM-200の商品名でAmerchol Corp.(米国ニュージャージー州エジソン)から入手可能である。
【0060】
他の好適なカチオン性多糖ポリマーには、第四級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許第3,962,418号明細書に記載されている)およびエーテル化セルロースとデンプンとのコポリマー(例えば、米国特許第3,958,581号明細書に記載されている)が含まれる。
【0061】
使用される場合、カチオン性ポリマーは、一般に、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、ヘアケア組成物の0.001~1重量%、より好ましくは0.01~0.5重量%、最も好ましくは0.03~0.3重量%の、その中に包有されるすべての範囲を含む量で本発明のヘアケア組成物中に存在する。
【0062】
ヘアケア組成物は、コンディショニング効果を提供するためのコンディショニング剤を追加的に含み得る。好ましくは、ヘアケア組成物は、15ミクロン未満、好ましくは10ミクロン未満、より好ましくは5ミクロン未満、最も好ましくは3ミクロン未満の平均液滴径(D3,2)を有する水不溶性コンディショニング剤の離散分散液滴を含む。水不溶性コンディショニング剤の平均液滴径(D3,2)は、例えばMalvern Instruments製の2600D Particle Sizerを使用して、レーザ光散乱技術によって測定され得る。
【0063】
水不溶性コンディショニング剤は、炭化水素油、脂肪エステル、およびそれらの混合物などの非シリコーン油性または脂肪性材料を含む非シリコーンコンディショニング剤を含み得る。好ましくは、水不溶性コンディショニング剤は乳化シリコーン油である。
【0064】
好適なシリコーンには、ポリジオルガノシロキサン、特にCTFA名ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが含まれる。また、本発明の組成物(特にシャンプーおよびコンディショナー)における使用に適しているのは、CTFA名ジメチコノールを有するヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンである。例えば国際公開第96/31188号に記載されているように、わずかな架橋度を有するシリコーンガムもまた、本発明の組成物に使用するのに適している。好ましくは、シリコーン油は、ジメチコン、ジメチコノール、またはそれらの混合物を含む。
【0065】
本発明のヘアケア組成物に使用するのに適した乳化シリコーンは、Dow CorningおよびGEシリコーンなどのシリコーンの供給業者から予め形成されたシリコーンエマルジョンとして入手可能である。このような予め形成されたシリコーンエマルジョンの使用は、シリコーン粒径の加工および制御を容易にするために好ましい。このような予め形成されたシリコーンエマルジョンは、典型的には、好適な乳化剤を追加的に含むこととなり、乳化重合などの化学的乳化プロセスによって、または高剪断ミキサを使用した機械的乳化によって調製され得る。好適な予め形成されたシリコーンエマルジョンの例には、DC1785、DC1788、DC7128が含まれ、すべてDow Corningから入手可能である。これらはジメチコノール/ジメチコンのエマルジョンである。
【0066】
使用され得るシリコーンの別のクラスは、少なくとも1つの第一級、第二級、もしくは第三級アミン基、または第四級アンモニウム基を含有するシリコーンを意味する、アミノ官能性シリコーンなどの官能化シリコーンである。好適なアミノ官能性シリコーンの例には、CTFA名「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが含まれる。
【0067】
水不溶性コンディショニング剤は、一般に、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、0.05~15%、好ましくは0.1~10%、より好ましくは0.5~8%、最も好ましくは1~5%の、その中に包有されるすべての範囲を含む量で本発明のヘアケア組成物中に存在する。
【0068】
好ましくは、本発明の組成物は、懸濁化剤をさらに含む。好適な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガム、および結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16~22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミド、およびそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは、組成物に真珠光沢を付与するため、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488、またはCarbopol 493として市販されている。多官能剤で架橋されたアクリル酸のポリマーもまた使用され得、これらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941、およびCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの好適なコポリマーの一例は、Carbopol 1342である。すべてのCarbopol(商標)材料は、Goodrichから入手可能である。
【0069】
アクリル酸とアクリレートエステルとの好適な架橋ポリマーは、Pemulen TR1またはPemulen TR2である。好適なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガムであり、例えばKelzan muとして入手可能なものである。
【0070】
上記懸濁化剤のうちのいずれかの混合物が使用されてもよい。アクリル酸と結晶性長鎖アシル誘導体との架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0071】
懸濁化剤は、一般に、本発明のヘアケア組成物中に、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、0.1~10%、より好ましくは0.2~6%、最も好ましくは0.3~4%の、その中に包含されるすべての範囲を含む量で存在する。
【0072】
また、潜在的に有害な微生物の増殖から保護するために、本発明のヘアケア組成物に防腐剤を組み込んでもよい。好適な従来の防腐剤には、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、および様々な第四級アンモニウム化合物が含まれる。本発明で使用され得る防腐剤の種類の例示的で非限定的な例には、例えば、フェノキシエタノール、サリチル酸ナトリウム、メチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、ジアゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリリルグリコール、EDTA二ナトリウム、またはそれらの混合物が含まれる。特に好ましい実施形態では、防腐剤は、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸ナトリウム、またはそれらの混合物である。防腐剤は、好ましくは、ヘアケア組成物の0.01~2重量%の範囲の量で採用される。
【0073】
本発明のヘアケア組成物は、物理的特性および性能を高めるために当技術分野で一般的な他の成分を含有してもよい。好適な成分には、芳香剤、染料および顔料、pH調整剤、真珠光沢剤または乳白剤、粘度調整剤、増粘剤、ならびに植物、果実抽出物、糖誘導体、およびアミノ酸などの天然毛髪栄養素が含まれるが、それらに限定されない。
【0074】
方法および使用
本発明は、第1の態様の組成物を頭皮または毛髪上に適用することを含む、頭皮または毛髪を処理する非治療的方法を提供する。この方法は、美容用である。
【0075】
本発明はまた、先行する請求項のいずれかに記載のヘアケア組成物を個体の頭皮表面上に適用し、続いて表面を水ですすぐステップを含む、フケ防止剤を頭皮上に沈着させる方法を提供する。フケ防止剤は、ピロクトン化合物、クリンバゾール、ケトコナゾール、およびそれらの混合物から選択される。フケ防止剤は、ピロクトンオラミンであるピロクトン化合物であることが好ましい。この方法は、本質的に非治療的である。好ましくは、この方法は美容用である。
【0076】
本発明はまた、頭皮または毛髪上のフケの症状を予防または緩和するのに使用するための第1の態様の組成物を提供する。
【0077】
本発明はまた、フケを軽減する方法で使用するための第1の態様の組成物を提供する。
【0078】
使用のモード
本発明の組成物は、主に、リンスオフまたはリーブオン組成物のいずれかで、好ましくはシャンプーのようなリンスオフ組成物で、個体の頭皮および/または毛髪の少なくとも一部分に局所適用することを意図している。
【0079】
組成物がシャンプーである場合、組成物は毛髪に局所的に適用され、次いで、毛髪および頭皮にマッサージされる。次に、シャンプーは、毛髪を乾燥させる前に水ですすがれる。
【0080】
本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明されるが、ここで引用されるすべての百分率は、別段の記載がない限り、総重量に基づく重量によるものである。
【0081】
実施例は、本発明を例示することを意図しており、本発明をそれらの実施例自体に限定することを意図するものではない。
【0082】
[実施例]
[実施例1]
この実施例は、ヤシ油とカプリルヒドロキサム酸との組合せが頭皮上へのピロクトンオラミンの沈着に作用し得ることを実証した。表1に詳述した配合による組成物が調製されている。すべての成分は、配合物全体の重量パーセントに対して、有効成分のレベルとして表されている。
【0083】
【表1】
【0084】
方法
約0.2グラムの試験サンプルを人工皮膚(IMS試験グループのVITRO-SKIN)上に採取した。これを水1.8mLで希釈し、プラスチック棒で30秒間擦り込んだ。次いで、人工皮膚表面を水で2回、最初に水4mLで30秒間、次に再び水4mLで30秒間すすいだ。皮膚(10.75cm/プレート)上のピロクトンオラミンの沈着を、HPLC法を用いて測定した。
【0085】
結果
(5つのこのような実験の)平均沈着量が表2にまとめられている。
【0086】
【表2】
【0087】
本発明の範囲内のサンプル1~5は、サンプルA~D(本発明の範囲外)と比較して、ピロクトンオラミンのより良好な沈着を示した。
【0088】
[実施例2]
この実施例は、ヒマワリ油とカプリルヒドロキサム酸との組合せが頭皮上へのピロクトンオラミンの沈着に作用し得ることを実証した。表3に詳述した配合による組成物が調製されている。すべての成分は、配合物全体の重量パーセントに対して、有効成分のレベルとして表されている。
【0089】
【表3】
【0090】
方法
実施例1で導入したものと同じ方法を使用する。
【0091】
結果
(5つのこのような実験の)平均沈着量が表4にまとめられている。
【0092】
【表4】
【0093】
本発明の範囲内のサンプル6~8は、サンプルE~F(本発明の範囲外)と比較して、ピロクトンオラミンのより良好な沈着を示した。
【0094】
[実施例3]
この実施例は、他の脂肪酸と比較して、頭皮上へのピロクトンオラミンの沈着に対するカプリルヒドロキサム酸の組合せの効果を実証する。表5に詳述した配合による組成物が調製されている。すべての成分は、配合物全体の重量パーセントに対して、有効成分のレベルとして表されている。
【0095】
【表5】
【0096】
方法
実施例1で導入したものと同じ沈着評価方法を使用する。
【0097】
結果
(5つのこのような実験の)平均沈着量が表6にまとめられている。
【0098】
【表6】
【0099】
本発明の範囲内のサンプル9は、サンプルG(本発明の範囲外)と比較して、ピロクトンオラミンのより良好な沈着を示した。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤を含むクレンジング界面活性剤と、
ii)組成物全体の0.01~10重量%のC4~C12の炭素鎖を有するヒドロキサム酸またはその塩と、
iii)組成物全体の0.01~10重量%の少なくとも1つの液体炭化水素油を含む油相と、
iv)ピロクトン化合物と、
を含み、
前記ヒドロキサム酸または塩と前記液体炭化水素油との組合せの量と、前記ピロクトン化合物の量との重量比が、1:1~8:1であり、
前記ヒドロキサム酸が、カプリルヒドロキサム酸である、ヘアケア組成物。
【請求項2】
前記液体炭化水素油が、トリグリセリドおよび脂肪エステルからなる群から選択され、好ましくは、トリヘプタノイン、トリカプリリン、トリカプリン、トリウンデカノイン、トリリノレイン、トリオレイン、アーモンド油、ヤシ油、オリーブ油、パーム核油、ピーナッツ油、およびヒマワリ油からなる群から選択され、より好ましくは、ヤシ油およびヒマワリ油から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記液体炭化水素油が、ヤシ油またはヒマワリ油である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤が、エトキシル化度が3未満のエトキシル化アルキル硫酸塩、好ましくは、エトキシル化度が2未満のエトキシル化アルキル硫酸塩、より好ましくは、ラウレス硫酸ナトリウム(1EO)である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記ピロクトン化合物が、ピロクトンオラミンである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項6】
ピロクトン化合物を組成物全体の0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.2~3重量%の量で含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項7】
前記液体炭化水素油を組成物全体の.1~5重量%、ましくは0.1~2重量%の量で含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項8】
前記ヒドロキサム酸またはその塩を組成物全体の.1~5重量%、ましくは0.1~2重量%の量で含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項9】
組成物全体の3~35wt%、好ましくは5~25wt%、最も好ましくは7~16wt%の総クレンジング界面活性剤レベルを含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項10】
カチオン性ポリマーを含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項11】
シャンプーである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項12】
頭皮または毛髪を処理する非治療的方法であって、請求項1または2に記載の組成物を前記頭皮または毛髪に適用することを含む、非治療的方法。
【請求項13】
請求項1または2に記載のヘアケア組成物を個体の頭皮表面上に適用し、続いて前記表面を水ですすぐステップを含む、ピロクトン化合物を頭皮上に沈着させる方法。
【請求項14】
頭皮または毛髪上のフケの症状を予防または緩和するのに使用するための、請求項1または2に記載の組成物。
【国際調査報告】