(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】積荷取扱デバイスの方向転換アセンブリのためのカム機構、並びに関連する方法及び使用
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513224
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2022073670
(87)【国際公開番号】W WO2023025882
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン、モンス・フレドリク・ヨナタン
(72)【発明者】
【氏名】ウェラン、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハニソン、ビルヘルム・カール
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022MM55
(57)【要約】
積荷取扱デバイス、積荷取扱デバイスのための方法、及び部品のキット。グリッドベースの保管システムのフレームワーク構造に積み重ねられた保管コンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスであって、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又は軌道の第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又は軌道の第1のセットに対して実質的に垂直に伸張する平行なレール又は軌道の第2のセットとを備え、ここで、グリッドは、コンテナが複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立材間に積み重ねられ、直立材によってガイドされるようにグリッドの下方に複数の垂直保管ロケーションを形成するように直立材のセットによって支持され、積荷取扱デバイスは、上部、下部、及び上部と下部との間の中間ハローを有する容積を規定するフレームを備える骨組と、車輪の第1のセットは骨組の下部に配置され、車輪の第2のセットは骨組の下部に配置され、車輪の第1のセットは、平行な軌道の第1のセットと係合するように配置され、車輪の第2のセットは、平行な軌道の第2のセットと係合するように配置され、車輪の第1及び第2のセットを平行な軌道と係合及び係合解除するために車輪の第1のセットを骨組に対して上昇又は下降させ、及び/又は車輪の第2のセットを骨組に対して下降又は上昇させるように配置された方向転換アセンブリとを備え、方向転換アセンブリは中間ハローと車輪の第1のセット及び/又は車輪の第2のセットとの間に位置し、ここで、方向転換アセンブリは、カム機構を備える。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッドベースの保管システムのフレームワーク構造に積み重ねられた保管コンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスであって、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又は軌道の第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又は軌道の第1のセットに対して実質的に垂直に伸張する平行なレール又は軌道の第2のセットとを備え、ここで、グリッドは、コンテナが複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立部材間に積み重ねられ、直立部材によってガイドされるようにグリッドの下方に複数の垂直保管ロケーションを形成するように直立部材のセットによって支持され、
前記積荷取扱デバイスは、上部、下部、及び前記上部と前記下部との間の中間ハローを有する容積を規定するフレームを備える骨組と、車輪の第1のセットは前記骨組の前記下部に配置され、車輪の第2のセットは前記骨組の前記下部に配置され、前記車輪の第1のセットは、前記平行な軌道の第1のセットと係合するように配置され、前記車輪の第2のセットは、前記平行な軌道の第2のセットと係合するように配置され、
前記車輪の第1及び第2のセットを前記平行な軌道と係合及び係合解除するために前記車輪の第1のセットを前記骨組に対して上昇又は下降させ、及び/又は前記車輪の第2のセットを前記骨組に対して下降又は上昇させるように配置された方向転換アセンブリとを備え、前記方向転換アセンブリは前記中間ハローと前記車輪の第1のセット及び/又は前記車輪の第2のセットとの間に位置し、ここで、方向転換アセンブリは、カム機構を備える、積荷取扱デバイス。
【請求項2】
前記カム機構は、一対の車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットをそれぞれ取り付けるための車輪シャーシに直接固定される、請求項1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項3】
固定ブレースが、垂直方向にのみ移動するように、骨組上の1つ以上の取付け具によって拘束される、請求項1又は2に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項4】
前記方向転換アセンブリは、前記車輪の第1のセットを前記骨組に対して上昇又は下降させ、同時に、前記車輪の第2のセットを前記骨組に対して下降又は上昇させるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項5】
前記カム機構は、トラベラーと固定ブレースとの間の係合手段を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項6】
前記カム機構は、シングルカム構成を備え、又は、前記カム機構は、ダブルカム構成を備え、又は、前記カム機構は、トリプルカム構成を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項7】
前記カム機構は、前記中間ハローとそれぞれの車輪対との間の単一の垂直面に配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項8】
前記方向転換アセンブリは、単一のモータによって動作されるか、又は、前記方向転換アセンブリは、2つ以上のモータによって動作される、請求項1から7のいずれか1項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項9】
前記車輪の第1のセット及び前記車輪の第2のセットのそれぞれの対は、駆動ベルトによって駆動され、前記カム機構は、前記駆動ベルトの経路によって規定される領域内に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項10】
前記車輪の第1のセット及び前記車輪の第2のセットの平行トラックとの係合を決定するための感知手段をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項11】
前記方向転換アセンブリの誤動作又は故障を決定するための感知手段を更に備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項12】
前記カム機構の少なくとも一部は、3D印刷され、及び/又は、前記カム機構の少なくとも一部は、実質的に位相的に最適化される、請求項1から11のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項13】
前記積荷取扱デバイスは、前記容積内にコンテナを持ち上げるために、前記骨組の前記上部によって支持されたリフトデバイスをさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスの、軌道との車輪のセットの係合を変更する方法であって、前記積荷取扱デバイスは、軌道を備えるグリッドフレームワーク(14)構造上で動作し、前記方法は、
前記方向転換アセンブリのトラベラーに第1の方向F
1に力を加えて、カム機構を第1の限界まで移動させるステップ、又は、
前記方向転換アセンブリの前記トラベラーに第2の方向F
2に力を加えて、前記カム機構を第2の限界まで移動させるステップを備える、方法。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスのモジュール式アセンブリのための部品のキットであって、前記キットは、
骨組、車輪の第1のセット、及び車輪の第2のセットと、ここで、前記骨組は、前記車輪の第1のセット及び前記車輪の第2のセットに取り付けられてもよく、
少なくとも1つのカム機構を備える少なくとも1つの方向転換アセンブリとを備え、各カム機構は、トラベラーと、固定ブレースと、フォロワと、カム経路とを有する、部品のキット。
【請求項16】
少なくとも2つのカム機構と、移送ベルトとをさらに備える、請求項15に記載の部品のキット。
【請求項17】
少なくとも1つの方向転換モータをさらに備える、請求項15又は16に記載の部品のキット。
【請求項18】
少なくとも1つの部品が3D印刷されている、請求項15から17のいずれか一項に記載の部品のキット。
【請求項19】
車輪のセット、駆動アセンブリ、グリッパアセンブリ、持ち上げアセンブリ、通信システム、及び/又はセンサ手段、のうちの少なくとも1つを更に備える、請求項15から18のいずれか一項に記載の部品のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向転換アセンブリのための装置に関する。排他的ではないが、より具体的には、本発明は、カム機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット積荷取扱デバイスは、英国特許出願番号第GB2520104A号(Ocado Innovation Limited)に記載されている。このような積荷取扱デバイスは、ビン又はコンテナのスタックの上にグリッドを形成する軌道システム上を制御可能に移動される。所定の積荷取扱デバイスが、スタックの最上部からターゲットコンテナを持ち上げ、ターゲットコンテナには、顧客注文を履行するために必要な在庫アイテムが入っている。積荷取扱デバイスは、x方向軌道及びy方向軌道にそれぞれ係合するための車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットを備える。x方向に移動するために、x方向車輪は軌道と係合され、一方y方向車輪は上昇される。同様に、y方向に移動させるために、y方向車輪は軌道と係合され、x方向車輪は上昇される。x方向移動とy方向移動との間の移行は、方向転換機構によって制御される。
【0003】
x方向車輪又はy方向車輪を選択的に係合させることによって、横方向における積荷取扱デバイスの横方向移動を可能にするための機構が、WO2017153583A1(Ocado Innovation Limited)に記載されている。
【0004】
方向転換機構は、頑丈で、信頼性があり、積荷取扱デバイス及びターゲットコンテナの重量を支持することができ、繰り返しの使用に耐えることができることが必須である。
【0005】
本発明は、こうした背景に対して考案されたものである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の態様は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0007】
1つの目的は、軽量の積荷取扱デバイスを提供することである。別の目的は、低コストの積荷取扱デバイスを提供することである。別の目的は、組み立てる及びメンテナンスするのが容易及び/又は安価であるモジュール式積荷取扱デバイスを提供することである。別の目的は、主にリサイクル可能な材料又は環境に優しい材料から作製される積荷取扱デバイスを提供することである。
【0008】
本発明の1つの態様では、グリッドベースの保管システムフレームワーク構造中に積み重ねられた保管コンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスが提供される。フレームワーク構造は、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又は軌道の第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又は軌道の第1のセットに対して実質的に垂直に伸張する平行なレール又は軌道の第2のセットとを備え、ここで、グリッドは、コンテナが複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立部材間に積み重ねられ、直立部材によってガイドされるようにグリッドの下方に複数の垂直保管ロケーションを形成するように直立部材のセットによって支持され、積荷取扱デバイスは、上部、下部、及び上部と下部との間の中間ハロー(middle halo)を有する容積を規定するフレームを備える骨組(skeleton)と、車輪の第1のセットは骨組の下部に配置され、車輪の第2のセットは骨組の下部に配置され、車輪の第1のセットは、平行な軌道の第1のセットと係合するように配置され、車輪の第2のセットは、平行な軌道の第2のセットと係合するように配置され、車輪の第1及び第2のセットを平行な軌道と係合及び係合解除するために車輪の第1のセットを骨組に対して上昇又は下降させ、及び/又は車輪の第2のセットを骨組に対して下降又は上昇させるように配置された方向転換アセンブリとを備え、方向転換アセンブリは中間ハローと車輪の第1のセット及び/又は車輪の第2のセットとの間に位置し、ここで、方向転換アセンブリは、カム機構を備える。
【0009】
保管システムは、自動又は半自動の保管及び取り出しシステムであってもよい。グリッドベースの保管システムフレームワーク構造は、高密度立方保管システムであってもよい。
【0010】
積荷取扱デバイス、又はボットは、グリッド上で動作する自律型又は半自律型デバイスであってもよい。
【0011】
積荷取扱デバイス上で、車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットは、互いに対して独立して駆動可能であってもよい。積荷取扱デバイスが駆動されているとき、車輪の1つのセットのみがグリッドと係合され、それによって、軌道と係合された車輪のセットのみを駆動することによって、駆動上の任意の点への軌道に沿った積荷取扱デバイスの移動を可能にする。方向転換アセンブリは、軌道と係合する車輪の選択を可能にする。
【0012】
車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットの軌道との係合及び係合解除は、当該車輪のセットの垂直移動を必要とし、一方、他方の車輪のセットは、積荷取扱デバイスを支持することが理解されるであろう。
【0013】
骨組は、積荷取扱デバイスの本体であると考えられてもよく、実質的にクラッディング又は側面を有さないものであってもよい。便宜上、上部がバッテリ、通信、制御システム、及びモータ等の構成要素を支持又は収納するために使用されてもよく、下部が主に駆動システムのために使用されてもよく、コンテナを受容するための実質的に空の空間であってもよい、部品内の骨組を考慮することが有用であるかもしれない。中間ハローは、下部と上部とを接続し、骨組にさらなる剛性を提供することができる。
【0014】
方向転換アセンブリを考慮すると、一般に、カム又はリニアカムは、線形入力を異なる運動に変換するための単純な機構である。カム輪郭は、1つ以上の縁部又は表面上に形成されてもよく、スロット、溝、又は表面形状を備えてもよい。したがって、カムは、垂直要素及び水平要素を備えることによって、水平運動を垂直運動に変換するように配置されてもよい。
【0015】
カム機構は、選択された車輪のセットと軌道との間の確実な係合を可能にすることができる。
【0016】
カム機構の輪郭は、不連続性を有していなくてもよく、例えば、カム輪郭は、正弦曲線の加速プロファイルを提供するように成形されてもよい。このようにして、係合と係合解除との間の移行は、滑らかであるか、又はジャークがないものであってもよい。さらに、移行は、滑らかな力の入力を必要とする場合がある。
【0017】
中間のハローと車輪のセットとの間、すなわち、骨組の下部内の方向転換アセンブリの位置は、方向転換アセンブリから車輪への力の伝達が実質的に直接的であること、すなわち、少なくとも部分的に曲げモーメント及びトルクに起因する機械的損失をもたらす可能性が高い長いリンク機構がないことを意味することができる。
【0018】
カム経路又は輪郭は、車輪を軌道に係合させ、軌道から係合解除するために必要な垂直移動に直接関連することができることが理解されるであろう。したがって、カム機構に基づく方向転換アセンブリは、垂直方向にコンパクトであることができる。その結果、方向付け機構は、中間ハローを越えて垂直に伸張しないように位置決めされてもよく、中間ハローの垂直高さよりも実質的に短くてもよい。これにより、積荷取扱デバイスの他の構成要素を位置決めする際のより高い柔軟性が可能になる。例えば、方向転換アセンブリの高さの低減は、中間ハローが広げられることを可能にし、それによって、骨組の全体的な剛性を増加させることができる。さらに、高さの低減は、積荷取扱デバイスの質量中心を可能な限り低く保つことを可能にし、それによって、特にグリッド上で動作するときに、積荷取扱デバイスの安定性を改善することができる。
【0019】
水平に鏡映されたカム輪郭は、積荷取扱デバイスのx方向側と比較して、積荷取扱デバイスのy方向側に必要とされてもよいことが理解されるであろう。
【0020】
カムは比較的単純な機械デバイスであるので、方向転換アセンブリに必要な部品の数を最小限に抑えることができることが理解されるであろう。より少ない部品で、有利には、方向転換アセンブリは、改善された公差を有することができる。一般に、部品の数が増えるにつれて、部品をより正確に製造して、それらが確実に互いに嵌合するようにするか、又はアセンブリの全体的な公差が許容できなくならないようにする必要があることが理解されよう。
【0021】
カム機構は、トラベラーと、固定ブレースと、カムと、フォロワとを備え、トラベラーは、加えられた水平力の下で固定ブレースに対して移動するように配置され、フォロワは、トラベラーの移動を垂直移動に変換するためにカムと係合可能である。
【0022】
これらはカム機構の典型的な構成要素であってもよいことが理解されるであろう。
【0023】
フォロワは固定ブレースに取り付けられ、カムはトラベラーに接続されてもよく、又はフォロワはトラベラーに取り付けられ、カムは固定ブレースに接続されてもよい。
【0024】
いずれの構成も、水平運動から垂直運動への同等の伝達をもたらすことができることが理解されるであろう。垂直に鏡映されたカム輪郭は、どの配置が選択されるかに応じて必要とされてもよいことが理解されるであろう。
【0025】
固定ブレースは、一対の車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットをそれぞれ取り付けるための車輪シャーシを備えてもよい。
【0026】
車輪は、方向転換アセンブリに直接又は実質的に直接固定されてもよい。このようにして、追加の構成要素は必要とされず、方向転換アセンブリと車輪との間の機械的損失を最小限に抑えることができる。
【0027】
固定ブレースは、垂直方向にのみ移動するように、1つ以上の取付具によって骨組に拘束されてもよい。
【0028】
このようにして、カム機構及び/又は車輪シャーシの面外垂直運動が防止され、実質的に全ての水平入力が、車輪を係合及び係合解除するための垂直運動への変換のために使用されることを確実にできる。
【0029】
カムは、リニアカムであってもよい。カムはスロットを備えてもよく、又はカムは表面を備えてもよい。
【0030】
線形タイプのカムは、表面などの単一の縁部に追従するように配置されてもよく、又はフォロワは、スロットなどの2つの縁部の間に拘束されてもよいことが理解されるであろう。
【0031】
スロット構成は、フォロワが順方向及び逆方向の両方においてカム輪郭に追従し続けることを確実にするという利点を有してもよい。
【0032】
フォロワは、カバーによって支持されたローラ又はスライダを備えてもよい。
【0033】
摺動カムの場合、フォロワは、自由度を持たない剛性の突起であってもよい。
フォロワとカムとの間の摩擦損失は、低摩擦材料の選択によって、又は潤滑剤を使用することによって低減されることができる。
【0034】
ローラ又は転動手段の場合、フォロワは軸受を備えてもよい。
【0035】
フォロワは、それぞれの側でカバーによって支持されてもよい。
【0036】
2つのカバーの間にフォロワを保持することにより、フォロワにわずかな圧縮力を加えることができることが理解されるであろう。これは、フォロワをカムと垂直に整列させておくのを助けることができる。
【0037】
カム機構は、単一のカム構成を備えてもよく、又はカム機構は、ダブルカム構成を備えてもよい。
【0038】
カム機構は、トラベラーと固定ブレースとの間に係合手段を備えてもよい。例えば、トラベラーは、固定ブレース又は車輪マウント上の対応する台座と係合する係合脚部を備えることができる。典型的には、足は、駆動位置にあるときに台座と係合するように配置される。足と台座との間の係合は、側部に増大した剛性を提供する。剛性の増加は、積荷取扱デバイスの安定性及び制御性を増加させることができる。このような構成は、単一カム構成において特に有用である。
【0039】
ダブルカム構成では、カム機構は、水平方向に離間して連結された2つのカム面と、トラベラー及び固定ブレース上の対応するフォロワとを備えてもよい。このように、一対の車輪の各々は、対応するカムを有してもよい。これは、一対の車輪が2点で昇降されるので、車輪ベース又はシャーシのより良好なバランス及び/又は支持を確実にするという利点を提供できる。これは、車輪ベースの回転を低減できることが理解されるであろう。
【0040】
カム機構は、トリプルカム構成を備えてもよい。
【0041】
任意の数のカム構成が、デバイスの側面にわたって提供されてもよいことが理解されるであろう。
【0042】
トリプルカム構成は、積荷取扱デバイスがより重く、車輪がより大きな荷重を支持する場合に有利である。負荷は、カムの各々にわたって分散されてもよいことが理解されるであろう。
【0043】
カム機構は、中間ハローとそれぞれの車輪対との間の単一の垂直面に配置されてもよい。
【0044】
トラベラー、固定ブレース、カム及びフォロワは、同一の垂直面内にあってもよいことが理解されるであろう。このようにして、カム機構は、構成要素の幅又は深さに必要な水平方向の空間のみを占有することができる。したがって、必要とされる水平空間を最小限にすることができ、その結果、骨組の空の容積を実質的に最大にすることができる。積荷取扱デバイスの水平利用可能空間を最大化することは、グリッドベースの保管システムにとって重要であり得、システムは、積荷取扱デバイスが実質的に単一のグリッド空間のみを占有して、グリッド上で動作する他の積荷取扱デバイスが隣接するグリッド空間を通過することを可能にし、それによってシステムの効率を最大化するように設計される。
【0045】
このようにして、カム機構は、実質的に、骨組構造の側面を備えてもよい。他の構成要素もまた、骨組の側面上に存在してもよいが、骨組は、実質的に開放したままであってもよいことが理解されるであろう。
【0046】
車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットのそれぞれの対は、駆動ベルトによって駆動されてもよく、カム機構は、駆動ベルトの経路によって規定される領域内に位置してもよい。
【0047】
このようにして、カム機構は、積荷取扱デバイスの他のシステムと実質的に噛み合い、交錯し、又は重なり合うことができる。この配置は、構成要素及びシステムのための骨組内の必要な容積を低減できることが理解されるであろう。
【0048】
カム機構は、さらに、トラベラーと固定ブレースとの間にばね手段を備えていてもよい。
【0049】
ばね手段は、固定ブレースを好ましい垂直位置に付勢するのを助けることができる。
例えば、ばね手段は、重力の影響に対してトラベラーと固定ブレースを一緒に付勢することができる。このような構成は、カムがスロットではなく単一の縁部又は表面を含む場合に特に有用であるかもしれない。このようにして、ばね手段は、フォロワがカム輪郭と実質的に係合したままであることを確実にすることができる。
【0050】
カム機構の第1の限界は、上昇車輪位置を規定してもよく、カム機構の第2の限界は、下降車輪位置を規定してもよい。
【0051】
カム輪郭は、第1の限界と第2の限界との間に伸張してもよいことが理解されるであろう。例えば、カム輪郭がスロットである場合、第1の限界はスロットの第1の端部であってもよく、第2の限界はスロットの遠位端であってもよい。片面の表面又は縁部の場合、カム輪郭は、突出部又は不連続部によって制限されてもよい。
【0052】
使用中、フォロワは、第1の限界と第2の限界との間で移動する自由を有してもよい。方向転換アセンブリの一部としてカム機構を使用する際に、第1の限界は、車輪上昇位置又は車輪上昇位置に対応してもよく、第2の限界は、車輪下降位置又は車輪下降位置に対応してもよい。上昇位置では、車輪は、軌道から係合解除されるか、又は離れていてもよく、下降位置では、車輪は、軌道と係合されてもよい。
【0053】
方向転換アセンブリは、車輪の第1のセットを上昇又は下降させ、それと同期して、車輪の第2のセットを骨組に対してそれぞれ下降又は上昇させるように構成されてもよい。
【0054】
積荷取扱デバイスがグリッド上でx方向又はy方向に移動するためには、軌道と係合する車輪の1セットのみを有することが必要であるかもしれない。したがって、車輪の第2のセットを下降させるのと実質的に同時に車輪の第1のセットを上昇させること、及びその逆が有利であるかもしれない。
【0055】
他の構成では、車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットの係合の間の移行の間中、積荷取扱デバイスが支持されることを確実にすることが有利であるかもしれない。このようにして、車輪の第1のセットから車輪の第2のセットに変更するとき、車輪の第1のセットは、下降位置に維持され、一方、第2の車輪のセットは下降される。車輪の第2のセットが軌道と係合すると、車輪の第1のセットが上昇する。したがって、ボットの重心は方向転換動作の間中維持され、方向転換モータは、運搬される荷物の重量に逆らって動作する必要がない。
【0056】
それぞれのカム機構は、車輪アップ構成と車輪ダウン構成との間で一斉に移動するように機械的に接続されてもよい。
【0057】
方向転換アセンブリは、積荷取扱デバイスの各側に配置された、各対の車輪のためのそれぞれのカム機構を備えてもよいことが理解されるだろう。それぞれのカム機構を機械的に連結することによって、車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットの垂直移動を実質的に調整することが可能であるかもしれない。さらに、垂直移動を単一の作動で操作することが可能であるかもしれない。
【0058】
機械的接続又はリンク機構は、ベルト又はチェーンであってもよい。ベルトは、実質的に骨組の周囲に沿って経路を定められ、それぞれのカム機構のトラベラーに取り付けられてもよい。このようにして、ベルトが回転又は駆動されると、トラベラーは一緒に移動して、カム機構に水平入力を提供する。ベルト装置は、比較的安価であり、比較的軽量であるかもしれない。
【0059】
別の構成では、機械的接続は、積荷取扱デバイスの各側に配置された親ねじであってもよい。各スクリューは、90度の傘歯車によって接続されてもよい。そのような配置は、ギアがスクリューのピッチによって提供されることができるので、ギアボックスなしで使用されてもよい。積荷取扱デバイスの対向する側部のねじは、同じ方向に作動するように配置することができ、又は対向する側部のねじは、反対方向に作動するように配置することができる。
【0060】
方向転換アセンブリは、単一のモータによって動作されてもよく、又は、方向転換アセンブリは、2つ以上のモータによって動作されてもよい。
【0061】
このようにして、単一のモータが、積荷取扱デバイスの移動の方向を変更するために使用されてもよい。モータは、例えば、ソレノイド、油圧手段、空気圧手段、サーボ手段、ソリッドステート作動手段等の、任意のアクティベーションの手段で置き換えられてもよいことが理解されよう。有利には、これは、積荷取扱デバイスの全体的なコスト及び重量を低減してもよい。
【0062】
2つ以上のモータが使用される場合、積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスの部分的な故障があったとしても、積荷取扱デバイスが動作し続けることができるように、何らかの冗長性を有してもよく、したがって、グリッド上の積荷取扱デバイスの操縦性の完全な故障を回避できる。有利には、よりロバストな方向転換機構が提供される。有利には、これは、個々の積荷取扱デバイス、並びに保管及び取り出しシステム全体のダウンタイムを低減する。
【0063】
積荷取扱デバイスは、車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットと平行な軌道との係合を決定する感知手段を更に備えることができる。
【0064】
したがって、方向転換アセンブリの適切な機能が検出されることができる。
【0065】
積荷取扱デバイスは、方向転換アセンブリの誤動作又は故障を決定するための感知手段を更に備えてもよい。
【0066】
方向転換アセンブリが故障した場合、単一の車輪のセットが軌道と係合している場合、積荷取扱デバイスは、回収及び修理のためにグリッドの縁部に移動することができる。積荷取扱デバイスが移動できない場合には、回復及び修理のための通信を保管システムの制御設備に通信することができる。
【0067】
カム機構の少なくとも一部は、3D印刷されてもよく、及び/又はカム機構の少なくとも一部は、実質的に位相的に最適化されてもよい。
【0068】
このようにして、より従来的な製造の形態では実現できない形、又は複雑な形状を実現することが可能になるかもしれない。有利には、カム機構は、オンデマンドで、又は部品が必要とされる場所の近くにある3D印刷設備で印刷されてもよく、それによって、部品をそれらが必要とされる場所に運ぶ際の物流コストを最小限に抑える。本明細書で言及される3D印刷は、より一般的には、積層造形と呼ばれることがあり、材料を1層ずつ積層して追加すること(layer on layer of addition)を伴うことが理解されよう。
【0069】
2種類以上の材料を含む部品を印刷することが可能である。このようにして、一部の領域は、滑り又は転がり効率のために低摩擦を有してもよく、一方、他の領域は、剛性及び強度のために選択された特性を有する材料を有してもよい。したがって、カム機構は、耐荷重性であってもよく、複雑な部品の一部を含んでもよい。例えば、カム機構及びシャーシ及び他の側面特徴部は、単一部品として印刷されてもよい。
【0070】
カム機構の2つ以上の部品を、複数の部品を有する単一の印刷として一緒に印刷することが可能であってもよい。このようにして、部品間の公差の欠陥を最小限に抑えることができる。
【0071】
カム機構は、実質的にトポロジ的に最適化されてもよい。このようにして、カム機構は、使用される材料、したがって質量の総量を低減するように最適化されてもよい。代替として、カム機構は、カム機構が動作温度範囲内で疲労限度より下で動作することを確実にするために、ある特定の応力限界内に留まるように最適化されてもよい。
【0072】
積荷取扱デバイスは、コンテナを容積内に持ち上げるために、骨組の上部によって支持されたリフトデバイスをさらに備えてもよい。
【0073】
したがって、積荷取扱デバイスは、保管コンテナを回収するために使用されてもよい。
【0074】
積荷取扱デバイスは、グリッド上の位置を感知するための手段を更に備えてもよい。積荷取扱デバイスは、保管コンテナを持ち上げるための手段を更に備えてもよい。積荷取扱デバイスは、持ち上げられた保管コンテナを、グリッド上の位置に運搬するための手段を更に備えてもよい。積荷取扱デバイスは、複数の保管コンテナを識別するための手段を更に備えてもよい。積荷取扱デバイスは、1つの保管コンテナを識別するための手段を更に備えてもよい。積荷取扱デバイスは、集中制御ユーティリティからの継続的な指示なしに、自律的に移動可能であってもよい。積荷取扱デバイスは、保管システムの制御下で遠隔操縦可能であってもよい。積荷取扱デバイスは、信号を集中制御ユーティリティに通信するための手段を更に備えてもよく、集中制御ユーティリティの制御下で移動可能であってもよい。積荷取扱デバイスは、方向転換アセンブリにパワーを供給するための手段を更に備えてもよい。積荷取扱デバイスは、駆動アセンブリを更に備えてもよい。積荷取扱デバイスは、ベルトにより駆動される車輪を有してもよい。積荷取扱デバイスは、識別手段を更に備えてもよい。
【0075】
別の態様では、先行する請求項に記載の積荷取扱デバイスの車輪のセットと軌道との係合を変更するための方法が提供され、ここで、積荷取扱デバイスは、軌道を備えるグリッドフレームワーク(14)構造上で動作する。この方法は、方向転換アセンブリのトラベラーに第1の方向F1に力を加えて、カム機構を第1の限界まで移動させるステップ、又は、方向転換アセンブリのトラベラーに第2の方向F2に力を加えて、カム機構を第2の限界まで移動させるステップを含む。
【0076】
別の態様では、積荷取扱デバイスのモジュール式アセンブリ用の部品のキットが提供される。このキットは、骨組と、車輪の第1のセットと、車輪の第2のセットとを備え、ここで、骨組は、車輪の第1のセットと車輪の第2のセットとに取り付けられ、少なくとも1つの方向転換アセンブリは、少なくとも1つのカム機構を備え、各カム機構は、トラベラーと、固定ブレースと、フォロワと、カム経路とを有する。
【0077】
したがって、積荷取扱デバイスは、モジュール式であってもよい。積荷取扱デバイスのシステム及び部品は、実質的に交換可能であってもよい。
【0078】
部品の取付具は、少なくとも2つのカム機構と、移送ベルトとをさらに備えてもよい。
【0079】
部品の取付具は、少なくとも1つの方向転換モータを備えていてもよい。
【0080】
少なくとも1つの部品が、3D印刷されてもよい。
【0081】
部品の取付具は、車輪のセット、駆動アセンブリ、グリッパアセンブリ、持ち上げアセンブリ、通信システム、及び/又はセンサ手段、のうちの少なくとも1つを更に備えてもよい。
【0082】
他の変形例及び利点が、以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0083】
本発明のこれら及び他の態様を、添付の図面を参照して、単なる例として説明する。
【
図3】
図3は、
図1に図示された保管構造の最上部にあるロボット積荷取扱デバイスを図示する。
【
図4】
図4は、ロボット積荷取扱デバイス又はボットを図示する。
【
図5】
図5は、ロボット積荷取扱デバイス又はボットを図示する。
【
図6】
図6は、積荷取扱デバイス及び方向転換アセンブリを図示しており、
図6aでは、積荷取扱デバイスは、駐車されており、
図6bでは、y方向車輪がy方向に動くように下降されている間にx方向車輪が上昇されており、
図6cでは、x方向車輪がx方向に動くように下降されている間にy方向車輪が上昇されている。
【
図8】
図8aは、下降位置にある
図7のカム機構を図示し、
図8bは、停止位置にある
図7のカム機構を図示し、
図8cは、上昇位置にある
図7のカム機構を図示する。
【
図10】
図10aは、下降位置にある
図9のダブルカム機構を図示し、
図10bは、停止位置にある
図9のダブルカム機構を図示し、
図10cは、上昇位置にある
図9のダブルカム機構を図示する。
【
図12】
図12は、反転カム機構を図示し、
図12aは、フォロワがトラベラーに取り付けられ、カムが固定ブレース上に規定され、
図12bは、カムがトラベラー上に規定され、フォロワが固定ブレースに取り付けられる。
【
図13】
図13aは、下降位置にあるエッジカム機構又は表面カム機構を図示し、
図13bは、停止位置にあるエッジカム機構又は表面カム機構を図示し、
図13cは、上昇位置にあるエッジカム機構又は表面カム機構を図示する。
【
図15】
図15は、カム及び車輪マウント配置の側面図を図示する。
【
図16】
図16は、カム及び車輪マウント配置の正面図を図示する。
【
図17】
図17は、回転防止脚部を有するカム機構を図示し、
図17aは、トラベラーに取り付けられたカムを有し、
図17bは、固定ブレースに取り付けられたカムを有する。
【
図18】
図18(a-f)は、
図17に図示するカム機構と同様の、回転防止脚部を有するカム機構を図示し、トラベラーは異なる位置にあり、
図18(a-c)は、トラベラーに取り付けられたカムを有し、
図18(d-f)は、固定ブレースに取り付けられたカムを有する。
【
図19】
図19は、回転防止脚部を有するカム機構
図19(a-c)と、回転防止機能を有さないカム機構
図19(d-f)との間の違いを図示し、
図19(a、d)は、ボットが動いており、加速下にあるとき、
図19(b、e)は、ボットが動いており、加速していないとき、
図19(c、f)は、ボットが動いており、減速下にあるときを図示する。
【0084】
図面において、同様の特徴は、必要に応じて同様の参照符号によって示される。
【発明を実施するための形態】
【0085】
以下の実施形態は、本発明がどのように実施されるかの好ましい例を表すが、それらは、必ずしも、それがどのように達成されてもよいかの唯一の例ではない。これらの例は、当業者が本発明を実施することができるように十分詳細に記載される。添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、他の例が利用され、構造の変更を行うことができる。さらに、方向の参照及び暗黙の向きを有する任意の他の用語は、本明細書に記載された特定の例の読者の理解を助けるために例として与えられる。それらは、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されていない限り、特に本発明の位置、向き、又は使用に関して、要件又は限定であると読まれるべきではない。同様に、接続に関する言及(例えば、取り付けられた、結合された、接続された、接合された、固定されたなど)は、広く解釈されるべきであり、要素の接続と要素間の相対運動との間の中間部材を含んでいてもよい。したがって、接続に関する言及は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されていない限り、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも意味しない。同様に、nが、x、y及びzのうちの1つである「n方向への移動」という文言(及び関連する言い回し)は、いずれかの方向(即ち、n軸の正の端部に向かう方向又はn軸の負の端部に向かう方向)における、n軸に実質的に沿った又は平行な移動を意味することが意図される。
【0086】
図1は、直立部材3と、直立部材3によって支持される水平部材5、7と、を備える保管構造1を図示する。水平部材7は、互いに平行に、かつ図示されたx軸に平行に延び、水平部材5は、互いに平行に、かつ図示されたy軸に平行に、水平部材7に対して横方向に延びる。直立部材3は、互いに及び図示されたz軸に平行に伸張する。水平部材5、7は、複数のグリッドセルを規定するグリッドパターンを形成する。図示された例では、コンテナ9は、グリッドパターンによって規定されたグリッドセルの下にスタック11として配置されており、1グリッドセル当たりコンテナ9の1つのスタック11である。
【0087】
図2は、
図1に図示された保管構造1の一部を形成し、
図1に図示された保管構造1の水平部材5、7の上部に位置する軌道構造13のセクションの拡大平面図を示す。軌道構造13は、(例えば、水平部材5、7の表面内又は表面上に形成されている)水平部材5、7自体によって、又は水平部材5、7の上部に取り付けられた1つ以上の追加の構成要素によって提供されてもよい。図示された軌道構造13は、x方向軌道17及びy方向軌道19を備える。この場合、軌道17の第1のセットはx方向に伸張し、軌道19の第2のセットは、軌道17の第1のセットを横切るy方向に伸張する。軌道17、19は、グリッドセルの中央にアパーチャ15を規定する。アパーチャ15は、グリッドセルの下に位置するコンテナ9がアパーチャ15を通って持ち上げられ及び下降されることを可能にするように、サイズ決定されている。軌道17の第1のセットは、リッジ21によって分離された対で設けられており、軌道19の第2のセットは、リッジ23によって分離された対で設けられている。
軌道構造の他の配置も可能である。
【0088】
図3は、
図1に図示された保管構造1の上部を移動している複数のロボット積荷取扱デバイス31を示す。ロボット31又はボット31とも呼ばれてもよい各積荷取扱デバイス31には、方向転換アセンブリ(図示せず)と、ボット31が、軌道構造13にわたって移動し、特定のグリッドセルに到達することを可能にするために、対応するx方向軌道17又はy方向軌道19と係合するための車輪のセットとが設けられている。上述のように、軌道17、19のセットは、一対のボット31が隣接するグリッドセルを占有するか、又は衝突することなく互いに通過することを可能にするリッジ21、23によって分離される。
【0089】
図4に詳細に図示されるように、ボット31は、ボット31がその意図された機能を実行することを可能にする1つ以上の構成要素がその中に又はそれに取り付けられた本体33を備える。これらの機能は、軌道構造13上で保管構造1にわたって移動することと、(例えば、スタック11から又はスタック11へ)コンテナ9を上昇又は下降させることと、を含んでいてもよく、これにより、ボット31は、グリッドパターンによって規定された特定の場所にあるコンテナ9を取り出すか又はそこに置くことができる。
【0090】
前の機能を実行するために、ボット31は、車輪の第1のセット35と、車輪の第2のセット37と、を備え、これらは、ボット31の本体33に取り付けられており、ボット31がそれぞれ軌道17及び19に沿って、それぞれx方向及びy方向に移動することを可能にする。特に、2つの車輪35が、
図4で見えるボット31の短い方の側面に設けられており、更なる2つの車輪35が、ボット31の反対側の短い方の側面に設けられている。車輪35は、本体33に回転可能に取り付けられ、ボット31が軌道17に沿って移動することを可能にするために軌道17と係合するように構成される。同様に、2つの車輪37が、
図4で見えるボット31の長い方の側面に設けられており、更なる2つの車輪37が、ボット31の反対側の長い方の側面に設けられている。車輪37は、軌道19と係合し、ボット31の本体33に回転可能に取り付けられて、ボット31が軌道19に沿って移動することを可能にする。
【0091】
ボット31が異なる車輪35、37上で第1及び第2の方向に移動することを可能にするために、ボット31は、車輪の第1のセット35を軌道の第1のセット17と選択的に係合させるか、又は車輪の第2のセット37を軌道の2のセット19と選択的に係合させるための車輪位置決め機構を含む。車輪位置決め機構は、車輪の第1のセット35及び/又は車輪の第2のセット37を本体33に対して昇降させるように構成され、それによって、積荷取扱デバイス31が、保管構造1の軌道17、19を横切って第1の方向又は第2の方向のいずれかに選択的に移動することを可能にする。
【0092】
車輪位置決め機構は、車輪35,37の少なくとも1セットをボット31の本体33に対して上昇及び下降させて、車輪35、37の少なくとも1セットを軌道17、19から離し、軌道17、19と接触させるための1つ以上の線形アクチュエータ、回転構成要素、又は他の手段を含むことができる。いくつかの例では、車輪1セットのみが上昇及び下降するように構成され、車輪の1セットを下降させる動作は、対応する軌道から離れて車輪の他のセットを効果的に持ち上げることができ、一方、車輪の1セットを上昇させる動作は、対応する軌道と接触するように車輪の他のセットを効果的に下降させることができる。他の例では、両方の車輪のセットが上昇及び下降されてもよく、有利には、ボット31の本体33が実質的に同じ高さに留まり、したがって、本体33及びその上に取り付けられた構成要素の重量が車輪位置決め機構によって上昇及び下降される必要がないことを意味する。
【0093】
後者の機能を促進するために、ボット31は、スタック11からボット31のコンテナ収容空間又はキャビティ内にコンテナ9を上昇させ、コンテナ収容空間からスタック11上にコンテナ9を下降させるように構成された、概して39で示されるコンテナ持ち上げ手段をさらに備える。図示されたコンテナ持ち上げ手段39は、4つのテープ又はリール41を備え、これらテープ又はリール41は、それらの下端部においてコンテナ把持アセンブリ43に接続されている。テープ41は、必要に応じて、コンテナ係合アセンブリ43を上昇又は下降させるために、巻き上げられるか又は巻き下げられてもよい。テープ41の巻き上げ又は巻き下げを行うか又は制御するために、1つ以上のモータ又は他の手段が提供されてもよい。
【0094】
図5から分かるように、図示されたボット31の本体33は、上部45と、上部45の下部47とを含む。上部45は、1つ以上の動作構成要素(図示せず)を収容するように構成される。下部47は、上部45の下に配置され、コンテナ持ち上げ手段39によって持ち上げられたコンテナ9の少なくとも一部を収容するためのコンテナ収容空間又は空洞を備える。コンテナ収容空間は、コンテナ9の下側が軌道構造13又は保管構造1の別の部分に引っ掛かることなく、ボット31が保管構造1の上部にある軌道構造13にわたって移動することを可能にするために、コンテナ9が十分に空洞の内部に収まることができるようにサイズ決定される。ボット31がその意図された目的地に到達すると、コンテナ持ち上げ手段39は、テープ41を制御して、コンテナ把持アセンブリ43及び対応するコンテナ9を、下側部分47内の空洞から出して意図された位置へと下降させる。意図された位置は、コンテナ9のスタック11又は保管構造1の出口点(又は、ボット31が保管構造1内に保管するためのコンテナ9を収集するために移動した場合は、保管構造1の入口点)であってもよい。図示された例では、上側部分45及び下側部分47は、物理的な仕切り (a physical divider)によって分離されているが、他の実施形態では、上側部分45及び下側部分47は、ボット31の本体33の特定の構成要素又は部品によって物理的に分割されていない場合がある。
【0095】
積荷取扱デバイスは、一例として、単一の(グリッド)空間ボット(積荷取扱デバイス)として説明されているが、自動又は半自動保管及び取り出しシステムは、単一の空間ボットを使用することを対象とするシステムに限定されないことが理解されるであろう。
【0096】
いくつかの実施形態では、ボット31のコンテナ収容空間は、ボット31の本体33内になくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、コンテナ収容空間は、(例えば、持ち上げられるコンテナの重量を釣り合わせるボット31の本体33の重量を有する片持ち梁構成で)ボット31の本体33に隣接してもよい。このような実施形態では、コンテナ持ち上げ手段39のフレーム又はアームは、ボット31の本体33から水平に突出してもよく、テープ/リール41は、突出フレーム上のそれぞれの位置に配置され、本体33に隣接するコンテナ収容空間内にコンテナを上昇及び下降させるために、それらの位置から上昇及び下降されるように構成されてもよい。フレームがボット31の本体33に取り付けられ、そこから突出する高さは、所望の効果を提供するように選択されてもよい。例えば、フレームは、比較的大きなコンテナ又は複数のコンテナをフレームの下のコンテナ収容空間内に持ち上げることができるように、ボット31の本体33上で高いレベルで突出することが好ましい。あるいは、フレームは、ボット31にコンテナが装填されたときにボット31の質量中心をより低く保つために、本体33の下方により低く(しかし、フレームと軌道構造13との間に少なくとも1つのコンテナを収容するのに十分な高さで)突出するように配置されてもよい。
【0097】
カンチレバーボットとは対照的に、積荷取扱デバイスの大きな構成要素をコンテナ収容空間上の配置することにより、積荷取扱デバイスの専有面積は、大きなコンポーネントがコンテナ収容空間の片側に配置されている車両モジュール中に収容されている、NO317366中で説明しているカンチレバー設計と比較して低減される。有利には、本発明の積荷取扱デバイスは、持ち上げられる車両モジュール及びコンテナとしてフレーム内の対応する数のスタックの上方の空間を占有する。
【0098】
本発明では、コンテナの積荷が車両の各側の車輪の対の間に吊り下げられるので、単一空間の積荷取扱デバイスは、カンチレバー型の従来技術の積荷取扱デバイスと比較して、改善された安定性、増加した積荷取扱能力、及び低減された重量を提供することもできる。
【0099】
図4及び
図5に示される実施形態では、コンテナ係合アセンブリ43は、テープ41の下端に取り付けられたグリッパプレート49と、コンテナ9にラッチするためにその上に取り付けられた1つ以上のグリッパアセンブリ(図示せず)とを備える。例えば、テープ41の近傍でグリッパプレート49の角部に設けられ得るグリッパアセンブリは、コンテナ9の凹部又は開口部と位置合わせされ、コンテナ9にラッチするために作動されると、コンテナ9の凹部又は開口と相互作用するように配置される。
【0100】
車輪位置決め機構又は方向転換アセンブリの態様をより詳細に参照すると、
図6は、方向転換アセンブリ110を有する積荷取扱デバイス102の斜視図を、3つの位置、すなわち、駐車位置、y方向移動位置、及びx方向移動位置で図示する。
【0101】
図6aでは、x方向車輪シャーシ116及びy方向車輪シャーシ118の両方が下にあり、その結果、積荷取扱デバイスが上述のようにグリッド構造上に位置決めされた場合、すべての車輪が軌道と係合される。
図6bでは、x方向車輪シャーシ116が上昇し、y方向車輪シャーシ118がy方向に移動するために下降し、
図6cでは、y方向車輪シャーシ118が上昇し、x方向車輪シャーシがx方向に移動するために下降する。車輪シャーシ116、118の各々は、以下でより詳細に説明するように、方向転換アセンブリ110への接続によって垂直に移動される。車輪シャーシ116、118は、駐車位置において同じ垂直又はz方向の高さにある。
【0102】
方向転換アセンブリは、積荷取扱デバイス102の各側面上に機構を備える。
図6では、機構は、可視のx方向側に示されており、同様の機構が、反対側のx方向側(図示せず)に配置されている。同様に、機構は、可視のy方向側に示され、同様の機構が、反対のy方向側に配置される(図示せず)。各リンク機構セット又は方向転換アセンブリ110は、特定の側の対応する車輪シャーシ116、118に接続される。
【0103】
図7は、例えば
図6に関連して説明したタイプの方向転換アセンブリで使用するためのカム機構120を示す。カム機構120は、トラベラー121と、固定ブレース122と、トラベラー121の面表面にスロットとして配置されたカム輪郭123と、カム123と係合し、固定ブレース122の対向する面又はカバーの間に伸張するフォロワ124とを備える。固定ブレース122は、トラベラー121の深さを収容するスロットを有するのに十分な深さを有し、フォロワ124を所定の位置に保持するように構成された単一の部品又はブロックから作製されてもよく、又は固定ブレース122は、フォロワ124が間に固定された状態で一緒にクランプされた2つの材料平面から作製されてもよいことが理解されるであろう。
【0104】
カム又はスロット輪郭123は、第1の限界125と第2の限界126との間に伸張する。これらの限界の間では、図示のように、スロットは、第1の限界125から実質的に水平に延び、上方に傾斜し、次に、フォロワ124を収容するのに十分な空間を備えた状態で第2の限界126まで実質的に水平に続いている。
【0105】
図示されたカム機構120の第1の配置において、トラベラー121は、水平方向に移動することができ、垂直方向に固定され、一方、固定ブレース122は、水平方向に固定され、垂直方向に移動することができる。したがって、カム123が第1の限界125から第2の限界126までフォロワを横切って水平に移動するとき、固定ブレース122は、カム輪郭123の垂直変化に等しい量だけ上昇する。あるいは、第2の構成では、固定ブレース122は、垂直方向に固定されながら水平方向に移動することができ、トラベラー121は、水平方向に固定され、垂直方向に移動することができることが理解されよう。第1の構成によるトラベラー121と固定ブレース122との間の相対位置は、
図8に図示されており、
図8は、様々な位置にあるカム120を示している。
【0106】
図8aから
図8cは、
図7のカム機構を図示しており、ここでは、フォロワ124の位置を見て理解することがより容易になるように、固定ブレース122の前面が除去されている。垂直の点線は、図の間のカム機構120の相対的な位置の理解を助けるために、フォロワ124を通って位置決めされる。
【0107】
図8aでは、トラベラー121は、右に水平に位置決めされている。固定ブレース122に接続されたフォロワ124は、カム123の第1の限界125に位置決めされる。
【0108】
図8bでは、トラベラー121は、
図8aの位置の左側の中央に位置している。
図8aに示される位置から、カム123は、フォロワ124がカムスロットの第1の変曲点に位置するように、フォロワ124に対して移動している。固定ブレース122は、
図8aの位置に対してその位置を移動していない。
【0109】
図8cでは、トラベラー122は、左に水平に位置決めされている。カム123は、フォロワ124が垂直に移動して傾斜を上り、第2の限界126に位置しなければならないように、フォロワ124に対して移動している。フォロワ124は固定ブレース122に固定され、固定ブレース122は水平に固定されているので、必然的に固定ブレース122は垂直に移動する。
【0110】
図8a及び
図8bでは、固定ブレース122は、トラベラー121に対して下降位置にあり、
図8cでは、固定ブレース122は、トラベラー121に対して上昇位置にある。
【0111】
一対の車輪が固定ブレース122に固定して取り付けられた場合、カム機構120は、トラベラー121に水平力を加えることによって、必要に応じて車輪を上昇及び下降させるために使用されてもよいことが理解されるであろう。
図8bに示されるカム120の位置は、「駐車」位置として使用されることができ、ここで、車輪は、係合位置(
図8a)又は係合解除位置(
図8c)に移動される準備ができている。
【0112】
カム輪郭は、任意の所望の水平から垂直への移動プロファイルを提供するように設計されてもよいことが理解される。
【0113】
図9は、ダブルカム構成を採用する別のカム機構130を図示する。第1のカム133aと第2のカム133bとは、水平方向に隣接して配置されている。第1のカム輪郭及び第2のカム輪郭133bは、実質的に同一である。同様に、一対のフォロワ124a及び124bが、それぞれのカム133a、133bと係合するように配置される。
【0114】
この構成は、第1のカム133a及び第2のカム133bが固定ブレース132a、132b上に配置され、第1のフォロワ134a及び第2のフォロワ134bがトラベラー131に取り付けられている、すなわち、トラベラーが反転されているという点で、
図8aから
図8cに示す構成とさらに異なる。固定ブレース部分132a及び132bは、一対のバーによって接合される。
【0115】
カム機構130の動作は、カム機構120の動作と同様である。水平力がトラベラー131に加えられると、フォロワ134a及び134bは、第1の限界135a、135bと第2の限界136a、136bとの間で、それぞれ第1のカム経路133a及び第2のカム経路133bに沿って一斉に移動する。固定ブレース132a、132bが垂直方向にのみ移動するように制限されていると仮定すると、トラベラー131の水平移動は、カム機構120の機能と同様に、固定ブレース132a、132bを上昇及び下降させる。
図10aから
図10cは、
図8aから
図8cのそれぞれに示された単一カム機構120の位置に対応する位置にある逆ダブルカム機構130を図示する。
【0116】
図11は、トリプルカム構成を採用する別の反転カム機構140を図示する。第1のカム143aと第1のフォロワ144a、第2のカム143bと第2のフォロワ144b、第3カム143cと第3フォロワ144cは、水平方向に隣接して配置されている。固定ブレース部分142a、142b、142cが接合される。そうでなければ、トリプルカム機構140の構成は、ダブルカム機構130と同様である。トリプルカム機構140の動作は、カム機構120、130の動作と同様である。
【0117】
上述したように、カム輪郭は、固定ブレースに取り付けられたフォロワを有するトラベラー上に規定されてもよく(
図7及び
図8)、又は、フォロワは、固定ブレース上に規定されたカム輪郭を有するトラベラーに取り付けられてもよい(
図9から
図11)。そのような反転された又は「鏡映された」配置は、
図12a及び
図12bに示されており、
図12aは
図9から
図11と同様であり、
図12bは
図7及び
図8と同様である。簡単にするために単一のカム機構が示されており、この反転又は鏡像化は、任意の数の同様のカム(ダブル、トリプルなど)を有するカム機構に適用することができることが理解されるであろう。
【0118】
図12において、カム機構150a、150bは、それぞれ、トラベラー151a、151b、固定ブレース152a、152b、カム153a、153b、及びフォロワ154a、154bを備えて構成される。
図12aでは、フォロワ154aは、トラベラー151aに取り付けられ、カム153aは、固定ブレース152a上に規定され、
図12bでは、その逆である。カム経路153aは、それぞれのトラベラー151a、151b上の所与の水平入力に対して固定ブレース152a、152bの同じ垂直移動を達成するために、カム経路153bと比較して仮想水平線の周りの鏡面反射であることが理解されるであろう。
【0119】
別のカム機構160の配置が
図13aから
図13cに示されている。前述のカム機構120、130、140、150とは異なり、カム輪郭は、スロットによって規定されるのではなく、トラベラー161の下縁部163によって規定される。トラベラー161は、コーナーブロック間を水平に移動することができる。フォロワ164は、固定ブレースフレーム162上の所定位置に固定され、固定ブレースフレーム162は、垂直コーナーポール上に滑動可能に取り付けられて垂直方向の移動のみに拘束される。その他の点では、カム機構160は、前述の構成と同様に動作する。
【0120】
図13に示す構成では、固定ブレース162がトラベラー161に対して上昇するような位置にフォロワ164があるとき、固定ブレース162は重力によって落下する傾向があり、それによってフォロワがカム面又は下縁163から係合解除されることが理解されよう。このような傾向は、固定ブレース162をトラベラー161に向かって引き寄せるように付勢されたばね167によって緩和される。
【0121】
カム機構を特定の構成に付勢するためのばねを、前述の構成のいずれかに使用することができることが理解されるであろう。
【0122】
ここでも、特に
図12a及び
図12bに関連して上述した例と同様に、表面又はエッジカム構成は、
図14に示すように、
図13に示す構成に対して鏡像又は反転した形で構成されてもよく、カム機構170は、トラベラー171、固定ブレース172、カム表面173及びフォロワ174を備え、ばね177をさらに備えることが理解されよう。
【0123】
本明細書に記載されたカム機構は、
図1から
図6に関連して記載された任意の積荷取扱デバイス、又はデカルト座標系上の2方向の移動で動作するように意図された任意の積荷取扱デバイスのための方向転換アセンブリの一部として使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0124】
本明細書に記載されるカム機構は、方向転換アセンブリの一部としての積荷取扱デバイスの各面上に配置するのに適していてもよい。いくつかの積荷取扱デバイスでは、一対の対向面、すなわちx方向面又はy方向面にのみ方向転換アセンブリを有することが必要な場合がある。
【0125】
図6に関連して上述したように、いくつかの積荷取扱デバイスでは、方向転換アセンブリは、x方向移動のために車輪の対を上昇及び下降させ、同様に(時には同時に)y方向移動のために車輪の対をそれぞれ下降及び上昇させるための機構を積荷取扱デバイスの各面に備える。
【0126】
積荷取扱デバイスの各面上のカム機構は、車輪対の動きを調整するために、ベルト、チェーン、又は他の機械的手段によって連結されてもよい。垂直方向に鏡像化された、又は水平に鏡像化されたカム輪郭が、車輪対の正確な協調動作を確実にするために、個々の面のそれぞれに必要とされてもよいことが理解されるであろう。
【0127】
図17aからbは、回転防止脚部を有するカム機構190a、190bを図示し、
図17aは、トラベラーに取り付けられたカムを有し、
図17bは、固定ブレースに取り付けられたカムを有する
図17aに図示された機構の反転バージョンである。
【0128】
図17a及び
図17bのそれぞれにおいて、カム機構は、トラベラーと固定ブレースとの間の係合手段を備える。示すように、トラベラーは、突出する回転防止脚部191を有し、固定ブレースは、対応する突出する台座192を有する。
図17a及び
図17bに示すように、カム機構190a、190bは、係合位置又は駆動位置にあり、この位置では、車輪は表面と接触している。脚部191と台座192とは接触しており、それによって台座192は回転防止脚部191を支持する。
【0129】
図18aから
図18fは、
図17のカム機構190a、190bを、持ち上げた位置で(
図18a、
図18d)、駐車した位置で(
図18b、18e)、及び駆動位置で(
図18c、18f)図示する。図から分かるように、脚部191は、駆動位置にあるときにのみ、台座192と係合する。
【0130】
図15及び
図16は、本明細書で説明するように、カム機構方向転換アセンブリ構成要素を組み込んだ可能な車輪マウント配置を図示する。車輪マウント配置は、開示されたカム機構のいずれにも適している。
図15a及び
図15bは、カム及び車輪マウント配置の側面図を図示し、
図16は、カム及び車輪マウント配置の正面図を図示する。
図15及び
図16から、カム機構は実質的に単一の垂直面を占め、コンパクトであることが理解されるであろう。
【0131】
積荷取扱デバイスの各面に対して、ダブルカム機構180が積荷取扱デバイスの中間ハローと車輪シャーシとの間に取り付けられている。カム機構180は、本明細書に記載されたカム機構のいずれかであってもよく、必ずしも図示されたようなダブルカム機構に限定されない。
【0132】
各カム機構180のトラベラー181は、積荷取扱デバイスの中間ハローを規定するロッド182に取り付けられている。トラベラー181は、コーナーブロック間の中間ハロー上を自由にスライド又は滑走するように取り付けられていることが理解されるであろう。トラベラー181の実質的に垂直方向下方には、カムプロフィールを規定するスロットを有するブロック183がある。ブロック183は、2つの半体に組み立てられ、それらの間にローラ(又はフォロワ)184をクランプすることができる。ブロック183は、車輪マウントブロック185に直接接続される。
【0133】
図15aは、x方向車輪マウントの側面プロファイルを示し、
図15bは、y方向車輪マウントの側面プロファイルを示す。車輪マウントブロックは、積荷取扱デバイスの骨組の垂直ロッド186の周りで相互係止してもよいことが理解されよう。
【0134】
図19aから
図19fは、矢印の方向に、示すように右に駆動されている積荷取扱デバイスを図示する。
図19aから
図19cに図示するカム機構190aは、
図17a及び
図18aから
図18cに示すカム機構と同様である。図dからfに図示されたカム機構は、足部及び対応する台座を欠いている。各図において、カム機構は、車輪が表面と係合する駆動位置にある。
【0135】
図19dに図示するように、積荷取扱デバイスは、右に移動し、加速されている。この場合、積荷取扱デバイスは、後方に又は左に傾く傾向があり、積荷取扱デバイスを不安定にする。
【0136】
図19eに図示するように、積荷取扱デバイスは、一定速度で右に移動している。一定速度で移動した後は、脚部がなくても傾斜はないはずである。しかしながら、積荷取扱デバイスは加速されると後方に傾く傾向があるので、積荷取扱デバイスが一定速度に戻ると、積荷取扱デバイスが安定する前に、わずかに後方とわずかに前方との間の傾きに揺れ又は振動が生じる可能性がある。
【0137】
図19fに図示するように、積荷取扱デバイスは、右に移動しており、減速されている。この場合、積荷取扱デバイスは、前方に傾く傾向があり、積荷取扱デバイスを不安定にする。
【0138】
これに対して、190aのようなカム機構を有する積荷取扱デバイスが同じ条件下で駆動されると、脚部191は台座192と係合する。台座192によって脚部191に提供される支持は、機構をより剛性にし、傾斜量を低減することによって、積荷取扱デバイスを安定させることに役立つ。
【0139】
図19aに図示するように、積荷取扱デバイスは右に移動して加速されており、
図19bに図示するように、積荷取扱デバイスは一定速度で右に移動しており、
図19cに図示するように、積荷取扱デバイスは右に移動して減速されている。いずれの場合も、脚部と台座との係合により構造がより剛性になるため、積荷取扱デバイスは実質的に水平のままである。
【0140】
積荷取扱デバイスが様々な積荷を運搬している場合に、制御の精度を高めるために、積荷取扱デバイスが移動中に実質的に水平のままであることが有利であることが理解されるであろう。
【0141】
カムが車輪マウント上に配置される場合、対称性は、積荷取扱デバイスが駆動されているときに最良の安定性を提供するために、車輪が完全に下がっているときに対称であるように選択されてもよいことが理解されるであろう。その結果、持ち上げは、前輪及び後輪を持ち上げるために完全に対称ではない場合がある。対称点は、アセンブリの他の態様を最適化するように選択されてもよいことが理解されるであろう。
【0142】
車輪マウントサブアセンブリは、(単一のカムで)持ち上げられるときに傾き、一方の車輪が他方の車輪よりも先に持ち上げられ、潜在的にエラーを引き起こし、他の構成要素(例えば、トラベラーと中間ハローとの間の滑り軸受、又は垂直取り付けロッドとコーナーブロックとの間の滑り軸受)に潜在的な不均一な摩耗を引き起こし、方向転換動作中に積荷取扱デバイスの特定の領域に潜在的に増大する力を引き起こすことが理解されるであろう。したがって、単一のカム機構のいくつかの利点は、支持手段又は係合手段によって実現されてもよい。
【0143】
カムがトラベラー上に配置されている場合、装置が単一カムを有するかダブルカムを有するかに関わらず、ローラが被駆動車輪に対して静止しているので、車輪は対称的に持ち上げられてもよい。しかしながら、トラベラー上のダブルカムは、空間の制約及び他の構成要素の考慮事項のために実現可能ではない場合がある。
【0144】
保管スタックの上に配置されたグリッドを有するグリッドベースの立体保管システム上で動作する積荷取扱デバイスが本明細書に記載されているが、方向転換アセンブリ及び/又はカム機構は、他の自律型又は半自律型デバイスに適用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、方向転換アセンブリ又はカム機構は、コンテナ又はトートのスタックの下に位置付けてスタックを下から持ち上げることを可能にするために、より低い全高を有するKiva(RTM)又は同様の自律移動ロボット(AMR)タイプのボットに適用されてもよい。ここに記載されたアセンブリは、アセンブリに必要な垂直方向の空間が比較的小さいので、このタイプのボットに適していることが理解されるであろう。
【0145】
前述の明細書では、特に重要であると考えられる本発明の特徴に注意を引くように努力しているが、出願人は、特に強調されているか否かにかかわらず、本明細書で言及され、及び/又は図面に示される任意の特許性のある特徴又は特徴の組み合わせに関して保護を主張することを理解されたい。
【0146】
カム機構は、上記で説明したデバイス及び構成の様々な組み合わせを使用して特定の用途のために設計することができることを認識されたい。上記で説明した特徴は全て、単一のシステム中で共に使用されてもよいことを認識されたい。本発明の他の実施形態では、特徴のうちのいくつかが省略されてもよい。特徴は、任意の互換性のある構成で使用されてもよい。添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、上記で明示的に説明していない多くの変形形態及び修正形態が可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッドベースの保管システムのフレームワーク構造に積み重ねられた保管コンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスであって、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又は軌道の第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又は軌道の第1のセットに対して実質的に垂直に伸張する平行なレール又は軌道の第2のセットとを備え、ここで、グリッドは、コンテナが複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立部材間に積み重ねられ、直立部材によってガイドされるようにグリッドの下方に複数の垂直保管ロケーションを形成するように直立部材のセットによって支持され、
前記積荷取扱デバイスは、上部、下部、及び前記上部と前記下部との間の中間ハローを有する容積を規定するフレームを備える骨組と、車輪の第1のセットは前記骨組の前記下部に配置され、車輪の第2のセットは前記骨組の前記下部に配置され、前記車輪の第1のセットは、前記平行な軌道の第1のセットと係合するように配置され、前記車輪の第2のセットは、前記平行な軌道の第2のセットと係合するように配置され、
前記車輪の第1及び第2のセットを前記平行な軌道と係合及び係合解除するために前記車輪の第1のセットを前記骨組に対して上昇又は下降させ、及び/又は前記車輪の第2のセットを前記骨組に対して下降又は上昇させるように配置された方向転換アセンブリとを備え、前記方向転換アセンブリは前記中間ハローと前記車輪の第1のセット及び/又は前記車輪の第2のセットとの間に位置し、ここで、方向転換アセンブリは、カム機構を備える、積荷取扱デバイス。
【請求項2】
前記カム機構は、一対の車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットをそれぞれ取り付けるための車輪シャーシに直接固定される、請求項1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項3】
固定ブレースが、垂直方向にのみ移動するように、骨組上の1つ以上の取付け具によって拘束される、請求項
1の積荷取扱デバイス。
【請求項4】
前記方向転換アセンブリは、前記車輪の第1のセットを前記骨組に対して上昇又は下降させ、同時に、前記車輪の第2のセットを前記骨組に対して下降又は上昇させるように構成されている、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項5】
前記カム機構は、トラベラーと固定ブレースとの間の係合手段を備える、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項6】
前記カム機構は、シングルカム構成を備え、又は、前記カム機構は、ダブルカム構成を備え、又は、前記カム機構は、トリプルカム構成を備える、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項7】
前記カム機構は、前記中間ハローとそれぞれの車輪対との間の単一の垂直面に配置される、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項8】
前記方向転換アセンブリは、単一のモータによって動作されるか、又は、前記方向転換アセンブリは、2つ以上のモータによって動作される、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項9】
前記車輪の第1のセット及び前記車輪の第2のセットのそれぞれの対は、駆動ベルトによって駆動され、前記カム機構は、前記駆動ベルトの経路によって規定される領域内に配置される、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項10】
前記車輪の第1のセット及び前記車輪の第2のセットの平行トラックとの係合を決定するための感知手段をさらに備える、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項11】
前記方向転換アセンブリの誤動作又は故障を決定するための感知手段を更に備える、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項12】
前記カム機構の少なくとも一部は、3D印刷され、及び/又は、前記カム機構の少なくとも一部は、実質的に位相的に最適化される、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項13】
前記積荷取扱デバイスは、前記容積内にコンテナを持ち上げるために、前記骨組の前記上部によって支持されたリフトデバイスをさらに備える、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスの、軌道との車輪のセットの係合を変更する方法であって、前記積荷取扱デバイスは、軌道を備えるグリッドフレームワーク(14)構造上で動作し、前記方法は、
前記方向転換アセンブリのトラベラーに第1の方向F1に力を加えて、カム機構を第1の限界まで移動させるステップ、又は、
前記方向転換アセンブリの前記トラベラーに第2の方向F2に力を加えて、前記カム機構を第2の限界まで移動させるステップを備える、方法。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスのモジュール式アセンブリのための部品のキットであって、前記キットは、
骨組、車輪の第1のセット、及び車輪の第2のセットと、ここで、前記骨組は、前記車輪の第1のセット及び前記車輪の第2のセットに取り付けられてもよく、
少なくとも1つのカム機構を備える少なくとも1つの方向転換アセンブリとを備え、各カム機構は、トラベラーと、固定ブレースと、フォロワと、カム経路とを有する、部品のキット。
【請求項16】
少なくとも2つのカム機構と、移送ベルトとをさらに備える、請求項15に記載の部品のキット。
【請求項17】
少なくとも1つの方向転換モータをさらに備える、請求項
15に記載の部品のキット。
【請求項18】
少なくとも1つの部品が3D印刷されている、請求項
15に記載の部品のキット。
【請求項19】
車輪のセット、駆動アセンブリ、グリッパアセンブリ、持ち上げアセンブリ、通信システム、及び/又はセンサ手段、のうちの少なくとも1つを更に備える、請求項
15に記載の部品のキット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0146
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0146】
カム機構は、上記で説明したデバイス及び構成の様々な組み合わせを使用して特定の用途のために設計することができることを認識されたい。上記で説明した特徴は全て、単一のシステム中で共に使用されてもよいことを認識されたい。本発明の他の実施形態では、特徴のうちのいくつかが省略されてもよい。特徴は、任意の互換性のある構成で使用されてもよい。添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、上記で明示的に説明していない多くの変形形態及び修正形態が可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] グリッドベースの保管システムのフレームワーク構造に積み重ねられた保管コンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスであって、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又は軌道の第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又は軌道の第1のセットに対して実質的に垂直に伸張する平行なレール又は軌道の第2のセットとを備え、ここで、グリッドは、コンテナが複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立部材間に積み重ねられ、直立部材によってガイドされるようにグリッドの下方に複数の垂直保管ロケーションを形成するように直立部材のセットによって支持され、
前記積荷取扱デバイスは、上部、下部、及び前記上部と前記下部との間の中間ハローを有する容積を規定するフレームを備える骨組と、車輪の第1のセットは前記骨組の前記下部に配置され、車輪の第2のセットは前記骨組の前記下部に配置され、前記車輪の第1のセットは、前記平行な軌道の第1のセットと係合するように配置され、前記車輪の第2のセットは、前記平行な軌道の第2のセットと係合するように配置され、
前記車輪の第1及び第2のセットを前記平行な軌道と係合及び係合解除するために前記車輪の第1のセットを前記骨組に対して上昇又は下降させ、及び/又は前記車輪の第2のセットを前記骨組に対して下降又は上昇させるように配置された方向転換アセンブリとを備え、前記方向転換アセンブリは前記中間ハローと前記車輪の第1のセット及び/又は前記車輪の第2のセットとの間に位置し、ここで、方向転換アセンブリは、カム機構を備える、積荷取扱デバイス。
[2] 前記カム機構は、一対の車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットをそれぞれ取り付けるための車輪シャーシに直接固定される、[1]に記載の積荷取扱デバイス。
[3] 固定ブレースが、垂直方向にのみ移動するように、骨組上の1つ以上の取付け具によって拘束される、[1]又は[2]に記載の積荷取扱デバイス。
[4] 前記方向転換アセンブリは、前記車輪の第1のセットを前記骨組に対して上昇又は下降させ、同時に、前記車輪の第2のセットを前記骨組に対して下降又は上昇させるように構成されている、[1]から[3]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[5] 前記カム機構は、トラベラーと固定ブレースとの間の係合手段を備える、[1]から[4]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[6] 前記カム機構は、シングルカム構成を備え、又は、前記カム機構は、ダブルカム構成を備え、又は、前記カム機構は、トリプルカム構成を備える、[1]から[5]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[7] 前記カム機構は、前記中間ハローとそれぞれの車輪対との間の単一の垂直面に配置される、[1]から[6]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[8] 前記方向転換アセンブリは、単一のモータによって動作されるか、又は、前記方向転換アセンブリは、2つ以上のモータによって動作される、[1]から[7]のいずれか1項に記載の積荷取扱デバイス。
[9] 前記車輪の第1のセット及び前記車輪の第2のセットのそれぞれの対は、駆動ベルトによって駆動され、前記カム機構は、前記駆動ベルトの経路によって規定される領域内に配置される、[1]から[8]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[10] 前記車輪の第1のセット及び前記車輪の第2のセットの平行トラックとの係合を決定するための感知手段をさらに備える、[1]から[9]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[11] 前記方向転換アセンブリの誤動作又は故障を決定するための感知手段を更に備える、[1]から[10]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[12] 前記カム機構の少なくとも一部は、3D印刷され、及び/又は、前記カム機構の少なくとも一部は、実質的に位相的に最適化される、[1]から[11]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[13] 前記積荷取扱デバイスは、前記容積内にコンテナを持ち上げるために、前記骨組の前記上部によって支持されたリフトデバイスをさらに備える、[1]から[12]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[14] [1]から[13]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスの、軌道との車輪のセットの係合を変更する方法であって、前記積荷取扱デバイスは、軌道を備えるグリッドフレームワーク(14)構造上で動作し、前記方法は、
前記方向転換アセンブリのトラベラーに第1の方向F1に力を加えて、カム機構を第1の限界まで移動させるステップ、又は、
前記方向転換アセンブリの前記トラベラーに第2の方向F2に力を加えて、前記カム機構を第2の限界まで移動させるステップを備える、方法。
[15] [1]から[13]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスのモジュール式アセンブリのための部品のキットであって、前記キットは、
骨組、車輪の第1のセット、及び車輪の第2のセットと、ここで、前記骨組は、前記車輪の第1のセット及び前記車輪の第2のセットに取り付けられてもよく、
少なくとも1つのカム機構を備える少なくとも1つの方向転換アセンブリとを備え、各カム機構は、トラベラーと、固定ブレースと、フォロワと、カム経路とを有する、部品のキット。
[16] 少なくとも2つのカム機構と、移送ベルトとをさらに備える、[15]に記載の部品のキット。
[17] 少なくとも1つの方向転換モータをさらに備える、[15]又は[16]に記載の部品のキット。
[18] 少なくとも1つの部品が3D印刷されている、[15]から[17]のいずれか一項に記載の部品のキット。
[19] 車輪のセット、駆動アセンブリ、グリッパアセンブリ、持ち上げアセンブリ、通信システム、及び/又はセンサ手段、のうちの少なくとも1つを更に備える、[15]から[18]のいずれか一項に記載の部品のキット。
【国際調査報告】