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  • 特表-噴霧投与用の医用液体組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】噴霧投与用の医用液体組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/05 20060101AFI20240822BHJP
   A24B 15/167 20200101ALI20240822BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240822BHJP
   A61M 11/00 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240822BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20240822BHJP
   A61K 31/12 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 31/37 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 31/216 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20240822BHJP
   C07D 493/06 20060101ALN20240822BHJP
   C07H 17/04 20060101ALN20240822BHJP
   C07D 311/30 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
A61K31/05
A24B15/167
A24F40/10
A61M11/00
A61K9/12
A61P1/02
A61P11/00
A61P11/04
A61P39/06
A61K47/10
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/40
A61K47/26
A61K47/42
A61K31/12
A61K31/192
A61K31/37
A61K31/216
A61K31/7048
A61K31/352
C07D493/06
C07H17/04
C07D311/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513298
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 IB2022057304
(87)【国際公開番号】W WO2023026121
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】102021000022172
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524069525
【氏名又は名称】ナチュラル・アカデミー・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】NATURAL ACADEMY S.R.L.
(71)【出願人】
【識別番号】523333548
【氏名又は名称】アーペ8・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】APE8 S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】フェッリ,エマヌエーレ
(72)【発明者】
【氏名】デッラッリ,マリオ
(72)【発明者】
【氏名】フェッリ,ニコラ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B162
4C057
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4B043BB22
4B043BC02
4B043BC11
4B043BC12
4B043BC18
4B043BC20
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC16
4C057BB02
4C057DD01
4C057KK02
4C076AA24
4C076BB03
4C076BB27
4C076CC15
4C076CC16
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD67
4C076EE30
4C076EE31
4C076EE39
4C076EE41
4C076FF11
4C076FF34
4C076FF52
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086CA01
4C086EA11
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA57
4C086NA11
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZA67
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206CA20
4C206CB14
4C206DA18
4C206DA21
4C206DB20
4C206DB54
4C206KA01
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA33
4C206MA77
4C206NA11
4C206NA14
4C206ZA59
4C206ZA67
(57)【要約】
本発明は、例えばパーソナルヴェポライザーおよびエアロゾルデバイスを備えた噴霧投与用に有用である、保護物質と抗酸化特性を有する医用液体組成物に関する。特に、本発明は、以下の成分を含む電子タバコによる吸入のための組成物に関する。特に、本発明はプロピレングリコールを含まず、以下を含む、またはからなる液体組成物に関する

ここで、成分e)、f)、およびg)の重量パーセント合計は0.1から5重量%である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分を含む、またはからなる噴霧投与用の組成物
ここで、成分e)、f)、およびg)の重量パーセント合計は0.1から5重量%の間である。
【請求項2】
以下の成分を含む、またはからなる、請求項1に記載の噴霧投与用の組成物
ここで、成分e)、f)、およびg)の重量パーセント合計は0.1から5重量%の間である。
【請求項3】
プロピレングリコールを含まず、以下の成分を含む、またはからなる、請求項2に記載の噴霧投与用の組成物
ここで、成分e)、f)、およびg)の重量パーセント合計は0.1から5重量%の間である。
【請求項4】
以下の成分を含む、またはからなる、請求項2または3に記載の噴霧投与用の組成物
ここで、成分e)、f)、およびg)の重量パーセント合計は0.2から0.7重量%の間、または0.3から0.6重量%の間である。
【請求項5】
成分e)の1つ以上の保護物質が、アラビノースおよびD-マンノースなどの単糖、ベータグルカンおよびシクロデキストリンなどのオリゴ糖、ヒアルロン酸などの多糖、カルボキシメチルセルロース、および微結晶セルロース、およびマンノプロテインなどの糖タンパク質、ならびに口腔および気道の保護機能を備えると文献に記載された他の物質から選択される、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
成分f)の1つ以上の抗酸化物質が、ヒドロキシチロソール、クルクミン、没食子酸、レスベラトロールおよびピセイドを含むスチルベン類、エラグ酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、およびロスマリン酸を含むコーヒー酸誘導体、オレウロペインおよびリグストロシドなどのセコイリドイドおよび配糖体誘導体、エピガロカテキンガレート、ケルセチン、ルテオリン、アピゲニン、カテキンを含むフラボノイド誘導体およびその配糖体誘導体から選択される、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
保存料が安息香酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムである、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
好ましくは、果物、タバコ、メンソール香料、またはそれらの混合物から選択される香料を含む、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
を含む、喫煙者の中咽頭腔の処置に好適である、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
ニコチンを含むタバコ製品の禁煙処置に好適である、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の1つ以上の組成物の1回以上の用量を含む噴霧投与用のデバイスであって、パーソナルヴェポライザー、電子タバコ、およびエアロゾルアトマイザーから選択されるデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護特性および抗酸化特性を有する医用液体組成物に関し、この組成物は、例えば、パーソナルヴェポライザーおよびエアロゾルデバイスによる噴霧投与に使用可能である。
【背景技術】
【0002】
タバコの煙による健康へのダメージは一般的に知られている。喫煙が健康に深刻なダメージを与えることは周知であり、それは毒性の高い物質でもあるニコチンによるものではなく、むしろ多環芳香族炭化水素、タール、一酸化炭素などの燃焼副生成物によるものであり、そのいくつかは顕著な発癌作用を有する。
【0003】
代替的喫煙は今や世界中で広く行われており、少なくとも部分的にはタバコに取って代わっている。市場には2つの代替的喫煙が存在している。第1のタイプは、高温燃焼による悪影響を避けるため、制御された温度(一般的に350℃を越えない)でタバコを加熱する、いわゆるヒート・ノット・バーン(heat-not-burn)システムである。第2のタイプは、いわゆる「電子タバコ」であり、放出される蒸気に十分な密度体を与えるように調整されたベースに加えて、制御された量のニコチンおよび様々なタイプの香料も含む液体を気化させる(vaporize)ものである。
【0004】
加熱式タバコである第1のタイプは、伝統的な喫煙により似ているが、より低い燃焼温度にもかかわらず、ニコチンに加えタバコに含まれるいくつかの毒性物質は依然放出される。典型的な例はニトロソアミンである。
【0005】
電子タバコは、喫煙者に対してニコチン受容体を刺激する所望の効果を与えるために組成物に添加しうる制御された量のニコチンを除けば、このような毒性または発癌性物質を放出しないことからより安全である。様々な方法で組成物を香付けすることができるのは、さらに魅力的である。
【0006】
しかし、電子タバコでさえ、毒性がないということではない。実際、その基本組成物は、大部分、プロピレングリコールとグリセロールの混合物からなり、特に前者が口腔咽頭粘膜と気道の細胞にダメージを与える。
【0007】
伝統的なタバコと代替製品の喫煙者は、一般に、いわゆる「頬吸い」と「肺吸い」という2つの異なる喫煙様式を有する。1つ目のケースでは、煙は摂取されずに口腔内にとどまるが、2つ目のケースでは、気道まで吸い込まれる。そのため、煙のダメージは後者と中咽頭腔の両方で確認することができる。
【0008】
それゆえ、タバコ、加熱式タバコ、および電子タバコの慢性的な使用によって引き起こされるダメージを、口腔および肺気道の両方のレベルで打ち消し、緩和することができる噴霧投与用組成物の提供が、本発明の課題である。
【発明の概要】
【0009】
前記技術的課題は、記述の充足性の目的のために本記述の必須部分を形成する定義である添付の特許請求の範囲の1つ以上に記載された技術的特徴を含む組成物によって実質的に解決される。
【0010】
それゆえ、本発明は、以下の成分を含む、またはからなる噴霧投与用組成物に関する。
ここで、成分e)、f)、およびg)の重量パーセント合計は0.1から5重量%である。
【0011】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の好ましいが排他的ではない実施形態の示唆的な、したがって非限定的な記載からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による組成物(医用混合物)と従来技術の2つの組成物(80PG/20VGおよび20PG/80VG)とを比較する図であり、一般的な電子タバコで各組成物を放出するときの印加電力の関数として蒸気滴の平均サイズの変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、以下の成分を含む、またはからなる噴霧投与用の組成物に関する。
ここで、成分e)、f)、およびg)の重量パーセント合計は0.1から5重量%の間である。
【0014】
ジオールは、C2-C4アルキルジオールまたはC2-C4-ジアルキルエーテルジオールであり得る。
【0015】
本発明はさらに、好ましくはプロピレングリコールを含まず、以下の成分を含む、またはからなる噴霧投与用の組成物に関する。
ここで、成分e)、f)、およびg)の重量パーセント合計は0.1から5重量%の間である。
【0016】
水は好ましくは精製水FUである。
【0017】
1,3-プロパンジオール(成分(b))は、増粘物質および生理活性物質の担体として機能する。
【0018】
1つ以上の保護物質(成分e)は、より好ましくは、アラビノースおよびD-マンノースなどの単糖、ベータグルカンおよびシクロデキストリンなどのオリゴ糖、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロースおよび微結晶セルロースなどの多糖、およびマンノプロテインなどの糖タンパク質、および口腔粘膜および気道の保護機能を備えると文献に記載された他の物質から選択される。1つ以上の抗酸化物質(成分f)は、好ましくは、ヒドロキシチロソール、クルクミン、没食子酸、レスベラトロールおよびピセイドを含むスチルベン類、エラグ酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、およびロスマリン酸を含むコーヒー酸誘導体、オレウロペインおよびリグストロシドなどのセコイリドイドおよび配糖体誘導体、エピガロカテキンガレート、ケルセチン、ルテオリン、アピゲニン、カテキンを含むフラボノイド誘導体およびその配糖体誘導体から選択される。保存料(成分g)は、好ましくは安息香酸ナトリウムおよびアスコルビン酸ナトリウムから選択される。
【0019】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、プロピレングリコールを含まず、以下の成分を含む、またはからなる。
ここで、成分e)、f)、およびg)の重量パーセント合計は0.2から0.7重量%の間、または0.3から0.6重量%の間である。
【0020】
「噴霧投与用組成物」なる用語は、従来のエアロゾルシステム、または携帯ヴェポライザー、または一般的な電子タバコのいずれかによって放出することができる組成物を意味する。この後者の放出方法は、本発明の組成物の主な使用者である喫煙者にとってより馴染みやすいため、場合によっては好ましいものである。
【0021】
本発明による噴霧投与用組成物は、基本組成物を形成する主成分、すなわち、水、1,3-プロパンジオール、およびグリセロールの重量比により、パーソナルヴェポライザーおよび一般的な電子タバコの両方を介して気化された場合、適切な構造および密度を有するエアロゾルを提供するため、実際、携帯ヴェポライズシステムを介して放出されるように適合される。
【0022】
いくつかの重要なパラメータは、放出される蒸気滴の平均サイズである。エアロゾル滴の平均サイズに応じて、本発明の組成物は口腔内で停止することができ、または肺レベルまで吸入することができるからである。
【0023】
1ミクロンを超えるサイズの粒子は、主に中咽頭腔で停止することが知られているが、1ミクロン未満の大きさの粒子は、肺気道まで浸透することができる。
【0024】
図1は、本発明による組成物(医用混合物と表示され、1,3-プロパンジオール60重量%、精製水29.6重量%、グリセロール10重量%、上記e)~g)で定義したその他の成分0.4重量%を含む)と、それぞれ80重量%のプロピレングリコール/20重量%のグリセロール(80PG/20VG)および20重量%のプロピレングリコール/80重量%のグリセロール(20PG/80VG)を含む2つの従来のヴェイピング組成物とを比較した図である。
【0025】
いずれの場合も、電力制御回路、最大開度に調整された空気、および1.5オームの抵抗を有するアトマイザーを備え、7.5から15ワットの範囲で変化する電力で動作する新世代のヴェイピングデバイスを使用すると、電力が増大するにつれて、放出される蒸気滴のサイズの増大(ミクロン単位の粒子の平均直径を縦軸に示す)が認められる。しかし、先行技術の組成物は0.7から約0.9ミクロンの平均直径の液滴を放出するが、本発明の組成物では平均粒径は1.1から1.25ミクロンである。
【0026】
このことは、先行技術のヴェイピング組成物が肺気道に容易に到達する一方、試験した本発明による組成物は口腔咽頭レベルで停止し、このレベルで保護膜形成作用および抗酸化作用を発揮することを意味する。
【0027】
本発明の組成物により、以下のパラメータで作用する、肺気道の医療処置に適した1ミクロン未満の液滴サイズを得ることが可能になる:
i) 50重量%の限度までの水の割合の増加、および/または
ii) 10重量%の限度内でのエタノールの添加、および/または
iii) 1,3-プロパンジオールの重量パーセントの減少、および/またはグリセロールの重量パーセントの上記で定義される限度内での増加、および/または
iv) 放出デバイスの気流の増加、および/または
v) より小さい径の穴のアトマイザーノズルの使用。
例えば、6:1の1,3-プロパンジオール/グリセロールの重量比は、1ミクロンを超えるサイズの大きな液滴を生成し、2:3の重量比は、1ミクロン以下に近いサイズの液滴を生成する。
【0028】
喫煙者の中咽頭腔の処置に好適である組成物は、例えば
を含む。これらの範囲外では、この組成物は、肺気道の処置に好適であるだろう。
【0029】
放出デバイスの気流の増加(ポイントiv)は、通常、使用されるデバイスの調整可能なパラメータである。
【0030】
ノズル穴のサイズ(ポイントv)は、頬吸い専用か肺吸い専用かにより、デバイスの代表的な特徴である。
【0031】
香料は、上記に概説した組成物に、10重量%以下の体積割合で添加し得る。
【0032】
香料は、その安全性が証明され、口腔粘膜および気道に膜形成作用、保護作用および抗酸化作用を及ぼすという医用混合物の目的を妨げない限り、果物、タバコ、メンソール香料またはそれらの混合物とし得る。
【0033】
したがって、本発明の組成物は、請求された範囲内で組成物を変更し、場合によっては使用する放出デバイスのパラメータを操作することにより、中咽頭腔の処置と肺気道の処置の両方に使用し得る。どのタイプの組成物およびデバイスにするのかの選択は、喫煙者のニーズ、すなわち、喫煙者が頬吸いに慣れているか肺吸いに慣れているかによる。
【実施例
【0034】
発明者らは、皮膚を模倣した粗い表面上での噴霧の効果、液滴の形成、そのサイズと永続性を検証することにより、3つの局所用製剤(経口スプレー)の接着能力をインビトロで予備的レベルで評価および比較する実験を行った。試験を行うために選択した支持体は、特定の表面粗さを持つポリメチルメタクリレート、PMMAプレートである。
【0035】
以下の組成(重量パーセント)を有する3つのサンプルが試験された。
【0036】
評価に使用した支持体は、平均表面粗さ4.8±1.4 μmを特徴とする面積25 cm2のPMMA WW5 Schonberg GmbHプレート(ミュンヘン、ドイツ)である。
【0037】
シクロデキストリンはα-シクロデキストリン(CAS # 10016-20-3)を使用した。
【0038】
抗酸化物質はレスベラトロール(CAS# 501-36-0)を使用した。
【0039】
各試料を、45°の傾斜で配置したPMMAプレート上で、20 cmの距離で2回噴霧し、その配置で噴霧後30分間観察し、30分後にプレートを60°に傾斜させ、さらに20分間観察した。
【0040】
実施例1の製剤は、PMMAプレート上に非常に小さな液滴が形成され、表面に均一に分布し、良好な噴霧効率を示した。45°に配置したプレートの最初の30分間の観察では、滑り落ちは見られなかった。60°の位置で20分間観察したところ、かろうじて感知できる滑り落ちが認められた。
【0041】
実施例2の製剤は、PMMAプレート上に小さな液滴が形成され、表面に均一に分布しており、良好な噴霧効率を示した。45°に配置したプレートの最初の30分間の観察では、滑り落ちは見られなかった。次に60°の位置で20分間観察したところ、わずかな滑り落ちが観察され、いくつかの液滴が合体してより大きな液滴を形成していた。
【0042】
比較製剤(先行技術)は、PMMAプレート上で製剤がすぐに滑り落ちる「ジェット」放出を示した。したがって、45°に配置したPMMAプレート上で30分間、さらに60°に配置したPMMAプレート上で20分間の挙動を観察することはできなかった。
【0043】
実験の結果、本発明による製剤は、先行技術から知られている比較物よりもはるかに良好な噴霧を可能にすることが明らかになった。特に、実施例1の製剤は、PMMAプレート(45°および60°の傾斜)上で絶対的に良好な接着特性を示した。実際、実施例1の製剤は、PMMAプレートの表面上に均一に分布する非常に小さな液滴の形成により、より大きな噴霧効果を示し、それらは効果的に付着を維持した。
【0044】
本発明の組成物は、理想的には汚染物質、毒性物質および酸化作用物質にさらされる前に、提供された指標を超えないように注意しながら、1日に1~10回投与しうる。
【0045】
したがって、本発明の組成物は、従来のタバコの喫煙、加熱式タバコによって生成される蒸気、または電子タバコの蒸気によって喫煙者に引き起こされるダメージを保護し、緩和することを可能にする。
【0046】
本発明の組成物は、ニコチンを含むタバコ製品の禁煙処置にも好適である。
【0047】
本発明はさらに、本発明による1つ以上の組成物の1回以上の用量含む噴霧投与用のデバイスであって、パーソナルヴェポライザー、電子タバコ、およびエアロゾルアトマイザーから選択されるデバイスに関する。
【0048】
本発明のいくつかの特定の実施形態のみが記載されたことは明らかであり、当業者は、本発明の保護範囲から逸脱することなく、特定の用途に適合させるために必要なすべての変更を行うことができるであろう。
図1
【国際調査報告】