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特表2024-531509網球状組織アブレーションデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】網球状組織アブレーションデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513377
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022041881
(87)【国際公開番号】W WO2023034207
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】17/463,216
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517377684
【氏名又は名称】イノブレイティブ デザインズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リウー, ロバート エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー, アリッサ
(72)【発明者】
【氏名】カース, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ルゼステック, ザッカリー
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー, ジョヴァンニ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK17
4C160KK37
4C160MM32
(57)【要約】
本発明は、組織空洞を囲繞する周縁組織のアブレーションのための網球状構成を有する、アブレーションデバイスである。本デバイスは、それを通した少なくとも1つの管腔を含む、非伝導性伸長シャフトと、シャフトから延在する、非伝導性遠位部分とを有する、プローブを含む。非伝導性遠位部分は、シャフトの少なくとも1つの管腔と連通する、複数の遠位ポートと、複数の近位ポートとを含む。本デバイスはさらに、管腔を通して延在し、非伝導性遠位部分の外部表面に沿って位置付けられる、複数の独立伝導性ワイヤを含む、電極アレイを含み、複数のワイヤはそれぞれ、近位ポートのうちの少なくとも関連付けられたものを通して、かつ遠位ポートのうちの少なくとも対応するものを通して通過する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスを製造するための方法であって、前記方法は、
2つの相補的半体として、内部空間を含む伸長本体を提供することであって、各半体は、遠位端において回転楕円体を備える、ことと、
2つのワイヤハーネスを提供することであって、各ワイヤハーネスは、複数の電気的に隔離されたワイヤを備え、各ワイヤは、伝導性遠位端を備える、ことと、
各伝導性遠位端の2つの部分が、前記回転楕円体の表面に沿って配置されるように、相補的本体半体のうちの1つの前記回転楕円体の遠位部分上に配置されるアンカ部材の周囲に各ワイヤの前記伝導性遠位端をループ状にすることと、
前記2つの相補的半体を継合することと
を含む、方法。
【請求項2】
各ワイヤの前記伝導性遠位端は、事前形成されたループである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ワイヤの前記伝導性遠位端をループ状にすることは、前記回転楕円体の外部表面に沿って事前形成されたループを配置し、前記アンカを前記回転楕円体の遠位部分に締結することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ワイヤの前記伝導性遠位端をループ状にすることは、前記伝導性遠位端を伸長本体半体の前記内部空間から外部側へ、前記回転楕円体の外部表面に沿って遠位に、前記アンカ部材の周囲に、前記外部表面に沿って近位に、かつ前記本体を通して前記内部空間の中に通過させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記相補的半体を継合することに先立って、各ワイヤハーネスは、前記伸長本体の内部空間内に配置される中心電気ワイヤに接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各ワイヤハーネスの一部は、伸長本体半体の内部表面上に配置される1つまたはそれを上回るチャネル内に着座される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
中心ワイヤの一部は、伸長本体半体の内部表面上に配置される1つまたはそれを上回るチャネル内に着座される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記相補的半体を継合することに先立って、前記方法はさらに、少なくとも1つの回転楕円体内に親水性挿入体を着座させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記親水性挿入体は、回転楕円形である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記親水性挿入体は、前記挿入体の内部内に配置される球状スペーサボールを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記親水性挿入体は、着座に先立って、スペーサの周囲に継合される2つの相補的半体として提供される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
伸長本体半体の前記内部空間内に少なくとも1つの流体管腔を着座させることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記伸長本体半体の内部空間の中に遠位流体管腔および近位流体管腔を着座させ、前記管腔を流体的に接続することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記管腔は、前記管腔の間に着座される流体コネクタを使用して接続される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記伸長本体半体を継合した後、前記方法はさらに、前記継合された回転楕円体の遠位端上に遠位キャップを着座させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記遠位キャップを着座させることは、前記アンカ部材の周囲に前記ループ状伝導性遠位端を固着させる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
遠位回転楕円体は、複数の支持部材を備え、各部材は、前記回転楕円体の近位部分から前記遠位部分に延在し、各部材の遠位端は、前記アンカ部材のうちの1つを介して前記回転楕円体の遠位部分に取り付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記方法はさらに、前記支持部材のうちの1つの側方表面に沿って各ワイヤの前記2つの伝導性ワイヤ部分のそれぞれを通過させることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法はさらに、前記支持部材のうちの1つの下に各ワイヤの前記2つの伝導性ワイヤ部分のそれぞれを通過させることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記支持部材は、伝導性である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、そのそれぞれの内容が、その全体として本明細書に参照することによって本明細書に組み込まれる、2015年10月29日に出願された、米国仮出願第62/248,157号および2016年1月7日に出願された、米国仮出願第62/275,984号の利益および優先権を主張する、2016年10月28日に出願された、米国非仮出願第号15/337,334号の継続出願である、2017年6月15日に出願された、米国非仮出願第15/624,327号の継続出願である、2017年12月1日に出願された、米国非仮出願第15/828,941号の継続出願である、2021年5月24日に出願された、米国非仮出願第17/328,530号の一部継続出願である、2021年8月31日に出願された、米国非仮出願第17/436,216号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、医療デバイスに関し、より具体的には、組織空洞を囲繞する周縁組織のアブレーションのための網球状組織アブレーションデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
癌は、身体の他の部分に浸潤または拡散する潜在性を伴う異常細胞成長を伴う、疾患群である。癌は、概して、患者の身体の特定のエリアに局在化し得る(例えば、具体的身体部分または器官と関連付けられる)、または全体を通して拡散し得る、腫瘍の形態において組織の異常成長として現れる。外科手術は、多くの場合、特に、癌が身体の他の部分に拡散していない場合、完全除去および治癒の最大の機会をもたらすため、腫瘍は、良性および悪性の両方とも、一般的に、外科手術介入を介して治療および除去される。例えば、電気外科手術方法が、これらの異常組織成長を破壊するために使用されることができる。しかしながら、いくつかの事例では、外科手術単独では、全ての癌性組織を局所環境から適正に除去するために不十分である。
【0004】
例えば、初期乳癌の治療は、典型的には、外科手術および補助照射の組み合わせを伴う。乳房切除術と異なり、腫瘤摘出術は、腫瘍およびその周囲の正常組織のわずかな縁(エリア)のみを除去する。放射線療法は、癌の再発の機会を低下させるように、除去された腫瘍の周囲の局所環境内に留まり得る癌細胞を根絶する試みにおいて、腫瘤摘出術後に与えられる。しかしながら、術後治療としての放射線療法は、種々の欠点に悩まされる。例えば、放射線技法は、高費用かつ時間がかかり、典型的には、数週間、時として、数ヶ月にわたって、複数回の治療を伴い得る。さらに、放射線は、多くの場合、意図されない損傷を標的域外側の組織にもたらす。したがって、典型的には、元々の腫瘍場所の近傍における、可能性が高い残留組織に影響を及ぼすのではなく、放射線技法は、多くの場合、皮膚、肺、および心臓に影響を及ぼす、短および長期合併症等、健康な組織に悪影響を及ぼす。
【0005】
故に、そのようなリスクは、数週間の毎日の放射線の負担と組み合わせられるとき、一部の患者に、腫瘤摘出術の代わりに、乳房切除術を選ばせ得る。さらに、腫瘤摘出術を受けた一部の女性(例えば、最大30パーセント(30%))も、放射線治療の短所に起因して、全治療の完了前に、療法を停止する。これは、特に、地方または患者の放射線設備へのアクセスが限定され得る他の地域に当てはまり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
外科手術は、多くの場合、特に、癌が転移していない場合、完全除去および治癒の最大の機会をもたらすため、腫瘍は、良性および悪性の両方とも、一般的に、外科手術介入を介して治療および破壊される。しかしながら、腫瘍が破壊された後、中空空洞が、残り得、本空洞を囲繞し、かつ元々の腫瘍部位を囲繞する組織は、依然として、異常のままである、または外科医が切除に失敗する、または切除不能である、潜在的癌性細胞であり得る。本囲繞組織は、一般的に、「周辺組織」または「周縁組織」と称され、腫瘍の再発が生じる可能性が最も高くなり得る、患者内の場所である。
【0007】
本明細書に説明されるシステムおよび方法は、治療された局所環境内の残留疾患を管理する試みにおいて、空洞の周囲の正常組織の薄縁を破壊するためのアブレーション手技の間に使用されることができる。本技法は、局所環境内の全ての微視的疾患が治療されていることを確実にするために役立つことができる。これは、特に、再発する傾向を有する腫瘍の治療に当てはまる。手術中に延在する腫瘍周縁へのそのような方法の適用は、肝臓、特に、乳房を含む、身体の多くのエリアに適用可能である。
【0008】
特に、本開示は、概して、組織空洞の中に送達され、高周波(RF)エネルギー等の非電離放射線を放出し、組織空洞の周囲の周縁組織を治療するためのアブレーションデバイスを含む、空洞性組織アブレーションシステムを対象とする。本発明の組織アブレーションデバイスは、概して、ハンドルとして構成され、手動操作のために適合される、伸長シャフトと、シャフトに結合される、非伝導性遠位部分とを含む、プローブを含む。非伝導性遠位部分は、その外部表面に沿って位置付けられる、電極アレイを含む。電極アレイを含む、遠位部分は、組織空洞(例えば、腫瘍除去から形成される)に送達され、その中で操縦され、腫瘍の再発を最小限にするために、組織空洞を直接囲繞する周縁組織を(RFエネルギーを介して)アブレーションするように構成されることができる。
【0009】
一側面では、電極アレイは、相互から電気的に隔離され、独立する、複数の伝導性部材(例えば、伝導性ワイヤ)から成る。したがって、いくつかの実施形態では、複数の伝導性ワイヤのそれぞれまたは伝導性ワイヤの組み合わせの1つまたはそれを上回るセットは、独立して、電流をエネルギー源(例えば、アブレーション発生器)から受け取り、独立して、RFエネルギーを含む、エネルギーを伝導するように構成される。これは、エネルギーが指定された伝導性ワイヤまたは伝導性ワイヤの組み合わせに選択的に送達されることを可能にする。本設計はまた、第1の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、エネルギーをアブレーション発生器とのその電気接続を通して囲繞組織に送達することができる一方、第2の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、接地または中立伝導性部材として機能することができるため、アブレーションデバイスが、双極モードで機能することを可能にする。
【0010】
各ワイヤまたはワイヤのセットの独立制御は、電極アレイの対応する部分のアクティブ化(例えば、RFエネルギーの放出)を可能にする。例えば、電極アレイは、本デバイスの遠位部分の臨床軸または側面に対応し得る、具体的部分にパーティション化されてもよい。一実施形態では、電極アレイは、遠位部分の4つの臨床軸または側面(例えば、回転楕円体の周囲の4つの側面または象限)に対応する、少なくとも4つの明確に異なる部分(すなわち、個々の伝導性ワイヤまたは伝導性ワイヤのセット)を含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、アブレーションデバイスは、仮想電極配列を介して、RFアブレーションを提供するように構成され、これは、遠位先端の外部表面に沿った伝導性流体の分散を含み、電極アレイのアクティブ化に応じて、流体は、電極アレイから放出されるエネルギーを囲繞組織に搬送または別様に助長してもよい。例えば、アブレーションデバイスの非伝導性遠位部分は、少なくとも間隔部材(例えば、スペーサボール)を保定する、内部チャンバと、間隔部材を囲繞する、親水性挿入体とを含む。遠位部分の内部チャンバは、流体源からその中に流体(例えば、生理食塩水)を受容および保定するように構成される。親水性挿入体は、重力に対して流体を吸い上げることによって、流体を受容し、遠位先端を通して均一に分散させるように構成される。均一な分散は、プローブ配向から独立する。挿入体はまた、流体流動抵抗としての役割を果たし、流体の全てが過剰に急速に灌注ポートから外に貯留することを防止する。遠位部分は、概して、流体が、それを通して通過する、または内部チャンバから遠位部分の外部表面に浸出することを可能にするように構成される、複数のポートまたは開口を含んでもよい。スペーサ部材は、親水性挿入体が穿孔への流体分散の均一性を提供するように、親水性挿入体を遠位先端壁の内部表面と接触して、具体的には、1つまたはそれを上回る穿孔と接触して維持するように成形およびサイズ決めされる。故に、標的部位(例えば、アブレーションされるべき組織空洞)内への遠位部分の位置付けに応じて、電極アレイは、アクティブ化されることができる。穿孔を通して遠位部分の外側表面に浸出する流体は、エネルギーを電極アレイから搬送し、それによって、仮想電極を生成することが可能である。故に、流体が穿孔を通して浸出することに応じて、流体の貯留または薄膜が、遠位部分の外部表面上に形成され、電極アレイから搬送されるRFエネルギーを介して、囲繞組織をアブレーションするように構成される。
【0012】
本開示のデバイスおよび方法が、そのような外科手術後治療に限定されず、本明細書で使用されるように、語句「体腔」が、尿管(例えば、前立腺治療のため)、子宮(例えば、子宮アブレーションまたは子宮筋腫治療のため)、卵管(例えば、滅菌のため)、および同等物等、天然体腔および通路等の非外科的に生成された空洞を含み得ることに留意されたい。加えて、または代替として、本開示の組織アブレーションデバイスは、身体および器官(例えば、肺、肝臓、膵臓等)の種々の部分内の周縁組織または表面組織のアブレーションのために使用されてもよく、乳癌の治療に限定されない。
【0013】
本開示は、高速かつ単純な製造方法に適している、精緻化された設計を有する、本発明と一貫するアブレーションデバイスを含む。故に、本開示はまた、そのようなアブレーションデバイスを製造するための方法を提供する。
【0014】
本発明の医療デバイスを製造するための例示的方法は、2つの相補的半体として、内部空間を含む伸長本体を提供することであって、各半体は、遠位端において回転楕円体を備える、ことと、2つのワイヤハーネスを提供することであって、各ワイヤハーネスは、複数の電気的に隔離されたワイヤを備え、各ワイヤは、伝導性遠位端を備える、ことと、各伝導性遠位端の2つの部分が、回転楕円体の表面に沿って配置されるように、相補的本体半体のうちの1つの回転楕円体の遠位部分上に配置されるアンカ部材の周囲に各ワイヤの伝導性遠位端をループ状にすることと、2つの相補的半体を継合することとを含む。伝導性ワイヤはまた、ワイヤの端部における物理的終端を介して係留されてもよく、終端は、伝導性または非伝導性材料から成ることができる。
【0015】
ある側面では、各ワイヤの伝導性遠位端は、事前形成されたループである。ワイヤの伝導性遠位端をループ状にすることは、回転楕円体の外部表面に沿って事前形成されたループを配置し、アンカを回転楕円体の遠位部分に締結することを含んでもよい。ある側面では、ワイヤの伝導性遠位端をループ状にすることは、伝導性遠位端を伸長本体半体の内部空間から外部側へ、回転楕円体の外部表面に沿って遠位に、アンカ部材の周囲に、外部表面に沿って近位に、かつ本体を通して内部空間の中に通過させることを含む。
【0016】
ある方法では、相補的半体を継合することに先立って、各ワイヤハーネスは、伸長本体の内部空間内に配置される、中心電気ワイヤに接続される。各ワイヤハーネスの一部は、伸長本体半体の内部表面上に配置される、1つまたはそれを上回るチャネル内に着座されてもよい。ある側面では、中心ワイヤの一部は、伸長本体半体の内部表面上に配置される、1つまたはそれを上回るチャネル内に着座される。
【0017】
本発明のある方法は、少なくとも1つの回転楕円体内に親水性挿入体を着座させることを含む。親水性挿入体は、回転楕円形であってもよい。親水性挿入体は、構造的隆起または噛合特徴を含み得る、相補的半体の内部表面に嵌合するための一意の形状を有してもよい。親水性挿入体はまた、挿入体の内部内に配置される、球状スペーサボールを含んでもよい。親水性挿入体は、着座に先立って、スペーサの周囲に継合される、2つの相補的半体として提供されてもよい。親水性挿入体は、スペーサボールに取り付けられてもよい。
【0018】
ある側面では、本方法は、伸長本体半体の内部空間内に少なくとも1つの流体管腔を着座させることを含む。本方法はさらに、伸長本体半体の内部空間の中に遠位流体管腔および近位流体管腔を着座させ、管腔を流体的に接続することを含んでもよい。管腔は、管腔の間に着座される流体コネクタを使用して接続されてもよい。
【0019】
ある側面では、流体コネクタは、流体がハンドルの中に流動することを防止するために、本デバイスの縮径部の中に挿入されてもよい。流体コネクタは、シールを完成させるための接着剤または液体シリコーンの補助の有無を問わず、気密または耐漏洩性シールを完成させてもよい。
【0020】
ある側面では、スペーサボールは、2つの相補的半体をともに噛合させるための方法としての役割を果たしてもよい。相補的半体は、構造的支持を提供し、および/または噛合構成の一部である、隆起を含んでもよい。
【0021】
ある側面では、2つの相補的半体の間の電気接続は、2つの半体が一体となるときに噛合する伝導性構成要素を使用して行われてもよい。電極は、これらの伝導性構成要素において終端してもよい。2つの伝導性構成要素は、オス型およびメス型部分の構成を介してともに噛合してもよい。ある側面では、伸長本体半体を継合した後、本方法はさらに、継合された回転楕円体の遠位端上に遠位キャップを着座させることを含む。ある側面では、遠位キャップを着座させることは、アンカ部材の周囲にループ状伝導性遠位端を固着させる。
【0022】
ある方法では、遠位回転楕円体は、複数の支持部材を含み、各部材は、回転楕円体の近位部分から遠位部分に延在し、各部材の遠位端は、アンカ部材のうちの1つを介して回転楕円体の遠位部分に取り付けられる。本方法はさらに、支持部材のうちの1つの側方表面に沿って各ワイヤの2つの伝導性ワイヤ部分のそれぞれを通過させることを含んでもよい。本発明のある方法は、支持部材のうちの1つの下に各ワイヤの2つの伝導性ワイヤ部分のそれぞれを通過させることを含む。ある側面では、支持部材は、伝導性である。
【0023】
ある側面では、コントローラは、バッテリによって給電されてもよく、バッテリは、オーバーレイを使用して定位置に保持されてもよい。オーバーレイは、使用後にバッテリを除去するために、ユーザがオーバーレイの一部を引裂することを可能にする、穿孔区分を含有してもよい。オーバーレイは、流体進入がバッテリスロットの中に滲出することを防止する、発泡体裏張りを有してもよい。オーバーレイの穿孔は、流体進入を防止するために、バッテリ窓の外側に位置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
請求される主題の特徴および利点は、それと一貫する実施形態の以下の詳細な説明から明白となり、その説明は、付随の図面を参照して検討されるべきである。
【0025】
図1図1は、本開示と一貫する、アブレーションシステムの概略図示である。
【0026】
図2図2は、図1のアブレーションシステムのアブレーションデバイス先端の斜視図である。
【0027】
図3A図3A、3B、および3Cは、図2のアブレーションデバイス先端のより詳細な斜視図である。
図3B図3A、3B、および3Cは、図2のアブレーションデバイス先端のより詳細な斜視図である。
図3C図3A、3B、および3Cは、図2のアブレーションデバイス先端のより詳細な斜視図である。
【0028】
図4図4Aおよび4Bは、それぞれ、非伝導性遠位部分の有無別の図1のアブレーションデバイスのアブレーションデバイス先端を図式的に図示する。
【0029】
図5図5Aは、送達構成から展開構成への遠位部分の遷移を図示する、アブレーションデバイスの展開可能遠位部分の一実施形態の側面図であり、図5Bは、その断面図である。
【0030】
図6図6は、周縁組織のアブレーションのために、図5Aおよび5Bの遠位部分を標的部位へのRFエネルギーの送達のための拡張構成に展開する方法を図示する。
【0031】
図7図7は、遠位部分の内部チャンバ内への内部バルーン部材の含有を図示する、図5Aおよび5Bの展開可能遠位部分の断面図である。内部バルーンは、流体を流体源から受容し、それによって、拡張するように構成され、これは、ひいては、遠位部分を送達構成から展開構成に遷移させ、遠位部分壁上の1つまたはそれを上回る穿孔を通した流体の浸出を介して、流体を遠位部分の外部表面にさらに供給し、電極アレイとの仮想電極配列を生成する。
【0032】
図8図8は、遠位部分の内部チャンバ内に提供され、流体を流体源から受容し、遠位部分壁上の1つまたはそれを上回る穿孔を通した流体の浸出を介して、流体を遠位部分の外部表面の外部に均一に分散させ、電極アレイとの仮想電極配列を生成するように構成される、親水性挿入体を含む、本開示と一貫する、アブレーションデバイスの分解図である。
【0033】
図9図9は、図8のアブレーションデバイスの分解図であり、親水性挿入体をより詳細に図示する。
【0034】
図10図10A-10Eは、図1のアブレーションデバイスの遠位先端の斜視図であり、種々の電極アレイ構成を図示する。
【0035】
図11図11は、いくつかの臨床軸または側面を含む、図1のアブレーションデバイスの遠位先端の側面図である。各臨床軸または側面は、1つまたはそれを上回る独立して接続された電極を含み、これは、微分関数および電流独立駆動および/または測定を可能にする。
【0036】
図12A図12A-12Dは、印加デバイスの遠位先端の側面および斜視図であり、図11の異なる臨床軸または側面を図示する。
図12B図12A-12Dは、印加デバイスの遠位先端の側面および斜視図であり、図11の異なる臨床軸または側面を図示する。
図12C図12A-12Dは、印加デバイスの遠位先端の側面および斜視図であり、図11の異なる臨床軸または側面を図示する。
図12D図12A-12Dは、印加デバイスの遠位先端の側面および斜視図であり、図11の異なる臨床軸または側面を図示する。
【0037】
図13A図13A-13Cは、本発明と一貫する、デバイスコントローラの種々の実施形態の斜視図である。
図13B図13A-13Cは、本発明と一貫する、デバイスコントローラの種々の実施形態の斜視図である。
図13C図13A-13Cは、本発明と一貫する、デバイスコントローラの種々の実施形態の斜視図である。
【0038】
図14図14は、図13Aに示されるデバイスコントローラの分解斜視図を示す。
【0039】
図15図15は、本開示と一貫する、アブレーションデバイスの別の実施形態の分解斜視図である。
【0040】
図16図16は、図15のアブレーションデバイスの平面図であり、相互から分離された本デバイスの2つの半体を図示し、それぞれの外部表面を示す。
【0041】
図17図17は、図15のアブレーションデバイスの平面図であり、相互から分離された本デバイスの2つの半体を図示し、それぞれの内部表面を示す。
【0042】
図18図18Aおよび18Bは、それぞれ、外部および内部表面を示す、本デバイスの第1の半体の回転楕円体の拡大図であり、回転楕円体の近位および遠位ポートを通して延在する第1および第2の伝導性ワイヤの特定の配列をさらに図示する。
【0043】
図19図19Aおよび19Bは、それぞれ、外部および内部表面を示す、本デバイスの第2の半体の回転楕円体の拡大図であり、回転楕円体の近位および遠位ポートを通して延在する第3および第4の伝導性ワイヤの特定の配列をさらに図示する。
【0044】
図20図20は、図15のアブレーションデバイスの概略図示であり、コントローラによって制御されるような潅注ポンプから本デバイスの遠位部分の内部チャンバ内の親水性挿入体への流体の送達を図示し、流体は、続いて、遠位部分の外部表面に分散され、電極アレイの1つまたはそれを上回る部分のアクティブ化に応じて、仮想電極配列をもたらすことができる。
【0045】
図21図21は、RFアブレーション手技の間の温度データの収集のために温度プローブ(または任意の他の別個の監視デバイス)をアブレーションデバイスの遠位部分に対する所望の位置に保持するための着脱可能搭載部の斜視図である。
【0046】
図22図22は、温度プローブをアブレーションデバイスの遠位部分に対して保持する、取外可能搭載部の平面図である。
【0047】
図23図23は、本発明の例示的アブレーションデバイスの斜視図を示す。
【0048】
図24図24は、本発明の例示的アブレーションデバイスの分解図を示す。
【0049】
図25図25は、本発明の例示的アブレーションデバイスの裁断図を示す。
【0050】
図26図26は、本発明の例示的アブレーションデバイスの斜視図を示す。
【0051】
図27図27は、本発明のアブレーションデバイスの遠位端の斜視図を示す。
【0052】
本開示の徹底的な理解のために、上記に説明される図面に関連して、添付の請求項を含む、以下の詳細な説明を参照されたい。本開示は、例示的実施形態に関連して説明されるが、本開示は、本明細書に記載される具体的形態に限定されることを意図していない。種々の省略および均等物の代用が、状況が示唆または好都合と見なし得る場合、想定されることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0053】
詳細な説明
概要を用いて、本開示は、概して、組織空洞の中に送達され、組織空洞を囲繞する周縁組織をアブレーションするように構成される、展開可能アプリケータヘッドを有する、組織アブレーションデバイスを対象とする。
【0054】
本開示と一貫する組織アブレーションシステムは、腫瘤摘出術手技によって生成された乳房組織内の不規則な形状の空洞等の中空体腔を治療するために非常に好適であり得る。例えば、いったん腫瘍が除去されると、組織空洞が、残る。本空洞を囲繞する組織は、腫瘍の再発が生じる可能性が最も高くなり得る、患者内の場所である。その結果、腫瘍が除去された後、囲繞組織(本明細書では、「周辺組織」または「周縁組織」とも称される)を破壊することが、望ましい。
【0055】
本開示の組織アブレーションシステムは、標的化様式において、空洞の周囲の周縁組織の薄縁を破壊するためのアブレーション手技の間に使用されることができる。特に、本開示は、概して、組織空洞の周囲の周縁組織の標的化部分のアブレーションおよび破壊のための治療を送達するように、組織空洞の中に送達され、所望の形状またはパターンにおいて、高周波(RF)エネルギー等の非電離放射線を放出するように構成される、アブレーションデバイスを含む、空洞性組織アブレーションシステムを対象とする。
【0056】
本発明の組織アブレーションデバイスは、概して、ハンドルとして構成され、手動操作のために適合される、伸長シャフトと、シャフトに結合される、非伝導性遠位部分とを含む、プローブを含む。非伝導性遠位部分は、その外部表面に沿って位置付けられる、電極アレイを含む。電極アレイを含む、遠位部分は、腫瘍の再発を最小限にするために、組織空洞(例えば、腫瘍除去から形成される)に送達され、その中で操縦され、組織空洞を直接囲繞する周縁組織を(RFエネルギーを介して)アブレーションするように構成されることができる。本開示の組織アブレーションデバイスは、外科医または他の医療専門家が、RFエネルギーの精密な測定された用量を、制御された深度において、空洞を囲繞する周縁組織に送達することを可能にするように構成される。
【0057】
故に、本開示と一貫する組織アブレーションデバイスは、腫瘤摘出術手技によって生成された乳房組織内の不規則な形状の空洞等の中空体腔を治療するために非常に好適であり得る。しかしながら、本開示のデバイスが、そのような外科手術後治療に限定されず、本明細書で使用されるように、語句「体腔」が、尿管(例えば、前立腺治療のため)、子宮(例えば、子宮アブレーションまたは子宮筋腫治療のため)、卵管(例えば、滅菌のため)、および同等物等、天然体腔および通路等の非外科的に生成された空洞を含み得ることに留意されたい。加えて、または代替として、本開示の組織アブレーションデバイスは、身体および器官(例えば、皮膚、肺、肝臓、膵臓等)の種々の部分内の周縁組織のアブレーションのために使用されてもよく、乳癌の治療に限定されない。
【0058】
図1は、患者12内の腫瘍除去手技の間、周縁組織の標的化アブレーションを提供するためのアブレーションシステム10の概略図示である。アブレーションシステム10は、概して、遠位先端または部分16と、遠位先端16が接続される、伸長カテーテルシャフト17とを有する、プローブを含む、アブレーションデバイス14を含む。カテーテルシャフト17は、概して、流体送達管腔を含む、非伝導性伸長部材を含んでもよい。アブレーションデバイス14はさらに、電気接続(図2に示される電気ライン34)にわたって、デバイスコントローラ18およびアブレーション発生器20と、流体接続(図2に示される流体ライン38)にわたって、潅注ポンプまたは点滴装置22とに結合されてもよい。アブレーション発生器20はまた、患者12の皮膚に取り付けられる、帰還電極15に接続されてもよい。
【0059】
本明細書により詳細に説明されるであろうように、デバイスコントローラ18は、デバイス14の1つまたはそれを上回る伝導性部材からのエネルギーの放出を制御し、アブレーションをもたらし、かつRFアブレーション手技の間のヘッド16からの流体の後続浸出を制御するように、アプリケータヘッド16への流体の送達を制御するために使用されてもよい。ある場合には、デバイスコントローラ18は、アブレーションデバイス14内に格納されてもよい。アブレーション発生器20はまた、患者12の皮膚に取り付けられる、帰還電極15に接続されてもよい。
【0060】
本明細書により詳細に説明されるであろうように、アブレーション治療の間、アブレーション発生器20は、概して、デバイスコントローラ18によって制御されるように、RFエネルギー(例えば、高周波(RF)範囲(例えば、350~800kHz)内の電気エネルギー)をアブレーションデバイス14の電極アレイに提供してもよい。同時に、生理食塩水もまた、ヘッド16から解放されてもよい。RFエネルギーは、患者12の血液および組織を通して、図1に示されるような帰還電極15または遠位ヘッド16自体の上の帰還電極に進行する。プロセスでは、エネルギーは、アクティブ化された電極アレイの部分に隣接する組織の領域をアブレーションする。
【0061】
図2は、アブレーションデバイス14の遠位部分または先端16の斜視図である。遠位先端16は、縮径部分24と、縮径部24から遠位に延在する、略回転楕円体26とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転楕円体26が、概して堅固であり得、デフォルト形状を維持し得ることに留意されたい。しかしながら、いくつかの実施形態では、回転楕円体26は、特に、図5A-5Bおよび6-7に関して本明細書により詳細に説明されるであろうように、圧潰状態と拡張状態との間を遷移するように構成されてもよい。例えば、回転楕円体26は、回転楕円体26の展開構成サイズ(例えば、赤道直径)に対して低減されたサイズ(例えば、赤道直径)を有する、送達構成に圧潰可能であってもよい。
【0062】
いくつかの実施例では、回転楕円体26は、内部表面、外部表面、または外部および内部表面の両方の少なくとも一部の上の層として、非伝導性材料(例えば、ポリアミド)を含む。他の実施例では、回転楕円体26は、非伝導性材料から形成される。加えて、または代替として、回転楕円体26材料は、エラストマ材料または形状記憶材料を含むことができる。
【0063】
いくつかの実施例では、回転楕円体26は、約80mmまたはそれ未満の直径(例えば、赤道直径)を有する。ある実装では、展開構成における遠位先端の回転楕円体26は、2.0mm~60mm(例えば、5mm、10mm、12mm、16mm、25mm、30mm、35mm、40mm、50mm、および60mm)の赤道直径を有する。外科手術手技に基づいて、回転楕円体26の圧潰性は、遠位先端が標準的シース(例えば、8F導入器シース)を使用して送達されることを可能にすることができる。しかしながら、回転楕円体26は、いくつかの手技では、圧潰可能である必要はなく、したがって、比較的に堅固な本体を有し、デフォルト形状を維持する。
【0064】
アブレーションデバイス14の遠位先端16はさらに、その上に位置付けられる電極アレイを含む。電極アレイは、少なくとも1つの伝導性部材28を含む。図に図示されるように、電極アレイは、少なくとも8つの伝導性部材28を含んでもよい。故に、電極アレイは、複数の伝導性部材28を含んでもよい。複数の伝導性部材28は、遠位先端16内で、チャネル32を通して、回転楕円体26の外部表面に沿って延在する。伝導性部材28は、遠位先端16の縦方向長に沿って延在し、相互から半径方向に離間される(例えば、等距離に離間される)。これらの伝導性部材は、アブレーション発生器からRFエネルギーを伝送し、任意の好適な伝導性材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属)から形成されることができる。いくつかの実施例では、伝導性部材28は、金属ワイヤである。故に、説明を容易にするために、伝導性部材は、以降、「伝導性ワイヤ28」と称されるであろう。
【0065】
図示されるように、伝導性ワイヤ28のうちの1つまたはそれを上回るものは、残りの伝導性ワイヤ28のうちの1つまたはそれを上回るものから電気的に隔離されることができる。本電気隔離は、アブレーションデバイス14のための種々の動作モードを可能にする。例えば、アブレーションエネルギーは、双極モード、単極モード、または双極および単極の組み合わせモードで1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤ28に供給されてもよい。単極モードでは、アブレーションエネルギーは、図1を参照して説明されるように、アブレーションデバイス14上の1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤ28と帰還電極15との間に送達される。双極モードでは、エネルギーは、伝導性ワイヤ28のうちの少なくとも2つの間に送達される一方、少なくとも1つの伝導性ワイヤ28は、中立のままである。言い換えると、少なくとも1つの伝導性ワイヤは、エネルギーを少なくとも1つの伝導性ワイヤ28にわたって送達しないことによって、接地された伝導性ワイヤ(例えば、電極)として機能する。
【0066】
電極アレイはさらに、複数の伝導性ワイヤ28のための支持を提供するように構成される、1つまたはそれを上回る安定化部材30を含んでもよい。1つまたはそれを上回る安定化部材30は、概して、回転楕円体26を囲むように、遠位先端16の表面(例えば、外部または内部)に沿って延在する。安定化部材30は、いくつかの実施例では、1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤ28に電気的に接続することができる。他の実施例では、安定化部材30は、非伝導性である。安定化部材30は、好適に剛性の材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属)から形成されることができる。いくつかの実装では、安定化部材30は、回転楕円体26の一部と一体型であり得る(例えば、肋材として)。遠位先端16は、概して、1つまたはそれを上回る安定化部材とともに示されるが、いくつかの実装では、遠位先端16は、安定化部材がない。
【0067】
伝導性ワイヤ28および非伝導性回転楕円体26の配列の図示をさらに補助するために、図4Aは、非伝導性回転楕円体26にわたって位置付けられる伝導性ワイヤ28を示す一方、図4Bは、非伝導性回転楕円体26を伴わないアブレーションデバイスの電極アレイを示す。
【0068】
示されるように、遠位先端16は、それぞれ、電気ライン34および流体ライン38を介して、アブレーション発生器20および/または潅注ポンプ22に結合されてもよい。電気ライン34および流体ライン38はそれぞれ、それぞれ、関連付けられたラインをアブレーション発生器20および潅注ポンプ22上の個別のインターフェースと結合するように構成される、アダプタ端部36、40を含んでもよい。いくつかの実施例では、アブレーションデバイス14はさらに、デバイスコントローラ18としての役割を果たし得、したがって、アブレーション発生器20およびアブレーションデバイス14および先端16に送達されるべき流体の量を制御するための潅注ポンプ22と電気連通し得る、ユーザスイッチまたはインターフェース19を含んでもよい。
【0069】
スイッチ19は、ユーザに、本明細書により詳細に説明されるであろうように、デバイス14のアブレーション出力の制御に関する種々のオプションを提供することができる。例えば、デバイスコントローラ18としての役割を果たし得る、スイッチ19は、タイマ回路または同等物を含み、伝導性ワイヤ28が事前選択されたまたは所望の時間量にわたって通電されることを可能にしてもよい。事前選択されたまたは所望の時間量が経過した後、電気接続は、自動的に終了され、患者へのエネルギー送達を停止することができる。ある場合には、スイッチ19は、個々の伝導性ワイヤ28に接続されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スイッチ19は、1つまたはそれを上回る個々の伝導性ワイヤまたは指定された伝導性ワイヤの組み合わせが、事前選択されたまたは所望の持続時間にわたって通電されるように、アブレーション発生器20からのエネルギー送達を制御するように構成されてもよい。
【0070】
図3A、3B、および3Cは、より詳細な図2の遠位先端16の斜視図である。図2および3A-3Cに示されるように、伝導性ワイヤ28は、遠位先端16内の管腔42を通して延在する。例えば、伝導性ワイヤ28はそれぞれ、縮径部27の管腔42に進入し、遠位先端の最遠位部分における中心チャネル32または複数の近位ポート44のうちの1つのいずれかを通して遠位先端から退出する前に、遠位先端部分16を通して延在する。いくつかの実施例では、遠位先端16の壁を通して延在する、複数の遠位ポート46は、チャネル32の周囲に位置付けられる。複数の近位ポート44もまた、遠位先端16の壁を通して延在することができる。これらの近位ポート44は、遠位先端16の回転楕円体26と縮径部24との間の合流点に近接近して(例えば、少なくとも5mm以内、少なくとも3mm以内、少なくとも1mm以内、0.5mm以内、0.4mm以内、または0.2mm以内)遠位先端16の周囲に位置付けられることができる。ある場合には、近位ポート44および遠位ポート46の数は、伝導性ワイヤ28の数に等しい。
【0071】
いくつかの実施例では、各伝導性ワイヤ28は、異なる遠位ポート46を通して延在することができ、これは、伝導性ワイヤ28が相互から電気的に隔離されたままであることを可能にする。他の実施例では、1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤは、同一の遠位ポート46を通して延在することができる。
【0072】
遠位ポート46を通した通過に応じて、各伝導性ワイヤ28は、遠位先端16の外部表面に沿って延在することができる。いくつかの実施例では、外部表面に沿って延在する伝導性ワイヤ28の長さは、回転楕円体26の長さの少なくとも20%(例えば、少なくとも、50%、60%、75%、85%、90%、または99%)である。伝導性ワイヤ28は、次いで、対応する近位ポート44を通して、遠位先端16の管腔42に再進入することができる。例えば、図3Cに示されるように、伝導性ワイヤ28(1)は、遠位ポート46(1)を通して通過し、遠位先端16の外部表面の長さに沿って延在し、関連付けられた近位ポート44(1)を通して、遠位先端16の管腔42の中に通過する一方、伝導性ワイヤ28(2)は、それぞれ、これが関連付けられた近位および遠位ポート44(2)、46(2)を通して通過するという点において、伝導性ワイヤ28(1)から電気的に隔離される。
【0073】
いくつかの実施例では、各伝導性ワイヤ28は、異なる関連付けられた近位ポート44を通して延在することができ、これは、伝導性ワイヤ28が相互から電気的に隔離されたままであることを可能にする。他の実施例では、1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤは、同一の近位ポートを通して延在することができる。しかし、特に、図18A-18Bおよび19A-19Bに図示されるデバイス14aを参照して本明細書により詳細に説明されるであろうように、個々の伝導性ワイヤは、複数の近位および遠位ポートを通して延在することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、回転楕円体26は、圧潰状態と拡張状態との間を遷移するように構成されてもよく、これは、外科医が、低減された開口部を有し得、回転楕円体がデフォルト形状にあるとき、アクセスすることが困難であり得る、身体のあるエリアの中に遠位部分26を導入することを可能にし得る。図5Aは、送達構成から展開構成への遠位部分26の遷移を図示する、アブレーションデバイス14の展開可能遠位部分26の一実施形態の側面図であり、図5Bは、その断面図である。
【0075】
示されるように、送達構成にあるとき、回転楕円体26は、概して、扁長回転楕円形形状を有し、それによって、展開構成サイズ(例えば、赤道直径)に対して低減されたサイズ(例えば、赤道直径)を有してもよい。いくつかの実施形態では、回転楕円体26は、伝導性ワイヤのうちの1つまたはそれを上回るものの操作を介して、送達および展開構成の間を遷移するように構成されてもよい。例えば、図5Bに示されるように、少なくとも1つの伝導性ワイヤ28は、遠位先端16の縦方向軸に沿って軸方向に平行移動するように構成されてもよく、これは、ひいては、回転楕円体26を送達構成と展開構成との間で遷移または変形させる、または部分的にそのようにさせる、力を遠位先端16の少なくともある領域上に付与することができる。例えば、軸方向に沿った伝導性ワイヤ28の軸方向平行移動は、回転楕円体26に展開のためのより球状の構成をとらせる、力を遠位先端16上に付与する。言い換えると、伝導性ワイヤ28を軸方向に平行移動させることは、回転楕円体26を、回転楕円体26が扁長回転楕円形形状を呈する、送達構成から、回転楕円体26が扁平回転楕円形形状を呈する、展開構成に遷移させる。
【0076】
図6は、周縁組織のアブレーションのための標的部位へのRFエネルギーの送達のために、遠位部分16を拡張構成に展開する方法を図示する。示されるように、アブレーションデバイス14のカテーテルシャフト17は、随意に、カテーテルシャフト上でアクセス可能なノブまたは制御機構に接続される、専用制御ワイヤを含むことができる。本実施例では、1つまたはそれを上回る制御ワイヤまたは他の構成要素は、伝導性ワイヤに結合され、遠位先端15のカテーテルシャフト17からの後退および拡張を(例えば、方向48に沿った押動および方向50に沿った引動を介して)制御してもよい。加えて、他の構成要素(例えば、伝導性要素およびRF発生器に電気的に結合するための電気配線)もまた、アブレーションデバイス14のカテーテルシャフト17の少なくとも1つの管腔内に格納されることができる。
【0077】
いくつかの実装では、カテーテルシャフト17は、手動操作のために適合されるハンドルとして構成されることができる。いくつかの実施例では、カテーテルシャフト17は、加えて、または代替として、Intuitive Surgical, Inc.(Sunnyvale, California)から入手可能なDa Vinci(登録商標)外科手術用ロボット等の外科手術用ロボットへの接続および/またはそれとのインターフェースのために構成される。アブレーションまたは他の手技が行われる間、カテーテルシャフト17は、患者ベッドに係留され、本デバイスを定位置に保持するタイプのシェイプロックまたは他の展開および懸架システムによって、定位置に保持されるように構成され、ユーザが治療の持続時間にわたって本デバイスを手動で保持する必要性を排除してもよい。
【0078】
図7は、図5Aおよび5Bの展開可能遠位部分の断面図であり、遠位部分26の内部チャンバ内への内部バルーン部材の含有を図示する。内部バルーンは、流体を流体源から受容し、それによって、拡張するように構成され、これは、ひいては、遠位部分を送達構成から展開構成に遷移させ、遠位部分壁上の1つまたはそれを上回る穿孔(例えば、遠位ポート46)を通した流体の浸出を介して、流体を遠位部分の外部表面にさらに供給し、電極アレイとの仮想電極配列を生成する。例えば、内側バルーンは、バルーン内に提供される流体(例えば、生理食塩水)が、バルーンが膨張されると、バルーンから、それを通して通過する、または浸出することを可能にするように、複数の穿孔、孔、または微小細孔をバルーン壁内に含んでもよい。穿孔は、ある体積の流体が、バルーンが膨張されたままであり、その形状を維持することを可能にするような制御されたレートで、バルーンの内部容積から遠位部分26の内部チャンバの中に通過し、次いで、遠位部分壁内に形成される1つまたはそれを上回る穿孔、孔、または微小細孔を通して、先端の外部表面に通過することを可能にするようなパターンでサイズ決め、成形、および/または配列されてもよい。
【0079】
図8は、本開示と一貫する、アブレーションデバイス14の分解図である。示されるように、いくつかの実装では、アブレーションデバイス14、具体的には、遠位先端16は、相互に結合され、一体型遠位先端16を形成するように構成される、2つまたはそれを上回る部品(先端半体16aおよび16b)から形成されてもよい。各半体16aおよび16bは、協働する縮径部分24a、24bおよび回転楕円体26a、26b、および遠位先端16の内部を完全に封入するように、両半体16aおよび16bに結合されるべきキャップ52を含む。さらに図示されるように、電気ライン34が、伝導性ワイヤ28をコントローラ18およびアブレーション発生器20に結合するために提供されてもよく、流体ライン38が、伝導性流体(例えば、生理食塩水)を先端16に提供するように、流体接続を潅注ポンプまたは点滴装置22と遠位先端16との間に提供するために提供されてもよい。電気ライン34および/または流体送達ライン38は、安定化要素62によってデバイス管腔内に支持されることができる。ある場合には、安定化要素62は、遠位先端16の縮径部24と一体型であってもよい。
【0080】
前述で説明されるように、伝導性部材28は、第1のポート(例えば、遠位ポート44)を通して延在し、別のポート(例えば、近位ポート46)を通して遠位先端16の管腔に再進入する前に、回転楕円体26の外部表面に沿って(例えば、溝47内に)延設される。生理食塩水等の伝導性流体が、流体ライン38を介して、遠位先端16に提供されてもよく、生理食塩水は、ポートを通して(例えば、遠位ポート44、近位ポート46、および/または中間ポート45に)分散されてもよい。ポートを通して遠位先端16の外側表面に浸出する生理食塩水は、エネルギーが、ポートから浸出する生理食塩水を用いて電極アレイから組織に助長され、それによって、仮想電極を生成するように、電流を電極アレイから搬送することが可能である。故に、流体がポートを通して浸出することに応じて、流体の貯留または薄膜が、遠位先端16の外部表面上に形成され、電極アレイから搬送される電流を介して、囲繞組織をアブレーションするように構成される。
【0081】
示されるように、アブレーションデバイス14はさらに、流体送達ライン38と整合され、2つの半体16a、16bの間に形成される内部チャンバ内に位置付けられる、親水性挿入体54を含んでもよい。親水性挿入体40は、例えば、重力に対して生理食塩水を吸い上げることによって、流体ライン38から遠位先端16を通して送達される流体(例えば、生理食塩水)を分散させるように構成される。本吸上作用は、デバイスポートへの(例えば、近位ポート44、遠位ポート46、および/または中間ポート45への)生理食塩水分散の均一性を改良する。親水性挿入体40は、親水性発泡体材料(例えば、親水性ポリウレタン)から形成されることができる。
【0082】
図9に示されるように、例えば、伝導性ワイヤ28は、親水性挿入体40の管腔64内で、その外部表面に沿って通過する。伝導性ワイヤ28と同様に、親水性挿入体54を通して通過する伝導性ワイヤ28もまた、アブレーション発生器20に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、伝導性部材28はまた、親水性挿入体40を送達構成から展開構成(例えば、示されるように展開される)に展開するように構成される。例えば、使用の間、伝導性部材28はまた、親水性挿入体40を収縮または拡張させ、所望に応じて、生理食塩水流体流動を修正することができる。例えば、制御ワイヤ58は、先端16の管腔内を通過してもよく、他の制御ワイヤ(図示せず)とともに、流体送達ライン38に並んでデバイス管腔を通して延在する制御ライン56の中にグループ化されてもよい。制御ワイヤ58は、伝導性リンク60によって、伝導性部材28に接続されることができる。
【0083】
図10A-10Eは、図1のアブレーションデバイスの遠位先端の斜視図であり、種々の電極アレイ構成を図示する。加えて、伝導性ワイヤ28は、本デバイスの縦方向軸に平行である方向に遠位先端16の外部表面に沿って延在するものとして説明されているが(図10Aの伝導性ワイヤ28aの縦方向構成に示されるように)、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤ28bは、本デバイスの縦方向軸に垂直である方向に遠位先端16の外部表面に沿って延在し得る(図10Bの円周方向構成に示されるように)。他の実施例では、1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤ28cは、図10Cの角度付けられた構成に示されるように、ある角度で(例えば、本デバイスの縦方向軸に非平行に)、遠位先端16の外部表面に沿って延在することができる。1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤ28d、28e、および28fはまた、図10Dの組み合わせられた構成に示されるように、伝導性ワイヤが種々の方向に延在する、外部表面に沿ったパターンを形成することができる。加えて、または代替として、1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤ28gは、図10Eの代替構成のように、外部表面の低減された長さに延在することができる。
【0084】
種々の伝導性ワイヤ28は、概して、事前選択されたまたは所望の持続時間にわたって、個々の伝導性部材が通電される、または伝導性部材の所望の組み合わせが通電されるように説明されているが、ある場合には、伝導性部材の所望の組み合わせは、遠位先端16の所望の接触領域に基づくことができる。
【0085】
図11は、いくつかの臨床軸または側面を含む、図1のアブレーションデバイス14の遠位先端16の側面図である。各臨床軸または側面は、1つまたはそれを上回る独立して接続される電極を含み、これは、微分関数および電流独立駆動および/または測定を可能にする。例えば、図11を参照すると、遠位先端16は、臨床軸または側面66、68、70、72、74、および75(図示せず)に分割されることができる。言い換えると、遠位先端16は、遠位部分の6つの臨床軸または側面(例えば、回転楕円体の周囲の4つの側面または象限70、72、74、および75、および上軸/側面66、および底軸/側面68)を含んでもよい。
【0086】
図12A-12Dは、印加デバイスの遠位先端の側面図および斜視図であり、図9の異なる臨床軸または側面を図示する。図12A-12Dに示されるように、各臨床軸は、複数の独立して接続される伝導性ワイヤを含むことができる。例えば、臨床軸/側面66は、3つの独立して接続される伝導性ワイヤ76を含むことができ、臨床軸/側面68は、3つの独立して接続される伝導性ワイヤ78を含むことができ、臨床軸/側面70は、3つの独立して制御される伝導性ワイヤ80を含むことができ、臨床軸/側面72は、3つの独立して接続される伝導性ワイヤ82を含むことができ、臨床軸/側面74は、3つの独立して制御される伝導性ワイヤ84を含むことができ、臨床軸/側面75は、3つの独立して制御される伝導性ワイヤ86を含むことができる。各臨床軸または側面内の独立して接続される伝導性ワイヤは、微分関数および独立エネルギー送達および/または測定を可能にする。図12A-12Dは、概して、臨床軸または側面毎に3つの伝導性ワイヤを示すが、他の組み合わせも、可能性として考えられる。例えば、臨床軸または側面はそれぞれ、1つの伝導性ワイヤから10またはそれを上回る伝導性部材に及ぶ、伝導性ワイヤの組み合わせを含むことができる。
【0087】
図13および14は、それぞれ、本開示と一貫する、デバイスコントローラ19の一実施形態の斜視図および分解斜視図である。示されるように、コントローラ19は、PCボード90をその中に格納するための第1の半体またはシェル88aと、第2の半体またはシェル88bとを含み、PCボード90は、アブレーション手技の間、デバイス14の種々のパラメータを制御するための回路網と、ハードウェアとを備えてもよい。コントローラ19はさらに、限定ではないが、デバイスステータス(例えば、電力オン/オフ、アブレーションオン/オフ、流体送達オン/オフ)を含む、デバイス14と関連付けられた1つまたはそれを上回るパラメータ、およびRFアブレーションと関連付けられた1つまたはそれを上回るパラメータ(例えば、エネルギー出力、経過時間、タイマ、温度、伝導率等)の視覚的表現を提供するためのLCDまたはLEDディスプレイ等のディスプレイ92を含む。コントローラ19はさらに、PCボード92にわたって添着され、ユーザ(例えば、外科医または医療専門家)がディスプレイ92上に提供されるユーザインターフェースと相互作用し得る、ユーザ入力(ボタンまたは他の制御を用いて)を提供するように構成される、上膜94を含んでもよい。コントローラ19は、少なくとも、アブレーション発生器20から伝導性ワイヤ28のうちの1つまたはそれを上回るものに印加される電流の量と、潅注ポンプ/点滴装置22からデバイス14に送達されるべき流体の量とを制御するように構成されてもよい。
【0088】
図15は、本開示と一貫する、アブレーションデバイス14aの別の実施形態の分解斜視図である。デバイス14aは、図8に図示されるデバイス14と同様に構成され、類似要素を含む。例えば、デバイス14aは、相互に結合され、一体型遠位先端16を形成するように構成される、2つまたはそれを上回る部品(先端半体16aおよび16b)から形成される、遠位先端16を含む。各半体16aおよび16bは、協働する縮径部分24a、24bおよび回転楕円体26a、26b、および遠位先端16の内部を完全に封入するように、両半体16aおよび16bに結合されるべきキャップ52を含む。さらに図示されるように、電気ライン34が、伝導性ワイヤ28をコントローラ18およびアブレーション発生器20に結合するために提供されてもよく、流体ライン38が、伝導性流体(例えば、生理食塩水)を先端16に提供するように、流体接続を潅注ポンプまたは点滴装置22と遠位先端16との間に提供するために提供されてもよい。電気ライン34および/または流体送達ライン38は、安定化要素62によってデバイス管腔内に支持されることができる。ある場合には、安定化要素62は、遠位先端16の縮径部24と一体型であってもよい。
【0089】
デバイス14aは、仮想電極配列を介して、RFアブレーションを提供するように構成され、これは、遠位先端16の外部表面に沿った流体の分散を含み、電極アレイのアクティブ化に応じて、流体は、電極アレイから放出されるエネルギーを囲繞組織に搬送または別様に助長し得る。例えば、非伝導性回転楕円体26は、少なくとも間隔部材96(本明細書では、「スペーサボール」とも称される)を保定するための内部チャンバ(第1および第2の半体26a、26bが相互に結合されるとき)と、間隔部材96を囲繞する1つまたはそれを上回る親水性挿入体98a、98bとを含む。遠位先端16の内部チャンバは、流体(例えば、生理食塩水)を流体源から受容し、その中に保定するように構成される。親水性挿入体98a、98bは、流体を受容し、重力に対して生理食塩水を吸い上げることによって、遠位先端16を通して均一に分散させるように構成される。親水性挿入体98aおよび98bは、親水性発泡体材料(例えば、親水性ポリウレタン)から形成されることができる。
【0090】
前述で説明されるように、遠位先端16は、概して、流体が、それを通して通過する、または内部チャンバから遠位先端16の外部表面に浸出することを可能にするように構成される、複数のポートまたは開口を含んでもよい。故に、いくつかの実施形態では、ポート(例えば、近位ポート44、中間ポート45、および遠位ポート46)は全て、挿入体98a、98bから遠位先端16の外部表面への流体の通過を可能にするように構成されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、中間ポート45のみが、流体通過を可能にしてもよい一方、近位および遠位ポート44、46は、熱収縮または他の閉塞性材料を介して、遮断されてもよい。
【0091】
スペーサ部材96は、非伝導性材料から形成されてもよく、親水性挿入体98a、98bがポートへの生理食塩水分散の均一性を提供するように、親水性挿入体98a、98bを遠位先端壁の内部表面と十分に接触して、具体的には、1つまたはそれを上回るポートと接触して維持するように成形およびサイズ決めされてもよい。いくつかの実施形態では、スペーサ部材96は、回転楕円体26のチャンバの内部輪郭に対応する、略球状体を有してもよい。
【0092】
故に、標的部位(例えば、アブレーションされるべき組織空洞)内への遠位先端16の位置付けに応じて、電極アレイは、アクティブ化されることができ、流体送達が、開始されることができる。ポートを通して遠位先端の外部表面に浸出する流体は、エネルギーを電極アレイから搬送し、それによって、仮想電極を生成することが可能である。故に、流体がポートを通して浸出することに応じて、流体の貯留または薄膜が、遠位部分の外部表面上に形成され、電極アレイから搬送されるRFエネルギーを介して、囲繞組織をアブレーションするように構成される。
【0093】
本明細書に前述で説明されるように、伝導性ワイヤ28は、概して、第1のポート(例えば、遠位ポート44)を通して延在し、別のポート(例えば、近位ポート46)を通して遠位先端16の管腔に再進入する前に、回転楕円体26の外部表面に沿って延設されてもよい。図16、17、18A-18B、および19A-19Bは、伝導性ワイヤ28の別の配列を図示し、少なくとも4つの異なる伝導性ワイヤが、提供され、そのうちの2つは、供給電極としての役割を果たし、他の2つは、帰還電極としての役割を果たす。4つの異なる伝導性ワイヤはそれぞれ、概して、相互から隔離されたまま、少なくとも2つの異なる近位ポートおよび2つの異なる遠位ポートを通して通過する。図16は、アブレーションデバイス14aの平面図であり、相互から分離されるデバイス先端16a、16bの2つの半体を図示し、それぞれの外部表面を示す一方、図17は、それぞれの内部表面を示す。
【0094】
図18Aおよび18Bは、それぞれ、外部および内部表面を示す、デバイス14aの第1の半体16aの回転楕円体の拡大図であり、回転楕円体26aの近位および遠位ポート44、46を通して延在する、部分的に想像線である、第1および第2の伝導性ワイヤ28(1)および28(2)の特定の配列をさらに図示する。第1および第2の伝導性ワイヤ28(1)および28(2)の以下の説明は、ポートを通した通路および先端16の内部および外部表面の長さに沿った延在部を含む、各ワイヤの一般的経路を提供する。図示される実施形態では、第1の伝導性ワイヤ28(1)は、帰還電極としての役割を果たしてもよい一方、第2の伝導性ワイヤ28(2)は、供給電極としての役割を果たしてもよい。
【0095】
示されるように、第1の伝導性ワイヤ28(1)は、先端16aの管腔内に延在し、近位ポート44(1)を通して通過し、回転楕円体26aの外部表面に沿って遠位ポートに向かって(デバイスの縦方向軸に略平行に)延在し、遠位ポート46(1)を通して通過し、本体26aの内部表面に沿って隣接する遠位ポートに向かって(本デバイスの縦方向軸に略横方向に)延在し、遠位ポート46(2)を通して通過し、回転楕円体26aの外部表面に沿って近位ポートに向かって戻るように延在し、近位ポート44(2)を通して通過し、本体26aの内部表面に沿って隣接する近位ポートに向かって延在し、近位ポート44(5)を通して通過し、回転楕円体26aの外部表面に沿って遠位ポートに向かって戻るように延在し、遠位ポート46(5)を通して通過し、本体26aの内部表面に沿って隣接する遠位ポートに向かって延在し、遠位ポート46(6)を通して通過し、回転楕円体26aの外部表面に沿って近位ポートに向かって戻るように延在し、近位ポート44(6)を通して通過し、先端16aの管腔を通して戻るように延在する。故に、第1の伝導性ワイヤ28(1)は、回転楕円体26aの外部表面に沿って延在する、少なくとも4つの部分を有する。
【0096】
第2の伝導性ワイヤ28(2)は、先端16aの管腔内に延在し、近位ポート44(3)を通して通過し、回転楕円体26aの外部表面に沿って遠位ポートに向かって(デバイスの縦方向軸に略平行に)延在し、遠位ポート46(3)を通して通過し、本体26aの内部表面に沿って隣接する遠位ポートに向かって(本デバイスの縦方向軸に略横方向に)延在し、遠位ポート46(4)を通して通過し、回転楕円体26aの外部表面に沿って近位ポートに向かって戻るように延在し、近位ポート44(4)を通して通過し、先端16aの管腔を通して戻るように延在する。故に、第2の伝導性ワイヤ28(2)は、回転楕円体26aの外部表面に沿って延在する、少なくとも2つの部分を有する。
【0097】
図19Aおよび18Bは、それぞれ、外部および内部表面を示す、デバイス14aの第2の半体16bの回転楕円体の拡大図であり、回転楕円体26bの近位および遠位ポートを通して延在する、第3および第4の伝導性ワイヤ28(3)および28(4)の特定の配列をさらに図示する。第3および第4の伝導性ワイヤ28(3)および28(4)の以下の説明は、ポートを通した通路および先端16の内部および外部表面の長さに沿った延在部を含む、各ワイヤの一般的経路を提供する。図示される実施形態では、第3の伝導性ワイヤ28(3)は、帰還電極としての役割を果たしてもよい一方、第2の伝導性ワイヤ28(4)は、供給電極としての役割を果たしてもよい。
【0098】
示されるように、第3の伝導性ワイヤ28(3)は、先端16aの管腔内に延在し、近位ポート44(9)を通して通過し、回転楕円体26bの外部表面に沿って遠位ポートに向かって(デバイスの縦方向軸に略平行に)延在し、遠位ポート46(9)を通して通過し、本体26bの内部表面に沿って隣接する遠位ポートに向かって(本デバイスの縦方向軸に略横方向に)延在し、遠位ポート46(10)を通して通過し、回転楕円体26bの外部表面に沿って近位ポートに向かって戻るように延在し、近位ポート44(10)を通して通過し、先端16aの管腔を通して戻るように延在する。故に、第3の伝導性ワイヤ28(3)は、回転楕円体26bの外部表面に沿って延在する、少なくとも2つの部分を有する。
【0099】
第4の伝導性ワイヤ28(4)は、先端16bの管腔内に延在し、近位ポート44(7)を通して通過し、回転楕円体26bの外部表面に沿って遠位ポートに向かって(デバイスの縦方向軸に略平行に)延在し、遠位ポート46(7)を通して通過し、本体26bの内部表面に沿って隣接する遠位ポートに向かって(本デバイスの縦方向軸に略横方向に)延在し、遠位ポート46(8)を通して通過し、回転楕円体26bの外部表面に沿って近位ポートに向かって戻るように延在し、近位ポート44(8)を通して通過し、本体26bの内部表面に沿って隣接する近位ポートに向かって延在し、近位ポート44(11)を通して通過し、回転楕円体26bの外部表面に沿って遠位ポートに向かって戻るように延在し、遠位ポート46(11)を通して通過し、本体26bの内部表面に沿って隣接する遠位ポートに向かって延在し、遠位ポート46(12)を通して通過し、回転楕円体26bの外部表面に沿って近位ポートに向かって戻るように延在し、近位ポート44(12)を通して通過し、先端16aの管腔を通して戻るように延在する。故に、第4の伝導性ワイヤ28(4)は、回転楕円体26bの外部表面に沿って延在する、少なくとも4つの部分を有する。
【0100】
さらに、4つの伝導性ワイヤ28(l)-28(4)はそれぞれ、伝導性ワイヤのそれぞれまたは組み合わせの1つまたはそれを上回るセットが、独立して、電流をアブレーション発生器から受け取り、独立して、エネルギーを伝導し得るように、電気的に隔離され、相互から独立したままであり、エネルギーは、RFエネルギーを含む。これは、エネルギーが指定された伝導性ワイヤまたは伝導性ワイヤの組み合わせに選択的に送達されることを可能にする。本設計はまた、第1の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、エネルギーをアブレーション発生器とのその電気接続を通して囲繞組織に送達することができる一方、第2の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、接地または中立伝導性部材として機能することができるため、アブレーションデバイスが、双極モードで機能することを可能にする。
【0101】
各ワイヤまたはワイヤのセットの独立制御は、電極アレイの対応する部分のアクティブ化(例えば、RFエネルギーの放出)を可能にする。例えば、電極アレイは、本デバイスの遠位部分の臨床軸または側面に対応し得る、具体的部分にパーティション化されてもよい。一実施形態では、電極アレイは、遠位部分の4つの臨床軸または側面(例えば、回転楕円体の周囲の4つの側面または象限)に対応する、少なくとも4つの明確に異なる部分(すなわち、個々の伝導性ワイヤまたは伝導性ワイヤのセット)を含んでもよい。
【0102】
図20は、アブレーションデバイス14aの概略図示であり、コントローラ19によって制御されるような潅注ポンプ22から遠位先端16の内部チャンバ内の親水性挿入体98a、98bへの流体の送達を図示し、流体は、続いて、回転楕円体26の外部表面に分散され、電極アレイの1つまたはそれを上回る部分のアクティブ化に応じて、仮想電極配列をもたらすことができる。示されるように、生理食塩水は、浸出する生理食塩水が電流を電極アレイから搬送することが可能であり、したがって、エネルギーがポートから浸出する生理食塩水を用いて電極アレイから組織に伝送され、それによって、仮想電極を生成するように、少なくとも中間ポート45を通して分散されてもよい。故に、流体が中間ポートを通して浸出することに応じて、流体の貯留または薄膜が、回転楕円体26の外部表面上に形成され、電極アレイから搬送される電流を介して、囲繞組織をアブレーションするように構成される。
【0103】
図21および22は、温度プローブ102(または任意の他の別個の監視デバイス)を、矢印106によって示されるように、アブレーションデバイス14の遠位先端の回転楕円体26に対して所望の位置に保持および維持するための着脱可能搭載部100の斜視図および平面図である。特に、搭載部100は、オペレータ(例えば、外科医)が、温度プローブ102または他の測定デバイスをアブレーションデバイス14aに解放可能に結合し、さらに、RFアブレーション手技の間の温度データの収集のために、プローブ102の作業端部104を回転楕円体2に近接近して位置付けることを可能にする。
【0104】
本明細書に前述で説明されるように、コントローラ18、19は、外科医に、1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤへの電力の供給の制御およびデバイス先端16への流体の送達の制御等、アブレーションを制御するための能力を提供するように構成されてもよい。さらに、コントローラ18、19は、デバイスステータス(例えば、電力オン/オフ、アブレーションオン/オフ、流体送達オン/オフ)およびRFアブレーションと関連付けられた1つまたはそれを上回るパラメータ(例えば、エネルギー出力、経過時間、タイマ、温度、伝導率等)を提供してもよい。したがって、いくつかの事例では、温度が、アブレーションされている、またはそのように意図される囲繞組織のステータスを示し得るため、アブレーション手技の間およびアブレーション前およびアブレーション後、少なくともデバイス先端16に隣接する温度を監視することが、重要であり得る。さらに、デバイス先端14からある距離およびある角度における温度を監視することが、重要であり得る。電流デバイスは、本デバイスの中に統合される熱電対機構を含んでもよい。しかしながら、そのような構成は、アブレーション先端に対する具体的距離および角度における温度測定値を取得するための能力を欠いている。搭載部100は、外科医に、温度プローブがデバイス先端16に対して位置付けられる角度およびデバイス先端16からの距離に隣接する能力を提供するように構成され、それによって、統合される熱電対の短所を克服する。
【0105】
示されるように、搭載部100は、概して、クランプ機構またはラッチ式係合を用いて、デバイス14の少なくとも近位端に解放可能に結合されるように構成される、第1の端部108を有する、本体を含む。第1の端部108は、デバイス14の少なくとも近位端を部分的に封入し、デバイス14への搭載部100の固着をさらに向上させるように構成される、上部保護部材110を含む。搭載部100はさらに、第1の端部108から延在し、第1の端部108からある距離に位置付けられる、第2の端部114を提供する、アーム部材112を含む。第2の端部114は、温度プローブ102を、回転楕円体26からの所望の距離およびアブレーションデバイスの縦方向軸に対する所望の角度θを含む、所望の位置に保持するように構成される。例えば、一実施形態では、第2の端部114は、温度プローブ102の一部をその中に受容および保定するように構成される、ボアまたはチャネルを含んでもよい。第2の端部114はさらに、矢印116によって示されるように、温度プローブ102がボアまたはチャネルに沿って平行移動し、それによって、デバイス先端の回転楕円体に対する温度プローブ先端104の距離を調節することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、アーム112および/または第2の端部114は、相互および/または第1の端部108に対して関節運動してもよい。故に、温度プローブ102の角度もまた、所望に応じて、調節されてもよい。
【0106】
故に、本明細書に説明される組織アブレーションデバイス、特に、アプリケータヘッドは、腫瘤摘出術手技によって生成された乳房組織内の空洞等の中空体腔を治療するために非常に好適であり得る。本開示のデバイス、システム、および方法は、局所環境内の全ての微視的疾患が治療されたことを確実にすることに役立つことができる。これは、特に、再発する傾向を有する腫瘍の治療に当てはまる。
【0107】
本開示は、高速かつ単純な製造方法に適している、精緻化された設計を有する、本発明と一貫するアブレーションデバイスを含む。故に、本開示はまた、そのようなアブレーションデバイスを製造するための方法を提供する。
【0108】
図23は、本発明の方法を使用して製造され得る、アブレーションデバイスの例示的プローブ2316の概略図を提供する。プローブ2316は、縮径部分2324と、縮径部2324から遠位に延在する、略回転楕円体2326とを含んでもよい。縮径部2324は、近位シャフト/ハンドル部分2380に接続されてもよく、これは、例えば、ハンドル手動操作または外科手術用ロボットへの接続点として機能することができる。回転楕円体2326は、概して堅固であってもよく、デフォルト形状を維持してもよい。
【0109】
いくつかの実施例では、回転楕円体2326は、内部表面、外部表面、または外部および内部表面の両方の少なくとも一部の上の層として、非伝導性材料(例えば、ポリアミド)を含む。他の実施例では、回転楕円体2326は、非伝導性材料から形成される。加えて、または代替として、回転楕円体2326材料は、エラストマ材料または形状記憶材料を含むことができる。
【0110】
いくつかの実装では、近位シャフト/ハンドル部分2380は、医療専門家による手動操作のために適合されるハンドルとして構成されることができる。したがって、ハンドル/シャフト2380は、本デバイスが手の中で滑動することを防止するために、テクスチャ加工された把持表面2383を含むことができる。いくつかの実施例では、近位シャフト/ハンドル部分2380は、加えて、または代替として、Intuitive Surgical, Inc.(Sunnyvale, California)から入手可能なDa Vinci(登録商標)外科手術用ロボット等の外科手術用ロボットへの接続および/またはそれとのインターフェースのために構成される。アブレーションまたは他の手技が行われる間、カテーテルシャフト/ハンドル2380は、患者ベッドに係留され、本デバイスを定位置に保持するタイプのシェイプロックまたは他の展開および懸架システムによって、定位置に保持されるように構成され、ユーザが治療の持続時間にわたって本デバイスを手動で保持する必要性を排除してもよい。
【0111】
図26に示されるように、近位シャフト/ハンドル部分2380は、医療専門家によって保持されることを助ける様式において成形される、またはテーパ状になることができる。
【0112】
プローブ2316はさらに、回転楕円体2326上に配置される、電極アレイを含む。電極アレイは、複数の伝導性部材2328を含む。示されるように、複数の伝導性部材2328は、プローブ2316の内部空間から横断し、回転楕円体2326の外部表面に沿って配置される。伝導性部材2328は、回転楕円体2326の縦方向長に沿って延在し、相互から半径方向に離間されてもよい(例えば、等距離に離間される)。これらの伝導性部材は、アブレーション発生器からRFエネルギーを伝送し、任意の好適な伝導性材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属)から形成されることができる。好ましくは、伝導性部材2328は、金属ワイヤである。示されるように、プローブ2316は、それぞれ、電気ライン2334および流体ライン2338を介して、アブレーション発生器および/または灌注ポンプに結合されてもよい。
【0113】
図24は、プローブ2316の分解斜視図を提供する。示されるように、遠位部分は、2つの相補的な伸長本体半体2326a、2326bを備えることができる。これらの本体半体は、プローブ2316の主要な構造的特徴として作用し、その上に部分の残りの構成要素が着座および固着される、シャーシとしての役割を果たす。2つの半体は、一体型遠位部分を形成するように結合または継合されることができる。
【0114】
図23に示されるように、伸長本体半体2316a、2316bは、一体化されたプローブ2316を作成するように継合されている。継目2302は、2つの半体が継合された場所を示す。それらは、圧入特徴を介して、および/または接着剤を使用して継合されてもよい。
【0115】
各本体半体は、内部に面する表面上に一連の構造を含む。ある側面では、これらの構造のうちのいくつかまたは全ては、本体半体と一体型である。これらの構造の中に、安定化要素2362がある。ある側面では、各本体半体2316a、2316bは、協働する安定化要素2362を含む。2つの半体が継合されると、協働する安定化要素は、2つの半体を相互に固着させる。例えば、協働する安定化要素2362は、要素がスナップジョイントとして作用するような構成要素を含んでもよい。例示的スナップジョイントは、例えば、片持ち梁スナップジョイント、U形スナップジョイント、捩りスナップジョイント、環状スナップジョイント、およびそれらの組み合わせを含む。
【0116】
ある側面では、製造の間、2つの伸長本体半体は、全ての構成要素が下記に説明されるようにその中に着座された状態で、まとめられる。2つの半体をまとめることによって、協働する要素は、整合され、付加的シールまたは密閉剤の必要性を伴わずに、2つの半体を継合する。これは、従来のデバイスと比較されるとき、製造要件を大幅に簡略化することができる。図23に示されるように、ある側面では、伸長本体半体を継合した後、陥凹付きねじが、半体をともに補強または引締するために使用されることができる。
【0117】
ある側面では、安定化要素2362のうちの1つまたはそれを上回るものは、伸長本体半体2316a、2316bを継合することの代替として、またはそれに加えて、機能を提供する。例えば、安定化要素2362のうちの1つまたはそれを上回るものは、プローブ2316に構造的な堅固さおよび完全性を提供する役割を果たしてもよい。
【0118】
図25に示されるように、ある側面では、安定化要素2362は、プローブの内部空間内に本デバイスの構成要素(例えば、ワイヤおよび管)を位置付け、指向し、および/または固着させる役割を果たすことができる。
【0119】
図24に示されるように、本デバイスはさらに、2つのワイヤハーネス2381a、2381bを含む。各ワイヤハーネスは、複数の電気的に隔離されたワイヤを含む。各ワイヤは、伝導性遠位端2382を含む。ある側面では、伝導性遠位端2382は、事前形成されたループとして提供される。これらの伝導性遠位端は、伝導性部材(電極)2328を形成するために使用される。
【0120】
製造の間、各ワイヤの伝導性遠位端2382は、プローブ2316の内部表面を通して外部に通過される。伝導性遠位端2382は、プローブ2316上の一連のスロットまたはポート2379を介して、内部表面を通して通過してもよい。各伝導性遠位端2382は、回転楕円体の遠位端上に配置される、異なるアンカ部材2384の周囲でループ状にされる。結果として、各伝導性遠位端の2つの部分2328a、2328bは、回転楕円体2326の表面に沿って配置される。
【0121】
ある側面では、製造の間、各ワイヤの伝導性遠位端2382は、回転楕円体に添着される、アンカ要素2384の周囲に通過される。ある側面では、各ワイヤの伝導性遠位端2382は、回転楕円体2326上にループとして位置付けられ、アンカ要素2384が、ループを固着させるために、回転楕円体に添着される。
【0122】
ある側面では、各アンカ要素は、1つの回転楕円体半体2326a、2326bに恒久的に固着される、またはそれと一体型である。代替として、各アンカ要素は、製造の間に回転楕円体半体に固着または添着される。各アンカ要素は、継合要素、例えば、ねじまたはスナップから作製される、またはそれを使用して固着されてもよい。係留要素は、伝導性または非伝導性であってもよく、これは、ワイヤの端部上に形成されてもよい。
【0123】
ある側面では、アンカ要素2384を回転楕円体に添着することは、ワイヤのループ状伝導性遠位端2382を回転楕円体に固着させる。ある側面では、伝導性遠位端は、アンカ要素の周囲でループ状にされ、アンカ要素2384を操作することによって、例えば、ねじ等の締結要素を引締することを介して固着される。
【0124】
ある側面では、アンカ要素2384は、RFエネルギーが回転楕円体上に配置される伝導性要素2328からのみ伝送されることを確実にするために、非伝導性材料から作製される。ある側面では、アンカ要素2384は、これがアブレーション手技の間にRFエネルギーを伝送し得るように、伝導性材料を使用して作製される。
【0125】
図24に示されるように、各ワイヤハーネス2381a、2381bは、製造の間に伸長本体半体2316a、2316bのうちの1つの内部空間内に着座される、中心部分2385を含む。ある側面では、各伸長本体半体の内部空間は、各ハーネスのワイヤを伸長本体半体に固着させる、1つまたはそれを上回るワイヤチャネルまたはガイド2386を含む。また、または代替として、安定化要素2362のうちの1つまたはそれを上回るものは、本デバイス内にハーネスのワイヤを位置付けるために使用されることができる。チャネル、ガイド、および/または安定化要素は、各ハーネスのワイヤが、正しく位置付けられ、本デバイス内に固着されるだけではなく、それらがまた、相互から電気的に隔離されたままであることを保証することができる。
【0126】
また、図24に示されるように、各ワイヤハーネスは、近位端2387を含む。近位端2387におけるワイヤは、中心電気ライン2334に接続されることができ、これは、ひいては、デバイスコントローラ18および/またはアブレーションエネルギー発生器20に接続されることができる。ワイヤハーネスの近位端2387の間の接続は、例えば、クリップまたはワイヤ締結具2388を使用して行われる、または固着されることができる。ある側面では、クリップ/締結具2388は、伸長本体半体と一体型である。代替として、図24に示されるように、クリップ/締結具は、製造の間に伸長本体半体の中に着座されることができる。これらのクリップ/締結具は、2つの半体が一体となるときに噛合する伝導性構成要素を使用して作製されてもよい。ワイヤは、これらの伝導性構成要素において終端してもよく、遠位電極とエネルギー源につながるケーブルとの間の電気接続を完成させてもよい。
【0127】
ある側面では、ワイヤチャネル/ガイド2386、安定化要素2362、および/または締結具/クリップ2388のうちの1つまたはそれを上回るものは、本デバイスの近位端に向かってワイヤハーネス上に緊張力を提供するために使用される。これは、伝導性遠位先端2382が、回転楕円体の外部表面に沿って平坦なままであることを確実にすることに役立つ。
【0128】
図示されるように、伝導性ワイヤ2328のうちの1つまたはそれを上回るものは、残りの伝導性ワイヤ2328のうちの1つまたはそれを上回るものから電気的に隔離されることができる。本電気隔離は、アブレーションデバイスのための種々の動作モードを可能にする。例えば、アブレーションエネルギーは、双極モード、単極モード、または双極および単極の組み合わせモードで1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤ2328に供給されてもよい。単極モードでは、アブレーションエネルギーは、図1を参照して説明されるように、アブレーションデバイス14上の1つまたはそれを上回る伝導性ワイヤ2328と帰還電極15との間に送達される。双極モードでは、エネルギーは、伝導性ワイヤ2328のうちの少なくとも2つの間に送達される一方、少なくとも1つの伝導性ワイヤ2328は、中立のままである。言い換えると、少なくとも1つの伝導性ワイヤは、エネルギーを少なくとも1つの伝導性ワイヤ2328にわたって送達しないことによって、接地された伝導性ワイヤ(例えば、電極)として機能する。
【0129】
さらに、ワイヤは、それぞれ相互から電気的に隔離され、独立したままであるため、各伝導性ワイヤまたは伝導性ワイヤの組み合わせの1つまたはそれを上回るセットは、独立して、電流をアブレーション発生器から受け取り、独立して、RFエネルギーを伝導することができる。これは、エネルギーが指定された伝導性ワイヤまたは伝導性ワイヤの組み合わせに選択的に送達されることを可能にする。本設計はまた、第1の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、エネルギーをアブレーション発生器とのその電気接続を通して囲繞組織に送達することができる一方、第2の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、接地または中立伝導性部材として機能することができるため、アブレーションデバイスが、双極モードで機能することを可能にする。
【0130】
各ワイヤまたはワイヤのセットの独立制御は、電極アレイの対応する部分のアクティブ化(例えば、RFエネルギーの放出)を可能にする。例えば、電極アレイは、本デバイスの遠位部分の臨床軸または側面に対応し得る、具体的部分にパーティション化されてもよい。種々の伝導性ワイヤ2328は、概して、事前選択されたまたは所望の持続時間にわたって、個々の伝導性部材が通電される、または伝導性部材の所望の組み合わせが通電されるように説明されているが、ある場合には、伝導性部材の所望の組み合わせは、回転楕円体2326の所望の接触領域に基づくことができる。
【0131】
したがって、図25に明白であるように、伝導性要素2328は、図18-19のものと同一の様式において配列および制御されることができる。しかしながら、有利なこととして、プローブ2316を製造するとき、所望の伝導性要素アレイを提供するために、回転楕円体全体を通したワイヤの複雑な製織に関するいかなる要件も、存在しない。むしろ、事前形成されたワイヤハーネス2381が、使用されることができる。ハーネスは、それらが伸長本体半体2316a、2316b内に容易に着座および固着され得るように、すでに束ねられ、適切な長さに切断された電気的に隔離されたワイヤを有することができる。さらに、一連の伝導性要素を提供するために長いワイヤを製織するのではなく、ハーネスにおける各ワイヤの遠位伝導性先端は、2つの結果として生じる伝導性部材が形成され、所望の形態において回転楕円体上に配置されるように、アンカ部材の周囲でループ状にされることができる。
【0132】
したがって、本開示のこれらのデバイスは、従来のデバイスよりも高速かつ安価に製造されることができる。また、製造方法は、単純であり、より少ないステップを伴うため、生産の間に誤りが生じるであろう可能性は、より低い。これは、製造されるデバイスを横断してさらなる一貫性を提供するだけではなく、また、より熟練度の低い、その結果、より低費用の労働力を採用するための能力を提供する。
【0133】
ある側面では、これらの製造が単純なデバイスは、例えば、本明細書に説明されるような灌注またはポンプ22から、伝導性および/または灌注流体の流動を受容するように構成されることができる。図23に示されるように、流体は、流体ライン2338に提供されることができ、これは、本デバイスの内部と流体的に接続される。流体(例えば、生理食塩水)は、プローブ2316に提供されてもよく、そこで、これは、回転楕円体2326上の1つまたはそれを上回るポートまたはスロットを通して分散されてもよい。ある側面では、回転楕円体2326は、そこから流体が回転楕円体の外部に送達される、遠位ポート/スロット、近位ポート/スロット、および/または中間ポート/スロットを含む。プローブ2316の外側表面に流動する流体は、エネルギーが、流体を用いて電極アレイから組織に助長され、それによって、仮想電極を生成するように、電流を電極アレイから搬送してもよい。故に、流体がポートを通して浸出することに応じて、流体の貯留または薄膜が、プローブ2316の外部表面上に形成され、電極アレイから搬送される電流を介して、囲繞組織をアブレーションするように構成される。
【0134】
図24および25に示されるように、流体ライン2338は、近位管腔2389に流体的に接続されてもよい、またはその一部である。製造の間、可撓性管であり得る、近位管腔2389は、1つまたはそれを上回る安定化構造2362および/またはチャネル2366を使用して、伸長本体半体の中に容易に着座および固着されることができる。近位管腔2389は、流体を回転楕円体2326に提供するために、遠位管腔2390に流体的に接続されてもよい。近位管腔2389のように、遠位管腔2390は、チャネルおよび/または安定化構造を使用して着座および固着されることができる。2つの管腔は、管腔の間に着座される流体コネクタ2391を使用して継合されることができる。流体コネクタは、例えば、ノズル、フランジ、弁、および同等物であってもよい、またはそれを含んでもよい。流体コネクタは、液体がハンドルの上に進行することを防止するために、接着剤または液体シリコーンの補助の有無を問わず、2つの半体の間に耐漏洩性または気密シールを生成してもよい。
【0135】
ある側面では、ワイヤハーネスワイヤの電気隔離および位置付けを促進するために、流体コネクタ2391は、製造の間にワイヤを受容する、ワイヤガイド2392を含んでもよい。
【0136】
また、図24に示されるように、本明細書に開示される他のデバイスのように、本デバイスは、回転楕円体2326内に着座される、1つまたはそれを上回る親水性挿入体2398a、2398bを含む。回転楕円体内に着座されると、親水性挿入体は、遠位管腔2390と整合する。親水性挿入体は、例えば、重力に対して流体を吸い上げることによって、流体を遠位管腔から回転楕円体の外部に分散させるように構成される。吸上作用を使用することによって、親水性挿入体は、生理食塩水のより均一な分散を提供する。ある側面では、親水性挿入体は、親水性発泡体材料(例えば、親水性ポリウレタン)を使用して形成される。
【0137】
図24に示されるように、ある側面では、親水性挿入体は、球状であり、2つの半体2398a、2398bとして提供される。製造の間、挿入体の1つの半体は、伸長本体半体2316a、2316bの回転楕円体2326a、2326b内に着座されることができる。各挿入体半体は、スロット2397等の1つまたはそれを上回る構造を含んでもよい。スロット2397は、伸長本体半体の回転楕円体2326a、2326b内の対応する構造2396の周囲に着座することができる。ある側面では、スロット2397等の構造は、プローブの配向にかかわらず、流体の均一な分散を促進し、流体に対するある程度の抵抗を提供し、これが過剰に急速に流動することを防止する。同様に、ある側面では、親水性挿入体は、流体分散を促進する、1つまたはそれを上回る通路またはポート2360を含む。
【0138】
前述で説明されるように、回転楕円体2326を含む、プローブ2316は、概して、流体が、それを通して通過する、または回転楕円体の内部空間から遠位部分2316の外部表面に浸出することを可能にするように構成される、複数のポートまたは開口を含んでもよい。故に、いくつかの実施形態では、ポート(例えば、近位ポート、中間ポート、および遠位ポート)は全て、挿入体2398a、2398bからプローブ2316の外部表面への流体の通過を可能にするように構成されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、中間ポートのみが、流体通過を可能にしてもよい一方、近位および遠位ポートは、熱収縮または他の閉塞性材料を介して、遮断されてもよい。
【0139】
ある側面では、親水性挿入体は、間隔部材を囲繞する。間隔部材は、例えば、親水性挿入体を回転楕円体の内部空間に対して同一平面に保つことに役立ち得る。代替として、親水性挿入体は、スペーサボールに接着されてもよい。間隔部材2372は、非伝導性材料から形成されてもよく、親水性挿入体2398a、2398bがポートへの均一な流体分散を提供するように、親水性挿入体2398a、2398bを遠位回転楕円体壁の内部表面と十分に接触して、具体的には、1つまたはそれを上回る流体ポートと接触して維持するように成形およびサイズ決めされてもよい。
【0140】
図24に示されるように、ある実施形態では、間隔部材2372は、回転楕円体2326の内部輪郭に対応する、略球状体を有してもよい。ある側面では、スペーサ部材は、親水性挿入体への流体分散を促進する、構造的構成要素2371を含む。構造的構成要素は、例えば、流体分散を促進するために、挿入体上の通路またはポート2360と整合してもよい。
【0141】
図24に示されるように、本デバイスを製造するある方法では、間隔部材2372は、球状親水性挿入体2398a、2398bの2つの半体の間に着座される。
【0142】
図25に示されるように、スペーサ部材は、1つまたはそれを上回る継合部材2373、例えば、クリップまたはスナップを含んでもよい。製造の間、継合部材は、例えば、挿入体半体がスペーサ部材を囲繞するように、親水性挿入体の半体をスペーサ部材に取り付けるために使用されることができる。
【0143】
図24に示されるように、ある側面では、本デバイスは、遠位キャップ2352を含む。製造の間、遠位キャップ2352は、回転楕円体の遠位端に取り付けられることができる。キャップは、回転楕円体の遠位端上に非外傷性表面を提供する、凸状形状を有してもよい。
【0144】
図25に示されるように、遠位キャップ2352は、一連の半径方向に分散された切り抜きまたは窪み2353を含んでもよい。アンカ部材2384は、キャップ2352が取り付けられるとき、アンカ部材が切り抜きまたは窪み2353内に配置されるように、回転楕円体2326に添着される。したがって、アンカ部材2384は、遠位キャップ2352を越えて突出せず、それによって、非外傷性先端を保全する。ある側面では、キャップを取り付けることは、ワイヤループをアンカ部材の周囲に定位置に固着させる。
【0145】
本発明の他のデバイスと一貫して、コントローラ19によって制御されるような灌注ポンプ22からの流体は、プローブ2316の内部空間内の親水性挿入体2398a、2398bに送達される。デバイスコントローラ18は、本デバイスの1つまたはそれを上回る伝導性部材からのエネルギーの放出を制御し、アブレーションをもたらし、かつRFアブレーション手技の間のプローブ2316からの流体の後続浸出を制御するように、アプリケータヘッド、すなわち、回転楕円体2326への流体の送達を制御するために使用されてもよい。ある場合には、デバイスコントローラ18は、アブレーションデバイス内に格納されてもよい。図1を参照すると、アブレーション発生器20はまた、患者12の皮膚に取り付けられる、帰還電極15に接続されてもよい。アブレーション治療の間、アブレーション発生器20は、概して、デバイスコントローラ18によって制御されるように、RFエネルギー(例えば、高周波(RF)範囲(例えば、350~800kHz)内の電気エネルギー)をアブレーションデバイスの伝導性ワイヤ2328に提供してもよい。同時に、生理食塩水もまた、プローブ2316から解放されてもよい。RFエネルギーは、患者12の血液および組織を通して、帰還電極15に進行し、プロセスにおいて、アクティブ化された電極アレイの部分に隣接する組織の領域をアブレーションする。
【0146】
プローブ2316は、それぞれ、電気ライン2334および流体ライン2338を介して、アブレーション発生器および/または灌注ポンプに結合されてもよい。電気ライン2334および流体ライン2338はそれぞれ、それぞれ、関連付けられたラインをアブレーション発生器および潅注ポンプ上の個別のインターフェースと結合するように構成される、アダプタ端部を含んでもよい。いくつかの実施例では、アブレーションデバイスはさらに、デバイスコントローラとしての役割を果たし得、したがって、アブレーション発生器およびアブレーションデバイスおよびプローブ2316の先端に送達されるべき流体の量を制御するための潅注ポンプと電気連通し得る、ユーザスイッチまたはインターフェースを含んでもよい。
【0147】
スイッチは、ユーザに、本デバイスのアブレーション出力の制御に関する種々のオプションを提供することができる。例えば、デバイスコントローラとしての役割を果たし得る、スイッチは、タイマ回路または同等物を含み、伝導性ワイヤ2328が事前選択されたまたは所望の時間量にわたって通電されることを可能にしてもよい。事前選択されたまたは所望の時間量が経過した後、電気接続は、自動的に終了され、患者へのエネルギー送達を停止することができる。ある場合には、スイッチは、個々の伝導性ワイヤ2328に接続されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スイッチは、1つまたはそれを上回る個々の伝導性ワイヤまたは指定された伝導性ワイヤの組み合わせが、事前選択されたまたは所望の持続時間にわたって通電されるように、アブレーション発生器からのエネルギー送達を制御するように構成されてもよい。
【0148】
図27に示されるように、ある側面では、本デバイスは、回転楕円体2326上に配置される、複数の支持構造2375を含む。支持構造は、回転楕円体2326に取り付けられる、近位端と、アンカ部材2384を介して回転楕円体に固着される、遠位端とを含んでもよい。ある側面では、支持構造は、可撓性である。製造の間、支持構造2375の遠位端は、アンカを介して回転楕円体2326に添着され、それによって、本明細書に説明されるような伝導性ワイヤループを固着させることができる。
【0149】
図27に示されるように、伝導性ワイヤは、支持構造2375の側方縁に沿って回転楕円体2326上に配置されてもよい。支持構造2375は、回転楕円体2326を生産するために使用されるもの等の非伝導性材料から作製されてもよい。代替として、支持構造2375は、RFエネルギーが伝導性ワイヤ2328から支持構造に伝送されることを可能にするために、伝導性材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属)を使用して作製される。そのような事例では、伝導性ワイヤは、広い電極を伴うより平滑な作業表面を提供するために、回転楕円体と支持構造との間に配置されることができる。支持構造2375の遠位部分は、遠位キャップ2352の切り抜き/窪み2353内の回転楕円体に添着されてもよい。したがって、支持構造は、それらが突出せず、非外傷性表面を生成するように、キャップ2352から奥まった所に置かれることができる。ある側面では、キャップ2352および支持構造が、それらが両方とも回転楕円体に添着されるように成形されるとき、それらは、平滑かつ連続的な非外傷性表面を形成する。
【0150】
ある側面では、コントローラは、バッテリによって給電されてもよく、バッテリは、オーバーレイを使用して定位置に保持されてもよい。オーバーレイは、使用後にバッテリを除去するために、ユーザがオーバーレイの一部を引裂することを可能にする、穿孔区分を含有してもよい。オーバーレイは、流体進入がバッテリスロットの中に滲出することを防止する、発泡体裏張りを有してもよい。オーバーレイの穿孔は、流体進入を防止するために、バッテリ窓の外側に位置してもよい。
【0151】
本明細書の任意の実施形態において使用されるように、用語「コントローラ」、「モジュール」、「サブシステム」、または同等物は、前述の動作のうちのいずれかを実施するように構成される、ソフトウェア、ファームウェア、および/または回路網を指し得る。ソフトウェアは、非一過性コンピュータ可読記憶媒体上に記録される、ソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、および/またはデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリデバイス内でハードコード化される(例えば、不揮発性)、コード、命令または命令セット、および/またはデータとして具現化されてもよい。「回路網」は、本明細書の任意の実施形態において使用されるように、例えば、単独で、または任意の組み合わせにおいて、有線回路網、1つまたはそれを上回る個々の命令処理コアを備えるコンピュータプロセッサ等のプログラマブル回路網、状態機械回路網、および/またはプログラマブル回路網によって実行される命令を記憶するファームウェアを備えてもよい。コントローラまたはサブシステムは、集合的に、または個々に、より大きいシステム、例えば、集積回路(IC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォン等の一部を形成する、回路網として具現化されてもよい。
【0152】
本明細書に説明される動作のうちのいずれかは、個々に、または組み合わせて、その上に記憶される、1つまたはそれを上回るプロセッサによって実行されると、本方法を実施する、命令を有する、1つまたはそれを上回る記憶媒体を含む、システムにおいて実装されてもよい。ここでは、プロセッサは、例えば、サーバCPU、モバイルデバイスCPU、および/または他のプログラマブル回路網を含んでもよい。
【0153】
また、本明細書に説明される動作が、1つを上回る異なる物理的場所において、処理構造等の複数の物理的デバイスを横断して分散され得ることを意図している。記憶媒体は、任意のタイプの有形媒体、例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、光ディスク、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、書換可能コンパクトディスク(CD-RW)、および光磁気ディスク、読取専用メモリ(ROM)等の半導体デバイス、ダイナミックおよびスタティックRAM等のランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートディスク(SSD)、磁気または光学カード、または電子命令を記憶するために好適な任意のタイプの媒体を含む、任意のタイプのディスクを含んでもよい。他の実施形態は、プログラマブル制御デバイスによって実行される、ソフトウェアモジュールとして実装されてもよい。記憶媒体は、非一過性であってもよい。
【0154】
本明細書に説明されるように、種々の実施形態は、ハードウェア要素、ソフトウェア要素、またはそれらの任意の組み合わせを使用して実装されてもよい。ハードウェア要素の実施例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路要素(例えば、トランジスタ、レジスタ、コンデンサ、インダクタ等)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、チップセット等を含んでもよい。
【0155】
本明細書全体を通した「一実施形態」または「ある実施形態」の言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の場所における語句「一実施形態では」または「ある実施形態では」の表出は、必ずしも、全てが同一の実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたはそれを上回る実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。
【0156】
本明細書に採用されている用語および表現は、限定ではなく、説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用において、示され、説明される特徴(またはその一部)のいかなる均等物も除外する意図はなく、種々の修正が、請求項の範囲内で可能性として考えられることが認識される。故に、請求項は、全てのそのような均等物を網羅することを意図している。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【国際調査報告】