(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】接着要素
(51)【国際特許分類】
C09J 7/30 20180101AFI20240822BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240822BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240822BHJP
C09J 7/29 20180101ALI20240822BHJP
【FI】
C09J7/30
B32B27/00 M
C09J7/38
C09J7/29
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513397
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 AT2022060295
(87)【国際公開番号】W WO2023028628
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511214727
【氏名又は名称】ヒュック・フォーリエン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】アニタ フヒスバウアー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン エギンガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン トラッスル
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク アイナー
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
【Fターム(参考)】
4F100AA17
4F100AB01
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4J004AB01
4J004CA01
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4J004CC03
4J004EA06
4J004FA01
(57)【要約】
本発明は、キャリア基体(2)と、キャリア基体(2)に配置された接着層(3)とを含む接着要素(1)に関する。接着要素(1)は少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は再生可能な原料から作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア基体(2)と、前記キャリア基体(2)に配置された接着層(3)とを含む接着要素(1)において、前記接着要素(1)が少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は再生可能な原料から作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むことを特徴とする、接着要素(1)。
【請求項2】
前記接着要素(1)が、少なくとも1つのセキュリティ特徴部、又は少なくとも1つのセキュリティ特徴部を備えた少なくとも1つのセキュリティエレメント(6)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の接着要素(1)。
【請求項3】
前記セキュリティ特徴部並びに/又は前記セキュリティエレメント(6)が、前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の接着要素(1)。
【請求項4】
前記接着要素(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むこと、又は前記接着要素(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料由来の2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が、セルロース繊維を含有しない材料であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【請求項6】
前記接着要素(1)、具体的には前記キャリア基体(2)が、少なくとも1つのプラスチックフィルム(7)を用いて、又はプラスチックフィルム(7)として形成されており、前記プラスチックフィルムが、前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が、化学的にリサイクルされたプラスチック並びに/又は機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/若しくは前記材料の混合物、及び/若しくはコポリマー、及び/若しくは複合材料の群からなる材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択され、及び/若しくは、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO
2)、炭素(C)、酸化インジウム(In
2O
3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、セリア(CeO
2)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ユーロピウム(Eu
2O
3)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe
3O
4)、及び酸化鉄(III)(Fe
2O
3)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化ランタン(La
2O
3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd
2O
3)、酸化プラセオジム(Pr
6O
11)、酸化サマリウム(Sm
2O
3)、酸化アンチモン(Sb
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se
2O
3)、酸化スズ(SnO
2)、酸化タングステン(WO
3)、高屈折性有機モノマー及び/若しくは高屈折性有機ポリマー、又は例えば非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層からなる群から選択され、及び/若しくは、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的にはアルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部が、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、並びに/又は光学的に可変の及び/若しくは光学的に作用する特徴部によって、具体的にはホログラム及び/若しくは色シフト積層体、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有する積層体によって、並びに/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部によって、並びに/又は電磁波吸収材及び/若しくは再放射材又は電磁波吸収特徴部並びに/又は再放射特徴部によって形成されていることを特徴とする、請求項2から7のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【請求項10】
前記接着要素(1)が粘着性接着要素(1)として形成されており、そして前記接着要素(1)、具体的には前記キャリア基体(2)又は前記プラスチックフィルム(7)がPETフィルムを含み、前記PETフィルムが、少なくとも30%のPCR材料を用いて、好ましくは少なくとも50%のPCR材料を用いて製造されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【請求項11】
前記プラスチックフィルム(7)が、金属層(9)を有する金属化PEフィルム(8)として形成されており、前記金属化PEフィルム(8)が、少なくとも20%のPCR材料の含有率で、好ましくは少なくとも50%のPCR材料の含有率で製造されていることを特徴とする、請求項6から10のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【請求項12】
前記プラスチックフィルム(7)が金属化PEフィルム(8)として形成されており、前記金属化PEフィルム(8)が金属層(9)を有しており、前記金属化PEフィルム(8)がPCR材料とPIR材料とを、少なくとも実質的に1:1の比で有する状態で製造されていることを特徴とする、請求項6から11のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【請求項13】
前記接着要素(1)が、不正操作明示手段を備えた接着要素(1)であって、前記接着要素が、少なくとも70%のPCR材料の含有率で、好ましくは少なくとも90%のPCR含有率で製造されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア基体と、前記キャリア基体に配置された接着層とを含む接着要素に関する。
【背景技術】
【0002】
接着要素は、具体的には、ラベル、セキュリティラベル、接着テープ、セキュリティ接着テープ、又は粘着性グラフィック・フィルムエレメントであり得る。さらに、機能性ラベルも知られている。機能性ラベルは例えば対象物の結合のために役立ち得るか、又はバリア特性を有することができる。このような接着要素は数多くの製品のために、種々様々な業界、又は使用分野において使用される。ラベル、接着テープ、及びこれと同様のものは、先ず第一に、製品、対象物、又は包装の装飾又は標識付けのために役立つが、セキュリティラベル、セキュリティ接着テープ、又はグラフィック・フィルムエレメントには、これに加えて品質保証又は真正性明示の機能も有する。
【0003】
これらすべての課題を満たすために、接着要素は一般に、種々様々な材料で作られた複数の層、又はフィルムからなるものの、末端消費者によって通常の場合には、とりわけその接着特性に基づき、大抵は分別せずに廃棄される。これにより、接着要素を備えた対象物の廃棄時にはしばしば廃棄物フラクションの汚染が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来技術のなおも存在する欠点を克服し、接着要素の持続可能性をさらに改善するとともに、接着要素の要求される技術特性を損なわないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題は、請求項に記載の接着要素によって解決される。
【発明の効果】
【0007】
念のために述べておくが、本明細書における「具体的には」という概念は、対象の考えられ得る特定の構成又は詳細な仕様であり得るが、しかしそれ自体の必須の好ましい実施態様又は必須の手順である必要は必ずしもないように理解されるべきである。
【0008】
ここでの使用において、「含む(umfassend)」、「有する(weist auf)」、「有する(aufweisend)」、「含む(schliesst ein)」、「含めて(einschliesslich)」、「含有する(enthaelt)」、「含有する(enthaltend)」、及びこれらのいかなる変化形も、非排他的な包含をカバーするものとする。
【0009】
ここでやはり念のために述べておくが、層という概念は、本発明の文脈において、単独の層も、複数の層の複合体又は積層体も表すことができる。これは例えば複数の同じ種類の層又はプライであってよいが、しかし複数の異なる種類の層又はプライであってもよい。同じことがフィルムという概念にも当てはまる。
【0010】
本発明は、前記接着要素が少なくとも1種の再生材料、並びに/又は再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むようになっている、接着要素に関する。
【0011】
この関連において、接着要素とは、具体的にはラベル、セキュリティラベル、接着テープ、セキュリティ接着テープ、又は粘着性グラフィック・フィルムエレメントを意味する。接着要素は一般にはキャリア基体又はキャリアフィルム又はベースフィルムを含む。キャリアフィルム又はベースフィルムは、例えばセキュリティエレメント、多様な機能層のための、そして印刷層のための支持体材料として役立つ。接着層によって、接着要素は対象物の表面に永続的に、又は必要に応じて解離可能に取り付けることができる。接着層は例えば粘着層又は溶融接着層であってよい。接着層が溶融接着層として形成されている場合には、接着剤は溶融物上へ被着し、又は溶融物中へ導入することができ、あるいは接着要素は、熱作用下で対象物上へ被着することができる。
【0012】
少なくとも1種の再生材料は、いかなる種類のリサイクル可能な材料又は材料組成物であってもよい。例えば、これにより、あらゆる種類のプラスチック、並びに金属、金属合金、又は金属化合物も含まれる。多様な化学組成物もリサイクル可能であり、ひいては再生材料として接着要素中に含まれていてよい。接着要素は大抵、複数の層、フィルム、又はコンポーネントから構成されているので、これらの個別の構成部分に様々な種類の再生材料が使用されると好都合であり得る。
【0013】
前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、接着層内、キャリア基体内、及び/若しくはキャリア基体上に被着されたさらなるコンポーネント、層、又はフィルム内に含有されていてよい。
【0014】
これにより、接着要素の持続可能性又はその製品ライフサイクル全体が改善される。それというのは、前記少なくとも1種の再生材料を使用することによって、持続可能な製造が可能になるからである。接着要素の製造時に少なくとも1種の再生材料を使用することによって、高まりつつある環境要件に対応するのと同時に、事例によっては必要となる偽造防止力を保証する手段が生み出される。
【0015】
再生可能な原料から作られた1種の材料、並びに/又は生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を代わりに又は追加的に使用することによって、接着要素の持続可能なライフサイクルをさらに改善することができる。さらに、これにより環境保護に対して有益に貢献することができる。再生可能な原料から作られた材料、又は生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料は、再生材料とは別の材料であってよい。しかしながら、再生可能な原料から作られた材料、又は生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、再生材料と同一の材料であると、特に持続可能性が高い。
【0016】
相応の化学的原料を合成するために、再生可能な原料を使用することができる。プラスチックは例えばいわゆるドロップインと、新規のバイオベース・プラスチックとに区別することができる。ドロップインとは、再生可能な原料を基材とするバイオプラスチックであって、加工、活用、及びリサイクルの際に既存のプロセス及び価値連鎖が実質的に不変のままであるもの(例えばPA,PU,PE,PP,PETなど)を意味する。新規のバイオベース・プラスチックは、化石ベースのプラスチックにとって代わるものである(例えば、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチックなど)。化石ベースのプラスチックの代替物としての活用は、すべてのバイオベース・プラスチックに対してはまだ完全に確立されてはいない。
【0017】
生物分解性のプラスチックは、規定の条件下で微生物によって分解され得るポリマーからなる。「海洋分解性」という概念は、海洋環境条件下での自然分解の可能性に関する。生物分解性であり、さらにバイオベースであるプラスチックには、例えばポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又は熱可塑性デンプン(TPS)が属する。生物分解性プラスチックには、例えばポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、及びポリブチレンスクシネート(PBS)、又はポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)が属する。
【0018】
持続可能に製造された生フィルム及び/又は原料を例えば積層材として使用することにより、相応する接着要素又はラベルを持続可能に製造することができ、要求される技術特性、例えば光学特性、表面への接着層の付着作用、キャリア基体又はキャリア基体上に被着された層の印刷可能性を損なうことはなく、又は、少なくとも、用途に受け入れられない方法において、要求される技術特性を損なうことはない。
【0019】
有利なさらなる構成によれば、前記接着要素が、少なくとも1つのセキュリティ特徴部、又は少なくとも1つのセキュリティ特徴部を備えた少なくとも1つのセキュリティエレメントを含んでよい。セキュリティ特徴部及び/又はセキュリティエレメントを設けることにより、種々の対象物、製品、及び包装の真正性を確認するために接着ラベルを使用することにより、偽造を回避し、又は少なくとも困難にすることができる。このことは末端利用者又は末端顧客が、合法的に取り扱われた商品と、非合法的に取り扱われた商品とを区別するのを可能にする。
【0020】
セキュリティ特徴部がセキュリティエレメント内に形成されていてよく、セキュリティエレメントは接着要素の構成部分であってよい。セキュリティ特徴部(例えば磁気コード化、エンボス加工されたワニス層、金属化層、色シフト材料又は色シフト層など)が、偽造防止力を高め、そしてセキュリティエレメント、あるいは接着要素、又は接着要素を備えた対象物の真正性証明に役立つ。セキュリティエレメント層は、例えばいわゆるボイド・ラベル(VOID-Etikett)であってもよい。ボイド・ラベルは、対象物及び包装における不正操作の試みを示すために使用することができる。実質的に、ボイド・ラベル、又は不正操作明示手段を備えた接着要素は、キャリア基体、具体的にはキャリアフィルムであって、キャリアフィルムが有利にはプラスチックを含み、又はプラスチックからなる、キャリア基体と、キャリア基体に配置された接着層、好ましくは粘着層とを含む。ボイド・ラベルの目視側とは反対側には、部分分離層が形成されている。部分分離層は、目視側から観察すると、例えば文字、数字、符号、シンボル、又は画像部分として形成されている。部分分離層の下側には、層、例えば色層又は金属層が形成されていてよく、又は部分分離層はこのような層内へ埋め込まれていてよい。そしてまたこの層の下側には、接着層が設けられていてよい。
【0021】
セキュリティエレメントは、1つ又は2つ以上の層から、又は1つ又は2つ以上のフィルムから構成されていてよい。層という概念は、単独の層も、複数の層の複合体又は積層体も表すことができる。これは例えば複数の同じ種類の層又はプライであってよいが、しかし複数の異なる層又はプライであってもよい。ここで念のために述べておくが、本明細書中に記載された層の間には、1つ又は2つ以上の中間層が配置されていてよい。したがって、記載の層が互いに接触している必要は必ずしもない。さらに改めて述べておくならば、層という概念は本明細書中では、層が複数の部分層から構成されていてもよいように理解されるべきである。同じことが、フィルムという概念にも当てはまる。有利なさらなる構成によれば、前記セキュリティ特徴部並びに/又は前記セキュリティエレメントが、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含んでいてよい。
【0022】
さらに、前記接着要素が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むと、又は前記セキュリティエレメントが、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料由来の2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むと、好都合であり得る。
【0023】
さらに、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、セルロース繊維非含有の材料であってよい。
【0024】
さらに、前記接着要素、具体的には前記キャリア基体が、少なくとも1つのプラスチックフィルムを有する状態で、又はプラスチックフィルムとして形成されており、前記プラスチックフィルムが、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含んでいてよい。接着要素が少なくとも1つのセキュリティエレメント又は少なくとも1つのセキュリティ特徴部を有する状態で形成されている場合、これらがプラスチックフィルムとして形成されたキャリア基体上、つまりポリマー基体上に、1つ又は2つ以上の層によって被着されていても好都合であり得る。プラスチックフィルムは、例えばポリマーキャリアフィルム又はポリマー基体であってよく、この上に前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部、並びに場合によってはさらなる層、例えば保護ワニスが被着されていてよい。
【0025】
前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、化学的にリサイクルされたプラスチック並びに/又は機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が有利には、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/又は前記材料の混合物、及び/又はコポリマー、及び/又は複合材料の群からなる材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造される。
【0026】
化学的リサイクルとは、プラスチックを熱作用又はエネルギー作用によって、又は化学的な処理によって、より短い分子に分解し、後続の製造工程、例えば重合等のプロセスにおいて再利用を可能にする方法を意味する。いわゆるPCRプラスチック(ポスト・コンシューマー・リサイクリング(post consumer recycling))、PIRプラスチック(ポスト・インダストリアル・リサイクリング)、及びCCUプラスチック(炭素の捕捉及び利用(carbon capture and utilization))は、例えば、化学的なリサイクルが可能である。
【0027】
PCRプラスチックを製造するために、プラスチック廃棄物が、新規の原料を製造するために再び原料又はモノマーに戻され、ここから例えばポリマーフィルム又はワニス成分の製造に使用される。例えばPETフィルム、PEフィルム、及びPPフィルムを、所定の比率のPCR原料を用いて得ることができる。PIRプラスチックの製造は、大抵の場合には実質的にPCRプラスチックの製造と同様に行われる。とはいえ、一般には汚染が少なく、又はより均質の産業廃棄物が使用される。CCUプラスチックを製造するために、二酸化炭素が排ガス流又は空気から分離され、次いでこの二酸化炭素は、メタン又はメタノールのようなエネルギー源を製造するための、又はポリカーボネート又はPVCのような化学原料を製造するための原料、又は構成成分として使用する。これを目的として、藻類又は微生物を用いた化学的方法も、生物学的方法も知られている。
【0028】
機械的にリサイクルされたプラスチックは、材料リサイクルの過程で再生利用することができる。中でも、PCRプラスチック及びPIRプラスチックは、機械的にリサイクルすることができる。プラスチック廃棄物は、プラスチック種類に応じて分別し、再生材料に加工され、この再生材料は、新規の製品のための出発材料として使用することができ、ひいては新規材料から作られたプラスチックの代わりとなることができる。このような種類のリサイクルの場合、ポリマーの元の化学構造は維持されたままである。
【0029】
さらなる展開によれば、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択され、並びに/又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、炭素(C)、酸化インジウム(In2O3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta2O5)、セリア(CeO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe3O4)、及び酸化鉄(III)(Fe2O3)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化プラセオジム(Pr6O11)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、高屈折性有機モノマー及び/又は高屈折性有機ポリマー、又は例えば非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層から成る群から選択され、及び/又は、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的にはアルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていることが可能である。
【0030】
種々の積層材(例えばワニス構成部分、リサイクルされたアルミニウムからのアルミニウムのような金属など)のために持続可能な原料を使用することにより、持続可能な接着要素を製造することが可能になった。
【0031】
セキュリティ特徴部は偽造防止力を高め、接着要素の真正性証明に役立つ。前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部が、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、及び/又は光学的に可変の特徴部(Merkmale)及び/又は光学的に作用する特徴部によって、具体的にはホログラム及び/又は色シフト積層体、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有する積層体によって、及び/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部(例えば磁気コード化)によって、及び/又は電磁波吸収材及び/又は再放射材若しくは電磁波吸収特徴部及び/又は再放射特徴部によって形成されていると、好都合であり得る。この少なくとも1つのセキュリティ特徴部は、発光性積層体又は燐光積層体によって形成されていてもよい。
【0032】
光学的に可変の及び/又は光学的に効果的なセキュリティ特徴部には、例えば光学的に作用するレリーフ構造、具体的にはミラー、回折格子、ホログラム、キノフォーム、非対称回折構造、艶消し構造、具体的には異方性艶消し構造、ブレーズド回折格子、ゼロ次回折格子、フレネル様自由曲面、プラズモン構造、反射構造、具体的にはマイクロミラー装置、屈折又は集束構造、具体的にはマイクロレンズ装置、体積ホログラム、及び色シフト効果(薄膜素子、液晶、色シフト顔料などに基づく)も含まれる。
【0033】
さらに、前記接着要素が粘着性接着要素として形成されており、そして前記接着要素、具体的にはキャリア基体又は前記プラスチックフィルムがPETフィルムを含み、前記PETフィルムが、少なくとも30%のPCR材料を用いて、好ましくは少なくとも50%のPCR材料を用いて製造されていてよい。
【0034】
前記プラスチックフィルムが、金属層を有する金属化PEフィルムとして形成されており、前記金属化PEフィルムが、少なくとも20%のPCR材料の含有率、好ましくは少なくとも50%のPCR材料の含有率で製造されていてもよい。このような金属化フィルムは、当業者には例えば特許文献1に基づき公知であり、そして好ましくは次の順番で、すなわち、プラスチックフィルムで作られたキャリア基体、接着剤層としてのワニス層、ワニス層上へ具体的には直接に被着された金属層、及び任意のカバー層、を有している。
【0035】
さらに前記プラスチックフィルムが金属化PEフィルムとして形成されていてよく、前記金属化PEフィルムが金属層を有しており、前記金属化PEフィルムがPCR材料とPIR材料とを、少なくとも実質的に1:1の比で用いて製造されている。さらに、金属化PEフィルムが100%、又は少なくともほぼ100%のPCR材料で製造されていることが有利であり得る。
【0036】
さらなる構成によれば、前記接着要素が、不正操作明示手段を備えた接着要素であって、前記接着要素が、少なくとも70%のPCR材料の含有率、好ましくは少なくとも90%のPCR材料の含有率で製造されていてよい。上位概念に基づく接着要素はしばしばボイド・ラベルと呼ばれ、対象物及び包装における不正操作の試みを示すために使用することができる。具体的には、ボイド・ラベルを用いることによって、比較的低廉な偽造防止手段を与え、あるいは、簡易な真正性明示手段又は品質明示手段を与えることができる。ボイド・ラベルが下地から取り外されると、ラベル表面には、以前は、又は接着状態では見ることができなかったセキュリティ特徴部が現れる。これは大抵の場合、文字列、画像、パターン、及びこれに類するものを含む。
【0037】
本発明のよりよい理解のために、下記図面に基づき本発明を詳述する。
【0038】
図面はそれぞれ著しく簡略化された概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、接着要素を、対象物の表面上に不正操作防止手段が被着された状態で示す断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の接着要素を、対象物の表面からの引き剥がし中、接着要素の一部が表面上に残っている状態で示す図である。
【
図3】
図3は、
図1の接着要素を、対象物の表面から残留物なしに引き剥がしている間の状態で示す図である。
【
図4】
図4は、接着要素を示すさらなる実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
最初に書き留めておくが、種々異なるものとして記載される実施形態において、同一部分には同一参照符号又は同一構成部分符号を付す。説明全体に含まれる開示内容は、同一参照符号又は同一構成部分符号を有する同一部分に相応して転用することができる。また、説明において選択された位置に関する記述、例えば上、下、側方などは、直接に説明され図示された図面に関するものであり、そして位置が変化したときには、これらの位置に関する記述は相応して新しい位置に転用することができる。
【0041】
図1には、不正操作明示手段を備えた接着要素1が断面図で示されている。接着要素は対象物10の表面11上に被着されている。一般的な接着要素1はしばしばボイド・ラベルと呼ばれ、対象物10及び包装における不正操作の試みを示すために使用することができる。
【0042】
実質的に、本実施例に基づく接着要素1は、キャリア基体2、具体的にはキャリアフィルム又はプラスチックフィルム7と、キャリア基体2に配置された接着層3、好ましくは粘着性接着層とを含む。接着要素1は、少なくとも1種の再生材料4、並びに/又は再生可能な原料から作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5を含む。接着要素1の、目視側12とは反対側には、セキュリティエレメント6が部分分離層15の形態で形成されている。このような部分分離層15は、例えば目視側12から観察して、例えば文字、数字、符号、シンボル、又は画像部分として形成されていてよい。部分分離層15の下側には層16が形成されていてよく、又は部分分離層15は層16内へ埋め込まれていてよい。そしてまた層16の下側には、
図1の実施例によれば、接着層3が設けられていてよい。
【0043】
層16は色層、具体的には印刷色層であってよい。色層は部分的に及び/又は多色で形成されていてよい。しかしまた、層16は金属層9として形成されていてもよい。
【0044】
接着要素1又はボイド・ラベルが対象物10の表面11から取り外されるとすぐに、ラベル表面には、以前は、又は接着状態では見ることができなかったセキュリティ特徴部が「現れ」、又は部分分離層15によって形成された文字列、画像、パターン、及びこれに類するものが見られるようになる。
【0045】
不正操作明示手段を備えた接着要素1の種類に応じて、表面11は種々異なる形で引き剥がされる。2つの引き剥がし変更形が
図2及び3に示されている。
【0046】
図2には、キャリア基体2又はプラスチックフィルム7が、キャリア基体2に付着した部分分離層15と一緒に引き剥がされ、部分分離層15と並んで位置する、つまり部分分離層15によっては覆われていない、層16及び接着層3の領域も、部分分離層15と一緒に引き剥がされることが示されている。これは、層16及び接着層3が引き剥がし時に分離すること、又は層16及び接着層3が引き剥がし時に部分的に裂断することを意味する。接着層3並びに層16の、部分分離層15の下側に位置する領域は、対象物10上にとどまる。
【0047】
キャリア基体2の除去又は引き剥がしによって、部分分離層15により形成されたパターン又はこれに類するものを観察者は見られるようになる。こうして観察者は、対象物10において不正操作が行われたことを認識する。
【0048】
図2に基づいて示したものの代わりに、接着層3が完全に、又は少なくともほとんど完全に対象物10の表面11に留まって、これによりキャリア基体2を引き剥がすと、部分分離層15、並びに部分分離層に並んで位置する、部分分離層15によっては覆われていない、層16の領域が引き剥がされることも考えられる。しかしながら、これらの変更形は図示されていない。
【0049】
さらに、キャリア基体2又はプラスチックフィルム7は、部分分離層15に並んで位置する、層16の領域、並びに接着層3といっしょに引き剥がされて、これにより部分分離層15は、部分分離層の下側に位置する、層16の領域、並びに接着層3と一緒に対象物10の表面11上に留まるようにすることも考えられる。これらの変更形も図示されていない。
【0050】
図3に示された変更形の場合、接着層3の付着作用は対象物10の表面11に対して、さほど強く加えられていないので、接着要素1全体を残留物なしに、又は少なくともほとんど残留物なしに引き剥がすことができる。引き剥がし中には、部分分離層15とキャリア基体2との間に、空隙17を形成することができる。このような空隙17を発生させることによって、部分分離層15によって形成されたパターン又はこれに類するものを、観察者が見られるようにすることができる。
【0051】
図1~3に示された接着要素1は、少なくとも70%のPCR材料の含有率、好ましくは少なくとも90%のPCR材料の含有率で製造されていてよい。
【0052】
不要な繰り返しを避けるために、
図1~3について主として概要を以下に説明する。
【0053】
接着要素1は、キャリア基体2と、キャリア基体2に配置された接着層3とを含む。このような接着層3によって、接着要素1は対象物10の表面11に取り付けることができる。接着要素1は、少なくとも1種の再生材料4、並びに/又は再生可能な原料から作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5を含む。
【0054】
接着要素1は、図示の実施例によれば、少なくとも1つのセキュリティ特徴部、又は少なくとも1つのセキュリティ特徴部を備えた少なくとも1つのセキュリティエレメント6を含むことができる。図示の実施例では、接着要素1は、部分分離層15として形成されたセキュリティエレメント6によって形成されている。
【0055】
キャリア基体2は、例えばセルロース繊維を基材とする基体であってよく、あるいは図示の実施例のように、プラスチックフィルム7のような、ポリマーを基材とする基体であってもよい。キャリア基体2は、少なくとも1種の再生材料4、並びに/又は再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5を含む少なくとも1つのプラスチックフィルム7を用いて形成されていてよい。
【0056】
言うまでもなく、図示のものは大まかにのみ解釈されるべきである。例えば、セキュリティエレメント6又は部分分離層15は、
図1~3には方形断面を有するものとして示されている。当業者には数多くの考えられ得る特定の構成がもちろん知られている。これらの構成についてはここでは詳細には触れない。
【0057】
セキュリティエレメント6は、
図1~3に示された実施例では、キャリア基体2の下側に配置されている。しかしながら、セキュリティエレメント6はキャリア基体2内へ部分的又は完全に埋め込まれていることも考えられる。さらに、セキュリティエレメント6はキャリア基体2の下側に、図示のように直接ではなく、1つ又は2つ以上の中間層によって所定の間隔を置いて被着されていてもよい。キャリア基体2及びセキュリティエレメント6はさらに1つ又は2つ以上のさらなる層によって、部分的又は完全に被覆されていてよい。例えば、保護ワニス、ヒートシール・ワニス、接着剤などが被着されていてよい。このような層はやはり、少なくとも1種の再生材料4、並びに/又は再生可能な原料から作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5を含むことができる。例えば、再生材料4は、リサイクルされたワニス又はリサイクルされたワニス構成部分の形態で、層内、例えば保護層内に含まれていてよい。ワニス又は少なくともワニス構成部分が、再生可能な原料を含んでいてもよい。
【0058】
ここでは、接着要素1が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の少なくとも1種の再生材料4、並びに/又は再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5を含むと好都合であることが判っている。しかし、前記接着要素1が、少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の2種以上の異なる再生材料、並びに/又は再生可能な原料由来の2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含んでいてもよい。
【0059】
既に説明したように、
図1~3に示された接着要素1は、少なくとも1種の再生材料4、並びに/又は再生可能な原料から作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5を含む。再生材料4、並びに/又は再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5は、接着要素1のコンポーネント全体に、つまり例えばセキュリティエレメント6内又はセキュリティ特徴部内にも、キャリア基体2内、接着層3内、又はさらなる層内、例えば保護層内にも含有されていてよい。もちろん、これは常に同一の材料である必要はない。例えば、セキュリティエレメント6は、リサイクルされたアルミニウム分を含んでよいのに対して、キャリア基体2は少なくとも部分的に、リサイクルされたプラスチックからなるか、又はその逆である。コンポーネントは、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%の少なくとも1種の再生材料4を含むことができる。再生可能な原料から作られた材料、又は生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5は、基本的に再生材料4と同一の材料であってよい。
【0060】
接着要素1内、例えばセキュリティエレメント6内、又はキャリア基体2内に含まれる少なくとも1種の再生材料4、並びに/又は再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、及び/又少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5は、セルロース繊維を含有しない材料であると好都合である。
【0061】
接着要素1内、特に、キャリア基体2内に含まれる少なくとも1種の再生材料4、及び/又少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5は、化学的にリサイクルされたプラスチック並びに/又は機械的にリサイクルされたプラスチックを含むことができる。具体的には材料は、光透過性のリサイクルプラスチックを含むことができ、少なくとも1種の再生材料4は好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/又は前記材料の混合物、及び/又はコポリマー、及び/又は複合材料の群からなる材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造され得る。
【0062】
少なくとも1種の再生材料4、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択され、及び/又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、炭素(C)、酸化インジウム(In2O3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta2O5)、セリア(CeO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe3O4)、及び酸化鉄(III)(Fe2O3)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化プラセオジム(Pr6O11)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、高屈折性有機モノマー及び/又は高屈折性有機ポリマー、又は、非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層からなる群から選択され、及び/又は、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的にはアルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていてよい。
【0063】
図示のセキュリティエレメント6内に含まれるセキュリティ特徴部は、例えば、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、並びに/又は光学的に可変の及び/又は光学的に作用する特徴部によって、具体的にはホログラム並びに/又は色シフト積層体、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有する積層体によって、及び/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部によって、及び/又は電磁波吸収材及び/若しくは再放射材又は電磁波吸収特徴部及び/又は再放射特徴部によって形成されていてよい。
【0064】
図1~3に示された接着要素1は、例えば粘着性接着要素1として形成されていてよく、接着要素1、具体的にはキャリア基体2又はプラスチックフィルム7がPETフィルムを含み、PETフィルムが、少なくとも30%のPCR材料で、好ましくは少なくとも50%のPCR材料で製造されていてよい。
【0065】
図1~3に示された接着要素1は、例えば不正操作明示手段を備えた接着要素1として、つまりいわゆるボイド・ラベルとして形成することも可能であり、ボイド・ラベルは、少なくとも70%のPCR材料で、好ましくは少なくとも90%のPCR含有率で製造される。
【0066】
図4は接着要素1のさらなる実施例を示している。不要な繰り返しを避けるために、ここでは具体的には
図1~3の詳細な説明が引用される。
【0067】
図4は、プラスチックフィルム7を備えた接着要素1のさらなる実施例を示しており、プラスチックフィルム7は金属化PEフィルム8として形成されている。このような金属化PEフィルム8は金属層9を有しており、そして少なくとも20%のPCR材料で、好ましくは少なくとも50%のPCR含有率で製造されている。
図4に示された金属化PEフィルム8はさらに、PCR材料とPIR材料とを、少なくとも実質的に1:1の比で使用して製造することができる。
【0068】
金属層9は、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択され、及び/又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、炭素(C)、酸化インジウム(In2O3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta2O5)、セリア(CeO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe3O4)、及び酸化鉄(III)(Fe2O3)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化プラセオジム(Pr6O11)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、高屈折性有機モノマー及び/又は高屈折性有機ポリマー、又は、非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層からなる群から選択され、及び/又は、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的にはアルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていてよい。
【0069】
図4に示された接着要素1は最下層から、つまり接着層3から目視側12へ向かって見て、下記層、すなわち、接着層3と、プラスチックフィルム7から、具体的にはPEフィルム8で作られたキャリア基体2と、接着剤層としてのワニス層13と、特に、ワニス層13上へ直接に被着された金属層9と、カバー層14とを有している。基本的には層全体又はコンポーネント全体が、少なくとも1種の再生材料4、及び/又は再生可能な原料から作られた少なくとも1種の材料、及び/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料5を含むことができる。
【0070】
これらの実施形態は、考えられ得る実施変更形を示す。ここで念のため述べておくと、本発明は具体的に示された実施変更形に限定されることはなく、むしろ個々の実施変更形の交互の種々の組み合わせも可能であり、そしてこのような変更は、この技術分野の当業者の能力範囲内で、当該発明による技術的行為のための教示内容に基づいて可能である。
【0071】
保護範囲は請求項によって規定される。しかしながら、明細書及び図面は請求項を解釈するために利用することができる。図示され説明された種々異なる実施例の個々の特徴又は特徴の組み合わせは、それ自体独立した、本発明の解決手段であり得る。本発明の独立した解決手段の根底を成す課題は、明細書から明らかである。
【0072】
当該記述における値範囲に関する全ての数値は、これらの任意の、及び全ての部分範囲を含むことを意味する。例えば、数値1~10は、下限値1及び上限値10から出発する全ての部分範囲が一緒に含まれる、すなわち、全ての部分範囲が下限値1以上で始まり、そして上限値10以下で終わる、例えば1~1.7、又は3.2~8.1、又は5.5~10であることを意味する。
【0073】
なお最後に形式的なことであるが、構造をより良く理解するために、エレメントは部分的に一定の尺度でなく、及び/又は拡大し、及び/又は縮小して示したことを指摘しておく。
【符号の説明】
【0074】
1 接着要素
2 キャリア基体
3 接着層
4 再生材料
5 生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料
6 セキュリティエレメント
7 プラスチックフィルム
8 金属化PEフィルム
9 金属層
10 対象物
11 表面
12 目視側
13 ワニス層
14 カバー層
15 部分分離層
16 層
17 空隙
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
なお最後に形式的なことであるが、構造をより良く理解するために、エレメントは部分的に一定の尺度でなく、及び/又は拡大し、及び/又は縮小して示したことを指摘しておく。
なお、本発明の実施態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
キャリア基体(2)と、前記キャリア基体(2)に配置された接着層(3)とを含む接着要素(1)において、前記接着要素(1)が少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は再生可能な原料から作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むことを特徴とする、接着要素(1)。
[態様2]
前記接着要素(1)が、少なくとも1つのセキュリティ特徴部、又は少なくとも1つのセキュリティ特徴部を備えた少なくとも1つのセキュリティエレメント(6)を含むことを特徴とする、態様1に記載の接着要素(1)。
[態様3]
前記セキュリティ特徴部並びに/又は前記セキュリティエレメント(6)が、前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むことを特徴とする、態様2に記載の接着要素(1)。
[態様4]
前記接着要素(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むこと、又は前記接着要素(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料由来の2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、態様1から3のいずれかに記載の接着要素(1)。
[態様5]
前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が、セルロース繊維を含有しない材料であることを特徴とする、態様1から4のいずれかに記載の接着要素(1)。
[態様6]
前記接着要素(1)、具体的には前記キャリア基体(2)が、少なくとも1つのプラスチックフィルム(7)を用いて、又はプラスチックフィルム(7)として形成されており、前記プラスチックフィルムが、前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むことを特徴とする、態様1から5のいずれかに記載の接着要素(1)。
[態様7]
前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が、化学的にリサイクルされたプラスチック並びに/又は機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/若しくは前記材料の混合物、及び/若しくはコポリマー、及び/若しくは複合材料の群からなる材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていることを特徴とする、態様1から6のいずれかに記載の接着要素(1)。
[態様8]
前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択され、及び/若しくは、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO
2
)、炭素(C)、酸化インジウム(In
2
O
3
)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta
2
O
5
)、セリア(CeO
2
)、酸化イットリウム(Y
2
O
3
)、酸化ユーロピウム(Eu
2
O
3
)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe
3
O
4
)、及び酸化鉄(III)(Fe
2
O
3
)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO
2
)、酸化ランタン(La
2
O
3
)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd
2
O
3
)、酸化プラセオジム(Pr
6
O
11
)、酸化サマリウム(Sm
2
O
3
)、酸化アンチモン(Sb
2
O
3
)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3
N
4
)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se
2
O
3
)、酸化スズ(SnO
2
)、酸化タングステン(WO
3
)、高屈折性有機モノマー及び/若しくは高屈折性有機ポリマー、又は例えば非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層からなる群から選択され、及び/若しくは、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的にはアルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていることを特徴とする、態様1から7のいずれかに記載の接着要素(1)。
[態様9]
前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部が、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、並びに/又は光学的に可変の及び/若しくは光学的に作用する特徴部によって、具体的にはホログラム及び/若しくは色シフト積層体、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有する積層体によって、並びに/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部によって、並びに/又は電磁波吸収材及び/若しくは再放射材又は電磁波吸収特徴部並びに/又は再放射特徴部によって形成されていることを特徴とする、態様2から7のいずれかに記載の接着要素(1)。
[態様10]
前記接着要素(1)が粘着性接着要素(1)として形成されており、そして前記接着要素(1)、具体的には前記キャリア基体(2)又は前記プラスチックフィルム(7)がPETフィルムを含み、前記PETフィルムが、少なくとも30%のPCR材料を用いて、好ましくは少なくとも50%のPCR材料を用いて製造されていることを特徴とする、態様1から9のいずれかに記載の接着要素(1)。
[態様11]
前記プラスチックフィルム(7)が、金属層(9)を有する金属化PEフィルム(8)として形成されており、前記金属化PEフィルム(8)が、少なくとも20%のPCR材料の含有率で、好ましくは少なくとも50%のPCR材料の含有率で製造されていることを特徴とする、態様6から10のいずれかに記載の接着要素(1)。
[態様12]
前記プラスチックフィルム(7)が金属化PEフィルム(8)として形成されており、前記金属化PEフィルム(8)が金属層(9)を有しており、前記金属化PEフィルム(8)がPCR材料とPIR材料とを、少なくとも実質的に1:1の比で有する状態で製造されていることを特徴とする、態様6から11のいずれかに記載の接着要素(1)。
[態様13]
前記接着要素(1)が、不正操作明示手段を備えた接着要素(1)であって、前記接着要素が、少なくとも70%のPCR材料の含有率で、好ましくは少なくとも90%のPCR含有率で製造されていることを特徴とする、態様1から12のいずれかに記載の接着要素(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア基体(2)と、前記キャリア基体(2)に配置された接着層(3)とを含む接着要素(1)において、前記接着要素(1)が少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は再生可能な原料から作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むことを特徴とする、接着要素(1)。
【請求項2】
前記接着要素(1)が、少なくとも1つのセキュリティ特徴部、又は少なくとも1つのセキュリティ特徴部を備えた少なくとも1つのセキュリティエレメント(6)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の接着要素(1)。
【請求項3】
前記セキュリティ特徴部並びに/又は前記セキュリティエレメント(6)が、前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の接着要素(1)。
【請求項4】
前記接着要素(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むこと、又は前記接着要素(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料由来の2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、請求項
1に記載の接着要素(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が、セルロース繊維を含有しない材料であることを特徴とする、請求項
1に記載の接着要素(1)。
【請求項6】
前記接着要素(1)、具体的には前記キャリア基体(2)が、少なくとも1つのプラスチックフィルム(7)を用いて、又はプラスチックフィルム(7)として形成されており、前記プラスチックフィルムが、前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記再生可能な原料由来の少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)を含むことを特徴とする、請求項
1に記載の接着要素(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が、化学的にリサイクルされたプラスチック並びに/又は機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/若しくは前記材料の混合物、及び/若しくはコポリマー、及び/若しくは複合材料の群からなる材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていることを特徴とする、請求項
1に記載の接着要素(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1種の再生材料(4)、並びに/又は前記少なくとも1種の生物分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(5)が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択され、及び/若しくは、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO
2)、炭素(C)、酸化インジウム(In
2O
3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、セリア(CeO
2)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ユーロピウム(Eu
2O
3)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe
3O
4)、及び酸化鉄(III)(Fe
2O
3)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化ランタン(La
2O
3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd
2O
3)、酸化プラセオジム(Pr
6O
11)、酸化サマリウム(Sm
2O
3)、酸化アンチモン(Sb
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se
2O
3)、酸化スズ(SnO
2)、酸化タングステン(WO
3)、高屈折性有機モノマー及び/若しくは高屈折性有機ポリマー、又は例えば非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層からなる群から選択され、及び/若しくは、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的にはアルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的にはコバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていることを特徴とする、請求項
1に記載の接着要素(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部が、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、並びに/又は光学的に可変の及び/若しくは光学的に作用する特徴部によって、具体的にはホログラム及び/若しくは色シフト積層体、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有する積層体によって、並びに/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部によって、並びに/又は電磁波吸収材及び/若しくは再放射材又は電磁波吸収特徴部並びに/又は再放射特徴部によって形成されていることを特徴とする、請求項
2に記載の接着要素(1)。
【請求項10】
前記接着要素(1)が粘着性接着要素(1)として形成されており、そして前記接着要素(1)、具体的には前記キャリア基体(2)又は前記プラスチックフィルム(7)がPETフィルムを含み、前記PETフィルムが、少なくとも30%のPCR材料を用いて、好ましくは少なくとも50%のPCR材料を用いて製造されていることを特徴とする、請求項
6に記載の接着要素(1)。
【請求項11】
前記プラスチックフィルム(7)が、金属層(9)を有する金属化PEフィルム(8)として形成されており、前記金属化PEフィルム(8)が、少なくとも20%のPCR材料の含有率で、好ましくは少なくとも50%のPCR材料の含有率で製造されていることを特徴とする、請求項
6に記載の接着要素(1)。
【請求項12】
前記プラスチックフィルム(7)が金属化PEフィルム(8)として形成されており、前記金属化PEフィルム(8)が金属層(9)を有しており、前記金属化PEフィルム(8)がPCR材料とPIR材料とを、少なくとも実質的に1:1の比で有する状態で製造されていることを特徴とする、請求項
6に記載の接着要素(1)。
【請求項13】
前記接着要素(1)が、不正操作明示手段を備えた接着要素(1)であって、前記接着要素が、少なくとも70%のPCR材料の含有率で、好ましくは少なくとも90%のPCR含有率で製造されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の接着要素(1)。
【国際調査報告】