(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ディスプレイモジュール光を導波路に向けるための光学システム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240822BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20240822BHJP
G02C 11/00 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
G02C11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513753
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022041249
(87)【国際公開番号】W WO2023034080
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】デラップ スコット エム
(72)【発明者】
【氏名】バクタ ヴィクラント
(72)【発明者】
【氏名】フ ディ
(72)【発明者】
【氏名】ペン グオリン
(72)【発明者】
【氏名】カサー ダーシャン アール
(72)【発明者】
【氏名】ラフ ジョン
【テーマコード(参考)】
2H006
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H006CA00
2H199CA04
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA24
2H199CA25
2H199CA27
2H199CA29
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA47
2H199CA48
2H199CA49
2H199CA50
2H199CA52
2H199CA54
2H199CA58
2H199CA59
2H199CA60
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA86
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA94
2H249AA07
2H249AA13
2H249AA50
2H249AA60
2H249AA62
2H249AA63
2H249AA66
(57)【要約】
ディスプレイシステムは、導波路(50)と、第1の表面レリーフ格子(SRG)を有する入力カプラ(74I)と、第2のSRGを有する出力カプラとを含んでもよい。ディスプレイモジュール(20A)は、第1のSRGによって導波路内に結合される画像光を生成することができる。第1のSRGは、導波路の法線軸に対して非平行な入力ベクトルを有してもよい。ディスプレイモジュールは、入力ベクトルに対してゼロ以外の角度だけ傾斜した光軸を有してもよい。プリズム(86)は、モジュールからの画像光を入力ベクトルに平行な方向に第1のSRGに方向転換することができる。モジュールは、画像光の視野の中心に対してオフセットされた光軸を有するレンズ素子(100)を含んでもよい。これにより、レンズ素子は、第1のSRGの入力ベクトルに平行な方向に画像光を出力することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイであって、
全内部反射を介して光を伝搬するように構成された導波路と、
前記光を前記導波路に結合するように構成された第1の表面レリーフ格子であって、前記第1の表面レリーフ格子が入力ベクトルを有する、第1の表面レリーフ格子と、
前記入力ベクトルに対して非平行な角度で前記光を出力するように構成されたプロジェクタと、
前記プロジェクタと前記導波路との間に光学的に結合されたプリズムであって、前記プリズムが、前記プロジェクタからの前記光を前記入力ベクトルに平行な方向に前記第1の表面レリーフ格子に方向転換するように構成されている、プリズムと、
前記導波路からの前記光を結合するように構成されている第2の表面レリーフ格子と、
を備える、ディスプレイ。
【請求項2】
前記プリズムが色消しプリズムを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記プリズムが、第1の光学ウェッジと、前記第1の光学ウェッジ上の第2の光学ウェッジとを含み、前記第1の光学ウェッジ及び前記第2の光学ウェッジが、前記光を透過させるように構成されており、前記第1の光学ウェッジが、第1の材料を含み、前記第2の光学ウェッジが、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記角度及び前記入力ベクトルが、5~25度だけ分離される、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記導波路が側面を含み、前記角度及び前記入力ベクトルが各々、前記側面の法線軸に対して非平行であり、前記光が、前記法線軸の第1の側に対して追加の角度で前記第1の表面レリーフ格子に入射し、前記第2の表面レリーフ格子が、前記法線軸の第2の側に対して前記追加の角度で前記光を出力するように構成されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記プリズムが、前記光を前記プリズム内に透過させる第1の表面と、第2の表面と、第3の表面と、前記光を前記プリズムから透過させる第4の表面とを有する光学ウェッジを含み、前記第2の表面が、前記光を前記第3の表面に向かって反射し、前記第3の表面が、前記光を前記第4の表面に向かって反射する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記第1の表面、前記第2の表面、前記第3の表面、及び前記第4の表面のうちの1つ以上が湾曲している、請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記導波路が、
前記第1の表面レリーフ格子が前記第1の媒体層内にある第1の媒体層と、
前記第1の媒体層とは異なる第2の媒体層であって、前記第2の表面レリーフ格子が前記第2の媒体層内にある、第2の媒体層と、を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記導波路が、
媒体層であって、前記第1の表面レリーフ格子及び前記第2の表面レリーフ格子が前記媒体層内にある、媒体層を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項10】
ディスプレイであって、
全内部反射を介して光を伝搬するように構成された導波路と、
前記光を前記導波路に結合するように構成された第1の表面レリーフ格子であって、前記第1の表面レリーフ格子が入力ベクトルによって特徴付けられている、第1の表面レリーフ格子と、
画像データに基づいて前記光であって、前記光が視野を有する、前記光を生成するように構成されたディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネルと前記導波路との間に結合された光学系であって、前記光学系が、
前記光を前記第1の表面レリーフ格子に向けて透過させるように構成されており、前記光の前記視野の中心に対してゼロ以外の角度でオフセットされている光軸を有するレンズを含む、光学系と、を備え、前記光軸が、前記入力ベクトルに対してゼロ以外の角度で配向されており、前記光学系が、前記入力ベクトルに平行な方向に前記光を出力するように構成されている、ディスプレイ。
【請求項11】
前記光学系が、
前記光を透過させるように構成されており、前記レンズの前記光軸と位置合わせされた光軸を有する追加のレンズを更に備える、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記レンズが、前記光を透過する第1の表面と、前記光を透過する前記第1の表面の反対側の第2の表面と、前記第1の表面を前記第2の表面に結合する平面とを有し、前記平面が、前記光の前記視野の前記中心の反対側の前記光軸の側に配置されている、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記導波路が側面を備えており、前記光軸が前記側面の法線軸に平行に配向されている、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記導波路が側面を有し、前記光が、前記側面の法線軸の第1の側に対してある角度で前記第1の表面レリーフ格子に入射し、前記第2の表面レリーフ格子が、前記法線軸の第2の側に対して前記角度で前記光を出力するように構成されている、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記ディスプレイパネルが、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)ディスプレイパネル、液晶オンシリコン(LCOS)ディスプレイパネル、強誘電性液晶オンシリコン(fLCOS)ディスプレイパネル、及び透過型液晶ディスプレイパネルからなる群から選択されるディスプレイパネルを備える、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記導波路であって、
前記第1の表面レリーフ格子が前記第1の媒体層内にある第1の媒体層と、
前記第1の媒体層とは異なる第2の媒体層であって、前記第2の表面レリーフ格子が前記第2の媒体層内にある、第2の媒体層と、を備える、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記導波路であって、
媒体層であって、前記第1の表面レリーフ格子及び前記第2の表面レリーフ格子が前記媒体層内にある、媒体層を備える、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記ゼロ以外の角度が5~30度である、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項19】
ディスプレイであって、
全内部反射を介して光を伝搬するように構成された導波路と、
前記光を前記導波路内に結合するように構成されている回折格子を有する入力カプラと、
照明を放射するように構成されている照明光学系と、
前記照明を変調することによって前記光を生成するように構成されている反射型ディスプレイパネルと、
前記光を前記入力カプラに透過させるように構成されており、前記光の視野の中心に対してゼロ以外の角度でオフセットされた光軸を有するレンズであって、前記レンズが、前記回折格子の入力ベクトルに平行な方向に前記光を出力するように構成されている、レンズと、
を備える、ディスプレイ。
【請求項20】
前記導波路が側面を有し、前記光軸が前記側面の法線軸に平行に配向されている、請求項19に記載のディスプレイ。
【請求項21】
前記導波路が側面を有し、前記光軸が、前記側面の法線軸に対して非平行角度で配向されている、請求項19に記載のディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、光学システムに関し、より具体的には、ディスプレイを有する電子デバイス用の光学システムに関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が本明細書中に引用をもって援用された、2021年9月2日付け出願の米国仮特許出願第63/240,277号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、ユーザの目の近くで画像を提示するディスプレイを含むことが多い。例えば、仮想及び拡張現実ヘッドセットは、ユーザがディスプレイを見ることを可能にする光学素子を有するディスプレイを含むことができる。
【0003】
これらのようなデバイスは、設計することが困難であり得る。注意が払われない場合、これらのデバイスにおいて画像を表示するために使用される構成要素は、見栄えが悪く、かさばる、又は不快である可能性があり、所望の光学性能を示さない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
電子デバイスは、ディスプレイシステムを備えることができる。ディスプレイシステムは、導波路、入力カプラ、及び出力カプラを含むことができる。入力カプラは、第1の表面レリーフ格子(SRG)を含んでもよい。出力カプラは、第2のSRGを含み得る。ディスプレイモジュールは、第1のSRGによって導波路内に結合され、第2のSRGによって導波路から結合される画像光を生成することができる。導波路は、法線軸を伴う側面を有してもよい。
【0005】
第1のSRGは、法線軸に対して非平行である入力ベクトルによって特徴付けられてもよい。ディスプレイモジュールは、入力ベクトルに対してゼロ以外の角度だけ傾斜した光軸を有してもよい。色消しプリズムは、ディスプレイモジュールと第1のSRGとの間に光学的に挿入されてもよい。色消しプリズムは、ディスプレイモジュールからの画像光を入力ベクトルに平行な方向に第1のSRGに方向転換することができる。色消しプリズムは、分散を緩和するために異なる材料から形成された第1及び第2の光学ウェッジを含むことができる。これは、光学性能を犠牲にすることなく、ユーザによるデバイスの装着を不快に妨げることなく、ディスプレイモジュールがデバイスのためのハウジング内に配置されることを可能にし得る。
【0006】
必要に応じて、ディスプレイモジュールは、画像光を第1のSRGに伝送するコリメート光学系を含んでもよい。コリメート光学系は、レンズ素子を含んでもよい。レンズ素子は、画像光の視野の中心に対してオフセットされた位置合わせされた光軸を有することができる。これにより、コリメート光学系は、第1のSRGの入力ベクトルに平行な方向に画像光を出力することができる。必要に応じて、画像光を伝送するために使用されないレンズ素子の部分は、空間及び重量を節約するためにトリミング又は除去されてもよい。このようにコリメート光学系を構成することは、追加的に又は代替的に、ディスプレイモジュール内の画素から光を反射する第1のSRGの高次回折モードに起因するゴーストアーチファクトの生成を軽減する役割を果たし得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】いくつかの実施形態に係るディスプレイを有する、例示的なシステムの図である。
【0008】
【
図2】いくつかの実施形態による、光カプラを有する導波路を有するディスプレイ用の例示的な光学システムの上面図である。
【0009】
【
図3A】いくつかの実施形態による、表面レリーフ格子構造が設けられた例示的な導波路の上面図である。
【
図3B】いくつかの実施形態による、表面レリーフ格子構造が設けられた例示的な導波路の上面図である。
【
図3C】いくつかの実施形態による、表面レリーフ格子構造が設けられた例示的な導波路の上面図である。
【0010】
【
図4】いくつかの実施形態による、入力角度で画像光を受光する入力結合表面レリーフ格子と、入力角度に等しい出力角度で導波路から画像光を結合する出力結合表面レリーフ格子とを有する例示的な導波路の上面図である。
【0011】
【
図5】いくつかの実施形態による、ディスプレイモジュールによって出力される画像光を、導波路上の入力結合表面レリーフ格子の入力ベクトルに一致する角度に方向転換するプリズムを有する例証的ディスプレイの上面図である。
【0012】
【
図6】いくつかの実施形態による、画像光をディスプレイの視野と位置合わせするコリメート光学系を有する、例示的ディスプレイモジュールの上面図である。
【0013】
【
図7】いくつかの実施形態による、入力結合表面レリーフ格子の入力ベクトルに一致する角度で画像光を入力結合表面レリーフ格子上に向けるために、ディスプレイモジュール内のコリメート光学系がどのようにオフセットされ得るかを示す図である。
【0014】
【
図8】いくつかの実施形態による、ディスプレイモジュール内のオフセットコリメート光学系が、光学システム内のゴースト像生成をどのように緩和し得るかを示す図である。
【0015】
【
図9】
図5に示されるタイプのプリズムが、いくつかの実施形態による、画像光を方向転換する反射及び透過面を有する単一光学ウェッジをどのように含み得るかを示す、上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1のシステム10は、1つ以上のディスプレイを有するヘッドマウントデバイスであってもよい。システム10内のディスプレイは、支持構造(ハウジング)8内に搭載されるニアアイディスプレイ20を含んでもよい。支持構造8は、眼鏡又はゴーグルの形状(例えば、支持フレーム)を有してもよいし、ヘルメット形状を有するハウジングを形成してもよいし、若しくはユーザの頭部又は目の近くにニアアイディスプレイ20の構成要素を取り付けて固定するのに役立つ他の構成を有してもよい。ニアアイディスプレイ20は、ディスプレイモジュール20Aなどの1つ以上のディスプレイモジュール(プロジェクタ)、及び光学システム20Bなどの1つ以上の光学システムを含むことができる。ディスプレイモジュール20Aは、支持構造8などの支持構造に取り付けられてもよい。各ディスプレイモジュール20Aは、光学システム20Bのうちの関連付けられたものを用いて、アイボックス24にてユーザの目に向けて向け直される光38(画像光)を放射することができる。
【0017】
システム10の動作は、制御回路16を用いて制御されてもよい。制御回路16は、システム10の動作を制御する記憶及び処理回路を含むことができる。制御回路16は、例えば、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、ソリッドステートドライブを形成するように構成された電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含むことができる。制御回路16の処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、音声チップ、グラフィック処理ユニット、特定用途向け集積回路及び他の集積回路に基づくことができる。ソフトウェアコードは、回路16の記憶装置に格納され、回路16の処理回路上で作動されて、システム10の動作(例えば、データ収集動作、制御信号を用いて構成要素の調整を伴う動作、ユーザに表示するために画像コンテンツを生成するための画像レンダリング動作など)を実行することができる。
【0018】
システム10は、入出力デバイス12などの入出力回路機構を含むことができる。入出力デバイス12は、システム10によって外部機器(例えば、テザリングされたコンピュータ、ハンドヘルドデバイス若しくはラップトップコンピュータなどのポータブルデバイス、又は他の電子機器)からデータを受信可能にし、ユーザがヘッドマウントデバイス10にユーザ入力を与えることを可能にするために用いられてもよい。入出力デバイス12はまた、システム10(例えば、ヘッドマウントデバイス10)が動作している環境についての情報を収集するために用いられてもよい。デバイス12内の出力構成要素は、システム10がユーザに出力を提供することを可能にすることができ、また、外部電気機器との通信に使用することができる。入出力デバイス12は、センサ、及び他の構成要素18(例えば、システム10のディスプレイ上の仮想オブジェクトとデジタル的に併合される現実世界オブジェクトの画像を収集するための画像センサ、加速度計、深度センサ、光センサ、触覚出力デバイス、スピーカ、バッテリ、システム10と外部電子機器との間で通信するための無線通信回路など)を含んでもよい。
【0019】
ディスプレイモジュール20Aは、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、レーザベースのディスプレイ、又は他の種類のディスプレイであってもよい。ディスプレイモジュール20Aは、光源、発光型ディスプレイパネル、画像光を生成するために光源からの照明光で照明される透過型ディスプレイパネル、画像光を生成するために光源からの照明光で照明されるデジタルマイクロミラーディスプレイ(DMD)パネル及び/又は液晶オンシリコン(LCOS)ディスプレイパネルなどの反射型ディスプレイパネルなどを含み得る。ディスプレイモジュール20Aは、本明細書ではプロジェクタ20Aと呼ばれることもある。
【0020】
光学システム20Bは、ビューア(例えば、アイボックス24でのビューアの目を参照)がディスプレイ(複数可)20上の画像を見ることを可能にするレンズを形成することができる。ユーザの左右それぞれの目に関連付けられた(例えば、左側のレンズ及び右側のレンズを形成するための)2つの光学システム20Bがあってもよい。単一のディスプレイ20によって両方の目のための画像を生成することができ、又は一対のディスプレイ20を用いて画像を表示してもよい。複数のディスプレイ(例えば、左目用ディスプレイと右目用ディスプレイ)を有する構成では、システム20Bによって形成されるレンズの焦点距離及びポジションは、ディスプレイ間に存在する任意の隙間がユーザに見えないように(すなわち、左側のディスプレイの画像と右側のディスプレイの画像が重なるように又はシームレスに併合されるように)、選択され得る。
【0021】
所望であれば、光学システム20Bは、現実世界画像又はオブジェクト28からの現実世界画像光を、画像光38内の仮想画像などの仮想(コンピュータ生成)画像と光学的に組み合わせることを可能にする構成要素(例えば、光コンバイナなど)を含んでもよい。拡張現実システムと呼ばれることもあるこの種類のシステムでは、システム10のユーザは、現実世界コンテンツ、及び現実世界コンテンツの上に重ね合わされたコンピュータ生成コンテンツの両方を見ることができる。カメラベースの拡張現実システムもまた、デバイス10内で(例えば、カメラがオブジェクト28の現実世界画像をキャプチャし、このコンテンツが光学システム20B上の仮想コンテンツとデジタル的に併合される構成で)用いられてもよい。
【0022】
システム10は、所望であれば、コンピュータ又は他の外部機器(例えば、ディスプレイ20に画像コンテンツを供給するコンピュータ)との通信をサポートするための無線回路及び/又は他の回路を含むことができる。動作中、制御回路16は画像コンテンツをディスプレイ20に供給することができる。コンテンツは、(例えば、システム10に結合された、コンピュータ又は他のコンテンツソースから)遠隔受信されてもよく、及び/又は(例えば、テキスト、他のコンピュータ生成コンテンツなどが)制御回路16によって生成されてもよい。制御回路16によってディスプレイ20に供給されたコンテンツを、ビューアはアイボックス24において見ることができる。
【0023】
図2は、
図1のシステム10において使用され得る例示的なディスプレイ20の上面図である。
図2に示すように、ニアアイディスプレイ20は、ディスプレイモジュール(複数可)20Aなどの1つ以上のディスプレイモジュール、及び光学システム20Bなどの光学システムを含むことができる。光学システム20Bは、1つ以上の導波路50などの光学素子を含んでもよい。導波路50は、プラスチック、ポリマー、ガラスなどの光学的に透明な材料の1つ以上の積層された基板(例えば、本明細書で導波路基板と呼ばれることもある積層された平面層及び/又は湾曲層)を含むことができる。
【0024】
必要に応じて、導波路50はまた、1つ以上の回折格子が記録されたホログラフィック記録媒体(本明細書ではホログラフィック媒体、格子媒体、又は回折格子媒体と呼ばれることもある)(例えば、本明細書ではホログラムと呼ばれることもあるホログラフィック位相格子)の1つ以上の層を含むこともできる。ホログラフィック記録は、ホログラフィック媒体などの感光性光学材料内に光干渉パターン(例えば、屈折率が異なる領域が交互に現れる領域)として記憶され得る。光干渉パターンは、所与の光源で照明されると、光を回折させて虚像の3次元復元物を生成する、ホログラフィック位相格子を生成することができる。ホログラフィック位相格子は、永続的な干渉パターンでエンコードされた切り換え不可能な回折格子であってもよいし、ホログラフィック記録媒体に印加される電界を制御することによって回折光を変調することができる切り換え可能な回折格子であってもよい。所望であれば、複数のホログラフィック位相格子(ホログラム)を同じ体積のホログラフィック媒体内に記録する(例えば、その中に重ね合わせる)ことができる。ホログラフィック位相格子は、例えば、格子媒体内の体積ホログラム又は薄膜ホログラムであってもよい。格子媒体は、フォトポリマー、重クロム酸ゼラチンなどのゼラチン、ハロゲン化銀、ホログラフィックポリマー分散液晶、又は他の適切なホログラフィック媒体を含むことができる。
【0025】
導波路50上の回折格子は、体積ホログラム若しくは薄膜ホログラムなどのホログラフィック位相格子、メタ格子、又は任意の他の所望の回折格子構造を含むことができる。導波路50上の回折格子はまた、導波路50内の基板の1つ以上の表面上に形成される表面レリーフ格子、金属構造のパターンから形成される格子などを含んでもよい。回折格子は、例えば、格子媒体の同じ体積内で少なくとも部分的に重複する複数の多重格子(例えば、ホログラム)を含んでもよい(例えば、異なる色の光及び/又は1つ以上の対応する出力角度における異なる入力角度の範囲からの光を回折するため)。必要に応じて、ルーバーミラーなどの他の光方向転換要素を導波路50内の回折格子の代わりに使用することができる。
【0026】
図2に示すように、ディスプレイモジュール20Aは、アイボックス24に表示される画像コンテンツに関連する画像光38を生成することができる(例えば、画像光38は、アイボックス24での表示のために一連の画像フレームを伝達することができる)。画像光38は、所望であれば、コリメートレンズを使用してコリメートされてもよい。光学システム20Bを用いて、ディスプレイモジュール20Aからアイボックス24に出力される画像光38を提示することができる。所望であれば、ディスプレイモジュール20Aは、
図1の支持構造8内に取り付けられてもよく、その一方で光学システム20Bは、(例えば、アイボックス24と整列するレンズを形成するために)支持構造8の部品間に取り付けられてもよい。所望であれば、他の取り付け構成を使用してもよい。
【0027】
光学システム20Bは、入力カプラ52、クロスカプラ54、及び出力カプラ56などの1つ以上の光カプラ(例えば、光方向転換要素)を含むことができる。
図2の例では、入力カプラ52、クロスカプラ54、及び出力カプラ56は、導波路50において、又は導波路50上に形成される。入力カプラ52、クロスカプラ54、及び/又は出力カプラ56は、導波路50の基板層内に完全に埋め込まれていてもよく、導波路50の基板層内に部分的に埋め込まれていてもよく、導波路50に取り付けられていてもよい(例えば、導波路50の外面に取り付けられていてもよい)。
【0028】
導波路50は、全内部反射によって画像光38をその長さに沿って下方に導くことができる。入力カプラ52は、ディスプレイモジュール20Aからの画像光38を導波路50に結合するように構成され得るが、これに対し出力カプラ56は、導波路50内から、導波路50の外部にアイボックス24に向けて画像光38を結合するように構成され得る。入力カプラ52は、入力結合プリズム、導波路50のエッジ又は面、レンズ、ステアリングミラー又は液晶ステアリング要素、あるいは任意の他の所望の入力結合要素を含むことができる。例えば、ディスプレイモジュール20Aは、画像光38を+Y方向において光学システム20Bへと放射することができる。画像光38が入力カプラ52に当たると、入力カプラ52は、光が導波路50内を全内部反射を介して(例えば、導波路50の全内部反射(TIR)範囲内の方向+Xにおいて)出力カプラ56に向かって伝搬するように、画像光38を方向転換することができる。画像光38が出力カプラ56を照らすと、出力カプラ56は、画像光38を、導波路50からアイボックス24に向けて(例えばY軸に沿って戻る)方向転換することができる。レンズ60などのレンズは、画像光38をアイボックス24上に向けるか又は集束させるのを助けることができる。所望であれば、レンズ60を省略してもよい。クロスカプラ54が導波路50上に形成されるシナリオでは、クロスカプラ54は、例えば、画像光38が導波路50の長さに沿って伝搬する際に、画像光38を1つ以上の方向に方向転換することができる。画像光38を方向転換する際に、クロスカプラ54は、画像光38に対して瞳拡大を実行することもできる。
【0029】
入力カプラ52、クロスカプラ54及び/又は出力カプラ56は、反射光学系及び屈折光学系に基づくものであってもよいし、又は回折(例えば、ホログラフィック)光学系に基づくものであってもよい。カプラ52、54及び56が反射光学系及び屈折光学系から形成される構成では、カプラ52、54及び56は、1つ以上の反射器(例えば、マイクロミラー、部分ミラー、ルーバーミラー又は他の反射器のアレイ)を含むことができる。カプラ52、54、及び56が回折光学系に基づく構成では、カプラ52、54、及び56は、回折格子(例えば、体積ホログラム、表面レリーフ格子など)を含むことができる。
【0030】
図2の例は、単に例示に過ぎない。光学システム20Bは、互いに対して横方向及び/又は垂直方向に積み重ねられた複数の導波路を含むことができる。各導波路は、カプラ52、54、及び56のうちの1つ、2つ、すべてを含んでもよく、又はいずれも含まなくてもよい。導波路50は、必要に応じて、少なくとも部分的に湾曲又は屈曲されてもよい。カプラ52、54、及び56のうちの1つ以上が省略されてもよい。必要に応じて、光学システム20Bは、クロスカプラ54及び出力カプラ56の両方の動作を実行する光カプラ(本明細書では、インターリーブカプラ、ダイヤモンドカプラ、又はダイヤモンド拡張器と呼ばれることもある)を含むことができる。例えば、表面レリーフ格子構造は、画像光が導波路50を伝搬するにつれて(例えば、画像光を拡大しながら)画像光38を方向転換してもよく、表面レリーフ格子構造はまた、画像光38を導波路50からアイボックス24に向けて結合してもよい。
【0031】
図3Aは、導波路50上に表面レリーフ格子構造がどのように形成され得るかの一例を示す上面図である。
図3Aに示すように、導波路50は、第1の横方向(例えば、外部)表面70と、側面70の反対側の第2の側面72とを有することができる。導波路50は、任意の所望の数の1つ以上の積層された導波路基板を含んでもよい。所望であれば、導波路50はまた、第1の導波路基板と第2の導波路基板との間に挟まれた(挿入された)格子媒体の層を含んでもよい(例えば、第1の導波路基板は側面70を含み、第2の導波路基板は側面72を含む)。
【0032】
導波路50は、表面レリーフ格子構造74などの表面レリーフ格子構造を備えることができる。表面レリーフ格子(SRG)構造74は、SRG基板(媒体)76の層などの基板内に形成されてもよい。
図3Aの例では、SRG基板76は、導波路50の側面70上に積層される。これは単なる例示であり、所望であれば、SRG基板76は、側面72(例えば、アイボックスに面する導波路50の表面)上に積層されてもよい。
【0033】
必要に応じて、SRG構造74は、1つの表面レリーフ格子又は少なくとも2つの部分的に重なり合う表面レリーフ格子を含んでもよい。SRG構造74内の各表面レリーフ格子は、SRG基板76の厚さ内の対応するリッジ(ピーク)78及びトラフ(最小)80によって画定されてもよい。
図3Aの例では、SRG構造74は、明確にするために、SRG構造74内の表面レリーフ格子が、ピーク78に関連する第1の厚さ又はトラフ80に関連する第2の厚さのいずれかによって画定されるバイナリ構造として示されている。これは、単なる例示に過ぎない。所望であれば、SRG構造74は、非バイナリであってもよい(例えば、任意の所望のプロファイルに従う任意の所望の数の厚さを含んでもよく、Y軸に対して非平行なフリンジ角度で傾斜したピーク78を含んでもよい、など)。必要に応じて、SRG基板76は、接着剤層(図示せず)を用いて導波路50の側面70に接着されてもよい。SRG構造74は、導波路50から別個に製作されてもよく、例えば製造後に導波路50に接着されてもよい。
【0034】
図3Aの例は、単に例示に過ぎない。別の実装形態では、SRG構造74は、
図3Bの例に示すように、導波路50の内部のあるロケーションに配置されてもよい。
図3Bに示すように、導波路50は、第1の導波路基板73と、第2の導波路基板75と、導波路基板73と導波路基板86との間に挿入された媒体層82とを含むことができる。媒体層82は、回折格子又はホログラフィック記録媒体、接着剤層、ポリマー層、導波路基板の層、又は導波路50内の任意の他の所望の層であってもよい。SRG基板76は、導波路基板86に面する導波路基板73の表面上に積層されてもよい。あるいは、SRG基板76は、導波路基板73に面する導波路基板86の表面上に積層されてもよい。
【0035】
必要に応じて、SRG構造74は、
図3Cの例に示されるように、SRG基板の複数の層にわたって分散されてもよい。
図3Cに示すように、光学システムは、少なくとも第1の導波路50及び第2の導波路50’などの複数の積層導波路を含むことができる。第1のSRG基板76は、導波路50の側面の1つの上に積層されてもよく、第2のSRG基板76’は、導波路50’の側面の1つの上に積層される。第1のSRG基板76は、SRG構造74内に1つ以上の表面レリーフ格子を含むことができる。第2のSRG基板76’は、SRG構造74内に1つ以上の表面レリーフ格子を含むことができる。この例は単なる例示に過ぎない。必要に応じて、光学システムは、3つ以上の積層された導波路及び/又は1つ以上のそれぞれのSRGを有するSRG基板を含んでもよい。光学システムが3つ以上の導波路を含む例では、SRG基板が設けられた各導波路は、SRG構造74内に1つ以上の表面レリーフ格子を含むことができる。本明細書では別個の導波路として説明したが、
図3Cの導波路50及び50’はまた、必要に応じて、同じ導波路のそれぞれの導波路基板から形成することができる。
図3A、
図3B、及び/又は
図3Cの構成は、必要に応じて組み合わせることができる。
【0036】
SRG構造74は、
図2の入力カプラ52、クロスカプラ54、及び/又は出力カプラ56を形成するため、及び/又は導波路50上にインターリーブカプラを形成するために使用されてもよい。所望であれば、SRG構造74などのSRG構造を使用して、導波路50上に入力カプラ52及び出力カプラ56の両方を形成することができる。
図4は、導波路50上に入力カプラ52及び出力カプラ56の両方を形成するためにSRG構造がどのように使用され得るかを示す図である。
【0037】
図4に示すように、導波路50上の入力カプラ52は、第1の表面レリーフ格子構造74Iを含むことができ、導波路50上の出力カプラ56は、第2の表面レリーフ格子構造74Oを含むことができる。表面レリーフ格子構造74Iは、1つ以上の重なり合う表面レリーフ格子を含んでもよいが、本明細書では、簡略化のために、入力結合表面レリーフ格子74I又は表面レリーフ格子入力カプラ74Iと呼ばれることもある。同様に、表面レリーフ格子構造74Oは、1つ以上の重なり合う表面レリーフ格子を含んでもよいが、本明細書では、簡略化のために、出力結合表面レリーフ格子74I又は表面レリーフ格子出力カプラ74Oと呼ばれることもある。入力結合表面レリーフ格子74Iは、出力結合表面レリーフ格子74Oと同じSRG媒体層内に形成されてもよく、又は入力結合表面レリーフ格子74I及び出力結合表面レリーフ格子74Oは、導波路50上のSRG媒体の別々の層内に形成されてもよい。
【0038】
入力結合表面レリーフ格子74Iは、ディスプレイモジュール20Aからの画像光38を導波路50内に結合することができる。出力結合表面レリーフ格子74Oは、導波路50の法線軸(表面)81に対して角度-θで導波路50からの画像光38を結合することができる。法線軸81は、導波路50の側面72に直交(垂直)している。角度θの大きさは、アイボックス24の配置に対応するためにゼロより大きくてもよい(例えば、アイボックス24は、ユーザがシステム10を頭部に装着している間にユーザの目のロケーションに配置されてもよく、このロケーションは、導波路50の射出瞳における法線軸81に対してずれていてもよい)。例として、角度θは、0~10度、0~15度、1~15度、0~20度、2~3度、1~5度、又は他の角度であってもよい。
【0039】
出力結合表面レリーフ格子74Oは、角度-θにおいて最大効率で画像光38を出力し、入力結合表面レリーフ格子74Iはまた、出力結合表面レリーフ格子74Oが(法線軸81に対して)画像光38を出力結合する角度-θに等しくかつ反対である入射角+θで、画像光38を受光する必要がある。言い換えれば、入力結合表面レリーフ格子74Iは、法線軸の第1の側に配向された入射角で画像光38を受け取り、出力結合表面レリーフ格子74Oは、同じ角度であるが法線軸の反対(第2の)側に配向された画像光38を出力する。画像光38を回折させる際に、入力結合表面レリーフ格子74Iは、その入力ベクトルに平行に入射する画像光38を、導波路50の全内部反射(TIR)範囲内にある対応する出力ベクトルに方向転換する(マッピングする)(例えば、入力結合表面レリーフ格子74Iは、入力ベクトルから出力ベクトルに延びる格子ベクトルによって特徴付けられる)。導波路50のTIR範囲内の角度で導波路50内から導波路50の表面に入射する光は、TIRを介して導波路50の長さを伝搬する。
【0040】
画像光38を法線軸81に対して、入射角θで入力結合表面レリーフ格子74Iに提供するために、ディスプレイモジュール20Aは、システム10内のロケーション84に取り付けられてもよい。しかしながら、ロケーション84は、システム10のハウジングがロケーション84において(例えば、ハウジングがヘッドマウントデバイスハウジングを含む例では、ハウジングのテンプル部分内に)ディスプレイモジュール20Aを嵌合することができないように、又はユーザがシステム10を装着している間に、ディスプレイモジュール20Aがユーザの頭部上に不快に突出するように、アイボックス24に近すぎる場合がある。必要に応じて、ディスプレイモジュール20Aは、アイボックス24からロケーション84よりも遠い距離83に位置するロケーション82に取り付けられてもよい。これは、ディスプレイモジュール20Aがロケーション84にあるときよりも、ディスプレイモジュール20Aがシステム10のハウジング内に(例えば、ユーザの頭部内に不快に突出することなく、ハウジングのテンプル部分内に)より容易かつ人間工学的に嵌合することを可能にし得る。同時に、ディスプレイモジュール20Aがロケーション82に取り付けられるとき、ディスプレイモジュール20Aが、画像光38を入射角θで、入力結合表面レリーフ格子74Iに提供することは困難であり得る。
【0041】
これらの問題を軽減するために、光学システム20Bは、ロケーション82に取り付けられている間に、ディスプレイ20Aによって放射された画像光38を、入射角θで入力結合表面レリーフ格子74I上に方向転換するプリズム又は他の光方向転換構造を含んでもよい。
図5は、プリズムが、ロケーション82に取り付けられている間にディスプレイ20Aによって放出された画像光38を、入射角θで入力結合表面レリーフ格子74I上にどのように方向転換し得るかを示す図である。
【0042】
図5に示すように、入力結合表面レリーフ格子74Iは、入力ベクトルV
i及び出力ベクトルV
Oによって特徴付けられてもよい。入力ベクトルV
iは、導波路の法線面に対して角度θで配向され得る。出力ベクトルV
Oは、導波路50のTIR範囲内に配向されてもよい。入力結合表面レリーフ格子74Iはまた、(例えば、ベクトルV
i及びV
Iが共通点から始まる)入力ベクトルV
iの先端から出力ベクトルV
Oの尾部まで延在する格子ベクトルによって特徴付けられてもよい。入力結合表面レリーフ格子74Iは、入力ベクトルV
iに平行に入射する画像光38を、出力ベクトルV
Oに平行な方向に回折(方向転換)させてもよく、それによって、回折された画像光が、全内部反射を介して導波路50を伝搬することを可能にする。
【0043】
ディスプレイモジュール20Aは、システム10内のロケーション82に配置することができる。ディスプレイモジュール20Aは、ディスプレイモジュール20Aの光軸が、導波路50の法線軸81に対して角度αで配向されるように傾けられ得る。言い換えれば、ディスプレイモジュール20Aは、プロジェクタベクトルVPに平行な方向に画像光38を放射することができる。ディスプレイモジュール20Aの光軸(プロジェクタベクトルVP)は、角度空間において、約10~20度、15度、5~25度、15度未満、20度未満、14~16度、12~18度、25度未満、30度未満、5度超、又は他の角度の角度(例えば、角度θ+α)によって、入力ベクトルViからある角度だけ分離されてもよい。
【0044】
プリズム86などの光方向転換要素を、ディスプレイモジュール20Aと入力結合表面レリーフ格子74Iとの間に光学的に介在させることができる。プリズム86は、色消しプリズムであってもよく、したがって、本明細書では色消しプリズム86と呼ばれることもある。ディスプレイモジュール20Aは、画像光38をプリズム86に伝送してもよい。プリズム86は、画像光38を入力結合表面レリーフ格子74Iに向けて透過させることができる。プリズム86の外寸形状及び材料(複数可)は、プロジェクタベクトルV
Pに平行に入射する画像光38を、入力結合表面レリーフ格子構造74Iの入力ベクトルV
iに平行な出力角度に方向転換させる(例えば、屈折させる)ように選択されてもよい。このようにして、プリズム86は、画像光38が、出力結合表面レリーフ格子74Oが画像光38を角度-θでアイボックス24に向けて出力することを可能にする角度θで、入力結合表面レリーフ格子74Iに入射するように、画像光38を方向転換する働きをすることができる(
図4)。
【0045】
プリズム86は、1つ以上の光学ウェッジを含んでもよい。例えば、プリズム86は、第1の光学ウェッジ90と、第1の光学ウェッジ90の上に積み重ねられた又は層にされた第2の光学ウェッジ88とを含むことができる。必要に応じて、第1の光学ウェッジ90は、光学的に透明な接着剤を用いて第2の光学ウェッジ88に接着されてもよい。いくつかの例では、光学ウェッジ90は、ディスプレイモジュール20Aから受け取った画像光38に分散を与える第1の材料から形成されてもよく、光学ウェッジは、画像光を波長の関数として異なる角度で屈折/分散させる。これらの例では、光学ウェッジ88は、光学ウェッジ90によって画像光38に導入された分散を反転させる働きをする第2の材料から形成することができる。例として、光学ウェッジ90は、フッ化カルシウム(CaF2)から形成されてもよく、一方、光学ウェッジ88は、ランタン重ガラス/フリント(例えば、LaSf35)などの光学ガラスから形成されてもよく、逆もまた同様であり、光学ウェッジ90は、リン酸クラウンガラス(例えば、PK51)から形成されてもよく、一方、光学ウェッジ88は、ランタン重ガラス/フリント(例えば、Sf1)から形成されてもよく、逆もまた同様であり、光学ウェッジ90は、ランタン重ガラス/フリント(例えば、LaSF31A)から形成されてもよく、一方、光学ウェッジ88は、光学ガラス(例えば、TiF6)から形成されてもよく、逆もまた同様である。
【0046】
このようにして、ディスプレイモジュール20Aは、ディスプレイモジュール20Aの光軸が入力ベクトルV
iに平行に配向された状態で、ロケーション84ではなく、ロケーション84よりもアイボックスから距離83だけ離れて位置するロケーション82に配置され得る一方で、画像光38が角度θで入力結合表面レリーフ格子74Iに入射することを依然として可能にする。これにより、ディスプレイモジュール20Aが、ユーザ内に不快に突出することなく、かつアイボックス24において画像を表示する際にシステム10の光学性能を犠牲にすることなく、システム10のためのハウジング内に嵌合することを可能にし得る。
図5の例は、単に例示に過ぎない。所望であれば、プリズム86は、3つ以上の光学ウェッジ、又は単一の光学ウェッジのみを含んでもよい。追加的又は代替的に、非プリズム光方向転換構造体(例えば、回折格子、ミラーなど)が、画像光38を方向転換するために使用され得る。光学ウェッジ90及び88は、他の所望の形状を有してもよい。
【0047】
追加的又は代替的に、ディスプレイモジュール20Aがロケーション82に配置されているにも関わらず、ディスプレイモジュール20A内のコリメート光学系は、画像光38を角度θで入力結合表面レリーフ格子74Iに提供するようにオフセットされてもよい。
図6は、オフセットなしコリメート光学系を有するディスプレイモジュール20Aの図である。
【0048】
図6に示すように、ディスプレイモジュール20Aは、照明光学系108及び空間光変調器103を含むことができる。照明光学系108は、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、マイクロLED(uLED)、レーザなどの1つ以上の光源を含んでもよい。照明光学系108内の光源は、1つ以上の波長帯域(例えば、赤色、緑色、及び青色帯域)の照明光110を放射してもよい。
【0049】
空間光変調器103は、プリズム104と、ディスプレイパネル106などの反射型ディスプレイパネルとを含んでもよい。ディスプレイパネル106は、DMDパネル、LCOSパネル、強誘電性液晶オンシリコン(fLCOS)パネル、又は他の反射型ディスプレイパネルであってもよい。プリズム104は、照明光110をディスプレイパネル106(例えば、ディスプレイパネル106上の異なる画素)上に向けてもよい。制御回路16(
図1)は、各画素ロケーションにおいて照明光110を選択的に反射して画像光38(例えば、ディスプレイパネル106によって照明光を使用して/照明光上に、変調された画像を有する画像光)を生成するように、ディスプレイパネル106を制御することができる。プリズム104は、画像光38をコリメート光学系100に向けてもよい。コリメート光学系100は、画像光38を導波路50の入力カプラに向けてもよい(例えば、コリメート光学系100は、導波路50の入力/入射瞳上に画像光38を集束させてもよい)。
【0050】
ディスプレイパネル106が反射型ディスプレイパネルである
図6の例は、単なる例示である。必要に応じて、ディスプレイパネル106は、画像データを用いて照明光を透過させて変調し、画像光38を生成する透過型ディスプレイパネル(例えば、透過型液晶ディスプレイパネル)であってもよい。
【0051】
コリメート光学系100は、本明細書では、コリメートレンズ100、接眼レンズ光学系100、又は接眼レンズ100と呼ばれることがある。コリメート光学系100は、1つ以上のレンズ素子102を含んでもよい。各レンズ素子102は、1つ以上の凹面、凸面、球面、非球面、自由曲面(例えば、非球面、非楕円などである任意の所望の3次元自由曲面経路に従う曲率を有する表面)などを有してもよい。1つ以上のレンズ素子102は、所望であれば、画像光38に光パワーを付与してもよい。
【0052】
レンズ素子102は、ディスプレイパネル106の視野の中心と位置合わせされた光軸を有することができる。例えば、
図6に示すように、ディスプレイパネル106は視野112を有してもよい。画像光38は、ディスプレイパネル106の視野112の中心を中心とするそれ自体の視野114を有し得る。したがって、画像光は、ディスプレイパネル及び入力カプラの視野の中心の上、下、左、及び右に等しい数の角度で導波路50上の入力カプラに入射する。
【0053】
所望であれば、コリメート光学系100内のレンズ素子は、角度θで入力結合表面レリーフ格子74I(
図5)に入射する画像光38を出力するようにオフセットされてもよい。(例えば、
図5のプリズム86を必要としない)。
図7は、入力結合表面レリーフ格子74Iに角度θで入射する画像光38を生成するために、コリメート光学系100内のレンズ素子がどのようにオフセットされ得るかの一例を示す図である。
【0054】
図7に示すように、コリメート光学系100は、1つ以上のオフセットレンズ素子121を含んでもよい。各レンズ素子121は、画像光38を透過する第1の表面120及び反対側の第2の表面122を有し得る。各レンズ素子121は、光軸125を有してもよい(例えば、各レンズ素子の光軸は位置合わせされてもよい)。光軸125は、画像光38の中心からオフセットXだけオフセットされてもよい。レンズ素子121は、例えば、
図6のレンズ素子102に対して拡大されてもよい。しかしながら、画像光38は、光軸125からオフセットされた(例えば、平均オフセットXを有する)レンズ素子121の部分のみを通過する。言い換えれば、光軸125の反対側には、画像光が通過しないレンズ素子の部分が存在する(例えば、レンズ素子が視野及びプリズム104によって出力される画像光38に対してオフセットされているため)。
【0055】
画像光38はレンズ素子の全領域を通過しないので、レンズ素子121は、レンズ素子121の部分118を除去するようにトリミング又は切断されてもよい(例えば、画像光38は、そうでなければ部分118を通過しない)。これは、レンズ性能に影響を及ぼすことなく、レンズ素子121が視野よりも大きいにもかかわらず、レンズ素子121によって占有されるディスプレイモジュール20A内の面積の量及びディスプレイモジュール20Aの重量を最小限に抑える働きをし得る。このようにして、各レンズ素子121は、表面122と120との間に延在する(切断された)垂直(平面)側壁124を有し得る。レンズ素子121は、部分118が含まれるとき、光軸125の周りで回転対称性を示し得る。しかしながら、部分118を除去することは、レンズ素子121のこの回転対称性を壊す(例えば、レンズ素子121は、部分118が除去されなければ、光軸125の周りで回転対称性を示す)。
【0056】
このようにレンズ素子121をオフセットすることにより、画像光38の視野を
図6の視野114から
図7の視野116にシフトさせることができる。言い換えれば、このようにレンズ素子121をオフセットすることにより、画像光38の視野を、ディスプレイパネル106の視野112の中心から、したがって導波路50上の入力カプラの視野から、角度オフセットA(例えば、
図7のオフセットXに対応する角度オフセットA)だけシフトさせることができる。これにより、コリメート光学系100は、視野112の中心の一方の側に他方よりも多くの画像光38を供給することができる。必要に応じて、視野116の全体を視野112の中心の一方の側に配置してもよい。角度オフセットAは、例えば、5~45度、5~30度、10~20度、5~20度、12~17度、15度、8~22度、3~28度などであってもよい。
【0057】
このようにレンズ素子121をオフセットさせ、画像光38の視野をシフトさせることにより、画像光38は、光軸125の一方の側に位置するレンズ素子121の部分によってのみ透過され得る。これにより、コリメート光学系100は、角度θで、又は、画像光38が角度θで入力結合表面レリーフ格子74Iに入射するような任意の他の所望の角度で、画像光38を透過させることができ、これにより、必要に応じて
図5のプリズム86を省略することができる。このように構成される場合、ディスプレイモジュール20Aは、
図5のロケーション82に配置され得る一方で、依然として画像光38を、出力結合表面レリーフ格子74Oが角度-θでアイボックス24に向けて画像光38を出力することを可能にするために必要である角度θで、入力結合表面レリーフ格子74Iに提供する。同時に、画像光38を生成するために、照明光110を使用してディスプレイパネル106の領域全体を照明する必要はない(例えば、視野の一部のみが画像光によって占有されるため)。例えば、照明光110は、レンズ素子121がオフセットされていない場合(
図6)に必要とされるディスプレイパネル106の長さ109よりも小さいディスプレイパネル106の領域126のみに提供されてもよい。これにより、ディスプレイパネル106のサイズを
図6の実施形態に比べて小さくすることができる。
【0058】
図7の実施例は、単なる例示に過ぎない。空間光変調器103は、透過型空間光変調器又は変調器103であってもよく、照明光学系103は、発光型ディスプレイパネルによって置き換えられてもよい。コリメート光学系100は、任意の所望の外寸形状を有する任意の所望の数のレンズ素子121を有してもよい。レンズ素子121は切断される必要はない(例えば、部分118がレンズ素子121上に残っていてもよい)。追加又は代替として、オフセットレンズ素子121は、導波路50内で生成されるゴーストアーチファクトを軽減するようにディスプレイモジュール20Aを構成し得る。
【0059】
図8は、オフセットレンズ素子121がゴーストアーチファクトを軽減するためにディスプレイモジュール20Aをどのように構成し得るかを示す図である。
図8に示すように、ディスプレイパネル106は、コリメート光学系100を介して導波路50上の入力カプラ52に画像光38を提供することができる。入力カプラ52の基本回折モードは、画像光38を導波路50内に結合して全内部反射を介して伝搬させることができるが、入力カプラ52の1つ以上の高次回折モードは、矢印130によって示されるように、入射画像光38の一部をディスプレイパネル106に向かって反射して戻すことができる。
【0060】
コリメート光学系121がオフセットされていない実装形態(例えば、
図6の実装形態)では、入力カプラ52によってディスプレイパネル106に向かって反射された画像光は、ディスプレイパネル106の領域128内の「オフ」状態にある1つ以上の画素に当たり得る。これらの画素は、入射画像光を非オフセットコリメートレンズに向けて反射して戻すことができ、非オフセットコリメートレンズは、画像光を入力カプラ52に向けて方向転換して戻すことができる。これは、導波路50内をアイボックスに向かって伝搬する望ましくない迷光につながる可能性があり、見栄えが悪いゴーストアーチファクトを生成するか、又はアイボックスに表示される画像の全体的なコントラストを制限する可能性がある。
【0061】
しかしながら、コリメート光学系100においてレンズ素子121をオフセットすることによって(例えば、
図7に示すように)、ディスプレイパネル106の部分128(例えば、領域126の外側のディスプレイパネル106の部分)を除去することができ、レンズ素子121の部分118を除去することができる。これは、任意の反射された画像光38(例えば、矢印130によって示されるような)が、ディスプレイパネル106内の画素に衝突し、そうでなければ矢印132と関連付けられる迷光を生成することを防止し得る。このようにして、オフセットレンズ素子121は、ゴーストアーチファクトの生成を軽減することができ、アイボックスにおけるコントラストを最大化することができる。
【0062】
図8の例では、ディスプレイモジュール20Aはロケーション82に配置されている。これは単なる例示であり、所望であれば、ディスプレイモジュール20Aは、ロケーション84に配置されてもよく、ディスプレイモジュール20Aの光軸が角度θで配向されるように傾けられてもよい。ディスプレイモジュール20Aがロケーション84に配置されるとき、矢印130に関連する反射光はディスプレイモジュール20Aに入射しないので、レンズ素子121はオフセットされる必要はない。入力カプラ52は、入力結合表面レリーフ格子74I又は他の入力カプラ(例えば、体積ホログラム入力カプラ、入力結合プリズム、ルーバーミラーなど)を含んでもよい。
【0063】
図5の例では、プリズム86は2つの光学ウェッジ88及び90を含む。他の実施態様では、プリズム86は単一の光学ウェッジを含むことができる。光学ウェッジは、
図5に示すものと同様に、画像光38を導波路に方向転換する反射面及び透過面を有することができる。
図9は、プリズム86が単一の光学ウェッジをどのように含み得るかを示す図である。
【0064】
図9に示すように、プリズム86は、単一の光学ウェッジを含むことができる。光学ウェッジは、第1の表面142、第2の表面140、第3の表面146、及び第4の表面144などの少なくとも4つの表面(面)を有することができる。プリズム86は、コリメート光学系100(
図6)から表面142を通して画像光38を受け取ることができる。画像光38は、次いで、表面140から表面144に向かって反射し得る(例えば、全内部反射を介して)。画像光38は、次いで、表面144から表面146に向かって反射し得る(例えば、全内部反射を介して)。プリズム86は、表面146を通して画像光38を導波路に向かって透過してもよい。換言すれば、面142及び146は透過面であってもよく、面140及び144は反射面である。所望であれば、表面140及び/又は表面144の上に反射層を積層してもよい。
【0065】
表面142、140、146、及び144は各々、平面であってもよく、又は所望であれば、表面142、140、146、及び144のうちの1つ以上は、湾曲していてもよい(例えば、自由曲面、双円錐曲面、球状曲面など)。表面を湾曲させることは、例えば、表面による反射又は透過の際に画像光38に屈折力を与えることができる。一例として、表面142及び146は湾曲していてもよい(例えば、同じ屈折力を付与するために同じ曲率を有する)。プリズム86は、所望であれば、表面のうちの1つ以上が湾曲している実施例において、射出成形プラスチックから形成されてもよい。
図9のプリズム86は、複数の光学ウェッジを有するプリズム86(
図5)と同じ光方向転換効果を有し得る。プリズム86は単一の材料から形成されるので、プリズム86は、注意が払われない場合、画像光に分散を導入し得る。所望であれば、入力カプラを形成するために使用されるSRGは、プリズム86からの色収差を補正するように調整されたピッチを有してもよい。所望であれば、分散を(例えば、各色について)補正するために、追加の要素が光路に沿って挿入されてもよい。
図9の例は単なる例示であり、一般に、プリズム86は他の形状を有してもよい。
図9のプリズム86は、本明細書では複合折り畳みプリズムと呼ばれることもある。
【0066】
一実施形態によれば、全内部反射を介して光を伝搬するように構成された導波路と、光を導波路内に結合するように構成され、入力ベクトルを有する第1の表面レリーフ格子と、入力ベクトルに対して非平行な角度で光を出力するように構成されたプロジェクタと、プロジェクタと導波路との間に光学的に結合され、プロジェクタからの光を第1の表面レリーフ格子に入力ベクトルに平行な方向に方向転換するように構成されたプリズムと、光を導波路外に結合するように構成された第2の表面レリーフ格子とを含むディスプレイが提供される。
【0067】
別の実施形態によれば、プリズムは色消しプリズムを含む。
【0068】
別の実施形態によれば、プリズムは、第1の光学ウェッジと、第1の光学ウェッジ上の第2の光学ウェッジとを含み、第1の光学ウェッジ及び第2の光学ウェッジが、光を透過させるように構成されており、第1の光学ウェッジが、第1の材料を含み、第2の光学ウェッジが、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。
【0069】
別の実施形態によれば、角度及び入力ベクトルは、5~25度だけ分離される。
【0070】
別の実施形態によれば、導波路は側面を含み、角度及び入力ベクトルは各々、側面の法線軸に対して非平行であり、光は、法線軸の第1の側に対して追加の角度で第1の表面レリーフ格子に入射し、第2の表面レリーフ格子は、法線軸の第2の側に対して追加の角度で光を出力するように構成される。
【0071】
別の実施形態によれば、プリズムが、光をプリズム内に透過させる第1の表面と、第2の表面と、第3の表面と、光をプリズムから透過させる第4の表面とを有する光学ウェッジを含み、第2の表面が、光を第3の表面に向かって反射し、第3の表面が、光を第4の表面に向かって反射する。
【0072】
別の実施形態によれば、第1、第2、第3、及び第4の表面のうちの1つ以上は湾曲している。
【0073】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、導波路を含み、導波路は、第1の媒体層を含み、第1の表面レリーフ格子は、第1の媒体層内にあり、第2の媒体層は、第1の媒体層とは異なり、第2の表面レリーフ格子は、第2の媒体層内にある。
【0074】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、媒体層を含む導波路を含み、第1及び第2の表面レリーフ格子は、媒体層内にある。
【0075】
一実施形態によれば、ディスプレイが提供され、ディスプレイは、全内部反射を介して光を伝搬するように構成された導波路と、光を導波路に結合するように構成された第1の表面レリーフ格子であって、第1の表面レリーフ格子が入力ベクトルによって特徴付けられている、第1の表面レリーフ格子と、画像データに基づいて光であって、光が視野を有する、光を生成するように構成されたディスプレイパネルと、ディスプレイパネルと導波路との間に結合された光学系であって、光学系が、光を第1の表面レリーフ格子に向けて透過させるように構成されており、光の視野の中心に対してゼロ以外の角度でオフセットされている光軸を有するレンズを含む、光学系と、を含み、光軸が、入力ベクトルに対してゼロ以外の角度で配向されており、光学系が、入力ベクトルに平行な方向に光を出力するように構成されている。
【0076】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、光を透過させるように構成され、レンズの光軸と位置合わせされた光軸を有する追加のレンズを含む光学系を含む。
【0077】
別の実施形態によれば、レンズが、光を透過する第1の表面と、光を透過する第1の表面の反対側の第2の表面と、第1の表面を第2の表面に結合する平面とを有し、平面が、光の視野の中心の反対側の光軸の側に配置されている。
【0078】
別の実施形態によれば、導波路が側面を含み、光軸が側面の法線軸に平行に配向されている。
【0079】
別の実施形態によれば、導波路が側面を有し、光が、側面の法線軸の第1の側に対してある角度で第1の表面レリーフ格子に入射し、第2の表面レリーフ格子が、法線軸の第2の側に対して角度で光を出力するように構成されている。
【0080】
別の実施形態によれば、ディスプレイパネルが、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)ディスプレイパネル、液晶オンシリコン(LCOS)ディスプレイパネル、強誘電性液晶オンシリコン(fLCOS)ディスプレイパネル、及び透過型液晶ディスプレイパネルからなる群から選択されるディスプレイパネルを含む。
【0081】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、導波路を含み、導波路は、第1の媒体層を含み、第1の表面レリーフ格子は、第1の媒体層内にあり、第2の媒体層は、第1の媒体層とは異なり、第2の表面レリーフ格子は、第2の媒体層内にある。
【0082】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、媒体層を含む導波路を含み、第1及び第2の表面レリーフ格子は、媒体層内にある。
【0083】
別の実施形態によれば、ゼロ以外の角度は、5度~30度である。
【0084】
一実施形態によれば、ディスプレイが提供され、ディスプレイは、全内部反射を介して光を伝搬するように構成された導波路と、光を導波路内に結合するように構成されている回折格子を有する入力カプラと、照明を放射するように構成されている照明光学系と、照明を変調することによって光を生成するように構成されている反射型ディスプレイパネルと、光を入力カプラに透過させるように構成されており、光の視野の中心に対してゼロ以外の角度でオフセットされた光軸を有するレンズであって、レンズが、回折格子の入力ベクトルに平行な方向に光を出力するように構成されている、レンズと、
を含む。
【0085】
別の実施形態によれば、導波路が側面を有し、光軸が側面の法線軸に平行に配向されている。
【0086】
別の実施形態によれば、導波路は側面を有し、光軸は、側面の法線軸に対して非平行角度で配向される。
【0087】
上記は、単に例示に過ぎず、様々な修正を記載の実施形態に行ってもよい。上記の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイであって、
全内部反射を介して光を伝搬するように構成された導波路と、
前記光を前記導波路に結合するように構成された第1の表面レリーフ格子であって、前記第1の表面レリーフ格子が入力ベクトルを有する、第1の表面レリーフ格子と、
前記入力ベクトルに対して非平行な角度で前記光を出力するように構成されたプロジェクタと、
前記プロジェクタと前記導波路との間に光学的に結合されたプリズムであって、前記プリズムが、前記プロジェクタからの前記光を前記入力ベクトルに平行な方向に前記第1の表面レリーフ格子に方向転換するように構成されている、プリズムと、
前記導波路からの前記光を結合するように構成されている第2の表面レリーフ格子と、
を備える、ディスプレイ。
【請求項2】
前記プリズムが色消しプリズムを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記プリズムが、第1の光学ウェッジと、前記第1の光学ウェッジ上の第2の光学ウェッジとを含み、前記第1の光学ウェッジ及び前記第2の光学ウェッジが、前記光を透過させるように構成されており、前記第1の光学ウェッジが、第1の材料を含み、前記第2の光学ウェッジが、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記角度及び前記入力ベクトルは、5~25度だけ分離される、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記導波路は側面を備え、前記角度及び前記入力ベクトルは各々、前記側面の法線軸に対して非平行であり、前記光は、前記法線軸の第1の側に対して追加の角度で前記第1の表面レリーフ格子に入射し、前記第2の表面レリーフ格子は、前記法線軸の第2の側に対して前記追加の角度で前記光を出力するように構成される、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記プリズムが、前記光を前記プリズム内に透過させる第1の表面と、第2の表面と、第3の表面と、前記光を前記プリズムから透過させる第4の表面とを有する光学ウェッジを含み、前記第2の表面が、前記光を前記第3の表面に向かって反射し、前記第3の表面が、前記光を前記第4の表面に向かって反射し、前記第1の表面、前記第2の表面、前記第3の表面、及び前記第4の表面のうちの1つ以上が湾曲している、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記導波路が、
前記第1の表面レリーフ格子が前記第1の媒体層内にある第1の媒体層と、
前記第1の媒体層とは異なる第2の媒体層であって、前記第2の表面レリーフ格子が前記第2の媒体層内にある、第2の媒体層と、を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記導波路が、媒体層であって、前記第1の表面レリーフ格子及び前記第2の表面レリーフ格子が前記媒体層内にある、媒体層を含む、
請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
ディスプレイであって、
全内部反射を介して光を伝搬するように構成された導波路と、
前記光を前記導波路に結合するように構成された第1の表面レリーフ格子であって、前記第1の表面レリーフ格子が入力ベクトルによって特徴付けられている、第1の表面レリーフ格子と、
画像データに基づいて前記光であって、前記光が視野を有する、前記光を生成するように構成されたディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネルと前記導波路との間に結合された光学系であって、前記光学系が、
前記光を前記第1の表面レリーフ格子に向けて透過させるように構成されており、前記光の前記視野の中心に対してゼロ以外の角度でオフセットされている光軸を有するレンズを含む、光学系と、を備え、前記光軸が、前記入力ベクトルに対してゼロ以外の角度で配向されており、前記光学系が、前記入力ベクトルに平行な方向に前記光を出力するように構成されている、ディスプレイ。
【請求項10】
前記光学系が、
前記光を透過させるように構成されており、前記レンズの前記光軸と位置合わせされた光軸を有する追加のレンズを更に含む、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記レンズが、前記光を透過する第1の表面と、前記光を透過する前記第1の表面の反対側の第2の表面と、前記第1の表面を前記第2の表面に結合する平面とを有し、前記平面が、前記光の前記視野の前記中心の反対側の前記光軸の側に配置されている、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記導波路が側面を備えており、前記光軸が前記側面の法線軸に平行に配向されている、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記導波路が側面を有し、前記光が、前記側面の法線軸の第1の側に対してある角度で前記第1の表面レリーフ格子に入射し、前記第2の表面レリーフ格子が、前記法線軸の第2の側に対して前記角度で前記光を出力するように構成されている、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記ディスプレイパネルが、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)ディスプレイパネル、液晶オンシリコン(LCOS)ディスプレイパネル、強誘電性液晶オンシリコン(fLCOS)ディスプレイパネル、及び透過型液晶ディスプレイパネルからなる群から選択されるディスプレイパネルを備える、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記導波路が、
前記第1の表面レリーフ格子が前記第1の媒体層内にある第1の媒体層と、
前記第1の媒体層とは異なる第2の媒体層であって、前記第2の表面レリーフ格子が前記第2の媒体層内にある、第2の媒体層と、を含む、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記導波路が、
媒体層であって、前記第1の表面レリーフ格子及び前記第2の表面レリーフ格子が前記媒体層内にある、媒体層を含む、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記ゼロ以外の角度が5~30度である、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項18】
ディスプレイであって、
全内部反射を介して光を伝搬するように構成された導波路と、
前記光を前記導波路内に結合するように構成されている回折格子を有する入力カプラと、
照明を放射するように構成されている照明光学系と、
前記照明を変調することによって前記光を生成するように構成されている反射型ディスプレイパネルと、
前記光を前記入力カプラに透過させるように構成されており、前記光の視野の中心に対してゼロ以外の角度でオフセットされた光軸を有するレンズであって、前記レンズが、前記回折格子の入力ベクトルに平行な方向に前記光を出力するように構成されている、レンズと、
を備える、ディスプレイ。
【請求項19】
前記導波路が側面を有し、前記光軸が前記側面の法線軸に平行に配向されている、請求項18に記載のディスプレイ。
【請求項20】
前記導波路が側面を有し、前記光軸が、前記側面の法線軸に対して非平行角度で配向されている、請求項18に記載のディスプレイ。
【国際調査報告】