(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】甘味料組成物及びその生成方法
(51)【国際特許分類】
C12P 19/44 20060101AFI20240822BHJP
C12N 9/10 20060101ALI20240822BHJP
A23L 33/125 20160101ALI20240822BHJP
C12P 19/04 20060101ALI20240822BHJP
C12P 15/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
C12P19/44
C12N9/10
A23L33/125
C12P19/04 C
C12P15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513880
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 GB2022052252
(87)【国際公開番号】W WO2023031625
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517156517
【氏名又は名称】オプティバイオティックス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】オハラ スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】コリダ ソフィア
【テーマコード(参考)】
4B018
4B064
【Fターム(参考)】
4B018LE02
4B018LE03
4B018MD27
4B018MD33
4B018ME14
4B064AF12
4B064AF41
4B064CA21
4B064CD09
4B064CD19
4B064DA10
(57)【要約】
本発明は、レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシド、多糖類及び未変性高甘味度甘味料グリコシドを含む組成物に関する。また、本発明は、高甘味度甘味料グリコシドを酵素により変性させる方法であって、単糖受容体の存在下で高甘味度甘味料グリコシドとレバンスクラーゼとを接触させて、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシド及び多糖類を生成するステップを含む、方法に関する。また、本発明は、低カロリーの甘味の機能性繊維、甘味のプレバイオティクスとして、又はバルク砂糖代用品としての組成物の使用に関する。また、本発明は、高甘味度甘味料グリコシドをフルクトシル化するためのレバンスクラーゼの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシド;
b. 多糖類;及び
c. 未変性高甘味度甘味料グリコシド
を含む組成物。
【請求項2】
高甘味度甘味料グリコシドが、モグロシド又はその誘導体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
モグロシドがモグロシドVである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
多糖類がレバンである、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシドが、フルクトシル化された高甘味度甘味料である、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドが、追加のフルクトース分子を2個以上含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドが、追加のフルクトース分子を最大7個まで含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
高甘味度甘味料、又は酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含まない組成物よりも甘味値が低い、請求項1~7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含まない組成物と比較した場合に苦い風味及び/又は甘草風味が低減されている、請求項1~8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含まない組成物と比較した場合に風味が改善されている、請求項1~9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
市販の酵素によって生成された、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含む組成物と比較して、苦い風味及び/又は甘草風味が低減されている、請求項1~10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
市販の酵素によって生成された、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含む組成物と比較した場合に風味が改善されている、請求項1~11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
食料品、栄養補助食品又はカロリー制限された代替食製品の中、又はそれらの上に組み込まれる、請求項1~12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
バルク砂糖代用品又は甘味料として使用するための、請求項1~13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
粒状又は粉末状である、請求項1~14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
食品のコーティングとしての、請求項1~15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
高甘味度甘味料グリコシドを酵素により変性させる方法であって、
単糖受容体の存在下で前記高甘味度甘味料グリコシドとレバンスクラーゼを接触させて、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシド及び多糖類を生成するステップ
を含む、前記方法。
【請求項18】
高甘味度甘味料グリコシドが、モグロシド又はその誘導体である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
モグロシドがモグロシドVである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
モグロシドVの濃度が0.2~15重量%である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
レバンスクラーゼが細菌由来である、請求項17~20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
レバンスクラーゼがバシラス属種(Bacillus species)由来である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
レバンスクラーゼ活性が、約0.05~約0.5U/mlの範囲である、請求項17~22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
多糖類がレバンである、請求項17~23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドがフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドである、請求項17~24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドが、追加のフルクトース分子を少なくとも1個含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
フルクトシル化された高甘味度甘味料が、追加のフルクトース分子を最大7個まで含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
酵素により変性された高甘味度甘味料の脱グリコシル化が起こらない、請求項17~27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
単糖受容体がスクロースである、請求項17~28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
スクロースが、約400~約600g/Lの範囲の初期濃度で存在する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
低カロリーの甘味のプレバイオティクス、甘味のプレバイオティクスとして、又はバルク砂糖代用品としての、請求項1~16のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項32】
組成物が、プロバイオティック補助剤及び/又は他のプレバイオティクスと併せて使用される、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
高甘味度甘味料グリコシドをフルクトシル化するためのレバンスクラーゼの使用。
【請求項34】
レバンスクラーゼがバシラス属種由来である、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
高甘味度甘味料グリコシドがモグロシドVである、請求項33又は34に記載の使用。
d. 酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシド;
【請求項36】
レバンスクラーゼ酵素によりフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【請求項37】
式[(glu)
x-L-(glu)
y](fru)
zを有する
(式中、Lは、ジテルペン又はトリテルペン部分であり;
式中、x及びyは、それぞれ独立に1~3の整数であり;かつ
式中、zは、1~8又は1~7の整数である)
請求項36に記載のフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【請求項38】
Lがククルビタン又はステビオール部分である、請求項37に記載のフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【請求項39】
Lがククルビタン部分であり、化合物が式(I)を有する
【化1】
(式中、Xは、C=O又はCH
2であり、Yは、C=O又はCHOHである)
請求項4038に記載のフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【請求項40】
フルクトシル化されたモグロシドIV、フルクトシル化されたモグロシドV、フルクトシル化された7-オキソモグロシドV又はフルクトシル化されたシアメノシドIから選択される、請求項39に記載のフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【請求項41】
フルクトシル化されたモグロシドVである、請求項40に記載のフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【請求項42】
式(IIa)又は(IIb)を有する、請求項41に記載のフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【化2】
【請求項43】
フルクトシル化された7-オキソモグロシドVである、請求項40に記載のフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【請求項44】
式(IIIa)又は(IIIb)を有する、請求項43に記載のフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【化3】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシド、多糖類及び未変性高甘味度甘味料グリコシドを含む組成物に関する。組成物は、機能性繊維として甘味料としての使用がある。本発明はまた、高甘味度甘味料グリコシドを酵素により変性させる方法であって、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシド、多糖類及び未変性高甘味度甘味料グリコシドの同時生成をもたらす、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界の甘味料市場は、現在、砂糖が大半を占め、2022年までに1120億ドルに達すると予想されている。スクロースの過剰消費に伴ういくつかの健康上の懸念に起因して、低カロリー又はノンカロリーの甘味料への動きが加速している。いくつかの甘味料、例えばモグロシドV及びステビオールグリコシドは、高甘味度甘味料(HIS)に分類され、スクロースに対してそれぞれ約150倍、250倍及び400倍の甘さの効力が報告されている。しかしながら、いくつかのHISは、苦味又は他の「異」味(甘草風味など)を伴い、それは消費者へのそれらの魅力を減らす。
【0003】
プレバイオティクスは、宿主に健康上の利益を与える、乳酸桿菌又はビフィズス菌などの腸内微生物によって選択的に利用される機能性繊維基質であり、食品部門への応用が非常に増加している。プレバイオティクスは、健康の改善に寄与する結腸細菌によって選択的に代謝される非消化性の食品成分であってよい。したがって、プレバイオティクスの使用は、常在腸内細菌叢内の有益な変化及びそれらの活性を促進し、それらはプロバイオティクスの生存性を助け得る。プレバイオティクスは、腸内細菌集団に対して全体的な効果を有し、腸で選択的に代謝されないペクチン、セルロース類、キシランのような大抵の食物繊維と異なる。
【0004】
高甘味度甘味料の変性に使用した市販の酵素は、ステビオールグリコシド及びモグロシドのフルクトシル化をもたらすが、トランスフルクトシル化はそれらの主な酵素活性ではないので、それらは、それらの基質も脱グリコシル化する。これにより、不快な苦味を有し得る脱グリコシル化合物が生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、苦味及び/又は望ましくない後味が少ない、甘味及びプレバイオティックの機能性を与えられる組成物を提供することである。また、本発明の目的は、酵素及びプロセスを提供することであり、このプロセスにおいてこの酵素は甘味料をフルクトシル化するが、脱グリコシル化はないか又は既存の発明よりも実質的に少ない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、
a. レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシド;
b. 多糖類;及び
c. 未変性高甘味度甘味料グリコシド
を含む組成物が提供される。
【0007】
有利には、組成物は、レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシド及び未変性高甘味度甘味料グリコシドを介して甘味を提供する。その上、組成物は、多糖類を介してプレバイオティック繊維の機能性を提供する。「未変性高甘味度甘味料グリコシド」とは、酵素による変性を含む、変性されていない高甘味度甘味料グリコシドを意味する。
【0008】
レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシド及び未変性高甘味度甘味料グリコシドは、同じ高甘味度甘味料グリコシドであってもよい。好ましくは、レバンスクラーゼで変性された又は未変性のままの高甘味度甘味料グリコシドは、モグロシド又はその誘導体である。モグロシドは、モグロシドVであってもよい。
【0009】
多糖類は、レバン(Levan)であってもよい。
【0010】
酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドは、フルクトシル化された高甘味度甘味料であってもよい。レバンスクラーゼは、微生物由来であってもよい。好ましくは、レバンスクラーゼは、バシラス属種(Bacillus species)由来である。
【0011】
好ましくは、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、追加のフルクトース分子を2個以上含む。フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、追加のフルクトース分子を最大7個まで含むことができる。
【0012】
好ましくは、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、未変性高甘味度甘味料グリコシドよりも甘味値が低い。好ましくは、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、レバンよりも甘味値が高い。
【0013】
好ましくは、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、フルクトシル化されたジテルペン又はトリテルペングリコシドである。適切には、フルクトシル化されたジテルペン又はトリテルペングリコシドは、式[(glu)x-L-(glu)y](fru)zを有し;式中、Lは、ジテルペン又はトリテルペン部分であり、x及びyは、それぞれ独立に1~3の整数であり、zは、1~8又は1~7の整数である。フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、異なるz値を有する化合物及び/又は特定のz値を有する化合物の異なる異性体の混合物であってもよい。そのような異性体は、L部分の異なる位置にフルクトース部分が結合していてもよく、及び/又はオリゴフルクトースの異なる異性体であってもよい。
【0014】
適切には、Lは、ククルビタン又はステビオール部分であり、適切には、ククルビタン又はステビオールである。適切には、フルクトース部分は、グリコシド結合を介して1又は2以上のグルコース部分と結合している。適切には、フルクトース部分(fru)zは、グリコシド結合を介してグルコース部分(glu)の1つと結合したフルクトース分子又はオリゴフルクトース分子によってもたらされる。
【0015】
Lがククルビタンである実施形態では、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、フルクトシル化されたモグロシドであり、式(I)を有し:
【化1】
式中、Xは、C=O又はCH
2であり、Yは、C=O又はCHOHである(適切には、R立体化学を有する)。
いくつかの実施形態では、Xは、C=Oであり、Yは、CHOHである(適切には、R立体化学を有する)。
いくつかの実施形態では、Xは、CH
2であり、Yは、C=Oである。
【0016】
適切には、フルクトシル化されたモグロシドは、式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)を有する。
【化2】
【0017】
フルクトシル化されたモグロシドは、モグロシドI、モグロシドII、モグロシドIIe、モグロシドIII、モグロシドIIIe、モグロシドIV、モグロシドV、イソモグロシドV、7-オキソモグロシド又はシアメノシドIから選択でき、適切には、フルクトース部分は、グリコシド結合を介して1又は2以上のグルコース部分と結合している。そのような実施形態では、グルコース部分(glu)
x及び(glu)
yは、それぞれのモグロシド化合物のx及びy値と構造を有している。好ましくは、フルクトシル化されたモグロシドは、フルクトシル化されたモグロシドIV、フルクトシル化されたモグロシドV、フルクトシル化された7-オキソモグロシド又はフルクトシル化されたシアメノシドIである。好ましくは、フルクトシル化されたモグロシドは、フルクトシル化されたモグロシドV又はフルクトシル化された7-オキソモグロシドである。フルクトシル化されたモグロシドVは、式(IIa)又は(IIb)を有していてもよい。
【化3】
【0018】
フルクトシル化された7-オキソモグロシドは、式(IIIa)又は(IIIb)を有していてもよい。
【化4】
【0019】
好ましくは、組成物は、レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシドを含まない組成物と比較した場合に苦い風味が低減されている。好ましくは、組成物は、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含まない組成物と比較した場合に甘草風味が低減されている。好ましくは、組成物は、レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシドを含まない組成物と比較した場合に風味が改善されている。
【0020】
好ましくは、組成物は、市販の酵素によって生成された、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含む組成物と比較した場合に苦い風味が低減されている。好ましくは、組成物は、市販の酵素によって生成された、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含む組成物と比較した場合に甘草風味が低減されている。好ましくは、組成物は、市販の酵素によって生成された、レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシドを含む組成物と比較した場合に風味が改善されている。
【0021】
組成物は、食料品、栄養補助食品又はカロリー制限された代替食製品の中、又はそれらの上に組み込むためのものであってもよい。組成物はまた、食料品中のバルク砂糖含有量の一部、大部分、若しくは全てを置き換えるのに使用してもよく、又は単独で甘味料として使用してもよい。有利には、本発明の発明者らは、組成物が爽やかな風味特性を持ち、血糖指数(glycaemic index)が低く、繊維として分類される可能性があり、腸内マイクロバイオームの多様性の維持及び健康に良い細菌の増強に役立つことを発見した。組成物は、粒状、粉末状、又は液状であってもよい。
【0022】
組成物は、組成物を他の成分とブレンド又は混合することによって食品中に組み込まれてもよい。或いは、組成物は、食品をコーティングするのに使用することができる。
【0023】
用語「食料品」は、ヒト又は動物によって安全に摂取され得るあらゆる材料を意味することが意図されており、それだけには限らないが、食べ物、飲料、シリアル、ベーカリー製品、パン粉をまぶし衣をつけて油で揚げた製品(breaded and buttered products)、乳製品、菓子類、スナック菓子、及びあらびき粉(meals)が挙げられる。この用語は、調理又は摂食される前に再構成を必要とする製品を含む。この用語は、栄養補助食品又は医薬品(ビタミン錠剤又は抗生物質液など)も含む。
【0024】
本発明の第2の態様によれば、高甘味度甘味料グリコシドを酵素により変性させる方法であって、
単糖受容体の存在下で高甘味度甘味料グリコシドとレバンスクラーゼを接触させて、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシド及び多糖類を生成するステップ
を含む、方法が提供される。
【0025】
好ましくは、高甘味度甘味料グリコシドは、第1の態様に関して記載したように、モグロシド又はその誘導体である。モグロシドは、モグロシドVであってもよい。
【0026】
モグロシドVの濃度は、約0.01%~約100重量%の範囲、好ましくは約0.2%~約15重量%の範囲であってもよい。
【0027】
レバンスクラーゼは、微生物由来であってもよい。好ましくは、レバンスクラーゼは、バシラス属種由来である。有利には、バシラス属種由来のレバンスクラーゼは、フルクトシル化されたモグロシドVを合成することができる。レバンスクラーゼの活性は、約0.10~約1U/mlの範囲、好ましくは約0.05~約0.5U/mlの範囲であってもよい。
【0028】
好ましくは、多糖類はレバンである。
【0029】
好ましくは、レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシドは、第1の態様に関して記載したように、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドである。フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、追加のフルクトース分子を少なくとも1個含み得る。フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、追加のフルクトース分子を2個以上含み得る。フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、追加のフルクトース分子を最大7個まで含み得る。
【0030】
有利には、この方法は、他の酵素を使用して変性させた、酵素により変性された高甘味度甘味料と比較して、苦い風味の低減をもたらす高甘味度甘味料の脱グリコシル化が起こらない。
【0031】
好ましくは、単糖供与体はスクロースである。スクロースは、約50~約600g/Lの範囲の初期濃度で存在していてもよい。
【0032】
本発明の別の態様によれば、レバンスクラーゼを使用して酵素により変性させた、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドが提供される。
【0033】
好ましくは、高甘味度甘味料グリコシドは、モグロシド又はその誘導体である。モグロシドは、モグロシドVであってもよい。
【0034】
好ましくは、レバンスクラーゼは、バシラス属種由来である。
【0035】
好ましくは、フルクトシルトランスフェラーゼを使用して酵素により変性させた、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、追加のフルクトース分子を2個以上含む。フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、追加のフルクトース分子を最大8個又は最大7個まで含むことができる。
【0036】
好ましくは、フルクトシルトランスフェラーゼを使用して酵素により変性させた、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、フルクトシル化されていない高甘味度甘味料グリコシドと比較した場合に苦い風味及び甘草風味が低減されている。フルクトシルトランスフェラーゼを使用して酵素により変性させた、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、フルクトシル化されていない高甘味度甘味料グリコシドよりも甘味度が著しく低い可能性がある。好ましくは、フルクトシル化された高甘味度甘味料は、フルクトシル化されていない高甘味度甘味料グリコシドと比較した場合に風味が改善されている。
【0037】
好ましくは、フルクトシル化された高甘味度甘味料は、市販の酵素によって生成された、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドと比較した場合に風味が改善されている。好ましくは、フルクトシル化された高甘味度甘味料は、甘味度がスクロースと同等である。
【0038】
フルクトシル化された高甘味度甘味料は、食料品、栄養補助食品又はカロリー制限された代替食製品の中、又はそれらの上に組み込むためのものであってもよい。フルクトシル化された高甘味度甘味料はまた、食料品中のバルク砂糖含有量の一部、大部分、若しくは全てを置き換えるのに使用してもよく、又は単独で甘味料として使用してもよい。有利には、本発明の発明者らは、フルクトシル化された高甘味度甘味料が爽やかな風味特性を持ち、血糖指数が低く、繊維として分類される可能性があり、腸内マイクロバイオームの多様性の維持及び健康に良い細菌の増強に役立つことを発見した。フルクトシル化された高甘味度甘味料は、粒状又は粉末状であってもよい。
【0039】
フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、このグリコシドを他の成分とブレンド又は混合することによって製品中に組み込まれてもよいことが、当業者には明らかであろう。或いは、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、製品をコーティングするのに使用することができる。
【0040】
本発明の別の態様によれば、高甘味度甘味料グリコシドをフルクトシル化するためのレバンスクラーゼの使用が提供される。
【0041】
好ましくは、高甘味度甘味料グリコシドは、モグロシド又はその誘導体である。モグロシドは、モグロシドVであってもよい。
【0042】
レバンスクラーゼは、細菌由来であってもよい。好ましくは、レバンスクラーゼは、バシラス属種由来である。
【0043】
本発明の他の態様によれば、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドが提供される。適切には、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、第2の態様の方法によって生成される。
【0044】
適切には、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、フルクトシル化されたジテルペン又はトリテルペングリコシドである。適切には、フルクトシル化されたジテルペン又はトリテルペングリコシドは、式[(glu)x-L-(glu)y](fru)zを有し、式中、Lはジテルペン又はトリテルペン部分であり、x及びyはそれぞれ独立に1~3の整数であり、zは1~8又は1~7の整数である。フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、異なるz値を有する化合物及び/又は特定のz値を有する化合物の異なる異性体の混合物であってもよい。そのような異性体は、L部分の異なる位置にフルクトース部分が結合していてもよく、及び/又はオリゴフルクトースの異なる異性体であってもよい。
【0045】
適切には、Lは、ククルビタン又はステビオール部分であり、適切には、ククルビタン又はステビオールである。適切には、フルクトース部分は、グリコシド結合を介して1又は2以上のグルコース部分と結合している。適切には、フルクトース部分(fru)zは、グリコシド結合を介してグルコース部分(glu)の1つと結合したフルクトース分子又はオリゴフルクトース分子によってもたらされる。
【0046】
Lがククルビタンである実施形態では、フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドは、フルクトシル化されたモグロシドであり、式(I)を有し:
【化5】
式中、Xは、C=O又はCH
2であり、Yは、C=O又はCHOHである(適切には、R立体化学を有する)。
いくつかの実施形態では、Xは、C=Oであり、Yは、CHOHである(適切には、R立体化学を有する)。
いくつかの実施形態では、Xは、CH
2であり、Yは、C=Oである。
【0047】
適切には、フルクトシル化されたモグロシドは、式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)を有する。
【化6】
【0048】
フルクトシル化されたモグロシドは、モグロシドI、モグロシドII、モグロシドIIe、モグロシドIII、モグロシドIIIe、モグロシドIV、モグロシドV、イソモグロシドV、7-オキソモグロシド又はシアメノシドIから選択でき、適切には、フルクトース部分は、グリコシド結合を介して1又は2以上のグルコース部分と結合している。そのような実施形態では、グルコース部分(glu)
x及び(glu)
yは、それぞれのモグロシド化合物のx及びy値と構造を有している。好ましくは、フルクトシル化されたモグロシドは、フルクトシル化されたモグロシドIV、フルクトシル化されたモグロシドV、フルクトシル化された7-オキソモグロシド又はフルクトシル化されたシアメノシドIである。好ましくは、フルクトシル化されたモグロシドは、フルクトシル化されたモグロシドV又はフルクトシル化された7-オキソモグロシドである。フルクトシル化されたモグロシドVは、式(IIa)又は(IIb)を有していてもよい。
【化7】
【0049】
フルクトシル化された7-オキソモグロシドは、式(IIIa)又は(IIIb)を有していてもよい。
【化8】
【0050】
本発明の別の態様によれば、低カロリーの甘味の機能性繊維、甘味のプレバイオティクスとして、又はバルク砂糖代用品として本明細書で上述したような組成物の使用が提供される。バルク砂糖代用品成分としての使用は、食料品の砂糖又はスクロース含有量の全て又は一部分を置き換えるためであってもよい。機能性繊維組成物は、プロバイオティック補助剤及び/又は他のプレバイオティクスと併せて使用されてもよい。
【0051】
本発明のいくつかの態様に関して列挙された組成物のいくつかの特徴が、本方法で投与される組成物と交換可能であることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
次に、本発明の実施形態は、単に例示として記載される。
【
図1】MALDI-ToFによって検出されたフルクトシル化されたモグロシドVを示す図である。
【
図2】オーバーレイクロマトグラムでLC-UVによって検出された、精製されたフルクトシル化されたモグロシドV画分を示す図である。画分をNMR及びMALDIによって分析した。
【
図3-2】モグロシドVのNMRによって明らかにされたモグロシドVフルクトシル化構造を示す図である。
【
図4-2】NMRによって明らかにされた、フルクトースの潜在的な部位が示されたモグロシドVフルクトシル化構造を示す図である。
【
図5】グルコノバクター・セリナス(Gluconobacter cerinus)からの細胞外レバンスクラーゼ、モグロシドV 0.2重量/体積%、250g/Lのスクロースを24時間にわたって使用したスクリーニング結果である。
【
図6】グルコノバクター・セリナスからの細胞外レバンスクラーゼ、モグロシドV 0.2重量/体積%、50g/Lのスクロースを24時間にわたって使用したスクリーニング結果である。
【
図7】グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカス(Gluconacetobacter diazotrophicus)からの細胞外レバンスクラーゼ、モグロシドV 0.2重量/体積%、250g/Lのスクロースを24時間にわたって使用したスクリーニング結果である。
【
図8】グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカスからの細胞外レバンスクラーゼ、モグロシドV 0.2重量/体積%、50g/Lのスクロースを24時間にわたって使用したスクリーニング結果である。
【
図9】ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)DSM 20604からの組換えイヌロスクラーゼ、モグロシドV 0.2重量/体積%、250g/Lのスクロースを24時間にわたって使用したスクリーニング結果である。
【
図10】ラクトバチルス・ガセリDSM 20604からの組換えイヌロスクラーゼ、モグロシドV 0.2重量/体積%、50g/Lのスクロースを24時間にわたって使用したスクリーニング結果である。
【
図11】ラクトバチルス・ガセリDSM 20604からの組換えイヌロスクラーゼ、モグロシドV 0.2重量/体積%を使用し、50g/L又は250g/Lのスクロースを24時間にわたって使用したスクリーニング結果である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
[バシラス属種からのレバンスクラーゼによるモグロシドVのフルクトシル化]
フルクトシル化されたモグロシドVを、バシラス属からのレバンスクラーゼを用いて合成した。得られた酵素のトランスフルクトシル化活性は、10U/mgであった。
【0054】
この酵素は、以前は異なるオリゴ糖類、主にラクトスクロースを生成するために使用されていたが、この酵素系を使用してフルクトシル化されたモグロシドを生成する結果は記載されていない。
【0055】
[酵素活性、反応時間、初期のスクロース及びモグロシドV濃度の最適化]
バシラス属からのレバンスクラーゼを使用して、フルクトシル化されたモグロシドを生成した。異なる初期の酵素活性0.05及び0.5U/mLを試験して、モグロシドのフルクトシル化のための最適な酵素活性及び反応の持続時間を決定した。異なる初期のモグロシドV濃度0.2%~15%を試験して、モグロシドのフルクトシル化のための最適な初期のモグロシドV濃度を決定した。50~600g/Lの範囲の初期のスクロース濃度を使用して、モグロシドのフルクトシル化のための最適な初期のスクロース濃度を決定した。フルクトシル化は、37℃で最長48時間にわたって実施した。
【0056】
得られた単糖類は、GC-FIDによって定量化し、活性炭処理によって除去した。他の適当な精製法には、限外ろ過、ナノろ過、酵母処理、酵素処理、膜及びクロマトグラフィーが挙げられる。レバン生成をLC-EL SDによって定量化した。
【0057】
[LC-UV及びMALDI-TOFによって検出されたモグロシドVのフルクトシル化]
レバンスクラーゼを使用したフルクトシル化とその後のモグロシドVに結合したフルクトース単位の検出を、LC-UV及びMALDI-TOFを使用して実施した。モグロシドVに結合した最大7個のフルクトース単位が検出された。示されているように、モグロシドVの後にピークは溶出されず、脱グリコシル化されたモグロシドVが存在しないことを示した。脱グリコシル化されたモグロシドVは、MALDI-TOFによっても検出されなかった。
【0058】
モグロシドVのフルクトシル化は、MALDI-TOFを使用して検出され、
図1に示す。
図2に示すとおり、モグロシドVのフルクトシル化はLC-UVによっても検出された。
【0059】
[一部のフルクトシル化されたモグロシドを精製してNMRによって構造を明らかにする]
主要なフルクトシル化されたモグロシドの一部を、NMRを使用して分析した。
図3は、NMRによって明らかにされた、フルクトシル化されたモグロシドVの構造を示す。モグロシドVは、レバンスクラーゼ(SacB)によってフルクトシル化された。
図3は、モグロシドVへの1個のフルクトースの添加を示す。
【0060】
図4は、NMRによって明らかにされた、さらなるフルクトース結合の潜在的な部位を持つフルクトシル化されたモグロシドVを示す。
【0061】
[フルクトシルトランスフェラーゼ及びモグロシドVのスクリーニング]
グルコノバクター・セリナスからの細胞外レバンスクラーゼを、初期スクロース濃度250g/L又は50g/Lで0.2重量/体積%モグロシドVに加えた。レバンスクラーゼを、Biochem J. (1995) 309, 113-118の方法に基づいて精製した。試料を、C18カラムを用いたHPLC-UVを使用して0、2、8及び24時間の時点で分析した。
【0062】
図5及び6に示すとおり、フルクトシル化は検出されなかった。
【0063】
グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカスからの細胞外レバンスクラーゼを、初期スクロース濃度250g/L又は50g/Lで0.2重量/体積%モグロシドVに加えた。レバンスクラーゼを、Biochem J. (1995) 309, 113-118の方法に基づいて精製した。試料を、C18カラムを用いたHPLC-UVを使用して0、2、8及び24時間の時点で分析した。
【0064】
図7及び8に示すとおり、フルクトシル化は検出されなかった。
【0065】
ラクトバチルス・ガセリDSM 20604からの組換えイヌロスクラーゼを、初期スクロース濃度250g/L又は50g/Lで0.2重量/体積%モグロシドVに加えた。イヌロスクラーゼ発現及び活性の詳細は、Appl Environ Microbiol. 2013 Jul;79(13):4129-40. doi: 10.1128/AEM.00854-13に見出すことができる。試料を、C18カラムを用いたHPLC-UVを使用して0、2、8及び24時間の時点で分析した。
【0066】
図9、10及び11に示すとおり、矢印で示すように軽微なフルクトシル化が検出された。
【0067】
前述の実施形態は、特許請求の範囲によって得られる保護の範囲を限定するものではなく、むしろ本発明がどのように実施され得るかについての例を説明するものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシド;
b.
レバン;及び
c. 未変性高甘味度甘味料グリコシド
を含む組成物。
【請求項2】
高甘味度甘味料グリコシドが、モグロシド又はその誘導体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
モグロシドがモグロシドVである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
レバンスクラーゼ変性高甘味度甘味料グリコシドが、フルクトシル化された高甘味度甘味料である、請求項1~
3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドが、追加のフルクトース分子を2個以上含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドが、追加のフルクトース分子を最大7個まで含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
高甘味度甘味料、又は酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含まない組成物よりも甘味値が低い、請求項1~
6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含まない組成物と比較した場合に苦い風味及び/又は甘草風味が低減されている、請求項1~
7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含まない組成物と比較した場合に風味が改善されている、請求項1~
8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
市販の酵素によって生成された、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含む組成物と比較して、苦い風味及び/又は甘草風味が低減されている、請求項1~
9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
市販の酵素によって生成された、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドを含む組成物と比較した場合に風味が改善されている、請求項1~
10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
食料品、栄養補助食品又はカロリー制限された代替食製品の中、又はそれらの上に組み込まれる、請求項1~
11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
バルク砂糖代用品又は甘味料としての、請求項1~12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項14】
粒状又は粉末状である、請求項1~13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
食品のコーティングとしての、請求項1~14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
高甘味度甘味料グリコシドを酵素により変性させる方法であって、
単糖受容体の存在下で前記高甘味度甘味料グリコシドとレバンスクラーゼを接触させて、酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシド及び
レバンを生成するステップ
を含む、前記方法。
【請求項17】
高甘味度甘味料グリコシドが、モグロシド又はその誘導体である、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
モグロシドがモグロシドVである、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
モグロシドVの濃度が0.2~15重量%である、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
レバンスクラーゼが細菌由来である、請求項
16~19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
レバンスクラーゼがバシラス属種(Bacillus species)由来である、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
レバンスクラーゼ活性が、約0.05~約0.5U/mlの範囲である、請求項
16~21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
酵素により変性された高甘味度甘味料グリコシドがフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドである、請求項
16~22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドが、追加のフルクトース分子を少なくとも1個含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項25】
フルクトシル化された高甘味度甘味料が、追加のフルクトース分子を最大7個まで含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
酵素により変性された高甘味度甘味料の脱グリコシル化が起こらない、請求項
16~
25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
単糖受容体がスクロースである、請求項
16~
26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
スクロースが、約400~約600g/Lの範囲の初期濃度で存在する、請求項
27に記載の方法。
【請求項29】
低カロリーの甘味のプレバイオティクス、甘味のプレバイオティクスとして、又はバルク砂糖代用品としての、請求項1~
15のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項30】
組成物が、プロバイオティック補助剤及び/又は他のプレバイオティクスと併せて使用される、請求項
29に記載の使用。
【請求項31】
高甘味度甘味料グリコシドがモグロシド又はその誘導体である、高甘味度甘味料グリコシドをフルクトシル化するためのレバンスクラーゼの使用。
【請求項32】
レバンスクラーゼがバシラス属種由来である、請求項
31に記載の使用。
【請求項33】
高甘味度甘味料グリコシドがモグロシドVである、請求項
31又は
32に記載の
使用。
【請求項34】
フルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシドが、フルクトシル化された7-オキソモグロシドVである、レバンスクラーゼ酵素によりフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【請求項35】
式(IIIa)又は(IIIb)を有する、請求項
34に記載のフルクトシル化された高甘味度甘味料グリコシド。
【化1】
【国際調査報告】