(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】凍結防止弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/68 20060101AFI20240822BHJP
F16K 27/02 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F16K31/68 A
F16K27/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513891
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 CN2022118248
(87)【国際公開番号】W WO2023036318
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202122199098.6
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122201000.6
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122200918.9
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202222028283.3
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】康 志軍
(72)【発明者】
【氏名】兪 舟
【テーマコード(参考)】
3H051
3H057
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB01
3H051BB02
3H051CC11
3H057AA02
3H057BB32
3H057BB38
3H057CC07
3H057DD03
3H057FA02
3H057HH11
(57)【要約】
本出願は、弁チャンバ及び弁口を有し、弁チャンバの側壁は制限面を有する弁座と、弁チャンバ内に移動可能に設けられて、弁口を開閉する弁芯と、弁チャンバ内に移動可能に設けられたサーモスタットであって、サーモスタットの一端は弁芯に係合され、サーモスタットは、制限面と止め係合される止め面を有し、止め面及び制限面は、いずれもサーモスタットの移動方向との間に夾角を有するサーモスタットと、サーモスタットの側壁と弁座の側壁との間に設けられた第1通路と、制限面と止め面との間に設けられ、第1通路と連通された第2通路であって、弁口が開けられたとき、弁口と連通される第2通路と、を含む凍結防止弁を提供する。使用時、流体が弁座の弁口から離れた一端から流れ込み、順に第1通路及び第2通路に入り込み、弁口が開けられたとき、第2通路と弁口とが連通されて、流体が弁口から流れ出ることができる。本出願で提供される技術態様により、従来技術における凍結防止弁の構造が複雑であり、加工が難しいという問題を解決することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁チャンバ(11)及び弁口(12)を有し、前記弁チャンバ(11)の側壁は制限面(111)を有する弁座(10)と、
前記弁チャンバ(11)内に移動可能に設けられて、前記弁口(12)を開閉する弁芯(20)と、
前記弁チャンバ(11)内に移動可能に設けられたサーモスタット(30)であって、前記サーモスタット(30)の一端は前記弁芯(20)に係合され、前記サーモスタット(30)は、前記制限面(111)と止め係合された止め面(321)を有し、前記止め面(321)及び前記制限面(111)は、いずれも前記サーモスタット(30)の移動方向との間に夾角を有するサーモスタット(30)と、
前記サーモスタット(30)の側壁と前記弁座(10)の側壁との間に設けられた第1通路(41)と、
前記制限面(111)と前記止め面(321)との間に設けられ、前記第1通路(41)と連通された第2通路(42)であって、前記弁口(12)が開けられた場合、前記弁口(12)と連通される第2通路(42)と、
を含む凍結防止弁。
【請求項2】
前記制限面(111)又は前記止め面(321)には、前記第2通路(42)を形成する凹溝(1111)を有する、請求項1に記載の凍結防止弁。
【請求項3】
前記弁チャンバ(11)は、互いに連通された第1弁孔(112)及び第2弁孔(113)を含み、前記第1弁孔(112)の直径は前記第2弁孔(113)の直径より大きく、前記第1弁孔(112)と前記第2弁孔(113)との接続箇所には前記制限面(111)を有し、
前記サーモスタット(30)は、順に接続されたガイド軸(31)、制限軸(32)及び駆動軸(33)を含み、前記制限軸(32)の径方向サイズは、前記ガイド軸(31)、前記駆動軸(33)の径方向サイズより大きく、前記ガイド軸(31)及び前記制限軸(32)は前記第1弁孔(112)内に設けられ、前記駆動軸(33)及び前記弁芯(20)は前記第2弁孔(113)内に設けられ、前記制限軸(32)は前記止め面(321)を有し、前記第1通路(41)は、前記制限軸(32)の側壁と前記第1弁孔(112)の内壁との間に位置する、請求項1に記載の凍結防止弁。
【請求項4】
前記制限軸(32)は円柱状であり、前記制限軸(32)の側壁と前記第1弁孔(112)の内壁とはクリアランスフィットされ、前記制限軸(32)の側壁と前記第1弁孔(112)の内壁との間の隙間は前記第1通路(41)を形成する、請求項3に記載の凍結防止弁。
【請求項5】
前記制限軸(32)の側壁と前記第1弁孔(112)の内壁との間の隙間の値は0.1mm以上であり、前記制限軸(32)の側壁は、前記第1通路(41)を形成する第1切欠き(322)を有する、請求項4に記載の凍結防止弁。
【請求項6】
前記凍結防止弁は、前記弁芯(20)の側壁と前記弁チャンバ(11)の側壁との間に位置し、前記第2通路(42)と連通された第3通路(60)であって、前記弁口(12)が開けられた場合、前記弁口(12)と連通される第3通路(60)を更に含む、請求項1に記載の凍結防止弁。
【請求項7】
前記弁芯(20)は、互いに接続された止め軸(21)及び芯軸(22)を含み、前記止め軸(21)の径方向サイズは前記芯軸(22)の径方向サイズより大きく、前記芯軸(22)は前記弁口(12)を開閉するために用いられ、
前記凍結防止弁は、前記芯軸(22)に嵌合され、一端が前記止め軸(21)の端面に当接され、他端が前記弁チャンバ(11)の底壁に当接された駆動バネ(52)を更に含み、
前記第3通路(60)は、互いに連通された第1サブ通路(61)及び第2サブ通路(62)を含み、前記第1サブ通路(61)は、前記止め軸(21)の側壁と前記弁チャンバ(11)の側壁との間に位置し、前記第2サブ通路(62)は、前記芯軸(22)の側壁と前記弁チャンバ(11)の側壁との間に位置する、請求項6に記載の凍結防止弁。
【請求項8】
前記止め軸(21)の側壁は、前記第1サブ通路(61)を形成する第2切欠き(211)を有する、請求項7に記載の凍結防止弁。
【請求項9】
前記弁口(12)はテーパ状の第1封止面(121)を有し、前記弁芯(20)は、環状溝(23)、テーパ状の第2封止面(24)及びテーパ状のガイド面(25)を有し、前記環状溝(23)は、前記第2封止面(24)と前記ガイド面(25)との間に位置し、前記ガイド面(25)の大端直径Aは前記第2封止面(24)の小端直径Gより小さく、前記第2封止面(24)は、前記第1封止面(121)と制限係合するために用いられ、
前記凍結防止弁は、前記環状溝(23)内に設けられ、前記弁口(12)が閉められた場合、前記第1封止面(121)に当接される封止リング(70)を更に含む、請求項1に記載の凍結防止弁。
【請求項10】
前記弁口(12)は円柱面(122)を更に有し、前記円柱面(122)が取り囲んで形成されたチャンバと前記第1封止面(121)が取り囲んで形成されたチャンバとは連通され、前記ガイド面(25)の大端直径Aは前記円柱面(122)の直径Bより小さく、ここで、前記弁口(12)が閉められた場合、前記ガイド面(25)は前記円柱面(122)内に入り込む、請求項9に記載の凍結防止弁。
【請求項11】
前記弁芯(20)は、前記ガイド面(25)と前記環状溝(23)との間に位置し、直径が前記ガイド面(25)の大端直径Aと等しく、前記弁口(12)が閉められた場合、前記円柱面(122)内に入り込む円柱状の遷移面(26)を更に有する、請求項10に記載の凍結防止弁。
【請求項12】
前記第1封止面(121)及び前記第2封止面(24)は、テーパ角が同じであり、前記弁口(12)が閉められた場合、前記第2封止面(24)と前記第1封止面(121)とは密着される、請求項9に記載の凍結防止弁。
【請求項13】
前記封止リング(70)は弾性材料から製造され、前記弁口(12)が開けられた場合、前記封止リング(70)の外径Eは、前記第1封止面(121)の小端直径Bより大きく且つ前記第1封止面(121)の大端直径Fより小さい、請求項9に記載の凍結防止弁。
【請求項14】
前記第2封止面(24)の小端直径Gは、前記第1封止面(121)の小端直径Bより大きく且つ前記第1封止面(121)の大端直径Fより小さく、前記ガイド面(25)の小端直径Cは、前記封止リング(70)の内径Dより小さい、請求項9に記載の凍結防止弁。
【請求項15】
前記サーモスタット(30)に嵌合され、前記弁口(12)に近接する一端が前記サーモスタット(30)に当接されたガイドスリーブ(80)と、
前記ガイドスリーブ(80)に嵌合され、前記弁口(12)に近接する一端が前記ガイドスリーブ(80)又は前記サーモスタット(30)に当接された弾性部材(51)と、
を更に含む、請求項1に記載の凍結防止弁。
【請求項16】
前記ガイドスリーブ(80)は、スリーブ(81)及び前記スリーブ(81)の一端に設けられた制限環(82)を含み、前記制限環(82)の外径は前記スリーブ(81)の外径より大きく、前記制限環(82)の一方側は前記サーモスタット(30)に当接され、前記弾性部材(51)は前記スリーブ(81)に嵌合され、前記弾性部材(51)の前記弁口(12)に近接する一端は前記制限環(82)の他方側に当接される、請求項15に記載の凍結防止弁。
【請求項17】
前記弾性部材(51)はバネであり、前記スリーブ(81)の外径Hは前記弾性部材(51)の内径Iより小さく、前記制限環(82)の外径Tは前記弁チャンバ(11)の内径Vより小さい、請求項16に記載の凍結防止弁。
【請求項18】
前記ガイドスリーブ(80)の前記弁口(12)から離れた一端は、ガイド傾斜面(83)を有し、前記弁座(10)の前記弁口(12)から離れた一端は、縮径構造(13)を有し、前記縮径構造(13)は、前記弾性部材(51)の前記弁口(12)から離れた一端に当接される、請求項15に記載の凍結防止弁。
【請求項19】
前記サーモスタット(30)は、順に接続されたガイド軸(31)、制限軸(32)及び駆動軸(33)を含み、ここで、前記制限軸(32)の直径は、前記ガイド軸(31)、前記駆動軸(33)の直径より大きく、前記駆動軸(33)は前記弁芯(20)に係合され、前記ガイドスリーブ(80)は前記ガイド軸(31)に嵌合され、前記ガイドスリーブ(80)の前記弁口(12)に近接する一端は前記制限軸(32)に当接され、前記ガイドスリーブ(80)の内径Jは前記ガイド軸(31)の外径Kより大きい、請求項15に記載の凍結防止弁。
【請求項20】
前記弁芯(20)はガイド孔(27)を有し、前記駆動軸(33)は、順に接続された駆動セグメント(331)、プレッシャーロッド(332)及びガイドセグメント(333)を含み、前記駆動セグメント(331)は、前記制限軸(32)に接続され、前記プレッシャーロッド(332)、前記ガイドセグメント(333)及び前記駆動セグメント(331)の直径は順に大きくなっており、ここで、前記ガイドセグメント(333)は、前記ガイド孔(27)内に貫入され、前記ガイドセグメント(333)の外壁は、前記ガイド孔(27)の内壁に係合され、前記ガイドセグメント(333)の端面は、前記ガイド孔(27)の底壁に当接され、
前記ガイド孔(27)の開口は面取りを有し、前記弁芯(20)は、前記ガイド孔(27)と連通された組み立て孔(28)を更に有し、前記組み立て孔(28)の直径は前記ガイド孔(27)の直径より大きく、前記駆動セグメント(331)の外壁は、前記組み立て孔(28)の内壁に係合される、請求項19に記載の凍結防止弁。
【請求項21】
前記サーモスタット(30)に嵌合された弾性部材(51)と、
前記サーモスタット(30)及び前記弾性部材(51)に嵌合されたガイドスリーブ(80)であって、前記ガイドスリーブ(80)は、前記弁チャンバ(11)の延在方向に沿って延在し、前記ガイドスリーブ(80)の少なくとも一部は、前記弁チャンバ(11)の内壁に密着され、前記ガイドスリーブ(80)の前記弁口(12)に近接する一端は、前記サーモスタット(30)に当接され、前記弾性部材(51)の前記弁口(12)に近接する一端は、前記サーモスタット(30)又は前記ガイドスリーブ(80)に当接されたガイドスリーブ(80)と、
を更に含む、請求項1に記載の凍結防止弁。
【請求項22】
前記サーモスタット(30)は、互いに接続されたガイド軸(31)及び制限軸(32)を含み、前記制限軸(32)は前記ガイド軸(31)から突出して設けられ、前記ガイドスリーブ(80)は互いに接続されたスリーブ(81)及び制限環(82)を含み、前記スリーブ(81)と前記ガイド軸(31)とは間隔をおいて設けられ、前記制限環(82)には前記ガイド軸(31)と整合される取り付け孔が設けられており、前記制限環(82)は前記制限軸(32)に当接され、前記弾性部材(51)は前記ガイド軸(31)と前記スリーブ(81)との間に位置する、請求項21に記載の凍結防止弁。
【請求項23】
前記スリーブ(81)は、互いに接続された第1ガイドセグメント(811)及び第2ガイドセグメント(812)を有し、前記第2ガイドセグメント(812)は前記制限環(82)に接続され、前記第1ガイドセグメント(811)は前記弁チャンバ(11)の内壁に密着され、前記第2ガイドセグメント(812)と前記弁チャンバ(11)の内壁とは間隔をおいて設けられる、請求項22に記載の凍結防止弁。
【請求項24】
前記第1ガイドセグメント(811)と前記第2ガイドセグメント(812)との間には、位置決めフランジ(84)が形成され、前記弾性部材(51)は、前記位置決めフランジ(84)に当接される、請求項23に記載の凍結防止弁。
【請求項25】
前記第1ガイドセグメント(811)の前記弁口(12)から離れた一端には、ガイド傾斜面(83)が設けられており、前記ガイド傾斜面(83)は、前記ガイドスリーブ(80)の延在方向に対してプリセット角度をなして設けられ、前記ガイド傾斜面(83)によって前記サーモスタット(30)をガイドする、請求項23に記載の凍結防止弁。
【請求項26】
前記第2ガイドセグメント(812)には、流通貫通孔(8121)が設けられており、前記第2ガイドセグメント(812)と前記弁チャンバ(11)の内壁との隙間は第1流通隙間を形成し、前記流通貫通孔(8121)は、前記ガイドスリーブ(80)の内部空洞と前記第1流通隙間とを連通し、前記制限軸(32)と前記弁チャンバ(11)の内壁とは、第2流通隙間が形成されるように間隔をおいて設けられ、ここで、前記ガイドスリーブ(80)の内部空洞、前記流通貫通孔(8121)、前記第1流通隙間及び前記第2流通隙間が前記第1通路(41)を構成する、請求項23に記載の凍結防止弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は弁の技術分野に関し、具体的には、凍結防止弁に関する。
【背景技術】
【0002】
凍結防止弁は、外部環境温度が比較的低いときに開弁されて、熱交換システムにおける流体を排出し、流体が凍結して設備が破損することを回避するために用いられる。凍結防止弁は、通常、弁芯、弁座、サーモスタット等の構造を含み、温度が変化するとサーモスタットの長さは伸長したり短縮したりすることで、サーモスタットと係合された弁芯が移動して、弁口を開閉することができる。
【0003】
凍結防止弁には流体が流動する流れ通路が設けられており、従来技術において、凍結防止弁の流れ通路は比較的複雑であり、加工が難しく、コストが高くなる。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来技術における凍結防止弁の構造が複雑であり、加工が難しいという問題を解決する凍結防止弁を提供する。
【0005】
上記の問題を解決するために、本出願は、弁チャンバ及び弁口を有し、弁チャンバの側壁は制限面を有する弁座と、弁チャンバ内に移動可能に設けられて、弁口を開閉する弁芯と、弁チャンバ内に移動可能に設けられたサーモスタットであって、サーモスタットの一端は弁芯に係合され、サーモスタットは、制限面と止め係合された止め面を有し、止め面及び制限面は、いずれもサーモスタットの移動方向との間に夾角を有するサーモスタットと、サーモスタットの側壁と弁座の側壁との間に設けられた第1通路と、制限面と止め面との間に設けられ、第1通路と連通された第2通路であって、弁口が開けられた場合、弁口と連通される第2通路と、を含む凍結防止弁を提供する。
【0006】
更に、制限面又は止め面には、第2通路を形成する凹溝を有する。
【0007】
更に、弁チャンバは、互いに連通された第1弁孔及び第2弁孔を含み、第1弁孔の直径は第2弁孔の直径より大きく、第1弁孔と第2弁孔との接続箇所には制限面を有し、サーモスタットは、順に接続されたガイド軸、制限軸及び駆動軸を含み、制限軸の径方向サイズは、ガイド軸、駆動軸の径方向サイズより大きく、ガイド軸及び制限軸は第1弁孔内に設けられ、駆動軸及び弁芯は第2弁孔内に設けられ、制限軸は止め面を有し、第1通路は、制限軸の側壁と第1弁孔の内壁との間に位置する。
【0008】
更に、制限軸は円柱状であり、制限軸の側壁と第1弁孔の内壁とはクリアランスフィットされ、制限軸の側壁と第1弁孔の内壁との間の隙間は第1通路を形成する。
【0009】
更に、制限軸の側壁と第1弁孔の内壁との間の隙間の値は0.1mm以上である。
【0010】
更に、制限軸の側壁は、第1通路を形成する第1切欠きを有する。
【0011】
更に、凍結防止弁は、弁芯の側壁と弁チャンバの側壁との間に位置し、第2通路と連通された第3通路であって、弁口が開けられた場合、弁口と連通される第3通路を更に含む。
【0012】
更に、弁芯は、互いに接続された止め軸及び芯軸を含み、止め軸の径方向サイズは芯軸の径方向サイズより大きく、芯軸は弁口を開閉するために用いられ、凍結防止弁は、芯軸に嵌合され、一端が止め軸の端面に当接され、他端が弁チャンバの底壁に当接された駆動バネを更に含み、第3通路は、互いに連通された第1サブ通路及び第2サブ通路を含み、第1サブ通路は、止め軸の側壁と弁チャンバの側壁との間に位置し、第2サブ通路は、芯軸の側壁と弁チャンバの側壁との間に位置する。
【0013】
更に、止め軸の側壁は、第1サブ通路を形成する第2切欠きを有する。
【0014】
更に、凍結防止弁は、サーモスタットに嵌合され、弁口に近接する一端がサーモスタットの段差面に当接された弾性部材を更に含み、弁座の弁口から離れた一端は縮径構造を有し、縮径構造は、弾性部材の弁口から離れた一端に当接され、縮径構造の開口と弁チャンバとは連通され、弾性部材とサーモスタットの外壁との間には、流体が通過する隙間を有する。
【0015】
更に、弁口はテーパ状の第1封止面を有し、弁芯は、環状溝、テーパ状の第2封止面及びテーパ状のガイド面を有し、環状溝は、第2封止面とガイド面との間に位置し、ガイド面の大端直径Aは第2封止面の小端直径Gより小さく、第2封止面は、第1封止面と制限係合するために用いられ、凍結防止弁は、環状溝内に設けられ、弁口が閉められた場合、第1封止面に当接される封止リングを更に含む。
【0016】
更に、弁口は円柱面を更に有し、円柱面が取り囲んで形成されたチャンバと第1封止面が取り囲んで形成されたチャンバとは連通され、ガイド面の大端直径Aは円柱面の直径Bより小さく、ここで、弁口が閉められた場合、ガイド面は円柱面内に入り込む。
【0017】
更に、弁芯は、ガイド面と環状溝との間に位置し、直径がガイド面の大端直径Aと等しく、弁口が閉められた場合、円柱面内に入り込む円柱状の遷移面を更に有する。
【0018】
更に、第1封止面及び第2封止面は、テーパ角が同じであり、弁口が閉められた場合、第2封止面と第1封止面とは密着される。
【0019】
更に、封止リングは弾性材料から製造され、弁口が開けられた場合、封止リングの外径Eは、第1封止面の小端直径Bより大きく且つ第1封止面の大端直径Fより小さい。
【0020】
更に、第2封止面の小端直径Gは、第1封止面の小端直径Bより大きく且つ第1封止面の大端直径Fより小さく、ガイド面の小端直径Cは、封止リングの内径Dより小さい。
【0021】
更に、凍結防止弁は、サーモスタットに嵌合され、弁口に近接する一端がサーモスタットに当接されたガイドスリーブと、ガイドスリーブに嵌合され、弁口に近接する一端がガイドスリーブ又はサーモスタットに当接された弾性部材と、を更に含む。
【0022】
更に、ガイドスリーブは、スリーブ及びスリーブの一端に設けられた制限環を含み、制限環の外径はスリーブの外径より大きく、制限環の一方側はサーモスタットに当接され、弾性部材はスリーブに嵌合され、弾性部材の弁口に近接する一端は制限環の他方側に当接される。
【0023】
更に、弾性部材はバネであり、スリーブの外径Hは弾性部材の内径Iより小さく、制限環の外径Tは弁チャンバの内径Vより小さい。
【0024】
更に、ガイドスリーブの弁口から離れた一端は、ガイド傾斜面を有し、弁座の弁口から離れた一端は、縮径構造を有し、縮径構造は、弾性部材の弁口から離れた一端に当接される。
【0025】
更に、サーモスタットは、順に接続されたガイド軸、制限軸及び駆動軸を含み、ここで、制限軸の直径は、ガイド軸、駆動軸の直径より大きく、駆動軸は弁芯に係合され、ガイドスリーブはガイド軸に嵌合され、ガイドスリーブの弁口に近接する一端は制限軸に当接され、ガイドスリーブの内径Jはガイド軸の外径Kより大きい。
【0026】
更に、弁芯はガイド孔を有し、駆動軸は、順に接続された駆動セグメント、プレッシャーロッド及びガイドセグメントを含み、駆動セグメントは、制限軸に接続され、プレッシャーロッド、ガイドセグメント及び駆動セグメントの直径は順に大きくなっており、ここで、ガイドセグメントは、ガイド孔内に貫入され、ガイドセグメントの外壁は、ガイド孔の内壁に係合され、ガイドセグメントの端面は、ガイド孔の底壁に当接され、ガイド孔の開口は面取りを有し、弁芯は、ガイド孔と連通された組み立て孔を更に有し、組み立て孔の直径はガイド孔の直径より大きく、駆動セグメントの外壁は、組み立て孔の内壁に係合される。
【0027】
更に、凍結防止弁は、サーモスタットに嵌合された弾性部材と、サーモスタット及び弾性部材に嵌合されたガイドスリーブであって、ガイドスリーブは、弁チャンバの延在方向に沿って延在し、ガイドスリーブの少なくとも一部は、弁チャンバの内壁に密着され、ガイドスリーブの弁口に近接する一端は、サーモスタットに当接され、弾性部材の弁口に近接する一端は、サーモスタット又はガイドスリーブに当接されたガイドスリーブと、を更に含む。
【0028】
更に、サーモスタットは、互いに接続されたガイド軸及び制限軸を含み、制限軸はガイド軸から突出して設けられ、ガイドスリーブは互いに接続されたスリーブ及び制限環を含み、スリーブとガイド軸とは間隔をおいて設けられ、制限環にはガイド軸と整合される取り付け孔が設けられており、制限環は制限軸に当接され、弾性部材はガイド軸とスリーブとの間に位置する。
【0029】
更に、スリーブは、互いに接続された第1ガイドセグメント及び第2ガイドセグメントを有し、第2ガイドセグメントは制限環に接続され、第1ガイドセグメントは弁チャンバの内壁に密着され、第2ガイドセグメントと弁チャンバの内壁とは間隔をおいて設けられる。
【0030】
更に、第1ガイドセグメントと第2ガイドセグメントとの間には位置決めフランジが形成され、弾性部材は位置決めフランジに当接される。
【0031】
更に、第1ガイドセグメントの弁口から離れた一端には、ガイド面が設けられており、ガイド面は、ガイドスリーブの延在方向に対してプリセット角度をなして設けられ、ガイド面によってサーモスタットをガイドする。
【0032】
更に、第2ガイドセグメントには、流通貫通孔が設けられており、第2ガイドセグメントと弁チャンバの内壁との隙間は第1流通隙間を形成し、流通貫通孔は、ガイドスリーブの内部空洞と第1流通隙間とを連通し、制限軸と弁チャンバの内壁とは、第2流通隙間が形成されるように、間隔をおいて設けられ、ここで、ガイドスリーブの内部空洞、流通貫通孔、第1流通隙間及び第2流通隙間が第1通路を構成する。
【0033】
本出願の技術態様を適用すると、弁チャンバ及び弁口を有し、弁チャンバの側壁は制限面を有する弁座と、弁チャンバ内に移動可能に設けられて、弁口を開閉する弁芯と、弁チャンバ内に移動可能に設けられたサーモスタットであって、サーモスタットの一端は弁芯に係合され、サーモスタットは、制限面と止め係合された止め面を有し、止め面及び制限面は、いずれもサーモスタットの移動方向との間に夾角を有するサーモスタットと、サーモスタットの側壁と弁座の側壁との間に設けられた第1通路と、制限面と止め面との間に設けられ、第1通路と連通された第2通路であって、弁口が開けられた場合、弁口と連通される第2通路と、を含む凍結防止弁を提供する。使用時、流体が弁座の弁口から離れた一端から流れ込み、その後、順に第1通路及び第2通路に入り込み、弁口が開けられた場合、第2通路と弁口とが連通されて、流体が弁口から流れ出ることができる。上記の設置により、凍結防止弁の流れ通路の構造が比較的簡単になり、このようにして、流体のスムーズな流動を実現すると同時に、凍結防止弁全体の構造が簡単になり、加工が容易になる。制限面と止め面との間に第2通路を設けて、止め面と制限面とが止め係合するとき流体が依然として流れることができることを確保し、また、加工が容易になる。ここで、止め面と制限面との止め係合により、サーモスタットの移動方向において、サーモスタットを制限する作用を果たして、サーモスタットの移動範囲を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0035】
【
図1】本出願の実施例で提供される凍結防止弁の断面図を示す。
【
図5】
図1におけるサーモスタットの構造模式図を示す。
【
図6】
図5におけるサーモスタットの上面図を示す。
【
図7】
図1における別のサーモスタットの構造模式図を示す。
【
図8】
図7におけるサーモスタットの上面図を示す。
【
図11】
図1における凍結防止弁の弁口位置における部分拡大図を示す。
【
図12】
図1における弁座のサイズ表記模式図を示す。
【
図13】
図1における弁芯のサイズ表記模式図を示す。
【
図14】本出願の別の実施例で提供される凍結防止弁の構造模式図を示す。
【
図15】
図14におけるガイドスリーブのサイズ表記模式図を示す。
【
図20】本出願の別の実施例で提供される凍結防止弁の構造模式図を示す。
【
図22】
図20で提供される凍結防止弁における弁座の上面図を示す。
【
図23】
図20で提供される凍結防止弁の弁口が開けられる1つの方向の断面図を示す。
【
図24】
図20で提供される凍結防止弁の弁口が開けられるもう1つの方向の断面図を示す。
【0036】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁座、11 弁チャンバ、111 制限面、1111 凹溝、112 第1弁孔、113 第2弁孔、12 弁口、121 第1封止面、122 円柱面、13 縮径構造、
20 弁芯、21 止め軸、211 第2切欠き、22 芯軸、23 環状溝、24 第2封止面、25 ガイド面、26 遷移面、27 ガイド孔、28 組み立て孔、
30 サーモスタット、31 ガイド軸、32 制限軸、321 止め面、322 第1切欠き、33 駆動軸、331 駆動セグメント、332 プレッシャーロッド、333 ガイドセグメント、
41 第1通路、42 第2通路、
51 弾性部材、52 駆動バネ、
60 第3通路、61 第1サブ通路、62 第2サブ通路、
70 封止リング、
80 ガイドスリーブ、81 スリーブ、811 第1ガイドセグメント、812 第2ガイドセグメント、8121 流通貫通孔、82 制限環、83 ガイド傾斜面、84 位置決めフランジ、
90 制限部材、91 流通口。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭且つ完全に記述するが、記述される実施例は、単に本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下、少なくとも1つの例示的な実施例の記述は、実際には、単に説明的なものにすぎず、本出願及びその適用又は使用に対して何ら制限するものではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0038】
図1から
図10に示すように、本出願の実施例は、弁チャンバ11及び弁口12を有し、弁チャンバ11の側壁は制限面111を有する弁座10と、弁チャンバ11内に移動可能に設けられて、弁口12を開閉する弁芯20と、弁チャンバ11内に移動可能に設けられたサーモスタット30であって、サーモスタット30の一端は弁芯20に係合され、サーモスタット30は、制限面111と止め係合された止め面321を有し、止め面321及び制限面111は、いずれもサーモスタット30の移動方向との間に夾角を有するサーモスタット30と、サーモスタット30の側壁と弁座10の側壁との間に設けられた第1通路41と、制限面111と止め面321との間に設けられ、第1通路41と連通された第2通路42であって、弁口12が開けられた場合、弁口12と連通される第2通路42と、を含む凍結防止弁を提供する。
【0039】
上記の設置により、凍結防止弁の流れ通路の構造が比較的簡単になり、このようにして、流体のスムーズな流動を実現すると同時に、凍結防止弁全体の構造が簡単になり、加工が容易になる。制限面111と止め面321との間に第2通路42を設けて、止め面321と制限面111とが止め係合するとき流体が依然として流れることができることを確保し、また、加工が容易になる。ここで、止め面321と制限面111との止め係合により、サーモスタット30の移動方向において、サーモスタット30を制限する作用を果たして、サーモスタット30の移動範囲を制限することができる。
【0040】
選択的に、第2通路42は、サーモスタット30の止め面321に設けられてもよく、弁チャンバ11の制限面に設けられてもよい。ここで、止め面321、制限面111とサーモスタット30の移動方向との夾角は、90°にしてもよい。
【0041】
ここで、制限面111又は止め面321には、第2通路42を形成する凹溝1111を有する。制限面111及び止め面321には、いずれも凹溝1111を穿設してもよく、凹溝1111を穿設することにより、流体が制限面111と止め面321との間、即ち、第2通路42を円滑に通過するようにすることができる。本態様では、凹溝1111を2つ設けて、流体の流れのスムーズさを向上させる。
【0042】
具体的には、弁チャンバ11は、互いに連通された第1弁孔112及び第2弁孔113を含み、第1弁孔112の直径は第2弁孔113の直径より大きく、第1弁孔112と第2弁孔113との接続箇所には制限面111を有し、サーモスタット30は、順に接続されたガイド軸31、制限軸32及び駆動軸33を含み、制限軸32の径方向サイズは、ガイド軸31、駆動軸33の径方向サイズより大きく、ガイド軸31及び制限軸32は第1弁孔112内に設けられ、駆動軸33及び弁芯20は第2弁孔113内に設けられ、制限軸32は止め面321を有し、第1通路41は、制限軸32の側壁と第1弁孔112の内壁との間に位置する。
【0043】
上記の設置を採用すると、第1弁孔112と第2弁孔113との接続箇所の制限面111が、制限軸32における止め面321と制限係合して、サーモスタット30の移動範囲を制限することができる。ここで、第1弁孔112の直径を第2弁孔113の直径より大きくすることは、接続箇所で制限面111を形成できるようにするためであり、制限軸32の径方向サイズは、ガイド軸31、駆動軸33の径方向サイズより大きく、組み立て及び制限が容易になる。駆動軸33及び弁芯20を第2弁孔113内に設けることにより、駆動軸33と弁芯20との係合が容易になる。
【0044】
図5及び
図6に示すように、一態様において、制限軸32は円柱状であり、制限軸32の側壁と第1弁孔112の内壁とはクリアランスフィットされ、制限軸32の側壁と第1弁孔112の内壁との間の隙間は第1通路41を形成する。制限軸32を円柱状に設けて、第1弁孔112の内壁との係合が容易になる。制限軸32の側壁と第1弁孔112の内壁とがクリアランスフィットされるように設けて、隙間を残して流体が円滑に通過することを確保することができる。
【0045】
更に、制限軸32の側壁と第1弁孔112の内壁との間の隙間の値は0.1mm以上である。両者の隙間の値を上記の数値範囲内に限定して、流体が制限軸32の側壁と第1弁孔112の内壁との間の隙間を円滑に通過することを確保して、流体の流れが円滑でなく、ひいては詰まりが発生する問題を減少又は回避することができる。
【0046】
又は、
図7及び
図8に示すように、別の態様において、制限軸32の側壁は、第1通路41を形成する第1切欠き322を有する。制限軸32の側壁に第1切欠き322を設けて、流体が第1通路41を通過できることを確保するだけでなく、加工を容易にすることもできる。ここで、第1切欠き322を2つ設けて、流体の流れのスムーズさを向上させる。第1切欠き322は、加工時、制限軸32の一部の材料を取り除いて形成されるものと理解されてもよい。
【0047】
具体的には、凍結防止弁は、弁芯20の側壁と弁チャンバ11の側壁との間に位置し、第2通路42と連通された第3通路60であって、弁口12が開けられた場合、弁口12と連通される第3通路60を更に含む。本態様では、第3通路60と第2通路42とが連通されて、流体が第2通路42を通過してから第3通路60に入り込むことができることを確保する。弁口12が開けられたとき、第3通路60と弁口12とが連通され、即ち、流体が弁口12から流れ出ることができ、排水機能を実現する。
【0048】
ここで、弁芯20は、互いに接続された止め軸21及び芯軸22を含み、止め軸21の径方向サイズは芯軸22の径方向サイズより大きく、芯軸22は弁口12を開閉するために用いられ、凍結防止弁は、芯軸22に嵌合され、一端が止め軸21の端面に当接され、他端が弁チャンバ11の底壁に当接された駆動バネ52を更に含み、第3通路60は、互いに連通された第1サブ通路61及び第2サブ通路62を含み、第1サブ通路61は、止め軸21の側壁と弁チャンバ11の側壁との間に位置し、第2サブ通路62は、芯軸22の側壁と弁チャンバ11の側壁との間に位置する。
【0049】
本態様では、止め軸21の径方向サイズを芯軸22の径方向サイズより大きくなるように設けることで、止め軸21が駆動バネ52と制限係合することができて、駆動バネ52の弾性力が弁芯20に作用することができる。駆動バネ52を設けることにより、駆動バネ52の弾性力を弁芯20に作用させて、弁芯20を連動して移動させる。サーモスタット30が弁口12の一端に向かって移動するとき、弁芯20を押し動かして弁口12に向かって移動させて、駆動バネ52を圧縮し、弁芯20を弁口12に押し当てさせ、即ち、弁口12が閉め状態にあるようにし、サーモスタット30が弁口12から離れた一端に向かって移動するとき、駆動バネ52が圧縮状態にあるため、駆動バネ52の弾性力により弁芯20を押し動かして弁口12から離れた一端に向かって移動させ、即ち、弁口12が開状態にあるようにする。
【0050】
更に、止め軸21の側壁は、第1サブ通路61を形成する第2切欠き211を有する。止め軸21の側壁に第2切欠き211を設けて、流体が止め軸21を通過できることを確保するだけでなく、加工を容易にすることもできる。ここで、第2切欠き211を2つ設けて、流体の流れのスムーズさを向上させる。
【0051】
図1に示すように、凍結防止弁は、サーモスタット30に嵌合され、弁口12に近接する一端がサーモスタット30の段差面に当接された弾性部材51を更に含み、弁座10の弁口12から離れた一端は縮径構造13を有し、縮径構造13は、弾性部材51の弁口12から離れた一端に当接され、縮径構造13の開口と弁チャンバ11とは連通され、弾性部材51とサーモスタット30の外壁との間には、流体が通過する隙間を有する。弾性部材51の一端をサーモスタット30の段差面に当接させ、弁口12から離れた一端を縮径構造13に当接させることで、弾性部材51が飛び出ることを防止することができる。弾性部材51を設けることにより、サーモスタット30と弁芯20とが当接されるように、サーモスタット30に圧力を施すことができる。弾性部材51とサーモスタット30の外壁との間には、隙間が設けられており、流体が円滑に通過できることを確保する。縮径構造13における開口は、流体を流れ込ませるために用いられる。
【0052】
図11から
図13に示すように、弁口12はテーパ状の第1封止面121を有し、弁芯20は、環状溝23、テーパ状の第2封止面24及びテーパ状のガイド面25を有し、環状溝23は、第2封止面24とガイド面25との間に位置し、ガイド面25の大端直径Aは第2封止面24の小端直径Gより小さく、第2封止面24は、第1封止面121と制限係合するために用いられ、封止リング70は環状溝23内に設けられ、ここで、弁口12が閉められた場合、封止リング70は第1封止面121に当接される。
【0053】
この態様を採用すると、テーパ状のガイド面25を設け、且つガイド面25の大端直径Aを、第2封止面24の小端直径Gより小さくすることにより、弁芯20が弁口12を閉めるとき、ガイド面25が、先に、弁口12に入り込み、弁芯20の位置が正確に調整されてから、封止を行って、封止がより確実になることができるように、ガイド面25がガイド作用を果たすことができる。テーパ状の第1封止面121と第2封止面24とが制限係合するように設けることにより、弁口12の封止性を向上させることができる。弁口12が閉められたとき、封止リング70は第1封止面121に当接され、また、封止リング70は環状溝23の内壁に密着して、弁口12の封止性を向上させる。
【0054】
具体的には、弁口12は円柱面122を更に有し、円柱面122が取り囲んで形成されたチャンバと第1封止面121が取り囲んで形成されたチャンバとは連通され、ガイド面25の大端直径Aは円柱面122の直径Bより小さく、ここで、弁口12が閉められた場合、ガイド面25は円柱面122内に入り込む。円柱面122を設け、また、ガイド面25の大端直径Aを円柱面122の直径Bより小さくすることにより、ガイド面25を円柱面122中に円滑に入り込ませて、ガイド作用を果たすことができる。
【0055】
ここで、弁芯20は、ガイド面25と環状溝23との間に位置し、直径がガイド面25の大端直径Aと等しく、弁口12が閉められた場合、円柱面122内に入り込む円柱状の遷移面26を更に有する。遷移面26を円柱状に設け、また、遷移面26の直径をガイド面25の大端直径Aと等しくすることにより、弁口12が閉められたとき、遷移面26によってガイド作用を更に果たして、弁芯20が先に正しくガイドされてから、弁口12を封止させ、封止効果を確保することができる。
【0056】
具体的には、第1封止面121及び第2封止面24は、テーパ角が同じであり、弁口12が閉められた場合、第2封止面24と第1封止面121とは密着される。テーパ角の同じ第1封止面121及び第2封止面24を設けることで、弁口12が閉められたとき、第2封止面24と第1封止面121とを密着させて、弁口12の封止性を向上させることができる。
【0057】
具体的には、封止リング70は弾性材料から製造され、弁口12が開けられた場合、封止リング70の外径Eは、第1封止面121の小端直径Bより大きく且つ第1封止面121の大端直径Fより小さい。封止リング70を弾性材料製にし、また、封止リング70の外径Eを第1封止面121の小端直径Bより大きく且つ第1封止面121の大端直径Fより小さくすることで、弁口12が閉められたとき、封止リング70が押し付けられて弾性変形し、このようにして、封止リング70が第1封止面121に当接し且つ環状溝23の内壁に当接されるとともに、封止面積が大きくなり、弁口12の封止の緊密度を確保し、凍結防止弁の使用寿命を向上させることができる。
【0058】
ここで、第2封止面24の小端直径Gは、第1封止面121の小端直径Bより大きく且つ第1封止面121の大端直径Fより小さい。第2封止面24の小端直径Gを第1封止面121の小端直径Bより大きくなるように設けることで、第2封止面24が円柱面122中に入り込むことがなく、同時に、第2封止面24の小端直径Gを第1封止面121の大端直径Fより小さくなるように設けることで、第2封止面24と第1封止面121とが効果的に係合できるように確保し、弁口12の封止の安定性、確実性を向上させる。
【0059】
具体的には、ガイド面25の小端直径Cは、封止リング70の内径Dより小さい。このようにして、封止リング70がガイド面25を円滑に通過できるようにし、取り付けが容易になる。
【0060】
図14から
図19に示すように、本出願の実施例は、別の凍結防止弁を提供し、凍結防止弁は、上記の実施例のもとに、サーモスタット30に嵌合され、弁口12に近接する一端がサーモスタット30に当接されたガイドスリーブ80と、ガイドスリーブ80に嵌合され、弁口12に近接する一端がガイドスリーブ80又はサーモスタット30に当接された弾性部材51と、を更に含む。
【0061】
この態様を採用すると、ガイドスリーブ80をサーモスタット30に嵌合するように設け、弾性部材51をガイドスリーブ80に嵌合することにより、弾性部材51とサーモスタット30との間の比較的大きい隙間を解除し、ガイドスリーブ80がサーモスタット30及び弾性部材51をガイドすることができる。このようにして、組み立てるとき、ガイドスリーブ80のガイド及び制限作用により、弾性部材51の押圧力が不均一であることによりサーモスタット30にずれが発生する問題を減少又は回避して、サーモスタット30の作動の安定性を向上させることができる。ここで、ガイドスリーブ80の内壁はサーモスタット30の外壁に係合され、ガイドスリーブ80の外壁は弾性部材51の内壁に係合され、組み立てるときサーモスタット30に対する弾性部材の影響を減少させることができ、作動時の安定性、確実性を向上させる。
【0062】
具体的には、ガイドスリーブ80は、スリーブ81及びスリーブ81の一端に設けられた制限環82を含み、制限環82の外径はスリーブ81の外径より大きく、制限環82の一方側はサーモスタット30に当接され、弾性部材51はスリーブ81に嵌合され、弾性部材51の弁口12に近接する一端は制限環82の他方側に当接される。ガイドスリーブ80には、スリーブ81が設けられており、弾性部材51をスリーブ81に嵌合することで、弾性部材51がサーモスタット30に直接作用せず、サーモスタット30が作動するとき弾性部材51の影響を受けてずれが発生する問題を減少又は回避することができ、制限環82の設置により、弾性部材51と制限環82とを当接させることができ、このようにして、弾性部材51の弾性力が制限環82を介してサーモスタット30に施されて、サーモスタット30が弁芯20を押し付けるようにすることができる。
【0063】
ここで、弾性部材51はバネであり、スリーブ81の外径Hは弾性部材51の内径Iより小さい。本出願において、弾性部材51をバネとして設けることで、その弾性変形能力が大きく、復元能力が強くなり、スリーブ81の外径Hを弾性部材51の内径Iより小さくすることで、弾性部材51をスリーブ81に嵌合することが容易になり、且つ隙間を形成して流体を通過させることができる。
【0064】
更に、制限環82の外径Tは、弁チャンバ11の内径Vより小さい。このように設けることで、流体が通過するように、制限環82と弁チャンバ11の内壁との間に隙間を形成することを確保することができ、また、取り付けが容易になり、ガイドスリーブ80がサーモスタット30に伴って移動するとき止まることを回避する。
【0065】
具体的には、ガイドスリーブ80の弁口12から離れた一端には、ガイド傾斜面83を有する。ガイド傾斜面83を設けることにより、サーモスタット30が弁口から離れた一端に向かって移動するとき、事前に正しくガイドを行い、ガイドスリーブ80が弾性部材51の内輪に引っ掛かることを回避することができ、サーモスタット30の作動時の安定性を向上させる。
【0066】
具体的には、弁座10の弁口12から離れた一端は、縮径構造13を有し、縮径構造13は、弾性部材51の弁口12から離れた一端に当接される。縮径構造13を弾性部材51の一端に当接するように設けることにより、弾性部材51を制限する作用を果たして、弾性部材51が飛び出ることを防止することができる。本態様では、縮径構造13と弾性部材51とは、かしめの方式を採用して接続されてもよく、構造が安定、堅牢であり、組み立てが容易になる。
【0067】
かしめ組み立ての過程において、弾性部材51の押圧力は不均一であり、ガイドスリーブ80のガイドがないと、サーモスタット30が傾斜する可能性があり、サーモスタット30の上下運動の抵抗が大きくなって、動作が失敗する。ガイドスリーブ80を設けると、一方では、かしめるときサーモスタット30が偏心することを防止することができ、他方では、サーモスタット30が運動中に偏心することを防止することができ、サーモスタット30の運動の確実性が増加し、凍結防止弁の弁開閉時の動作がより柔軟になり、整合性がより良好になる。
【0068】
具体的には、サーモスタット30は、順に接続されたガイド軸31、制限軸32及び駆動軸33を含み、ここで、制限軸32の直径は、ガイド軸31、駆動軸33の直径より大きく、駆動軸33は弁芯20に係合され、ガイドスリーブ80はガイド軸31に嵌合され、ガイドスリーブ80の弁口12に近接する一端は制限軸32に当接される。ガイド軸31の設置により、ガイドスリーブ80をガイド軸31に嵌合させることが容易になる。制限軸32を設けることは、弁チャンバ11の内壁と軸方向において制限係合を行って、サーモスタット30の移動範囲を限定し、また、弾性部材51により施される弾性力に耐えられるようにするためである。駆動軸33を弁芯20と係合するように設けることにより、サーモスタット30が伸長するとき、弁芯20を駆動して移動させて、弁芯20が弁口12を閉めるようにすることができる。
【0069】
ここで、ガイドスリーブ80の内径Jはガイド軸31の外径Kより大きい。このように設けると、ガイドスリーブ80をガイド軸31に円滑に嵌合することが容易になる。
【0070】
更に、弁芯20はガイド孔27を有し、駆動軸33は、順に接続された駆動セグメント331、プレッシャーロッド332及びガイドセグメント333を含み、駆動セグメント331は制限軸32に接続され、プレッシャーロッド332、ガイドセグメント333及び駆動セグメント331の直径は順に大きくなっており、ここで、ガイドセグメント333はガイド孔27内に貫入され、ガイドセグメント333の外壁はガイド孔27の内壁に係合され、ガイドセグメント333の端面はガイド孔27の底壁に当接される。
【0071】
弁芯20には、ガイド孔27が設けられており、ガイドセグメント333に対してガイド作用を果たすことができる。上記の設置を採用すると、弁芯20が良好にガイドされたとき、サーモスタット30に対してガイド作用を果たすことができ、サーモスタット30が良好にガイドされたとき、弁芯20に対してガイド作用を果たすことができる。従って、弁芯20とサーモスタット30とは互いにガイド作用を果たすことができ、ガイドがより安定し確実になり、サーモスタット30の作動時の安定性を確保し、また、弁芯20が弁口12を閉めるときの封止性を向上させる。
【0072】
ここで、ガイド孔27の開口は面取りを有し、弁芯20は、ガイド孔27と連通された組み立て孔28を更に有し、組み立て孔28の直径はガイド孔27の直径より大きく、駆動セグメント331の外壁は、組み立て孔28の内壁に係合される。ガイド孔27の開口に面取りを設け、且つ組み立て孔28の直径をガイド孔27の直径より大きくすることにより、サーモスタット30と弁芯20との組み立てを容易にすることができる。また、駆動セグメント331の外壁が組み立て孔28の内壁に係合されることで、弁芯20及びサーモスタット30が互いにガイド作用を果たすようにすることもできる。
【0073】
図20から
図24に示すように、本出願の別の実施例において、凍結防止弁は、サーモスタット30に嵌合された弾性部材51と、サーモスタット30及び弾性部材51に嵌合されたガイドスリーブ80であって、ガイドスリーブ80は、弁チャンバ11の延在方向に沿って延在し、ガイドスリーブ80の少なくとも一部は、弁チャンバ11の内壁に密着され、ガイドスリーブ80の弁口12に近接する一端は、サーモスタット30に当接され、弾性部材51の弁口12に近接する一端は、サーモスタット30又はガイドスリーブ80に当接されたガイドスリーブ80と、を更に含む。
【0074】
この実施例において、ガイドスリーブ80をサーモスタット30及び弾性部材51に嵌合することで、即ち、サーモスタット30及び弾性部材51がいずれもガイドスリーブ80の内部空洞内に位置し、ガイドスリーブ80の少なくとも一部を弁チャンバ11の内壁に密着させることで、ガイドスリーブ80によってサーモスタット30の運動を効果的にガイドすることが容易になり、サーモスタット30が運動する過程でずれが発生することを回避し、サーモスタット30が上下運動するとき弁座10との同心度が良好になり、サーモスタット30の弁座10内における運動の確実性及び同軸度を改善して、弁芯20に対するサーモスタット30の位置決め作用を改善し、弁芯20が確実に上下運動することを確保し、よって、弁口12の封止の確実性を確保する。従って、本実施例で提供される凍結防止弁によって、従来技術における凍結防止弁の弁口12の封止の確実性が比較的悪いという技術課題を解決することができる。
【0075】
なお、本実施例における「ガイドスリーブ80の少なくとも一部は弁チャンバ11の内壁に密着される」とは、ガイドスリーブ80の少なくとも一部が弁チャンバ11の内壁に完全に密着されることを意味するのではなく、ガイドスリーブ80の少なくとも一部が弁チャンバ11の内壁との間に比較的小さい隙間を有してもよく、しかしながらこの比較的小さい隙間は、弁チャンバ11の内壁によってガイドスリーブ80の位置を弁チャンバ11の内壁の延在方向に沿ってガイドすることに影響を与えず、ガイドスリーブ80のガイドのスムーズさ及び安定性を効果的に確保する。
【0076】
本実施例において、サーモスタット30は、互いに接続されたガイド軸31及び制限軸32を含み、制限軸32はガイド軸31から突出して設けられ、ガイドスリーブ80は互いに接続されたスリーブ81及び制限環82を含み、スリーブ81とガイド軸31とは間隔をおいて設けられ、制限環82にはガイド軸31と整合される取り付け孔が設けられており、制限環82は制限軸32に当接され、弾性部材51は、ガイド軸31とスリーブ81との間に位置する。このような構造の設置を採用すると、制限環82と制限軸32との当接によって、制限環82と制限軸32との接触面積を増加させ、更には、ガイドスリーブ80に対する位置決めの安定性を効果的に向上させる。
【0077】
ここで、スリーブ81は、互いに接続された第1ガイドセグメント811及び第2ガイドセグメント812を有し、第2ガイドセグメント812は制限環82に接続され、第1ガイドセグメント811は弁チャンバ11の内壁に密着され、第2ガイドセグメント812と弁チャンバ11の内壁とは間隔をおいて設けられる。このような構造の設置を採用すると、第1ガイドセグメント811によってガイドスリーブ80に対するガイド安定性を向上させることを容易にすることができ、第2ガイドセグメント812と弁チャンバ11の内壁の回避によって、ガイドスリーブ80のガイド抵抗を減少させることを容易にすることができる。
【0078】
本実施例において、第1ガイドセグメント811と第2ガイドセグメント812との間に位置決めフランジ84が形成され、弾性部材51は、位置決めフランジ84に当接される。このような構造の設置を採用すると、弾性部材51が弁チャンバ11の延在方向に沿って圧縮又は伸長できるように、弾性部材51に対し効果的な位置決めを行うことを容易にすることができ、弾性部材51の作用の安定性を向上させる。具体的には、第1ガイドセグメント811と第2ガイドセグメント812との間に位置決めフランジ84が形成され、弾性部材51は、位置決めフランジ84に当接される。
【0079】
具体的には、第1ガイドセグメント811の弁口12から離れた一端には、ガイド傾斜面83が設けられており、ガイド傾斜面83は、ガイドスリーブ80の延在方向に対してプリセット角度をなして設けられ、ガイド傾斜面83によってサーモスタット30をガイドする。このような構造の設置を採用すると、ガイドスリーブ80から突出した弾性部材51がガイド傾斜面83のガイド作用下でガイドスリーブ80の内部空洞内まで円滑に圧縮されることが容易になって、弾性部材の作用の安定性を向上させることができる。
【0080】
本実施例において、第2ガイドセグメント812には、流通貫通孔8121が設けられており、第2ガイドセグメント812と弁チャンバ11の内壁との隙間は第1流通隙間を形成し、流通貫通孔8121は、ガイドスリーブ80の内部空洞と第1流通隙間とを連通し、制限軸32と弁チャンバ11の内壁とは、第2流通隙間が形成されるように、間隔をおいて設けられ、ここで、ガイドスリーブ80の内部空洞、流通貫通孔8121、第1流通隙間及び第2流通隙間が第1通路41を構成する。このような構造の設置を採用すると、凍結防止弁が稼働するとき、凍結防止弁が円滑に作動できるように、流体をガイドスリーブ80の内部空洞から弁口12に円滑に流れ込ませることができる。
【0081】
具体的には、弁座10の内壁に凹溝1111が設けられており、第2流通隙間は、凹溝1111を介して第3流通隙間と連通されてもよく、構造レイアウトを最適化することで、第2流通隙間と第3流通隙間とを流通させることが容易になり、流体が円滑に流動するようになる。
【0082】
具体的には、本実施例における弁芯20の外径と弁芯20との隙間は0.4mm以上である。このような構造の設置を採用すると、凍結防止弁の流れ能力を効果的に確保することができる。
【0083】
具体的には、本実施例における弁口12は、弁チャンバ11の一端に位置し、弁チャンバ11の他端は連通口であり、連通口には制限部材90が取り付けられており、制限部材90は連通口においてかしめられ、制限部材90には流通口91が設けられている。
【0084】
本実施例では、弾性部材51の連通口に近接する一端を制限部材90に当接させて、弾性部材51の作用の安定性を向上させることができる。又は、サーモスタット30が十分な伸縮空間を有することが容易になるように、サーモスタット30のガイド軸31を制限部材90の流通口91に移動可能に挿設する。又は、弾性部材51の連通口に近接する一端を制限部材90に当接させて、弾性部材51の作用の安定性を向上させ、サーモスタット30が十分な伸縮空間を有することが容易になるように、サーモスタット30のガイド軸31を制限部材90の流通口91に移動可能に挿設する。
【0085】
なお、ここでの「サーモスタット30のガイド軸31を制限部材90の流通口91に移動可能に挿設する」とは、サーモスタット30のガイド軸31を必ず制限部材90の流通口91に挿設することを意味するのではなく、サーモスタット30が温度変化により長さが変化したとき弾性部材51を圧縮して制限部材90の流通口91に挿設できることを意味する。
【0086】
本実施例の流体は、ガイドスリーブ80の内側、流通貫通孔8121、第1流通隙間、サーモスタット30と弁座10との間の2つの流通隙間、弁座10の凹溝1111、弁芯20の端面と弁座との間の隙間、弁口12を通過して、流体の流れを実現する。各箇所の流れ直径が十分に大きくて、流れ能力を確保し、凍結防止弁の開弁時の流れ能力Kv値を向上させ、排水能力を増加させることができる。確実なガイドを行うようにガイドスリーブ80を設けると同時に、流路を改善することで、ガイドにおいて、サーモスタット30と弁座10とのクリアランスフィットが不要となるため、サーモスタット30と弁座10との隙間を大きくして、流れ能力の大幅な向上を実現することができる。
【0087】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の趣旨及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
【国際調査報告】