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特表2024-531546ライダーの状態を監視するためのヘルメット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ライダーの状態を監視するためのヘルメット
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/30 20060101AFI20240822BHJP
   A42B 3/06 20060101ALI20240822BHJP
   A42B 3/12 20060101ALI20240822BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A42B3/30
A42B3/06
A42B3/12
A61B5/00 B
A61B5/00 102A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513972
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022042248
(87)【国際公開番号】W WO2023034445
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,845
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522366842
【氏名又は名称】ウエスタン パワー スポーツ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Western Power Sports, LLC
【住所又は居所原語表記】601 E. Gowen Road Boise, Idaho, 83716 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,マイケル ケー
(72)【発明者】
【氏名】ラスロップ,ジェレミー レン
【テーマコード(参考)】
3B107
4C117
【Fターム(参考)】
3B107CA02
3B107DA03
3B107EA06
3B107EA07
3B107EA19
4C117XA05
4C117XB01
4C117XC11
4C117XC16
4C117XD01
4C117XE13
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE30
4C117XE56
4C117XG04
4C117XQ13
(57)【要約】
本開示は、着用者の複数の状態を監視するためのヘルメットおよびその方法に関する。ヘルメットは、アウターシェル、インナーパッド構造体、複数のセンサ、電子デバイス、および1つまたは複数のインジケータを備える。複数のセンサは、着用者の複数のパラメータを検出し、第1信号セットを生成するように構成される。第1信号セットは、着用者の少なくとも1つの状態に対応する。電子デバイスは、第1信号セットに基づいて、1つまたは複数のインジケータによって示される第2信号セットを生成するように構成される。1つまたは複数のインジケータは、検出された着用者の状態を示すように構成される。このような通知により、追加の構成要素なしに、第三者または初期対応者が着用者の状態を知ることが容易になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の複数の状態を監視するためのヘルメットであって、
ヘルメットの外形を画定し、外面、内面、前部、後部、第1側部、および第2側部を備えるアウターシェルと、
内部に前記着用者の頭を受け入れるように構成され、インナーライナ、およびホルダを有するフォーム構造体、を備えるインナーパッド構造体と、
前記アウターシェル内に配置され、前記着用者に関連する複数のパラメータを検出するように構成され、さらに、検出された前記複数のパラメータのそれぞれに関連付けられて対応する第1信号セットを生成するように構成された複数のセンサと、
前記複数のセンサに通信可能に結合され、少なくとも処理ユニットおよびトランシーバを備える電子デバイスであって、前記インナーパッド構造体の前記ホルダ内に受け入れられるように構成されるとともに、前記複数のセンサから前記第1信号セットを受信するように構成され、さらに、前記着用者の複数の状態のうちの少なくとも1つを示す第2信号セットを生成するように構成される電子デバイスと、
前記電子デバイスと通信可能に結合され、前記電子デバイスから前記第2信号セットを受信するように構成され、さらに、前記着用者の前記複数の状態のそれぞれに関連付けられた対応する通知を生成するように構成された1つまたは複数のインジケータと、
を備える、ヘルメット。
【請求項2】
前記インナーパッド構造体は、前記アウターシェルの前記内面に隣接して配置されるように構成される請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
前記処理ユニットは、前記第1信号セットを分析して前記着用者の前記複数の状態のそれぞれに対応する前記第2信号セットを生成するように構成される請求項1に記載のヘルメット。
【請求項4】
前記ホルダは、前記インナーライナの後部の底部のボトムトリムに隣接して配置される請求項1に記載のヘルメット。
【請求項5】
前記ホルダはキャビティおよび閉鎖機構を備え、前記キャビティおよび前記閉鎖機構は、それらの中に前記電子デバイスを封入するように構成される請求項1に記載のヘルメット。
【請求項6】
前記閉鎖機構は、ドアおよび対応するフラップを備える請求項5に記載のヘルメット。
【請求項7】
前記ドアは、開き戸であり、前記アウターシェルにおける前記後部の底部に取り付けられた前記対応するフラップに取り付けられるように構成される請求項6に記載のヘルメット。
【請求項8】
前記電子デバイスは、少なくとも1つの視覚インジケータおよびI/Oインターフェースを有する第1面を備え、前記第1面は、前記ホルダ内に封入されたときに前記アウターシェルの前記内面に隣接して配置される請求項1に記載のヘルメット。
【請求項9】
前記アウターシェルは、前記後部の底部に第1開口および第2開口を備え、前記第1開口は、少なくとも1つの前記視覚インジケータに対応し、前記第2開口は、前記電子デバイスの前記I/Oインターフェースに対応する請求項8に記載のヘルメット。
【請求項10】
前記1つまたは複数のインジケータは、オーディオインジケータ、ビデオインジケータ、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される請求項1に記載のヘルメット。
【請求項11】
前記1つまたは複数のインジケータは、前記アウターシェルの前記外面に配置されるように構成される請求項1に記載のヘルメット。
【請求項12】
前記1つまたは複数のインジケータは、前記ヘルメットのボトムトリムに配置されるように構成される請求項1に記載のヘルメット。
【請求項13】
前記着用者とユーザデバイスを使用する第三者との通信ネットワークを介した通信を容易にするためのマイクロホンおよびスピーカを備える請求項1に記載のヘルメット。
【請求項14】
前記電子デバイスは、前記第1信号セットを記憶するメモリユニットを備え、記憶された前記第1信号セットは、I/Oインターフェースを使用して前記メモリユニットから読み出されるように構成される請求項1に記載のヘルメット。
【請求項15】
前記処理ユニットは、通信ネットワークを介して1つまたは複数のソースから第3信号セットを受信するように構成され、さらに、第4信号セットを生成するように構成され、前記第3信号セットは1つまたは複数の危険な周囲状態を示す請求項1に記載のヘルメット。
【請求項16】
前記1つまたは複数のインジケータは、前記第4信号セットを受信するように構成され、さらに、前記第4信号セットに対応する前記1つまたは複数の危険な周囲状態を示すように構成される請求項15に記載のヘルメット。
【請求項17】
前記1つまたは複数のソースは、第2人物の第2センサセット、前記着用者の経路上に配置された第3センサセット、前記電子デバイスと通信するユーザデバイス、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える請求項15に記載のヘルメット。
【請求項18】
さらに、前記アウターシェルの前記第1側部および前記第2側部のそれぞれの底部に配置されたあご紐を備え、前記あご紐は、前記着用者の対応するパラメータを検出するための前記複数のセンサのうちの1つまたは複数を備える請求項1に記載のヘルメット。
【請求項19】
ヘルメットを使用して着用者の複数の状態を監視するための方法であって、前記ヘルメットは、アウターシェル、インナーパッド構造体、複数のセンサ、1つまたは複数のインジケータ、ならびに処理ユニットおよびトランシーバを含む電子デバイス、を備え、この方法は、
前記複数のセンサを使用して前記着用者の1つまたは複数のパラメータを検出し、それによって第1信号セットを生成し、
前記電子デバイスによって前記第1信号セットを受信し、
前記電子デバイスによって前記第1信号セットを分析し、前記複数の状態のうちの前記着用者の状態を判定し、
前記着用者の判定された状態に対応する第2信号セットを前記電子デバイスによって生成し、
前記1つまたは複数のインジケータによって前記第2信号セットを受信し、
前記複数の状態のうち、前記着用者の検出された状態を前記1つまたは複数のインジケータで示すことを含む方法。
【請求項20】
前記処理ユニットは、前記着用者の前記複数の状態のそれぞれに対応する第2信号セットを生成するように構成される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記電子デバイスから通信ネットワークを介してユーザデバイスに前記第1信号セットを送信することを含む請求項19に記載の方法。
【請求項22】
1つまたは複数の危険な周囲状態を示す第3信号セットを前記電子デバイスによって1つまたは複数のソースから通信ネットワークを介して受信し、
前記電子デバイスによって前記第3信号セットに対応する第4信号セットを生成し、
前記1つまたは複数のインジケータによって前記第4信号セットを受信し、
前記第4信号セットに対応する前記検出された1つまたは複数の危険な周囲状態を前記1つまたは複数のインジケータで示すことを含む請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にヘルメットに関する。より具体的には、本開示は、着用者の1つまたは複数の状態を監視するためのヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に乗車する際に異なる保護具を使用することはよく知られている。着用者やライダーのさまざまな体の部分を保護するために、例えば、膝パッド、肘パッド、ヘルメット、胸部プロテクターなどが使用される。特にヘルメットは、事故の際に着用者の頭を保護するため、車に乗って道路を走行したり、さまざまなスポーツをしたりするときに非常に重要である。選ぶことのできるさまざまなタイプのヘルメットがある。たとえば、日常の旅行で自転車やオートバイに乗るときに使用されるヘルメットは、レースイベントやテクニカルなオフロードライディングなどのスポーツに使用されるヘルメットとは異なる設計になっている。スポーツに使用されるヘルメットは、レースイベント中の衝撃や衝突の場合に特別な保護を提供するように特別に設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スポーツイベントで使用されるヘルメットの設計には多くの開発があった。このような開発の例としては、事故時の衝撃や衝撃力を吸収するための異なる素材の使用、ヘルメットの形状、ヘルメット着用者の通気性などが挙げられる。しかし、そのようなヘルメットは、着用者のさまざまな状態を示すことができない。たとえば、着用者の生体認証データが所定の範囲内にあるかどうかは、外部との通信なしには判断できない。さらに、レースイベント中に事故が発生した場合、そのようなヘルメットは、着用者が受けた負傷のレベルを示すものではなく、また、事前に可能性のある行動を知り準備できるように、初期対応者に何らかの指示をするものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態において、本開示は、着用者の複数の状態を監視するためのヘルメットを示す。ヘルメットは、アウターシェル、インナーパッド構造体、複数のセンサ、電子デバイス、および1つまたは複数のインジケータを備える。アウターシェルは、ヘルメットの外形を画定し、外面、内面、前部、後部、第1側部、および第2側部を備える。インナーパッド構造体は、その中に着用者の頭を受け入れるように構成されている。インナーパッド構造体は、インナーライナおよびフォーム構造体を備える。フォーム構造体は、凹部などの電子機器ホルダを備える。複数のセンサは、アウターシェル内に配置され、着用者に関連する複数のパラメータを検出するように構成される。複数のセンサは、検出された複数のパラメータのそれぞれに関連付けられた対応する第1信号セットを生成する。
【0005】
電子デバイスは、複数のセンサに通信可能に結合され、少なくとも処理ユニットおよびトランシーバを備える。電子デバイスは、インナーパッド構造体のホルダ内に受け入れられるように構成される。電子デバイスは、複数のセンサから第1信号セットを受信するように構成され、さらに、着用者の複数の状態のうちの少なくとも1つを示す第2信号セットを生成するように構成される。1つまたは複数のインジケータは、電子デバイスに通信可能に結合される。1つまたは複数のインジケータは、電子デバイスから第2信号セットを受信するように構成され、さらに、着用者の複数の状態のそれぞれに関連付けられた対応する通知を生成するように構成されている。1つまたは複数のインジケータは、オーディオインジケータ、ビデオインジケータ、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、アウターシェル、インナーライナ、複数のセンサ、1つまたは複数のインジケータ、並びに処理ユニットおよびトランシーバを含む電子デバイス、を備えるヘルメットを使用して、着用者の複数の状態を監視する方法を含む。この方法は、複数のセンサを使用して着用者の1つまたは複数のパラメータを検出し、それによって第1信号セットを生成するステップを備える。第1パラメータセットは、電子デバイスに受信される。この方法は、さらに、電子デバイスによって第1信号セットを分析して複数の状態のうちの着用者の状態を判定し、電子デバイスによって第2信号セットを生成するステップを備える。第2信号セットは、着用者の判定された状態に対応する。第2信号セットは、1つまたは複数のインジケータによって受信される。この方法は、複数の状態のうち、検出された着用者の状態を、1つまたは複数のインジケータで示すステップを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示のより完全な理解は、図面と併せて検討した場合に詳細な説明および特許請求の範囲を参照することによって導き出されてもよい。図面全体を通じて同様の参照番号は同様の構成要素を指す。
図1図1は、本開示による着用者の複数の状態を監視するためのヘルメットの側面図を示す。
図2図2は、本開示による着用者の複数の状態を監視するためのヘルメットの斜視図を示す。
図3図3は、本開示による電子デバイスを有するヘルメットの例示的な背面図を示す。
図4図4は、本開示による電子デバイスを有するヘルメットの例示的な背面図を示す。
図5図5は、本開示による電子デバイスを有するヘルメットの例示的な背面図を示す。
図6図6は、本開示による電子デバイス用のホルダの例示的な断面図を示す。
図7図7は、本開示による電子デバイス用のホルダの例示的な断面図を示す。
図8図8は、本開示によるヘルメットの電子デバイスの例示的なブロック図を示す。
図9図9は、本開示による着用者の複数の状態を示すためのヘルメット上の1つまたは複数のインジケータの例示的な配置を示す。
図10図10は、本開示による着用者の複数の状態を示すためのヘルメット上の1つまたは複数のインジケータの例示的な配置を示す。
図11図11は、本開示による着用者の複数の状態を示すためのヘルメット上の1つまたは複数のインジケータの例示的な配置を示す。
図12図12は、本開示による着用者の複数の状態を示すためのヘルメット上の1つまたは複数のインジケータの例示的な配置を示す。
図13図13は、本開示によるヘルメットを使用して着用者の1つまたは複数の状態を監視するための例示的な方法を示す。
図14図14は、本開示による着用者の複数の状態を監視するための例示的なシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明は、本発明の例示的な実施形態のみを説明するものであり、本発明の範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図するものではない。むしろ、以下の説明は、本発明の様々な実施形態を実施するための便利な例示を提供することを意図している。明らかなように、本明細書に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に記載された構成要素の機能および配置に様々な変更を加えることができる。ここでの説明は、異なる形状、構成要素、取り付け機構などを有する代替構成の装置に適用することができ、依然として本発明の範囲内に含まれることを理解されたい。したがって、本明細書の詳細な説明は、例示のみを目的として提示されており、限定を目的とするものではない。
【0009】
本明細書における「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを示すことを意図している。本明細書の様々な場所に現れる「一実施形態において」または「実施形態」という語句は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。
【0010】
本開示の第1態様によれば、保護具の品目、例えば着用者の頭部を保護するためのヘルメットが開示される。明細書で使用される「着用者」という用語は、車両に乗り、本開示で開示されるヘルメットを着用するライダーに関する。したがって、「着用者」という用語は、本開示の範囲を妨げることなく、「ライダー」という用語と交換可能に使用される。ヘルメットは、レースイベントなどのスポーツイベントの際に使用される場合がある。本開示によるヘルメットは、組み立てられるさまざまな構成要素を備えていてもよいし、ヘルメットの一体部分であってもよい。ヘルメットは、レースイベントでの事故などの重大なイベント中および/またはその後の着用者の複数の状態を判定するために使用されてもよい。これに加えて、またはその代わりに、ヘルメットは、追加のツール/構成要素の助けを借りずに、イベントで着用者のさまざまな状態に関して初期対応者を示すために利用できる機能を含むことができる。
【0011】
図1および図2を参照すると、これらの図は、それぞれ、本開示によるヘルメット10の側面図および斜視図を示している。ヘルメット10は、その形状を画定するアウターシェル12を含む。アウターシェル12は、外面14、内面16、前部18、後部20、第1側部26、および第2側部28によって画定されてもよい。内面16は、外面14の反対側にある。いくつかの実施形態では、アウターシェル12は、異なる付属品に対して異なる装備を備えていてもよい。例えば、アウターシェル12は、その内部の空気循環を促進するための1つまたは複数の通気口を備えることができる。さらに、アウターシェル12の第1側部26および第2側部28は、ヘルメット10の着用者が前方の経路を視認しやすくするためにバイザーを取り付けるための装備を備えていてもよい。さらに、あご紐51(例えば、図4図5参照)は、着用者の頭にあるヘルメット10の支持およびより良好なフィットを提供するために、アウターシェル12の第1側部26および第2側部28のそれぞれの底部34に取り付けられてもよい。
【0012】
ヘルメット10は、インナーパッド構造体30を備える。インナーパッド構造体30は、アウターシェル12の形状に対応する形状を有するように構成でき、その中に着用者の頭を受け入れるように構成できる。インナーパッド構造体30は、インナーライナ32およびフォーム構造体38を備える。インナーライナ32は、アウターシェル12の内面16に隣接して配置されるように構成されてもよい。インナーライナ32は、アウターシェル12の内面16を実質的に覆ってもよい。したがって、インナーライナ32は、アウターシェル12と実質的に等しい形状を有することができる。いくつかの実施形態では、インナーライナ32は、独立気泡フォームなどの硬質の押しつぶし可能な材料で作製することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、インナーライナ32は、内部にフォーム構造体38を受け入れるための複数のチャネルを備えてもよい。あるいは、フォーム構造体38は、インナーライナ32のほぼ滑らかな内面に単に固定されてもよい。フォーム構造体38は、着用者に追加のクッション性および保護を提供するために追加のフォーム(連続気泡フォームなど)を備えてもよい。追加のフォームは、アウターシェル12内の異なる位置に配置されてもよい。例えば、フォームは、着用者の頬に対応する第1側面および第2側面においてインナーライナ32の内側に取り付けられてもよい。フォームは、着用者の首を支持するために、インナーライナ32の背部36に、かつアウターシェル12の底部34に隣接して配置されてもよい。インナーパッド層30は、ホルダ40を備える(例えば、図3図6参照)。ホルダ40は、ヘルメット10内の適切な位置に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ホルダ40は、フォーム構造体38内またはその下に配置されてもよい。好ましい実施形態では、ホルダ40は、インナーライナ32の背部36に形成されたポケット内に配置されてもよい。
【0014】
ヘルメット10は、着用者に関連する1つまたは複数のパラメータを検出するための複数のセンサ50(例えば、図2図4図5参照)をさらに備える。複数のセンサ50のそれぞれは、それぞれのパラメータを検出するように構成され、さらに、対応する信号を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、複数のパラメータは、着用者の生体認証データに関連付けることができる。任意選択として、または追加として、複数のセンサ50は、外部衝撃または外部振動など、着用者に影響を与える1つまたは複数の外部状態と関連付けることができる。複数のセンサ50の非限定的な例としては、温度センサ、心拍数センサ、VO測定センサ、O測定センサ、ハイドレーションセンサ、加速度センサなどが挙げられる。このようなセンサは、着用者の対応するパラメータ、または着用者の衝撃/運動イベントを検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、複数のセンサ50は、関連パラメータを連続的に検出するように構成され得る。他の実施形態では、複数のセンサは、所定の間隔で関連パラメータを検出するように構成され得る。
【0015】
複数のセンサ50は、アウターシェル12内の異なる位置に配置されてもよい。例えば、複数のセンサ50のうちの1つまたは複数は、ヘルメット10のあご紐51(例えば、図4図5参照)に配置されてもよい。いくつかのセンサは、衝撃または振動を検出するためにインナーライナ32内に配置され得る。したがって、複数のセンサ50は、例えばレースイベント中に、着用者に関連する複数のパラメータを検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、複数のパラメータは、所定の順序で連続的に検出され得る。他の実施形態では、複数のパラメータが同時に検出されてもよい。例えば、複数の加速度センサが加速度を同時に検出して、ユーザのヘルメット/頭の三次元の動き/加速度を判定することができる。さらなる実施形態では、衝撃イベントなどの特定のイベントに関して特定のパラメータが検出され得る。さらに、複数のセンサ50は、重要なイベントの後に着用者のパラメータを検出するように構成することができる。例えば、複数のセンサ50は、レースに勝った後または負けた後に着用者の心拍数を測定してもよい。さらに、事故の場合、複数のセンサ50は、衝撃力、衝撃直後の着用者の心拍数、衝撃後の着用者の呼吸数などのパラメータを測定することができる。
【0016】
測定されたパラメータは、重要なイベントの後の着用者の状態を分析するために使用され得る。したがって、第1パラメータセットは、重要なイベント中および/または重要なイベント後のヘルメット10の着用者のさまざまな状態を表す。着用者の複数の状態は、正常状態、過大状態、過小状態などから選択できる。正常状態は、複数の測定パラメータが対応する所定の範囲内にある状態ということができる。過大状態は、複数の測定パラメータが対応する所定の範囲を超えている状態ということができる。過小状態は、複数の測定パラメータが対応する所定の範囲を下回っている状態ということができる。複数の状態には、軽度の衝撃、中等度の衝撃、重度の衝撃などの衝撃または事故のレベルに関する着用者の状態がさらに含まれてもよい。
【0017】
複数のセンサ50は、検出されたパラメータに関連付けられた第1信号セットを生成するように構成されている。特に、複数のセンサ50のそれぞれは、第1信号セットに至る対応する信号を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1信号セットは、対応する検出されたパラメータを表す複数の信号であってもよい。したがって、第1信号セットは、着用者の検出された状態を示す。
【0018】
ヘルメット10は、電子デバイス52(例えば、図3図6図7参照)をさらに備える。電子デバイス52は、複数のセンサ50に通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、電子デバイス52は、有線接続を使用して複数のセンサ50に接続され得る。このような実施形態では、ワイヤは、内部に追加のフォームを受け入れるために使用されるインナーライナのチャネルを通過することができる。他の実施形態では、電子デバイス52は、例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))通信または近距離無線通信を使用して、複数のセンサ50に無線接続され得る。
【0019】
電子デバイス52は、図3図6に参照されるように、ヘルメット10の後部20の背部36でインナーパッド構造体30のホルダ40内に配置することができる。いくつかの実施形態では、電子デバイス52は、ホルダ40に挿入できるチップであってもよい。他の実施形態では、電子デバイス52は、ホルダ40に挿入できる箱に封入された小さな回路であってもよい。一実施形態では、ホルダ40は、ヘルメット10のボトムトリム66に隣接して配置される。ホルダ40は、キャビティ42および閉鎖機構44を備える。キャビティ42および閉鎖機構44は、その中に電子デバイス52を完全に封入するように構成される。いくつかの実施形態では、キャビティ42は、インナーライナ32の硬質フォーム内に彫り込まれてもよい。他の実施形態では、キャビティ42は、特定の材料で作製されてもよく、フォーム構造体38の追加のフォーム内に配置されてもよい。キャビティ42の開口部は、閉鎖機構44を使用して閉鎖されるように構成される。閉鎖機構44は、ドア46および対応するフラップ48を含む(例えば、図6図7参照)。ドア46は、ヒンジ付きドア46であってもよく、追加のフォームの剛性アウターサポートに取り付けられてもよい。ドア46は、閉位置と開位置とを得るように構成され得る。開位置(例えば、図6参照)では、キャビティ42は開いており、その中に電子デバイス52を受け入れることができる。電子デバイス52がキャビティ42内に配置されると、ドア46は閉位置を取り得、ドア46を閉位置(例えば、図7参照)に変えることによってキャビティ42が閉じられる。閉位置では、ドア46は対応するフラップ48と係合する。対応するフラップ48は、後部20の底部34においてアウターシェル12に取り付けることができる。
【0020】
図8には、本開示による電子デバイス52の例示的なブロック図が示されている。電子デバイス52は、処理ユニット54およびトランシーバ58を備える。電子デバイス52は、複数のセンサ50によって生成された第1信号セットを受信するように構成され、さらに、第2信号セットを生成するように構成され得る。より具体的には、電子デバイス52の処理ユニット54は、第2信号セットを生成するように構成され得る。電子デバイス52は、さらにI/Oインターフェース56およびメモリユニット60を含み得る。複数のセンサ50から受信される第1信号セットは、メモリユニット60に記憶され得る。メモリユニット60は、複数のセンサ50によって検出された複数のパラメータのそれぞれの閾値を記憶するようにさらに構成され得る。好ましい実施形態では、処理ユニット54は、検出された第1パラメータセットを受信し、検出されたパラメータを、対応する閾値と比較し、対応する第2信号セットを決定し得る。例えば、第2信号セットは、検出されたパラメータが対応する閾値を超える場合に生成されるように構成することができる。
【0021】
いくつかの例示的な実施形態では、電子デバイス52は、1つまたは複数の検出信号を生成するように構成され得る。1つまたは複数の検出信号は、対応するパラメータを検出するための複数のセンサ50への指示として機能することができる。いくつかの実施形態では、電子デバイス52は、複数のセンサ50に対して、対応するパラメータを検出するためのインスタンスを決定することができる。例えば、振動センサから激しい振動が検出された場合、処理ユニット54は、着用者の状態を判定するために着用者の心拍数や呼吸数などの対応するパラメータを検出するように他のセンサ、例えば心拍数センサまたは呼吸センサ、に指示する検出信号を生成することができる。
【0022】
電子デバイス52は、着用者の1つまたは複数の状態のそれぞれに対応する第2信号セットを生成するように構成されている。例えば、検出されたパラメータ、例えば着用者の心拍数および呼吸数、が対応する閾値と比較して大きい場合、過大状態と判定される。したがって、処理ユニット54は、着用者の複数の状態のそれぞれに対応する別個の第2信号セットを生成するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、電子デバイス52は、I/Oインターフェース56および少なくとも1つの視覚インジケータを有する第1面62を含み得る。I/Oインターフェース56は、読み出された第1パラメータセットの分析のために、メモリユニット60に記憶された第1信号セットを読み出すために使用され得る。このようなパラメータは、特定のレースイベントにおける着用者のパフォーマンスを判定するために分析されてもよい。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース56は、電子デバイス52のバッテリを充電するためにさらに使用され得る。電子デバイス52の第1面62上の少なくとも1つの視覚インジケータは、着用者の複数の状態のうちの少なくとも1つを表示するように構成され得る。I/Oインターフェース56および少なくとも1つのインジケータは、ヘルメット10のアウターシェル12の第1開口22および第2開口24(例えば、図5参照)を介して外部からアクセス可能であってもよい。第1開口22は、少なくとも1つの視覚インジケータに対応し、第2開口24は、I/Oインターフェース56に対応する。第1開口22は、電子デバイス52がホルダ40内に封入されている場合でも、外側から見える視覚インジケータによって表示される着用者の少なくとも1つの状態を表示するように構成される。同様に、アウターシェル12の第2開口24は、電子デバイス52がホルダ40に封入されている間、I/Oインターフェース56へのアクセスを容易にする。
【0024】
ヘルメット10は、さらに1つまたは複数のインジケータ64(例えば、図9図12参照)を備える。1つまたは複数のインジケータ64は、電子デバイス52によって生成された第2信号セットを受信するように構成され得る。したがって、1つまたは複数のインジケータ64は、受信された第2信号セットに基づいて、着用者の検出された状態を示すように構成され得る。1つまたは複数のインジケータ64は、複数のセンサ50によって個別に検出された着用者の複数の状態のそれぞれを示すように構成される。換言すると、複数の状態のそれぞれは、1つまたは複数のインジケータ64によって異なるように示される。1つまたは複数のインジケータ64が電子デバイス52から第2信号セットを受信すると、1つまたは複数のインジケータは、電子デバイス52によって、特に処理ユニット54によって制御される。換言すると、1つまたは複数のインジケータ64の動作モードは、電子デバイス52によって制御される。
【0025】
1つまたは複数のインジケータ64は、着用者の正常状態、過大状態、過小状態などの複数の状態のそれぞれを示すように構成される。さらに、1つまたは複数のインジケータ64は、さらに、軽度の衝撃、中等度の衝撃、重度の衝撃などの、衝撃または事故に関連する複数の状態を示す。着用者の検出された状態のそのような通知により、レースイベントの観戦者は、外部通信や追加の構成要素を必要とせずに、着用者の現在の状態を知ることが容易になる。さらに、このような通知は、衝撃や事故が発生した場合の初期対応者にとって非常に重要である。例えば、1つまたは複数のインジケータ64が中等度の衝撃の状態を示す場合、初期対応者はそれに応じて対応を準備することができる。重度の衝撃の状態の場合、初期対応者が最も効果的に対応できる可能性がある。衝突現場に到着した際に衝撃の重大度のレベルを知ることは、特に脳震盪、外傷性脳損傷(”TBI”)、およびC-脊椎損傷に関する初期対応者の身体的およびリスクの評価を大幅に加速することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、ヘルメット10は、さらに、アウターシェル12の外面14に取り付けられた第2インジケータを含み得る。いくつかの実施形態では、第2インジケータは、接着材を使用して外面14に取り付けられてもよい。任意選択で、第2インジケータは、外面14にエンボス加工されてもよい。第2インジケータは、初期対応者に対する警告標識であってもよい。たとえば、警告標識は、「重大な衝撃の状態が検出された場合はヘルメットを脱がさないでください」など、重大な衝撃が発生した場合の初期対応者への指示を示すものであってもよい。このような場合、初期対応者は、着用者の命を救うための、または長期的な健康への影響を軽減するための適切な行動を実行するための対応を行い得る。
【0027】
1つまたは複数のインジケータ64は、オーディオインジケータ、視覚インジケータ、またはそれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の視覚インジケータは、発光ダイオード(LED)または有機発光ダイオード(OLED)であってもよい。このような実施形態では、複数の状態は、LEDにて異なる色の光を示すことで感知され得る。たとえば、軽度の衝撃の場合、LEDは黄色の光を表示してもよい。中等度の衝撃の場合、LEDはオレンジ色の光を表示し、重度の衝撃の場合、LEDは赤色の光を表示してもよい。複数の状態を異なる色で表示することに加えて、複数の状態を表示するためにLEDの点滅の頻度も制御することができる。たとえば、正常状態を表示するために、LEDは第1所定間隔で点滅してもよい。過大状態を表示するために、LEDは第2所定間隔で点滅してもよい。第2所定間隔は、第1所定間隔と比較して短い。一実施形態では、LEDは赤色で継続的に点滅して重大な衝撃状態を表示してもよい。LEDの光の色および点滅の周波数は、電子デバイス52によって、より具体的には電子デバイス52の処理ユニット54によって制御され得ることに留意されたい。
【0028】
視覚インジケータの他の非限定的な例は、蛍光、白熱、生物発光などの特殊なタイプの材料である。視覚インジケータは、さらに、一定レベルの衝撃が与えられると、ある衝撃閾値が満たされたことを示すために物理的状態またはこれに対する色を変化させる相変化構造または材料を含むことができる。視覚インジケータは、例えば衝撃を受けると飛び出すポップアップデバイスであってもよい。オーディオインジケータは、着用者だけがアナウンスを聞くことができるようにアナウンスを行うことができるスピーカであってもよい。
【0029】
1つまたは複数のインジケータ64は、ヘルメット10のアウターシェル12の異なる位置に配置されてもよい。図9図12は、1つまたは複数のインジケータ64が配置され得るアウターシェル12の異なる例示的な位置を示す。例えば、1つまたは複数のインジケータ64は、アウターシェル12の前部18および後部20に配置され得る(例えば、それぞれ図2図9参照)。1つまたは複数のインジケータ64は、アウターシェル12の第1側部26および第2側部28に配置され得る(例えば、図2参照)。1つまたは複数のインジケータは、さらに、ヘルメット10の底部トリム66に配置されてもよい(例えば、図10参照)。1つまたは複数のインジケータ64は、図11図12に示すように、ヘルメット10の底部トリム66に配置できるLEDストリップの形態であってもよい。1つまたは複数のインジケータ64は、1つまたは複数のインジケータが第三者または初期対応者に容易に見え、ライダー/着用者の検出された状態が第三者または初期対応者によって容易に判断され得るように配置されることに留意されたい。さらに、図9図12は、例示の目的で、1つまたは複数のインジケータとしてLEDを示すことに留意されたい。先に説明した他のインジケータを使用して、LEDと同じ効果を提供してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ヘルメット10は、さらに、アウターシェル12の外面14に配置された1つまたは複数の近接センサを備えてもよい。このような近接センサは、レースイベントにおいて別のライダーが近くにいるか否かを検出することができる。別のライダーが近くにいる場合、近接センサは、対応する第1信号セットを生成する。電子デバイス52は、第1信号セットを受信し、対応する第2信号セットを生成するところ、これは、ヘルメット10の底部トリム66に配置された1つまたは複数のインジケータ64、例えばLED/LEDストリップ、によって表示され得る。このような実施形態では、LED/LEDストリップによって射出される光は、着用者の肩にて反射され得る。このような反射は、着用者の頭の動きを無視しやすくし、近くのライダーに関して着用者に容易に警告することができる。したがって、着用者は、近くのライダーとの衝突の可能性を回避するために、対応する車両の進路を変更することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、電子デバイス52は、通信ネットワーク68を介して1つまたは複数のソースから第3信号セットを受信するように構成され得る。第3信号セットは、着用者/ライダーの進路上の1つまたは複数の危険な周囲状態を示してもよい。たとえば、進路上に転倒したライダーがいる可能性がある。ヘルメット10の外部にある1つまたは複数のソースは、そのような第3信号セットをヘルメット10に送信してもよい。いくつかの実施形態では、別のヘルメット10の別の着用者に関連付けられた複数のセンサは、ライダーが転倒した場合に、1つまたは複数の信号を送信してもよい。任意選択で、着用者/ライダーの進路上に配置されたセンサは、ライダーの前方の進路上の障害物を示してもよい。
【0032】
ヘルメット10の電子デバイス52は、そのような第3信号セットを受信し、対応する第4信号セットを生成してもよい。生成された第4信号セットは、1つまたは複数のインジケータ64に送信され得る。1つまたは複数のインジケータ64は、受信した第4信号セットに基づいて、1つまたは複数の危険な周囲状態を示す。一実施形態では、1つまたは複数のインジケータ64は、1つまたは複数の危険な周囲状態のそれぞれを示すように構成され得る。
【0033】
さらなる実施形態では、ヘルメット10は、通信ネットワークを使用して第三者と通信するためのマイクロフォンおよびスピーカを備えてもよい。このような実施形態では、第三者は、転倒したライダーまたは進路上の他の障害物または他の乗車指示について、着用者に通信ネットワークを使用して知らせることができる。着用者は、スピーカーを通じて通知を受け取ることができる。このような実施形態では、スピーカは、通知が着用者にのみ聞こえるようにヘルメット10内に配置することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、ヘルメット10は、そのアウターシェル12の後部20に配置されたカメラをさらに備える。カメラは、複数の画像またはビデオを取り込むように構成され得る。取り込まれた複数の画像またはビデオは、着用者に表示させてもよい。このような実施形態では、取り込まれた画像またはビデオは、ヘルメット10のバイザー上に部分的に表示されてもよい。任意選択で、取り込まれた画像またはビデオは、ヘルメット10の適切な位置に取り付けられた別個のスクリーン上に表示されてもよい。取り込まれた画像またはビデオは、さらに、着用者の対応する車両のステアリングまたはハンドルに取り付けられたスクリーン上に表示されてもよい。
【0035】
本開示の第2態様によれば、ヘルメット10を使用して着用者の複数の状態を監視する方法が開示される。図13は、本開示による例示的な方法を示す。本方法は、先に開示されたヘルメット10を使用して実行されることに留意されたい。したがって、ヘルメット10のすべての構成要素は、本方法を実行する際に含まれ、使用される。したがって、ヘルメット10は、アウターシェル12、インナーパッド構造体30、複数のセンサ50、1つまたは複数のインジケータ64、および電子デバイス52を含む。複数のセンサ50は、電子デバイス52と通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、複数のセンサ50は、電子デバイス52と有線接続され得る。任意選択で、複数のセンサ50は、電子デバイス52と無線接続され得る。電子デバイス52は、有線接続または無線接続で1つまたは複数のインジケータ64と結合され得る。
【0036】
本方法は、複数のセンサ50がヘルメット10の着用者の1つまたは複数のパラメータを検出するステップ102から開始することができる。いくつかの実施形態では、複数のパラメータは、着用者の生体認証データに関連付けることができる。任意選択として、または追加として、複数のセンサ50は、外部衝撃または外部振動など、着用者に影響を与える1つまたは複数の外部状態と関連付けることができる。複数のセンサ50の非限定的な例としては、温度センサ、心拍数センサ、VO測定センサ、O測定センサ、ハイドレーションセンサ、加速度センサなどが挙げられる。複数のセンサ50は、検出された複数のパラメータに基づいて第1パラメータセットを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1パラメータセットは、検出された複数のパラメータの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、複数のセンサ50は、複数のパラメータを連続的に検出するように構成され得る。任意選択で、複数のセンサ50は、所定の間隔で複数のパラメータを検出してもよい。
【0037】
ステップ104において、電子デバイス52は、第1パラメータセットを受信するように構成され得る。前述したように、電子デバイス52は、第1信号セットを受信するために有線接続または無線接続されていてもよい。一実施形態では、電子デバイス52は、複数のセンサ50が関連パラメータを検出するためのインスタンスを決定することができる。例えば、振動センサからの激しい振動が検出された場合、処理ユニット54は、心拍数センサや呼吸センサなどの他のセンサに対して、着用者の状態を判定するために、心拍数や呼吸数などの着用者の対応するパラメータを検出するように指示する検出信号を生成してもよい。
【0038】
ステップ106において、受信した第1信号セットは電子デバイス52によって分析され得る。より具体的には、電子デバイス52の処理ユニット54は、受信した第1信号セットを分析し得る。電子デバイス52は、メモリユニット60を備えていてもよい。メモリユニット60は、複数のパラメータのそれぞれの所定の閾値を記憶するように構成され得る。分析するステップにおいて、処理ユニット54は、受信した第1信号セットを所定の閾値と比較してもよい。このような比較においては、検出されたパラメータが指定された制限内にあるか否かを判定してもよい。指定された制限は、パラメーターの標準的な制限であってもよい。
【0039】
ステップ108において、電子デバイス52は、第1信号セットに基づいて第2信号セットを生成してもよい。第2信号セットは、着用者の状態を示し得る。上記で説明したように、1つまたは複数の状態は、正常状態、過大状態、過小状態などの着用者の身体状態を指していてもよい。複数の状態は、さらに、軽度の衝撃、中等度の衝撃、重度の衝撃などの、衝撃または事故のレベルに関する着用者の状態を含んでいてもよい。電子デバイス52は、着用者の複数の状態のそれぞれに対応する第2信号セットを生成するように構成され得る。電子デバイス52は、生成された第2信号セットが1つまたは複数のインジケータ64によって示されるように、第2信号セットを生成してもよい。したがって、1つまたは複数のインジケータ64は、着用者の複数の状態のそれぞれを示すように構成される。
【0040】
ステップ110において、生成された第2信号セットは、1つまたは複数のインジケータ64によって受信される。1つまたは複数のインジケータ64は、電子デバイス52と有線接続または無線接続を有し得ることに留意されたい。ステップ112において、1つまたは複数のインジケータ64は、着用者の検出された状態を示す第2信号セットを示すように構成され得る。電子デバイス52は、着用者の複数の状態のそれぞれについて第2の信号セットを生成するように構成されているため、1つまたは複数のインジケータ64は、着用者の複数の状態のそれぞれを示すように構成され得る。
【0041】
本方法は、さらに、通信ネットワークを介して第1信号セットをユーザデバイスに送信するステップを含む。送信された第1信号セットは、ユーザデバイスで分析され得る。このような分析は、着用者のパフォーマンスを判定するために使用され得る。たとえば、着用者は、レースイベント中の特定の状態に応じて、過大状態または過小状態を示す場合がある。特定の状態下で検出されたパラメータは、将来のレースイベントでより良いパフォーマンスを発揮できるようにライダーをトレーニングするために使用されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、本方法は、ヘルメット10の外部にある1つまたは複数のソースから第3信号セットを受信するステップを備えていてもよい。第3信号セットは、1つまたは複数の危険な周囲状態に対応してもよい。危険な周囲状態の非限定的な例としては、着用者の進路上にある転倒したライダー、着用者の進路上にある何らかの障害物などが挙げられる。第3信号セットは、1つまたは複数のソースから受信してもよく、ソースは、第2人物の第2センサセット、着用者の経路上に配置された第3センサセット、電子デバイス52と通信するユーザデバイス、およびそれらの組み合わせを含む。本方法は、電子デバイス52によって第3信号セットに対応する第4信号セットを生成し、1つまたは複数のインジケータ64によって第4信号セットを受信し、第4信号セットに対応する検出された危険な周囲状態を1つまたは複数のインジケータ64で示すステップをさらに備えることができる。したがって、着用者は、危険な周囲状態を事前に知り、危険な周囲状態を回避/迂回するために進行方向を変えることができる。
【0043】
本開示の第3態様によれば、ヘルメット10の着用者の1つまたは複数の状態を監視するためのシステム90が開示される。本開示による例示的なシステム90が図14に示される。システム90は、先に開示したように、1つまたは複数のユーザデバイス70、通信ネットワーク68、およびヘルメット10を含むことができる。先に説明したように、車両に乗るライダーは、本開示のヘルメット10を着用することができる。ヘルメット10は、複数のセンサ50、電子デバイス52、および1つまたは複数のインジケータ64を含む。複数のセンサ50は、着用者/ライダーの複数のパラメータを検出するように構成され得る。検出された複数のパラメータは、着用者の1つまたは複数の状態のうちの少なくとも1つの状態を示し得る。先に説明したように、着用者の1つまたは複数の状態には、正常状態、過大状態、過小状態が含まれ得るとともに、軽度の衝撃、中等度の衝撃、重度の衝撃などの衝撃または事故のレベルに関する着用者の状態が含まれ得る。
【0044】
複数のセンサ50は、検出されたパラメータに対応する第1信号セットを生成するようにさらに構成され得る。電子デバイス52は、第1信号セットを受信するように構成されてもよく、また、第2信号セットを生成してもよい。第2信号セットは、着用者の1つまたは複数の状態を示すために、1つまたは複数のインジケータ64によって受信され得る。第1信号セットは、通信ネットワーク68を使用して1つまたは複数のユーザデバイス70に送信され得る。1つまたは複数のユーザデバイス70は、受信した第1信号セットを分析して、レースイベント中の着用者/ライダーのパフォーマンスを判定してもよい。1つまたは複数のユーザデバイス70のいくつかの非限定的な例としては、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートTV、スマートウェアラブルデバイス、ラップトップコンピュータなどがある。
【0045】
いくつかの実施形態では、システム90は、1つまたは複数のユーザデバイス70に接続されたデータベース80をさらに備えることができる。第1信号セットは、データベース80に格納することができる。データベース80は、1つまたは複数のユーザデバイス70によって実行された分析を内部に格納するようにさらに構成され得る。保存された第1信号セットおよび対応する分析は、データベース80から取得され得る。1つまたは複数のデバイスは、通信ネットワーク68を使用してデータベース80に接続され得る。通信ネットワーク68は、有線または無線ネットワークであり得る。通信ネットワーク68のいくつかの非限定的な例としては、インターネット、イントラネット、PSTN、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などが挙げられる。
【0046】
明細書に記載されるさまざまな値およびパラメータは、本質的に例示的なものであり、いかなる形でも明細書を拘束することを意図したものではないことに留意されたい。
【0047】
さらに、本開示は、レースイベントにおける着用者のヘルメットに関して説明したが、ヘルメットの使用が必要な他の異なる種類のイベントにも適用可能であることに留意されたい。
【0048】
最後に、様々な例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に対して多くの変更、組み合わせ、および修正を行うことができる。たとえば、さまざまな構成要素を別の方法で実装することもできる。これらの代替案は、特定の用途に応じて、またはデバイスの動作に関連する任意の数の要因を考慮して、適切に選択することができる。さらに、本明細書で説明される技術は、他のタイプのデバイスで使用するために拡張または修正されてもよい。これらおよび他の変更または修正は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】