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特表2024-531552凝縮管理を有するエアロゾル発生システムマウスピース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】凝縮管理を有するエアロゾル発生システムマウスピース
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20240822BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240822BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20240822BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
A24F40/57
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514031
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 EP2022074094
(87)【国際公開番号】W WO2023031204
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】21194341.0
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ペン チェン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC06
4B162AC22
4B162AC34
4B162AC41
4B162AC50
4B162AD06
4B162AD23
(57)【要約】
本発明は、主要ユニット(40)と交換可能なマウスピース(10)とを備えるエアロゾル発生システムに関する。主要ユニットは、エアロゾル形成基体を加熱するための主発熱体(52)を備える。マウスピースは気流経路および補助発熱体(12)を備える。主発熱体および補助発熱体は、別個に制御可能であるように構成される。エアロゾル発生システムは、温度センサーおよび補助発熱体と電気的に接続されたコントローラ(72)をさらに備える。コントローラは、温度センサーによって感知された温度に依存して、補助発熱体を起動するように構成される。本発明は、エアロゾル発生システム用のマウスピースにさらに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要ユニットとマウスピースとを備えるエアロゾル発生システムであって、
前記主要ユニットが、
エアロゾル形成基体を加熱するための主発熱体を備え、
前記マウスピースが、
気流経路および補助発熱体を備え、
前記主発熱体および前記補助発熱体が、別個に制御可能であるように構成されていて、かつ前記エアロゾル発生システムが、
温度センサーと、
前記温度センサーおよび前記補助発熱体と電気的に接続されたコントローラと、をさらに備え、
前記コントローラが、前記温度センサーによって感知された温度に依存して、前記補助発熱体を起動するように構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記マウスピースが交換可能である、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記補助発熱体が、前記マウスピースの前記気流経路の少なくとも一部分を加熱するために構成されていて、好ましくは前記補助発熱体が前記マウスピースの前記気流経路内に位置する、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記補助発熱体が抵抗発熱体である、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記温度センサーが周囲温度センサーである、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記マウスピースが、前記マウスピースの前記気流経路に配設された案内部材を備え、前記案内部材が、前記気流から凝縮された液体成分を主発熱体に向かう方向に案内するように構成されている、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記案内部材の表面が疎水性材料を含む、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記案内部材が円錐形状であり、前記円錐形状の案内部材の先端が、前記主発熱体に向かう方向に面する、請求項6または請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記案内部材が円錐形状であり、前記円錐形状の案内部材の長軸方向軸が、前記エアロゾル発生システムの長軸方向軸と平行に配設されていて、前記円錐形状の案内部材の基部が、前記エアロゾル発生システムの近位端に向かって方向付けられていて、前記円錐形状の案内部材が中空であり、前記マウスピースの前記気流経路を前記中空の円錐形状案内部材内に配設された下流気流チャンバーと、前記中空の円錐形状案内部材を囲む上流気流チャンバーとに分割する、請求項6~8のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記中空の円錐形状案内部材が、前記上流気流チャンバーと前記下流気流チャンバーを流体接続するように配設された一つ以上の開口を備える、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記中空の円錐形状案内部材の前記基部が、気流出口ポートとして構成された開口を備える、請求項9または請求項10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記補助発熱体が前記上流気流チャンバー内に配設されている、請求項9~11のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記主要ユニットが、液体エアロゾル形成基体を含む液体貯蔵部分を備え、前記主発熱体が、前記液体エアロゾル形成基体を加熱するために構成されている、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生システム用のマウスピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエアロゾル発生システムに関する。本開示はエアロゾル発生システム用のマウスピースにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうしたシステムは、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成成分が揮発する温度にエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル発生システムまたは装置において、液体エアロゾル形成基体は液体貯蔵部分から電気発熱体に送達されうる。目標温度まで加熱されるのに伴い、エアロゾル発生基体は気化してエアロゾルを形成する。液体基体は、毛細管構成要素を介して発熱体に送達されてもよい。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を含む交換可能または再充填可能なカートリッジとして形成されてもよい。カートリッジは、エアロゾル発生のために液体エアロゾル形成基体を装置に供給するために、エアロゾル発生装置に取り付けられてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル発生システムが低温環境でユーザーによって使用される時に、マウスピースは不快なほどに低温になりうる。さらに、液体エアロゾル形成基体を気化させることによって発生されたエアロゾルは、気流経路の側壁で凝縮しうる。これは、低温環境で特に該当しうる。従って、エアロゾル発生装置のマウスピースの中にヒーターを提供することが望ましいであろう。
【0004】
ヒーターの下流の気流経路中の気化したエアロゾル形成基体の凝縮を低減しうるエアロゾル発生システムを提供することが望ましいであろう。凝縮したエアロゾル液滴をヒーターの下流の位置からヒーターに向かって戻るように案内しうるエアロゾル発生システムを提供することが望ましいであろう。周囲温度と無関係に、快適な温かいマウスピースを有するエアロゾル発生システムを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは、主要ユニットおよびマウスピースを備えてもよい。主要ユニットは、エアロゾル形成基体を加熱するための主発熱体を備えてもよい。マウスピースは気流経路および補助発熱体を備えてもよい。
【0006】
本発明の一実施形態によると、主要ユニットとマウスピースとを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。主要ユニットは、エアロゾル形成基体を加熱するための主発熱体を備える。マウスピースは気流経路および補助発熱体を備える。
【0007】
マウスピースの補助発熱体を提供することによって、ヒーターの下流の気流経路中の気化したエアロゾル形成基体の凝縮を低減しうるエアロゾル発生システムが提供されてもよい。マウスピースの補助発熱体を提供することによって、凝縮したエアロゾル液滴をヒーターの下流の位置からヒーターに向かって戻るように案内しうるエアロゾル発生システムが提供されてもよい。マウスピースの補助発熱体を提供することによって、周囲温度と無関係に、快適な温かいマウスピースを有するエアロゾル発生システムも提供されてもよい。
【0008】
マウスピースは交換可能であってもよい。交換可能なマウスピースは使い捨て品であってもよい。マウスピースは再使用可能であってもよい。
【0009】
補助発熱体は、マウスピースの気流経路の少なくとも一部分を加熱するために構成されてもよい。補助発熱体はマウスピースの気流経路内に位置してもよい。マウスピースは膨張チャンバーを備えてもよい。補助発熱体は膨張チャンバーに位置してもよい。マウスピースは均質化チャンバーを備えてもよい。補助発熱体は均質化チャンバーに位置してもよい。
【0010】
補助発熱体は抵抗発熱体であってもよい。
【0011】
主発熱体および補助発熱体は、別個に制御可能であるように構成されてもよい。
【0012】
エアロゾル発生システムは、少なくとも一つの温度センサーを備えてもよい。エアロゾル発生システムは、温度センサーおよび補助発熱体と電気的に接続されたコントローラをさらに備えてもよい。コントローラは、温度センサーによって感知された温度に依存して、補助発熱体を起動するように構成されてもよい。
【0013】
温度センサーは周囲温度センサーであってもよい。コントローラは、周囲温度センサーから受信した温度情報に依存して、補助発熱体を起動または停止するように構成されてもよい。例えば、低温環境において、コントローラは補助発熱体を起動してもよい。例えば、温かい環境において、コントローラは補助発熱体を停止してもよい。
【0014】
温度センサーは、マウスピースの気流経路内に位置してもよい。コントローラは、マウスピースの気流経路内に位置する温度センサーから受信した温度情報に依存して、補助発熱体を起動または停止するように構成されてもよい。例えば、低温環境において、低温の周囲空気は気流経路の中に引き出されてもよい。センサーは、気流経路内の望ましくない冷たい気流を測定してもよく、コントローラは補助発熱体を起動してもよい。補助発熱体の作用に起因して、または周囲温度の上昇に起因して、気流経路内の気流が所望の温度まで加熱されるのを気流経路内のセンサーが測定する時に、コントローラは補助発熱体をオフにしてもよい。
【0015】
エアロゾル発生システムは、主発熱体の温度を測定するための主発熱体温度センサーと、補助発熱体の温度を測定するための補助発熱体温度センサーとのうちの一方または両方を備えてもよい。主発熱体温度センサーは、主発熱体に、またはその近くに位置してもよい。主発熱体温度センサーは、主発熱体の温度依存性抵抗率に基づいて、主発熱体の温度を推定するように構成されてもよい。補助発熱体温度センサーは、補助発熱体に、またはその近くに位置してもよい。補助発熱体温度センサーは、補助発熱体の温度依存性抵抗率に基づいて、主発熱体の温度を推定するように構成されてもよい。
【0016】
コントローラは、主発熱体温度センサーによって導出されたデータに基づいて、主発熱体の温度プロファイルを制御するように構成されてもよい。コントローラは、補助発熱体温度センサーによって導出されたデータに基づいて、補助発熱体の温度プロファイルを制御するように構成されてもよい。
【0017】
エアロゾル発生システムは、補助発熱体と電気的に接続されたコントローラを備えてもよく、コントローラは外部データソースと通信している。コントローラは、外部データソースから受信した温度情報に依存して、補助発熱体を起動または停止するように構成されてもよい。
【0018】
マウスピースは、マウスピースの気流経路に配設された案内部材を備えてもよい。案内部材は、気流から凝縮した液体成分を主発熱体に向かう方向に案内するように構成されてもよい。
【0019】
案内部材の表面は疎水性材料を含んでもよい。
【0020】
案内部材は円錐形状であってもよい。円錐形状の案内部材の先端は、主発熱体に向かう方向に面してもよい。
【0021】
円錐形状の案内部材の長軸方向軸は、エアロゾル発生システムの長軸方向軸と平行に配設されてもよく、円錐形状の案内部材の基部は、エアロゾル発生システムの近位端に向かって方向付けられてもよい。
【0022】
円錐形状の案内部材は中空であってもよく、マウスピースの気流経路を、中空の円錐形状案内部材内に配設された下流気流チャンバーと、中空の円錐形状案内部材を囲む上流気流チャンバーとに分割してもよい。
【0023】
中空の円錐形状案内部材は、上流気流チャンバーと下流気流チャンバーを流体接続するように配設された一つ以上の開口を備えてもよい。開口は、中空の円錐形状案内部材上に不規則に配設されてもよい。これは追加的に、中空の円錐形状案内部材内の気流の乱流を改善してもよい。
【0024】
中空の円錐形状案内部材の基部(最も広い部分)は、気流出口ポートとして構成された開口を備えてもよい。
【0025】
補助発熱体は上流気流チャンバー内に配設されてもよい。上流気流チャンバーは均質化チャンバーであってもよい。下流気流チャンバーは均質化チャンバーであってもよい。上流気流チャンバーと下流気流チャンバーの両方が、均質化チャンバーであってもよい。
【0026】
均質化チャンバーは、気化の初期事象後のエアロゾルの発達を支援しうる。均質化チャンバーは、乱気流を作り出すのを支援しうる。エアロゾル中の揮発粒子のより均質化された分布が達成されうる。エアロゾル中の揮発粒子のより均質化されたサイズが達成されうる。
【0027】
主要ユニットは、液体エアロゾル形成基体を含有するための液体貯蔵部分を備えてもよい。主発熱体は、液体エアロゾル形成基体を加熱するために構成されてもよい。
【0028】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を貯蔵するためのカートリッジを備えてもよい。カートリッジは液体貯蔵部分を備えてもよい。主要ユニットは、本体および交換可能なカートリッジを備えてもよい。本体は、制御電子機器および電力供給源を備えてもよい。本体は主発熱体を備えてもよく、またはカートリッジは主発熱体および液体貯蔵部分を備えてもよい。マウスピースは、カートリッジに取り外し可能に取り付けられてもよい。カートリッジは、本体に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0029】
システムは三部分システムであってもよく、カートリッジの一方の端は、本体に取り外し可能に取り付け可能であり、カートリッジのもう一方の端は、マウスピースに取り外し可能に取り付け可能である。システムは三部分システムであってもよく、マウスピースは本体に取り外し可能に取り付け可能であり、カートリッジは本体に取り外し可能に取り付け可能であるか、または本体の中に取り外し可能に挿入可能である。
【0030】
システムは二部分システムであってもよく、カートリッジおよびマウスピースは、本体に取り外し可能に取り付け可能な一体型の部分を形成する。システムは二部分システムであってもよく、本体およびカートリッジは、マウスピースに取り外し可能に取り付け可能な一体型の部分を形成する。
【0031】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる一つ以上の揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、カートリッジの一部であってもよい。カートリッジは、交換可能または再充填可能であるように構成されてもよい。
【0032】
エアロゾル形成基体は液体形態で提供されてもよい。液体エアロゾル形成基体は、プロピレングリコールまたはグリセリンなどのエアロゾル形成体、他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、アルカロイドまたはカンナビノイドを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度を有してもよい。液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の液体貯蔵部分中に含有されてもよく、その場合、エアロゾル発生物品はカートリッジとして表示されてもよい。エアロゾル形成基体は、高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にするエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体は当技術分野で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。
【0033】
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」は、主要ユニットと、エアロゾル形成基体を含むカートリッジとを備えるシステムに関する。主要ユニットはエアロゾル発生装置であってもよい。
【0034】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体はカートリッジの中に備えられてもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジング、電気回路、電源、加熱チャンバー、発熱体を備えてもよい。
【0035】
電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路はヒーター要素への電力の供給を調節するように構成されてもよい。
【0036】
主発熱体は気化ユニットの一部として提供されていることが好ましい。主発熱体は、液体エアロゾル形成基体を加熱するために適切な任意の装置であってもよく、またエアロゾルを形成するために液体エアロゾル形成基体の少なくとも一部を気化しうる。
【0037】
補助発熱体は、マウスピースの少なくとも一部分を加熱するために適した任意の装置であってもよい。
【0038】
主発熱体と補助発熱体のうちの一方または両方は模範的に、コイルヒーター、毛細管ヒーター、メッシュヒーター、金属プレートヒーター、または絶縁基体上の一つ以上の導電性トラックであってもよい。ヒーターは模範的に、電力を受電し、受電した電力の少なくとも一部を熱エネルギーに変換する抵抗ヒーターであってもよい。別の方法として、または追加的に、主発熱体と補助発熱体のうちの一方または両方は、時間変動する磁場によって誘導加熱されるサセプタであってもよい。主発熱体と補助発熱体のうちの一方または両方は、単一の発熱体のみを、または複数の発熱体を含んでもよい。発熱体(複数可)の温度は、電気回路によって制御されることが好ましい。
【0039】
上述のいずれの実施形態においても、少なくとも一つの発熱体は、電気抵抗性の材料を含むことが好ましい。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、およびセラミック材料と金属材料でできた複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可能である。適切な複合材ヒーター要素の例は、米国特許(登録済み)第5,498,855号、国際特許公開公報第03/095688号、米国特許(登録済み)第5,514,630号に開示されている。
【0040】
気化ユニットは、液体エアロゾル形成基体をヒーター要素に運ぶための毛細管材料をさらに含んでもよい。毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は概して、液体をヒーターに運ぶように整列されてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい細孔またはチューブを形成し、それを通して液体を毛細管作用によって移動することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は多孔性材料である。適切な材料の例はスポンジまたは発泡体材料である。適切な材料の例には、セラミック材料が含まれる。適切な材料の例には、黒鉛系材料が含まれる。適切な材料は繊維であってもよい。適切な材料は焼結粉末であってもよい。適切な材料は発泡金属であってもよい。適切な材料はプラスチック材料であってもよい。適切な材料は繊維質材料であってもよい。適切な材料は紡糸繊維で作製されてもよい。適切な材料は押出成形繊維で作製されてもよい。適切な材料はセルロースアセテートで作製されてもよい。適切な材料はポリエステルで作製されてもよい。適切な材料は結合ポリオレフィンで作製されてもよい。適切な材料はポリエチレンで作製されてもよい。適切な材料はエチレンで作製されてもよい。適切な材料はポリプロピレンで作製されてもよい。適切な材料はナイロン繊維で作製されてもよい。適切な材料はセラミックで作製されてもよい。適切な材料は、エチレン、ポリエチレン、エチレン、ポリプロピレン、またはナイロンのうちの一つ以上の組み合わせで作製されてもよい。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体は、毛細管作用によって液体が毛細管材料を通して移動されることを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。毛細管材料はエアロゾル形成基体を気化器に運ぶように構成されうる。毛細管材料は気化器内の隙間の中に延びうる。
【0041】
一つ以上の毛細管芯は、液体貯蔵部分に保持された液体と接触するように配設されうる。一つ以上の毛細管芯は液体貯蔵部分の中に延びうる。この場合、使用時に、液体は一つ以上の毛細管芯での毛細管作用によって、液体貯蔵部分からエアロゾル発生手段の一つ以上の要素に移動されうる。一つ以上の毛細管芯は、第一の端および第二の端を有しうる。第一の端は、液体貯蔵部分内に保持された液体エアロゾル形成基体をエアロゾル発生手段の中に引き出すために、液体貯蔵部分の中に延びうる。
【0042】
毛細管材料は、液体貯蔵部分に保持された液体と接触するように配設されうる。毛細管材料は液体貯蔵部分の中に延びうる。この場合、使用時に、液体は、毛細管材料での毛細管作用によって、液体貯蔵部分からエアロゾル発生手段の一つ以上の要素に移動されうる。毛細管材料は、第一の端および第二の端を有しうる。第一の端は、液体貯蔵部分内に保持された液体エアロゾル形成基体をエアロゾル発生手段の中に引き出すために、液体貯蔵部分の中に延びうる。
【0043】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、マウスピースまたはエアロゾル発生装置の使用中に気流経路に沿って、空気がマウスピースまたはエアロゾル発生装置を通って流れる方向に対する、マウスピースまたはマウスピースとともに使用されるエアロゾル発生装置の構成要素の、または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。本発明によるマウスピースは、使用時にエアロゾルが通ってマウスピースを出る近位端を備えてもよい。エアロゾル発生装置の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれてもよい。エアロゾル発生装置の近位端は、エアロゾル発生装置に接続されたマウスピースであってもよい。口側端は遠位端の下流である。エアロゾル発生装置の遠位端またはマウスピースは、上流端と呼ばれることもある。マウスピースまたはエアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分は、マウスピースまたはエアロゾル発生装置を通る気流経路に対するこれらの相対的な位置に基づいて、互いの上流または下流にあるとして記述されてもよい。
【0044】
本明細書で使用される「気流経路」という用語は、ガス状媒体を搬送するのに適したチャネルを意味する。気流経路は、周囲空気を搬送するために使用されてもよい。気流経路は、エアロゾルを搬送するために使用されてもよい。気流経路は、空気およびエアロゾルの混合物を搬送するために使用されてもよい。
【0045】
エアロゾル形成基体を貯蔵するためのカートリッジは、交換可能なマウスピースの一部であってもよい。カートリッジは、マウスピースの一体型の部分を形成してもよい。カートリッジは再充填可能であってもよい。エアロゾル形成基体が消費されると、ユーザーは、再充填可能なカートリッジを含むマウスピースを再使用できるように、カートリッジを再充填してもよい。部品を再利用可能であるように設計することは、廃棄物を低減するのに役立ち、環境に対する装置またはシステムまたはカートリッジの生態学的影響を低減する。
【0046】
エアロゾル形成基体を貯蔵するためのカートリッジは、エアロゾル発生システムの主要ユニットの一部であってもよい。カートリッジは、主要ユニットの一体型の部分を形成してもよい。カートリッジは再充填可能であってもよい。エアロゾル形成基体が消費されると、ユーザーは、再充填可能なカートリッジを含むマウスピースを再使用できるように、カートリッジを再充填してもよい。
【0047】
エアロゾル形成基体を貯蔵するためのカートリッジは、交換可能であるように構成されてもよい。エアロゾル形成基体が消費されると、ユーザーは、エアロゾル発生システムからカートリッジを取り外してもよく、使用済みカートリッジを新しい充填されたカートリッジと交換してもよい。
【0048】
エアロゾル発生システムが組み立てられた時に、気流経路がマウスピースと主要ユニットの間に画定されうる。マウスピースおよび主要ユニットは、任意の適切な接続手段を使用して接続されうる。接続手段は、ねじ接続、摩擦嵌合、または形状嵌合接続を含みうる。接続手段は、接続がユーザーによって手で確立されることができるように構成されてもよい。これは、エアロゾル発生システムの取り扱いおよび組み立てを容易にしうる。
【0049】
マウスピースおよび主要ユニットは、相補的な幾何学的形状を有する対応する構造構成要素を有してもよい。相補的な幾何学的形状を有する構造構成要素は、マウスピースおよび主要ユニットの隣接するインターフェース部分に提供されていることが好ましい。マウスピースおよび主要ユニットが組み立てられた時に、これらのインターフェース部分は相互の隣に位置してもよい。マウスピースが主要ユニットに接続されている時に、マウスピースおよび主要ユニットのこれらの対応する構造的構成要素は、主発熱体を介して、および随意に補助発熱体を介して、空気吸込み口から空気出口への気流経路を画定しうる。気流経路は、主要ユニットおよびマウスピースが組み立てられた時に形成される。それらの実施形態において、マウスピースなしでは、エアロゾルを吸入するための連続的な気流経路が提供されないため、主要ユニットは動作不能にされうる。それによって、主要ユニットのみでは、吸入に適したエアロゾルの形成を可能にしない。それによって、不正使用に対する効率的な保護機構が提供されうる。
【0050】
カートリッジとマウスピースは両方とも交換可能であってもよい。カートリッジまたはマウスピースの一端または両端は、封止ホイルによって保護されてもよい。封止ホイルは、エアロゾル発生システムの組み立て中に破壊される、貫通可能な封止ホイルであってもよい。封止ホイルは、カートリッジが主要装置または主要ユニットと組み立てられる前にカートリッジから取り外される、取り外し可能な封止ホイルであってもよい。
【0051】
こうした封止ホイルは、輸送中、特に使用前に、破片または他の望ましくない汚染物からカートリッジおよびマウスピースを保護しうる。
【0052】
本発明の一実施形態によると、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生システム用のマウスピースが提供されている。
【0053】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1は、取り外された構成におけるエアロゾル発生システムを示す。
図2図2は、組み立てられたエアロゾル発生システムを示す。
図3図3は、組み立てられたエアロゾル発生システムの一部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0056】
実施例A:主要ユニットとマウスピースとを備えるエアロゾル発生システムであって、
主要ユニットが、
エアロゾル形成基体を加熱するための主発熱体を備え、
マウスピースが、
気流経路および補助発熱体を備える、エアロゾル発生システム。
【0057】
実施例B:マウスピースが交換可能である、実施例Aに記載のエアロゾル発生システム。
【0058】
実施例C:補助発熱体が、マウスピースの気流経路の少なくとも一部分を加熱するために構成されていて、好ましくは補助発熱体がマウスピースの気流経路内に位置する、実施例Aまたは実施例Bに記載のエアロゾル発生システム。
【0059】
実施例D:補助発熱体が抵抗発熱体である、実施例A~Cのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0060】
実施例E:主発熱体および補助発熱体が、別個に制御可能であるように構成されている、実施例A~Dのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0061】
実施例F:
温度センサーと、
温度センサーおよび補助発熱体と電気的に接続されたコントローラと、を備え、
コントローラが、温度センサーによって感知された温度に依存して、補助発熱体を起動するように構成されている、実施例A~Eのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0062】
実施例G:温度センサーが周囲温度センサーである、実施例Fに記載のエアロゾル発生システム。
【0063】
実施例H:温度センサーがマウスピースの気流経路内に位置する、実施例Fまたは実施例Gに記載のエアロゾル発生システム。
【0064】
実施例I:補助発熱体と電気的に接続されたコントローラを備え、コントローラが外部データソースと通信していて、コントローラが外部データソースから受信した温度情報に依存して補助発熱体を起動するように構成されている、実施例A~Eのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0065】
実施例J:マウスピースが、マウスピースの気流経路に配設された案内部材を備え、案内部材が、気流から凝縮された液体成分を主発熱体に向かう方向に案内するように構成されている、実施例A~Iのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0066】
実施例K:案内部材の表面が疎水性材料を含む、実施例Jに記載のエアロゾル発生システム。
【0067】
実施例L:案内部材が円錐形状であり、円錐形状の案内部材の先端が、主発熱体に向かう方向に面する、実施例Jまたは実施例Kに記載のエアロゾル発生システム。
【0068】
実施例M:円錐形状の案内部材の長軸方向軸が、エアロゾル発生システムの長軸方向軸と平行に配設されていて、かつ円錐形状の案内部材の基部が、エアロゾル発生システムの近位端に向かって方向付けられている、実施例J~Lのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0069】
実施例N:円錐形状の案内部材が中空であり、マウスピースの気流経路を中空の円錐形状案内部材内に配設された下流気流チャンバーと、中空の円錐形状案内部材を囲む上流気流チャンバーとに分割する、実施例Mに記載のエアロゾル発生システム。
【0070】
実施例O:中空の円錐形状案内部材が、上流気流チャンバーと下流気流チャンバーを流体接続するように配設された一つ以上の開口を備える、実施例Nに記載のエアロゾル発生システム。
【0071】
実施例P:中空の円錐形状案内部材の基部が、気流出口ポートとして構成された開口を備える、実施例Nまたは実施例Oに記載のエアロゾル発生システム。
【0072】
実施例Q:補助発熱体が上流気流チャンバー内に配設されている、実施例N~Pのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0073】
実施例R:主要ユニットが、液体エアロゾル形成基体を含む液体貯蔵部分を備え、主発熱体が、液体エアロゾル形成基体を加熱するために構成されている、実施例A~Qのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0074】
実施例S:主要ユニットが本体および交換可能なカートリッジを備え、
本体が制御電子機器および電力供給源を備え、
カートリッジが主発熱体および液体貯蔵部分を備え、
マウスピースがカートリッジに取り付けられていて、カートリッジが本体に取り付けられている、実施例Rに記載のエアロゾル発生システム。
【0075】
実施例T:実施例A~Sのいずれかに記載のエアロゾル発生システム用のマウスピース。
【0076】
実施例U:マウスピースが交換可能である、実施例Tに記載のマウスピース。
【0077】
一つの実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0078】
図1は、取り外された構成における、交換可能なマウスピース10と主要ユニット40とを備える、概して円筒形状のエアロゾル発生システムの断面を示す。
【0079】
交換可能なマウスピース10は補助発熱体12を備える。補助発熱体12は、抵抗発熱体(例えばワイヤのコイル)、または絶縁基体上の導電性トラックの配設であってもよい。交換可能なマウスピース10は、空気吸込み口14と開放チャンバー部分16とを備える。交換可能なマウスピース10は中空要素を備える。示された実施形態において、中空要素は中空の管状要素18である。しかしながら、中空要素はまた、(以下に説明の通り)気流経路が遮断されない限り、異なる形状、例えば中空の切頭円錐または中空立方体であってもよい。中空の管状要素18は、円錐端部分20、管入口開口部22、管出口開口部24を備える。管出口開口部24は、環状の均質化チャンバー26と直接流体接続している。補助発熱体12は均質化チャンバー26内に位置する。
【0080】
マウスピース10は、開口30を有する円錐形状の案内部材28をさらに備える。円錐形状の案内部材28の長軸方向軸は、エアロゾル発生システムの長軸方向軸に平行に配設されている。円錐形状の案内部材28の基部は、エアロゾル発生システムの近位端に向かって方向付けられている。円錐形状の案内部材28は、空の内部空間32を囲む中空である。
【0081】
それ故に、中空の円錐形状案内部材28は、マウスピース10の気流経路を中空の円錐形状案内部材28内に配設された下流気流チャンバーと、中空の円錐形状案内部材28を囲む上流気流チャンバーとに分割し、中空の円錐形状部材28の内部空間32は下流気流チャンバーであり、均質化チャンバー26は上流気流チャンバーである。
【0082】
均質化チャンバー26は、開口30を介して中空の円錐形状部材28の内部空間32と流体接続している。円錐形状の部材28の基部は、ユーザーによる吸入のための空気出口34を形成する。
【0083】
図1の上部から分かる通り、空気吸込み口開口部14と出口端34の間のマウスピース10の中に連続的な気流経路は画定されていない。これは、空気吸込み口14から中空の管状要素18の内側に至る囲まれた空気チャネルを提供しないマウスピース10の開放遠位端(図1のマウスピース10の底部端の点線を参照)に起因する。
【0084】
主要ユニット40は、カートリッジ・加熱セクション42および電力・制御セクション70を備えるエアロゾル発生装置である。カートリッジ・加熱セクション42および電力・制御セクション70は取り外し可能であってもよく、または一体型の主要ユニット40として形成されてもよい。
【0085】
カートリッジ・加熱セクション42は、液体エアロゾル形成基体で充填された液体貯蔵部分44を備える。液体貯蔵部分44は、開放近位端48を有する管状空洞46を同軸で囲む。管状空洞46の内径は、マウスピース10の管状要素18の外径よりも大きい。
【0086】
カートリッジ・加熱セクション42は、エアロゾル形成基体を加熱するための主発熱体を備える。主発熱体は、電気抵抗52と電気接点54とに接続されているセラミックヒーター本体50を備える。セラミックヒーター本体50は、液体貯蔵部分44に貯蔵された液体エアロゾル形成基体と流体連通している多孔性セラミック構成要素である。エアロゾル化ゾーン56は、セラミックヒーター本体50によって囲まれているボウル形状の空洞の中に提供されている。さらに、主発熱体を漏れのない様態で取り付けるためのオーバーモールドされたシール58、60が提供されている。
【0087】
電力・制御セクション70は、コントローラ72および電池74を備える。コントローラ72は、主発熱体の接点54と電池74の両方に電気的に接続されている。マウスピース10が主要ユニット40に取り付けられている時に、コントローラ72を補助発熱体12に電気的に接続するための追加的な接点(図示せず)が提供されている。
【0088】
主発熱体が起動されると、多孔性セラミック構成要素50に吸収された液体エアロゾル形成基体が蒸発する。蒸発したエアロゾル形成基体は周囲空気と混合されて、エアロゾルを形成する。この目的のために、気流経路は、組み立てられたエアロゾル発生システム内に画定されている。
【0089】
図2は、交換可能なマウスピース10が主要ユニット40に取り付けられている、組み立てられた構成における、図1のエアロゾル発生システムの断面を示す。
【0090】
組み立てられた構成において、マウスピース10は、主要ユニット40のカートリッジ・加熱セクション42を筒状に囲み、それと摩擦係合されている。完全に組み立てられた位置において、囲まれた気流経路は、マウスピース10の対応する構造構成要素と、相補的な幾何学的形状を有する主要ユニット40のカートリッジ・加熱セクション42との間に画定されている。気流経路は、空気吸込み口14から主発熱体のエアロゾル化ゾーン56に延び、さらにエアロゾル化ゾーン56から空気出口34に延びる。
【0091】
ユーザーがマウスピース10の出口端34で吸煙する時に、空気吸込み口開口部14からエアロゾル化ゾーン56に向かって気流が確立され、エアロゾル化ゾーン56では、引き出された空気が、霧状にされたエアロゾル形成基体と混合される。エアロゾル形成下で、混合物は空気出口34に搬送され、そこでユーザーによって吸入される。気流経路は図3において、より詳細に示されている。
【0092】
図3は、交換可能なマウスピース10が主要ユニット40のカートリッジ・加熱セクション42に取り付けられている、組み立てられた構成における、図2のエアロゾル発生システムの一部分の断面を示す。
【0093】
ユーザーがマウスピース10の空気出口34で吸煙する時に、気流が確立される。周囲空気62は、空気吸込み口14に入り、マウスピース10の壁64とカートリッジ・加熱セクション42の壁66との間に形成された気流経路の第一の部分の中に入る。空気62は、マウスピース10の壁18、20と液体貯蔵部分44の壁の間に形成された気流経路の第二の部分に沿って、エアロゾル化ゾーン56に向かってさらに移動する。引き出された空気は、エアロゾル68が形成されるように、エアロゾル化ゾーン56で、霧状にされたエアロゾル形成基体と混合される。エアロゾル68は、管入口開口部22を通して、円錐端部分20を有する中空の管状要素18の中に搬送される。エアロゾル68は、環状の均質化チャンバー26の中にさらに移動する。環状の均質化チャンバー26は乱気流を提供し、エアロゾル68の均質化のための良好な条件を作り出す。
【0094】
次に、混合物68は、開口30に入り、円錐形状の案内部材28の内部空間32の中に入り、最終的に空気出口34を介してマウスピース10を出て、ユーザーによって吸入される。開口30は、内部空間32内の乱流および均質化をさらに増大させるために、非対称的に、または不規則に配置されている。
【0095】
エアロゾル発生システムが室温、すなわち摂氏約20度の環境で使用される場合、エアロゾル68の望ましくない過剰な凝縮と、均質化チャンバー26内の液滴形成との傾向はほとんどない場合がある。
【0096】
しかしながら、低温環境(例えば、温度が摂氏約0度でありうる冬の屋外)において、エアロゾル68の望ましくない過剰な凝縮と、均質化チャンバー26内の液滴形成とが問題になりうる。
【0097】
これらの低温を補うために、補助発熱体12を起動してもよい。それによって、エアロゾル68の望ましくない過剰な凝縮および液滴形成を低減または防止するために、均質化チャンバー26内の温度を上昇させてもよい。
【0098】
さらに、案内部材28の円錐形状は、均質化チャンバー26内に形成された凝縮した液滴を、液滴が加熱されて気化されうる主発熱体に向かって戻すように案内するのを支援しうる。この効果は、円錐形状の案内部材28の外表面が疎水性材料を含む時に、さらに強化されうる。
【0099】
最後に、補助発熱体12はまた、マウスピース10の外壁を温めて、特に低温環境でエアロゾル発生システムを使用する時に、マウスピースを唇と接触させるユーザーにとって快適な感覚を提供しうる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】