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特表2024-531563熱成形可能なシート及び熱成形されたパッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】熱成形可能なシート及び熱成形されたパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/32 20060101AFI20240822BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20240822BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240822BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20240822BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B32B27/32 E
B32B27/20 A
B32B27/00 E
B32B7/12
B65D65/40 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514122
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 US2021048971
(87)【国際公開番号】W WO2023033831
(87)【国際公開日】2023-03-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522475557
【氏名又は名称】アムコア・フレキシブルズ・ノース・アメリカ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AMCOR FLEXIBLES NORTH AMERICA,INC.
【住所又は居所原語表記】2301 Industrial Drive,Neenah,WI 54956 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マキシム・ヴァヘネンデ
(72)【発明者】
【氏名】ベルト・デ・ショーエンメイカー
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AA22
3E086AB01
3E086AD06
3E086AD23
3E086AD24
3E086BA04
3E086BA15
3E086BA33
3E086BB23
3E086BB62
3E086BB90
3E086CA01
3E086CA05
3E086CA16
3E086CA27
3E086CA35
4F100AK03A
4F100AK04A
4F100AK04E
4F100AK07
4F100AK07D
4F100AK07E
4F100AK69
4F100AK69E
4F100AR00B
4F100AR00C
4F100BA05
4F100BA07
4F100CA13
4F100CA13B
4F100CB00
4F100EJ37A
4F100GB15
4F100HB31
4F100HB31B
4F100JD01E
4F100JD03
4F100JD04
4F100JK06
4F100JL12
4F100JL12E
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4F100YY00D
4F100YY00E
(57)【要約】
熱成形可能なシートは、外部フィルムと、印刷された顔料層と、接着層と、内側層と、内部シール層と、を含む。外部フィルムは、50重量%~100重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む。内側層は、60重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む。内側層は、100ミクロン~350ミクロンの厚さを更に含む。印刷された顔料層及び接着層は、外部フィルムと内側層との間に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱成形可能なシートであって、
50重量%~100重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む外部フィルムと、
印刷された顔料層と、
接着層と、
60重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む内側層であって、100ミクロン~350ミクロンの厚さを含む、内側層と、
内部シール層と、を備え、
前記印刷された顔料層及び前記接着層が、前記外部フィルムと前記内側層との間に位置する、熱成形可能なシート。
【請求項2】
前記外部フィルムが、配向されている、請求項1に記載の熱成形可能なシート。
【請求項3】
前記外部フィルムが、未配向である、請求項1に記載の熱成形可能なシート。
【請求項4】
前記外部フィルムが、50重量%~100重量%のポリエチレン系ポリマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項5】
前記外部フィルムが、50重量%~100重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項6】
前記印刷された顔料層が、前記外部フィルムに直接隣接している、請求項1~5のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項7】
200ミクロン~500ミクロンの厚さを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項8】
前記内側層が、2.5重量%~30重量%の炭化水素樹脂を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項9】
前記内側層が、未配向である、請求項1~8のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項10】
前記内部シール層が、ポリエチレン系ポリマーを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項11】
前記内部シール層が、ポリプロピレン系ポリマーを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項12】
80重量%~100重量%のポリオレフィンの全体的な組成を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項13】
80重量%~100重量%のポリプロピレンの全体的な組成を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項14】
エチレンビニルアルコールコポリマーを含むバリア層を更に備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の熱成形可能なシート。
【請求項15】
熱成形可能なシートであって、
6ミクロン~50ミクロンの厚さを含む配向されたポリプロピレン系フィルムを含む外部フィルムと、
前記外部フィルムの表面上に直接堆積された印刷された顔料層と、
接着層と、
60重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む内側層であって、100ミクロン~350ミクロンの厚さを含む、内側層と、
ポリプロピレンポリマーを含む内部シール層と、を備え、
前記印刷された顔料層及び前記接着層が、前記外部フィルムと前記内側層との間に位置する、熱成形可能なシート。
【請求項16】
製品を包含する熱成形されたパッケージであって、請求項1~15のいずれか一項に記載の熱成形可能なシートを備え、前記熱成形可能なシートが、製品空洞を作り出すように熱成形されている、製品を包含する熱成形されたパッケージ。
【請求項17】
前記パッケージが、
それ自体の上に折り畳まれた前記熱成形可能なシート、及び
前記熱成形可能なシートの前記内部シール層をそれ自体に接合することによって形成されたシールからなる、請求項16に記載の製品を包含する熱成形されたパッケージ。
【請求項18】
前記熱成形可能なシートが、少なくとも1つのタブを備え、前記少なくとも1つのタブは、前記シールが前記少なくとも1つのタブと前記製品空洞との間にあるような位置に位置し、
前記パッケージが、前記少なくとも1つのタブを引っ張り、前記シールを剥がすことによって手動で開くことができる、請求項17に記載の製品を包含する熱成形されたパッケージ。
【請求項19】
前記パッケージが、
前記製品空洞を含む前記熱成形可能なシート、
施蓋材料、及び
前記熱成形可能なシートの前記内部シール層を前記施蓋材料に接合するシールからなる、請求項16に記載の製品を包含する熱成形されたパッケージ。
【請求項20】
前記製品が、前記製品空洞内部で密封シールされている、請求項16~19のいずれか一項に記載の製品を包含する熱成形されたパッケージ。
【請求項21】
前記熱成形可能なシートが、第1の熱成形可能なシート及び第2の熱成形可能なシートを備え、前記パッケージが、前記第1及び第2の熱成形可能なシート、前記第1の熱成形可能なシートの前記内部シール層を前記第2の熱成形可能なシートの前記内部シール層に接合するシール、及び前記第1の熱成形可能なシートと前記第2の熱成形可能なシートとの間に位置する前記製品空洞からなる、請求項16に記載の製品を包含する熱成形されたパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、熱成形可能なシート及び熱成形されたパッケージに関し、特に、リサイクル可能な熱成形可能なシート、及びリサイクル可能な熱成形可能なシートを含む熱成形されたパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
製品を保管するための様々なタイプのパッケージが、当技術分野で既知である。一実施例では、パッケージは、製品が保管される空洞を形成する熱成形されたトレーと、空洞を覆うために熱成形されたトレーにシールされた蓋とを含み得る。別の実施例では、パッケージは、相互に折り畳まれて、製品が保管される空洞を形成し、それを覆う熱成形されたポケットを含み得る。
【0003】
パッケージの熱成形されたトレー及び熱成形されたポケットは、複雑な湾曲した形態及び鋭利なエッジ形状を有し得る。小さい寸法では、複雑な湾曲した形態及び鋭利なエッジ形状は、熱成形されたトレー及び熱成形されたポケットを形成するために使用されるフィルム/シートの熱成形性に対する難解な要求を提示し得る。
【0004】
現在、パッケージの熱成形されたトレー及び熱成形されたポケットは、特にパッケージが複雑な形状を有するときに、従来の熱成形可能なシート(例えば、厚いポリスチレンフィルム又はポリエステルフィルム)を熱成形することによって作製されている。しかしながら、こうした従来の熱成形可能なシートは、概してリサイクル不可能である。結果として、従来的な熱成形可能なシートから作製されたパッケージは、リサイクルの困難をもたらす場合があり、環境に優しくなく、環境の持続可能性に適さない場合がある。
【発明の概要】
【0005】
リサイクル可能である一方で、複雑な形状に熱成形され得る熱成形可能なシートが開発されてきた。更に、熱成形可能なシートは、熱成形されたパッケージに熱成形されて、製品を包含し得る。具体的には、熱成形可能なシートは、複雑な湾曲した形態及び鋭利なエッジ形状を有する熱成形されたパッケージに、高品質の印刷と組み合わせて熱成形され得る。
【0006】
本開示の一実施形態は、熱成形可能なシートである。熱成形可能なシートは、外部フィルムを含む。外部フィルムは、50重量%~100重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む。熱成形可能なシートは、印刷された顔料層、接着層、内側層、及び内部シール層を更に含む。内側層は、60重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む。内側層は、100ミクロン~350ミクロンの厚さを更に含む。印刷された顔料層及び接着層は、外部フィルムと内側層との間に位置する。
【0007】
内側層は、熱成形可能なシートに所望の熱成形性を付与し得る。言い換えれば、内側層は、熱成形可能なシートの困難かつ難解な形状への熱成形を許容し得る。一部の事例では、内側層は、熱成形可能なシートに紫外線バリア性質を更に付与し得る。更に、60重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む内側層は、熱成形可能なシートがリサイクル可能であることを確実にし得る。
【0008】
外部フィルムは、裏刷り用の基板を提供し得る。印刷された顔料層は、外部フィルム上に直接堆積され得る。更に、外部フィルムはまた、熱成形可能なシートの所望の熱成形性を達成するのに役立ち得る。
【0009】
一部の事例では、接着層は、プラストマー接着剤などのリサイクル可能な接着剤を含み得る。結果として、接着に典型的に使用されるエチレンビニルアセテート(EVA)は、リサイクル流中の汚染物質とみなされるため、熱成形可能なシートはリサイクルがより簡単である場合がある。
【0010】
内部シール層は、剥離性、バリア性質、シール開始温度、摩擦係数の要件など、所望の機能性及び性質を熱成形可能なシートに提供し得る。更に、内部シール層は、熱成形可能なシートをそれ自体に折り重ね、内部シール層をそれ自体に接合することによってシールすることを許容し得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、外部フィルムは、配向されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、外部フィルムは、未配向である。
【0013】
いくつかの実施形態では、外部フィルムは、50重量%~100重量%のポリエチレン系ポリマーを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、外部フィルムは、50重量%~100重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、印刷された顔料層は、外部フィルムに直接隣接している。
【0016】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシートは、200ミクロン~500ミクロンの厚さを更に含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、内側層は、2.5重量%~30重量%の炭化水素樹脂を更に含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、内側層は、未配向である。
【0019】
いくつかの実施形態では、内部シール層は、ポリエチレン系ポリマーを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、内部シール層は、ポリプロピレン系ポリマーを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシートは、80重量%~100重量%のポリオレフィンの全体的な組成を更に含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシートは、80重量%~100重量%のポリプロピレンの全体的な組成を更に含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシートは、エチレンビニルアルコールコポリマーを含むバリア層を更に含む。
【0024】
本開示の別の実施形態は、熱成形可能なシートである。熱成形可能なシートは、外部フィルムを含む。外部フィルムは、6ミクロン~50ミクロンの厚さを含む配向されたポリプロピレン系フィルムを含む。熱成形可能なシートは、外部フィルムの表面上に直接堆積された印刷された顔料層を更に含む。熱成形可能なシートは、接着層及び内側層を更に含む。内側層は、60重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む。内側層は、100ミクロン~350ミクロンの厚さを更に含む。熱成形可能なシートは、ポリプロピレンポリマーを含む内部シール層を更に含む。印刷された顔料層及び接着層は、外部フィルムと内側層との間に位置する。
【0025】
本開示の別の実施形態は、製品を包含する熱成形されたパッケージである。パッケージは、上述の実施形態による熱成形可能なシートを含む。熱成形可能なシートは、製品空洞を作り出すように熱成形される。
【0026】
いくつかの実施形態では、パッケージは、熱成形可能なシート自体の上に折り畳まれた熱成形可能なシート、及び熱成形可能なシートの内部シール層をそれ自体に接合することによって形成されたシールからなる。
【0027】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシートは、少なくとも1つのタブを含み、少なくとも1つのタブは、シールが少なくとも1つのタブと製品空洞との間にあるような位置に位置する。パッケージは、少なくとも1つのタブを引っ張り、シールを剥がすことによって手動で開くことができる。
【0028】
一部の実施形態では、パッケージは、製品空洞を含む熱成形可能なシート、施蓋材料、及び熱成形可能なシートの内部シール層を施蓋材料に接合するシールからなる。
【0029】
一部の実施形態では、製品は製品空洞内部で密封シールされる。
【0030】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシートは、第1の熱成形可能なシート及び第2の熱成形可能なシートを含む。パッケージは、第1の熱成形可能なシート及び第2の熱成形可能なシート、第1の熱成形可能なシートの内部シール層を第2の熱成形可能なシートの内部シール層に接合するシール、及び第1の熱成形可能なシートと第2の熱成形可能なシートとの間に位置する製品空洞からなる。
【0031】
上述のように、本開示の熱成形可能なシートは、複雑な形状に熱成形され得る。熱成形可能なシートは、適用要件に基づいて、熱成形されたパッケージが製品空洞に対応する複雑な形状を有することを許容し得る。結果として、熱成形可能なシートから形成され、かつ複雑な形状を有する熱成形されたパッケージは、亀裂、色の不均質性、及び見当外れの印刷などの欠陥がない場合がある。更に、本開示の熱成形可能なシートは、リサイクル流を汚染し得る従来の熱成形可能なシートとは対照的に、リサイクル可能であり得る。したがって、本開示の熱成形可能なシート及び熱成形されたパッケージは、環境に優しくあり得、環境の持続可能性を促進し得る。
【0032】
別個に又は一緒に具体化され得る、本主題のいくつかの態様がある。これらの態様は、単独で、又は本明細書に記載される主題の他の態様と組み合わせて採用され得、これらの態様の説明は一緒になって、これらの態様の使用を別個に、又はこうした態様を別個に若しくは異なる組み合わせで特許請求することを妨げることを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示は、添付図面に関連して、本開示の様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮してより完全に理解され得る。
【0034】
図1】本開示の実施形態による熱成形可能なシートの概略断面図である。
図2A】本開示の実施形態によるパッケージの概略上面斜視図である。
図2B】本開示の実施形態による図2Aのパッケージの概略断面側面図である。
図2C】本開示の別の実施形態によるパッケージの概略断面側面図である。
図3A】本開示の実施形態によるパッケージの概略上面斜視図である。
図3B】本開示の実施形態による図3Aのパッケージの概略断面側面図である。
【0035】
図は、必ずしも正確な縮尺ではない。図で使用される同様の番号は、同様の構成要素を指す。しかしながら、所与の図における構成要素を指すための番号の使用は、同じ番号で標識された別の図における構成要素を制限することを意図していないことが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本出願は、外部フィルムを含むリサイクル可能な熱成形可能なシートを説明する。外部フィルムは、50重量%~100重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む。熱成形可能なシートは、印刷された顔料層、接着層、内側層、及び内部シール層を更に含む。内側層は、60重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む。内側層は、100ミクロン~350ミクロンの厚さを更に含む。印刷された顔料層及び接着層は、外部フィルムと内側層との間に位置する。
【0037】
内側層は、熱成形可能なシートに所望の熱成形性を付与し得る。言い換えれば、内側層は、熱成形可能なシートの困難かつ難解な形状への熱成形を許容し得る。一部の事例では、内側層は、熱成形可能なシートに紫外線バリア性質を更に付与し得る。更に、60重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む内側層は、熱成形可能なシートがリサイクル可能であることを確実にし得る。
【0038】
外部フィルムは、裏刷り用の基板を提供し得る。印刷された顔料層は、外部フィルム上に直接堆積され得る。印刷された顔料層は、外部フィルムの主表面のいずれか又は両方上に堆積され得る。更に、外部フィルムは、熱成形可能なシートの所望の熱成形性を達成するのに役立ち得る。
【0039】
一部の事例では、接着層は、プラストマー接着剤などのリサイクル可能な接着剤を含み得る。結果として、接着に典型的に使用されるエチレンビニルアセテート(EVA)は、リサイクル流中の汚染物質とみなされるため、熱成形可能なシートはリサイクルがより簡単である場合がある。
【0040】
内部シール層は、剥離性、バリア性質、シール開始温度、摩擦係数の要件など、所望の機能性及び性質を熱成形可能なシートに提供し得る。更に、内部シール層は、熱成形可能なシートをそれ自体に折り重ね、内部シール層をそれ自体に接合することによってシールすることを許容し得る。
【0041】
熱成形可能なシートは、複雑な形状に熱成形され得る。結果として、熱成形可能なシートによって形成され、かつ複雑な形状を有する熱成形されたパッケージは、亀裂、色の不均質性、及び見当外れの印刷などの欠陥がない場合がある。更に、本開示の熱成形可能なシートは、リサイクル流を汚染し得る従来の熱成形可能なシートとは対照的に、リサイクル可能であり得る。したがって、熱成形可能なシート及び熱成形されたパッケージは、環境に優しくあり得、環境の持続可能性を促進し得る。
【0042】
本明細書で使用される場合、「第1」及び「第2」という用語は、識別子として使用される。したがって、こうした用語は、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。特徴又は要素と併せて使用されるとき、「第1」及び「第2」という用語は、本開示の実施形態全体を通して置き換え可能である。
【0043】
本明細書で使用される場合、「フィルム」という用語は、厚さに対する長さ又は幅の比率が非常に高い材料である。フィルムは、長さ及び幅によって画定される2つの主表面を有する。フィルムは典型的には、良好な柔軟性を有し、柔軟な包装を含む幅広い用途に使用することができる。フィルムはまた、可撓性、半剛性、又は剛性であるように、厚さ及び/又は材料組成物のフィルムであり得る。フィルムは、単層又は多層として記述され得る。
【0044】
本明細書で使用される場合、「層」という用語は、比較的一貫した配合を有する(すなわち、層が均質である)フィルム内の材料の厚さを指す。層は、ポリマー、セルロース、及び金属、又はそれらのブレンドを含む任意のタイプの材料であり得る。所与のポリマー層は、単一のポリマータイプ又はポリマーのブレンドからなり得、添加剤を伴い得る。所与の層は、フィルムを形成するために、他の層と組み合わせられ得るか、又は他の層に接続され得る。層は、隣接する層又はフィルムと比較して、部分的又は完全に連続的であり得る。所与の層は、隣接する層と部分的又は完全に同一の広がりを有し得る。層は、サブ層を包含し得る。
【0045】
本明細書で使用される場合、「内部」及び「外部」という用語は、フィルム又は層の主表面、及びパッケージ構成におけるフィルム又は層の使用に関する場所を指す。内部フィルム又は層は、パッケージ構成において最内側の主表面を備え得る。外部フィルム又は層は、パッケージ構成の最外部主表面を備え得る。
【0046】
本明細書で使用される場合、「内側層」という用語は、フィルムのいずれの主外面にも存在しないフィルム構造の層を指す。内側層は、単一の層からなり得るか、又は多層であり得る。フィルム内に1つ以上の内側層があり得る。
【0047】
本明細書で使用される場合、「熱成形可能な」という用語は、シートと型との間の差圧の適用によって、熱の適用によって、熱の適用とシートと型との間の差圧の組み合わせによって、又は任意の好適な熱成形技法によって、所望の形状に形成又は熱成形することができるシートを指す。「熱成形性」という用語は、シートが所望の形状に形成又は熱成形され、その後所望の形状を保持する能力を指す。
【0048】
本明細書で使用される場合、「接着層」という用語は、2つの隣接する層を一緒に接合する主要な機能を有する層を指す。接着層は、多層フィルムの2つの層の間に位置決めされて、2つの層を互いに対して所定の位置に維持し、望ましくない剥離を防止し得る。別途示されない限り、接着層は、接着層材料と接触する1つ以上の表面との所望のレベルの接着を提供する任意の好適な組成物を有することができる。
【0049】
本明細書で使用される場合、「シール層」という用語は、フィルム、シートなどのシールに関与するフィルム、シートなどの層を、それ自体及び/又は同じ又は別のフィルム、シートなどの別の層を指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、「バリア」という用語は、フィルム、シート、ウェブ、パッケージなどの浸透性要素を攻撃的な薬品に対して制御する任意の材料を意味し、酸素バリア、水分(例えば、水、湿度など)バリア、化学バリア、熱バリア、光バリア、及び臭気バリアを含むが、これらに限定されない。「バリア層」という用語は、このような透過性要素を制御するフィルム、シート、ウェブ、パッケージなどの層を指す。
【0051】
本明細書では、「ヒートシール」、「ヒートシールされた」、「ヒートシールしている」、「ヒートシール可能」などの用語は、それ自体又は他の熱可塑性フィルム層にヒートシール可能なフィルム層、及び従来の間接加熱手段による2つのポリマー表面間の融着結合の形成の両方を指す。従来の間接加熱は、フィルムの完全性を失うことなく、その間の接合界面の形成が達成されるように、連続的なフィルム接触表面への伝導のために、少なくとも1つのフィルム接触表面上に十分な熱を生成することが理解されよう。
【0052】
本明細書で使用される場合、「プラストマー」という用語は、ゴム様の性質などのエラストマー及びプラスチックの品質をプラスチックの処理能力と組み合わせるポリマーを指す。プラストマーの一実施例は、エチレン-アルファオレフィンコポリマーを含む。
【0053】
本明細書で使用される場合、「ポリオレフィン」及び「ポリオレフィン系ポリマー」という用語は、ポリエチレンホモポリマー、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレンホモポリマー、又はポリプロピレンコポリマーを指す。
【0054】
本明細書で使用される場合、「ポリエチレン系ポリマー」という用語は、エチレン結合を含むポリマーを指す。ポリエチレンは、ホモポリマー、コポリマー、又はインターポリマーであり得る。ポリエチレンコポリマー又はインターポリマーは、他のタイプのポリマー(すなわち、非ポリエチレンポリマー)を含み得る。ポリエチレンは、グラフト又は他の手段によって組み込まれる官能基を有し得る。ポリエチレンには、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、環状オレフィンコポリマー(COC)、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、エチレンメタクリル酸コポリマー(EMAA)、イオノマーなどの中和エチレンコポリマー、及び無水マレイン酸グラフトポリエチレン(MAHgPE)が含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書で使用される場合、「ポリプロピレン」及び「ポリプロピレン系ポリマー」という用語は、プロピレンのモノマーに由来するポリマーを指す。ポリプロピレンは、ホモポリマー、コポリマー、又はインターポリマーであり得る。ポリプロピレンコポリマー又はインターポリマーは、他のタイプのポリマー(すなわち、非ポリプロピレンポリマー)を含み得る。プロピレン結合は、以下の一般式によって表され得る。[CH2-CH(CH3)]n ポリプロピレンは、グラフト又は他の手段によって組み込まれる官能基を有し得る。ポリプロピレンには、プロピレンエチレンコポリマー、エチレンプロピレンコポリマー、及び無水マレイン酸グラフトポリプロピレン(MAHgPP)が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書で使用される場合、「エチレン/ビニルアルコールコポリマー」及び「EVOH」という用語は両方とも、重合エチレンビニルアルコールを指す。エチレン/ビニルアルコールコポリマーは、鹸化(又は加水分解)エチレン/ビニルアクリレートコポリマーを含み、例えば、ビニルアクリレートコポリマーの加水分解によって、又はビニルアルコールとの化学反応によって調製されたエチレンコモノマーを有するビニルアルコールコポリマーを指す。加水分解の程度は、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも85%である。好ましくは、エチレン/ビニルアルコールコポリマーは、約28~48モル%のエチレン、より好ましくは約32~44モル%のエチレン、更により好ましくは約38~44モル%のエチレンを含む。
【0057】
本明細書で使用される場合、「炭化水素樹脂」という用語は、コールタール、石油、及びテレピン油原料からの重合によって産出される低分子量生成物(約10,000ダルトン未満の分子量)を指す。炭化水素樹脂は、2002年8月13日に発行された米国特許第6,432,496号、又は2008年11月20日に公開された米国特許出願第2008/0286547号に開示された炭化水素樹脂のいずれかを含み得、その両方は、この参照によりその全体が本出願に組み込まれる。より具体的には、非限定的な実施例として、炭化水素樹脂は、石油樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、シクロペンタジエン樹脂、飽和脂環式樹脂、又はこうした樹脂の混合物を含み得る。加えて、非限定的な実施例として、炭化水素樹脂は、ジシクロペンタジエン(DCPD)が豊富なオレフィン供給材料の重合、石油分解プロセス(粗製C9供給流など)で産出されるオレフィン供給材料の重合、純粋なモノマー(スチレン、αメチルスチレン、4メチルスチレン、ビニルトルエン、又はこれら若しくは類似の純粋なモノマー原料の任意の組み合わせ)の重合、テルペンオレフィン(αピネン、βピネン、又はdリモネンなど)の重合、又はそれらの組み合わせに由来する炭化水素樹脂を含み得る。炭化水素樹脂は、完全に又は部分的に水素化され得る。炭化水素樹脂の具体的な実施例としては、Eastman Chemical Company(テネシー州キングスポート)から入手可能なPlastolyn(登録商標)R1140 Hydrocarbon Resin、Eastman Chemical Company(テネシー州キングスポート)から入手可能なRegalite(登録商標)T1140、Arakawa Chemical Industries, Limited(日本、大阪)から入手可能なArkon(登録商標)P-140、及びHercules Incorporated(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能なPiccolyte(登録商標)S135 Polyterpene Resinが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
本明細書で使用される場合、「ポリスチレン」という用語は、ポリマーの繰り返し骨格内に少なくとも1つのスチレンモノマー結合(エチレン置換基を有するベンゼン(すなわち、C65)など)を有するホモポリマー又はコポリマーを指す。スチレン結合は、以下の一般式によって表され得る。[CH2-CH2(C65)]n
【0059】
本明細書で使用される場合、「配向された」という用語は、縦方向又は横方向のうちの少なくとも1つに細長い単層又は多層のフィルム、シート、又はウェブを指す。こうした手順の非限定的な実施例としては、単一の気泡インフレーション成形プロセス及びスロットケースシート押出プロセスが挙げられ、例えば、テンタリングによって、その後の延伸により配向が提供される。こうした手順の別の実施例は、閉じ込められた気泡又は二重気泡のプロセスである。(例えば、米国特許第3,546,044号及び第6,511,688号を参照されたく、それらの各々は、本参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。)閉じ込められた気泡又は二重気泡のプロセスでは、管状押出成形ダイを出る押出成形された一次管は冷却され、折り畳まれ、再加熱によって配向され、再膨張して二次気泡を形成し、再冷却される。横方向の配向は、膨張によって達成され得、加熱されたフィルム管を半径方向に拡張する。縦方向の配向は、異なる速度で回転するニップロールの使用、フィルム管を縦方向に引っ張る、又は引き出すことによって達成され得る。高温での伸長とそれに続く冷却の組み合わせは、ポリマー鎖をより平行な構成に整列させ、それによってフィルム、シート、ウェブ、パッケージ、又はその他の方法の機械的性質が改善される。その後、拘束されていない、アニールされていない、配向された物品をその配向温度まで加熱すると、熱収縮(米国材料試験協会(ASTM)試験方法D2732」“Standard Test Method for Unrestrained Linear Thermal Shrinkage of Plastic Film and Sheeting”に従って測定され、これは参照によりその全体が本願に組み込まれる)が産出され得る。熱収縮は、配向された成形品を高温に、好ましくは、成形品を含むポリマーのガラス転移温度超かつ結晶融点未満の高温に加熱することによってアニール又は熱硬化される場合に低減され得る。この再加熱/アニール/熱硬化ステップはまた、均一な平坦な幅のポリマーウェブを提供する。ポリマーウェブは、配向プロセスとインラインで(及びそれに続いて)、又は配向プロセスからオフラインで(別個のプロセスで)、アニール(すなわち、高温に加熱)され得る。
【0060】
本明細書で使用される場合、「未配向の」及び「配向されていない」という用語は、押出成形後の配向を実質的に含まない単層又は多層フィルム、シート又はウェブを指す。
【0061】
本明細書で使用される場合、「直接隣接」という用語は、界面を共有するフィルムの2つの層、すなわち、表面が2つの層の間に共通の境界を形成するように、互いに接触するフィルムの2つの層を識別する。
【0062】
本明細書で使用される場合、「酸素透過率」(OTR)という用語は、所与の期間内に材料を通過する酸素の量として定義される。OTRは、典型的には、定義された温度及び湿度において測定されたときに、cm3/m2.日単位、又は類似の単位を使用して定義される。
【0063】
本明細書で使用される場合、「水蒸気透過率」(WVTR)という用語は、特定の温度及び相対湿度の条件において水蒸気がフィルムを通して透過する定常状態速度として定義される。WVTRは、典型的には、定義された温度及び湿度において測定されたときに、g/m2.日単位、又は類似の単位を使用して定義される。
【0064】
図1は、本開示の実施形態による熱成形可能なシート100の概略断面図を例解している。
【0065】
熱成形可能なシート100は、外部フィルム110を含む。外部フィルム110は、50重量%~100重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、80重量%~100重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、90重量%~100重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、95重量%~100重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む。
【0066】
具体的には、いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、50重量%~100重量%のポリエチレン系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、80重量%~100重量%のポリエチレン系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、90重量%~100重量%のポリエチレン系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、95重量%~100重量%のポリエチレン系ポリマーを含む。
【0067】
いくつかの他の実施形態では、外部フィルム110は、50重量%~100重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、80重量%~100重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、90重量%~100重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、95重量%~100重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む。
【0068】
外部フィルム110は、厚さ110Tを更に含む。いくつかの実施形態では、厚さ110Tは、6ミクロン~50ミクロンである。いくつかの実施形態では、厚さ110Tは、12ミクロン~50ミクロンである。いくつかの実施形態では、厚さ110Tは、20ミクロン~40ミクロンである。いくつかの実施形態では、厚さ110Tは、約25ミクロン、約30ミクロン、又は約35ミクロンである。
【0069】
外部フィルム110は、適用要件に基づいて、未配向であるか、又は配向されている場合がある。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、配向されている。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、6ミクロン~50ミクロンの厚さ110Tを含む配向されたポリプロピレン系フィルムを含む。
【0070】
外部フィルム110は、1方向(「一軸」)又は2方向(「二軸」)のいずれかに配向され得る。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、二軸配向されたポリエチレン(BOPE)フィルムであり得る。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、二軸配向されたポリプロピレン(BOPP)フィルムであり得る。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、縦方向配向ポリエチレン(MDOPE)フィルムであり得る。いくつかの実施形態では、外部フィルム110は、縦方向配向ポリプロピレン(MDOPP)フィルムであり得る。
【0071】
いくつかの他の実施形態では、外部フィルム110は、未配向である。言い換えれば、いくつかの他の実施形態では、外部フィルム110は、配向されていない。
【0072】
熱成形可能なシート100は、内側層120を更に含む。いくつかの実施形態では、内側層120は、未配向である。言い換えれば、いくつかの他の実施形態では、内側層120は、配向されていない。
【0073】
内側層120は、60重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む。いくつかの実施形態では、内側層120は、70重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む。いくつかの実施形態では、内側層120は、80重量%~100重量%のポリプロピレンポリマーを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、内側層120は、2.5重量%~30重量%の炭化水素樹脂を更に含む。炭化水素樹脂の実施例は、石油樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、シクロペンタジエン樹脂、飽和脂環式樹脂、又はこうした樹脂の混合物を含み得る。炭化水素樹脂の他の実施例は、ジシクロペンタジエン(DCPD)が豊富なオレフィン供給材料の重合、石油分解プロセス(粗製C9供給流など)で産出されるオレフィン供給材料の重合、純粋なモノマー(スチレン、αメチルスチレン、4メチルスチレン、ビニルトルエン、又はこれら若しくは類似の純粋なモノマー原料の任意の組み合わせ)の重合、テルペンオレフィン(αピネン、βピネン、又はdリモネンなど)の重合、又はそれらの組み合わせに由来する炭化水素樹脂を含み得る。炭化水素樹脂のいくつかの他の実施例としては、脂肪族炭化水素樹脂、水素化脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、水素化芳香族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、水素化脂環族炭化水素樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペン-フェノール樹脂、ロジンエステル樹脂、ロジン酸樹脂、又はこれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0075】
炭化水素樹脂は、2.5%~30%のレベルで内側層120に装填され得る。熱成形可能なシート100のいくつかの実施形態は、内側層120内に5%~20%の炭化水素樹脂レベルを有する。例示的な実施形態では、炭化水素樹脂は、約15重量%又は約7.5重量%の量で存在する。炭化水素樹脂のレベルは、熱成形可能なシート100の防湿バリア性質及び熱成形温度ウィンドウの両方を制御するように調整され得る。炭化水素樹脂レベルを増大させることは、熱成形可能なシート100の防湿バリア性質を増大させる場合がある。炭化水素樹脂レベルを増大させることは、熱成形可能なシート100の熱成形温度ウィンドウを増大させる場合がある。更に、炭化水素樹脂は、バリア性質、結晶化度、及び内側層120のガラス転移温度を向上させ得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、内側層120は、実質的に透明又は白色であり得る。いくつかの実施形態では、内側層120は、異なる色を有する3つの部分を有し得る。例えば、内側層120の2つの外側部分は、白色であり得、2つの外側部分の間に位置する内側層120の中央部分は、黒色であり得る。内側層120のこうした構成(白/黒/白)は、熱成形可能なシート100に紫外線バリア性質を付与し得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、内側層120は、炭酸カルシウム(CaCO3)又は二酸化チタン(TiO2)を含み得る。いくつかの実施形態では、炭酸カルシウムの2つの層を、内側層120に追加し得る。内側層120への炭酸カルシウムの追加により、内側層120の切断が容易になり得る。更に、内側層120は、キャストフィルムライン又は吹き付けフィルムライン上で産出される場合がある。内側層120は、吹き付けフィルムライン上の潰れた気泡として産出され得る。
【0078】
内側層120は、厚さ120Tを更に含む。厚さ120Tは、100ミクロン~350ミクロンである。いくつかの実施形態では、厚さ120Tは、180ミクロン~275ミクロンである。いくつかの実施形態では、厚さ120Tは、180ミクロン~240ミクロンである。いくつかの実施形態では、厚さ120Tは、200ミクロン~240ミクロンである。
【0079】
内側層120は、熱成形可能なシート100に所望の熱成形性を付与し得る。言い換えれば、内側層120は、熱成形可能なシート100の困難かつ難解な形状への熱成形を許容し得る。したがって、熱成形可能なシート100は、困難で困難な形状に熱成形され得る。上述のように、一部の事例では、内側層120は、熱成形可能なシート100に紫外線バリア性質を更に付与し得る。
【0080】
熱成形可能なシート100は、印刷された顔料層130を更に含む。印刷された顔料層130は、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷プロセス、及び同様のものなどの任意の好適な印刷プロセスによって形成され得る。いくつかの実施形態では、印刷された顔料層130は、外部フィルム110に直接隣接している。いくつかの実施形態では、印刷された顔料層130は、外部フィルム110の表面111上に直接堆積される。表面111は、内側層120に面する外部フィルム110の主表面であり得る。一部の事例では、印刷された顔料層130は、外部フィルム110の表面111上に裏刷りされ得る。印刷された顔料層130は、他の層/フィルムと連続的であり得るか、又は不連続的(すなわち、パターン化)であり得る。
【0081】
印刷された顔料層130は、例えば、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル、スチレン(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ラテックス、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、アルキド樹脂、ロジン樹脂、マレイン酸樹脂、炭化水素樹脂、ニトロセルロース、ポリビニルブチラール、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のポリマー及び/又はオリゴマー、並びに1つ以上の染料及び/又は顔料を含む乾燥可能及び/又は硬化可能な溶媒含有インク、水性インク又は無溶剤インクなどの、任意の好適なインク組成物を含み得る。
【0082】
熱成形可能なシート100は、接着層140を更に含む。接着層140は、適用要件に基づいて、任意の好適な接着剤を含み得る。例えば、接着層140は、ポリウレタン分散体、アクリルエマルション、水性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、ポリエステル、合成ゴム又は天然ゴム、溶媒系アクリル、1つ又は2つの構成要素の溶媒系ポリウレタン、及び放射線硬化性接着剤からなる群から選択される接着剤を含み得る。いくつかの実施形態では、接着層140は、溶媒系ポリウレタン接着剤を含み得る。しかしながら、接着層140は、好ましくは、熱成形可能なシート100のリサイクル性を改善するために、リサイクル可能な接着剤(例えば、プラストマーを含む接着剤)を含む。言い換えれば、典型的には接着に使用されるエチレンビニルアセテート(EVA)はリサイクル流を汚染し得るため、プラストマーを含む接着層140を含む熱成形可能なシート100は、リサイクル可能であり得る。
【0083】
印刷された顔料層130及び接着層140は、外部フィルム110と内側層120との間に位置する。言い換えれば、印刷された顔料層130及び接着層140は、外部フィルム110と内側層120との間に配設される。図1の例解された実施形態では、印刷された顔料層130は、外部フィルム110と接着層140との間に位置する。更に、図1の例解された実施形態では、接着層140は、印刷された顔料層130と内側層120との間に位置する。
【0084】
熱成形可能なシート100は、内部シール層150を更に含む。いくつかの実施形態では、内部シール層150は、配向され得る。いくつかの実施形態では、内部シール層150は、未配向であり得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、内部シール層150は、ポリプロピレンポリマーを含む。いくつかの実施形態では、内部シール層150は、ポリプロピレン系ポリマーを含む。ポリプロピレン系ポリマーの実施例としては、ポリプロピレンランダムコポリマー(PPR又はPP-R)、ポリプロピレンターポリマー、ヘテロ相プロピレンコポリマー、ゴム変性ポリプロピレンコポリマー、及び同様のものが挙げられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、内部シール層150は、ポリエチレン系ポリマーを含む。ポリエチレン系ポリマーの実施例としては、ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/メチルアクリレートコポリマー、及び同様のものが挙げられる。
【0087】
内部シール層150は、厚さ150Tを更に含む。いくつかの実施形態では、厚さ150Tは、30ミクロン~80ミクロンである。いくつかの実施形態では、厚さ150Tは、40ミクロン~60ミクロンである。いくつかの実施形態では、厚さ150Tは、約45ミクロンである。
【0088】
内部シール層150は、熱成形可能なシート100に所望の機能性及び性質を提供し得る。例えば、内部シール層150は、所望の剥離性又はシール性質を提供し得る。別の実施例では、内部シール層150は、望ましいバリア性質又は非バリア性質を提供し得る。更に別の実施例では、内部シール層150は、適用要件に基づいて、所望のシール開始温度(SIT)及び所望の摩擦係数(COF)を提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、内部シール層150は、摂氏約130度(℃)の低シール開始温度を有し得る。更に、内部シール層150は、熱成形可能なシート100をそれ自体の上に折り畳むこと、及び内部シール層150をそれ自体に接合することによってシールすることを許容し得る。
【0089】
図1の例解された実施形態では、熱成形可能なシート100は、バリア層160を更に含む。更に、図1の例解された実施形態では、バリア層160は、内側層120と内部シール層150との間に位置する。しかしながら、いくつかの実施形態では、バリア層160は、内部シール層150に組み込まれ得る(すなわち、そのサブ層であり得る)。言い換えれば、いくつかの実施形態では、内部シール層150は、バリア層160を含み得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、バリア層160は、エチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマーを含む。いくつかの実施形態では、バリア層160は、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)又はポリビニルアルコール(PVOH)を含み得る。いくつかの実施形態では、バリア層160は、低酸素透過率(OTR)を有し得る。言い換えれば、いくつかの実施形態では、バリア層160は、熱成形可能なシート100を通した酸素の透過を低減又は防止し得る。いくつかの実施形態では、バリア層160は、低水蒸気透過率(WVTR)を有し得る。言い換えれば、いくつかの実施形態では、バリア層160は、熱成形可能なシート100を通した水蒸気の透過を低減又は防止し得る。しかしながら、バリア層160は、任意選択的である。すなわち、いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100は、バリア層160を含まない場合がある。バリア層160が省略されるこうした実施形態では、内部シール層150は、内側層120に隣接し得る。いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100は、内側層120と内部シール層150との間に位置して、内側層120、内部シール層150、及び任意選択的にバリア層160との間の結合を容易にする、1つ以上の接着層(図示せず)を更に含み得る。
【0091】
図1の例解された実施形態では、熱成形可能なシート100は、最外側層170を更に含む。最外側層170は、外部フィルム110に隣接して配設され得る。具体的には、図1の例解された実施形態では、最外側層170は、外部フィルム110の表面112上に配設される。表面112は、内側層120とは反対側に面する外部フィルム110の主表面であり得る。言い換えれば、表面112は、表面111とは反対側であり得る。いくつかの実施形態では、最外側層170は、外部フィルム110の表面112上に直接堆積され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、最外側層170は、オーバーラッカ層を含み得る。オーバーラッカ層は、例えば、ニトロセルロース材料、シリカなどのブロッキング防止剤と混合されたニトロセルロース材料、及び水性アクリル樹脂などを含み得る。オーバーラッカ層は、水性アクリル樹脂の場合、水などの適切な溶媒を使用することによって、液体状態で適用され得る。オーバーラッカ層は、外部フィルム110を保護し得、外部フィルム110の表面112の外観を改善し得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、最外側層170は、上述の印刷された顔料層130と類似した印刷された顔料層を含み得る。いくつかの実施形態では、最外側層170は多層であり得、外部フィルム110の表面112上に直接堆積された印刷された顔料層と、印刷された顔料層上に直接堆積されたオーバーラッカとを含む。こうした実施形態では、オーバーラッカ層は、印刷された顔料層を保護し得、外部フィルム110の表面112の外観を改善し得る。しかしながら、最外側層170は、任意選択的である。すなわち、いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100は、最外側層170を含まない場合がある。最外側層170が省略されるこうした実施形態では、外部フィルム110の表面112は、外部環境に曝露され得る。最外側層170及び印刷された顔料層は、他の層/フィルムと連続的であり得るか、又は不連続的(すなわち、パターン化)であり得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100は、80重量%~100重量%のポリオレフィンの全体的な組成を含む。いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100は、90重量%~99重量%のポリオレフィンの全体的な組成を含む。更に、いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100は、約5重量%以下のEVOHコポリマーの全体的な組成を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100は、80重量%~100重量%のポリプロピレンの全体的な組成を含む。いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100は、90重量%~99重量%のポリプロピレンの全体的な組成を含む。
【0096】
熱成形可能なシート100は、厚さ100Tを更に含む。厚さ100Tは、熱成形可能なシート100の全体的な厚さであり得る。言い換えれば、厚さ100Tは、熱成形可能なシート100の全ての層及びフィルムの厚さの合計であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ100Tは、200ミクロン~500ミクロンである。いくつかの実施形態では、厚さ100Tは、225ミクロン~350ミクロンである。
【0097】
熱成形可能なシート100は、所望の熱成形性を有し得、したがって、複雑な形状に熱成形され得る。有利なことに、熱成形可能なシート100は、1つ以上の製品を保存及び包含するための複雑な形状及び設計を有するパッケージに熱成形され得る。熱成形可能なシート100によって形成されたパッケージ内に包含された1つ以上の製品は、改善された貯蔵寿命を有し得る。更に、熱成形可能なシート100は、リサイクル流を汚染し得る従来の熱成形可能なシートと比較して、リサイクル可能であり得る。したがって、熱成形可能なシート100は環境に優しくあり得、環境の持続可能性を促進し得る。
【0098】
図2A及び図2Bは、本開示の実施形態による熱成形されたパッケージ200を例解する。具体的には、図2Aは、パッケージ200の概略上面斜視図を例解し、図2Bは、パッケージ200の概略断面側面図を例解する。
【0099】
図2A及び図2Bを参照すると、パッケージ200は、図1の熱成形可能なシート100を含む。熱成形可能なシート100は、製品空洞210を作り出すように熱成形される。言い換えれば、パッケージ200は、図1の熱成形可能なシート100を、ポジティブ型熱成形、ネガティブ型熱成形、及び同様のものなどの好適な熱成形プロセスによって熱成形し、製品空洞210を作り出すことによって作製される。図2Aに示すように、製品空洞210を含むパッケージ200は、複雑な湾曲した形態、及び鋭利なエッジ形状を有し、これは熱成形可能なシート100の熱成形性に対する困難な要求を提示し得る。上述のように、熱成形可能なシート100は、複雑な湾曲した形態に熱成形される所望の熱成形性及びパッケージ200の鋭利な縁形状を有し得る。
【0100】
図2Bの実施形態に例解されるように、パッケージ200は、それ自体に折り重ねられた熱成形可能なシート100、及び熱成形可能なシート100の内部シール層150(図1により詳細に示される)をそれ自体に接合することによって形成されたシール220からなる。シール220は、ヒートシールであり得る。上述のように、内部シール層150は、約130℃の低シール開始温度を有し得る。したがって、シール220は、約130℃の温度で形成され得る。
【0101】
パッケージ200は、製品230を包含する。製品230は、製品空洞210内に包含される。パッケージ200は、簡単に持ち運べる食品を包装するための一人前用のポーションパックであり得る。製品230は、例えば、スープ、粉末飲料、ココア、ナッツ、スナック菓子、シリアル、キャンディ、チーズ、ヨーグルト、ディップ、ジャム、及びケチャップなどの乾燥食品、液体食品、又はペースト状食品を含む食品であり得る。他の実施例では、製品230は、家庭用/園芸用製品、及び医療デバイス/製品であり得る。いくつかの実施形態では、製品230は、製品空洞210内部で密封シールされる。言い換えると、いくつかの実施形態では、シール220は、製品空洞210内の製品230を密封シールし得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100は、シール220が少なくとも1つのタブ180と製品空洞210との間にある位置に位置する少なくとも1つのタブ180を更に含む。少なくとも1つのタブ180は、シール220を越えて延在する熱成形可能なシート100の延在部分であり得る。延在部分は、熱成形可能なシート100がそれ自体の上に折り畳まれるときに画定され得る。いくつかの実施形態では、パッケージ200は、少なくとも1つのタブ180を引っ張り、シール220を剥がすことによって手動で開くことができる。したがって、少なくとも1つのタブ180は、パッケージ200の開封を容易にし得る。
【0103】
図2Cは、本開示の別の実施形態による熱成形されたパッケージ250の概略断面側面図である。
【0104】
パッケージ250は、図1の熱成形可能なシート100を含む。具体的には、図2Cの例解された実施形態では、熱成形可能なシート100は、第1の熱成形可能なシート100A及び第2の熱成形可能なシート100Bを含む。「第1の」及び「第2の」という用語は、識別子として使用される。言い換えれば、第1の熱成形可能なシート100A及び第2の熱成形可能なシート100Bは、熱成形可能なシート100と同一である。
【0105】
熱成形可能なシート100は、製品空洞260を作り出すように熱成形される。具体的には、図2Cの例解された実施形態では、第1の熱成形可能なシート100A及び第2の熱成形可能なシート100Bの各々は、製品空洞260を作り出すように熱成形される。
【0106】
図2Cの例解された実施形態では、パッケージ250は、第1及び第2の熱成形可能なシート100A、100B、第1の熱成形可能なシート100Aの内部シール層150(図1により詳細に示す)を第2の熱成形可能なシート100Bの内部シール層150(図1により詳細に示す)に接合するシール270、並びに第1及び第2の熱成形可能なシート110A、100Bの間に位置する製品空洞260からなる。第1及び第2の熱成形可能なシート110A、100Bは一緒に、製品空洞260を画定し得る。シール270は、ヒートシールであり得る。上述のように、内部シール層150は、約130℃の低シール開始温度を有し得る。したがって、シール270は、約130℃の温度で形成され得る。
【0107】
パッケージ250は、製品280を包含する。製品280は、製品空洞260内に包含される。パッケージ250は、簡単に持ち運べる食品を包装するための一人前用のポーションパックであり得る。製品280は、例えば、スープ、粉末飲料、ココア、ナッツ、スナック菓子、シリアル、キャンディ、チーズ、ヨーグルト、ディップ、ジャム、及びケチャップなどの乾燥食品、液体食品、又はペースト状食品を含む食品であり得る。他の実施例では、製品280は、家庭用/園芸用製品、及び医療デバイス/製品であり得る。いくつかの実施形態では、製品280は、製品空洞260内部で密封シールされる。言い換えると、いくつかの実施形態では、シール270は、製品空洞260内の製品280を密封シールし得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、熱成形可能なシート100Aは、シール270が少なくとも1つのタブ180Aと製品空洞260との間にある位置に位置する少なくとも1つのタブ180Aを更に含む。少なくとも1つのタブ180Aは、シール270を越えて延在する第1の熱成形可能なシート100Aの延在部分であり得る。いくつかの実施形態では、パッケージ250は、少なくとも1つのタブ180Aを引っ張り、シール270を剥がすことによって手動で開くことができる。したがって、少なくとも1つのタブ180Aは、パッケージ250の開封を容易にし得る。
【0109】
図3A及び図3Bは、本開示の実施形態による熱成形されたパッケージ300を例解する。具体的には、図3Aは、パッケージ300の概略側面斜視図を例解し、図3Bは、パッケージ300の概略断面側面図を例解する。
【0110】
パッケージ300は、図1の熱成形可能なシート100を含む。熱成形可能なシート100は、製品空洞310を作り出すように熱成形される。言い換えれば、パッケージ300は、図1の熱成形可能なシート100を、ポジティブ型熱成形、ネガティブ型熱成形、及び同様のものなどの好適な熱成形プロセスによって熱成形し、製品空洞310を作り出すことによって作製される。
【0111】
図3A及び図3Bの例解された実施形態では、熱成形可能なシート100は、トレー内に熱成形されて、製品空洞310を作り出す。更に、図3A及び図3Bの例解された実施形態では、パッケージ300は、施蓋材料350を更に含む。施蓋材料350は、シート/フィルムの形態であり得る。施蓋材料350は、高分子フィルム、ラッカ、箔、紙、又は上記の任意の組み合わせを含み得る。施蓋材料350は、HDPE、MDPE、LDPE、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、エチレンビニルアセテート、熱可塑性オレフィン、又はそれらの任意の組み合わせを更に含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、施蓋材料350は、熱可塑性シール層を含み得る。
【0112】
図3Bを参照すると、パッケージ300は、製品空洞310、施蓋材料350、及び施蓋材料350に熱成形可能なシート100の内部シール層150(図1により詳細に示す)を接合するシール320を含む、熱成形可能なシート100からなる。シール320は、ヒートシールであり得る。上述のように、内部シール層150は、約130℃の低シール開始温度を有し得る。したがって、シール320は、約130℃の温度で形成され得る。
【0113】
パッケージ300は、製品330を包含する。製品330は、製品空洞310内に包含される。製品330は、例えば、スープ、粉末飲料、ココア、ナッツ、スナック菓子、シリアル、キャンディ、チーズ、ヨーグルト、ディップ、ジャム、及びケチャップなどの乾燥食品、液体食品、又はペースト状食品を含む食品であり得る。他の実施例では、製品330は、家庭用/園芸用製品、及び医療デバイス/製品であり得る。いくつかの実施形態では、製品330は、製品空洞310内部で密封シールされる。言い換えると、いくつかの実施形態では、シール320は、製品空洞310内の製品330を密封シールし得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、施蓋材料350は、シール320が少なくとも1つのタブ380と製品空洞310との間にある位置に位置する少なくとも1つのタブ380を更に含む。少なくとも1つのタブ380は、シール220を越えて延在する施蓋材料350の延在部分であり得る。いくつかの実施形態では、パッケージ300は、少なくとも1つのタブ380を引っ張り、シール320を剥がすことによって手動で開くことができる。したがって、少なくとも1つのタブ380は、パッケージ300の開封を容易にし得る。
【0115】
以下の例示的な実施例は、単に本発明を例示することを意図しているが、本開示の範囲を限定又は別様に定義する意図はない。
【0116】
実施例1
図1を参照すると、厚さ100Tが288ミクロン(μm)の第1の熱成形可能なシートが産出された。第1の熱成形可能なシートは、261.8GSM(g/m2)の重量を有していた。
【0117】
第1の熱成形可能なシートは、ポリプロピレンを含む外部フィルム110を含んでいた。外部フィルム110は、40ミクロンの厚さ110T、及び36g/m2の重量を有していた。
【0118】
第1の熱成形可能なシートは、印刷された顔料層130及び接着層140を更に含んでいた。印刷された顔料層130はインクを含み、外部フィルム110上、特に外部フィルム110の表面111上に裏刷りされた。更に、接着層140は、4ミクロンの厚さ、及び4.5g/m2の重量を有していた。
【0119】
第1の熱成形可能なシートは、ポリプロピレン及び7.5%炭化水素を含む内側層120を更に含んでいた。内側層120は、200ミクロンの厚さ120T及び179.5g/m2の重量を有していた。
【0120】
第1の熱成形可能なシートは、ポリプロピレン及びエチレンビニルアルコール(EVOH)を含む内部シール層150を更に含んでいた。したがって、バリア層160は、内部シール層150に組み込まれていた。EVOH層は、4ミクロンの厚さを有していた。更に、内部シール層150は、40ミクロンの総厚さ、及び37.3g/m2の重量を有していた。
【0121】
第1の熱成形可能なシートは、内側層120と内部シール層150との間に配設された接着層(図示せず)を更に含んでいた。接着層は、4ミクロンの厚さ及び4.5g/m2の重量を有していた。
【0122】
第1の熱成形可能なシートの組成物、バリア性質、及びシール性質を以下の表1及び2に要約する。
【表1】
【0123】
表1を参照すると、第1の熱成形可能なシートは、38℃及び90%相対湿度(RH)において3g/m2.dの水蒸気透過率(WVTR)を有していた。更に、第1の熱成形可能なシートは、23℃及び50%RHにおいて1cm3/m2.d.atmの酸素透過率(OTR)を有していた。
【表2】
【0124】
表2を参照すると、実施例1の熱成形可能なシートは、ASTM F88に従ってシール性質について試験された。ヒートシールを、実施例1シートの2つの試料の内部シール層の間に作り出した。ヒートシール条件:2つの加熱されたシールバー(上/下)、時間=1秒、圧力=400N/20cm2。シール強度は、15mmの幅を有する切断された試料にわたって、示される方向(MD=縦方向、CD=横方向)で、300mm/分の引っ張り速度を使用して試験されていた。報告されたシール強度は、3つの独立した測定値の平均である。170℃及び180℃のシール温度において、シールバーにわずかな付着が生じたことに留意されたい。
【0125】
実施例2
図1を参照すると、厚さ100Tが338ミクロンの第2の熱成形可能なシートが産出された。第2の熱成形可能なシートは、307.4g/m2の総重量を有していた。
【0126】
第2の熱成形可能なシートは、ポリプロピレンを含む外部フィルム110を含んでいた。外部フィルム110は、40ミクロンの厚さ110T、及び36g/m2の重量を有していた。
【0127】
第2の熱成形可能なシートは、印刷された顔料層130及び接着層140を更に含んでいた。印刷された顔料層130はインクを含み、外部フィルム110上、特に外部フィルム110の表面111上に裏刷りされた。接着層140は、4ミクロンの厚さ及び4.5g/m2の重量を有していた。
【0128】
第2の熱成形可能なシートは、ポリプロピレン及び7.5%炭化水素を含む内側層120を更に含んでいた。内側層120は、250ミクロンの厚さ120T及び225.1g/m2の重量を有していた。
【0129】
第2の熱成形可能なシートは、ポリプロピレン及びエチレンビニルアルコール(EVOH)を含む内部シール層150を更に含んでいた。したがって、バリア層160は、内部シール層150に組み込まれていた。EVOH層は、4ミクロンの厚さを有していた。更に、内部シール層150は、40ミクロンの総厚さ、及び37.3g/m2の重量を有していた。
【0130】
第2の熱成形可能なシートは、内側層120と内部シール層150との間に配設された接着層(図示せず)を更に含んでいた。接着層は、4ミクロンの厚さ及び4.5g/m2の重量を有していた。
【0131】
第2の熱成形可能なシートの組成物、バリア性質、及びシール性質を、以下の表3及び4に要約する。
【表3】
【0132】
表3を参照すると、第2の熱成形可能なシートは、38℃及び90%RHで2g/m2.dのWVTRを有していた。更に、第2の熱成形可能なシートは、23℃及び50%RHで1cm3/m2.d.atmのOTRを有していた。
【表4】
【0133】
表4を参照すると、実施例2の熱成形可能なシートは、ASTM F88に従ってシール性質について試験された。ヒートシールを、実施例2シートの2つの試料の内部シール層の間に作り出した。ヒートシール条件:2つの加熱されたシールバー(上/下)、時間=1秒、圧力=400N/20cm2。シール強度は、15mmの幅を有する切断された試料にわたって、示される方向(MD=縦方向、CD=横方向)で、300mm/分の引っ張り速度を使用して試験されていた。報告されたシール強度は、3つの独立した測定値の平均である。170℃及び180℃のシール温度において、シールバーにわずかな付着が生じたことに留意されたい。
【0134】
実施例1及び2の第1及び第2の熱成形可能なシートは、それぞれ、亀裂又は他の欠陥をなんら示すことなく、複雑な構造(例えば、図2Aに示すようなパッケージ200)に熱成形された。更に、第1及び第2の熱成形可能なシートは、ヒートシール時になんら損傷を示さなかった。更に、第1及び第2の熱成形可能なシートの各々は、リサイクル可能であった。
【0135】
実施例3
実施例3は、実施例1の構造の外部フィルム110の表面に、耐熱性オーバーラッカーを適用することによって産出された。このオーバーラッカーは、材料のヒートシール中に特別な保護を提供した。実施例3のヒートシールデータは、実施例1及び2と同一の方法で生成された。実施例3のヒートシールデータを、以下の表5に示す。実施例1と比較すると、最大210℃のシール温度でも、付着は見られなかった。
【表5】
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
【手続補正書】
【提出日】2024-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
図2Cの例解された実施形態では、パッケージ250は、第1及び第2の熱成形可能なシート100A、100B、第1の熱成形可能なシート100Aの内部シール層150(図1により詳細に示す)を第2の熱成形可能なシート100Bの内部シール層150(図1により詳細に示す)に接合するシール270、並びに第1及び第2の熱成形可能なシート100A、100Bの間に位置する製品空洞260からなる。第1及び第2の熱成形可能なシート100A、100Bは一緒に、製品空洞260を画定し得る。シール270は、ヒートシールであり得る。上述のように、内部シール層150は、約130℃の低シール開始温度を有し得る。したがって、シール270は、約130℃の温度で形成され得る。
【国際調査報告】