(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】電動ポンプアセンブリ、製造方法、及びそのようなポンプアセンブリを設置するための方法
(51)【国際特許分類】
F04B 51/00 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
F04B51/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514351
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 FR2022051658
(87)【国際公開番号】W WO2023031566
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524080058
【氏名又は名称】オプティメックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドュ ムルグ,ピエール-マーク
(72)【発明者】
【氏名】スプリュイト,ギヨーム ピエール-マリー ミシェル
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA06
3H145AA13
3H145AA24
3H145AA42
3H145BA41
3H145FA02
3H145FA16
(57)【要約】
本発明は、ポンプ(2)と電気モータ(3)とを含むポンプアセンブリ(1)に関し、モータ(3)は、間隙によって分離されたステータ(4)及びロータ(5)を備え、ポンプアセンブリは、ステータ(4)及びロータ(5)を収容するハウジングを画定するケーシング(6)を含み、このポンプアセンブリ(1)は、取外し可能なシールジャケット(12)を備えることを特徴とし、また、ポンプアセンブリ(1)は、シールジャケット(12)がケーシング(6)内において間隙内に取外し可能に取り付けられる試験形態から、湿式ステータ型の構成を形成するようにシールジャケット(12)がケーシング(6)から取り外される通常動作形態に移行するように設計されることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を圧送するためのポンプアセンブリ(1)であって、ポンプ(2)と、前記ポンプ(2)を駆動するための電気モータ(3)とを含み、前記モータ(3)は、間隙(E)によって分離されたステータ(4)及びロータ(5)を備え、前記ポンプアセンブリはまた、前記ステータ(4)及びロータ(5)を収容するハウジングを画定するケーシング(6)を含み、前記ハウジングは、前記モータ(3)を冷却するために前記ハウジング内で圧送流体を流通させるように前記ポンプ(2)と流体連通し、前記ポンプアセンブリ(1)は、非導電性材料で作られた取外し可能なシールジャケット(12)を備えることを特徴とし、また、前記ポンプアセンブリ(1)は、前記ステータ(4)を前記圧送流体から隔離するために前記シールジャケット(12)が前記ケーシング(6)内において前記間隙内に取外し可能に取り付けられる試験形態から、非導電性流体を圧送するための通常動作形態であって、前記圧送流体が前記ステータ(4)と接触することを可能にする湿式ステータ型の構成を形成するように、前記シールジャケット(12)が前記ケーシング(6)から取り外される通常動作形態に切り替えるように設計されていることを特徴とする、ポンプアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記非導電性材料は、一方ではポリマーマトリックスを含み、他方では前記ポリマーマトリックスに埋め込まれた強化繊維を含む複合材料であることを特徴とする、請求項1に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記ポリマーが、ポリアリールエーテルケトンファミリーに属し、例えばポリエーテルエーテルケトンからなり、又はポリイミドファミリーに属し、その一方で、前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維の群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項4】
試験形態において、前記シールジャケット(12)は、前記シールジャケットと前記ロータ(5)との間にクリアランスを形成するために前記ステータ(4)に当接されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記シールジャケット(12)は、0.3~1.2mmの間の厚さを持つ管状壁を有するスリーブを含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記ケーシング(6)は、第1の端部と第2の端部との間で軸線方向に延びる管状の側部フレーム(8)と、前記第1の端部で前記側部フレーム(8)を閉じる第1のフランジ(9)と、前記第2の端部で前記側部フレーム(8)を閉じる第2のフランジ(10)とを備え、前記第1のフランジ(9)は、前記ポンプ(2)と前記ハウジングとの間の境界部を形成し、前記シールジャケット(12)は、試験形態において、前記第1のフランジ(9)から前記第2のフランジ(10)まで軸線方向に延び、前記ポンプアセンブリ(1)は、前記ステータ(4)が収容される液密区画を前記ハウジング内に形成するように前記シールジャケット(12)と前記第1のフランジ(9)及び前記第2のフランジ(10)のそれぞれとの間に配置された取外し可能なガスケットシールシール(13、14)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記第1のフランジ(9)は、前記シールジャケット(12)の断面と一致する断面を有する結合部分を備え、前記シールジャケット(12)は、試験形態において、前記結合部分を外側から有利に取り囲むことを特徴とする、請求項6に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記シールジャケット(12)を局所的に取り囲む補強リング(15)を備え、したがって、前記シールジャケットは、前記第1のフランジ(9)の前記結合部分と前記補強リング(15)との間に介在されることを特徴とする、請求項7に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記第1のフランジ(9)の前記結合部分には、前記シールジャケット(12)が当接する第2のガスケットシール(13)を形成するOリングを収容する溝が設けられていることを特徴とする、請求項7又は8に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記第2のフランジ(10)は、前記側部フレーム(8)に取り付けられるプレート(10A)を含む複数の部分から形成され、前記プレート(10A)は、閉栓部品(10B)によって閉じられる中央孔を有し、前記閉栓部品(10B)は、前記プレート(10A)に形成された前記中央孔に挿入されるように意図された断面が縮小された部分(11B)を有し、試験形態において、前記シールジャケット(12)は、一方では前記プレート(10A)を貫通して形成された前記中央孔の側縁部(11A)と、他方では前記閉栓部品(10B)の断面が縮小された前記部分(11B)との間に挟まれ、前記部分(11B)は、第1のガスケットシール(14)を形成するOリングを収容する1つ又は複数の溝を有することを特徴とする、請求項6~9のいずれか一項に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項11】
試験形態において、前記ポンプ(2)が収容されるポンプ区画を画定するために前記ケーシング(6)に取外し可能に取り付けられる取外し可能な試験包囲体(16)を備え、前記試験包囲体(16)には、流体吸込み入口及び流体吐出し出口をそれぞれ形成する少なくとも2つの開口部(17、18)が設けられ、前記開口部間で前記圧送流体は前記区画内を流通するように意図され、前記試験包囲体(16)は通常動作形態において取り外されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記ポンプ(2)は、多段遠心ポンプであることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項13】
例えばメタン、エタン又はプロパンなどの液化石油ガスを圧送するように設計されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のポンプアセンブリ(1)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のポンプアセンブリ(1)を製造するための方法において、前記取外し可能なシールジャケット(12)を製造するステップを含み、その間に、マンドレルが一次材料でコーティングされ、次いで前記一次材料が硬化プロセスを受けて前記マンドレルを取り囲む剛性チューブを形成し、次いで前記剛性チューブが前記マンドレルから分離されて前記シールジャケット(12)を形成することを特徴とする、方法。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のポンプアセンブリ(1)を設置するための方法において、
試験ステップであって、その間に、試験形態にある前記ポンプアセンブリ(1)が水を圧送するために使用される、試験ステップと、
前記試験ステップの後に、前記ポンプアセンブリ(1)を通常動作形態に切り替えるために前記ケーシング(6)から前記シールジャケット(12)を取り外すステップと、
前記シールジャケット(12)を取り外すステップの後に、通常動作形態にある前記ポンプアセンブリ(1)を非導電性流体を圧送するための回路に組み込むステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータによって駆動される油圧機械の一般的な技術分野に関し、より詳細には、特に液化石油ガスを圧送することを目的とした電動ポンプアセンブリの分野に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、ポンプと、ポンプを駆動するための電気モータとを含む、流体を圧送するためのポンプアセンブリに関し、モータは、間隙によって分離されたステータ及びロータを備え、ポンプアセンブリはまた、ステータ及びロータを収容するハウジングを画定するケーシングを含み、ハウジングは、モータを冷却するためにハウジング内で圧送流体を流通させるためにポンプと流体連通している。
【0003】
本発明はまた、ポンプアセンブリを製造するための方法、及びポンプアセンブリを設置するための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
工業用の浸漬ロータ型ポンプアセンブリは、周知であり、圧送液体にモータのロータを浸漬することにより、ポンプを駆動する電気モータの効果的な冷却を確保しながら、液体を効率的に圧送することができる。浸漬ロータ設計は、電気モータの内部に圧送液体を収容し、したがって動的シャフトシールを実装する必要性を排除するという利点を有する。より正確には、浸漬ロータ型ポンプアセンブリの仲間には、特にメタン、エタン又はプロパンなどの液化石油ガスを圧送するように設計された、いわゆる「湿式ステータ型」ポンプアセンブリが含まれる。このような湿式ステータ型の油圧機械では、電気モータステータは、ロータと同様に、モータを冷却するために、圧送液体に浸漬されるように設計されている。当然のことながら、圧送液体の性質は、このような湿式ステータ型の設計に適合しなければならず、すなわち、この場合、圧送液体は、導電性であってはならず、ステータ構成要素を損傷させるほど化学的に攻撃的なものであってはならない。メタン、エタン又はプロパンなどの液化石油ガスは、一般に、これらの要件を満たす。湿式ステータ設計に基づく浸漬ロータ型ポンプアセンブリを使用することにより、メンテナンス及び漏れのおそれを低減することができ、特に液化石油ガスを圧送する場合、高度の安全性を確保することを可能にすると同時に、最小限の数の内部シール部品を有する単純化された構造からの利点もある。
【0005】
しかしながら、このような既知の湿式ステータ型油圧機械は、重大な欠点を有する。すなわち、実際に、そのような湿式ステータ型油圧機械は、あらゆる油圧機械と同様、それらの性能及び適合性を保証するために、稼働前に試験及びトライアルを受けなければならない。これらの試験は、可燃性液化石油ガスを用いて極低温下で動作する、非常に複雑で高価な試験ベンチで行われなければならない。これは、特に、世界に適切な試験ベンチがほとんどないため、既知の湿式ステータ型油圧機械自体の事前試験手順を複雑かつ高価なものにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明に与えられた目的は、上述の欠点を改善すること、及び、単純、軽量、コンパクトで、経済的な構造でありながら、複雑で高価な試験ベンチを必要とせずに、簡単かつ迅速に、費用効果のよい事前試験を行うことを可能にする設計を有する新しいポンプアセンブリを提案することである。
【0007】
本発明の別の目的は、通常の動作を忠実に表すプリコミッショニング試験及び試行を実行することを可能にする設計を有する新しいポンプアセンブリを提案することである。
【0008】
本発明の別の目的は、新しい、特に信頼性の高いポンプアセンブリを提案することである。
【0009】
本発明の別の目的は、少数の単純な構成要素を実装する新しいポンプアセンブリを提案することである。
【0010】
本発明の別の目的は、検査及びメンテニンスが迅速かつ容易な新しいポンプアセンブリを提案することである。
【0011】
本発明の別の目的は、制御された重量、並びに高レベルの安全性及び堅牢性を有する新しいポンプアセンブリを提案することである。
【0012】
本発明の別の目的は、その設計が産業上の製造に特に適している新しいポンプアセンブリを提案することである。
【0013】
本発明の別の目的は、その使用、設置及び組込みが迅速かつ容易である新しいポンプアセンブリを提案することである。
【0014】
本発明の別の目的は、特に簡単で工業化が容易でありながら、高い製造精度をもたらすポンプアセンブリを製造するための新しい方法を提案することである。
【0015】
本発明の別の目的は、実装が容易で迅速で安価であり、複雑で高価な試験ベンチの使用を必要としない、ポンプアセンブリを設置するための新しい方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に与えられた目的は、ポンプと、ポンプを駆動するための電気モータとを含む、流体を圧送するためのポンプアセンブリによって達成され、モータは、間隙によって分離されたステータ及びロータを備え、ポンプアセンブリはまた、ステータ及びロータを収容するハウジングを画定するケーシングを含み、ハウジングは、モータを冷却するためにハウジング内で圧送流体を流通させるようにポンプと流体連通し、ポンプアセンブリは、非導電性材料で作られた取外し可能なシールジャケットを備えることを特徴とし、また、ポンプアセンブリは、ステータを圧送流体から隔離するためにシールジャケットがケーシング内において間隙内に取外し可能に取り付けられる試験形態から、非導電性流体を圧送するための通常動作形態であって、圧送流体がステータと接触することを可能にする湿式ステータ型の構成を形成するように、シールジャケットがケーシングから取り外される通常動作形態に切り替えるように設計されていることを特徴とする。
【0017】
本発明に与えられた目的は、本発明によるポンプアセンブリを製造するための方法によって達成され、本方法は、取外し可能なシールジャケットを製造するステップを含み、その間に、マンドレルが一次材料でコーティングされ、次いで一次材料が硬化プロセスを受けてマンドレルを取り囲む剛性チューブを形成し、次いで剛性チューブがマンドレルから分離されてシールジャケットを形成することを特徴とする。
【0018】
本発明に与えられた目的は、本発明によるポンプアセンブリを設置するための方法を使用して最終的に達成され、本方法は、
・試験ステップであって、その間に、試験形態にあるポンプアセンブリが水を圧送するために使用される、試験ステップと、
・試験ステップの後に、ポンプアセンブリを通常動作形態に切り替えるためにケーシングからシールジャケットを取り外すステップと、
・シールジャケットを取り外すステップの後に、通常動作形態にあるポンプアセンブリを非導電性流体を圧送するための回路に組み込むステップと、
を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の他の特徴及び利点は、純粋に例示的かつ非限定的な例として与えられる添付の図面を参照して、以下の説明を読むことで、さらに詳細に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】試験形態にある本発明によるポンプアセンブリを概略縦断面図で示しており、ポンプアセンブリ内の圧送流体の経路を示す矢印によって圧送流体の流れが示されており、モータを冷却するために使用される圧送流体の一部が斑点模様領域によって表されている。
【
図5】通常動作形態にある、
図1~
図4のポンプアセンブリを概略縦断面図で示しており、ポンプアセンブリ内の圧送流体の経路を示す矢印によって圧送流体の流れが示されており、モータを冷却するために使用される圧送流体の一部がここでも斑点模様領域によって表されている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、流体、好ましくは液化石油ガスなどの液体状態の非導電性流体を圧送するためのポンプアセンブリ1に関する。したがって、本発明によるポンプアセンブリ1は、有利には、油圧ポンプ機械を形成し、この油圧ポンプ機械は、優先的には、ポンプ2と、ポンプ2を駆動するための電気モータ3とを含む一体型アセンブリからなる。ポンプ2は、特に圧送されるべき流体の性質、圧送条件及び制限事項、並びに期待される圧送性能に応じて、任意の適切な設計とすることができる。図に示す実施形態では、ポンプ2は、多段遠心ポンプ、すなわち高圧圧送用の多段遠心ポンプである。しかしながら、本発明は、ポンプアセンブリ1内での多段遠心ポンプの実装に限定されず、ポンプ2は、例えば、従来の遠心ポンプによって代替的に形成され、それによっては本発明の範囲から逸脱しないことは十分に考えられ得る。
【0022】
優先的には、ポンプアセンブリ1(したがって、その一部であるポンプ2)は、通常動作において、例えばメタン、エタン又はプロパンなどの液化石油ガスを圧送するように設計される。図に示すものに対応するこの好ましい実施形態では、ポンプ2は、有利には遠心ポンプ、優先的には多段型遠心ポンプであり、特に以下のパラメータに関して液化石油ガスの特定の特性に特に適合している遠心ポンプである。
【0023】
・高い蒸気圧(VP)又は蒸気圧VPと吸込み圧力との間の低い圧力差、
・低い有効NPSH(「正味吸込みヘッド」、すなわち、圧送される液体の全絶対圧とその飽和蒸気圧との間の差)、
・高い吸込み圧力。
【0024】
ポンプアセンブリ1内のモータ3は、従来、間隙Eによって互いに分離されたステータ4及びロータ5を備える。ステータ4は、磁場を生成するように設計され、例えばその目的のために永久磁石及び/又は電磁石を含む。好ましくは、ステータ4は、回転磁場を生成する磁性巻鉄心を含む。ステータ4は、有利には、ロータ5を収容する中央空間を画定するように、モータ3の周辺部に配置され、ロータ5は、有利には、ステータ4によって囲まれる。ロータ5は、有利には、誘導電流ロータ又は永久磁石ロータを形成する。間隙Eは、ステータ4とロータ5との間に存在する隙間自由空間に対応し、ステータ4とロータ5との相対的な回転を可能とし、またモータ3を冷却するための圧送流体の流通も可能にする。
【0025】
ポンプアセンブリ1はまた、ステータ4及びロータ5を収容するハウジングを画定するケーシング6を含む。有利には、ケーシング6は密封され(特に流体密、好ましくは液密とされ)、円形断面を有する全体的に管状の形状を有する。ステータ4はハウジング6に取り付けられ固定され、ロータ5はハウジング6に対して移動可能に取り付けられる。ロータ5は、有利には、ロータ5によって回転駆動される駆動シャフト7に取り付けられる。駆動シャフト7は、それ自体がポンプ2のポンプ要素、例えば1つ又は複数のタービンに接続されて、それらを回転駆動し、したがって流体の圧送を確実にする。ポンプ2の各タービンは、例えば、駆動シャフト7に直接取り付けられる(この場合、駆動シャフト7はケーシング6を越えてポンプ2の本体内に延びる)か、又は、駆動シャフト7とは別個のポンプシャフトに取り付けられ、例えばユニバーサルジョイントによって駆動シャフト7に接続される。好ましくは、図に示す実施形態によれば、ポンプ2及びモータ3は、互いに同軸に配置され、すなわち、ロータ5(及び駆動シャフト7)の回転軸線及びポンプ2のタービンの回転軸線は、有利には、1本に統合される。図に示す特定の実施形態では、ポンプアセンブリ1は、縦向きの姿勢で動作するように設計されており、すなわち通常の動作では、駆動シャフト7は垂直に延び、モータ3は、有利には、ポンプ2の上方に配置される。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、ポンプアセンブリ1が通常の動作において水平に延び、駆動シャフト7が水平に配置されることが十分に考えられ得る。
【0026】
図に示すように、ケーシング6によって形成されたハウジングは、ポンプ2と流体連通して、モータ3を冷却するために、圧送流体をハウジング内で流通させる。言い換えるならば、ポンプアセンブリ1は、ポンプ2の入口で流体を吸い上げ、ポンプ2の出口で流体を吐出するように設計されており、そのように圧送流体の一部(図の斑点模様が付された領域に対応する)がハウジングに入り、モータ3の活性要素を冷却するためにモータ3の活性要素と接する。有利には、モータ3を収容するケーシング6は、第1の端部と反対側の第2の端部との間で軸線方向(長手方向)に延びる管状の側部フレーム8を備える。ケーシング6は、有利には、第1の端部で側部フレーム8を閉じる第1のフランジ9と、第2の端部で側部フレーム8を閉じる第2のフランジ10とをさらに備える。第1のフランジ9は、有利には、ステータ4及びロータ5を収容するハウジングとポンプ2との間の境界部を形成する。ポンプ2とハウジングとの間の上述の流体連通を確実にするために、第1のフランジ9には、有利には、圧送流体の一部がポンプ2から第1のフランジ9を通過してハウジングに入り、したがってモータ3を冷却することを可能にする少なくとも1つの貫通路11が設けられる。第1のフランジ9及び/又は第2のフランジ10には、有利には、駆動シャフト7を(場合によっては、ポンプシャフトと)案内するための手段、例えば、第1のフランジ9及び/又は第2のフランジ10に対して回転するように駆動シャフト7を案内するための軸受、ジャーナル及び/又はブッシュの形態である手段が設けられる。
【0027】
本発明によれば、ポンプアセンブリ1は、非導電性材料で作られた取外し可能なシールジャケット12を備える。好ましくは、シールジャケット12は、好ましくは円形断面の管状壁を有するスリーブを含み、有利には、2つの開放端部の間で長手方向に延びる。ポンプアセンブリ1は、次のように切り替わるよう設計される。すなわち、
・シールジャケット12が、ハウジング内を流通する圧送流体からステータ4を隔離するために、ケーシング6内において間隙E内に取外し可能に取り付けられる試験形態(
図1、
図2、
図3及び
図4に示す)から、
・圧送流体がステータ4と接することを可能にする湿式ステータ構成を形成するために、シールジャケット12がケーシング6から取り外されている、非導電性流体を圧送するための通常動作形態(
図5及び
図6に示す)、すなわちシールジャケット12がポンプアセンブリ1から除かれた通常動作形態に切り替わるように設計される。
【0028】
試験形態は、ポンプアセンブリ1を試験するために使用される暫定的な形態であり、この目的のために、圧送流体がステータ4及びそれに関連する電気要素と接触することができない態様で、一時的に絶縁ステータ型構成(密封ステータ型構成)にある。したがって、シールジャケット12の存在により、水を圧送することによってポンプアセンブリ1を試験及びトライアルに供することが可能である。液密バリアを形成するシールジャケット12の存在により、水はステータ4及びそれに関連する電気要素と接触することができないため、水の導電性は試験を妨げない。試験が実行されると、ケーシング6からシールジャケット12を取り外すことによって、ポンプアセンブリ1をその通常動作形態に切り替えることができる。その通常動作形態では、ポンプアセンブリ1は、非導電性流体(例えば液化石油ガスなど)を圧送するための湿式ステータ型ポンプアセンブリを形成する。ポンプアセンブリ1が試験形態及び通常動作形態の一方から他方に切り替わることを可能にするために、シールジャケット12は設計によって取外し可能であり、すなわち試験形態では、シールジャケット12は、容易かつ迅速にアクセス可能な機械的締結手段を用いてハウジング6に可逆的に組み付けられる。したがって、シールジャケット12は、有利には、シールジャケット12、ケーシング6、ロータ5、又はステータ4のいずれかに機械的に大きな労力を加えることなく、最小数の要素のみ(例えば、2つ、より好ましくは1つのみ)を分解することによってケーシング6から容易にスライドさせて取り出せるように設計される。要素(複数可)は、好ましくは、ケーシング6の残りの部分から容易に分解することができるように特別に設計される。例えば、シールジャケット12は、試験形態において、第1のフランジ9から第2のフランジ10まで軸線方向に延び、シールジャケット12は、第1のフランジ9及び第2のフランジ10に取り付けられることが有利である。有利には、ポンプアセンブリ1はまた、シールジャケット12と第1及び第2のフランジ9、10のそれぞれとの間に配置された取外し可能なガスケットシール13、14を含み、ステータ4が収容される液密の第1の区画をハウジング内に形成する。言い換えるならば、試験形態では、シールジャケット12は、液密のバリアによって互いに分離された2つの区画、すなわちステータ4を取り囲む第1の区画と、ロータ5を収容する第2の区画とを形成するために、ステータ4及びロータ2を収容するハウジングを仕切る。ポンプアセンブリ1が試験形態で使用されるとき、圧送液体(好ましくは水である)は、ロータ5を収容する第2の区画に入って広がるが、ステータ4を収容する第1の区画に入ることはできない。シールジャケット12と第1及び第2のフランジ9、10との間のシール接触をそれぞれ保証するガスケットシール13、14は、例えば、第1のフランジ9及び第2のフランジ10にそれぞれ形成された溝に配置されたOリングによって形成される。当該Oリングは、試験形態から通常動作形態に切り替えるために取り外されることが意図されており、シールジャケット12がない場合には無用なものとなる。
【0029】
好ましくは、図に示すように、第2のフランジ10は、側部フレーム8に取り付けられるプレート10Aを含む複数の部分から形成され、プレート10Aは、有利には、駆動シャフト7を案内するための手段を優先的に受け入れる閉栓部品10Bによって閉じられる中央孔を有する。閉栓部品10Bは、有利には、プレート10Aに形成された中央孔に挿入されるように意図された断面が縮小された部分11Bを有する。試験形態では、シールジャケット12は、有利には、一方ではプレート10Aを貫通して形成された中央孔の側縁部11Aと、他方では閉栓部品10Bの縮小断面の部分11Bとの間に挟まれ、部分11Bは、第1のガスケットシール14を形成するOリングを収容する1つ又は複数の溝を有する。第1のフランジ9は、好ましくは、シールジャケット12の断面と一致する断面を有する結合部分を備え、シールジャケット12は、試験形態において外側から結合部分を取り囲むことが有利である。図に示すように、第1のフランジ9を通って形成された通路11は、有利には、結合部分を貫通する。好ましくは、シールジャケット12を局所的に補強するために、ロータ5を収容する第2の区画内の圧力の影響下でのシールジャケット12の変形を回避すべく、ポンプアセンブリ1は、シールジャケット12を局所的に取り囲む補強リング15を備え、したがって、シールジャケット12は第1のフランジ9の結合部分と補強リング15との間に介在する。第1のフランジ9の結合部分には、有利には、シールジャケット12が当接する第2のガスケットシール13を形成するOリングを収容する溝が設けられる。補強リング15が優先的に存在していることにより、シールジャケット12とガスケットシール14との間のシール接触は、試験形態においてロータ5を収容する第2の区画内の圧力レベルにかかわらず、いかなる状況においても維持される。図に示し上述した好ましい構成により、シールジャケット12は容易に分解することができる。その目的のために、(例えばプレート10Aにボルト止めされた)閉栓部品10Bを取り外し、次いでシールジャケット12を間隙E及びケーシング6から軸線方向に引っ張るだけでよい。補強リング15が実装される場合、第1のフランジ9を側部フレーム8から分離するために、したがって補強リング15にアクセスするために、第1のフランジ9も分解する必要がある場合がある。したがって、ケーシング6の一部を分解(及び再組立て)することもでき、その結果、ケーシング6からシールジャケット12を取り外すのに最低限の労力だけが必要となる。好ましくは、シールジャケット12をケーシング6から取り出すためには、ケーシング6の最大2つのシール要素を分解するだけでよい(例えば、閉栓部品10Bと第1のフランジ9のみを分解すればよい)。特定の実施形態によれば、シールジャケット12をケーシング6から取り出すためには、ケーシング6のただ1つのシール要素を分解するだけでよい(例えば、閉栓部品10Bのみを分解すればよい)。要素(複数可)は、好ましくは、ケーシング6の残りの部分から容易に分解し、ケーシング6の残りの部分に同様に容易に再組立てをするように特別に設計される。有利には、ポンプアセンブリ1は、その試験形態及びその通常動作形態の両方において、湿式ロータ型の構成を形成する。言い換えるならば、ポンプアセンブリ1には、有利には、試験形態及び通常動作形態の両方において、ロータ5を圧送流体から隔離するための手段が設けられていない。したがって、通常動作形態では、ポンプアセンブリ1は、浸漬ロータ及びステータ型のポンプアセンブリであり、すなわち、ロータ5及びステータ4は両方とも圧送流体と接してモータ3の冷却を確実にする。このような設計により、メンテナンス及び漏れのおそれを低減することができ、特に液化石油ガスを圧送する場合、高度の安全性を確保することを可能にすると同時に、最小限の数の内部シール部品を有する単純化された構造からの利点もある。ステータ4は、特に有利には、(通常動作形態において)流体、好ましくは非導電性流体(例えば、液化石油ガス)に浸漬することができるように設計される。ケーシング6は、優先的には、流体密(特に、圧送流体、例えば液化石油ガスに対して)になるように設計され、特に、ポンプアセンブリ1は、有利には、側部フレーム8が(通常動作形態において)圧送流体と直接接触するように設計される。優先的には、これは、ポンプアセンブリ1を圧送流体に対してシールするケーシング6であり、(少なくとも通常動作形態において)シールジャケット12に対してはシールしない。したがって、ケーシング6は、有利には、シールジャケット12がない場合であっても、流体がポンプ2に入ることを可能にする通路11を除き、流体密であるハウジングを形成するように設計される。シールされたハウジングは、優先的には、圧送流体で満たされるように意図される。したがって、ポンプアセンブリ1は、優先的には、アセンブリ1が通常動作形態にあるとき、すなわちシールジャケット12が取り外されたとき、圧送流体と接触する傾向がある圧送流体に対して敏感である要素を流体密ハウジング内に含まないように設計される。流体密ハウジングは、好ましくは、ステータ4とロータ5の両方を含む。さらに、シールジャケット12がない場合であっても、ケーシング6は、優先的には、(特に側部フレーム8内において)圧送流体の圧力に抗するハウジングを形成するように設計される。
【0030】
有利には、駆動シャフト7は、圧送流体が流通することができる長手方向チャネルによって、軸線方向に貫通される。したがって、圧送流体は、第1のフランジ9を通って形成された通路11を通過することによってハウジングに入ることができ、続いてハウジング内、特にステータ4とロータ5との間の間隙E内を流通し、次いで駆動シャフト7の上部に位置する上部入口でチャネルに入ることができ、上部は、図示のように、例えば閉栓部品10B内に収容される。次いで、圧送流体は、図に示すように、チャネル内の駆動シャフト7の内部を流通し、最終的に、ポンプ2に通じる出口に到達する。
【0031】
有利には、ポンプアセンブリ1はまた、試験形態において、ポンプ2が収容されるポンプ区画を画定するようにケーシング6に取外し可能に取り付けられる取外し可能な試験包囲体16を備える。試験包囲体16は、例えば、図に示すように、第1のフランジ9に取り付けられる。試験包囲体16は、優先的には、管状側壁16Aを備え、この側壁16Aは、ポンプ2を囲み、第1のフランジ9に取外し可能に取り付けられる端部と、有利には底部16Bによって閉じられる反対側の端部との間で延びる。試験包囲体16は、試験包囲体16を除くことによって試験形態から通常動作形態に切り替えることができるような態様で、すなわち、通常動作形態では試験包囲体16がケーシング6から取り外される態様で、ケーシング6に、より正確には第1のフランジ9に取外し可能で可逆的な態様で組み付けられる。有利には、試験包囲体16には、流体吸込み入口及び流体吐出し出口をそれぞれ形成する少なくとも2つの開口部17、18が設けられ、それらの間で圧送流体がポンプ区画内で流通することが意図される。例えば、図に示すように、流体吸込み入口開口部17は底部16Bを貫通して形成され、流体吐出し出口開口部18は側壁16Aを貫通して形成される。試験包囲体16により、流体吸込み入口開口部17で、(試験形態において)ポンプアセンブリ1を給水回路に接続して、ポンプアセンブリ1を試験することができる。したがって、水は、ポンプ2によって吸い上げられ、試験包囲体16によって画定されたポンプ区画に広がり、したがってポンプ2を浸漬し、ポンプ2は、圧送水流の一部を、モータ3を収容するハウジング内に送って、シールジャケット12によって画定されロータ5を収容する第2の区画内にのみ流通させる。したがって、水は、
図1に示すように、ポンプ2に戻される前に、水はそれが貫通する駆動シャフト7の上部まで流通し、ポンプアセンブリ1から流体吐出し出口開口部18を通って吐出される次いで、ポンプアセンブリ1は、特殊な試験ベンチを必要とせずに、特に実用的で迅速かつ費用効果の高い態様で試験され得る。その後、試験が実行されると、ポンプアセンブリ1が例えば液化石油ガスなどの非導電性流体を圧送できるように、ポンプアセンブリ1を通常動作形態に切り替えるためには、試験包囲体16及びシールジャケット12(及び関連するガスケットシール13、14)を取り外すだけでよい。
【0032】
好ましくは、試験形態において、シールジャケット12は、シールジャケット12とロータ5との間にクリアランスを、好ましくは可能な限り大きく形成するためにステータ4に当接され、間隙Eにおける圧送流体の最適な流通を促進し、試験の代表性に影響を及ぼし得る潜在的な油圧的障害及び/又は電気的障害を制限する。
【0033】
好ましくは、シールジャケット12のスリーブを形成する管状壁の厚さは、有利には0.3mm~1.2mmの間であり、その目的は、機械的強度及び耐密性を犠牲にすることなく、可能な限り最小の厚さとして、流体が流通できるように間隙Eに十分な空間を残し、ここでも試験の代表性に影響を及ぼし得る潜在的な油圧的障害及び/又は電気的障害を制限することである。
【0034】
有利には、シールジャケット12を作製する非導電性材料は、高い電気抵抗率を有する。これにより、試験の代表性に影響を及ぼす可能性がある、回転磁場に起因する間隙の渦電流損失を、大幅に低減することができる。
【0035】
有利には、シールジャケット12を形成するために使用される非導電性材料は、一方ではポリマーマトリックスを含み、他方ではマトリックスに埋め込まれた強化繊維を含む複合材料である。そのような複合材料の使用は、一方では非導電特性と、他方では剛性及び機械的強度との間の優れた妥協点を提供する。シールジャケット12は、変形することなく、又は少なくともシールジャケット12とガスケットシール13、14との間のシール接触を破壊しないように十分に低い変形レベルを維持することによって、高圧(例えば、20バール以上のオーダ)に耐えることができることが実際に必要である。したがって、シールジャケット12を形成するために使用される非導電性材料は、有利には、プラスチック(すなわち、1つ以上のポリマー)を含む。プラスチックは、好ましくは、重量で、材料の全質量の40%超、より好ましくは50%超を形成し、残りは、例えば強化繊維によって形成される。シールジャケット12を形成するために使用される材料にプラスチック(好ましくは、本明細書で上述したように、埋め込まれた強化繊維で強化されたもの)を使用することの利点は、既に言及した非導電性特性に加えて、ステータ4、ロータ5、又はケーシング6内の任意の他の重要な構成要素を損傷することなくシールジャケット12を容易に取り外すことができることである。有利には、シールジャケット12は金属製ではなく、より有利には、シールジャケット12は金属を含まない、すなわちシールジャケット12の全質量に対して有意な質量(例えば、有意な質量は1%以上、好ましくは0.1%である)を有する金属要素を含まないものである。シールジャケット12は、好ましくは鋼製ではなく、有利には鉄を含まない。鋼製ジャケット(又は別の金属製のもの)は導電性であり、シールジャケット12を取り外してポンプアセンブリ1を試験形態から通常動作形態に切り替えるときに、ハウジング6内の重要な構成要素を損傷するおそれがあるため、鋼製ジャケットは試験形態には適さない。
【0036】
特に優先的には、マトリックスを形成するポリマーは、ポリアリールエーテルケトンファミリーに属し、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなり、又は、ポリイミドファミリーに属し、その一方で、強化繊維は炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維の群から選択される。このような材料を使用することにより、特に以下の特性及び利点を得ることが可能になる
・渦電流損失を回避するための高い電気抵抗率、
・完全な水密、
・大きな圧力を支持するための高い機械的強度、
・ロータ5とステータ4との間の間隙E内の圧送流体の流れを過度に乱すことを回避するためのスリーブの薄い肉厚、
・ステータ4との完全な嵌合及びロータ5との最大クリアランスを保証するための高精度の製造。
【0037】
シールジャケット12を製造するための上述の様々な技術的手段は、有利には、水がステータ4の電気巻線及び様々な電気接続部と接触するのを防ぐだけでなく、ポンプアセンブリ1の機械的、電気的、及び油圧的な特性の損傷を最小限に抑えることを可能にし、その結果、試験形態におけるポンプアセンブリ1の機械的、電気的、及び油圧的な挙動は、通常動作形態におけるポンプアセンブリ1の挙動を示すことになる。
【0038】
本発明はさらに、それ自体、本発明によるポンプアセンブリ1を製造するための方法に関し、これは例えば上述の通りである。したがって、上記の説明は、本発明の製造方法に適用される。製造方法の以下の説明は、ポンプアセンブリ1自体にも相互的に当てはまる。
【0039】
本発明によれば、ポンプアセンブリ1を製造するための方法は、シールジャケット12を製造するステップを含み、その期間中、マンドレルが、例えばジャケット12の非導電性材料の構成要素及び/又は前駆体からなる一次材料でコーティングされる。次に、一次材料に硬化プロセスを施して、マンドレルを取り囲む剛性チューブを形成する。次いで、剛性チューブをマンドレルから分離してシールジャケット12を形成する。好ましくは、主材料は、マンドレルの周りに巻き付けられた強化繊維、例えば炭素繊維を含む。主材料はまた、流体状態のポリマー又はポリマー前駆体(例えば、PEEK又はその前駆体)を含み、マトリックスを形成することを意図し、そのマトリックスで、繊維で被覆されたマンドレルがコーティングされる。次いで、繊維で覆われ、ポリマー(例えばPEEK)でコーティングされたマンドレルによって形成されたサブセットが、硬化ブロセス及び/又は架橋プロセスを受け、これにより、チャックにねじ込まれる、複合材料(優先的には、炭素繊維で強化されたPEEKマトリックス)で作られた剛性チューブが形成される。次いで、剛性チューブはマンドレルから分離され、したがって、試験形態においてポンプアセンブリ1内に設置される準備が整ったシールジャケット12を形成する。
【0040】
本発明は最終的に、それ自体、本発明によるポンプアセンブリ1を設置するための方法に関し、これは、例えば上述の通りである。したがって、ポンプアセンブリ1の説明は、設置方法に適用され、逆もまた同様である。
【0041】
設置方法は、試験形態にあるポンプアセンブリ1が水を圧送するために使用される試験ステップを含む。
【0042】
この方法は、試験ステップの後に、ポンプアセンブリ1を通常動作形態に切り替えるために、ケーシング6からシールジャケット12を取り外すステップを含む。シールジャケット6を取り外すこのステップは、有利には、試験包囲体16及び/又はガスケットシール13、14、場合によってはリング15を取り外すステップを伴う。
【0043】
次に、設置方法は、シールジャケット12を取り外すステップ(場合によっては、試験包囲体16及び/又はガスケットシール13、14を取り外すステップ、及び場合によってはリング15を取り外すステップと)の後に、通常動作形態にあるポンプアセンブリ1を、非導電性流体、例えばメタン、エタン又はプロパンなどの液化石油ガスを圧送するための回路に組み込むステップを含む。
【0044】
その目的のために、通常動作形態にあるポンプアセンブリ1は、例えば、少なくともその高さ全体にわたってポンプアセンブリ1を取り囲むケース19に関連付けられる。ケース19は、ポンプアセンブリ1を収容するだけでなく、ポンプ2及びモータ3がケース19内の圧送流体内に浸漬されるように、ポンプ2によって吐出された流体を収容して導く区画を形成する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ポンプアセンブリの設計、製造、及び使用において産業上の用途があることが分かる。
【国際調査報告】