(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】飛散防止可能なスプレーガン
(51)【国際特許分類】
B05B 12/18 20180101AFI20240822BHJP
B05B 12/00 20180101ALI20240822BHJP
B05B 7/08 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B05B12/18
B05B12/00 Z
B05B7/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514371
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 KR2022002114
(87)【国際公開番号】W WO2023033272
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0118592
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0129227
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0016480
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524080900
【氏名又は名称】エイ-テックハンドク カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】A-TECHHANDOK CO., LTD
【住所又は居所原語表記】(Gamjeon-dong),24,Hakgam-daero 267beon-gil Sasang-gu Busan 46984,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】カン、ミョン グク
【テーマコード(参考)】
4D073
4F033
4F035
【Fターム(参考)】
4D073AA01
4D073BB01
4D073BB03
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4D073CA20
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4F033QA01
4F033QB02X
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4F035BC05
(57)【要約】
飛散防止可能なスプレーガンを開示する。塗料を噴射するスプレーノズルが内設されたヘッドと、前記ヘッドの下部に形成される取っ手とを含むスプレーガンであって、前記ヘッドの両側には、上下にスリットが形成された側部エアノズルが設けられ、前記ヘッドの上部と下部にはそれぞれ、左右にスリットが形成された上部エアノズルと下部エアノズルが設けられ、前記上部エアノズルと下部エアノズル及び側部エアノズルより同時に噴射されるエアが、前記スプレーノズルより噴射される塗料の周囲を四角状に取り囲んで、飛散を遮断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料を噴射するスプレーノズルが内設されたヘッドと、前記ヘッドの下部に形成される取っ手とを含むスプレーガンであって、
前記ヘッドの両側には、上下にスリットが形成された側部エアノズルが設けられ、
前記ヘッドの上部と下部にはそれぞれ、左右にスリットが形成された上部エアノズルと下部エアノズルが設けられ、
前記上部エアノズルと下部エアノズル及び側部エアノズルより同時に噴射されるエアが、前記スプレーノズルより噴射される塗料の周囲を四角状に取り囲んで、飛散を遮断する
ことを特徴とする飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項2】
前記上部エアノズルと下部エアノズル及び側部エアノズルはそれぞれ、平板形状をなし、いずれか1つに筒孔が形成された一対のノズル本体と、前記ノズル本体の間にU字状又は「┗┛」形状の切開溝が形成されたガスケットが挿入された構造からなり、
前記筒孔を介して供給されるエアが、前記切開溝が形成する前記スリットを介して噴射される
請求項1に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項3】
前記切開溝の開口部の両側には、傾斜した傾斜部が形成され、前記スリットを介して噴射されるエアが、一定の角度で広がる
請求項2に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項4】
前記傾斜部の間には、前記ノズル本体のうち、いずれか1つの表面より突出して噴射されるエアの流れを両側に分離させるスプレッダーが形成される
請求項3に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項5】
前記ガスケットの切開溝には、エアの流れを分離させるセパレータが突設される
請求項3に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項6】
前記セパレータと両側傾斜部の間には、1つ以上の補助セパレータが突設される
請求項5に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項7】
前記筒孔が形成されたノズル本体には、前記筒孔を介して供給されるエアを一時的に収容し、且つ、前記スリットを介して噴射させるチャンバが形成される
請求項6に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項8】
前記ヘッドの内部には、前記取っ手内に形成されたエア注入路を介して供給されるエアを、前記側部エアノズルにそれぞれ伝達するエア分配路がV字状からなり、
前記エア分配路は、前記側部エアノズルのノズル本体に形成された筒孔に連通する
請求項2に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項9】
前記側部エアノズルのノズル本体には、筒孔を介して供給されるエアを一時的に収容し、且つ、前記スリットを介して噴射させるチャンバが形成される
請求項8に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項10】
前記側部エアノズルのノズル本体には、上下に筒孔を貫通する垂直流路が形成され、
前記上部エアノズルと下部エアノズルのノズル本体には、筒孔を介して供給されるエアを一時的に収容し、且つ、前記スリットを介して噴射させるチャンバが形成され、
前記上部エアノズルと下部エアノズルのノズル本体には、水平に筒孔を貫通する水平流路が形成され、
前記水平流路の両端は、前記垂直流路にそれぞれ連通して、エアが供給される
請求項9に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項11】
前記上部エアノズルと下部エアノズルのノズル本体には、チャンバをそれぞれ貫通する回動流路軸が設けられ、前記回動流路軸の両端はそれぞれ、前記側部エアノズルと結合して、前記上部エアノズルと下部エアノズルが回転可能であり、
前記回動流路軸は、中空状からなり、外周面に内部に連通する筒孔が形成され、両端には、前記垂直流路に連通する伝達孔が形成され、前記回動流路軸の内部が前記水平流路の役割を果たす
請求項10に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項12】
前記取っ手内に形成されたエア注入路が、前記ヘッドの内部を介して下部まで延在し、
前記エア注入路の端部において、エア分配路が前記側部エアノズルに向かってV字状に形成され、且つ、前記ヘッドの一側を上下に貫通するように形成され、
前記エア分配路の上端と下端はそれぞれ、エアチューブにより、前記上部エアノズル及び下部エアノズルの筒孔と連結して、エアが供給される
請求項2に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項13】
前記ヘッドの前方には、長さの延長又は縮小可能であり、上端と下端がそれぞれ、前記上部エアノズルと下部エアノズルにヒンジ結合され、
更に、前記上部エアノズルと下部エアノズルの傾斜を調節する傾斜角調節手段が設けられる
請求項2に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項14】
前記傾斜角調節手段は、前記上部エアノズルと下部エアノズルの一側に垂直に回転自在に設けられる昇降調節ボルトと、前記昇降調節ボルトの両端に螺合される調節ナットと、一端が前記調節ナットに結合され、他端が前記上部エアノズルと下部エアノズルのノズル本体にそれぞれ挿入される調節軸とを含む
請求項13に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項15】
前記ヘッドの上面と下面にはそれぞれ、「┗┛」形状のヒンジブラケットが結合され、各ヒンジブラケットに、前記上部エアノズルと下部エアノズルがそれぞれ回転自在に結合され、
更に、前記ヘッドの一側には、長さの延長又は縮小可能であり、上端と下端がそれぞれ前記上部エアノズルと下部エアノズルにヒンジ結合され、前記上部エアノズルと下部エアノズルの傾斜を調節する傾斜角調節手段が設けられる
請求項1に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項16】
前記ヘッドの上面と下面の両側にはそれぞれ、ヒンジブラケットが突設され、各ヒンジブラケットに、前記上部エアノズルと下部エアノズルを水平に貫通するヒンジ軸が結合されて、前記上部エアノズルと下部エアノズルが回転可能であり、
更に、前記ヘッドの一側には、長さの延長又は縮小可能であり、上端が前記上部エアノズルにヒンジ結合され、下端が前記下部エアノズルにヒンジ結合されて、前記上部エアノズルと下部エアノズルの傾斜を調節する傾斜角調節手段が設けられる
請求項1に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項17】
前記傾斜角調節手段は、
中空管形状からなり、内部に雌ねじ山が形成された調節ボディと、「┓」形状からなり、上端は、前記上部エアノズルにヒンジ結合され、下端は、雄ねじ山が形成されて、前記調節ボディの上部に挿入しつつ螺合される上部調節バーと、「┓」形状からなり、下端は、前記下部エアノズルにヒンジ結合され、上端は、雄ねじ山が形成され、前記調節ボディの下部に挿入しつつ螺合される下部調節バーとを含む
請求項15または16に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項18】
前記ヘッドの上面と下面にはそれぞれ、外側に延在する固定ブラケットが一対結合され、前記固定ブラケットの間に前記調節ボディが据置き及び固定される
請求項17に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【請求項19】
上記スリットは、直線、円弧形状の曲線、「〕」、「〉」のうち、いずれか1つの形状からなる
請求項に記載の飛散防止可能なスプレーガン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーガンに関し、より詳しくは、スプレーガンより噴射される塗料の飛散を防止する飛散防止可能なスプレーガンに関する。
【背景技術】
【0002】
産業全般において、ペイントや防水剤などを塗布、塗装する作業が行われる。
【0003】
従来、筆やブラシ、ローラーを用いて、作業者が直接行っているが、現在は、一般にスプレーガンを用いて、塗装している。
【0004】
スプレーガンは、作業者が手で把持し、塗装面に直接塗料を噴射するガン(gun)形状の装置であって、前方に取り付けられたノズルを介して、塗料を粉じんの形状に噴射して、塗装面に粘着されるようにする。
【0005】
ところが、スプレーガンを用いた塗装作業は、塗料粉じんが飛散して、建物や駐車した自動車の汚染、その他、施設物に対する汚染を発生させる問題がある。
【0006】
また、塗装作業において、スプレーガンを通じて噴射される塗料の約30%が飛散し、飛散量の塗料損失も発生するだけでなく、これにより、塗装面に粘着される割合が減ることになるので、塗装作業の能率低下及び労働力損失、コスト増加の問題が発生する。
【0007】
これを解決するために、塗料の飛散を防止する方法が様々に提示されている。
【0008】
飛散を防止するための装置は、代表的に、ノズルの周囲を取り囲むカバーを装着するか、ノズルの周囲にエアを噴射して、エアカーテンを形成させる方式を用いる。
【0009】
特に、エアカーテンを用いる方式は、エアノズルがスプレーノズルの周囲に配列されて、エアカーテンを形成する。
【0010】
従来のエアノズルは、孔状からなり、複数がスプレーノズルの周囲に一定の間隔を置いて、円状に配列された構造が殆どであった。
【0011】
このような構造の場合、噴射されるエアの断面は、円状であるので、隣接するエアノズルから出る円状のエアと重なるので、形成されるエアカーテンの厚さが一定でなく、厚くて薄い部分が交互に繰り返される。
【0012】
そこで、厚い部分は、塗料がよく遮られるが、エアカーテンが薄い領域では、飛散の遮断が不完全であるという不都合がある。
【0013】
そして、スプレーノズルより噴射される塗料の塗布面積の形状は、上下に長い楕円状をなすことに対して、エアカーテンが円形からなるので、長い楕円をカバーするためには、エアノズルの配列が非常に大きい円状となるように、配置しなければならない。
【0014】
また、作業種類や環境、スプレーガンの種類によって、噴射される塗料の塗布面積が異なる。すなわち、左右の幅は、ほとんど一定であるが、上下の幅が異なるので、これに合うエアカーテンを作ることができるエアノズルを別に装着しなければならないという不便さがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前述した従来の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、スリット形状のエアノズルを四角状に配列して、スプレーノズルを取り囲み、且つ、一定の厚さのエアカーテンを形成して、飛散を完璧に遮断することができる飛散防止可能なスプレーガンを提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、上下に長い楕円状の塗布面形状が変更してもカバーできるように、上端と下端のエアノズルの傾斜角を調節することができる飛散防止可能なスプレーガンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記した目的を達成するための本発明による飛散防止可能なスプレーガンは、 塗料を噴射するスプレーノズルが内設されたヘッドと、前記ヘッドの下部に形成される取っ手とを含むスプレーガンであって、前記ヘッドの両側には、上下にスリットが形成された側部エアノズルが設けられ、前記ヘッドの上部と下部にはそれぞれ、左右にスリットが形成された上部エアノズルと下部エアノズルが設けられ、前記上部エアノズルと下部エアノズル及び側部エアノズルより同時に噴射されるエアが、前記スプレーノズルより噴射される塗料の周囲を四角状に取り囲んで、飛散を遮断することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、以下のような効果がある。
【0019】
第1に、側部エアノズルと上部エアノズル及び下部エアノズルより噴射される一定の厚さのエアカーテンが、長い楕円状の塗料塗布面を取り囲んで、塗料の飛散を完全に遮断することができる。
【0020】
第2に、作業種類や環境、スプレーガン、ノズルの種類によって、噴射される塗料の塗布面が変わっても、上部エアノズルと下部エアノズルの傾斜角を調節することで、飛散を十分カバーできるように、エアカーテンのサイズを調節することができる。
【0021】
第3に、スプレッダー又はセパレータにより、エアノズルよりエアが均一に噴射される。
【0022】
第4に、飛散される塗料の量が極めて減少して、塗料の無駄を最小化するので、コストを節減するだけでなく、作業者の作業環境も大きく改善して、安全事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る飛散防止可能なスプレーガンの外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1における本発明の側面方向縦断面斜視図である。
【
図3】
図1における本発明の正面方向縦断面斜視図である。
【
図5】
図2における本発明のエアノズルの一実施形態を示す分解斜視図である。
【
図6】
図2における本発明のエアノズルの他の実施形態を示す分解斜視図である。
【
図7】
図6における本発明のガスケットの他の実施形態を示す平面図である。
【
図8】
図1における本発明の塗料及びエアカーテンの噴射状態を示す正面図である。
【
図9】本発明の他の実施形態に係る飛散防止可能なスプレーガンを示す縦断面図である。
【
図10】
図9における本発明のA-A断面図である。
【
図11】
図9における傾斜角調節手段の作動状態図である。
【
図12】本発明の更に他の実施形態に係る飛散防止可能なスプレーガンを示す縦断面図である。
【
図14】
図12における本発明の傾斜角調節手段の作動状態図である。
【
図15】本発明のエアノズルの更に他の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を、添付の図面を参照して詳細に説明することにする。
【0025】
参考として、図面を参照した説明は、本発明をさらに容易に理解するためのものであり、本発明の範疇がそれにより限定されることではない。また。本発明を説明することに当たり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を濁していると判断される場合、詳細な説明は、省略することにする。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る飛散防止可能なスプレーガンの外観を示す斜視図である。
【0027】
本発明は、大きく、塗料ノズルが内設され、塗料やペイントを噴射するヘッド100と、前記ヘッド100の下面に形成される取っ手200と、前記ヘッド100の両側に付着される側部エアノズル310と、前記ヘッド100の上部と下部に付着される上部エアノズル320と、下部エアノズル330とを含み、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の傾斜角を調節する傾斜角調節手段400を更に含む。
【0028】
まず、
図2乃至
図4を参照して、ヘッド100と取っ手200について説明する。
図2は、
図1における本発明の側面方向縦断面斜視図であり、
図3は、
図1における本発明の正面方向縦断面斜視図であり、
図4は、
図1における本発明の横断面斜視図である。
【0029】
前記ヘッド100は、スプレーガンの胴体(body)に該当し、略四角ブロック形状をなし、前端中心に塗料やペイントを噴射可能な塗料ノズル110が形成され、下部には、前記取っ手200が連結される。
【0030】
また、前記ヘッド100の内部には、長さ方向に沿って、前記塗料ノズル110に連結される塗料供給路130が形成される。
【0031】
前記取っ手200は、作業者が把持して作業するように、前記ヘッド100の下部に突設又は結合される構造である。
【0032】
前記取っ手200は、中空状からなり、前記塗料供給路130に連通して結合されるか、前記取っ手内に前記塗料供給路に連通する塗料注入路220が形成される。
【0033】
ここで、前記取っ手200の下部には、塗料ホース(PH)が結合され、前記塗料注入路220に連結される。
【0034】
また、前記取っ手200の内部には、エア注入路230が形成され、前記エア注入路230は、外部のエアホース(AH)に連結される。
【0035】
また、前記取っ手200の一側に、レバー210がスイング可能に結合されて、前記レバー210を握力で引くことで、前記塗料ノズル110を開放して、塗料を噴射することができる。
【0036】
また、前記レバー210を引くことで、後述するエア注入路230を開放して、エアを噴射することができる。
【0037】
本発明において、前記ヘッド100の内部には、前記エア注入路230を通じて注入されたエアを、前記側部エアノズル310と上部及び下部エアノズル330に伝達、供給するように、エア分配路380が形成される。
【0038】
前記エア分配路380は、前記エア注入路230の上端に連通し、V字状に分岐され、それぞれ前記ヘッド100の左側面と右側面を貫通して、外部に連通する。
【0039】
ここで、前記ヘッド100の左側面に、後側面に付着される後述する前記側部エアノズル310の筒孔351と前記エア分配路380が連通して、前記側部エアノズル310の内部にエアが供給される。
【0040】
但し、上述したヘッド100と取っ手200の構造は、公知であるので、詳細な説明は省略し、説明した構造と異なるいずれの構造でもよい。
【0041】
ついで、
図5を共に参照して、本発明の核心的技術事項である側部エアノズル310、上部エアノズル320、及び下部エアノズル330について説明する。
図5は、
図2における本発明のエアノズルの一実施形態を示す分解斜視図である。
【0042】
本発明において、エアノズルとは、側部エアノズル、上部エアノズル、及び下部エアノズルを通称する用語である。
【0043】
前記側部エアノズル310は、前記ヘッド100の両側、言い換えると、左側面と右側面に結合されてエアを噴射することで、左側と右側にエアカーテンを形成する。
【0044】
また、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330はそれぞれ、前記ヘッド100の上面と下面に結合してエアを噴射することで、上側と下側にエアカーテンを形成する。
【0045】
すなわち、前記ヘッド100の12、3、6、9時方向にエアノズルが設けられ、前記塗料ノズル110を略長方状に取り囲んで、エアカーテンを形成することができる。
【0046】
前記側部エアノズル310、上部エアノズル320、及び下部エアノズル330は、
図5(a)に示しているような構造を有する。
【0047】
具体的に、それぞれ2つのノズル本体350の間に、ガスケット360が挟まれたサンドイッチ構造を有する。
【0048】
前記ノズル本体350は、所定の厚さを有する平板状からなり、一対が密着して設けられる。ここで、前記ノズル本体350の密着面は、水平面でもあるが、図示しているように、傾斜面を持たせて、噴射されるエアの経路を外向き傾斜して誘導することで、エアカーテンが広がるようにする。
【0049】
また、前記ガスケット360は、一定の厚さを有し、前記ノズル本体350と同一の断面形状を有し、前方に切開して開口部362が形成された切開溝361が形成される。ここで、前記切開溝361は、U字状又はV字状、又は「┗┛」形状である。
【0050】
望ましくは、前記切開溝361の開口部362の両側に、傾斜した傾斜部363が形成され、前記開口部362が拡張される方向に傾斜する。
【0051】
また、前記ノズル本体350のうち、いずれか1つの中央には、エアが供給される筒孔351が形成される。ここで、前記筒孔351は、前記切開溝361内に位置する。
【0052】
前述したように、前記側部エアノズル310の筒孔351は、前記エア分配路380に直接連通することができる。
【0053】
このような構造からなり、2つのノズル本体350は、前記ガスケット360の厚さに該当する幅だけ離隔し、前記切開溝361が位置する部分にノズル空間が形成され、前記ノズル本体350と開口部362が長い長方状のスリット311、321、331を形成することになる。
【0054】
そこで、前記筒孔351を介して圧縮空気が流入すると、前記スリット311、321、331を介して前方に噴射され、前記傾斜部363により、エアが一定の角度で扇形のように広がることになる。
【0055】
ここで、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330のスリット321、331はいずれも、左右に長く配置され、前記側部エアノズル310のスリット311は、上下に長く配置される。
【0056】
すなわち、前記スリット311、321、331は、略長方状をなすように配置されるので、各スリット311、321、331より噴射されるエアは、長方状のエアカーテン(障壁)を形成することになる。
【0057】
本発明において、
図5(b)に示しているように、前記側部エアノズル310、上部及び下部エアノズル330に、スプレッダー353が更に含まれた構造を有することもできる。
【0058】
具体的に、前述した構造と同一の2つのノズル本体350の間に、ガスケット360が挟まれたサンドイッチ構造を有することができる。
【0059】
また、前記ガスケット360に前記切開溝361が形成され、前記切開溝361の開口部362の両側に、傾斜した傾斜部363が形成される。もちろん、前記傾斜部363は、前記開口部362が拡張される方向に傾斜する。但し、前記傾斜部363が前記切開溝361の深さに比べて、相対的に長く形成される。
【0060】
また、前記ノズル本体350のいずれか1つの中央に、前記筒孔351が形成される。
【0061】
ここで、前記筒孔351と開口部362の間には、スプレッダー353が形成されるのが望ましい。具体的に、前記傾斜部363の間の前記開口部362の中央に、前記スプレッダー353が形成される。
【0062】
前記スプレッダー353は、前記ノズル本体350のいずれか1つの表面から突出して、段差のような構造である。前記スプレッダー353により噴射されるエアが中央に集中することなく、両側に分散される。
【0063】
ここで、前記スプレッダー353は、図示しているように菱形であるが、これに限定されるものではなく、円形、楕円形、三角形、台形など、様々な形状である。
【0064】
ここで、前記スプレッダー353の突出高さは、前記ガスケット360の厚さと同様に設けられて、前記スプレッダー353と他の1つのノズル本体350の間に隙間ない構造でもあり、前記スプレッダー353の突出高さが前記ガスケット360の厚さよりも小さく形成されて、前記スプレッダー353と他の1つのノズル本体350の間に隙間を形成して、その隙間にエアの一部を吐出させる。
【0065】
このような前記スプレッダー353は、前記筒孔351から流入する圧縮空気が、前記スリット311、321、331を介して噴射されるとき、均一に噴射させる。
【0066】
何故なら、前記スプレッダー353がない場合、噴射されるエアは、主に、前記スリット311、321、331の中央に集中する傾向が大きく、相対的に前記スリット311、321、331の縁には、エアの密度が弱くなるためである。
【0067】
そこで、前記開口部362の中央に集中するエアの流れは、前記スプレッダー353を中心に両側に分けられ、前記開口部362の両側に誘導される。
【0068】
また、前記スプレッダー353とノズル本体350の間に形成された隙間にも、圧縮空気の一部が噴射されるので、前記スリット311、321、331の長さ方向に沿って、全体として均一に圧縮空気が噴射される。
【0069】
以下において、
図6を参照して、本発明のエアノズルの他の実施形態を説明する。
図6は、
図2における本発明のエアノズルの他の実施形態を示す分解斜視図である。
図7は、
図6における本発明のガスケットの他の実施形態を示す平面図である。ここで、
図6(a)は、本発明の側部エアノズルを示し、
図6(b)は、本発明の上部又は下部エアノズルを示し、
図7(a)は、側部エアノズルに挿入されるガスケットを示し、
図7(b)は、上部又は下部エアノズルに挿入されるガスケットを示している。
【0070】
まず、前記側部エアノズル310は、2つのノズル本体350の間にガスケット360が挟まれた構造であることは、前述した通りである。
【0071】
但し、前記側部エアノズル310のノズル本体350のいずれか1つ、言い換えると、前記ヘッド100の側面に隣接して設けられるノズル本体350には、前記筒孔351が形成され、前記筒孔351の一側に、溝状のチャンバ354が形成される。ここで、前記筒孔351は、前記エア分配路380に連通している。
【0072】
前記チャンバ354は、長い長孔状からなり、前記筒孔351に重なって連通する。
【0073】
また、前記ノズル本体350を貫通し、前記筒孔351を横切って貫通する垂直流路355が形成される。
【0074】
図6(b)のように、前記上部エアノズル320又は下部エアノズル330のノズル本体350のいずれか1つ、言い換えると、前記ヘッド100の上面と下面に隣接して設けられるノズル本体350には、四角溝状のチャンバ354が形成される。
【0075】
また、ノズル本体350を貫通し、前記チャンバ354を横切って貫通する水平流路356が形成される。ここで、前記水平流路356の両端は、前記垂直流路355にそれぞれ連通する。
【0076】
すなわち、前記側部エアノズル310の両側にそれぞれ形成される一対の垂直流路355と、前記上部エアノズル320に形成される水平流路356及び前記下部エアノズル330に形成される水平流路356は、長方状のエア流路を形成する。
【0077】
そこで、前記エア分配路380に供給されたエアが、前記側部エアノズル310の筒孔351を介して、前記側部エアノズル310のチャンバ354に流入して一時的に収容され、前記側部エアノズル310のスリット311を介して噴射される。
【0078】
また、前記側部エアノズル310の筒孔351に供給されたエアの一部は、前記垂直流路355を介して、上側と下側に伝達されて、各水平流路356に流入し、前記水平流路356に流入したエアは、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330のチャンバ354に伝達された後、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330のスリット321、331を介して噴射される。
【0079】
一方、前記側部エアノズル310に挿入されるガスケット360は、
図6(a)に示しているように、前記切開溝361と傾斜面363が形成された構造でもあるが、望ましくは、
図7(a)に示しているように、前記切開溝361の内部にセパレータ390が更に形成される。
【0080】
前記セパレータ390は、前記切開溝361の底から前記開口部362まで長く突設し、前記チャンバ354に収容されたエアが、前記開口部362を介して噴射されるとき、エアの流れを分離することができる。
【0081】
ここで、前記セパレータ390は、前記筒孔351及びチャンバ354の上部を横切って形成され、前記セパレータ390の端部は、台形からなり、前記傾斜部363と共に、前記開口部362を拡張させる形状となることで、噴射されるエアが広がるようにする。すなわち、前記セパレータ390は、前記スプレッダー353と同様な機能を果たす。
【0082】
前記セパレータ390と前記傾斜部363の間には、補助セパレータ391が更に形成される。前記側部エアノズル310の場合、前記開口部362の長さが長いので、前記補助セパレータ391を更に設けることで、噴射されるエアのフローを更に細かく分離させて、特定の方向にエアが集中することなく、全体として均一に噴射させる。
【0083】
また、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330に挿入されるガスケット360も、
図6(b)に示しているようであるが、望ましくは、
図7(b)に示しているように、前記切開溝361の内部に、セパレータ390が形成された構造である。
【0084】
すなわち、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の切開溝361内に、セパレータ390が突設され、セパレータ390の端部も、台形形状からなる。
【0085】
但し、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の場合、開口部362の長さが短いので、前記補助セパレータ391が無い構造である。
【0086】
本発明において、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330は、一定の角度傾いた状態で固定することもできるが、傾斜角を調節可能な構造が望ましい。
【0087】
このために、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330は、回動流路軸470により回転可能に設けられる。
【0088】
前記回動流路軸470は、前記ヘッド100の上部と下部を水平に横切って固定され、固定された前記回動流路軸470に、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330が回転可能に結合される。
【0089】
しかし、図示しているように、前記回動流路軸470の両端が、前記側部エアノズル310の間に固定され、前記回動流路軸470が、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330を水平に貫通して、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330が回動可能な構造が望ましい。
【0090】
より具体的に、前記側部エアノズル310の長さが、前記ヘッドの高さよりも長く形成されて、前記ヘッド100の上側及び下側に突出し、前記回動流路軸470の両端が、前記側部エアノズル310の上端と下端に固定して、相互連結される。
【0091】
前記側部エアノズル310の上端と下端には、前記回動流路軸470が貫通して結合されるように、軸孔357が形成される。
【0092】
また、前記回動流路軸470は、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330のチャンバ354を横切って貫通する。このために、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330にも軸孔357が形成されて、前記回動流路軸470が貫通する。もちろん、前記側部エアノズルの軸孔357と、前記上部エアノズル320又は下部エアノズル330の軸孔357は、互いに連通して、前記回動流路軸470が同時に貫通される。
【0093】
ここで、前記回動流路軸470は、中空状からなり、外周面に筒孔351が形成され、前記筒孔351は、前記チャンバ354内に位置し、前記回動流路軸470の両端は、前記垂直流路355に会うが、前記回動流路軸の両端にそれぞれ、前記垂直流路355に連通するように、伝達孔(図示せず)が形成される。
【0094】
そこで、前記垂直流路355に伝達されたエアが、前記伝達孔を介して、前記回動流路軸470の内部に流入し、流入したエアは、前記筒孔351を介して排出されて、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330のチャンバ354に収容された後、前記スリット321、331を介して噴射される。
【0095】
すなわち、前記回動流路軸470は、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330を回動自在に支持すると共に、前記水平流路356の機能を果たしている。
【0096】
ついで、
図1を参照して、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330より噴射されるエアの傾斜角を調節する傾斜角調節手段400について説明する。
【0097】
前記傾斜角調節手段400は、昇降調節ボルト480と、調節ナット481と、調節軸482とを含む。
【0098】
前記昇降調節ボルト480は、棒状からなり、外周面に雄ねじ山が形成され、前記側部エアノズル310の前方に、垂直に回転自在に設けられる。ここで、前記昇降調節ボルト480の外周面に、六角形状の回転頭が形成される。
【0099】
また、前記昇降調節ボルト480の上端と下端にはそれぞれ、前記調節ナット481が螺合される。
【0100】
また、前記調節ナット481にはそれぞれ、前記調節軸482が結合され、前記調節軸482は、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330のノズル本体350前方に回転自在に挿入される。
【0101】
そこで、前記回転頭を取って、前記昇降調節ボルト480を一側に回転させると、前記調節ナット481が上下に移動しつつ、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の傾斜を増減させる。
【0102】
以下において、
図8を参照して、本発明の作動状態を説明する。
図8は、
図1における本発明の塗料及びエアカーテンの噴射状態を示す正面図である。
【0103】
作業者が前記取っ手200を取って、前記レバー210を押すと、前記塗料ノズル110を介して、塗料が微細な粒子をもって霧のように噴射される。一般に噴射される塗料は、
図8に示しているように、上下に長い楕円状に塗布形状が作られる。
【0104】
同時に、前記エア注入路230を介してエアが供給されると、前記エア分配路380を介して分岐されて、前記側部エアノズル310の筒孔351を介して、前記側部エアノズル310のチャンバ354に伝達された後、前記側部エアノズル310のスリット311を介して噴射され、前記傾斜部363により、エアが広がることになる。
【0105】
また、前記側部エアノズル310の筒孔351を介して流入したエアの一部は、前記垂直流路355を介して、前記水平流路356、言い換えると、前記回動流路軸470の伝達孔を介して、前記回動流路軸470の内部に流入し、流入したエアは、前記回動流路軸470の筒孔351を介して、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330のチャンバ354に流入した後、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330のスリット321、331を介して噴射される。
【0106】
ここで、前記側部エアノズル310より噴射されたエアは、塗料塗布面(P)の左右側に垂直に長く側部エアカーテン(AC1)を形成し、前記上部エアノズル320より噴射されたエアは、上側に水平に長く上部エアカーテン(AC2)を形成し、前記下部エアノズル330より噴射されたエアは、下側に水平に長く下部エアカーテン(AC3)を形成する。
【0107】
そこで、前記側部エアカーテン(AC1)、上部エアカーテン(AC2)、及び下部エアカーテン(AC3)は、図示しているように、上下に長い長方形のエアカーテンを形成しつつ、楕円の塗料塗布面を取り囲むようになるので、飛散を完璧に遮断する。
【0108】
特に、前記スプレッダー353又はセパレータ390及び補助セパレータ391により、圧縮空気が均一に噴射されるので、一定の厚さのエア障壁が形成され、塗料とエアカーテンが接触する境界地点でも、塗料は飛散されず、空気圧により押し出されて、前方に移動することになるので、飛散が完全に遮られる。
【0109】
もし、塗料塗布面(P)が変わる場合、例えば、楕円形の上下長さが増減する場合、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の傾斜角を調節して、楕円を完全に取り囲むようにすることができる。
【0110】
前記昇降調節ボルト480を一方向に回転させると、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330が、前記回動流路軸470を中心に傾斜角が大きくなる方向に回転することで、さらに長い楕円状の塗布面を有する飛散を遮断することができる。
【0111】
それに対して、前記昇降調節ボルトを他方向に回転させると、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330が、前記回動流路軸470を中心に傾斜角が小さくなる方向に回転することで、さらに短い楕円状の塗布面を有する飛散を遮断することができる。
【0112】
以下において、
図9乃至
図11を参照して、本発明の他の実施形態を説明する。
図9は、本発明の他の実施形態に係る飛散防止可能なスプレーガンを示す縦断面図であり、
図10は、
図9における本発明のA-A断面図であり、
図11は、
図9における傾斜角調節手段の作動状態図である。
【0113】
本発明の他の実施形態は、ヘッド100と、取っ手200と、側部エアノズル310と、上部エアノズル320と、下部エアノズル330とを含み、傾斜角調節手段400を更に含む。
【0114】
まず、前記ヘッド100は、前端中心に塗料やペイントを噴射する塗料ノズル110が形成され、下部には、塗料を供給する塗料ホースが連結される連結具120が形成される。
【0115】
前記ヘッド100の内部には、長手方向に沿って、前記連結具120に連通し、前記塗料ノズル110に連結される塗料供給路130が形成される。
【0116】
また、前記塗料供給路130の内部に、長さ方向に沿って、前記塗料ノズル110を開閉する開閉棒140が設けられ、前記開閉棒140は、前記ヘッド100の後方に設けられて、前記開閉棒140を前後進させる前後進手段150が内設される。
【0117】
ここで、前記前後進手段150は、後述するレバー210により作動される。
【0118】
また、前記ヘッド100の内部にエアを供給するエア注入路230が形成される。
【0119】
次に、前記取っ手200は、作業者が把持して作業するように、前記ヘッド100の下部に突設される。
【0120】
前記取っ手200は、中空状からなり、前記連結具120に連通して結合され、塗料ホースが前記取っ手200に挿入されて、前記連結具120に連結される構造である。
【0121】
また、前記取っ手200の一側に、レバー210がスイング可能に結合され、前記レバー210を握力で引くことで、前記前後進手段150を作動させて、前記塗料ノズル110を開放して、塗料を噴射することができ、前記エア注入路230を開放して、エアを噴射することができる。
【0122】
ついで、前記側部エアノズル310と上部エアノズル及び下部エアノズルについて説明する。
【0123】
但し、前記側部エアノズル310、上部エアノズル320、及び下部エアノズル330に関する説明は、前述したことと同様であるので、エアの供給経路についてのみ説明することにする。
【0124】
前記エア注入路230は、前記ヘッド100の下端内部に延在する。
【0125】
また、前記エア注入路370は、数個のエア分配路380に分岐され、前記側部エアノズル310及び上部エアノズル320に連結される。
【0126】
すなわち、前記エア分配路380は、両側に分岐されて、それぞれ、前記側部エアノズル310に連通してエアを供給し、いずれか1つの側部エアノズル310に連結されたエア分配路380は、上下に再度分岐されて、上部エアノズル320と下部エアノズル330に連通する。
【0127】
ここで、前記上部エアノズル320及び下部エアノズル330にそれぞれ連結されるエアチューブ381が、さらに設けられる。前記エアチューブ381は、下端が前記エア分配路380の上端と連結され、上端が前記上部エアノズル320のノズル本体350を貫通して、前記筒孔351にそれぞれ連通される。
【0128】
また、他の1つの前記エアチューブ381の上端が、前記エア分配路380の下端と連結され、下端が前記下部エアノズル330のノズル本体350を貫通して、前記筒孔351にそれぞれ連通される。
【0129】
そこで、前記エア注入路370に供給されるエアは、前記エア分配路380により分配されて、前記側部エアノズル310、上部エアノズル320、及び下部エアノズル330の筒孔351に均一に供給される。
【0130】
参考として、前記エア注入路370にエアバルブ371が設けられることで、前記レバー210の作動により、前記エア注入路230を開閉することができる。
【0131】
ついで、前記傾斜角調節手段について説明する。
【0132】
前記傾斜角調節手段400は、ヒンジブラケット410と、調節ボディ420と、上部調節バー430と、下部調節バー440とを含む。
【0133】
前記ヒンジブラケット410は、平板を折り曲げて'┗┛'形状をなし、前記ヘッド100の上面と下面にそれぞれ取り付けられる。
【0134】
また、各ヒンジブラケット410の間に、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の両側が回転自在に結合される。ここで、前記ヒンジブラケット410は、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の前方に結合され、別のヒンジ軸411が、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330を貫通しつつ、回転可能に支持する。
【0135】
また、前記調節ボディ420は、前記ヘッド100の一側に垂直に設けられ、中空管形状からなり、内周面に雌ねじ山が形成される。
【0136】
また、前記調節ボディ420の上端と下端にはそれぞれ、上部調節バー430と下部調節バー440が螺合される。
【0137】
前記上部調節バー430と下部調節バー440は、「┓」形状からなる棒部材であり、それぞれの一端が、前記調節ボディ420に挿入され、他端が、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の側面中央を水平に貫通して、ヒンジ結合される。
【0138】
ここで、前記上部調節バー430の下端には、雄ねじ山が形成され、前記調節ボディ420の上部に挿入して、雌ねじ山と螺合し、前記下部調節バー440の上端にも雄ねじ山が形成されて、前記調節ボディ420の下部に挿入して、雌ねじ山と螺合される。
【0139】
重要なことは、前記上部調節バー430と下部調節バー440の雄ねじ山は、互いに反対方向に螺旋が形成される。すなわち、前記上部調節バー430に左ねじが形成されると、前記下部調節バー440には、右ねじが形成される。
【0140】
そこで、前記調節ボディ420を一方向に回転させると、前記上部調節バー430と下部調節バー440が互いに遠ざかるか近くなるように作動する。
【0141】
前記ヘッド100と上部エアノズル320の間、また、前記ヘッド100と下部エアノズル330の間にはそれぞれ、バネ450が挟まれ、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330を弾持させるのが望ましい。すなわち、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330が傾斜して開けた状態を維持するようにする。
【0142】
以下において、
図12乃至
図14を参照して、本発明の更に他の実施形態を説明する。
図12は、本発明の更に他の実施形態に係る飛散防止可能なスプレーガンを示す縦断面図であり、
図13は、
図12における本発明のB-B断面図であり、
図14は、
図12における本発明の傾斜角調節手段の作動状態図である。
【0143】
本発明の他の実施形態は、前記傾斜角調節手段400が異なる構造からなることができる。
【0144】
前記上部エアノズル320と下部エアノズル330が、前述した「┗┛」形状のヒンジブラケットなく、直ぐ前記ヘッド100の上面と下面に回転自在に結合することができる。
【0145】
このために、前記ヘッド100の上面と下面にそれぞれ、両側に離隔して突出形状のヒンジブラケット410が形成され、ヒンジ軸411が、前記上部エアノズル320又は下部エアノズル330を貫通し、前記ヒンジ軸411の両端が前記ヒンジブラケット410により支持されることで、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330は、前記ヒンジ軸411を中心に回転自在に設けられる。
【0146】
ここで、前述した実施形態と異なり、前記ヒンジ軸411は、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の後方を貫通するように設けられる。
【0147】
また、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330の後方に、前記ヘッド100と接触する角部に、面取り加工して傾斜したチャンバ352が形成される。
【0148】
前記チャンバ352は、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330が回転するように、空間を提供すると共に、一定の角度以上傾かないように制限する。
【0149】
また、前記調節ボディ420と上部調節バー430及び下部調節バー440は、前記と同様に設けられる。
【0150】
但し、前記バネ450は、前記ヒンジブラケット410と上部調節バー430の間、また、下部調節バー440の間に設けられて、それぞれ、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330を弾持する。
【0151】
重要なことは、前記調節ボディ420は、別に一対の固定ブラケット460により、撓まないように固定される。
【0152】
前記固定ブラケット460は、図示しているように、平板を2回折り曲げて、断面が略「┏┛」のような形状を有するようにする。
【0153】
前記固定ブラケット460の1つは、前記ヘッド100の上面に水平に結合させ、端部が外側に延在するようにし、他の1つは、前記ヘッド100の下面に水平に結合させ、端部が外側に延在するように配置する。
【0154】
また、その間に前記調節ボディ420が挿入した状態で、据え置きすることで、前記調節ボディ420が上下動しない状態で、回転作動させることができる。
【0155】
以下において、本発明のエアノズルの他の実施形態を説明する。
図15は、本発明のエアノズルの更に他の実施形態を示す正面図である。
【0156】
前記側部エアノズル310と上部エアノズル320及び下部エアノズル330のスリット311、321、331は、前述したように、直線状であるが、
図15に示しているように、折曲線又は曲線である。
【0157】
前記側部エアノズル310のスリット311は、
図15(a)に示しているように、「〕」のような形状、
図15(b)に示しているように、円弧状の曲線、例えば、「)」のような形状である。
【0158】
また、前記上部エアノズル320と下部エアノズル330のスリット321、331は、
図15(a)に示しているように、「〉」のような形状、
図15(b)に示しているように、円弧形状の曲線、例えば、「)」のような形状である。
【0159】
これに対して、前記側部エアノズル310のスリット311を「〕」のようにし、上部エアノズル320と下部エアノズル330のスリット321、331、を「)」のようにするか、前記側部エアノズル310のスリット311を「)」のようにし、上部エアノズル320と下部エアノズル330のスリット321、331を「〉」のようにしてもよい。
【0160】
すなわち、塗料の塗布面(P)を取り囲んで飛散を防止することができるいずれの形状のスリットも可能である
【0161】
以上において、図面を参照して、本発明の代表的な実施形態を説明したが、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、前記の内容を基に、本発明の範疇内で様々な 応用及び変形を行うことができる。そのため、本発明の権利範囲は、説明された実施形態に限って決められてはいけず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものにより決められる。
【国際調査報告】