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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】口腔内光線療法装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514630
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 US2022076153
(87)【国際公開番号】W WO2023039499
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/242,166
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523245104
【氏名又は名称】ムレヴァ フォトセラピー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コータリー、 ヴェタング
(72)【発明者】
【氏名】オージャ、 ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ラザーラ、 ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】シェルナット、 サミュエル
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PA02
4C082PC04
4C082PC08
4C082PE09
4C082PJ11
(57)【要約】
口腔の扁桃領域の照射を改善する口腔内光線療法装置が提供される。口腔組織照射は、咽喉の奥において特に難しい。本口腔内光線療法装置は、患者の呼吸を改善するために呼吸チューブを用いることによりこれらの組織の照射を改善する。呼吸チューブにより、患者は、口を通して呼吸することが可能になり、これにより、口腔の扁桃領域が開放される。また、咽喉の奥近傍に接触する物体は、多くの場合、絞扼反射を誘発する。この絞扼反射により、光線療法を実施するための実施可能時間が短縮され、咽喉の奥まで光線療法を施すことが難しくなる。本口腔内光線療法装置は、この口腔内光線療法装置が口腔のさらなる奥と接触しないように口腔の硬口蓋を背面フィンと接触させることにより絞扼反射を弱めることができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内光線療法装置を用いる光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善することにより、光線療法中に患者の口腔の扁桃領域の照射を改善する呼吸装置であって、
前記呼吸装置の位置が前記口腔内光線療法装置に対して維持されるように前記口腔内光線療法装置の取付構造体と機械的に係合するように構成されている固定構造体と、
中央内腔部と前記中央内腔部の遠位開口部とを有する本体部と、
第1外側内腔部と、第2外側内腔部と、前記第1外側内腔部の第1近位開口部および前記第2外側内腔部の第2近位開口部を備えている近位開口部とを有する二股分岐突起部とを備え、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記中央内腔部と流体接続され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内に収容されるように前記近位開口部が構成され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔の外部に位置するように前記遠位開口部が構成され、前記口腔が前記中央内腔部、前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている、呼吸装置。
【請求項2】
前記二股分岐突起部は、前記第1外側内腔部を囲繞する第1外側突起部と前記第2外側内腔部を囲繞する第2外側突起部とを含み、
前記第1外側突起部は、前記呼吸装置が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内光線療法装置の中央突起部が前記第1外側内腔部と前記第2外側内腔部との間に位置するように、前記第2外側突起部から離間している、請求項1に記載の呼吸装置。
【請求項3】
前記固定構造体、前記本体部および前記二股分岐突起部は、上面部分および下面部分を有するハウジングにより一体的に形成され、
前記下面部分および前記上面部分は、前記中央内腔部、前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を形成するように機械的に係合するような形状を有している、請求項1または請求項2に記載の呼吸装置。
【請求項4】
前記二股分岐突起部は、前記第1外側内腔部の第1周辺開口部および前記第2外側内腔部の第2周辺開口部をさらに含み、
前記第1周辺開口部は、前記第1近位開口部とは異なる平面上に位置し、
前記第2周辺開口部は、前記第2近位開口部とは異なる平面上に位置している、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の呼吸装置。
【請求項5】
受光する光線ガイドと患者の口腔との間のバリアを提供する口腔内光線療法装置保護システムにおいて、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の呼吸装置と、
光透過性のシート素材から形成され、中央ボリューム、第1外側ボリュームおよび第2外側ボリュームを含む三股内部ボリュームを有するスリーブとを備え、前記三股内部ボリュームは、
閉止遠位縁部により接続されている上面シートおよび下面シートを形成するように前記シート素材を折り重ねることであって、前記上面シートおよび前記下面シートは重なり合って開放第1外側縁部、開放第2外側縁部および開放近位縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記第1外側縁部に沿って接続することにより、閉止第1外側縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記第2外側縁部に沿って接続することにより、閉止第2外側縁部を形成していること、
前記中央ボリューム、前記第1外側ボリュームおよび前記第2外側ボリュームを形成するために前記閉止遠位縁部から前記閉止遠位縁部に沿ってシート素材を除去することであって、
前記中央ボリュームと前記第1外側ボリュームとの間の素材第1領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第1領域の境界に沿って接続することにより、および
前記中央ボリュームと前記第2外側ボリュームとの間の素材第2領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第2領域の境界に沿って接続することにより、除去すること
により形成され、
前記中央ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の光線ガイドを収容するような形状を有し、
前記第1外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第1外側翼部を収容するような形状を有し、
前記第2外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第2外側翼部を収容するような形状を有し、
前記呼吸装置の前記固定構造体は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内光線療法装置に対して前記スリーブの位置を維持するように構成されている、口腔内光線療法装置保護システム。
【請求項6】
前記第1外側縁部を形成するための前記第1外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は、前記第1外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記第2外側縁部を形成するための前記第2外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は、前記第2外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記閉止遠位縁部により接続されている前記上面シートと前記下面シートを形成する前記シート素材の折り重ねは、前記閉止遠位縁部に沿う継ぎ目を形成しておらず、このようにして、前記閉止遠位縁部を通した光は、継ぎ目により干渉されない、請求項5に記載の口腔内光線療法装置保護システム。
【請求項7】
前記呼吸装置は、前記呼吸装置が前記スリーブに機械的に固定されるように前記スリーブに一体化されている、請求項5または請求項6に記載の口腔内光線療法装置保護システム。
【請求項8】
光源により放射される光線を用いて患者の口腔の目標領域を照射する口腔内光線療法装置において、
近位端部、遠位端部、背面部、腹面部および、前記近位端部、前記遠位端部、前記背面部、前記腹面部の間に延在する本体部を有する光源であって、
前記光線ガイドは、前記近位端部において前記光源からの光線を受光し、前記受光した光線を前記近位端部から前記遠位端部に前記本体部を介して伝搬するように構成され、
前記本体部は、光線を前記背面部および前記腹面部から放射させるように構成されている光線抽出特徴部を含み、
前記光線ガイドは、前記遠位端部から光線を投射するように構成され、
前記背面部は、凸形状を有し、前記腹面部は、凹形状を有し、このようにして、前記本体部は、口腔挿入時に前記口腔の輪郭と一致して、光線を前記口腔の目標領域にガイドする、光源と、
前記背面部から延在し前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に挿入されている際に前記口腔の口蓋を押圧するように構成されている背面突起部とを備える口腔内光線療法装置。
【請求項9】
前記光線抽出特徴部は、前記遠位端部に隣接する前記背面部の遠位領域に背面特徴部を含み、
前記背面特徴部は、前記背面部に突起部または窪部のうちの少なくとも1つを含み、
前記背面突起部の少なくとも一部は、前記背面部の前記遠位領域に位置している、請求項8に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項10】
前記光線抽出特徴部は、前記腹面部に腹面特徴部を含み、
前記腹面特徴部は、前記腹面部に突起部または窪部のうちの少なくとも1つを含む、請求項8または請求項9に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項11】
前記光源は、前記光線ガイドの外部であり、前記光線ガイドにより物理的に支持されていない、請求項8~請求項10の何れか1項に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項12】
前記口腔の前記目標領域は、舌、前記口腔の下顎および上顎の頬表面、前記口腔の口腔底および口蓋ならびに扁桃組織のうちの少なくとも1つを含む、請求項8~請求項11の何れか1項に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項13】
前記口腔の前記目標領域は、舌、前記口腔の下顎および上顎の頬表面、前記口腔の口腔底および口蓋ならびに扁桃組織を含む、請求項8~請求項12の何れか1項に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項14】
前記光線ガイドは、前記光源により放射される光を少なくとも部分的に透過させる材料から形成されている、請求項8~請求項13の何れか1項に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項15】
前記光線ガイドと光学的に接続され、前記光源からの光線を受光して伝搬するように構成されている外側翼部をさらに備え、
前記外側翼部は、左翼部と前記左翼部から垂直方向に離間している右翼部とを含み、
前記光線ガイドは、垂直方向において前記左翼部と前記右翼部との間に位置し、
前記外側翼部は、前記患者の頬組織と歯茎との間に収容されるような大きさと形状を有し、
前記外側翼部は、前記口腔内に挿入されている際に前記歯茎に対向する内側面と前記内側面とは反対側において前記頬組織に対向する外側面とを含み、前記外側翼部は、受光した光線を前記内側面および前記外側面から放射するように構成されている、請求項8~請求項14の何れか1項に記載の装置。
【請求項16】
光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善して患者の口腔の扁桃領域を照射する光線療法システムであって、
取付構造体をさらに備えている請求項8~請求項14の何れか1項に記載の口腔内光線療法装置と、
呼吸装置とを備え、
前記呼吸装置の位置が前記口腔内光線療法装置に対して維持されるように前記口腔内光線療法装置の前記取付構造体と機械的に係合するように構成されている固定構造体と、
中央内腔部と前記中央内腔部の遠位開口部とを有する本体部と、
第1外側内腔部と、第2外側内腔部と、前記第1外側内腔部の第1近位開口部および前記第2外側内腔部の第2近位開口部を備えている近位開口部とを有する二股分岐突起部とを含み、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記中央内腔部と流体接続され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内に収容されるように前記近位開口部が構成され、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記光線ガイドが垂直方向において前記第1外側内腔部と前記第2外側内腔部との間に位置するような形状を有し、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔の外部に位置するように前記遠位開口部が構成され、前記口腔が前記中央内腔部、前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている、光線療法システム。
【請求項17】
光透過性のシート素材から形成され、中央ボリューム、第1外側ボリュームおよび第2外側ボリュームを含む三股内部ボリュームを有するスリーブをさらに備え、前記三股内部ボリュームは、
閉止遠位縁部により接続されている上面シートおよび下面シートを形成するように前記シート素材を折り重ねることであって、前記上面シートおよび前記下面シートは重なり合って開放第1外側縁部、開放第2外側縁部および開放近位縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記第1外側縁部に沿って接続することにより、閉止第1外側縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記第2外側縁部に沿って接続することにより、閉止第2外側縁部を形成していること、
前記中央ボリューム、前記第1外側ボリュームおよび前記第2外側ボリュームを形成するために前記閉止遠位縁部から前記閉止遠位縁部に沿ってシート素材を除去することであって、
前記中央ボリュームと前記第1外側ボリュームとの間の素材第1領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第1領域の境界に沿って接続することにより、および
前記中央ボリュームと前記第2外側ボリュームとの間の素材第2領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第2領域の境界に沿って接続することにより、除去すること
により形成され、
前記中央ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の光線ガイドを収容するような形状を有し、
前記第1外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第1外側翼部を収容するような形状を有し、
前記第2外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第2外側翼部を収容するような形状を有し、
前記呼吸装置の前記固定構造体は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内光線療法装置に対して前記スリーブの位置を維持するように構成されている、請求項16に記載の光線療法システム。
【請求項18】
前記第1外側縁部を形成するための前記第1外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は、前記第1外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記第2外側縁部を形成するための前記第2外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は、前記第2外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記閉止遠位縁部により接続されている前記上面シートと前記下面シートを形成する前記シート素材の折り重ねは、前記閉止遠位縁部に沿う継ぎ目を形成しておらず、
前記閉止遠位縁部を通した光は、継ぎ目により干渉されない、請求項17に記載の光線療法システム。
【請求項19】
光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善して患者の口腔の扁桃領域を照射する光線療法システムであって、前記光線療法システムは、
光源により放射される光線を用いて患者の口腔の目標領域を照射する口腔内光線療法装置であって、
近位端部、遠位端部、背面部、腹面部および、前記近位端部、前記遠位端部、前記背面部、前記腹面部の間に延在する本体部を有する光源であって、
前記光線ガイドは、前記近位端部において前記光源からの光線を受光し、前記受光した光線を前記近位端部から前記遠位端部に前記本体部を介して伝搬するように構成され、
前記本体部は、光線を前記背面部および前記腹面部から放射させるように構成されている光線抽出特徴部を含み、
前記光線ガイドは、前記遠位端部から光線を投射するように構成されている、光源を備えている口腔内光線療法装置と、
呼吸装置であって、
前記呼吸装置の位置が前記口腔内光線療法装置に対して維持されるように前記口腔内光線療法装置の前記取付構造体と機械的に係合するように構成されている固定構造体と、中央内腔部と前記中央内腔部の遠位開口部とを有する本体部とを含み、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内に収容されるように前記近位開口部が構成され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔の外部に位置するように前記遠位開口部が構成され、前記口腔が前記中央内腔部、前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている、呼吸装置とを備える、光線療法システム。
【請求項20】
前記本体部は、二股突起部をさらに含み、
前記二股突起部は、前記近位開口部、第1外側内腔部および第2外側内腔部を含み、
前記近位開口部は、前記第1外側内腔部の第1近位開口部および前記第2外側内腔部の第2近位開口部を備え、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記中央内腔部と流体接続され、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記光線ガイドが垂直方向において前記第1外側内腔部と前記第2外側内腔部との間に位置するような形状を有している、請求項19に記載の光線療法システム。
【請求項21】
前記光線ガイドの前記背面部は、凸形状を有し、
前記光線ガイドの前記腹面部は、凹形状を有し、
前記本体部は、口腔挿入時に前記口腔の輪郭と一致して、光線を前記口腔の目標領域にガイドする、請求項19または請求項20に記載の光線療法システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2021年9月9日に出願した63/242,166の利益を主張するものであり、この出願は、参照によりその全体が本出願に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的には、光線療法に関し、具体的には、口腔内光線療法装置に関する。
【背景技術】
【0003】
光線療法は、口腔粘膜炎と称される症状を含む様々な症状の治療および痛み止めに利用することができる。
光線療法は、いくつかの方法により、例えば、皮膚を通して病変領域内に光線を伝搬する、低レベルレーザ治療または発光ダイオード(LED)アレイを介して、組織に直接に提供される。
【0004】
現在では、例えば、口腔粘膜炎を含む口腔の様々な光線療法治療症状の治療のために光線療法を適用する2つの方法が知られており、低レベルレーザ療法および発光ダイオード(LED)アレイが知られている。
口腔粘膜炎は、癌療法の最も一般的で顕著な毒性の一つである。
【0005】
低レベルレーザ療法を受け入れる障壁には、レーザ設備のコストおよび労働集約性がある。
さらに、オペレータ間のばらつき、専門研修の必要性という問題もある。
また、この形態の治療を受ける患者は、長時間にわたり口を開けたままに保つ必要があるが、これは、快適ではなく、粘膜炎が進行するにつれて大変な苦痛となる。
【0006】
LEDアレイは、複数のLEDを用いて組織の広い範囲を外部から照射する。
これらのアレイからの光線は、皮膚を侵達して粘膜を刺激する。
LEDアレイは、大きな表面積に照射するという有利な点を有し、スポットレーザシステムよりも実装が単純であり、患者にとってより快適である。
光線療法治療を適用するためにLEDアレイを利用することの主な不利な点は、LEDアレイが頬組織を透照しなければならないため投与量制御を欠いていること、口腔粘膜炎に冒されやすい扁桃および口蓋領域を含む口腔の全ての領域に到達することが困難であることである。
また、異なる頬領域間および異なる患者間で組織の厚みにばらつきがあるため、粘膜に投与される光線の投与量を正確に監視および制御することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
口腔粘膜炎が引き起こす痛みを伴う病変を口腔の咽喉および扁桃領域の奥に経験する患者は多い。
しかし、光線療法光線を用いてこれら患部領域に到達することは、難しいため、これら患部領域を治療することは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、呼吸チューブを用いて、患者の呼吸を改善し、その結果、咽喉の奥に位置する組織の照射の改善のために扁桃領域を開放するような、口腔の扁桃領域を照射する口腔内光線療法装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、背面部突起部を用いて、口腔の口蓋と相互作用し、催吐感を低減して、咽喉の奥に位置する組織の照射の改善のために扁桃領域を開放するような、口腔の扁桃領域を照射する口腔内光線療法装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、口腔内光線療法装置の近傍にスリーブを維持して、患者の呼吸を改善し、その結果、咽喉の奥に位置する組織の照射の改善のために扁桃領域を開放するような、口腔内光線療法装置と口腔との間のバリアを提供するために口腔内光線療法装置を収容する三股分岐スリーブを提供する。
【0011】
本発明では、いくつかの特徴が記載されているが、所定の実施形態に関して記載されている特徴は、他の実施形態に関しても採用されててよい。
以下の説明および添付の図面には、本発明の実施形態が記載されている。
その一方、これらの実施形態は、本発明の原理が採用される多くの方法のうちのいくつかを示しているに過ぎない。
本発明の態様に係る他の目的、有利な点および新規な特徴は、図面を参照して考慮すれば、以下の詳細な説明から明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付の図面は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の様々な態様を示し、様々な図中において、同様の参照番号は、同一または同様の部材を示すように用いられている。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図面において、参照番号を有する各要素は、参照番号後続のいかなる文字指定とも無関係に、同一の参照番号を有する他の要素と同様である。
明細書において、参照番号後続の特定の文字指定を有する参照番号は、図面における参照番号後続のいかなる文字指定とも無関係に、その番号および文字指定を有する特定の要素を参照し、特定の文字指定を有していない参照番号は、同一の参照番号を有する全ての要素を参照する。
図1】口腔内光線療法装置と呼吸装置および保護スリーブを有する口腔内光線療法装置保護システムとを含む口腔内光線療法システムの実施形態の正面斜視図。
図2図1の口腔内光線療法装置の正面斜視図および呼吸装置の分解図。
図3図1および図2の呼吸装置から分離された口腔内光線療法装置の正面斜視図。
図4図1の呼吸装置および保護スリーブの正面斜視図。
図5】呼吸装置の代替的な実施形態の正面斜視図。
図6図5の呼吸装置の側面斜視図。
図7図5および図6の呼吸装置の背面斜視図。
図8図5図7の呼吸装置の下面斜視図。
図9図5図8の呼吸装置の下面部分の正面斜視図。
図10図9の下面部分の下面斜視図。
図11図9および図10の下面部分の側面斜視図。
図12図5図8の呼吸装置の上面部分の正面斜視図。
図13図12の上面部分の下面斜視図。
図14図12および図13の上面部分の側面斜視図。
図15】口腔内光線療法装置の実施形態の正面斜視図。
図16図15の口腔内光線療法装置の上面斜視図。
図17図15および図16の口腔内光線療法装置の下面斜視図。
図18図15図17の口腔内光線療法装置の側面斜視図。
図19図15の口腔内光線療法装置および図5の呼吸装置の正面斜視図。
図20図15の口腔内光線療法装置および図5の呼吸装置の側面斜視図。
図21図15の口腔内光線療法装置および図5の呼吸装置の上面図。
図22図15の口腔内光線療法装置および図5の呼吸装置の上面正面図。
図23図15の口腔内光線療法装置および図5の呼吸装置の下面正面図。
図24】製造中の保護スリーブの上面図。
図25】保護スリーブを形成するための切れ目の位置と切れ目の接続を示す未処理のスリーブの図。
図26】保護スリーブと呼吸チューブを含む呼吸装置とを示す図。
図27】保護スリーブに取り付け中の図26の呼吸装置。
図28図26および図27の保護スリーブおよび呼吸装置の上面図。
図29図28の保護スリーブに挿入中の口腔内光線療法装置を示す図。
図30】保護スリーブに取り付けられている呼吸装置の代替的な実施形態を示す図。
図31】口腔内光線療法装置に取り付けられている呼吸装置の実施形態を示す図。
図32】口腔内光線療法装置の光線ガイドの側面斜視図。
図33図32の光線ガイドの側面図。
図34図32の光線ガイドの上面図。
図35図32の光線ガイドの下面図。
図36】口腔内に挿入された図32の光線ガイドの上面図。
図37】口腔内に挿入された図32の光線ガイドの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態により、口腔の扁桃領域の照射を改善する口腔内光線療法装置が提供される。
口腔組織照射は、咽喉の奥において特に難しい。
この口腔内光線療法装置は、患者の呼吸を改善するために呼吸チューブを用いることにより、これらの組織の照射を改善する。
呼吸チューブにより、患者は、口を通して呼吸することが可能になり、これにより、口腔の扁桃領域が開放される。
扁桃領域が開放されることにより、口腔内光線療法装置から放射される光線は、咽喉の奥に位置する組織を照射することが可能になる。
【0014】
また、多くの場合、咽喉の奥近傍に接触する物体は、絞扼反射を誘発する。
この絞扼反射により、光線療法を実施するための実施可能時間が短縮され、咽喉の奥まで光線療法を施すことが難しくなる。
この口腔内光線療法装置は、口腔内光線療法装置が口腔のさらなる奥と接触しないように口腔の硬口蓋を背面フィンと接触させることにより、絞扼反射を弱めることができる。
つまり、口腔内光線療法装置は、口腔内光線療法装置の咽喉に近い部分が口腔と接触せず絞扼反射を誘発しないように、咽頭から遠い口腔部分と接触するように構成されている背面フィンを含んでよい。
【0015】
図1図4を参照すると、口腔の扁桃領域を照射する光線療法システム10の実施形態が示されている。
光線療法システム10は、口腔内光線療法装置12と口腔内光線治療装置保護システム14とを備えている。
口腔内光線治療装置保護システム14は、呼吸装置16とスリーブ18(保護スリーブとも称される)とを備えている。
【0016】
呼吸装置16は、口腔内光線療法装置12を用いる光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善することにより、光線療法中に患者の口腔の扁桃領域の照射を改善する。
呼吸装置16を用いない場合、患者は、鼻を通して呼吸する必要がある場合があり、これにより、咽喉の奥が圧縮されるため、扁桃領域を照射することが困難になる。
対照的に、呼吸装置16を用いる場合、患者は、口を通して呼吸することができ、咽喉の奥が開放的され、扁桃領域の照射が改善される。
【0017】
図5図14に示されているように、呼吸装置16は、固定構造体20と本体部22と二股分岐突起部24とを備えている。
固定構造体20は、呼吸装置16の位置が口腔内光線療法装置12に対して維持されるように、口腔内光線療法装置12の取付構造体26と機械的に係合する。
本体部22は、中央内腔部28と中央内腔部28の遠位開口部30とを有する。
二股分岐突起部24は、第1外側内腔部32、第2外側内腔部34および近位開口部36を有する。
近位開口部36は、第1外側内腔部32の第1近位開口部38および第2外側内腔部34の第2近位開口部40を備えている。
第1外側内腔部32および第2外側内腔部34は、中央内腔部28と流体接続されている。
【0018】
口腔内光線療法装置12が口腔内に位置し、固定構造体20が口腔内光線療法装置12と機械的に係合している際に口腔内に収容されるように、近位開口部36が構成されて(例えば、形状を有して)いる。
同様に、口腔内光線療法装置が口腔内に位置し、固定構造体が口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に口腔の外部に位置するように遠位開口部30が構成され(例えば、形状を有し)、このようにして、口腔が中央内腔部、第1外側内腔部および第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている。
つまり、近位開口部36と遠位開口部30とが流体接続されているため、そして、近位開口部36が口腔内に位置し、遠位開口部30が口腔外に位置しているため、呼吸装置16は、患者に口を通して呼吸するための流路を(つまり、中央内腔部28を介して)供給する。
【0019】
図24および図25を参照すると、保護システム14は、スリーブ18を含む。
スリーブ18の内部ボリュームを口腔内光線療法装置12に形状的によりフィットさせると、口腔内光線療法装置12をスリーブ18の内部に挿入することがより難しくなる。
その一方、また、スリーブ18内への口腔内光線療法装置12の挿入を改善するために内部ボリュームをより大きくすると、患者の口の内部には、スリーブ付き口腔内光線療法装置12があるため、口を通して呼吸することが患者にとってより難しくなる。
スリーブ18内部に複数の接続されたボリューム(例えば、光線ガイドの各突起部毎に1つのボリューム)を構成することにより、スリーブ18のだぶつきを小さくし、患者が口を通して呼吸する能力を改善することができる。
【0020】
スリーブ18は、光透過性のシート素材から形成され、中央ボリューム44、第1外側ボリューム46および第2外側ボリューム48を含む三股内部ボリューム42を有する。
三股内部ボリューム42は、閉止遠位縁部54により接続されている上面シート50および下面シート52を形成するようにシート素材を折り重ねることにより形成される。
上面シート50および下面シート52は、重なり合って開放第1外側縁部56、開放第2外側縁部58および開放近位縁部60を形成している。
上面シート50および下面シート52は、第1外側縁部56に沿って接続されていることにより、閉止第1外側縁部62を形成している。
同様に、上面シート50および下面シート52は、第2外側縁部58に沿って接続されていることにより、閉止第2外側縁部64を形成している。
【0021】
中央ボリューム44、第1外側ボリューム46および第2外側ボリューム48を形成するために、閉止遠位縁部54から閉止遠位縁部54に沿ってシート素材を除去する。
つまり、中央ボリューム44と第1外側ボリューム46との間のシート素材第1領域66を除去して、上面シート50と下面シート52を第1領域66の境界に沿って接続する。
同様に、中央ボリューム44と第2外側ボリューム48との間のシート素材の第2領域68を除去して、上面シート50と下面シート52を第2領域68の境界に沿って接続する。
【0022】
上面シート50と下面シート52の接続は、第1外側縁部62と第2外側縁部64に沿う継ぎ目を形成している。
この継ぎ目は、口腔内光線療法装置12により放射された光線を歪ませてよい。
対照的に、閉止遠位縁部54により接続されている上面シート50と下面シート52を形成するシート素材の折り重ねは、閉止遠位縁部54に沿う継ぎ目を形成しておらず、このようにして、閉止遠位縁部を通した光は、継ぎ目により干渉されない。
上面シート50と下面シート52は、任意の好適な方法(例えば、熱溶着、接着剤等)を用いて接続されてよい。
【0023】
スリーブ18は、スリーブ18が遠位縁部54に沿う継ぎ目を含まないような任意の方法で形成されてよい。
例えば、スリーブ18は、ディップ成形または真空成形(例えば、ラテックス手袋と同様)であってよい。
【0024】
図1に示されているように、中央ボリューム44は、口腔内光線療法装置12の光線ガイド70を収容するような形状を有している。
同様に、第1外側ボリューム46は、口腔内光線療法装置12の第1外側翼部72を収容するような形状を有し、第2外側ボリューム48は、第2外側翼部74を収容するような形状を有している。
呼吸装置16の固定構造体20は、スリーブ18が呼吸装置16と口腔内光線療法装置12との間に位置している状態で固定構造体20が口腔内光線療法装置12と機械的に係合している際に口腔内光線療法装置12に対してスリーブ18の位置を維持する。
つまり、呼吸装置16は、口腔内光線療法装置12に対してスリーブ18を位置的に固定するために用いられてよい。
【0025】
スリーブ18は、任意の好適な材料から形成されてよい。
例えば、スリーブ18は、使い捨て可能であってよく、口腔と光線ガイド70との間の微生物バリアとして機能するのに十分な生体適合性の合成樹脂から形成されてよい。
【0026】
図26図31に示されているように、呼吸装置16は、様々な形態を有してよい。
例えば、呼吸装置16は、本体部を欠いてよく、その代わりに少なくとも1つの呼吸チューブ122を含んでよい。
図示の実施形態において、呼吸装置16は、遠位開口部と流体接続されている近位開口部を各々有している2つの呼吸チューブ122a,122bを含んでいる。
1つまたは複数の呼吸チューブ122は、互いに流体接続されていなくてもよい(例えば、1つまたは複数の呼吸チューブ122は、物理的に分離されていてよい)。
【0027】
1つまたは複数の呼吸チューブ122は、スリーブ18に機械的に取り付けられてよくまたは浮動的であってよい。
1つまたは複数の呼吸チューブ122は、1つまたは複数の近位開口部に対して(口腔外に位置する)1つまたは複数の遠位開口部の再位置決めを可能にするように折り曲げ可能であってもよい。
代替的に、1つまたは複数の呼吸チューブ122は、定まった形状を有してよい。
【0028】
1つまたは複数の呼吸チューブ122は、テープを用いて、スリーブ18素材の一部分をスリーブ18に熱溶着させることにより、または、任意の好適な方法を用いることにより、スリーブ18に固定されてよい。
例えば、呼吸装置16は、呼吸装置16がスリーブ18に機械的に固定されるように、スリーブ18に一体化されてよい。
スリーブ18は、殺菌されてもよい。
【0029】
図30および図31に示されている実施形態において、呼吸チューブの代替的な実施形態が示されている。
両方の実施形態において、呼吸チューブ122は、折り曲げられており、クリップ124を介してスリーブの表面に取り付けられている。
図示のように、1つまたは複数の呼吸チューブ122は、口腔内光線療法装置12に対して様々な位置および/または方向(例えば、垂直方向または水平方向)に配置されてよい。
【0030】
1つの実施形態において、呼吸装置16は、口腔内光線療法装置12に対して呼吸装置16の位置を維持するために口腔内光線療法装置12における1つまたは複数の窪部と係合する1つまたは複数の突起部を含んでよい。
【0031】
呼吸装置16は、患者の呼吸と干渉しないように構成されてよい。
1つの実施形態において、呼吸装置16の1つまたは複数の近位開口部は、300ml超の一回換気量(Vt)を可能とする断面積を有してよい。
一回換気量は、各呼吸周期(吸気/呼気)に肺に出入りする空気量として定義される。
呼吸装置16は、5分間の治療の間に患者が呼吸活動を増加させることなく少なくとも300mlの空気を呼吸装置16により流すことを可能にするように構成されてよい。
【0032】
光源75により放射される光線を用いて口腔の目標領域を照射する口腔内光線療法装置12の実施形態が、図15図23に示されている。
口腔内光線療法装置12は、近位端部76、遠位端部78、背面部80、腹面部82および、近位端部76、遠位端部78、背面部80、腹面部82の間に延在する本体部84を有する光線ガイド70を含む。
【0033】
光線ガイド70は、近位端部76において光源75からの光線を受光し、受光した光線を近位端部76から遠位端部78に本体部84を介して伝搬する。
本体部84は、光線を背面部80および腹面部82から放射させる光線抽出特徴部86を含む。
また、光線ガイド70は12遠位端部78から光線を投射する。
背面部80は、凸形状を有してよく、腹面部82は、凹形状を有してよく、このようにして、本体部84は、口腔挿入時に口腔の輪郭と一致して、光線を口腔の目標領域にガイドする。
【0034】
また、光線ガイド70は、背面部80から延在し口腔内光線療法装置12が口腔内に挿入されている際に口腔の口蓋を押圧する背面突起部88を含む。
口腔の口蓋と相互作用することにより、図37に示されているように、背面突起部88は、口の口蓋と口腔内光線療法装置12の背面部80との間の空間を維持する。
【0035】
図示のように、背面突起部88は、硬口蓋と相互作用し、光線ガイド70の先端部(つまり、遠位端部78)が咽喉の上奥を押圧することを緩和するように構成されている。
これにより、光線療法の際の軟口蓋(扁桃組織とも称される)の照射が改善される。
【0036】
背面突起部88は、遠位端部78が咽喉の上奥を押圧することを緩和して、硬口蓋と相互作用する任意の好適な形状を有してよい。
例えば、図中、背面突起部88は、フィン形状を有している。
背面突起部88は、フィン形状に限定されず、任意の好適な形状(例えば、球状、楕円状、長楕円状等)を有してよい。
【0037】
上記のように、また、口腔内光線療法装置12は、外側翼部72,74を含んでよい。
外側翼部72,74は、光線ガイド70と光学的に接続され、光源75からの光線を受光して伝搬する。
第1外側翼部72(左翼部とも称される)と第2外側翼部74(右翼部とも称される)は、垂直方向に離間し、光線ガイド70は、垂直方向において第1外側翼部72と第2外側翼部74との間に位置している。
図36に示されているように、外側翼部72,74は、口腔内の患者の頬組織と歯茎との間に収容されるような大きさと形状を有している。
つまり、外側翼部72,74は、口腔内に挿入されている際に歯茎に対向する内側面90と、この内側面90とは反対側において頬組織に対向する外側面92とを含む。
外側翼部72,74は、受光した光線を内側面90および外側面92から放射する。
【0038】
図19図23によると、二股分岐突起部24は、第1外側内腔部32を囲繞する第1外側突起部94と第2外側内腔部34を囲繞する第2外側突起部96とを含んでよい。
第1外側突起部94は、呼吸装置が口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に、口腔内光線療法装置の中央突起部が第1外側内腔部と第2外側内腔部との間に位置するように、第2外側突起部96から離間していてよい。
【0039】
図9図14を参照すると、固定構造体20、本体部22および二股分岐突起部24は、上面部分100および下面部分102を有するハウジング98により一体的に形成されていてよい。
下面部分102および上面部分100は、中央内腔部28、第1外側内腔部32および第2外側内腔部34を形成するように機械的に係合するような形状を有してよい。
例えば、上面部分100および下面部分102は、互いにスナップフィットしてよい。
図示において、下面102は、上面100に位置するスロットと係合するタブを含んでいる。
【0040】
二股分岐突起部24は、第1外側内腔部32の第1周辺開口部104および第2外側内腔部34の第2周辺開口部106を含んでよい。
第1周辺開口部104は、第1近位開口部38とは異なる平面上に位置してよい。
同様に、第2周辺開口部106は、第2近位開口部40とは異なる平面上に位置してよい。
例えば、図5において、第1周辺開口部104は、第1近位開口部38に対して垂直の平面上に位置している。
周辺開口部104,106は、呼吸装置16を通る空気流を改善するために用いられてよい。
【0041】
図32図37を参照すると、光線抽出特徴部86は、遠位端部78に隣接する背面部80の遠位領域110に背面特徴部108を含んでよい。
背面特徴部108は、背面部80に突起部または窪部のうちの少なくとも1つを含んでよい。
背面突起部88の少なくとも一部は、背面部80の遠位領域110に位置していてよい。
例えば、遠位領域110は、光線ガイド70の背面部80の3分の1、4分の1、5分の1または任意の好適な一部を備えている。
光線抽出特徴部86は、腹面部82に腹面特徴部112を含んでよい。
腹面特徴部112は、腹面部82に突起部または窪部のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0042】
遠位端部78は、光線を遠位端部78から扁桃組織にガイドするように構成されている投射光学特徴部を含んでよい。
例えば、光線ガイド70の遠位端部78は遠位端部78から出る光線を少なくとも部分的に集光するように輪郭付けられていてよい。
つまり、遠位端部78は、(例えば、図32図35に示されているように)より集光されている光線を光線ガイド70から放射するように構成されていてよい。
投射光学特徴部は、任意の好適な光学構造、例えば、面整形レンジング、面収差等を含んでよい。
【0043】
そして、光線ガイド70の腹面部82は、この腹面部82から放射された光線が舌背面を照射するように舌背面の輪郭と一致する曲率を有している。
光線ガイド70は、口の口蓋および/または舌の曲線に従うことにより患者の快適性を改善するように輪郭付けられていてよい。
【0044】
光線抽出特徴部86は、(例えば、特定の光線出力分布を目的として)光線ガイドから光線を抽出する任意の好適な構造であってよい。
例えば、光線抽出特徴部86は、面収差、マイクロレンズ、反射スポット、部分反射平面または回析格子のうちの少なくとも1つを含んでよい。
代替的または追加的に、拡散シートまたは2Dレンジングシートを光線ガイドの放射面に配置してよい。
そして、面収差は、面の輪郭、面の被覆または面のエッチングのうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
図2に示されているように、光源75は、光線ガイド70、または、この光線ガイド70が機械的に取り付けられているケーシング114の外部であってよく、光線ガイド70またはケーシング114により物理的に支持されていなくてよい。
例えば、光源75は、光線ガイド70に光ケーブル116(例えば、光ファイバ)を介して光学的に接続されている外部構造体(例えば、テーブル)により支持されている光ボックスであってよい。
代替的に、光源75は、ケーシング114により物理的に支持されてよい。
例えば、光源75は、ケーシング114に収容され、光源75と電気的に接続されている電源(例えば、バッテリ)により電力を供給されてよい。
代替的または追加的に、光源75は、光線ガイド70(例えば、光線ガイド70に組み込みおよび/または取り付けられている発光ダイオード(LED))により機械的に支持されてよい。
別の例において、光源は、光線ガイドの外表面上のタブ(例えば、突起部)に物理的に搭載されてよい。
【0046】
そして、口腔内光線療法装置12のケーシング114は、呼吸装置16の本体部22を収容するためのインタフェース126を含む。
図15図16および図18に示されているように、インタフェース126は、本体部22の一部を収容するような形状を有する凹部または窪部であってよい。
【0047】
光源は、光ファイバケーブルを介して光線ガイドの後方突出端部と光学的に接続されている遠隔光源である。
そして、遠隔光源は、1つまたは複数のLEDまたはレーザを含む。
【0048】
光源75は、光線を放射する任意の好適な構造体であってよい。
例えば、光源75は、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、マイクロLED、レーザダイオード、ミニLED、量子ドット(QD)変換、蛍光体変換、エキシマランプ、多光子の組み合わせ、SLM波面操作を含んでよい。
光源75は、600nm~1000nmの波長を有する光線を放射してよい(電磁放射とも称される)。
例えば、光源75は、630nm、660nm、670nm、810nmまたは880nmのうちの少なくとも1つと略等しい波長を有する光線を放射してよい。
【0049】
口腔内光線療法装置12は、扁桃組織に加えて、組織を含む口腔の目標領域118を照射するように構成されてよい。
例えば、口腔の目標領域118は、扁桃組織そして舌、口腔の下顎および上顎の頬表面、口腔の口腔底および口蓋ならびに扁桃組織のうちの少なくとも1つを含んでよい。
口腔の目標領域118は、舌、口腔の下顎および上顎の頬表面、口腔の口腔底および口蓋ならびに扁桃組織を含む。
【0050】
光線ガイド70は、光源75により放射される光線120を少なくとも部分的に透過させる任意の好適な材料から形成されてよい。
例えば、光線ガイドは、光透過性の柔らかく可撓性を有する生体適合性の高分子材料、例えば、シリコンから形成されてよい。
一例として、光線ガイドは、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリオレフィンまたはその他の生体適合性の熱可塑性エラストマ製剤の様々な製剤から形成されてよい。
【0051】
口腔内光線療法装置は、多くの応用で利用されてよく、それらの例には、口腔粘膜炎、急性壊死性歯肉炎、歯周病、開口障害、口腔手術からの回復時間の短縮化、歯列矯正用の光線伝搬および、例えば、化学うがい薬を活性化するための光線力学的療法が含まれる。
【0052】
光線療法システム10において、口腔内光線療法装置12は、近位端部76、遠位端部78、背面部80、腹面部82および、近位端部76、遠位端部78、背面部80、腹面部82の間に延在する本体部84を有する光線ガイド70を含む。
光線ガイド70は、近位端部76において光源75からの光線120を受光し、受光した光線120を近位端部76から遠位端部78に本体部84を介して伝搬する。
本体部84は、光線を背面部80および腹面部82から放射させる光線抽出特徴部86を含む。
光線ガイド70は、遠位端部78から光線を投射する。
光線ガイド70は、口腔内に光線を投射するための任意の好適な形状、例えば、球状、楕円状、S字状等を有してよい。
【0053】
また、光線療法システム10のこの実施形態は呼吸装置16を含み、この呼吸装置16は、口腔内光線療法装置12の取付構造体と機械的に係合する固定構造体20と、中央内腔部28、この中央内腔部28の遠位開口部30、および、中央内腔部28の近位開口部36を有している本体部22とを有している。
例えば、呼吸装置16は、単一の呼吸チューブ122を備えていてよい。
一例として、呼吸装置16は、光線ガイド70の上方、下方、側方に位置する単一の呼吸装置であってよい。
別の例として、光線ガイド70は、中央開口部を有してよく、呼吸チューブ122は、この中央開口部に形成されているか位置してよい。
【0054】
明細書および特許請求の範囲に開示されている全ての範囲および比率の限界値は、任意に組み合わせられてもよい。
具体的な言及がない限り、「a」、「an」および/または「the」の参照は、1つまたは2つ以上を含んでよく、単数の項目の参照は、複数のその項目を含んでもよい。
【0055】
本発明を図示および説明してきたが、当業者は、本明細書および添付の図面を読み理解することで均等な修正および変更を想到するだろう。
特に、上記要素(部品、アセンブリ、装置、組成等)により発揮される様々な機能に関して、そのような要素を説明するために用いた用語(「手段」の参照を含む)は、別段の指定がない限り、本開示で説明した本発明に係る1つまたは複数の実施形態において機能を発揮する開示の構成とは構造的には均等ではないとしても、説明した要素の特定の機能を発揮する任意の要素に相当することが意図されている(つまり、これは、機能的に均等である)。
また、本発明の具体的な特徴については、説明したいくつかの実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態においてしか記載されていないことがあるが、そのような特徴は、所望のようにまたは任意の所定または特定の応用のために有利となるようにそれ以外の実施形態の特徴と組み合わせることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
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図24
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図31
図32
図33
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図35
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図37
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内光線療法装置を用いる光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善することにより、光線療法中に患者の口腔の扁桃領域の照射を改善する呼吸装置であって、
前記呼吸装置の位置が前記口腔内光線療法装置に対して維持されるように前記口腔内光線療法装置の取付構造体と機械的に係合するように構成されている固定構造体と、
第1外側内腔部、第2外側内腔部、第1近位開口部、前記第1外側内腔部の第1遠位開口部、第2近位開口部、および前記第2外側内腔部の第2遠位開口部を含む本体部とを含み、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内に収容されるように前記第1近位開口部および前記第2近位開口部が構成され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔の外部に位置するように前記第1近位開口部および前記第2近位開口部が構成され、前記口腔が前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている、呼吸装置。
【請求項2】
前記本体部は、中央内腔部と前記中央内腔部の遠位開口部とを有し、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記中央内腔部と流体接続され、
前記中央内腔部の前記遠位開口部は、前記第1外側内腔部の前記第1遠位開口部および前記第2外側内腔部の前記第2遠位開口部により形成されている、請求項1に記載の呼吸装置。
【請求項3】
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、二股分岐突起部に含まれ、
前記二股分岐突起部は前記第1外側内腔部を囲繞する第1外側突起部と前記第2外側内腔部を囲繞する第2外側突起部とを含み、
前記第1外側突起部は、前記呼吸装置が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内光線療法装置の中央突起部が前記第1外側内腔部と前記第2外側内腔部との間に位置するように、前記第2外側突起部から離間している、請求項1または請求項2に記載の呼吸装置。
【請求項4】
前記固定構造体、前記本体部および前記二股分岐突起部は、上面部分および下面部分を有するハウジングにより一体的に形成され、
前記下面部分および前記上面部分は、前記中央内腔部、前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を形成するように機械的に係合するような形状を有している、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の呼吸装置。
【請求項5】
前記二股分岐突起部は、前記第1外側内腔部の第1周辺開口部および前記第2外側内腔部の第2周辺開口部をさらに含み、
前記第1周辺開口部は、前記第1近位開口部とは異なる平面上に位置し、
前記第2周辺開口部は、前記第2近位開口部とは異なる平面上に位置している、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の呼吸装置。
【請求項6】
受光する光線ガイドと患者の口腔との間のバリアを提供する口腔内光線療法装置保護システムにおいて、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の呼吸装置と、
光透過性のシート素材から形成され、中央ボリューム、第1外側ボリュームおよび第2外側ボリュームを含む三股内部ボリュームを有するスリーブとを備え、前記三股内部ボリュームは、
閉止遠位縁部により接続されている上面シートおよび下面シートを形成するように前記シート素材を折り重ねることであって、前記上面シートおよび前記下面シートは重なり合って開放第1外側縁部、開放第2外側縁部および開放近位縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記第1外側縁部に沿って接続することにより、閉止第1外側縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記第2外側縁部に沿って接続することにより、閉止第2外側縁部を形成していること、
前記中央ボリューム、前記第1外側ボリュームおよび前記第2外側ボリュームを形成するために前記閉止遠位縁部から前記閉止遠位縁部に沿ってシート素材を除去することであって、
前記中央ボリュームと前記第1外側ボリュームとの間のシート素材の第1領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第1領域の境界に沿って接続することにより、および
前記中央ボリュームと前記第2外側ボリュームとの間のシート素材の第2領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第2領域の境界に沿って接続することにより、除去すること
により形成され、
前記中央ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の光線ガイドを収容するような形状を有し、
前記第1外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第1外側翼部を収容するような形状を有し、
前記第2外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第2外側翼部を収容するような形状を有し、
前記呼吸装置の前記固定構造体は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内光線療法装置に対して前記スリーブの位置を維持するように構成されている、口腔内光線療法装置保護システム。
【請求項7】
前記第1外側縁部を形成するための前記第1外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は前記第1外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記第2外側縁部を形成するための前記第2外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は前記第2外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記閉止遠位縁部により接続されている前記上面シートと前記下面シートを形成する前記シート素材の折り重ねは、前記閉止遠位縁部に沿う継ぎ目を形成しておらず、このようにして、前記閉止遠位縁部を通した光は、継ぎ目により干渉されない、請求項6に記載の口腔内光線療法装置保護システム。
【請求項8】
前記呼吸装置は、前記呼吸装置が前記スリーブに機械的に固定されるように前記スリーブに一体化されている、請求項6または請求項7に記載の口腔内光線療法装置保護システム。
【請求項9】
光源により放射される光線を用いて患者の口腔の目標領域を照射する口腔内光線療法装置において、
近位端部、遠位端部、背面部、腹面部および、前記近位端部、前記遠位端部、前記背面部、前記腹面部の間に延在する本体部を有する光源であって、
前記光線ガイドは、前記近位端部において前記光源からの光線を受光し、前記受光した光線を前記近位端部から前記遠位端部に前記本体部を介して伝搬するように構成され、
前記本体部は、光線を前記背面部および前記腹面部から放射させるように構成されている光線抽出特徴部を含み、
前記光線ガイドは、前記遠位端部から光線を投射するように構成され、
前記背面部は、凸形状を有し、前記腹面部は、凹形状を有し、このようにして、前記本体部は、口腔挿入時に前記口腔の輪郭と一致して、光線を前記口腔の目標領域にガイドする、光源と、
前記背面部から延在し前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に挿入されている際に前記口腔の口蓋を押圧するように構成されている背面突起部とを備える口腔内光線療法装置。
【請求項10】
前記光線抽出特徴部は、前記遠位端部に隣接する前記背面部の遠位領域に背面特徴部を含み、
前記背面特徴部は、前記背面部に突起部または窪部のうちの少なくとも1つを含み、
前記背面突起部の少なくとも一部は、前記背面部の前記遠位領域に位置している、請求項9に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項11】
前記光線抽出特徴部は、前記腹面部に腹面特徴部を含み、
前記腹面特徴部は、前記腹面部に突起部または窪部のうちの少なくとも1つを含む、請求項9または請求項10に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項12】
前記光源は、前記光線ガイドの外部であり、前記光線ガイドにより物理的に支持されておらず、および/または
前記口腔の前記目標領域は、舌、前記口腔の下顎および上顎の頬表面、前記口腔の口腔底および口蓋ならびに扁桃組織のうちの少なくとも1つを含み、および/または
前記口腔の前記目標領域は、舌、前記口腔の下顎および上顎の頬表面、前記口腔の口腔底および口蓋ならびに扁桃組織を含み、および/または
前記光線ガイドは、前記光源により放射される光を少なくとも部分的に透過させる材料から形成されている、請求項9~請求項11の何れか1項に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項13】
前記光線ガイドと光学的に接続され、前記光源からの光線を受光して伝搬するように構成されている外側翼部をさらに備え、
前記外側翼部は、左翼部と前記左翼部から垂直方向に離間している右翼部とを含み、
前記光線ガイドは、垂直方向において前記左翼部と前記右翼部との間に位置し、
前記外側翼部は、前記患者の頬組織と歯茎との間に収容されるような大きさと形状を有し、
前記外側翼部は、前記口腔内に挿入されている際に前記歯茎に対向する内側面と、前記内側面とは反対側において前記頬組織に対向する外側面とを含み、
前記外側翼部は、受光した光線を前記内側面および前記外側面から放射するように構成されている、請求項9~請求項12の何れか1項に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項14】
光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善して患者の口腔の扁桃領域を照射する光線療法システムであって、
取付構造体をさらに備えている請求項9~請求項13の何れか1項に記載の口腔内光線療法装置と、
呼吸装置とを備え、
前記呼吸装置の位置が前記口腔内光線療法装置に対して維持されるように前記口腔内光線療法装置の前記取付構造体と機械的に係合するように構成されている固定構造体と、
第1外側内腔部、第2外側内腔部、第1近位開口部、前記第1外側内腔部の第1遠位開口部、第2近位開口部、および前記第2外側内腔部の第2遠位開口部を含む本体部とを含み、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記光線ガイドが垂直方向において前記第1外側内腔部と前記第2外側内腔部との間に位置するような形状を有し、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内に収容されるように前記第1近位開口部および前記第2近位開口部は構成され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔の外部に位置するように前記第1遠位開口部および前記第2遠位開口部は構成され、前記口腔が前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている、光線療法システム。
【請求項15】
前記本体部は、中央内腔部と前記中央内腔部の遠位開口部とを有し、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記中央内腔部と流体接続され、
前記中央内腔部の前記遠位開口部は前記第1外側内腔部の前記第1遠位開口部および前記第2外側内腔部の前記第2遠位開口部により形成されている、請求項14に記載の光線療法システム。
【請求項16】
光透過性のシート素材から形成され、中央ボリューム、第1外側ボリュームおよび第2外側ボリュームを含む三股内部ボリュームを有するスリーブをさらに備え、前記三股内部ボリュームは、
閉止遠位縁部により接続されている上面シートおよび下面シートを形成するように前記シート素材を折り重ねることであって、前記上面シートおよび前記下面シートは重なり合って開放第1外側縁部、開放第2外側縁部および開放近位縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記第1外側縁部に沿って接続することにより、閉止第1外側縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記第2外側縁部に沿って接続することにより、閉止第2外側縁部を形成していること、
前記中央ボリューム、前記第1外側ボリュームおよび前記第2外側ボリュームを形成するために前記閉止遠位縁部から前記閉止遠位縁部に沿ってシート素材を除去することであって、
前記中央ボリュームと前記第1外側ボリュームとの間の素材第1領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第1領域の境界に沿って接続することにより、および
前記中央ボリュームと前記第2外側ボリュームとの間の素材第2領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第2領域の境界に沿って接続することにより、除去すること
により形成され、
前記中央ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の光線ガイドを収容するような形状を有し、
前記第1外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第1外側翼部を収容するような形状を有し、
前記第2外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第2外側翼部を収容するような形状を有し、
前記呼吸装置の前記固定構造体は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内光線療法装置に対して前記スリーブの位置を維持するように構成されている、請求項14または請求項15に記載の光線療法システム。
【請求項17】
前記第1外側縁部を形成するための前記第1外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は前記第1外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記第2外側縁部を形成するための前記第2外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は、前記第2外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記閉止遠位縁部により接続されている前記上面シートと前記下面シートを形成する前記シート素材の折り重ねは、前記閉止遠位縁部に沿う継ぎ目を形成しておらず、
前記閉止遠位縁部を通した光は、継ぎ目により干渉されない、請求項16に記載の光線療法システム。
【請求項18】
光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善して患者の口腔の扁桃領域を照射する光線療法システムであって、前記光線療法システムは、
光源により放射される光線を用いて患者の口腔の目標領域を照射する口腔内光線療法装置であって、
近位端部、遠位端部、背面部、腹面部および、前記近位端部、前記遠位端部、前記背面部、前記腹面部の間に延在する本体部を有する光源であって、
前記光線ガイドは、前記近位端部において前記光源からの光線を受光し、前記受光した光線を前記近位端部から前記遠位端部に前記本体部を介して伝搬するように構成され、
前記本体部は、光線を前記背面部および前記腹面部から放射させるように構成されている光線抽出特徴部を含み、
前記光線ガイドは、前記遠位端部から光線を投射するように構成されている、光源を備えている口腔内光線療法装置と、
呼吸装置であって、
前記呼吸装置の位置が前記口腔内光線療法装置に対して維持されるように前記口腔内光線療法装置の前記取付構造体と機械的に係合するように構成されている固定構造体と、中央内腔部と前記中央内腔部の遠位開口部と前記中央内腔部の近位開口部とを有する本体部とを含み、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内に収容されるように前記近位開口部が構成され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔の外部に位置するように前記遠位開口部が構成され、前記口腔が前記中央内腔部、前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている、呼吸装置とを備える、光線療法システム。
【請求項19】
前記本体部は、二股突起部をさらに含み、
前記二股突起部は、前記近位開口部、第1外側内腔部および第2外側内腔部を含み、
前記近位開口部は、前記第1外側内腔部の第1近位開口部および前記第2外側内腔部の第2近位開口部を備え、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記中央内腔部と流体接続され、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記光線ガイドが垂直方向において前記第1外側内腔部と前記第2外側内腔部との間に位置するような形状を有している、請求項18に記載の光線療法システム。
【請求項20】
前記光線ガイドの前記背面部は、凸形状を有し、
前記光線ガイドの前記腹面部は、凹形状を有し、
前記本体部は、口腔挿入時に前記口腔の輪郭と一致して、光線を前記口腔の目標領域にガイドする、請求項18または請求項19に記載の光線療法システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内光線療法装置を用いる光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善することにより、光線療法中に患者の口腔の扁桃領域の照射を改善する呼吸装置であって、
前記呼吸装置の位置が前記口腔内光線療法装置に対して維持されるように前記口腔内光線療法装置の取付構造体と機械的に係合するように構成されている固定構造体と、
第1外側内腔部、第2外側内腔部、第1近位開口部、前記第1外側内腔部の第1遠位開口部、第2近位開口部、および前記第2外側内腔部の第2遠位開口部を含む本体部とを含み、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内に収容されるように前記第1近位開口部および前記第2近位開口部が構成され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔の外部に位置するように前記第1近位開口部および前記第2近位開口部が構成され、前記口腔が前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている、呼吸装置。
【請求項2】
前記本体部は、中央内腔部と前記中央内腔部の遠位開口部とを有し、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記中央内腔部と流体接続され、
前記中央内腔部の前記遠位開口部は、前記第1外側内腔部の前記第1遠位開口部および前記第2外側内腔部の前記第2遠位開口部により形成されている、請求項1に記載の呼吸装置。
【請求項3】
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、二股分岐突起部に含まれ、
前記二股分岐突起部は前記第1外側内腔部を囲繞する第1外側突起部と前記第2外側内腔部を囲繞する第2外側突起部とを含み、
前記第1外側突起部は、前記呼吸装置が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内光線療法装置の中央突起部が前記第1外側内腔部と前記第2外側内腔部との間に位置するように、前記第2外側突起部から離間している、請求項1に記載の呼吸装置。
【請求項4】
前記固定構造体、前記本体部および前記二股分岐突起部は、上面部分および下面部分を有するハウジングにより一体的に形成され、
前記下面部分および前記上面部分は、前記中央内腔部、前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を形成するように機械的に係合するような形状を有している、請求項3に記載の呼吸装置。
【請求項5】
前記二股分岐突起部は、前記第1外側内腔部の第1周辺開口部および前記第2外側内腔部の第2周辺開口部をさらに含み、
前記第1周辺開口部は、前記第1近位開口部とは異なる平面上に位置し、
前記第2周辺開口部は、前記第2近位開口部とは異なる平面上に位置している、請求項3に記載の呼吸装置。
【請求項6】
受光する光線ガイドと患者の口腔との間のバリアを提供する口腔内光線療法装置保護システムにおいて、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の呼吸装置と、
光透過性のシート素材から形成され、中央ボリューム、第1外側ボリュームおよび第2外側ボリュームを含む三股内部ボリュームを有するスリーブとを備え、前記三股内部ボリュームは、
閉止遠位縁部により接続されている上面シートおよび下面シートを形成するように前記シート素材を折り重ねることであって、前記上面シートおよび前記下面シートは重なり合って開放第1外側縁部、開放第2外側縁部および開放近位縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記開放第1外側縁部に沿って接続することにより、閉止第1外側縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記開放第2外側縁部に沿って接続することにより、閉止第2外側縁部を形成していること、
前記中央ボリューム、前記第1外側ボリュームおよび前記第2外側ボリュームを形成するために前記閉止遠位縁部から前記閉止遠位縁部に沿ってシート素材を除去することであって、
前記中央ボリュームと前記第1外側ボリュームとの間のシート素材の第1領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第1領域の境界に沿って接続することにより、および
前記中央ボリュームと前記第2外側ボリュームとの間のシート素材の第2領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第2領域の境界に沿って接続することにより、除去すること
により形成され、
前記中央ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の光線ガイドを収容するような形状を有し、
前記第1外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第1外側翼部を収容するような形状を有し、
前記第2外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第2外側翼部を収容するような形状を有し、
前記呼吸装置の前記固定構造体は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内光線療法装置に対して前記スリーブの位置を維持するように構成されている、口腔内光線療法装置保護システム。
【請求項7】
前記開放第1外側縁部を形成するための前記開放第1外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は前記開放第1外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記開放第2外側縁部を形成するための前記開放第2外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は前記開放第2外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記閉止遠位縁部により接続されている前記上面シートと前記下面シートを形成する前記シート素材の折り重ねは、前記閉止遠位縁部に沿う継ぎ目を形成しておらず、このようにして、前記閉止遠位縁部を通した光は、継ぎ目により干渉されない、請求項6に記載の口腔内光線療法装置保護システム。
【請求項8】
前記呼吸装置は、前記呼吸装置が前記スリーブに機械的に固定されるように前記スリーブに一体化されている、請求項6に記載の口腔内光線療法装置保護システム。
【請求項9】
光源により放射される光線を用いて患者の口腔の目標領域を照射する口腔内光線療法装置において、
近位端部、遠位端部、背面部、腹面部および、前記近位端部、前記遠位端部、前記背面部、前記腹面部の間に延在する本体部を有する光源であって、
前記光線ガイドは、前記近位端部において前記光源からの光線を受光し、前記受光した光線を前記近位端部から前記遠位端部に前記本体部を介して伝搬するように構成され、
前記本体部は、光線を前記背面部および前記腹面部から放射させるように構成されている光線抽出特徴部を含み、
前記光線ガイドは、前記遠位端部から光線を投射するように構成され、
前記背面部は、凸形状を有し、前記腹面部は、凹形状を有し、このようにして、前記本体部は、口腔挿入時に前記口腔の輪郭と一致して、光線を前記口腔の目標領域にガイドする、光源と、
前記背面部から延在し前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に挿入されている際に前記口腔の口蓋を押圧するように構成されている背面突起部とを備える口腔内光線療法装置。
【請求項10】
前記光線抽出特徴部は、前記遠位端部に隣接する前記背面部の遠位領域に背面特徴部を含み、
前記背面特徴部は、前記背面部に突起部または窪部のうちの少なくとも1つを含み、
前記背面突起部の少なくとも一部は、前記背面部の前記遠位領域に位置している、請求項9に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項11】
前記光線抽出特徴部は、前記腹面部に腹面特徴部を含み、
前記腹面特徴部は、前記腹面部に突起部または窪部のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項12】
前記光源は、前記光線ガイドの外部であり、前記光線ガイドにより物理的に支持されておらず、および/または
前記口腔の前記目標領域は、舌、前記口腔の下顎および上顎の頬表面、前記口腔の口腔底および口蓋ならびに扁桃組織のうちの少なくとも1つを含み、および/または
前記口腔の前記目標領域は、舌、前記口腔の下顎および上顎の頬表面、前記口腔の口腔底および口蓋ならびに扁桃組織を含み、および/または
前記光線ガイドは、前記光源により放射される光を少なくとも部分的に透過させる材料から形成されている、請求項9に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項13】
前記光線ガイドと光学的に接続され、前記光源からの光線を受光して伝搬するように構成されている外側翼部をさらに備え、
前記外側翼部は、左翼部と前記左翼部から垂直方向に離間している右翼部とを含み、
前記光線ガイドは、垂直方向において前記左翼部と前記右翼部との間に位置し、
前記外側翼部は、前記患者の頬組織と歯茎との間に収容されるような大きさと形状を有し、
前記外側翼部は、前記口腔内に挿入されている際に前記歯茎に対向する内側面と、前記内側面とは反対側において前記頬組織に対向する外側面とを含み、
前記外側翼部は、受光した光線を前記内側面および前記外側面から放射するように構成されている、請求項9に記載の口腔内光線療法装置。
【請求項14】
光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善して患者の口腔の扁桃領域を照射する光線療法システムであって、
取付構造体をさらに備えている請求項9~請求項13の何れか1項に記載の口腔内光線療法装置と、
呼吸装置とを備え、
前記呼吸装置の位置が前記口腔内光線療法装置に対して維持されるように前記口腔内光線療法装置の前記取付構造体と機械的に係合するように構成されている固定構造体と、
第1外側内腔部、第2外側内腔部、第1近位開口部、前記第1外側内腔部の第1遠位開口部、第2近位開口部、および前記第2外側内腔部の第2遠位開口部を含む本体部とを含み、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記光線ガイドが垂直方向において前記第1外側内腔部と前記第2外側内腔部との間に位置するような形状を有し、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内に収容されるように前記第1近位開口部および前記第2近位開口部は構成され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔の外部に位置するように前記第1遠位開口部および前記第2遠位開口部は構成され、前記口腔が前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている、光線療法システム。
【請求項15】
前記本体部は、中央内腔部と前記中央内腔部の遠位開口部とを有し、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記中央内腔部と流体接続され、
前記中央内腔部の前記遠位開口部は前記第1外側内腔部の前記第1遠位開口部および前記第2外側内腔部の前記第2遠位開口部により形成されている、請求項14に記載の光線療法システム。
【請求項16】
光透過性のシート素材から形成され、中央ボリューム、第1外側ボリュームおよび第2外側ボリュームを含む三股内部ボリュームを有するスリーブをさらに備え、前記三股内部ボリュームは、
閉止遠位縁部により接続されている上面シートおよび下面シートを形成するように前記シート素材を折り重ねることであって、前記上面シートおよび前記下面シートは重なり合って開放第1外側縁部、開放第2外側縁部および開放近位縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記開放第1外側縁部に沿って接続することにより、閉止第1外側縁部を形成していること、
前記上面シートおよび前記下面シートを前記開放第2外側縁部に沿って接続することにより、閉止第2外側縁部を形成していること、
前記中央ボリューム、前記第1外側ボリュームおよび前記第2外側ボリュームを形成するために前記閉止遠位縁部から前記閉止遠位縁部に沿ってシート素材を除去することであって、
前記中央ボリュームと前記第1外側ボリュームとの間の素材第1領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第1領域の境界に沿って接続することにより、および
前記中央ボリュームと前記第2外側ボリュームとの間の素材第2領域を除去して、前記上面シートと前記下面シートを前記第2領域の境界に沿って接続することにより、除去すること
により形成され、
前記中央ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の光線ガイドを収容するような形状を有し、
前記第1外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第1外側翼部を収容するような形状を有し、
前記第2外側ボリュームは、前記口腔内光線療法装置の第2外側翼部を収容するような形状を有し、
前記呼吸装置の前記固定構造体は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内光線療法装置に対して前記スリーブの位置を維持するように構成されている、請求項14に記載の光線療法システム。
【請求項17】
前記開放第1外側縁部を形成するための前記開放第1外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は前記開放第1外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記開放第2外側縁部を形成するための前記開放第2外側縁部に沿う前記上面シートと前記下面シートの接続は、前記開放第2外側縁部に沿う継ぎ目を形成し、
前記閉止遠位縁部により接続されている前記上面シートと前記下面シートを形成する前記シート素材の折り重ねは、前記閉止遠位縁部に沿う継ぎ目を形成しておらず、
前記閉止遠位縁部を通した光は、継ぎ目により干渉されない、請求項16に記載の光線療法システム。
【請求項18】
光線療法を受けている間に患者の呼吸を改善して患者の口腔の扁桃領域を照射する光線療法システムであって、前記光線療法システムは、
光源により放射される光線を用いて患者の口腔の目標領域を照射する口腔内光線療法装置であって、
近位端部、遠位端部、背面部、腹面部および、前記近位端部、前記遠位端部、前記背面部、前記腹面部の間に延在する本体部を有する光源であって、
前記光線ガイドは、前記近位端部において前記光源からの光線を受光し、前記受光した光線を前記近位端部から前記遠位端部に前記本体部を介して伝搬するように構成され、
前記本体部は、光線を前記背面部および前記腹面部から放射させるように構成されている光線抽出特徴部を含み、
前記光線ガイドは、前記遠位端部から光線を投射するように構成されている、光源を備えている口腔内光線療法装置と、
呼吸装置であって、
前記呼吸装置の位置が前記口腔内光線療法装置に対して維持されるように前記口腔内光線療法装置の前記取付構造体と機械的に係合するように構成されている固定構造体と、中央内腔部と前記中央内腔部の遠位開口部と前記中央内腔部の近位開口部とを有する本体部とを含み、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔内に収容されるように前記近位開口部が構成され、
前記口腔内光線療法装置が前記口腔内に位置し、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記口腔の外部に位置するように前記遠位開口部が構成され、前記口腔が前記中央内腔部、前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部を介して外部環境と流体接続されている、呼吸装置とを備える、光線療法システム。
【請求項19】
前記本体部は、二股突起部をさらに含み、
前記二股突起部は、前記近位開口部、第1外側内腔部および第2外側内腔部を含み、
前記近位開口部は、前記第1外側内腔部の第1近位開口部および前記第2外側内腔部の第2近位開口部を備え、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記中央内腔部と流体接続され、
前記第1外側内腔部および前記第2外側内腔部は、前記固定構造体が前記口腔内光線療法装置と機械的に係合している際に前記光線ガイドが垂直方向において前記第1外側内腔部と前記第2外側内腔部との間に位置するような形状を有している、請求項18に記載の光線療法システム。
【請求項20】
前記光線ガイドの前記背面部は、凸形状を有し、
前記光線ガイドの前記腹面部は、凹形状を有し、
前記本体部は、口腔挿入時に前記口腔の輪郭と一致して、光線を前記口腔の目標領域にガイドする、請求項18または請求項19に記載の光線療法システム。
【国際調査報告】