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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】改質システムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/26 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
C01B3/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514633
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 KR2022013211
(87)【国際公開番号】W WO2023033595
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】17/467,414
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524085167
【氏名又は名称】リー、ボン ジュ
(71)【出願人】
【識別番号】524085178
【氏名又は名称】リー、ハグ ジュ
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ボン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ハグ ジュ
【テーマコード(参考)】
4G140
【Fターム(参考)】
4G140DA03
4G140DB05
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る改質方法は炭化水素を改質して水素を獲得する改質方法に関し、炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて炭化水素から水素および二酸化炭素を含む第1合成ガスを生成する段階;前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第1合成ガスから水素を分離する段階;水素が分離された前記第1合成ガスと炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した第2合成ガスを生成する段階;および前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記第2合成ガスから水素を分離する段階;を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素を改質して水素を獲得する改質方法において、
炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて炭化水素から水素および二酸化炭素を含む第1合成ガスを生成する段階;
前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第1合成ガスから水素を分離する段階;
水素が分離された前記第1合成ガスと炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した第2合成ガスを生成する段階;および
前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第2合成ガスから水素を分離する段階;を含む、改質方法。
【請求項2】
前記第2合成ガスから水素を分離する段階は、
前記第1合成ガスと前記第2合成ガスを混合して混合ガスを生成させ、前記混合ガスを所定温度に冷却させ、前記混合ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記混合ガスから水素を分離する、請求項1に記載の改質方法。
【請求項3】
前記第2合成ガスを生成する段階は、
前記第2合成ガス上に生成されたチャー(char)を捕集する、請求項2に記載の改質方法。
【請求項4】
前記第1合成ガスから水素を分離する段階以後であって、前記第2合成ガスを生成する段階以前に、水素が分離された前記第1合成ガスのうち二酸化炭素とチャー(char)を反応させて一酸化炭素を生成する段階;をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の改質方法。
【請求項5】
前記第2合成ガスを生成する段階は、
前記一酸化炭素を生成する段階で生成された一酸化炭素とスチームを反応させて水素を生成する、請求項4に記載の改質方法。
【請求項6】
前記第1合成ガスを生成する段階以前に、廃棄物を熱処理して廃棄物からチャー(char)および炭化水素を含む前処理ガスを生成する段階;をさらに含み、
前記前処理ガスを生成する段階は、前記前処理ガス上に生成されたチャー(char)を捕集する、請求項5に記載の改質方法。
【請求項7】
前記一酸化炭素を生成する段階は、
前記前処理ガスを生成する段階によって捕集されたチャー(char)を利用する、請求項6に記載の改質方法。
【請求項8】
炭化水素を改質して水素を獲得する改質システムにおいて、
炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて炭化水素から水素および二酸化炭素を含む第1合成ガスを生成する改質部;および
前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第1合成ガスから水素を分離する後処理部;を含み、
前記改質部は、
水素が分離された前記第1合成ガスと炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した第2合成ガスを生成し、
前記後処理部は、
前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記第2合成ガスから水素を分離する、改質システム。
【請求項9】
前記改質部は、
水素を生成する触媒モジュールを含み、
前記触媒モジュールは、
炭化水素を改質反応させる廃熱に加熱されて水素を生成する、請求項8に記載の改質システム。
【請求項10】
前記改質部は、
前記第1合成ガスを生成する第1改質部および
前記第2合成ガスを生成するものの、前記第1改質部と分離された第2改質部を具備する、請求項8に記載の改質システム。
【請求項11】
前記第1改質部から前記第1合成ガスが伝達され、前記第2改質部から前記第2合成ガスが伝達されて、前記第1合成ガスと前記第2合成ガスを混合して混合ガスを生成させる混合部;をさらに含み、
前記後処理部は、
前記混合部から前記混合ガスが伝達されて、前記混合ガスを所定温度に冷却させ、前記混合ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記混合ガスから水素を分離する、請求項10に記載の改質システム。
【請求項12】
前記第2改質部は、
前記第2合成ガス上に生成されたチャー(char)を捕集する、請求項11に記載の改質システム。
【請求項13】
水素が分離された前記第1合成ガスのうち二酸化炭素とチャー(char)を反応させて一酸化炭素を生成する反応部;をさらに含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の改質システム。
【請求項14】
前記改質部は、
前記反応部で生成された一酸化炭素とスチームを反応させて水素を生成する、請求項13に記載の改質システム。
【請求項15】
廃棄物を熱処理して廃棄物からチャー(char)および炭化水素を含む前処理ガスを生成する前処理部;をさらに含み、
前記前処理部は、
前記前処理ガス上に生成されたチャー(char)を捕集して前記反応部に伝達し、
前記前処理ガスを前記改質部に伝達する、請求項14に記載の改質システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改質システムおよびその方法に関し、さらに詳細には、炭化水素を改質して水素を獲得する改質システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガス、石油ガスなどの炭化水素は、二酸化炭素、水蒸気、酸素などの改質物質と触媒の存在下で改質されて水素、一酸化炭素などに転換される。
【0003】
このような反応は、多様な目的で、例えば、化石燃料を代替するエネルギー供給源の一つとして考慮される燃料電池での水素供給のために使われ得る。
【0004】
ここで、代表的な従来の水素製造方法は天然ガスや原油の精製過程で発生するナフサを水蒸気改質して生産するものである。
【0005】
この方法は広く知られている商用化された水素製造法ではあるものの、反応物質である天然ガスやナフサがいずれも化石燃料であるので、この水蒸気改質反応過程で多量の二酸化炭素が発生するに決まっている。
【0006】
化石燃料の利用過程で発生する二酸化炭素は地球温暖化の原因である代表的な温室ガスと知られているため、ヨーロッパ各国では化石燃料に高価な炭素税を付加しており、炭素排出量総量制や炭素排出権取引制度などを導入して本格的に化石燃料の使用を制限している。
【0007】
これに伴い、新・再生エネルギー源から燃料電池用水素を生産する方法に各国は研究開発努力を注いでいる。
【0008】
一方、大韓民国登録特許第10-1594188号(2016.02.15)では合成ガスの製造方法を開示している。
【0009】
しかし、前記発明は昼間作動および夜間作動を通じてエネルギー効率の側面にのみ集中しているだけであり、水素の製造で発生する多量の二酸化炭素の排出を低減することには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような問題を解決するためのもので、水素の収得効率を高めるとともに二酸化炭素の排出を低減できる改質システムおよびその方法を提供しようとするものである。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は前述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例に係る改質方法は炭化水素を改質して水素を獲得する改質方法に関し、炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて炭化水素から水素および二酸化炭素を含む第1合成ガスを生成する段階;前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第1合成ガスから水素を分離する段階;水素が分離された前記第1合成ガスと炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した第2合成ガスを生成する段階;および前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記第2合成ガスから水素を分離する段階;を含むことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施例に係る改質システムによると、水素の収得効率を高めるとともに二酸化炭素の排出を低減できる長所がある。
【0014】
本発明の効果は前述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例に係る改質方法の概略フローチャートである。
【0016】
図2】本発明の一実施例に係る改質システムの概略構成図である。
【0017】
図3】本発明の一実施例に係る改質システムの具体的な第1実施例を図示した構成図である。
【0018】
図4】本発明の一実施例に係る改質システムの具体的な第2実施例を図示した構成図である。
【0019】
図5】本発明の一実施例に係る改質システムの改質部の概略透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一思想範囲内で他の構成要素を追加、変更、削除等を通じて、退歩的な他の発明や本発明思想範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案できるであろうが、これもまた本願発明思想範囲内に含まれると言える。
【0021】
本発明の一実施例に係る改質方法は炭化水素を改質して水素を獲得する改質方法に関し、炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて炭化水素から水素および二酸化炭素を含む第1合成ガスを生成する段階;前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第1合成ガスから水素を分離する段階;水素が分離された前記第1合成ガスと炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した第2合成ガスを生成する段階;および前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記第2合成ガスから水素を分離する段階;を含むことができる。
【0022】
前記炭化水素はメタン、LPG、メタノール、ナフタのうち少なくともいずれか一つまたは二つ以上の組み合わせられたガスであり得る。
【0023】
また、前記第1合成ガスを生成する段階での改質反応は下記の化学式1および化学式2であり、前記第2合成ガスを生成する段階での改質反応は下記の化学式3および化学式4であり得る。
(化学式1)
【化1】
(化学式2)
【化2】
(化学式3)
【化3】
(化学式4)
【化4】
【0024】
本発明の一実施例に係る改質方法を具現する改質システムは、炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて炭化水素から水素および二酸化炭素を含む第1合成ガスを生成する改質部;および前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第1合成ガスから水素を分離する後処理部;を含み、前記改質部は水素が分離された前記第1合成ガスと炭化水素をスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した第2合成ガスを生成し、前記後処理部は前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記第2合成ガスから水素を分離することができる。
【0025】
また、前記改質部で前記第1合成ガスを生成する改質反応は下記の化学式1および化学式2であり、前記改質部で前記第2合成ガスを生成する改質反応は下記の化学式3および化学式4であり得る。
(化学式1)
【化5】
(化学式2)
【化6】
(化学式3)
【化7】
(化学式4)
【化8】
【0026】
本発明の一実施例に係る改質方法に対する具体的な第1実施例に係る改質方法であって、前記第2合成ガスから水素を分離する段階は前記第1合成ガスと前記第2合成ガスを混合して混合ガスを生成させ、前記混合ガスを所定温度に冷却させ、前記混合ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記混合ガスから水素を分離することができる。
【0027】
また、前記第2合成ガスを生成する段階は前記第2合成ガス上に生成されたチャー(char)を捕集することができる。
【0028】
前記第1実施例に係る改質方法を具現する改質システムであって、前記改質部は前記第1合成ガスを生成する第1改質部および前記第2合成ガスを生成するものの、前記第1改質部と分離された第2改質部を具備することができる。
【0029】
また、前記第1改質部から前記第1合成ガスが伝達され、前記第2改質部から前記第2合成ガスが伝達されて、前記第1合成ガスと前記第2合成ガスを混合して混合ガスを生成させる混合部;をさらに含み、前記後処理部は前記混合部から前記混合ガスが伝達されて、前記混合ガスを所定温度に冷却させ、前記混合ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記混合ガスから水素を分離することができる。
【0030】
また、前記第2改質部は前記第2合成ガス上に生成されたチャー(char)を捕集することができる。
【0031】
本発明の一実施例に係る改質方法に対する具体的な第2実施例に係る改質方法であって、前記第1合成ガスから水素を分離する段階以後であって、前記第2合成ガスを生成する段階以前に、水素が分離された前記第1合成ガスのうち二酸化炭素とチャー(char)を反応させて一酸化炭素を生成する段階;をさらに含むことができる。
【0032】
また、前記第2合成ガスを生成する段階は前記一酸化炭素を生成する段階で生成された一酸化炭素とスチームを反応させて水素を生成することができる。
【0033】
また、前記第1合成ガスを生成する段階以前に、廃棄物を熱処理して廃棄物からチャー(char)およびメタンを含む前処理ガスを生成する段階;をさらに含み、前記前処理ガスを生成する段階は前記前処理ガス上に生成されたチャー(char)を捕集することができる。
【0034】
また、前記一酸化炭素を生成する段階は前記前処理ガスを生成する段階によって捕集されたチャー(char)を利用することができる。
【0035】
前記第2実施例に係る改質方法を具現する改質システムであって、水素が分離された前記第1合成ガスのうち二酸化炭素とチャー(char)を反応させて一酸化炭素を生成する反応部;をさらに含むことができる。
【0036】
また、前記改質部は前記反応部で生成された一酸化炭素とスチームを反応させて水素を生成することができる。
【0037】
また、廃棄物を熱処理して廃棄物からチャー(char)およびメタンを含む前処理ガスを生成する前処理部;をさらに含み、前記前処理部は前記前処理ガス上に生成されたチャー(char)を捕集して前記反応部に伝達し、前記前処理ガスを前記改質部に伝達することができる。
【0038】
各実施例の図面に示される同一思想範囲内の機能が同一の構成要素は同一の参照符号を使って説明する。
【0039】
図1は、本発明の一実施例に係る改質方法の概略フローチャートである。
【0040】
図2は、本発明の一実施例に係る改質システムの概略構成図である。
【0041】
図3は、本発明の一実施例に係る改質システムの具体的な第1実施例を図示した構成図である。
【0042】
図4は、本発明の一実施例に係る改質システムの具体的な第2実施例を図示した構成図である。
【0043】
図5は、本発明の一実施例に係る改質システムの改質部の概略透視図である。
【0044】
添付された図面は本発明の技術的思想をより明確に表現するために、本発明の技術的思想に関連性が劣るか当業者から容易に導き出され得る部分は簡略化したり省略したりした。
【0045】
明細書全体で、或る部分が他の部分と「連結」されているとする時、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味し、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0046】
本明細書において「部」とは、ハードウェアによって実現されるユニット(unit)、ソフトウェアによって実現されるユニット、両方を利用して実現されるユニットを含む。また、1個のユニットが2つ以上のハードウェアを利用して実現されてもよく、2つ以上のユニットが1個のハードウェアによって実現されてもよい。
【0047】
以下では、図1および図2を参照して、本発明の一実施例に係る改質方法(S10)およびこの方法を具現する改質システム10を説明する。
【0048】
一例として、前記改質方法(S10)は炭化水素を改質して水素を獲得する方法を意味し得る。
【0049】
一例として、炭化水素はメタン(CH)、LPG、メタノール、ナフタなどの炭素と水素のみからなる有機化合物のうち少なくともいずれか一つまたは二つ以上の組み合わせられたガスであり得る。
【0050】
ただし、説明の便宜のために、以下ではメタン(CH)を改質して水素を獲得するものと仮定して説明する。
【0051】
メタンは天然ガス、石油ガスなどから得てもよく、バイオマスまたは廃棄物処理を通じて得てもよい。
【0052】
一例として、図1に図示した通り、前記改質方法(S10)は下記のように大きく4段階からなり得る。
【0053】
一例として、前記改質方法(S10)はメタンをスチームプラズマで改質反応させてメタンから水素および二酸化炭素を含む第1合成ガスを生成する段階(S100);前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第1合成ガスから水素を分離する段階(S200);水素が分離された前記第1合成ガスとメタンをスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した第2合成ガスを生成する段階(S300);および前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記第2合成ガスから水素を分離する段階(S400);を含むことができる。
【0054】
以下では、それぞれの段階について詳しく説明する。
【0055】
前記第1合成ガスを生成する段階(S100)はメタンをスチームプラズマで改質反応させてメタンから水素、二酸化炭素などを含む第1合成ガスを生成することを意味し得る。
【0056】
一例として、前記第1合成ガスを生成する段階(S100)での改質反応は下記の化学式1および化学式2であり得る。
(化学式1)
【化9】
(化学式2)
【化10】
【0057】
前記化学式1から分かるように、前記第1合成ガスを生成する段階(S100)でのメタン(CH)は高温/高圧のスチーム(HO)と反応して一酸化炭素(CO)と水素(3H)を生成することができる。
【0058】
また、前記化学式2から分かるように、前記化学式1で生成された一酸化炭素(CO)は高温/高圧のスチーム(HO)と反応して水素(H)と二酸化炭素(CO)を生成することができる。
【0059】
その結果、前記第1合成ガスを生成する段階(S100)で、メタン(CH)の改質によって生成される前記第1合成ガスは水素(H)、二酸化炭素(CO)、未反応された一酸化炭素(CO)とメタン、未反応された水蒸気(HO)を含むガスであり得る。
【0060】
前記第1合成ガスを生成する段階(S100)は前記改質システム10の改質部100により具現され得る。
【0061】
これをより詳しく説明すると、図2に図示した通り、前記改質部100はメタンをスチームプラズマで改質反応させてメタンから水素および二酸化炭素を含む第1合成ガスを生成することができる。
【0062】
一例として、前記改質部100はメタンをスチームプラズマで改質反応させる反応チャンバを意味し得る。
【0063】
このために、前記改質システム10は前記改質部100に高温高圧のスチーム(HO)を供給するスチーム供給部(図示されず)をさらに含むことができ、前記改質部100はプラズマを生成するプラズマ発生部(図示されず)を具備することができる。
【0064】
その結果、前記改質部100では前記化学式1および化学式2の改質反応が起こり得る。
【0065】
一方、前記改質方法(S10)の前記第1合成ガスから水素を分離する段階(S200)は、前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第1合成ガスから水素を分離することができる。
【0066】
前記第1合成ガスから水素を分離する段階(S200)は前記改質システム10の後処理部200により具現され得る。
【0067】
これをより詳しく説明すると、図2に図示した通り、前記後処理部200は前記第1合成ガスを所定温度に冷却させる熱交換部210、前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去する水蒸気除去部220および第1合成ガスから水素を分離する水素分離部230を具備することができる。
【0068】
その結果、前記後処理部200は前記改質部100から前記第1合成ガスが伝達されて、前記熱交換部210を通じて前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、この後前記水蒸気除去部220を通じて前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去し、この後前記水素分離部230を通じて前記第1合成ガスから水素を分離することができる。
【0069】
前記水素分離部230で分離された水素は別途の水素貯蔵部(図示されず)に貯蔵され得る。
【0070】
一例として、前記熱交換部210は熱交換媒体を通じて前記第1合成ガスを予め設定された温度に冷却させることができる。
【0071】
前記熱交換部210は公知の熱交換装置のうちいずれか一つが選択されて配置され得る。
【0072】
一例として、前記水蒸気除去部220はデミスター(demister)であり得るが、これに限定されるものではなく、水蒸気を除去できる構成であれば当業者の立場で多様に適用可能である。
【0073】
一例として、前記水素分離部230は前記第1合成ガスから水素を分離するための構成であり、PSA(Pressure Swing Absorption)、TSA(Temperature Swing Adsorption)またはメンブレン(Membrane)方式のうち一つであり得るが、好ましくはPSA方式であり得る。
【0074】
一方、前記改質方法(S10)の前記第2合成ガスを生成する段階(S300)は、前記第1合成ガスから水素を分離する段階(S200)により水素が分離された前記第1合成ガスとメタンをスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した前記第2合成ガスを生成することができる。
【0075】
前記第2合成ガスを生成する段階(S300)は前記第1合成ガスをリサイクルして前記第1合成ガスを通じて水素を再生成し、ひいては前記第1合成ガスに含まれた二酸化炭素を低減する段階を意味し得る。
【0076】
一例として、前記第2合成ガスを生成する段階(S300)での改質反応は、下記の化学式3および化学式4であり得る。
(化学式3)
【化11】
(化学式4)
【化12】
【0077】
前記化学式3から分かるように、前記第1合成ガスに含まれた二酸化炭素(CO2)は高温/高圧の環境でメタン(CH4)と反応して一酸化炭素(CO)、水蒸気(H2O)、炭素であるチャー(char)を生成することができる。
【0078】
また、前記化学式4から分かるように、前記第1合成ガスに含まれたり前記化学式3によって生成されたりした一酸化炭素(CO)は高温/高圧のスチーム(HO)と反応して水素(H)、二酸化炭素(CO)、水蒸気(HO)を生成することができる。
【0079】
前記化学式3および前記化学式4を総合してみる時、前記化学式3および前記化学式4から分かるように、前記第2合成ガスを生成する段階(S300)では前記第1合成ガスをリサイクルして水素(H)が追加生成されるとともに、前記第1合成ガスに含まれた二酸化炭素(CO)は低減することが分かる。
【0080】
したがって、前記改質方法(S10)は水素の収得率を高めるとともに、二酸化炭素の排出量を減らすことができる効果がある。
【0081】
一方、前記第2合成ガスを生成する段階(S300)により生成された前記第2合成ガスは水素(H)、二酸化炭素(CO)、チャー(char)、未反応された一酸化炭素(CO)、未反応された水蒸気(HO)を含むガスであり得る。
【0082】
前記第2合成ガスを生成する段階(S300)は前記改質システム10の前記改質部100により具現され得る。
【0083】
これをより詳しく説明すると、図2に図示した通り、前記改質部100は前記後処理部200から水素が分離された前記第1合成ガスが伝達され、前記第1合成ガスとメタンをスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した前記第2合成ガスを生成することができる。
【0084】
その結果、前記改質部100では前記化学式3および化学式4の改質反応が起こり得る。
【0085】
一方、前記改質方法(S10)の前記第2合成ガスから水素を分離する段階(S400)は、前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去した後、第2合成ガスから水素を分離することができる。
【0086】
前記第2合成ガスから水素を分離する段階(S400)は前記改質システム10の前記後処理部200により具現され得る。
【0087】
これをより詳しく説明すると、図2に図示した通り、前記後処理部200は前記改質部100から前記第2合成ガスが伝達されて、前記熱交換部210を通じて前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、この後前記水蒸気除去部220を通じて前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去し、この後前記水素分離部230を通じて前記第2合成ガスから水素を分離することができる。
【0088】
前記水素分離部230で分離された水素は別途の水素貯蔵部(図示されず)に貯蔵され得る。
【0089】
以下では、前述した前記改質方法(S10)および前記改質システム10の具体的な第1実施例および第2実施例をさらに詳しく説明する。
【0090】
一方、前述した技術的思想と同一であるか、当業者の立場で容易に類推できる内容についてはその説明を省略したり簡略にしたりする。
【0091】
1.第1実施例に係る改質方法および改質システム10A
【0092】
図3は第1実施例に係る改質システム10Aの概略構成図である。
【0093】
一例として、図3に図示した通り、前記改質部100Aは前記第1合成ガスを生成する第1改質部110Aおよび前記第2合成ガスを生成するものの、前記第1改質部110Aと分離された第2改質部120Aを具備することができる。
【0094】
すなわち、前記第1改質部110Aと前記第2改質部120Aは互いに分離された独立的なチャンバであり得る。
【0095】
ここで、一例として、前記第1合成ガスを生成する段階(S100)は前記第1改質部110Aで具現され得る。
【0096】
第1実施例に係る改質システム10Aはメタンを貯蔵し前記第1改質部110Aにメタンを供給する貯蔵部K2および前記第1改質部110Aに高温/高圧のスチームを供給するスチーム供給部K1をさらに含むことができる。
【0097】
すなわち、前記第1改質部110Aはメタンをスチームプラズマで改質反応させてメタンから水素および二酸化炭素を含む前記第1合成ガスを生成することができる。
【0098】
その結果、前記第1改質部110Aでの改質反応は前記化学式1および前記化学式2の反応であり得る。
【0099】
この後、前記第1合成ガスから水素を分離する段階(S200)は前記後処理部200により具現され得る。
【0100】
図3に図示した通り、前記後処理部200は前記第1改質部110Aから前記第1合成ガスが伝達されて、前記熱交換部210を通じて前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、この後前記水蒸気除去部220を通じて前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去し、この後前記水素分離部230を通じて前記第1合成ガスから水素を分離することができる。
【0101】
前記水素分離部230で分離された水素は水素貯蔵部K3に貯蔵され得る。
【0102】
この後、前記第2合成ガスを生成する段階(S300)は前記第2改質部120Aで具現され得る。
【0103】
前記第2改質部120Aは前記後処理部200から水素が分離された前記第1合成ガスが伝達され得、また、前記スチーム供給部K1から高温/高圧のスチームと、前記貯蔵部K2からメタンの供給を受けることができる。
【0104】
すなわち、前記第2改質部120Aは水素が分離された前記第1合成ガスとメタンをスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した第2合成ガスを生成することができる。
【0105】
その結果、前記第2改質部120Aでの改質反応は前記化学式3および前記化学式4の反応であり得る。
【0106】
ここで、前記第2合成ガスを生成する段階(S300)は前記第2合成ガス上に生成されたチャー(char)を捕集することができる。
【0107】
すなわち、前記第2改質部120Aは前記第2合成ガス上に生成されたチャー(char)を捕集する捕集部(図示されず)を具備することができる。
【0108】
一例として、前記捕集部は前記第2合成ガスに含まれたチャー(char)を前記第2改質部120Aに供給されるスチームおよび/または前記第2改質部120Aに設置されるフィルタなどの捕集装置であり得る。
【0109】
前記捕集部に捕集されたチャー(char)は軽量骨材、土壌改良剤など多様な分野にリサイクルされ得る。
【0110】
この後、前記第2合成ガスから水素を分離する段階(S400)は前記後処理部200により具現され得る。
【0111】
図3に図示した通り、前記後処理部200は前記第2改質部120Aから前記第2合成ガスが伝達されて、前記熱交換部210を通じて前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、この後前記水蒸気除去部220を通じて前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去し、この後前記水素分離部230を通じて前記第2合成ガスから水素を分離することができる。
【0112】
前記水素分離部230で分離された水素は水素貯蔵部K3に貯蔵され得る。
【0113】
一方、前記第1実施例に係る改質方法(S10)の前記第2合成ガスから水素を分離する段階(S400)は、前記第1合成ガスと前記第2合成ガスを混合して混合ガスを生成させ、前記混合ガスを所定温度に冷却させ、前記混合ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記混合ガスから水素を分離することができる。
【0114】
このために、図3に図示した通り、前記第1実施例に係る改質システム10Aは前記第1改質部110Aから前記第1合成ガスが伝達され、前記第2改質部120Aから前記第2合成ガスが伝達されて、前記第1合成ガスと前記第2合成ガスを混合して混合ガスを生成させる混合部300をさらに含むことができる。
【0115】
すなわち、前記第2改質部120Aで生成された前記第2合成ガスは前記混合部300に伝達され、前記第1改質部110Aで生成された前記第1合成ガスも前記混合部300に伝達されて前記第1合成ガスと前記第2合成ガスが混合された前記混合ガスが生成され得る。
【0116】
前記混合部300で生成された前記混合ガスは前記混合部300から順次前記熱交換部210、前記水蒸気除去部220、前記水素分離部230を経ることにより、前記後処理部200は前記混合部300から前記混合ガスが伝達されて、前記混合ガスを所定温度に冷却させ、前記混合ガスに含まれた水蒸気を除去した後、前記混合ガスから水素を分離することができる。
【0117】
したがって、一つの前記後処理部200だけでも効率的に前記第1合成ガス、前記第2合成ガスおよび前記混合ガスの後処理が可能であり得る。
【0118】
この後、前記後処理部200により後処理された前記混合ガスは再び前記第2改質部120Aに流入され得る。
【0119】
その結果、水素の収得効率を最大化することができ、二酸化炭素の排出を低減することができる。
【0120】
一方、前記混合部300は前記第1改質部110Aで生成された前記第1合成ガスの流入の有無を制御する第1バルブ(図示されず)、前記第2改質部120Aで生成された前記第2合成ガスの流入の有無を制御する第2バルブ(図示されず)を具備することができる。
【0121】
したがって、前記混合部300は選択的に前記熱交換部210に前記第1合成ガスおよび/または前記第2合成ガスを伝達することができる。
【0122】
これをより詳しく説明すると、前記混合部300は前記第1バルブを開放し前記第2バルブを閉鎖して、前記第1改質部110Aから前記第1合成ガスのみが流入して前記熱交換部210に前記第1合成ガスを伝達でき、または前記第1バルブを閉鎖し前記第2バルブを開放して、前記第2改質部120Aから前記第2合成ガスのみが流入して前記熱交換部210に前記第2合成ガスを伝達することもでき、または前記第1バルブおよび前記第2バルブをいずれも開放して、前記第1改質部110Aおよび前記第2改質部120Aから前記第1合成ガスおよび前記第2合成ガスが流入して生成された前記混合ガスを前記熱交換部210に伝達することもできる。
【0123】
2.第2実施例に係る改質方法および改質システム10B
【0124】
図4は、第2実施例に係る改質システム10Bの概略構成図である。
【0125】
一例として、図4に図示した通り、第2実施例に係る改質システム10Bは廃棄物を熱処理して廃棄物からチャー(char)およびメタンを含む前処理ガスを生成する前処理部400を含むことができる。
【0126】
すなわち、第2実施例に係る改質方法(S10)は、前記第1合成ガスを生成する段階(S100)以前に、前記前処理部400を通じて廃棄物を熱処理して廃棄物からチャー(char)およびメタンを含む前処理ガスを生成する段階をさらに含むことができる。
【0127】
廃棄物は生活ゴミであり得るが、その種類には限定がなく、前記前処理部400が廃棄物を熱分解してチャー(char)およびメタンを含む前処理ガスを生成できる種類であれば廃棄物に該当し得る。
【0128】
前記前処理部400は廃棄物を高温/高圧環境で焼却して前記前処理ガスを生成する構成であり得る。
【0129】
また、前記前処理部400は前記前処理ガス上に生成されたチャー(char)を捕集することができる。
【0130】
ここで、第2実施例に係る改質システム10Bは、廃棄物を貯蔵し前記前処理部400に廃棄物を伝達する廃棄物貯蔵部K4をさらに含むことができる。
【0131】
一方、前記第1合成ガスを生成する段階(S100)は改質部100Bで具現され得る。
【0132】
前記改質部100Bは、前記前処理部400からメタンを含む前記前処理ガスの伝達を受けて前記前処理ガスに含まれたメタンをスチームプラズマで改質反応させてメタンから水素および二酸化炭素を含む前記第1合成ガスを生成することができる。
【0133】
第2実施例に係る改質システム10Bは、前記改質部100Bに高温/高圧のスチームを供給するスチーム供給部(図示されず)をさらに含むことができる。
【0134】
その結果、前記改質部100Bでの改質反応は前記化学式1および前記化学式2の反応であり得る。
【0135】
この後、前記第1合成ガスから水素を分離する段階(S200)は前記後処理部200により具現され得る。
【0136】
図4に図示した通り、前記後処理部200は前記改質部100Bから前記第1合成ガスが伝達されて、前記熱交換部210を通じて前記第1合成ガスを所定温度に冷却させ、この後前記水蒸気除去部220を通じて前記第1合成ガスに含まれた水蒸気を除去し、この後前記水素分離部230を通じて前記第1合成ガスから水素を分離することができる。
【0137】
前記水素分離部230で分離された水素は水素貯蔵部K3に貯蔵され得る。
【0138】
この後、第2実施例に係る改質方法(S10)の前記第2合成ガスを生成する段階(S300)は前記改質部100Bで再び具現され得る。
【0139】
前記改質部100Bは前記後処理部200から水素が分離された前記第1合成ガスが伝達され得、また、前記スチーム供給部K1から高温/高圧のスチームと、前記前処理部400からメタンの供給を受けることができる。
【0140】
すなわち、前記改質部100Bは水素が分離された前記第1合成ガスとメタンをスチームプラズマで改質反応させて水素を生成し、二酸化炭素を低減した第2合成ガスを生成することができる。
【0141】
その結果、前記改質部100Bでの改質反応は前記化学式3および前記化学式4の反応であり得る。
【0142】
ここで、前記第2合成ガスを生成する段階(S300)は前記第2合成ガス上に生成されたチャー(char)を捕集することができる。
【0143】
すなわち、前記改質部100Bは前記第2合成ガス上に生成されたチャー(char)を捕集する捕集部(図示されず)を具備することができる。
【0144】
この後、第2実施例に係る改質方法(S10)の前記第2合成ガスから水素を分離する段階(S400)は前記後処理部200により具現され得る。
【0145】
図4に図示した通り、前記後処理部200は前記改質部100Bから前記第2合成ガスが伝達されて、前記熱交換部210を通じて前記第2合成ガスを所定温度に冷却させ、この後前記水蒸気除去部220を通じて前記第2合成ガスに含まれた水蒸気を除去し、この後前記水素分離部230を通じて前記第2合成ガスから水素を分離することができる。
【0146】
前記水素分離部230で分離された水素は水素貯蔵部K3に貯蔵され得る。
【0147】
一方、第2実施例に係る改質方法(S10)は、前記第1合成ガスから水素を分離する段階(S200)以後であって、前記第2合成ガスを生成する段階(S300)以前に、水素が分離された前記第1合成ガスのうち二酸化炭素とチャー(char)を反応させて一酸化炭素を生成する段階をさらに含むことができる。
【0148】
前記一酸化炭素を生成する段階を具現するために、図4に図示した通り、第2実施例に係る改質システム10Bは水素が分離された前記第1合成ガスのうち二酸化炭素とチャー(char)を反応させて一酸化炭素を生成する反応部500をさらに含むことができる。
【0149】
前記反応部500は前記第1合成ガスから水素を分離する段階(S200)により前記後処理部200から水素が分離された前記第1合成ガスが伝達され、前記前処理ガスを生成する段階によって捕集されたチャーが前記前処理部400から伝達されて前記第1合成ガスに含まれた二酸化炭素とチャーを高温/高圧の環境で反応させて一酸化炭素を生成することができる。
【0150】
前記反応部500での反応式は下記の化学式5の通りである。
(化学式5)
【化13】
【0151】
すなわち、第2実施例に係る改質方法(S10)を順次詳察すると、前記前処理部400で前記前処理ガスを生成する段階が具現され、以後前記改質部100Bで前記第1合成ガスを生成する段階(S100)が具現され、以後前記後処理部200で前記第1合成ガスから水素を分離する段階(S200)が具現され、以後前記反応部500で前記一酸化炭素を生成する段階が具現され、以後前記改質部100Bで前記第2合成ガスを生成する段階(S300)が具現され得る。
【0152】
ここで、前記第2合成ガスを生成する段階(S300)は前記一酸化炭素を生成する段階で生成された一酸化炭素とスチームを反応させて水素を生成することができる。
【0153】
これをより詳しく説明すると、前記反応部500で生成された一酸化炭素は前記第1合成ガスに含まれて前記改質部100Bに伝達され得、前記改質部100Bは前記第2合成ガスを生成する段階(S300)で前記反応部500により生成された一酸化炭素とスチームを高温/高圧環境で反応させて水素および二酸化炭素を生成することができる。
【0154】
このような反応の反応式は下記の化学式6の通りである。
(化学式6)
【化14】
【0155】
すなわち、第2実施例に係る改質方法(S10)は前記反応部500で一酸化炭素を生成し、生成した一酸化炭素を利用して前記改質部100Bで水蒸気と反応させることにより水素をさらに多く生成させることができる。
【0156】
また、前記化学式6によって生成された二酸化炭素は前記改質部100B上で前記化学式3および化学式4の反応を通じて低減され得る。
【0157】
その結果、水素の収得率は高めるものの、二酸化炭素の排出量は低減させることができる。
【0158】
一方、図5は前記改質システムの前記改質部100の概略透視図であって、図5に図示した通り、前記改質部100は高温のプラズマトーチ(torch)が流入し、複数の流入口(inlet)を通じて前述した炭化水素、水蒸気などが流入され得る。
【0159】
一方、前記改質部100は内部空間に水素を生成する触媒モジュールMを含むことができる。
【0160】
前記触媒モジュールMは所定の触媒を貯蔵する空間を形成するケージ(cage)および前記ケージ内に貯蔵される触媒で構成され得る。
【0161】
一例として、前記ケージは内壁と外壁からなり得、触媒は前記ケージの内壁と外壁の間に配置され得る。
【0162】
一例として、前記触媒は高温環境(例えば、400℃以上)で炭化水素から水素を生成できるものであり、ニッケル(Ni)ベース触媒であり得、例えばNi/alpha-Al、Ni/SiO、Ni-Zn-Alなどであり得るがこれに限定されるものではない。
【0163】
一方、前記触媒モジュールMは前記改質部100のケース内に配置され、炭化水素を改質反応させるプラズマトーチの廃熱によって加熱(例えば、400℃以上)されて追加的に水素を生成することができる。
【0164】
その結果、前記改質部100に流入した炭化水素は高温/高圧のスチームプラズマによって1次改質され、前記触媒モジュールMにより2次改質されて、相対的に小量の電力で多量の水素を生成でき、流出口(outlet)を通じて前記後処理部200に移動され得る。
【0165】
前記では本発明に係る実施例を基準として本発明の構成と特徴を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の思想と範囲内で多様に変更または変形できることは本発明が属する技術分野の当業者に明白なものであり、したがってこのような変更または変形は添付された特許請求の範囲に属することを明らかにしておく。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】