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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】残圧除去が可能なシリンジ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61M5/315 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514741
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 KR2022013209
(87)【国際公開番号】W WO2023038372
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0120365
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518176884
【氏名又は名称】ディーエックスエム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DXM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】102-4 Sandan-gil, Hwasun-eup, Hwasun-gun, Jeollanam-do, 58141, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ドゥ ラク
(72)【発明者】
【氏名】シン,キョン ス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD07
4C066EE14
4C066HH14
4C066HH17
(57)【要約】
本発明は、残圧除去が可能なシリンジに関し、内部に薬剤が充填され、一端に薬液排出孔113cが形成されたバレル110と、前記バレル110の内部に挿入され、加圧によって前進しながら薬液が前記薬液排出孔113cに排出されるようにし、前方加圧板121から前記薬液排出孔113cに向かって結合軸122が一定の長さだけ突出して形成されたプランジャー120と;前記結合軸122の後端に結合されるガスケット結合リング130と、前方で前記結合軸122を覆うように前記ガスケット結合リング130に結合され、前記プランジャー120に加えられる圧力が解除されると内部の残圧を除去し、薬液の追加的な漏れを防止する残圧除去ガスケット140と、を含み、前記ガスケット結合リング130は、前記プランジャー120の前方加圧板121と基準距離だけ離隔するように前記結合軸122に結合され、加圧によって前記プランジャー120が前記バレル110の内部で前進すると、前記前方加圧板121が前記ガスケット結合リング130と当接するように前記結合軸122が前記残圧除去ガスケット140の内部を加圧しながら前進し、前記残圧除去ガスケット140は、前記ガスケット結合リング130に嵌め合わされ、前記バレル110の内壁面に密着する固定バンド141と、前記結合軸122の先端を覆う先端キャップ145と、前記固定バンド141と前記先端キャップ145とを傾斜するように連結し、前記プランジャー120が加圧されると弾性的に伸長され、前記先端キャップ145を前記結合軸122と共に前方に移動させ、前記プランジャー120の加圧が解除されると初期長さに収縮され、前記プランジャー120が前記基準距離だけ後進するように弾性力を印加する傾斜変形キャップ143と、を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に薬剤が充填され、一端に薬液排出孔(113c)が形成されたバレル(110)と、
前記バレル(110)の内部に挿入され、加圧によって前進しながら薬液が前記薬液排出孔(113c)に排出されるようにし、前方加圧板(121)から前記薬液排出孔(113c)に向かって結合軸(122)が一定の長さだけ突出して形成されたプランジャー(120)と、
前記結合軸(122)の後端に結合されるガスケット結合リング(130)と、
前方で前記結合軸(122)を覆うように前記ガスケット結合リング(130)に結合され、前記プランジャー(120)に加えられる圧力が解除されると、内部の残圧を除去し、薬液の追加的な漏れを防止する残圧除去ガスケット(140)と、を含み、
前記ガスケット結合リング(130)は、
前記プランジャー(120)の前方加圧板(121)と基準距離だけ離隔するように前記結合軸(122)に結合され、加圧によって前記プランジャー(120)が前記バレル(110)の内部で前進すると、前記前方加圧板(121)が前記ガスケット結合リング(130)と当接するように前記結合軸(122)が前記残圧除去ガスケット(140)の内部を加圧しながら前進し、
前記残圧除去ガスケット(140)は、
前記ガスケット結合リング(130)に嵌め合わされ、前記バレル(110)の内壁面に密着する固定バンド(141)と、
前記結合軸(122)の先端を覆う先端キャップ(145)と、
前記固定バンド(141)と前記先端キャップ(145)とを傾斜するように連結し、前記プランジャー(120)が加圧されると弾性的に伸長され、前記先端キャップ(145)を前記結合軸(122)と共に前方に移動させ、前記プランジャー(120)の加圧が解除されると初期長さに収縮され、前記プランジャー(120)が前記基準距離だけ後進するように弾性力を印加する傾斜変形キャップ(143)と、を含むことを特徴とする残圧除去が可能なシリンジ。
【請求項2】
前記ガスケット結合リング(130)は、
前記結合軸(122)に嵌められるリング本体(131)と、
前記リング本体(131)の後端から前記前方加圧板(121)と基準距離だけ離隔するように外周縁に沿って突出して形成された後方フランジ(135)と、
前記リング本体(131)の先端から外周縁に沿って前記後方フランジ(135)より低い高さで突出して形成され、前記後方フランジ(135)との間に前記固定バンド(141)が嵌められるバンド嵌合溝(137)を形成する前方フランジ(133)と、を含み、
前記結合軸(122)には、前記前方フランジ(133)と接触するように突出して形成され、前記ガスケット結合リング(130)が前方に移動することを制限する移動制限突起(123)が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の残圧除去が可能なシリンジ。
【請求項3】
前記先端キャップ(145)は、
前記結合軸(122)の先端を外部に露出できる長さで備えられ、
前記先端キャップ(145)と前記結合軸(122)との結合領域に備えられ、前記先端キャップ(145)の位置を固定する先端離脱防止突起(124)をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の残圧除去が可能なシリンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジに関し、より詳細には、薬液排出のためのプランジャーの加圧が解除された後、プランジャーに加えられる残圧を除去し、薬液の漏れを防止できる残圧除去が可能なシリンジに関する。
【背景技術】
【0002】
シリンジは、医療用又は産業用として広く使用される。医療用シリンジは、薬液を患者に注射するために使用され、産業用シリンジは、工業用ボンドなどの薬品を定められた用量だけ排出するために使用される。
【0003】
図1は、従来のシリンジ10の構成を示した例示図である。図示したように、従来のシリンジ10は、薬液Aが収容されるバレル11と、バレル11の内部で前進するプランジャー15と、バレル11の先端に結合され、薬液を排出するノズル13とを含む。
【0004】
従来のシリンジ10においては、ユーザーが手で押しながらプランジャー15を加圧すると、プランジャー15は、バレル11の内部で前進しながら薬液Aをノズル13に排出させる。そして、プランジャー15に対する加圧を解除すると、薬液Aの排出が停止する。
【0005】
ところが、従来のシリンジ10においては、手でプランジャー15を加圧する加圧力を解除した場合にも、プランジャー15を前進させる残圧が内部に残っており、ノズル13から薬液Aが少しずつ流出しながら漏れるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述した問題を解決するためのものであって、プランジャーに対する加圧が解除される場合、内部に残留する残圧を除去し、薬液の追加的な漏れを防止できるシリンジを提供することにある。
【0007】
本発明の上記の目的及び様々な長所は、この技術分野で熟練した人達によって本発明の好適な実施例からさらに明確になるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、残圧除去が可能なシリンジによって達成され得る。本発明のシリンジは、内部に薬剤が充填され、一端に薬液排出孔113cが形成されたバレル110と、前記バレル110の内部に挿入され、加圧によって前進しながら薬液を前記薬液排出孔113cに排出させ、前方加圧板121から前記薬液排出孔113cに向かって結合軸122が一定の長さだけ突出して形成されたプランジャー120と、前記結合軸122の後端に結合されるガスケット結合リング130と;前方から前記結合軸122を覆うように前記ガスケット結合リング130に結合され、前記プランジャー120に加えられる圧力が解除されると、内部の残圧を除去し、薬液の追加的な漏れを防止する残圧除去ガスケット140と、を含み、前記ガスケット結合リング130は、前記プランジャー120の前方加圧板121と基準距離だけ離隔するように前記結合軸122に結合され、加圧によって前記プランジャー120が前記バレル110の内部で前進すると、前記前方加圧板121が前記ガスケット結合リング130と当接するように前記結合軸122が前記残圧除去ガスケット140の内部を加圧しながら前進し、前記残圧除去ガスケット140は、前記ガスケット結合リング130に嵌め合わされ、前記バレル110の内壁面に密着する固定バンド141と、前記結合軸122の先端を覆う先端キャップ145と;前記固定バンド141と前記先端キャップ145とを傾斜するように連結し、前記プランジャー120が加圧されると弾性的に伸長され、前記先端キャップ145を前記結合軸122と共に前方に移動させ、前記プランジャー120の加圧が解除されると初期長さに収縮され、前記プランジャー120が前記基準距離だけ後進するように弾性力を印加する傾斜変形キャップ143と、を含むことを特徴とする。
【0009】
一実施例によると、前記ガスケット結合リング130は、前記結合軸122に嵌められるリング本体131と、前記リング本体131の後端から前記前方加圧板121と基準距離だけ離隔するように外周縁に沿って突出して形成された後方フランジ135と、前記リング本体131の先端から外周縁に沿って前記後方フランジ135より低い高さで突出して形成され、前記後方フランジ135との間に前記固定バンド141が嵌められるバンド嵌合溝137を形成する前方フランジ133と、を含み、前記結合軸122には、前記前方フランジ133と接触するように突出して形成され、前記ガスケット結合リング130が前方に移動することを制限する移動制限突起123が備えられ得る。
【0010】
一実施例によると、前記先端キャップ145は、前記結合軸122の先端を外部に露出できる長さで備えられ、本発明のシリンジは、前記先端キャップ145と前記結合軸122との結合領域に備えられ、前記先端キャップ145の位置を固定する先端離脱防止突起124をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るシリンジによると、プランジャーの先端に結合軸が突出して形成され、結合軸にガスケット結合リングと残圧除去ガスケットが結合される。残圧除去ガスケットは、プランジャーの加圧時に弾性的に長さが増加し、プランジャーに対する加圧が解除されると、初期長さに復帰するために弾性力を印加することによって、プランジャーが基準長さだけ後進しながら内部の残圧を除去することができる。
【0012】
これによって、従来のシリンジの加圧が解除された後にも、残圧によって内部の薬液が少しずつ漏れるという問題を効果的に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来のシリンジの構造を示した例示図である。
【0014】
図2】本発明に係るシリンジの構成を示した斜視図である。
【0015】
図3】本発明に係るシリンジの構成を分解して示した分解斜視図である。
【0016】
図4】本発明に係るシリンジの動作過程を示した断面例示図である。
【0017】
図5】本発明に係るシリンジの動作過程を示した断面例示図である。
【0018】
図6】本発明に係るシリンジの動作過程を示した断面例示図である。
【0019】
図7】本発明のシリンジの残圧除去ガスケットの変形例を示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を十分に理解するために、本発明の好適な実施例を添付の図面を参照して説明する。本発明の実施例は、様々な形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記で詳細に説明する実施例に限定されるものと解釈してはならない。本実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状などは、より明確な説明を強調するために誇張して表現する場合がある。各図面における同一の部材は、同一の参照符号で示した場合があることに留意しなければならない。本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される公知の機能及び構成に対する詳細な記述は省略される。
【0021】
図2は、本発明に係るシリンジ100の構成を示した斜視図で、図3は、シリンジ100の構成を分解して示した分解斜視図で、図4乃至図6は、シリンジ100の動作過程を示した断面例示図である。
【0022】
図2及び図3に示すように、本発明のシリンジ100は、薬液Aが貯蔵されるバレル110と、バレル110の後端から先端に向かって移動し、薬液Aが排出されるように加圧するプランジャー120と、プランジャー120の先端に結合されるガスケット結合リング130と、ガスケット結合リング130を通じてプランジャー120の先端に結合され、プランジャー120に対する加圧が解除されたとき、プランジャー120を基準距離だけ後進させながら残圧を除去する残圧除去ガスケット140とを含む。
【0023】
本発明のシリンジ100において、プランジャー120の先端には、弾性的に可変し、加圧が解除されて停止したプランジャー120を残圧によって基準位置だけ後進させる残圧除去ガスケット140が備えられる。これによって、従来において、残圧によって薬液が継続して漏れるという問題を解決することができる。
【0024】
バレル110は、内部に薬液Aが貯蔵され、プランジャー120の加圧によって薬液Aを排出する。バレル110の先端には、薬液Aを排出するノズル200又はアダプター(図示せず)などが結合される。
【0025】
バレル110は、図3及び図4に示すように、内部に薬液が貯蔵されるバレル本体111と、バレル本体111の先端に備えられ、ノズル200又はアダプターが着脱可能に結合され、薬液排出孔113cが形成された接続端113と、バレル本体111の後端に備えられ、プランジャー120の移動を支持するフランジ115とを含む。
【0026】
接続端113は、薬液排出孔113cが形成された内部管113aと、内部管113aと一定間隔だけ離隔して形成され、ノズル200が挿入されるノズル挿入溝113dを形成する外部管113bとを含む。
【0027】
プランジャー120は、バレル110の後端に挿入され、ユーザーの加圧によってバレル110の内壁面に沿って前進し、薬液Aが薬液排出孔113cに排出されるように加圧する。プランジャー120は、その外径がバレル110の内径に対応する棒の形態で形成される。
【0028】
プランジャー120の先端には、薬液を加圧しながら移動する前方加圧板121が備えられ、後端には、ユーザーによって加圧される後方加圧板125が備えられる。前方加圧板121の中心領域には、図3及び図4に示すように、残圧除去ガスケット140が結合される結合軸122が一定の長さだけ突出して形成される。結合軸122は、先端122aに行くほど外径が一定になるとともに外径が徐々に狭くなるように形成され、残圧除去ガスケット140の結合が容易に行われる。
【0029】
結合軸122の経路には、一定の角度間隔に沿って複数個の移動制限突起123が板面に対して突出して形成される。移動制限突起123は、図4に拡大して示すように、ガスケット結合リング130が結合軸122に嵌められたとき、ガスケット結合リング130が前方に押されることなく、その位置が固定されるように接触支持する。
【0030】
移動制限突起123は、図4に拡大して示すように、前方加圧板121から基準距離dとリング本体131の長さとを加算した距離だけ離隔した位置に備えられる。これによって、ガスケット結合リング130が結合軸122の移動制限突起123に接触するように結合されると、ガスケット結合リング130は、前方加圧板121から基準距離dだけ離隔するように位置する。
【0031】
ガスケット結合リング130は、結合軸122に嵌められ、残圧除去ガスケット140の位置を固定する。ガスケット結合リング130は、結合軸122に嵌められる弾性を有するリングの形態で備えられるリング本体131と、リング本体131の先端から半径方向外側に一定高さだけ突出して形成される前方フランジ133と、リング本体131の後端から半径方向外側にバレル110の内径に対応する高さで突出して形成される後方フランジ135とが一体に形成されるように構成される。
【0032】
リング本体131は、結合軸122が挿入される軸挿入孔132が貫通して形成されたリングの形態で形成される。リング本体131は、弾性的に伸びるゴム又はシリコーン素材、又はプラスチックで形成される。前方フランジ133と後方フランジ135は、それぞれリング本体131の前方と後方に円周方向に沿って垂直に形成される。後方フランジ135は、バレル110の内径に対応する高さで形成され、プランジャー120の移動時に残圧除去ガスケット140が離脱することを防止し、バレル110の内壁面と接触しながら薬液Aの逆方向への移動を遮断する。
【0033】
前方フランジ133は、後方フランジ135より低い高さで形成され、後方フランジ135との間にバンド嵌合溝137を形成する。また、前方フランジ133は、後方フランジ135との高さの差により、残圧除去ガスケット140の傾斜変形キャップ143が傾斜した形態で結合軸122及びガスケット結合リング130の外部を覆うように支持する。
【0034】
このとき、前方フランジ133は、その端部の断面が後方から前方に行くほど外径が狭くなる傾斜面133aを形成し、傾斜変形キャップ143が先端に行くほど幅が狭くなる形状を維持するように内部で支持する。
【0035】
残圧除去ガスケット140は、結合軸122を覆うようにガスケット結合リング130に結合され、プランジャー120と共にバレル110の内部で移動しながら薬液Aを排出させる。また、残圧除去ガスケット140は、プランジャー120に対する加圧が解除されると、プランジャー120に加えられる残圧が除去されるようにプランジャー120を基準距離だけ後進させ、薬液Aの追加的な漏れを防止することができる。
【0036】
残圧除去ガスケット140は、ガスケット結合リング130のバンド嵌合溝137に嵌められる固定バンド141と、結合軸122の先端を覆うように嵌められる先端キャップ145と、先端キャップ145と固定バンド141とを連結し、弾性的に変形しながらプランジャー120が後進するように弾性力を加える傾斜変形キャップ143とを含む。
【0037】
先端キャップ145、傾斜変形キャップ143及び固定バンド141は、先端が塞がっており、後端に結合軸122が挿入される挿入空間が形成された弾性材質で形成された一体型構造を有する。残圧除去ガスケット140は、まず、固定バンド141が結合軸122に挿入され、ガスケット結合リング130に向かって引っ張りながら結合軸122が先端キャップ145の内部まで挿入されるようにする。そして、引っ張られた固定バンド141は、ガスケット結合リング130のバンド嵌合溝137に嵌められる。
【0038】
固定バンド141は、他の領域に比べて厚く形成され、弾性的にバンド嵌合溝137に嵌められながら位置が固定される。固定バンド141の外径がバレル110の内壁面に接触し、薬液Aがプランジャー120に向かって逆流することを遮断する。
【0039】
先端キャップ145は、移動制限突起123から結合軸122の先端122aを十分に覆うことができる長さで形成される。傾斜変形キャップ143は、固定バンド141から先端キャップ145を連結し、固定バンド141及び先端キャップ145に比べて相対的に薄い厚さで形成される。これによって、傾斜変形キャップ143は、弾性的な変形が容易になるように備えられる。
【0040】
傾斜変形キャップ143は、前方フランジ133の傾斜面133a及び移動制限突起123によって支持され、後方から前方に向かって外径が徐々に狭くなるように先端キャップ145と連結される。傾斜変形キャップ143は、ユーザーがプランジャー120を加圧しながら薬液を排出するかどうかによって、形状が弾性的に変形しながら薬液を排出させたり、プランジャー120を後進させることによって薬液の追加的な排出を禁止する。
【0041】
図4に示すように、プランジャー120が加圧されていない初期状態で、残圧除去ガスケット140は、結合軸122に被せられた後、ガスケット結合リング130に固定バンド141が嵌められることによって位置が固定される。このとき、傾斜変形キャップ143から先端キャップ145までは第1長さL1を維持する。そして、プランジャー120の前方加圧板121は、ガスケット結合リング130の後方フランジ135と基準長さdだけ離隔した状態を維持する。
【0042】
図5に示すように、ユーザーが後方加圧板125を加圧すると、プランジャー120がバレル110の内部で前進する。これによって、プランジャー120の前方加圧板121が加圧されながら後方フランジ135と接触するように前進し、結合軸122も、残圧除去ガスケット140の内部で先端キャップ145に向かって前進する。
【0043】
このとき、傾斜変形キャップ143が結合軸122の移動距離、すなわち、基準長さdだけ弾性的に変形しながら長さL3が長くなり、傾斜変形キャップ143から先端キャップ145までの第2長さL2が第1長さL1より長くなる。
【0044】
残圧除去ガスケット140が第2長さL2に変形した状態でプランジャー120が前進し、薬液Aがノズル200を介して外部に排出される。
【0045】
ユーザーが所望の量の薬液が排出される位置でプランジャー120の加圧を完了すると、ユーザーは、プランジャー120に対する加圧を停止する。プランジャー120に対する加圧が解除されると、図6に示すように、弾性的に長くなるように変形した傾斜変形キャップ143は、初期長さに復帰するために、内部に収容された結合軸122に弾性力を印加する。これによって、図6に拡大して示すように、結合軸122及びプランジャー120が後方に基準距離dだけ後進し、前方加圧板121が後方フランジ135と基準距離dだけ離隔した位置に移動する。
【0046】
このように傾斜変形キャップ143の弾性力によってプランジャー120が基準距離dだけ後進しながら、プランジャー120に加えられた残圧が除去され、ノズル200を介した薬液の追加的な排出が防止され、正確な量の薬液のみが排出され得る。
【0047】
一方、図7は、本発明の残圧除去ガスケット140aの変形例を示した例示図である。上記で説明した好適な実施例に係る残圧除去ガスケット140は、固定バンド141、傾斜変形キャップ143及び先端キャップ145が一体に形成されるように構成される。
【0048】
しかし、これは一実施例に過ぎなく、図7に示すように、固定バンド141と傾斜変形キャップ143とが一体に形成されながらガスケット結合リング130に嵌められ、先端キャップ145は、短く形成されながら結合軸122の先端を外部に露出させるように備えられる。
【0049】
このとき、先端キャップ145の端部は、他の領域に比べて厚く形成され、結合軸122に突出して形成された先端離脱防止突起124に係合されることによって位置が固定される。これによって、薬液Aが逆流しないようにシーリングする。
【0050】
この場合にも、プランジャー120に対する加圧又は加圧解除時に、傾斜変形キャップ143は、弾性的に変形しながら長さが増加したり、初期長さに収縮され、プランジャー120を後進させることによって残圧を除去するようになる。
【0051】
以上で説明したように、本発明に係るシリンジは、プランジャーの先端から結合軸が突出して形成され、結合軸にガスケット結合リングと残圧除去ガスケットが結合される。残圧除去ガスケットは、プランジャーの加圧時に弾性的に長さが増加し、プランジャーに対する加圧が解除されると、初期長さに復帰するために弾性力を印加し、プランジャーが基準長さだけ後進しながら内部の残圧を除去することができる。
【0052】
これによって、従来において、シリンジの加圧が解除された後にも、残圧によって内部の薬液が少しずつ漏れるという問題を効果的に解決することができる。
【0053】
以上で説明した本発明のシリンジの実施例は例示的なものに過ぎなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解できるだろう。そのため、本発明は、上記の詳細な説明で言及する形態にのみ限定されるものではないことを理解できるだろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきであろう。また、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及びその範囲内にある全ての変形物、均等物及び代替物を含むものと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0054】
100:シリンジ 110:バレル
111:バレル本体 113:接続端
113a:内部管 113b:外部管
113c:薬液排出孔 113d:ノズル挿入溝
115:フランジ 120:プランジャー
121:前方加圧板 122:結合軸
122a:先端 123:移動制限突起
124:先端離脱防止突起 125:後方加圧板
130:ガスケット結合リング 131:リング本体
132:軸挿入孔 133:前方フランジ
133a:傾斜面 135:後方フランジ
137:バンド嵌合溝 140:残圧除去ガスケット
141:固定バンド 143:傾斜変形キャップ
145:先端キャップ 200:ノズル
A:薬液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】