(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】検査用デバイスの複数チャンバー間の流体フローを制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
C12M1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515038
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022042751
(87)【国際公開番号】W WO2023038967
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507244910
【氏名又は名称】プレジデント・アンド・フェロウズ・オブ・ハーバード・カレッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】シャウス トーマス イー.
(72)【発明者】
【氏名】イン ペン
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA08
4B029AA27
4B029BB20
4B029CC01
4B029GA08
4B029GB06
4B029GB09
4B029GB10
(57)【要約】
アッセイを行うためのデバイスは、ハウジング、細長部材、およびベントを含む。ハウジングは第一端部および第二端部を有する。ハウジングは、第一端部における第一開口部と、第一チャンバーと、第二チャンバーとを画定する。第一チャンバーは、(i)第二チャンバーに、および(ii)第一開口部を介してハウジングの外部に、流体接続される。細長部材は、第一チャンバー内に最も少なく部分的に配されるように第一開口部を通って受けられるように構成される。ベントは、ハウジングの第一チャンバーからハウジングの第二チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端部と第二端部とを有するハウジングであって、該ハウジングが、該第一端部における第一開口部と、第一チャンバーと、第二チャンバーとを画定し、該第一チャンバーが、(i)該第二チャンバーに、および(ii)該第一開口部を介して該ハウジングの外部に、流体接続されている、該ハウジング;
該第一チャンバー内に最も少なく部分的に配されるように該第一開口部を通って受けられるように構成された、細長部材;ならびに
該ハウジングの該第一チャンバーから該ハウジングの該第二チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成された、ベント
を含む、アッセイを行うためのデバイス。
【請求項2】
ハウジングの第一開口部を通って受けられた細長部材に応じて、第一チャンバーおよび第二チャンバー内で空気圧が生成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
作動されたベントに応じて、第一チャンバーおよび第二チャンバー内で生成された空気圧が解放されてそれにより流体を該第一チャンバーから該第二チャンバーまで流れさせる、請求項2記載のデバイス。
【請求項4】
第一チャンバーおよび第二チャンバー内で生成された空気圧を解放するためにベントを作動させるように構成されたベースステーションと組み合わせた、請求項3記載のデバイス。
【請求項5】
ベントが、ハウジングによってその第二端部にて画定された第二開口部を含み、第二チャンバーが、該第二開口部を介して該ハウジングの外部に流体接続されている、請求項4記載のデバイス。
【請求項6】
ベースステーションが、細長部材がハウジングの第一開口部を通って受けられる前に第二開口部をシールするように構成されており;かつ
該ベースステーションが、該細長部材が該ハウジングの該第一開口部を通って受けられた後に該第二開口部をシール解除してそれにより流体を第一チャンバーから第二チャンバーまで流れさせるように構成されている、
請求項5記載のデバイス。
【請求項7】
ベントが、ハウジングの第二開口部内に配置されたプラグを含み、該プラグが、空気がそれを通って通過することを可能にするように構成されている、請求項5記載のデバイス。
【請求項8】
ベースステーションが、細長部材がハウジングの第一開口部を通って受けられる前にプラグをシールするように構成されており;かつ
該ベースステーションが、該細長部材が該ハウジングの該第一開口部を通って受けられた後に該プラグをシール解除してそれにより流体を第一チャンバーから第二チャンバーまで流れさせるように構成されている、
請求項7記載のデバイス。
【請求項9】
細長部材が、
ハウジングによって受けられた該細長部材に応じて該ハウジングの内部に接触するように構成された、1つまたは複数のシーリング部材
を含む、請求項2~8のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項10】
第一チャンバーおよび第二チャンバー内で生成される空気圧が、細長部材の1つまたは複数のシーリング部材とベントとの間で生成される、請求項9記載のデバイス。
【請求項11】
ベントが、ハウジングによってその第二端部にて画定された第二開口部を含み、第二チャンバーが、該第二開口部を介して該ハウジングの外部に流体接続されている、請求項1~10のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項12】
ベントが、該第二チャンバーと第二開口部との間でハウジングによって画定されるチャネルをさらに含み、該チャネルが、第一チャンバーから第二チャンバーまで流れる流体に応じて該第一チャンバーから余分な流体を収集するように構成されている、請求項11記載のデバイス。
【請求項13】
チャネルがループ構成を有する、請求項12記載のデバイス。
【請求項14】
チャネルの長さが、第二チャンバーと第二開口部との間の直線距離より大きい、請求項12または請求項13記載のデバイス。
【請求項15】
ベントが、ハウジングの第二開口部内に配置されたプラグを含み、該プラグが、空気がそれを通って通過することを可能にするように構成されている、請求項12~14のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項16】
プラグが多孔質の疎水性材料から形成されている、請求項15記載のデバイス。
【請求項17】
ベントが、第二開口部内に配された可動部材を含み、該可動部材が、シール構成とシール解除構成との間で動くように構成されている、請求項12~16のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項18】
シール構成からシール解除構成まで動いた可動部材に応じて流体が第一チャンバーから第二チャンバーまで少なくとも部分的に流れるように構成されている、請求項17記載のデバイス。
【請求項19】
流体を第一チャンバーから第二チャンバーまで流れさせるためにベントを動作させるように構成されたベースステーションと組み合わせた、請求項1~18のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項20】
ハウジングが光学的に透明な材料から形成されている、請求項1~19のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項21】
第一チャンバーまたは第二チャンバー内に配されたプローブをさらに含む、請求項1~20のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項22】
プローブが化学プローブまたは電気プローブである、請求項21記載のデバイス。
【請求項23】
ハウジングが、第一チャンバーに流体接続された第三チャンバーをさらに画定する、請求項1~22のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項24】
ベントが、第一チャンバーから第三チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成されている、請求項23記載のデバイス。
【請求項25】
ハウジングの第一開口部を通って受けられた細長部材に応じて、第一チャンバー、第二チャンバー、および第三チャンバー内で空気圧が生成され;かつ
作動されたベントに応じて、生成された該空気圧が解放されてそれにより流体を該第一チャンバーから該第二チャンバーおよび該第三チャンバーの両方まで流れさせる、
請求項24記載のデバイス。
【請求項26】
第一チャンバーから第三チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成された追加的なベントをさらに含む、請求項23記載のデバイス。
【請求項27】
ハウジングが、第二チャンバーに流体接続された第三チャンバーをさらに画定する、請求項1~26のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項28】
ベントが、第二チャンバーから第三チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するようにさらに構成されている、請求項27記載のデバイス。
【請求項29】
第二チャンバーから第三チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成された追加的なベントをさらに含む、請求項27記載のデバイス。
【請求項30】
第一チャンバー、第二チャンバー、またはその両方が、1種または複数種の試薬を含む、請求項1~29のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項31】
アッセイにおいて試験されるべき試料を収集するように細長部材が構成され、かつ、第一開口部を通って受けられた該細長部材に応じて第一チャンバー内の前記1種または複数種の試薬と反応するように該試料が構成されている、請求項30記載のデバイス。
【請求項32】
第一チャンバー内の流体の体積が、重力が該流体を該第一チャンバーから第二チャンバーまで流れさせることがないような体積である、請求項1~31のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項33】
流体が第一チャンバーから第二チャンバーまで流れるのを防ぐことを補助するようにハウジングがサイズ決定される、請求項1~32のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項34】
ハウジングが、第一チャンバーと第二チャンバーとの間のチャネルをさらに画定し、該チャネルが、
流体が第一チャンバーから第二チャンバーまで流れるのを防ぐことを補助するように構成された直径
を有する、請求項33記載のデバイス。
【請求項35】
第一端部と第二端部とを有するハウジングであって、該ハウジングが、該第一端部における第一開口部と、第一チャンバーと、第二チャンバーとを画定し、該第一チャンバーが、(i)該第二チャンバーに、および(ii)該第一開口部を介して該ハウジングの外部に、流体接続されている、該ハウジング;
該第一チャンバー内に最も少なく部分的に配されるように該第一開口部を通って受けられるように構成された細長部材であって、該第一チャンバーおよび該第二チャンバー内で空気圧を生成することを補助する、該細長部材;ならびに
該ハウジングの該第一チャンバーから該ハウジングの該第二チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成されたベントであって、該第一チャンバーおよび該第二チャンバー内で生成された該空気圧を解放してそれにより該流体を該第一チャンバーから該第二チャンバーまで流れさせるために作動されるように構成された、該ベント
を含む、アッセイを行うためのデバイス。
【請求項36】
第一端部と第二端部とを有するハウジングであって、該ハウジングが、該第一端部における第一開口部と、第一チャンバーと、第二チャンバーとを画定し、該第一チャンバーが、(i)該第二チャンバーに、および(ii)該第一開口部を介して該ハウジングの外部に、流体接続されている、該ハウジング;
該第一チャンバー内に最も少なく部分的に配されるように該第一開口部を通って受けられるように構成された、細長部材;ならびに
該ハウジングの該第一チャンバーから該ハウジングの該第二チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成された、ベント
を含むデバイスと
該デバイスの該ハウジングをその中に受けるように構成され、該流体を該第一チャンバーから該第二チャンバーまで流れさせるために該ベントを作動させるようにさらに構成された、ベースステーションと
を含む、アッセイを行うためのシステム。
【請求項37】
ハウジングの第一開口部を通って受けられた細長部材に応じて第一チャンバーおよび第二チャンバー内で空気圧が生成される、請求項36記載のシステム。
【請求項38】
ベースステーションによって作動されたベントに応じて、第一チャンバーおよび第二チャンバー内で生成された空気圧が解放されてそれにより流体を該第一チャンバーから該第二チャンバーまで流れさせる、請求項37記載のシステム。
【請求項39】
第一端部と第二端部とを有するハウジングであって、該ハウジングが、該第一端部における第一開口部と、第一チャンバーと、第二チャンバーとを画定し、該第一チャンバーが、(i)該第二チャンバーに、および(ii)該第一開口部を介して該ハウジングの外部に、流体接続されている、該ハウジング;
該第一チャンバー内に最も少なく部分的に配されるように該第一開口部を通って受けられるように構成された、細長部材であって、該第一チャンバーおよび該第二チャンバー内で空気圧を生成することを補助する、該細長部材;ならびに
該ハウジングの該第一チャンバーから該ハウジングの該第二チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成されたベントであって、該第一チャンバーおよび該第二チャンバー内で生成された該空気圧を解放してそれにより該流体を該第一チャンバーから該第二チャンバーまで流れさせるために作動されるように構成された、該ベント
を含むデバイスと
該デバイスの該ハウジングをその中に受けるように構成され、該流体を該第一チャンバーから該第二チャンバーまで流れさせるために該ベントを作動させるようにさらに構成された、ベースステーションと
を含む、アッセイを行うためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2021年9月8日に提出された米国特許仮出願第63/241,868号の恩典およびこれに対する優先権を主張する。
【0002】
連邦政府の資金援助による研究についての記載
本発明は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)により付与された第GM133052号の下で政府援助により行われた。米国政府は本発明における一定の権利を有する。
【0003】
技術分野
本開示は概して、試料について検査を行うためのデバイスおよび方法に関する。具体的には、本開示は、検査用デバイスの第一チャンバーと第二チャンバーとの間で流体を進ませる、複数チャンバーを備えた検査用デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
背景
バイオテクノロジーにおける実験室処理は典型的に複雑であり、高水準のトレーニングおよび環境制御を必要とする。例えば、DNAが増幅される(例えば指数関数的にコピーされる)反応は、複雑な混合の段階、加温の段階、液体移送の段階などを伴うことが多い。正確な測定を確実にするためにこれらのような反応を精密に制御することは困難である可能性もある。本開示は、検査用デバイスのさまざまなチャンバー間における流体のフローを精密に制御することを可能にする検査用デバイスに関する。
【発明の概要】
【0005】
概要
態様(embodiment)という用語および類似の用語、例えば実施形態(implementation)、構成(configuration)、局面(aspect)、実施例(example)、および選択肢(option)などは、本開示および添付の特許請求の範囲の対象事項のすべてを広く参照することが意図されている。これらの用語を含有する言明は、本明細書に説明する対象事項を限定するものとして、または添付の特許請求の範囲の意味もしくは範囲を限定するものとして、理解されるべきでない。本明細書において扱う本開示の諸態様は、本概要によってではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される。本概要は本開示のさまざまな局面の高水準の概観であり、後段の詳細な説明のセクションにおいてさらに説明される概念のうちいくつかを紹介する。本概要は、特許請求の対象事項の鍵となるまたは本質的な特徴を同定するように意図されているわけではない。本概要はまた、特許請求の対象事項の範囲を決定するためにそれだけで分離して用いられるように意図されているわけではない。対象事項は、本開示の明細書全体、図面のいずれかまたは全部、および各請求項の、適切な部分への参照によって理解されるべきである。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、アッセイを行うためのデバイスは、ハウジング、細長部材、およびベントを含む。ハウジングは第一端部および第二端部を有する。ハウジングは、第一端部における第一開口部と、第一チャンバーと、第二チャンバーとを画定する。第一チャンバーは、(i)第二チャンバーに、および(ii)第一開口部を介してハウジングの外部に、流体接続される。細長部材は、第一チャンバー内に最も少なく部分的に配されるように第一開口部を通って受けられるように構成される。ベントは、ハウジングの第一チャンバーからハウジングの第二チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成される。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、アッセイを行うためのデバイスは、ハウジング、細長部材、およびベントを含む。ハウジングは第一端部および第二端部を有する。ハウジングは、第一端部における第一開口部と、第一チャンバーと、第二チャンバーとを画定する。第一チャンバーは、(i)第二チャンバーに、および(ii)第一開口部を介してハウジングの外部に、流体接続される。細長部材は、第一チャンバー内に最も少なく部分的に配されるように第一開口部を通って受けられるように構成される。細長部材は、第一チャンバーおよび第二チャンバー内で空気圧を生成することを補助する。ベントは、ハウジングの第一チャンバーからハウジングの第二チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成される。ベントは、第一チャンバーおよび第二チャンバー内で生成された空気圧を解放してそれにより流体を第一チャンバーから第二チャンバーまで流れさせるために、作動されてもよい。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、アッセイを行うためのシステムは、デバイスおよびベースステーションを含む。デバイスはハウジング、細長部材、およびベントを含む。ハウジングは第一端部および第二端部を有する。ハウジングは、第一端部における第一開口部と、第一チャンバーと、第二チャンバーとを画定する。第一チャンバーは、(i)第二チャンバーに、および(ii)第一開口部を介してハウジングの外部に、流体接続される。細長部材は、第一チャンバー内に最も少なく部分的に配されるように第一開口部を通って受けられるように構成される。ベントは、ハウジングの第一チャンバーからハウジングの第二チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成される。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、アッセイを行うためのシステムは、デバイスおよびベースステーションを含む。デバイスはハウジング、細長部材、およびベントを含む。ハウジングは第一端部および第二端部を有する。ハウジングは、第一端部における第一開口部と、第一チャンバーと、第二チャンバーとを画定する。第一チャンバーは、(i)第二チャンバーに、および(ii)第一開口部を介してハウジングの外部に、流体接続される。細長部材は、第一チャンバー内に最も少なく部分的に配されるように第一開口部を通って受けられるように構成される。細長部材は、第一チャンバーおよび第二チャンバー内で空気圧を生成することを補助する。ベントは、ハウジングの第一チャンバーからハウジングの第二チャンバーまでの流体のフローを制御することを補助するように構成される。ベントは、第一チャンバーおよび第二チャンバー内で生成された空気圧を解放してそれにより流体を第一チャンバーから第二チャンバーまで流れさせるために、作動されてもよい。
【0010】
以上の概要が本開示の各態様またはあらゆる局面を表すことは意図されていない。むしろ、上述の概要は、本明細書において述べる新規の局面および特徴のいくつかの例を提供するにすぎない。上述の特徴および利点、ならびに本開示の他の特徴および利点は、本発明を行うための代表的な態様および様式についての以下の詳細な説明を、添付の図面および添付の特許請求の範囲と併せて鑑みることによって、容易に明らかになるであろう。本開示のさらなる局面は、図面を参照しながらなされる、さまざまな態様の詳細な説明に照らして、当業者に明らかになるであろう;図面の簡単な説明を以下に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示、ならびにその利点および図面は、後述する代表的態様の説明とともに添付の図面を参照することによって、よりよく理解されるであろう。これら図面は代表的態様を描いたものにすぎず、したがって、さまざまな態様または特許請求の範囲に対する限定としてみなされるべきでない。
【0012】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、1つまたは複数のアッセイを行うための第一の検査用デバイスを図示する。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、1つまたは複数のアッセイを行うための第二の検査用デバイスを図示する。
【
図3】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による、
図1の検査用デバイスを使用するシーケンスの第一段階を図示する。
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、
図1の検査用デバイスを使用するシーケンスの第二段階を図示する。
図3Cは、本開示のいくつかの実施形態による、
図1の検査用デバイスを使用するシーケンスの第三段階を図示する。
図3Dは、本開示のいくつかの実施形態による、
図1の検査用デバイスを使用するシーケンスの第四段階を図示する。
図3Eは、本開示のいくつかの実施形態による、
図1の検査用デバイスを使用するシーケンスの第五段階を図示する。
図3Fは、本開示のいくつかの実施形態による、
図1の検査用デバイスを使用するシーケンスの第六段階を図示する。
【
図4】
図4Aは、本開示のいくつかの実施形態による、検査用デバイスに液体試薬を添加するための第一の技法を図示する。
図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、検査用デバイスに液体試薬を添加するための第一の技法を図示する。
【
図5】
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態による、検査用デバイス内のチャンバーの第一の配列を図示する。
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、検査用デバイス内のチャンバーの第二の配列を図示する。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、検査用デバイス内における異なるタイプの凍結乾燥ビーズの使用を図示する。
【0013】
本開示にはさまざまな改変および代替的形態が可能であるが、その具体的実施形態および態様を例として図面に示しており、そして本明細書において以下に詳述する。ただし理解されるべき点として、本開示を開示される特定の形態に限定することは意図されておらず、むしろ本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神および範囲内に入る、すべての改変、等価物、および代替物に及ぶ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本開示の諸態様は、異なる試薬、温度、または他の要件に起因するものであれ、複数の順次的なコンパートメントまたはチャンバーを必要とする生化学反応を進ませる、シンプルで安価なシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施形態において、チャンバー内で空気圧が生成されてもよい。チャンバー間で流体を流れさせるために空気圧が解放されてもよい。
【0015】
添付の図面を参照しながらさまざまな態様を説明する;図面全体を通して、類似または同等の要素を指し示すために同様の符番が使われる。図面は必ずしも縮尺が一律でなく、本開示の諸局面および特徴を例証するために提供されるにすぎない。本開示のある一定の局面および特徴の完全な理解を提供するために、多数の具体的詳細、関係性、および方法が記述されるが、当業者には、具体的詳細のうち1つまたは複数を伴わずに、他の関係性を伴って、または他の方法で、これらの局面および特徴が実践される可能性もあることが認識されるであろう。いくつかの場合において、周知の構造またはオペレーションは、例証的な目的のために詳しく示されることはない。本明細書に開示されるさまざまな態様は、例証される行為または事象の順序に必ずしも限定されない;いくつかの行為は、異なる順序で、かつ/または他の行為もしくは事象と同時に、生じる可能性があるからである。さらに、本開示のある一定の局面および特徴を実施するうえで、例証される行為または事象の必ずしもすべてが必要とされるわけではない。
【0016】
この詳細な説明の目的について、具体的に権利放棄されない限り、かつ適切である限り、単数形は複数形を含み、逆もまたしかりである。「含んでいる(including)」という語は「非限定的に含んでいる(including without limitation)」を意味する。さらに、「約(about)」、「ほぼ(almost)」、「実質的に(substantially)」、および「およそ(approximately)」などの近似の語は、本明細書において、「~にて(at)」、「~近く(near)」、「~に近く(nearly at)」、「~の3~5%以内(within 3-5% of)」、「~の許容可能な製造公差以内(within acceptable manufacturing tolerances of)」、または任意の論理的なそれらの組み合わせを意味するために使われる可能性がある。同様に、「垂直な(vertical)」または「水平な(horizontal)」という用語は、それぞれ垂直または水平な配向「の3~5%以内」を追加的に含むものとして意図されている。加えて、「最上部(top)」、「最下部(bottom)」、「左(left)」、「右(right)」、「上方(above)」、および「下方(below)」などの方向の語は、参照の図示に描かれているような方向;その物体もしくは要素について一般に使用される位置からの方向など、参照される物体もしくは要素から文脈上理解されるような方向;または、本明細書に別段に説明される方向;と同等の方向に関係するものとして意図されている。
【0017】
図1は、本開示のいくつかの実施形態に基づく検査用デバイス100の断面図である。検査用デバイス100は、検査用デバイス100の1つのチャンバーから検査用デバイス100の別のチャンバーまで反応を進ませることを可能にしてもよい。検査用デバイス100は安価な使い捨てデバイスであってもよい。検査用デバイス100は、いくつものチャンバー、通路、開口部などを画定するハウジング110を含む。図示の実施形態において、ハウジング110は第一端部112Aおよび第二端部112Bを有する。ハウジング110は、第一端部112Aに近接した第一開口部114A、および第二端部112Bに近接した第二開口部114Bを含む。ハウジングは、第一チャンバー116Aおよび第二チャンバー116Bをさらに画定する。第一チャンバー116Aは第一開口部114Aと第二チャンバー116Bとの間で画定される。第二チャンバー116Bは第一チャンバー116Aと第二開口部114Bとの間で画定される。図示の実施形態において、第一チャンバー116Aおよび第二チャンバー116Bは、第一チャンバー116Aと第二チャンバー116Bとの間で流体(液体、液体ベースの混合物、気体など)が流れることを妨げる、ハウジング110の物理的構造が存在しないように、互いに接続される。
【0018】
図示の実施形態において、ハウジング110は、例えば摩擦嵌め、または他の連結機構もしくは技法を介して一緒に連結できる、2つの別々のハウジング部分111Aおよび111Bから形成される。第一開口部114Aおよび第一チャンバー116Aはハウジング部分111Aによって画定される。第二開口部114Bおよび第二チャンバー116Bはハウジング部分111Bによって画定される。第一チャンバー116Aと第二チャンバー116Bとが流体接続されるように、第一開口部114Aとは反対側のハウジング部分111Aの開口端は、第二開口部114Bとは反対側のハウジング部分111Bの開口端によって受けられる。他の実施形態において、ハウジング110は単一の単位ピースから形成されてもよい。本明細書において使用する「ハウジング(housing)」という用語は、ハウジングが単一の単位ピースとして形成されている実施形態、および、一緒に連結される複数ピースからハウジングが形成されている実施形態の、両方を参照する。
【0019】
デバイス100は、第一チャンバー116Aから第二チャンバー116Bまでの流体のフローを制御することを補助するベントを含む。概して、ベントは、第一チャンバー116Aから第二チャンバー116Bまでの流体フローを防ぐためおよび可能にするために作動させることができる、任意の構造または構造の組み合わせであってよい。図示の実施形態において、ベントは、第二開口部114B、および第二開口部114B内に配されたプラグ120を含む。プラグ120は、空気および他の気体はプラグ120を通過できるが液体はプラグ120を通過できないように、多孔質の疎水性材料から形成されてもよい。
【0020】
デバイス100は、デバイス100のハウジング110内に挿入できる細長部材150をさらに含む。図に示すように、細長部材150は、細長部材150の少なくとも一部分が第一チャンバー116A内に配されるように、ハウジング110の第一開口部114Aを通って受けられてもよい。図示の実施形態において、細長部材150は試料スワブであり、ハンドル152および試料収集ヘッドを有する。試料収集ヘッドは、放射方向に延在する複数のリブ160、および軸方向に延在する先端部162から形成される。円周状の肩部154がハンドル152の近くに形成されるように、細長部材150の直径は、細長部材150に沿った、ハウジング110内に配されたポイントの後で急に低減する。細長部材150はまた、ハンドル152から延在する円周状のフランジ156も含む。
【0021】
細長部材150がハウジング110内に挿入された時に、肩部154および試料収集ヘッドは第一チャンバー116A内に配される。肩部154はハウジング110の第一端部112Aの近くに配置され、一方で、試料収集ヘッドは第一チャンバー116Aと第二チャンバー116Bとの間の交差部の近くに(例えばハウジング部分111Aとハウジング部分111Bとの間の交差部の近くに)配置される。
【0022】
肩部154およびフランジ156は、細長部材150がハウジング110内に挿入された時に第一開口部114Aをシールすることを補助するシーリング部材として作用する。
図1に示すように、肩部154は、第一端部112Aの近くでハウジング110の内部に画定される、円周状の浅い凹部118内まで延在する。いくつかの実施形態において、細長部材150が挿入された時に肩部154が凹部118内にスナップするように構成されるよう、ハウジング110および/または細長部材150は弾性材料から形成される。フランジ156は第一端部112Aにてハウジング110の外側に接触する。フランジ156の直径は第一開口部114Aの直径より概して大きく、ゆえにフランジ156は第一開口部114Aをカバーする。肩部154とハウジング110内部上の凹部118との間の接触、および、フランジ156とハウジング110の外側との間の接触が、液体および空気が第一開口部114Aを通ってハウジング110に出入りすることを防ぐシールを形成する。
【0023】
デバイス100の使用中に、試料を収集するために細長部材150が使用されてもよい。例えば、細長部材150は、人の鼻から試料を収集するための鼻スワブとして使用されてもよい。次に、試料(具体的には試料収集ヘッドによって概ね収集された試料)が第一チャンバー116A内に配されるように、細長部材150がデバイス100内に挿入されてもよい。デバイスは、望ましいアッセイ(例えば望ましい検査)を試料に行うために使用される、第一チャンバー116A内、第二チャンバー116B内、またはその両方に配された、いくつもの異なる物質を含んでいてもよい。例えば、第一チャンバー116Aおよび第二チャンバー116Bは、試料が添加された時に反応を生じさせる、1種もしくは複数種の試薬、および/または、1種もしくは複数種の緩衝剤を含んでいてもよい。第一チャンバー116Aおよび第二チャンバー116Bはまた、試料を別の物質と混合することを補助するように構成された物質も含んでいてもよい。
【0024】
細長部材150によって試料が収集された後に、細長部材150がハウジング110内に挿入される。概して、デバイス100は、デバイスの第二開口部114Bをシールするように構成されたコンポーネントを含む、何らかのタイプのベースステーション(または他の保持機構)内に置かれる。図示の実施形態において、このシールはプラグ120をカバーすることによって形成され、それは、(プラグ120が多孔質であるので)空気がプラグ120を通ってハウジング110の内側から逸出することを防ぐ。ハウジング110内における細長部材150の存在はハウジング110の内部体積を低減させる。ハウジング110は、細長部材150の肩部154およびフランジ156によって第一端部112Aの近くで、そしてベースステーションによって第二端部112Bの近くで、シールされるので、ハウジング110内に挿入された細長部材150に応じて、増大した空気圧がハウジング110内に生成される。この空気圧は、(i)細長部材150のシーリング部材(例えば肩部154および/またはフランジ156)と、(ii)第二開口部114Bおよびプラグ120との間で、生成される。
【0025】
(試料収集ヘッドによって収集された)試料は、第一チャンバー116A内にある試薬または他の物質とともに、概して第一チャンバー116A内に配置される。概して、第一チャンバー116A内に液体試薬が配される。(試料と液体試薬または他の物質とから形成される)第一チャンバー116A内の流体は、概して非常に少量で存在するので、重力がその流体に大きな力を働かせることはない。ゆえに、たとえ第一チャンバー116Aと第二チャンバー116Bとが、それらの間の通過を阻止する物理的構造を伴わずに互いに流体接続されていても、第一チャンバー116A内の流体は第二チャンバー116Bまで流れない。いくつかの実施形態において、流体と第一チャンバー116Aとの間の毛管現象もまた、流体が第一チャンバー116Aから第二チャンバー116Bまで流れないように防ぐことを補助する。いくつかの実施形態において、ハウジング110のサイズ(例えば、第一チャンバー116Aの直径、および/または、第一チャンバー116Aと第二チャンバー116Bとの間で画定されるチャネル116Cの直径)が、流体が第一チャンバー116Aから第二チャンバー116Bまで流れないように防ぐことを補助してもよい。
【0026】
ベースステーション(または他の保持デバイス)は、ハウジング110内で生成された空気圧を解放または軽減するためにベントを作動させてもよい。図示の実施形態において、このことは、ハウジング110の外側からプラグ120をカバーしているベースステーション(または他の保持機構)の部分を除去することによって行われてもよい。例えば、ベースステーションは、カバー位置と非カバー位置との間で動くことができる可動アームを含んでいてもよい。非カバー位置まで動かされると、もはや空気はプラグ120を通って逸出することを防がれてはいない。ゆえに、ハウジング110内の空気圧は、(試料と第一チャンバー116A内の液体物質とから形成された)流体を第一チャンバー116Aから第二チャンバー116Bまで流れさせる。図示の実施形態において、ハウジング110は、第一チャンバー116Aと第二チャンバー116Bとの間に位置するチャネル116Cをさらに画定する。ベントが作動され、生成された空気圧が解放された時に、流体は第一チャンバー116Aからチャネル116Cを通り第二チャンバー116B内まで流れる。プラグ120は疎水性材料から作られているので、プラグ120は、流体が第二開口部114Bを通ってデバイス100からこぼれ出るのを防ぐ。
【0027】
次に、アッセイの任意の望ましい段階のために第二チャンバー116Bが使用されてもよい。いくつかの実施例において、第二チャンバー116Bは、他の試薬、緩衝剤など、行われる特定のアッセイに必要とされる追加的な物質を含んでいてもよい。他の実施形態において、第二チャンバー116Bは、結果を得るための測定チャンバーとして使用されてもよい。例えば、行われるアッセイが光学ベースの分析(比色分析または蛍光分析など)を利用するならば、色の変化を観察できるように、ハウジング110(または第二チャンバー116Bを囲むハウジング110の部分)が光学的に透明または半透明の材料から形成されていてもよい。別の実施例において、第二チャンバー116Bは、第二チャンバー116B内に流入する流体を試験して、アッセイの結果を表す1つまたは複数の信号を生成するために使用できる、プローブ(化学プローブ、電気プローブなど)を含有していてもよい。追加的または代替的な実施形態において、第二チャンバー116Bは、試料と液体試薬(または他の物質)との混合を補助するように構成された1つまたは複数の物質を含んでいてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、アッセイにおいて使用される試薬などの物質を保存するように設計された、ハウジング110内に配置された1つまたは複数のシールを含んでいてもよい。例えば
図1は、細長部材150によって穿孔された、第一フォイルシール113Aおよび第二フォイルシール113Bの残りを示している。第一フォイルシール113Aは、第一開口部114Aに最も近い第一チャンバー116Aの端部に位置し、第二フォイルシール113Bは、チャネル116Cに最も近い第一チャンバー116Aの端部に位置する。第一チャンバー116Aの任意の試薬または他の物質は、デバイス100の使用前にこれらの物質が環境に曝露されることがないように、2つのシールの間に位置していてもよい。細長部材150が試料の収集に使用された後に挿入された時に、試料が物質と混合できるように、かつ第一チャンバー116Aが第二チャンバー116Bに流体接続されるように、試料収集ヘッドの先端部162が第一および第二フォイルシール113Aおよび113Bに穴をあける。
図1は、特定の位置にある第一および第二フォイルシール113Aおよび113Bのみを示しているが、デバイス100は任意の数の位置に任意の数のシールを含んでいてよい。
【0029】
ベースステーションは、時間および温度の制御を含めて、他の機能も行ってもよい。例えば、いくつかのアッセイは、試料がある一定の時間にわたってある一定の温度のままであることを必要とする。デバイス100がベースステーションによって保持されている間、ベースステーションは、デバイス100の所与のチャンバー内の物質を望ましい温度まで加温するために、そして次に、望ましい時間が経過した後に、ベントを作動させて流体を1つのチャンバーから別のチャンバーまで流れさせるために、使用されてもよい。ベースステーションおよびデバイス100は、このように、アッセイを行うために使用できるシステムを形成する。
【0030】
いくつかの実施形態において、細長部材150は最初に、第一チャンバー116Aおよび第二チャンバー116内に空気圧を生成することなく(例えば、ハウジング110の第一端部112Aと細長部材150のシーリング部材との間にシールを形成することなく)ハウジング110内に挿入されてもよい。次に第一チャンバー116A内の反応が行われてもよく、その後に、空気圧を生成するために細長部材150の残りの部分が挿入される。次に、流体を第一チャンバー116Aから第二チャンバー116Bまで流れさせるためにベントが作動されてもよい。他の実施形態において、細長部材150はいっぱいまで挿入されて空気圧が生成され、それから第一チャンバー116A内の反応が行われる。
【0031】
図2は、本開示のいくつかの実施形態に基づく検査用デバイス200の断面図である。検査用デバイス200は検査用デバイス100に類似しているが、チャンバー間の流体のフローを制御するために異なるベントを利用する。デバイス100と同様に、デバイス200は、一緒に連結される別々のハウジング部分211Aおよび211Bから形成されるハウジング210を含む。しかし他の実施形態において、ハウジング210は単一の単位ピースから形成されてもよい。ハウジング210は、ハウジング210の第一端部212Aにて画定される第一開口部214A、およびハウジング210の第二端部212Bにて画定される第二開口部214Bを含む。
【0032】
デバイス200は、デバイス100の細長部材150に類似した細長部材250を含む。細長部材250は、ハンドル252、および、放射方向に延在する複数のリブ258と軸方向に延在する先端部260とから形成される試料収集ヘッドを含む。細長部材250は、細長部材150に類似した円周状のフランジを含む。ただし、細長部材250の円周状のフランジは内部フランジ256Aおよび外部フランジ256Bを含む。細長部材250がデバイス200内に挿入された時に、内部フランジ256Aはハウジング210の内部に接触し、一方で、外部フランジ256Bはハウジング210の第一端部212Aの近くでハウジング210に接触する。内部フランジ256Aおよび外部フランジおよび256Bとハウジング210との間の接触は、細長部材150と同様に、液体および空気が第一開口部214Aを通ってハウジング210に出入りしないように防ぐシールを形成する。細長部材250は、さらに第一チャンバー216Aの中まで配置され、ハウジング210の内部に接触してシール形成を補助してもよい、追加的なフランジ254をさらに含んでいてもよい。このように、細長部材250は、細長部材250がハウジング210内に挿入された時に第一開口部214Aをシールするシーリング部材を含む。
【0033】
デバイス200のベントは、第二開口部214B、および、第二チャンバー216Bと第二開口部214Bとの間でハウジング210によって画定されるチャネル218から、形成される。使用中に、デバイス200は、細長部材250が挿入される前にベースステーション(または他の保持機構)内に置かれてもよい。ベースステーションは、可動アームなど、第二開口部214Bをシールする何らかのコンポーネントを有する。細長部材250がハウジング210内に挿入された時に、細長部材250のシーリング部材(例えば内部フランジ256A、外部フランジ256B、および/または追加的なフランジ254)と第二開口部214Bとの間で空気圧が生成される。次に、この生成された空気圧を解放するために、ベースステーションが(例えばベースステーションの可動アームを動かすなどによって)ベントを作動させてもよい。生成された空気圧の解放は、第一チャンバー216A内の流体(概して、試料と、試薬など1つまたは複数の物質とを含む)を、第一チャンバー216Aから第二チャンバー216B内まで動かす。図示の実施形態において、ハウジング210は、第一チャンバー216Aと第二チャンバー216Bとの間に位置するチャネル216Cをさらに画定する。ベントが作動されて、生成された空気圧が解放された時に、流体は第一チャンバー216Aからチャネル216Cを通り第二チャンバー216B内まで流れる。
【0034】
デバイス200はプラグを含まないので、ベントは、ハウジング210によって画定されるチャネル218をさらに含む。チャネル218は第二チャンバー216Bと第二開口部214Bとの間で画定されて、生成された空気圧が解放された時に第二チャンバー216Bから流れ出た余分な流体のためのオーバーフローチャネルとして作用する。図示の実施形態において、チャネル218は、それ自体が繰り返し往復してループ構成パターンとしてループする。このループ構成のゆえに、チャネル218の長さ(例えば、チャネル218を通って流れる流体が移動する距離)は、第二チャンバー216Bと第二開口部214Bとの間の直線距離より長い。ゆえに、チャネル218は第二チャンバー216Bからの余分な流体を収集でき、流体が第二開口部214Bを通ってデバイス200からこぼれ出るのを防ぐことができる。
【0035】
デバイス100と同様に、第一チャンバー216Aおよび/または第二チャンバー216Bは、試薬、緩衝剤など、望ましいアレイを行うために必要な任意の数の物質を含んでいてもよい。さらに、デバイス200は、デバイス200の使用前に物質を内部で保存しておくために、ハウジング内の異なる位置(第一チャンバー216Aの端部など)に位置するフォイルシールを含んでいてもよい。さらに、(例えば比色分析または蛍光分析を使用しているならば)第二チャンバー216B内の色の変化を検出できるように、ハウジング210は光学的に透明または半透明の材料から形成されていてもよい。デバイス200はまた、第二チャンバー216B内の流体に対して測定を行うために、第二チャンバー216B内(またはデバイス200の他の任意の位置)に配された1つまたは複数のプローブ(例えば光学プローブ、化学プローブなど)も含んでいてもよい。
【0036】
デバイス100と同様に、ベースステーションは、時間および温度の制御を含めて、他の機能も行ってもよい。例えば、いくつかのアッセイは、試料がある一定の時間にわたってある一定の温度のままであることを必要とする。デバイス200がベースステーションによって保持されている間、ベースステーションは、デバイス200の所与のチャンバー内の物質を望ましい温度まで加温するために、そして次に、望ましい時間が経過した後に、ベントを作動させて流体を1つのチャンバーから別のチャンバーまで流れさせるために、使用されてもよい。ベースステーションおよびデバイス200は、このように、アッセイを行うために使用できるシステムを形成する。
【0037】
図1および2は、流体を第一チャンバーから第二チャンバーまで流れさせるために空気圧を利用する検査用デバイスの、2つの具体的な実施形態を示している。しかし、他の実施形態において異なるタイプのベントが使用されてもよい。例えばいくつかの実施形態において、デバイスのベントは、シール位置とシール解除位置との間で動かすことができる可動部材(ハウジングにヒンジ式に連結されたアームまたはフラップなど)を含んでいてもよい。シール位置において、可動部材は、ハウジング内に挿入された細長部材に応じて空気圧が生成されるように、第二開口部をカバーする。可動部材は次に、第二開口部がカバーされないシール解除位置まで動かされてもよい。生成された空気圧が解放されて、流体は第一チャンバーから第二チャンバーまで流れる。
【0038】
流体を1つのチャンバーから次のチャンバーまで進ませるための追加的または代替的な機構を使用する他の実施形態も企図されている。例えば、デバイス100または200内の物質の重量が、流体を1つのチャンバーから別のチャンバーまで流れさせることを補助してもよい。別の実施例において、ハウジング110および/または210を形成している材料が親水性材料から作られてもよい。流体を1つのチャンバーから別のチャンバーまで進ませるために、流体と親水性材料との間の相互作用が利用されてもよい。
【0039】
図3A~3Fは、第一チャンバーから第二チャンバーまでの流体フローを制御するためにデバイス100のベントを使用する例示的なシーケンスを示している。
図3Aにおいて、デバイス100は、プラグ120をカバーしてハウジング110の内部をシールするベース10上に置かれる。流体は第一チャンバー116A内に位置する。
図3Bにおいて、細長部材150は最初にデバイス100のハウジング110内に挿入される。
図3Cにおいて、第一チャンバー116Aおよび第二チャンバー116B内で空気圧が生成されるように、細長部材150がデバイス100のハウジング110内にいっぱいまで挿入される。
図3Dにおいて、ユーザーは細長部材150の最上部から指を離しており、空気または液体が細長部材150を通って上向きに逸出できないことを示している。
図3Eにおいて、ユーザーはデバイス100をベース10から持ち上げており、デバイス100の最下部にあるプラグ120はカバーされていない。プラグ120は多孔質材料から形成されているので、空気圧が解放され、空気はプラグ120を通って流れることができる。
図3Eに見られるように、流体は、第一チャンバー116Aから、第一チャンバー116Aと第二チャンバー116Bとを分離しているチャネル116C内に流れ始めている。最後に、
図3Fにおいて、流体はデバイス100の第二チャンバー116B内に流れ始めている。
【0040】
図4Aおよび4Bは、デバイス100またはデバイス200と同じまたは同様であってもよい例示的な検査用デバイス内に液体試薬を添加する、2つの異なる実施形態を示している。
図4Aにおいて、ある量の液体試薬403が、(第一チャンバー116Aまたは第一チャンバー216Aと同様であってもよい)第一チャンバー402Aにすでに添加されている。シール404(フォイルシールなど)が、第一チャンバー402Aを、(第二チャンバー116Bまたは第二チャンバー216Bと同様であってもよい)第二チャンバー402Bから分離する。ゆえに、シール404が液体試薬403の保存を補助できるので、デバイスの製造時に液体試薬403が第一チャンバー402Aに添加されてもよい。本明細書に論じるように、いくつかの実施形態において、液体試薬403の保存をさらに補助するために第一チャンバー402Aの他方の側に追加的なシールが置かれてもよい。
図4Bにおいて、デバイスの使用準備ができるまで、ある量の液体試薬407が別個のリザーバ406内に保たれる。デバイスの使用準備ができた時点で、液体試薬407が第一チャンバー402Aに添加されてもよい。液体試薬407が別個のリザーバ406内に保たれるので、デバイスの製造時に第一チャンバー402Aと第二チャンバー402Bとの間でシール404をデバイスに追加する必要がない。
【0041】
図1、2、4A、および4Bは、検査用デバイス内の直列の2つのチャンバーのみを示しているが、他の配列もまた使用できる。
図5Aは、直線の様式に配列された4つのチャンバーを含む検査用デバイスの代表例を示す。本デバイスは、第一チャンバー502A、第一チャンバー502Aに流体接続された第二チャンバー502B、第二チャンバー502Bに流体接続された第三チャンバー502C、および第三チャンバー502Cに流体接続された第四チャンバー502Dを含む。第一チャンバー502Aは液体試薬を含み、細長部材の試料収集ヘッドを受けることができる。本デバイスはまた単一のベント504も含む。細長部材が
図5Aのデバイス内に挿入された時に、チャンバー502A~502D内で空気圧が生成される。ベント504の作動時に、空気圧が解放されて、(液体試薬および試料を含む)第一チャンバー502A内の流体が、第二チャンバー502B、第三チャンバー502C、および第四チャンバー502Dまで流れることができる。
【0042】
しかし他の実施形態において、流体が第三チャンバー502Cおよび第四チャンバー502D内まで流れることを防ぐために、流体が第二チャンバー502B内に流れた後にベント504が速やかに作動解除されてもよい。望ましい時間後に、ベント504が再び作動されてもよく、それは流体を第三チャンバー502Cおよび第四チャンバー502D内まで流れさせ、または第三チャンバー502C内のみまで流れさせる(その時点でベントが作動解除されてもよく、そして後に流体を第四チャンバー502D内まで流れさせるために再作動されてもよい)。なおさらなる実施形態において、デバイスは、第二チャンバー502Bから第三チャンバー502Cまでの、および/または第三チャンバー502Cから第四チャンバー502Dまでの流体のフローを別々に制御する、追加的なベントを含んでいてもよい。これら実施形態のうちいくつかにおいて、追加的な空気圧を生成するために、細長部材が除去されそしてハウジング内に再挿入されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、第一チャンバー502A内の液体試薬の量は、流体(液体試薬および試料)の少なくとも一部が、他のチャンバー502B~502Dの各々に流入できるだけの充分な量である。他の実施形態において、他のチャンバー502B~502Dが、必要に応じた追加的な量の液体試薬(または別の物質)を含んでいてもよい。さらなる実施形態において、第一チャンバー502Aを満たす(または部分的に満たす)のに充分な量の液体が、他のチャンバー502B~502Dを満たす(または部分的に満たす)ことができるように、他のチャンバー502B~502Dが第一チャンバー502Aより小さくてもよい。
【0044】
図5Bは、並列に配列された一連のチャンバーを伴う検査用デバイスの代表例を示す。
図5Bにおけるデバイスは、第一チャンバー512A、第二チャンバー512B、および2つの別々の分岐経路を含む。第一経路は第三チャンバー514Aおよび第四チャンバー514Bを含む。第二経路は第三チャンバー516Aおよび第四チャンバー516Bを含む。本デバイスは2つの別々のベント518Aおよび518Bを含む。ベント518Aは第一経路を通る流体のフローを制御し、一方、ベント518Bは第二経路を通る流体のフローを制御する。
【0045】
第一チャンバー512Aは液体試薬を含み、細長部材の試料収集ヘッドを受けることができる。本明細書に説明する他のデバイスと同様に、
図5Bのデバイス内に細長部材が挿入された時に、すべてのチャンバー内で空気圧が生成される。ベント518Aのみが作動されると、(液体試薬および試料を含む)第一チャンバー512Aからの流体は、第二チャンバー512B、第三チャンバー514A、および第四チャンバー514B内に流れる。ベント518Bのみが作動されると、第一チャンバー512Aからの流体は、第二チャンバー512B、第三チャンバー516A、および第四チャンバー516B内に流れる。
【0046】
しかし、ベント518Aおよび518Bの両方が同時に作動されると、第一チャンバー512Aからの流体は両方の経路を通って流れる。ゆえに、第二チャンバー512B内に流れた後、流体の一部は第三チャンバー514Aおよび第四チャンバー514Bを通って流れ、一方、残りの流体は第三チャンバー516Aおよび第四チャンバー515Bを通って流れる。2つの異なる経路のチャンバー内に異なる物質を置くことによって、異なるアッセイを同時に行うことができる。
【0047】
図5Aおよび5Bにおけるデバイスのタイミングおよび温度を制御するためにもベースステーションが使われてもよい。例えば、異なる温度を必要とする2つの異なるアッセイを行うために、ベースステーションが、
図5Bのデバイスにおける2つの異なる経路のチャンバーを異なる温度に加温してもよい。ベースステーションと、本明細書に開示するいずれかのデバイスとが、アッセイを行うために使用できるシステムを形成してもよい。
【0048】
図6は、別々のチャンバー内にさまざまな異なる物質を伴う、検査用デバイスの代表例を示す。本検査用デバイスは、液体試薬がその中に含有された第一チャンバー602A、第一凍結乾燥ビーズ604Aがその中に含有された第二チャンバー602B、第二凍結乾燥ビーズ604Bがその中に含有された第三チャンバー602C、および第四チャンバー602Dを含む。第一チャンバー602Aと第二チャンバー602Bとの間にシール606が置かれてもよい。第一チャンバー602Aから他のチャンバー内への流体(例えば試料および液体試薬)のフローを制御するためにベント608が使用される。チャンバー602A~602Dは、多段階の反応(例えば、混合およびインキュベーションの複数の段階を含むプロセス)を行うために使用されてもよい。チャンバー602A~602Dはまた、異なる反応を行うために使用されてもよい。
【0049】
他のさまざまなチャンバーの配列もまた企図されている。一実施例において、2つの異なる経路が互いに再合流して、両方の経路からの流体が単一の後続チャンバーに流入してもよい。別の実施例において、単一の検査用デバイス内の異なる経路が、別々の初期チャンバーを含んでいてもよい。各々が望ましい試薬を含有しているそれぞれの初期チャンバー内に各試料収集ヘッドが配されるように、複数の試料収集ヘッドを伴う細長部材がデバイス内に挿入されてもよい。さらなる実施例において、流体が最初は1つのチャンバーおよび/または経路内にのみ流れるが、そのチャンバーおよび/または経路が満たされたら異なるチャンバーおよび/または経路内に流体が流れ始めるように、検査用デバイスが設計されてもよい。
【0050】
別の実施例において、検査用デバイスが、チャンバーからのさまざまな信号に基づいて条件付き経路を実施してもよい。例えば、初期アッセイにおける1つの結果の後は第一の後続アッセイを行うが、初期アッセイにおける異なる結果の後は第二の後続アッセイを行うことが望ましい可能性がある。
図5Bのデバイスを参照すると、アッセイの最初の結果が第二チャンバー512Bにおいて測定されてもよい。その結果に応じて、流体を第一経路(第三チャンバー514Aおよび第四チャンバー514Bを含む経路)または第二経路(第三チャンバー516Aおよび第四チャンバー516Bを含む経路)のいずれかに流入させるために、異なるベントが作動されてもよい。2つの別々の経路は、異なるアッセイを行うように設計されてもよい。条件付き分岐は、検出される特異的なアッセイ結果(特異的な色変化もしくは電気信号など)に基づいてもよく、または、所与のチャンバー内における流体の特性(粘稠度、混濁度など)に基づいてもよい。概して、本明細書に説明する検査用デバイスのいずれも、直線経路および/または並列経路の任意の組み合わせを使用して形成できる。フローはチャンバーの各ペア間で個別に制御されてもよく、またはチャンバーの複数ペアが同時に制御されてもよい。
【0051】
概して、本明細書に開示するいずれかの検査用デバイスとともに使用されるベースステーションは、さまざまなアッセイを実施するために必要な任意のコンポーネントを有していてよい。例えばベースステーションは、アッセイのアウトカムおよび/または流体のフローを検出するためのさまざまなセンサーを含んでいてもよい。これらのセンサーには、イメージセンサー(カメラなど)、光学センサー(発光ダイオードおよびフォトダイオードなど)、および他のセンサーが含まれうる。ベースステーションはまた、結果を処理し、かつデバイスの温度、タイミング、およびフローを制御するように構成された、マイクロコントローラーを含んでいてもよい。ベースステーションは、デバイスのベントを操作するためのさまざまな異なる物理的機構をさらに含んでいてもよい。物理的機構は、マイクロコントローラーの入力/出力ピンによって制御されるソレノイドを含んでいてもよい。流体を流れさせるためにベントを作動させる必要があるならば、プラグ(プラグ120など)または開口部(第二開口部214Bなど)の阻止を解除するために、(ベースステーションおよび/またはソレノイドの設計に応じて)ソレノイドが作動または作動解除されてもよい。いくつかの実施形態において、ベースステーションはまた、デバイス内の空気圧を再生成するための機構も含んでいてもよい。例えば、デバイスが、所与のチャンバーをハウジングの外部に流体接続する空気入力ポートを含んでいてもよい。デバイス内の空気圧を再生成するためにベースステーションがデバイスのチャンバー内に空気をポンプ送りして戻すことができるように、デバイスがベースステーション内に挿入された時に空気入力ポートが空気源に連結されてもよい。ベースステーションと、本明細書に開示するいずれかのデバイスとが、アッセイを行うために使用されるシステムを形成してもよい。
【0052】
1つまたは複数の実施形態に関して開示態様を例証および説明したが、当業者には、本明細書および添付の図面を読みそして理解することで、同等の代替物および改変が思い浮かぶかまたは知られるであろう。加えて、本発明の特定の特徴を、いくつかの実施形態のうち1つのみに関して開示したが、そうした特徴が、所与または特定の用途について望ましくそして有利であるように、他の実施形態の1つまたは複数の他の特徴と組み合わせられてもよい。
【0053】
本開示のさまざまな態様を上述したが、それらは限定ではなく例示としてのみ呈示されていることが理解されるべきである。本明細書における本開示に基づき、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、開示態様に対する多数の変更を行うことができる。ゆえに、本開示の広さおよび範囲は、上述のいずれの態様によっても限定されるべきでない。むしろ、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその同等物に基づいて定義されるべきである。
【国際調査報告】