(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】CRISPRヌクレアーゼを含む組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 14/195 20060101AFI20240822BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240822BHJP
C12N 15/31 20060101ALI20240822BHJP
C12N 15/864 20060101ALI20240822BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
C07K14/195
C12N5/10 ZNA
C12N15/31
C12N15/864 100Z
C12N15/09 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515064
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 US2022076112
(87)【国際公開番号】W WO2023039472
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518015608
【氏名又は名称】アーバー バイオテクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チョン, シャオロン
(72)【発明者】
【氏名】ウェッセルズ, キントン ノーマン
(72)【発明者】
【氏名】ジブラット, ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャキモ, ノア マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ギャリティ, アンソニー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】アルフォンス, ローレン イー.
【テーマコード(参考)】
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01Y
4B065AA93X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA44
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA50
4H045CA11
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、変異体ポリペプチド、変異体ポリペプチドを調製する方法、変異体ポリペプチド、変異体ポリペプチドを含む組成物及び細胞を特性化するためのプロセス、並びに変異体ポリペプチドを使用する方法に関する。本開示は、変異体ポリペプチドを含む複合体、複合体を製造するための方法、複合体、複合体を含む細胞を特性化するためのプロセス、並びに複合体を使用する方法に更に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号3のアミノ酸配列に対して改変を含み、前記改変は、D509R、S511R、I521R、D535G、Q514G、L516R、L516G、E198R、S527R、D509K、D509G、L580G、V359R、D535K、Y381R、R354G、M380K、M380R、V383R、L580R、E367R、I521K、E367G、E507R、I521G、W350R、D535R、R528K、S527K、L385G、W350G、L516K、Y381G、H532R、D129R、P615R、G578R、M380G、V595G、R531G、D129G、R531K、D158G、N476G、G578K、A512R、P618R、V595R、V595K、V383G、A597G、Y381K、P618G、E198K、T288R、E507K、L385R、C538G、P615G、D386R、S511K、C371G、K136G、N220R、S78K、K141G、K240R、D277R、T165R又はK374Rであり、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を含む変異体ポリペプチド。
【請求項2】
配列番号3のアミノ酸配列に対して改変を含み、前記改変は、D509R、S511R、I521R、D535G、Q514G、L516R、L516G、E198R、S527R、D509K、D509G、L580G、V359R、D535K、Y381R、R354G、M380K、M380R、V383R、L580R、E367R、I521K、E367G、E507R、I521G、W350R、D535R、R528K、S527K、L385G、W350G、L516K、Y381G、H532R、D129R、P615R、G578R、M380G、V595G、R531G、D129G、R531K、D158G、N476G、G578K、A512R、P618R、V595R、V595K、V383G、A597G、Y381K、P618G、E198K、T288R、E507K、L385R、C538G、P615G、D386R、S511K又はC371G、K136G、N220R、S78K、K141G、K240R、D277R、T165R又はK374Rであり、配列番号3のアミノ酸配列と1~20個のアミノ酸残基が異なっている変異体ポリペプチド。
【請求項3】
前記改変は、
i)D509R、
ii)S511R、
iii)I521R、
iv)D535G、及び
v)Q514G
からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項4】
配列番号3のアミノ酸配列に対して第2の改変を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項5】
i)前記改変はL580Gを含み、前記第2の改変はL385Gを含む
ii)前記改変はD509Rを含み、前記第2の改変はM380Rを含む;
iii)前記改変はL580Gを含み、前記第2の改変はA512Rを含む;
iv)前記改変はS527Rを含み、前記第2の改変はC538Gを含む;
v)前記改変はD129Rを含み、前記第2の改変はP618Rを含む;又は
vi)前記改変はQ514Gを含み、前記第2の改変はA512Rを含む
請求項4に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項6】
配列番号3のアミノ酸配列に対して第3の改変を更に含む、請求項4に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項7】
i)前記改変はD535Gを含み、前記第2の改変はL516Rを含み、前記第3の改変はI521Rを含む;
ii)前記改変はL516Rを含み、前記第2の改変はQ514GRを含み、前記第3の改変はI521Rを含む;
iii)前記改変はD509Rを含み、前記第2の改変はL516Rを含み、前記第3の改変はI521Rを含む;
iv)前記改変はD535Gを含み、前記第2の改変はL516Rを含み、前記第3の改変はQ514Gを含む;
v)前記改変はD535Gを含み、前記第2の改変はQ514Gを含み、前記第3の改変はI521Rを含む;
vi)前記改変はK136Gを含み、前記第2の改変はN220Rを含み、前記第3の改変はM380Rを含む;
vii)前記改変はS78Kを含み、前記第2の改変はE198Rを含み、前記第3の改変はR354Gを含む;
viii)前記改変はK141Gを含み、前記第2の改変はN220Rを含み、前記第3の改変はM380Rを含む;
ix)前記改変はK141Gを含み、前記第2の改変はK240Rを含み、前記第3の改変はM380Rを含む;及び
x)前記改変はK141Gを含み、前記第2の改変はD277Rを含み、前記第3の改変はM380Rを含む、
請求項6に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項8】
第4の改変を更に含む、請求項6に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項9】
前記改変はQ514Gを含み、前記第2の改変はI521Rを含み、前記第3の改変はL580Gを含み、前記第4の改変はE198Rを含む、請求項8に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項10】
第5の改変を更に含む、請求項8に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項11】
前記改変はD509Rを含み、前記第2の改変はD535Gを含み、前記第3の改変はL516Rを含み、前記第4の改変はQ514Gを含み、前記第5の改変はI521Rを含む、請求項10に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項12】
第6の改変を更に含み、任意選択により第7、第8、第9及び第10の改変を更に含む、請求項10に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項13】
前記第2の改変は、置換、挿入又は欠失を含む、請求項4に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項14】
前記第3の改変は、置換、挿入又は欠失を含む、請求項6に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項15】
前記第4の改変は、置換、挿入又は欠失を含む、請求項8に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項16】
前記第5の改変は、置換、挿入又は欠失を含む、請求項10に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項17】
RNAガイドに結合することができる、請求項1~16のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項18】
前記変異体ポリペプチド又は前記変異体ポリペプチドを含む複合体は、配列番号3のポリペプチドと比較して、酵素活性の増強、及び/又は安定性の増強を示す、請求項1~17のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項19】
前記酵素活性の増強は、ヌクレアーゼ活性の増強である、請求項18に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項20】
前記変異体ポリペプチド又は前記変異体ポリペプチドを含む複合体は、例えば実施例9及び10に記載されるように、例えばインデル活性による測定で、配列番号3のポリペプチドと比較して少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍又は3倍の酵素活性の増強を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項21】
前記親ポリペプチドと比較して、前記RNAガイドに対する結合活性の増強を示す、請求項1~20のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項22】
前記親ポリペプチドと比較して、前記RNAガイドに対する結合特異性の増強を示す、請求項1~21のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項23】
RuvCドメイン又はスプリットRuvCドメインを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項24】
1つ以上の触媒残基(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項25】
前記1つ以上の触媒残基は、D345及びE506を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項26】
ヌクレアーゼ活性が低下しているか、又はヌクレアーゼ活性を伴わないポリペプチド(nuclease dead polypeptide)である、請求項1~23のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項27】
第2の改変は、ポリペプチドドメインの挿入を含み、任意選択で、前記挿入は、配列番号3の配列のN末端、C末端又は内部においてである、請求項1~26のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド又はシステム。
【請求項28】
ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ゲート制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項29】
ダイレクトリピート配列及びスペーサー配列を含み、前記ダイレクトリピート配列は、配列番号4~6のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%若しくは99%の同一性を有する配列を含み、前記ダイレクトリピート配列の3’側にすぐのヌクレオチドは、C、T、又はGから選択されるRNAガイド又は前記RNAガイドをコードする核酸。
【請求項30】
請求項1~28のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド又は前記変異体ポリペプチドをコードする核酸と、RNAガイド又は前記RNAガイドをコードする第2の核酸とを含み、前記RNAガイドはダイレクトリピート配列とスペーサー配列とを含み、任意選択で、前記RNAガイドは請求項29に記載のRNAガイドであるシステム。
【請求項31】
前記ダイレクトリピート配列は、配列番号4、配列番号5又は配列番号6と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記ダイレクトリピート配列は、配列番号4、配列番号5又は配列番号6と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項30又は31に記載のシステム。
【請求項33】
前記ダイレクトリピート配列は、配列番号4、配列番号5又は配列番号6を含む、請求項30~32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記スペーサー配列は、15~35ヌクレオチド長を含む、請求項30~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記第1の核酸は第1のベクター中に位置し、前記RNAガイドをコードする前記第2の核酸はベクター(例えば、前記第1のベクター又は第2のベクター)中に位置し、任意選択で、前記第1及び/又は前記第2のベクターはウイルスベクターである、請求項30~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
標的核酸は、前記スペーサー配列中のヌクレオチド配列に相補的な配列を含む、請求項30~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記標的核酸は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接し、前記PAM配列は5’-NTN-3’、5’-HTN-3’、又は5’-TNA-3’として示されるヌクレオチド配列を含み、ここで、Nは任意のヌクレオチドであり、HはA又はC又はTである、請求項30~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記PAM配列は、5’-CTG-3’又は5’-CTC-3’として示されるヌクレオチド配列を含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
標的核酸は、二本鎖DNAである、請求項30~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
請求項1~28のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチドをコードする核酸。
【請求項41】
細胞における発現のためにコドン最適化されている、請求項40に記載の核酸。
【請求項42】
ガイドRNAをコードする配列を更に含む、請求項40又は41に記載の核酸。
【請求項43】
プロモーターに作動可能に連結されている、請求項40~42のいずれか一項に記載の核酸。
【請求項44】
RNA(例えば、mRNA)を含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の核酸。
【請求項45】
ベクター内にある、請求項40~44のいずれか一項に記載の核酸。
【請求項46】
前記ベクターは、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ベクター、又は単純ヘルペスベクターを含む、請求項45に記載のベクター。
【請求項47】
前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである、請求項46に記載のウイルスベクター。
【請求項48】
請求項1~29のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド、請求項30~39のいずれか一項に記載のシステム、請求項40~45のいずれか一項に記載の核酸、又は請求項46若しくは47に記載のベクターを含む組成物であって、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃中に存在する組成物。
【請求項49】
請求項1~29のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド、請求項30~39のいずれか一項に記載のシステム、請求項40~45のいずれか一項に記載の核酸、又は請求項46若しくは47に記載のベクターを含む細胞。
【請求項50】
真核細胞である、請求項49に記載の細胞。
【請求項51】
哺乳動物細胞又は植物細胞である、請求項50に記載の細胞。
【請求項52】
ヒト細胞である、請求項51に記載の細胞。
【請求項53】
請求項1~29のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチドを生成する方法であって、(i)前記変異体ポリペプチドをコードする核酸配列を生成する工程と、(ii)前記核酸配列を発現することができる適切な宿主細胞に前記核酸配列を導入する工程と、(iii)前記宿主細胞が前記変異体ポリペプチドを発現するのを可能にする工程とを含む方法。
【請求項54】
請求項1~29のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチドを生成する方法であって、(i)配列番号1又は配列番号2を含む核酸に1つ以上のヌクレオチド置換を導入して、前記変異体ポリペプチドをコードする変異体核酸を生成する工程と、(ii)前記変異体核酸から前記変異体ポリペプチドを発現させる工程とを含む方法。
【請求項55】
請求項1~28のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチドを細胞に送達する方法であって、請求項1~29のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド又は前記変異体ポリペプチドをコードする核酸を前記細胞に導入する工程と、任意選択で、RNAガイド又は前記RNAガイドをコードする核酸を導入する工程とを含み、前記導入する工程は、任意選択で、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組み合わせを導入することを含む方法。
【請求項56】
細胞内の標的DNA分子を改変する方法であって、請求項1~29のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド又は前記変異体ポリペプチドをコードする核酸を前記細胞に導入する工程と、RNAガイド又は前記RNAガイドをコードする核酸を導入する工程とを含み、前記導入する工程は、任意選択で、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組み合わせを導入することを含む方法。
【請求項57】
前記細胞に導入する工程は、細胞をトランスフェクト又は形質導入することを含む、請求項55又は56に記載の方法。
【請求項58】
前記細胞に導入する工程は、エレクトロポレーション、注入、遺伝子銃、又はこれらの任意の組み合わせの使用を含む、請求項55~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記変異体ポリペプチドをコードする前記核酸は、RNA(例えば、mRNA)を含む、請求項55~57のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年9月8日に出願された米国仮特許出願第63/241,821号及び2022年1月5日に出願された米国仮特許出願第63/296,741号の利益を主張する。前述の出願の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)(CRISPR)及びCRISPR関連(Cas)遺伝子は、CRISPR-Cas又はCRISPR/Casシステムと総称され、特定の種を外来の遺伝因子から防御する古細菌及び細菌における適応免疫系である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、上記の背景技術に対して、先行技術を超えるある特定の利点及び進歩を提供する。
【0004】
本明細書に開示される本発明は、特定の利点又は機能に限定されないが、変異体ポリペプチド、及び/又は変異体ポリペプチドを含む組成物を提供し、変異体ポリペプチドは親ポリペプチドに対して改変を含み、親ポリペプチドは配列番号3を含み、変異体ポリペプチドはRNAガイド及び標的核酸に結合することができ、変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドを含む複合体は親ポリペプチド又は親ポリペプチドを含む複合体と比較して、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す。
【0005】
いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%であるが、100%ではない同一性を有するポリペプチド配列を含む。
【0006】
一態様では、本開示は、変異体ポリペプチドを提供し、変異体ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸配列に対して改変を含み、改変はD509R、S511R、I521R、D535G、Q514G、L516R、L516G、E198R、S527R、D509K、D509G、L580G、V359R、D535K、Y381R、R354G、M380K、M380R、V383R、L580R、E367R、I521K、E367G、E507R、I521G、W350R、D535R、R528K、S527K、L385G、W350G、L516K、Y381G、H532R、D129R、P615R、G578R、M380G、V595G、R531G、D129G、R531K、D158G、N476G、G578K、A512R、P618R、V595R、V595K、V383G、A597G、Y381K、P618G、E198K、T288R、E507K、L385R、C538G、P615G、D386R、S511K、C371G、K136G、N220R、S78K、K141G、K240R、D277R、T165R又はK374Rであり、変異体ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を含む。
【0007】
一態様では、本開示は、変異体ポリペプチドを提供し、変異体ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸配列に対して改変を含み、改変はD509R、S511R、I521R、D535G、Q514G、L516R、L516G、E198R、S527R、D509K、D509G、L580G、V359R、D535K、Y381R、R354G、M380K、M380R、V383R、L580R、E367R、I521K、E367G、E507R、I521G、W350R、D535R、R528K、S527K、L385G、W350G、L516K、Y381G、H532R、D129R、P615R、G578R、M380G、V595G、R531G、D129G、R531K、D158G、N476G、G578K、A512R、P618R、V595R、V595K、V383G、A597G、Y381K、P618G、E198K、T288R、E507K、L385R、C538G、P615G、D386R、S511K又はC371G、K136G、N220R、S78K、K141G、K240R、D277R、T165R又はK374Rであり、変異体ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸配列と1~20個のアミノ酸残基が異なっている。
【0008】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸配列と1~50個のアミノ酸残基(例えば、1~45個、1~35個、1~25個、1~25個、1~15及び10個、並びに1~5個、5~50個、5~40個、5~30個、5~20個、5~10個、10~50個、10~40個、10~30個、10~20個、10~15個、15~50個、15~40個、15~30個、15~20個、20~50個、20~40個、20~30個、20~35個、25~50個、25~40個、25~30個、30~50個、30~40個、30~35個又は40~50個のアミノ酸残基)が異なっている。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列と50個、40個、35個、30個、25個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個又は1個のアミノ酸残基が異なっている。
【0009】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸配列に対して第2の改変を更に含む。特定の実施形態では、
i)改変はL580Gを含み、第2の改変はL385Gを含む
ii)改変はD509Rを含み、第2の改変はM380Rを含む;
iii)改変はL580Gを含み、第2の改変はA512Rを含む;
iv)改変はS527Rを含み、第2の改変はC538Gを含む;
v)改変はD129Rを含み、第2の改変はP618Rを含む;又は
vi)改変はQ514Gを含み、第2の改変はA512Rを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸配列に対して第3の改変を更に含む。いくつかの実施形態では、
i)改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はI521Rを含む;
ii)改変はL516Rを含み、第2の改変はQ514GRを含み、第3の改変はI521Rを含む;
iii)改変はD509Rを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はI521Rを含む;
iv)改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はQ514Gを含む;
i)改変はD535Gを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はI521Rを含む;
vi)改変はK136Gを含み、第2の改変はN220Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;
vii)改変はS78Kを含み、第2の改変はE198Rを含み、第3の改変はR354Gを含む;
viii)改変はK141Gを含み、第2の改変はN220Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;
ix)改変はK141Gを含み、第2の改変はK240Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;及び
x)改変はK141Gを含み、第2の改変はD277Rを含み、第3の改変はM380Rを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はI521Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はI521Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はI521Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はQ514Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はQ514GRを含み、第3の改変はI521Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はD535Gを含み、第3の改変はL516Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はQ514Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はI521Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はD535Gを含み、第3の改変はI521Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はD535Gを含み、第3の改変はQ514Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はK136Gを含み、第2の改変はN220Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はS78Kを含み、第2の改変はE198Rを含み、第3の改変はR354Gを含む;いくつかの実施形態では、改変はK141Gを含み、第2の改変はN220Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK141Gを含み、第2の改変はK240Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK141Gを含み、第2の改変はD277Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK136Gを含み、第2の改変はD277Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はS78Kを含み、第2の改変はE198Rを含み、第3の改変はL385Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はS78Kを含み、第2の改変はE198Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK136Gを含み、第2の改変はK240Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はT165Rを含み、第2の改変はN220Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はS78Kを含み、第2の改変はE198Rを含み、第3の改変はK374Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はT165Rを含み、第2の改変はD277Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はT165Rを含み、第2の改変はK240Rを含み、第3の改変はM380Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK141Gを含み、第2の改変はK240Rを含み、第3の改変はL385Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK136Gを含み、第2の改変はN220Rを含み、第3の改変はL385Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK141Gを含み、第2の改変はN220Rを含み、第3の改変はL385Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK141Gを含み、第2の改変はD277Rを含み、第3の改変はL385Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK136Gを含み、第2の改変はN220Rを含み、第3の改変はK374Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK136Gを含み、第2の改変はD277Rを含み、第3の改変はL385Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はK136Gを含み、第2の改変はK240Rを含み、第3の改変はL385Rを含む;いくつかの実施形態では、改変はT165Rを含み、第2の改変はK240Rを含み、第3の改変はL385Rを含む;
【0012】
特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸配列に対して第4の改変を更に含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はI521Rを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はI521Rを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はQ514Gを含み、第4の改変はI521Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はI521Rを含み、第3の改変はS527Rを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はI521Rを含み、第4の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はI521Rを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はS527Rを含み、第3の改変はE198Rを含み、第4の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はQ514Gを含み、第4の改変はS511Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はQ514Gを含み、第4の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はS527Rを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はS527Rを含み、第4の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はS527Rを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はI521Rを含み、第4の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はQ514Gを含み、第4の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はI521Rを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はL580Gを含み、第3の改変はE198Rを含み、第4の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はS527Rを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はI521Rを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はI521Rを含み、第4の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はL580Gを含み、第3の改変はE198Rを含み、第4の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はL516Rを含み、第3の改変はI521Rを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はI521Rを含み、第4の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はD535Gを含み、第3の改変はQ514Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はI521Rを含み、第3の改変はS527Rを含み、第4の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はI521Rを含み、第3の改変はS527Rを含み、第4の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はI521Rを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はS527Rを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はL580Gを含み、第3の改変はE198Rを含み、第4の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はI521Rを含み、第3の改変はS527Rを含み、第4の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はE198Rを含み、第4の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はS527Rを含み、第3の改変はE198Rを含み、第4の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はS527Rを含み、第3の改変はR354Gを含み、第4の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はL580Gを含み、第3の改変はE198Rを含み、第4の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はS527Rを含み、第4の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はS527Rを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はQ514Gを含み、第3の改変はL580Gを含み、第4の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はL385Gを含み、第3の改変はS511Rを含み、第4の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はL385Gを含み、第3の改変はQ514Gを含み、第4の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はP618Rを含み、第3の改変はS511Rを含み、第4の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はL385Gを含み、第3の改変はG578Rを含み、第4の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はP618Rを含み、第3の改変はR354Gを含み、第4の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はP618Rを含み、第3の改変はQ514Gを含み、第4の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はP618Rを含み、第3の改変はS527Rを含み、第4の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はL385Gを含み、第3の改変はQ514Gを含み、第4の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はL385Gを含み、第3の改変はS512Rを含み、第4の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はP618Rを含み、第3の改変はD158Gを含み、第4の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はL385Gを含み、第3の改変はS527Rを含み、第4の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はP618Rを含み、第3の改変はV359Rを含み、第4の改変はA512Rを含む。
【0013】
特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸配列に対して第5の改変を更に含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はD535Gを含み、第3の改変はL516Rを含み、第4の改変はQ514Gを含み、第5の改変はI521Rを含む。
【0014】
特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは第6の改変を更に含み、任意選択により第7、第8、第9及び第10の改変を更に含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2の改変は、置換、挿入又は欠失を含む。
【0016】
特定の実施形態では、第3の改変は、置換、挿入又は欠失を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、第4の改変は、置換、挿入又は欠失を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、第5の改変は、置換、挿入又は欠失を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、第6の、任意選択により第7の、任意選択により第8の、任意選択により第9の、又は任意選択により第10の改変は、それぞれ独立して、置換、挿入又は欠失を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表6の改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表7の改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表8の改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表9の改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表7の任意の細胞の2つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表8の任意の細胞の2つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表9の任意の細胞の2つの改変を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドを含む複合体は、配列番号3のポリペプチドと比較して、酵素活性の増強及び/又は安定性の増強を示す。
【0022】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドを含む複合体は、例えば実施例9及び10に記載されるように、例えばインデル活性による測定で、配列番号3のポリペプチドと比較して少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍又は3倍の酵素活性の増強を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強は、ヌクレアーゼ活性の増強である。
【0024】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、RNAガイドに対する結合活性の増強を示す。
【0025】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、RNAガイドに対する結合特異性の増強を示す。
【0026】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド及びRNAガイドは変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は以下の特徴のうちの1つ以上を示す:
(i)親二成分複合体と比較して、標的核酸に対する結合活性(例えば、オンターゲット結合活性)が増強;
(ii)親二成分複合体と比較して、標的核酸に対する結合特異性(例えば、オンターゲット結合特異性)が増強;
(iii)親二成分複合体と比較して、安定性が増強;並びに/又は
(iv)親二成分複合体と比較して、標的核酸からの解離の減少、及び/若しくは非標的核酸へのオフターゲット結合の減少。
【0027】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド及びRNAガイドは変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比較して、標的核酸に対する結合活性(例えば、オンターゲット結合活性)の増強を示す。
【0028】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合特異性の増強(例えば、オンターゲット結合特異性)を示す。
【0029】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて安定性の増強を示す。
【0030】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体と標的核酸とは、変異体三成分複合体を形成し、変異体三成分複合体は、親三成分複合体と比べて安定性の増加を示す。
【0031】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べて、二成分複合体形成の増強、タンパク質-RNA相互作用の増強、及び/又はRNAガイドからの解離の減少を更に示す。
【0032】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて、標的核酸からの解離の減少、及び/又は非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を更に示す。
【0033】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、例えば、20℃~65℃の温度範囲にわたって生じる。
【0034】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、インキュベーション時間の範囲にわたって生じる。
【0035】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で生じる。
【0036】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、変異体ポリペプチド、変異体二成分複合体、又は変異体三成分複合体のTm値が親ポリペプチド、親二成分複合体、又は親三成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃高い場合に生じる。
【0037】
他の実施形態では、改変は、配列番号3に記載の配列を有する親ポリペプチドと比べてアミノ酸配列の改変を含み、改変は、配列番号3に記載の配列を有する親ポリペプチドと比較すると、1つ以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、又はそれ以上)の置換、挿入、欠失、及び/又は付加を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、改変は、配列番号3に記載の親ポリペプチド配列に比べてアミノ酸配列の改変を含み、改変は、表2に列挙されるアミノ酸置換のうちの1つ以上を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、改変は、アルギニン、リジン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、又はグリシンの置換を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、RuvCドメイン又はスプリットRuvCドメインを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、1つ以上の触媒残基(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の触媒残基は、D345、E506及びD594を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、ヌクレアーゼ活性が低下しているか、又はヌクレアーゼ活性を伴わないポリペプチド(nuclease dead polypeptide)である。
【0043】
特定の実施形態では、第2の改変は、ポリペプチドドメインの挿入を含み、任意選択で、挿入は、配列番号3の配列のN末端、C末端又は内部においてである。
【0044】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ゲート制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む。
【0045】
一態様では、本開示は、本明細書に記載の変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする第1の核酸と、RNAガイド又はRNAガイドをコードする第2の核酸とを含み、RNAガイドはダイレクトリピート配列とスペーサー配列とを含む、システムを提供する。
【0046】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドを含む組成物又は複合体はRNAガイドを更に含み、RNAガイドはダイレクトリピート配列及びスペーサー配列を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4、配列番号5又は配列番号6と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4、配列番号5又は配列番号6と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4、配列番号5又は配列番号6のヌクレオチド配列を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、スペーサー配列は、15~35ヌクレオチド長を含む。
【0051】
特定の実施形態では、第1の核酸は第1のベクター中に位置し、RNAガイドをコードする第2の核酸はベクター(例えば、第1のベクター又は第2のベクター)中に位置し、任意選択で、第1及び/又は第2のベクターはウイルスベクターである。
【0052】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、配列番号9、11、13、15、17、19、21及び23のいずれか1つを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、スペーサー配列中のヌクレオチド配列に相補的な配列を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接し、PAM配列は5’-NTN-3’、5’-HTN-3’、又は5’-TNA-3’として示されるヌクレオチド配列を含み、ここで、Nは任意のヌクレオチドであり、HはA又はC又はTである。いくつかの実施形態では、PAM配列は、5’-CTG-3’又は5’-CTC-3’として示されるヌクレオチド配列を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、一本鎖DNA又は二本鎖DNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は二本鎖DNAである。
【0056】
一態様では、本開示は、本明細書に記載の変異体ポリペプチドをコードする核酸を提供する。
【0057】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、細胞における発現のためにコドン最適化されている。
【0058】
特定の実施形態では、核のコード化は、ガイドRNAをコードする配列を更に含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結されている。
【0060】
特定の実施形態では、核酸は、RNA(例えば、mRNA)を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、ベクター内にある。
【0062】
いくつかの実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ベクター、又は単純ヘルペスベクターを含む。
【0063】
特定の実施形態では、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。
【0064】
一態様では、本開示は、本明細書に記載の変異体ポリペプチド、システム、核酸、又はベクターを含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、組成物は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃を含む送達組成物中に存在する。
【0065】
一態様では、本開示は、本明細書に記載の変異体ポリペプチド、システム、核酸、又はベクターを含む細胞を提供する。
【0066】
いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に開示される変異体ポリペプチド及び/又は組成物を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、細胞は、真核細胞又は原核細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞である。いくつかの実施形態において、細胞は、哺乳動物細胞又は植物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。
【0068】
本開示は、本明細書に開示の変異体ポリペプチドを調製する方法を更に提供し、この方法は、(i)配列番号1又は配列番号2を含む核酸に1つ以上のヌクレオチド置換を導入して、変異体ポリペプチドをコードする変異体核酸を生成する工程と、(ii)変異体核酸から変異体ポリペプチドを発現させる工程とを含む。
【0069】
本開示は、本明細書に開示の変異型二成分複合体を形成する方法を更に提供し、この方法は、本明細書に開示の変異型ポリペプチドを本明細書に開示のRNAガイドと接触させる工程を含む。
【0070】
一態様では、本開示は、変異体ポリペプチドを生成する方法を提供し、この方法は(i)変異体ポリペプチドをコードする核酸配列を生成する工程と、(ii)核酸配列を発現することができる適切な宿主細胞に核酸配列を導入する工程と、(iii)宿主細胞が変異体ポリペプチドを発現するのを可能にする工程とを含む。
【0071】
一態様では、本開示は、変異体ポリペプチドを生成する方法を提供し、この方法は、(i)配列番号1又は配列番号2を含む核酸に1つ以上のヌクレオチド置換を導入して、変異体ポリペプチドをコードする変異体核酸を生成する工程と、(ii)変異体核酸から変異体ポリペプチドを発現させる工程とを含む。
【0072】
本開示は、本明細書に開示の変異型三成分複合体を形成する方法を更に提供し、この方法は、本明細書に開示の変異型ポリペプチドを本明細書に開示のRNAガイド及び本明細書に開示の標的核酸と接触させる工程を含む。
【0073】
一態様では、本開示は、変異体ポリペプチドを細胞に送達する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸を細胞に導入する工程と、任意選択で、RNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を導入する工程とを含み、導入する工程は、任意選択で、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組み合わせを導入することを含む。
【0074】
一態様では、本開示は、細胞内の標的DNA分子を改変する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸を細胞に導入する工程と、RNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を導入する工程とを含み、導入する工程は、任意選択で、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組み合わせを導入することを含む。いくつかの実施形態では、細胞に導入する工程は、細胞をトランスフェクト又は形質導入することを含む。特定の実施形態では、細胞に導入する工程は、エレクトロポレーション、注入、遺伝子銃、又はこれらの任意の組み合わせの使用を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、RNA(例えば、mRNA)を含む。
【0075】
一態様では、本開示は、標的DNA分子を改変する方法を提供し、この方法は、標的DNA分子を変異体ポリペプチド及びRNAガイドと接触させる工程を含む。いくつかの実施形態では、標的DNA分子は、インビトロ又は細胞内にある。特定の実施形態では、細胞は、インビトロ、エクスビボ、又はインビボにある。いくつかの実施形態では、細胞は、原核細胞、真核細胞、植物細胞、哺乳動物細胞、及びヒト細胞から選択される。
【0076】
本開示は、本明細書に開示の変異体ポリペプチド又は組成物又は変異体二成分複合体を送達する方法を更に提供し、この方法は、変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸を細胞に導入する工程と、任意選択で、本明細書に記載のRNAガイド若しくはRNAガイドをコードする核酸を導入する工程、又は本明細書に記載の変異体二成分複合体を導入する工程とを含み、導入する工程は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組合せを導入することを含む。いくつかの実施形態では、細胞に導入する工程は、細胞をトランスフェクト又は形質導入することを含む。いくつかの実施形態では、導入する工程は、エレクトロポレーション、注入、遺伝子銃、又はこれらの任意の組み合わせの使用を含む。
【0077】
本開示は更に、変異体ポリペプチド、又は変異体ポリペプチド及びRNAガイドを含む複合体を含む組成物を提供し、変異体ポリペプチドは親ポリペプチドに対して改変を含み、親ポリペプチドは配列番号3を含み、変異体ポリペプチドはRNAガイド及び標的核酸に結合することができ、変異体ポリペプチド又は複合体は、親ポリペプチド又は親ポリペプチド及びRNAガイドを含む複合体と比較して、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す。
【0078】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強は、ヌクレアーゼ活性の増強である。
【0079】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べてRNAガイドに対する結合活性の増強を示す。
【0080】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べてRNAガイドに対する結合特異性の増強を示す。
【0081】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合活性の増強(例えば、オンターゲット結合活性)を示す。
【0082】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合特異性の増強(例えば、オンターゲット結合特異性)を示す。
【0083】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて安定性の増強を示す。
【0084】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体と標的核酸とは、変異体三成分複合体を形成し、変異体三成分複合体は、親三成分複合体と比べて安定性の増加を示す。
【0085】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べて二成分複合体形成の増強、タンパク質-RNA相互作用の増強、及び/又はRNAガイドからの解離の減少を更に示す。
【0086】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸からの解離の減少、及び/又は非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を更に示す。
【0087】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、所定の範囲の温度にわたって、例えば、20℃~65℃にわたって生じる。
【0088】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、所定のインキュベーション時間にわたって生じる。
【0089】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で生じる。
【0090】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、変異体ポリペプチド、変異体二成分複合体、又は変異体三成分複合体のTm値が親ポリペプチド、親二成分複合体、又は親三成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃高い場合に生じる。
【0091】
他の実施形態では、改変は、配列番号3に記載の配列を有する親ポリペプチドと比べてアミノ酸配列改変を含み、改変は、配列番号3に記載の配列を有する親ポリペプチドと比較すると、1つ以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、又はそれ以上)の置換、挿入、欠失、及び/又は付加を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、改変は、配列番号3に記載の親ポリペプチド配列と比べてアミノ酸配列改変を含み、改変は、表2に列挙されるアミノ酸置換のうちの1つ以上を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、改変は、アルギニン、リジン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、又はグリシンの置換を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、改変は、E38R、T60R、D89R、S223R、P353G、L354G、L360G、K368G、E566R、及び/又はD730R置換を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、RuvCドメイン又はスプリットRuvCドメインを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、1つ以上の触媒残基(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の触媒残基は、D345、E506及びD594を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、ダイレクトリピート配列及びスペーサー配列を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4、配列番号5又は配列番号6と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4、配列番号5又は配列番号6と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4、配列番号5又は配列番号6のヌクレオチド配列を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、スペーサー配列は、15~35ヌクレオチドの長さを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、スペーサー配列中のヌクレオチド配列に対する配列相補性を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、標的核酸はPAM配列に隣接しており、PAM配列は5’-NTN-3’、5’-HTN-3’、又は5’-TNA-3’として記載されるヌクレオチド配列を含み、式中、Nは任意のヌクレオチドであり、HはA又はC又はTである。いくつかの実施形態では、PAM配列は、5’-CTG-3’、又は5’-CTC-3’として記載されるヌクレオチド配列を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、一本鎖DNA又は二本鎖DNAである。
【0105】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ゲート制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、細胞における発現のためにコドン最適化されている。
【0107】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結されている。
【0108】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、ベクター内にある。
【0109】
いくつかの実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、又は単純ヘルペスウイルスベクターを含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、組成物又は複合体は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃を含む送達組成物中に存在する。
【0111】
本開示は更に、配列番号4、5又は6のいずれか1つと少なくとも90%の同一性を含むダイレクトリピート配列を含むRNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を提供する。いくつかの態様では、RNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸は、5’-CTG-3’又は5’-CTC-3’プロトスペーサー隣接モチーフに隣接して結合するスペーサー配列を含む。いくつかの実施形態では、配列番号4~6のいずれかと少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むRNAガイドは、CRISPRヌクレアーゼ、例えば、配列番号3によるCRISPRヌクレアーゼに結合する。
【0112】
本開示はRNAガイドを含む組成物を更に提供し、この組成物は、CRISPRヌクレアーゼを更に含む。いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号3と少なくとも80%の同一性(例えば、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性)を含む。いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号3と少なくとも95%の同一性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性)を含む。いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号3を含む。
【0113】
本開示は、本明細書に開示の変異体ポリペプチド及び/又は複合体を含む細胞を更に提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、真核細胞又は原核細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞又は植物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。
【0114】
本開示は、本明細書に開示の変異体ポリペプチドを調製する方法を更に提供し、この方法は、(i)配列番号1又は配列番号2を含む核酸に1つ以上のヌクレオチド置換を導入して、変異体ポリペプチドをコードする変異体核酸を生成する工程と、(ii)変異体核酸から変異体ポリペプチドを発現させる工程とを含む。
【0115】
本開示は、変異型二成分複合体を形成する方法を更に提供し、この方法は、本明細書に開示の変異型ポリペプチドを本明細書に開示のRNAガイドと接触させる工程を含む。
【0116】
本開示は、本明細書に開示の変異型三成分複合体を形成する方法を更に提供し、この方法は、本明細書に開示の変異型ポリペプチドを本明細書に開示のRNAガイド及び本明細書に開示の標的核酸と接触させる工程を含む。
【0117】
本開示は、本明細書に開示の変異体ポリペプチド又は組成物又は変異体二成分複合体を細胞に送達する方法を更に提供し、この方法は、本明細書に開示の変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸を細胞に導入する工程と、任意選択で、本明細書に記載のRNAガイド若しくはRNAガイドをコードする核酸を導入する工程、又は本明細書に記載の変異体二成分複合体を導入する工程とを含み、導入する工程は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組合せを導入することを含む。いくつかの実施形態では、細胞に導入する工程は、細胞をトランスフェクト又は形質導入することを含む。いくつかの実施形態では、導入する工程は、エレクトロポレーション、注入、遺伝子銃、又はこれらの任意の組み合わせの使用を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、原核細胞、真核細胞、植物細胞、哺乳動物細胞、及びヒト細胞から選択される。いくつかの実施形態では、細胞は、インビトロ、エクスビボ、又はインビボにある。
【0118】
本開示は更に、細胞中の標的DNA分子を改変する方法を提供し、この方法は、本明細書に開示の変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸を細胞に導入する工程と、本明細書に記載のRNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を導入する工程、又は本明細書に記載の変異体二成分複合体を導入する工程とを含み、導入する工程は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組合せを導入することを含む。いくつかの実施形態では、細胞に導入する工程は、細胞をトランスフェクト又は形質導入することを含む。いくつかの実施形態では、導入する工程は、エレクトロポレーション、注入、遺伝子銃、又はこれらの任意の組み合わせの使用を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、原核細胞、真核細胞、植物細胞、哺乳動物細胞、及びヒト細胞から選択される。いくつかの実施形態では、細胞は、インビトロ、エクスビボ、又はインビボにある。
【0119】
本開示は、標的DNA分子を改変する方法を更に提供し、この方法は、標的DNA分子を、本明細書に開示の変異体ポリペプチド及び本明細書に開示されるRNAガイドと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、標的DNA分子は、インビトロ又は細胞内にある。いくつかの実施形態では、細胞は、インビトロ、エクスビボ、又はインビボにある。いくつかの実施形態では、細胞は、原核細胞、真核細胞、植物細胞、哺乳動物細胞、及びヒト細胞から選択される。
【0120】
いくつかの態様では、本開示は、細胞内の標的核酸を改変する方法を提供し、この方法は、(i)配列番号3によるアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%の同一性を有する配列を含むポリペプチド、又はこのポリペプチドをコードする核酸を細胞に導入する工程と、(ii)RNAガイド(例えば、本明細書に記載されるような)又はRNAガイドをコードする核酸を細胞に導入する工程とを含み、標的核酸は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接し、PAM配列は5’-CTG-3’又は5’-CTC-3’として記載されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号3~7のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。導入工程は、任意選択で、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組み合わせを導入することを含む。いくつかの実施形態では、細胞に導入する工程は、細胞をトランスフェクト又は形質導入することを含む。特定の実施形態では、細胞に導入する工程は、エレクトロポレーション、注入、遺伝子銃、又はこれらの任意の組み合わせの使用を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドをコードする核酸は、RNA(例えば、mRNA)を含む。いくつかの態様では、方法は、5’-CTG-3’又は5’-CTC-3’プロトスペーサー隣接モチーフに隣接する位置で標的DNAを改変する。いくつかの実施形態では、改変は、標的核酸をニッキング又は切断することを含む。
【0121】
いくつかの態様では、本開示は、RNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を提供し、RNAガイドは、ダイレクトリピート配列及びスペーサー配列を含み、ダイレクトリピート配列は、配列番号4~6のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%若しくは99%の同一性を有する配列を含み、ダイレクトリピート配列の3’側にすぐのヌクレオチドは、C、T、又はGから選択される。いくつかの態様では、本開示は、RNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を提供し、RNAガイドは、ダイレクトリピート配列及びスペーサー配列を含み、ダイレクトリピート配列は、配列番号4~6のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%若しくは99%の同一性を有する配列を含み、ダイレクトリピート配列の3’側にすぐのヌクレオチドは、A以外である。いくつかの態様では、本開示は、RNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を提供し、RNAガイドは、ダイレクトリピート配列及びスペーサー配列を含み、ダイレクトリピート配列は、配列番号5若しくは6のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%若しくは99%の同一性を有する配列を含む。いくつかの態様では、本開示は、RNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を提供し、RNAガイドは、ダイレクトリピート配列及びスペーサー配列を含み、ダイレクトリピート配列は、配列番号4~6のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はその配列に対して1、2、3若しくは4個の置換がされた配列からなる。いくつかの実施形態では、スペーサーは、ダイレクトリピート配列に対して異種である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【
図1】5’-CTG-3’PAM配列に隣接する8つの標的部位におけるインデル活性(%生インデル)を示す。標的部位及びcrRNAの配列を表4に示す。
【発明を実施するための形態】
【0123】
定義
本発明は、特定の実施形態に関してまた、ある特定の図面を参照して説明するが、本発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。以降に記載されるような用語は、別段の記載がない限り、一般に常識で理解されるべきである。
【0124】
別段の定めがない限り、本明細書で使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解されている意味を有する。いずれかの潜在的曖昧性の場合には、本明細書で提供される定義が、あらゆる辞書又は外部の定義よりも先行する。文脈上他の意味に解する場合を除き、単数形用語には複数形が含まれるものとし、複数形用語には単数形が含まれるものとする。「又は」の使用は、特に明記されない限り、「及び/又は」を意味する。「含んでいる(including)」という用語、並びに他の形態、例えば、「含む(includes)」及び「含まれる(included)」の使用は限定的ではない。
【0125】
一般に、本明細書に記載される細胞及び組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、並びにタンパク質及び核酸化学、並びにハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法は周知であり、当該技術分野において一般的に使用されている。本明細書に提供される方法及び技術は、特に明記されない限り、当該技術分野において周知の従来の方法に従って、また本明細書の全体を通して引用され、議論されている様々な一般的でより具体的な参考文献で記載されているように実施される。酵素反応及び精製技術は、当該技術分野において一般に達成されているか、又は本明細書に記載されているように、製造元の仕様に従って実施される。本明細書に記載の合成化学、合成有機化学、及び医薬品化学並びに創薬化学に関連して使用される命名法、及び実験室手順並びに技術は当該技術分において周知であり、一般的に使用されているものである。標準的な技術が化学合成、化学分析、医薬品の調製、製剤化、及び送達、並びに患者の治療のために使用される。
【0126】
以下に定義される用語を選択すると、本開示はより容易に理解され得る。
【0127】
「a」及び「an」という冠詞は、1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)の項目の文法的対象物を指す。例として、「an element(要素)」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
【0128】
例えば、量、持続時間などの測定可能な値を指す場合に本明細書で使用される「約」は、±20%又は±10%、より好ましくは±5%、更により好ましくは±1%、及びなお更に好ましくは±0.1%の指定値からの変動を包含することを意味し、そのような変動は、開示された方法を実施するために適切である。
【0129】
本明細書で使用される場合、「複合体」という用語は、2つ以上の分子のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、複合体は、互いに相互作用する(例えば、結合する、接触する、付着する)ポリペプチドと核酸分子とを含む。
【0130】
本明細書で使用される場合、「二成分複合体」という用語は、2つの分子(例えば、ポリペプチドと核酸分子)のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、二成分複合体は、ポリペプチドと標的化部分(例えば、RNAガイド)とのグループ化を指す。いくつかの実施形態では、二成分複合体は、リボ核タンパク質(RNP)を指す。本明細書で使用される場合、「変異体二成分複合体」という用語は、変異体ポリペプチドとRNAガイドとのグループ化を指す。本明細書で使用される場合、「親二成分複合体」という用語は、親ポリペプチドとRNAガイド又は参照ポリペプチドとRNAガイドとのグループ化を指す。
【0131】
本明細書で使用される場合、「三成分複合体」という用語は、3つの分子(例えば、ポリペプチドと2つの核酸分子)のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、「三成分複合体」は、ポリペプチド、RNA分子、及びDNA分子のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、三成分複合体は、ポリペプチド、標的化部分(例えば、RNAガイド)、及び標的核酸(例えば、標的DNA分子)のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、「三成分複合体」は、二成分複合体(例えば、リボ核タンパク質)と第3の分子(例えば、標的核酸)とのグループ化を指す。
【0132】
本明細書で使用される場合、「ドメイン」という用語は、ポリペプチドの別個の機能及び/又は構造単位を指す。いくつかの実施形態では、ドメインは、保存されたアミノ酸配列を含み得る。
【0133】
本明細書で使用される場合、「親」、「親ポリペプチド」、及び「親配列」という用語は、本発明の変異体ポリペプチドを産生するために、改変が行われる元のポリペプチド(例えば、参照又は出発ポリペプチド)を指す。
【0134】
本明細書で使用される場合、「プロトスペーサー隣接モチーフ」又は「PAM」という用語は、エフェクター(例えば、CRISPRヌクレアーゼ)及びRNAガイドを含む複合体が結合する標的配列に隣接するDNA配列を指す。いくつかの実施形態では、PAMは酵素活性に必要とされる。本明細書で使用される場合、「隣接する」という用語は、複合体のRNAガイドがPAMに直接隣接している標的配列と特異的に結合し、相互作用し、又は会合する場合が含まれる。そのような場合、標的配列とPAMとの間には、ヌクレオチドは存在しない。用語「隣接する」はまた、RNAガイドが結合する標的配列とPAMとの間に少数(例えば、1、2、3、4、又は5)のヌクレオチドが存在する場合を含む。二本鎖DNA分子において、PAMモチーフを含む鎖は「PAM鎖」と呼ばれ、相補鎖は「非PAM鎖」と呼ばれるRNAガイドは、本明細書に開示の標的配列に相補的である非PAM鎖中の部位に結合する。いくつかの実施形態では、PAM鎖は、コード(例えば、センス)鎖である。他の実施形態では、PAM鎖は非コード(例えば、アンチセンス鎖)である。RNAガイドは塩基対形成を介して非PAM鎖に結合するので、非PAM鎖は標的鎖(TS)としても知られ、一方、PAM鎖は非標的鎖(NTS)としても知られる。
【0135】
本明細書で使用される場合、「参照組成物」、「参照分子」、「参照配列」、及び「参照」は、陰性対照又は親(例えば、親配列、親タンパク質、又は野生型タンパク質)などの対照を指す。例えば、参照分子は、それに対して変異体ポリペプチドが比較されるポリペプチドを指す。同様に、参照RNAガイドは、それに対して修飾RNAガイドが比較される標的部分を指す。変異体又は改変分子は、配列に基づいて(例えば、変異体又は改変分子は、参照分子とX%の配列同一性又は相動性を有し得る)、熱安定性に基づいて、又は活性に基づいて(例えば、変異体又は改変分子は、参照分子のX%の活性であり得る)、参照分子に対して比較され得る。例えば、変異体又は改変分子は、参照ポリペプチドの10%以下の活性を有すると特徴付けられてもよく、又は参照ポリペプチドの少なくとも10%を超える活性を有すると特徴付けられてもよい。参照ポリペプチドの例としては、天然に存在する未修飾ポリペプチド、例えば、古細菌又は細菌種からの天然に存在するポリペプチドが含まれる。ある特定の実施形態では、参照ポリペプチドは、比較されている変異体ポリペプチドと最も近い配列同一性又は相動性を有する天然に存在するポリペプチドである。ある特定の実施形態では、参照ポリペプチドは、変異体ポリペプチドに行き着くために、突然変異が行われた天然に存在するか又は既知の配列を有する親分子である。
【0136】
本明細書で使用される場合、「RNAガイド」又は「RNAガイド配列」という用語は、本明細書に記載のポリペプチドの標的核酸への標的化を促進する任意のRNA分子を指す。例えば、RNAガイドは標的核酸を認識する(例えば、結合する)分子であり得る。RNAガイドは、特定の核酸配列に相補的であるように設計され得る。RNAガイドは、DNA標的化配列(本明細書では、スペーサー配列とも称される)、及びRNAガイドの本発明のポリペプチドへの結合を促進するダイレクトリピート(DR)配列を含む。CRISPR RNA(crRNA)、pre-crRNA、及び成熟crRNAという用語もまた、RNAガイドを指すために本明細書で使用される。いくつかの例では、RNAガイドは、例えば、標的核酸の非PAM鎖に結合するRNAガイドに含まれるDNA結合配列中に、1つ以上のデオキシリボヌクレオチドを含む修飾RNA分子であり得る。いくつかの例では、DNA結合配列は、DNA配列、又はDNA/RNAハイブリッド配列を含み得る。
【0137】
本明細書で使用される場合、「実質的に同一」という用語は、参照配列に対してある程度の同一性を有する配列、ポリヌクレオチド、又はポリペプチドを指す。
【0138】
本明細書で使用される場合、「標的核酸」、「標的配列」、及び「標的基質」という用語は、RNAガイドが特異的に結合する核酸を指す。いくつかの実施形態では、RNAガイドのDNA標的化配列(すなわち、スペーサー配列)は標的核酸に結合する。いくつかの実施形態では、標的配列は、(PAM鎖上の)PAMモチーフに隣接するDNAのセグメントである。標的配列の相補的領域は、非PAM鎖上にある。標的配列は、PAMモチーフに直接隣接し得る。或いは、標的配列及びPAMは、小さな配列セグメント(例えば、最大5ヌクレオチド、例えば、最大4、3、2、又は1ヌクレオチド)によって分離され得る。標的配列は、当該技術分野で知られるPAMモチーフを認識するCRISPRヌクレアーゼに応じて、PAMモチーフの3’末端又はPAMモチーフの5’末端に位置し得る。例えば、標的配列は、Cas12iポリペプチド(例えば、本明細書に開示されるものなどのCas12i2ポリペプチド)のPAMモチーフの3’末端に位置する。DNAは多くの場合二本鎖であり、RNAガイドは、それが相補的である2つの鎖のうちの1つに結合することは当然理解されている。RNAガイドが結合するDNA中の位置は、RNAガイドが結合する鎖の配列(非PAM鎖)又はRNAガイドが結合しない鎖の配列(PAM鎖)を提供することによって簡単に記載することができる。したがって、本出願全体の文脈から明らかなように、標的核酸配列は、本明細書に記載のRNAガイドによって標的とされる二本鎖DNAのいずれかの鎖の核酸配列を提供することによって記載され得る。
【0139】
本明細書で使用される場合、「変異体ポリペプチド」、「変異体エフェクターポリペプチド」、及び「変異体CRISPRヌクレアーゼポリペプチド」という用語は、親ポリペプチドと比較して、1つ又は複数の残基位置での改変、例えば、以下に限定されないが、置換、挿入、欠失、付加及び/又は融合を含むポリペプチドを指す。本明細書で提供される特定された改変の位置は、別段の指定がない限り、配列番号3に対して番号付けされる。例えば、D509Rの改変は、変異体ポリペプチドがN末端、C末端、又は内部に融合又は切断を含む場合であっても、例えば、その改変が融合ポリペプチド又は切断型ポリペプチドにおけるN末端に対して509位にないように、配列番号3に対する509番目のアミノ酸の改変を示す。配列番号3のアミノ酸位置を表2に更に記載する。
本明細書で使用される場合、「変異体ポリペプチド」、「変異体エフェクターポリペプチド」、及び「変異体CRISPRヌクレアーゼポリペプチド」という用語は、配列番号3のポリペプチドに対して改変を含むポリペプチドを指す。
【0140】
組成物
いくつかの態様では、本発明は、配列番号3のエフェクター(例えば、CRISPRヌクレアーゼ)の新規変異体、変異体を含む組成物、並びにその調製及び使用の方法を提供する。他の態様では、本発明は、配列番号3のエフェクター(例えば、CRISPRヌクレアーゼ)の変異体を含む複合体、及び組成物、その調製及び使用方法を更に提供する。いくつかの態様では、1つ以上の特性を有する複合体を含む組成物が本明細書に記載される。いくつかの態様では、複合体を含む組成物を送達する方法が記載される。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、親ペプチドと比べて酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、親複合体と比べて酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを含む複合体を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドに対する改変を含み、親ポリペプチドは配列番号3を含み、変異体ポリペプチドはRNAガイド及び標的核酸に結合することができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、変異体ポリペプチドとRNAガイドとを含む。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、変異体ポリペプチドとRNAガイドとを含む変異体二成分複合体を含む。
【0143】
組成物のいくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドとの複合体形成の増加(例えば、二成分複合体形成の増加)を有する。組成物のいくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド及びRNAガイドは、親ポリペプチド及びRNAガイドと比較するとより大きな結合親和性を有する。組成物のいくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド及びRNAガイドは、親ポリペプチド及びRNAガイドと比較するとより強いタンパク質-RNA相互作用(例えば、イオン相互作用)を有する。組成物のいくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体よりも安定である。
【0144】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、変異体ポリペプチドと、RNAガイドと標的核酸とを含む。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、変異体ポリペプチドを含む変異体三成分複合体と、RNAガイドと標的核酸とを含む。
【0145】
組成物のいくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド及び標的核酸との複合体形成の増加(例えば、三成分複合体形成の増加)を有する。組成物のいくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド及びRNAガイド(例えば、変異体二成分複合体)は、親ポリペプチド及びRNAガイド(例えば、親二成分複合体)と比較すると、標的核酸に対するより大きな結合親和性を有する。組成物のいくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、親三成分複合体よりも安定である。
【0146】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、本明細書に記載の変異体ポリペプチドを含む。
【0147】
変異体ポリペプチド
一実施形態では、変異体ポリペプチド(例えば、変異体CRISPRヌクレアーゼポリペプチド)は、単離又は精製されたポリペプチドである。
【0148】
いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドは、親ポリペプチド(例えば、親CRISPRヌクレアーゼ)の変異体であり、親は、配列番号1若しくは配列番号2などのヌクレオチド配列を含むか、又は配列番号3などのアミノ酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。表1を参照されたい。
【0149】
【0150】
【0151】
本明細書に記載の親ポリヌクレオチドをコードする核酸配列は、参照核酸配列、例えば、配列番号1、又は配列番号2に対して実質的に同一であり得る。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、参照核酸配列、例えば、親ポリペプチドをコードする核酸配列、例えば、配列番号1、又は配列番号2に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有する配列を含む核酸によってコードされる。2つのそのような核酸配列間のパーセント同一性は、2つの最適にアライメントされた核酸配列の精査によって手動で、又は標準的パラメータを使用したソフトウェア若しくはアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用することによって決定することができる。2つの核酸配列が実質的に同一であることの1つの指標は、核酸分子が他のストリンジェントな条件下で(例えば、中程度から高度のストリンジェンシーの範囲内で)相補的配列に対してハイブリダイズすることである。
【0152】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、参照核酸配列、例えば、親ポリペプチドをコードする核酸配列、例えば、配列番号1、又は配列番号2に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上の配列同一性を有するが、100%の配列同一性は有さない核酸配列によってコードされる。
【0153】
いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するが、100%の同一性を有さないポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%超の同一性を有するが、100%の同一性を有さないポリペプチド配列を含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上の参照ポリペプチド、例えば、親ポリペプチドに対して指定された程度のアミノ酸配列同一性を有する、例えば、配列番号3のアミノ酸配列に対する少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%の配列同一性を有するが、100%の配列同一性は有さない変異体ポリペプチドを記載する。相同性又は同一性は、本明細書に記載されるように、例えば、BLAST、ALIGN、又はCLUSTALなどのプログラムを使用してアミノ酸配列アライメントによって決定することができる。
【0155】
また、酵素活性、例えば、ヌクレアーゼ又はエンドヌクレアーゼ活性を有し、且つ親ポリペプチド及び配列番号3のいずれか1つのアミノ酸配列と50、40、35、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含む(前述のアラインメント方法のいずれかを使用して整列させた場合)、本開示の変異体ポリペプチドも提供される。
【0156】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドの1つ以上(例えば、数個)のアミノ酸で改変を含み、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、162、164、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、193、194、195、196、197、198、199、200個、又はそれ以上が改変される。
【0157】
改変は、参照配列と比較した、ペプチド若しくはポリペプチド中のアミノ酸、又はヌクレオチド中のヌクレオチドの置換、挿入、欠失、付加、又は融合を含み得る。改変を含む配列を作製する方法に、特定のプロセスは含まれていない。例えば、改変を含む配列は、個々のヌクレオチドから直接合成することができる。他の実施形態では、改変は、参照配列を用意し、次いで改変することによって行われる。
【0158】
置換は、参照配列と異なるアミノ酸によるアミノ酸の置換、又は参照配列と異なるヌクレオチドによるヌクレオチドの置換を含み得る。置換を含む配列を作製する方法に、特定のプロセスは含まれていない。例えば、置換を含む配列は、個々のアミノ酸又はヌクレオチドから直接合成することができる。他の実施形態では、改変は、参照配列を用意し、次いで改変することによって行われる。核酸配列は、生物のゲノム中にあり得る。核酸配列は、細胞内にあり得る。核酸配列は、DNA配列であり得る。本明細書に記載のヌクレオチドの置換は、数キロベースまでの置換を指す。
【0159】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表2に列挙されるアミノ酸置換の1つ以上を含む。
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
本明細書に記載の有益な改変のいくつかは、TS-スペーサーヘリックス及びssDNA NTSを分離するRuvC「リッド」の近くにある、配列番号3のヌクレアーゼポリペプチドのおよそ500~580の残基に位置するホットスポットに含まれる。理論に拘束されることを望むものではないが、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の置換は、酵素機能に対する以下の利益の1つ以上を有する:活性部位の溝に入るssDNA NTSの安定化;TS-スペーサーヘリックスとのH結合相互作用の除去;TS-スペーサーヘリックスとの好ましい電荷相互作用の付加;及びスペーサーヘリックスから進行するssDNA TSによる電荷反発の除去。
【0171】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S511Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、I521Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、Q514Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、E198Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S527Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L580Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、V359Rアミノ酸置換を含む。 いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、Y381Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、R354Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、M380Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、M380Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、V383Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L580Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、E367Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、I521Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、E367Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、E507Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、I521Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、W350Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、R528Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S527Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L385Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、W350Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、Y381Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、H532Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D129Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、P615Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、G578Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、M380Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、V595Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、R531Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D129Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、R531Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D158Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、N476Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、G578Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、A512Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、P618Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、V595Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、V595Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、V383Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、A597Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、Y381Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、P618Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、E198Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、T288Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、E507Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L385Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、C538Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、P615Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D386Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S511Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、C371Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K136Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、N220Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S78Kアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K141Gアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K240Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D277Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、T165Rアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K374Rアミノ酸置換を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列に対して第2の改変を含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD158Gを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はA512Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE367Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はI521Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD158Gを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はV359Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD158Gを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はA512Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はA512Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はQ514Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はA512Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はN476Gを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いく
つかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はD535Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE367Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はE367Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はN476Gを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はL516Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はA512Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD158Gを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV595Gを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はN476Gを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD158Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はQ514Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE367Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE367Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD158Gを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はE367Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はL516Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はR531Gを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変
はL580Gを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はN476Gを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL580Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はV359Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はD535Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD158Gを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はE367Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はA512Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はQ514Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はW350Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE367Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL385Gを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はV359Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はV595Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はN476Gを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE367Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はI521Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はA597Gを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はE367Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はE198Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はD129Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はL516Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はR531Gを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はN476Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はY381Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD158Gを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はP618Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はP618Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はN476Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はQ514Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はW350Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS527Rを含み、第2の改変はV359Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はT288Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はW350Rを含み、第2の改変はA512Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV595Gを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はM380Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はR531Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD535Gを含み、第2の改変はL516Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はV595Gを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はR354Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はS527Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はY381Rを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD129Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL516Rを含み、第2の改変はR531Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はD386Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はC371Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はW350Rを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はV383Rを含み、第2の改変はW350Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はP615Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はR354Gを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はG578Rを含み、第2の改変はR531Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE367Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はI521Rを含み、第2
の改変はW350Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はW350Rを含み、第2の改変はG578Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はE367Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はC538Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はA597Gを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はP615Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はV359Rを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はM380Rを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はW350Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はH532Rを含み、第2の改変はP618Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はL580Gを含み、第2の改変はH532Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はW350Rを含み、第2の改変はT288Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はE507Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はP618Rを含み、第2の改変はD386Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はE507Rを含み、第2の改変はW350Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はA597Gを含み、第2の改変はC538Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はS511Rを含み、第2の改変はL516Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はW350Rを含み、第2の改変はL385Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はW350Rを含み、第2の改変はD158Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はP618Rを含み、第2の改変はA597Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はQ514Gを含み、第2の改変はV595Gを含む。いくつかの実施形態では、改変はE198Rを含み、第2の改変はW350Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はV383Rを含む。いくつかの実施形態では、改変はD509Rを含み、第2の改変はR354Gを含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、L516R、及びI521R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、L516R、及びI521R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、L516R、及びQ514G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、Q514G、及びI521R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、Q514G、I521R、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、Q514G、I521R、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、L516R、Q514G、及びI521R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、Q514G、I521R、S527R、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、D535G、L516R、Q514G、及びI521R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、L516R、I521R、及びS527R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、I521R、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、D535G、及びL516R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、I521R、S527R、E198R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、L516R、及びQ514G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、Q514G、及びI521R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、L516R、Q514G、及びS511R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、L516R、Q514G、及びS527R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、I521R、S527R、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、L516R、S527R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、Q514G、S527R、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516R、Q514G、I521R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、L516R、Q514G、及びS527R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、I521R、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S527R、L580G、E198R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516R、S527R、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、Q514G、I521R、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、Q514G、I521R、及びS527R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、Q514G、L580G、E198R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、L516R、I521R、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516R、Q514G、I521R、及びL580G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、D535G、Q514G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516R、I521R、S527R、及びL580G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、I521R、S527R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516R、I521R、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、D535G、及びI521R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、S527R、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、D535G、及びQ514G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S527R、L580G、E198R、及びR354G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、Q514G、I521R、S527R、及びL580G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、Q514G、E198R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516R、Q514G、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、I521R、S527R、E198R、及びR354G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、I521R、S527R、R354G、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、I521R、L580G、E198R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L516R、Q514G、S527R、及びL580G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D535G、Q514G、S527R、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D509R、Q514G、L580G、及びE198R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K136G、N220R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S78K、E198R、及びR354G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K141G、N220R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K141G、K240R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K141G、D277R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K136G、D277R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S78K、E198R、及びL385R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L580G、L385G、S511R、及びA512R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S78K、E198R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K136G、K240R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、T165R、N220R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L580G、L385G、Q514G、及びA512R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D129R、P618R、S511R、及びA512R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、S78K、E198R、及びK374R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、T165R、D277R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L580G、L385G、G578R、及びD158G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D129R、P618R、R354G、及びA512R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、T165R、K240R、及びM380R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K141G、K240R、及びL385R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K136G、N220R、及びL385R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D129R、P618R、Q514G、及びA512R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D129R、P618R、S527R、及びL385G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K141G、N220R、及びL385R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L580G、L385G、Q514G、及びN476G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L580G、L385G、A512R、及びP618R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K141G、D277R、及びL385R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D129R、P618R、D158G、及びA512R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K136G、N220R、及びK374R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K136G、D277R、及びL385R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、K136G、K240R、及びL385R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、L580G、L385G、S527R、及びC538G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、T165R、K240R、及びL385R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、D129R、P618R、V359R、及びA512R置換を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのRNAガイドに対する相互作用を増加させる改変を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドとの相互作用を増加させる改変は、アルギニン、リジン、グルタミン、アスパラギン、又はヒスチジン置換である。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドの標的核酸に対する相互作用を増加させる改変を含む。いくつかの実施形態では、標的核酸との相互作用を増加させる改変は、アルギニン、リジン、グルタミン、アスパラギン、又はヒスチジン置換である。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、アラニン置換を含む。いくつかの実施形態では、アラニン置換は、変異体ポリペプチド骨格の幾何学的形状に影響を及ぼさない。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、グリシン置換を含む。いくつかの実施形態では、グリシン置換が変異体ポリペプチド骨格のラマチャンドラン結合角を変化させる。
【0175】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも1つのRuvCモチーフ又はRuvCドメインを含む。本明細書で使用される場合、「生物学的活性部分」は、親ポリペプチドの少なくとも1つの機能を保持する(例えば、完全に、部分的に、最小限に)部分である(例えば、「最小」又は「コア」ドメイン)。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、酵素活性を親ポリペプチドと少なくとも同程度の活性で保持する。したがって、いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドを超える酵素活性を有する。
【0176】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、ヌクレアーゼ活性が低下しているか、又はヌクレアーゼ活性を伴わないポリペプチド(nuclease dead polypeptide)である。本明細書で使用される場合、本明細書に開示されるポリペプチドの触媒残基は、D345、E506、及びD594を含む。いくつかの実施形態では、D345及び/又はE506及び/又はD594における置換(例えば、D345A及び/又はE506A及び/又はD594A)を含む変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、ヌクレアーゼ活性の低下を示すか、又はヌクレアーゼ活性を示さない。いくつかの実施形態では、残基R593は、ヌクレアーゼ活性に寄与する。いくつかの実施形態では、R593での置換は、ヌクレアーゼ活性を変化させ、例えば、ヌクレアーゼ活性の低下をもたらす。
【0177】
いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと同等の、又はそれを超える酵素活性を有する。いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドは、約20℃~約90℃の温度範囲で酵素活性を有する。いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドは、約20℃~約25℃の温度で、又は約37℃の温度で酵素活性を有する。
【0178】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAに対する親和性(例えば、RNA親和性)を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとRNA親和性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、RNA親和性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、RNA親和性の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、RNA親和性の増強を示す。
【0179】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドとの複合体形成(例えば、二成分複合体形成)を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較すると二成分複合体形成の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、二成分複合体形成の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、二成分複合体形成の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、二成分複合体形成の増強を示す。
【0180】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドに対する結合活性を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとRNAガイド結合活性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド結合活性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド結合活性の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、RNAガイド結合活性の増強を示す。
【0181】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドに対する結合特異性を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとRNAガイド結合特異性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド結合特異性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド結合特異性の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、RNAガイド結合特異性の増強を示す。
【0182】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、タンパク質-RNA相互作用を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとタンパク質-RNA相互作用の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、タンパク質-RNA相互作用の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、タンパク質-RNA相互作用の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、タンパク質-RNA相互作用の増強を示す。
【0183】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、タンパク質安定性を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとタンパク質安定性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、タンパク質安定性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、タンパク質安定性の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、タンパク質安定性の増強を示す。
【0184】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドからの解離(例えば、二成分複合体解離)を減少させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとRNAガイドからの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドからの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃高い場合に、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドからの解離の減少を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が、親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃高い場合に、RNAガイドからの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上の時間のいずれか1つのインキュベーション時間にわたって、親ポリペプチドと比較して、RNAガイドからの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体CRISPRヌクレアーゼリボ核タンパク質(RNP)複合体は、RNAガイドを異なるRNAで交換しない。
【0185】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドと標的核酸との三成分複合体の形成を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較すると、三成分複合体形成の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、三成分複合体形成の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、三成分複合体形成の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、三成分複合体形成の増強を示す。
【0186】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)が標的核酸に対する結合親和性の増強を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、標的核酸に対する結合親和性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親二成分複合体と比較すると、標的核酸に対する結合親和性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親二成分複合体と比較すると、標的核酸に対する結合親和性の増強を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、親核酸に対する結合親和性の増強を示す。
【0187】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)がオンターゲット結合活性の増強を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合活性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合活性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合活性の増強を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、オンターゲット結合活性の増強を示す。
【0188】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)がオンターゲット結合特異性の増強を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合特異性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合特異性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合特異性の増強を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、オンターゲット結合特異性の増強を示す。
【0189】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)が非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親二成分複合体と比較すると、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親二成分複合体と比較すると、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す。
【0190】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)が標的核酸からの解離の減少を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、標的核酸からの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で、親二成分複合体と比較すると、標的核酸からの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃高い場合に、親二成分複合体と比較すると、標的核酸からの解離の減少を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃高い場合に、標的核酸からの解離の減少を示す。
【0191】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親三成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む三成分複合体(例えば、変異体三成分複合体)が安定性の増強を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親三成分複合体と比較すると、安定性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親三成分複合体と比較すると、安定性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体のTm値が親三成分複合体のTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親三成分複合体と比較すると、安定性の増強を示す。一実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体のTm値が親三成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、安定性の増強を示す。
【0192】
本明細書に記載の変化は、1つ以上のアミノ酸の変化であり得るが、変異体ポリペプチドに対する変化はまた、アミノ末端伸長及び/又はカルボキシル末端伸長としてのポリペプチドの融合などの本質的な性質のものであってもよい。例えば、変異体ポリペプチドは、追加のペプチド、例えば1つ以上のペプチドを含有してもよい。追加のペプチドの例としては、標識付けのためのエピトープペプチド、例えばポリヒスチジンタグ(Hisタグ)、Myc、及びFLAGが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の変異体ポリペプチドは、蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)又は黄色蛍光タンパク質(YFP))などの検出可能な部分に融合され得る。
【0193】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも1個(例えば、2、3、4、5、6個、又はそれ以上)の核局在化シグナル(NLS)を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも1個(例えば、2、3、4、5、6個、又はそれ以上)の核外搬出シグナル(NES)を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも1個(例えば、2、3、4、5、6個、又はそれ以上)ののNLS、及び少なくとも1個(例えば、2、3、4、5、6個、又はそれ以上)のNESを含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の変異体ポリペプチドは、自己不活性化することができる。Epstein et al.,“Engineering a Self-Inactivating CRISPR System for AAV Vectors,”Mol.Ther.,24(2016):S50を参照されたい。この文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0195】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、特定の宿主細胞又は生物で使用するためにコドン最適化され得る。例えば、核酸は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、家畜、又は非ヒト霊長類を含む任意の非ヒト真核生物に対してコドン最適化され得る。
コドン使用表は、例えば、www.kazusa.orjp/Codon/で入手可能な「コドン使用データベース」で容易に入手可能であり、これらの表は多くの方法で適応することができる。Nakamura et al.Nucl.Acids Res.28:292(2000)を参照されたい。この文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
特定の宿主細胞における発現のための特定の配列をコドン最適化するためのコンピュータアルゴリズム、例えば、Gene Forge(Aptagen;Jacobus、PA)も利用可能である。
【0196】
RNAガイド
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物又は複合体は標的核酸に結合し、変異体ポリペプチドと相互作用する標的化部分(例えば、RNAガイド、アンチセンス、オリゴヌクレオチド、ペプチドオリゴヌクレオチドコンジュゲート)を含む。標的化部分は、標的核酸に結合することができる(例えば、標的核酸に対する特異的結合親和性で)。
【0197】
いくつかの実施形態では、標的部分はRNAガイドを含むか、又はRNAガイドである。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、本明細書に記載の変異体ポリペプチドを特定の核酸配列に向ける。当業者は、以下の特定の種類のRNAガイドの例を読み取れば、いくつかの実施形態でRNAガイドが部位特異的であることを理解するであろう。すなわち、いくつかの実施形態では、RNAガイドは、1つ以上の標的核酸配列(例えば、特異的DNA又はゲノムDNA配列)と特異的に会合するが、非標的化核酸配列(例えば、非特異的DNA又はランダム配列)とは会合しない。
【0198】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、本明細書に記載の変異体ポリペプチドと会合し、変異体ポリペプチドを標的核酸配列(例えば、DNA)に向けるRNAガイドを含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、本明細書に記載のポリペプチド(例えば、配列番号3のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又はその変異体)と会合することができる。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、ポリペプチドを標的核酸配列(例えば、DNA)に向ける。
【0199】
RNAガイドは、標的配列、例えば、部位特異的配列又は部位特異的標的の1つ以上のヌクレオチドを標的とすることができる(例えば、それと会合する、それに向けられる、それと接触し、又は結合することができる)。いくつかの実施形態では、変異体リボ核タンパク質(例えば、変異体CRISPRヌクレアーゼポリペプチドに加えてRNAガイド)は、RNAガイド中のDNA標的化配列に相補的である標的核酸(例えば、配列特異的基質又は標的核酸)への結合の際に活性化される。
【0200】
いくつかの実施形態では、スペーサー又はスペーサー配列は、標的配列(DNA配列)のRNA等価物であるRNAガイドの一部である。典型的には、スペーサーは、(PAM鎖中の)標的配列に相補的な部位での塩基対合によって非PAM鎖に結合することができる配列を含有する。いくつかの例では、スペーサーは、この比較の目的のためにTがUと等価であると考えた場合、標的配列と少なくとも75%(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)同一であり得る。いくつかの例では、スペーサーは、この比較の目的のためにTがUと等価であると考えた場合、標的配列と100%同一であり得る。
【0201】
いくつかの例では、第1のポリヌクレオチド(例えば、RNAガイドのスペーサー配列)が第2のポリヌクレオチド(例えば、標的配列の相補的配列)に対してある特定レベルの相補性を有する場合、ポリヌクレオチドは別のポリヌクレオチドに相補的であり、第1及び第2のポリヌクレオチドが塩基対合によって二本鎖複合体を形成して、第1のポリヌクレオチドと複合体化したエフェクターポリペプチドが第2のポリヌクレオチドに作用(例えば、切断)することが可能になり得る。いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第2のポリヌクレオチドに実質的に相補的であり得る。いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第2のポリヌクレオチドに対して少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の相補性を有する。いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第2のポリヌクレオチドに完全に相補的である、すなわち、第2のポリヌクレオチドに対して100%の相補性を有する。
【0202】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、約11ヌクレオチド~約100ヌクレオチドの長さを有するスペーサーを含む。例えば、DNA標的化セグメントは、約11ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、又は約11ヌクレオチド~約19ヌクレオチドの長さを有し得る。例えば、スペーサーは、約19ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約35ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約45ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約35ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約45ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、又は約20ヌクレオチド~約100ヌクレオチドの長さを有し得る。
【0203】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、一般に、11~50ヌクレオチド(例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35ヌクレオチド)の長さを有し、特異的標的核酸配列に相補的であるように設計され得る。いくつかの特定の実施形態では、RNAガイドは、例えば、ゲノム遺伝子座の特異的DNA鎖に対して相補的であるように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、DNA標的化配列は、例えば、ゲノム遺伝子座の特異的DNA鎖に対して相補的であるように設計される。
【0204】
RNAガイドは、参照核酸配列の相補鎖に対して実質的に同一であってもよい。いくつかの実施形態では、RNAガイドは参照核酸配列、例えば、標的核酸の相補鎖に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有する配列を含む。そのような2つの核酸の間のパーセント同一性は、2つの最適にアライメントされた核酸配列の精査によって手動で、又は標準的パラメータを使用したソフトウェア若しくはアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用することによって決定することができる。
【0205】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的核酸の相補鎖に対して、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有する。
【0206】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、11~50ヌクレオチド(例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35ヌクレオチド)の長さであり、標的核酸に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的であるスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的DNA配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的ゲノム配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、例えば、最大50の長さであり、標的核酸に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的であるRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的DNA配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的ゲノム配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的な配列を含む。
【0207】
ある特定の実施形態では、RNAガイドは、DNA標的化配列に結合したダイレクトリピート配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれを構成する。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、ダイレクトリピート配列及びDNA標的化配列、又はダイレクトリピート-DNA標的配列-ダイレクトリピート配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは切断型ダイレクトリピート配列と、処理された又は成熟crRNAに典型的なDNA標的化配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチドは、RNAガイドと複合体を形成し、RNAガイドは、複合体をRNAガイドの少なくとも一部に相補的である部位特異的標的核酸と会合するように向ける。
【0208】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、表3に記載の配列又は表3に記載の配列の一部に対して少なくとも90%同一である。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、表3に記載の配列又は表3に記載の配列の一部に対して少なくとも95%(例えば少なくとも97%、少なくとも99%、又は少なくとも100%)同一である。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、表3に記載の配列又は表3に記載の配列の一部に対して同一である。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4~6のいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を含む。
【0209】
【0210】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、UGUGGUUCCGAC(配列番号7)に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号7に記載の配列を含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドに対応するPAMは、5’-NTN-3’、5’-HTN-3’、又は5’-TNA-3’を含む。本明細書で使用される場合、Nはそれぞれ、任意のヌクレオチド(例えば、A、G、T、又はC)又はそのサブセット(例えば、R(A又はG)、Y(C又はT)、K(G又はT)、B(G、T、又はC)、H(A、C、又はT)であり得る。いくつかの実施形態では、PAMは、5’-CTG-3’を含む。いくつかの実施形態では、PAMは、5’-CTG-3’を含む。いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドを含む二成分複合体は、5’-NTN-3’、5’-HTN-3’、又は5’-TNA-3’配列に隣接する標的核酸に結合する。いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドを含む二成分複合体は、5’-CTG-3’又は5’-CTC-3’配列に隣接する標的核酸に結合する。
【0212】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物又は複合体は、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8個、又はそれ以上)のRNAガイド、例えば、複数のRNAガイドを含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、国際公開第2014/093622号パンフレット及び同第2015/070083号パンフレット(それらの各々の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる)のRNAガイドに類似した構造を有する。
【0214】
特に明記しない限り、本明細書に提供される全ての組成物及び複合体、並びにポリペプチドは、その組成物又は複合体若しくはポリペプチドの活性レベルを参照して作製され、市販の供給源において存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は含まない。酵素成分の重量は、全活性タンパク質に基づく。全てのパーセンテージ及び比率は、特に明記されない限り、重量で計算される。全てのパーセンテージ及び比率は、特に明記されない限り、全組成に基づいて計算される。例示された組成では、酵素レベルは、全組成の重量で純粋な酵素によって表され、特に指定のない限り、成分は全組成の重量で表される。
【0215】
修飾
RNAガイド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸配列のいずれかは、参照配列、特に親ポリリボヌクレオチドに関して1つ以上の共有結合修飾を含んでもよく、これは本開示の範囲内に含まれる。
【0216】
例示的な修飾としては、例えば、糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合への(例えば、リン酸結合への/ホスホジエステル結合への/ホスホジエステルバックボーンへの)、及びそれらの任意の組み合わせへのいずれかの修飾を含むことができる。本明細書に提供される例示的な修飾のいくつかは、以下に詳細に記載される。
【0217】
RNAガイド又は変異体ポリペプチドの成分をコードする核酸配列のいずれかは、例えば、糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合への(例えば、リン酸結合への/ホスホジエステル結合への/ホスホジエステルバックボーンへの)、及びそれらの任意の組み合わせへのいずれかの有用な修飾を含むことができる。ピリミジン核酸塩基の1つ以上の原子は、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたチオール、任意選択で置換されたアルキル(例えば、メチル若しくはエチル)、又はハロ(例えば、クロロ若しくはフルオロ)で置き換えられるか、又は置換されてもよい。ある特定の実施形態では、修飾(例えば、1つ以上の修飾)は、糖及びヌクレオシド間結合の各々に存在する。修飾は、リボ核酸(RNA)のデオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、又はそれらのハイブリッドに対する修飾であり得る。追加の修飾は、本明細書に記載されている。
【0218】
いくつかの実施形態では、修飾は、化学的修飾又は細胞誘発修飾を含み得る。例えば、細胞内RNA修飾のいくつかの非限定的な例は、Nat Reviews Mol Cell Biol,2017,18:202-210から“RNA modifications and structures cooperate to guide RNA-protein interactions”においてLewis and Panによって記載されている。
【0219】
異なる糖修飾、ヌクレオチド修飾、及び/又はヌクレオシド間結合(例えば、バックボーン構造)は、配列の様々な位置で存在してもよい。当業者であれば、ヌクレオチド類似体又は他の修飾が配列の任意の位置に配置されてもよく、それによって配列の機能は実質的に減少されないことを理解するであろう。配列は、約1%~約100%の修飾ヌクレオチド(ヌクレオチド含量の全体に関して、又はヌクレオチドの1つ以上のタイプ、すなわちA、G、U、又はCのいずれか1つ以上に関してのいずれかで)又は任意のそれらの間のパーセンテージ(例えば、1%~20%>、1%~25%、1%~50%、1%~60%、1%~70%、1%~80%、1%~90%、1%~95%、10%~20%、10%~25%、10%~50%、10%~60%、10%~70%、10%~80%、10%~90%、10%~95%、10%~100%、20%~25%、20%~50%、20%~60%、20%~70%、20%~80%、20%~90%、20%~95%、20%~100%、50%~60%、50%~70%、50%~80%、50%~90%、50%~95%、50%~100%、70%~80%、70%~90%、70%~95%、70%~100%、80%~90%、80%~95%、80%~100%、90%~95%、90%~100%、及び95%~100%)の修飾ヌクレオチドを含んでもよい。
【0220】
いくつかの実施形態では、糖修飾(例えば、2’位若しくは4’位での)又は配列の1つ以上のリボヌクレオチドでの糖の置き換え、並びにバックボーン修飾は、ホスホジエステル結合の修飾又は置き換えを含んでもよい。配列の具体的な例としては、限定されないが、ホスホジエステル結合の修飾又は置き換えを含む、修飾バックボーン又はヌクレオシド間修飾などの非天然ヌクレオシド間結合を含む配列が挙げられる。修飾バックボーンを有する配列としては、とりわけバックボーンにリン原子を有さないものが挙げられる。本出願の目的のために、また当該技術分野において言及されることがあるように、それらのヌクレオシド間バックボーンにリン原子を有さない修飾RNAはまた、オリゴヌクレオシドであると見なされ得る。特定の実施形態では、配列は、そのヌクレオシド間バックボーンにリン原子を有するリボヌクレオチドを含むであろう。
【0221】
修飾配列のバックボーンとしては、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチル及び他のアルキルホスホネート、例えば、3’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネート、ホスフィネート、ホスホロアミデート、例えば、3’-アミノホスホロアミデート及びアミノアルキルホスホロアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、及び通常の3’-5’結合を有するボラノホスフェート、これらの2’-5’結合類似体、並びにヌクレオシド単位の隣接する対が3’-5’から5’-3’に又は2’-5’から5’-2’に結合している反転した極性を有するものを挙げることができる。様々な塩、混合塩及び遊離酸形態も含まれる。いくつかの実施形態では、配列は負に帯電していても正に帯電していてもよい。
【0222】
配列に組み込むことができる修飾ヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合(例えば、リン酸バックボーン)上で修飾され得る。したがって、ポリヌクレオチドバックボーンに関して、「リン酸」及び「ホスホジエステル」という語句は、互換的に使用される。バックボーンリン酸基は、酸素原子のうちの1つ以上を異なる置換基で置き換えることによって修飾され得る。更に、修飾ヌクレオシド及びヌクレオチドは、未修飾リン酸部分の本明細書に記載されるような別のヌクレオシド間結合による大規模な置き換えを含み得る。修飾リン酸基の例としては、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノホスフェートエステル、水素ホスホネート、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、アルキル又はアリールホスホネート、及びホスホトリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。ホスホロジチオエートは、硫黄によって置き換えられている両方の非連結酸素を有する。リン酸リンカーはまた、窒素(架橋ホスホロアミデート)、硫黄(架橋ホスホロチオエート)、及び炭素(架橋メチレン-ホスホネート)による連結酸素の置き換えによっても修飾され得る。
【0223】
α-チオ置換リン酸部分は、非天然ホスホロチオエートバックボーン結合を通して、RNA及びDNAポリマーに安定性を付与するために提供される。ホスホロチオエートDNA及びRNAはヌクレアーゼ提供性の増加を有し、その後細胞内環境においてより長い半減期を有するようになる。
【0224】
具体的な実施形態では、修飾ヌクレオシドとしては、アルファ-チオ-ヌクレオシド(例えば、5’-O-(1-チオホスフェート)-アデノシン、5’-O-(1-チオホスフェート)-シチジン(a-チオ-シチジン)、5’-O-(1-チオホスフェート)-グアノシン、5’-O-(1-チオホスフェート)-ウリジン、又は5’-O-(1-チオホスフェート)-シュードウリジン)が挙げられる。
【0225】
リン原子を含有しないヌクレオシド間結合が含まれる、本開示に従って利用され得る他のヌクレオシド間結合が、本明細書に記載されている。
【0226】
いくつかの実施形態では、配列は、1つ以上の細胞傷害性ヌクレオシドを含んでもよい。例えば、細胞傷害性ヌクレオシドは、二機能性修飾として配列に組み込まれてもよい。細胞傷害性ヌクレオシドとしては、アデノシンアラビノシド、5-アザシチジン、4’-チオ-アラシチジン、シクロペンテニルシトシン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、シトシンアラビノシド、1-(2-C-シアノ-2-デオキシ-ベータ-D-アラビノ-ペントフラノシル)-シトシン、デシタビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、フロクスウリジン、ゲムシタビン、テガフールとウラシルの組み合わせ、テガフール((RS)-5-フルオロ-1-(テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン)、トロキサシタビン、テザシタビン、2’-デオキシ-2’-メチリデンシジチン(DMDC)、及び6-メルカプトプリンを挙げることができるが、これらに限定されない。追加の例としては、リン酸フルダラビン、N4-ベヘノイル-1-ベータ-D-アラビノフラノシルシトシン、N4-オクタデシル-1-ベータ-D-アラビノフラノシルシトシン、N4-パルミトイル-1-(2-C-シアノ-2-デオキシ-ベータ-D-アラビノ-ペントフラノシル)シトシン、及びP-4055(シタラビン5’-エライジン酸エステル)が挙げられる。
【0227】
いくつかの実施形態では、配列は、1つ以上の翻訳後修飾(例えば、キャッピング、切断、ポリアデニル化、スプライシング、ポリ-A配列、メチル化、アシル化、リン酸化、リジン及びアルギニン残基のメチル化、アセチル化、並びにチオール基及びチオシン残基のニトロシル化など)を含む。1つ以上の翻訳後修飾は、RNA中で特定された100個を超える異なるヌクレオシド修飾のいずれかなどの任意の転写後修飾であり得る(Rozenski,J,Crain,P,and McCloskey,J.(1999).The RNA Modification Database:1999 update.Nucl Acids Res 27:196-197)。いくつかの実施形態では、最初に単離された核酸は、メッセンジャーRNA(mRNA)を含む。いくつかの実施形態では、mRNAは、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオウリジン、4-チオ-シュードウリジン、2-チオ-シュードウリジン、5-ヒドロキシウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-シュードウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-シュードウリジン、5-タウリノメチルウリジン、1-タウリノメチル-シュードウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-シュードウリジン、4-チオ-1-メチル-シュードウリジン、2-チオ-1-メチル-シュードウリジン、1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロシュードウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロシュードウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-シュードウリジン、及び4-メトキシ-2-チオ-シュードウリジンからなる群から選択される少なくとも1つのヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、mRNAは、5-アザ-シチジン、シュードイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチルシチジン、5-ホルミルシチジン、N4-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、1-メチル-シュードイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-シュードイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-シュードイソシチジン、4-チオ-1-メチル-シュードイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-シュードイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-シュードイソシチジン、及び4-メトキシ-1-メチル-シュードイソシチジンからなる群から選択される1つ以上のヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、mRNAは、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン、N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルチオ-N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、7-メチルアデノシン、2-メチルチオ-アデニン、及び2-メトキシ-アデニンからなる群から選択される少なくとも1つのヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、mRNAは、イノシン、1-メチル-イノシン、ウィオシン、ウィブトシン、7-デアザ-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチルイノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、及びN2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシンからなる群から選択される少なくとも1つのヌクレオシドを含む。
【0228】
配列は、分子の全長に沿って均一に修飾されても又は修飾されなくてもよい。例えば、ヌクレオチドの1つ以上又は全てのタイプ(例えば、天然に存在するヌクレオチド、プリン、若しくはピリミジン、又はA、G、U、C、I、pUのうちのいずれか1つ以上若しくは全て)は、配列において、若しくはその所定の配列領域において、均一に修飾されても又は修飾されなくてもよい。いくつかの実施形態では、配列は、シュードウリジンを含む。いくつかの実施形態では、配列はイノシンを含み、これは免疫系において配列をウイルスRNAに対して内因性RNAとして特徴付けることで役立つ。イノシンの組込みはまた、改善されたRNA安定性/低減した分解を媒介し得る。例えば、その全体が参照により組み込まれる、Yu,Z.et al.(2015)RNA editing by ADAR1 marks dsRNA as“self”.Cell Res.25,1283-1284を参照されたい。
【0229】
標的核酸
本明細書に開示される方法は、様々な標的核酸に適用可能である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、DNA遺伝子座などのDNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、RNA遺伝子座又はmRNAなどのRNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、一本鎖(例えば、一本鎖DNA)である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、二本鎖(例えば、二本鎖DNA)である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、一本鎖及び二本鎖領域の両方を含む。いくつかの実施形態では、標的核酸は、直線状である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、環状である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、メチル化ヌクレオチド、損傷したヌクレオチド、又はヌクレオチド類似体などの1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、標的核酸は、修飾されていない。
【0230】
標的核酸は任意の長さのものであってもよく、例えば、約100bp、200bp、500bp、1000bp、2000bp、5000bp、10kb、20kb、50kb、100kb、200kb、500kb、1Mb、又はそれ以上の長さのうちの少なくともいずれか1つである。標的核酸はまた、任意の配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、標的核酸は、GCリッチであり、例えば、約40%、45%、50%、55%、60%、65%、又はそれより高いGC含量のうちの少なくともいずれか1つを有する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、少なくとも約70%、80%、又はそれ以上のGC含量を有する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、非GCリッチ標的核酸中のGCリッチ断片である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、GCリッチではない。いくつかの実施形態では、標的核酸は、1つ以上の二次構造又はより高次の構造を有する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的核酸を変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体によってアクセス不能にするために、クロマチンなどの凝縮状態にはない。
【0231】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞の核中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞に対して内因性である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、ゲノムDNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、染色体DNAである。一実施形態では、標的核酸は、染色体外核酸である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、タンパク質コード遺伝子若しくはその機能的領域、例えば、コード領域、又は調節要素、例えば、プロモーター、エンハンサー、5’若しくは3’非翻訳領域などである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、非コード遺伝子、例えば、トランスポゾン、miRNA、tRNA、リボソームRNA、リボザイム、又はlincRNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、プラスミドである。
【0232】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞に対して外因性である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、ウイルス核酸、例えば、ウイルスDNA又はウイルスRNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、水平伝播プラスミドである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞のゲノム中に組み込まれる。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞のゲノム中には組み込まれない。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞中のプラスミドである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、染色体外配列(extrachromosomal array)中に存在する。
【0233】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、単離された核酸、例えば、単離されたDNA又は単離されたRNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、無細胞環境中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、単離されたベクター、例えば、プラスミドである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、超高純度プラスミドである。
【0234】
標的核酸は、RNAガイドにハイブリダイズする標的核酸のセグメントである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的核酸の1つのコピーのみを有する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的核酸の2つ以上のコピー、例えば、約2、3、4、5、10、100、又はそれ以上のコピーの少なくともいずれか1つを有する。例えば、ウイルス核酸又は細菌のゲノム中の反復配列を含む標的核酸は、変異体リボ核タンパク質によって標的化され得る。
【0235】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的核酸の容易にアクセス可能な領域中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的遺伝子のエクソン中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的遺伝子のエクソン-イントロン接合部にわたってある。いくつかの実施形態では、標的核酸は、非コード領域、例えば、遺伝子の調節領域中に存在する。標的核酸が細胞に対して外因性であるいくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞のゲノム中では見出されない配列を含む。
【0236】
好適なDNA/RNA結合条件には、細胞において通常存在する生理学的条件が含まれる。他の好適なDNA/RNA結合条件(例えば、無細胞系における条件)は、当該技術分野において既知であり、例えば、上記のSambrookを参照されたい。RNAガイドに相補的であり、RNAガイドにハイブリダイズする標的核酸の鎖は「相補鎖」と称され、「相補鎖」に相補的である(したがって、RNAガイドに相補的ではない)標的核酸の鎖は、「非相補鎖(noncomplementary strand)」又は「非相補鎖(non-complementary strand)」と称される。
【0237】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、配列番号8、10、12、14、16、18、20、及び22のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む。
【0238】
二成分複合体
本明細書に記載の二成分複合体は、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAガイドと会合する変異体ポリペプチドを含み、各RNAガイドは、DNAなどの標的核酸を標的とする。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(例えば、変異体二成分複合体)は、標的核酸にニックを入れるか又は切断することができる、ヌクレアーゼ活性などの酵素活性を含む。変異体ポリペプチド及びRNAガイドは、単独でも一緒でも天然には存在しない。変異体ポリペプチドとRNAガイドとの間の複合体形成は、親ポリペプチド及びRNAガイドと比較して、2つの間の安定性及び/又はタンパク質-RNA相互作用を増強することができる。
【0239】
一般に、変異体ポリペプチド及びターゲティング部分(例えば、RNAガイド)は、約1:1のモル比で互いに結合して、変異体二成分複合体を形成する。
変異体二成分複合体を形成するための変異体ポリペプチド及びターゲティング部分(例えば、RNAガイド)の結合は、RNAガイドをポリペプチドにロードすることと称される。
【0240】
いくつかの実施形態では、二成分複合体は、ワンガイドルールに従い、すなわち、変異体ポリペプチドは複合体中の結合したRNAガイドから解離しないか、又は遊離の非結合RNAを有するRNAガイドを切り替える。いくつかの実施形態では、三成分複合体は、1-二成分複合体規則に従う、すなわち、変異体二成分複合体は、結合した標的核酸(例えば、標的DNA基質)から解離しないか、又は標的核酸を遊離した非結合核酸に切り替えることはない。
【0241】
二成分複合体の機能性
いくつかの態様では、変異体二成分複合体は、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性の少なくとも1つを増強する少なくとも1つの改変又は変異を有する変異体ポリペプチドを含む。
【0242】
いくつかの態様では、変異体二成分複合体は、少なくとも1つの改変又は変異を有する変異体ポリペプチドを含み、変異体二成分複合体は、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体解離、標的核酸からの解離のうちの少なくとも1つが減少している。
【0243】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチド及びターゲティング部分(例えば、RNAガイド)は変異体二成分複合体を形成し、この変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比較して、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増加を示す。
【0244】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体の酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つを、親二成分複合体の酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性よりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%増加させる、少なくとも1つの改変又は変異を有する変異体ポリペプチドを含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃~約65℃の範囲の温度、例えば約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つの温度で、親二成分複合体と比較して、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増強を示す。
【0246】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpH(例えば、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、又はこれらの値を任意に組み合わせた範囲の任意の値)を有する緩衝液中で、親二成分複合体と比較して、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増強を示す。
【0247】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値より少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃高い場合、親二成分複合体と比較して、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増強を示す一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃高い場合、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増強を示す。
【0248】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比較して、少なくとも約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上のインキュベーション時間にわたって、約37℃での酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増加を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比較して、様々なインキュベーション時間で、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増加を示す。
【0249】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチド及びターゲティング部分(例えば、RNAガイド)は変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比較して、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体の解離、及び/又は標的核酸からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体の非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体の解離、及び/又は標的核酸からの解離より、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%低い、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体の解離、及び/又は標的核酸からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0250】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体の非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体の解離、及び/又は標的核酸からの解離より、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%低い、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体の解離、及び/又は標的核酸からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0251】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃~約65℃の範囲の温度、例えば約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つの温度で、親二成分複合体と比較して、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体の解離、及び/又は標的核酸からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0252】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpH(例えば、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、又はこれらの値を任意に組み合わせた範囲の任意の値)を有する緩衝液中で、親二成分複合体と比較して、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体の解離、及び/又は標的核酸からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0253】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値より少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃高い場合、親二成分複合体と比較して、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体の解離、及び/又は標的核酸からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃高い場合、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、二成分複合体の解離、及び/又は標的核酸からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0254】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親ポリペプチド及びRNAガイドによって形成される複合体と比較して、少なくとも約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上のインキュベーション時間にわたって、約37℃での複合体(変異二成分複合体又は変異三成分複合体)の解離及び/又は標的遺伝子座からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親ポリペプチド及びRNAガイドによって形成される複合体と比較して、様々なインキュベーション時間で、複合体(変異二成分複合体又は変異三成分複合体)の解離及び/又は標的遺伝子座からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0255】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二元性複合体と比較して、少なくとも約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上のインキュベーション時間にわたって、約37℃での複合体(変異二成分複合体又は変異三成分複合体)の解離及び/又は標的遺伝子座からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比較して、様々なインキュベーション時間で、複合体(変異二成分複合体又は変異三成分複合体)の解離及び/又は標的遺伝子座からの解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0256】
三成分複合体
本明細書に記載の三成分複合体は、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAガイドと会合する(すなわち、変異体二成分複合体を形成する)変異体ポリペプチドを含み、各RNAガイドは、DNAなどの標的核酸を標的として会合する(すなわち、変異体三成分複合体を形成する)。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(例えば、変異体二成分複合体)は、変異体三成分複合体の標的核酸にニックを入れるか又は切断することができる、ヌクレアーゼ活性などの酵素活性を含む。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、ヌクレアーゼ活性などの酵素活性を含む。変異体ポリペプチド、RNAガイド、及び標的核酸は、単独でも一緒でも天然には存在しない。
【0257】
一般に、変異体二成分複合体、例えば変異体ポリペプチド及びターゲティング部分は、約1:1のモル比で標的核酸に結合して、変異体三成分複合体を形成する。変異体三成分複合体を形成するための、変異体二成分複合体の標的核酸、例えば標的DNA基質への結合は、変異体二成分複合体を標的核酸にロードすることと称される。
【0258】
一般に、変異体ポリペプチド、ターゲティング部分(例えば、RNAガイド)、及び標的核酸は、約1:1:1のモル比で互いに会合して、変異体三成分複合体を形成する。
【0259】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、変異体二成分複合体又は複数の変異体二成分複合体の1つ以上の標的遺伝子座を含む。いくつかの実施形態では、標的核酸は、変異体二成分複合体又は複数の変異体二成分複合体の1つ以上の非標的遺伝子座を含む。
【0260】
三成分複合体の機能性
いくつかの態様では、変異体三成分複合体は、少なくとも1つの改変又は変異を有する変異体ポリペプチドを含み、変異体三成分複合体は、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性の少なくとも1つが増強されている。
【0261】
いくつかの態様では、変異体三成分複合体は、少なくとも1つの改変又は変異を有する変異体ポリペプチドを含み、変異体三成分複合体は、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体の解離のうちの少なくとも1つが減少している。
【0262】
いくつかの態様では、変異体二成分複合体及び標的核酸(例えば、DNA)は変異体三成分複合体を形成し、この変異体三成分複合体は、親二成分複合体と比較して、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増加を示す。
【0263】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、親二成分複合体の酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性よりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%大きい、変異体三成分複合体の酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つを示す。
【0264】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約20℃~約65℃の範囲の温度、例えば約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つの温度で、親三成分複合体と比較して、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増強を示す。
【0265】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpH(例えば、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、又はこれらの値を任意に組み合わせた範囲の任意の値)を有する緩衝液中で、親三成分複合体と比較して、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増強を示す。
【0266】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体のTm値が親三成分複合体のTm値より少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合、親三成分複合体と比較して、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増強を示す一実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体のTm値が親三成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃高い場合、酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増強を示す。
【0267】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、親三成分複合体と比較して、少なくとも約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上のインキュベーション時間にわたって、約37℃での酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、親三成分複合体と比較して、様々なインキュベーション時間で酵素活性、標的核酸複合体形成、標的核酸結合活性、標的核酸親和性、標的核酸結合特異性、タンパク質-核酸相互作用、三成分複合体形成、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合特異性、及び/又は安定性のうちの少なくとも1つの増加を示す。
【0268】
いくつかの態様では、変異体二成分複合体及び標的核酸(例えば、DNA)は変異体三成分複合体を形成し、変異体三成分複合体は、親二成分複合体と比較して、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体の解離、のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0269】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、親二成分複合体の標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体の解離より、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%低い、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体の解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0270】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つの温度で、親三成分複合体と比較して、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体の解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0271】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、親三成分複合体と比較して、約20℃~約65℃の温度範囲にわたって、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約37℃で、親三成分複合体と比較して、少なくとも約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上のいずれか1つのインキュベーション時間にわたって、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体の解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、親三成分複合体と比較して、様々なインキュベーション時間で、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0272】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で、親三成分複合体と比較して、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。一実施形態では、変異体三成分複合体は、約7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、又は8.6のpHで、親三成分複合体と比較して、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0273】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体のTm値が参照分子のTm値、又は参照値のTm、例えば親三成分複合体のTmより少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃高い場合、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。一実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体のTm値が参照分子のTm値、又は参照値のTm、例えば親三成分複合体のTmより少なくとも8℃高い場合、標的遺伝子座からの解離、非標的核酸へのオフターゲット結合、標的核酸の非標的遺伝子座での活性、及び/又は三成分複合体解離のうちの少なくとも1つの減少を示す。
【0274】
いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約37℃で、少なくとも約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上のいずれか1つのインキュベーション時間にわたって、親三成分複合体と比較して、安定性の増加を示す。いくつかの実施形態では、変異三成分複合体は、親三成分複合体と比較して、様々なインキュベーション時間で、安定性の増加を示す。
【0275】
いくつかの態様では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比較して、標的核酸の非標的遺伝子座での活性の減少を示す。いくつかの実施形態では、非標的活性は、オンターゲット遺伝子座配列から特定のレーベンシュタイン距離(例えば、1、2、3、又は4の編集距離)のPAM隣接配列で評価される。いくつかの実施形態では、変異二成分複合体による非標的遺伝子座での活性は、親二成分複合体による非標的遺伝子座での活性よりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%低い可能性がある。
【0276】
調製
いくつかの実施形態では、本開示の変異体ポリペプチドは、(a)本開示の変異体ポリペプチドを産生する細菌を培養し、変異体ポリペプチドを単離し、任意選択で変異体ポリペプチドを精製し、及び変異体ポリペプチドをRNAガイドと複合体化することによって調製することができる。変異体ポリペプチドはまた、(b)既知の遺伝子工学技術によって、具体的には本開示の変異体ポリペプチドをコードする遺伝子を細菌から単離し、組換え発現ベクターを構築し、次いで、ベクターを宿主細胞中でRNAガイドと複合体化する組換えタンパク質の発現のためのRNAガイドを発現する適切な宿主細胞中にベクターを移動させることによって調製することもできる。或いは、変異体ポリペプチドは、(c)インビトロ結合転写-翻訳システムによって、次いで、RNAガイドと複合体化することによって調製することができる。本開示の変異体ポリペプチドの調製に使用され得る細菌は、それらが本開示の変異体ポリペプチドを産生することができる限り、特に限定されない。細菌のいくつかの非限定的な例としては、本明細書に記載される大腸菌(E.coli)細胞が挙げられる。
【0277】
ベクター
本開示は、本明細書に記載の変異体ポリペプチドを発現するためのベクターを提供するか、又は本明細書に記載の変異体ポリペプチドをコードする核酸はベクター中に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、本開示のベクターは、変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0278】
本開示はまた、本明細書に記載されるような変異体ポリペプチド、又は変異体ポリペプチドを含む組成物の調製に使用され得るベクターを提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の組成物又はベクターを細胞中に含む。いくつかの実施形態では、本開示は、変異体ポリペプチドを含む組成物、又は変異体ポリペプチドをコードするベクター若しくは核酸を細胞中で発現する方法を含む。方法は、組成物、例えば、ベクター又は核酸を提供する工程と、組成物を細胞に送達する工程とを含み得る。
【0279】
天然又は合成ポリヌクレオチドの発現は、典型的には、目的の遺伝子をコードするポリヌクレオチド、例えば、変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をプロモーターに作動可能に連結し、構築物を発現ベクター中に組み込むことによって達成される。発現ベクターは、それが本開示の変異体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、真核生物細胞中での複製及び組込みに好適であり得る限り、特に限定されない。
【0280】
典型的な発現ベクターは、所望のポリヌクレオチドの発現に有用な転写及び翻訳ターミネーター、開始配列、並びにプロモーターを含み得る。例えば、RNAポリメラーゼのための認識配列を担持するプラスミドベクター(pSP64、pBluescriptなど)が使用されてもよい。レンチウイルスなどのレトロウイルスに由来するものを含むベクターは、それらが導入遺伝子の長期的且つ安定した組込み及び娘細胞へのその増殖を可能にするため、長期的な遺伝子導入を達成するために好適なツールである。ベクターの例としては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、シーケンシングベクターが挙げられる。発現ベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に提供されてもよい。
【0281】
ウイルスベクター技術は当該技術分野において周知であり、様々なウイルス学及び分子生物学マニュアルに記載されている。ベクターとして有用であるウイルスとしては、ファージウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、及びレンチウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、好適なベクターは、少なくとも1つの生物において機能する複製起点、プロモーター配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位、及び1つ以上の選択可能なマーカーを含有する。
【0282】
ベクターの種類は特に限定されず、宿主細胞中で発現され得るベクターを適宜選択することができる。更に具体的に言うと、宿主細胞の種類に応じて、変異体ポリペプチドのポリヌクレオチドからの発現を確実にするためにプロモーター配列が適宜選択され、このプロモーター配列及びポリヌクレオチドが発現ベクターの調製のために様々なプラスミドなどのいずれかに挿入される。
【0283】
更なるプロモーター要素、例えば、増強化配列は転写開始の頻度を調節する。典型的には、これらは開始部位の30~110bp上流の領域に位置するが、プロモーターの数は細菌、開始部位の下流の機能的要素も同様に含有することが示されている。プロモーターに応じて、個々の要素が協調的又は独立して機能して、転写を活性化することができると思われる。
【0284】
更に、本開示は、構成的プロモーターの仕様に限定されるべきではない。誘導性プロモーターも本開示の一部として企図される。誘導性プロモーターの使用は分子スイッチを提供し、分子スイッチはポリヌクレオチド配列の発現が望ましい場合に作動可能に連結しているポリヌクレオチド配列の発現をオンにすることができるか、又はその発現が望ましくない場合に発現をオフにすることができる。誘導性プロモーターの例としては、メタロチオニンプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、及びテトラサイクリンプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0285】
導入される発現ベクターはまた、選択性マーカー遺伝子又はレポーター遺伝子のいずれか、又は両方を含有することができ、ウイルスベクターを通してトランスフェクト又は感染されようとする細胞の集団からの発現細胞の同定及び選択を容易にする。他の態様では、選択性マーカーは、DNAの別個の部分で運ばれ、コトランスフェクション手法で使用され得る。選択可能なマーカー及びレポーター遺伝子の両方は、適切な転写制御配列によって隣接され、宿主細胞中の発現を可能にすることができる。そのようなマーカーの例としては、真核生物細胞培養については、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子及びネオマイシン耐性遺伝子、並びに大腸菌(E.coli)及び他の細菌の培養については、テトラサイクリン耐性遺伝子及びアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。そのような選択マーカーを使用することによって、本開示の変異体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが宿主細胞中に移動され、次いで、間違いなく発現されたかどうかを確認することができる。
【0286】
組換え発現ベクターのための調製方法は特に限定されず、その例としては、プラスミド、ファージ、又はコスミドを使用する方法が挙げられる。
【0287】
発現の方法
本開示は、本明細書に記載の変異体ポリペプチドを翻訳することを含む、タンパク質発現のための方法を含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の宿主細胞は、変異体ポリペプチドを発現するために使用される。宿主細胞は特に限定されず、様々な既知の細胞が好ましく使用され得る。宿主細胞の具体的な例としては、大腸菌(E.coli)などの細菌、酵母(出芽酵母、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、及び分裂酵母、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe))、線虫(カエノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans))、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞、及び動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、及びHEK293細胞)が挙げられる。上記の発現ベクターを宿主細胞中に転移させるための方法、すなわち形質転換法は特に限定されず、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム法、リポソーム法、及びDEAEデキストラン法などの既知の方法を使用することができる。
【0289】
宿主が発現ベクターで形質転換された後に、変異体ポリペプチドの産生のために宿主細胞を培養し、栽培し、又は育種することができる。変異体ポリペプチドの発現後に、宿主細胞を回収し、従来の方法(例えば、濾過、遠心分離、細胞破壊、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなど)に従って、変異体ポリペプチドを培養物などから生成することができる。
【0290】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド発現のための方法は、変異体ポリペプチドの少なくとも5個のアミノ酸、少なくとも10個のアミノ酸、少なくとも15個のアミノ酸、少なくとも20個のアミノ酸、少なくとも50個のアミノ酸、少なくとも100個のアミノ酸、少なくとも150個のアミノ酸、少なくとも200個のアミノ酸、少なくとも250個のアミノ酸、少なくとも300個のアミノ酸、少なくとも400個のアミノ酸、少なくとも500個のアミノ酸、少なくとも600個のアミノ酸、少なくとも700個のアミノ酸、少なくとも800個のアミノ酸、少なくとも900個のアミノ酸、又は少なくとも1000個のアミノ酸の翻訳を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質発現のための方法は、変異体ポリペプチドの約5個のアミノ酸、約10個のアミノ酸、約15個のアミノ酸、約20個のアミノ酸、約50個のアミノ酸、約100個のアミノ酸、約150個のアミノ酸、約200個のアミノ酸、約250個のアミノ酸、約300個のアミノ酸、約400個のアミノ酸、約500個のアミノ酸、約600個のアミノ酸、約700個のアミノ酸、約800個のアミノ酸、約900個のアミノ酸、約1000個のアミノ酸、又はそれ以上の翻訳を含む。
【0291】
様々な方法を宿主細胞中の成熟変異体ポリペプチドの産生のレベルを決定するために使用することができる。そのような方法としては、例えば、本明細書の他の箇所で記載されるような変異体ポリペプチドに特異的なポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体のいずれか、又は標識付けタグを利用する方法が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な方法としては、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、及び蛍光活性化セルソーティング(FACS)が挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他のアッセイは、当該技術分野において周知である(例えば、Maddox et al.,J.Exp.Med.158:1211[1983]を参照されたい)。
【0292】
本開示は、変異体ポリペプチドの細胞中のインビボ発現の方法であって、変異体ポリペプチドをコードするポリリボヌクレオチドを宿主細胞に提供することであって、ポリリボヌクレオチドが変異体ポリペプチドをコードする、提供することと、変異体ポリペプチドを細胞中で発現することと、変異体ポリペプチドを細胞から得ることと、を含む方法を提供する。
【0293】
改変又は突然変異の導入
変異体ポリペプチドをコードする核酸配列又は変異体ポリペプチドは、当該技術分野において既知の合成方法によって生成することができる。親ポリペプチドそれ自体をコードする核酸配列をフレームワークとして使用して、改変又は突然変異を1回以上挿入し、親ポリペプチドをコードする核酸配列を改変することができる。同じように考えて、変化をポリペプチド配列にそれが実効的に合成されるときに導入することによって親ポリペプチドを改変するか、又は突然変異させてもよい。これは、当該技術分野において周知の方法によって達成することができる。
【0294】
親ポリペプチド配列への改変又は突然変異の産生及び導入は、当業者に既知の任意の方法を使用して達成され得る。特に、いくつかの実施形態では、PCRのためのオリゴヌクレオチドプライマーを、変異体ポリペプチドをコードする核酸配列中に1つ以上の改変又は突然変異を含むDNAテンプレートの迅速な合成のために使用することができる。部位特異的突然変異導入もまた、基礎となるDNAの特定の突然変異誘発を通して、個々のペプチド又は生物学的に機能的に同等のタンパク質若しくはペプチドの調製に有用な技術として使用することもできる。1つ以上のヌクレオチド配列変化をDNAに導入することによって、前述した考慮事項のうちの1つ以上を組み込む技術は、変異体を調製し、試験するための容易な能力を更に提供する。部位特異的突然変異導入は、所望の突然変異のDNA配列をコードする特定のオリゴヌクレオチド配列、並びに十分な数の隣接するヌクレオチドの使用を通して変異体の産生を可能にし、十分なサイズ及び配列複雑性のプライマー配列を提供して、通過される欠失接合部の両側に安定した二本鎖を形成する。典型的には、約17~25ヌクレオチド長のプライマーが好ましく、改変される配列の接合部の両側に約5~10個の残基を有する。
【0295】
アミノ末端伸長部及び/又はカルボキシル末端伸長部のようなポリペプチドの融合部などの構造変化の導入は、改変又は突然変異の親ポリペプチドの導入と同様な様式で達成することができる。追加のペプチドは、追加のペプチドをコードする適切な核酸配列を親ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸配列に含めることによって、親ポリペプチド又は変異体ポリペプチドに添加され得る。任意選択で、追加のペプチドは、合成ポリペプチド産生を通して変異体ポリペプチドに直接付加されてもよい。
【0296】
態様では、本開示はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して親ポリペプチド配列と比較すると、標的核酸の2つ以上の遺伝子座(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9個、又はそれ以上)とのオンターゲット結合の増加を有する変異体ポリペプチドを産生するための方法も提供する。
【0297】
態様では、本開示はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して、複数の別個のRNAガイドと個々に複合体化されると、複数の親ポリペプチド及びRNAガイドと比較すると、標的配列の2つ以上の遺伝子座とのオンターゲット結合の増加を有する複数の変異体ポリペプチド(例えば、同じアミノ酸配列を有する別個の変異体ポリペプチド)を産生するための方法も提供する。
【0298】
態様では、本開示はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して親ポリペプチドと比較すると、標的核酸の2つ以上の標的遺伝子座とのオンターゲット三成分複合体形成の増加を有する変異体ポリペプチドを産生するための方法も提供する。
【0299】
態様では、本開示はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して、複数の別個のRNAガイドと個々に複合体化されると、複数の親ポリペプチド及びRNAガイドと比較すると、標的核酸の2つ以上の遺伝子座との三成分複合体形成の増加を有する複数の変異体ポリペプチド(例えば、同じアミノ酸配列を有する別個の変異体ポリペプチド)を産生するための方法も提供する。
【0300】
態様では、本開示はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して親ポリペプチドと比較すると、標的核酸又は標的遺伝子座の標的化の数の増加を示す変異体ポリペプチドを産生するための方法も提供する。
【0301】
態様では、本開示はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して、複数の別個のRNAガイドと個々に複合体化されると、複数の親ポリペプチド及びRNAガイドと比較すると、標的核酸又は標的遺伝子座の標的化の数の増加を示す複数の変異体ポリペプチド(例えば、同じアミノ酸配列を有する別個の変異体ポリペプチド)を産生するための方法も提供する。
【0302】
態様では、本開示はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して、変異体ポリペプチドの安定性を増強させるための方法も提供する。変異体ポリペプチドの安定性は、限定されないが、熱変性アッセイ、サーマルシフトアッセイ、示差走査熱量測定(DSC)、示差走査蛍光定量法(DSF)、等温滴定型熱量測定(ITC)、パルスチェイス法、ブリーチチェイス法、シクロヘキシミドチェイス法、円二色性(CD)分光法、結晶化、及び蛍光ベース活性アッセイによって決定され得るか、又はこれらの技術を含み得る。
【0303】
機能性のための変異体選択
一態様では、本開示は、二成分複合体形成、RNAガイド結合活性、及び/又はRNAガイド結合特異性を増強するための改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入する方法を提供する。
【0304】
一態様では、本開示はまた、三成分複合体形成、オンターゲット結合親和性、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合、及び/又はオンターゲット結合特異性を増強するための改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入する方法を提供する。一態様では、本開示はまた、二成分複合体(例えば、リボ核タンパク質)の、オンターゲット結合親和性(例えば、標的と相互作用する親和性又は時間)、オンターゲット結合活性(例えば、標的と相互作用するときのヌクレアーゼ活性)、オンターゲット結合(例えば、標的との相互作用の強度)、及び/又はオンターゲット結合特異性(例えば、特異的標的に対する優先性)を増強するための改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入する方法を提供する。
【0305】
いくつかの実施形態では、改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入して、オンターゲット結合及び/又は活性が増加した変異体ポリペプチドを生成する。また、そのような実施形態では、変異体ポリペプチドにおいて、オフターゲット結合及び/又は活性を、親ポリペプチドと比較して減少させることができる。更に、オンターゲット結合対オフターゲット結合に関して、特異性が増加又は減少させ得る。
【0306】
いくつかの実施形態では、改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入して、RNAガイドと複合体化された場合にオンターゲット結合が増加した、変異体ポリペプチドを生成する。また、そのような実施形態では、変異体ポリペプチド及びRNAガイドを含む複合体において、オフターゲット結合を減少させることができる。更に、オンターゲット結合/活性対オフターゲット結合/活性に関して、特異性を増加又は減少させ得る。
【0307】
特定の実施形態では、改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入して、安定性及び/又はタンパク質-RNA相互作用を増強する変異体ポリペプチドを生成する。特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、変異体ポリペプチドの安定性及び/又はRNA相互作用並びに酵素活性を促進する少なくとも1つの改変を含む。
【0308】
特定の実施形態では、改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入して、(a)酵素活性を欠くが、(b)安定性及び/又はタンパク質-RNA相互作用の増強を保持する変異体ポリペプチドを生成する。特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、変異体ポリペプチドの安定性及び/又はRNA相互作用を促進するが、酵素活性は促進しない少なくとも1つの改変を含む。
【0309】
特定の実施形態では、改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入して、(a)酵素活性を増強し、(b)二成分複合体形成、RNAガイド結合活性、及び/又はRNAガイド結合特異性を増強する変異体ポリペプチドを生成する。特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、変異体ポリペプチドのRNAガイド複合体形成、RNAガイド結合活性、及び/又はRNAガイド結合特異性、並びに酵素活性を促進する少なくとも1つの改変を含む。
【0310】
特定の実施形態では、改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入して、(a)酵素活性を欠くが、(b)二成分複合体形成、RNAガイド結合活性、及び/又はRNAガイド結合特異性の増強を保持する変異体ポリペプチドを生成する。特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、変異体ポリペプチドの二成分複合体形成、RNAガイド結合活性、及び/又はRNAガイド結合特異性を促進するが、酵素活性は促進しない少なくとも1つの改変を含む。
【0311】
特定の実施形態では、改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入して、(a)酵素活性を増強し、且つ(b)オンターゲット三成分複合体形成、オンターゲット結合親和性、オンターゲット結合活性、及び/又はオンターゲット結合特異性を増強する変異体ポリペプチドを生成する。特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、変異体ポリペプチドのオンターゲット三成分複合体形成、オンターゲット結合親和性、オンターゲット結合活性、及び/又はオンターゲット結合特異性、並びに酵素活性を促進する少なくとも1つの改変を含む。
【0312】
特定の実施形態では、改変又は変異を親ポリペプチド配列に導入して、(a)酵素活性を欠くが、(b)オンターゲット三成分複合体形成、オンターゲット結合親和性、オンターゲット結合活性、及び/又はオンターゲット結合特異性の増強を保持する変異体ポリペプチドを生成する。特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、変異体ポリペプチドのオンターゲット三成分複合体形成、オンターゲット結合親和性、オンターゲット結合活性、及び/又はオンターゲット結合特異性を促進するが、酵素活性は促進しない少なくとも1つの改変を含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNA親和性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNA親和性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNA親和性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。
【0314】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNA親和性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNA親和性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較して二成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。
【0315】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNAガイド結合活性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNAガイド結合活性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNAガイド結合活性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。
【0316】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNAガイド結合特異性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNAガイド結合特異性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNAガイド結合特異性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。
【0317】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してタンパク質-RNA相互作用の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してタンパク質-RNA相互作用の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してタンパク質-RNA相互作用の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。
【0318】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してタンパク質安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してタンパク質安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してタンパク質安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。
【0319】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNAガイドからの解離の減少を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNAガイドからの解離の減少を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較してRNAガイドからの解離の減少を示す変異体ポリペプチドを生成する。
【0320】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較して三成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較して三成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変を配列番号3の親ポリペプチドに導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3の親ポリペプチドと比較して三成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを生成する。
【0321】
いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較して標的核酸に対する結合親和性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較して標的核酸に対する結合親和性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較して標的核酸に対する結合親和性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。
【0322】
いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較してオンターゲット結合活性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較してオンターゲット結合活性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較してオンターゲット結合活性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプ結合チドを生成する。
【0323】
いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較してオンターゲット結合特異性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較してオンターゲット結合特異性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較してオンターゲット結合特異性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプ結合チドを生成する。
【0324】
いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較して非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較して非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較して非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。
【0325】
いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の低下、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較して標的核酸からの解離の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の増加、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較して標的核酸からの解離の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。いくつかの実施形態では、配列番号3の親ポリペプチドに少なくとも1つの改変を導入して、(a)酵素活性の保持、及び(b)配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比較して標的核酸からの解離の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを生成する。
【0326】
変異体二成分複合体形成
一般に、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、約1:1のモル比で互いに結合して変異体二成分複合体を形成する。変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、単独で又は一緒のいずれかで天然には存在しない。
【0327】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは宿主細胞中で過剰発現され、本明細書に記載されるように精製され、次いで、RNAガイドと複合して(例えば、試験管中で)変異体リボ核タンパク質(RNP)(例えば、変異体二成分複合体)を形成する。
【0328】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、標的核酸に対する結合親和性の増加、オンターゲット結合活性の増加、オンターゲット結合特異性の増加、標的核酸との三成分複合体形成の増加、及び/又はインキュベーション時間の範囲にわたる安定性の増加を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少、及び/又はインキュベーション時間の範囲にわたる標的核酸からの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、標的核酸複合体形成の増加、標的核酸活性、及び/又はインキュベーション時間の範囲にわたる標的核酸特異性を示す。
【0329】
いくつかの実施形態では、二成分複合体の複合体化は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、又は55℃のいずれか1つよりも低い温度で起こる。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約37℃で約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上の時間のうちの少なくともいずれか1つのインキュベーション時間にわたってRNAガイドから解離しないか、又は遊離RNAに結合しない。いくつかの実施形態では、二成分複合体形成後に、変異体リボ核タンパク質複合体は、RNAガイドを異なるRNAと交換しない。
【0330】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、二成分複合体化緩衝液中で複合体化される。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、二成分複合体化緩衝液で置き換えられる緩衝液中で保存され、RNAガイドとの複合体を形成する。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、二成分複合体化緩衝液中で保存される。
【0331】
いくつかの実施形態では、二成分複合体化緩衝液は、約7.3~8.6の範囲のpHを有する。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.3である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.4である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.5である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.6である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.7である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.8である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.9である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.0である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.1である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.2である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.3である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.4である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.5である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.6である。
【0332】
変異体ポリペプチドの熱安定性は、RNAガイドの添加、例えば、RNAガイドへの結合などの好ましい条件下で増加することができる。
【0333】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、本明細書に記載されるような精製の前に宿主細胞中で過剰発現され、RNAガイドと複合体化することができる。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードするmRNA若しくはDNAは細胞に導入され、それによって変異体ポリペプチドが細胞中で発現される。変異体ポリペプチドを所望の標的核酸に誘導するRNAガイドもまた、単一のmRNA若しくはDNA構築物と同時に、別々に、又は逐次的のいずれかで細胞に導入され、それによって必要なリボ核タンパク質複合体が細胞中で結合される。
【0334】
変異体二成分複合体の安定性及び機能性の評価
ある特定の実施形態では、最適な変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(本明細書では、変異体二成分複合体と称される)を特定するための方法が本明細書に提供され、方法は、(a)試料中で変異体ポリペプチドとRNAガイドとを組み合わせて変異体二成分複合体を形成することと、(b)変異体二成分複合体の値を測定することと、(c)変異体二成分複合体の値が、参照分子の値よりも大きい場合に変異体二成分複合体が参照分子よりも最適であると決定することと、を含む。いくつかの実施形態では、値としては、安定性測定値(例えば、Tm値、熱安定性)、二成分複合体形成の割合、RNAガイド結合特異性、及び/又は複合体活性を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0335】
いくつかの実施形態では、最適な変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)は、(a)試料中で変異体ポリペプチドとRNAガイドとを組み合わせて変異体二成分複合体を形成する工程と、(b)変異体二成分複合体のTm値を検出する工程と、(c)変異体二成分複合体のTm値が参照分子のTm値より大きいか、又はTm参照値より少なくとも8℃大きい場合に、変異体二成分複合体が安定であると決定する工程とによって特定される。
【0336】
変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)の熱安定性を測定するための工程を伴う方法としては、変異体二成分複合体の安定性を決定するための方法、安定な変異体二成分複合体を促進する条件を決定する方法、安定な変異体二成分複合体をスクリーニングする方法、及び最適なRNAガイドを特定して安定な変異体二成分複合体を形成するための方法を挙げることができるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、変異体二成分複合体の熱安定性値が測定されてもよい。
【0337】
更に、ある特定の実施形態では、参照分子の熱安定性値も測定されてもよい。ある特定の実施形態では、変異体二成分複合体の測定された熱安定性値が、参照分子の測定された熱安定性値又は本明細書に記載されるような同じ実験条件下で測定された熱安定性参照値よりも大きい場合に、変異体二成分複合体は安定であると決定され得る。ある特定の実施形態では、参照分子は、RNAガイドが存在しない変異体ポリペプチドであり得る。
【0338】
ある特定の実施形態では、測定される熱安定性値は、変性温度値であってもよい。これらの実施形態では、熱安定性参照値は、変性温度参照値である。ある特定の実施形態では、測定される熱安定性値は、Tm値であり得る。これらの実施形態では、熱安定性参照値は、Tm参照値であり得る。ある特定の実施形態では、熱安定性値は、サーマルシフトアッセイを使用して測定され得る。ある特定の実施形態では、熱安定性を測定するために使用されるアッセイは、限定されないが、熱変性アッセイ、サーマルシフトアッセイ、示差走査熱量測定(DSC)、示差走査蛍光定量法(DSF)、等温滴定型熱量測定(ITC)、パルスチェイス法、ブリーチチェイス法、シクロヘキシミドチェイス法、円二色性(CD)分光法、結晶化、及び蛍光ベース活性アッセイが挙げられる、本明細書に記載の技術を伴い得る。
【0339】
ある特定の実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体形成の割合、RNAガイド結合特異性、及び/又は変異体二成分複合体の複合体活性が参照分子の値又は参照値(例えば、本明細書で親二成分複合体と称される親ポリペプチド/RNAガイド複合体の値)よりも大きい場合に特定され得る。例えば、ある特定の実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体形成の割合、RNAガイド結合特異性、及び/又は変異体二成分複合体の複合体活性の値が、参照分子の値又は参照値(例えば、親二成分複合体の値)よりも少なくともX%大きい場合に特定され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載されるような変異体二成分複合体の活性を測定することを含む工程を更に含んでもよい。
【0340】
変異体三成分複合体形成
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とは、変異体三成分複合体を形成する(例えば、試験管又は細胞中で)。一般に、変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とは、約1:1:1のモル比で互いに会合して変異体三成分複合体を形成する。変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とは、単独で又は一緒のいずれかで天然には存在しない。
【0341】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような変異体二成分複合体(例えば、変異体ポリペプチドとRNAガイドとの複合体)は、標的核酸と更に複合体化され(例えば、試験管又は細胞中で)、変異体三成分複合体を形成する。
【0342】
いくつかの実施形態では、三成分複合体化は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、又は55℃のいずれか1つよりも低い温度で起こる。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約37℃で約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上の時間のうちの少なくともいずれか1つのインキュベーション時間にわたって標的核酸から解離しないか、又は遊離核酸(例えば、遊離DNA)に結合しない。いくつかの実施形態では、三成分複合体の形成後に、変異体二成分複合体は、標的核酸を異なる核酸と交換しない。
【0343】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とは、三成分複合体化緩衝液中で複合体化される。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、三成分複合体化緩衝液と置き換えられる緩衝液中で保存され、RNAガイドと標的核酸との複合体を形成する。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、三成分複合体化緩衝液中で保存される。
【0344】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体と標的核酸とが、三成分複合体化緩衝液中で複合体化される。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、三成分複合体化緩衝液で置き換えられる緩衝液中で保存され、標的核酸との複合体を形成する。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、三成分複合体化緩衝液中で保存される。
【0345】
いくつかの実施形態では、三成分複合体化緩衝液は、約7.3~8.6の範囲のpHを有する。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.3である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.4である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.5である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.6である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.7である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.8である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.9である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.0である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.1である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.2である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.3である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.4である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.5である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.6である。
【0346】
変異体ポリペプチドの熱安定性は、RNAガイド及び標的核酸の添加などの好ましい条件下で増加することができる。
【0347】
変異体三成分複合体の安定性及び機能性の評価
ある特定の実施形態では、最適な変異体三成分複合体を特定するための方法が本明細書に提供され、方法は、(a)試料中で変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とを組み合わせて変異体三成分複合体を形成することと、(b)変異体三成分複合体の値を測定することと、(c)変異体三成分複合体の値が、参照分子の値よりも大きい場合に変異体三成分複合体が参照分子よりも最適であると決定することと、を含む。いくつかの実施形態では、値としては、安定性測定値(例えば、Tm値、熱安定性)、三成分複合体形成の割合、DNA結合親和性測定値、DNA結合特異性測定値、及び/又は複合体活性測定値(例えば、ヌクレアーゼ活性測定値)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0348】
いくつかの実施形態では、最適な変異体三成分複合体は、(a)試料中で変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とを組み合わせて変異体三成分複合体を形成する工程と、(b)変異体三成分複合体のTm値を検出する工程と、(c)変異体三成分複合体のTm値が参照分子のTm値より大きいか、又はTm参照値より少なくとも8℃大きい場合に、変異体三成分複合体が安定であると決定する工程とによって特定される。
【0349】
変異体三成分複合体の熱安定性を測定する工程を伴う方法としては、変異体三成分複合体の安定性を決定する方法、安定な変異体三成分複合体を促進する条件を決定する方法、安定な変異体三成分複合体をスクリーニングする方法、及び最適な二成分複合体を特定して安定な変異体三成分複合体を形成するための方法を挙げることができるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、変異体三成分複合体の熱安定性値が測定されてもよい。
【0350】
更に、ある特定の実施形態では、参照分子の熱安定性値も測定されてもよい。ある特定の実施形態では、変異体三成分複合体の測定された熱安定性値が、参照分子の測定された熱安定性値又は本明細書に記載されるような同じ実験条件下で測定された熱安定性参照値よりも大きい場合に、変異体三成分複合体は安定であると決定され得る。ある特定の実施形態では、参照分子は、RNAガイド及び/又は標的核酸が存在しない変異体ポリペプチドであり得る。
【0351】
ある特定の実施形態では、測定される熱安定性値は、変性温度値であってもよい。これらの実施形態では、熱安定性参照値は、変性温度参照値である。ある特定の実施形態では、測定される熱安定性値は、Tm値であり得る。これらの実施形態では、熱安定性参照値は、Tm参照値であり得る。ある特定の実施形態では、熱安定性値は、サーマルシフトアッセイを使用して測定され得る。ある特定の実施形態では、熱安定性を測定するために使用されるアッセイは、限定されないが、示差走査蛍光定量法(DSF)、示差走査熱量測定(DSC)、又は等温滴定型熱量測定(ITC)が挙げられる、本明細書に記載の技術を伴い得る。
【0352】
ある特定の実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体の三成分複合体形成の割合、DNA結合親和性、DNA結合特異性、及び/又は複合体活性(例えば、ヌクレアーゼ活性)が参照分子の値又は参照値(例えば、親三成分複合体の値)よりも大きい場合に特定され得る。例えば、ある特定の実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体の三成分複合体形成の割合、DNA結合親和性、DNA結合特異性、及び/又は複合体活性の値が、参照分子の値又は参照値(例えば、親三成分複合体の値)よりも少なくともX%大きい場合に特定され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載されるような変異体三成分複合体の活性を測定することを含む工程を更に含んでもよい。
【0353】
一態様では、標的DNA分子を改変する方法を提供し、この方法は、標的DNA分子を、本明細書に開示の変異体ポリペプチド及び本明細書に開示のRNAガイドと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、標的DNA分子はインビトロにある。いくつかの実施形態では、標的DNA分子は細胞内にある。特定の実施形態では、細胞は、インビトロ、エクスビボ、又はインビボにある。いくつかの実施形態では、細胞は、原核細胞、真核細胞、植物細胞、哺乳動物細胞、及びヒト細胞から選択される。
【0354】
送達
本明細書に記載の組成物又は複合体は、例えば、担体及び/又はポリマー担体、例えば、リポソームなどの担体を含んで配合され、細胞(例えば、原核生物、真核生物、植物、哺乳動物など)に既知の方法によって送達することができる。そのような方法としては、トランスフェクション(例えば、脂質媒介、カチオン性ポリマー、リン酸カルシウム、デンドリマー)、エレクトロポレーション若しくは膜破壊の他の方法(例えば、ヌクレオフェクション)、ウイルス送達(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、AAV)、マイクロインジェクション、微粒子銃(「遺伝子銃」)、フュージーン(fugene)、直接音響負荷、細胞圧縮、光学的トランスフェクション、原形質体融合、インペイルフェクション、マグネトフェクション、エクソソーム媒介転移、脂質ナノ粒子媒介転移、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0355】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の核酸(例えば、変異体ポリペプチドをコードする核酸、RNAガイド、ドナーDNAなど)、それらの1つ以上の転写物、及び/又は予め形成された変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)を細胞に送達することを含む。例示的な細胞内送達方法としては、ウイルス若しくはウイルス様物質;化学ベースのトランスフェクション法、例えば、リン酸カルシウム、デンドリマー、リポソーム、又はカチオン性ポリマー(例えば、DEAE-デキストラン又はポリエチレンイミン)を使用するもの;非科学的方法、例えば、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、細胞圧縮、ソノポレーション、光学的トランスフェクション、インペイルフェクション、原形質体融合、細菌接合、プラスミド若しくはトランスポゾンの送達;粒子ベースの方法、例えば、遺伝子銃、マグネトフェクション若しくはマグネット支援トランスフェクション、粒子銃;並びにハイブリッド法、例えば、ヌクレオフェクションが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本出願は、そのような方法によって産生される細胞、及びそのような細胞を含むか、又はそれらから産生される生物(動物、植物、又は真菌など)を更に提供する。
【0356】
細胞
本明細書に記載のポリペプチド、組成物、又は複合体は、様々な細胞に送達され得る。いくつかの実施形態では、細胞は、単離された細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、細胞培養物中にある。いくつかの実施形態では、細胞は、エクスビボにある。いくつかの実施形態では、細胞は、生きている生物から得られ、細胞培養物中で維持される。いくつかの実施形態では、細胞は、単細胞生物である。
【0357】
いくつかの実施形態では、細胞は、原核生物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は細菌細胞であるか、又は細菌細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細菌細胞は、親ポリペプチドが由来する細菌種には関係しない。いくつかの実施形態では、細胞は、古細菌細胞であるか、又は古細菌細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細菌は、真核生物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は植物細胞であるか、又は植物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は真菌細胞であるか、又は真菌細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は動物細胞であるか、又は動物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は無脊椎動物細胞であるか、又は無脊椎動物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は脊椎動物細胞であるか、又は脊椎動物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞であるか、又は哺乳動物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ゼブラフィッシュ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、齧歯類細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は合成的に作製され、人工細胞と呼ばれることもある。
【0358】
いくつかの実施形態では、細胞は、細胞株に由来する。組織培養のための多種多様な細胞株が、当該技術分野において知られている。細胞株の例としては、293T、MF7、K562、HeLa、及びそれらのトランスジェニック品種が挙げられるが、これらに限定されない。細胞株は、当業者に既知の様々な供給源から入手可能である(例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)(Manassas,Va.)を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の核酸(Agoコードベクター及びgDNAなど)又はAgo-gDNA複合体でトランスフェクトされた細胞を用いて標的核酸に対して改変を含む新しい細胞株を確立するために、1つ以上のベクター由来細胞を含む新しい細胞株を確立する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の核酸(変異体ポリペプチドをコードするベクター及びRNAガイドなど)又は変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)で一過性に又は非一過性にトランスフェクトされた細胞、又はそのような細胞から誘導された細胞株が1つ以上の試験化合物の評価で使用される。
【0359】
いくつかの実施形態では、方法は、DNA標的化RNA(例えば、RNAガイド)及び/又は変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1つ以上の核酸を宿主細胞に導入することを含む。一実施形態では、標的DNAを含む細胞は、インビトロ、インビボ、又はエクスビボにある。他の実施形態では、DNA標的化RNA(例えば、RNAガイド)及び/又は変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸は、例えば、アデノ随伴ウイルス構築物、組換えアデノウイルス構築物、組換えレンチウイルス構築物、組換えレトロウイルス構築物などが挙げられるが、これらに限定されない組換え発現ベクターに含まれる。
【0360】
いくつかの実施形態では、細胞は初代細胞である。例えば、初代細胞の培養は、0回、1回、2回、4回、5回、10回、15回、又はそれ以上継代され得る。いくつかの実施形態では、初代細胞は、任意の既知の方法によって固体から採取される。例えば、白血球は、アフェレーシス、白血球吸着除去療法、密度勾配分離法によって採取されてもよい。組織、例えば、皮膚、筋肉、骨髄、脾臓、肝臓、膵臓、肺、腸、胃などからの細胞は、生検によって採取され得る。適切な溶液を採取された細胞の分散又は懸濁のために使用してもよい。そのような溶液は、一般には、平衡塩類溶液(例えば、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ハンクス平衡塩類溶液など)であってもよく、これらは低濃度での許容可能な緩衝液と共にウシ胎児血清又は他の天然に存在する因子で好都合に補充されている。緩衝液としては、HEPES、リン酸緩衝液、乳酸緩衝液などを挙げることができる。細胞はすぐに使用されてもよく、又はそれらは保存されてもよい(例えば、凍結することによって)。凍結細胞は融解され、再使用可能であり得る。細胞は、DMSO、血清、培地緩衝液(例えば、10%DMSO、50%血清、40%緩衝化培地)中で凍結することができ、及び/又はいくつかの他のそのような一般的な溶液を凍結温度で用いて細胞を保存することができる。
【0361】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、標的核酸(例えば、ゲノムDNA)において二本鎖切断又は一本鎖切断を誘発させるヌクレアーゼ活性を有する。二本鎖切断は、相同組換え(HDR)、非相同末端結合(NHEJ)、又は非相同末端再結合(A-NHEJ)を含む細胞内因性DNA修復経路を刺激することができる。NHEJは、相同テンプレートを必要とすることなく切断された標的核酸を修復することができる。これは、1つ以上のヌクレオチドの標的核酸への欠失又は挿入をもたらし得る。HDRは、ドナーDNAなどの相同テンプレートと共に起こり得る。相同テンプレートは、標的核酸切断部位に隣接する配列に相同である配列を含み得る。いくつかの場合では、HDRは、外因性ポリヌクレオチド配列を切断された標的核酸に挿入することができる。NHEJ及び/又はHDRに起因する標的DNAの改質は、例えば、突然変異、欠失、変更、組換え、遺伝子修正、遺伝子置換、遺伝子タギング、導入遺伝子ノックイン、遺伝子破壊、及び/又は遺伝子ノックアウトに繋がり得る。
【0362】
いくつかの実施形態では、細胞培養は、本方法の効率を高めるために同調される。いくつかの実施形態では、S期及びG2期にある細胞は、HDR媒介遺伝子編集に使用される。いくつかの実施形態では、細胞は、任意の細胞周期で本方法にかけられてもよい。いくつかの実施形態では、オーバープレーティングにある細胞は、本方法の効率を著しく低下させる。いくつかの実施形態では、本方法は、約40%、45%、50%、55%、60%、65%、又は70%のいずれか1つ以下の集密度で細胞培養に適用される。
【0363】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)の細胞中での標的核酸への結合は、1つ以上の内因性細胞分子又はDNA修復経路以外の経路を動員して標的核酸を修飾する。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体の結合は、1つ以上の内因性細胞分子又は経路の標的核酸へのアクセスをブロックし、それにより標的核酸を修飾する。例えば、変異体二成分複合体の結合は、内因性転写又は翻訳機械をブロックして、標的核酸の発現を減少させることができる。
【0364】
いくつかの実施形態では、細胞中で標的DNA分子を修飾するための方法が提供される。方法は、細胞内部で標的DNA分子を本明細書に記載の変異体ポリペプチドと、5’から3’への順序で、標的DNA分子の標的配列とハイブリダイズする第1のヌクレオチドセグメント、ヌクレオチドリンカー、及び第1のヌクレオチドセグメントとハイブリダイズして、二本鎖RNAデュプレックスを形成する第2のヌクレオチドセグメントを含む単一分子DNA標的化RNAとに接触させることを含む。変異体ポリペプチドは、細胞内部で単一分子DNA標的化RNAと複合体を形成し、標的DNA分子が修飾される。
【0365】
一態様では、細胞内の標的DNA分子を改変する方法が提供される。本明細書に開示の変異体ポリペプチド若しくは変異体ポリペプチドをコードする核酸を細胞に導入する工程、及び本明細書に記載のRNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を導入する工程、又は本明細書に記載の変異体二成分複合体を導入する工程を含む方法であって、導入工程は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組合せを導入することを含む、方法。いくつかの実施形態では、細胞に導入する工程は、細胞をトランスフェクト又は形質導入することを含む。いくつかの実施形態では、導入する工程は、エレクトロポレーション、注入、遺伝子銃、又はこれらの任意の組み合わせの使用を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、原核細胞、真核細胞、植物細胞、哺乳動物細胞、及びヒト細胞から選択される。いくつかの実施形態では、細胞は、インビトロ、エクスビボ、又はインビボにある。
【0366】
キット
本開示はまた、例えば、本明細書に記載の方法を実施するために使用することができるキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、本開示の変異体ポリペプチド、例えば、表2の少なくとも1つのアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施形態では、キットは、そのような変異体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、任意選択で、ポリヌクレオチドは、例えば本明細書に記載されるようなベクター内に含まれる。キットはまた、任意選択で、例えば本明細書に記載されるようなRNAガイドを含むことができる。本開示のキットのRNAガイドは、当該技術分野で知られているように、目的の配列を標的とするように設計することができる。CRISPRヌクレアーゼ変異体及びRNAガイドは、キット内の同じバイアル又は他の容器内にパッケージングすることもできるし、別々のバイアル又は他の容器内にパッケージングすることができ、その内容物は、使用前に混合することができる。キットは更に、任意選択で、緩衝液、及び/又はCRISPRヌクレアーゼ変異体及び/又はRNAガイドを使用するための説明書を含むことができる。
【0367】
本明細書に引用される全ての参考文献及び刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0368】
以下の実施例は、本開示のいくつかの実施例を更に例証するために提供されているが、本開示の範囲の限定することを意図するものではなく、当業者に既知の他の手法、方法論、又は技術が代替え的に使用されてもよいことがそれらの例示的な性質によって理解されるであろう。
【0369】
実施例1-変異体構築物の操作
この実施例では、変異体構築物を生成した。
【0370】
単一の突然変異を含むDNAテンプレートを、IDTから注文した変異原性フォワードプライマー及び変異原性リバースプライマーを使用する2つのPCRステップを介して構築した。第1のステップでは、PCR反応の2つのセットを384のプレートで行い、2つの断片を生成した。2つのPCR断片の重複領域は所望の単一突然変異を含有し、第2のPCRを介してのDNAテンプレート全体のアセンブリを可能にした。第2のステップでは、第1のステップからの精製断片をオーバーラッピングPCR(OL PCR)のためのテンプレートとして使用し、Fw及びRvオリゴをOL PCRプライマーとしてベクターバックボーンにアニーリングした。得られた直線状DNAテンプレートは、T7プロモーター、T7ターミネーター、及びCRISPRヌクレアーゼ用のオープンリーディングフレームを含有した。
【0371】
これらの直線状DNAテンプレートを、無細胞転写及び翻訳システムで直接使用して、単一突然変異を含有するCRISPRヌクレアーゼ変異体を発現させた。変異体構築物を更に個々に一過性トランスフェクションベクター中に転移させた。更に、組み合わせ突然変異を含むDNAテンプレートをPCRによって調製し、その後一過性トランスフェクションベクターに転移させた。
【0372】
実施例2-変異体二成分複合体の検出のための蛍光偏光アッセイ
この実施例では、CRISPRヌクレアーゼポリペプチド及びRNAガイドの二成分複合体を形成する能力を、蛍光偏光アッセイを通して評価する。
【0373】
ダイレクトリピート配列の上流のT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列の逆相補配列を含む直線状ssDNA断片、及び所望の20bp RNAガイド標的をIDTによって合成する。次いで、ユニバーサルT7フォワードオリゴを逆相補配列ssDNAにアニーリングし(5℃/分で95~4℃)、Klenow断片(New England Biolabs(登録商標))を用いて25℃で15分間埋めることによって、直線状dsDNAインビトロ転写(IVT)テンプレートを生成する。次いで、得られたIVTテンプレートを、HiScribe T7 High Yield RNA Synthesis Kit(New England Biolabs(登録商標))を用いて、37℃で4時間RNAガイドに転写する。転写後に、各RNAガイドをRNA Clean and Concentrator Kit(Zymo)を用いて精製し、使用するまで-20℃で保存した。
【0374】
次いで、RNAガイドを6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)(IDT)で標識する。1×アッセイ緩衝液(20mMのTris-HCl(pH7.5)、150mMのKCl、5mMのMgCl2、1mMのDTT)中の25nMのCRISPRヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)を、増加する濃度の標識されたRNAガイド(7.5~250nM)で滴定する。複合体を37℃で30分間インキュベートし、その後マイクロプレートリーダー(Infinite200 Pro、Tecan)を使用して蛍光偏光測定値を取る。
【0375】
異なる温度での二成分複合体形成も調べる。更に、上述したような結合実験を、25、50、60、及び70℃で等温的に実施する。
【0376】
増加する濃度のRNAガイドによるCRISPRヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)の滴定の際の二成分複合体の形成(又は、増加する濃度のCRISPRヌクレアーゼポリペプチドによるRNAガイドの滴定の際の二成分複合体の形成)は、ミリ偏光(mP)単位での蛍光偏光シグナルにおける変化をもたらす。蛍光偏光シグナルにおける変化を、RNAガイド濃度の範囲にわたってプロットすることによって結合曲線を生成する。
【0377】
この実施例は、CRISPRヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)のRNAガイドに対する結合親和性がどのように決定され、比較され得るかを示している。
【0378】
実施例3-変異体二成分複合体の検出のためのRNA電気泳動移動度シフトアッセイ
この実施例は、CRISPRヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体)のRNAガイドに対する結合の能力を決定するためのRNA電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)の使用を記載する。
【0379】
IDT(商標)からの合成RNAガイドを、Yan et al.,2018に以前に詳述されたように、5’IRDye(登録商標)800CWで、5’EndTag Labeling Kit(Vector(登録商標)Labs)及びIRDye(登録商標)800CW Maleimide(LI-COR(登録商標)Biosciences)を使用して標識付けする。標識付けの後、RNAガイドを、フェノールクロロホルム抽出を介して浄化及び濃縮する。濃度を、Nanodrop(商標)によって定量化する。
【0380】
RNA結合アッセイについては、CRISPRヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)を1×結合緩衝液(50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、10mMのMgCl2、1mMのDTT、pH7.9)中2.5μMに希釈する。次いで、ポリペプチドを1×結合緩衝液中で2.5μMから37.5μMまで段階希釈する。ポリペプチドを、1×結合緩衝液に50nMのIR800標識RNAガイドを加えたもので、1:10に再度希釈し、十分に混合する。これらの反応物は、0.5~5μgのtRNAを更に含めることができ、これはポリペプチドのRNAへの非特異的結合を減少させるための競合的阻害剤として機能し、したがって正確な特異的結合の決定を容易にする。反応物を37℃で1時間インキュベートする。染色全面可視化のために、1μLの100×ブロモフェノールブルーを反応物に添加し、全反応物を6%のDNA遅滞(Retardation)ゲル(ThermoFisher(登録商標))上に充填し、80Vで90分間移動させた。ゲルを、Licor(登録商標)Odyssey(登録商標)CLxで画像化する。
【0381】
このアッセイは、RNAがゲルを通って移動する速度がそのサイズによって決定されるという原理に基づいている。RNAのみの試料は、特定の距離を移動することができる。しかしながら、RNAがポリペプチドに結合する場合、より大きくあまり移動しないRNA複合体を表すバンドが出現し、これはゲル上で「アップシフトされる」。
【0382】
したがって、2つのバンド:1)RNAのみのバンド、及び2)ポリペプチドに結合した「アップシフトされた」RNAバンドが測定される。全てのRNAがポリペプチドに結合している場合、アップシフトされたバンドのみが観察される。ポリペプチドの濃度が減少するにつれて、アップシフトされたバンドの強度が減少し、一方、RNAのみのバンドの強度が増加する。CRISPRヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)に対するRNA結合親和性の比較において、より高いポリペプチド/RNA親和性は、より低い濃度のポリペプチドでのより特異的な結合によって特徴付けられる。
【0383】
この実施例は、野生型CRISPRヌクレアーゼポリペプチドのRNAガイドに対する結合親和性及び変異体ポリペプチドのRNAガイドに対する結合親和性がどのように決定され、比較され得るかを示している。
【0384】
実施例4-変異体二成分複合体についてのインビトロ切断アッセイ
この実施例は、CRISPRヌクレアーゼRNPを調製するための方法及びCRISPRヌクレアーゼ(野生型又は変異体)RNPのインビトロ生化学的活性を決定するための方法を記載する。
【0385】
CRISPRヌクレアーゼベクターを、大腸菌(E.coli)BL21(DE3)(New England Biolabs(登録商標))に形質転換し、T7プロモーター下で発現させる。形質転換細胞を、最初に5mLのLuria Broth (TEKNOVA)+50μg/mLのカナマイシン中で一晩増殖させ、続いて、1LのTerrific Broth培地(TEKNOVA)+50μg/mLのカナマイシンに接種した。細胞を、0.6~0.8のOD600になるまで37℃で増殖させ、次いで、0.5mMのIPTGを用いてタンパク質発現を誘導する。次いで、培養物を18℃で更に14~18時間培養する。培養物を採取し、遠心分離によりペレット化し、次いで、5gの細胞ペレット当たり1mLの抽出緩衝液(50mMのHEPES、pH7.5、500mMのNaCl、5%のグリセロール、0.5mMのTCEP)中に再懸濁させる。細胞破砕器(Constant System Limited)を介して細胞を溶解し、次いで、溶解物を清澄化させるために、4℃にて20,000×gで20分間遠心分離する。0.2%のポリエチレンイミン(PEI)を清澄化溶解物に添加し、一定の転倒型回転を用いて4℃で20分間インキュベートする。次いで、溶解物を20,000×gで10分間再度遠心分離する。溶解物を、イオン交換クロマトグラフィーを介して精製する。精製後、画分をSDS-PAGEゲル上を移動させ、適切なサイズのタンパク質を含有する画分をプールし、30kDのAmicon Ultra15 Centrifugal Unitsを使用して濃縮する。タンパク質を、12.5mMのHEPES pH7.0、120mMのNaCl、0.5mMのTCEP、及び50%のグリセロールに緩衝液交換する。次いで、Nanodrop(商標)(ThermoFisher(登録商標))を用いて濃度を測定し、タンパク質を-20℃で保存する。
【0386】
合成crRNA(Integrated DNA Technologies)対タンパク質の2:1の比を使用して、RNPを調製する。RNPを1×NEB2buffer(50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、10mMのMgCl2、1mMのDTT、pH7.9)中で37℃にて30分間複合体化する。複合体化後に、RNPを1×NEB2を希釈緩衝液として使用して希釈する。アポ反応物(RNAガイドを含まないタンパク質)を同じ方法で調製し、H2OでcrRNAの体積に作り上げた。
【0387】
標的dsDNA基質(Integrated DNA Technologies)を20nMでRNP及びアポ試料に添加する。反応物を十分に混合した後、37℃で1時間インキュベートし、次いで、1μLの20mg/mLプロテイナーゼK(ThermoFisher(登録商標))でクエンチする。反応物を50℃で更に15分間インキュベートし、次いで、反応物全体を2%アガロースE-ゲル(ThermoFisher(登録商標))上を移動させた。Gel DocEZ Gel Imager(Bio-Rad(登録商標))で臭化エチジウムによってゲルを可視化した。
【0388】
2つのタイプのバンド:1)完全長(非切断)DNAバンド、及び2)1つ以上のダウンシフトされた切断DNAバンドの強度を測定する。不活性RNPは、完全長DNAバンドによって特徴付けられる。活性RNPは、1つ以上のダウンシフトされた切断DNAバンドをもたらす。活性RNPの濃度が減少するにつれて、完全長バンドの強度は増加し、切断バンドの強度は減少する。複数のRNPの活性の比較において、別のものよりも高い活性を有するRNPは、より低いRNP濃度でのより強い切断バンドによって特徴付けられる。
【0389】
この実施例の方法は、標的DNAに対する野生型又は変異体CRISPRヌクレアーゼRNP(二成分複合体)のインビトロ切断活性の比較を可能にする。
【0390】
実施例5-変異体ポリペプチド及び変異体二成分複合体のインビトロ安定性アッセイ
この実施例では、変異体RNPの安定性を評価する。
【0391】
加速安定性試験については、RNP(5μM)を実施例4に記載されたものと同じ方法で生成し、試料をその後25℃で48時間保存する。
【0392】
インビトロ切断アッセイ(実施例4に記載されるような)をRNP試料に対して実施する。これらの結果を実施例4のものと比較して、25℃で48時間保存されたRNPが生化学的活性を保持する範囲を決定する。
【0393】
アポポリペプチド(RNAガイドを含まない)も25℃で48時間インキュベートする。RNA EMSAアッセイを、実施例3に記載された方法を使用してアポ試料で実施する。これらの結果を実施例3のものと比較して、変異体CRISPRヌクレアーゼがRNAガイドと二成分複合体を形成することができる範囲を決定する。
【0394】
25℃で48時間インキュベートしたアポ試料も、実施例4に記載された方法を使用して、RNAガイドと複合体化してRNPを形成させる。次いで、実施例4の方法に従って、インビトロ切断アッセイを実施する。アッセイの結果を実施例4のものと比較して、25℃でインキュベートしたタンパク質で形成された変異体RNPの活性レベルを評価する。
【0395】
この実施例の方法は、野生型及び変異体ポリペプチド、並びに野生型及び変異体RNP(二成分複合体)の安定性の比較を可能にする。別のCRISPRヌクレアーゼポリペプチドのRNAガイドに対する特異的結合よりも大きなRNAガイドに対する特異的結合を実証するCRISPRヌクレアーゼポリペプチドは、より安定なポリペプチドの指標である。別のCRISPRヌクレアーゼポリペプチドによる切断よりもロバストな標的DNAのインビトロ切断を実証するCRISPRヌクレアーゼRNPは、より安定な二成分複合体の指標である。
【0396】
実施例6-変異体三成分複合体の検出のためのDNA電気泳動移動度シフトアッセイ
この実施例は、三成分複合体を形成するためのRNAガイド、CRISPRヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)、及び標的DNA基質の能力を決定するためのDNA EMSAの使用について記載する。
【0397】
CRISPRヌクレアーゼベクターを、大腸菌(E.coli)BL21(DE3)(New England Biolabs(登録商標))に形質転換し、T7プロモーター下で発現させる。形質転換された細胞を、最初に5mLのLuria Broth(TEKNOVA)+50μg/mLのカナマイシン中で一晩増殖させ、続いて1LのTerrific Broth培地(TEKNOVA)+50μg/mLのカナマイシンに接種する。細胞を0.6~0.8のOD600になるまで37℃で増殖させ、次いで0.5mMIPTGを用いてタンパク質発現を誘発させる。次いで、培養物を18℃で更に14~18時間増殖させる。培養物を採取し、遠心分離によってペレット化し、次いで5gの細胞ペレット当たり1mLの抽出緩衝液(50mMのHEPES、pH7.5、500mMのNaCl、5%のglycerol、0.5mMのTCEP)中に再懸濁させる。細胞破砕器(Constant System Limited)を介して細胞を溶解し、次いで、溶解物を清澄化させるために、4℃にて20,000×gで20分間遠心分離する。0.2%のポリエチレンイミン(PEI)を清澄化溶解物に添加し、一定の転倒型回転を用いて4℃で20分間インキュベートする。次いで、溶解物を20,000×gで10分間再度遠心分離する。溶解物を、イオン交換クロマトグラフィーを介して精製する。精製後、画分をSDS-PAGEゲル上を移動させ、適切なサイズのタンパク質を含有する画分をプールし、30kDのAmicon Ultra15 Centrifugal Unitsを使用して濃縮する。タンパク質を、12.5mMのHEPES pH7.0、120mMのNaCl、0.5mMのTCEP、及び50%のグリセロールに緩衝液交換した。次いで、Nanodrop(ThermoFisher(登録商標))を用いて濃度を測定し、タンパク質を-20℃で保存した。
【0398】
合成RNAガイド(Integrated DNA Technologies)対ポリペプチドの2:1の比を使用して、RNPを調製する。本明細書に開示されるPAM配列に隣接する標的を選択し、RNAガイドを本明細書に記載されるようなダイレクトリピート配列を使用して設計する。RNPを1×NEB2buffer(50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、10mMのMgCl2、1mMのDTT、pH7.9)中で37℃にて30分間複合体化する。複合体化後に、1×NEB2を希釈緩衝液として使用して、5μMから37.5μMまでの5ポイント1:2段階希釈を実施する。アポ反応物(RNAガイドを含まないタンパク質)を同じ方法で調製し、H2OでRNAガイドの体積に作り上げる。
【0399】
dsDNA標的基質を、オリゴ(Integrated DNA Technologies)からのPCRによって生成する。PCRの前に、Yan et al.,2018に記載されるように、フォワードプライマーの5’末端をIR800染料で標識付けする。Amplitaq Gold(ThermoFisher(登録商標))を使用して、次いで、dsDNAをIR800標識フォワードプライマー及び非標識リバースプライマーを用いて増幅する。得られたdsDNAをDNA Clean and Concentrator(登録商標)-5 Kit(Zymo Research)を用いて精製し、Nanodrop(商標)(ThermoFisher(登録商標))によって定量化する。
【0400】
RNP試料及びアポ(対照)試料を、1×結合緩衝液(50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、1mMのTCEP、10%のグリセロール、2mMのEDTA、pH8.0)に20nMのIR800標識標的DNA基質を加えたものに1:10で希釈し、十分に混合する。反応物を37℃で1時間インキュベートする。染色全面可視化のために、ブロモフェノールブルーを反応物に添加し、反応物全体を6%のDNA遅滞ゲル(ThermoFisher(登録商標))上に充填し、80Vで90分間移動させる。ゲルを、Licor(登録商標)Odyssey(登録商標)CLxで画像化する。
【0401】
このアッセイでは、DNAがゲルを通って移動する速度がそのサイズによって決定される。DNAのみの試料は、特定の距離を移動することができる。しかしながら、RNPがDNAに結合する場合、より大きくあまり移動しないDNA複合体を表すバンドが出現し、これはゲル上で「アップシフトされる」。
【0402】
この実施例は、変異体RNP(変異体二成分複合体)のDNA標的に対する親和性(三成分複合体を生成するための)が、野生型RNP(野生型二成分複合体)のDNA標的に対する親和性とどのように比較され得るかを示している。
【0403】
実施例7-5’-CTG-3’PAM配列を用いた哺乳動物標的の編集
この実施例は、5’-CTG-3’PAM配列に隣接する複数の標的配列についてのインデル評価を記載する。
【0404】
配列番号3のCRISPRヌクレアーゼを、pcda3.1バックボーン(Invitrogen(商標))にクローニングした。それぞれが配列番号6のダイレクトリピート配列を含むRNAガイドを、U6プロモーター下でpUC19バックボーン(New England Biolabs(登録商標))にクローニングした。次いで、プラスミドをマキシ-プレップし、希釈した。RNAガイド(すなわち、配列番号9、11、13、15、17、19、21、及び23のcrRNA配列)及び標的配列(すなわち、配列番号8、10、12、14、16、18、20、及び22)を表4に示す。
【0405】
【0406】
トランスフェクションのおよそ16時間前に、DMEM/10%FBS+Pen/Strep中の25,000個のHEK293T細胞を、96ウェルプレートの各ウェルに播種した。トランスフェクションの当日に、細胞は70~90%の集密度であった。トランスフェクトされる各ウェルについては、GeneJuice(登録商標)トランスフェクション試薬(Millipore Sigma)とOptiMEM(商標)(ThermoFisher(登録商標))との混合物を調製し、その後、室温で5分間インキュベートした(溶液1)。インキュベーション後、GeneJuice(登録商標):OptiMEM(商標)混合物を、OptiMEM(商標)で希釈したCRISPRヌクレアーゼプラスミド及びガイドプラスミドを含む別々の溶液に加えた(溶液2)。陰性対照の場合、crRNAは溶液2には含まれなかった。溶液1と溶液2の混合物を上下にピペッティングすることによって混合し、次いで、室温で5分間インキュベートした。インキュベーション後、溶液1と溶液2を、細胞を含む96ウェルプレートの各ウェルに滴加した。トランスフェクションの72時間後、TrypLE(商標)(ThermoFisher(登録商標))を各ウェルの中心に添加することによって細胞をトリプシン処理し、およそ5分間インキュベートした。次いで、D10培地を各ウェルに添加し、混合して細胞を再懸濁した。細胞を96ウェルPCRプレートに移し、10分間遠心分離した。遠心分離後、上清を廃棄し、ペレットを20μLのQuickExtract(商標)抽出試薬(Biosearch(商標)Technologies)に再懸濁した。再懸濁した細胞液を、サーマルサイクラーで、65℃で15分間、68℃で15分間、及び98℃で10分間インキュベートした。
【0407】
次世代シーケンシング(NGS)用の試料を、2ラウンドのPCRによって調製した。第1ラウンド(PCR1)は、標的に依存する特異的ゲノム領域を増幅するために使用した。PCR1生成物をカラム精製により精製した。ラウンド2のPCR(PCR2)は、Illuminaアダプター及びインデックスを添加するために実施した。次いで、反応物をプールし、カラム精製により精製した。150 cycle NextSeq(商標)v2.5 mid又はhigh outputキットを用いて、シーケンシングランを実施した。編集された標的は、バックグラウンドを超えるインデルレベル(このアッセイでは>0.5%)を示した標的として定義された。
【0408】
図1は、インデルを含むNGSリードのパーセンテージ(%生インデル)を示す。8つの異なる標的のインデルパーセントの平均は10.6%であった。この実施例は、配列番号3のCRISPRヌクレアーゼ及び配列番号6のダイレクトリピート配列を含むRNAガイドが5’-CTG-3’PAM配列に隣接する標的配列においてインデルを生成していることを実証している。
【0409】
実施例8-CRISPRヌクレアーゼ変異体による哺乳動物遺伝子の標的化
この実施例は、一過性トランスフェクションによって哺乳動物細胞に導入された野生型及び変異体エフェクター(例えば、CRISPRヌクレアーゼ変異体)を使用する、複数の標的に対するインデル評価を記載する。
【0410】
CRISPRヌクレアーゼをpcda3.1バックボーン(Invitrogen(商標))にクローニングする。次いで、プラスミドをマキシ-プレップし、1μg/μLに希釈する。本明細書に開示のPAM配列に隣接する標的を選択し、RNAガイドを本明細書に記載されるようなダイレクトリピート配列を使用して設計する。RNAガイドの調製のために、crRNAをコードするdsDNAフラグメントを、標的配列足場及びU6プロモーターを含有するウルトラマーによって誘導する。ウルトラマーを、pH7.5の10mMトリス・HClに、100μMの最終ストック濃度まで再懸濁する。続いて、PCR反応の鋳型として機能させるために、ワーキングストックを10mMトリス・HClを再び用いて10μMに希釈する。crRNAの増幅を、以下の成分を含む50μLの反応液において行う:0.02μlの前述の鋳型、2.5μlのフォワードプライマー、2.5μlのリバースプライマー、25μlのHiFiポリメラーゼ(New England Biolabs(登録商標))、及び20μlの水。サイクリング条件は、1×(98℃で30秒)、30×(98℃で10秒、67℃で15秒)、1×(72℃で2分)である。PCR産物を1.8×SPRI処理で洗浄し、25ng/μLに標準化する。
【0411】
トランスフェクションのおよそ16時間前に、100μlの、DMEM/10%FBS+Pen/Strep中に25,000個のHEK293T細胞を、96ウェルプレートの各ウェルに播種する。トランスフェクションの当日に、細胞は70~90%の集密度である。トランスフェクトされる各ウェルについては、0.5μlのLipofectamine(商標)2000と9.5μlのOptiMEM(商標)との混合物を調製し、次いで、室温で5~20分間インキュベートする(溶液1)。インキュベーション後、lipofectamine(商標):OptiMEM(商標)混合物を、182ngのCRISPRヌクレアーゼプラスミド及び14ngのcrRNAと10μLまでの水とを含有する別々の混合物に添加する(溶液2)。溶液1と溶液2の混合物を上下にピペッティングすることによって混合し、次いで、室温で25分間インキュベートする。インキュベーション後、20μLの溶液1と溶液2の混合物を、細胞を含有する96ウェルプレートの各ウェルに滴加する。トランスフェクションの72時間後、TrypLE(商標)10μLを各ウェルの中心に添加することによって細胞をトリプシン処理し、およそ5分間インキュベートする。次いで、D10培地100μLを各ウェルに添加し、混合して細胞を再懸濁する。次いで、細胞を500gで10分間遠心分離し、上清を廃棄する。QuickExtract(商標)緩衝液を、元の細胞懸濁液容量の1/5の量に添加する。細胞を65℃で15分間、68℃で15分間、及び98℃で10分間インキュベートする。
【0412】
次世代シーケンシング用の試料を、2ラウンドのPCRによって調製した。第1ラウンド(PCR1)は、標的に依存する特異的ゲノム領域を増幅するために使用する。PCR1生成物をカラム精製により精製する。ラウンド2のPCR(PCR2)は、Illuminaアダプター及びインデックスを添加するために実施する。次いで、反応物をプールし、カラム精製により精製する。150 cycle NextSeq(商標)v2.5 mid又はhigh outputキットを用いて、シーケンシングランを実施する。
【0413】
編集された標的は、バックグラウンドを超えるインデルレベル(このアッセイでは>0.5%)を示した標的として定義される。同じ標的セットにわたって、野生型CRISPRヌクレアーゼ及び変異体CRISPRヌクレアーゼによって誘導されたインデルを比較して、野生型CRISPRヌクレアーゼよりも高いヌクレアーゼ活性を有する変異体CRISPRヌクレアーゼを特定する。
【0414】
実施例9-変異体ポリペプチドによる哺乳動物遺伝子の標的化
この実施例は、一過性トランスフェクションによって哺乳動物細胞に導入された変異体を使用する、複数の標的に対するインデル評価を記載する。
【0415】
配列番号3の変異体(表6~8)を、pcDNA3.1バックボーン(Invitrogen(登録商標))にクローニングした。RNAガイドをpUC19バックボーン(New England Biolabs(登録商標))にクローニングした。次いで、プラスミドをマキシ-プレップし、希釈した。crRNA、標的、及びPAM配列を表5に列挙する。
【0416】
【0417】
トランスフェクションのおよそ16時間前に、DMEM/10%FBS+Pen/Strep(D10培地)中の25,000個のHEK293T細胞を、96ウェルプレートの各ウェルに播種した。トランスフェクションの当日に、細胞は70~90%の集密度であった。トランスフェクションされる各ウェルについては、Lipofectamine(商標)2000(Invitrogen(登録商標))とOpti-MEM(商標)(Gibco(商標))との混合物を調製し、室温で5分間インキュベートした(溶液1)。インキュベーション後、Lipofectamine 2000(商標):Opti-MEM(商標)混合物を、ヌクレアーゼプラスミド、RNAガイドプラスミド、及びOpti-MEM(商標)を含有する別々の混合物に添加した(溶液2)。陰性対照の場合、RNAガイドプラスミドは、溶液2には含まれなかった。溶液1及び溶液2を上下にピペッティングすることによって混合し、次いで、室温で25分間インキュベートした。インキュベーション後、溶液1と溶液2の混合物を、細胞を含む96ウェルプレートの各ウェルに滴加した。トランスフェクションのおよそ72時間後に、各ウェルの中心にTrypLE(商標)(Gibco(商標))を添加することによって細胞をトリプシン処理し、37℃でおよそ5分間インキュベートした。次いで、D10培地を各ウェルに添加し、混合して細胞を再懸濁させた。再懸濁した細胞を500gで10分間遠心分離してペレットを得て、上清を廃棄した。次いで、細胞ペレットをQuickExtract(商標)緩衝液(Lucigen(登録商標))中に再懸濁させ、細胞を65℃で15分間、68℃で15分間、及び98℃で10分間インキュベートした。
【0418】
次世代シーケンシング用の試料を、2ラウンドのPCRによって調製した。第1のラウンド(PCR1)は、標的に依存する特異的ゲノム領域を増幅するために使用した。ラウンド2のPCR(PCR2)は、イルミナアダプター及びインデックスを添加するために実施した。次いで、反応物をプールし、カラム精製によって精製した。150 Cycle NextSeq 500/550 Mid又はHigh Output v2.5キット(Illumina(登録商標))を用いて、シーケンシングランを実施した。
【0419】
【0420】
【0421】
【0422】
【0423】
【0424】
【0425】
【0426】
【0427】
表6~8に示すように、D509Rなどの単一アミノ酸置換、又はL580G及びL385Gなどの2~5個のアミノ酸置換を含む複数の変異体は、少なくとも2倍のindel活性の増加をもたらした。
【0428】
実施例10-変異体ポリペプチドによる哺乳動物遺伝子の標的化
この実施例は、一過性トランスフェクションによって哺乳動物細胞に導入された変異体ポリペプチドを使用する、複数の標的に対するインデル評価を記載する。
【0429】
実施例9に記載のアッセイ及び3つの標的を用いて、配列番号3のさらなる組み合わせ変異体を分析した。K136G、N220R、及びM380Rなどのインデル活性の少なくとも2倍の増加をもたらす組合せ変異を、表9に示す。
【0430】
【0431】
実施形態の列挙
以下に列挙する実施形態が提供されるが、その番号付けは、重要度のレベルを指定するものとして解釈されるべきではない。
【0432】
実施形態1は、変異体ポリペプチド、又は変異体ポリペプチドを含む組成物を提供し、変異体ポリペプチドは親ポリペプチドに対して改変を含み、親ポリペプチドは配列番号3を含み、変異体ポリペプチドはRNAガイド及び標的核酸に結合することができ、変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドを含む複合体は、親ポリペプチド又は親ポリペプチドを含む複合体と比較して、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す。
【0433】
実施形態2は、酵素活性の増強が、ヌクレアーゼ活性の増強である、実施形態1の変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0434】
実施形態3は、変異体ポリペプチドが、親ポリペプチドと比較してRNAガイドに対する結合活性の増強を示す、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0435】
実施形態4は、変異体ポリペプチドが、親ポリペプチドと比較してRNAガイドに対する結合特異性の増強を示す、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0436】
実施形態5は、変異体ポリペプチド及びRNAガイドが変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体が以下の特徴の1つ以上を示す、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する:
(i)親二成分複合体と比較して、標的核酸に対する結合活性(例えば、オンターゲット結合活性)が増強;
(ii)親二成分複合体と比較して、標的核酸に対する結合特異性(例えば、オンターゲット結合特異性)が増強;
(iii)親二成分複合体と比較して、安定性が増強;並びに/又は
(iv)親二成分複合体と比較して、標的核酸からの解離の減少、及び/若しくは非標的核酸へのオフターゲット結合の減少。
【0437】
実施形態6は、変異体二成分複合体及び標的核酸が変異体三成分複合体を形成し、変異体三成分複合体が親三成分複合体と比較して安定性の増加を示す、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0438】
実施形態7は、変異体ポリペプチドが、親ポリペプチドと比較して、二成分複合体形成の増強、タンパク質-RNA相互作用の増強、及び/又はRNAガイドからの解離の減少を更に示す、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0439】
実施形態8は、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強が、例えば20℃~65℃の温度範囲にわたって起こる、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0440】
実施形態9は、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強が、様々なインキュベーション時間で起こる、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0441】
実施形態10は、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強が、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で起こる、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0442】
実施形態11は、変異体ポリペプチド、改変体二成分複合体、又は改変体三成分複合体のTm値が、親ポリペプチド、親二成分複合体、又は親三成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃高い場合に、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強が起こる、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0443】
実施形態12は、改変が、表2に列挙される少なくとも1つのアミノ酸置換である、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0444】
実施形態13は、改変が、アルギニン、リシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、又はグリシン置換である、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0445】
実施形態14は、変異体ポリペプチドが、RuvCドメイン又はスプリットRuvCドメインを含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0446】
実施形態15は、変異体ポリペプチドが、1つ以上の触媒残基(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)を含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0447】
実施形態16は、1つ以上の触媒残基が、D345及びE506を含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0448】
実施形態17は、RNAガイドが、ダイレクトリピート配列及びスペーサー配列を含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0449】
実施形態18は、ダイレクトリピート配列が、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0450】
実施形態19は、ダイレクトリピート配列が、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0451】
実施形態20は、ダイレクトリピート配列が、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6を含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0452】
実施形態21は、スペーサー配列が15~35ヌクレオチド長を含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0453】
実施形態22は、RNAガイドが、配列番号9、11、13、15、17、19、21、及び23のいずれか1つを含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0454】
実施形態23は、標的核酸が、スペーサー配列中のヌクレオチド配列に相補的な配列を含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0455】
実施形態24は、標的核酸がプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接し、PAM配列が5’-NTN-3’、5’-HTN-3’、又は5’-TNA-3’として示されるヌクレオチド配列を含み、ここで、Nは任意のヌクレオチドであり、HはA又はC又はTである、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0456】
実施形態25は、PAM配列が、5’-CTG-3’として示されるヌクレオチド配列を含む、実施形態24の変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0457】
実施形態26は、標的核酸が一本鎖DNA又は二本鎖DNAである、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0458】
実施形態27は、変異体ポリペプチドが、ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ゲート制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0459】
実施形態28は、変異体ポリペプチドをコードする核酸が、細胞における発現のためにコドン最適化されている、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0460】
実施形態29は、変異体ポリペプチドをコードする核酸がプロモーターに作動可能に連結されている、実施形態28の変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0461】
実施形態30は、変異体ポリペプチドをコードする核酸がベクター中にある、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0462】
実施形態31は、ベクターが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ベクター、又は単純ヘルペスベクターを含む、実施形態31の変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0463】
実施形態32は、組成物が、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃を含む送達組成物中に存在する、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を提供する。
【0464】
実施形態33は、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド又は組成物を含む細胞を提供する。
【0465】
実施形態34は、細胞が真核細胞又は原核細胞である、実施形態33の細胞を提供する。
【0466】
実施形態35は、細胞が哺乳動物細胞又は植物細胞である、前述の実施形態のいずれかの細胞を提供する。
【0467】
実施形態36は、細胞がヒト細胞である、前述の実施形態のいずれかの細胞を提供する。
【0468】
実施形態37は、RNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を提供し、RNAガイドはダイレクトリピート配列及びスペーサー配列を含み、ダイレクトリピート配列は配列番号4~6のいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0469】
実施形態38は、ダイレクトリピート配列が配列番号4~6からなる群から選択される、実施形態42に記載のRNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を提供する。
【0470】
実施形態39は、スペーサー配列が5’-CTG-3’プロトスペーサー隣接モチーフに隣接して結合する、実施形態40又は41のいずれか1つのRNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を提供する。
【0471】
実施形態40は、RNAガイドが、配列番号9、11、13、15、17、19、21、及び23のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、実施形態40~42のいずれか1つのRNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を提供する。
【0472】
実施形態41は、実施形態37~40のいずれか1つのRNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を含む組成物を提供する。
【0473】
実施形態42は、組成物がCRISPRヌクレアーゼ又はCRISPRヌクレアーゼをコードする核酸を更に含む、実施形態41の組成物を提供する。
【0474】
実施形態43は、CRISPRヌクレアーゼが配列番号3と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態42の組成物を提供する。
【0475】
実施形態44は、CRISPRヌクレアーゼが配列番号3と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態43の組成物を提供する。
【0476】
実施形態45は、CRISPRヌクレアーゼが実施形態1~32のいずれか1つの変異体ポリペプチドである、実施形態41~44のいずれか1つの組成物を提供する。
【0477】
実施形態46は、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチドを調製する方法を提供し、この方法は、(i)配列番号1又は配列番号2を含む核酸に1つ以上のヌクレオチド置換を導入して、変異体ポリペプチドをコードする変異体核酸を生成する工程と、(ii)変異体核酸から変異体ポリペプチドを発現させる工程とを含む。
【0478】
実施形態47は、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド及びRNAガイドを含む変異体二成分複合体を提供する。
【0479】
実施形態48は、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド、RNAガイド、及び標的核酸を含む変異体三成分複合体を提供する。
【0480】
実施形態49は、変異体二成分複合体を形成する方法を提供し、この方法は、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチドを、前述の実施形態のいずれかのRNAガイドと接触させることを含む。
【0481】
実施形態50は、変異体三成分複合体を形成する方法を提供し、この方法は、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチドを、前述の実施形態のいずれかのRNAガイド及び前述の実施形態のいずれかの標的核酸と接触させることを含む。
【0482】
実施形態51は、前述の実施形態のいずれかの変異体ポリペプチド若しくは組成物又は変異体二成分複合体を細胞に送達する方法を提供し、この方法は、実施形態1~32のいずれか1つの変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸を細胞に導入する工程と、任意選択で、前述の実施形態のいずれかのRNAガイド若しくはRNAガイドをコードする核酸を導入する工程、又は実施形態5の変異体二成分複合体を導入する工程とを含み、導入する工程は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組み合わせを導入することを含む。
【0483】
実施形態52は、細胞中の標的DNA分子を改変する方法を提供し、この方法は、実施形態1~32のいずれか1つの変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸を細胞に導入する工程と、前述の実施形態のいずれかのRNAガイド若しくはRNAガイドをコードする核酸を導入する工程、又は実施形態47の変異体二成分複合体を導入する工程とを含み、導入する工程は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、ウイルスベクター、又はこれらの任意の組み合わせを導入することを含む。
【0484】
実施形態53は、細胞に導入する工程が細胞をトランスフェクト又は形質導入することを含む、実施形態51又は52の方法を提供する。
【0485】
実施形態54は、細胞に導入する工程が、エレクトロポレーション、注入、遺伝子銃、又はこれらの任意の組み合わせの使用を含む、実施形態51~53のいずれか1つの方法を提供する。
【0486】
実施形態55は、標的DNA分子を改変する方法を提供し、この方法は、標的DNA分子を、実施形態1~32のいずれか1つの変異体ポリペプチド、及び前述の実施形態のいずれかのRNAガイドと接触させることを含む。
【0487】
実施形態56は、標的DNA分子がインビトロ又は細胞内にある、実施形態55の方法を提供する。
【0488】
実施形態57は、細胞が、インビトロ、エクスビボ、又はインビボにある、実施形態51~54、及び56のいずれか1つの方法を提供する。
【0489】
実施形態58は、細胞が、原核細胞、真核細胞、植物細胞、哺乳動物細胞、及びヒト細胞から選択される、実施形態57の方法を提供する。
【0490】
他の実施形態
本明細書に引用されるあらゆる特許、特許出願、及び刊行物の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態を参照して本開示を説明してきたが、当業者であれば、本開示の他の実施形態及び変形を、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく考案し得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、そのような全ての実施形態及び等価な変形形態を含むと解釈されることが意図される。
【国際調査報告】