(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
B01D 29/66 20060101AFI20240822BHJP
B01D 24/48 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B01D29/38 520A
B01D29/36 A
B01D29/38 510C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515128
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2022071559
(87)【国際公開番号】W WO2023036516
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021004616.1
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500563201
【氏名又は名称】ハイダック プロセス テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ユルゲン リンゲン
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル クライン
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン ヒリン
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA01
4D116BB01
4D116BC28
4D116DD07
4D116KK04
4D116QA17C
4D116QA17G
4D116QC04A
4D116QC32D
4D116QC52A
4D116RR01
4D116RR05
4D116RR16
4D116RR21
4D116VV03
4D116VV04
(57)【要約】
本開示は、以下のフィルタ装置に関する。即ち、フィルタ装置であって、指定可能な流れ方向で流体流を粒子状汚染から洗浄するように用いられるフィルタ(10)を備えており、上記フィルタ装置は、未濾過媒体流を供給するための流体入口(12)と、濾液流を除去するための流体出口(14)と、上記フィルタ(10)を逆洗する際、逆洗装置(18)を使用して上記指定可能な流れ方向に反して供給される逆洗流体を排出するための排出口(16)と、を有し、上記フィルタ(10)によって上記流体流から洗浄された上記粒子状汚染が増加するにつれて、上記流体入口と上記流体出口の間の差圧が増大する、フィルタ装置において、弁装置(24)が、上記流体流の方向から見て上記排出口(16)の下流に配置されており、上記弁装置(24)は、上記逆洗流体の排出流量を上記差圧の関数として調整する、ことを特徴とする、フィルタ装置に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ装置であって、粒子状汚染を有する流体流を指定可能な流れ方向で洗浄するように用いられるフィルタ(10)を備えており、前記フィルタ装置は、未濾過媒体流を供給するための流体入口(12)と、濾液流を除去するための流体出口(14)と、前記フィルタ(10)を逆洗する際、逆洗装置(18)を使用して前記指定可能な流れ方向に反して供給される逆洗流体を排出するための排出口(16)と、を有し、前記フィルタ(10)によって前記流体流から洗浄された前記粒子状汚染が増加するにつれて、前記流体入口と前記流体出口の間の差圧が増大する、フィルタ装置において、弁装置(24)が、前記流体流の方向において前記排出口(16)の下流に配置されており、前記弁装置(24)は、前記逆洗流体の排出流量を前記差圧の関数として調整する、ことを特徴とする、フィルタ装置。
【請求項2】
前記フィルタが次第に汚染され、かつその結果として前記差圧が増大するにつれ、前記弁装置(24)は、逆洗がより強度の高いものとなるその完全開放位置へと急速に移行していく、ことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記弁装置(24)は、比例弁であって、油圧的又は電気的に作動させられ、かつ前記フィルタ(10)における前記差圧によって制御される比例弁によって形成される、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記逆洗装置(18)は駆動モータを有し、前記駆動モータは、前記弁装置(24)と共に調整システムに統合されており、前記フィルタ(10)における前記差圧が増大し、かつ前記弁装置(24)が次第に開放されていくにつれて、前記駆動モータが、逆洗を強めるためにより速い速度の方向に制御されるようになっている、ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記フィルタ装置は、油圧的な駆動モータ(20)を備え、前記フィルタ(10)からの濾液を用いて流体が前記駆動モータ(20)の入口側に供給される、ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記フィルタ装置は、電気的な駆動モータ(68)を備え、前記流体入口と前記流体出口の間の前記差圧が圧力センサ(72、74)によって決定され、前記圧力センサ(72、74)は、それらの計測された圧力値を調整システム(70)に伝達し、前記調整システム(70)は、電気的手段によって前記弁装置(24)及び前記駆動モータ(68)を制御する、ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記弁装置(24)のために用いられる前記比例弁は、圧力補償器の形態で構成され、2/2方又は4/2方比例弁である、ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
油圧制御される前記弁装置(24)は、弁ハウジング(44)を備え、前記弁ハウジング(44)内では弁ピストン(50)が長手方向に変位可能に案内されており、前記弁装置(24)は、制御ライン(34、36)を介して前記弁装置(24)を前記流体入口(12)及び前記流体出口(14)に接続する目的のために、前記弁ハウジング(44)の反対の端表面同士にある少なくとも1つの開口(46、48)を各場合において有し、かつ、前記弁ハウジング(44)内の入口(22)と出口(26)の間の流体連通を制御するために、前記弁ピストン(50)内に、特に環状凹部の形態の少なくとも1つの凹部(54)を有し、前記入口(22)は前記排出口(16)に接続されており、かつ前記出口はスラッジ排出側(28)につながっている、ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記弁ピストン(50)内の油圧制御される前記圧力補償器は、さらなる入口(64)とさらなる出口(66)の間のさらなる流体連通を制御するために、さらなる凹部(62)を、好ましくはさらなる環状凹部を、備えており、前記さらなる入口(64)は、油圧式の前記駆動モータ(20)の出口側(38)に接続されており、かつ前記さらなる出口(66)は、逆洗の前記排出流量を制御するために、前記弁ハウジング(44)の1つの出口(26)に接続されている、ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記スラッジ排出側(28)上にスラッジ排出弁を追加的に取付ける必要がない、ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下のフィルタ装置に関する。即ち、フィルタ装置であって、粒子状汚染を有する流体流を指定可能な流れ方向で洗浄するように用いられるフィルタを備えており、未濾過媒体流を供給するための流体入口と、濾液流を除去するための流体出口と、フィルタを逆洗する際、逆洗装置を使用して上記の指定可能な流れ方向に反して供給される逆洗流体を排出するための排出口と、を有し、フィルタによって流体流から洗浄された粒子状汚染が増加した際には、流体入口と流体出口の間の差圧が増大する、フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許技術文献1は、フィルタのフィルタ要素を使用するための逆洗フィルタ装置を開示している。該フィルタ要素は、濾過される流体のためのフィルタ入口及びフィルタ出口を有してフィルタハウジング内に収容されることができ、流れは、濾過方向又は逆洗方向の両方向でフィルタ要素を通過することができ、かつ一組のフィルタ要素が濾過を実行しつつ、同時に、他の少なくとも1つのフィルタ要素がその活性フィルタ表面を洗浄するための逆洗装置によって逆洗されることができる。公知の解決方法では、各場合において他のフィルタ要素を逆洗する際のフィルタハウジング内の圧力低下を低減するため、圧力維持装置又は圧力発生装置が逆洗装置の一部として設けられているという事実により、洗浄性能に影響を及ぼす可能性のある、各フィルタ要素の逆洗の際に生じる圧力損失は、ほとんど回避され、少なくともその影響の観点においては大きく低減される。関連付けられたこの圧力維持装置又は圧力発生装置は、圧力リザバーによって形成され、この圧力リザバーは、好ましくは弾性的に可撓性の分離膜を備えており、この分離膜は、例えば窒素ガス等の指定可能な量の予圧媒体を組み入れている。
【0003】
特許文献2は、特に潤滑油の濾過に用いるためのさらなる汎用フィルタ装置を開示している。このフィルタ装置は、各場合においてフィルタ材料が収容される、フィルタの少なくとも2つのフィルタインサートから成る。該フィルタインサートは、流体通過ポイントを備えており、互いの上に重ねられて複合スタックを形成することができ、洗浄アームを有する逆洗装置が設けられ、該洗浄アームは、その個々のチャンバ状スロット付きノズルでフィルタインサートの内側に沿って変位可能であるように配置され、濾過中にそこに堆積した粒子状汚染の洗浄動作を実行する。この洗浄動作は、装置の濾液側に由来する逆洗流体が、濾過中とは逆の流れ方向で、洗浄アームに接続された排出口を介してダーティ排出側又はスラッジ排出側でフィルタ装置から出ていくことで、実行される。
【0004】
運転の安全性を確保し、内燃機関の耐用年数を維持するためには、潤滑油が完璧な状態であることが非常に重要である。特に、例えば海上用途で重油を用いて運転され得るディーゼルエンジンの連続運転は、潤滑油の品質に特に高度な要求を提示する。これは、そのような用途においては、上記されたようなフィルタ装置の使用は、潤滑油を洗浄するために不可欠であることを意味する。この点に関して、使用される逆洗装置は、いわゆる連続式フラッシャーとして設計される場合が多い。これは、該フィルタ装置が、ダーティ排出側又はスラッジ排出側上の逆洗ライン内には対応するスラッジ排出弁を有しておらず、その結果、逆洗体積が連続的にフィルタ装置から排出されることを意味する。その体積は、濾液側に由来する逆洗流体から成っており、粒子状汚染も搬送している。連続的に排出される逆洗体積により、対応する運転モードは、圧送能力の増大を必要とし、このことは、スロット付きノズルの形態の洗浄ユニットを逆洗アームによってフィルタの内側に沿って動かすモータによるエネルギー消費の増加に結び付く。外部エネルギーによって運転される逆洗フィルタは、この点に関して、独立した監視の努力を必要とするので、独立して運転されるフィルタであるため、市場では受容されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004037280号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102017001968号明細書
【発明の概要】
【0006】
この先行技術に基づき、本発明の目的は、公知のフィルタ装置を適宜さらに改良し、指定可能な範囲内で、逆洗流体の体積をエネルギー効率のよい方法で低減できるようにすることである。対応する目的は、請求項1に記載された特徴を全体として有するフィルタ装置によって達成される。
【0007】
請求項1の特徴部分による、流体流の方向から見ると、弁装置は排出口の下流に配置されており、該弁装置は逆洗流体の排出流量を差圧の関数として調整する、という事実によって、弁装置は、排出口の下流の逆洗ラインの断面積を、流体入口及び流体出口に関連した差圧の関数として調整する、一種の圧力補償器を形成する。フィルタの汚染が大きくなるにつれ、圧力補償器は、それぞれフィルタ要素の逆洗又は効果的洗浄のために必要な断面積を、最大可能な開放位置に達するまで、次第に開放していく。この過程で圧力補償器によって指定され得る逆洗体積は、弁装置の開放されている断面積に比例し、フィルタの洗浄に必要な逆洗エネルギーを最小限に調整するので、エネルギー効率が非常によく、逆洗装置を作動させるための駆動モータの負担が、それらが油圧的手段で駆動されるか又は電気的手段で駆動されるかにかかわらず、軽減されるので、それらの耐用寿命が延ばされる。
【0008】
本発明によるフィルタ装置の好ましい実施形態では、フィルタが次第に汚染され、その結果として差圧が増大するにつれ、弁装置は、逆洗がより強度の高いものとなるその完全開放位置へと次第に移行していくことが、提供される。このことは、均衡を保った圧力比によっては入口及び出口における逆洗が行われないことにつながる。通常の逆洗は、最初にフィルタがわずかに汚染される連続的な中間ステップにより行われ、入口と出口の間で非常に不均衡な圧力比が達成されるまで行われる。この非常に不均衡な圧力比は、フィルタの相当な汚染に相当するものであり得る。その結果として、より強度の高い逆洗が行われ、同時に、各場合において使用されている逆洗装置の駆動モータの駆動出力は増加させられる。
【0009】
また、好ましくは、上記の弁装置は、比例弁であって、油圧的又は電気的に作動させられ、かつフィルタにおける差圧によって制御される比例弁によって形成されることが、提供される。そのようにすると、フィルタ装置は、幅広い用途において、特に弁装置又は圧力補償器の形態の主要構成要素の設計に適合する必要なくして、各場合において現場で利用可能な油圧的/電気的手段によるエネルギー源に対して容易に適合させられることができる。
【0010】
油圧駆動部の解決方法の場合には、逆洗装置は駆動モータを有し、該駆動モータは、弁装置と共に調整システムに統合されており、フィルタにおける差圧が増大し、かつ弁装置が次第に開放されていくにつれて、駆動モータが、逆洗を強めるためにより速い速度の方向に制御されるようになっていることが、提供される。より有利には、油圧駆動モータが
図5による本発明の実施形態で使用される場合には、このモータの出口側における流体の輸送/排出が、それぞれ弁装置又は圧力補償器によって制御されるのであり、これは、制御技術の観点からは、油圧作動可能な駆動モータの入口を制御するよりも容易に達成される。このように、自己調整システムが形成され、多くの場合はフィルタバスケットの形態をとるフィルタの耐用年数は、油圧駆動部と共に延ばされる。
【0011】
図9による他の種類の実施形態では、電気駆動モータが備えられ、流体入口と流体出口の間の差圧が圧力センサによって決定され、該圧力センサは、それらの計測された圧力値を調整システムに伝達し、該調整システムは、電気的手段によって弁装置及び駆動モータを制御することが、提供される。油圧的な解決方法では、圧力センサ及び電気的制御システムによって差圧を監視する必要性は原理的には存在しない一方、電気的な解決方法のためには、この差圧の監視が行われる必要がある。もっとも、この点に関しては、この電気的な解決方法は、省スペースな形でフィルタ装置に取付けられることが可能である。
【0012】
本発明によるフィルタ装置の有利な実施形態では、弁装置のために用いられる比例弁は、圧力補償器の形態で構成され、2/2方又は4/2方比例弁であることが、提供される。2/2方比例弁を用いる場合、排出流量の調整は主として逆洗流体のために行われるが、圧力補償器が弁設計を有する4/2方比例弁として構成されている場合には、油圧モータも同時に逆洗装置のための動力源として制御されることができ、これにより、個々の制御動作が同期した時間シークエンスで行われることができるので、誤った作動動作が回避される。
【0013】
本発明によるフィルタ装置のさらなる好ましい実施形態では、油圧制御される弁装置は、弁ハウジングを備え、該弁ハウジング内では弁ピストンが長手方向に変位可能に案内されており、弁装置は、制御ラインを介して弁装置を流体入口及び流体出口に接続する目的のために、弁ハウジングの反対の端表面同士にある少なくとも1つの開口を各場合において有し、かつ、弁ハウジング内の入口と出口の間の流体連通を制御するために、弁ピストン内に、特に環状凹部の形態の少なくとも1つの凹部を有し、上記入口はフィルタの排出口に接続されており、かつ上記出口はスラッジ排出側につながっていることが、提供される。そのようにして、弁ピストンを制御するための差圧が、省スペースな形で該ピストンに伝達されることができ、同時に、少なくともフィルタの逆洗体積は、その逆洗体積の排出の間、弁ピストンによって調整される。このようにして、高度に力学的な調整概念も達成される。
【0014】
有利なやり方では、この場合、弁ピストン内の油圧制御される圧力補償器は、さらなる入口とさらなる出口の間のさらなる流体連通を制御するために、さらなる凹部を、好ましくはさらなる環状凹部を、備えており、上記さらなる入口は、油圧駆動モータの出口側に、そこからの排出流体のために接続されており、かつ上記さらなる出口は、逆洗の排出流量を制御するために、弁ハウジングの1つの出口に接続されていることが、提供される。結果として、逆洗装置のための油圧駆動部は、各場合において生じる逆洗体積の関数として、弁ピストン内のさらなる凹部を介して同期的に制御されることも可能である。
【0015】
特に、潤滑油の濾過のためにここで求められている不連続的な逆洗に関連して、フィルタ装置は、上記されたように、スラッジ排出側上の遮断弁としての追加的なスラッジ排出弁を取付ける必要なく動作させられることができ、従って、フィルタ装置を含む油圧システム全体のフェイルセーフな運転が改良される。
【0016】
本発明による解決方法は、以下で、図面による実施形態を参照しつつ、より詳細に説明される。図面は概要を示すものであって、縮尺どおりではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、油圧回路図の形態で、フィルタ装置の主要構成要素を示している。
【
図2】
図2は、
図1による油圧回路図に関連付けられた、圧力補償器の形態の弁装置を示している。
【
図3】
図3は、
図1による油圧回路図に関連付けられた、圧力補償器の形態の弁装置を示している。
【
図4】
図4は、
図1による油圧回路図に関連付けられた、圧力補償器の形態の弁装置を示している。
【
図5】
図5は、圧力補償器として設計された変形弁装置を有する、
図1による油圧式の駆動部及び逆洗の解決方法の変形実施形態を示している。
【
図6】
図6は、様々な作動位置又は制御位置にある、
図5による変形弁装置を示している。
【
図7】
図7は、様々な作動位置又は制御位置にある、
図5による変形弁装置を示している。
【
図8】
図8は、様々な作動位置又は制御位置にある、
図5による変形弁装置を示している。
【
図9】
図9は、
図1に対応する回路図の表現であるが、フィルタの逆洗装置のための電気駆動モータ及び電磁気的に制御される弁装置を有した電気的構成である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、油圧回路図の形態で、フィルタ10を有するフィルタ装置を全体として示している。ここで、フィルタ10は、例えば粒子状汚染を有する作動油又は潤滑油の形態の流体流を、指定可能なフィルタ又は流れ方向で洗浄するように、用いられる。このフィルタ装置は、未濾過媒体流を供給するための流体入口12と、フィルタ10を介してその未濾過媒体流を洗浄した後の濾液流を除去するための流体出口14と、を備えている。さらに、フィルタ10は、フィルタ10を逆洗する際、逆洗装置18を使用して上記指定可能な流れ方向に反して供給される逆洗流体を排出するための排出口16を、その基部に有している。逆洗フィルタの対応する構造設計は、例えば特許文献2において詳細に開示されており、このことは、この設計のさらなる詳細はここでは提供されないことを意味する。特に、
図1の逆洗装置18は、記号的に写し取られているのみであるが、スロット付きノズルの形態の洗浄ユニットを有する洗浄アームを備えるものである。この逆洗ユニットは、通常はフィルタバスケットの形態で設計されているフィルタ10の内側に沿って配置されている。流体出口14上の入口を介して濾液が間接的に供給される油圧モータの形態の油圧駆動部20は、洗浄アームを回転駆動するように用いられる。
【0019】
図1にも示されているように、流体流の方向から見て排出口16の下流では、弁装置24が、関連付けられた接続ラインに接続されている。該接続ラインは、入口22として機能し、該弁装置は、出口26としてのその出口側で、ダーティ排出側又はスラッジ排出側28につながるさらなる流体ラインに接続されている。対応するスラッジ排出側28は、
図1によるフィルタ装置から出ていき、かつ、逆洗装置18による逆洗中にフィルタ10から排出され得る粒子状汚染を有する、発生した逆洗流体から通常は成る。さらに、弁装置24は、圧力補償器の形で設計されており、反対にある端面30、32上で、割り当てられた制御ライン34、36を介して、流れ方向から見てフィルタ10の通過前及び通過後の流体入口12又は流体出口14に、永久的な流体搬送の形で接続されている。
【0020】
油圧駆動部20又は油圧モータは、それぞれ、その入口側ではフィルタ側の濾液を供給され、その出口側38上では、流体ライン40を介して、弁装置24とスラッジ排出側28の間の出口26に接続されている。
図1による解決方法では、油圧モータ20及び従って洗浄装置18は、永久的に駆動されている。しかしながら、逆洗プロセスは、弁装置24によって制御され、必要な場合には中断されもする。
【0021】
弁装置24は、2/2方比例弁の形態の圧力補償器の形で設計されており、
図1に見られるように、右手の制御側32上にある圧縮ばね42の形態のエネルギー蓄積器によっても永久的に負荷を受ける。
【0022】
フィルタ10によって流体流から洗浄された粒子状汚染が増加すると、流体入口12と流体出口14の間の差圧が増大し、その結果、流体入口12のより高い圧力により、弁装置24は圧縮ばね62の作用に抗するように制御され、この過程で、逆洗流体の排出流量が増加させられる。従って、フィルタ10からの可能な逆洗流体の排出流量は、差圧の関数として調整されるのであり、このことは、
図2~4の助けを借りつつ以下でさらに詳細に説明される。
【0023】
ここで、弁装置24は弁ハウジング44を備えているが、該ハウジングの抜粋部のみが
図2~4において再現されている。この弁ハウジング44は、
図2上に見られるように、左手側に制御ポート46を備えており、反対の側では、2つのさらなるポート48が弁ハウジング44内に受け入れられている。それらの2つのさらなるポート48は、共に右手の制御ライン36に接続されている。(図示されてはいない)複数部分を含む弁ハウジング44の内部では、弁ピストン50が、長手方向に変位可能であるように案内されており、各場合において、該弁ピストンは、その円周上で、その2つの制御側30、32の方向に、1つの環状シールを備えている。この過程で、右手の制御側32は圧縮ばね42に支持されており、圧縮ばね42は、その他方の自由端で、弁ハウジング44内で静止するように配置された支持装置52に支持されている。圧縮ばね42の1つの自由端は、支持装置52のプレート形状のカウンタ軸受と永久的に接触しているのである。
【0024】
さらに、弁ピストン50は、環状凹部の形態の凹部54を備える。凹部54は、弁ピストン50の円周を完全に通過し、この過程で、弁ピストン50を2つの制御領域に基本的に細分しており、これらの制御領域はピン状の中央接続部56によって互いに一体的に接続されている。
図2に見られるように、弁ハウジング44は、上部に接続口58を備えており、接続口58は入口22に接続されており、さらに入口22は流体搬送的にフィルタ10の排出口16に接続されている。さらなる接続口60が、同一平面かつ弁ハウジング44の反対の側に設けられており、この開口は出口26を介してスラッジ排出部28につながっている。
図2~4に示された矢印は、各場合において可能な流体の流れを再現している。
【0025】
図2によって示されている弁ピストンの変位位置では、流体入口12における圧力は、流体出口14における圧力に実質的に対応しており、即ち、ポート46における支配的な圧力は、上記さらなる2つのポート48における圧力に対応している。従って、左の静止位置にある弁ピストン50は、圧縮ばね42の作用によって保持されており、2つの接続口58、60は弁ピストン50によって互いに隔てられている。即ち、流体が開口58から開口60へと、従ってスラッジ排出部28へと、流れることはない。この点に関しては、フィルタ10上には関連する汚染が存在しないので、上記の均衡を保った圧力比により、従って弁装置24は、
図2に示されているような、逆洗が発生しないその閉鎖位置にあるのである。この過程で、油圧モータ20及び洗浄装置18は永久的に駆動され、ただ逆洗プロセス自体が弁装置24によって阻止されている。
【0026】
図3に示されている実施形態では、入口46から出口48への圧力比が少し不均衡であり、
図3に見られるように、弁ピストン50は、圧縮ばね42の作用に抗して右方向に移動している。その結果、弁装置24は少し開き、凹部54を介した接続口58と60の間の流体連通が、単にスラッジ排出部28に流体が供給されるだけではないように、次第に形成される。対応するこの洗浄状況は、フィルタ10上の少量の汚染と同等であり得るのである。
【0027】
一方で、
図4に示されている実施形態では、ポート46とさらなるポート48の間の圧力比は非常に不均衡であり、その結果、弁装置24は、油圧駆動部20が最大速度に至る完全開放位置へと移行し、逆洗装置18を介した強度の高い逆洗が生じる。対応するこの圧力比状況をもって、洗浄前のフィルタ10上には高いレベルの汚染が予測され得ることが想定され得る。
【0028】
逆洗ライン内にスラッジ排出部28の方向の油圧補償器を有する、
図1~4に示された逆洗フィルタは、従って油圧制御された2/2方比例弁として機能し、逆洗体積をフィルタ10上に生じた粒子状汚染の関数として調整する。従って、調整されていない油圧駆動部20は、永久的に駆動される。
【0029】
図5~8に示された実施形態では、改良された油圧駆動部の調整が起こっており、これは油圧制御された4/2方比例弁が弁装置24として用いられているからである。このように、対応して設計された圧力補償器は、単に上記のように逆洗体積を調整することができるだけではなく、駆動部20の形態の油圧モータの調整を可能にもする。
図5及び6では、弁装置24は、この示されている場合における閉鎖位置にあり、即ち、流体入口12と流体出口14の間の圧力比は均衡を保っており、その結果として、上記されたように、弁24は閉鎖され、逆洗は怒らない。
図5に示された実施形態では、弁装置24が関連付けられた流れの断面を開放するときに、油圧モータ20及びそれに接続された逆洗装置18が再び駆動されるか、又はこの逆洗プロセスが再び駆動される。原則として、この油圧モータ20は、フィルタ10からの清浄流体又は濾液でそれぞれ常に洗浄されている。対応する状況は、フィルタ要素10上に汚染がないことと同等である。油圧駆動部20の分離制御のため、弁ピストン50は、
図6~8に示されているさらなる環状凹部62であって、特に、第1の凹部54と同等の、さらなる環状凹部の形態の凹部62を備えている。この場合、さらなる凹部62は、弁ピストン50内で、第1の凹部54と右手の制御側32の間に配置されている。この凹部62によってさらなる流体連通を制御するために、さらなる入口64及びさらなる出口66が弁ハウジング44内に設けられており、このさらなる入口64は油圧駆動モータの出口側38に接続され、かつ、さらなる出口66は、逆洗排出流量を制御するために、弁ハウジング44上の1つの出口60に永久的に接続され、共に出口26を介してスラッジ排出部28の方向につながっている。
【0030】
図7に示されている弁によれば、ポート46とさらなる2つのポート48の間に小さく不均衡な圧力比が生じている場合には、弁装置24は部分的に開き、該モータを駆動するために油圧モータ20の方向に通常流れが存在する通常の逆洗動作が起きる。従って、フィルタ10上の汚染は、低く分類され得る。
【0031】
フィルタ10上の汚染が大きい場合には、入口46と出口48の間の圧力比は非常に不均衡であり、弁装置24は
図8に示されているように完全に開き、それによって、油圧モータ20が高流量に関連した完全な駆動速度を経験するという点で強度の高い逆洗が導かれる。即ち、逆洗装置18は、逆洗アームを用いた逆洗のために、フィルタ10の内側で高い回転速度で駆動されている。
【0032】
図9に示されている実施形態では、駆動モータは電動モータ68であり、この電動モータ68は、中央制御システム又は中央調整システム70によって制御されている。該制御システム又は調整システムは、2つの圧力センサ72、74を介し、入力信号として、流体入口12又は流体出口14における圧力に関する情報を受け取る。フィルタ10の汚染レベルが上昇し、それぞれフィルタ10通過前又は通過後の測定ポイント72、74における差圧がそれに伴って大きくなると、電動モータ68は、高速度で動作させられ、従って逆洗装置18を大きな程度で作動させる。関連付けられたより大きな逆洗体積が、弁装置24が作動させられることによってスラッジ排出部28の方向に通過させられ、電磁作動装置76は、この目的のため、弁制御システムの一部として、調整システム70によって電気的に作動させられる。あるいは、
図9による実施形態は、油圧的な実施形態の電気的設計以外では、
図1に対応する。そのようにして、同様にして逆洗体積のための単一の油圧式の制御システムが存在し、装置18のための駆動モータは、上記されたように電気的な点で設計されている。
【国際調査報告】