(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】少なくとも1つの垂直不織布材料を含む流体収集アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/455 20060101AFI20240822BHJP
A61F 5/453 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A61F5/455
A61F5/453
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515351
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 US2022042719
(87)【国際公開番号】W WO2023038945
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
【住所又は居所原語表記】2030 Gillespie Way, Suite 109, El Cajon, CA 92020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン ヂィーフゥ
(72)【発明者】
【氏名】シマニアク カミル
(72)【発明者】
【氏名】デービス キャサリーン
(72)【発明者】
【氏名】アンデルソン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】タン-ファヘド ブレンダン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC21
4C098CC31
4C098CC37
4C098CC38
4C098CC39
4C098CE10
4C098DD05
4C098DD10
(57)【要約】
例示的な流体収集アセンブリは、チャンバ、少なくとも1つの開口部、及び流体出口を少なくとも画定する流体不透過性層を含む。流体収集アセンブリはまた、チャンバ内に配置された少なくとも1つの多孔性材料を含む。多孔性材料は、複数の繊維を含む少なくとも1つの垂直不織布材料を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体不透過性層であって、
チャンバ、
少なくとも1つの開口部、及び、
流体出口、を少なくとも画定する流体不透過性層と、
前記チャンバ内に配置された少なくとも1つの多孔性材料であって、少なくとも1つの垂直不織布材料を含み、前記少なくとも1つの垂直不織布材料は複数の繊維を含み、前記垂直不織布材料は折り畳まれている、少なくとも1つの多孔性材料と、
を備える、流体収集アセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、導管を受け取るように構成されたボアを画定する、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項3】
前記導管の表面の少なくとも一部分に配置された形状記憶箔又はコーティングを更に備える、請求項2に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は親水性である、請求項1から3のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、ポリエステル、ポリプロピレン、又はナイロンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、セルロース、綿、又は竹のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、約1.5mm~約20mmの厚さを示す、請求項1から6のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、約10g/m
2~約500g/m
2の表面密度を示す、請求項1から7のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、約140g/m
2~約250g/m
2の表面密度を示す、請求項1から8のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、約60kg/m
3~約250kg/m
3の密度を示す、請求項1から9のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料の前記複数の繊維は、略整列されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、複数の屈曲部と、前記屈曲部間に延在する複数の中間部分とを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料の前記複数の屈曲部のそれぞれの前記複数の繊維は、円周方向に略整列される、請求項12に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料の前記複数の中間部分のそれぞれの前記複数の繊維は、半径方向に略整列される、請求項12又は13のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、前記チャンバ内に配置された導管から前記流体不透過性層まで延びる単一の不織布材料を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの多孔性材料は、前記少なくとも1つの垂直不織布材料上に配置された少なくとも1つの追加材料を更に含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの追加材料は少なくとも1つのガーゼを含む、請求項16に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、前記少なくとも1つの開口部を横切って延在する、請求項1から17のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項19】
前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置された導管と、前記導管の外面の少なくとも一部分に配置された少なくとも1つの形状記憶材料とを更に備える、請求項1から18のいずれか一項に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の前記流体収集アセンブリと、
流体貯蔵容器と、
真空源と、を備え、
ここで前記流体収集アセンブリの前記チャンバ、前記流体貯蔵容器、及び前記真空源は、互いに流体連通しており、その結果、1つ以上の体液が前記チャンバ内に存在する場合、前記真空源から前記流体収集アセンブリの前記チャンバに供給される吸引は、前記1つ以上の体液を前記チャンバから除去し、前記体液を前記流体貯蔵容器内に堆積させる、
流体収集システム。
【請求項21】
流体収集アセンブリを使用する方法であって、
前記流体収集アセンブリの流体不透過性層によって画定される少なくとも1つの開口部を横切って延在する少なくとも1つの多孔性材料を、女性の尿道開口部に隣接して配置することであって、前記流体不透過性層はチャンバ及び流体出口を少なくとも画定し、前記少なくとも1つの多孔性材料は前記チャンバ内に配置され、前記少なくとも1つの多孔性材料は少なくとも1つの垂直不織布材料を含み、前記少なくとも1つの垂直不織布材料は複数の繊維を含み、前記垂直不織布材料は折り畳まれている、ことと、
1つ以上の体液を前記女性の尿道開口部から前記少なくとも1つの開口部を通して、前記少なくとも1つの多孔性材料の中に受け取ることと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記女性の尿道開口部から1つ以上の体液を受け取った24時間以上後に、前記流体収集アセンブリを前記女性の尿道開口部から取り外すことを更に含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月8日に出願された米国仮特許出願第63/241,575号に対する優先権を主張し、その開示はその全体が、参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
人又は動物は、可動性が限られているか、又は損なわれている場合があり、そのため、通常の排尿プロセスが困難であるか、又は不可能である。例えば、人は、可動性を損なう障害を経験しているか、又は有する可能性がある。人は、パイロット、運転手、及び危険区域での労働者が経験するような制限された移動条件を有する場合がある。更に、体液収集が、モニタリング目的又は臨床試験のために必要になる場合もある。
【0003】
尿道カテーテル、例えばフォーリカテーテルは、失禁などの、これらの状況のいくつかに対処し得る。残念なことに、尿道カテーテルは、不快感、痛みを伴う場合があり、また感染症などの合併症を引き起こす可能性がある。加えて、寝たきりの人のトイレ用に使われる容器であるベッドパンが、使用される場合もある。ただし、ベッドパンは不快感、こぼれ、及びその他の衛生上の問題が発生しやすい可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/142624号明細書
【特許文献2】欧州特許第0140471号明細書
【特許文献3】国際公開第2018/152156号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態は、少なくとも1つの垂直不織布材料を含む流体収集アセンブリと、それを含む流体収集システムと、その使用方法及び形成方法とに関する。一実施形態では、流体収集アセンブリが開示される。流体収集アセンブリは、流体不透過性層を含み、流体不透過性層はチャンバ、少なくとも1つの開口部、及び流体出口を少なくとも画定する。流体収集アセンブリはまた、チャンバ内に配置された少なくとも1つの多孔性材料を含む。少なくとも1つの多孔性材料は、少なくとも1つの垂直不織布材料を含む。垂直不織布材料は、複数の繊維を含む。垂直不織布材料は、折り畳まれている。
【0006】
一実施形態では、流体収集システムが開示される。流体収集システムは、流体収集アセンブリを含む。流体収集アセンブリは、流体不透過性層を含み、流体不透過性層はチャンバ、少なくとも1つの開口部、及び流体出口を少なくとも画定する。流体収集アセンブリはまた、チャンバ内に配置された少なくとも1つの多孔性材料を含む。少なくとも1つの多孔性材料は、少なくとも1つの垂直不織布材料を含む。垂直不織布材料は、複数の繊維を含む。垂直不織布材料は、折り畳まれている。流体収集システムは更に、流体貯蔵容器と真空源を含む。流体収集アセンブリのチャンバ、流体貯蔵容器、及び真空源は、それぞれと流体連通しており、1つ以上の体液がチャンバ内に存在する場合、真空源から流体収集アセンブリのチャンバに供給される吸引により、1つ以上の体液がチャンバから除去され、体液を流体貯蔵容器内に堆積する。
【0007】
一実施形態では、流体収集アセンブリを使用する方法が開示される。この方法は、流体収集アセンブリの流体不透過性層によって画定される少なくとも1つの開口部を横切って延在する少なくとも1つの多孔性材料を、女性の尿道開口部に隣接して配置することを含む。流体不透過性層は、チャンバ及び流体出口を少なくとも画定する。少なくとも1つの多孔性材料は、チャンバ内に配置される。少なくとも1つの多孔性材料は、少なくとも1つの垂直不織布材料を含む。少なくとも1つの垂直不織布材料は、複数の繊維を含む。垂直不織布材料は、折り畳まれている。この方法はまた、1つ以上の体液を女性の尿道開口部から少なくとも1つの開口部を通して、少なくとも1つの多孔性材料の中に受け取ることを含む。
【0008】
開示された任意の実施形態からの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わせて使用され得る。更に、本開示の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を考慮することによって当業者には明らかになるであろう。
【0009】
図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、同一の参照番号は、図面に示される異なる図又は実施形態における同一、又は同様の要素又は特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】一実施形態による、流体収集アセンブリの等角図である。
【
図1B】
図1Aに示される平面1B-1Bに沿った流体収集アセンブリの断面概略図である。
【
図1C】
図1Aに示される平面1C-1Cに沿った流体収集アセンブリの断面概略図である。
【
図1D】
図1Cに示す囲みから取り出した流体収集アセンブリの一部分の断面概略図である。
【
図2A】一実施形態による、流体収集アセンブリの断面概略図であり、少なくとも1つの垂直不織布材料に加えて少なくとも1つの追加材料を有する多孔性材料を含んでいる。
【
図2B】
図2Aに示される平面2B-2Bに沿った流体収集アセンブリの断面概略図である。
【
図3】一実施形態による、流体収集アセンブリの断面概略図である。
【
図4】一実施形態による、流体収集のための流体収集システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態は、少なくとも1つの垂直不織布材料を含む流体収集アセンブリと、それを含む流体収集システムと、その使用方法及び形成方法に関する。一例の流体収集アセンブリは、流体不透過性層(例えば、流体不透過性バリア)を含み、流体不透過性層はチャンバ、少なくとも1つの開口部、及び流体出口を少なくとも画定する。流体収集アセンブリはまた、チャンバ内に配置された少なくとも1つの多孔性材料を含む。多孔性材料は、複数の繊維を含んだ、少なくとも1つの垂直不織布材料を含む。垂直不織布材料は、例えば、
図1Dに関してより詳細に説明されるように、垂直方向に折り畳まれた不織布ウェブを含む。
【0012】
使用中、流体収集アセンブリは、開口部が女性の尿道開口部に隣接して配置されるか、又は男性の尿道開口部(すなわち、陰茎)を受け入れるように個人に配置され得る。個人は、尿、血液、又は汗などの1つ以上の体液を排出する場合がある。体液は、チャンバに流入し、多孔性材料の中に受け入れられ得る。体液は、流体出口を介してチャンバから除去され得る。一実施形態では、吸引が、真空源からチャンバに加えられ得て、体液をチャンバから除去する。
【0013】
一部の従来の流体収集アセンブリは、垂直不織布材料以外の多孔性材料を含む。このような従来の流体収集アセンブリの多孔性材料は、多孔性薄膜、ポリエチレンテレフタレート又は紡績ナイロン繊維コア上に配置されたガーゼ、あるいはクロスラップ不織布の濾過材料上に配置されたカバーシートを含み得る。しかしながら、そのような従来の流体収集アセンブリで使用される多孔性材料は、体液を素早く捕捉して体液を輸送することができない場合があることが判明している。本明細書で使用される場合、「体液を捕捉する」などは、体液を受け取る多孔性材料の能力を指し、「体液を輸送する」などは、体液を出口(例えば、流体出口又は導管の入口)に向かって素早く移動させる多孔性材料の能力を指す。従来の流体収集アセンブリで使用されている多孔性材料は、体液を効率的に捕捉することができず、体液の漏出を引き起こす場合があり、これは特に従来の流体収集アセンブリを使用している人が短期間に大量の体液を排出する場合(例えば、排尿時)である。体液を素早く輸送することができない従来の流体収集アセンブリで使用される多孔性材料は、そのような従来の流体収集アセンブリが比較的頻繁に交換される(例えば、少なくとも12時間の使用後、最大で18時間の使用後、又は皮膚劣化の重大なリスクがある場合は最大24時間の使用後に交換される)ことがないと、素早く乾くことができず、皮膚の劣化を引き起こす。更に、体液を素早く輸送することができない従来の流体収集アセンブリで使用される多孔性材料は、体液で飽和される可能性があり、それによって多孔性材料がそれ以上の体液を受け取るのを妨げられ、その結果、体液の漏出が生じる場合がある。
【0014】
本明細書に開示される流体収集アセンブリは、このような従来の流体収集アセンブリを、少なくとも、この流体収集アセンブリが少なくとも1つの垂直不織布材料を含む多孔性材料を含むことで改善したものである。驚くべきことに、垂直不織布材料は、素早く体液を捕捉し、体液を輸送することができることが判明している。したがって、垂直不織布材料は、多孔性材料が従来の流体収集アセンブリで一般的に使用される他の多孔性材料を含む場合よりも、体液の漏出をよりよく防止し、多孔性材料をよりよく乾燥状態に維持し得る。例えば、本明細書に開示される流体収集アセンブリは、実質的に皮膚劣化を引き起こすことなく、長時間使用することができ、これは本明細書に開示される流体収集アセンブリが垂直不織布材料を含むためである。本明細書に開示される流体収集アセンブリが使用され得る長時間は、24時間以上、約30時間以上、約36時間以上、約42時間以上、約48時間以上の時間、又は約24時間~約36時間、約30時間~約42時間、若しくは約36時間~約48時間の範囲を含む。
【0015】
図1Aは、一実施形態による、流体収集アセンブリ100の等角図である。
図1B及び
図1Cは、それぞれ、
図1Aに示される平面1B-1B及び1C-1Cに沿った流体収集アセンブリ100の断面概略図である。流体収集アセンブリは、女性の尿道開口部から体液を受け取るように構成された流体収集アセンブリの一例である。流体収集アセンブリ100は、流体不透過性層102を含む。流体不透過性層102は、少なくとも、チャンバ104、少なくとも1つの開口部106、及び流体出口108を画定する。流体収集アセンブリ100はまた、チャンバ104内に配置され、開口部106を横切って延在する少なくとも1つの多孔性材料110を含む。多孔性材料110は、少なくとも1つの垂直不織布材料を含む。
【0016】
流体不透過性層102は、チャンバ104(例えば、内部領域)及び開口部106を少なくとも部分的に画定する。流体不透過性層102は、体液をチャンバ104内に一時的に溜める。流体不透過性層102は、任意の適切な流体不透過性材料(複数可)、例えば、流体不透過性ポリマ(例えば、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ネオプレン、ポリカーボネートなど)、金属フィルム、天然ゴム、別の適切な材料、本明細書に開示される他の任意の流体不透過性材料、又はそれらの組み合わせで形成され得る。したがって、流体不透過性層102は、体液が流体不透過性層102を通過するのを実質的に防止する。一例では、流体不透過性層102は、空気透過性及び流体不透過性であり得る。このような例では、流体不透過性層102は、複数の細孔を画定する疎水性材料で形成され得る。流体不透過性層102の少なくとも外面の少なくとも1つ以上の部分は、柔らかい、及び/又は滑らかな材料から形成され、それによって擦れを低減し得る。
【0017】
開口部106は、体液がチャンバ104に入る進入経路を提供する。開口部106は、流体不透過性層102によって、例えば、流体不透過性層102の内縁によって画定され得る。例えば、開口部106は、流体不透過性層102内に形成され、流体不透過性層102を通って延在し、それにより、体液は、流体収集アセンブリ100の外側からチャンバ104に入ることができるようになる。
【0018】
いくつかの例では、流体不透過性層102は、導管114を受け入れるサイズの流体出口108を画定し得る。少なくとも1本の導管114は、流体出口108を介してチャンバ104内に配置され得る。流体出口108は、導管114又は少なくとも1本のチューブに対して少なくとも実質的に液密のシールを形成し、それによって体液がチャンバ104から漏れるのを実質的に防止するようなサイズ及び形状であり得る。
【0019】
前述したように、流体収集アセンブリ100は、チャンバ104内に配置された多孔性材料110を含む。多孔性材料110は、開口部106の少なくとも一部分(例えば、全体)を覆ってもよい。多孔性材料110は、垂直不織布材料を含んでもよい。
【0020】
垂直不織布材料は、任意の適切な垂直不織布材料から形成され得る。一実施形態では、垂直不織布材料は、合成繊維から形成され得る。合成繊維の例には、ポリエステル、ポリプロピレン、又はナイロンが含まれる。一実施形態では、垂直不織布材料は、天然繊維から形成されてもよく、天然繊維は、合成繊維よりも持続可能で生分解性が高い場合がある。天然繊維の例には、セルロース、綿、及び竹が含まれる。一実施形態では、垂直不織布材料は、天然繊維及び合成繊維から形成され得る。
【0021】
一実施形態では、垂直不織布材料は、任意の体液を開口部106から吸い上げ、及び/又は、そうでなければ開口部106から輸送することができるように構成され、それによって体液がチャンバ104から漏れるのを防止し得る。本明細書で言及される透過性特性は、ウィッキング、毛細管作用、拡散、又は他の同様の特性若しくはプロセスであり得て、本明細書では「透過性」及び/又は「ウィッキング」と呼ばれる。そのような「ウィッキング」及び/又は「透過性」特性は、垂直不織布材料の少なくとも一部分への体液の吸収を含まない場合がある。言い換えると、垂直不織布材料が体液に曝され、体液から離された後、しばらくの間、実質的に垂直不織布材料の中への体液の吸収又は溶解は起こらない場合がある。吸収又は溶解性が望まれないとき、「実質的に吸収しない」という用語は、垂直不織布材料の中への体液の吸収及び/又は溶解性の公称量(例えば、吸収性)が、例えば、垂直不織布材料の乾燥重量の約30重量%未満、約20重量%未満、約10重量%未満、約7重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、又は垂直不織布材料の乾燥重量の約0.5重量%未満であることを可能にし得ることを指す。一実施形態では、垂直不織布材料は、少なくとも1つの吸収性又は吸収性材料を含み得る。一実施形態では、垂直不織布材料は親水性であり得る。垂直不織布材料の親水性により、垂直不織布材料はその中に体液を素早くに捕捉し、それによって、短時間にわたる大量の体液の排出によって引き起こされる体液の漏出を防止し、又は少なくとも阻止し得る。垂直不織布材料は、垂直不織布材料と水(体液の主成分)との接触角が、約0°~約10°、約5°~約15°、約10°~約20°、約15°~約25°、約20°~約30°、約25°~約35°、約30°~約40°、約35°~約45°、約40°~約50°、約45°~約55°、約50°~約60°、約55°~約65°、約60°~約70°、約65°~約75°、約70°~約80°、約75°~約85°、又は約80°~90°を示す場合に、親水性であってもよい。一般に、垂直不織布材料の親水性を増加させる(すなわち、垂直不織布材料と水との間の接触角を減少させる)と、垂直不織布材料が一定時間にわたって受け取ることができる体液の量が増加する。しかしながら、垂直不織布材料の親水性を高めると、垂直不織布材料が体液を受け取った後に垂直不織布材料に保持される体液の量が増加する可能性がある。したがって、垂直不織布材料の親水性は、多孔性材料110を乾いた状態に保ちながらも、体液を素早く受け取る必要性のバランスに基づいて選択され得る。例えば、膀胱が大きい個人に短時間、使用されるように構成された流体収集アセンブリ100は、平均的な大きさから小さい大きさまでの膀胱を有する個人が、長時間、使用するように構成された流体収集アセンブリ100の垂直不織布材料よりも高い親水性を示す垂直不織布材料を含み得る。少なくともいくつかの従来の流体収集アセンブリの多孔性材料は、その流体輸送を改善するために疎水性であるように選択されることに留意する。しかしながら垂直不織布材料は、垂直不織布材料が親水性である場合でも、素早い流体輸送を示すことが予想外に判明した。
【0022】
一実施形態では、垂直不織布材料の親水性は、垂直不織布材料を形成するために使用される材料(複数可)(例えば、繊維)の固有の特性であり得る。一実施形態では、材料(複数可)の垂直不織布材料の親水性は、垂直不織布材料に添加される不純物又は官能基のうちの少なくとも1つによって、そうでなければ垂直不織布材料を処理するか、又は垂直不織布材料を垂直不織布材料とは異なる親水性を示す材料でコーティングすることによって変更され得る。
【0023】
一実施形態では、垂直不織布材料は疎水性であってもよい。垂直不織布材料は、垂直不織布材料と水との接触角が約90°~約120°、約105°~約135°、約120°~約150°、約135°~約165°、又は150°を超える角度を示す場合には疎水性であってもよい。疎水性の垂直不織布材料は、それによって受け取られる体液を、垂直不織布材料が親水性である場合よりも素早く輸送し得る。
【0024】
多孔性材料110の垂直不織布材料は、約5kg/m2/cm~約10kg/m2/cm、約7.5kg/m2/cm~約12.5kg/m2/cm、約10kg/m2/cm~約15kg/m2/cm、約12.5kg/m2/cm~約17.5kg/m2/cm、約15kg/m2/cm~約20kg/m2/cm、約17.5kg/m2/cm~約22.5kg/m2/cm、約20kg/m2/cm~約25kg/m2/cm、約22.5kg/m2/cm~約27.5kg/m2/cm、約25kg/m2/cm~約30kg/m2/cm、約27.5kg/m2/cm~約32.5kg/m2/cm、約30kg/m2/cm~約35kg/m2/cm、約32.5kg/m2/cm~約37.5kg/m2/cm、約35kg/m2/cm~約37.5kg/m2/cm、約35kg/m2/cm~約40kg/m2/cm、約37.5kg/m2/cm~約42.5kg/m2/cm、約40kg/m2/cm~約45kg/m2/cm、約42.5kg/m2/cm~約47.5kg/m2/cm、又は約45kg/m2/cm~約50kg/m2/cmの密度を示すように選択され得る。一般に、垂直不織布材料の密度の増加は、垂直不織布材料の強度を増す。しかしながら、垂直不織布材料の密度の増加により、垂直不織布材料の多孔度が減少する場合があり、これにより、多孔性材料110内に一時的に溜められ得る体液の量が減少し、垂直不織布材料を通る体液の流量が減少する。したがって、垂直不織布材料の密度は、所望の強度、多孔度、及び垂直不織布材料を通る体液の流量のバランスに基づいて選択され得る。
【0025】
多孔性材料110の垂直不織布材料は、約1mmより大きい厚さTを示すように選択され得て、例えば、1mm~約3mm、約2mm~約4mm、約3mm~約5mm、約4mm~約6mm、約5mm~約7mm、約6mm~約8mm、約7mm~約9mm、約8mm~約10mm、約9mm~約11mm、約10mm~約12mm、約11mm~約13mm、約12mm~約14mm、約13mm~約15mm、約14mm~約16mm、約15mm~約18mm、約17mm~約20mm、約19mm~約22mm、約21mm~約25mm、又は約24mm~約30mmの範囲にある。垂直不織布材料の厚さTを増加させると、一般に、垂直不織布材料内に一時的に溜めることができる体液の量が増加し、垂直不織布材料の密度及び目付をより柔軟に選択できるようになる。しかしながら、不織布材料の厚さTは、流体収集アセンブリ100のサイズ及び機能によって制限される場合がある。例えば、垂直不織布材料の厚さTは、垂直不織布材料が、チャンバ104内に、任意の他のアイテムとともに配置され得るように選択される必要があり、任意の他のアイテム、例えば、多孔性材料110の少なくとも1つの追加材料又は導管114のうちの少なくとも1つもまた、チャンバ104内に配置され得る。更に、垂直不織布材料の厚さTの増加は、増加した厚さTが多孔性材料110内の真空圧を薄めるため、チャンバ104から実質的にすべての体液を除去することを困難にする可能性がある。
【0026】
多孔性材料110の垂直不織布材料は、約1g/m2~約25g/m2、約10g/m2~約75g/m2、約50g/m2~約100g/m2、約75g/m2~約125g/m2、約100g/m2~約150g/m2、約125g/m2~約175g/m2、約150g/m2~約200g/m2、約175g/m2~約225g/m2、約200g/m2~約250g/m2、約225g/m2~約275g/m2、約250g/m2~約300g/m2、約275g/m2~約325g/m2、約300g/m2~約375g/m2、約350g/m2~約450g/m2、約400g/m2~約500g/m2、約450g/m2~約550g/m2、又は約500g/m2~約600g/m2の目付を示すように選択され得る。垂直方不織布材料の目付は、垂直不織布材料の密度と厚さの関数である。したがって、垂直不織布材料の目付は、垂直不織布材料の密度及び厚さと同じ理由のいずれかによって選択され得る。
【0027】
前述したように、垂直不織布材料は複数の繊維124から形成される。複数の繊維124は、平均的な長さ及び平均的な横寸法(例えば、直径)を示し得る。一例では、複数の繊維124は、約500μm~約2mm、約1mm~約3mm、約2mm~約4mm、約3mm~約5mm、約4mm~約6mm、約5mm~約7mm、約6mm~約8mm、約7mm~約9mm、約8mm~約1cm、約9mm~約1.2cm、約1cm~約1.4cm、約1.2cm~約1.6cm、約1.4cm~約1.8cm、約1.6cm~約2cm、約1.8cm~約2.25cm、約2cm~約2.5cm、約2.25cm~約2.75cm、約2.5cm~約3cm、約2.75cm~約3.25cm、約3cm~約3.5cm、約3.25cm~約3.75cm、約3.5cm~約4cm、約3.75cm~約4.25cm、約4cm~約4.5cm、約4.25cm~約4.75cm、約4.5cm~約5cm、約4.75cm~約5.5cm、約5cm~約6cm、約5.5cm~約6.5cm、約6cm~約7cm、約6.5cm~約7.5cm、約7cm~約8cm、約7.5cm~約8.5cm、約8cm~約9cm、約8.5cm~約9.5cm、又は約9cm~約10cmの平均長さを示すように選択され得る。一例では、繊維124は、約1μm~約2μm、約1.5μm~約3μm、約2μm~約4μm、約3μm~約5μm、約4μm~約7μm、約6μm~約10μm、約8μm~約12.5μm、約10μm~約15μm、約12.5μm~約17.5μm、約15μm~約20μm、約17.5μm~約25μm、約20μm~約30μm、約25μm~約35μm、約30μm~約40μm、約35μm~約45μm、約40μm~約50μm、約45μm~約55μm、約50μm~約60μm、約55μm~約65μm、約60μm~約70μm、約65μm~約75μm、約70μm~約80μm、約75μm~約85μm、約80μm~約90μm、約85μm~約95μm、又は約90μm~約100μmの平均横寸法を示し得る。繊維124の平均長さ及び平均横寸法は、繊維124が平均アスペクト比を示すように選択され得る。例えば、繊維124の平均長さ及び平均横寸法は、繊維124が、約25:1~約75:1、約50:1~約100:1、約75:1~約150:1、約100:1~約200:1、約150:1~約250:1、約200:1~約300:1、約250:1~約350:1、約300:1~約400:1、約350:1~約450:1、約400:1~約500:1、約450:1~約550:1、約500:1~約600:1、約550:1~約650:1、約600:1~約700:1、約650:1~約750:1、約700:1~約800:1、約750:1~約850:1、約800:1~約900:1、約850:1~約950:1、又は約900:1~約1,000:1の平均アスペクト比(平均長さ:平均横寸法)を示すように選択され得る。
【0028】
繊維124の平均長さ、平均横寸法、及び平均アスペクト比は、多くの要因に基づいて選択され得る。一例では、繊維124のアスペクト比を大きくする(例えば、平均長さを増大する)ことは、繊維124の機械的結合を増加し得る。例えば、繊維124のアスペクト比を大きくすると、繊維124の絡み合いが促され、垂直不織布材料の強度及び耐久性が増す。繊維124の絡み合いはまた、垂直不織布材料に適用される他の結合技術、例えば、熱、化学的結合、又は他の機械的結合(例えば、ニードルパンチング又は高圧水噴射によって引き起こされる更なる絡み合い)を排除又は最小限に抑え得る。しかしながら、繊維124のアスペクト比を大きくすると、繊維124の分散がより困難になる可能性がある(例えば、垂直不織布材料の均一性を図るのが困難になる)。更に、アスペクト比を大きくすると、垂直不織布材料を形成し得る不織布ウェブの種類が制限される場合がある。例えば、平均長が大きい(例えば、アスペクト比が大きい)繊維124は、カードウェブでは使用できず、エアレイドウェブで使用しなければならない場合がある。一例では、アスペクト比を小さくすると、繊維124の絡み合いが減少し、それによって繊維124の更なる結合が必要になる可能性がある。したがって、繊維124の平均長さ、平均横寸法、及び平均アスペクト比は、所望の強度、繊維間の機械的結合、垂直不織布材料の加工量(例えば、熱などを介して結合を高める更なる処理が望ましい)、繊維124を含む不織布ウェブ118の種類、繊維124の均一性などに基づき選択され得る。
【0029】
一般に、平均的な人は、約6ml/s~約50ml/sの速度、例えば約10ml/s~約25ml/sの速度で排尿する。人の排尿速度は、人の体格や年齢などによって異なり得る。垂直不織布材料は、漏れを防ぐために個人の体液が排出される速度に相当する速度で体液を捕捉し輸送するように選択され得る。例えば、垂直不織布材料は、体液を、約6ml/s超、約10ml/s超、約20ml/s超、約30ml/s超、約40ml/s超、約50ml/s超、又は、約6ml/s~約10ml/s、約8ml/s~約12ml/s、約10ml/s~約15ml/s、約12.5ml/s~約17.5ml/s、約15ml/s~約20ml/s、約17.5ml/s~約22.5ml/s、約20ml/s~約25ml/s、約22.5ml/s~約27.5ml/s、約25ml/s~約30ml/s、約27.5ml/s~約35ml/s、約30ml/s~約40ml/s、約35ml/s~約45ml/s、又は約40ml/s~約50ml/sの速度で捕捉し輸送するように選択され得る。
【0030】
垂直不織布材料が体液を捕捉し輸送する速度は、多くの要因に依存し得る。一例では、垂直不織布材料が体液を捕捉し輸送する速度は、垂直不織布材料の密度及び目付に反比例し得て、垂直不織布材料の密度及び/又は目付が増加すると、垂直不織布材料が体液を捕捉し輸送する速度、又はその逆の速度が減少する可能性がある。一例では、垂直不織布材料が体液を捕捉し輸送する速度は、繊維124を形成する材料(例えば、材料の親水性)に依存し得る。一例では、垂直不織布材料が体液を捕捉し輸送する速度は、厚さTの増加とともに増加する可能性があり、それは厚さTの増加により、体液が流れ得る断面積が増加するためである。一例では、垂直不織布材料が体液を捕捉し輸送する速度は、不織布ウェブの種類(例えば、カードウェブ、ニードルパンチウェブなど)に依存し得て、それは、不織布ウェブの各種類は、垂直不織布材料が体液を捕捉し輸送する異なる速度を示し得るためである。
【0031】
図1Dは、
図1Cに示す囲みから取り出した流体収集アセンブリ100の一部分の断面概略図である。垂直不織布材料は、折り畳まれた不織布ウェブ118から形成される。折り畳まれた不織布ウェブ118は、複数の折り畳まれた部分120と、折り畳まれた部分120の間に延在する複数の中間部分122とを含み得る。折り畳まれた不織布ウェブ118は、流体不透過性層102に隣接する外面と、反対側の内面(例えば、導管114を受け入れるボアを画定している)とを含み得る。折り畳まれた部分120は、折り畳まれた不織布ウェブ118の外面及び内面と略平行に延在し得る。中間部分122は、折り畳まれた不織布ウェブ118の外面と内面との間に延在し得る。一実施形態では、折り畳まれた不織布ウェブ118は、チャンバ104内に配置され得て、折り畳まれた部分120は、流体収集アセンブリ100の長手方向(例えば、中心)軸116に略平行に(例えば、多孔性材料110の長手方向軸に略平行に)延在し、及び/又は、多孔性材料110が略円筒形を示す場合に円周方向に延在する。折り畳まれた不織布ウェブ118は、中間部分122が流体収集アセンブリ100の長手方向軸116に略平行に(例えば、多孔性材料110の長手方向軸に略平行に)延在するように、及び/又は、多孔性材料110が略円筒形の形状を示す場合に半径方向に延在するように、チャンバ104内に配置され得る。
【0032】
前述したように、垂直不織布材料は複数の繊維124を含む。一実施形態では、垂直不織布材料を形成する不織布ウェブ118は、複数の略配向繊維124を含み得る。略配向繊維124は、体液を捕捉し、体液を輸送する垂直不織布材料の能力を向上させ得る。略配向繊維124はまた、垂直不織布材料の機械的特性を改善し得る。本明細書で使用される場合、繊維124は、繊維124の一定の割合が互いに実質的に平行であるときに「略整列」されている。繊維124の一定の割合とは、繊維124の少なくとも約70%、より好ましくは繊維124の少なくとも約80%、より好ましくは繊維124の90%、更により好ましくは繊維124の少なくとも約95%を指す。繊維124は、繊維124の一定の割合が互いに±30°、より好ましくは±20°、より好ましくは±10°、又は更により好ましくは±5°で平行である場合、互いに略平行である。
【0033】
不織布材料118は、折り畳まれた部分120の繊維124が円周方向に概ね配向され、中間部分122の繊維124が半径方向に概ね配向されるように、チャンバ104内に配置され得る。理論に束縛されるものではないが、折り畳まれた部分120の繊維124の円周方向の配向により、垂直不織布材料によって受け取られた体液は、最初に円周方向に優先的に分散され得て、中間部分122の繊維124の半径方向の配向により、体液は最初に多孔性材料110の中に優先的に半径方向に分散され得る。体液を最初に円周方向へ、そして半径方向へ分散させると、体液は大容量の垂直不織布材料の全体に素早く分散され、それによって垂直不織布材料が体液を素早く捕捉し輸送することを可能にする。繊維124は、特に繊維124が濡れた後、長手方向軸116に略平行な方向への体液の流れを阻止しないことに留意する。更に、垂直不織布材料全体に体液を分散させることは、多孔性材料110から体液を除去した後に垂直不織布材料内に残存する可能性のある体液の表面積を増す。大きな表面積は、残存している体液の蒸発を、多孔性材料110を通る空気流を用いて促す。一実施形態では、繊維124はランダムに配向されているか、又は
図1Dに示されているものとは異なる配向であってもよい。
【0034】
一実施形態では、図示されるように、不織布ウェブ118を折り畳むことにより、長手方向軸116に略平行に延びる間隙125が形成され得る。間隙125は、長手方向軸116に略平行な方向への流体の流れを促進し得る。しかしながら、不織布ウェブ118は、流体不透過性層102によって折り畳まれるか、又は圧縮されて、間隙125のサイズを最小化して、チャンバ104内に体液が滞留するのを防ぎ得る。例えば、不織布ウェブ118は、流体不透過性層102によって折り畳まれるか、又は圧縮されて、間隙125が、長手方向軸116に対して垂直に測定された寸法で、約1mm未満、約0.75mm未満、約0.5mm未満、又は約0.25mm未満を示すようにし得る。
【0035】
前述のように、垂直不織布材料は、折り畳まれた少なくとも1つの不織布ウェブ118から形成され得る。垂直不織布材料は、任意の適切な不織布ウェブから形成され得る。一実施形態では、不織布ウェブは少なくとも1つのカードウェブを含む。カードウェブは、概ね同じ方向に配向され得る複数の繊維124を含む。カードウェブの繊維124の概ね同じ配向により、カードウェブは異方性となる。例えば、カードウェブの強度は、それに加えられる力が繊維124に対して略平行である場合に最大となるが、カードウェブの強度は、それに加えられる力が繊維124の配向に対してより斜め又は垂直になるにつれて低下する。したがって、カードウェブは、カードウェブに加えられる、繊維124の配向と略平行ではない力を軽減するように、チャンバ104内に配置される必要がある場合があり、又はカードウェブの思わしくない摩耗を防止するために繊維124間の更なる結合(例えば、熱又は化学作用)を必要とする。カードウェブを通る体液の初期の流れは、体液が繊維124の配向に対して平行に流れるか、斜めに流れるか、又は垂直に流れるかに応じて変化し得る。したがって、カードウェブを含むように不織布ウェブ118を選択することにより、繊維124の配向に基づいて多孔性材料110の強度及び流動特性を選択することが可能になる。繊維124は概ね配向されているが、各繊維124の配向はわずかに変化する可能性があり、これによりカードウェブの多孔度が十分に高くなり、カードウェブが、本明細書に開示される密度、厚さ、目付、及び流量のいずれかを示す。
【0036】
一実施形態では、不織布ウェブ118は、少なくとも1つのニードルパンチウェブを含み得る。ニードルパンチウェブは、複数の繊維124を含むシートから形成され得る。シートは、複数のランダム配向繊維124(例えば、繊維124は平面に略平行であり、平面にランダムに配向される)、又は略配向繊維124(例えば、カードウェブ)を含み得て、それは、繊維124の配向が、そこを通る体液の流れをより促し得るためである。複数の針(例えば、複数の有刺針)がシートの厚さに略平行な方向でシートに挿入され、これにより繊維124の一部が絡まり、絡合される。例えば、シートの中への針の挿入により、繊維124の一部が再配向され、シートの表面からシートの内部に移動してカラムを形成する。針の挿入によって引き起こされる繊維124の絡み合いは、繊維124を十分に絡ませることができ、それによって追加の結合なしに繊維124を互いに結合する。繊維124の絡み合いにより、ニードルパンチウェブはカードウェブと比較してより等方性の特性を示し得て、これにより、チャンバ104内での特定の配向、又は繊維124の追加の結合を必要としない場合がある。ニードルパンチウェブは、良好な流動特性を示し得る。例えば、シートの中に延びる針は、ディボットを形成し得て、それはニードルパンチウェブを通る体液の垂直方向の流れを促進する。
【0037】
一実施形態では、不織布ウェブ118は少なくとも1つのエアレイドウェブを含み得る。エアレイドウェブは、複数のランダム配向繊維124を示し得る。複数のランダム繊維124は、繊維124が絡み合い、一緒に結合する必要がないほど十分に長い長さを示してもよく、又は繊維124が結合されてもよい。繊維124のランダムな配向により、エアレイドウェブは等方性となり、高い多孔度を示す傾向がある。同様に、繊維124のランダムな配向により、エアレイドウェブは高いロフトを示し得る。エアレイドウェブは、カーディングできない繊維124(例えば、短繊維)から形成されてもよい。
【0038】
一実施形態では、不織布ウェブ118は、少なくとも1つのスパンレースウェブを含み得る。スパンレースウェブは、ランダム配向繊維124を含むシート又はカードウェブを供給することによって形成される。シートの厚さに略平行な高圧水噴射が、シートに向けられる。ニードルパンチウェブと同様に、水の高圧噴射により、繊維124の一部がシートの外部から内部に移動されて、カラムを形成する。したがって、スパンレースウェブは、ニードルパンチウェブと同様に機能することができ、すなわち、スパンレースウェブはカードウェブより等方性が高くなり得て、ディボットを含む。しかしながら、スパンレースウェブは、ニードルパンチウェブよりも小さい密度、より大きい厚さ、又はより小さい目付のうちの少なくとも1つを示し得る。したがって、スパンレースウェブは、ニードルパンチウェブよりも繊細である(例えば、耐久性が低い、又は柔らかい)場合がある。より繊細なスパンレースウェブは、ニードルパンチウェブよりも患者の皮膚に快適に接触し得る。
【0039】
現在、カードウェブ、ニードルパンチウェブ、エアレイドウェブ、及びスパンレースウェブは、垂直不織布材料に含まれる好ましい不織布ウェブであると考えられている。しかしながら、垂直不織布材料は、カードウェブ、ニードルパンチウェブ、エアレイドウェブ、及びスパンレースウェブ以外の1つ以上の不織布ウェブを含み得ることに留意する。一例では、垂直不織布材料は、ウェットレイドウェブを含むことができ、ウェットレイドウェブが本明細書に開示される他の不織布ウェブと比較して低い耐久性を示す場合があっても含み得る。一例では、垂直不織布材料は、スパンボンド又はメルトブローン不織布ウェブを含むことができ、そのような不織布ウェブが用途によっては多孔度が低すぎる場合でも含み得る。
【0040】
一実施形態では、不織布ウェブは、水平又はクロスラップ不織布材料を含まない。水平又はクロスラップ不織布材料は、上述された垂直不織布材料とは異なる、折り畳まれた不織布ウェブを含む。水平及びクロスラップ不織布材料の折り畳みが異なることにより、水平及びクロスラップ不織布材料は、体液の捕捉及び/又は輸送が、相当する(例えば、同じ材料、親水性、目付、密度などを示す)垂直不織布材料よりも著しく遅くなることが判明している。一実施形態では、不織布ウェブは、水平又はクロスラップ不織布材料を含む。
【0041】
折り畳まれた不織ウェブ118は、シートから形成され得る。シートを水平面上に置くと、折り畳まれた部分120は水平面に平行に延在し得て、中間部分122は水平面から垂直方向に延在し得る。次に、折り畳まれた不織布ウェブ118を丸めて、
図1Cに示す円筒形の折り畳まれた不織布ウェブ118を形成し得る。
【0042】
図1A~
図1Cに戻って参照すると、一実施形態では、図示のように、多孔性材料110は垂直不織布材料のみを含むか、又は実質的に垂直不織布材料のみを含む。このような一実施形態では、垂直不織布材料は、導管114を受け入れるように構成されたボアを画定し得て、垂直不織布材料は、ボアから流体不透過性層102まで延在する。多孔性材料110が垂直不織布材料のみ、又は実質的に垂直不織布材料のみを含む場合、多孔性材料110のすべては、体液を素早く捕捉し輸送することができる。しかしながら、多孔性材料110は、少なくとも1つの追加材料を、たとえそのような追加材料が、体液を捕捉及び/又は輸送する多孔性材料110の能力の少なくとも1つを減少させる可能性があるとしても含み得ることに留意する。
【0043】
多孔性材料110は、導管114によって占有されていないチャンバ104の部分を少なくとも実質的に完全に満たし得る。いくつかの例では、多孔性材料110は、導管114によって占有されていないチャンバ104の部分を実質的に完全に満たさない場合がある。このような例では、流体収集アセンブリ100は、チャンバ104内に配置されたリザーバ126を含む。
【0044】
リザーバ126は、チャンバ104の実質的に占有されていない部分である。リザーバ126は、流体不透過性層102と多孔性材料110との間に画定され得る。チャンバ104内の体液は、多孔性材料110を通ってリザーバ126に流れ得る。リザーバ126は、その中に体液を保持し得る。
【0045】
チャンバ104内にある体液は、多孔性材料110を通ってリザーバ126に流れ得る。流体不透過性層102は、体液をリザーバ126内に保持し得る。遠位端領域132に示されているが、リザーバ126は、近位端領域134などのチャンバ104の任意の部分に配置されてもよい。リザーバ126は、流体収集アセンブリが装着されたときに流体収集アセンブリの重量測定的に低いポイントに配置されるように設計されたチャンバ104の一部分に配置され得る。
【0046】
いくつかの例(図示せず)では、流体収集アセンブリ100は、複数のリザーバ、例えば、導管114の入口に最も近いチャンバ104の部分(例えば、遠位端領域132)に位置する第1のリザーバと、チャンバ104の、近位端領域134又はその近くにある部分に位置する第2のリザーバとを含み得る。別の例では、多孔性材料110は、導管114の少なくとも一部分から離隔され、リザーバ126は多孔性材料110と導管114との間の空間であり得る。
【0047】
導管114は、少なくとも部分的にチャンバ104内に配置され得る。導管114を用いて、体液をチャンバ104から除去し得る。導管114は、少なくとも1つの壁を含み、それは入口112、入口112の下流の出口(図示せず)、及び通路を画定する。導管114の出口は、真空源、例えば導管114を通してチャンバ104から流体を引き出すための真空ポンプに動作可能に結合され得る。例えば、導管114は、近位端領域134から流体不透過性層102の中に延在してもよく、遠位端領域132の中をリザーバ126に近接するポイントまで延在してもよく、その結果、入口112はリザーバ126と流体連通する。導管114は、チャンバ104を流体貯蔵容器(図示せず)又は真空源(図示せず)と流体的に結合する。
【0048】
導管114は、多孔性材料110のボアを通って延在し得る。一実施形態では、導管114は、流体出口108からボアを通って、リザーバ126に近接する位置まで延在する。このような実施形態では、入口112はリザーバ126の中に延在しない場合があり、代わりに、入口112が多孔性材料110内又はその終端に配置され得る。例えば、導管114の端部は、多孔性材料110と同一の広がりであってもよく、又は多孔性材料110内に凹設されてもよい。一実施形態では、導管114は少なくとも部分的にリザーバ126内に配置され、入口112はリザーバ126の中に延在されるか、又はリザーバ126内に配置され得る。一実施形態では、入口112は、リザーバ126の後方に配置され得る。流体収集アセンブリ100内に収集された体液は、導管114を介してチャンバ104から除去され得る。
【0049】
入口112を、個人が着用したときにチャンバ104の重量測定的に低いポイントであると予想される位置、又はその近くに配置することにより、導管114は、入口112が他の場所に配置された場合よりも多くの体液を受け取ることができ、滞留の可能性を低減することができるようになる(例えば、体液の滞留は、微生物の増殖と悪臭を引き起こす可能性がある)。例えば、多孔性材料110内の体液は、毛細管力のために任意の方向に流動し得る。しかし、体液は、重力の方向に流れることに優先性を示し得て、特に多孔性材料110の少なくとも一部分が体液で飽和される場合にそうである。したがって、入口112又はリザーバ126のうちの1つ以上は、流体収集アセンブリ100内で、個人が着用するときに流体収集アセンブリ100内の重量測定的に低いポイントであると予想される位置、例えば遠位端領域132に配置され得る。
【0050】
導管114の入口112及び出口は、真空源(図示せず)をチャンバ104(例えばリザーバ126)に流体的に(例えば直接的又は間接的に)結合するように構成される。真空源(
図4)が導管114内に真空/吸引を適用すると、チャンバ104内の(例えば、リザーバ126内のような遠位端領域132の)体液が入口112内に引き込まれ、導管114を介して流体収集アセンブリ100から排出され得る。いくつかの例では、導管114は、つや消し又は不透明(例えば、黒色)であり、その中の体液の視認性を不明瞭にすることができる。
【0051】
前述のように、導管114は、少なくともチャンバ104の中に挿入可能であるように構成され得る。一例では、導管114は、導管114の終端が流体不透過性層102、あるいは、入口112を少なくとも部分的に閉塞又は遮断し得る流体収集アセンブリ100の他の構成要素から離隔されるように、チャンバ104内に配置され得る。更に、導管114の入口112は、多孔性材料110の終端に対してオフセットされてもよく、その結果、入口112は、多孔性材料110の終端よりも流体収集アセンブリ100の近位端領域134に近接する。入口112を、多孔性材料110の終端に対してこのような方法でオフセットさせることにより、入口112が多孔性材料110から体液を直接受け取ることができるようになり、そして水素結合により、より多くの体液を多孔性材料110から導管114の中に引き込む。
【0052】
前述のように、本明細書に開示される流体収集アセンブリの多孔性材料は、少なくとも1つの追加材料(例えば、流体透過性膜)を、垂直不織布材料に加えて含み得る。例えば、
図2Aは、一実施形態による、少なくとも1つの追加材料を少なくとも1つの垂直不織布材料238に加えて有する多孔性材料210を含む流体収集アセンブリ200の断面概略図である。
図2Bは、
図2Aに示される平面2B-2Bに沿った流体収集アセンブリ200の断面概略図である。本明細書に別途開示される場合を除き、流体収集アセンブリ200は、本明細書に開示される流体収集アセンブリのいずれかと同一又は実質的に同様である。例えば、流体収集アセンブリ200は、チャンバ204、少なくとも1つの開口部206、及び流体出口208を少なくとも画定する流体不透過性層202を含み得る。また、多孔性材料210の垂直不織布材料238は、本明細書に開示される垂直不織布材料のいずれかと同一又は実質的に同様であってもよい。
【0053】
追加材料236は、多孔性シートなどの任意の適切な多孔性材料を含み得る。一例では、追加材料236は、ガーゼ(例えば、シルク、リネン、又は綿のガーゼ)、別の柔らかい布地、別の滑らかな布地、水平ラップ不織布材料、クロスラップ不織布材料、多孔性ポリマ(例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)構造、又は連続気泡フォーム(例えば、紡績ナイロン繊維)、あるいは任意の他の適切な多孔性材料を含み得る。一例では、追加材料236は、疎水性材料(例えば、90°を超える水との接触角を示す材料)を含み得る。一例では、追加材料236は、密度、目付、厚さ、異なる平均繊維長さ、異なる平均繊維横寸法、異なる平均繊維アスペクト比、又は垂直不織布材料が体液を捕捉し輸送する上述したものとは異なる速度を示す、垂直不織布材料を含み得る。
【0054】
一実施形態では、図示されるように、追加材料236は、垂直不織布材料238の外面上(例えば、流体不透過性層202と垂直不織布材料238との間)に配置され、その結果、追加材料236が開口部206を横切って延在し、使用中に個人と接触する(すなわち、垂直不織布材料238は、追加材料236に対する流体透過性支持体を形成し得る)。追加材料236は、垂直不織布材料238上に配置されて、流体収集アセンブリ200の使用をより快適にし、及び/又は体液の捕捉を改善し得る。一例では、個人は、垂直不織布材料238と個人の敏感な膣領域との間の直接接触を、例えば、表面の粗さ、又は垂直不織布材料238から突き出た繊維のために不快に感じる場合がある。このような例では、追加材料236は、垂直不織布材料238よりも滑らかであるか、そうでなければより快適な材料(例えば、ガーゼ)を含み得る。一例では、前述のように、垂直不織布材料238の親水性は、制限されて、そこからの体液の除去を容易にし得る。しかしながら、垂直不織布材料238の親水性を制限すると、垂直不織布材料238が体液を捕捉する能力が制限される可能性がある。したがって、追加材料236は、垂直不織布材料238よりも大きい親水性(すなわち、垂直不織布材料238よりも小さい水との接触角)を示すように選択され得て、追加材料236が垂直不織布材料238よりも素早く体液を捕捉することを可能にする。追加材料236が垂直不織布材料238よりも大きい親水性を示す場合、追加材料236は、垂直不織布材料の厚さよりも著しく小さい厚さを示し得る。追加材料236の厚さが小さくなると、チャンバ204を通る空気流によって蒸発させなければならない、追加材料236内に保持される体液の量が減少する。
【0055】
一実施形態では、追加材料236は、垂直不織布材料238の外面上に配置される代わりに、又はそれに加えて、垂直不織布材料238と導管214との間に配置されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される流体収集アセンブリは、流体収集アセンブリの形状が制御可能に変更され、及び/又は選択された形状を維持できるように構成された要素を含み得る。
図3は、一実施形態による流体収集アセンブリ300の断面概略図である。本明細書に別途開示される場合を除き、流体収集アセンブリ300は、本明細書に開示される流体収集アセンブリのいずれかと同一又は実質的に同様である。例えば、流体収集アセンブリ300は、流体不透過性層302、多孔性材料310、及び導管314を含み得る。多孔性材料310は、本明細書に開示される垂直不織布材料のいずれかを含み得る。
【0057】
流体収集アセンブリ300は、流体収集アセンブリ300からの体液の漏れを防止又は少なくとも抑制するように構成された少なくとも1つの形状記憶材料340を含む。例えば、最初、流体収集アセンブリ300は尿道開口部の周囲の領域との適合性が低いことがあるため、体液が流体収集アセンブリから漏れる場合がある。適合性が低いと、多孔性材料310と尿道開口部の周囲の領域との間に隙間が生じる可能性がある。これらの隙間は、体液が多孔性材料によって受け取られることなく流れることができる場所、及び/又は体液が多孔性材料310から出ることができる場所を提供し得る。隙間の形成を最小限に抑えるために、流体収集アセンブリ300は形状記憶材料340を含む。形状記憶材料340は、操作される(例えば、曲げられる、又はその他の形状にされる)ように構成され、これにより、流体収集アセンブリ300が患者の解剖学的形状に一致する形状を示し、膣領域の形状に適合するようになる。言い換えると、形状記憶材料340により、流体収集アセンブリ300が尿道開口部の周囲の領域に良好に適合することが可能になる。
【0058】
形状記憶材料340は、流体収集アセンブリ300内にサイズ決めされ、成形され、及び位置決めされて、流体収集アセンブリ300の少なくとも一部分を、選択された形状(例えば、幾何学的構成)に保持させ得る。一実施形態では、形状記憶材料340は、曲げられ、成形され、又は変形される(以下、集合的に「形状(shape)」、「成形された(shaped)」、又は「成形されている(shaping)」と呼ばれる)ように構成される。一例では、形状記憶材料340は、その全長に沿って成形されるように構成される。形状記憶材料340がその全長に沿って成形されることを可能にすることにより、流体収集アセンブリ300が患者の解剖学的特徴に実質的に対応する形状を示すことが可能になり得る。例えば、形状記憶材料340は、第1の(例えば、初期の)形状を示し得る。流体収集アセンブリ300は、形状記憶材料340が第1の形状(例えば、略真っ直ぐな円筒形)を示すとき、第1の構成(すなわち、略直線状の形状)を示し得る。形状記憶材料340は、第1の形状とは異なる第2の形状を示すように成形されてもよい。流体収集アセンブリ300は、形状記憶材料340が第2の形状を示すとき、第2の構成(例えば、略湾曲した円筒形)を示し得る。流体収集アセンブリ300の第2の構成は、第1の構成よりも尿道開口部の周囲の領域の形状によりよく対応し得る。
【0059】
形状記憶材料340は、形状記憶ポリマ又は金属(例えば、形状記憶金属)を含み得る。一般に、形状記憶材料340は、刺激に応答して中間形状又は永続的形状をとるように構成される。例えば、形状記憶材料340は、第1(例えば、初期)の形状を示し得て、刺激によって第1の形状から第2の形状に切り替わることができ、第2の形状は第1の形状とは異なる。形状記憶材料340はまた、刺激に応じて、第2の形状から再び第1の形状へ、又は第1及び第2の形状とは異なる第3の形状へ切り替わり得る。
【0060】
刺激には、外部の物理的な力(例えば、曲げ力)、熱、電気的バイアス、又は磁場を含み得る。「形状記憶」という用語は、本明細書では一部の「形状記憶材料」を説明するために使用されるが、いくつかの例では、「形状記憶」という用語によって修飾された材料は、「形状記憶材料」の古典的な定義として理解されているように、刺激を加えることで予め選択された形状に必ずしも戻る必要がない場合があることを理解されたい。むしろ、本明細書に開示される形状記憶材料の少なくとも一部は、特定の形状に曲げられ、設定され、又は硬化されるとき、及び/又は特定の形状に冷却されるときに、その後に加えられる刺激に関係なく、選択された形状を単に保持し得る。形状記憶材料は、刺激を加えることで、元の形状に戻され、又は新しい形状に変化され得る。例えば、第1の形状に曲げられた金属箔は、形状記憶材料340として利用され得て、その後、金属箔は、それに加えられる物理的な力によって、又は加熱によって第2の形状に変更され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、形状記憶材料340は、上述したように、選択された形状を示し得て、刺激を加えることで、形状記憶材料を中間形状に変形(例えば、弾性変形又は屈曲)させ得る。このような実施形態では、形状記憶材料340は、刺激が除去されると第1の初期の形状に戻り得て、形状記憶材料340は中間形状を維持しない。
【0061】
一実施形態では、形状記憶材料340は、金属、例えば元素金属、合金、又は形状記憶合金を含み得る。適切な形状記憶金属は、アルミニウム、銀、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ベリリウムなどを含み得る。適切な形状記憶合金は、普通鋼、ステンレス鋼、炭素合金鋼、熱処理鋼、亜鉛メッキ鋼、アルミニウム合金、ニッケルチタン合金(例えば、ニチノール、Ni-Ti-Cu、Ni-Ti、Coなど)、銅基合金(例えば、Cu-Zn-Al、Cu-Al-Ni、Cu-Al-Snなど)、Co-Cr-Ni-Mo合金(例えば、Elgiloy(登録商標)など)、又は形状記憶特性を有する任意の他の合金を含み得る。上で説明したように、形状記憶金属又は合金は単に、選択された構成に成形され得る金属又は合金であり得る。いくつかの例では、形状記憶金属又は合金は、外部刺激が加えられると元の形状に戻り得る。いくつかの例では、形状記憶金属の外面は、ポリマでコーティングされ、陽極酸化処理され、不動態化され、又はその他の方法で処理されて、腐食を防ぎ得る。
【0062】
形状記憶ポリマ(「SMP」)は、ポリウレタンベースのSMPで、例えば、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルメタクリレート(PBMA)、ポリ(N,N-ブタジエン)、ポリ(N-メチル-N-オキサゾリン)、ポリテトラヒドロフラン、又はポリ(ブチレンテレフタレート)のうちの1つ以上のブロックを含むコポリマ(例えば、コポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルエステルなど)、熱可塑性ポリマで、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、アセタール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスルホンなど、ポリノルボネン、他の変形可能なポリマ、あるいは任意の他の形状記憶ポリマを含み得る。
【0063】
一実施形態では、流体収集アセンブリ300は、導管314の外面342上に配置された形状記憶材料340を含む。形状記憶材料340は、導管314とは異なる。形状記憶材料340は、導管314の外面342上に配置されたコーティング、箔、又は他の構造であり得る。一例では、形状記憶材料340は、導管314の外面342の全周にわたって配置され、それによって形状記憶材料の能力を高めて、選択された形状に操作され、選択された形状を維持し得る。一例では、形状記憶材料340は、チャンバ304内に配置される導管314の実質的に全長に沿って配置される。このような例では、形状記憶材料340は、流体収集アセンブリ300の形状に全体的に影響を与え得る。一例では、形状記憶材料340は、導管314の外面342の一部分にのみ配置される。
【0064】
流体収集アセンブリの形状を制御可能に変化させ、及び/又は選択された形状を維持することができるように構成された形状記憶材料及び他の要素の更なる例は、2020年7月16日に出願された国際出願第PCT/US2020/042262号、2021年10月19日に出願された米国特許出願公開第2022/0117774号、及び2021年11月16日に出願された米国特許出願公開第2022/0151817号に開示され、それぞれの開示は、この参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0065】
図1A~
図3に示される流体収集アセンブリは、女性から体液を集める(例えば、女性の尿道開口部から採尿する)ように構成された女性用流体収集アセンブリの例である。しかしながら、本明細書に開示される多孔性材料及び形状記憶材料は、男性用流体収集アセンブリに使用されてもよい。本明細書で議論される多孔性材料及び形状記憶材料を含み得る男性用流体収集アセンブリの例は、2021年6月30日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2021/039866号、及び2019年6月6日に出願された米国特許出願第16/433,773号に開示され、それぞれの開示は、この参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0066】
図4は、一実施形態による、流体収集のための流体収集システム450のブロック図である。流体収集システム450は、流体収集アセンブリ400、流体貯蔵容器452、及び真空源454を含む。流体収集アセンブリ400は、本明細書に開示される流体収集アセンブリのいずれかと同じ又は実質的に同様であり得る。流体収集アセンブリ400、流体貯蔵容器452、及び真空源454は、1つ以上の導管414を介して互いに流体的に結合され得る。例えば、流体収集アセンブリ400は、導管414を介して流体貯蔵容器452又は真空源454のうちの1つ以上に動作可能に結合され得る。流体収集アセンブリ400内に集められた体液は、流体収集アセンブリ400から、流体収集アセンブリ400の中に突出する導管414を介して除去され得る。例えば、導管414の入口は、流体収集アセンブリ400の中に、例えばその中のリザーバまで延在し得る。導管414の出口は、流体収集アセンブリ400又は真空源454の中に延在し得る。吸引力は、導管414の出口に加えられる吸引(例えば、真空)力に応答して、導管414の入口を介して流体収集アセンブリ400のチャンバの中に導入され得る。
【0067】
吸引力は、真空源454によって導管414の出口に直接的又は間接的に印加され得る。吸引力は、流体貯蔵容器452を介して間接的に印加されてもよい。例えば、導管414の出口は流体貯蔵容器452内に配置されてもよく、追加の導管414が流体貯蔵容器452から真空源454まで延在してもよい。したがって、真空源454は、流体貯蔵容器452を介して流体収集アセンブリ400に吸引を印加し得る。吸引力は、真空源454を介して直接的に加えられてもよい。例えば、導管414の出口は、真空源454内に配置され得る。追加の導管414は、真空源454から流体収集アセンブリ400の外側のポイント、例えば流体貯蔵容器452まで延在し得る。このような例では、真空源454は、流体収集アセンブリ400と流体貯蔵容器452との間に配置され得る。
【0068】
流体貯蔵容器452は、その中に体液を保持するようにサイズ決めされ、成形される。流体貯蔵容器452は、袋(例えば、排液バッグ)、ボトル若しくはカップ(例えば、収集ジャー)、又は尿などの体液を貯蔵するための任意の他の密閉容器を含み得る。いくつかの例では、導管414は、流体収集アセンブリ400から延在し、流体貯蔵容器452にその中の第1のポイントで取り付けられ得る。追加の導管414は、流体貯蔵容器452にその上の第2のポイントで取り付けられてもよく、真空源454まで延在して、真空源454に取り付けられてもよい。したがって、真空(吸引など)は、流体貯蔵容器452を介して流体収集アセンブリ400を通して引き込まれ得る。尿などの体液は、真空源454を使用して流体収集アセンブリ400から排出され得る。
【0069】
真空源454は、手動真空ポンプ、電動真空ポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ、容積型ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、又は真空を生成するように構成された任意のポンプのうちの1つ以上を含み得る。真空源454は、真空又は吸引を供給して、体液を流体収集アセンブリ400から除去し得る。いくつかの例では、真空源454は、1本以上の電源コード(例えば、電源ソケットに接続される)、1つ以上のバッテリ、又は更に手動電源(例えば、手動真空ポンプ)のうちの1つ以上によって給電され得る。いくつかの例では、真空源454は、流体収集アセンブリ400の外側、上、又は内部に適合するようにサイズ決めされ、成形され得る。例えば、真空源454は、1つ以上の小型ポンプ又は1つ以上のマイクロポンプを含み得る。本明細書に開示される真空源454は、スイッチ、ボタン、プラグ、リモコン、又は真空源454を作動させるのに適した任意の他のデバイスのうちの1つ以上を含み得る。
【0070】
様々な態様及び実施形態が本明細書に開示される一方で、他の態様及び実施形態が考えられる。本明細書に開示される様々な態様及び実施形態は、例示を目的とするものであり、限定することを意図するものではない。
【0071】
程度の用語(例えば、「約」、「実質的に」、「一般的に」など)は、構造的又は機能的に重要でない変動を示す。一例では、程度の用語が量を示す用語とともに含まれる場合、程度の用語は、量を示す用語の±10%、±5%、又は±2%を意味すると解釈される。一例では、程度の用語が形状を修正するために使用される場合、程度の用語は、程度の用語によって修正される形状が開示された形状の外観を有することを示す。例えば、程度の用語は、形状が、鋭い角部の代わりに丸い角部を有し、直線の縁部の代わりに湾曲した縁部を有してもよく、そこから延びる1つ以上の突起が長方形であり、開示された形状と同じであることなどを示すために使用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体不透過性層であって、
チャンバ、
少なくとも1つの開口部、及び、
流体出口、を少なくとも画定する流体不透過性層と、
前記チャンバ内に配置された少なくとも1つの多孔性材料であって、少なくとも1つの垂直不織布材料を含み、前記少なくとも1つの垂直不織布材料は略整列された複数の繊維を含み、前記垂直不織布材料は折り畳まれている、少なくとも1つの多孔性材料と、
を備える、流体収集アセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、導管を受け取るように構成されたボアを画定する、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項3】
前記導管の表面の少なくとも一部分に配置された形状記憶箔又はコーティングを更に備える、請求項2に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は親水性である、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、セルロース、又は綿のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、竹を含む、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、約1.5mm~約20mmの厚さを示す、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、約140g/m
2~約250g/m
2の表面密度を示す、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、約60kg/m
3~約250kg/m
3の密度を示す、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、複数の折り畳まれた部分と、前記折り畳まれた部分間に延在する複数の中間部分とを含む、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料の前記複数の折り畳まれた部分のそれぞれの前記複数の繊維は、円周方向に略整列され、前記少なくとも1つの垂直不織布材料の前記複数の中間部分のそれぞれの前記複数の繊維は、半径方向に略整列される、請求項10に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、前記チャンバ内に配置された導管から前記流体不透過性層まで延びる単一の不織布材料を含む、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの多孔性材料は、前記少なくとも1つの垂直不織布材料上に配置された少なくとも1つの追加材料を更に含む、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの追加材料は少なくとも1つのガーゼを含む、請求項13に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの垂直不織布材料は、前記少なくとも1つの開口部を横切って延在する、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項16】
前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置された導管と、前記導管の外面の少なくとも一部分に配置された少なくとも1つの形状記憶材料とを更に備える、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【請求項17】
流体収集アセンブリであって、
流体不透過性層であって、
チャンバ、
少なくとも1つの開口部、及び、
流体出口、を少なくとも画定する流体不透過性層と、
前記チャンバ内に配置された少なくとも1つの多孔性材料であって、少なくとも1つの垂直不織布材料を含み、前記少なくとも1つの垂直不織布材料は略整列された複数の繊維を含み、前記垂直不織布材料は折り畳まれている、少なくとも1つの多孔性材料と、を含む、流体収集アセンブリ、
流体貯蔵容器、ならびに、
真空源、を備え、
ここで前記流体収集アセンブリの前記チャンバ、前記流体貯蔵容器、及び前記真空源は、互いに流体連通しており、その結果、1つ以上の体液が前記チャンバ内に存在する場合、前記真空源から前記流体収集アセンブリの前記チャンバに供給される吸引は、前記1つ以上の体液を前記チャンバから除去し、前記体液を前記流体貯蔵容器内に堆積させる、
流体収集システム。
【請求項18】
流体収集アセンブリを使用する方法であって、
前記流体収集アセンブリの流体不透過性層によって画定される少なくとも1つの開口部を横切って延在する少なくとも1つの多孔性材料を、女性の尿道開口部に隣接して配置することであって、前記流体不透過性層はチャンバ及び流体出口を少なくとも画定し、前記少なくとも1つの多孔性材料は前記チャンバ内に配置され、前記少なくとも1つの多孔性材料は少なくとも1つの垂直不織布材料を含み、前記少なくとも1つの垂直不織布材料は複数の繊維を含み、前記垂直不織布材料は折り畳まれている、ことと、
1つ以上の体液を前記女性の尿道開口部から前記少なくとも1つの開口部を通して、前記少なくとも1つの多孔性材料の中に受け取ることと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記女性の尿道開口部から1つ以上の体液を受け取った24時間以上後に、前記流体収集アセンブリを前記女性の尿道開口部から取り外すことを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の繊維の少なくとも約80%が約±20°以内で互いに平行する、請求項1に記載の流体収集アセンブリ。
【国際調査報告】