(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】第2の多孔質材とは異なる流体透過性または圧縮性の少なくとも一方を示す第1の多孔質材を含む流体採集アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/455 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61F5/455
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515353
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022042725
(87)【国際公開番号】W WO2023038950
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
【住所又は居所原語表記】2030 Gillespie Way, Suite 109, El Cajon, CA 92020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロビショー ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ロスバーグ マシュー ジョーダン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC21
4C098CC31
4C098CC37
4C098CD05
(57)【要約】
例示の流体採集アセンブリ100は、少なくとも1つの開口108とチャンバと流体排出口112とを少なくとも画定する流体不透過性層102を含む。流体採集アセンブリ100は、チャンバ内に配置され、開口108にわたって延びる多孔質媒体114も含む。多孔質媒体114は、第1の多孔質材116と第2の多孔質材118を含む。第1の多孔質材116は、第1の流体透過性と第1の圧縮性を示す。第2の多孔質材118は、第2の流体透過性と第2の圧縮性を示す。一実施形態では、第1の多孔質材116の第1の流体透過性は、第2の多孔質材118の第2の流体透過性より大きい。一実施形態では、第1の多孔質材の第1の圧縮性は第2の多孔質材118の第1の圧縮性より小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端領域と遠位端領域とを含み、少なくとも1つの開口とチャンバと流体排出口とを画定する流体不透過性層と、
前記チャンバ内に配置された多孔質媒体とを含む、流体採集アセンブリであって、
前記多孔質媒体が、
前記流体不透過性層の前記近位端領域またはその付近から延びる近位区画と、
前記流体不透過性層の前記遠位端領域またはその付近から前記近位区画まで延びる遠位区画と、
第1の流体透過性と第1の圧縮性とを示す第1の多孔質材と、
第2の流体透過性と第2の圧縮性とを示す第2の多孔質材と、を含み、
前記第1の流体透過性が前記第2の流体透過性より大きいか、または前記第1の圧縮性が前記第2の圧縮性より小さいか、のうちの少なくとも一方であり、
前記第1の多孔質材と前記第2の多孔質材とが、
前記近位区画が前記遠位区画の流体透過性よりも大きい流体透過性を示すか、または、
前記近位区画が前記遠位区画の圧縮性よりも小さい圧縮性を示すか、
のうちの一方となるように前記多孔質媒体に配置されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の流体透過性が前記第2の流体透過性より大きく、前記近位区画が前記遠位区画によって示される流体透過性より大きい流体透過性を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載の流体採集アセンブリであって、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示されるインチ当たり細孔数よりも大きいインチ当たり細孔数を示すか、または、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示されるパーセント多孔率よりも大きいパーセント多孔率を示すか、
のうちの少なくとも一方であることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項4】
請求項2または3に記載の流体採集アセンブリであって、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される密度よりも高い密度を示すか、または、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される親水性より高い親水性を示すか、
のうちの少なくとも一方であることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が少なくとも1つの中間多孔質材を含み、前記少なくとも1つの追加の多孔質材が前記第1の流体透過性より小さく、前記第2の流体透過性より大きい流体透過性を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の圧縮性が前記第2の圧縮性より小さく、前記近位区画が前記遠位区画によって示される圧縮性より小さい圧縮性を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される平均繊維径より大きい平均繊維径を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項8】
請求項6または7に記載の流体採集アセンブリであって、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示されるインチ当たり細孔数より大きいインチ当たり細孔数を示すか、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示されるヤング率より大きいヤング率を示すか、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される降伏強さより大きい降伏強さを示すか、または、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される繊維交絡より大きい繊維交絡を示すか、
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材と前記第2の多孔質材が配向の異なる等方性物質から形成されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が少なくとも1つの中間多孔質材を含み、前記少なくとも1つの追加の多孔質材が前記第1の圧縮性より大きく前記第2の圧縮性より小さい圧縮性を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が、前記少なくとも1つの開口を通して露出した外面を示し、前記外面が前記第1の多孔質材と前記第2の多孔質材によって形成されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材の一部が前記第2の多孔質材の少なくとも一部の背後に延びることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項13】
請求項11または12に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材が前記多孔質材の前記外面から内側に延びる少なくとも1つの側面を含み、前記第2の多孔質材が前記第1の多孔質材の少なくとも1つの前記側面を完全に囲むことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項14】
請求項11または12に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材が、前記多孔質材の前記外面から内側に延びる少なくとも1つの側面を含み、前記第2の多孔質材が前記少なくとも1つの側面の一部のみに隣接することを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項15】
請求項1から10のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が、前記少なくとも1つの開口を通して露出している外面を示し、前記外面が前記第1の多孔質材によってのみ形成されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項16】
請求項1から10のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が前記少なくとも1つの開口を通して露出した外面を示し、前記外面が前記第2の多孔質材のみによって形成されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、第1の部分の少なくとも一部の厚さが前記近位端領域から前記遠位端領域に延びる方向に沿って減少することを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、第2の部分の少なくとも一部の厚さが前記近位端領域から前記遠位端領域に延びる方向に沿って増大することを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記流体排出口が前記近位端領域またはその付近にあることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記流体排出口を通って延びる少なくとも1つの導管をさらに含み、前記少なくとも1つの導管が前記遠位端領域またはその付近に位置づけられた入口を含むことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリであって、前記流体不透過性層の前記遠位端領域が実質的に空いている貯蔵器を画定することを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載の流体採集アセンブリと、
流体貯蔵容器と、
真空源と、
を含む流体採集システムであって、
前記流体採集アセンブリの前記チャンバ内に1つ以上の体液が存在するときに、前記真空源から前記流体採集アセンブリの前記チャンバに真空が発生されると、前記チャンバから前記1つ以上の体液が除去され、前記体液が前記流体貯蔵容器内に蓄積されるように、前記チャンバと前記流体貯蔵容器と前記真空源とが互いに流体連通していることを特徴とする、流体採集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月8日に出願された米国仮特許出願第63/241,564号の優先権を主張し、その開示の全体を本願に引用して援用する。
【背景技術】
【0002】
人または動物は、一般的な排尿プロセスが困難または不可能なほど運動制限または運動障害を有する場合がある。たとえば、人は運動性を損なう能力障害を受けるかまたは有する場合がある。人は、パイロット、運転者および危険な場所における労働者が体験する条件など、移動が制限される条件を有する場合がある。さらに、時にはモニタリングまたは臨床試験のために体液採集が必要な場合がある。
【0003】
フォーリーカテーテルなどの尿道カテーテルは、失禁などの状況のうちのいくつかに対処することができる。残念ながら、尿道カテーテルは不快で痛みを伴うことがあり、感染症などの合併症を引き起こすことがある。さらに、寝たきりの個体の排泄のために使用される容器である差し込み便器が使用される場合がある。しかし、差し込み便器は、不快感、こぼれ、およびその他の衛生上の問題を生じがちである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/016026号
【特許文献2】国際公開第2020/256865号
【特許文献3】米国特許出願公開第2021/228795号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態は、第2の多孔質材とは異なる流体透過性または圧縮性の少なくとも一方を示す第1の多孔質材を含む流体採集アセンブリ、流体採集アセンブリを含む流体採集システム、および流体採集アセンブリを使用する方法を対象とする。一実施形態では、流体採集アセンブリが開示される。流体採集アセンブリは、近位端領域と遠位端領域とを含む流体不透過性層を含む。流体不透過性層は、少なくとも1つの開口と、チャンバと、流体排出口とを少なくとも画定する。流体採集アセンブリは、チャンバ内に配置された多孔質媒体も含む。多孔質媒体は、流体不透過性層の近位端領域またはその付近から延びる近位区画と、流体不透過性層の遠位端領域またはその付近から延びる遠位区画と、第1の流体透過性および第1の圧縮性を示す第1の多孔質材と、第2の流体透過性および第2の圧縮性を示す第2の多孔質材とを含む。第1の流体透過性が第2の流体透過性より大きいか、または第1の圧縮性が第2の圧縮性より小さいかの少なくともいずれか一方である。第1の多孔質材と第2の多孔質材は、近位区画が遠位区画の流体透過性より大きい流体透過性を示すか、または近位区画が遠位区画の圧縮性より小さい圧縮性を示すかの少なくともいずれか一方となるように、多孔質媒体に配置されている。
【0006】
一実施形態では、流体採集システムが開示される。流体採集システムは流体採集アセンブリを含む。流体採集アセンブリは、近位端領域と遠位端領域とを含む流体不透過性層を含む。流体不透過性層は、少なくとも1つの開口と、チャンバと、流体排出口とを少なくとも画定する。流体採集アセンブリは、チャンバ内に配置された多孔質媒体も含む。多孔質媒体は、流体不透過性層の近位端領域またはその付近から延びる近位区画と、流体不透過性層の遠位端領域またはその付近から延びる遠位区画と、第1の流体透過性および第1の圧縮性を示す第1の多孔質材と、第2の流体透過性および第2の圧縮性を示す第2の多孔質材とを含む。第1の流体透過性が第2の流体透過性より大きいか、または第1の圧縮性が第2の圧縮性より小さいかの少なくともいずれか一方である。第1の多孔質材と第2の多孔質材は、近位区画が遠位区画の流体透過性より大きい流体透過性を示すか、または近位区画が遠位区画の圧縮性より小さい圧縮性を示すかの少なくともいずれか一方となるように、多孔質媒体に配置されている。流体採集システムは、流体貯蔵容器と真空源も含む。流体採集アセンブリのチャンバと流体貯蔵容器と真空源とは、チャンバ内に1つ以上の体液が存在するときに互いに流体連通し、真空源から流体採集アセンブリのチャンバに供給される真空が1つ以上の体液をチャンバから除去し、体液を流体貯蔵容器内に蓄積させる。
【0007】
本開示の実施形態のうちのいずれの実施形態の特徴も互いに組み合わせて制限なく使用可能である。さらに、本開示のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付図面を検討すれば当業者に明らかになるであろう。
【0008】
図面は本開示のいくつかの実施形態を示し、図面に示す異なる図または実施形態において同一の参照番号は同一または類似の要素または特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】一実施形態による流体採集アセンブリを示す上面図である。
【
図1B】一実施形態による、面1B-1Bに沿って切り取られた流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図2】異なる実施形態による、
図1Aに示す流体採集アセンブリと同じ上面図を示す流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図3】異なる実施形態による、
図1Aに示す流体採集アセンブリと同じ上面図を示す流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図4A】一実施形態による流体採集アセンブリを示す上面図である。
【
図4B】面4B-4Bに沿って切り取られた流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図4C】一実施形態による流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図5】一実施形態による流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図6A】一実施形態による流体採集アセンブリを示す上面図である。
【
図6B】一実施形態による流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図7】一実施形態による流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図8A】一実施形態による、第1の多孔質材と第2の多孔質材に加えて第3の多孔質材を有する多孔質媒体を含む流体採集アセンブリを示す上面図である。
【
図8B】面8B-8Bに沿って切り取られた流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図9】一実施形態による、第1の多孔質材と第2の多孔質材に加えて第3の多孔質材を有する多孔質媒体を含む流体採集アセンブリを示す断面概略図である。
【
図10】一実施形態による、流体採集のための流体採集システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態は、第2の多孔質材とは異なる流体透過性または圧縮性のうちの少なくとも一方を示す第1の多孔質材を含む流体採集アセンブリ、流体採集アセンブリを含む流体採集システム、および流体採集アセンブリを使用する方法を対象とする。例示の流体採集アセンブリは、少なくとも1つの開口とチャンバと流体排出口とを少なくとも画定する流体不透過性層(たとえば流体不透過性障壁)を含む。流体採集アセンブリは、チャンバ内に配置され、開口にわたって延びる多孔質媒体も含む。多孔質媒体は、第1の多孔質材と第2の多孔質材とを含む。第1の多孔質材は、第1の流体透過性と第1の圧縮性を示す。第2の多孔質材は、第2の流体透過性と第2の圧縮性を示す。一実施形態では、第1の多孔質材の第1の流体透過性は、第2の多孔質材の第2の流体透過性より大きく、それによって多孔質媒体が1つ以上の体液(たとえば尿)をより迅速に受け入れること、またはより多くの標的化された真空(たとえば吸引)をもたらすことのうちの少なくとも一方を可能にすることができる。一実施形態では、第1の多孔質材の第1の圧縮性は、第2の多孔質材の第2の圧縮性より小さく、それによって流体採集アセンブリをより使い心地よくする(たとえば、擦れ、または不快とみなされる可能性があるその他の接触を防止する)ことができ、一方、遮られない流体の流れを可能にすることができる。
【0011】
使用中、本明細書で開示される流体採集アセンブリは、個体の膣領域に隣接して位置づけられる。たとえば、本明細書で開示される流体採集アセンブリは、開口にわたって延びる多孔質媒体の一部が個体の尿道開口に隣接または接するように位置づけることができる。流体採集アセンブリを位置づけた後、個体は1つ以上の体液(たとえば尿、血液、汗など)を排出することができる。体液は、多孔質媒体内とチャンバ内とに受け入れることができる。体液は次に、多孔質媒体を通って、チャンバと流体連通する導管に流れる。体液は次に、導管を介してチャンバから除去することができ、それによって個体を乾いた状態に維持することができる。実施形態によっては、導管を介してチャンバに真空をかけることができる。真空は、多孔質媒体を通して体液を導管に向け、さらに導管内に引き込みやすくすることができる。
【0012】
前述のように、多孔質媒体は個体の膣領域に隣接して位置づけられ、したがって、個体の膣領域は敏感であるために多孔質媒体を快適な多孔質材から形成することが望ましい。一般に、快適な多孔質材は、擦れを防ぐように滑らかで、多孔質媒体が膣領域の形状に従い、より均一に圧力を加えることができるようにする圧縮性材料である。また、多孔質媒体は、個体から排出された1つ以上の体液を受け入れるように構成される。個体が排尿すると、個体から短時間に比較的大量の体液が排出される可能性があり、体液の散液が多孔質媒体の狭い一部に集中する可能性がある。したがって、体液が漏れるのを防ぐように多孔質媒体内に体液を迅速に受け入れることを可能にするために、比較的高い流体透過性を示す材料から多孔質媒体を形成することが望ましい。
【0013】
一般に、流体透過性を向上させると多孔質材の表面粗さが増す可能性があるため、滑らかな材料は比較的低い流体透過性を示す。たとえば、柔らかい材料は、微細な細孔を有する傾向があり、それによって、一時に柔らかい材料中に受け入れることができる体液の量が限定される。また、一般に、圧縮性材料は圧縮されやすく、それによって圧縮性材料によって画定される通路を妨げるかまたはその他により閉じる可能性があり、通路を通る流体の流れが妨げられる可能性がある。比較的高い流体透過性を示す材料は、その材料の表面粗さを増す大きな細孔を画定する傾向があり、圧縮されず、その材料によって画定される通路の潰れを防ぐ。
【0014】
従来の流体採集アセンブリは、外層と内層を含む多孔質媒体を形成することによってこれらの問題を解決する。従来の流体採集アセンブリをより使い心地よくするために、外層は内層と比較して比較的圧縮性および/または滑らかな材料から形成される。従来の流体採集アセンブリを流れる流体の流れを向上させるために、内層は外層と比較して比較的高い流体透過性を示す材料から形成される。内層と外層の厚さは、従来の流体採集アセンブリの多孔質媒体の全長に沿って比較的一定したままである。使用中、少なくとも最初は、排出される体液の量は外層のうちの比較的小さい部分に集中する。しかし、外層は、流体透過性ではなく材料の圧縮性および/または滑らかさに基づいて選択されていたため、外層は個体によって排出される体液を受け入れるのに十分な流体透過性を示さない場合がある。したがって、特に尿の大量排出時、従来の流体採集アセンブリの外層は排出された体液の全部を受け入れることができないことがあり、それによって体液を漏れさせることがある。さらに、このような従来の流体採集アセンブリでは、真空が個体の尿道開口から離隔された多孔質材料の場所に導入される傾向がある。従来の流体採集アセンブリの多孔質媒体の細孔の外層と内層の均一な厚さは、真空によって生じた気流が尿道開口に隣接した多孔質媒体の部分(すなわち、真空を最も必要とする多孔質媒体の部分)には向けられないことを意味する。逆に、真空は、尿道開口に隣接する多孔質媒体の部分に達する前に放散する(たとえば多孔質媒体から漏れる)可能性がある。また、外層の厚さはごく薄い場合があり、それによって外層の圧縮性によって得られる利点が低減する。
【0015】
本明細書で開示される流体採集アセンブリは、従来の流体採集アセンブリのこれらの問題の少なくとも一部を解決するために、第1の多孔質材と第2の多孔質材の異なる流体透過性および/または圧縮性を使用する。たとえば、第1の多孔質材と第2の多孔質材の異なる流体透過性および/または圧縮性は、体液が多孔質材内に受け入れられる速度を向上させ、多孔質材の選択された部分に真空を向け、または体液が流れることができる通路の潰れを防止し、それとともに流体採集アセンブリを可能な限り快適にするように構成される。一実施形態では、第1の多孔質材と第2の多孔質材の異なる透過性および/または圧縮性は、多孔質媒体内に異なる区画を形成するように構成可能であり、異なる区画は異なる流体透過性および/または圧縮性を示す。異なる区画は、多孔質媒体を通る流体の流れを向上させ、および/または、多孔質媒体をより快適にするために使用することができる。一実施例では、多孔質材は、近位区画と遠位区画とを含むことができる。近位区画は、使用中に尿道開口に接触するかまたはその他によりその近傍に位置づけられやすい多孔質材の部分を含むことができ、一方、遠位区画は尿道開口に接触しにくい。したがって、近位区画は、遠位区画の流体透過性より大きい流体透過性を示してもよく、および/または近位区画は遠位区画より小さい圧縮性を示してもよく、それによって尿道開口またはその付近(たとえば多孔質媒体を通る流体の流れが最も重要な場所)において多孔質媒体を通る流体の流れを向上させることができ、多孔質材を尿道開口から離隔した膣領域の部分に対してより快適にすることができる。第1の多孔質材と第2の多孔質材は、多孔質媒体が近位区画と遠位区画を含むように多孔質媒体内に配置することができる。
【0016】
実施形態によっては、流体透過性は、多孔質媒体を通る体液の透過性に加えて、多孔質媒体を通る真空の透過性を指す場合があることに留意されたい。また、相対的に高い流体透過性を示す材料が必ずしも相対的に低い圧縮性を示すとは限らないことにも留意されたい。たとえば、高い流体透過性を示す一部の材料が相対的に高い圧縮性を示す場合があり、低い流体透過性を示す一部の材料が相対的に低い圧縮性を示す場合がある。
【0017】
図1Aは、一実施形態による流体採集アセンブリ100の上面図である。
図1Bは、一実施形態による、面1B-1Bに沿って切り取られた流体採集アセンブリ100の断面概略図である。流体採集アセンブリは、近位端領域104と遠位端領域106とを含む流体不透過性層102を含む。流体不透過性層102は、少なくとも1つの開口108とチャンバ110と流体排出口112とを少なくとも画定する。流体採集アセンブリ100は、チャンバ110内に配置された多孔質媒体114も含む。多孔質媒体114は、第1の多孔質材116と第2の多孔質材118とを含む。第1の多孔質材116は、第1の流体透過性と第1の圧縮性を示し、第2の多孔質材118は、第2の流体透過性と第2の圧縮性を示す。第1の流体透過性が第2の透過性より大きいか、または第1の圧縮性が第2の圧縮性より小さいかの少なくともいずれか一方である。
【0018】
第1および第2の多孔質材116、118の異なる流体透過性および/または圧縮性は、多孔質媒体114が近位区画120と遠位区画122とを含むようにする。近位区画120は、尿道開口に接触するかまたはその他により隣接して位置づけられるように構成された多孔質媒体114の部分を含むことができ、一方、遠位区画122は尿道開口に接触するかまたはその他により隣接して位置づけられる可能性が低い多孔質媒体114の部分を含むことができる。言い換えると、近位区画120は、遠位区画122より尿道開口から大量の体液を受け入れる可能性がより高い。したがって、体液を受け入れ、それを通って体液を迅速に流れさせる近位区画120の能力は、体液を遠位区画122内に迅速に受け入れることよりも重要であり得る。一方、遠位区画122は、その中に体液を迅速に受け入れることが優先されないため、膣領域に対してより快適であるように構成することができる。したがって、第1および第2の多孔質材116、118は、近位区画120が、遠位区画122より大きい流体透過性か、または遠位区画122より小さい圧縮性のうちの少なくとも一方を示すように、多孔質媒体114に配置することができる。
【0019】
一般に、近位区画120は、遠位区画122より流体不透過性層102の近位端領域104に相対的により近い。したがって、近位区画120は、流体不透過性層102の近位端領域104またはその付近から一定距離だけ延びることができる。一般に、遠位区画122は近位区画120よりも流体不透過性層102の遠位端領域106に相対的により近い。したがって、遠位区画122は、流体不透過性層102の遠位端領域106またはその付近から(たとえば貯蔵器124またはその付近から)一定距離だけ延びることができる。一実施形態では、遠位区画122は、遠位端領域106またはその付近から近位区画120まで延びる。一実施形態では、近位区画および遠位区画120、122は多孔質媒体114の遠位半分または近位半分を指し得る。
【0020】
第1の多孔質材116は、多孔質媒体114の外面128の一部から延びる。たとえば、第1の多孔質材116は、近位区画120の外面128の少なくとも一部から延びることができる。したがって、第1の多孔質材116は、個体の尿道開口に直接、接するか、または隣接して位置づけられるか、またはその他により近傍に位置づけられ、それによって多孔質媒体114は第1の多孔質材116が外面128から延びていない場合よりも大量の体液を迅速に受け入れることができる。
【0021】
一実施形態では、図のように、第1の多孔質材116は外面128から多孔質媒体114を通って延びる。多孔質媒体114が(図のように)導管132を受け入れるように構成された穴を画定する場合、第1の多孔質材116は外面128から、穴を画定する多孔質媒体114の内面130まで延びることができる。第1の多孔質材116を、多孔質媒体114を通して延ばすことによって、多孔質媒体114の形成を容易にすることができる。一実施形態では、多孔質媒体114は、概ね中空の円筒形の第2の多孔質材118を設けるなど、第2の多孔質材118を設けることによって形成することができる。第2の多孔質材118に切り抜きを形成し、第2の多孔質材118から取り除くことができる。切り抜きは、第2の多孔質材118を貫通して延びることができ、それによって切り抜きを打ち抜くかまたはその他により第2の多孔質材118から容易に切り取ることができる。第1の多孔質材116は、切り抜きの大きさおよび形状に対応する大きさおよび形状を示すことができる。したがって、第1の多孔質材116は多孔質媒体114を形成するように切り抜き内に位置づけることができる。多孔質媒体114がこのような方法を使用して形成される場合、第1の多孔質材116は1つ以上の第1の側面134を含むことができ、第2の多孔質材118は1つ以上の第2の側面136を含むことができる。第2の側面136は第1の側面134を完全に囲むことができる。
【0022】
一実施形態では、前述のように、第1の多孔質材116は第1の流体透過性を示すことができ、第2の多孔質材118は第1の流体透過性より小さい第2の流体透過性を示すことができる。第1の多孔質材116が第2の多孔質材118とは異なる1インチ当たり細孔数(「PPI」)、密度、または親水性のうちの少なくとも1つを示すため、第1の流体透過性は、第2の流体透過性より大きくなり得る。第2の多孔質材と比較してより大きい第1の多孔質材116の流体透過性は、第1の多孔質材116が第2の多孔質材118より迅速に体液を受け入れることを可能にし得る。また、第2の多孔質材118と比較してより大きい第1の多孔質材116の流体透過性は、真空(たとえば真空による気流)が第2の多孔質材118より第1の多孔質材116内を優先的に通過することを可能にし得る。一方、第2の多孔質材118の流体透過性は快適さより優先されないため、第2の多孔質材118は第1の多孔質材116より個体の膣領域に対してより滑らかであるか、より圧縮可能であるか、またはその他によってより快適にすることができる。図の実施形態を参照すると、前述のように、第1の多孔質材116は個体の尿道開口に隣接するかまたはその他により近傍に位置づけられるように構成される。したがって、第1の多孔質材116は尿道開口から排出された体液を最初に受け入れる。第1の多孔質材116の相対的に高い流体透過性は、体液が多孔質媒体114内に迅速に受け入れられることを可能にし、それによって体液が漏れるのを防ぐ。また、第1の多孔質材116の相対的に高い流体透過性は、真空が第2の多孔質材118の第1の多孔質材116の周囲の部分、特に第1の多孔質材116と近位端領域104との間の第2の多孔質材118の部分のうちの少なくとも一部に対して相対的に、第1の多孔質材116に優先的に送達されることを可能にする。真空を第1の多孔質材116に優先的に送達することによって、体液が第1の多孔質材116内に受け入れられ、第1の多孔質材116を通って流れ、第1の多孔質材116から第2の多孔質材118に流れる速度が増す。しかし、第1の多孔質材116は、第2の多孔質材118より粗い表面またはその他により個体の膣領域に対してより快適でない表面を示し得る。第2の多孔質材の存在は、より快適でない第1の多孔質材116に曝される膣領域の部分を限定し、それによって流体採集アセンブリ100をより使い心地よくする。
【0023】
一実施形態では、第1の多孔質材116は第1の圧縮性を示すことができ、第2の多孔質材118は第1の圧縮性より大きい第2の圧縮性を示すことができる。第1の多孔質材116は第2の多孔質材118とは異なるPPI、平均繊維径、ヤング率(たとえば弾性率)、降伏強さまたは最大抗張力、繊維交絡(絡み合い)または密度のうちの少なくとも1つを示すため、第1の圧縮性は、第2の圧縮性より小さくなり得る。第2の多孔質材118と比較してより小さい第1の多孔質材116の圧縮性は、第2の多孔質材118よりも第1の多孔質材116内の通路の潰れをよりよく抑制することができる。第1の多孔質材116の通路の潰れを抑制することは、より良好な流体の流れを可能にし得る。一方、第1の多孔質材116と比較してより高い第2の多孔質材118の圧縮性は、第2の多孔質材118が膣領域の形状によりよく従うことと、膣領域に加えられる圧力をよりよく分散させることを可能にし、この両方は快適さを向上させる。図の実施形態を参照すると、前述のように、第1の多孔質材116は、個体の尿道開口に隣接またはその他により近傍に位置づけられるように構成される。したがって、第1の多孔質材116は尿道開口から排出される体液を最初に受け入れる。第1の多孔質材116内の通路の潰れの防止は、体液が多孔質媒体114内に迅速に受け入れられることを可能にし、第1の多孔質材116に真空を優先的に送達する。しかし、第1の多孔質材116には膣領域の形状に従う困難さがある可能性があり、および/または、膣領域に圧力を均一に分散させる困難さがある可能性がある。第2の多孔質材118の存在は、より快適でない第1の多孔質材116に曝される膣領域の部分を限定し、それによって流体採集アセンブリ100をより使い心地よくする。
【0024】
一実施形態では、第1の多孔質材116は、第2の多孔質材118によって示されるPPより大きいPPIを示すことができる。一般に、材料のPPIを増大させると、材料内の細孔の数を増やすことができ、それによって体液および真空がその中を流れる速度を上げることができる。したがって、第1の多孔質材116は、第2の多孔質材より大きいPPIを示してもよい。また、PPIを増大させると、材料の固形分を減少させることによって材料の圧縮性が大きくなり、表面粗さを増す可能性がある。第1および第2の多孔質材116、118は、約10PPI以上、約15PPI以上、約20PPI以上、約25PPI以上、約30PPI以上、約35PPI以上、約40PPI以上、約50PPI以上、約60PPI以上、約75PPI以上、約100PPI以上のPPI、または、約10PPIから約20PPI、約15PPIから約25PPI、約20PPIから約30PPI、約25PPIから約35PPI、約30PPIから約40PPI、約35PPIから約50PPI、約40PPIから約60PPI、約50PPIから約75PPI、または約60PPIから約100PPIの範囲を示すように、独立して選択することができる。第1および第2の多孔質材116、118のPPIは、その所望の流体透過性および/または圧縮性に基づいて選択することができる。
【0025】
一実施形態では、第1の多孔質材116は、第2の多孔質材118によって示される密度より低い密度を示すことができる。一般に、材料の密度を低下させると材料の多孔率を上昇させることができ、それによって体液および真空が材料を通ることができる速度を上昇させることができる。また、材料の密度を低下させると、材料の固形分を減少させることによって材料の圧縮性を増し、材料の表面粗さを増し得る。第1および第2の多孔質材116、118は、1立方センチメートル当たり約0.8グラム(「g/cc」)以下、約0.7g/cc以下、約0.65g/cc以下、約0.6g/cc以下、約0.55g/cc以下、約0.5g/cc以下、約0.45g/cc以下、約0.4g/cc以下、約0.35g/cc以下、約0.3g/cc以下、約0.25g/cc以下、約0.2g/cc以下、約0.15g/cc以下、約0.1g/cc以下、約0.075g/cc以下、約0.05g/cc以下、約0.04g/cc以下、約0.03g/cc以下、約0.02g/cc以下、約0.015g/cc以下、約0.01g/cc以下、約0.0075g/cc以下の密度、または、約0.0075g/ccから約0.015g/cc、約0.01g/ccから約0.02g/cc、約0.015g/ccから約0.03g/cc、約0.02g/ccから約0.04g/cc、約0.03g/ccから約0.05g/cc、約0.04g/ccから約0.075g/cc、約0.05g/ccから約0.1g/cc、約0.75g/ccから約0.15g/cc、約0.1g/ccから約0.2g/cc、約0.15g/ccから約0.25g/cc、約0.2g/ccから約0.3g/cc、約0.25g/ccから約0.35g/cc、約0.3g/ccから約0.4g/cc、約0.35g/ccから約0.45g/cc、約0.4g/ccから約0.5g/cc、約0.45g/ccから約0.55g/cc、約0.5g/ccから約0.6g/cc、約0.55g/ccから約0.65g/cc、約0.6g/ccから約0.7g/cc、または約0.65g/ccから約0.8g/ccの範囲の密度を示すように、独立して選択可能である。第1および第2の多孔質材116、118の密度は、その理論上の最大密度(すなわちその材料が細孔を有していない場合の第1および第2の多孔質材の密度)の約0.1%から約99%、たとえば約0.1%から約0.5%、約0.25%から約0.75%、約0.5%から約1%、約0.75%から約1.5%、約1%から約2%、約1.5%から約2.5%、約2%から約3%、約2.5%から約3.5%、約3%から約4%、約3.5%から約5%、約4%から約6%、約5%から約7.5%、約7%から約10%、約9%から約12%、約10%から約15%、約12.5%から約20%、約15%から約25%、約20%から約40%、約30%から約50%、約40%から約65%、または約60%から約99%であるように選択することができる。第1および第2の多孔質材116、118の密度は、その所望の流体透過性および/または圧縮性に基づいて選択することができる。第1および第2の多孔質材116、118の密度は、その所望のPPIに基づいて選択することも可能である。
【0026】
一実施形態では、第1の多孔質材116は、第2の多孔質材118によって示されるパーセント多孔率より大きいパーセント多孔率を示すことができる。第1の多孔質材116のより大きいパーセント多孔率は、第1の多孔質材116が、第2の多孔質材118より体液を迅速に受け入れることができる、より大きい細孔および/またはより多数の細孔を示すことを示し得る。第1および第2の多孔質材116、118のパーセント多孔率は、約1%から約20%、約10%から約30%、約20%から約40%、約30%から約50%、約40%から約55%、約50%から約60%、約55%から約65%、約60%から約70%、約65%から約75%、約70%から約80%、約75%から約82.5%、約80%から約85%、約82.5%から約87.5%、約85%から約90%、約87.5%から約92.5%、約90%から約95%、約92.5%から約97.5%、または約95%から約99%であるように、独立して選択することができる。第1および第2の多孔質材116、118のパーセント多孔率は、その所望の流体透過性、表面粗さ、および圧縮性に基づいて選択することができる。第1および第2の多孔質材116、118のパーセント多孔率は、第1および第2の多孔質材116、118の密度に部分的に依存し得る。
【0027】
一実施形態では、第1の多孔質材116は、第2の多孔質材118によって示される親水性より高い親水性を示すことができる。言い換えると、第1の多孔質材116は、第2の多孔質材118と水(体液の主成分)との間で形成される接触角より小さい水との接触角を示すことができる。一般に、親水性を高くすると、材料中に体液を引き込む材料の能力が増す。しかし、材料の親水性を高くすると、材料から体液を除去する困難さも増す。第1および第2の多孔質材116、118は、約0°から約10°、約5°から約15°、約10°から約20°、約15°から約25°、約20°から約30°、約25°から約35°、約30°から約40°、約35°から約45°、約40°から約50°、約45°から約55°、約50°から約60°、約55°から約65°、約60°から約70°、約65°から約75°、約70°から約80°、約75°から約85°、約80°から約90°、約85°から約95°、約90°から約100°、約95°から約105°、約100°から約120°、約115°から約125°、約120°から約130°、約125°から約135°、約130°から約140°、約135°から約145°、約140°から約150°、約145°から約155°、約150°から約160°、約155°から約165°、約160°から約170°、約165°から約175°、または約170°から約180°である水との接触角を示すように、独立して選択可能である。第1および第2の多孔質材116、118の親水性(すなわち水との接触角)は、第1および第2の多孔質材116、118を形成する材料に基づいて選択可能である。一実施例では、第1の多孔質材116は、第2の多孔質材118を形成する材料よりも低い親水性(すなわち水とのより大きい接触角)を示す材料から形成することができる。一実施例では、第1の多孔質材116がその親水性を増す(たとえば水との接触角を小さくする)材料で少なくとも部分的にコーティングされてもよく、および/または、第2の多孔質材118がその親水性を低下させる材料で少なくとも部分的にコーティングされてもよい。
【0028】
一実施形態では、第1の多孔質材は、第2の多孔質材によって示される平均繊維径よりも大きい平均繊維径を示すことができる。一般に、平均繊維径を大きくすると、材料が有意に屈曲せずに耐えることができる力が大きくなり、さらにそれによって材料の圧縮性が低下する。第1および第2の多孔質材116、118は、約0.1μmから約0.2μm、約0.15μmから約0.25μm、約0.2μmから約0.3μm、約0.25μmから約0.35μm、約0.3μmから約0.4μm、約0.35μmから約0.5μm、約0.4μmから約0.6μm、約0.5μmから約0.7μm、約0.6μmから約0.8μm、約0.7μmから約0.9μm、約0.8μmから約1μm、約0.9μmから約1.25μm、約1μmから約1.5μm、約1.25μmから約2μm、約1.5μmから約2.5μm、約2μmから約3μm、約2.5μmから約4μm、約3μmから約5μm、約4μmから約6μm、約5μmから約7μm、約6μmから約8μm、約7μmから約9μm、約8μmから約10μm、約9μmから約12.5μm、約10μmから約15μm、約12.5μmから約20μm、約15μmから約25μm、約20μmから約30μm、約25μmから約40μm、約30μmから約50μm、約40μmから約60μm、約50μmから約70μm、約60μmから約80μm、約70μmから約90μm、約80μmから約100μm、約90μmから約125μm、約100μmから約150μm、約125μmから約200μm、約150μmから約250μm、約200μmから約300μm、約250μmから約400μm、または約300μmから約500μmである平均繊維径を示すように、独立して選択可能である。平均繊維径を大きくすると材料の圧縮性が低下し、その逆も同様であるため、平均繊維径は第1および第2の多孔質材116、118の所望の圧縮性に基づいて選択されてもよい。平均繊維径は、第1および第2の多孔質材116、118のPPIおよび/または密度に影響し得ることに留意されたい。たとえば、平均繊維径を大きくするとPPIおよび/または密度が低下し得る。したがって、平均繊維径は、所望のPPIおよび/または密度に基づいて選択されてもよい。
【0029】
一実施形態では、第1の多孔質材が第2の多孔質材によって示されるヤング率よりも大きいヤング率を示すことができるか、第1の多孔質材が第2の多孔質材118によって示される降伏強さよりも大きい降伏強さを示すことができるか、または第1の多孔質材が第2の多孔質材によって示される最大抗張力よりも大きい最大抗張力を示すことができるかのうちの少なくとも1つである。一般に、材料のヤング率、降伏強さまたは最大抗張力を大きくすると、材料の圧縮性が低下する。ヤング率、降伏強さおよび最大抗張力は材料特性であり、したがって、第1および第2の多孔質材116、118のヤング率、降伏強さおよび最大抗張力は、第1および第2の多孔質材116、118を形成する材料に依存する。一実施形態では、第1および第2の多孔質材116、118は、約0.2ギガパスカル(「GPa」)以上、約0.3GPa以上、約0.5GPa以上、約0.75GPa以上、約1GPa以上、約1.5GPa以上、約2GPa以上、約3GPa以上、約4GPa以上、約5GPa以上、約6GPa以上、約7GPa以上、約8GPa以上、約9GPa以上、約10GPa以上、約11GPa以上、約12.5GPa以上、約15GPa以上、約20GPa以上、約25GPa以上、約30GPa以上、約40GPa以上、約50GPa以上、約75GPa以上、100GPa以上、または、約0.2GPaから約0.5GPa、約0.3GPaから約0.75GPa、約0.5GPaから約1GPa、約0.75GPaから約1.5GPa、約1GPaから約2GPa、約1.5GPaから約3GPa、約2GPaから約4GPa、約3GPaから約5GPa、約4GPaから約6GPa、約5GPaから約7GPa、約6GPaから約8GPa、約7GPaから約9GPa、約8GPaから約10GPa、約9GPaから約11GPa、約10GPaから約12.5GPa、約11GPaから約15GPa、約12.5GPaから約20GPa、約15GPaから約25GPa、約20GPaから約30GPa、約25GPaから約40GPa、約30GPaから約50GPa、約35GPaから約75GPa、もしくは約50GPaから約100GPaの範囲であるヤング率を示すように、独立して選択可能である。一実施形態では、第1および第2の多孔質材116、118は、約3メガパスカル(「MPa」)以上、約5MPa以上、約7.5MPa以上、約10MPa以上、約15MPa以上、約20MPa以上、約30MPa以上、約40MPa以上、約50MPa以上、約60MPa以上、約70MPa以上、約80MPa以上、約100MPa以上、約125MPa以上、約150MPa以上、約200MPa以上、約250MPa以上、約300MPa以上、約400MPa以上、約500MPa以上、約600MPa以上、約700MPa以上、約800MPa以上、約1GPa以上、または、約3MPaから約7.5MPa、約5MPaから約10MPa、約7.5MPaから約15MPa、約10MPaから約20MPa、約15MPaから約30MPam、約20MPaから約40MPa、約30MPaから約50MPa、約40MPaから約60MPa、約50MPaから約70MPa、約60MPaから約80MPa、約70MPaから約100MPa、約80MPaから約125MPa、約100MPaから約150MPa、約100MPaから約200MPa、約150MPaから約300MPa、約200MPaから約400MPa、約300MPaから約500MPa、約400Mから約600MPa、約500MPaから約700MPa、約600MPaから約800MPa、約700MPaから約1GPaの範囲である降伏力または最大抗張力を示すように独立して選択可能である。
【0030】
一実施形態では、第1の多孔質材116は第2の多孔質材118によって示される繊維交絡よりも大きい繊維交絡を示すことができる。一般に、材料の繊維交絡を増すと繊維の圧縮性が低下する。繊維交絡は、たとえば平均繊維長、材料を形成するために使用される織パターン、および材料を形成するために使用される不織技術に依存し得る。したがって、第1の多孔質材116は、第2の多孔質材118より長い平均繊維長を示すか、第2の多孔質材118とは異なる織パターンを示すか、または第2の多孔質材118とは異なる不織技術を使用して形成されるかのうちの少なくとも1つとすることができる。
【0031】
一実施形態では、第1および第2の多孔質材116、118は同じ等方性物質から形成されてもよい。等方性物質は、異なる配向において異なる圧縮性および/または流体透過性を示すことができる。したがって、第1の多孔質材116の等方性物質は、第2の多孔質材118の等方性物質とは異なる配向を示してもよい。
【0032】
多孔質媒体114は、チャンバ110内に配置される。多孔質媒体114は開口108の少なくとも一部(たとえば全部)を被うことができる。多孔質媒体114は、開口108を通してチャンバ110の外部の環境に曝される。一実施形態では、多孔質媒体114は任意の体液を開口108から吸い取るように構成可能であり、それによって体液がチャンバ110から漏れ出るのを防ぐ。本明細書で言う透過性とは、吸い取り、毛管作用、拡散またはその他の類似の特性またはプロセスの場合があり、本明細書では「透過性」および/または「吸い取り」と呼ぶ。このような「吸い取り」性および/または「透過」性は、多孔質媒体114の少なくとも一部内への体液の吸収を含まない場合がある。言い換えると、材料が体液に曝され、体液から暫時、取り去られた後で材料中への体液の吸収または溶解が実質的に起こらない場合がある。吸収または溶解がまったくないことが望ましいが、「実質的に吸収がない」という用語は、多孔質媒体114の乾燥重量の約30重量%未満、多孔質媒体114の乾燥重量の約20重量%未満、約10重量%未満、約7重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、または約0.5重量%未満など、多孔質媒体114中への体液のわずかな量の吸収および/または溶解(たとえば吸収度)を許容し得る。多孔質媒体114は、以下で詳述するように、体液を概ねチャンバ110の内部に向けて吸い取ることも可能である。一実施形態では、多孔質媒体114は、少なくとも1つの吸収剤または吸収材料を含むことができる。
【0033】
多孔質媒体114は、任意の適切な多孔質材から形成可能である。多孔質媒体114を形成可能な(たとえば第1および第2の多孔質材116、118を形成可能な)材料の例には、ガーゼ(たとえば絹、リネンまたは綿ガーゼ)、フェルト、綿、ウール、絹、他の布地、多孔質ポリマー(たとえばナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)構造体、開放気泡発泡体、スパンポリマー(たとえばスパンナイロン繊維)、紙、不織布材、織布、またはこれらの組合せが含まれる。
【0034】
前述のように、流体採集アセンブリ100は流体不透過性層102を含むことができる。流体不透過性層102は、チャンバ110(たとえば内部領域)と開口108とを少なくとも部分的に画定する。たとえば、流体不透過性層102の内面138が、流体採集アセンブリ100内にチャンバ110を少なくとも部分的に画定する。流体不透過性層102はチャンバ110内に体液を一時的に貯蔵する。流体不透過性層102は、流体不透過性ポリマー(たとえば、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ネオプレン、ポリカーボネートなど)、金属膜、天然ゴム、その他の適切な材料、本明細書で開示されている任意のその他の流体不透過性材料、あるいはこれらの組合せで形成可能である。したがって、流体不透過性層102は、体液が流体不透過性層102を通過するのを実質的に防止する。一実施例では、流体不透過性層102は、通気性で流体不透過性とすることができる。そのような実施例では、流体不透過性層102は、複数の細孔を画定する疎水性材料で形成可能である。流体不透過性層102の少なくとも外面140の少なくとも1つ以上の部分が柔らかいおよび/または滑らかな材料から形成可能であり、それによって擦れを低減することができる。
【0035】
開口108は、体液がチャンバ110に入るための進入経路を提供する。開口108は、流体不透過性層102の内縁によってなど、流体不透過性層102によって画定することができる。たとえば、開口108は、流体不透過性層102内に形成され、流体不透過性層102を通って外面140から内面138まで延び、それによって体液が流体採集アセンブリ100の外部からチャンバ110に入ることができるようにする。
【0036】
一部の実施例では、流体不透過性層102は、導管132を受け入れる大きさとされた流体排出口112を画定することができる。少なくとも1つの導管132を、流体排出口112を介してチャンバ110内に配置することができる。流体排出口112は、導管132または少なくとも1つの管に接して少なくとも実質的に流体密封封止を形成する大きさおよび形状とすることができ、それによって体液がチャンバ110から漏れ出すのを実質的に防止することができる。
【0037】
多孔質媒体114は、導管132によって占有されていないチャンバ110の部分を少なくとも実質的に完全に満たすことができる。実施例によっては、多孔質媒体114は、導管132によって占有されていないチャンバ110の部分を実質的に完全に満たさなくてもよい。そのような実施例では、流体採集アセンブリ100はチャンバ110内に配置された貯蔵器124を含む。
【0038】
貯蔵器124は、チャンバ110の実質的に空いている部分である。貯蔵器124は、流体不透過性層102と多孔質媒体114(たとえば、第1または第2の多孔質材116、118のうちの1つ以上)との間に画定可能である。チャンバ110内にある体液は、多孔質媒体114(たとえば第1または第2の多孔質材116、118のうちの1つ以上)を通って貯蔵器124に流れることができる。貯蔵器124はその中に体液を保持することができる。
【0039】
チャンバ110内にある体液は多孔質媒体114を通って貯蔵器124に流れることができる。流体不透過性層102が、体液を貯蔵器124内に保持することができる。遠位端領域106に図示されているが、貯蔵器124は近位端領域104などチャンバ110の任意の部分に配置可能である。貯蔵器124は、流体採集アセンブリ100が装着されたときに流体採集アセンブリ100の重量測定法的に低い点に配置されるように設計されたチャンバ110の部分に配置されてもよい。
【0040】
一部の実施例(図示せず)では、流体採集アセンブリ100は、導管132の入口に最も近いチャンバ110の部分(たとえば遠位端領域106)に配置された第1の貯蔵器と、近位端領域104またはその付近にあるチャンバ110の部分に配置された第2の貯蔵器など複数の貯蔵器を含むことができる。別の実施例では、多孔質媒体114は導管132の少なくとも一部から離隔され、貯蔵器124は多孔質媒体114と導管132との間の空間であってもよい。
【0041】
導管132は、少なくとも部分的にチャンバ110内にあってもよい。導管132は、チャンバ110から体液を除去するために使用することができる。導管132は、入口と、入口の下流の出口(図示せず)と、通路とを画定する少なくとも1つの壁を含む。導管132の出口は、チャンバ110から導管132を通して流体を引き出すための真空ポンプなどの真空源に動作可能に結合されてもよい。たとえば、導管132は、近位端領域104から流体不透過性層102内に延びてもよく、遠位端領域106まで延び、入口が貯蔵器124と流体連通するように貯蔵器124の近傍の点まで延びてもよい。導管132は、チャンバ110を流体貯蔵容器(図示せず)または真空源(図示せず)に流体結合する。
【0042】
導管132は、多孔質媒体114内の穴を通って延びることができる。一実施形態では、導管132は、流体排出口112から穴を通って貯蔵器124の近傍にある場所まで延びることができる。このような実施形態では、入口は貯蔵器124内まで延びなくてもよく、その代わりに入口は多孔質媒体114内またはその末端に配置されてもよい。たとえば、導管132の一端が多孔質媒体114と同一の広がりを持つかまたは多孔質媒体114内で陥凹していてもよい。一実施形態では、導管132は少なくとも部分的に貯蔵器124内に配置され、入口が貯蔵器124内に延びるかまたは貯蔵器124内に位置づけられてもよい。流体採集アセンブリ100内に採集された体液は、導管132を介してチャンバ110から除去することができる。
【0043】
個体によって装着されたときにチャンバ110の重力測定的に低い点と推測される場所またはその付近に入口を配置することによって、入口が他の場所に配置された場合より導管132が体液をより多く受け入れることができるようにし、滞留の可能性を低くすることができる(たとえば、体液の滞留は細菌の増殖と悪臭を生じさせる可能性がある)。たとえば、多孔質媒体114内の体液は毛管力によってどの方向へも流れ得る。しかし、特に多孔質媒体114の少なくとも一部が体液で飽和状態になると、体液は重力の方向に流れやすくなる傾向を示す可能性がある。したがって、入口または貯蔵器124のうちの1つ以上が、遠位端領域106など、個体によって装着されたときに流体採集アセンブリ100における重力測定的に低い点と推測される流体採集アセンブリ100内の位置に配置されてもよい。
【0044】
導管132の入口と出口は、チャンバ110(たとえば貯蔵器124)に真空源(図示せず)を流体結合(たとえば直接または間接的に)するように構成される。真空源(
図10)が導管132内に真空/陰圧をかけると、チャンバ110内の(たとえば貯蔵器124などの遠位端領域DERにおける)体液が、導管132を通して入口内に引き込まれ、流体採集アセンブリ100から流出することができる。一部の実施例では、導管132はその中の体液を見えにくくするためにつや消しまたは不透明とすることができる。
【0045】
前述のように、導管132は少なくともチャンバ110に挿入可能に構成することができる。一実施例では、導管132は、導管の末端が流体不透過性層102、または入口を少なくとも部分的に塞ぐかまたは遮断し得る流体採集アセンブリ100のその他の構成要素から離隔されるように、チャンバ110に位置づけることができる。また、導管132の入口は、入口が多孔質媒体114の末端より流体採集アセンブリ100の近位端領域104により近くなるように、多孔質媒体114の末端を基準にしてずらすことができる。入口をこのように多孔質媒体114の末端を基準にしてずらすことによって、入口が多孔質媒体114から直接、体液を受け入れることができるようにし、水素結合により、多孔質媒体114から導管132内により多くの体液を引き込むことができるようにする。
【0046】
図2および
図3は、異なる実施形態による、
図1Aに示す流体採集アセンブリ100と同じ上面図を示す流体採集アセンブリを示す断面概略図である。本明細書で異なるように開示されている点を除き、
図2および
図3に示す流体採集アセンブリは本明細書で開示されている流体採集アセンブリのいずれかと同じかまたは実質的に類似している。たとえば、
図2および
図3に示す流体採集アセンブリは、チャンバとチャンバ内に配置された多孔質媒体とを画定する流体不透過性層を含むことができる。多孔質媒体は、第1の多孔質材と第2の多孔質材を含むことができる。第1の多孔質材は、第2の多孔質材とは異なる流体透過性または圧縮性のうちの少なくとも一方を示すことができる。第1および第2の多孔質材は、多孔質媒体が近位区画と遠位区画とを含むように構成可能である。
【0047】
図2を参照すると、第1の多孔質材216は外側部分242と内側部分244を含む。外側部分242は個体の尿道開口に接触するか、隣接して位置づけられるか、またはその他により近傍に位置づけられるように構成された、多孔質媒体214の外面228の一部から内側に延びる。内側部分224は、第2の多孔質材218(たとえば流体透過性膜)および外側部分242の背後に延び、それを支持することができる。したがって、外側部分242は内側部分244から外側に向かって延びることができる。使用中、外側部分242は尿道開口から比較的大量の体液を受け入れることができる。第1の多孔質材216が、第2の多孔質材218より大きい流体透過性または第2の多孔質材218より小さい圧縮性を示すかにかかわらず、より大きい流体透過性または中に画定された潰れない通路に起因して、第1の多孔質材216の外側部分242内に体液を迅速に受け入れることができる。外側部分242によって受け入れられた体液は、次に、第1の多孔質材216の内側部分内に流れることができる。この場合も、第1の多孔質材216が第2の多孔質材218より大きい流体透過性または第2の多孔質材218より小さい圧縮性を示すかにかかわらず、より大きい流体透過性またはその中に画定された潰れない通路に起因して、体液は内側部分244を通って貯蔵器224および/または導管232の入口まで迅速に流れることができる。実際、体液の少なくとも一部が多孔質媒体214を通って流れる(すなわち第1の多孔質材216の内側部分244を優先的に流れる)ことができるとともに、第2の多孔質材218を回避するため、体液は多孔質媒体214を
図1Bに示す多孔質媒体114よりも迅速に流れることができる。また、真空が第1の多孔質材216の内側部分244を優先的に通過し、第2の多孔質材218が流体不透過性層202によって画定されたチャンバ210から真空が漏れるのを抑制する障壁を形成することになるため、
図1Bに示す第1の多孔質材116の部分と比較して、第1の多孔質材216の外側部分242により優先的に真空をかけることができる。
【0048】
第2の多孔質材218は、より快適でない第1の多孔質材216と接触する個体の膣領域の部分を限定するため、やはり流体採集アセンブリ200の快適さを増す。第1の多孔質材216の内側部分244が第2の多孔質材218の背後に延びているため、第2の多孔質材218は
図1Bに示す第2の多孔質材118と比較して流体採集アセンブリ200の長手方向軸に対して垂直に測定される減少した厚さを示すことができることに留意されたい。第2の多孔質材218が第1の多孔質材216よりも大きい圧縮性を示す場合、第2の多孔質材218の減少した厚さは、第2の多孔質材218の増大した圧縮性が流体採集アセンブリ200の快適さの向上に与える効果をわずかに減少させる可能性がある。
【0049】
多孔質媒体214は、第2の多孔質材218に切り抜きを形成し、第1の多孔質材216に第2の多孔質材218に形成された切り抜きに対応する突出部(すなわち外側部分242)を形成することによって形成することができる。次に第1の多孔質材216を、外側部分242が切り抜きを通して配置された状態で第2の多孔質材218内に配置することができる。したがって、第2の多孔質材218は外側部分242を完全に囲むことができる。
【0050】
図3を参照すると、第2の多孔質材318が外側部分342と内側部分344を含む。外側部分342は、個体の尿道開口に接触するか、それに隣接して位置づけられるか、またはその他によりその近傍に位置づけられるように構成されていない、多孔質媒体314の外面328の一部から内側に延びている。内側部分344は、第1の多孔質材316(たとえば流体透過性膜)の背後に延び、それを支持することができる。したがって、外側部分342は内側部分344から外側に延びることができる。第2の多孔質材318は、より快適でない第1の多孔質材316と接触する個体の膣領域の部分を限定するため、流体採集アセンブリ300の快適さを増す。第2の多孔質材318は、内側部分344に隣接する凹部を画定することができる。第1の多孔質材316をこの凹部に位置づけることができる。使用中、第1の多孔質材316は尿道開口から比較的大量の体液を受け入れることができる。第1の多孔質材316が第2の多孔質材318より大きい流体透過性または第2の多孔質材318より低い圧縮性を示すかにかかわらず、そのより大きい流体透過性またはその中に画定された潰れない通路により、体液を第1の多孔質材316内に迅速に受け入れることができる。第1の多孔質材316によって受け入れられた体液は、次に第2の多孔質材318内に流れることができる。
【0051】
多孔質媒体314は、第2の多孔質材318に凹部を形成し、第1の多孔質材316をその凹部内に収まるように形成する(たとえば成形する)ことによって形成することができる。次に第1の多孔質材316を、第2の多孔質材318によって画定された凹部内に配置することができる。したがって、第2の多孔質材318は外側部分342を完全に囲むことができる。
【0052】
図4Aは、一実施形態による流体採集アセンブリ400の上面図である。
図4Bは、面4B-4Bに沿って切り取られた流体採集アセンブリ400の断面概略図である。本明細書で異なるように開示されている点を除き、流体採集アセンブリ400は本明細書で開示されている流体採集アセンブリのいずれかと同じかまたは実質的に類似している。たとえば、流体採集アセンブリ400は、近位端領域404と遠位端領域406とを含む流体不透過性層402を含む。流体採集アセンブリ400は、流体不透過性層402に配置された多孔質媒体414も含む。多孔質媒体414は第1の多孔質材416と第2の多孔質材418を含む。
【0053】
第2の多孔質材418は、多孔質媒体414の外面428の全部を形成し、それによって個体の膣領域と接触する外面428の全部をより使い心地よくする。しかし、第2の多孔質材418の厚さは、流体採集アセンブリ400の長手方向軸に対して平行に測定された多孔質媒体414の長さの少なくとも一部(たとえば全部)に沿って先細にされている。たとえば、第2の多孔質材418の厚さは、近位端領域404に近づくにつれて薄くなる。尿道開口は概ね近位端領域404の近傍に位置づけられるため、第2の多孔質材418の減少した厚さは、第2の多孔質材418が多孔質媒体414に入る体液の有意な障害になるのを防止または少なくとも抑制することができる。第2の多孔質材418の厚さは、遠位端領域406に近づくにつれて増大することができる。したがって、第2の多孔質材418が第1の多孔質材416よりも大きい圧縮性を示す場合、第2の多孔質材418の増大した圧縮性が流体採集アセンブリ400の快適さに与える効果が、遠位端領域406に近づくにつれてより大きくなり得る。
【0054】
第1の多孔質材416は、多孔質媒体414の外面428から離隔され、それによって前述のように流体採集アセンブリ400をより使い心地よくすることができる。しかし、第1の多孔質材416の厚さは、第2の多孔質材418とは逆の方式で多孔質媒体414の長さの少なくとも一部(たとえば全部)に沿って先細にされている。たとえば、第1の多孔質材416の厚さは、近位端領域404に近づくにつれて増大してもよく、遠位端領域406に近づくにつれて減少してもよい。したがって、第1の多孔質材416の厚さは、使用中に個体の尿道開口に隣接する場所において第2の多孔質材418の厚さより有意に厚くなり得る。第1の多孔質材416が第2の多孔質材418と比較してより大きい流体透過性および/またはより遮断されない通路を示すことができるため、第1の多孔質材416の増大した厚さは、尿道開口に隣接する第2の多孔質材418を通して体液を引き込みやすくすることができる。第1の多孔質材416の厚さの変動は、尿道開口に近接する多孔質媒体414の一部への真空の送達も容易にする。たとえば、前述のように、真空は第1の多孔質材416を優先的に流れる。遠位端領域406近傍の第2の多孔質材418の増大した厚さは、遠位端領域406の近傍の(すなわち尿道開口から離隔した)場所において多孔質媒体414から真空が漏れるのを抑制する。近位端領域404の近傍の第2の多孔質材418の減少した厚さは、近位端領域404の近傍の場所において多孔質媒体414から真空のより多くを漏れさせ、それによって体液が多孔質媒体414内に引き込まれやすくする(たとえば、体液を第2の多孔質材418を通って第1の多孔質材416内に引き込む)。
【0055】
図4Cは、一実施形態による流体採集アセンブリ400’の断面概略図である。本明細書で開示されている異なる点を除き、流体採集アセンブリ400’は本明細書で開示されている流体採集アセンブリのいずれかと同じかまたは実質的に類似している。たとえば、流体採集アセンブリ400’は、近位端領域404’と遠位端領域406’を含む流体不透過性層402’を含む。流体採集アセンブリ400’は、流体不透過性層402’に配置された多孔質媒体414’も含む。多孔質媒体414’は第1の多孔質材416’と第2の多孔質材418’を含む。
【0056】
流体採集アセンブリ400’は、第2の多孔質媒体418’の代わりに第1の多孔質材416’が多孔質媒体414’の外面428’の全部を形成する点を除き、
図4Aおよび
図4Bの流体採集アセンブリ400と実質的に類似している。外面428’の全体を第1の多孔質材416’から形成することによって、流体採集アセンブリ400’を流体採集アセンブリ400より不快にする可能性がある。しかし、外面428’の全体を第1の多孔質材416’から形成することにより、第2の多孔質材418’が、第1の多孔質材416’内への体液の流入を妨げる障壁となるのが防止される。たとえば、尿道開口から排出された体液が第1の多孔質材416’と直に接することができる。したがって、第2の多孔質材418’が多孔質媒体414’の少なくとも一部を形成した場合よりも、第1の多孔材416’の高い流体透過性に起因して、体液は第1の多孔質材416’内、さらに多孔質媒体414’の内部により迅速に流れことができる。したがって、流体採集アセンブリ400’は、特に個体が体液を比較的高速で排出する場合に、
図4Aおよび
図4Bの流体採集アセンブリ400よりも体液の受け入れの点でより有効となり得る。
【0057】
また、外面428’の全体を第1の多孔質材416’から形成することは、流体採集アセンブリ400’が使用中に移動する可能性がある場合に流体採集アセンブリ400’の使用を容易にすることができる。たとえば、尿道開口に対して流体採集アセンブリ400’の正しい位置を維持するために、流体採集アセンブリ400’は、個体の大腿と流体不透過性層402’との接触を使用することができる。しかし、大腿が細いか、忘れやすい(たとえば認知症の個体、幼児など)か、または頻繁に動く個体は、流体採集アセンブリ400’の位置を維持するために大腿と流体不透過性層402’との十分な接触を維持することが困難な場合がある。したがって、そのような個体とともに使用する場合、流体採集アセンブリ400’が移動する可能性が高い。通常、任意の流体採集アセンブリを、個体を基準にして移動可能にすると、体液が多孔質媒体の予期しない部分に接触するか、流体採集アセンブリと個体との間に間隙が形成されるため、流体採集アセンブリが体液を漏れさせる可能性が高くなる。しかし、外面428’の全体を第1の多孔質材416’から形成すると、流体採集アセンブリ400’がそのような個体とともに使用される場合に漏れる可能性のある体液の量が減少する。たとえば、多孔質媒体414’のどの部分が体液を最初に受け入れるかにかかわらず、第1の多孔質材416’の高い流体透過性が多孔質材414’内に体液を迅速に引き込む。また、外面428’の全体を第1の多孔質材416’から形成すると、第2の多孔質材418’が外面428’のいずれかの部分を形成する場合よりも、多孔質媒体414’と接触する体液のより多くの割合が多孔質媒体414’に確実に受け入れられるようになる。
【0058】
第一の多孔質材416’の厚さは、流体採集アセンブリ400’の長手方向軸に対して平行に測定された多孔質媒体414’の長さの少なくとも一部(たとえば全部)に沿って先細にされている。たとえば、第1の多孔質材416’の厚さは、近位端領域404’に近づくにつれて増大する。前述のように、第1の多孔質材416’の増大した厚さは、体液を多孔質媒体414’内により深く受け入れるのを容易にすることができる。第2の多孔質材418’の厚さは、第1の多孔質材416’と逆の方式で多孔質媒体414’の長さの少なくとも一部(たとえば全部)に沿って先細になっている。一実施例では、第2の多孔質材418’は、第1の多孔質材416’より圧縮性が大きい。このような実施例では、遠位端領域406’に近づくにつれてそれぞれ減少および増大する第1の多孔質材416’および第2の多孔質材’の厚さは、多孔質媒体414’の全体的圧縮性を遠位端領域406’に近づくにつれて増大させる。言い換えると、第2の多孔質材418’が外面428’の一部を形成しなくても、第2の多孔質材418’は、やはり流体採集アセンブリ400’の快適さを向上させることができる。
【0059】
図5は、一実施形態による流体採集アセンブリ500の断面概略図である。流体採集アセンブリ500は、第1および第2の多孔質材516、518が多孔質媒体514の長さの一部のみに沿って先細になっている点を除き、
図4Aおよび
図4Bに示す流体採集アセンブリ400と同じである。第1および第2の多孔質材516、518を多孔質媒体514の長さの一部のみに沿って先細にすることにより、第1の多孔質材516の一部が多孔質媒体514の外面528の一部を形成することができるようにすることができる。たとえば、第1の多孔質材516は、尿道開口に隣接して位置づけられるように構成された外面528の一部を形成することができる。したがって、第2の多孔質材518が第1の多孔質材516に入る体液の障壁を形成することができないため、流体多孔質材516によって形成された外面528のその一部が、
図4Bに示す多孔質媒体414と比較して多孔質媒体514中への改良された流体の流れを可能にすることができる。第1および第2の多孔質材516、518は、
図5に示す方向の代わりに
図4Cに示すのと同じ方向に先細にされていてもよいことに留意されたい。
【0060】
図6Aは、一実施形態による流体採集アセンブリ600の上面図である。
図6Bは、一実施形態による流体採集アセンブリ600の断面概略図である。本明細書で異なるように開示されている点を除き、流体採集アセンブリ600は本明細書で開示されている流体採集アセンブリのいずれかと同じかまたは実質的に類似している。たとえば、流体採集アセンブリ600は、近位端領域604と遠位端領域606を含む流体不透過性層602を含む。流体採集アセンブリ600は、流体不透過性層602内に配置された多孔質媒体614も含む。多孔質媒体614は、第1の多孔質材616と第2の多孔質材618を含む。
【0061】
第1および第2の多孔質材616、618は、第1の多孔質材616が多孔質媒体614の近位区画を形成し、第2の多孔質材618が多孔質媒体614の遠位区画を形成するように、多孔質媒体の明確に異なる部分を形成する。たとえば、第1および第2の多孔質材616、618のそれぞれが、多孔質媒体614の外面628の一部を形成することができる。第1の多孔質材616および第2の多孔質材618のそれぞれは、多孔質媒体614を通って外面628から延びる(たとえば、外面628から穴を画定する内面630まで延びる)1つ以上の第1の側面634および1つ以上の第2の側面636をそれぞれ、含むことができる。一実施形態では、第1および第2の多孔質材616、618は、第1および第2の多孔質材616、618がより短い長さを示す以外は、多孔質媒体614の全体形状に対応する形状を示し得る。たとえば、多孔質媒体614が概ね円筒形状を示す場合、第1および第2の多孔質材616、618は概ね円筒形状を示すことができる。
【0062】
多孔質媒体614は、本明細書で開示されている他の多孔質媒体より製造が容易である可能性がある。たとえば、多孔質材614は、切り抜きの形成、凹部の形成、突出部の形成、または1つの多孔質材を別の多孔質材の上または中に位置づけることなしに、形成可能である。そのようにせずに、多孔質媒体614は、第1および第2の多孔質材616、618を設け、さらに任意により第1および第2の多孔質材の長さを調整することによって形成可能である。第1および第2の多孔質材616、618は、この場合、多孔質媒体614を形成するように互いに隣接して位置づけることができる。
【0063】
図7は、一実施形態による流体採集アセンブリ700の断面概略図である。流体採集アセンブリ700は、
図6Aに示す流体採集アセンブリ600と同じ上面図を示し得ることに留意されたい。本明細書で異なるように開示されている点を除き、流体採集アセンブリ700は本明細書で開示されている流体採集アセンブリのいずれかと同じであるかまたは実質的に類似している。たとえば、流体採集アセンブリ700は、近位端領域704と遠位端領域706を含む流体不透過性層702を含む。流体採集アセンブリ700は、流体不透過性層702に配置された多孔質媒体714も含む。多孔質媒体714は、第1の多孔質材716と第2の多孔質材718を含む。
【0064】
図2の多孔質媒体214と同様に、第1の多孔質材716は外側部分742と内側部分744を含む。外側部分742は、個体の尿道開口に接触するか、隣接して位置づけられるか、またはその他によりその近傍に位置づけられるように構成された多孔質媒体714の外面728の一部から内側に延びる。内側部分744は、第2の多孔質材718および外側部分742の背後に延びることができる。したがって、外側部分742は、内側部分744から外側に延びることができる。この場合でも、第2の多孔質材718はより快適でない第1の多孔質材716と接触する個体の膣領域の部分を限定するため、第2の多孔質材718は流体採集アセンブリ700の快適さを向上させる。
【0065】
本明細書で開示されている多孔質媒体は、上述の第1および第2の多孔質材に加えて、少なくとも1つの中間多孔質材(たとえば第3の多孔質材、第4の多孔質材など)を含むことができる。中間多孔質材は、中間流体透過性と中間圧縮性を示すことができる。一実施形態では、中間多孔質材の中間流体透過性は、第1の多孔質材の第1の流体透過性より小さく、第2の多孔質材の第2の流体透過性より大きくてもよい。一実施形態では、中間多孔質材の中間圧縮性は、第1の多孔質材の第1の圧縮性より大きく、第2の多孔質材の第2の圧縮性より小さくてもよい。中間多孔質材は、第1の多孔質材または第2の多孔質材のうちの1つ以上の間に位置づけられるかまたはその他により接触することができる。中間多孔質材は、多孔質媒体が第1および第2の多孔質材のみを含んでいる場合より、多孔質媒体の流体透過性および圧縮性のより多くの制御を可能にすることができる。中間多孔質材は、多孔質媒体の近位区画、多孔質媒体の遠位区画、または近位区画と遠位区画の間の多孔質媒体の中間区画の一部を形成することができる。
【0066】
図8Aは、一実施形態による、第1の多孔質材816と第2の多孔質材818に加えて第3の多孔質材846を有する多孔質媒体814を含む流体採集アセンブリ800の上面図である。
図8Bは、面8B-8Bに沿って切り取られた流体採集アセンブリ800の断面概略図である。本明細書で異なるように開示されている点を除き、流体採集アセンブリ800は本明細書で開示されている流体採集アセンブリのいずれかと同じかまたは実質的に類似している。たとえば、流体採集アセンブリ800は、流体不透過性層802と、流体不透過性層802に配置された多孔質媒体814とを含む。多孔質媒体814は、第1の多孔質材816と第2の多孔質材818を含む。
【0067】
図1Bに示す流体採集アセンブリ100と同様に、第1の多孔質材816および第2の多孔質材818は多孔質媒体814の外面828から、および多孔質媒体814を通して(たとえば内面830まで)延びる。第3の多孔質材846は、第1の多孔質材816と第2の多孔質材818の間に位置づけられ、多孔質媒体814の外面828から、および多孔質媒体814を通して延びる。一実施形態では、第3の多孔質材846は、流体採集アセンブリ800が誤って置かれるかまたは誤って位置づけられた場合に、流体採集アセンブリ800の働きを容易にすることができる。たとえば、流体採集アセンブリ800は、個体の尿道開口が尿道開口に隣接して位置づけられるように構成される。しかし、流体採集アセンブリ800は、尿道開口が尿道開口に隣接して位置づけられないように個体上に誤って置かれる可能性がある。流体採集アセンブリ800が誤って置かれた場合、尿道開口は第3の多孔質材846に隣接して位置づけられることができ、したがって、尿道開口が第2の多孔質材818に隣接して位置づけられた場合(これは多孔質媒体814が第3の多孔質材846を含まなかった場合に起こり得る)よりも体液が多孔質媒体814内によりよく受け入れられる。また、第3の多孔質材846は、第1の多孔質材816より快適である可能性があり、したがって第3の多孔質材846は、第3の多孔質材846が代わりに第1の多孔質材816から形成された場合よりも流体採集アセンブリ800をより快適にすることができる。
【0068】
図9は、一実施形態による、第1の多孔質材916と第2の多孔質材918に加えて第3の多孔質材946を有する多孔質媒体914を含む流体採集アセンブリ900の断面概略図である。本明細書で開示されている点以外、流体採集アセンブリ900は本明細書で開示されている流体採集アセンブリのいずれかと同じか実質的に類似し得る。たとえば、流体採集アセンブリ900は、外側部分242と内側部分244が異なる多孔質材から形成される点を除き、
図2に示す流体採集アセンブリ200と同じかまたは実質的に類似し得る。一実施形態では、図のように、流体採集アセンブリ900は流体不透過性層902と、その中に配置された多孔質媒体914とを含む。多孔質媒体914は、多孔質媒体914の外面928の一部を形成する、第1の多孔質材916と第2の多孔質材918を含む(すなわち、第1の多孔質材916が外側部分を形成する)。多孔質媒体914は、第1および第2の多孔質材916、918の少なくとも一部の背後に延びる第3の多孔質材946も含む(すなわち、第3の多孔質材946が内側部分を形成する)。第1の多孔質材916は、体液が多孔質媒体914に入りやすくすることができ、第2の多孔質媒体918は、流体採集アセンブリ900をより快適にすることができる。流体採集アセンブリ200と比較して、第3の多孔質材946は多孔質媒体914の圧縮性を向上させることができるとともに、多孔質媒体914の全体的流体透過性の低下を最小限にする。図示されていない一実施形態では、第3の多孔質材946が外側部分を形成し、第1の多孔質材916が内側部分を形成する。このような実施形態では、
図9に示す実施形態より、第3の多孔質材946は外面928をより滑らかにするかまたはその他によってより快適にし、第1の多孔質材916は多孔質媒体914を通る流体の流れを向上させることができる。
【0069】
本明細書で開示されている他の実施形態のいずれも中間多孔質材を含むことができることに留意されたい。
【0070】
図10は、一実施形態による流体採集のための流体採集システム1050のブロック図である。流体採集システム1050は、流体採集アセンブリ1000と、流体貯蔵容器1052と、真空源1054とを含む。流体採集アセンブリ1000は、本明細書で開示されている流体採集アセンブリのいずれかと同じかまたは実質的に類似し得る。流体採集アセンブリ1000と流体貯蔵容器1052と真空源1054とは、1つ以上の導管1032を介して互いに流体結合可能である。たとえば、流体採集アセンブリ1000は、流体貯蔵容器1052または真空源1054のうちの1つ以上に導管1032を介して動作可能に結合可能である。流体採集アセンブリ1000内に採集された体液は、流体採集アセンブリ1000内に突出する導管1032を介して流体採集アセンブリ1000から除去することができる。たとえば、導管1032の入口が流体採集アセンブリ1000内の貯蔵器などに延びていてもよい。導管1032の出口は、流体採集アセンブリ1000または真空源1054内に延びることができる。導管1032の出口に加えられた真空(たとえば陰圧)力に応答して、導管1032の入口を介して流体採集アセンブリ1000のチャンバ内に真空力を導入することができる。
【0071】
真空力は、真空源1054によって直接または間接的に導管132の出口に加えることができる。真空力は流体貯蔵容器1052を介して間接的に加えられてもよい。たとえば、導管1032の出口が流体貯蔵容器1052内に配置されてもよく、追加の導管1032が流体貯蔵容器1052から真空源1054まで延びていてもよい。したがって、真空源1054は流体貯蔵容器1052を介して流体採集アセンブリ1000に真空をかけることができる。真空力は真空源1054によって直接加えられてもよい。たとえば、導管1032の出口を真空源1054内に配置することができる。追加の導管1032が真空源1054から、流体貯蔵容器1052までなど、流体採集アセンブリ1000の外部の点まで延びていてもよい。そのような実施例では、真空源1054は流体採集アセンブリ1000と流体貯蔵容器1052の間に配置することができる。
【0072】
流体貯蔵容器1052は、その中に体液を保持するような大きさおよび形状とされる。流体貯蔵容器1052は、袋(たとえば排液袋)、瓶またはカップ(たとえば採集ジャー)を含むか、または尿などの体液を貯蔵するための任意のその他の密封容器を含むことができる。実施例によっては、導管1032は流体採集アセンブリ1000から延び、流体貯蔵容器1052内の第1の点において流体貯蔵容器1052に結合してもよい。追加の導管1032が流体貯蔵容器1052上の第2の点において流体貯蔵容器1052に結合してもよく、真空源1054まで延びて結合してもよい。したがって、流体貯蔵容器1052を介して流体採集アセンブリ1000を通して真空(たとえば陰圧)を引くことができる。尿などの体液は真空源1054を使用して流体採集アセンブリ1000から排出可能である。
【0073】
真空源1054は、手動真空ポンプおよび電気真空ポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ、容積型ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、または真空を生じさせるように構成された任意のポンプを含み得る。真空源1054は、流体採集アセンブリ1000から体液を除去するように真空または陰圧を与えることができる。実施例によっては、真空源1054には、(たとえば電源ソケットに接続された)電源コード、1つ以上のバッテリ、または手動力(たとえば手動真空ポンプ)のうちの1つ以上によって動力供給可能である。実施例によっては、真空源1054は、流体採集アセンブリ1000の外側、その上またはその中に嵌まる大きさおよび形状とすることができる。たとえば、真空源1054は1つ以上の小型ポンプまたは1つ以上のマイクロポンプを含んでもよい。本明細書で開示される真空源1054は、真空源1054を起動するのに適したスイッチ、ボタン、プラグ、リモートコントロール、または任意のその他のデバイスのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0074】
本明細書では様々な態様および実施形態を開示したが、他の態様および実施形態も企図される。本明細書で開示されている様々な態様および実施形態は、例示を目的としており、限定であることは意図されていない。
【0075】
程度を表す用語(たとえば「約」、「実質的に」、「概ね」など)は、構造的または機能的に有意でない変動を示す。一例では、程度を表す用語が数量を示す用語とともに含まれている場合、程度を表す用語は、数量を示す用語の±10%、±5%または±2%を意味するものと解釈される。一例では、程度を表す用語が形状を修飾するために使用されている場合、程度を表す用語は、程度を表す用語によって修飾されている形状が、開示されている形状の外見を有することを示す。たとえば、程度を表す用語は、形状が尖った角の代わりに丸みを帯びた角、直線状の縁の代わりに曲線状の縁、そこから延びる1つ以上の突起を有する、楕円形である、開示されている形状と同じであるなどであってもよいことを示すために使用されている場合がある。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端領域と遠位端領域とを含み、少なくとも1つの開口とチャンバと流体排出口とを画定する流体不透過性層と、
前記チャンバ内に配置された多孔質媒体とを含む、流体採集アセンブリであって、
前記多孔質媒体が、
前記流体不透過性層の前記近位端領域またはその付近から延びる近位区画と、
前記流体不透過性層の前記遠位端領域またはその付近から前記近位区画まで延びる遠位区画と、
第1の流体透過性と第1の圧縮性とを示す第1の多孔質材と、
第2の流体透過性と第2の圧縮性とを示す第2の多孔質材と、を含み、
前記第1の流体透過性が前記第2の流体透過性より大きいか、または前記第1の圧縮性が前記第2の圧縮性より小さいか、のうちの少なくとも一方であり、
前記第1の多孔質材と前記第2の多孔質材とが、
前記近位区画が前記遠位区画の流体透過性よりも大きい流体透過性を示すか、または、
前記近位区画が前記遠位区画の圧縮性よりも小さい圧縮性を示すか、
のうちの一方となるように前記多孔質媒体に配置されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の流体透過性が前記第2の流体透過性より大きく、前記近位区画が前記遠位区画によって示される流体透過性より大きい流体透過性を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載の流体採集アセンブリであって、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示されるインチ当たり細孔数よりも大きいインチ当たり細孔数を示すか、または、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示されるパーセント多孔率よりも大きいパーセント多孔率を示すか、
のうちの少なくとも一方であることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項4】
請求項2に記載の流体採集アセンブリであって、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される密度よりも低い密度を示すか、または、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される親水性より高い親水性を示すか、
のうちの少なくとも一方であることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項5】
請求項2に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が少なくとも1つの中間多孔質材を含み、前記少なくとも1つの中間多孔質材が前記第1の流体透過性より小さく、前記第2の流体透過性より大きい流体透過性を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の圧縮性が前記第2の圧縮性より小さく、前記近位区画が前記遠位区画によって示される圧縮性より小さい圧縮性を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される平均繊維径より大きい平均繊維径を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項8】
請求項6に記載の流体採集アセンブリであって、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示されるインチ当たり細孔数より大きいインチ当たり細孔数を示すか、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示されるヤング率より大きいヤング率を示すか、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される降伏強さより大きい降伏強さを示すか、または、
前記第1の多孔質材が前記第2の多孔質材によって示される繊維交絡より大きい繊維交絡を示すか、
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項9】
請求項6に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材と前記第2の多孔質材が配向の異なる等方性物質から形成されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項10】
請求項6に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が少なくとも1つの中間多孔質材を含み、前記少なくとも1つの中間多孔質材が前記第1の圧縮性より大きく前記第2の圧縮性より小さい圧縮性を示すことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が、前記少なくとも1つの開口を通して露出した外面を示し、前記外面が前記第1の多孔質材と前記第2の多孔質材によって形成されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材の一部が前記第2の多孔質材の少なくとも一部の背後に延びることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項13】
請求項11に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材が前記多孔質材の前記外面から内側に延びる少なくとも1つの側面を含み、前記第2の多孔質材が前記第1の多孔質材の少なくとも1つの前記側面を完全に囲むことを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項14】
請求項11に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材が、前記多孔質材の前記外面から内側に延びる少なくとも1つの側面を含み、前記第2の多孔質材が前記少なくとも1つの側面の一部のみに隣接することを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項15】
請求項1に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が、前記少なくとも1つの開口を通して露出している外面を示し、前記外面が前記第1の多孔質材によってのみ形成されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項16】
請求項1に記載の流体採集アセンブリであって、前記多孔質媒体が前記少なくとも1つの開口を通して露出した外面を示し、前記外面が前記第2の多孔質材のみによって形成されていることを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項17】
請求項1に記載の流体採集アセンブリであって、前記第1の多孔質材の少なくとも一部の厚さが前記近位端領域から前記遠位端領域に延びる方向に沿って減少することを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項18】
請求項1に記載の流体採集アセンブリであって、第2の部分の少なくとも一部の厚さが前記近位端領域から前記遠位端領域に延びる方向に沿って増大することを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項19】
請求項1に記載の流体採集アセンブリであって、前記流体排出口が前記近位端領域またはその付近にあり、前記流体不透過性層の前記遠位端領域が実質的に空いている貯蔵器を画定することを特徴とする、流体採集アセンブリ。
【請求項20】
流体採集アセンブリであって、
近位端領域と遠位端領域とを含み、少なくとも1つの開口とチャンバと流体排出口とを画定する流体不透過性層と、
前記チャンバ内に配置された多孔質媒体とを含み、
前記多孔質媒体が、
前記流体不透過性層の前記近位端領域またはその付近から延びる近位区画と、
前記流体不透過性層の前記遠位端領域またはその付近から前記近位区画まで延びる遠位区画と、
第1の流体透過性と第1の圧縮性とを示す第1の多孔質材と、
第2の流体透過性と第2の圧縮性とを示す第2の多孔質材と、を含み、
前記第1の流体透過性が前記第2の流体透過性より大きいか、または前記第1の圧縮性が前記第2の圧縮性より小さいか、のうちの少なくとも一方であり、
前記第1の多孔質材と前記第2の多孔質材とが、
前記近位区画が前記遠位区画の流体透過性よりも大きい流体透過性を示すか、または、
前記近位区画が前記遠位区画の圧縮性よりも小さい圧縮性を示すか、
のうちの一方となるように前記多孔質媒体に配置されている、流体採集アセンブリと、
流体貯蔵容器と、
真空源と、
を含む流体採集システムであって、
前記流体採集アセンブリの前記チャンバ内に1つ以上の体液が存在するときに、前記真空源から前記流体採集アセンブリの前記チャンバに真空が発生されると、前記チャンバから前記1つ以上の体液が除去され、前記体液が前記流体貯蔵容器内に蓄積されるように、前記チャンバと前記流体貯蔵容器と前記真空源とが互いに流体連通していることを特徴とする、流体採集システム。
【国際調査報告】