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特表2024-531632自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロック
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  • 特表-自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロック 図1
  • 特表-自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロック 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロック
(51)【国際特許分類】
   E05B 81/34 20140101AFI20240822BHJP
   E05B 85/26 20140101ALI20240822BHJP
【FI】
E05B81/34
E05B85/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515361
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 DE2022100620
(87)【国際公開番号】W WO2023036364
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021123329.1
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】スゼジェニー, ピーター
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250JJ42
2E250KK02
2E250LL01
2E250PP04
2E250PP05
2E250RR12
2E250RR43
(57)【要約】
本発明は、電動駆動装置(3、4、5)およびロック機構(1、2)を装備した自動車用ロック、特に自動車ドア用ロック、好ましくは、電気式ロックに関し、ロック機構は、駆動装置(3,4,5)によって作動可能であり、実質的に回転ラッチ(1)と爪(2)とから成る。駆動装置(3,4,5)は、少なくとも1つのエボロイドギア段(4a,5a)を備えている。本発明によれば、回転ラッチ(1)と爪(2)との間の係合区域(10)には、主にロック機構面内で旋回できるように回転ラッチ(1)および/または爪部(2)に装着されたラッチ要素(11)が配置されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動駆動装置(3,4,5)と、前記駆動装置(3,4,5)によって作動可能な、実質的に回転ラッチ(1)と爪部(2)とからなるロック機構(1,2)とを有し、自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロック、好ましくは、電気式ロックであって、
前記駆動装置(3,4,5)は、少なくとも1つのエボロイドギア段(4a,5a)を備え、ラッチ要素(11)は、前記回転ラッチ(1)と爪部(2)との間の係合区域(10)に配置され、前記回転ラッチ(1)および/または爪部(2)に、主としてロック機構面内で旋回可能に装着されることを特徴とする、自動車用ロック。
【請求項2】
前記電動駆動装置(3,4,5)は、電気モータ(3)と出力プーリ(5)とを有し、前記エボロイドギア段(4a,5a)は、前記電気モータ(3)の出力シャフト上のウォーム(4)と前記出力プーリ(5)との間で実現されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ロック。
【請求項3】
外周には、前記出力プーリ(5)の回転軸8に対して傾斜したエボロイド歯部5aが設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車用ロック。
【請求項4】
前記出力プーリ(5)は、前記作動レバー(6)に対向する端面に、前記作動レバー(6)の作動外形部(5b)を装備していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自動車用ロック置。
【請求項5】
前記作動外形部(5b)は、螺旋軸(8)を備えた螺旋形であることを特徴とする、請求項4に記載の自動車用ロック。
【請求項6】
前記作動外形部(5b)の前記螺旋軸(8)は、前記出力プーリ(5)の回転軸(8)と一致することを特徴とする、請求項5に記載の自動車用ロック。
【請求項7】
前記ウォーム(4)は、前記電動モータ(3)の前記出力シャフト上に複数のエボロイド歯部(4a)を有し、前記複数のエボロイド歯部(4a)は、少なくとも1つのエボロイド歯部(4a)が前記出力プーリ(5)の外周エボロイド噛合い部に係合するように面取りされていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項8】
前記作動レバー(6)と相互作用して前記爪部(2)に作用する解除レバー(7)を設けたことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の自動車ドア用ロック。
【請求項9】
前記作動レバー(6)及び前記解除レバー(7)は、共通の軸(9)上に同軸的に装着されていることを特徴とする、請求項8に記載の自動車用ロック。
【請求項10】
自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロック、好ましくは、電気式ロックにおいて、回転ラッチ(1)と爪部(2)との間の係合区域(10)におけるラッチ要素(11)の使用であって、
電動駆動装置(3、4、5)と、実質的に回転ラッチ(1)及び爪部(2)からなる、前記駆動装置(3、4、5)によって作動可能なロック機構(1、2)とを備え、前記駆動装置(3、4、5)は、少なくとも1つのエボロイドギア段(4a、5a)を装着し、前記ラッチ要素(11)は、前記回転ラッチ(1)および/または前記爪部(2)上に、主としてロック機構面内で旋回可能に装着される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、電動駆動装置を有し、実質的に回転ラッチおよび爪部からなる、駆動装置によって作動可能なロック機構を有する自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロック、好ましくは、電気式ロックに関するものであり、駆動装置は少なくとも1つのエボロイドギア段を装備している。
【0002】
[0002]自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックおよび好ましくは、電気式ロックは、特に便利な操作によって特徴づけられる。回転ラッチおよび爪部からなるロック機構は、このような自動車用ロックにおいては機械的に開放されておらず(もはや開放されていない)、むしろ電気モータによって開放されるので、快適性が向上し、作動力が低減されるだけでなく、全体的に特に静かな操作が保たれる。開放処理は、たとえば、外側ドアハンドルの区域内のセンサによって、または「キーレスエントリアクセス」の間に開始することができる。
【0003】
[0003]これは、最終的に機械的に操作する外部ドアハンドルが不要であるので、この接続に、空気力学的に最適化された自動車の外部ドアを使用することができるという追加の利点を提供する。この理由から、このような電気式ロックまたは自動車用ロックは、回転ラッチおよび爪部からなるロック機構のための電動駆動装置と共にますます使用されるようになっている。このような電気的ロックの例は、DE 101 00 008 A1に開示されている。
【0004】
[0004]このタイプの電気的ロックでは、実際に、電動駆動装置からロック機構への完全な動力伝達を確実にすることが重要である。一般に、電動駆動装置は、爪部が回転ラッチとの係合から持ち上げられることを保証する。これには、多かれ少なかれ大きな開放力が必要である。このため、DE 101 00 008 A1による前述の従来技術は、爪部に操作的に接続された爪レバーだけでなく、電動駆動装置の構成部品としての減速ギアによっても動作する。これは、この時点で電動駆動装置の構成部品として使用される電気モータは、スペースおよびコストの理由からその動力が制限されるからである。
【0005】
[0005]DE 10,2019126570 A1による一般的な従来技術において、ロック機構をトリガするための作動レバー機構と、作動レバー機構上で動作するメイン駆動装置とを有する自動車用ロックのための駆動アセンブリに関連して、ロック機構の緊急ロック解除/緊急開放のための追加の補助駆動装置を実現するためのアプローチが既に存在する。この目的のために、補助駆動装置は、高いギア比を提供するギアボックスを備える。ギアボックスの少なくとも1つのギア段は、エボロイド段として設計される。
【0006】
[0006]このようなエボロイドギア段は、コンパクトな設計だけでなく、大きなギア比の広がりによっても特徴付けられる。実際には、コンパクトな設計だけでなく、大きなギア比を実現することができる。
【0007】
[0007]しかしながら、この時点では、電気モータの大きさ及び重量を低減する傾向が依然として存在し、従ってコストも低減する傾向が依然として存在するので、改善の必要性が依然として存在する。これに関連して、さらに最適化された電動駆動装置が必要である。ここで、本発明は状況を改善することを目的とする。
【0008】
【概要】
【0009】
[0008]本発明は、全体的に作動力に関する更なる最適化が保たれるように、かかる自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックを更に発展させるという技術的課題に基づいており、その結果、コストおよび重量の利点を更に主張することができる。
【0010】
[0009]この技術的問題を解決するために、本発明は、一般的な自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックにおいて、ラッチ要素が回転ラッチおよび爪部との間の係合区域内に配置され、係合要素は、回転ラッチおよび/または爪部上に、大部分はロック機構面内で旋回可能に装着されることを提案する。
【0011】
[0010]従って、本発明は、最初は、電動駆動装置で動作するが、この電動駆動装置は、コンパクトさおよび達成可能なギア比に関して既に最適化され、少なくとも1つのエボロイドギア段を特に装備した。これに加えて、回転ラッチと爪部との間の係合区域は、必要な開放力に関して、特に電気的開放の間に、更に最適化される。回転ラッチと爪部との間の接触区域は、ロック機構を開放するのに必要な開放力に関して最適化されるが、これは、特に、回転ラッチと爪部との間の係合区域に存在するラッチ要素と、ロック機構面において爪部および/または回転ラッチ上に旋回可能に大部分が装着されることによる。実際、この時点では、従来技術とは対照的に、本発明による開放処理の過程において、爪部と回転ラッチとの互いに対する摩擦運動は存在しない(もはや存在しない)。したがって、回転ラッチおよび爪部は通常、高強度鋼で作られたスタンプ構成部品であるので、このような摩擦運動は大きな摩擦力を伴う。
【0012】
[0011]これとは対照的に、本発明は、回転ラッチと爪部との間の係合区域に設けられたラッチ要素を提供し、このラッチ要素はまた、回転ラッチまたはロック用爪部上に、大部分がロック面内で旋回可能に装着される。その結果、ロック機構の開放処理および関連する爪部の回転ラッチとの係合からの持ち上げの間に、爪部と回転ラッチとの間の摩擦運動の代わりに転動運動が生じる。これは、この処理中、係合区域に設けられたラッチ要素が旋回され、その結果、爪部を、既存の従来技術に比べて大幅に低減された力で、回転ラッチとの係合から持ち上げることができるためである。これにより、ロック機構の摩擦最適化開放処理が保たれる。
【0013】
[0012]ここで、ロック機構の摩擦が最適化された開放処理は、全体として、少なくとも1つのエボロイドギア段を有する特別に設計された電動駆動装置と関連して、電気モータが、以前の実施形態と比較して、その利用可能な電力に関して更に低減できることを意味する。その結果、従来の方法に比べて、よりコンパクトに、より少ない重量とコストで設計を実現することができる。
【0014】
[0013]実際、この手順は、通常、電動駆動装置が正確に1つのエボロイドギア段を有するようなものである。このため、電動駆動装置は、通常、電気モータと出力プーリとを装備し、この電気モータの出力シャフト上のウォームと出力プーリとの間にエボロイドギア段が実現されている。すなわち、この時点では、単一のエボロイドギア段のみが有利に使用され、すなわち、一方では、電気モータの出力シャフト上のウォームと、他方では、出力プーリの外周上のエボロイド噛合い部との間で使用される。
【0015】
[0014]このようなエボロイドギア段により、10:1以上の減速比を難なく実現することができる。すなわち、出力シャフトに配置された電気モータ又はウォームの10回転以上は、出力プーリの1回転のみに変換される。ほとんどの場合、20:1、30:1またはそれ以上のより大きな減速比を困難なく実現することができる。これにより、軽量で小型、低動力の電気モータで動作する場合であっても、爪部にロック機構を開放するための比較的高いトルクを与えることができる。
【0016】
[0015]これに関連して、出力プーリは、一般にその回転軸に対して傾斜したエボロイド歯部を外周に装備している。加えて、出力プーリは、一般に、作動レバーに対向する端面に、関連する作動レバーに対する作動外形部を有する。すなわち、出力プーリは、その回転軸を中心として時計回りまたは反時計回りの方向に回転運動を実行し、これらの回転運動は、作動外形部を介して作動レバーに伝達される。作動レバーは一般にカムによって出力プーリの作動外形部に沿って摺動するので、作動レバーは旋回運動によって作用されることができる。これに関連して、作動外形部は、螺旋軸を有する螺旋状であるように有利に設計される。作動外形部の螺旋軸が出力プーリの回転軸と一致する場合に成功することが証明されている。
【0017】
[0016]このようにして、作動外形部の螺旋軸と出力プーリの回転軸とは、出力プーリの作動レバーに対向する端面で一致する。これにより、出力プーリの回転軸を中心とした螺旋作動外形部が三次元螺旋ラインを描くように設計される。作動レバーの前側カムは作動外形部によりかかっているので、カムが上述の三次元螺旋ラインに沿って移るとき、作動レバーは次第に旋回される。
【0018】
[0017]作動レバーは、通常、爪部を作動させる解除レバーと相互作用するので、このようにして生じた作動レバーの旋回運動は、結果的に解除レバーに伝達され、解除レバーは、結果として、次に、爪部を回転ラッチとの係合から持ち上げる。これに関連して、旋回可能なラッチ要素が回転ラッチと爪部との間の係合区域内に設けられているので、上述の開放処理は特に低摩擦である。
【0019】
[0018]これに関連して、作動レバーおよび解除レバーが同一軸上に装着される場合に有用であることが証明されている。原理的には、作動レバーと解除レバーとが一致してレバーを画定することもできる。これにより、全体的にコンパクトな設計を実現している。電気モータの出力シャフト上のウォームが通常複数のエボロイド歯部を有することもこれに寄与している。エボロイド歯部は、出力シャフトの少なくとも1つのエボロイド歯部が常に出力プーリの外周上のエボロイド噛合い部に係合するように面取りされている。この時点で、出力シャフト上のウォームが最大3つのエボロイド歯部を有する場合に有用であることが証明されている。もちろん、これは実施例としてのみ適用される。
【0020】
[0019]また、本発明の主題は、請求項10に記載されているように、自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックにおける回転ラッチと爪部との間の係合区域におけるラッチ要素の使用である。
【0021】
[0020]その結果、従来技術と比較して最適な開放比を有する自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックが提供され、実現される。実際、電動駆動装置は、少なくとも1つのエボロイドギア段と共に動作し、さらに、回転ラッチと爪部との間、すなわち旋回可能なラッチ要素の係合区域において実現される。その結果、高い減速比での電動駆動装置が可能となるとともに、回転ラッチと爪部との間の摩擦最適化係合区域が得られる。
【0022】
[0021]ここで、電気モータの出力シャフト上のウォームと、出力プーリ全体と、作動レバーおよび解除レバーとが、一般にプラスチック製であることは、相補的かつ有利な効果を有する。これは、作動レバーのヘッド側カムと作動外形部との間に「プラスチック-プラスチック」の摩擦が保たれるためである。同様に、出力シャフト上のウォームのエボロイド歯部と出力プーリの外周上のエボロイド歯部との間にも追加の摩擦最適化が保たれる。これらが主な利点である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
[0022]以下、1つの実施形態のみを示す図面を参照して、より詳細に本発明を説明する。
[0023]
図1図1は、本発明による自動車用ロックの斜視図を示す。
図2図2は、ロック機構の詳細図を示す。
【0024】
【詳細な説明】
【0025】
[0024]図では、自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックが示されており、これは、いわゆる電気式ロック、すなわち、回転ラッチ1および爪2からなる関連するロック機構1、2が電気的に開放されたものである。さらに、電動駆動装置3、4、5が実施される。電動駆動装置3、4、5は、作動レバー機構6、7を操作して、それを使用して回転ラッチ1との図1に示されるラッチ係合から爪部2を持ち上げるようにする。
【0026】
[0025]このため、電動駆動装置3,4,5は、少なくとも1つのエボロイドギア段4a,5aを装備する。例示的な実施形態に関連して、単一のエボロイドギア段4a、5aが実現される。これは、一方では、電動モータ3の出力シャフト上の電動駆動装置3、4、5の構成部品としてのウォーム4と、他方では、電動駆動装置3、4、5の追加構成部品としての出力プーリ5との間にある。実際、前記ウォーム4および出力プーリ5は、それぞれエボロイド歯部4a、5aを装備しており、これらの歯段4a、5aは、本実施形態の範囲内で単一のエボロイドギア段4a、5aを規定する。
【0027】
[0026]この目的のために、エボロイド歯部4aは、外周全体に沿って、かつウォーム4の全長にわたって、電気モータ3の出力シャフト上に置かれる。これに対し、エボロイド歯部5aは、出力プーリ5の外周に設けられ、出力プーリ5の回転軸8に対して傾斜されている。また、出力プーリ5は、その端面に作動レバー機構6、7に対向する作動外形部5bを装備している。作動外形部5bは、本質的に螺旋状であり、例示的実施形態によれば、出力プーリ5の回転軸8と一致する関連螺旋軸8を有するものである。実際、この設計は、出力プーリ5の螺旋軸または回転軸8に対する螺旋作動外形部5bが全体として三次元螺旋ラインを描くようなものである。
【0028】
[0027]作動レバー機構6,7は、作動レバー6と、爪部2と相互作用し、爪部2に作用する解除レバー7とから実質的に構成されている。作動レバー6は、螺旋作動外形部5bに沿って摺動するか、または螺旋作動外形部5bによって作用される前側カム6aを装備している。これにより、図1に示す回転軸8を中心とした出力プーリ5の時計方向への運動に伴って、カム6aは、3次元螺旋ラインまたは作動外形部5bに沿って移動し、作動レバー6は、その軸9を中心として時計方向に旋回する。作動レバー6と解除レバー7とは、互いに同軸にかつ共通の軸9に対して装着されているので、作動レバー7は作動レバー6の時計回りの運動に追従し、爪部1も図1に表示される時計回り方向に旋回することを全体的に保証する。これは、解除レバー7が作動レバー6に回転不能に結合されているからである。
【0029】
[0028]その結果、爪部2は、ロック機構1、図の閉鎖状態において、図1に示されるラッチ係合から回転ラッチ1によって持ち上げられる。爪部2は、解除レバー7および作動レバー6と共に共通軸9を中心に移動する。次に、回転ラッチ1がバネ補助的に開放し、先に捕捉されたロック用ピン(図示せず)を解除する。関連する自動車ドアが開放される。
【0030】
[0029]電気モータ3の出力シャフト上のウォーム4は、その外周上およびその延長部に沿って複数のエボロイド歯部4aを有している。エボロイド歯部4aは、これらエボロイド歯部4aの少なくとも1つが常に出力プーリ5の外周のエボロイド噛合い部に係合するように面取りされている。例示的実施形態によれば、ウォーム4は、電気モータ3の出力シャフト上に最大3つのエボロイド歯部4aを有する。もちろん、これは実施例としてのみ適用される。この時点で達成される低減比は、一般に、10:1を超える値、特に、20:1を超える値、さらに好ましくは、30:1以上の値とすることができる。
【0031】
[0030]本発明によると、図2の表示によれば、ラッチ要素11が、回転ラッチ1と爪部2との間の係合区域10に配置されるように設計される。本実施形態によれば、ラッチ要素11は、回転ラッチ1に旋回可能に、すなわち、回転ラッチ1と爪部2とによって跨がれるロック機構面に主として装着されている。図2の図から、この目的のために、ラッチ要素11がピボット軸受ヘッド11aと共に回転ラッチ1の凹部1aに差し込まれ、従って対応する旋回運動を行うことができることが分かる。従って、爪部2が回転ラッチ1にラッチ係合している状態から持ち上げられると、ラッチ要素11が図1図2に示す旋回運動を行うことになり、爪部2を回転ラッチ1に係合している状態から特に摩擦の少ない状態で持ち上げることができる。
【0032】
[0031]この目的のために、ラッチ要素11は、ガイド延長部11bを有することができ、このガイド延長部11bは、ロック機構面に対して突出し、かつラッチ要素11の付加的な軸方向および/または径方向の案内を確実にする。関連するガイド延長部11bは、たとえば、エンボス加工として設計することができる。さらに、回転ラッチ1のケーシングまたは構成部品が、旋回可能なラッチ要素11の軸方向の固定を提供してもよいが、これは詳細には示されていない。
【符号の説明】
【0033】
ロック機構 1,2、
回転ラッチ 1、
凹部 1a、
爪部 2、
駆動装置 3、4、5、
電気モータ 3、
ウォーム 4、
駆動プーリ 5、
エボロイドギア段 4a(5a)、
作動外形部 5b、
操作レバー機構 6、7、
作動レバー 6、
カム 6a、
解除レバー 7、
回転軸 8。
軸 9、
係合区域 10、
戻り止め要素 11、
旋回軸受ヘッド 11a、
ガイド延長部 11b。
図1
図2
【国際調査報告】