(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】自動車用ロック、特に自動車ドア用ロック
(51)【国際特許分類】
E05B 85/26 20140101AFI20240822BHJP
E05B 77/36 20140101ALI20240822BHJP
【FI】
E05B85/26
E05B77/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515368
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 DE2022100629
(87)【国際公開番号】W WO2023036368
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021123441.7
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シファー, ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】イナン, オマー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルドマン, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】スゼジェニー, ピーター
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250JJ09
2E250JJ45
2E250KK01
2E250LL01
2E250PP04
2E250PP05
2E250PP07
(57)【要約】
本発明は、ロック機構構成部品(1,2)としての回転ラッチ(1)と爪部(2)とからなるロック機構(1,2)を装備した自動車用ロック、特に自動車ドア用ロックに関する。加えて、2つのロック機構構成部品(1,2)の係合区域(3)には、回転ラッチ(1)および/または爪部(2)に主にロック機構面(E)を中心に旋回可能に装着されたラッチ部材(4)が設けられている。ラッチ要素(4)を軸方向に固定するために、本発明によれば、少なくとも1つのロック機構構成部品(1,2)は、カバー(6)を装備し、このカバー(6)は、同じ材料から作成され、少なくとも部分的にラッチ要素(4)上に延びている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック機構(1,2)と、ラッチ要素(4)とを有する自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックにおいて、
前記ロック機構(1,2)は、実質的にロック構成部品(1,2)の回転ラッチ(1)と爪部(2)とからなり、前記ラッチ要素(4)は、2つのロック機構構成部品(1,2)間の係合領域(3)に配置され、ロック機構レベル(E)の大部分において前記回転ラッチ(1)および/または前記爪部(2)に旋回できるように装着され、前記ラッチ要素(4)を軸方向に固定するために、少なくとも1つのロック機構構成部品(1,2)が、少なくとも部分的に前記ラッチ要素(4)に重なる同一材料のカバー(6)を装備していることを特徴とする、自動車用ロック。
【請求項2】
前記ロック機構構成部品(1,2)は、少なくとも1つのコア層(1b)と、前記カバー(6)を有するカバー層(1c)との積層体として構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ロック。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコア層(1b)は、両側のカバー層(1c)の間に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の自動車用ロック。
【請求項4】
前記カバー層(1c)は、前記カバー(6)の分だけ前記コア層(1b)よりも領域的に突出していることを特徴とする、請求項2又は3に記載の自動車用ロック。
【請求項5】
前記カバー層(1c)及び前記コア層(1b)は、同一又は異なる材料から製造されることを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項6】
前記カバー層(1c)及び前記コア層(1b)は、同一または異なる材料厚(s1,s2)を有することを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項7】
前記カバー層(1c)及び前記コア層(1b)は、リベット、ネジ、被覆物(7)等の外部接続手段によって結合されていることを特徴とする、請求項2~6のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項8】
前記カバー層(1c)及び前記コア層(1b)は、充填材を含まない形成処理又は接合処理、たとえば、貫通接合により接合されていることを特徴とする、請求項2~7のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項9】
前記ラッチ要素(4)は、前記回転ラッチ(1)に回転可能に装着されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項10】
前記ラッチ要素(4)は、前記回転ラッチ(1)の接合凹部(1a)の軸受歯(4a)に係合することを特徴とする、請求項9に記載の自動車用ロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、実質的に回転ラッチおよび爪部からなるロック機構と、2つのロック機構構成部品間の係合領域に配置され、回転ラッチおよび/または爪部に大部分がロック機構レベルで旋回可能に装着されるラッチ要素とを備えた自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックに関する。
【0002】
[0002]車両用ロックおよび特に車両ドア用ロックは、ますます厳しくなる騒音要件を満たすために、長年にわたって音響的に最適化されてきた。快適性の向上にも焦点が当てられている。問題となっている自動車用ロックは、たとえば、自動車ドア用ロックであり、これは、原則として、車両のフード、後部扉、燃料フィラーフラップ等にも使用することができる。これには、シート用ロック、ロード用ロック等のための車両用ロックスミスも含まれる。
【0003】
[0003]2つのロック機構構成部品としての回転ラッチとロック用爪部との間の係合領域は、そのような自動車用ロックの音響及び感触、従って操作の快適性の両方に決定的な影響を及ぼす。しかしながら、原則的には、係合領域は、多爪ロック機構における2つの爪部の間であってもよい。ここで、係合領域とは、いわゆるコンフォート爪部と爪部との間の領域をいう。
【0004】
[0004]WO2020/083435A1に従って最初に記載された設計の自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックの場合、全体的な目的は、構造的に単純であると同時に低ノイズの解決策を考慮しながら、ラッチ要素のガイドを改善することである。この目的のために、既知の教示は、ラッチ要素が、付加的な軸方向および/または径方向の案内のために、ロック機構レベルから突出するガイド突出部を有することを示唆している。ガイド延長部は、たとえば、エンボス加工として、ラッチ要素と一体に設計することができる。これに関連して、たとえば、別個のプッシュスルーピンの形態の追加要素と協働すること、および/またはラッチ要素のラッピングの一部としてこれを形成することも可能である。
【0005】
[0005]さらに、実際には、たとえば、回転ラッチに既に設けられているプラスチック製被覆部が、ラッチ要素を軸方向に案内して固定するためにしばしば使用される。換言すれば、この場合、プラスチック製被覆部は、回転ラッチ上の実施例のケースにおけるラッチ要素の軸受の領域内に延びて軸受の領域を覆う。その結果、ラッチ要素は、プラスチック製被覆部によって軸方向に固定され、これは、ラッチ要素の軸受軸が軸方向に移動できないことを意味する。
【0006】
[0006]しかしながら、実際には、実施された軸方向固定にもかかわらず、被覆部によってラッチ要素の軸受軸の軸方向移動が観察される状況が生じている。これに関連して、被覆部は、プラスチックから生産されるので、剪断または破壊されることさえある。本発明は全体としてこれを改善しようとするものである。
【0007】
【概要】
【0008】
[0007]本発明は、ラッチ要素が完全な軸方向固定を有するように、自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックをさらに発展させるという技術的課題に基づいている。
【0009】
[0008]この技術的課題を解決するために、本発明は、同種の自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックにおいて、少なくとも1つのロック機構構成部品が、ラッチ要素を軸方向に固定するために、少なくとも部分的にラッチ要素に重なる同一材料のカバーを装備することを提案する。
【0010】
[0009]前に説明したように、ラッチ要素は、原則的に、回転ラッチならびに爪部または両方のロック機構構成部品に、すなわち、ロック機構レベルでの旋回運動に関連して、旋回可能に装着することができる。ロック機構レベルは、回転ラッチおよび少なくとも1つの爪部によって跨がれている。原理的には、係合領域は、既に説明したように、多爪ロック機構における2つの爪部の間に存在することもできる。
【0011】
[0010]しかしながら、通常、係合領域は回転ラッチ上に設けられ、ラッチ要素は関連するロック機構構成部品として回転ラッチ上に旋回できるように装着される。本発明は、旋回可能な軸受のコースに定義されたラッチ要素の軸受軸に所望の軸方向固定を装備するために、ラッチ要素と少なくとも部分的に重複する、当該ロック機構構成部品上の材料調カバーを提案する。カバーが、問題のロック機構構成部品内のラッチ要素の係合領域に達してこれを覆い、従って、位置軸の所望の軸方向固定を確実にし、且つ確実にすることができることが特に重要である。
【0012】
[0011]本発明によれば、カバーはロック機構構成部品と同一材料のカバーであり、即ち、カバーとロック機構構成部品は同一材料で作られている。通常、ロック機構構成部品には鋼が使用される。従って、同一材料のカバーも鋼で作られているので、ラッチ要素の軸受軸の軸方向固定は、実際および従来技術で使用されるプラスチック製被覆部と比較して著しく改善される。
【0013】
[0012]関連するロック機構構成部品と比較してカバーの同一材料設計は、もちろん、ロック機構構成部品およびカバーに異なる種類の鋼を使用する可能性を排除するものではない。これは、ロック機構構成部品が、通常、少なくとも1つのコア層とカバーを有するカバー層とを備えた多層として設計されているからである。コア層およびカバー層は、それぞれ鋼製とすることができる。それにもかかわらず、カバー層に比較してコア層に特に強靭な鋼を使用することが可能である。これは、「同一材料」という用語が、本発明の状況において広く解釈されるべきであることを意味する。
【0014】
[0013]また、コア層およびカバー層がそれぞれ1つの金属で構成されていればよい。たとえば、コア層を鋼で形成し、カバーを銅や黄銅等の他の金属で形成することが考えられる。もちろん、一方のコア層および他方のカバー層のための異なる金属合金も、この状況において考えられ、本発明によって構成される。
【0015】
[0014]対照的に、同一材料のカバーおよび、たとえばプラスチックで作られた対応するカバー層は、本発明に従って除外される。その結果、カバーおよびその結果としてのカバー層は、特に強度および靭性に関して、コア層の材料特性に匹敵する材料特性を有し、この材料特性は、たとえば、安全性要件を満たすために、または衝突の場合に生じる引張力に耐えることができなければならない。その結果、ラッチ要素は軸方向に完全に固定され、従来技術とは対照的に、カバー層又はカバーが剪断されたり、裂けたり、その他の損傷を受けたりする(もはや)いかなる危険性もない。これらが主な利点である。
【0016】
[0015]少なくとも1つのコア層と、カバーを有するカバー層とをロック機構部品に装備させる可能性は、少なくとも1つのコア層が両側のカバー層間に設けられるようにさらに発展させることができる。このような3層構造に加えて、当該ロック機構構成部品の多層構造という意味での更なる層ももちろん考えられ、本発明に含まれる。これらの全ての場合において、カバー層がカバーの分だけコア層の領域を超えるように本発明を進める。これに関連して、カバーは、問題のロック機構構成部品とラッチ要素との間の係合領域が覆われることを保証し、それによって、設計された軸受軸に所望の軸方向固定を提供する。
【0017】
[0016]カバー層およびコア層を同一または異なる金属から生産する上述の可能性に加えて、本発明はまた、カバー層およびコア層が同一または異なる材料厚さを有することを可能にする。これはまた、異なる強度要件を特定の精度で満たすことを可能にする。
【0018】
[0017]また、外部接続手段を用いてカバー層およびコア層を互いに結合する別の選択肢もある。これらの外部接続手段は、たとえば、各層を貫通するリベットやネジであってもよい。さらに、本発明の範囲内では、たとえば、プラスチックから作られる被覆部によって個々の層を互いに接続することが可能である。
【0019】
[0018]原則として、上述の措置は、もちろん、互いに組み合わせることもできる。
【0020】
[0019]特に好ましい変形例において、カバー層およびコア層は、追加の材料を用いることなく、形成処理によって互いに接続または結合される。これは、個々の層が一緒に変形されるか、または追加の材料なしにそれらを互いに結合するために上述の形成処理を受けることを意味する。これは、いわゆる貫通接合(through-joining)またはクリンチングとすることができる。この場合、個々の層は、たとえば、時間に正確なクリンチ窪み(clinching indentations)を形成することによって互いに結合される。
【0021】
[0020]また、原則として、カバー層とコア層とを互いに、形成することなく接合処理、特に熱接合処理により接合することも可能である。これは、たとえば、個々の層を少なくとも一定の点で互いに溶着することによって行うことができる。この目的のために、レーザ溶着またはスポット溶着が一般に利用可能である。
【0022】
[0021]前述したように、ラッチ要素は、通常、回転可能なように回転ラッチに装着され、層を画定する。これは通常、ラッチ要素が回転ラッチの関連する接合凹部内の軸受歯と係合するように行われる。
【0023】
[0022]その結果、第一に、実現されたラッチ要素により利便性を向上させつつ、特に静かな操作を提供する自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックが提供される。これは、従来のロック機構とは対照的に、2つのロック機構構成部品間に(もはや)金属間摩擦が存在しないからであり、代わりに、挿入されたラッチ要素は、ロック機構レベルで旋回装着され、相互作用が多かれ少なかれ「転動」であることを確実にし、その結果、バックグラウンドノイズが低減され、必要とされる力が少なくなり、それによって快適性が向上する。これらは全て、本発明によるラッチ要素の完全な径方向および軸方向ガイドと対になっており、したがって、運動学は再び全体的に改善される。これらが主な利点である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
[0023]以下、例示的な実施形態のみを示す図面を用いて本発明をより詳細に説明する。以下の図に示す。
【
図1】
図1は、本発明による自動車用ロック、特に、自動車ドア用ロックの部分概略側面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明による自動車用ロックまたは自動車ドア用ロックの更なる図を示す。
【0025】
[詳細な説明]
[0024]図面には、自動車ドア用ロックに限定されない自動車用ロックが示されている。基本設計において、これは2つの実質的にロック機構の構成部品、すなわち回転ラッチ1と爪部2からなるロック機構1、2を有する。しかしながら、詳細には示されていないが、原則として、ロック機構1、2は、複数の爪部2を備えることもできる。
【0026】
[0025]他の基本構造は、2つのロック機構構成部品1、2の間の係合領域3に配置されたラッチ要素4を含む。本実施な実施形態によれば、ラッチ要素4は、回転ラッチ1に回転可能に装着され、ロック機構1、2によって跨がれるロック機構レベルE内で旋回運動を行うことができる。実際、例示的な実施形態において、ラッチ要素4が回転ラッチ1に回転可能に装着され、この目的のために軸受歯4aを有するように設計されている。ラッチ要素4上の軸受歯4aは、ラッチ要素4の他端とは反対側のラッチ要素4の一端に置かれ、例示的実施形態に従って爪部2と相互作用する。このため、ラッチ素子4の反対側端部には、補強部4bが装備されている。
【0027】
[0026]軸受歯4aは、全体として、係合領域3の回転ラッチ1の接合凹部1aに係合する。このようにして、ラッチ要素4がロック機構レベルE内に回動可能に装着される軸受軸5が画定され、すなわち、ラッチ要素4を担持する回転ラッチ1に対して相対的に画定される。
【0028】
[0027]本発明によれば、ラッチ要素4を支持する関連するロック機構構成部品1、2、例示的な実施形態における回転ラッチ1は、ラッチ要素4を軸方向に固定するために、ラッチ要素4と少なくとも部分的に重複する材料調カバー6を装備するが、このことは、特に
図1と
図2を比較することによって理解することができる。本実施形態において、回転ラッチ1は、コア層1bと、カバー6を有するカバー層1cとの積層体を装備している。本実施形態によれば、コア層1bは、両側の2つのカバー層1cの間に設けられて実現されていることがわかる。両側のカバー層1cにはカバー6が装備されており、側面視で2つのカバー6の間に延びる軸受軸5が軸方向に固定されている。ラッチ要素4についても同様である。
【0029】
[0028]カバー層1cは、カバー6の分だけコア層1bに重なるように設計されている。実際、カバー6は、少なくとも関連するロック機構構成部品1、2、例示的な実施形態における回転ラッチ1と、ラッチ要素4との間の係合領域3を覆うように設計されて構成され、このようにして、軸受軸5、従ってラッチ要素4の軸方向固定を可能にする。換言すれば、本実施形態によれば、コア層1bの両側の2つのカバー層1cにそれぞれのカバー6が設けられているので、ラッチ要素4が軸方向に固定され、その結果、軸受軸5に沿った軸方向の運動を行うことができない。むしろ、回転ラッチ1に対するラッチ要素4のいかなる運動も、究極的かつ唯一にロック機構レベルEに低減され、このロック機構内でラッチ要素4は回転ラッチ1に対して旋回可能である。
【0030】
[0029]カバー層1c又はそれぞれのカバー層1c及びコア層1bは、一般に、同一又は異なる金属から生産される。たとえば、コア層1bがロック機構1、2上で通常吸収しなければならない引張力を制御することができるようにするために、コア層1bに特に強靭な鋼を使用することができる。これに対して、カバー層1cは、コア層1bほど強靭でない鋼から生産することができる。カバー層1cの実現には、原則として、鋼以外の金属を用いることも考えられる。
【0031】
[0030]さらに、側面図は、カバー層1cおよびコア層1bが、同一または異なる材料厚さs1、s2を有することを示す。ほとんどの場合、コア層1bは、カバー層の材料厚さの何倍も大きい材料厚さs1を有するように設計される。たとえば、2:1以上の厚さ比がこの点で観察される。
【0032】
[0031]このことは、コア層1bの材料厚s1が、カバー層1cの材料厚s2の少なくとも2倍であることを意味する。 ほとんどの場合、比率は、s1:s2>-2:1(すなわち、s1:s2は2:1以上)が観察される。
【0033】
[0032]なお、回転ラッチ1の個々の層1b,1c同士を接続するためには、一般に外部接続手段を用いることができる。ここでは、たとえば、個々の層1b、1cを貫通するリベットまたはネジを互いに動作させて結合することが考えられる。個々の層1b、1cの接続は、図示されているプラスチック製被覆7によっても可能である。加えて、個々の層1b,1cは、充填材を用いない形成処理や熱接合処理によっても接続することができる。
【0034】
[0033]この場所では、いわゆる貫通接合またはクリンチング 処理が、充填材を使用しない適切な形成処理として特に好ましいことが証明されている。この場合、各層1b,1cは、点作動型プランジャ(point-acting plungers)を用いて接合またはクリンチされることにより、点でクリンチされる。代替的または追加的に、層1b、1cは、熱接合処理によって互いに強固に接続することもできる。このような熱接合処理では、各層1b,1cを単に溶着するだけである。これは、スポット溶接処理又はレーザ溶着処理を用いて詳細に行うことができる。
【0035】
【符号の説明】
【0036】
ロック機構 1,2,
回転ラッチ 1,
接合凹部 1a,
コア層 1b,
カバー層 1c,
爪部 2,
係合領域 3,
ラッチ要素 4,
軸受歯 4a,
補強 4b,
軸受軸 5,
カバー 6,
被覆物 7,
ロック機構レベル E,
材料厚 s1(s2)。
【国際調査報告】