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特表2024-531635インク滴観測器の位置合わせ方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】インク滴観測器の位置合わせ方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515379
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2022127842
(87)【国際公開番号】W WO2023226294
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202210579357.4
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518384803
【氏名又は名称】フーダン ユニバーシティー
【氏名又は名称原語表記】FUDAN UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】朱 云▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】白 辰瑶
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB06
2C056EB08
2C056EB29
2C056EB36
2C056EC06
2C056EC35
2C056HA60
(57)【要約】
本発明は、インク滴観測器の位置合わせ方法に関し、以下のステップを含み、検出するインクジェットプリントヘッドを特定し、インクジェットプリントヘッドの始端ノズルから第1のインク滴を吐出するように制御し、インクジェットプリントヘッドとインク滴観測器の相対位置を調整して、第1のインク滴がインク滴観測器の視野範囲に現れるようにし、インクジェットプリントヘッドの末端ノズルから第2のインク滴を吐出するように制御し、第2のインク滴がインク滴観測器の観測視野内にはっきりと見えるように、インク滴観測器とインクジェットプリントヘッドをx方向およびy方向に移動させ、インク滴観測器またはインクジェットプリントヘッドのx方向の移動距離Δxとy方向の移動距離Δyとを正確に記録し、ΔxとΔyからインク滴観測器の調整角度値を算出し、インク滴観測器の角度値に応じてインク滴観測器を時計回りまたは反時計回りに回転させ、単列のノズル接続線がインク滴観測器のレンズ光軸に垂直になる。従来技術に比べて、本発明は計算が簡便で、精度が高いなどの利点がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出するインクジェットプリントヘッドを特定し、
インクジェットプリントヘッドの始端ノズルから第1のインク滴を吐出するように制御し、
インクジェットプリントヘッドとインク滴観測器の相対位置を調整して、第1のインク滴がインク滴観測器の視野範囲に現れるようにし、
インクジェットプリントヘッドの末端ノズルから第2のインク滴を吐出するように制御し、
第2のインク滴がインク滴観測器の観測視野内にはっきりと見えるように、インク滴観測器とインクジェットプリントヘッドをx方向およびy方向に移動させ、インク滴観測器またはインクジェットプリントヘッドのx方向の移動距離Δxとy方向の移動距離Δyとを正確に記録し、
ΔxとΔyからインク滴観測器の調整角度値を算出し、
インク滴観測器の角度値に応じてインク滴観測器を時計回りまたは反時計回りに回転させ、単列のノズル接続線がインク滴観測器のレンズ光軸に垂直になるようにするステップを含むこと、を特徴とするインク滴観測器の位置合わせ方法。
【請求項2】
前記ΔxとΔyの数値範囲は、正数、負数、零であること、を特徴とする請求項1に記載のインク滴観測器の位置合わせ方法。
【請求項3】
前記インク滴観測器の調整角度値の計算式は、
【数1】
であり、
ここで、θはインク滴観測器の調整角度値であること、を特徴とする請求項1に記載のインク滴観測器の位置合わせ方法。
【請求項4】
前記インク滴観測器の調整角度値が0より大きい場合、インク滴観測器を時計回りに回転させ、インク滴観測器の調整角度値が0未満の場合、インク滴観測器を反時計回りに回転させること、を特徴とする請求項1に記載のインク滴観測器の位置合わせ方法。
【請求項5】
前記インク滴観測器、インクジェットプリントヘッドを移動させることが、2つのうちの一方を移動させること、または両方を同時に移動させることであり、かつ、2つのうちの一方のみを同じ方向に移動させることであること、を特徴とする請求項1に記載のインク滴観測器の位置合わせ方法。
【請求項6】
印刷データをプリントコントローラに送信し、第1のインク滴がインク滴観測器の視野範囲に現れるように、インクジェットプリントヘッドとインク滴観測器の相対位置を制御して調整し、第2のインク滴がインク滴観測器の視野内で鮮明に見えるように、インク滴観測器、インクジェットプリントヘッドを制御してx方向とy方向に移動させ、インク滴観測器またはインクジェットプリントヘッドのx方向の移動距離Δxとy方向の移動距離Δyを正確に記録し、ΔxとΔyからインク滴観測器の調整角度値を算出し、単列のノズル接続線がインク滴観測器のレンズ光軸に垂直になるように、インク滴観測器の調整角度値に基づいてインク滴観測器を時計回りまたは反時計回りに回転させるように制御する、というステップを実行するホストコンピュータと、
インクジェットプリントヘッドのインク吐出を駆動するとともに、インク滴観測器に印刷駆動信号を送信するプリントコントローラと、
プリントコントローラに従って、始端ノズルを制御して第1のインク滴を吐出し、末端ノズルを制御して第2のインク滴を吐出するインクジェットプリントヘッドと、
印刷駆動信号に従って、吐出するインク滴の同期撮影を行うインク滴観測器とを含む、ことを特徴とするインク滴観測器の位置合わせシステム。
【請求項7】
前記ΔxとΔyの数値範囲は、正数、負数、零であること、を特徴とする請求項6に記載のインク滴観測器の位置合わせシステム。
【請求項8】
前記インク滴観測器の調整角度値の計算式は、
【数2】
であり、
ここで、θはインク滴観測器の角度調整値であること、を特徴とする請求項6に記載のインク滴観測器の位置合わせシステム。
【請求項9】
前記インク滴観測器の調整角度値が0より大きい場合、ホストコンピュータはインク滴観測器を時計回りに回転させるように制御し、インク滴観測器の調整角度値が0未満の場合、ホストコンピュータはインク滴観測器を反時計回りに回転させるように制御すること、を特徴とする請求項6に記載のインク滴観測器の位置合わせシステム。
【請求項10】
前記ホストコンピュータは、インク滴観測器、インクジェットプリントヘッドをx方向とy方向に移動させるように制御することが、2つのうちの一方を移動させること、または両方を同時に移動させることであり、かつ、2つのうちの一方のみを同じ方向に移動させることであること、を特徴とする請求項6に記載のインク滴観測器の位置合わせシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット印刷の精密な応用分野に関連し、特にインク滴観測器の位置合わせ方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷の精密な応用では、インクジェット印刷パターンの最適化を容易にするために、ある駆動電圧波形で各ノズルから吐出するインク滴の体積を知る必要がある。そのため、印刷を行う前にインク滴観測器を用いて各ノズルのインク吐出状態を検出する必要がある。
【0003】
ヘッドの物理的なサイズは個々のノズルのサイズとインク滴観測器の視野範囲が非常に大きいため、一列のノズルの状態を検出する際には、ヘッドまたはインク滴観測器を移動させる必要がある。各列のノズルの位置接続線がインク滴観測器と完全に垂直でない場合、ヘッドまたはインク滴観測器を広範囲に移動させると、後続のノズルから吐出するインク滴がインク滴観測器の被写界深度範囲を超えてしまう。また、インク滴観測器の標定は通常、既知の長さの標定物をインク滴観測器で観測し、標定物の実際の長さとインク滴観測器の視野中の画素距離との対応関係を用いて比例換算する。しかし、各列のノズルの位置接続線とインク滴観測器が完全に垂直でない場合、その対応関係に一定の誤差があり、測定されたインク滴の体積と速度などのパラメータ値にばらつきが生じる。
【0004】
したがって、インク滴観測器の測定データの正確性を確保するためには、インク滴観測器とヘッドの相対位置を校正する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を克服するために、計算が簡単で、計算精度の高いインク滴観測器の位置合わせ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は以下の技術的解決策によって達成することができる。
【0007】
インク滴観測器の位置合わせ方法は、以下のステップを含む。
検出するインクジェットプリントヘッドを特定し、
インクジェットプリントヘッドの始端ノズルから第1のインク滴を吐出するように制御し、
インクジェットプリントヘッドとインク滴観測器の相対位置を調整して、第1のインク滴がインク滴観測器の視野範囲に現れるようにし、
インクジェットプリントヘッドの末端ノズルから第2のインク滴を吐出するように制御し、
第2のインク滴がインク滴観測器の観測視野内にはっきりと見えるように、インク滴観測器とインクジェットプリントヘッドをx方向およびy方向に移動させ、インク滴観測器またはインクジェットプリントヘッドのx方向の移動距離Δxとy方向の移動距離Δyとを正確に記録し、
ΔxとΔyからインク滴観測器の調整角度値を算出し、
インク滴観測器の角度値に応じてインク滴観測器を時計回りまたは反時計回りに回転させ、単列のノズル接続線がインク滴観測器のレンズ光軸に垂直になる。
【0008】
前記ΔxとΔyの数値範囲は、正数、負数、零である。
【0009】
前記インク滴観測器の調整角度値の計算式は、
【数1】
であり、
ここで、θはインク滴観測器の調整角度値である。
【0010】
前記インク滴観測器の調整角度値が0より大きい場合、インク滴観測器を時計回りに回転させ、インク滴観測器の調整角度値が0未満の場合、インク滴観測器を反時計回りに回転させる。
【0011】
前記インク滴観測器、インクジェットプリントヘッドを移動させることが、2つのうちの一方を移動させること、または両方を同時に移動させることであり、かつ、2つのうちの一方のみを同じ方向に移動させることである。
【0012】
インク滴観測器の位置合わせシステムは、
印刷データをプリントコントローラに送信し、第1のインク滴がインク滴観測器の視野範囲に現れるように、インクジェットプリントヘッドとインク滴観測器の相対位置を制御して調整し、第2のインク滴がインク滴観測器の視野内で鮮明に見えるように、インク滴観測器、インクジェットプリントヘッドを制御してx方向とy方向に移動させ、インク滴観測器またはインクジェットプリントヘッドのx方向の移動距離Δxとy方向の移動距離Δyを正確に記録し、ΔxとΔyからインク滴観測器の調整角度値を算出し、単列のノズル接続線がインク滴観測器のレンズ光軸に垂直になるように、インク滴観測器の調整角度値に基づいてインク滴観測器を時計回りまたは反時計回りに回転させるように制御する、というステップを実行するホストコンピュータと、
インクジェットプリントヘッドのインク吐出を駆動するとともに、インク滴観測器に印刷駆動信号を送信するプリントコントローラと、
プリントコントローラに従って、始端ノズルを制御して第1のインク滴を吐出し、末端ノズルを制御して第2のインク滴を吐出するインクジェットプリントヘッドと、
印刷駆動信号に従って、吐出するインク滴の同期撮影を行うインク滴観測器とを含む。
【0013】
前記ΔxとΔyの数値範囲は、正数、負数、零である。
【0014】
前記インク滴観測器の調整角度値の計算式は、
【数2】
であり、
ここで、θはインク滴観測器の角度調整値である。
【0015】
前記インク滴観測器の調整角度値が0より大きい場合、ホストコンピュータはインク滴観測器を時計回りに回転させるように制御し、インク滴観測器の調整角度値が0未満の場合、ホストコンピュータはインク滴観測器を反時計回りに回転させるように制御する。
【0016】
前記ホストコンピュータは、インク滴観測器、インクジェットプリントヘッドをx方向とy方向に移動させるように制御することが、2つのうちの一方を移動させること、または両方を同時に移動させることであり、かつ、2つのうちの一方のみを同じ方向に移動させることである。
【発明の効果】
【0017】
先行技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0018】
(1)本発明は簡単な三角計算を行うだけで対応するインク滴観測器の角度調整値が得られ、計算方法が簡単で、計算量が少ない。
【0019】
(2)本発明では、インク滴観測器とインクジェットプリントヘッドのいずれか一方のみを一方向に調整するため、調整方法が簡単であるだけでなく、計算も簡略化できる。
【0020】
(3)本発明の方法を用いてインク滴観測器の位置合わせを行った後、単列のノズルを自動検出する際にインク滴観測器やインクジェットプリントヘッドを移動させてピント合わせを行う必要がなくなり、単列のノズルからインク滴を吐出する迅速な自動検出が可能となり、検出効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の方法のフローチャートである。
図2】インク滴観測システムの概略図である。
図3】単列噴孔の検出過程の概略図である。
図4】ノズル位置接続線とインク滴観測器のレンズ光軸とのずれを示す概略図である。
図5】インク滴観測器の位置合わせ方法の概略図であり、(a)は始端ノズルから吐出するインク滴の位置調整の概略図であり、(b)は末端ノズルから吐出するインク滴の位置調整の概略図である。
図6】実施例1のインク滴観測器の位置合わせ方法の角度計算の概略図である。
図7】実施例2のインク滴観測器の位置合わせ方法の角度計算の概略図である。
図8】実施例3のインク滴観測器の位置合わせ方法の角度計算の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を図面及び具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。本実施例は、本発明の技術的解決策に基づいて実施され、詳細な実施形態および具体的な操作手順が示されるが、本発明の保護範囲は以下の実施例に限定されない。
【0023】
本発明は、インクジェット印刷におけるノズルの状態を自動的に検出するためのインク滴観測の位置合わせ方法を提供する。図2に示すように、一般的なインク滴観測システムは、ホストコンピュータ110と、スプレー印刷コントローラ120と、インクジェットプリントヘッド130と、インク滴観測器140とを含む。ホストコンピュータ110は印刷データをスプレー印刷コントローラ120に送信し、プリントコントローラ120はインクジェットプリントヘッド130を駆動してインクを吐出し、インク滴150を吐出すると同時に、プリントコントローラ120は印刷駆動信号をインク滴観測器140に送信し、インク滴観測器140は印刷駆動信号に基づいて吐出するインク滴150を同期撮影する。ホストコンピュータ110は、インク滴観測器140を制御して、吐出するインク滴150の撮像情報の特徴測定及び分析を行う。
【0024】
高精細なインクジェット印刷アプリケーションのシーンでは、インクジェット印刷プロセスのさらなる最適化制御を行うために、各ノズルから吐出するインク滴の体積、速度、吐出角度などの特徴情報を取得する必要がある。検出効率を向上させるため、通常はヘッドのノズル列ごとに自動検出を行う。図3に示すように、インク滴観測器140は、まず、インクジェットプリントヘッド130の始端のノズル1601から吐出するインク滴1501を測定する。インクジェットプリントヘッド130(またはインク滴観測器140)をx方向に移動させ、ノズル1602から吐出するインク滴1502を測定し、インクジェットプリントヘッド130(またはインク滴観測器140)をx方向に移動させ続け、最も末端のノズル1620から吐出するインク滴1520が検出されるまで、各ノズルから吐出するインク滴を順次検出する。
【0025】
インクジェットプリントヘッドとインク滴観測器の取り付け誤差や、インクジェットプリントヘッド内のノズル自体の分布が不均一であるため、図4に示すように、単列のノズル接続線260とインク滴観測器のレンズ光軸240とが垂直にならない。インクジェットプリントヘッド130とインク滴観測器140の相対位置を調整し、まず160列目のノズル始端の1601番のノズルから吐出するインク滴を検出し、160列目の他のノズル、例えばノズル1620を検出するには、インクジェットプリントヘッド130またはインク滴観測器140をx方向に移動させる必要がある。ノズル接続線260とインク滴観測器のレンズ光軸240とが垂直でない場合、x方向の移動により、160列目の他のノズルから吐出するインク滴の画像がインク滴観測器140の検出被写界深度を超えてしまい、インクジェットプリントヘッド130またはインク滴観測器140に対してy方向のピント調整が必要となる。そのため、ノズル接続線260とインク滴観測器のレンズ光軸240とが垂直でない場合、異なるノズルから吐出するインク滴を観測するためには、インクジェットプリントヘッド130またはインク滴観測器140の位置調整を継続する必要があり、検出動作が増加し、検出効率が低下する。
【0026】
実施例1
【0027】
1つの実施例において、インクジェットプリントヘッドはx方向に、インク滴観測器はy方向に移動し、単列のノズルの自動検出はホストコンピュータがインクジェットプリントヘッドとインク滴観測器の移動を制御することによって実現される。図5はインク滴観測器の位置合わせ方法の概略図である。本実施例は以下のステップを含む。
検出するインクジェットプリントヘッド130を特定し、
インクジェットプリントヘッド130の始端ノズル1601から第1のインク滴1501を吐出するように制御し、
インクジェットプリントヘッド始端ノズル1601から吐出するインク滴1501がインク滴観測器の視野範囲内に現れるように、インクジェットプリントヘッド130とインク滴観測器140との相対位置を調整し、そのときのインクジェットプリントヘッド130の座標(xh、yh)及びインク滴観測器140の座標(xw、yw)を記録し、
インクジェットプリントヘッドの末端ノズル1620から第2のインク滴1520を吐出するように制御し、
インクジェットプリントヘッド130の末端のノズル1620から吐出するインク滴1520がインク滴観測器140の視野範囲に位置するように、インクジェットプリントヘッド130をx方向に移動させ、観察視野内でインク滴1520がはっきり見えるように、y方向にインク滴観測器の位置を調整し、そのときのインクジェットプリントヘッドの座標(xh’、yh)及びインク滴観測器の座標(xw、yw’)を記録し、
(xh、yh)、(xh’、yh)及び(xh’、yw’)の3点を頂点として三角形を作り、図6に示すように、三角形の直角辺の長さΔxとΔyは、インクジェットプリントヘッド130のx方向の移動距離とインク滴観測器140のy方向の移動距離であり、ΔxとΔyの値からインク滴観測器140が調整すべき角度θを算出することができ、
前記角度値θに応じてインク滴観測器を回転させ、角度値が0より大きい場合、インク滴観測器を時計回りに回転させ、角度値が0未満の場合、インク滴観測器を反時計回りに回転させることにより、単列のノズル接続線がインク滴観測器のレンズ光軸に対して垂直となるため、単列のノズルを自動検出する際にインク滴観測器やインクジェットプリントヘッドを移動させてピント合わせを行う必要がなくなり、単列のノズルから吐出するインク滴の迅速な自動検出を実現することができる。
【0028】
実施例2
【0029】
別の実施例では、インクジェットプリントヘッドはx方向とy方向に移動し、インク滴観測器は移動せず、単列のノズルの自動検出はホストコンピュータがインクジェットプリントヘッドの移動を制御することによって実現される。本実施例は以下のステップを含む。
検出するインクジェットプリントヘッド130を特定し、
インクジェットプリントヘッド130の始端ノズル1601から第1のインク滴1501を吐出するように制御し、
インクジェットプリントヘッド始端ノズル1601から吐出するインク滴1501がインク滴観測器の視野範囲内に現れるように、インクジェットプリントヘッド130とインク滴観測器140との相対位置を調整し、そのときのインクジェットプリントヘッド130の座標(xh、yh)を記録し、
インクジェットプリントヘッドの末端ノズル1620から第2のインク滴1520を吐出するように制御し、
インクジェットプリントヘッド130の末端のノズル1620から吐出するインク滴1520がインク滴観測器140の視野範囲に位置するようにインクジェットプリントヘッド130をx方向に移動させ、そのときのインクジェットプリントヘッドの座標(xh’、yh)を記録し、観察視野内でインク滴1520がはっきり見えるように、y方向にインクジェットプリントヘッド130の位置を調整して移動させてピントを合わせ、そのときのインクジェットプリントヘッドの座標(xh’、yh’)を記録し、
(xh、yh)、(xh’、yh)及び(xh’、yh’)の3点を頂点として三角形を作り、図7に示すように、三角形の直角辺の長さΔxとΔyはそれぞれインクジェットプリントヘッド130のx方向の移動距離とy方向の移動距離であり、ΔxとΔyの値からインク滴観測器140が調整すべき角度θを算出することができ、
前記角度値θに応じてインク滴観測器を回転させ、角度値が0より大きい場合、インク滴観測器を時計回りに回転させ、角度値が0未満の場合、インク滴観測器を反時計回りに回転させ、単列のノズル接続線がインク滴観測器のレンズ光軸に対して垂直となるようにする。
【0030】
実施例3
【0031】
別の実施例では、インク滴観測器はx方向の運動とy方向の運動を行い、インクジェットプリントヘッドは運動せず、単列のノズルの自動検出はホストコンピュータがインク滴観測器の運動を制御することによって実現される。本実施例は以下のステップを含む。
検出するインクジェットプリントヘッド130を特定し、
インクジェットプリントヘッド130の始端ノズル1601から第1のインク滴1501を吐出するように制御し、
インクジェットプリントヘッド始端ノズル1601から吐出するインク滴1501がインク滴観測器の視野範囲内に現れるように、インクジェットプリントヘッド130とインク滴観測器140との相対位置を調整し、そのときのインク滴観測器140の座標(xw、yw)を記録し、
インクジェットプリントヘッドの末端ノズル1620から第2のインク滴1520を吐出するように制御し、
インクジェットプリントヘッド130の末端のノズル1620から吐出するインク滴1520がインク滴観測器140の視野範囲に位置するように、インク滴観測器140をx方向に移動させ、そのときのインク滴観測器の座標(xw’、yw)を記録し、y方向にインク滴観測器140の位置を調整してピントを合い、インク滴1520が観測視野内ではっきり見えるようにし、そのときのインク滴観測器の座標(xw’、yw’)を記録し、
(xw、yw)、(xw’、yw)及び(xw’、yw’)の3点を頂点として三角形を作り、図8に示すように、三角形の直角辺の長さΔxとΔyは、それぞれインク滴観測器140のx方向の移動距離とy方向の移動距離であり、ΔxとΔyの値からインク滴観測器140が調整すべき角度θを算出することができ、
前記角度値θに応じてインク滴観測器を回転させ、角度値が0より大きい場合、インク滴観測器を時計回りに回転させ、角度値が0未満の場合、インク滴観測器を反時計回りに回転させ、単列のノズル接続線がインク滴観測器のレンズ光軸に対して垂直になるようにする。
【0032】
以上、本発明の好ましい具体的な実施例について詳細に説明した。当業者であれば、本発明のアイデアに基づいて、創造的な作業をすることなく、多くの修正や変更を加えることができることを理解されたい。したがって、当業者が本発明の思想に基づいて従来の技術に基づいて論理的分析、推論、または限られた実験によって得られる技術的解決策は、特許請求の範囲によって定められる保護範囲内にあるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本発明は、インクジェット印刷におけるノズルの状態を自動的に検出するためのインク滴観測の位置合わせ方法を提供する。図2に示すように、一般的なインク滴観測システムは、ホストコンピュータ110と、プリントコントローラ120と、インクジェットプリントヘッド130と、インク滴観測器140とを含む。ホストコンピュータ110は印刷データをプリントコントローラ120に送信し、プリントコントローラ120はインクジェットプリントヘッド130を駆動してインクを吐出し、インク滴150を吐出すると同時に、プリントコントローラ120は印刷駆動信号をインク滴観測器140に送信し、インク滴観測器140は印刷駆動信号に基づいて吐出するインク滴150を同期撮影する。ホストコンピュータ110は、インク滴観測器140を制御して、吐出するインク滴150の撮像情報の特徴測定及び分析を行う。
【国際調査報告】