(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】液体ディスペンサー
(51)【国際特許分類】
A61M 3/02 20060101AFI20240822BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A61M3/02 126
B65D83/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515434
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2022075093
(87)【国際公開番号】W WO2023036925
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512245713
【氏名又は名称】アプタル ラドルフツエル ゲーエムベーハ
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】グライナー-ペルト, ユルゲン
【テーマコード(参考)】
3E014
4C066
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC03
3E014PC16
3E014PD11
3E014PE14
3E014PE15
3E014PF10
4C066AA10
4C066CC01
4C066DD12
4C066EE06
4C066QQ02
4C066QQ22
(57)【要約】
液体を液滴で放出するため、特に医薬液体を液滴で放出するための液滴ディスペンサー(10)であって、(a)液滴ディスペンサー(10)が、放出プロセスの前に液体を貯蔵するための液体リザーバー(14)を有し;(b)(10)が、液滴形成幾何学形状(18)と関連する放出開口(16)を有し;(c)(10)が、ポンプ装置(40)を有し、それによって液体が液体リザーバー(14)から外に放出開口(16)へとポンプ輸送され、従って、液体が(18)上に集まることができ、かつ十分な量の液体が集められると、(18)から離れることができる;ことを特徴とし、さらに(d)(10)が平坦なハウジング(12)を有し、その中に液体リザーバー及びポンプ装置が配置され、(12)の外部形状が、ハウジングの主軸(2)に直交して最大幅を有し、前記最大幅が、主軸に直交しかつ幅に直交する(12)の外部形状の最大厚さより少なくとも25%大きく;(e)押圧されることができる作動ハンドル(24)が、ポンプ装置(40)を作動するために(12)の側面に与えられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を液滴で放出するため、特に医薬液体を液滴で放出するための液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、放出プロセスの前に液体を貯蔵するための液体リザーバー(14)を有し、
(b)液滴ディスペンサー(10)が、液滴形成幾何学形状(18)と関連する放出開口(16)を有し、
(c)液滴ディスペンサー(10)が、ポンプ装置(40)を有し、それによって液体が液体リザーバー(14)から外に放出開口(16)へとポンプ輸送され、従って、液体が液滴形成幾何学形状(18)上に集まることができ、かつ十分な量の液体が集められると、液滴形成幾何学形状(18)から離れることができる、
ことを特徴とし、さらに
(d)液滴ディスペンサー(10)が平坦なハウジング(12)を有し、その中に液体リザーバー及びポンプ装置が配置され、平坦なハウジング(12)の外部形状が、ハウジングの主軸(2)に直交して最大幅を有し、前記最大幅が、主軸に直交しかつ幅に直交するハウジング(12)の外部形状の最大厚さより少なくとも25%大きく、
(e)押圧されることができる作動ハンドル(24)が、ポンプ装置(40)を作動するためにハウジング(12)の側面に与えられる、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液体リザーバー(14)が、主軸(2)の方向に重なるように、ポンプ装置(40)の領域内に、特にポンプ装置(40)のポンプ室(42)の領域内に延び、
好ましくは、
(b)ハウジングの幅に対して、液体リザーバー(14)がポンプ室(42)の左手側及び右手側上に液体リザーバー(14)の内容積の部分的部分(14A,14B)をそれぞれ有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液体リザーバー(14)の内容積が、液滴ディスペンサー(10)の外部形状によって包囲される容積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%である、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ装置(40)が、ポンプ室構成要素(20A)によって少なくとも一部分を規定されるポンプ室(42)を有し、
(b)液体リザーバー(14)が、少なくとも実質的にリザーバー壁構成要素(20B)によって形成される壁によって規定され、
(c)ポンプ室構成要素(20A)とリザーバー壁構成要素(20B)を一体的に形成する共通構成要素(20)が与えられる、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項5】
請求項4に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、ポンプ室構成要素(20A)の上に押されるハウジングシェル(22)を有し、
(b)ハウジングシェル(22)が、放出開口(16)のための貫通通路(22A)を有する、
ことを特徴とし、さらに、好ましくは、
(c)作動ハンドル(24)が、ハウジングシェル(22)の一体部分であり、かつ/又は
(d)作動ハンドル(24)が、ハウジングシェル(22)の上に、又はポンプ室構成要素(20A)の外面の上に装着され、特に旋回運動可能に装着され、かつ/又は
(e)ポンプ室構成要素(20A)の外面及びハウジングシェル(22)の内面が、戻しばね(60)が好ましくは作動ハンドルを戻すために配置される中間空間(52)を規定し、かつ/又は
(f)液滴ディスペンサーが、ポンプ室構成要素(20A)及びハウジングシェル(22)によって少なくとも一部分を形成される換気通路を有し、換気通路が、好ましくはポンプ室構成要素及びハウジングシェルによって周囲にわたって少なくとも部分的部分で規定される、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ装置(40)が、ポンプ室構成要素(20A)によって少なくとも一部分を規定されるポンプ室(42)を有し、
(b)液体リザーバー(14)が、少なくとも実質的にリザーバー壁構成要素(20B)によって形成される壁によって規定され、
(c)ポンプ室構成要素(20A)及びリザーバー壁構成要素(20B)が、少なくとも二つの別個の構成要素によって形成される、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項7】
請求項6に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ室構成要素(20A)が、少なくとも一部分に回転対称の外部形状を有する構成要素によって形成され、従って両側に互いに対向する自由空間(25)が、平坦なハウジングの内面とポンプ室構成要素の外部形状の間にある、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ室構成要素(20A)及び少なくとも一つのリザーバー壁構成要素(20B)が、液体接続(27)の領域において、インターロッキング形状(27A,27B)、特に確実にインターロッキングする形状(27A,27B)を有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、液体リザーバー(14)を周囲にわたって包囲するリザーバー壁構成要素(20B)を有し、
(b)液滴ディスペンサー(10)が、リザーバー壁構成要素(20B)に密に接続されるリザーバー底(26)を有し、
好ましくは、
(c)リザーバー底(26)が、接着結合された接続又は溶接された接続によってリザーバー壁構成要素(20B)に接続され、かつ/又は
(d)リザーバー底(26)が、換気通路(50)によって貫かれている、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、リザーバー壁構成要素(20B)及びポンプ室構成要素(20A)を有し、それらが、別個の構成要素として構成され、かつ互いに周囲にわたって接続され、
好ましくは、
(b)ポンプ室構成要素(20A)が、接着結合された接続又は溶接された接続によってリザーバー壁構成要素(20B)に接続され、かつ/又は
(c)リザーバー壁構成要素(20B)が、ポンプ室構成要素(20A)に対向する底に、好ましくは閉鎖要素によって閉鎖されることができる充填開口を有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、液体リザーバー(14)を少なくとも部分的に包囲するリザーバー壁構成要素(22B)を有し、
(b)リザーバー壁構成要素(22B)が、少なくとも部分的に透明な材料から製造され、
好ましくは、
(c)リザーバー壁構成要素(22B)が、ポリプロピレン(PP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、又はポリエチレンテレフタレ-ト(PET)をその主材料として有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)のハウジング(12)が、少なくとも2.5cmの最大幅(4)、及び多くとも2cmの最大厚さ(3)を有し、
好ましくは、
(b)ハウジング(12)が、少なくとも3.6cmの最大幅(4)を有し、かつ/又は
(c)ハウジング(12)が、多くとも1.8cmの最大厚さ(3)を有し、かつ/又は
(d)ハウジング(12)が、4cm~10cmの長さ(5)、好ましくは5cm~8cmの長さ(5)を有し、かつ/又は
(e)ハウジング(12)の最大幅(4)が、ハウジング(12)の最大厚さより少なくとも50%大きい、特に少なくとも100%大きい、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ装置(40)が、主軸(2)に直交して移動可能であるピストンユニット(48)を有し、
好ましくは、
(b)ピストンユニット(48)が、少なくとも部分的に弾性変形可能な材料から膜部分として製造され、かつ周囲縁をポンプ室構成要素(20A)に固定され、かつ/又は
(c)ピストンユニット(48)が、弾性変形可能な補正ピストンを有し、接続が、作動ハンドル(24)で形成され、かつ/又は
(d)ポンプ装置(40)が、液体リザーバー(14)からの入口(44)を有し、その入口は、その最も狭い側で、任意選択的に互いに平行に作用する複数の部分入口に、少なくとも2mm
2の正味の横断面積を有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)作動ハンドル(24)が、外部(24A)及び内部(24B)を含み、かつ/又は
(b)作動ハンドル(24)が、ハウジング(12)に対して旋回運動可能な態様で関節接合され、かつ/又は
(c)作動ハンドル(24)又はその外部(24A)が、ヒンジを介してハウジング(12)のハウジングシェル(22)に一体的に接続され、かつ/又は
(d)作動ハンドル(24)又はその内部(24B)が、複数部分からなるヒンジによってハウジング(12)に旋回可能に関節接合され、かつ/又は
(e)作動ハンドル(24)又は作動ハンドルの少なくとも外部が、ハウジングの周囲壁とは異なる色を有し、かつ/又は
(f)作動ハンドル(24)が、少なくとも20mm、特に少なくとも25mmの幅を有し、及び/又は作動ハンドル(24)が、最も幅広い場所でハウジングの幅の少なくとも50%の幅を有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ハウジング(12)の横断面が、少なくとも部分的領域において実質的に楕円形の横断面を与えられ、
好ましくは、
(b)ハウジング(12)の横断面が、少なくともハウジングの長さ(5)の少なくとも40%の部分的領域にわたって実質的に均一な楕円形の横断面を与えられ、ハウジングの横断面が、この部分的領域から放出開口(16)まで先細りになっている、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかに記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ハウジング(12)が、変形困難なプラスチック材料から製造され、かつ/又は
(b)液体リザーバー(14)が、換気通路(50)を介して周囲雰囲気に接続され、換気通路(50)が、好ましくは滅菌フィルター(54)及び/又は換気弁を与えられ、かつ/又は
(c)作動ハンドル(24)が、好ましくは中央配置で、幅(4)に広がる前面(12A)の上に与えられ、かつ/又は
(d)液滴ディスペンサー(10)が、除去可能な保護キャップ(90)を有し、保護キャップ(90)が、好ましくは配置された状態で作動ハンドル(24)をカバーし、かつ/又は
(e)液滴ディスペンサー(10)が、出口弁(70)を有し、出口弁(70)が、好ましくは1000mbar未満の液体圧力、特に800mbarの液体圧力、特に好ましくは600mbar未満の液体圧力で開放するように構成され、かつ/又は
(f)液体リザーバーが、充填開口(80)を有し、充填開口(80)が、好ましくは丸い形状を有し、好ましくは閉鎖要素(82)によって、特に閉鎖要素(82)を充填開口(80)の縁の上にスナップ嵌めすることによって閉鎖されることができ、かつ/又は
(g)液体リザーバー(14)が、医薬液体、特に保存剤のない液体で充填される、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項17】
液体を液滴で放出するため、特に医薬液体を液滴で放出するための液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、放出プロセスの前に液体を貯蔵するための液体リザーバー(14)を有し、
(b)液滴ディスペンサー(10)が、液滴形成幾何学形状(18)と関連する放出開口(16)を有し、
(c)液滴ディスペンサー(10)が、ポンプ装置(40)を有し、それによって液体が液体リザーバー(14)から外に放出開口(16)へとポンプ輸送され、従って、液体が液滴形成幾何学形状(18)上に集まることができ、かつ十分な量の液体が集められると、液滴形成幾何学形状(18)から離れることができる、
ことを特徴とし、さらに
(d)液体リザーバー(14)の内容積が、液滴ディスペンサー(10)の外部形状によって包囲される容積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%である、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項18】
液体を液滴で放出するため、特に医薬液体を液滴で放出するための液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、放出プロセスの前に液体を貯蔵するための液体リザーバー(14)を有し、
(b)液滴ディスペンサー(10)が、液滴形成幾何学形状(18)と関連する放出開口(16)を有し、
(c)液滴ディスペンサー(10)が、ポンプ装置(40)を有し、それによって液体が液体リザーバー(14)から外に放出開口(16)へとポンプ輸送され、従って、液体が液滴形成幾何学形状(18)上に集まることができ、かつ十分な量の液体が集められると、液滴形成幾何学形状(18)から離れることができる、
ことを特徴とし、さらに
(d)ポンプ装置(40)が、ポンプ室構成要素(20A)によって少なくとも一部分を規定されるポンプ室(42)を有し、
(e)液体リザーバー(14)が、少なくとも実質的にリザーバー壁構成要素(20B)によって形成される壁によって規定され、
(f)ポンプ室構成要素(20A)とリザーバー壁構成要素(20B)を一体的に形成する共通構成要素(20)が与えられる
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を液滴で放出するため、特に医薬液体を液滴で放出するための液滴ディスペンサーに関する。かかる液滴ディスペンサーは、例えば目に関する目的のために使用されることができる。
【背景技術】
【0002】
問題のタイプの液滴ディスペンサーのような、本発明による液滴ディスペンサーは、放出プロセスの前に液体を貯蔵するための液体リザーバー、及びポンプ装置を有し、ポンプ装置によって、液体は、液体リザーバーから外に液滴ディスペンサーの放出開口へとポンプ輸送されることができる。放出開口は、液滴形成幾何学形状と関連し、従って液体は、この液滴形成幾何学形状上に集まることができ、かつ十分な量の液体が集められると、液滴形成幾何学形状から個々の液滴として離れることができる。
【0003】
かかる液滴ディスペンサーは、液体の放出を正確に計量することを可能にする。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、毎日の生活において容易かつ安全に運ぶことができ、かつ使いやすい液滴ディスペンサーを提供することである。
【0005】
本発明によれば、問題のタイプの液滴ディスペンサーは、この目的のために提案され、液滴ディスペンサーは、液体リザーバー、ポンプ装置、及び放出開口の記載された構成要素を有する。販売のために準備されるとき、液体リザーバーは、医薬液体を充填されることが好ましい。特に、液体は、保存剤のない液体であることができ、液滴ディスペンサーは、外側からの菌の侵入が、特に安全に閉鎖する放出弁によって、及び/又は滅菌フィルター(これにより来入空気から菌の少なくとも99.9%が除去される)を与えられた換気通路によって、有効に防止されるように、保存剤のない液体で使用するように設計される。換気通路はまた、換気弁を与えられることができる。
【0006】
放出開口は、実質的に再生成可能なサイズでの個々の液滴を形成するために好適な液滴形成幾何学形状の領域に与えられる。例えば、それは、分離縁によって包囲されかつ実質的に平坦である液滴形成面又はカップ形状液滴形成面であることができる。使用しない状態では、放出開口及び液滴形成幾何学形状は、ハウジング上に押されることができる保護キャップによって保護されることが好ましい。
【0007】
液滴ディスペンサーが平坦なハウジングを有する特にコンパクトな設計が主に提案されている。この平坦なハウジングは、液体リザーバー、及びポンプ装置の少なくとも本質的な部分を含む。操作時にも互いに対して静止しているディスペンサーの構造的に有意な部分の全ては、本発明の意味の中ではハウジングとして見なされる。
【0008】
平坦な設計は、ハウジングの最大幅がハウジングの最大厚さを少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは100%以上超える設計を意味するものとして理解される。特に、ハウジングが厚さに対して2倍の幅であることが好ましい。ハウジングの長さは、幅を、特に好ましくは少なくとも50%超えることが好ましい。
【0009】
かかる平坦なハウジングは、快適に運ぶことができ、特にズボンのポケットにしまい込むのに適している。好ましくは、それは、好ましくは3.6cm以上の幅を有する相対的に小さいディスペンサーであるが、特に好ましくは6cm未満である。ハウジングの厚さは、好ましくは1.8cmであり、特に好ましくは1.5cm以下である。ハウジングの長さは、少なくとも4cmであることが好ましいが、5cm以上であることが特に好ましい。長さは、10cmを超えないことが好ましく、8cm以下であることが特に好ましい。
【0010】
本発明による液滴ディスペンサーの主軸は、リザーバー底から放出開口まで延び、かつ/又は放出開口の配向又は液体リザーバーの中央軸によって規定される。
【0011】
好ましくは、主軸の視線方向に対して、ハウジングの横断面は、ハウジングの長さの好ましくは少なくとも40%の部分領域において、実質的に楕円形の横断面を与えられる。これは、横断面が四分円の形状で丸められた角を有する矩形、又は矩形であるようには設計されていないが、楕円形に相当しかつ短い側面に対して前面及び後面の領域で大きい不均一な曲率半径を有することを意味するものとして理解される。
【0012】
この楕円形は、本発明によるタイプのコンパクトなディスペンサーでは特に有利である。なぜなら後面は、前面に対向して配置された作動面が押圧されるとき、使用者の人差し指、中指、及び薬指を対応して優しく丸めた形状でしっかりと圧迫されることができるからである。これは、液滴ディスペンサーを同時に正しく配置させ、それを信頼性高くかつ敏感に作動させることができる能力を促進する。
【0013】
しかしながら、ハウジングのコンパクトな外寸法は、なお相対的に大きい液体リザーバーと組み合わされることが好ましい。液体リザーバーの内容積は、少なくとも5ml、特に好ましくは少なくとも10mlであることが好ましい。液体リザーバーの内容積は、30ml以下であることが好ましい。
【0014】
液体リザーバーの内容積は、可能なら保護キャップを除去すると、液滴ディスペンサーの外部形状によって包囲される容積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%であることが好ましい。好ましくは、液滴ディスペンサーの容積の少なくとも半分は、液体リザーバーの内容積によって形成される。キャップなしの液滴ディスペンサーの外部形状によって包囲される容積は、好ましくは10cm3~60cm3、特に15cm3~30cm3である。
【0015】
内容積と外容積の間の比率に関する本発明のこの態様はまた、記載された平坦な設計なしでも有利であることができ、このディスペンサーの記載において記載されたさらなる副態様もまた、平坦な設計なしでかかるディスペンサーに与えられることができる。
【0016】
外部形状の容積に対して大容量の液体リザーバーを達成するためには、ポンプ装置、特にそのポンプ室が主軸に対して液体リザーバーと同じレベルに位置されるように、液体リザーバーが主軸の方向にポンプ装置の領域内に延びることが有利でありうる。特に、ハウジングの幅に対して、液体リザーバーは、ポンプ室の左手側及び右手側に液体リザーバーの内容積の部分的部分をそれぞれ有することができる。重なる設計が利用可能な設置空間の理想的な使用を可能にすることに加えて、ポンプ室中への極めて幅広い入口はまた、液体リザーバーと重なるポンプ室によって極めて簡単に達成されることができ、これは、空気がその中に集まり、ポンプ装置による液体の吸引を妨げることを防ぐのに役立つ。液体リザーバーとポンプ室の間の入口は、最も狭い場所で2mm2以上であることが好ましい。
【0017】
本発明による液滴ディスペンサーでは、放出は、上記のポンプ装置によって行われる。このポンプ装置は、ハウジングの内側に与えられ、作動ハンドルによって作動される。作動ハンドルは、押圧されることができ、旋回可能に移動できることが好ましい。もし液滴ディスペンサーが保護キャップを有するなら、これは、配置された状態では、それが作動ハンドルをカバーし、あるいはそうでなければ作動ハンドルの望ましくない作動を防ぐように適応されることが好ましい。
【0018】
作動ハンドルは、ディスペンサーの厚さに広がる側面上に与えられることができる。この設計は、ポンプ装置の設計に関して有利でありうる。なぜならポンプ装置は、横方向に移動可能であり、そのため相対的に大きいピストンストロークが可能である、ピストンで極めて簡単に設計されることができるからである。
【0019】
しかしながら、ディスペンサーのコンパクトな設計及び快適な作動を促進するためには、作動ハンドルが、幅に広がるハウジングの前面に、特に中央配置で与えられることが好ましい。ここで与えられる作動ハンドルは、ディスペンサーの平坦なデザインにもかかわらず相対的に大きくすることができ、従って快適で正確に計量される作動を可能にすることができる。作動ハンドルは、幅に対して中央配置で前面に配置されることが好ましい。作動ハンドルは、幅に対して前面上の利用可能な空間の半分より多くを占めることが好ましい。特に、作動ハンドルの幅は、少なくとも20mm、特に少なくとも25mmであることが好ましい。特に、前面に配置された相対的に大きい作動ハンドルでは、保護キャップが作動ハンドルを保護態様でカバーし、さらに保護キャップが配置されているときに作動ハンドルの望ましくない作動が防止されるように十分に剛いことが好ましい。
【0020】
作動ハンドルは、主軸に直交しかつ幅に直交して動くことができるピストンユニットを有するポンプ装置に作用することが好ましい。これは、かかるポンプ装置のための空間を薄く設計できるためであり、特にそのポンプストロークがここでは極めて制限されるためである。しかしながら、好ましくは5μl~30μlの一作動あたりの少ない放出量は、平坦な設計にもかかわらず好適なポンプの配置を可能にする。ピストンユニットは、シリンダー面をスライドするピストンを有するピストンユニットであることができる。しかしながら、利用可能な設置空間が小さいため、弾性変形可能な材料から少なくとも部分的に製造される膜部としてのピストンユニットが有利である。膜部の周囲縁は、特に中央領域が作動ハンドルの作用によって対向する後面に向かって押されることができるようにポンプ室構成要素に取り付けられる。ポンプ装置は、入口弁及び出口弁を、特に圧力の関数として開放する弁の態様で有することが好ましい。対応する通路、即ち入口通路及び出口通路は、ハウジングの後面の内側に与えられることが好ましい。
【0021】
ピストンユニットは、弾性変形可能な補正ピストンを有することが好ましく、それによって作動ハンドルとの接続が形成され、従って作動ハンドルの旋回運動がピストンの並進運動に変換されることができる。
【0022】
作動ハンドル自体は、純粋に並進運動で又はハウジングに対して旋回運動で動くことができる。好ましくは、作動ハンドルは、ハウジング、特に周囲のハウジングシェルに対して色に関して目立たせる。
【0023】
作動ハンドルは、複数の部分からなるヒンジ又はフィルムヒンジを介してハウジング部に接続される単一の構成要素によって形成されることができる。複数の部分からなる作動ハンドルでの実施形態も可能である。特に審美的な観点から設計されることができる外部だけでなく、特にピストンユニットに結合するために役立つことができかつ主に技術的観点から設計される内部も与えられることができる。もし作動ハンドルが複数の部分で設計されるなら、特に、外部は、ハウジング部に一体的に接続されることができ、かつ/又は、内部は、複数の部分からなるヒンジによってハウジングに接続されることができる。
【0024】
ハウジング自体に関する様々な態様が特に好ましいと見なされる。
【0025】
従って、好ましい実施形態では、ポンプ装置が、ポンプ室構成要素によって少なくとも一部分を規定されるポンプ室を有する。このポンプ室構成要素は、好ましくは液体リザーバーからの入口、及びポンプ室と放出開口の間の通路を少なくとも部分的に規定し、ポンプ室構成要素は、液体リザーバーの規定壁を少なくとも実質的に形成するリザーバー壁構成要素と一体的に構成される。従って、この共通の一体的構成要素は、ディスペンサーの主構成要素を表わし、特に壁とポンプ室構成要素の間の完全な封止を確実にする。さらに、かかる一体的な設計は、液体リザーバーとしてのハウジングの内部の理想的な使用を容易にする。
【0026】
一体的なポンプ室及びリザーバー構成要素のこの態様はまた、記載された平坦な設計なしで有利であることができ、ディスペンサーの記載に記載されるさらなる副態様もまた、平坦な設計なしのかかるディスペンサーでさらに与えられることができる。
【0027】
好ましくは、特に記載されたタイプの一体的なポンプ室とリザーバー構成要素を有する実施形態では、液滴ディスペンサーは、ハウジングシェルを有し、ハウジングシェルは、そこから分離し、かつ特に放出開口の側から、ポンプ室構成要素の上に押される。ハウジングシェルは、特に放出開口のための貫通通路を有することができ、もし放出開口がハウジングシェルによって直接的に形成されないが、ポンプ室と貫通通路を通って突出するリザーバー構成要素、又はさらに別個のハウジング構成要素とによって形成されることが好ましい。結果として、別個のハウジングシェルが意図したように液体と接触しない実施形態を達成することができ、従って例えば、これに関して材料の選択の満たされなければならない条件は全くない。
【0028】
もし作動ハンドルがハウジング部と一体的に構成されるなら、特にこれは、作動ハンドルがフィルムヒンジによって旋回可能に関節接合される上述のハウジングシェルであることができる。あるいは、作動ハンドルは、複数の部分からなるヒンジによって旋回可能な態様で設計されることができる。かかるヒンジでは、ヒンジ部分は、ポンプ室構成要素の外面のハウジング側上に、特に記載したハウジングシェルの下に与えられる。
【0029】
ポンプ室構成要素の外面とハウジングシェルの内面の間の中間空間は、追加の機能を企図することができる。特に、作動ハンドルを特にポンプ室に対してオフセットした位置に戻すためにここに戻りばねを配置することができる。中間空間はまた、換気通路をここに与えるために使用されることができる。特に、これは、ポンプ室構成要素及びハウジングシェルによって周囲にわたって少なくとも部分的部分で規定される通路であることができる。従って、溝がポンプ室構成要素の外面に与えられる設計が有利であることができ、前記溝は、ハウジングシェルの内面によって閉じられ、換気通路、特に毛管通路を形成し、かくして通路が形成される。
【0030】
一つの可能な実施形態は、ポンプ装置が、ポンプ室構成要素によって少なくとも一部分を規定されるポンプ室を有すること、そして液滴ディスペンサーが、好ましくは二つのリザーバー壁構成要素の一つによって、リザーバー壁構成要素によって少なくとも実質的に形成される壁によって規定されることである。ここで、ポンプ室構成要素及び少なくとも一つのリザーバー壁構成要素は、少なくとも二つの別個の構成要素によって、即ち二つのリザーバー壁構成要素の場合には三つの別個の構成要素によって形成される。これは、特に、リザーバー壁構成要素(単数又は複数)がディスペンサーの希望の平坦な形状に特別に適応させながら、異なるディスペンサーにおいて同じ態様で使用されるポンプ室構成要素を使用することを可能にする。
【0031】
特に、ポンプ室構成要素は、少なくとも一部分において、特に横断面に対するポンプ室の領域において回転対称の外部形状を有する構成要素によって形成されることができ、従って両側で互いに対向する自由空間が平坦なハウジングの内面とポンプ室構成要素の外面の間に残る。
【0032】
従って、横断面において回転対称の外部形状を有するかかるポンプ室構成要素は、ほぼ回転対称の外部ハウジングを有する従来のディスペンサーにおいても使用されることができる。もし本発明による平坦なディスペンサーにそれを使用するなら、上述の自由空間が生み出される。
【0033】
ポンプ室構成要素及び少なくとも一つのリザーバー壁構成要素、又は一つのリザーバー壁構成要素は、好ましくは、インターロッキング形状、特に確実にインターロッキングする形状を液体接続の領域において有する。従って、二つの構成要素は、互いに直接接続され、好ましくはそれは、周囲の液密接続であり、従って結果として、液体通路がリザーバーからポンプ室中に与えられる。
【0034】
しかしながら、もし一体的なポンプ室とリザーバー構成要素が与えられるなら、リザーバー壁構成要素に密に接続される別個のリザーバー底を与えることも可能である。ハウジングの形状のために延長されているリザーバー底は、底側で液体リザーバーを終了する。リザーバー底は、液体リザーバーが充填された後にリザーバー構成要素に固定される閉鎖要素を表わすことができる。しかしながら、好ましくは、リザーバー底は、特に充填手順前であっても、溶接又は接着剤結合によってリザーバー構成要素にしっかりと接続される。リザーバー底は、ポンプ室構成要素の代わりに換気通路のために使用されることができる。
【0035】
一体的なポンプ室とリザーバー構成要素を有する設計に加えて、リザーバー壁構成要素及びポンプ室構成要素が、別個の構成要素として構成され、かつ再び接着結合された接続又は溶接された接続によって、周囲にわたって互いに接続される設計もまた、有利でありうる。別個のリザーバー底構成要素は、かかる実施形態では要求されない。従って、底は、リザーバー壁構成要素の周囲壁と一体的に形成されることができる。
【0036】
もしリザーバー壁構成要素がポンプ室構成要素に対向する底に充填開口を有するなら有利である。この好ましくは丸い充填開口は、ディスペンサーの製造時には開放したままにし、好ましくは充填開口の縁上にスナップ嵌めされる閉鎖要素によって、液体リザーバーが充填された後にのみ閉じられる。
【0037】
液体リザーバーを少なくとも部分的に包囲するリザーバー壁構成要素は、少なくとも部分的に透明なプラスチック材料から製造されることが好ましい。特にリザーバー壁構成要素は、均一な材料特性を有することができ、従ってそれによって形成された壁の全ては光透過性である。透明と不透明の両方の実施形態、及び白又は異なる色が可能である。透明は、液体リザーバー中の充填レベルを容易に確認することを可能にする。上記のハウジングシェルは、液体リザーバーの上のハウジングの光不透過性の実施形態を実現することができる。
【0038】
特に、ポリプロピレン(PP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、又はポリエチレンテレフタレ-ト(PET)は、リザーバー構成要素、及び一体的なポンプ室とリザーバー構成要素のための材料として好適である。好ましくは、液滴ディスペンサーの実質的に全ての他の構成要素、特にハウジング部の全ては、これら又は他のプラスチックから製造される。もしばねもプラスチックから製造されるなら、これらの部分の全てがプラスチック構成要素であることができる。好ましくは、プラスチック部は、一般的なリサイクルプロセスで加工されるプラスチックから作られる。
【0039】
本発明によるディスペンサーは、ポンプ装置の弁に加えて、放出開口の上流に配置される出口弁を有することが好ましい。これは、菌の侵入を防ぐ。好ましくは、出口弁は、閉鎖ばねによってその閉鎖方向に押圧され、液体圧力が十分に高いときに開放される。好ましくは、特に少なくとも50mm2の相対的に大きい圧力有効弁表面が、相対的に強い閉鎖ばねを使用できるようにするために、そして液体圧力が低いときに液体放出のための弁を開放できるようにするために与えられる。好ましくは、出口弁は、1000mbar未満の液体圧力で、特に好ましくは800mbar未満又は600mbar未満の圧力で開放するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明のさらなる利点及び態様は、請求項、及び図面を参照して以下に記載される本発明の好ましい例示的実施形態の以下の記載に見出される。
【0041】
【
図1】
図1は、本発明による液滴ディスペンサーの第一の例示的実施形態を全体図で示す。
【0042】
【
図2A-2B】
図2A-2Bは、
図1の液滴ディスペンサーをそれぞれ断面図で示す。
【0043】
【
図3】
図3は、個々のハウジング部からなる
図1の液滴ディスペンサーの構造を示す。
【0044】
【
図4A-4B】
図4A-4Bは、一体的なポンプ室とリザーバー壁構成要素を断面図ではない図と断面図でそれぞれ示す。
【0045】
【
図5A-5B】
図5A-5Bは、本発明による液滴ディスペンサーの第二の例示的実施形態を断面図でそれぞれ示す。
【0046】
【
図6-7】
図6-7は、それぞれ保護キャップを除去したものと保護キャップを配置したもので本発明による液滴ディスペンサーの第三の例示的実施形態を示す。
【0047】
【
図8-9】
図8-9は、本発明による液滴ディスペンサーの第四の例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1~4Bは、本発明による液滴ディスペンサーの第一実施形態を示す。
【0049】
図1では、液滴ディスペンサー10は、全体図を見ることができ、保護キャップ90は、点線によって示されている。
【0050】
液滴ディスペンサー10は、ハウジング12を有する。このハウジングは、主軸2の方向に約8cmの長さ5を有する。ハウジング12の幅4は、約4cmである。ハウジングの厚さ3は、1.8cmである。ハウジング12は、
図1では確認できない態様で液体リザーバー14及びポンプ装置40を包囲する。
【0051】
旋回可能に運動可能な作動ハンドル24は、ポンプ装置40を作動するためにハウジング12の前面12Aに与えられている。この作動ハンドル24をオーバヘッド位置に押すことによって液体を液体リザーバー14から放出開口16にポンプ輸送することができる。この放出開口は、液滴形成環状体の形の液滴形成幾何学形状によって包囲され、従ってここで放出される液体は、液体の量が液滴ディスペンサー10の液滴が液滴形成幾何学形状18から離れるのに十分になるまで集められることができる。
【0052】
ハウジング12は、その長さ5の最も長い部分にわたって楕円形の横断面を有する。従って、前面12Aと反対の後面の両方は、側部の方に優しくふくらむように構成される。従って、ハウジング12は、使用者の手の中に、特に薬指、中指及び人差し指に快適に着座し、作動ハンドルは、親指によって簡単で信頼性高い方法でかつ正確な計量で作動されることができる。
【0053】
図2A及び2Bは、液滴ディスペンサー10を断面図で示す。そこから、液体リザーバー14がハウジング12の内部の大部分を占めることがわかる。
図4Bに見られるように、液体リザーバーは、主軸2の方向で放出開口16の方に延び、従ってポンプ装置40と部分的に重複されるように構成される。液体リザーバーの二つの部分的部分14A,14Bは、ポンプ装置40のポンプ室42の高さまで延びる。
【0054】
図2A及び2Bによって、ポンプ装置40は、ピストンユニット48を有し、それは、前面12Aに直交して配置されることができ、かつ膜ピストンユニットとして構成されることが明らかに確認されることができる。これは、以下で詳細に説明されるように、ピストンユニット48が弾性変形可能な材料から部分的に製造され、かつ縁領域においてハウジング12に、本ケースではポンプ室構成要素20Aに固定されることを意味する。ピストンユニット48は、ポンプ室構成要素20Aとともに上述のポンプ室42を規定する。ポンプ弁は、ポンプ室42の入口側及び出口側の入口44及び出口46の領域に与えられる。
【0055】
もし
図2Bに関して作動ハンドル24が戻りばね53の力に対抗して押圧されるなら、ピストンユニット48は、それによって下方に押圧され、次いで液体は、放出開口16の方向に押圧される。
【0056】
出口弁70は、放出開口16の下流に配置されている。この弁の主な機能は、菌の侵入を防止することである。出口弁70は、ハウジング12の一部を形成する出口弁ノズル72、及び前記出口弁ノズルに配置される、閉鎖位置の方向に相対的に強い弁ばね76によって押圧される弾性変形可能な弁体74を有する。弁体74は、加圧カラーを有し、それは、100mm2より大きい表面積を有し、従って液体圧力が付与されると弁ばね76の力に対抗して弁を開放することができる。出口弁70を開放するための圧力は、好ましくは1000mbar未満、特に好ましくは600mbar未満である。
【0057】
第一の例示的実施形態のハウジング12の基本構造は、
図2A及び2Bによって確認することができる。
図1~4Aの例示的実施形態では、ハウジング12は、共通のポンプ室及びリザーバー壁構成要素20を有する。この構成要素は、第一に、ポンプ室を少なくとも部分的に規定するポンプ室構成要素20Aを含み、第二に、作動ハンドル24の戻りばね53及び出口弁70の弁ばね76が支持される構成要素を含む。ポンプ室構成要素20Aと一体的に構成されるリザーバー壁構成要素20Bは、特に液体リザーバー14を実質的に規定する円筒形壁環状体を形成する。リザーバー壁構成要素20B中に挿入され、かつ好ましくはそこで溶接又は接着結合されるリザーバー底構成要素26は、底側に与えられる。本例示的実施形態では、液体リザーバー14からの液体の放出後に液体リザーバー中への補正空気を導入するためにリザーバー底構成要素26に換気通路50が与えられる。記載されたタイプの液滴ディスペンサー10によって放出される液体は、保存剤を含まないことが好ましいので、換気通路50は、滅菌フィルター54とともに構成される。
【0058】
ハウジング12の主構成要素は、
図3によってもう一度記載される。ハウジング12は、既に記載したポンプ室及びリザーバー壁構成要素20をその部分的部分20A,20Bとともに有する。ハウジング12の出口弁ノズル72は、この構成要素に対して静止し、ポンプ室構成要素20Aに固定して接続される。ピストンユニット48及び作動ハンドル24の内部24Bが配置される凹所は、ポンプ室構成要素20Aの外面に与えられる。
【0059】
さらに、ハウジング12は、ハウジングシェル22を有し、その上に作動ハンドル24の外部24Aがフィルムヒンジ23Aを介して一体的に与えられる。反対の端では、ハウジングシェル22は、放出開口又は出口弁ノズル72のための貫通通路、又はポンプ室及びリザーバー壁構成要素20がハウジングシェル22内に押圧されることができる開口を有する。好ましくは、構成要素20,22は、接合された状態で一緒にラッチされる。
【0060】
接合された状態では、ポンプ室構成要素20Aの外面及びハウジングシェル22の内面は、保護された中間空間52を規定し、そこには戻りばね53が配置され、ピストンユニット48が周囲にわたって固定される。
【0061】
図4A及び4Bは、ポンプ室及びリザーバー壁構成要素20を別の図で示す。
図4Aでは、構成要素は断面で示されていない。前面に向かって開放しかつピストンユニット48の追加の後にポンプ室42を形成するシャフト、戻りばね53のための保持ピン、及びヒンジ23Bの一部を確認することが可能である。ポンプ室42の領域中に主軸2に対して延びる部分的部分14A,14Bを
図4Bの断面図から見ることができる。
【0062】
図5A及び5Bは、代替設計を示す。ここでリザーバー壁構成要素20Bは、ポンプ室構成要素20Aと一体的に製造されておらず、構成要素は、特に溶接又は接着剤結合によって、接合領域21において一緒に接続されている。かかる実施形態では、別個のリザーバー底構成要素26をなしで済ますことができる。
【0063】
図6及び7は、液滴ディスペンサー10の第三の例示的実施形態を示す。この液滴ディスペンサーは、実質的に
図5A及び5Bの液滴ディスペンサー10のように構成される。差異は、一般的な形状、特に作動ハンドル24にもある。充填手順後に閉鎖要素82にスナップ嵌めすることによって閉じられることができる充填開口80はまた、リザーバー壁構成要素22Bの底に与えられる。閉鎖要素82は、換気通路50、及びそこに挿入された滅菌フィルター54を含むことができる。
【0064】
図8及び9は、本発明による液滴ディスペンサー10の第四の例示的実施形態を断面図で示す。この実施形態の特異性は、別個の構成要素20A,20B,20Cがポンプ室構成要素20A及びリザーバー壁構成要素20B及び20Cを形成することである。リザーバー壁構成要素20B及び20Cは、
図5A及び5Bの実施形態にほぼ対応しかつディスペンサーの平坦な形状に対応する平坦、好ましくは楕円形の横断面を与えられる。しかしながら、ポンプ室42を規定するポンプ室構成要素20Aは、
図9から見られるように、実質的に丸められた外部形状を有する。
【0065】
結果として、異なるディスペンサー、特に丸い横断面の外部ハウジングを有するディスペンサーを持つポンプ室構成要素20Aを使用することが可能である。これは、製造コストを減らす。なぜなら異なるポンプ室構成要素20Aが、異なるディスペンサーのために与えられる必要がないからである。
【0066】
この設計は、ポンプ室構成要素20Aの外部形状とハウジングシェル22との間に、ポンプ室構成要素20Aに対して側方にオフセットして自由空間25が生まれることをもたらす。これらの自由空間は、使用していない空間を示すが、もしこの空間が液体貯蔵のために使用されないなら、これは取扱い時の快適な低重心をもたらす。
【0067】
リザーバー壁構成要素20B及びポンプ室構成要素20Aは、互いに直接取り付けられる。好ましくは、これらの構成要素は、特に好ましくはインターロッキング形状27A,27Bによって、
図8の切断面の下方に位置する液体接続部27の領域で接続される。好ましくは、これらの形状は、能動的な結合をもたらし、それによって構成要素20A,20Bの分離に対抗することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を液滴で放出するため、特に医薬液体を液滴で放出するための液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、放出プロセスの前に液体を貯蔵するための液体リザーバー(14)を有し、
(b)液滴ディスペンサー(10)が、液滴形成幾何学形状(18)と関連する放出開口(16)を有し、
(c)液滴ディスペンサー(10)が、ポンプ装置(40)を有し、それによって液体が液体リザーバー(14)から外に放出開口(16)へとポンプ輸送され、従って、液体が液滴形成幾何学形状(18)上に集まることができ、かつ十分な量の液体が集められると、液滴形成幾何学形状(18)から離れることができる、
ことを特徴とし、さらに
(d)液滴ディスペンサー(10)が平坦なハウジング(12)を有し、その中に液体リザーバー及びポンプ装置が配置され、平坦なハウジング(12)の外部形状が、ハウジングの主軸(2)に直交して最大幅を有し、前記最大幅が、主軸に直交しかつ幅に直交するハウジング(12)の外部形状の最大厚さより少なくとも25%大きく、
(e)押圧されることができる作動ハンドル(24)が、ポンプ装置(40)を作動するためにハウジング(12)の側面に与えられる、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液体リザーバー(14)が、主軸(2)の方向に重なるように、ポンプ装置(40)の領域内に、特にポンプ装置(40)のポンプ室(42)の領域内に延び、
好ましくは、
(b)ハウジングの幅に対して、液体リザーバー(14)がポンプ室(42)の左手側及び右手側上に液体リザーバー(14)の内容積の部分的部分(14A,14B)をそれぞれ有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液体リザーバー(14)の内容積が、液滴ディスペンサー(10)の外部形状によって包囲される容積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%である、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項4】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ装置(40)が、ポンプ室構成要素(20A)によって少なくとも一部分を規定されるポンプ室(42)を有し、
(b)液体リザーバー(14)が、少なくとも実質的にリザーバー壁構成要素(20B)によって形成される壁によって規定され、
(c)ポンプ室構成要素(20A)とリザーバー壁構成要素(20B)を一体的に形成する共通構成要素(20)が与えられる、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項5】
請求項4に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、ポンプ室構成要素(20A)の上に押されるハウジングシェル(22)を有し、
(b)ハウジングシェル(22)が、放出開口(16)のための貫通通路(22A)を有する、
ことを特徴とし、さらに、好ましくは、
(c)作動ハンドル(24)が、ハウジングシェル(22)の一体部分であり、かつ/又は
(d)作動ハンドル(24)が、ハウジングシェル(22)の上に、又はポンプ室構成要素(20A)の外面の上に装着され、特に旋回運動可能に装着され、かつ/又は
(e)ポンプ室構成要素(20A)の外面及びハウジングシェル(22)の内面が、戻しばね(60)が好ましくは作動ハンドルを戻すために配置される中間空間(52)を規定し、かつ/又は
(f)液滴ディスペンサーが、ポンプ室構成要素(20A)及びハウジングシェル(22)によって少なくとも一部分を形成される換気通路を有し、換気通路が、好ましくはポンプ室構成要素及びハウジングシェルによって周囲にわたって少なくとも部分的部分で規定される、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項6】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ装置(40)が、ポンプ室構成要素(20A)によって少なくとも一部分を規定されるポンプ室(42)を有し、
(b)液体リザーバー(14)が、少なくとも実質的にリザーバー壁構成要素(20B)によって形成される壁によって規定され、
(c)ポンプ室構成要素(20A)及びリザーバー壁構成要素(20B)が、少なくとも二つの別個の構成要素によって形成される、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項7】
請求項6に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ室構成要素(20A)が、少なくとも一部分に回転対称の外部形状を有する構成要素によって形成され、従って両側に互いに対向する自由空間(25)が、平坦なハウジングの内面とポンプ室構成要素の外部形状の間にある、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項8】
請求項
6に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ室構成要素(20A)及び少なくとも一つのリザーバー壁構成要素(20B)が、液体接続(27)の領域において、インターロッキング形状(27A,27B)、特に確実にインターロッキングする形状(27A,27B)を有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項9】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、液体リザーバー(14)を周囲にわたって包囲するリザーバー壁構成要素(20B)を有し、
(b)液滴ディスペンサー(10)が、リザーバー壁構成要素(20B)に密に接続されるリザーバー底(26)を有し、
好ましくは、
(c)リザーバー底(26)が、接着結合された接続又は溶接された接続によってリザーバー壁構成要素(20B)に接続され、かつ/又は
(d)リザーバー底(26)が、換気通路(50)によって貫かれている、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項10】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、リザーバー壁構成要素(20B)及びポンプ室構成要素(20A)を有し、それらが、別個の構成要素として構成され、かつ互いに周囲にわたって接続され、
好ましくは、
(b)ポンプ室構成要素(20A)が、接着結合された接続又は溶接された接続によってリザーバー壁構成要素(20B)に接続され、かつ/又は
(c)リザーバー壁構成要素(20B)が、ポンプ室構成要素(20A)に対向する底に、好ましくは閉鎖要素によって閉鎖されることができる充填開口を有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項11】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、液体リザーバー(14)を少なくとも部分的に包囲するリザーバー壁構成要素(22B)を有し、
(b)リザーバー壁構成要素(22B)が、少なくとも部分的に透明な材料から製造され、
好ましくは、
(c)リザーバー壁構成要素(22B)が、ポリプロピレン(PP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、又はポリエチレンテレフタレ-ト(PET)をその主材料として有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項12】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)のハウジング(12)が、少なくとも2.5cmの最大幅(4)、及び多くとも2cmの最大厚さ(3)を有し、
好ましくは、
(b)ハウジング(12)が、少なくとも3.6cmの最大幅(4)を有し、かつ/又は
(c)ハウジング(12)が、多くとも1.8cmの最大厚さ(3)を有し、かつ/又は
(d)ハウジング(12)が、4cm~10cmの長さ(5)、好ましくは5cm~8cmの長さ(5)を有し、かつ/又は
(e)ハウジング(12)の最大幅(4)が、ハウジング(12)の最大厚さより少なくとも50%大きい、特に少なくとも100%大きい、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項13】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ポンプ装置(40)が、主軸(2)に直交して移動可能であるピストンユニット(48)を有し、
好ましくは、
(b)ピストンユニット(48)が、少なくとも部分的に弾性変形可能な材料から膜部分として製造され、かつ周囲縁をポンプ室構成要素(20A)に固定され、かつ/又は
(c)ピストンユニット(48)が、弾性変形可能な補正ピストンを有し、接続が、作動ハンドル(24)で形成され、かつ/又は
(d)ポンプ装置(40)が、液体リザーバー(14)からの入口(44)を有し、その入口は、その最も狭い側で、任意選択的に互いに平行に作用する複数の部分入口に、少なくとも2mm
2の正味の横断面積を有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項14】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)作動ハンドル(24)が、外部(24A)及び内部(24B)を含み、かつ/又は
(b)作動ハンドル(24)が、ハウジング(12)に対して旋回運動可能な態様で関節接合され、かつ/又は
(c)作動ハンドル(24)又はその外部(24A)が、ヒンジを介してハウジング(12)のハウジングシェル(22)に一体的に接続され、かつ/又は
(d)作動ハンドル(24)又はその内部(24B)が、複数部分からなるヒンジによってハウジング(12)に旋回可能に関節接合され、かつ/又は
(e)作動ハンドル(24)又は作動ハンドルの少なくとも外部が、ハウジングの周囲壁とは異なる色を有し、かつ/又は
(f)作動ハンドル(24)が、少なくとも20mm、特に少なくとも25mmの幅を有し、及び/又は作動ハンドル(24)が、最も幅広い場所でハウジングの幅の少なくとも50%の幅を有する、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項15】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ハウジング(12)の横断面が、少なくとも部分的領域において実質的に楕円形の横断面を与えられ、
好ましくは、
(b)ハウジング(12)の横断面が、少なくともハウジングの長さ(5)の少なくとも40%の部分的領域にわたって実質的に均一な楕円形の横断面を与えられ、ハウジングの横断面が、この部分的領域から放出開口(16)まで先細りになっている、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項16】
請求項1
又は2に記載の液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)ハウジング(12)が、変形困難なプラスチック材料から製造され、かつ/又は
(b)液体リザーバー(14)が、換気通路(50)を介して周囲雰囲気に接続され、換気通路(50)が、好ましくは滅菌フィルター(54)及び/又は換気弁を与えられ、かつ/又は
(c)作動ハンドル(24)が、好ましくは中央配置で、幅(4)に広がる前面(12A)の上に与えられ、かつ/又は
(d)液滴ディスペンサー(10)が、除去可能な保護キャップ(90)を有し、保護キャップ(90)が、好ましくは配置された状態で作動ハンドル(24)をカバーし、かつ/又は
(e)液滴ディスペンサー(10)が、出口弁(70)を有し、出口弁(70)が、好ましくは1000mbar未満の液体圧力、特に800mbarの液体圧力、特に好ましくは600mbar未満の液体圧力で開放するように構成され、かつ/又は
(f)液体リザーバーが、充填開口(80)を有し、充填開口(80)が、好ましくは丸い形状を有し、好ましくは閉鎖要素(82)によって、特に閉鎖要素(82)を充填開口(80)の縁の上にスナップ嵌めすることによって閉鎖されることができ、かつ/又は
(g)液体リザーバー(14)が、医薬液体、特に保存剤のない液体で充填される、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項17】
液体を液滴で放出するため、特に医薬液体を液滴で放出するための液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、放出プロセスの前に液体を貯蔵するための液体リザーバー(14)を有し、
(b)液滴ディスペンサー(10)が、液滴形成幾何学形状(18)と関連する放出開口(16)を有し、
(c)液滴ディスペンサー(10)が、ポンプ装置(40)を有し、それによって液体が液体リザーバー(14)から外に放出開口(16)へとポンプ輸送され、従って、液体が液滴形成幾何学形状(18)上に集まることができ、かつ十分な量の液体が集められると、液滴形成幾何学形状(18)から離れることができる、
ことを特徴とし、さらに
(d)液体リザーバー(14)の内容積が、液滴ディスペンサー(10)の外部形状によって包囲される容積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%である、
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【請求項18】
液体を液滴で放出するため、特に医薬液体を液滴で放出するための液滴ディスペンサー(10)であって、
(a)液滴ディスペンサー(10)が、放出プロセスの前に液体を貯蔵するための液体リザーバー(14)を有し、
(b)液滴ディスペンサー(10)が、液滴形成幾何学形状(18)と関連する放出開口(16)を有し、
(c)液滴ディスペンサー(10)が、ポンプ装置(40)を有し、それによって液体が液体リザーバー(14)から外に放出開口(16)へとポンプ輸送され、従って、液体が液滴形成幾何学形状(18)上に集まることができ、かつ十分な量の液体が集められると、液滴形成幾何学形状(18)から離れることができる、
ことを特徴とし、さらに
(d)ポンプ装置(40)が、ポンプ室構成要素(20A)によって少なくとも一部分を規定されるポンプ室(42)を有し、
(e)液体リザーバー(14)が、少なくとも実質的にリザーバー壁構成要素(20B)によって形成される壁によって規定され、
(f)ポンプ室構成要素(20A)とリザーバー壁構成要素(20B)を一体的に形成する共通構成要素(20)が与えられる
ことを特徴とする液滴ディスペンサー(10)。
【国際調査報告】