(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】バーナー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
F23D 14/02 20060101AFI20240822BHJP
F23R 3/12 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F23D14/02 M
F23R3/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515476
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2022073684
(87)【国際公開番号】W WO2023036622
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021123513.8
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー
【氏名又は名称原語表記】MAN ENERGY SOLUTIONS SE
【住所又は居所原語表記】Stadtbachstr.1 86153 Augsburg,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ライス
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィト・クルス
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・フォッケンベルク
(72)【発明者】
【氏名】ジャマン・エル・マサルメ
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン・ゲニン
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ヴァスマー
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト・コシク
【テーマコード(参考)】
3K017
【Fターム(参考)】
3K017AA02
3K017AB07
3K017AC01
3K017AD11
3K017AE03
(57)【要約】
本発明は、燃焼空間(1)と、複数の旋回流路(2)とを有するバーナーであって、旋回流路(2)は、それぞれの旋回流路(2)に燃料(G)を導入するための少なくとも1つの燃料ノズル(3)を備えており、旋回流路(2)は、各々の燃料ノズル(3)からの燃料(G)を旋回流路(2)に導入可能な流入側(21)から、燃焼空間(1)に通じる流出側(22)に延在しており、旋回流路(2)に流入する燃料(G)及び空気(L)とからなる燃料-空気混合気は、流入側(21)から流出側(22)に延在している流路(23)に沿ってそれぞれ流通することが可能であり、バーナーは、燃焼空間(1)を通る中心軸(X)を有し、流出側(22)から出ている旋回流路(2)は、少なくとも部分的に中心軸(X)の周りに螺旋状に巻かれており、流入側(21)から流路(23)に沿って流出側(22)に流れる燃料-空気混合気は、いずれの場合も旋回流路(2)を通って旋回され、旋回された状態で燃焼空間(1)に流入している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼空間(1)と、複数の旋回流路(2)とを有するバーナーであって、旋回流路(2)は、それぞれの旋回流路(2)に燃料(G)を導入するための少なくとも1つの燃料ノズル(3)を備えており、
前記旋回流路(2)は、各々の前記燃料ノズル(3)からの燃料(G)を前記旋回流路(2)に導入可能な流入側(21)から、前記燃焼空間(1)に通じる流出側(22)に延在しており、
前記旋回流路(2)に流入する前記燃料(G)及び空気(L)の燃料-空気混合気は、前記流入側(21)から前記流出側(22)に延在している流路(23)に沿って前記旋回流路(2)をそれぞれ流通することが可能であり、
前記バーナーは、前記燃焼空間(1)を通る中心軸(X)を有し、前記流出側(22)から出ている前記旋回流路(2)は、少なくとも部分的に前記中心軸(X)の周りに螺旋状に巻かれており、前記流入側(21)から前記流路(23)に沿って前記流出側(23)に流れる前記燃料-空気混合気は、いずれの場合も前記旋回流路(2)によって旋回され、旋回された状態で前記燃焼空間(1)に流入している、バーナー。
【請求項2】
中心軸(X)の周りを螺旋状に延在している前記旋回流路の部分(26)において、前記旋回流路(2)の流路(23)及び/または中心線は、それぞれ、0°より大きく90°より小さく、特に60°より大きく90°より小さく、更に特に正確に60°のターン角度αを有している、請求項1に記載のバーナー。
【請求項3】
前記旋回流路(2)の各々は、前記流出側に中心軸の周りに螺旋状に巻かれた部分(26)と、前記流入側に前記中心軸と平行に延在している部分(24)とを有し、
前記螺旋状に巻かれた部分(26)と、前記中心軸と平行に延在している部分(24)との間のそれぞれの移行部分(25)は滑らかである、請求項1または2に記載のバーナー。
【請求項4】
前記旋回流路(2)は、それぞれ環状の断面を有し、旋回管として形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のバーナー。
【請求項5】
前記流入側の各々の前記燃料ノズル(3)は、それぞれの前記旋回流路(2)内に延在している、請求項1~4のいずれか一項に記載のバーナー。
【請求項6】
前記流入側の前記旋回流路(2)は、それぞれの前記燃料ノズル(3)が延在している特に漏斗状の流入部(27)を備えており、
各々の前記燃料ノズル(3)の外面と各々の前記旋回流路(2)の内面との間には、その流入部(27)において、前記燃料ノズル(3)の周りの断面内で、特に環状に延在している空気通路(28)が形成されており、該空気通路(28)を通って空気(L)が各々の前記旋回流路(2)に流入可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載のバーナー。
【請求項7】
前記旋回流路(2)内及び/または前記燃料ノズル(3)上には、流れを最適化するための流体案内要素(4)が設けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載のバーナー。
【請求項8】
前記旋回流路(2)は、前記中心軸(X)と同軸の少なくとも1つの環状コース上に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のバーナー。
【請求項9】
複数の旋回流路(2)のうちの前記旋回流路(2)は、互いに接して配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のバーナー。
【請求項10】
前記旋回流路(2)の各々は、それぞれの前記旋回流路(2)を半径方向に区画する壁(29)を有しており、互いに接している旋回流路(2)の前記壁(29)は、一体的及び/または1つの部品に形成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のバーナー。
【請求項11】
前記燃料ノズル(3)は、前記流入側の前記燃料(G)を各々の前記旋回流路(2)内に略横方向に噴射するように設計されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のバーナー。
【請求項12】
前記旋回流路(2)は、選択的レーザ溶融によって金属から製造されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のバーナー。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のバーナーの製造方法であって、
前記旋回流路(2)を、選択的レーザ溶融によって金属粉末から製造され、且つ
前記旋回流路(2)は個別に製造され、前記中心軸(X)の周りに配置されているか、
前記旋回流路(2)が、一体的及び/または一体的に接合されたグループとして製造され、互いに接合された前記旋回流路(2)のグループが前記中心軸(X)の周りに配置されているか、若しくは
全ての前記旋回流路(2)が、一体的に及び/または1つの部品に接合され、前記中心軸(X)の周りに配置されるように製造する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の湾曲旋回流路(curved swirl channel)を有し、この旋回流路を通って流れる燃料-空気混合気(fuel-air mixture)を旋回させるタービン用のバーナー、及びそのようなバーナーを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばガスタービン用のバーナーは、バーナー内でガス-空気混合気又は一般に燃料-空気混合気が大部分燃焼されるように、燃料としてガスを利用している。
【0003】
原理的には、バーナーで液体燃料を使用することも可能である。
【0004】
低汚染物質バーナー(low-pollutant burner)は、通常、燃焼前に空気と燃料を混合して、温度ピークを回避し、これにより汚染物質の排出を回避している。
【0005】
この目的のために、旋回流バーナー(swirling-flow burner)として設計されたバーナーが、燃料-空気混合気に旋回を与えるために半径方向または軸方向の旋回カスケード(swirl cascade)を使用する従来技術において一般的に使用されている。
【0006】
例えば水素のような高反応性燃料(highly reactive fuel)の場合には、燃料-空気混合気が非常に急速に燃焼して火炎がフラッシュバックするので、低汚染物質燃焼は困難である。この理由のために、そのような燃料または混合気は、しばしば、予混合(pre-mixing)無しに燃焼されている。
【0007】
ジェットバーナー(jet burner)とも呼ばれるバーナーが、高反応性燃料を燃焼させるために使用されることもある。このようなジェットバーナーでは、旋回カスケードまたは一般に混合気を旋回させることは省略され、フリージェット(free jet)で火炎が安定化されている。
【0008】
これは、フラッシュバック強度において利点を有するが、火炎の安定性及び排出を犠牲にしている(at the expense)。ここで、空気は、互いに完全に直線的且つ平行に配置された個々の管を通って流れ、管の中で燃料と混合される。バーナーの出口では、燃料は多くの小さなジェットで燃焼する。ジェットバーナーは、空気または混合気全体が軸方向に導かれるので、より大きなフラッシュバック強度を有している。
【0009】
これとは別に、旋回流バーナーと比較して滞留時間が短く、非常に高い温度でのNOx排出量が少ない。
【0010】
対照的に、旋回流バーナーは、実質的により良好な安定性及びより良好な部分負荷での排出を提供している。旋回流バーナーを備えた混合セクションは、空気と燃料との良好な混合を可能にするために、より長いことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5596873号明細書
【特許文献2】米国特許第4222232号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2016/146469号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような不都合を克服するためになされたもので、高いフラッシュバック強度並びに良好な空気と燃料との混合を両立させることができ、しかも安定した燃焼挙動を有し、特に水素または水素ガスを低エミッションの燃料として燃焼させることができるバーナーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、特許請求の範囲第1項に記載の特徴の組み合わせによって解決される。
【0014】
本発明によれば、複数の旋回流路を有する燃焼空間を備えたバーナーが提案され、旋回流路は、それぞれの旋回流路に燃料を導入するための少なくとも1つの燃料ノズルを含む。ここで、複数の旋回流路は、特に一緒になって渦流発生器(swirl generator)を形成している。旋回流路は、燃料ノズルからの燃料を旋回流路に導入可能な流入側から、燃焼空間に通じる流出側に延在している。燃焼ゾーンとも呼ぶことができる燃焼空間は、燃焼室によって囲まれるか、または区切られることができる。更に、燃焼空間は、実質的には燃料-空気混合気またはガス-空気混合気の燃焼が行われる容積を単に決定している。旋回流路に流入する燃料-空気混合気によって、各々の旋回流路は、それぞれの流入側からそれぞれの流出側に延在している流路に沿って流れることができる。
【0015】
このようなバーナーにおいて、1つの旋回流路、複数の旋回流路、または全ての旋回流路は、1つまたは複数の燃料ノズルを含むことができる。
【0016】
燃料は液体燃料またはガスである。ガスは好ましくは、水素または水素ガスである。
【0017】
更に、バーナーは、燃焼空間を通る中心軸を含む。本発明によれば、流出側から出ている(emanate)旋回流路は、少なくとも部分的に中心軸の周りに螺旋状に巻かれていることが重要である。あるいは、少なくとも部分的に旋回流路を螺旋状に形成することは、旋回流路及び/または旋回流路によって画定される流路が、それぞれ、少なくとも部分的に螺旋状にまたは螺旋として形成されるように説明することができる。従って、旋回流路は、湾曲旋回流路と呼ぶこともできる。流入側から出て、これらの導入部分(lead)によって画定された流路または流路は、流出側でねじられ(twisted)、または中心軸に対して傾斜されて燃焼空間に至る。これにより、流入側から流路に沿って流出側に流れる燃料-空気混合気は、いずれの場合も旋回流路の螺旋状に巻かれた部分によって旋回され、旋回された状態で燃焼空間に流入している。従って、旋回された燃料-空気混合気は、好ましくは各々の旋回通路を通って流れている。
【0018】
このプロセスにおいて、複数または個々のフリージェットが、流出側または燃焼空間内の旋回流路によって製造されているが、これらのジェットは、中心軸の周りの旋回またはワインディング(winding)によって既に旋回されている。
【0019】
従って、中心軸を中心とする螺旋状のワインディングによって、渦流室(swirl chamber)は、空気または燃料-空気混合気が流路を通って流れるときに、それに回転成分を与える曲率を既に有している。
【0020】
バーナーの出口で、または燃料-空気混合気が旋回流路から燃焼空間に流入するとき、旋回流バーナーと同様の燃焼パターンが得られ、この燃焼パターンでは、フリージェットから形成される旋回流が噴出し、旋回流の剪断層(shear layer)内の燃焼空間の火炎を安定させる。
【0021】
バーナーが複数の旋回流路を有し、それらの全体を渦流発生器と呼ぶこともできるという事実のために、燃料-空気混合気は、個々の供給ラインを通じて燃焼空間に供給されるのではなく、例えば管として形成された複数の旋回流路を通じて燃焼空間に供給され、その結果、本発明によるバーナーは、従来技術から知られているジェットバーナーと同様に良好なフラッシュバック強度または同様に良好なフラッシュバック抵抗を有し、旋回を与えることにより、低エミッション燃焼が継続して起こる。
【0022】
流入側では、燃料及び好ましくは空気も旋回流路に導入されるので、燃料及び空気は、旋回流路を通る流路に沿って混合され、所望の燃料-空気混合気を形成している。
【0023】
少なくとも部分的に螺旋状に形成された渦流発生器を形成する複数の旋回流路を提供することによって、渦流発生器は、旋回流路の数に対応する巻数を有する多重螺旋形状として形成されている。ターンまたは旋回流路は、例えば、旋回流路の内側平面が旋回流路の外側平面によって囲まれるように、互いに重なり合う層または平面に追加的に設けることができる。ここで、旋回流路は、左側ねじれタイプまたは右側ねじれタイプのいずれかとすることができる。
【0024】
有利な実施形態の変形例は、中心軸の周りを螺旋状に延在している旋回流路の部分において、旋回流路の流路及び/または中心線は、それぞれ、0°より大きく90°より小さく、特に60°より大きく90°より小さく、更に特に正確に60°のターン角度を有している。
【0025】
旋回流路または流路のターン角度及び/または旋回流路の中心線は、螺旋のねじれ角度(turn angle of a helix)に従って定義されている。
【0026】
更に、全ての流路及び/または中心線は、好ましくは同一のターン角度を有している。
【0027】
旋回流路が、例えば、選択的レーザ溶融(SLM:selective laser melting)のような付加的な製造方法によって製造される場合、最大若しくは最小ピッチまたはターン角度は、製造方法の技術的限界によって制約され得る。例えば、少なくとも本願出願時には、SLM法によって40°未満のターン角度を有する旋回流路を製造することは不可能であるか、または大きな費用をかけてのみ製造することができる。
【0028】
更に、バーナーの有利な変形例では、旋回流路の各々は、流出側に中心軸の周りに螺旋状に巻かれた部分と、流入側に中心軸と平行に延在している部分を有している。ここで、旋回流路はそれぞれ、螺旋状に巻かれたまたは湾曲した部分と、中心軸と平行に延在している部分、すなわち滑らかな直線部分との間に移行部分を有するので、中心軸に直線または平行な部分から螺旋状に巻かれたまたは湾曲した部分へ旋回流路を通って流れる燃料-空気混合気は、移行部分に沿ってまたは移行部分において突然ではなく、連続的にまたは着実に偏向されている。
【0029】
更に、好ましくは、旋回流路は、それぞれ環状の断面を有し、旋回管(swirl tube)として形成されている。
【0030】
また、各々の燃料ノズルは、流入側のそれぞれの旋回流路内に延在している変形例も有利である。
【0031】
ここで、更に一実施形態では、流入側の旋回流路は、それぞれの燃料ノズルが延在している特に漏斗状の流入部を備えており、各々の燃料ノズルの外面と各々の旋回流路の内面との間には、その流入部において、各々の旋回流路に空気が流入可能であって断面が好ましくは環状である空気通路が形成されていることが有利である。
【0032】
また、特に翼(wing)として設計された流体案内要素(fluid guiding element)は、流れを最適化するために旋回流路内及び/または燃料ノズル上に設けることができる。
【0033】
流体要素は、それらを通過する流体の流れに所定の方法で影響を与えるように設計されている。例えば、流体要素には、空気通路の領域内の燃料ノズル上に翼型プロファイル(aerofoil profile)を設けることができ、この翼型プロファイルは、空気通路を通って流れる空気を所定の方法で燃料ノズルによって噴射または導入される燃料へと導き、それによって空気と燃料の混合を改善している。
【0034】
好ましくは、旋回流路はそれぞれ、所定の平面内で、または中空円筒の内側及び外側の側面内に延在している。従って、旋回流路またはその中心線/流路が、中心軸と同軸の少なくとも1つの環状コース(annular course)上に配置することができる。従って、それぞれ環状で中心軸に対して同軸である複数のコースを設けることもでき、複数の流路がそれぞれのコース上で延在している。
【0035】
可能な限り多くの旋回流路を提供することができるように、複数の旋回流路のうちの旋回流路は、互いに接して配置されている(lie against one another)。その結果、互いに直接的に隣接している旋回流路は、例えば、それらの壁の外面を互いに接して配置されている。
【0036】
特に、旋回流路またはこれらによって形成される渦流発生器が、付加的な製造方法によって製造される場合、旋回流路は、単に互いに接して配置されているだけでなく、部分的に互いに一体的に形成されるようにすることもできる。旋回流路の各々は、それぞれの旋回流路を半径方向に区画する壁を有している。ここでは、互いに接してまたは互いに隣接している旋回流路の壁が、一体的及び/または1つの部品に形成されている。
【0037】
燃料と空気の混合を改善するために、更に、燃料ノズルは、流入側の燃料をそれぞれの旋回流路内に略横方向に導入するように設計されることができる。
【0038】
既に述べたように、旋回流路が好ましくは選択的レーザ溶融(SLM)によって金属から製造されている。
【0039】
本発明の別の態様は、本発明によるバーナーの製造方法に関する。ここで、旋回流路は、旋回流路を形成するための金属粉末、または旋回流路によって形成された渦流発生器を層状に溶融した金属粉末から、選択的レーザ溶融法(SLM)、すなわち付加的な製造法によって製造される。ここで、旋回流路は、中心軸の周りに配置された渦流発生器を提供するために、個別に製造される。これに代えて、旋回流路は、一体的及び/または一体的に接合されたグループとして製造されても良く、互いに接合された旋回流路のグループは、渦流発生器を提供するために中心軸の周りに配置される。個々の旋回流路を製造する代わりに、また接合された旋回流路のグループを製造する代わりに、渦流発生器全体、すなわち全ての旋回流路は、一体的に及び/または1つの部品に接合され、中心軸の周りに配置されるように製造することができる。
【0040】
上に開示された特徴は、技術的に可能であり、互いに矛盾しない限り、所望のように組み合わせることができる。
【0041】
本発明の他の有利な更なる発展は、下位の請求項に記載されているか、または好ましい実施形態の説明と共に図によってより詳細に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【発明を実施するための形態】
【0043】
図は、例示的に概略的である。図中の同じ参照番号は、同じ機能的及び/または構造的特徴を示している。
【0044】
図1において、複数の旋回流路2を含む渦流発生器を備えたバーナーが示されており、ここでは旋回管として具体化され、中心縦軸Xの周りに配置され、その流入側21において燃料ノズル3がそれぞれ延在し、それを通じて燃料Gを旋回流路2に噴射することができる。ここで、流入側の旋回流路2の各々は漏斗状の流入部27を備え、それぞれの旋回流路2の内壁若しくは内面とそれぞれの燃料ノズル3の外壁若しくは外面との間には、空気通路28が形成されており、そこを通って空気Lが燃料Gと略平行にそれぞれの旋回流路2に流入することができる。燃料G及び空気Lは、旋回流路2内で混合し、燃料-空気混合気としてそれぞれの流路23に沿って、それぞれの旋回流路2の流入側21から流出側22へと流れている。
【0045】
ここで、燃料-空気混合気は、最初に、それぞれの旋回流路2の中心軸に平行に最初に延在している部分24(直線部分24)を通って流れ、これは、安定した滑らかな移行部分25によって、中心軸Xの周りに螺旋状に巻かれた部分26に合流し、この部分は、湾曲部分26とも称することができる。
【0046】
この段階で、湾曲部分26を流れる際に燃料-空気混合気に旋回または回転が与えられ、旋回流路2から流出側の燃焼空間1に流出する燃料-空気混合気は旋回されている。ここで、単一の旋回流路2を流れる燃料-空気混合気の流れは、旋回流路2を流れる燃料-空気混合気の流れ全体の一部の流れを形成しているに過ぎない。
【0047】
燃焼空間1では、全ての燃料-空気混合気流と共に流入する燃料-空気混合気が燃焼され、個々の部分流を旋回させることにより、全ての流れが旋回され、低エミッション燃焼が得られ、同時に、中心軸Xに沿って延在している複数の旋回流路2を通じて、燃焼中の火炎が燃焼空間1から旋回流路2に実質的にフラッシュバックしないように、高いフラッシュバック抵抗が達成されている。
【0048】
図2には、中心軸に平行に延在しているバーナーの部分24の拡大図が示されており、これは
図1のバーナーとすることができる。旋回流路2の少なくとも1つの部分は、旋回流路2の一部の壁29を貫通するように、半断面で追加的に示されており、その結果、特に、漏斗として形成された流入部27の領域の燃料ノズル3を見ることができる。
【0049】
前述したように、燃料ノズル3の外面と旋回流路2の内面との間には、流入部27の領域において、燃料ノズル3の周囲を環状に延在している空気通路28が形成されており、この空気通路28を通って空気Lが旋回流路2内に流入している。ここで、燃料ノズル3には、環状の空気通路28内に延在して流入空気Lを旋回流路2内に流れ最適化されるように案内する少なくとも1つの流体案内要素4が翼形状に形成されている。
【符号の説明】
【0050】
1 燃焼空間
2 旋回流路
3 燃料ノズル
4 流体案内要素
21 流入側
22 流出側
23 流路
24 直線部分/中心軸に平行な部分
25 移行部分
26 湾曲部分/螺旋巻き部分
27 流入部
28 空気通路
29 壁
X 中心軸
G 燃料
L エア
【国際調査報告】