(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】量子計算における、又は量子計算に関する改善
(51)【国際特許分類】
G06N 10/40 20220101AFI20240822BHJP
【FI】
G06N10/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515519
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 GB2022052298
(87)【国際公開番号】W WO2023037126
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524002175
【氏名又は名称】ユニバーサル クオンタム リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノース,リチャード
(57)【要約】
本発明によれば、イオントラップ量子コンピュータのためのタイミングシステムが提供され、イオントラップ量子コンピュータは、期間tのタイミング信号を出力するクロックと、クロックに結合されており、各々が、t未満の異なる遅延を入力するように構成された複数の遅延線と、遅延を選択するように構成された遅延選択機構と、を備え、遅延線の各々による遅延は、期間tの異なる端数である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオントラップ量子プロセッサであって、
複数のDACを備えるイオントラップであって、各々が、対応する電極に結合されており、前記イオントラップが、期間tの運動トラップ周波数を有する、イオントラップと、
期間Tのタイミング信号を出力するクロックと、
前記クロックに結合されており、各々が、t未満の異なる遅延を入力するように構成された複数の遅延線と、
前記複数のDACのうちの1つに結合されており、前記遅延を選択するように構成された遅延選択機構と、を備え、
前記遅延線の各々による前記遅延が、前記期間tの1未満の異なる端数である、プロセッサ。
【請求項2】
n個の遅延線を備え、各遅延線が、tx/nの異なる遅延を有し、式中、xが、0~n-1の正の整数である、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項3】
前記DACが、所定の無線周波数を生成するように構成されたDC DAC及び無線周波数DACを含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項4】
前記クロックと前記遅延線との間に結合された一次バッファを更に備える、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項5】
前記遅延選択機構の後に配置された二次バッファを更に備える、請求項1又は4に記載のプロセッサ。
【請求項6】
第2の一次バッファと、
前記第2の一次バッファに結合されており、各々が、t未満の異なる遅延を入力するように構成された第2の複数の遅延と、
第2のDACに対する前記遅延を選択するように構成された第2の遅延選択機構と、を更に備え、
前記第2の遅延線の各々による前記遅延が、前記期間tの1未満の異なる端数である、請求項1又は4に記載のプロセッサ。
【請求項7】
コントローラを更に備え、前記コントローラが、遅延線を選択するように前記遅延選択機構を制御する、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項8】
各DAC及び電極が、対応する一次バッファと、複数の遅延線と、遅延選択機構とを有し、前記クロックが、同じタイミング信号を各一次バッファに出力する、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項9】
トラップされたイオンを更に備える、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセッサを備える量子コンピュータ。
【請求項11】
イオントラップ型量子プロセッサでタイミング信号を生成するための方法であって、前記イオントラップ型量子プロセッサが、電極に各々結合された複数のDACを有するイオントラップを備え、前記イオントラップが、期間tの運動トラップ周波数を有し、前記方法が、
期間Tのクロック信号を生成することと、
複数の線でt未満の複数の遅延を生成することであって、前記遅延の各々が、tの1未満の異なる端数である、生成することと、
前記遅延のうちの1つを選択し、かつ前記クロック信号に追加することと、
修正されたクロック信号を前記複数のDACのうちの1つに送信することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記DACが、DC DAC及びRF DACを含み、前記方法は、前記DC DACがDC信号を複数の前記電極に印加することと、前記RF DACがRF信号を複数の前記電極に印加することと、を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高精度タイミングイオントラップ量子コンピュータを提供することに関する。
【発明の概要】
【0002】
一般に、いわゆる「古典的計算」とは異なり、量子計算は、データを生み出すか又は変更するための粒子又は物質の量子力学的特性に依存する。データは、2つの状態量子力学的システムである量子ビット又は「キュービット」によって表され得る。古典的計算とは異なり、キュービットは量子状態の重ね合わせであり得る。量子計算の別の特徴は、1つの粒子又は原子の状態が別の粒子又は原子によって影響を受けるキュービット間のもつれである。
【0003】
量子力学的キュービットは、ゼロと1との組み合わせとして情報を同時に符号化することができる。このような特性により、古典的コンピュータでは伝統的に困難であった数多くの複雑な数値アプリケーションが可能になる。例としては、人工知能、画像処理及び認識、暗号、又は安全な通信などが挙げられる。
【0004】
イオン超微細電子状態(Zeeman分割状態)内では、磁界の使用、及び異なるキュービット状態として使用される異なる電子レベル、及びマイクロ波放射又はレーザーを使用してレベル間を移動する電子によって明らかにすることができる。
【0005】
イオントラップ量子コンピュータ(量子荷電結合デバイス)では、イオントラップは、量子計算で使用されるイオンを制御するために使用され得、表面電極は、自由空間に浮遊するイオンを操作及びトラップするための電界を生成するために使用される。イオントラップの表面電極電位は、次々にDACによって制御される。最先端の量子コンピュータは、同じタイプの多くのDAC、例えば、1MHzを超える更新レートを有する16ビットDACを使用する。
【0006】
各個々の電極は、独立して制御可能であり、各電極は、それに結合された対応するDACを有する。電極電圧を設定するタイミングを慎重に制御する必要があり、DAC信号のタイミングが慎重に制御されることを確実にするようにクロック信号が各DACに送信される。
【0007】
量子システム内のクロック信号は、多くの場合、1MHzのレートで更新される。したがって、電極への信号は、1μsごとにのみ更新され得る。しかしながら、非断熱的な運動については、10-6sごとよりも高い精度で信号を更新する必要がある。
【0008】
非断熱的なシャトリングのために、電極電圧は、イオン振動相に合致するように、又はイオンに運動量のインパルスを正確に追加若しくは除去するような方法で、一度に印加されなければならない。電極電圧が正しい時間に印加されない場合、追加的な振動が生じ、ひいては、運動ノイズが発生する。
【0009】
したがって、本発明の目的は、低減された運動ノイズでの非断熱的なシャッタリングを可能にすることである。
【0010】
本発明によれば、イオントラップ量子プロセッサが提供され、イオントラップ量子プロセッサは、複数のDACを備えるイオントラップであって、各々が電極に結合されており、イオントラップが、期間tの運動(永年)トラップ周波数を有する、イオントラップと、期間tTのタイミング信号を出力するクロックと、クロックに結合されており、各々が、t未満の異なる遅延を入力するように構成された複数の遅延線と、複数のDACのうちの1つに結合されており、遅延を選択するように構成された遅延選択機構と、を備え、遅延線の各々による遅延が異なる。
【0011】
遅延は、任意のイオンに対するトラップ周波数の期間よりも短いように、10μs未満、又は好ましくは2μs未満であり得る。
【0012】
遅延は、期間tの端数(1未満)であり得る。代替的に、これは、期間Tの端数(1未満)であり得る。これにより、異なる遅延が可能になり、これは、好ましくは、選択されるべきトラップ周波数の期間の端数である。プロセッサは、特定のイオンのイオントラップであるように構成され得る。一実施例として、イオントラップが、イッテルビウムイオンのイオントラップであるように構成されており、遅延が、イッテルビウムイオンのトラップ周波数の端数である場合がある。
【0013】
n個の遅延線が存在し得、各遅延線は、tx/nの異なる遅延を有し、式中、xは、0~n-1の正の整数である。代替として、特定のクロック信号線に対する遅延の非線形配置があり得る。
【0014】
遅延選択機構は、正確に時間制限された電圧を印加するように電極に結合されている第1のDACに結合される。クロックと遅延線との間に結合された一次バッファがあり得る。追加的に、遅延選択機構の後に配置された二次バッファがあり得る。
【0015】
各クロック信号線は、一次バッファと、一次バッファに結合されており、各々が、t未満の異なる遅延を入力するように構成された複数の遅延線と、特定のDACの遅延を選択するように構成された遅延選択機構と、を備え得る。各クロック信号線は、中央クロックからクロック信号を受信する。
【0016】
コントローラがあることが好ましく、コントローラは、各クロック信号線内の遅延線を選択するように遅延選択機構を制御する。
【0017】
各DAC及び電極は、対応する一次バッファと、複数の遅延線と、遅延選択機構とを有し得、クロックは、同じタイミング信号を各一次バッファに出力する。プロセッサは、量子コンピュータの一部を形成し得る。
【0018】
本発明によれば、イオントラップ型量子プロセッサでタイミング信号を生成するための方法が提供され、イオントラップ型量子プロセッサは、電極に各々結合された複数のDACを有するイオントラップを備え、イオントラップは、期間tの運動トラップ周波数を有し、方法は、期間Tのクロック信号を生成することと、複数の線でt未満の複数の遅延を生成することであって、遅延の各々が、tの1未満の異なる端数である、生成することと、遅延のうちの1つを選択して、クロック信号に追加することと、修正されたクロック信号を複数のDACのうちの1つに送信することと、を含む。
【0019】
DACは、DC DAC及びRF DACを含み得、方法は、DC DACがDC信号を複数の電極に印加することと、RF DACがRF信号を複数の電極に印加することと、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明と関連して使用される電極のアレイを示す。
【0021】
図1を参照すると、本発明と関連して使用される電極の例示的な配置がある。
図1は、イオントラップ型量子コンピュータ10におけるx接合デバイス12を示す。x接合12は、x接合デバイス12の領域にイオンをトラップするように構成された複数の電極22を備える。各電極22は、DACによって駆動されて、x接合デバイス12の領域の機能を実行する。x接合デバイス12は、領域に分割される。x接合デバイス12の領域は、各領域で実行される機能に応じて、結晶オペレーション14、接合シャトリング16、論理領域/ゲートゾーン18、及びリニアシャトリング20に分割され得る。
【0022】
x接合は、北セクション(
図1に示すような中央の上方)、東セクション(
図1に示すような中央の右)、南セクション(
図1に示すような中央の下方)、及び西セクション(
図1に示すような中央の左)の4つのセクションに分割される。セクション内にイオンがない場合、電極のうちのいずれにも信号は印加されない場合がある。代替的に、信号があり得るが、信号の変化はない。同様に、イオンが左から中央へとシャトリングされている場合、北東又は南のセクションの電極に信号は印加されない場合がある。
【0023】
イオントラップは、三次元におけるイオンの位置を制御するために、それぞれの電極に信号を印加するDC DAC及び無線周波数(RF)DACの両方を備える。DC DACに結合された電極は、長手方向のイオンの位置を制御し、RF DACに結合された電極は、軸方向のイオンの位置を制御する。RF電極は、典型的に、10~40MHzの信号を放出する。
【0024】
無線周波数信号は、軸方向トラップ周波数を生成する10~40MHzの範囲内であり得る。例えば、これは3MHzであり得る。
【0025】
DC DACは、最大電圧Vdacを有する。DC電極の使用可能な(又は最大)範囲は、十分に作り出された電位の勾配を制御し、ひいては、イオンが長手方向に物理的に振動する周波数である、(特定のタイプのイオンに対する)運動トラップ周波数を制御する。これはまた、永年周波数と呼ばれ得る。典型的な運動トラップ周波数は、100~1000kHzの範囲内であり得、例示的な実施例は、500kHzであり得る。運動トラップ周波数の期間は、tによって与えられる。したがって、運動トラップ周波数は、長手方向の電圧勾配によって制御される。
【0026】
イオントラップは、特定のイオンに対して構成され得る。使用されるイオンの例は、171Yb+、40Ca+、43Ca+、9Be+、Sr+、Hg+である。イオントラップは、特定のイオンに対して構成され得る。代替的に、イオントラップは、任意のタイプのトラップされたイオンに対する運動トラップ周波数の端数である、10μs未満又は2μs未満の遅延で構成され得る。
【0027】
図2は、本発明によるクロック信号線200を示す。クロック50は、クロック信号を生成する。この実施例では、クロック周波数は、100kHzであるが、代替的なクロック周波数は、アプリケーションに従って使用され得る。クロック信号は、パルス信号であるが、他の信号を使用することができる。
【0028】
クロック信号は、バッファ21に供給され、次いで、複数のクロック遅延線220、221、222、223に分割される。これらのクロック遅延線の各々は、運動トラップ周波数tの期間の端数である遅延を導入する。本実施形態では、第1の遅延線220は、遅延を生じさせず、第2の遅延線221は、0.5μsの遅延を導入し、第3の遅延線は、1μsの遅延を導入し、第3の遅延線は、1.5μsの遅延を導入する。運動トラップ周波数の端数である遅延を使用することにより、信号をトラップ振動上の特定の点に同期させることが可能になり、ひいては、イオントラップ型キュービットに付与された任意の信号を、イオントラップ型キュービットの振動に対して正確に時間設定することができる。適切な遅延を使用することにより、任意のゲート機能が、非断熱的に適用されることを確実にすることができる。
【0029】
本実施形態は、4つの遅延線を使用するが、正しい遅延を生成するために、任意の数の遅延線を使用することができる。本実施形態では、異なる遅延線によって導入される遅延は、均等に分割される、すなわち、期間tの運動トラップ周波数を有するシステムで動作するn個の遅延線の場合、各遅延線は、0≦x≦n-1に対して(x/n)tの遅延を有する。しかしながら、遅延の代替的な非線形分布を使用することができ、必要に応じて異なる遅延を選択することができる。例えば、非断熱的な適用のために5t/7の遅延が必要な場合である。
【0030】
次に、どの遅延線が使用され、かつ第2のクロックバッファ24に送信されるかを選択する、遅延セレクタ23がある。遅延セレクタは、どの遅延線が選択されるかを制御するコントローラ60によって制御される。
【0031】
結果として生じる遅延クロック信号は、電極26を制御するDAC25に送信される。
【0032】
図3は、単一のクロック50信号が2つの異なるクロック信号線に送信される配置を示す。第1のクロック信号線200は、4つのクロック遅延線(
図2に示すように)を有し、第2のクロック信号線300は、0、0.4μs、0.8μs、1.2μs、及び1.6μsの遅延を伴う5つのクロック遅延線320、321、322、323、324を有する。
【0033】
各クロック信号線は、第1のバッファ21、31及び遅延セレクタ23、33を有する。各線の遅延セレクタは、コントローラ60によって制御される。コントローラ60は、各クロック信号線を独立して制御する。
【0034】
各クロック信号線制御は、電圧信号を異なる電極26、36に送信する異なるDAC25、35に信号を送信する。同じクロック信号が使用されるが、異なる端数遅延を異なるクロック信号線に適用することができ、ひいては、異なるタイミングを異なる電極に適用することができる。例えば、イオンがゲートゾーン間でシャトリングされている場合、異なるタイミングをイオンの経路に沿って異なる電極に適用する必要がある。本発明は、(クロック信号によって許容されるものよりも高い精度までの)正確なタイミングを、各電極に適用し、したがって、トラップされたイオンに適用することを可能にする。
【0035】
遅延線の数が多いほど、クロック信号線に、より異なるタイミング遅延を適用することができる。より多くの遅延線は、より多くの異なる正確なタイミングの可能性をもたらし得るが、代替案は、使用される遅延を伴うクロック遅延線のみを含むことである。例えば、
図1は、一連の電極を示し、経路に沿った各電極のクロック信号線に異なる遅延を使用することができる。
【0036】
上述の実施形態は、遅延線の後に配置された遅延セレクタを使用する。しかしながら、代替案は、第1のバッファと遅延線との間に遅延セレクタを配置することであり、これにより、クロック信号が常に全ての遅延線に送信されることが回避され、システム内のノイズを低減することになる。
【0037】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」は、他方を有する、又は有さない2つの特定の特徴又は構成要素の各々の特定の開示として取られるべきである。例えば、「A及び/又はB」は、各々が本明細書に個別に記載されているかのように、(i)A、(ii)B、及び(iii)A及びBの各々の特定の開示として取られるべきである。
【0038】
文脈が別途指示しない限り、上述の特徴の説明及び定義は、本発明の任意の特定の態様又は実施形態に限定されず、記載される全ての態様及び実施形態に等しく適用される。
【0039】
当業者であれば、本発明はいくつかの実施形態を参照して例として説明されているが、更に理解するであろう。開示された実施形態に限定されず、代替的な実施形態は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく構築され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオントラップ量子プロセッサであって、
複数のDACを備えるイオントラップであって、各々が、対応する電極に結合されており、前記イオントラップが、期間tの運動トラップ周波数を有する、イオントラップと、
期間Tのタイミング信号を出力するクロックと、
前記クロックに結合されており、各々が、t未満の異なる遅延を入力するように構成された複数の遅延線と、
前記複数のDACのうちの1つに結合されており、前記遅延を選択するように構成された遅延選択機構と、を備え、
前記遅延線の各々による前記遅延が、前記期間tの1未満の異なる端数である、プロセッサ。
【請求項2】
n個の遅延線を備え、各遅延線が、tx/nの異なる遅延を有し、式中、xが、0~n-1の正の整数である、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項3】
前記DACが、所定の無線周波数を生成するように構成されたDC DAC及び無線周波数DACを含む、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項4】
前記クロックと前記遅延線との間に結合された一次バッファを更に備える、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項5】
前記遅延選択機構の後に配置された二次バッファを更に備える、請求項1又は4に記載のプロセッサ。
【請求項6】
第2の一次バッファと、
前記第2の一次バッファに結合されており、各々が、t未満の異なる遅延を入力するように構成された第2の複数の遅延と、
第2のDACに対する前記遅延を選択するように構成された第2の遅延選択機構と、を更に備え、
前記第2の遅延線の各々による前記遅延が、前記期間tの1未満の異なる端数である、請求項1又は4に記載のプロセッサ。
【請求項7】
コントローラを更に備え、前記コントローラが、遅延線を選択するように前記遅延選択機構を制御する、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項8】
各DAC及び電極が、対応する一次バッファと、複数の遅延線と、遅延選択機構とを有し、前記クロックが、同じタイミング信号を各一次バッファに出力する、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項9】
トラップされたイオンを更に備える、請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセッサを備える量子コンピュータ。
【請求項11】
イオントラップ型量子プロセッサでタイミング信号を生成するための方法であって、前記イオントラップ型量子プロセッサが、電極に各々結合された複数のDACを有するイオントラップを備え、前記イオントラップが、期間tの運動トラップ周波数を有し、前記方法が、
期間Tのクロック信号を生成することと、
複数の線でt未満の複数の遅延を生成することであって、前記遅延の各々が、tの1未満の異なる端数である、生成することと、
前記遅延のうちの1つを選択し、かつ前記クロック信号に追加することと、
修正されたクロック信号を前記複数のDACのうちの1つに送信することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記DACが、DC DAC及びRF DACを含み、前記方法は、前記DC DACがDC信号を複数の前記電極に印加することと、前記RF DACがRF信号を複数の前記電極に印加することと、を含む、請求項
11に記載の方法。
【国際調査報告】