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特表2024-531661有機組織を配置するためのデバイスおよび関連する装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】有機組織を配置するためのデバイスおよび関連する装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/425 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61B17/425
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515582
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 IB2022058418
(87)【国際公開番号】W WO2023037262
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021000023285
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524090792
【氏名又は名称】イエッレチチエッセ・アジェンダ・オスペダリエーロ-ウニヴェルシターリア・ディ・ボローニャ
(71)【出願人】
【識別番号】517405334
【氏名又は名称】アルマ マータ ストゥディオールム-ウニヴェルシタ ディ ボローニャ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パオロ・カザディオ
(72)【発明者】
【氏名】レナト・セラッチオリ
(72)【発明者】
【氏名】ディエゴ・ライモンド
(72)【発明者】
【氏名】ベネデッタ・オルシーニ
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ・アレーナ
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・ラッフォネ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160HH02
(57)【要約】
有機組織(2)、特に内分泌組織を配置するためのデバイス(1)であって、これは、有機組織(2)の少なくとも一部を座部(5)に収容するように構成された中空の管状ベース要素(3)と、ベース要素(3)の内側に挿入することができ、または挿入され、摺動式にこれに結合することができる、または結合されている押し要素(14)とを含み、ベース要素(3)は、標的組織(8)に少なくとも部分的に貫入するように構成され、ベース要素(3)は第1の開口(15)をさらに含み、これは第1の端部(6)に向かって遠位ゾーン(DZ)に配置され、押し要素(14)の作用を通して有機組織(2)を外に出し、したがって、標的組織(8)に配置するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機組織(2)、特に内分泌組織を配置するためのデバイス(1)であって、
配置されるべき前記有機組織(2)の少なくとも一部を座部(5)に収容するように構成された主要ダクト(4)をその内側に含む中空の管状ベース要素(3)であって、第1の端部(6)と、前記主要ダクト(4)に対して前記第1の端部とは反対側の第2の端部(7)とを含む、中空の管状ベース要素(3)と、
前記ベース要素(3)の内側に挿入することができ、または挿入され、摺動式に前記ベース要素(3)に結合することができる、または結合されている押し要素(14)とを含み、
前記ベース要素(3)は、標的組織(8)に少なくとも部分的に貫入するように構成され、
前記ベース要素(3)は第1の開口(15)をさらに含み、前記第1の開口(15)は前記第1の端部(6)に向かって遠位ゾーン(DZ)に配置され、前記押し要素(14)の作用を通して前記有機組織(2)を外に出し、前記標的組織(8)に配置するように構成されている、
デバイス(1)。
【請求項2】
前記有機組織(2)のための保護要素(16)を含み、前記保護要素(16)は、前記ベース要素(3)が前記標的組織(8)に向かって貫入する間に前記有機組織(2)を保護するように構成され、特に前記保護要素(16)は、前記有機組織(2)を前記標的組織(8)に配置することを部分的または全体的に妨げる閉構成であって、特に前記閉構成にある前記保護要素(16)が少なくとも部分的に、特に、全体的に、前記第1の開口(15)を閉じる、閉構成を少なくともとり、好ましくは、前記保護要素(16)により前記有機組織(2)を出す、したがって、前記標的組織(8)に配置することが可能になる開構成をとるように構成されている、請求項1に記載のデバイス(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの注入デバイス(17)を含み、前記注入デバイス(17)は、前記標的組織(8)内へ培養液(18)を注入するように構成され、前記培養液(18)は、前記標的組織(8)における前記有機組織(2)の活性を強化するように構成され、特に、前記注入デバイス(17)は、前記主要ダクト(4)の内側に内部チャネル(19)を含み、これを通って前記培養液(18)が流れ、前記注入デバイス(17)は、前記有機組織(2)の配置前および/または配置後および/または配置中に操作されるように構成されている、請求項1または2に記載のデバイス(1)。
【請求項4】
前記押し要素(14)は、ピストン(21)を備えた押し部材(20)を含み、前記押し部材(20)は、少なくとも部分的に長手方向に前記ベース要素(3)を通り、前記ピストン(21)と前記ベース要素(3)との間の相対移動に続いて少なくとも前記第1の開口(15)を通して前記有機組織(2)を押すように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項5】
前記押し要素(14)は培養液(18)であり、前記培養液(18)は、少なくとも部分的に長手方向に前記主要ダクト(4)を通って流れ、前記培養液(18)と前記ベース要素(3)との間の相対移動に続いて少なくとも前記第1の開口(15)を通して前記有機組織(2)を押すように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項6】
前記第1の開口(15)は、前記ベース要素(3)の長手軸(A)に対して交差する方向に前記有機組織(2)を出すように前記ベース要素(3)の側壁(22)に沿って配置され、特に、前記第1の開口(15)は前記長手軸(A)に平行である、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項7】
前記第1の開口(15)は、前記ベース要素(3)の長手軸(A)に対して交差する方向または平行に前記有機組織(2)を出すように前記第1の端部(6)の領域に配置され、特に、前記第1の開口(15)は前記主要ダクト(4)の連続部として画定されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項8】
前記ベース要素(3)は外殻(23)を画定し、前記有機組織(2)のための前記保護要素(16)は、中空の管状内殻(24)によって少なくとも部分的に画定され、前記中空の管状内殻(24)は前記外殻(23)の内側に同心状に配置され、配置されるべき前記有機組織(2)の前記少なくとも一部および前記押し要素(14)を収容するように構成され、前記内殻(24)は第2の開口(25)を含み、前記第2の開口(25)は前記遠位ゾーン(DZ)で利用可能であり、前記第1の開口(15)に向かって前記有機組織(2)を外に出すように構成され、前記内殻(24)は、前記第1の開口(15)と前記第2の開口(25)が互いに相補的になり、したがって前記標的組織(8)における前記内殻(24)の内側と前記外殻(23)の外側との間の接続を決定するように、長手軸(A)に沿って少なくとも部分的に並進することおよび/または長手軸(A)の周りを回転することが可能である、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項9】
前記内殻は、有機材料および/または培養液(18)を含むように構成されたカップ状本体(26)を含む、請求項8に記載のデバイス(1)。
【請求項10】
前記主要ダクト(4)は、3mm以下である直径を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項11】
前記ベース要素(3)は、5mm未満である直径を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項12】
前記有機組織(2)のための前記保護要素(16)は、
- 前記ベース要素(3)の端壁(28)、および/または
- 前記第1の開口(15)の領域に配置され、前記標的組織(8)に向かう貫入中に前記主要ダクト(4)を閉じるように、そして続いてそれぞれの座部(5)内へ後退するように構成されている、後退可能要素(29)、および/または
- 前記第1の開口(15)の領域に配置され、前記標的組織(8)に向かう貫入中に前記主要ダクト(4)を閉じるように、そして解放システム(33)によって前記第1の開口(15)を解放するように構成されている、機械的弾性開口デバイス、および/または
好ましくは予め切断され、前記押し要素(14)によって開かれるように構成されている、膜(35)、および/または
前記開構成から前記閉構成に移行するように制御システム(38)によって制御される、形状記憶材料で作製された前記遠位ゾーン(DZ)の領域における前記ベース要素(3)の一部(37)、および/または
前記座部(5)を画定するカップ状本体(26)の一部
によって画定される遮断体(27)を含む、請求項2から11のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項13】
前記座部(5)は、術者によって前記有機組織(2)を装填可能である、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項14】
前記ベース要素(3)の前記第1の端部(6)は、前記標的組織(8)を少なくとも部分的に穿刺するための切断輪郭を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイス(1)および前記座部(5)に収容された有機組織(2)の一部を含む、有機組織(2)を配置するための装置(40)。
【請求項16】
培養液(18)のための注入システム(41)を含み、前記注入システム(41)は、前記第2の開口(25)から、前記主要ダクト(4)および前記第1の開口(15)を通して、前記標的組織(8)に向かって前記培養液(18)を注入するように構成されている、請求項15に記載の装置(40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この特許出願は、2021年9月9日に出願されたイタリア特許出願第102021000023285号の優先権を主張するものであり、その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、有機組織を配置するためのデバイスおよび関連する装置に関する。
【0003】
特に、本発明は、内分泌組織、特に卵巣の同所性または異所性の配置に有利であるが、排他的ではない用途を見出すものであり、これに次の説明はそれによって一般性を失うことなく明示的に言及する。
【背景技術】
【0004】
生殖能力および卵巣機能を維持するための生殖医療の分野において、不妊症および/または早発閉経の潜在的な原因である(病態自体は既知であり、したがってここではさらに詳説しない)、卵巣機能の少なくとも部分的な抑制を、複数の場合において、決定する、たとえば、腫瘍学的療法を受けている患者に卵巣組織を再移植するための技術が知られている。
【0005】
ここ数年、卵巣機能の抑制のリスクを伴う腫瘍学的療法を受けることを待っている患者には通常、卵巣組織の予防的生検が行われ、これは凍結保存によって保存される。化学および/または放射線療法の終了時、患者は以前に採取された組織の再移植を受けることがあり、続いてホルモンおよび配偶子形成(特に卵形成)機能が回復する。
【0006】
詳細には、平均余命の増加を考慮すると、腫瘍学的妊孕性の分野、すなわちがん治療を受けている患者の生殖能力を保護することを目的とする生殖医療という関心領域に特に注意を払いながら、前述のタイプの患者に生活の質の改善を保証することが重要である。特に、卵巣組織の凍結保存はこの文脈で重要な役割を果たしており、現在このタイプの患者におけるホルモン機能および生殖能力を保存する主な方法である。
【0007】
詳細には、先行技術によれば、腫瘍学的療法の終了時、以前に採取された卵巣組織が、内視鏡によって同所的に(すなわち後腹膜骨盤腔の領域に)、または経皮的切開ルートによって異所的に(たとえば皮下組織に)再移植される。
【0008】
したがって、経皮的切開アプローチの場合と、開腹/内視鏡的アプローチ(たとえば腹腔鏡)の場合の両方において、鎮痛/麻酔技術を使用せねばならない(既知の関連するリスク、入院の可能性、ならびに患者のためおよび/または医療システムのための費用を伴う)。
【0009】
また、既知の技術による方法は、無視できない外科的リスクを提示し、これはしばしば患者に強い心理的影響も引き起こす(たとえば手術自体および/またはその結果生じ得る美的結果に起因する)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上述の欠点を少なくとも部分的になくし、同時に、製造が簡単で安価な、有機組織を配置するためのデバイスおよび関連する装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、次の独立請求項において、そして好ましくは、独立請求項に直接的または間接的に従属する請求項のいずれか1つにおいて特許請求されているような、有機組織を配置するためのデバイスおよび関連する装置が提供される。
【0012】
特許請求の範囲は、本開示の不可欠な部分を形成する本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0013】
本発明を次に、そのいくつかの非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による経皮使用のためのデバイスの第1の変形例を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図2】本発明による内視鏡使用のためのデバイスの第2の変形例を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図3a】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第1の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図3b】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第1の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図3c】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第1の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図3d】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第1の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図3e】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第1の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図3f図3a~図3eの実施形態の下方からの図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図4a】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第2の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図4b】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第2の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図4c】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第2の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図4d】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第2の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図5a】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第3の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図5b】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第3の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図5c】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第3の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図5d】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第3の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図6a】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第4の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図6b】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第4の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図6c】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第4の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図6d】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第4の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図7a】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第5の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図7b】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第5の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図7c】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第5の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図8a】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第6の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図8b】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第6の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図8c】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第6の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図8d】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第6の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図8e】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第6の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図9a】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第7の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図9b】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第7の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図9c】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第7の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図9d】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第7の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図10a】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第8の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図10b】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第8の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図10c】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第8の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
図10d】異なる動作構成における本発明によるデバイスの第8の実施形態の側断面図を、明確にするために詳細を除去して概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面を参照すると、番号1は、有機組織2を配置するためのデバイスを示す。
【0016】
特に、有機組織2は内分泌組織であり、すなわちホルモンの生産に適した腺/器官に属する。たとえば、有機組織2は、卵巣、膵臓、または甲状腺組織である。
【0017】
次の説明において、図中の同じ番号および同じ符号は、同じ機能を備えた同じ要素または構成要素を特定する。
【0018】
この開示の文脈において、「第2の」構成要素という用語は「第1の」構成要素の存在を意味するものではない。これらの用語は実際には、明確さを向上させる符号として使用され、限定的に理解されるべきではない。
【0019】
図面を含む、さまざまな好ましい実施形態に示される要素および特徴は、以下に説明するような本出願の保護の範囲からそれによって逸脱することなく互いに組み合わせることができる。
【0020】
デバイス1は中空の管状ベース要素3を含み、これは、その内側に、患者Pに配置/移植されるべき有機組織2の少なくとも一部を座部5に収容するように構成された主要ダクト4を形成する。ベース要素3は、端部6と、主要ダクトに対して端部6とは反対側の端部7とを含む。
【0021】
有利には、ベース要素3は、標的組織8に少なくとも部分的に貫入するように構成されている。
【0022】
好ましくは、限定するものではないが、ベース要素3の端部6は、標的組織8を覆う組織に少なくとも部分的に(特に完全に、したがって交差して)穿刺するための切断輪郭を含む。
【0023】
好ましくは、限定するものではないが、ベース要素3の端部6は、標的組織8に少なくとも部分的に穿刺するための切断輪郭を含む。
【0024】
特に、ベース要素は針要素であり、すなわち、患者Pの組織に穿刺して(最小の外傷で)、患者Pに配置/移植されるべき有機組織2が堆積されるべき部位に到達することができる切断輪郭を得るために、先端(端部6での)が斜めに切断されている。このように、有機組織2を所望の位置に堆積することができるように、標的組織8(および標的組織8自体の一部)を覆う組織(たとえば皮膚組織)を事前に切断する必要を回避することが可能であり、したがって患者Pについての感染および/または欠陥のリスクが減少する。
【0025】
図1の非限定的な実施形態によれば、デバイス1は経皮で使用するように構成され、標的組織8は皮下組織9であり、これは皮膚10の一部と筋肉組織11の一部との間(特に皮膚10と筋腱膜との間)の空間を含む(空間である)。
【0026】
しかしながら、図2の非限定的な実施形態において、デバイス1は内視鏡で使用するように構成され、標的組織8は好ましくは腹膜12の一部の下方に、特に後腹膜骨盤腔13の領域に(より具体的には卵巣窩の領域に)ある。
【0027】
特に、デバイス1は術者Oによって制御され、術者Oは、ビデオカメラのOC光学系(それ自体は既知であり、したがってさらには詳説しない)を利用して(または、経皮配置の場合にはこれなしで)手術を実行する。
【0028】
明らかに、経皮使用のためのデバイス1の寸法と内視鏡使用のためのデバイス1の寸法は異なっていてもよく、特に2つの使用モードによって許容される異なる寸法に照らして長さおよび直径が変わる。特に、経皮使用のためのデバイス1は、内視鏡使用のためのデバイス1より小さい少なくとも1つの寸法を有する。
【0029】
いくつかの非限定的な場合において、ベース要素3は実質的に円形の断面を有し、他の非限定的な場合において、配置されるべき有機組織2(通常はストリップとして供給される)の寸法(幅)を増大させるため、ベース要素3は楕円形の断面を有する。
【0030】
有利には、デバイス1は押し要素14をさらに含み、これは、ベース要素3の内側に(特に端部7から)挿入することができ、または挿入され、長手軸Aに沿って摺動式にこれに結合されている。
【0031】
さらに、デバイス1は、端部6に向かって遠位ゾーンDZに配置されている開口15を含む。開口15は、押し要素14の作用を通して有機組織2を外に出し、したがって標的組織8に配置するように構成されている。
【0032】
特に、押し要素14は、開口15が標的組織8内の所望の点に到達すると有機組織2を配置するように術者O(たとえば、外科医)によって操作可能である。
【0033】
好ましくは、デバイス1は、デバイス1(すなわちベース要素3)が標的組織8に向かって貫入する間に有機組織2を保護するように構成されている有機組織2のための保護要素16を含む。特に、保護要素16は、少なくとも部分的に、特に全体的に、開口15を閉じる少なくとも1つの閉構成(たとえば、図3a、図3b、図4a、図4b、図5a、図5b、図6a、図7a、図8a、図8b、図9a、図10aおよび図10bに示す)、および(好ましくは)、保護要素16により有機組織2を出す、したがって、標的組織8に配置することが可能になる開構成(たとえば、図3c~図3f、図4c~図4d、図5c~図5d、図6c~図6d、図7b~図7c、図8c~図8e、図9c~図9d、図10c~図10dに示す)をとるように構成されている。このように、標的組織8に向かう貫入中、有機組織2が損傷すること、またはその正しい配置が妨げられることを防止することが可能であり、脂肪および/または他の軟組織が主要ダクト4内に進入することを防止する。
【0034】
有利には、必要ではないが、デバイス1は、標的組織8における有機組織2の活性および/または再生を強化し、移植を強化するように構成されている、培養液18(既知の組成のものであり、したがって以下でより詳説しない)を標的組織8内へ注入するように構成されている少なくとも1つの注入デバイス17を含む。
【0035】
特に、注入デバイス17は、培養液18が流れる主要ダクト4の内側にチャネル19を含む。いくつかの非限定的な場合において、内部チャネル19は主要ダクト4自体によって画定される。図7a~図7cおよび図10a~図10dに示すもののような他の非限定的な場合において、内部チャネル19は主要ダクト4から独立しており、特にこれは、主要ダクト4より小さく、好ましくは主要ダクト4自体と同心円状に配置される直径を有する。このように、開口15を通して有機組織2を押す所望の圧力を達成することができる。
【0036】
有利には、必要ではないが、注入デバイス17は、有機組織2の配置前および/または配置後および/または配置中に操作されるように構成されている。このように、適切なハウジングを標的組織8の内側に作成して有機組織2を収容することができる。
【0037】
いくつかの非限定的な実施形態、たとえば図3a~図6dおよび図8a~図9dに示す実施形態によれば、押し要素14は、ピストン21を備えた押し部材20を含み、これは少なくとも部分的に長手方向に(すなわち軸Aに沿って)ベース要素3を通り、ピストン21とベース要素3との間の相対移動に続いて開口15を通して有機組織2を押すように構成されている。換言すれば、押し部材20は、組織2に力を加え、これをベース要素3から開口15を通して標的組織8内へ押し出すように術者Oによって操作可能な機械的要素である。
【0038】
他の非限定的な実施形態、たとえば図7a~図7cおよび図10a~図10dに示す実施形態によれば、押し要素14は培養液18によって画定され、これは少なくとも部分的に長手方向に(すなわち軸Aに沿って)主要ダクト4を通って(特に内部チャネル19を通って)流れ、培養液18とベース要素3との間の相対移動に続いて開口15を通して有機組織2を押す(液圧で)ように構成されている。換言すれば、押し部材によって実行される上の押し機能はこの場合、培養液18によって液圧で行われ、これは、注入デバイス17によって加えられる圧力を受けて、組織2に力を加え、これをベース要素3から開口15を通して標的組織8内へ押し出す。このように、デバイス1は機械的に単純であり、同時に培養液18を通して有機組織2の機能を促進する。
【0039】
さらなる非限定的な例示しない実施形態によれば、押し要素14は押し部材20および記載のような培養液18の両方を含む。
【0040】
図3a~図3fおよび図7a~図7cに示すもののようないくつかの非限定的な場合において、開口15は、ベース要素3の長手軸Aに対して交差する方向に有機組織2を出すようにベース要素3の側壁22に沿って配置されている。特に、開口15は長手軸Aに平行である。
【0041】
代わりに(図4a~図6dおよび図8a~図9d)、または加えて(図10a~図10d)、開口15は、ベース要素3の長手軸Aに対して交差する方向(図10a~図10d)または平行(図4a~図6dおよび図8a~図9d)に有機組織2を出すように端部6の領域に配置されている。特に、開口15は主要ダクト4の連続部として画定されている。換言すれば、開口15は針の先端である。
【0042】
いくつかの非限定的な図示しない場合において、有機組織2は、同じ開口15を通して、または遠位ゾーンDZの領域に配置された異なる開口15を通して配置される異なる部分に分割されている。
【0043】
いくつかの非限定的な実施形態によれば、ベース要素3は外殻23を画定する。特に、有機組織2の保護要素16は、外殻23の内側に同心状に配置され、座部5(したがって配置されるべき有機組織2の部分)および押し要素14を収容するように構成されている中空の管状内殻24によって少なくとも部分的に画定されている。より正確には、内殻24は、遠位ゾーンDZで利用可能(開口15に向かって調整可能)であり、開口15に向かって有機組織2を外に出すように構成されている開口25を含む。
【0044】
特に、内殻24は、開口15と開口25が互いに相補的になり(すなわち対向し)、したがって標的組織8における内殻24の内側と外殻23の外側との間の接続を決定するように、長手軸Aに沿って並進することおよび/またはこれの周りを回転することが少なくとも可能である。換言すれば、好ましくは、このような実施形態において殻23および24は互いに離間され、すなわち、2つの自由度が与えられ、その1つは線形であり(長手軸Aに沿って相互に自由に摺動する)、1つは回転可能である(長手軸Aの周りで相互に自由に回転する)。
【0045】
有利には、必要ではないが、内殻24は端部7から外殻23の内側に挿入することができる。
【0046】
いくつかの非限定的な実施形態によれば、殻24はカップ状本体26を含み、これは、有機材料2および/または培養液18を含むように構成されている。このように、殻24を殻23の内側に挿入する前に、術者Oは、この場合は座部5を画定するカップ状本体26を、培養液18によって囲まれた有機材料2で充填する。
【0047】
有利には、必要ではないが、主要ダクトは、3mm以下(すなわち8以上のゲージ)、特に2mm未満(すなわち12以上のゲージ)、より具体的には、特に経皮使用の場合において、1.5mm未満(すなわち14以上のゲージ)、詳細には1mm未満(すなわち18以上のゲージ)である直径Dを有する。
【0048】
有利には、必要ではないが、ベース要素3は、5mm未満、特に3mm未満、より具体的には、特に経皮使用の場合において、2mm未満、詳細には1.5mm未満である直径を有する。
【0049】
有利には、必要ではないが、添付の図面の非限定的な実施形態に示すように、保護要素16は遮断体27を含む。
【0050】
図3a~図3fおよび図7a~図7cの非限定的な実施形態において、遮断体27はベース要素3の端壁28によって画定されている。特に、端壁28は、いかなる場合においてもデバイスが標的組織8内へ貫入することが可能になるよう、長手軸Aに対して傾斜しており、したがって鋭い輪郭を維持している。
【0051】
図4a~図4dの非限定的な実施形態において、遮断体27は、最初は開口15の領域に配置され、標的組織8に向かう貫入中に主要ダクト4を閉じるように、そして続いて、好ましくはベース要素3の側壁22の領域に得られるそれぞれの座部30内へ後退するように構成されている後退可能要素29によって画定されている。
【0052】
図5a~図5dおよび図8a~図8eの非限定的な実施形態において、遮断体27は、開口15の領域に配置され、標的組織8に向かう貫入中に主要ダクト4を閉じるように、そして解放システム33によって開口15を解放するように構成されている機械的開口デバイス31(弾性体32を含む)によって画定されている。図5a~図5dの非限定的な実施形態において、解放システム33はピン34によって画定され、これは術者Oのコマンドに応じて後退し、弾性体32を元の形状に戻し(図5cおよび図5d)、押し要素14を操作して有機組織2を出すことを可能にする。図8a~図8eの非限定的な実施形態において、解放システム33は押し要素14によって画定され、これにより、弾性体32を押すことによって、これが(固定)ピン34から解放され、弾性体32を元の形状に戻し(図8c~図8e)、押し要素14を操作して有機組織2を出すことが可能になる。
【0053】
有利には、必要ではないが、ピン34は、カップ状本体26のため、および/またはピストン21のためのエンドストップとしても作用する。
【0054】
図6a~図6dの非限定的な実施形態において、遮断体27は、好ましくは予め切断され、押し要素14によって開かれるように構成されている膜35によって画定されている。好ましくは、必要ではないが、膜35は、フラップ36へのその分離を容易にする1つまたは複数のV形状プレカットを有する。
【0055】
図9a~図9dの非限定的な実施形態において、遮断体27は、閉構成(図9a、標的組織の貫入中に維持される)から開構成(図9b~図9d、有機組織2を配置するための)に移行するように、制御システム38(特に熱または熱電)によって制御される(合金)形状記憶材料(形状記憶合金)で作製された遠位ゾーンDZの領域におけるベース要素3の部分37によって画定されている。
【0056】
図10a~図10dの非限定的な実施形態において、遮断体27は、座部5を画定するカップ状本体26の部分39によって画定されている。
【0057】
有利には、必要ではないが、同所性または異所性部位に組織を配置することを開始する直前に術者Oによって座部5に有機組織2および/または液体18を装填することができる。このように、有機組織2を容易に凍結保存し、配置後わずか数時間で室温に戻すことができる。
【0058】
いくつかの非限定的な場合において、デバイス1は再利用可能であり、座部5は複数回装填および再装填することができる。
【0059】
他の非限定的な場合において、デバイス1は使い捨てである。
【0060】
本発明のさらなる一態様によれば、前述のような少なくとも1つのデバイス1を含む有機組織2を配置するための装置40が提供される。
【0061】
特に、装置40は、座部5に収容された有機組織2の部分も含む。
【0062】
いくつかの非限定的な場合において、有機組織2は、それ(上記のように、たとえば、以前に回収および凍結保存された卵巣組織)を受け取るのと同じ患者Pに由来し、したがって自家移植が行われる。
【0063】
他の非限定的な場合において、有機組織2は、それを受け取る患者P以外の個人(たとえば、その有機組織2が健康で適合性がある)に由来し、したがって同種移植が行われる。
【0064】
有利には、必要ではないが、この装置は、培養液18のためのシステム41をさらに含み、これは、開口7から、または図3aに示すようにベース要素3のまたは内殻24の側壁22に配置されている開口から、主要ダクト4および開口15を通して、標的組織8に向かって液体18を注入するように構成されている。
【0065】
添付の図面に示すもののようないくつかの非限定的な実施形態によれば、デバイス1(すなわちベース要素3)は、特に長手軸Aに沿った直線構造を有する。
【0066】
他の非限定的な例示しない実施形態によれば、デバイス1(すなわちベース要素3)は、特に人間工学に基づいた、少なくとも部分的に湾曲した構造を有する。このような実施形態において、長手軸Aは主要ダクト4の中心対称の軸であり、特に湾曲している。換言すれば、軸Aの経路はデバイス1の湾曲した構造に従っている。
【0067】
特に、さらなる非限定的な場合において、デバイス1(すなわちベース要素3)は、遠位ゾーンDZの、すなわち端部6の領域において、部分的に直線(端部7の側で)および部分的に湾曲した、特に人間工学に基づいた構造を有する。
【0068】
使用中、術者Oは、(まだ準備ができていなければ)移植されるべき有機組織2、たとえば卵巣組織、および場合によっては培養液18を座部5に収容することによってデバイス1を準備する。続いて、同所性/内視鏡部位(図2)において、術者Oは、後腹膜骨盤腔13(特に卵巣窩の領域における)に到達するまで患者Pの腹壁に貫入することになり、腹膜12の下方で組織2を解放する。異所性/経皮的部位(図1)において、術者Oは、皮下組織9に到達するまで患者の皮膚に貫入することになり、そこで有機組織2を解放する。特に、有機組織2は、必要であれば、開口15を保護要素16から(すなわち遮断体から)外した後、術者Oによって押し要素14を操作することによって解放される。
【0069】
上述の本発明は非常に正確な実施形態の例を特に参照しているが、これは、このような実施形態の例に限定されるとみなされるべきではなく、たとえばデバイスの異なる寸法、異なるタイプの有機組織、異なるタイプの保護要素、異なる材料などのような、添付の特許請求の範囲によってカバーされるすべてのこれらの変形例、修正例または簡略例がその範囲内に入る。
【0070】
上述のデバイスおよび装置は多くの利点を有する。
【0071】
第一に、本発明により、経皮的アプローチを使用することによって、卵巣組織の異所性再移植に現在使用されている経皮的切開アプローチ(すなわち、標的組織へのアクセスを可能にする外科的切開での)を克服することが可能になる。
【0072】
さらに、同所性アプローチの場合において、デバイス1は、
- 内視鏡/腹腔鏡/ロボットで使用する(すなわち、既知の技術に従って、開腹術を実行することなく、腹壁に作製された小さな穴を通して、カメラ/光学系、および鉗子、はさみ、電気凝固器、縫合機、持針器などのような外科的器具を導入することによって外科手術を実行する)ことができ、したがって、現在使用されているより大きな数のアクセス(たとえば4つ)と比較して、2つのみの内視鏡/腹腔鏡/ロボットによるアクセス(それぞれデバイス1および光学系のための)を実行することが可能になり、または
- ビデオ支援経皮的ルートによって使用することができ、したがって、ビデオ光学システムの導入のための単一の内視鏡/腹腔鏡/ロボットによるアクセス(たとえば臍レベルでの)を実行することが可能になり、デバイス1を通して直接第2のアクセスを実現する。
【0073】
加えて、本発明により、入院の期間、処置の侵襲性を低減することが可能になり、患者にとってより良好な審美的結果が保証されるであろう。
【0074】
加えて、有機組織(たとえば卵巣)は、外傷を受けることが少ないであろうため、先行技術によるより損傷の程度が少ないであろう(デバイス1の内側に配置する以外は、鉗子で取り扱う必要がなく、これは、外科用機器によって標的組織に配置することと比較して極めて単純かつ繊細な動作で可能である)。
【0075】
本発明のさらなる利点は、医原性卵巣不全のリスクがあるがん治療を受けている出産適齢期の患者における卵巣組織の再移植を簡素化することにある。特に、デバイス1は、ホルモンサポートを延長するように、卵巣組織以外の内分泌組織の配置/解放に、または更年期患者における卵巣組織の再移植に使用することができる。
【0076】
有利には、既知の技術と比較して、この器具は組織2に非外傷性であり、患者に対して最小の侵襲性である(異所性アプローチには局所麻酔で十分であるほど)。特に、保護要素16の存在により、貫入中に有機組織2が損傷することを防止することが可能になり、脂肪および他の軟組織が主要ダクト内に進入することが回避される。
【0077】
最後に、既知の技術と比較して、特に異所性アプローチにおいて、デバイス1は追加の器具を必要とせずに個別に使用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 デバイス
2 有機組織
3 ベース要素
4 主要ダクト
5 座部
6 第1の端部
7 第2の端部
8 標的組織
9 皮下組織
10 皮膚
11 筋肉組織
12 腹膜
13 後腹膜骨盤腔
14 押し要素
15 第1の開口
16 保護要素
17 注入デバイス
18 培養液
19 内部チャネル
20 押し部材
21 ピストン
22 側壁
23 外殻
24 内殻
25 第2の開口
26 カップ状本体
27 遮断体
28 端壁
29 後退可能要素
30 座部
31 機械的開口デバイス
32 弾性体
33 解放システム
34 ピン
35 膜
36 フラップ
37 部分
38 制御システム
39 部分
40 装置
41 注入システム
A 長手軸
D 直径
DZ 遠位領域
O 術者
OC 光学カメラ
P 患者
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図9a
図9b
図9c
図9d
図10a
図10b
図10c
図10d
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機組織(2)、特に内分泌組織を配置するためのデバイス(1)であって、
配置されるべき前記有機組織(2)の少なくとも一部を座部(5)に収容するように構成された主要ダクト(4)をその内側に含む中空の管状ベース要素(3)であって、第1の端部(6)と、前記主要ダクト(4)に対して前記第1の端部とは反対側の第2の端部(7)とを含む、中空の管状ベース要素(3)と、
前記ベース要素(3)の内側に挿入することができ、または挿入され、摺動式に前記ベース要素(3)に結合することができる、または結合されている押し要素(14)とを含み、
前記ベース要素(3)は、標的組織(8)に少なくとも部分的に貫入するように構成され、
前記ベース要素(3)は第1の開口(15)をさらに含み、前記第1の開口(15)は前記第1の端部(6)に向かって遠位ゾーン(DZ)に配置され、前記押し要素(14)の作用を通して前記有機組織(2)を外に出し、前記標的組織(8)に配置するように構成されている、
デバイス(1)。
【請求項2】
前記有機組織(2)のための保護要素(16)を含み、前記保護要素(16)は、前記ベース要素(3)が前記標的組織(8)に向かって貫入する間に前記有機組織(2)を保護するように構成され、特に前記保護要素(16)は、前記有機組織(2)を前記標的組織(8)に配置することを部分的または全体的に妨げる閉構成であって、特に前記閉構成にある前記保護要素(16)が少なくとも部分的に、特に、全体的に、前記第1の開口(15)を閉じる、閉構成を少なくともとり、好ましくは、前記保護要素(16)により前記有機組織(2)を出す、したがって、前記標的組織(8)に配置することが可能になる開構成をとるように構成されている、請求項1に記載のデバイス(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの注入デバイス(17)を含み、前記注入デバイス(17)は、前記標的組織(8)内へ培養液(18)を注入するように構成され、前記培養液(18)は、前記標的組織(8)における前記有機組織(2)の活性を強化するように構成され、特に、前記注入デバイス(17)は、前記主要ダクト(4)の内側に内部チャネル(19)を含み、これを通って前記培養液(18)が流れ、前記注入デバイス(17)は、前記有機組織(2)の配置前および/または配置後および/または配置中に操作されるように構成されている、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項4】
前記押し要素(14)は、ピストン(21)を備えた押し部材(20)を含み、前記押し部材(20)は、少なくとも部分的に長手方向に前記ベース要素(3)を通り、前記ピストン(21)と前記ベース要素(3)との間の相対移動に続いて少なくとも前記第1の開口(15)を通して前記有機組織(2)を押すように構成されている、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項5】
前記押し要素(14)は培養液(18)であり、前記培養液(18)は、少なくとも部分的に長手方向に前記主要ダクト(4)を通って流れ、前記培養液(18)と前記ベース要素(3)との間の相対移動に続いて少なくとも前記第1の開口(15)を通して前記有機組織(2)を押すように構成されている、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項6】
前記第1の開口(15)は、前記ベース要素(3)の長手軸(A)に対して交差する方向に前記有機組織(2)を出すように前記ベース要素(3)の側壁(22)に沿って配置され、特に、前記第1の開口(15)は前記長手軸(A)に平行である、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項7】
前記第1の開口(15)は、前記ベース要素(3)の長手軸(A)に対して交差する方向または平行に前記有機組織(2)を出すように前記第1の端部(6)の領域に配置され、特に、前記第1の開口(15)は前記主要ダクト(4)の連続部として画定されている、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項8】
前記ベース要素(3)は外殻(23)を画定し、前記有機組織(2)のための保護要素(16)は、中空の管状内殻(24)によって少なくとも部分的に画定され、前記中空の管状内殻(24)は前記外殻(23)の内側に同心状に配置され、配置されるべき前記有機組織(2)の少なくとも一部および前記押し要素(14)を収容するように構成され、前記内殻(24)は第2の開口(25)を含み、前記第2の開口(25)は前記遠位ゾーン(DZ)で利用可能であり、前記第1の開口(15)に向かって前記有機組織(2)を外に出すように構成され、前記内殻(24)は、前記第1の開口(15)と前記第2の開口(25)が互いに相補的になり、したがって前記標的組織(8)における前記内殻(24)の内側と前記外殻(23)の外側との間の接続を決定するように、長手軸(A)に沿って少なくとも部分的に並進することおよび/または長手軸(A)の周りを回転することが可能である、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項9】
前記内殻は、有機材料および/または培養液(18)を含むように構成されたカップ状本体(26)を含む、請求項8に記載のデバイス(1)。
【請求項10】
前記主要ダクト(4)は、3mm以下である直径を有する、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項11】
前記ベース要素(3)は、5mm未満である直径を有する、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項12】
前記有機組織(2)のための前記保護要素(16)は、
- 前記ベース要素(3)の端壁(28)、および/または
- 前記第1の開口(15)の領域に配置され、前記標的組織(8)に向かう貫入中に前記主要ダクト(4)を閉じるように、そして続いてそれぞれの座部(5)内へ後退するように構成されている、後退可能要素(29)、および/または
- 前記第1の開口(15)の領域に配置され、前記標的組織(8)に向かう貫入中に前記主要ダクト(4)を閉じるように、そして解放システム(33)によって前記第1の開口(15)を解放するように構成されている、機械的弾性開口デバイス、および/または
好ましくは予め切断され、前記押し要素(14)によって開かれるように構成されている、膜(35)、および/または
前記開構成から前記閉構成に移行するように制御システム(38)によって制御される、形状記憶材料で作製された前記遠位ゾーン(DZ)の領域における前記ベース要素(3)の一部(37)、および/または
前記座部(5)を画定するカップ状本体(26)の一部
によって画定される遮断体(27)を含む、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項13】
前記座部(5)は、術者によって前記有機組織(2)を装填可能である、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項14】
前記ベース要素(3)の前記第1の端部(6)は、前記標的組織(8)を少なくとも部分的に穿刺するための切断輪郭を含む、請求項に記載のデバイス(1)。
【請求項15】
請求項に記載のデバイス(1)および前記座部(5)に収容された有機組織(2)の一部を含む、有機組織(2)を配置するための装置(40)。
【請求項16】
培養液(18)のための注入システム(41)を含み、前記注入システム(41)は、前記第2の開口(25)から、前記主要ダクト(4)および前記第1の開口(15)を通して、前記標的組織(8)に向かって前記培養液(18)を注入するように構成されている、請求項15に記載の装置(40)。
【国際調査報告】