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特表2024-531666熱的に一体化されたサーボ・ドライブ・ユニットを有するモータ装置
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  • 特表-熱的に一体化されたサーボ・ドライブ・ユニットを有するモータ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】熱的に一体化されたサーボ・ドライブ・ユニットを有するモータ装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/33 20160101AFI20240822BHJP
   H02K 11/21 20160101ALI20240822BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K11/21
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515619
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 IB2022058562
(87)【国際公開番号】W WO2023042055
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】102021123971.0
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524090781
【氏名又は名称】シナプティコン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シモン・フィッシンガー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリヤ・フェヘール
(72)【発明者】
【氏名】ナターナエル・ペルツァー
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・コック
【テーマコード(参考)】
5H611
【Fターム(参考)】
5H611AA09
5H611BB01
5H611QQ03
5H611TT01
(57)【要約】
本開示は、モータユニット(2)と、モータユニット(2)に取り付けられたサーボ・ドライブ・ユニット(3)とを有する一体型モータ装置(1)に関し、サーボ・ドライブ・ユニット(3)は、1以上の電力変換インバータ素子(5)を有する第1のプリント回路板(4)を備え、サーボ・ドライブ・ユニット(3)は、少なくとも、モータユニット(2)のモータシャフト(8)の位置に関する情報を与えるために構成されたエンコーダシステム(7)のエンコーダ読取ヘッド(6)を備え、第1のプリント回路板(4)は、エンコーダ読取ヘッド(6)よりもモータユニット(2)の本体(9)の近くにあり、それにより、一体型モータ装置(1)における熱ディレーティングの問題を低減または克服する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータユニット(2)と前記モータユニット(2)に取り付けられたサーボ・ドライブ・ユニット(3)とを有するモータ装置(1)であって、前記モータユニット(2)と前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)とがそれぞれ、それぞれの単一のハウジング(9、21、22)を有し、前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)が、1以上の電力変換インバータ素子(5)を有する第1のプリント回路板(4)を備える、モータ装置において、
-前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)が、前記モータユニット(2)のモータシャフト(8)の位置に関する情報を与えるために構成されたエンコーダシステム(7)のエンコーダ読取ヘッド(6)を少なくとも備え、
-前記第1のプリント回路板(4)が、前記エンコーダ読取ヘッド(6)よりも前記モータユニット(2)の前記ハウジング(9)の近くにあることを特徴とするモータ装置。
【請求項2】
前記第1のプリント回路板(4)が、貫通孔(10)を備え、前記貫通孔を通して、前記エンコーダシステム(7)のエンコーダターゲット(11)が、特に前記モータシャフト(4)と前記エンコーダターゲット(11)とに取り付けられたアダプタ素子(12)を介して、または前記モータシャフト(4)自体を介して、前記モータユニット(2)の前記モータシャフト(4)と機械的に結合されることを特徴とする請求項1に記載のモータ装置。
【請求項3】
前記第1のプリント回路板(4)の1以上の前記電力変換インバータ素子(5)が表面実装素子であり、前記表面実装素子が、前記モータユニット(2)から離れるほうに向けられた前記第1のプリント回路板(4)の第1の面(13)上に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ装置。
【請求項4】
前記モータユニット(2)のほうに向けられた前記第1のプリント回路板(4)の第2の面(14)が、前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)の外面を形成することを特徴とする請求項3に記載のモータ装置。
【請求項5】
前記第2の面(14)が、少なくとも部分的に、好ましくは大部分が前記モータユニット(2)の前記ハウジング(9)と面接触していることを特徴とする請求項4に記載のモータ装置。
【請求項6】
前記第1のプリント回路板(4)が絶縁金属基板であり、金属層が前記第2の面(14)を形成していることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項7】
1以上の前記電力変換インバータ素子(5)が、前記第1のプリント回路板(4)の縁部(18)までの前記電力変換インバータ素子(5)のそれぞれの距離(d1、d2)が、それぞれの距離(D1、D2)の方向(y、z)における前記第1のプリント回路板(4)の総延長(D1、D2)の25%未満、好ましくは15%未満、最も好ましくは10%未満になるように前記第1のプリント回路板(4)上に配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項8】
前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)が、前記第1のプリント回路板(4)の前記第1の面(13)側に配置され、前記第1のプリント回路板(4)に対して前記モータユニット(2)に向かって軸方向(-x)に力を及ぼす、支持素子を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項9】
軸方向(-x)に垂直な主延長平面を有する絶縁素子(15)が、前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)の前記第1のプリント回路板(4)と第2のプリント回路板(16)との間に配置され、前記第2のプリント回路板(16)が1以上の電子制御素子(17)を有し、好ましくは、前記エンコーダ読取ヘッド(6)が前記第2のプリント回路板(16)上に取り付けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項10】
前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)の前記ハウジング(21、22)が5つの側面で閉じられ、前記絶縁素子(15)が、5つの前記側面のそれぞれにおいて前記電力変換インバータ素子を前記ハウジングから少なくとも80%、好ましくは100%まで熱的に絶縁することを特徴とする請求項9に記載のモータ装置。
【請求項11】
前記モータ装置の連続公称動作時に、前記電力変換素子中で生成される廃熱の50%超が、前記モータユニット(2)、特に、前記モータユニット(2)の前記ハウジング(9)に放散されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項12】
前記第2のプリント回路板(16)の縁部領域であって、当該縁部領域が前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)のエンドキャップ(22)と機械的に接触している、縁部領域が、前記第2のプリント回路板(16)と、前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)の前記ハウジング(22)、特にエンドキャップとの間の熱抵抗を低減するために、少なくとも部分的に金属、好ましくは銅から製造されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項13】
前記モータユニット(2)及びサーボ・ドライブ・ユニット(3)が、連続公称動作時に、前記モータユニット(2)のモータ巻線の動作温度が、前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)の前記電力変換インバータ素子(5)の動作温度を下回るように構成されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項14】
前記エンコーダ読取ヘッド(6)が、はんだ付け接続によって前記サーボ・ドライブ・ユニット(3)の前記第2のプリント回路板(16)上に直接配置され、及び/または前記第2のプリント回路板(16)にはんだ付けされた補助プリント回路板によって前記第2のプリント回路板(16)上に間接的に配置され、前記補助プリント回路板が前記エンコーダ読取ヘッド(6)を備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のモータ装置(1)のためのサーボ・ドライブ・ユニット及び/またはモータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータユニットと、モータユニットに取り付けられたサーボ・ドライブ・ユニットとを有するモータ装置に関し、サーボ・ドライブ・ユニットは、1以上の電力変換インバータ素子を有する第1のプリント回路板を備える。
【背景技術】
【0002】
インバータモータまたは一体型モータとも呼ばれる一体型モータ装置、すなわち、一体型インバータと一体型制御電子回路とを有するモータは、一般に、「熱ディレーティング」と呼ばれるものに悩まされる。これは、最大許容連続電流、トルク、及び出力が、一体型インバータをもたない同じベースモータ、すなわちサーボ・ドライブ・ユニットを有さないモータユニットよりも低いことを意味する。実際、熱ディレーティングにより、最大許容連続電流、トルク、及び出力は、ベースモータ自体と比較して約30~40%低減される。
【0003】
これは、一体型モータ装置のサーボ・ドライブ・ユニット中で使用される電子制御素子により、一般に、モータユニット自体よりも低い動作温度が可能になるという事実による。すなわち、最大モータ巻線温度、したがって、モータユニットの最大許容温度は、130℃~155C℃の範囲内であることが多い。スイッチング素子の接合温度、すなわち、サーボ・ドライブ・ユニット中の電力変換インバータ素子の最大許容温度は、多くの場合約150C℃である。しかしながら、論理電子回路の素子、すなわちサーボ・ドライブ・ユニットの電子制御素子は、しばしば、定格接合温度が125C℃またはさらに低い温度である。
【0004】
さらに、前記熱源、特に、通常、高出力金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOS-FET)を備えるインバータ素子から放散される必要がある熱出力はかなり大きく、明確な熱経路に沿って周囲に輸送されなければならない。そのような明確な熱経路は、ネットワークまたは一連の熱抵抗と見なされ得る。これらの抵抗が低いほど、より多くの熱を放散することができ、したがって、モータ装置中でより多くの出力、トルク、及び電流を変換することができる。
【0005】
全体的な熱抵抗を低く保つために、最新技術においていくつかの戦略が適用されている。第1に、周囲への熱の対流の熱抵抗を減少させるために、それぞれのハウジングには大きい外表面積が使用される。したがって、サーボ・ドライブ・ユニットは、多くの場合、モータユニットよりも大きい断面を有する。第2に、モータユニットとサーボ・ドライブ・ユニットとは互いに熱的に分離されており、モータユニットはサーボ・ドライブ・ユニットよりも高い温度で動作する。第3に、サーボ・ドライブ・ユニットは、2つの熱的に分離された部分、第1のインバータ部と第2の論理/制御部とに分割され、インバータ部の動作温度は制御部の動作温度よりも高い。
【0006】
しかしながら、すべてのこれらの戦略が、ベースモータの熱限界でモータユニットを動作させることを可能にするわけではない。このような設定でモータユニットがベースモータの熱限界で駆動された場合、一方の電力変換インバータ素子と他方のモータ巻線との間の温度差は、放散のために電力変換インバータ素子からモータユニットに十分な量の熱を伝達するのに十分ではなく、さらには誤った方向への熱伝達をもたらし、それにより、インバータ素子をさらに加熱することになるであろう。同時に、サーボ・ドライブ・ユニットのハウジングの表面は、電力変換インバータ素子の過熱を避けるために十分な熱を直接周囲に放散するのに十分な大きさではないであろう。
【0007】
これはすべて、比較的高い定格電流、例えば、実効10A(10Arms)を超える、実効20Aを超える、または実効30Aを超える連続相電流を有し、最大120Vの低電圧直流(DC)電源を有する一体型モータ装置に特に当てはまる。その結果、最大連続出力は400Wから10kWの間になる。
【0008】
したがって、そのような低電圧DC電源一体型モータ装置は、対応するベースモータと比較して大幅にディレーティングした状態でしか利用できない。
【0009】
さらに、一体型またはインバータモータ装置は、一般に、フィードバックシステム、すなわち、モータのモータシャフトの位置、すなわちモータシャフトの角度に関する情報を与えるために構成されたエンコーダシステムを含む。エンコーダシステムは、モータのロータを感知する必要があり、したがって、モータユニットに直接取り付けられるか、またはしたがって、サーボ・ドライブ・ユニットの他の素子と比較してモータユニットに最も近いサーボ・ドライブ・ユニットの素子になる。
【0010】
一般的なエンコーダシステムは専用ユニットである。通常、エンコーダシステムは、読取ヘッドの一部としてのステータ、ターゲットとしてのロータ、並びにベアリングを1つのハウジングまたは一体型構造に組み合わせた完全に閉じたユニットである。あるいは、エンコーダシステムは、読取ヘッドを有する別個のプリント回路板とターゲットとを備え、それらはモータユニットに順次取り付けられる。いずれの場合も、エンコーダシステムはいかなる追加の機能も果たさず、すなわち、エンコーダシステムはモータシャフトの位置に関する情報を与えるのみであり、単独でモータユニットを駆動または制御することはない。
【0011】
特許文献1は、モータユニットと、モータユニットに取り付けられたサーボ・ドライブ・ユニットとを有し、サーボ・ドライブ・ユニットが、2つの温度ゾーン、すなわちモータユニットに近い高温ゾーンと、モータユニットからさらに離れたより低温のゾーンとを有する、一体型モータ装置を示している。モータシャフトに近い高温ゾーンの中央領域内には、放射状の熱シールドによって近接する高温ゾーンから遮蔽された、より低温の中央領域がある。このより低温の中央領域は、エンコーダシステムが配置される場所である。
【0012】
特許文献2は、インバータ部と制御部とを有する一体型モータ装置のためのサーボ・ドライブ・ユニットを示している。両部は互いに熱的に切り離されている。さらに、インバータ部は、互いに機械的に結合され得る2つのヒートシンクを有する。
【0013】
特許文献3は、サーボ・ドライブ・ユニットが折畳式プリント回路板を特徴とし、低損失素子がプラスチック製のハウジングの外面の近くに配置され、高出力素子が金属製のハウジングの外面を介して冷却される、一体型モータ装置について説明している。さらに、サーボ・ドライブ・ユニットはモータユニットから熱的に切り離されている。
【0014】
特許文献4は、制御素子を有する第1のプリント回路板がモータシャフトに平行に配置され、モータシャフトに平行な第2のプリント回路板が前記第1のプリント回路板に垂直に配置された、一体型モータ装置について説明している。
【0015】
しかしながら、提案されたすべての解決策において、大きい熱ディレーティングが残る。さらに、サーボ・ドライブ・ユニットのハウジング、すなわち、モータユニットを一体型モータ装置にするときにモータユニットに追加されるエンドキャップは比較的大きい。これは、エンドキャップが、電子素子、すなわち電子制御素子並びに電力変換素子のためのヒートシンクとして機能することによる。そのため、サーボ・ドライブ・ユニットのハウジングは、サーボ・ドライブ・ユニットによって生成される熱のすべてではないにしても大部分を周囲に放散するように設計されている。しかしながら、これは前記大きい表面積を必要とする。実際には、放熱性を高めるために、最新技術におけるサーボ・ドライブ・ユニットのハウジングには冷却フィンが追加されている。しかしながら、これは、特定の環境及び用途、例えば食品産業において、衛生上の問題をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許第3183800号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102005037488号明細書
【特許文献3】欧州特許第2238817号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102010055869号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、解決すべき技術的問題は、一体型モータ装置における熱ディレーティングの問題を低減または克服することであると考えられ得る。
【0018】
この問題は、独立請求項の主題によって解決される。利点及び有利な実施形態は、従属請求項、明細書、及び図から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
1つの態様は、モータユニットと、モータユニットに取り付けられたサーボ・ドライブ・ユニットとを有するモータ装置、一体型モータ装置またはインバータモータ装置に関する。モータユニット及びサーボ・ドライブ・ユニットは、それぞれ単一のハウジングを有し、したがって自己完結型ユニットである。したがって、モータユニットは、サーボ・ドライブ・ユニットと同様に、別個のユニットとして機械的に機能する。サーボ・ドライブ・ユニットは、パワーエレクトロニクスである1以上の電力変換インバータ素子を有する第1のプリント回路板(PCB)を備える。サーボ・ドライブ・ユニットは、少なくとも、モータユニットのモータシャフトの位置に関する情報を与えるために構成されたエンコーダシステムのエンコーダ読取ヘッドを備える。エンコーダシステムの対応するエンコーダターゲットは、モータユニットの一部であることがある。この場合、サーボ・ドライブ・ユニットがモータユニットから取り外されると、エンコーダターゲットはモータユニットに残り、エンコーダ読取ヘッドはサーボ・ドライブ・ユニットと共に取り外される。さらに、第1のプリント回路板は、エンコーダ読取ヘッドよりもモータユニットの本体の近くにある。したがって、第1のプリント回路板は、モータシャフトによって決定される軸方向に、モータユニットの本体からの距離がエンコーダ読取ヘッドよりも小さい状態で配置される。このようにして、第1のプリント回路板は、エンコーダ読取ヘッドを通って延びる第1の平面と、モータユニットの本体を通って、特にモータユニットの重心を通って延びる第2の平面との間に配置される。第1のプリント回路板は、モータユニットの回転軸に対して実質的に垂直に、したがって、垂直に、または所与の偏差をもって垂直に配置され得る。偏差は、最大15°、最大5°、または最大2°として与えられ得る。モータ装置は、120V以下の直流(DC)電源電圧で、好ましくは10Aを超える最大連続モータ相電流での用途のために構成されたモータ装置であり得る。特に、モータ装置は、400Wから10kWの間の連続出力用に構成され得る。
【0020】
これにより、サーボ・ドライブ・ユニットによって生成される熱の大部分がモータユニットの極めて近く、特にモータユニットの本体及びハウジングの極めて近くで生成され、同時に、高感度の読取ヘッド(及び、以下で説明するように、電子制御素子)が最も高温の熱源からさらに離れているという利点が得られる。この配置により、パワーエレクトロニクスからモータユニットの本体及びハウジングへと規定された熱経路に沿って熱が伝達される設計が可能になる。これは、冷却に利用可能なモータユニット上の表面積が、サーボ・ドライブ・ユニット上で利用可能な表面積よりもはるかに大きいという洞察に基づいている。このようにして、モータユニットのハウジングは、実際にはサーボ・ドライブ・ユニットのためのヒートシンクとして機能することができる。モータユニットの熱出力は、一般に、サーボ・ドライブ・ユニットの熱出力(例えば200W~30W)よりも約7倍大きいので、サーボ・ドライブ・ユニットの追加の熱は、モータユニットの熱設計に大きい影響を及ぼさない。エンコーダシステム、特に、感知可能な電子回路を有するエンコーダ読取ヘッドは、電力変換インバータ素子が位置する平面よりもモータユニットから離れた平面に位置するので、例えば、パワーエレクトロニクス、すなわち、電力変換インバータ素子を有する第1のプリント回路板と、モータユニット、特にモータユニットの本体との間の大きい表面積の直接的な熱接続によって、インバータ素子からモータユニットへの熱抵抗を低減することが可能になる。さらに、この低抵抗熱経路の効果は、スイッチング素子である電力変換インバータ素子が、150C℃を超える、好ましくは160C℃を超える、場合によってはセ氏170度を超える接合温度に対して指定され、動作させられることによって改善され得る。
【0021】
前の段落の利点を生かすために、モータユニット及びサーボ・ドライブ・ユニットは、連続公称動作時に、モータユニットのモータ巻線の動作温度がサーボ・ドライブ・ユニットの電力変換インバータ素子の動作温度を下回るように構成され得る。特に、モータ巻線は、モータ装置の連続公称動作時に、少なくとも120C℃であるが150C℃を下回る動作温度に達するように設計され得る。特に、電力変換インバータ素子は、モータ装置の連続公称動作時に、150C℃から200C℃の間の動作温度に達するように設計され得る。
【0022】
さらに、エンコーダ読取ヘッドは、その場合、モータに隣接していることも、高温の第1のプリント回路板上でもない、サーボ・ドライブ・ユニットのより低温の領域に位置する。エンコーダシステム、特にエンコーダ読取ヘッドのこの配置により、サーボ・ドライブ・ユニットの残りの部分内のエンコーダシステムの一体化も良好になる。それぞれサーボ・ドライブ・ユニットまたはモータユニットのどこかに設置された、本質的に閉じられたユニットである専用デバイスである代わりに、位置読取機能は、ここでは、既存の他のプリント回路板、例えば、1以上の電子制御素子を有する、すなわち、制御ロジック、マイクロコントローラ、及び機能安全部品のような機能を特徴とする第2のプリント回路板に組み込まれ得る。これにより、電子制御素子とエンコーダシステムの両方に電圧変換器を組み合わせて使用することが可能になる。また、エンコーダシステムは、第2のプリント回路板上に配置されたモータ制御アルゴリズムを実行するマイクロコントローラによって位置信号を直接読み取ることができるので、信号処理及びデータの符号化がより少なくて済む。これにより、スペースが節約され、製造が簡略化される。
【0023】
エンコーダシステムの電子部品、特にエンコーダ読取ヘッドは、好ましくははんだ付け接続によって前記第2のプリント回路板上に直接取り付けられ得る。あるいは、電子部品は、好ましくはケーブルまたはコネクタなしで第2のプリント回路板に直接はんだ付けされる補助プリント回路板である、小さい追加のプリント回路板上に取り付けられ得る。このような追加のプリント回路板は、通常、「キャステレーションされた(castellated)プリント回路板」と呼ばれる。それによって、すなわち、キャステレーションされたプリント回路板を配置するかまたは配置しないことによって、エンコーダ部品を配置するかまたは配置しないことによって、キャステレーションされたプリント回路板の異なる変形態を有し、異なる信号処理アルゴリズムを使用することによって、エンコーダシステムの異なる変形態を実装することができ、その結果、モジュール式エンコーダシステムが得られる。したがって、当面の適用例に応じて、マルチターン機能の、特にウィーガンド型(Wiegand-type)マルチターン機能の有無、及び/またはエンコーダシステムの異なる精度クラス、及び/またはエンコーダシステムに関連する異なるレベルの機能的安全性など、異なる機能性を、それらがサーボ・ドライブ・ユニットのみに依存し、エンコーダシステムがサーボ・ドライブ・ユニットのより低温の領域に配置されていることにより境界条件が緩いので、容易に実装することができる。
【0024】
提案された解決策の主な違いは、インバータのコア部品としてのスイッチング素子である電力変換インバータ素子が、モータユニットに近接していることにより、モータユニットに熱的及び機械的に関連付けられていること、並びに、エンコーダシステムが、モータユニット及びインバータ素子から距離があることにより、サーボ・ドライブ・ユニットの低温部に熱的及び機械的に関連付けられていることである。既知の解決策では、これはその逆も同様であり、既知のエンコーダシステムは、モータユニットに属する独立したシステムであるが、インバータ素子及び電子制御素子は、1つのユニットとして一緒にサーボ・ドライブ・ユニットに属する。
【0025】
したがって、インバータ素子は、モータユニットのハウジングによって冷却することができるので、より効率的に冷却され、既知の設計のように高感度の電子素子がモータユニットからさらに離れているので、モータユニットはより高温で動作することができる。その結果、最大連続出力、最大連続トルク、及び最大連続電流が高くなる。全体的に高いレベルの一体化により、組立てがさらに簡略化され、サーボ・ドライブ・ユニットのための外表面積が最新技術よりも小さくて済むので、よりコンパクトな設計が可能になり、そのことは、熱経路の改善に相乗的に効果をもたらす。
【0026】
代替的な解決策は、別個のエンコーダシステムを使用することであろうが、その場合、エンコーダシステムは平坦で、超高温下で動作することが可能であるべきであり、その場合、エンコーダシステムは、典型的な方法で第1のプリント回路板とモータユニットとの間に、最終的にはモニタ上に直接取り付けられるか、またはモータに埋め込まれ得る。
【0027】
好ましい実施形態では、第1のプリント回路板は、エンコーダシステムのエンコーダターゲットがそれを通して、特に、モータシャフトとエンコーダターゲットとに取り付けられたアダプタ素子を介して、またはモータシャフト自体を介して、モータユニットのモータシャフトと機械的に結合される貫通孔を備える。したがって、貫通孔は中央貫通孔である。したがって、モータユニット側から見て第1のプリント回路板の後ろにあるエンコーダ読取ヘッドにエンコーダターゲットを近づけるために、エンコーダターゲットは貫通孔を通過するか、または貫通孔を通して到達してもよい。代替または追加として、モータシャフト及び/またはアダプタ素子が貫通孔を通過するかまたは貫通孔を通して到達し、エンコーダターゲットは、第1のプリント回路板のモータユニットから遠い側、つまり遠隔側に完全に配置されてもよい。したがって、少なくとも、エンコーダ読取ヘッドとエンコーダターゲットとの光学的及び/または磁気的結合に使用される表面が、第1のプリント回路板の遠隔側に配置される。このようにして、エンコーダターゲット、少なくとも前記表面は、第1のプリント回路板の主延長平面とエンコーダ読取ヘッドとの間に配置されていると考えられ得るが、第1のプリント回路板は依然として、(最終的には、第1のプリント回路板のようにモータユニットと接触し、したがって距離が0になり得るサーボユニット自体のハウジングを除いて)モータユニットの本体またはハウジングからの距離が最も小さいサーボ・ドライブ・ユニットの一部である。これにより、エンコーダシステム全体が、(インバータプリント回路板である)第1のプリント回路板と比較して、モータユニットからさらに離れたレベルに配置されるという利点が得られる。
【0028】
別の有利な実施形態では、第1のプリント回路板の1以上の電力変換インバータ素子は、一般に表面実装装置(SMD)とも呼ばれる表面実装素子であり、表面実装素子は、モータユニットから離れるほうに、すなわち、サーボ・ドライブ・ユニットの残りの部分のほうに向けられた第1のプリント回路板の第1の面上に取り付けられる。したがって、第1の面は、エンコーダ読取ヘッドのほうに、またはサーボ・ドライブ・ユニットの内側、例えば第2のプリント回路板のほうに向けられる。これにより、反対方向、すなわちモータユニットのほうに向けられた第1のプリント回路板の第2の面が平坦になり、したがってサーボ・ドライブ・ユニットからモータユニットの本体に熱を伝達するのに理想的な広い面積を容易に形成するという利点が得られる。
【0029】
第1のプリント回路板の電力変換インバータ素子が表面実装素子である代わりに、またはそれに加えて、前記電力変換インバータ素子の少なくともいくつか、すなわちいくつかまたはすべてが、プリント回路板に、すなわちプリント回路板(PCB)のビルドアップ層に組み込まれた素子であってもよい。この手法は、電力変換インバータ素子の「PCB埋込み」と呼ばれることもある。そのような一体型素子はプリント回路板に完全に組み込まれ、すなわち、それらはプリント回路板の表面から突出しておらず、これは特殊な製造方法によって達成され得る。これにより、極めてコンパクトな電子システムを製造することが可能になる。部品は、最適化された3次元相互接続アーキテクチャを用いて、PCBビルドアップの単一のまたは複数の層のいずれかに埋め込まれる。結果として、電力変換インバータ素子をモータユニットの本体のより近くに配置することができ、モータユニットのほうに向けられた第1のプリント回路板の対応する面は平坦であり、これにより、サーボ・ドライブ・ユニットからモータユニットの本体に熱を伝達するのに理想的な広い面積が得られる。
【0030】
ここで、第2の面はサーボ・ドライブ・ユニットの外面を形成することが好ましい。これにより、第1のプリント回路板とモータユニットの本体との間にはハウジングのいかなる部分も配置されず、そのことがモータユニットへの熱伝達を大幅に向上させるという利点が得られる。
【0031】
特に、第2の面は、少なくとも部分的に、好ましくは大部分がモータユニットの本体と面接触している。この接触は、モータユニットの本体及び/または第2の面に塗布されるグラファイト、放熱グリス、または他の熱伝導材料のような材料によって改善され得る。しかしながら、少なくとも面接触している領域では、第1のプリント回路板から本体、したがってモータユニットまでの距離は実質的に0である。これにより、第1のプリント回路板とモータユニットの本体との熱結合が特に効率的になる。
【0032】
別の好ましい実施形態では、第1のプリント回路板は絶縁金属基板(IMS-PCB)であり、金属層が第2の面を形成している。したがって、プリント回路板の前記金属部分は、最も有利には、モータユニットの断面の大部分にわたってモータ表面と直接面接触することができる。これは、基本的に、第1のプリント回路板からモータユニットの本体への理想的な熱伝達につながる。
【0033】
別の有利な実施形態では、1以上の電力変換インバータ素子は、第1のプリント回路板の外縁部までの電力変換インバータ素子のそれぞれの距離が、それぞれの距離の方向における第1のプリント回路板の総延長の25%未満、好ましくは15%未満、最も好ましくは10%未満になるように、第1のプリント回路板上に配置される。したがって、パワーエレクトロニクス、特にインバータ素子としてのMOSFETは、第1のプリント回路板の外縁部に近接して配置される。この領域では、モータユニットへの圧力はより高くなり、その結果、熱伝導性が向上し、それにより、モータハウジングによる冷却がより効果的になる。
【0034】
別の有利な実施形態では、サーボ・ドライブ・ユニットは、第1のプリント回路板の第1の面側、特に、第1のプリント回路板の第1の面上に配置され、第1のプリント回路板に対してモータユニットに向かってモータユニットの軸方向に力を及ぼす、支持素子を備える。したがって、支持素子は圧力板として機能し、これにより第1のプリント回路板があまり曲がらないようになり、それによって、上述したように、熱結合が改善される。したがって、支持素子は、軸方向に垂直な主延長平面を有する、特に、軸方向の安定性を高める補強リブを有する板であるか、またはそれを備え得る。支持素子は、サーボ・ドライブ・ユニットがまだモータユニットに取り付けられていないときに第1のプリント回路板にプレテンションを加えるように構成されてもよい。特に、そのようなプレテンションは、第1のプリント回路板の縁部に近い外側領域の厚さと比較して、モータユニットの中心軸に近い中央領域の厚さを増加させることによって達成することができる。ここで、厚さは軸方向に沿って測定される。
【0035】
別の有利な実施形態では、モータ装置の軸方向に垂直な主延長平面を有する絶縁素子がサーボ・ドライブ・ユニットの第1のプリント回路板と第2のプリント回路板との間に配置され、第2のプリント回路板は1以上の電子制御素子を有し、好ましくは、エンコーダ読取ヘッドは(上記で説明したように)第2のプリント回路板上に取り付けられる。これにより、第1のプリント回路板とモータユニットの本体との熱結合がさらにより発達するという利点が得られる。さらに、絶縁素子はまた、支持素子であるか、または支持素子を備えてもよく、したがって、モータユニットの本体への第1のプリント回路板の熱伝達を能動的に促進する。
【0036】
有利な実施形態では、サーボ・ドライブ・ユニットのハウジングは5つの側面で閉じられ、したがって5つのハウジング側面を特徴とし、絶縁素子は、5つの側面のそれぞれにおいて電力変換インバータ素子をハウジングから、すなわちハウジング側面から、少なくとも80%、好ましくは100%まで熱的に絶縁する。これは、例えば、絶縁素子の一方の側に電力変換インバータ素子を配置し、絶縁素子の他方の側にハウジングを少なくとも部分的に、例えばハウジングのエンドキャップを配置することによって達成することができる。80%絶縁または100%絶縁の比率は、例えばハウジングの80%または100%を絶縁素子の前記他方の側に配置させることによって達成することができる。
【0037】
また別の有利な実施形態では、第2のプリント回路板の縁部領域であって、縁部領域がサーボ・ドライブ・ユニットのハウジングと機械的に接触している、縁部領域は、第2のプリント回路板とサーボ・ドライブ・ユニットのハウジングとの間の熱抵抗を低減するために、少なくとも部分的に金属、好ましくは銅から製造されている。これにより、少なくとも、縁部領域が機械的に接触しているサーボ・ドライブ・ユニットのハウジングの部分に関して、第2のプリント回路板とサーボ・ドライブ・ユニットのハウジングとの間の温度差が小さくなるという利点が得られる。このようにして、モータユニットの本体またはハウジングが高温部品、すなわちモータ巻線及びパワーエレクトロニクスのためのヒートシンクとして機能し、サーボ・ドライブ・ユニットのハウジングが電子制御素子及びエンコーダ読取ヘッドなどの低損失部品のためのヒートシンクとして機能する、一体化された熱概念が実現される。
【0038】
その結果、絶縁素子は、第2のプリント回路板を第1のプリント回路板から絶縁するだけでなく、サーボ・ドライブ・ユニットのハウジングの主要部分を第1のプリント回路板とモータユニットの本体の両方から絶縁し得る。したがって、絶縁素子はそれ自体、サーボ・ドライブ・ユニットのハウジングの主要部分がモータユニットのハウジングと機械的に接触しないように、サーボ・ドライブ・ユニットのハウジングの小さい部分を形成し得る。この目的のために、絶縁素子は、サーボドライブのハウジングの主要部分、すなわちエンドキャップ、及びモータユニットのハウジングと機械的に接触する周囲枠を有し得る。枠は、それぞれサーボ・ドライブ・ユニット及びモータユニットのハウジング間に配置される。これにより、モータ装置の説明した有利な熱概念がさらに促進される。
【0039】
モータ装置の説明した特徴、特にモータユニットとサーボ・ドライブ・ユニットとの間の熱抵抗、及び/またはサーボ・ドライブ・ユニットの電力変換インバータ素子の出力、及び/またはモータユニットの出力は、モータ装置の連続公称動作時に、電力変換素子中で生成された廃熱の50%超がモータユニット、特にモータユニットのハウジングに放散されるように、特定の大きさにされ得る。
【0040】
別の態様は、説明した実施形態のいずれかのモータ装置のためのサーボ・ドライブ・ユニットに関する。
【0041】
また別の態様は、説明した実施形態のいずれかのモータ装置のためのモータユニットに関する。
【0042】
サーボ・ドライブ・ユニット及び/またはモータユニットの利点及び有利な実施形態は、モータ装置の利点及び有利な実施形態に対応する。
【0043】
上記で、また背景技術で説明した特徴及び特徴の組合せ、並びに図の説明または図のみで開示する特徴及び特徴の組合せは、単独でまたは説明した組合せで使用されるだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の特徴と共に、または開示する特徴のうちのいくつかを伴わずに使用されてもよい。したがって、図によって明示的に示され説明されていないが、図で開示する個々の特徴を別々に組み合わせることによって生成することができる実施形態も、本発明の一部である。したがって、最初に策定された独立請求項のすべての特徴を含むわけではない実施形態及び特徴の組合せは、開示されていると見なされるべきである。さらに、特許請求の範囲の従属項によって説明した特徴の組合せとは異なる、またはそれを超える実施形態及び特徴の組合せは、開示されていると見なされるべきである。
【0044】
例示的な実施形態について、概略図によって以下でさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】モータユニットと、モータユニットに取り付けられたサーボ・ドライブ・ユニットとを有する例示的なモータ装置の断面図である。
図2図1の例示的なサーボ・ドライブ・ユニットの斜視図である。
図3図2の例示的な第1のプリント回路板の図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
異なる図において、同一または機能的に同一の特徴は同じ参照符号を有する。
【0047】
図1は、モータユニット2と、モータユニット2に取り付けられたサーボ・ドライブ・ユニット3とを有する一体型モータ装置1の例示的な実施形態の断面図を示し、サーボ・ドライブ・ユニット3は、1以上の電力変換インバータ素子5を有する第1のプリント回路板4を備える。サーボ・ドライブ・ユニット3は、少なくとも、モータユニット2のモータシャフト8の位置に関する情報を与えるために構成されたエンコーダシステム7のエンコーダ読取ヘッド6を備える。第1のプリント回路板4は、エンコーダ読取ヘッド6よりもモータユニット2の本体/ハウジング9の近くにある。
【0048】
本実施形態では、第1のプリント回路板4は、エンコーダシステム7のエンコーダターゲット11がそれを通してモータユニット2のモータシャフト8と機械的に結合される貫通孔10を備える。本例では、この機械的結合は、モータシャフト8とエンコーダターゲット11とに取り付けられたアダプタ素子12によって達成される。ここで、第1のプリント回路板4の電力変換インバータ素子5は、すべて第1のプリント回路板4の第1の面13上に取り付けられた表面実装素子である。この第1の面13は、本例では、サーボ・ドライブ・ユニット3の第2のプリント回路板16に面するように、正のx方向にモータユニット2から離れるほうに向けられている。
【0049】
この例では、第1の面13の反対側の面である、前記第1のプリント回路板4の第2の面14の大部分は、モータユニット2の本体/ハウジング9と面接触している。したがって、この第2の面14は、モータユニット2に向かって負のx方向に向けられている。図示の例では、第1のプリント回路板4は一体型金属基板であり、第2の面14は対応する金属層によって形成されている。
【0050】
図示の例では、モータ装置1はまた、サーボ・ドライブ・ユニット3の第1のプリント回路板4と第2のプリント回路板16との間に配置された、軸線x方向に垂直なzy平面に主延長平面を有する複合絶縁支持素子15を備え、第2のプリント回路板16は、1以上の電子制御素子17を有し、本例では、その上にエンコーダ読取ヘッド6も取り付けられている。絶縁素子15はまた、モータユニット2の本体/ハウジング9を、本例では絶縁素子15の枠21(図2)と一緒にサーボ・ドライブ・ユニット3のハウジングを形成するエンドキャップ22から熱的に切り離す。
【0051】
複合絶縁支持素子15は、第1のプリント回路板4と接触し、第1のプリント回路板4の第1の面13に力を及ぼし、それにより、第1のプリント回路板4はモータユニット2に向かって負のx方向に押される。絶縁支持素子15については、図4でより詳細に説明する。
【0052】
図2は、図1のサーボ・ドライブ・ユニット3をモータユニット2側から見た斜視図を示す。第2の面14は実際には平坦な面であり、それにより、モータユニット2の本体/ハウジング9との熱結合が最適化される。絶縁部15は、サーボ・ドライブ・ユニット3のハウジングのための周囲枠21を形成し、それにより、サーボ・ドライブ・ユニット3のハウジングの一部として、サーボ・ドライブ・ユニット3のハウジングの主要部分としてのエンドキャップ22をモータユニット2の本体/ハウジング9から分離する。さらに、第2の面14は、本例では、エンドキャップ22及び絶縁素子15によってハウジングが設けられていないサーボ・ドライブ・ユニット3の側面において、サーボ・ドライブ・ユニット3の外面を形成する。
【0053】
図3は、第1のプリント回路板4の第1の面13の例示的な実施形態を示す。そこでは、1以上の電力変換インバータ素子5は、第1のプリント回路板4の外縁部18までの電力変換インバータ素子5のそれぞれの距離d1、d2が、それぞれの距離d1、d2に対応するそれぞれのy/z方向における第1のプリント回路板4のそれぞれの総延長D1、D2の例示的な10%未満になるように、第1のプリント回路板4上に配置される。
【符号の説明】
【0054】
1 一体型モータ装置、2 モータユニット、3 サーボ・ドライブ・ユニット、4 第1のプリント回路板、5 電力変換インバータ素子、6 エンコーダ読取ヘッド、7 エンコーダシステム、8 モータシャフト、9 本体/ハウジング、10 貫通孔、11 エンコーダターゲット、12 アダプタ素子、13 第1の面、14 第2の面、15 複合絶縁支持素子、16 第2のプリント回路板、17 電子制御素子、18 外縁部、21 周囲枠、ハウジング、22 エンドキャップ,ハウジング
図1
図2
図3
【国際調査報告】