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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】基地局用アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/24 20060101AFI20240822BHJP
   H01Q 3/08 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H01Q1/24 Z
H01Q3/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515646
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 KR2022013973
(87)【国際公開番号】W WO2023043293
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0124816
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0127507
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0117707
(32)【優先日】2022-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】キョ スン ジ
(72)【発明者】
【氏名】チ バク リュ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ジュン パク
(72)【発明者】
【氏名】イン ホ キム
(72)【発明者】
【氏名】へ キム
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA06
5J021AB03
5J021AB06
5J021DA00
5J021HA10
5J021JA08
5J047AA09
5J047AA12
5J047AA15
5J047AA19
5J047AB01
5J047AB07
5J047AB13
5J047FD01
(57)【要約】
【課題】設置場所の美観低下を防止することに加えて、空間活用性を極大化させることができる基地局用アンテナ装置を提供する。
【解決手段】基地局用アンテナ装置は、中継器と、前記中継器の前面に対してチルティングおよびステアリング動作可能に設けられたアンテナモジュールと、前記中継器に対する前記アンテナモジュールの設置を媒介するアンテナクランピングユニットとを含む。前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器と前記アンテナモジュールとを電気的に連結するワイヤケーブルを隠匿させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継器と、
前記中継器の前面に対してチルティングおよびステアリング動作可能に設けられたアンテナモジュールと、
前記中継器に対する前記アンテナモジュールの設置を媒介するアンテナクランピングユニットと、を含み、
前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器と前記アンテナモジュールとを電気的に連結するワイヤケーブルを隠匿させる、基地局用アンテナ装置。
【請求項2】
前記アンテナクランピングユニットは、
前後方向に開口し、前記中継器の前面に固定された固定部と、
前記固定部の内部空間に後端部が収容結合され、前端が上下方向および左右方向を含む四方にチルティングおよびステアリング動作するムービング部と、を含む、請求項1に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項3】
前記ムービング部の後端部は、前記固定部の前端によって外部離脱が防止される、請求項2に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナクランピングユニットは、
前記ムービング部がチルティングおよびステアリング動作した後、前記固定部に対して前記ムービング部を固定させるムービングロック部、をさらに含む、請求項2に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項5】
前記固定部の前端部内側にはガスケット溝が形成され、
前記ガスケット溝には、前記固定部と前記ムービング部との間に摩擦力を形成するガスケットリングが介在した、請求項2に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項6】
前記固定部は、前後方向に開口した円筒形状に形成された、請求項2に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項7】
前記ムービング部の後端部は、前記固定部の内部に収容され、前後方向に開口した半球形状に形成された、請求項2に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項8】
前記ワイヤケーブルは、前記中継器の前端連結地点と前記アンテナモジュールの後端連結地点との間の直線距離よりも長いワイヤ形状に備えられ、
前記ワイヤケーブルの余裕長さ部分は、前記固定部の内部空間に収納される、請求項1に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項9】
前記アンテナモジュールは、1つの前記中継器に少なくとも2つ以上が設置可能であり、
前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器に設けられる前記アンテナモジュールの個数に対応して備えられる、請求項1に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項10】
前記中継器は、建物の室内または室外の壁面に対して垂直に密着設置される、請求項1に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項11】
前記中継器は、室内または室外の天井に相当する構造物の下部面に水平に密着設置される、請求項1に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項12】
前記中継器は、室内または室外の天井に相当する構造物のうち天井仕上材の内部に埋め込み設置される、請求項1に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項13】
前記アンテナクランピングユニットは、
前記中継器に対して垂直に配置された延長部と、
前記延長部の端部に備えられた少なくとも1つ以上の固定部と、
前記固定部それぞれに対して前記アンテナモジュールが結合されるように備えられかつ、前記固定部の内部空間に後端部が収容結合され、外側端が上下方向および左右方向を含む四方にチルティングおよびステアリング動作するムービング部と、を含む、請求項1に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項14】
前記中継器は、室内または室外の天井に相当する構造物のうち天井仕上材の内部に埋め込み設置されかつ、前記アンテナクランピングユニットに設けられる前記アンテナモジュールの送信機および受信機の規格に対応する個数で設けられる、請求項13に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項15】
前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器の個数が2つ以上の場合、
前記延長部、前記固定部、および前記ムービング部は、前記中継器の個数に対応して備えられた、請求項13に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項16】
前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器の個数が2つ以上の場合、
前記延長部は1つであり、前記固定部および前記ムービング部は、前記中継器の個数に対応して備えられた、請求項13に記載の基地局用アンテナ装置。
【請求項17】
前記中継器の個数が2つ以上であって、室内または室外の天井に相当する構造物のうち天井仕上材の内部に埋め込み設置される時、
前記延長部は、前記ワイヤケーブルが隠匿設置されるように前記天井仕上材を内外部に貫通させるように固定される、請求項15または16に記載の基地局用アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局用アンテナ装置(ANTENNA APPARATUS FOR BASE STATION)に関し、より詳しくは、ケーブルの外観露出を防止して美観を改善するとともに、アンテナモジュール自体だけのビームチルティング動作が可能に備えられたクランプユニットを含む基地局用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムにおける「基地局」とは、セル内で携帯端末の電波を中継するシステムをいう。基地局は、主に建物の屋上などに設置されて携帯端末の電波を中継する。したがって、セル単位で基地局が存在し、このような基地局は、携帯端末と交換局との間に、インターフェース機能以外にも、着発信信号の送出、通話チャネル指定、通話チャネル監視などをセル単位で制御する。基地局に採用されるアンテナ装置は、垂直または水平にビームチルティングが可能な制御アンテナが多いというメリットから普及されてきた。
【0003】
移動通信サービスの大衆化に伴い、より安定的にサービスを提供できる無線ネットワーク環境を提供するアンテナ装置の普及が拡大しており、移動通信サービスは、有線通話のみを可能にしていた2G(2Generation)から3Gおよび4Gを経て、最近は5G移動通信技術の使用が拡大の傾向にある。
【0004】
図1は、従来の実施例による基地局用アンテナ装置を示す外観斜視図である。
【0005】
図1に示されるように、従来の実施例による基地局用アンテナ装置は、室外(屋外)に設置されたものであって、直立した支柱ポール11にアンテナモジュール10が固定ブラケット30、31によって装着され、前記アンテナモジュール10の下側に中継器12が固定ブラケット32、33によって装着され、アンテナモジュール10と中継器12との間を複数のケーブル14を用いて電気的に連結する構造からなる。固定ブラケット30、31は、アンテナモジュール10の上下端にそれぞれ配置されて支柱ポール11に固定させ、中継器12の上下端にそれぞれ配置されて支柱ポール11に固定させる構造からなる。固定ブラケット30-33は、締結具、例えば、ねじ、ボルト、ナットなどを用いて固定する役割を担う。
【0006】
しかし、従来の基地局用アンテナ装置は、必ず支柱ポール11を介して設置する室外(屋外)設置に限る構造を有する一方、支柱ポール11のうち相対的に上側にアンテナモジュール10を装着し、相対的に下側に中継器12、例えば、RRHを装着した後に、ケーブル14を用いて連結する構造からなることにより、ケーブル14が外部に露出して美観を阻害する問題点がある。
【0007】
前記のような問題点は、図示しないが、特に、中継器12とアンテナモジュール10が分離型としてケーブル14を用いた電気的連結構造を有する場合には、室内(すなわち、インビル)に設置される場合にも同様の問題が現れ、インビル設置の場合、美観阻害防止の要求がより大きいのが現状である。
【0008】
最近は、室外設置および室内設置を問わず、このような美観阻害の問題点を解決すべく、図示しないが、中継器の前方部にアンテナモジュールを結合させ、ケーブル接続ではないソケットピン接続などの方式で中継器とアンテナモジュールとの間の電気的接続が行われる構造が採用されている。
【0009】
しかし、この場合も、アンテナモジュールのビームチルティングのためには、中継器もともにチルティングされる構造が採用されなければならず、これによって、チルティング空間を多く占めることにより、空間レンタル費用が増加する問題点につながる。
【0010】
これとともに、最近は、携帯端末ユーザの流動が頻繁な室外および室内の歩行路に設置される基地局用アンテナ装置は、上述のように、空間を少なく占めるようにコンパクトでありながらも、美観阻害が最小化できる要素を十分に考慮して設計する傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、ソケットピン接続構造ではないケーブルを用いた電気的な連結構造を有しながらも、ケーブルの外観露出を防止できる基地局用アンテナ装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、ケーブル連結構造を維持することにより、中継器のチルティング動作なくても単独でアンテナモジュールのチルティングが可能なアンテナクランピングユニットを含む基地局用アンテナ装置を提供することを他の目的とする。
【0013】
これとともに、本発明は、室内(家屋)の壁面および天井などのインビル設置が容易な構造を有する基地局用アンテナ装置を提供することをさらに他の目的とする。
【0014】
本発明の技術的課題は以上に言及した技術的課題に限定されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施例による基地局用アンテナ装置は、中継器と、前記中継器の前面に対してチルティングおよびステアリング動作可能に設けられたアンテナモジュールと、前記中継器に対する前記アンテナモジュールの設置を媒介するアンテナクランピングユニットとを含み、前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器と前記アンテナモジュールとを電気的に連結するワイヤケーブルを隠匿させることができる。
【0016】
ここで、前記アンテナクランピングユニットは、前後方向に開口し、前記中継器の前面に固定された固定部と、前記固定部の内部空間に後端部が収容結合され、前端が上下方向および左右方向を含む四方にチルティングおよびステアリング動作するムービング部とを含むことができる。
【0017】
また、前記ムービング部の後端部は、前記固定部の前端によって外部離脱が防止できる。
【0018】
また、前記アンテナクランピングユニットは、前記ムービング部がチルティングおよびステアリング動作した後、前記固定部に対して前記ムービング部を固定させるムービングロック部をさらに含むことができる。
【0019】
また、前記固定部の前端部の内側にはガスケット溝が形成され、前記ガスケット溝には、前記固定部と前記ムービング部との間に摩擦力を形成するガスケットリングが介在できる。
【0020】
また、前記固定部は、前後方向に開口した円筒形状に形成される。
【0021】
また、前記ムービング部の後端部は、前記固定部の内部に収容され、前後方向に開口した半球形状に形成される。
【0022】
また、前記ワイヤケーブルは、前記中継器の前端連結地点と前記アンテナモジュールの後端連結地点との間の直線距離よりも長いワイヤ形状に備えられ、前記ワイヤケーブルの余裕長さ部分は、前記固定部の内部空間に収納される。
【0023】
また、前記アンテナモジュールは、1つの前記中継器に少なくとも2つ以上が設置可能であり、前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器に設けられる前記アンテナモジュールの個数に対応して備えられる。
【0024】
また、前記中継器は、建物の室内または室外の壁面に対して垂直に密着設置される。
【0025】
また、前記中継器は、室内または室外の天井に相当する構造物の下部面に水平に密着設置される。
【0026】
また、前記中継器は、室内または室外の天井に相当する構造物のうち天井仕上材の内部に埋め込み設置される。
【0027】
また、前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器に対して垂直に配置された延長部と、前記延長部の端部に備えられた少なくとも1つ以上の固定部と、前記固定部それぞれに対して前記アンテナモジュールが結合されるように備えられかつ、前記固定部の内部空間に後端部が収容結合され、外側端が上下方向および左右方向を含む四方にチルティングおよびステアリング動作するムービング部とを含むことができる。
【0028】
また、前記中継器は、室内または室外の天井に相当する構造物のうち天井仕上材の内部に埋め込み設置されかつ、前記アンテナクランピングユニットに設けられるアンテナモジュールの送信機および受信機の規格に対応する個数で設けられる。
【0029】
また、前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器の個数が2つ以上の場合、前記延長部、前記固定部、および前記ムービング部は、前記中継器の個数に対応して備えられる。
【0030】
また、前記アンテナクランピングユニットは、前記中継器の個数が2つ以上の場合、前記延長部は1つであり、前記固定部および前記ムービング部は、前記中継器の個数に対応して備えられる。
【0031】
また、前記中継器の個数が2つ以上であって、室内または室外の天井に相当する構造物のうち天井仕上材の内部に埋め込み設置される時、前記延長部は、前記ワイヤケーブルが隠匿設置されるように前記天井仕上材を内外部に貫通させるように固定される。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一実施例による基地局用アンテナ装置によれば、次のような多様な効果を達成することができる。
【0033】
第一、アンテナクランピングユニットを介して中継器とアンテナモジュールとの間の電気的な連結機能を行うワイヤケーブルの外部露出を防止可能なため、インビル設置時に美観が低下するのを防止できる効果を有する。
【0034】
第二、中継器は固定されたままアンテナモジュールのみをチルティングおよびステアリング動作させることが可能なため、空間レンタル費用の上昇を防止できる効果を有する。
【0035】
第三、室内(家屋)の壁面および天井などのインビル設置が容易な構造を有することにより、設置適合性を向上させることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来技術による基地局用アンテナ装置の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施例による基地局用アンテナ装置の外観を示す斜視図である。
図3図2の分解斜視図である。
図4図2の正面図およびA-Aに沿った断面図である。
図5図4の構成のうちアンテナクランピングユニットを示す一部断面図である。
図6図2の側面図である。
図7A図2の構成のうち中継器の仕様が異なる実施例を示す斜視図である。
図7B図2の構成のうち中継器の仕様が異なる実施例を示す分解斜視図である。
図7C図2の構成のうち中継器の仕様が異なる実施例を示す側面図である。
図8A】家屋の天井面に設置された本発明の第2実施例による基地局用アンテナ装置の外観を示す斜視図である。
図8B】家屋の天井面に設置された本発明の第2実施例による基地局用アンテナ装置の外観を示す分解斜視図である。
図8C】家屋の天井面に設置された本発明の第2実施例による基地局用アンテナ装置の外観を示す正面図である。
図8D】家屋の天井面に設置された本発明の第2実施例による基地局用アンテナ装置の外観を示す一部切開斜視図である。
図9】室内または室外建物の壁面に設置された本発明の第3実施例による基地局用アンテナ装置の外観を示す斜視図である。
図10図9の分解斜視図である。
図11図8A図8Dの変形例であって、本発明の第4実施例による基地局アンテナ装置の下方斜視図(a)および上方斜視図(b)である。
図12図11の(a)の部分切開斜視図である。
図13A図8A図8Dの他の変形例であって、本発明の第5実施例による基地局アンテナ装置の下方部分切開斜視図である。
図13B図8A図8Dの他の変形例であって、本発明の第5実施例による基地局アンテナ装置の上方部分切開斜視図である。
図14】天井内部における単一アンテナクランピングユニットに対するマルチアンテナモジュールのケーブル連結の様子を示す下方斜視図(a)および上方斜視図(b)である。
図15】天井内部における単一アンテナクランピングユニットに対するマルチアンテナモジュールのケーブル連結の様子を示す下方斜視図(a)および上方斜視図(b)である。
図16】天井内部における単一アンテナクランピングユニットに対するマルチアンテナモジュールのケーブル連結の様子を示す下方斜視図(a)および上方斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の一実施例による基地局用アンテナ装置の実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0039】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または手順などが限定されない。また、他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0040】
図2は、本発明の第1実施例による基地局用アンテナ装置の外観を示す斜視図であり、図3は、図2の分解斜視図であり、図4は、図2の正面図およびA-Aに沿った断面図であり、図5は、図4の構成のうちアンテナクランピングユニットを示す一部断面図であり、図6は、図2の側面図である。
【0041】
本発明の一実施例による基地局用アンテナ装置100は、図2図6に示されるように、所定の場所に設置される中継器120およびアンテナモジュール110を含む。ここで、本発明の一実施例による基地局用アンテナ装置100が設置される前記所定の場所は、建物の室内および室外壁面または天井に限るものであって、少なくとも後述する構成のうち、中継器120の形状がインビル設置に適した構造に形成される。
【0042】
アンテナモジュール110は、少なくとも1つの周波数帯域を有するアンテナモジュールを指すことができる。また、中継器120は、RRH(Remote Radio Head)であって、アンテナモジュール110に提供されるそれぞれの周波数帯域別のアンテナに連結されて、アンテナおよび基地局間の送/受信する装置を指す。
【0043】
中継器120は、移動通信システムの基地局と移動通信端末との間で、弱くなった信号を受けて増幅または再送信したり、歪まれた波形を整形化し、タイミングを再調整するなどの機能を行う中継装置である。
【0044】
本発明の一実施例による基地局用アンテナ装置100は、図示しないが、一般的に建物の室内または室外の壁面に先に中継器120が装着され、中継器120の前面に後述するアンテナクランピングユニット200を介してアンテナモジュール110がチルティングおよびステアリング可能に装着される。
【0045】
しかし、必ずしも本発明の実施例が図2図6に示されるように室内の壁面に装着されるべきではなく、図8A以下に示されるように、室内(家屋)の天井にも設置可能であることは言うまでもない。これについては、後により詳細に説明する。
【0046】
アンテナモジュール110は、図4に示されるように、アンテナハウジング111と、アンテナハウジング111の前面を覆うように備えられ、アンテナハウジング111との間に所定の空間を形成するレドーム113とを含むことができる。
【0047】
アンテナハウジング111の所定の空間には、印刷回路基板形態のアンテナボード115が設けられ、アンテナボード115の前面には複数の放射素子が実装配置される。アンテナボード115に実装配置される放射素子は、アンテナの種類ごとに異なっていてもよいが、本発明の一実施例では、ダイポールタイプの素子(ダイポール素子、117)が採用されたものと説明する。しかし、必ずしも放射素子がダイポール素子で備えられる必要はなく、パッチタイプのパッチ素子で備えられても構わない。
【0048】
一方、本発明の一実施例による基地局用アンテナ装置100は、図2図6に示されるように、中継器120の前面に対する結合を媒介するアンテナクランピングユニット200をさらに含むことができる。
【0049】
より詳しくは、中継器120は、図2図6に示されるように、室内の壁面に密着設置される取付パネル部121と、取付パネル部121の前方に設けられ、その間に所定の空間を有するハウジング部123とを含み、所定の空間には多様な内部構成品が設けられる。
【0050】
中継器120の内部に設けられる内部構成品は、図示しないものの、ボード(main board)と、2つの電源増幅部(PAU:Power Amplifying Unit)および電源供給部(PSU:Power Supplying Unit)とを含むことができる。
【0051】
中継器120のうちハウジング部123の前面には多数のヒートシンクフィン125が一体に形成されて、所定の空間上で発生したシステム熱を多数のヒートシンクフィン125を介して外部に放熱させることができる。
【0052】
一方、ハウジング部123の前面には多数のヒートシンクフィン125の一部が四角形状の面に削除された取付溝部127が備えられ、取付溝部127にアンテナクランピングユニット200が複数の組立ねじ215を用いて結合される。しかし、必ずしもアンテナクランピングユニット200の設置のためにハウジング部123の前面に四角形状の面に削除された取付溝部127の形態で備えられる必要はなく、後述する図9以下に示される他の実施例100’のように、アンテナクランピングユニット200の各連結部分に相当する端部形状に合った円形またはその他のいかなる形状の結合端形状に形成されることも可能である。
【0053】
ここで、アンテナクランピングユニット200は、前後方向に開口した円筒形状に備えられた固定部210と、固定部210の開口した前方部に後端部が挿入設置され、前端部にアンテナモジュール110が結合されるムービング部220とを含むことができる。
【0054】
固定部210の内部に収容設置されたムービング部220の後端部は、略後方が開口した半球形状に形成され、固定部210の前端部によって係止されて外部(特に、前方)に離脱しないように設けられる。
【0055】
また、ムービング部220は、前方と後方が開口して固定部210の内部空間と連通し、固定部210とムービング部220との連通した内部空間には、中継器120とアンテナモジュール110との間の電気的な連結を行うワイヤケーブルCが設けられる。
【0056】
ここで、ワイヤケーブルCは、アンテナモジュール110の後述するチルティングおよびステアリング動作が可能に少なくとも中継器120の前端連結地点とアンテナモジュール110の後端連結地点との間の直線距離よりも長いワイヤ形状に備えられ、ワイヤケーブルCの余裕長さ部分は、固定部210の内部空間にねじれが防止されたまま収納される。したがって、外部からワイヤケーブルCが隠匿されるように設けられることから、美観が低下するのを防止することができる。
【0057】
ムービング部220は、固定部210に対して上下または左右方向を含む四方に所定の角度を維持できるようにチルティングおよびステアリング動作可能である。ここで、「チルティング動作」という用語は、アンテナモジュール110の上端と下端が前後方向にスイングされるすべての動作を含む概念であり、「ステアリング動作」という用語は、アンテナモジュール110の左側端と右側端が左右方向にスイングされるすべての動作を含む概念である。
【0058】
本発明の一実施例による基地局用アンテナ装置100において、ムービング部220は、アンテナモジュール110のチルティング動作およびステアリング動作のいずれか1つのみが行われるのではなく、チルティング動作およびステアリング動作がすべて同時に行われるように備えられる。
【0059】
より詳しくは、ムービング部220は、固定部210の内部に収容された後端部の任意の基準点を中心に前端が上下または左右方向を含む四方に所定の角度チルティングおよびステアリング動作可能である。
【0060】
ムービング部220の前端がチルティングおよびステアリング動作することにより、前端に結合されたアンテナモジュール110もチルティング動作およびステアリング動作が可能であり、設計者が所望する方向へのアンテナモジュール110の方向性調整を行うことができる。
【0061】
ここで、ムービング部220は、固定部210との間に存在する多少の摩擦力を有したままチルティングおよびステアリング動作が行われる。このために、固定部210の内部面またはムービング部220の後端部外部面には、互いに所定の摩擦力を形成する摩擦パッド(または摩擦部材)がさらに備えられる。
【0062】
しかし、必ずしもムービング部220と固定部210との間に摩擦力を提供するための部材として前記摩擦パッドに制限されるものではない。すなわち、図5に示されるように、固定部210の前端部内側にガスケット溝218が形成され、ガスケット溝218に弾性材質(例えば、ゴム材質)のガスケットリング219が介在してムービング部220と固定部210との間で摩擦力を形成することができる。ガスケット溝218に介在したガスケットリング219は、ムービング部220と固定部210との間に摩擦力を形成することにより、ムービング部220がチルティングまたはステアリング動作の実行時に微細調整可能にすると同時に、雨水などを含む外部異物の流入を防止する防水機能を行うことができる。
【0063】
一方、図示しないが、アンテナクランピングユニット200は、ムービング部220が固定部210に対して所定の角度にチルティングおよびステアリング動作した後、ムービング固定点でムービング部220を固定部210に固定させるムービングロック部がさらに備えられる。
【0064】
ムービングロック部は、固定部210に対してムービング部220を固定させる構成であればいかなる手段も採用可能であり、一例として、ムービング部220の後端部が収容された固定部210の外側を貫通してムービング部220のいずれか一部と干渉する固定ボルトなどによって実現できる。ここでの固定ボルトは、無頭ボルト(頭部のないボルト)で備えられて、固定部210の外部に突出しないように設けられる。
【0065】
このように、本発明の一実施例による基地局用アンテナ装置100によれば、アンテナクランピングユニット200によって、中継器120とアンテナモジュール110との間を連結するワイヤケーブルCの外部露出を控えて美観が低下するのを防止することはもちろん、アンテナモジュール110のみをチルティングおよびステアリング動作させ、中継器120のチルティングおよびステアリング動作は行われないようにすることにより、空間活用性を極大化させることができるという利点を有する。
【0066】
図7A図7Cは、図2の構成のうち中継器の仕様が異なる実施例を示す斜視図、分解斜視図および側面図である。
【0067】
図7A図7Cに示されるように、本発明の第1実施例による基地局用アンテナ装置100において、アンテナモジュール110は、ダイポールタイプ(またはパッチアンテナ素子)が共通に適用された同一の仕様であるが、中継器120の仕様のみ異なっていてもよい。
【0068】
より詳しくは、図2図6に示された中継器120に比べて、図7A図7Cに示された中継器120は、左右方向の幅は相対的に短いが、上下方向の長さは相対的により大きい仕様で備えられる。この時、アンテナモジュール110の設置位置は、アンテナモジュール110の重量とチルティング動作およびステアリング動作を考慮して適切な位置に設定されることが好ましい。
【0069】
特に、図7A図7Cに示された中継器120の場合、相対的に上下方向の長さが大きく形成されるという点で、上下に2つ以上のアンテナモジュール110が設けられるという利点を提供することができる。
【0070】
図8A図8Dは、家屋の天井面に設置された本発明の第2実施例による基地局用アンテナ装置の外観を示す斜視図(図8A)、分解斜視図(図8B)、正面図(図8C)および一部切開斜視図(図8D)である。
【0071】
図8A図8Dに示されるように、本発明の第2実施例による基地局用アンテナ装置100は、図2図7Cに示されるような室内の壁面に対する設置のみならず、建物の室内または室外の天井面のような構造物(例えば、天井仕上材)に対しても設置が可能である。
【0072】
この時、中継器120は、図8A図8Dに示されるように、左右方向(水平方向)に長く配置し、中継器120の幅端部のいずれか1つを天井用取付ブラケット150Cを介して天井をなす天井仕上材の下部面に固定させた後、アンテナモジュール110を中継器120の前面側に上述のように設けることも可能である。
【0073】
しかし、必ずしも中継器120を左右方向に長く配置することに限定されるものではなく、実施例によっては、上下方向に長く配置することも可能であろう。
【0074】
また、後述する第4実施例および第5実施例として、図11以下に示されるように、天井をなす天井仕上材の内部に中継器120が埋め込まれるように設置される実施例では、中継器120は、天井仕上材の内部面(上面)に対して取付パネル部121に相当する部分が密着配置できることは言うまでもない。これについては、後により詳細に説明する。
【0075】
図9は、室内または室外建物の壁面に設置された本発明の第3実施例による基地局用アンテナ装置の外観を示す斜視図であり、図10は、図9の分解斜視図である。
【0076】
先に説明した図2図7Cに示された本発明の第1実施例による基地局用アンテナ装置100は、1つの中継器120に対して単一のアンテナモジュール110が設けられる実施例で実現されたものである。
【0077】
しかし、必ずしも本発明の第1実施例のように1つの中継器120に単一のアンテナモジュール110のみが設けられる実施例に限定されるものではなく、図9および図10に示されるように、1つの中継器120に2つ以上(すなわち、複数個)のアンテナモジュール(図9および図10の図面符号の「110A、110B」参照)が設置可能であることは言うまでもない。
【0078】
これは、アンテナクランピングユニット200は、中継器120の個数が2つ以上の場合、延長部230、固定部210、およびムービング部220も、中継器120の個数に対応して備えられることを意味する。
【0079】
ここで、2つのアンテナモジュール110A、110Bが1つの中継器120に設けられる場合には、各アンテナモジュール110A、110Bによる独立した送受信機能が行われるように、1つの中継器120の内部には、ボード(main board)と、2つの電源増幅部(PAU:Power Amplifying Unit)および電源供給部(PSU:Power Supplying Unit)とがアンテナモジュールの個数に対応するように備えられる。
【0080】
これとともに、アンテナクランピングユニット200も同じく、アンテナモジュール110A、110Bの個数に対応して備えられる(図9および図10の図面符号「200A、200B」参照)。これは、アンテナクランピングユニット200の中継器120の個数に対応して備えられることとは軌跡を異にする意味を有する。
【0081】
ただし、図2図7Cに示された本発明の第1実施例による基地局用アンテナ装置100において、固定部210の開口した後端部が中継器120のハウジング部123の前面に直接設けられるのに対し、図9および図10に示された本発明の第3実施例による基地局用アンテナ装置100’において、アンテナクランピングユニット200A、200Bは、固定部210が中継器120のハウジング部123の前面に対して離隔するように平行に配置され、固定部210の開口した一側先端とハウジング部123の前面に形成された中継器側結合端127’に連結されるように延長具備された延長部230をさらに含むことができる。
【0082】
ここで、ムービング部220の開口した先端にはリング形状の締結端229が備えられ、ムービング部220の締結端229がアンテナモジュール110A、110Bの背面に備えられたアンテナ側結合端119に締結スクリュー(図示せず)などを用いて強固に締結できる。
【0083】
前記のような中継器120は、室内または室外の壁面Wに対して取付ブラケット150Wおよびこれに締結される複数のボルトなどの締結部材129を介して手軽に装着できる。
【0084】
このように、本発明の第3実施例による基地局用アンテナ装置100’によれば、1つの中継器120に複数のアンテナモジュール110A、110Bをそれぞれ所望の方向にビームチルティングおよびステアリング動作を実現させて方向性調整が行われるように実現可能であることはもちろん、コンパクトでありながらも、ワイヤケーブルCの露出を最大限に控えて美観が低下するのを防止できるという利点を奏することができる。
【0085】
図11は、図8A図8Dの変形例であって、本発明の第4実施例による基地局アンテナ装置の下方斜視図(a)および上方斜視図(b)であり、図12は、図11の(a)の部分切開斜視図である。
【0086】
本発明の第4実施例による基地局用アンテナ装置100’は、図8A図8Dに示された本発明の第2実施例100のように、室内(家屋)の天井または室外でも天井と類似の構造物に対する設置が可能であることはもちろん、外観美の改善のために少なくとも中継器を天井に相当する構造物(例えば、天井仕上材)の内部に埋め込み設置することも可能である。
【0087】
より詳しくは、図11および図12を参照すれば、天井に相当する構造物である天井仕上材の内部面(上面)に中継器120を取付パネル部121に相当する部位が密着するように取付ブラケット150Cを介して載置設置し、ムービング部220の延長部230を介して中継器120の取付パネル部121にワイヤケーブルCによる電気的な連結が可能に複数のアンテナモジュール110A、110Bを設けることができる。
【0088】
この時、天井に相当する構造物である天井仕上材には、ワイヤケーブルCの貫通連結のために、アンテナクランピングユニット200A、200Bの各延長部230に相当する部分が上下方向に貫通形成された貫通部Hが備えられることが好ましい。
【0089】
このように、本発明の第4実施例による基地局用アンテナ装置100’は、天井のような構造物の内側に少なくとも中継器120を埋め込み設置することにより、ワイヤケーブルCの外観露出のみならず、中継器120の外部露出をさらに抑制することにより、美観が低下することを最大限に防止できるという利点を有する。この時、アンテナモジュール110A、110Bは、外部に露出していることから、チルティング動作およびステアリング動作による方向性調整の面では、本発明の第1実施例および第2実施例による基地局用アンテナ装置100と差異がない。
【0090】
図13Aおよび図13Bは、図8A図8Dの他の変形例であって、本発明の第5実施例による基地局アンテナ装置の下方部分切開斜視図および上方部分切開斜視図である。
【0091】
先に説明した本発明の第1実施例~第4実施例による基地局用アンテナ装置100、100’は、1つのアンテナクランピングユニット200、200A、200Bにそれぞれ1つのアンテナモジュール110、110A、110Bが設けられるものと前提して説明しているが、必ずしも1つのアンテナクランピングユニット200に1つのアンテナモジュール110が設けられるべきではなく、図13Aおよび図13Bに示されるように、1つのアンテナクランピングユニット200に複数のアンテナモジュール110A~110Cが設けられてもよい。
【0092】
すなわち、アンテナクランピングユニット200は、中継器120の個数が2つ以上の場合であって、延長部230は1つであり、固定部210およびムービング部220は、中継器120の個数に対応して備えられることを意味する。
【0093】
より詳しくは、アンテナクランピングユニット200は、図13Aおよび図13Bに示されるように、天井を貫通して中継器120の取付パネル部121に垂直に結合される単一延長部230と、単一延長部230から延びるように備えられ、少なくとも2以上のアンテナモジュール(本発明の第5実施例では3つ、図面符号100A~100C参照)がそれぞれ設置可能に備えられた3つの固定部210A、210B、210Cと、固定部210A、210B、210Cそれぞれに対してチルティングおよびステアリング動作可能に連結される3つのムービング部(図面符号220A、220B、220C参照)とを含むことができる。
【0094】
このように、単一延長部230に対して延長形成された3つの固定部210A、210B、210Cおよびムービング部220A、220B、220Cにそれぞれアンテナモジュール110A、110B、110Cを所望の方向にチルティングおよびステアリング動作による方向性調整が可能であることから、美観が阻害されるのを防止しながらも、全体的にコンパクトな基地局用アンテナ装置の設置が可能という利点を提供する。
【0095】
ここで、単一延長部230の上端は、天井をなす天井仕上材に形成された貫通部Hを介して直接中継器120の一面に結合できることは言うまでもない。
【0096】
より詳しくは、中継器120の個数が2つ以上であって、室内または室外の天井に相当する構造物のうち天井仕上材の内部に埋め込み設置される時、延長部230は、ワイヤケーブルCが隠匿設置されるように天井仕上材を内外部に貫通させるように固定される。
【0097】
図14図16は、天井内部における単一アンテナクランピングユニットに対するマルチアンテナモジュールのケーブル連結の様子を示す下方斜視図(a)および上方斜視図(b)である。
【0098】
本発明による基地局用アンテナ装置の実施例は、1つのアンテナクランピングユニット200に複数のアンテナモジュール110A”~110C”が設けられる。この場合、アンテナモジュール110A”~110C”それぞれのアンテナ基板(図示せず)に4つの送信機(4T)および4つの受信機(4R)が機能するように4T4Rの規格を有する場合には、このようなアンテナモジュール110A”~110C”の規格に対応する個数の中継器120が必要である。
【0099】
例えば、図14に示されるように、中継器120の規格が8T8R用に採用された場合、必ずしも2つの中継器を必要とするものではなく、天井の下部面に4T4R規格の2つのアンテナモジュール110A”、110B”が設けられる場合、8T8R用の1つの中継器120だけが天井の内部に設けられることも可能であることは言うまでもない。
【0100】
また、図15に示されるように、1つのアンテナクランピングユニット200に必ずしも3つのアンテナモジュール110A”、110B”、110C”が設けられるべきではなく、2つのアンテナモジュール110A”、110B”だけが設けられることも可能であり、この場合、アンテナモジュール110A”、110B”の規格が4T4Rの場合、天井の内部に設けられる中継器120も、同一規格に対応する4T4R用の2つ(図面符号、120Aおよび120B参照)が設けられることも可能である。
【0101】
そして、図16に示されるように、天井の下部面に露出するように1つのアンテナクランピングユニット200に3つのアンテナモジュール110A”、110B”、110C”が設けられた場合であって、各アンテナモジュールが4T4Rの規格を有する場合、天井の内部には4T4Rの規格に対応する3つの中継器120A、120B、120Cが設けられてもよい。
【0102】
この場合、3つの中継器120A、120B、120Cの長手方向の端部には、各送信機および受信機(4T4R)に対応するワイヤケーブルCが連結されるコネクティング端子122a~122dが備えられ、各コネクティング端子122a~122dに連結された4つのワイヤケーブルCが束単位で連結されて、天井を上下に貫通するように形成された貫通部Hを介してアンテナクランピングユニット200のうち延長部230を介して外部から隠匿された状態で各アンテナモジュール110A”、110B”、110C”に電気的に連結可能である。
【0103】
このようなワイヤケーブルCの設置特徴は、図14および図15の場合にも同じく適用可能である。
【0104】
このように、単一延長部230および固定部210に対して結合された2つ以上(好ましくは、3つ以上)のムービング部220にそれぞれアンテナモジュール110A”~110C”を所望の方向にチルティングおよびステアリング動作による方向性調整が可能であることから、美観が阻害されるのを防止しながらも、全体的にコンパクトな基地局用アンテナ装置の設置が可能という利点を提供する。
【0105】
以上、本発明の実施例による基地局用アンテナ装置を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した一実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による多様な変形および均等な範囲での実施が可能であることは言うまでもない。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、ソケットピン接続構造ではないケーブルを用いた電気的な連結構造を有しながらも、ケーブルの外観露出を防止し、中継器のチルティング動作なくても単独でアンテナモジュールのチルティングが可能であり、室内(家屋)の壁面および天井などのインビル設置が容易な構造を有する基地局用アンテナ装置を提供する。
【符号の説明】
【0107】
100:基地局用アンテナ装置 110:アンテナモジュール
111:アンテナハウジング 113:レドーム
115:アンテナボード 117:ダイポール素子
120:中継器 121:取付パネル部
123:ハウジング部 125:多数のヒートシンクフィン
127:取付溝部 200:アンテナクランピングユニット
210:固定部 220:ムービング部
S:内部空間 C:ワイヤケーブル

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
【国際調査報告】